(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、実施の形態について、添付の図面を参照して説明する。
【0012】
(第1実施形態)
図1〜
図4は第1実施形態のプローブカードの製造方法を示す図、
図5は第1実施形態のプローブカードを示す図である。本実施形態では、プローブカードの製造方法を説明しながらプローブカードの構造について説明する。
【0013】
第1実施形態のプローブカードの製造方法では、
図1(a)に示すように、まず、金属基材として、厚みが200μm程度の銅(Cu)箔10を用意する。銅箔10の代わりに、ニッケル(Ni)箔などの他の金属基材を使用してもよい。
【0014】
次いで、
図1(b)に示すように、銅箔10の上に、その四角状の表面領域に複数の開口部11aが配置されためっきレジスト11をフォトリソグラフィに基づいて形成する。さらに、
図1(c)に示すように、めっきレジスト11の開口部11aを通して銅箔10を厚みの途中までウェットエッチングすることにより凹部10xを形成する。
【0015】
これにより、銅箔10の四角状の表面領域に複数の凹部10xが並んで配置される。例えば、凹部10xの直径は30μm程度であり、凹部10xの深さは20μm〜50μmであり、凹部10xの配置ピッチは40μm程度である。
【0016】
続いて、
図2(a)に示すように、銅箔10をめっき給電経路に利用する電解めっきにより、銅箔10の凹部10xの内面に厚みが2μm〜5μmの金(Au)めっき層12を形成する。金めっき層12は、銅箔10の凹部10xの内面に沿って形成され、凹部10x内に孔が残される。
【0017】
その後に、
図2(b)に示すように、めっきレジスト11が除去される。これにより、銅箔10の表面の四角領域に、内面に金めっき層12が形成された複数の凹部10xが配置される。このようにして、表面領域に複数の凹部10xを形成した銅箔10を用意する。
【0018】
次いで、
図3(a)に示すように、厚み方向に貫通する開口部5aが中央に設けられた枠状の配線基板5を用意する。配線基板5では、第1絶縁層21の上に第1配線層31が形成されている。
【0019】
第1絶縁層21の上には、第1配線層31に到達する第1ビアホールVH1が設けられた第2絶縁層22が形成されている。第2絶縁層22の上には第1ビアホールVH1を介して第1配線層31に接続される第2配線層32が形成されている。
【0020】
さらに同様に、第2絶縁層22の上には、第2配線層32に到達する第2ビアホールVH2が設けられた第3絶縁層23が形成されている。第3絶縁層23の上には第2ビアホールVH2を介して第2配線層32に接続される第3配線層33が形成されている。
【0021】
第1〜第3絶縁層21,22,23は樹脂などから形成され、第1〜第3配線層31,32、33は銅などから形成される。
【0022】
配線基板5の開口部5aの側面は階段状に形成されている。第1絶縁層21は第2絶縁層22の端から内側に突き出るリング状の第1階段面S1を備えている。そして、第1絶縁層21の第1階段面S1の上に第1接続パッドP1が形成されている。
【0023】
また、第2絶縁層22は第3絶縁層23の端から内側に突き出るリング状の第2階段面S2を備えている。そして同様に、第2絶縁層22の第2階段面S2の上に第2接続パッドP2が形成されている。
【0024】
第1、第2接続パッドP1、P2は、第1、第2配線層31、32にそれぞれ繋がっている。また、第1、第2接続パッドP1、P2は、表面にニッケル/金めっき層などのコンタクト層を備えている。
【0025】
配線基板5の開口部5aの面積は、前述した複数の凹部10xが配置された銅箔10の四角領域よりも一回り大きな面積に設定される。
【0026】
配線基板5としては各種のものを使用できるが、例えば、ガラスエポキシ樹脂を基板として使用するプリント配線板を使用することで低コスト化を図ることができる。
【0027】
このようにして、開口部5aとその周辺の上面に配置された第1、第2接続パッドP1,P2とを備えた配線基板5を用意する。
【0028】
続いて、
図3(b)に示すように、
図3(a)の配線基板5の下面を接着層13によって銅箔10の上に接着する。これにより、配線基板5の開口部5a内に銅箔10の複数の凹部10xが一括して露出した状態となる。接着層13としては、例えば、エポキシ樹脂系の接着シート、又はエポキシ樹脂系の液状の接着剤などが使用される。
【0029】
次いで、
図4(a)に示すように、ワイヤボンディング法に基づいて、ワイヤボンダのキャピラリ(不図示)からはみ出した金ワイヤ16の先端部を放電により球状に丸める。そして、キャピラリを下降して金ワイヤ16の先端球状部を銅箔10の凹部10xの金めっき層12に接触させ、加熱及び超音波振動によって金めっき層12に接合する。
【0030】
その後に、キャピラリを上昇させ、金ワイヤ16を配線基板5の第1接続パッドP1に移動し、金ワイヤ16と第1接続パッドP1との接合を行う。
【0031】
このようにして、銅箔10の凹部10x内と配線基板5の第1接続パッドP1とを金ワイヤ16で接続する。これにより、銅箔10の凹部10xが金めっき層12及びワイヤボンダからの金電極14によって埋め込まれ、金めっき層12及び金電極14からプローブカードの接触端子Tが得られる。この時点では、プローブカードの接触端子Tは銅箔10に埋め込まれた状態となっている。
【0032】
接触端子Tはそれに接続される金ワイヤ16を介して配線基板5の第1接続パッドP1に電気的に接続される。
【0033】
同様なワイヤボンディング工程を繰り返すことにより、銅箔10の全ての凹部10x内に接触端子Tを形成すると共に、各接触端子Tを配線基板5の第1、第2接続パッドP1,P2に金ワイヤ16を介して電気的に接続する。
【0034】
接触端子Tの数によって配線基板5の階段面の数が調整される。本実施形態では、2つの第1、第2階段面S1,S2に第1、第2接続パッドP1,P2を配置しているが、接触端子Tの数に合わせて、階段数を増やすことで接続パッドの数を増加させることができる。
【0035】
本実施形態では、接触端子Tの配置ピッチはワイヤボンディング技術の限界スペックにより決定される。直径が18μmのワイヤを使用する場合は、ワイヤの配置ピッチを40μm程度に狭ピッチ化することが可能である。さらには、直径が15μmのワイヤを使用する場合は、配置ピッチを35μm程度にさらに狭ピッチ化することができる。
【0036】
本実施形態では、ワイヤボンディング法で信頼性よく銅箔10の凹部10xに金電極14を充填するために、銅箔10の凹部10xに金めっき層12を形成した後に、金電極14を形成している。これ以外に、金めっき層12を省略して、銅箔10の凹部10xにワイヤボンディング法で金電極14を直接形成することも可能である。この場合は、接触端子Tは金電極14のみから形成される。
【0037】
また、銅箔10の凹部10xに埋め込まれる金属電極として金電極14を例示するが、金ワイヤ16の代わりに銅ワイヤを使用し、銅箔10の凹部10xの金めっき層12の上に銅電極を埋め込んでもよい。
【0038】
次いで、
図4(b)に示すように、複数の金ワイヤ16が配置された配線基板5の開口部5aに粘度の低い液状樹脂を塗布して開口部5a内に液状樹脂を充填する。その後に、液状樹脂を加熱処理によって硬化させることにより、複数の金ワイヤ16を樹脂部40の中に埋め込む。
【0039】
樹脂部40は弾性を有する樹脂材料又はゴム材料から形成される。好適な一例としては、シリコーン系の低弾性樹脂又はフッ素ゴムなどのヤング率が1MPa〜10MPaの材料が使用される。あるいは、アクリル系の低弾性樹脂、又はウレタンゴムなどを使用してもよい。
【0040】
次いで、
図5に示すように、銅箔10をウェットエッチングにより除去する。銅箔10のエッチャントとしては、塩化第二鉄水溶液、又は塩化第二銅水溶液などがある。これにより、接触端子Tの金めっき層12、樹脂部40及び接着層13に対して銅箔10を選択的に除去することができる。このようにして、樹脂部40の下面に金めっき層12及び金電極14から形成される複数の接触端子Tが得られる。
【0041】
あるいは、銅箔10の代わりに、ニッケル箔を使用する場合は、エッチャントとして、過酸化水素水と硝酸の混合液などが使用され、同様に下地に対して選択的に除去することができる。
【0042】
金属基材として、銅箔10やニッケル層を例示するが、接触端子T、樹脂部40及び接着層13に対して選択的に除去できる金属であればよく、他の金属材料を使用することも可能である。
【0043】
以上により、
図5に示すように、第1実施形態のプローブカード1が得られる。
【0044】
図5に示すように、第1実施形態のプローブカード1は、前述した
図3(a)で説明した中央に開口部5aが設けられた枠状の配線基板5を備えている。
【0045】
配線基板5の開口部5aの側面は階段状になっており、下から順に、第1階段面S1及び第2階段面S2を備えている。第1階段面S1に第1接続パッドP1が形成され、第2階段面S2に第2接続パッドP2が形成されている。このように、配線基板5は開口部5aの周辺の上面に第1、第2接続パッドP1,P2を備えている。
【0046】
図6(a)は
図5を上面側Aからみた縮小平面図、
図6(b)は
図5を下面側Bからみた縮小平面図である。
【0047】
図6(a)を加えて参照すると、配線基板5の中央の四角状の開口部5aに樹脂部40が充填されている。
図6(a)の例では、配線基板5の上面側のリング状の領域にパッド状の複数の第3配線層33が並んで配置されている。
【0048】
さらに、
図6(b)を加えて参照すると、配線基板5の開口部5aに充填された樹脂部40の下面側に、金めっき層12及び金電極14から形成された複数の接触端子Tが並んで配置されている。接触端子Tの金めっき層12は電解めっきで形成され、金電極14はワイヤボンディング法で形成される。
【0049】
金めっき層12を省略し、接触端子Tが金電極14のみから形成されるようにしてもよい。
【0050】
さらに、
図5に示すように、各接触端子Tは金ワイヤ16を介して配線基板5の第1、第2接続パッドP1,P2にそれぞれ電気的に接続されている。各金ワイヤ16は樹脂部40の中に埋め込まれて樹脂部40で保持されている。配線基板5の接続パッドが配置される階段面の数は、接触端子Tの数に合わせて適宜調整される。
【0051】
樹脂部40はシリコーン系の低弾性樹脂やフッ素ゴムなどから形成され、適度な弾性を有する。金ワイヤ16は樹脂部40の中で引き回しされて、金ワイヤ16の先端に配置された接触端子Tが樹脂部40の下面から突出して露出している。これにより、弾性を有する樹脂部40を下側に押圧することにより、接触端子Tに適切な接触圧をかけることができる。
【0052】
また、本実施形態のプローブカード1は、プリント配線板、ワイヤボンディング技術、樹脂封止、銅箔のウェットエッチングなどの従来の工場ラインで実施可能な技術によって製造することができる、このため、プローブカードを歩留りよく低コストで製造することができる。
【0053】
次に、第1実施形態のプローブカード1を使用して被検査対象の電気特性を測定する方法について説明する。
【0054】
図7に示すように、プローブカード1の第3配線層33(パッド)に計測器などの検査用装置(不図示)の端子が電気的に接続され、検査用装置からプローブカード1を介して被検査対象に各種の試験信号が供給されて被検査対象の電気特性が測定される。
【0055】
図7には、インターポーザなどの配線基板の電気特性を測定する例が示されている。ステージ6の上に配置された測定用の配線基板50の電極パッド52にプローブカード1の接触端子が接触するように、プローブカード1を配線基板50の上に配置する。
【0056】
さらに、プローブカード1の樹脂部40の上に押圧機構54を配置し、樹脂部40を下側に押圧する。押圧機構54の押圧力は、ロードセルなどの荷重検出手段で検出されて調整される。
【0057】
前述したように、樹脂部40は適度な弾性を有するため、押圧機構54からの押圧力に追随して全ての接触端子Tを適度な接触圧で配線基板50の電極パッド52に押し付けることができる。
【0058】
このように、本実施形態のプローブカード1は、接触端子Tの接触圧を調整するための押圧機構54を備えている。これにより、検査用装置から電流を配線基板50に供給することに基づいて、配線基板50の抵抗値の測定などの電気的な検査を信頼性よく行うことができる。
【0059】
また、本実施形態のプローブカード1は、接触端子Tが樹脂部40の水平な下面から突出する構造であり、移動機構(不図示)によって被検査対象の表面上を水平方向に走査できる。このため、検査ポイントの多い被検査対象であっても迅速に検査することができる。
【0060】
また、本実施形態のプローブカード1は、4端子検査によって配線基板50の抵抗値を測定することができる。一般的な2端子検査では、プローブカード1の配線抵抗、及び接触端子Tと配線基板50の電極パッド52との接触抵抗を含むため、配線基板50のみの抵抗値を精密に測定することは困難である。
【0061】
しかし、4端子検査を採用することにより、電流を流す回路と電圧を測定する回路とを独立させるため、配線抵抗や接触抵抗を無視できるようなり、配線基板50の抵抗値を精密に測定することができる。
【0062】
図8に示すように、本実施形態のプローブカード1は4端子検査に対応するようになっている。配線基板50の一つの電極パッド52に、第1ワイヤ16aに接続された第1接触端子T1と、第2ワイヤ16bに接続された第2接触端子T2とが分離された状態でペアになって接触する。例えば、第1接触端子T1に接続される回路が電流供給回路となり、第2接触端子T2に接続される回路が電圧測定回路となる。
【0063】
図9(a)には、配線基板50の電極パッド52の配置の第1例が示されており、複数の電極パッド52が横方向及び縦方向の直線上に整列された格子配列で配置されている。
【0064】
図9(a)の配線基板50の各電極パッド52に配置される
図8のプローブカード1のペアの第1、第2接触端子T1,T2の配置は、
図9(b)のように横方向に並んで配置されてもよいし、あるいは、
図9(c)のように、縦方向に並んで配置されてもよい。
【0065】
あるいは、
図9(d)のように、
図8のプローブカード1のペアの第1、第2接触端子T1,T2の配置は、左斜め上方向に並んで配置されてもよいし、
図9(e)のように右斜め上方向に並んで配置されてもよい。
【0066】
また、
図10(a)には、配線基板50の電極パッド52の配置の第2例が示されており、複数の電極パッド52がパッド間のピッチの半分の位置に交互に整列された千鳥配列で配置されている。
【0067】
この場合も同様に、
図8のプローブカード1のペアの第1、第2接触端子T1,T2の配置は、
図10(b)のように横方向に並んで配置されてもよいし、あるいは、
図10(c)のように、縦方向に並んで配置されてもよい。
【0068】
あるいは、
図10(d)のように、
図8のプローブカード1のペアの第1、第2接触端子T1,T2の配置は、左斜め上方向に並んで配置されてもよいし、
図10(e)のように右斜め上方向に並んで配置されてもよい。
【0069】
また、
図11に示すように、配線基板50の一つの電極パッド52にプローブカード1の一つの接触端子Tを接触させ、その接触端子Tに第1ワイヤ16a及び第2ワイヤ16bが分離されて接続されるようにしてもよい。例えば、第1ワイヤ16aが電流供給回路となり、第2ワイヤ16bが電圧測定回路となる。
【0070】
このように、プローブカードの一つの接触端子に、分離された2本のワイヤを接続するようにしてもよい。
【0071】
この場合は、接触端子Tで電流回路及び電圧回路を共用しているため、疑似4端子検査となり、接触端子Tと配線基板50の電極パッド52との接触抵抗が含まれるが、2端子検査より精密に電気的な検査を行うことができる。
【0072】
なお、本実施形態では、被検査対象として、インターポーザなどの配線基板50を例示した。この他に、半導体回路が形成されたシリコンウェハなどの半導体基板、あるいは、配線基板に半導体チップが実装されたモジュール基板などの各種の電子部品の電気的な検査に使用することができる。
【0073】
また、プローブカード1の接触端子Tをエリアアレイ型で配置する例を示したが、接触端子Tを周縁のみに配置するペリフェラル型で配置してもよい。
【0074】
(第2実施形態)
図12〜
図13は第2実施形態のプローブカードの製造方法を示す図、
図14は第2実施形態のプローブカードを示す図である。第2実施形態では、配線基板から樹脂部が外側に突出し、樹脂部の突出部に接触端子が配置される。
【0075】
第2実施形態のプローブカードの製造方法では、
図12(a)に示すように、まず、第1実施形態と同様な銅箔10を用意する。そして、第1実施形態で説明した複数の凹部10xが配置される銅箔10の四角領域に開口部15aが一括して設けられた第1レジスト15をフォトリソグラフィに基づいて形成する。
【0076】
続いて、
図12(b)に示すように、第1レジスト15の開口部15aを通して銅箔10の四角領域を厚みの途中までエッチングすることによりへこみ領域10yを形成する。銅箔10の厚みが200μm程度の場合は、銅箔10のへこみ領域10yの深さは100μm〜150μm程度に設定される。
【0077】
次いで、
図12(c)に示すように、第1レジスト15を除去した後に、銅箔10のへこみ領域10yに複数の開口部17aが配置された第2レジスト17を銅箔10の上にフォトリソグラフィに基づいて形成する。
【0078】
続いて、同じく
図12(c)に示すように、第2レジスト17の開口部17a通して銅箔10を厚みの途中までウェットエッチングすることにより複数の凹部10xを形成する。さらに、同じく
図12(c)に示すように、第1実施形態の
図2(a)の工程と同様に、電解めっきにより複数の凹部10xの内面に金めっき層12を形成する。
【0079】
その後に、
図13(a)に示すように、第2レジスト17が除去される。これより、銅箔10のへこみ領域10yに、内面に金めっき層12が形成された複数の凹部10xが配
置された状態となる。
【0080】
次いで、
図13(b)に示すように、第1実施形態の
図3(a)及び(b)の工程と同様な方法により、中央に開口部5aが設けられた配線基板5を銅箔10の上に接着層13によって接着する。
【0081】
続いて、同じく
図13(b)に示すように、第1実施形態の
図4(a)の工程と同様に、銅箔10の凹部10x内の金めっき層12に金電極14を接合し、金ワイヤ16によって金電極14と配線基板5の第1、第2接続パッドP1,P2とを接続する。これにより、銅箔10の凹部10xに接触端子Tを得る。
【0082】
さらに、同じく
図13(b)に示すように、第1実施形態の
図4(b)の工程と同様に、配線基板5の開口部5aに樹脂部40を形成して金ワイヤ16を樹脂部40内に埋め込む。
【0083】
その後に、
図14に示すように、第1実施形態の
図5の工程と同様に、銅箔10を除去して接触端子Tを露出させる。
【0084】
以上により、
図14に示すように、第2実施形態のプローブカード2が得られる。
【0085】
図14に示すように、第2実施形態のプローブカード2では、樹脂部40が配線基板5の下面の接着層13から下側に突き出る突出部40xを備えている。
【0086】
そして、樹脂部40の突出部40xの露出面に複数の接触端子Tが配置されている。樹脂部40の突出部40xの突出高さは、
図12(b)の工程で銅箔10の厚みやエッチング量によって調整することができる。
【0087】
その他の構造は、第1実施形態のプローブカード1と同一であるので、それらの説明は省略する。
【0088】
図15に示すように、第2実施形態のプローブカード2は、第1実施形態と同様に、配線基板50の上に配置され、押圧機構54によって下側に押圧された状態で配線基板50の電気特性が測定される。
【0089】
第2実施形態のプローブカード2は、接触端子Tが樹脂部40の突出部40xに配置されるため、ステージ6と配線基板5との間隔dを第1実施形態よりも広くすることができる。
【0090】
これにより、ステージ6とプローブカード2と間から接触端子Tが配置された領域に光を照射することで、接触端子Tの接触状況を目視や画像認識によってチェックしやすくなる。
【0091】
また、電気特性を測定する際、プローブカード2の接触端子Tと測定用の配線基板50との接触状態を向上させるために、例えば、押圧機構54の荷重を増大させる場合がある。
【0092】
このとき、第1実施形態のプローブカード1のように、樹脂部40の下面と配線基板5の下面とが面一である構造では、プローブカード2の配線基板5の下面が測定用の配線基板50に接触してしまうおそれがある。
【0093】
しかし、第2実施形態では、プローブカード2の配線基板5は樹脂部40の突出部40xの存在により測定用の配線基板50からより離れて配置される。しかも、樹脂部40の突出部40xを備えることで、押圧機構54の荷重を増大させても、突出部40xの弾性により荷重を小さく抑制することができる。
【0094】
このため、プローブカード2の配線基板5が測定用の配線基板50に接触することなく、接触端子Tの接触状態を向上させることができ、安定して電気特性の測定を行うことができる。
【0095】
第2実施形態のプローブカード2は第1実施形態と同様な効果を奏する。
【0096】
(第3実施形態)
図16〜
図20は第3実施形態のプローブカードの製造方法を示す図、
図21は第3実施形態のプローブカードを示す図である。
【0097】
第3実施形態が第1、第2実施形態と異なる点は、接触端子に接続される金ワイヤを同軸構造で形成することである。第3実施形態では、第1実施形態と同一工程及び同一要素については同一符号を付してその詳しい説明を省略する。
【0098】
第3実施形態のプローブカードの製造方法では、
図16に示すように、まず、第1実施形態の
図4(a)と同一の構造体を用意し、配線基板5の第3絶縁層23及び第3配線層33の上に保護テープ18を貼り付ける。
【0099】
次いで、
図17に示すように、蒸着法により金ワイヤ16の外面に樹脂層60を形成する。樹脂層60として、パラキシレン樹脂が好適に使用される。
図17の部分拡大図に示すように、蒸着による樹脂形成は等方的に付着するため、樹脂層60は金ワイヤ16の外面全体を被覆して形成される。
【0100】
また、特に図示されていないが、樹脂層60は金ワイヤ16だけではなく、銅箔10、配線基板5の第1、第2階段面S1,S2、第1、第2接続パッドP1,P2を含む開口部5aの内壁全体、及び保護テープ18の上にも付着する。
【0101】
続いて、
図18(a)及び(b)に示すように、配線基板5のグランドパッドGPの上に形成された樹脂層60を除去して、グランドパッドGPを露出させる開口部60aを形成する。
図18(a)及び(b)では、配線基板5の第1階段面S1の様子が示されており、
図18(b)は
図18(a)のI−Iに沿った拡大断面図である。
【0102】
配線基板5のグランドパッドGPは第1、第2階段面S1,S2(
図17)にそれぞれ配置されており、両者のグランドパッドGP上の樹脂層60に開口部60aがそれぞれ形成される。
【0103】
次いで、
図19(a)に示すように、無電解めっきにより、金ワイヤ16の外面を被覆する樹脂層60の外面に銅層62を形成する。
【0104】
特に図示されていないが、銅層62は、金ワイヤ16だけではなく、銅箔10上の樹脂層60、配線基板5の第1、第2階段面S1,S2、第1、第2接続パッドP1,P2を含む開口部5aの内壁及び保護テープ18を被覆する樹脂層60の上にも付着する。無電解めっきの代わりに、蒸着法によって銅層62を形成してもよい。あるいは、銅層62の代わりに、金層を形成してもよい。
【0105】
このようにして、金ワイヤ16と、それを被覆する樹脂層60と、それを被覆する銅層62とにより、同軸型ワイヤCWが形成される。
【0106】
なお、金ワイヤ16、樹脂層60及び銅層62から形成される同軸型ワイヤCWを例示したが、金ワイヤ16の代わりに銅ワイヤなどを使用してもよいし、銅層62の代わりに金層などの他の金属層を使用してもよい。
【0107】
このとき、
図19(b)に示すように、上記した
図18(b)の断面構造に金ワイヤ16を被覆する銅層62が同時に形成され、その銅層62がグランドパッドGPに樹脂層60の開口部60aを通して電気的に接続される。
【0108】
このようにして、同軸型ワイヤCWの最外の銅層62が配線基板5のグランドパッドGPに接続されてグランド電位になる。
【0109】
次いで、
図20に示すように、配線基板5から保護テープ18を除去する。さらに、第1実施形態の
図4(b)の工程と同様に、配線基板5の開口部5aに樹脂部40を形成して同軸型ワイヤCWを樹脂部40内に埋め込む。
【0110】
その後に、
図21に示すように、第1実施形態の
図5の工程と同様に、
図20の構造体から銅箔10を除去することにより、接触端子Tを露出させる。
【0111】
以上により、第3実施形態のプローブカード3が得られる。
【0112】
図21の部分拡大図に示すように、第3実施形態のプローブカード3は、接触端子Tに繋がるワイヤが同軸型ワイヤCWとなっている。同軸型ワイヤCWは、金ワイヤ16と、それを被覆する樹脂層60と、それを被覆する銅層62とから形成される。そして、全ての同軸型ワイヤCWの銅層62は配線基板5のグランドパッドGPに電気的に接続されている。
【0113】
本実施形態のプローブカードは、エリアアレイ型の電極パッドを備えた被検査対象の電気特性の測定を可能にしており、各接触端子に接続されるワイヤの配置ピッチが100μm以下、さらには40μm〜35μm程度に狭ピッチ化されている。そして、第1実施形態の
図7と同様な方法で、被検査対象の電気測定が行われる。
【0114】
このようにワイヤが狭ピッチで配置された状態で被検査対象の電気測定を行うと、近接するワイヤ間での容量結合が問題になる。つまり、近接するワイヤ間にキャパシタが形成されて、それが電気測定に悪影響を与えることになる。
【0115】
第3実施形態のプローブカード3では、接触端子Tに接続されるワイヤが同軸型ワイヤCWとなっているため、複数のワイヤ間の容量結合がなくなり、ワイヤを狭ピッチで配置する際に生じるノイズの問題を解決することができる。
【0116】
また、同軸型ワイヤCWの最外の銅層62を配線基板5のグランドパッドGPに接続してグランド電位としているので、ノイズをより低減化することができる。
【0117】
(第4実施形態)
図22〜
図24は第4実施形態のプローブカードの製造方法を示す図、
図25は第4実施形態のプローブカードを示す図である。第4実施形態では、銅箔の凹部内に密着用の金めっき層を形成することなく、ワイヤボンディング法によって凹部に接触端子となる金電極を密着性よく形成する方法について説明する。
【0118】
第4実施形態のプローブカードの製造方法では、
図22(a)に示すように、まず、第1実施形態の
図1(a)と同様に、第1金属層として銅箔10を用意する。さらに、銅箔10の上にめっきレジスト19をパターニングする。めっきレジスト19は、第1実施形態の
図1(c)で説明した銅箔10の凹部10xに対応する位置に島状に残される。
【0119】
次いで、
図22(b)に示すように、銅箔10をめっき給電経路に利用する電解めっきにより、銅箔10の露出面に第2金属層として銅層70を形成する。銅層70の厚みは、例えば、20μm〜50μmに設定される。その後に、
図22(c)に示すように、めっきレジスト19をレジスト剥離液によって除去する。
【0120】
これにより、銅箔10の上にかさ上げされた銅層70に複数の凹部70xが形成される。凹部70xの直径は、例えば、10μm〜20μm程度である。
【0121】
銅層70の複数の凹部70xは、平坦な銅箔10の上に配置された島状のめっきレジスト19に対応して形成されるため、凹部70xはその底面が平坦面となって形成される。
【0122】
このように、第4実施形態では、銅箔10(第1金属層)の上に凹部70xを備えた銅層70(第2金属層)をかさ上げして形成することにより、複数の凹部を形成した金属基材を得る。
【0123】
なお、第1金属層として、銅箔10の代わりにニッケル箔を使用してもよい。この場合は、第2金属層として、銅層70以外に、同様な方法で、ニッケル層を電解めっきで形成し、ニッケル層に凹部を形成してもよい。
【0124】
次いで、
図23(a)に示すように、第1実施形態の
図3(a)及び(b)の工程と同様な方法により、中央に開口部5aが設けられた配線基板5を銅層70の上に接着層13によって接着する。
【0125】
図23(b)及び(c)は、
図23(a)の銅層70の凹部70xにワイヤボンディング法に基づいて金電極を埋め込む様子を示す部分拡大断面図である。
図23(b)に示すように、第1実施形態の
図4(a)の工程と同様に、ワイヤボンディング法に基づいて、ワイヤボンダのキャピラリ(不図示)からはみ出した金ワイヤ80の先端部を放電により丸めて球状部82aを得る。
【0126】
さらに、
図23(c)に示すように、キャピラリを下降して金ワイヤ80の球状部82aを銅層70の凹部70xに配置し、加圧しながら加熱及び超音波振動を行うことによって球状部82aを凹部70x内に押し込んで埋め込む。
【0127】
これにより、第1実施形態と同様に,銅層70の凹部70xがワイヤボンダからの金電極82によって埋め込まれ、金電極82から接触端子Tが得られる。
【0128】
続いて、
図24(a)に示すように、キャピラリ(不図示)を上昇させ、金ワイヤ80を配線基板5の第1接続パッドP1に移動し、金ワイヤ80と第1接続パッドP1との接合を行う。
【0129】
このようにして、第1実施形態と同様に、銅層70の各凹部70x内と配線基板5の各第1、第2接続パッドP1,P2とを金ワイヤ80でそれぞれ接続する。
【0130】
上記した
図23(b)及び(c)の工程では、金ワイヤ80の球状部82aの直径は、凹部70xの直径と同等又はそれより大きく設定される。例えば、凹部70xの直径が10μm〜20μmの場合は、金ワイヤ80の球状部82aの直径は、20μm〜30μm程度に設定される。
【0131】
このようにすることにより、
図23(c)に示したように、凹部70xに配置される金電極82は、凹部70x内の全体にわたって充填され、凹部70xの上方から銅層70の上面に延びて形成される。
【0132】
このため、金電極82は、銅層70の凹部70xの内壁及び銅層70の上面に十分に接着した状態となる。これにより、金ワイヤ80を配線基板5の第1接続パッドP1に移動する際に、金電極82が凹部70xから抜けるおそれがなくなる。
【0133】
このように、銅層70の凹部70x内に密着用の金めっき層を形成することなく、銅層70の凹部70xに金電極82を密着性よく配置することができる。
【0134】
続いて、
図24(b)に示すように、第1実施形態の
図4(b)の工程と同様に、配線基板5の開口部5aに樹脂部40を形成して金ワイヤ80を樹脂部40内に埋め込む。
【0135】
その後に、
図25に示すように、第1実施形態の
図5の工程と同様に、銅箔10及び銅層70を除去して接触端子Tを露出させる。
【0136】
以上により、第4実施形態のプローブカード4が得られる。前述したように、第4実施形態のプローブカード4の接触端子Tは、底面が平坦になった銅層70の凹部70xに金ワイヤの球状部82aが埋め込まれて形成される。
【0137】
このため、接触端子Tは、樹脂部40の下面から突出する柱状の接触部Taと、その上に樹脂部40に埋め込まれた状態で配置された曲面をもった凸状部Tbとを備えて形成される。そして、接触端子Tの先端の接触面CSは平坦面となって形成される。曲面をもった凸状部Tbとしては、半球状の凸状部であることが好ましい。
【0138】
また、前述したように、第4実施形態では、銅層70の凹部70xに密着用の金めっき層を形成しないため、プローブカード4の接触端子Tはワイヤボンディング法による金電極のみから形成される。
【0139】
また、第4実施形態では、接触端子Tの先端の接触面CSが平坦面であるため、電気特性を測定する際の接触面積を球形状の接触端子よりも大きく確保することができる。このため、より安定して電気特性を測定することができる。
【0140】
また、接触端子Tは、柱状の接触部Taよりも幅広な半球状の凸状部Tbを備えているため、半球状の凸状部Tbでは樹脂部40との接触面積が大きくなる。
【0141】
このため、接触端子Tを測定用の配線基板
50に接触させる際の応力がワイヤ80との接点に集中せずに、その応力を半球状の凸状部Tbから樹脂部40に分散することができる。このため、ワイヤ80と接触端子Tとの接続部分の破損を防止することができる。
【0142】
第
4実施形態のプローブカード2は第1実施形態と同様な効果を奏する。
【0143】
第4実施形態のプローブカード4においても、第1実施形態の
図7と同様に、配線基板50の上に配置され、押圧機構54によって下側に押圧された状態で配線基板50の電気特性が測定される。また、
図8及び
図9で説明したように、4端子検査に適用してもよい。
【0144】
(第5実施形態)
図26〜
図29は第5実施形態のプローブカードの製造方法を示す図、
図30は第5実施形態のプローブカードを示す図である。第5実施形態では、第4実施形態に続いて、銅箔の凹部内に密着用の金めっき層を形成することなく、ワイヤボンディング法によって凹部に接触端子となる金電極を密着性よく形成する別の方法について説明する。
【0145】
第5実施形態のプローブカードの製造方法では、
図26(a)に示すように、まず、第4実施形態の
図22(a)と同様に、銅箔10の上にめっきレジスト19をパターニングする。
【0146】
次いで、
図26(b)に示すように、第4実施形態の
図22(b)と同様に、電解めっきにより銅箔10の露出面に銅層70を形成する。第5実施形態では、銅層70の厚みをめっきレジスト19の厚みより厚くなるように設定する。
【0147】
このとき、図
26(b)の部分拡大図に示すように、めっきレジスト19よりも上の部分の銅層70は等方的にめっきされることから、銅層70の上端部はめっきレジスト19のパターンエッジから横方向に突き出る突起部71となって形成される。
【0148】
続いて、
図27に示すように、めっきレジスト19をレジスト剥離液によって除去する。これにより、第4実施形態の
図22(c)と同様に、銅層70に複数の凹部70xが形成される。
図27の部分拡大図に示すように、銅層70の各凹部70xは、その上端の内壁に内側に突き出る突起部71を備えて形成される。
【0149】
このようにして、開口上部の幅がそれよりも下側の幅よりも狭く設定されたオーバーハング形状の凹部70xが得られる。
【0150】
次いで、
図28(a)に示すように、第1実施形態の
図3(a)及び(b)の工程と同様な方法により、中央に開口部5aが設けられた配線基板5を銅層70の上に接着層13によって接着する。
【0151】
図28(b)及び(c)は、
図28(a)の銅層70の凹部70xにワイヤボンディング法に基づいて金電極を埋め込む様子を示す部分拡大断面図である。
図28(b)に示すように、第4実施形態の
図23(b)の工程と同様に、金ワイヤ80の先端部を放電により丸めて球状部82aを得る。
【0152】
さらに、
図28(c)に示すように、第4実施形態の
図23(c)の工程と同様な方法により、金ワイヤ80の球状部82aを凹部70x内に押し込んで、凹部70xに金属電極として金電極82を埋め込んで接触端子Tとする。
【0153】
続いて、
図29に示すように、第4実施形態の
図24(a)と同様に、金ワイヤ80を配線基板5の第1接続パッドP1に移動し、金ワイヤ80と第1接続パッドP1との接合を行う。
【0154】
このようにして、第1実施形態と同様に、銅層70の各凹部70x内と配線基板5の各第1、第2接続パッドP1,P2とを金ワイヤ80でそれぞれ接続する。
【0155】
第5実施形態では、
図28(c)に示したように、銅層70の各凹部70xは、内壁の上部に内側に突き出る突起部71を備えている。凹部70xの突起部71が金電極82の抜けを防止するストッパとして機能する。
【0156】
このため、金ワイヤ80を配線基板5の第1接続パッドP1に移動する際に、金電極82が凹部70xから抜けるおそれがなくなる。第5実施形態では、金電極82が凹部70xに突起部71の下に回り込んで配置されるため、第4実施形態よりも金電極82の抜けをより確実に防止することができる。
【0157】
このように、第4実施形態と同様に、銅層70の凹部70x内に、密着用の金めっき層を形成することなく、銅層70の凹部70xに金電極82を密着性よく形成することができる。
【0158】
さらに、同じく
図29に示すように、第1実施形態の
図4(b)の工程と同様に、配線基板5の開口部5aに樹脂部40を形成して金ワイヤ80を樹脂部40内に埋め込む。その後に、
図30に示すように、第1実施形態の
図5の工程と同様に、銅箔10及び銅層70を除去して接触端子Tを露出させる。
【0159】
以上により、第5実施形態のプローブカード4aが得られる。第5実施形態のプローブカード4aでは、第4実施形態のプローブカード4と同様に、接触端子Tは、樹脂部40の下面から突出する柱状の接触部Taと、その上に樹脂部40に埋め込まれた状態で配置された半球状の凸状部Tbとを備えて形成される。そして、接触端子Tの先端の接触面CSが平坦面となって形成される。
【0160】
また、接触端子Tは、接触部Taと凸状部Tbとの間のリング状の部分が内側に食い込むくびれ部Txとなって形成される。
【0161】
第5実施形態のプローブカード4aは第1実施形態と同様な効果を奏する。
【0162】
第5実施形態のプローブカード4aにおいても、第1実施形態の
図7と同様に、配線基板50の上に配置され、押圧機構54によって下側に押圧された状態で配線基板50の電気特性が測定される。また、
図8及び
図9で説明したように、4端子検査に適用してもよい。
【0163】
(第6実施形態)
図31〜
図32は第6実施形態のプローブカードの製造方法を示す図、
図33は第6実施形態のプローブカードを示す図である。第6実施形態では、第4又は第5実施形態の製造方法を使用し、周辺領域よりも樹脂部を外側に突出させ、樹脂部の突出部に接触端子が配置される形態について説明する。
【0164】
第6実施形態のプローブカードの製造方法では、
図31(a)に示すように、まず、第4実施形態の
図22(a)と同様に、銅箔10の上にめっきレジスト19をパターニングする。
【0165】
次いで、
図31(b)に示すように、第4実施形態の
図22(b)と同様に、電解めっきにより銅箔10の露出面に銅層70を形成する。一般的に、電解めっきは、被めっき基板の周辺領域で電流密度が高くなることから、中央部よりも周辺領域の方がめっき層の厚みが厚くなる傾向がある。
【0166】
この傾向が顕著になる電解めっき条件を採用することにより、めっきレジスト19が配置されていない銅箔10の周辺領域の銅層70の厚みt1が中央部の銅層70の厚みt2よりも厚く設定することができる。
【0167】
次いで、
図32(a)に示すように、その後に、めっきレジスト19がレジスト剥離液によって除去されて、銅層70に凹部70xが形成される。さらに、第1実施形態の
図3(a)及び(b)の工程と同様な方法により、中央に開口部5aが設けられた配線基板5を銅層70の上に接着層13によって接着する。
【0168】
さらに、
図32(b)に示すように、第4実施形態の
図24(a)に示すように、銅層70の各凹部70x内と配線基板5の第1、第2接続パッドP1
,P2とを金ワイヤ80でそれぞれ接続する。その後に、同じく図
32(b)に示すように、第1実施形態の
図4(b)の工程と同様に、配線基板5の開口部5aに樹脂部40を形成して金ワイヤ80を樹脂部40内に埋め込む。
【0169】
その後に、
図33に示すように、第1実施形態の
図5の工程と同様に、銅箔10及び銅層70を除去して接触端子Tを露出させる。
【0170】
以上により、第6実施形態のプローブカード4bが得られる。第6実施形態のプローブカード4bは、第4実施形態のプローブカード4と同様に、接触端子Tの先端の接触面CSが平坦面となって形成される。
【0171】
また、第2実施形態と同様に、樹脂部40は周辺領域よりも下側に突き出る突出部40xを備え、その突出部40xに接触端子Tが配置されている。このため、接触端子Tの接触状況を目視や画像認識によってチェックしやすくなる。
【0172】
第6実施形態のプローブカード4bにおいても、第1実施形態の
図7と同様に、配線基板50の上に配置され、押圧機構54によって下側に押圧された状態で配線基板50の電気特性が測定される。また、
図8及び
図9で説明したように、4端子検査に適用してもよい。
【0173】
第6実施形態のプローブカード4bは第1、2実施形態と同様な効果を奏する。