(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記光電変換部は、2次元配列された複数の光電変換素子と、前記光電変換素子上に当該光電変換素子に対応する配列パターンで配設されたカラーフィルタであって、少なくとも赤色、緑色、青色のフィルタを含むカラーフィルタと、を有し、
前記赤色光は、前記赤色のフィルタを透過可能な波長の光である請求項9又は10に記載の内視鏡装置。
電子内視鏡に設けられかつ前記電子内視鏡の先端部に照明光を導くためのライトガイドに対して、光源装置から前記照明光を供給する供給ステップであって、前記照明光の一部を、前記光源装置から前記電子内視鏡に対する第1の通信情報に基づき光信号である通信光に変調し、前記通信光を前記ライトガイドに供給する供給ステップと、
前記電子内視鏡に設けられた撮像素子であって且つ観察部位を撮像する撮像素子により少なくとも前記通信光を受光して光電変換することにより前記第1の通信情報を出力する出力ステップと、
を有し、
前記光源装置は、前記照明光として互いに波長域が異なる複数の光を個別に出射する複数の光源を有し、
前記供給ステップは、複数の前記光源のうちの特定の前記光源を制御して、前記光源装置から前記ライトガイドに供給される前記照明光の一部を、前記光源装置から前記電子内視鏡に対する第1の通信情報に基づき光信号である通信光に変調する光変調ステップを有する内視鏡装置の制御方法。
電子内視鏡に設けられかつ前記電子内視鏡の先端部に照明光を導くためのライトガイドに対して、光源装置から前記照明光を供給する供給ステップであって、前記照明光の少なくとも一部を、前記光源装置から前記電子内視鏡に対する第1の通信情報に基づき光信号である通信光に変調し、前記通信光を前記ライトガイドに供給する供給ステップと、
前記電子内視鏡に設けられた撮像素子であって且つ観察部位を撮像する撮像素子により少なくとも前記通信光を受光して光電変換することにより前記第1の通信情報を出力する出力ステップと、
を有する内視鏡装置の制御方法。
電子内視鏡に設けられかつ前記電子内視鏡の先端部に照明光を導くためのライトガイドに対して、光源装置から前記照明光を供給する供給ステップであって、前記照明光の少なくとも一部を、前記光源装置から前記電子内視鏡に対する第1の通信情報に基づき光信号である通信光に変調し、前記通信光を前記ライトガイドに供給する供給ステップと、
前記電子内視鏡に設けられた光電変換部により少なくとも前記通信光を受光して光電変換することにより前記第1の通信情報を出力する出力ステップと、
を有し、
前記出力ステップでは、前記電子内視鏡の先端部から出射された前記通信光の反射光または散乱光を前記光電変換部で受光する内視鏡装置の制御方法。
電子内視鏡に設けられかつ前記電子内視鏡の先端部に照明光を導くためのライトガイドに対して、光源装置から前記照明光を供給する供給ステップであって、前記照明光の少なくとも一部を、前記光源装置から前記電子内視鏡に対する第1の通信情報に基づき光信号である通信光に変調し、前記通信光を前記ライトガイドに供給する供給ステップと、
前記電子内視鏡に設けられた光電変換部により少なくとも前記通信光を受光して光電変換することにより前記第1の通信情報を出力する出力ステップと、
を有し、
前記供給ステップは、前記第1の通信情報に基づき、前記照明光の波長域のうちの特定の波長域の光を前記通信光に変調する光変調ステップを有し、
前記供給ステップは、前記照明光として少なくとも赤色、緑色、青色の各色の光をそれぞれ出射し、
前記特定の波長域の光は、赤色光である内視鏡装置の制御方法。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、添付図面に従って本発明に係る内視鏡装置及びその制御方法について説明する。
【0026】
[第1実施形態の内視鏡装置の全体構成]
図1は、本発明の第1実施形態の内視鏡装置10の外観斜視図である。内視鏡装置10は、患者体内の観察部位を撮像するスコープとしての電子内視鏡11と、観察部位を照明する照明光を電子内視鏡11へ供給する光源装置12と、電子内視鏡11により得られた撮像信号に基づいて観察部位の画像データを生成するプロセッサ装置13と、画像データに基づく観察部位の観察像を表示するモニタ14とを備えている。
【0027】
電子内視鏡11は、体内に挿入される可撓性の挿入部16と、挿入部16の基端部に連設され、電子内視鏡11の把持及び挿入部16の操作に用いられる操作部17と、操作部17を光源装置12に接続するユニバーサルコード18とを備えている。
【0028】
挿入部16の先端部位である挿入部先端部16aには、観察部位の照明や撮影に用いられる光学系、撮像素子などが内蔵されている。また、挿入部先端部16aの先端面には、観察窓、照明窓、送気送水ノズル、挿入部16内に挿通された鉗子チャネルの出口となる鉗子出口等が設けられている。挿入部先端部16aの後端には、湾曲自在な湾曲部16bが連設されている。
【0029】
操作部17には、アングルノブ21、操作ボタン22、鉗子入口23などが設けられている。アングルノブ21は、湾曲部16bの湾曲方向及び湾曲量を調整する際に回転操作される。操作ボタン22は、送気・送水や吸引等の各種の操作に用いられる。鉗子入口23は、鉗子チャネルに連通している。
【0030】
ユニバーサルコード18には、送気・送水チャンネル、信号ケーブル、及びライトガイドなどが組み込まれている。ユニバーサルコード18の先端部には、光源装置12に接続されるコネクタ部25aが設けられている。また、コネクタ部25aには、コネクタ部25aに送られてくる各種の通信情報や撮像信号を光信号化した光信号を光源装置12に向けて送信するレーザダイオード(Laser Diode:以下、LDと略す)26が設けられている。LD26は、本発明の信号送信部の一部を構成するものであり、前述の光信号を非接触で光源装置12に送信することができる。すなわち、電子内視鏡11は、光源装置12及びプロセッサ装置13とは電気的に直接接続されていない、いわゆる非接触型の電子内視鏡である。
【0031】
光源装置12は、コネクタ部25aを介して電子内視鏡11のライトガイドに照明光を供給する。また、光源装置12は、内視鏡装置10の起動の際(例えば、コネクタ部25aを光源装置12に接続して光源装置12及びプロセッサ装置13の電源をONした際)に、電子内視鏡11に対して各種の通信情報を送信する。この際に、光源装置12は、詳しくは後述するが、照明光を変調して通信情報を光信号化した通信光を生成し、この通信光をライトガイドに供給する。
【0032】
また、光源装置12には、LD26からの光信号を受信するフォトダイオード(Photodiode:以下、PDと略す)27が設けられている。このPD27は、本発明の信号受信部の一部を構成するものである。光源装置12は、PD27で受信した光信号を元の各種通信情報や撮像信号に変換すると共に、変換した撮像信号等をプロセッサ装置13に送信す
る。
【0033】
プロセッサ装置13は、光源装置12に有線接続しており、光源装置12から送信された撮像信号に各種の画像処理を施して観察像の画像データを生成し、この画像データをモニタ14に出力する。これにより、モニタ14の画面に観察像が表示される。
【0034】
[第1実施形態の内視鏡装置の電気的構成]
図2は、内視鏡装置10の電気的構成を示すブロック図である。光源装置12は、大別して、白色半導体光源30と、光源制御部32と、PD27と、信号受信制御部34と、光源CPU36と、を有している。
【0035】
白色半導体光源30は、LDや発光ダイオード(Light Emitting Diode:以下、LEDと略す)などのいわゆる半導体光源であり、波長が赤色領域から青色領域にわたる白色の可視光、すなわち、白色光を照明光Lとして出射する。この白色半導体光源30は、本発明の光源の一形態に相当する。
【0036】
光源制御部32は、光源CPU36の制御の下、白色半導体光源30からの照明光Lの出射を制御する。この光源制御部32は、本発明の光変調部の一形態に相当するものである。
【0037】
PD27及び信号受信制御部34は、電子内視鏡11のLD26から送信される光信号を受信する光通信インタフェースであり、本発明の信号受信部の一形態に相当するものである。信号受信制御部34は、詳しくは後述するが、PD27が検出したLD26からの光信号を電気信号(具体的には、後述する第2の通信情報、又は撮像信号)に変換して光源CPU36へ出力する。
【0038】
光源CPU36は、光源装置12の操作部(図示せず)からの制御信号に基づき、メモリ等から読み出した各種プログラムやデータを逐次実行して、光源装置12の各部を統括的に制御する。
【0039】
また、光源CPU36は、内視鏡装置10の起動の際に、光源装置12から電子内視鏡11に対する第1の通信情報C1を光源制御部32に出力すると共に、光源制御部32を制御して、第1の通信情報C1を光信号に変換した通信光Laを白色半導体光源30から出射させる。
【0040】
第1の通信情報C1は、内視鏡装置10の起動の際に光源装置12から電子内視鏡11に対して送信される情報であり、例えば電子内視鏡11の各種動作(撮像、通信等)に係る情報である。具体的には、撮像信号の補正データ、撮像の際のフレームレートや画素数、撮像素子の駆動制御指令(例えば画素間引き駆動)などの電子内視鏡11の撮像に係る情報、及びハンドシェイク通信用データなどの電子内視鏡11との通信に係る情報が、第1の通信情報C1の例として挙げられる。なお、第1の通信情報C1は、これらに特に限定されるものではない。
【0041】
図3は、光源制御部32による白色半導体光源30の駆動制御を説明するための説明図である。光源制御部32は、内視鏡装置10の起動の際に、光源CPU36から入力される第1の通信情報C1に基づき、白色半導体光源30から出射される照明光Lを変調させる。白色半導体光源30のような半導体光源は、出射する光のON・OFFを切り替えるスイッチングを高速に行うことができる。このため、光源制御部32は、第1の通信情報C1に基づき白色半導体光源30から出射する照明光Lの高速スイッチングを行い、電気信号である第1の通信情報C1を光信号である通信光Laに変調する。これにより、白色
半導体光源30から出射される照明光Lを、第1の通信情報C1に対応する通信光Laとして機能させることができる。なお、電気信号を光信号に変換する方法(光信号の個々のパルスの間隔、個々のパルス幅の決定方法)等は、公知技術であるのでここでは具体的な説明を省略する。
【0042】
また、光源制御部32は、詳しくは後述するが、第1の通信情報C1の受信を完了した旨を示す情報を光源CPU36が電子内視鏡11から受信した際に、白色半導体光源30からの照明光Lの出射を常時ONに切り替える。
【0043】
このように白色半導体光源30は、照明光Lとして、内視鏡装置10の起動の際には第1の通信情報C1に対応する通信光Laを、コネクタ部25aに向けて出射する。なお、内視鏡装置10の起動が完了するまでは観察部位の観察は行われないが、照明光Lのスイッチング(すなわち、照明光Lの出射のON・OFFの切り替え)は人の目には認識不可能な速さで行われるので、通信光Laにより照明されている観察部位の観察も可能である。
【0044】
図2に戻って、電子内視鏡11は、大別して、ライトガイド40、照射レンズ41、照明窓42、観察窓43、集光レンズ44、分光部45、ハーフミラー46、シャッタ47、撮像素子48、内視鏡CPU49、信号送信制御部50、LD26を有している。
【0045】
ライトガイド40は大口径光ファイバ、バンドルファイバなどである。ライトガイド40は、その入射端がコネクタ部25aを介して光源装置12に挿入されており、その出射端が挿入部先端部16a内に設けられた照射レンズ41に対向している。白色半導体光源30からライトガイド40に供給された照明光L(通信光Laを含む)は、照明窓42を通して観察部位に照射される。そして、観察部位で反射/散乱した照明光Lは、観察窓43を通して集光レンズ44に入射する。
【0046】
分光部45は、ライトガイド40の途中位置、より具体的には照明窓42と撮像素子48との間の位置に設けられている。分光部45は、例えばビームスプリッタを有しており、ライトガイド40を通る照明光Lを、そのまま照射レンズ41に向かう光と、観察窓43から撮像素子48に至る反射光等の光路に向かう光とに分光する。
【0047】
ハーフミラー46は、観察窓43から撮像素子48に至る光路上の位置でかつ分光部45で分光された照明光Lが入射する位置に配置される。ハーフミラー46は、観察窓43及び集光レンズ44を通して入射する照明光Lの反射光または散乱光をそのまま透過させると共に、分光部45から入射する照明光Lを撮像素子48に向けて反射させる。これにより、撮像素子48は、ライトガイド40から分光された通信光Laを受光することができる。
【0048】
シャッタ47は、分光部45からハーフミラー46に至る照明光Lの光路上に配置されている。シャッタ47は、内視鏡装置10の起動の際には照明光Lをそのまま透過させる透過状態となり、観察部位の観察時には照明光Lを遮断する遮断状態となる。なお、観察部位の観察時に分光部45で分光された照明光Lの撮像素子48への入射を防止できれば、シャッタ47を設ける以外の方法を採用してもよい。例えば、ハーフミラー46をシフト移動させることにより分光部45からの照明光Lが撮像素子48に入射することを防止してもよい。
【0049】
撮像素子48は、CMOS(complementary metal oxide semiconductor)型又はCCD(charge coupled device)型の撮像素子であり、本発明の光電変換部の一形態に相当する。撮像素子48は、集光レンズ44を通して入射する照明光Lの反射光または散乱光
を電気的な撮像信号に変換する、すなわち、観察部位を撮像する。なお、撮像素子48がCMOS型である場合には、A/D変換器が内蔵されており、撮像素子48から信号送信制御部50に対してデジタルの撮像信号が直接出力される。また、撮像素子48がCCD型である場合には、撮像素子48から出力される撮像信号は図示しないA/D変換器等でデジタルな撮像信号に変換された後、信号送信制御部50に出力される。
【0050】
また、撮像素子48は、分光部45からの通信光Laを受光した場合に、光信号である通信光Laを電気信号に光電変換して第1の通信情報C1を出力する。ここで、撮像素子48がCMOS型である場合には、撮像信号に基づき第1の通信情報C1を生成する情報生成回路(図示せず)が内蔵されている。また、撮像素子48がCCD型である場合には、撮像信号に基づき第1の通信情報C1を生成する情報生成回路(図示せず)が別途設けられており、この場合には情報生成回路も本発明の光電変換部としての「撮像素子48」に含まれるものとする。撮像素子48により生成された第1の通信情報C1は、内視鏡CPU49に入力される。
【0051】
内視鏡CPU49は、メモリ等から読み出した各種プログラムやデータを逐次実行して、主として撮像素子48の駆動を制御する他に、電子内視鏡11の各部を統括的に制御する。なお、撮像素子48がCMOS型である場合には、内視鏡CPU49が撮像素子48に内蔵されていてもよい。
【0052】
また、内視鏡CPU49は、電子内視鏡11の動作モードの切り替えを行う。電子内視鏡11の動作モードには、例えば、光源装置12から送信される第1の通信情報C1を待ち受ける情報待ち受けモード、観察部位の撮像を行う通常モードなどが存在する。内視鏡CPU49は、内視鏡装置10の起動の際には電子内視鏡11の動作モードを情報待ち受けモードに設定する。
【0053】
情報待ち受けモード下において、内視鏡CPU49は、シャッタ47を透過状態に設定すると共に、撮像素子48に対して第1の通信情報C1の生成指令を行う。そして、内視鏡CPU49は、撮像素子48から第1の通信情報C1が送信された場合に、第1の通信情報C1に基づき電子内視鏡11の各部を制御する。例えば、内視鏡CPU49は、第1の通信情報C1に含まれる撮像信号の補正データ、撮像の際のフレームレートや画素数、撮像素子の駆動制御方式に従って撮像素子48の駆動を開始する。すなわち、内視鏡CPU49は、本発明の内視鏡制御部の一形態に相当する。
【0054】
また、内視鏡CPU49は、第1の通信情報C1を受けて、光源装置12に対する第2の通信情報C2を生成して信号送信制御部50へ出力する。第2の通信情報C2としては、第1の通信情報C1の受信を完了したことを示す受信完了信号、ハンドシェイク通信用データ、電子内視鏡11の固有情報(機種情報等)などが例として挙げられるが、これらに特に限定されるものではない。そして、内視鏡CPU49は、第2の通信情報C2の出力後に電子内視鏡11の動作モードを通常モードに切り替える。
【0055】
通常モード下において、内視鏡CPU49は、シャッタ47を遮断状態に設定すると共に、前述の第1の通信情報C1に従って撮像素子48を駆動する。これにより、撮像素子48から信号送信制御部50へ観察部位の撮像信号が出力される。
【0056】
信号送信制御部50は、LD26からの光信号の出射を制御する。信号送信制御部50はLD26と共にPD27に光信号Sを送信する光通信インタフェースであり、本発明の信号送信部の一形態に相当するものである。信号送信制御部50は、通常モード下において撮像素子48から入力される撮像信号に基づきLD26を駆動して、撮像信号に対応する光信号SをLD26から送信させる。これにより、PD27において撮像信号に対応す
る光信号Sを受信することができる。
【0057】
また、信号送信制御部50は、情報待ち受けモード下において内視鏡CPU49から入力される第2の通信情報C2に基づきLD26を駆動して、第2の通信情報C2に対応する光信号SをLD26から送信させる。これにより、PD27において第2の通信情報C2に対応する光信号Sを受信することができる。LED等に比較して高速通信が可能なLD26(LEDが数kbpsに対して、LDは数Gbps)を有する撮像信号送信用の光通信インタフェースにより、第2の通信情報C2を光源装置12に送信することができる。
【0058】
前述の通り、光源装置12のPD27が第2の通信情報C2に対応する光信号Sを検出した場合に、信号受信制御部34は、PD27が検出した光信号Sを第2の通信情報C2に変換して光源CPU36へ出力する。また、PD27が撮像信号に対応する光信号Sを検出した場合に、信号受信制御部34は、PD27が検出した光信号Sを撮像信号に変換して光源CPU36へ出力する。
【0059】
光源CPU36は、信号受信制御部34から第2の通信情報C2が入力された場合に、第2の通信情報C2に含まれる受信完了信号に応じて、白色半導体光源30からの照明光Lの出射を常時ONに切り替えるように光源制御部32を制御する。また、光源CPU36は、第2の通信情報C2に含まれる電子内視鏡11の固有情報を、通信インタフェース38を介してプロセッサ装置13に出力する。
【0060】
一方、光源CPU36は、信号受信制御部34から撮像信号が入力された場合に、通信インタフェース38を介してプロセッサ装置13に撮像信号を出力する。
【0061】
プロセッサ装置13は、画像処理回路60、フレームメモリ61、表示制御回路62などを有しており、通信インタフェース38を介して光源装置12に接続している。なお、本実施形態では、プロセッサ装置13が光源装置12とは別体に設けられているが、プロセッサ装置13が光源装置12と一体に設けられていてもよい。この場合には、光源装置12がプロセッサ装置13の機能を有している。
【0062】
画像処理回路60は、光源装置12から入力される撮像信号に対し、ホワイトバランス調整、色調処理、階調処理、シャープネス処理などの信号処理を施して、画像データを生成する。この際に画像処理回路60は、光源装置12から入力される電子内視鏡11の固有情報に基づき、例えば、電子内視鏡11の機種に対応した信号処理を撮像信号に対して施す。画像処理回路60は、画像データをフレームメモリ61へ出力する。
【0063】
表示制御回路62は、フレームメモリ61から画像データを読み出し、この画像データに基づいてモニタ14に観察部位の観察像を表示させる。
【0064】
なお、
図2中では、電子内視鏡11の電源についての図示は省略しているが、例えば光源装置12からワイヤレス給電(非接触電力伝送ともいう)により電力供給を受けてもよいし、あるいはバッテリ等を内蔵してもよい。
【0065】
[第1実施形態の内視鏡装置の作用]
次に、
図4に示すフローチャートを用いて上記構成の内視鏡装置10の作用、特に起動から観察部位の撮像までの処理の流れを説明する。
【0066】
最初に内視鏡装置10の起動が開始される。具体的には電子内視鏡11のコネクタ部25aを光源装置12に接続して、光源装置12及びプロセッサ装置13の電源をONする
。これにより、光源装置12及びプロセッサ装置13がそれぞれ起動すると共に(ステップSA1,SB2)、光源装置12からのワイヤレス給電により電子内視鏡11が起動する(ステップSC1)。
【0067】
光源装置12の起動の際に、光源CPU36は、電子内視鏡11に対する第1の通信情報C1を光源制御部32に出力すると共に(ステップSA2)、光源制御部32に対して通信光Laの送信指令を行う。この送信指令を受けて、光源制御部32は、第1の通信情報C1に基づき白色半導体光源30から出射される照明光Lのスイッチングを行い、照明光Lを変調させることにより、第1の通信情報C1に対応する通信光Laを白色半導体光源30から出射させる。これにより、通信光Laがコネクタ部25aを介してライトガイド40に供給される(ステップSA3)。すなわち、ステップSA3が本発明の供給ステップの一形態に相当する。
【0068】
一方、電子内視鏡11の起動の際に、内視鏡CPU49は、電子内視鏡11の動作モードを情報待ち受けモードに設定して、シャッタ47を透過状態に設定すると共に、撮像素子48に対して第1の通信情報C1の生成指令を行う(ステップSC2)。これにより、撮像素子48は、通信光Laの受光待機状態となる。
【0069】
前述のステップSA3にてライトガイド40に供給された通信光Laは、ライトガイド40を通って分光部45まで導かれる。分光部45に導かれた通信光Laは分光され、この分光された通信光Laがシャッタ47及びハーフミラー46を経由して、撮像素子48に入射する。これにより、撮像素子48にて通信光Laが受光される(ステップSC3)。
【0070】
撮像素子48は、分光部45からの通信光Laを光電変換して第1の通信情報C1を生成し、この第1の通信情報C1を内視鏡CPU49へ出力する(ステップSC4)。すなわち、ステップSC4が本発明の出力ステップの一形態に相当する。
【0071】
内視鏡CPU49は、撮像素子48から第1の通信情報C1が入力された場合に、この第1の通信情報C1に含まれる撮像信号の補正データ、撮像の際のフレームレートや画素数、撮像素子の駆動制御方式に従って撮像素子48の駆動を開始するなど、電子内視鏡11の各部を制御する。
【0072】
また、内視鏡CPU49は、第1の通信情報C1を受けて、光源装置12に対する第2の通信情報C2を生成して信号送信制御部50へ出力する(ステップSC5)。信号送信制御部50は、内視鏡CPU49から入力される第2の通信情報C2に基づきLD26を駆動して、第2の通信情報C2に対応する光信号SをLD26から送信させる(ステップSC6)。
【0073】
次いで、内視鏡CPU49は、電子内視鏡11の動作モードを通常モードに切り替え、シャッタ47を遮断状態に設定すると共に、前述の第1の通信情報C1に従って撮像素子48を駆動する(ステップSC7)。
【0074】
一方、LD26から送信された光信号Sは、光源装置12のPD27にて受信される(ステップSA4)。そして、信号受信制御部34は、PD27が検出した光信号Sを第2の通信情報C2に変換して光源CPU36へ出力する(ステップSA5)。
【0075】
光源CPU36は、信号受信制御部34より第2の通信情報C2が入力された場合に、第2の通信情報C2に含まれる受信完了信号に応じて、光源制御部32に対して照明光Lの通常出射指令を発する。この指令を受けて光源制御部32は、照明光Lの出射を常時O
Nに切り替える(ステップSA6)。また、光源CPU36は、第2の通信情報C2に含まれる電子内視鏡11の固有情報を、通信インタフェース38を介してプロセッサ装置13に出力する。以上で内視鏡装置10の起動が完了する。
【0076】
内視鏡装置10の起動完了後、電子内視鏡11の挿入部16が患者の体内に挿入されて、体内の観察部位の撮像が行われる(ステップSC8)。光源装置12から供給される照明光Lがライトガイド40及び照射レンズ41を通って照明窓42から観察部位に向けて出射される。また、撮像素子48は、集光レンズ44を通して入射する照明光Lの反射光または散乱光を撮像信号に変換して信号送信制御部50へ出力する(ステップSC9)。この際に、シャッタ47は遮断状態であるので、分光部45にて分光された照明光Lが撮像素子48に直接入射することが防止される。
【0077】
信号送信制御部50は、撮像素子48から入力される撮像信号に基づきLD26を駆動して、LD26から撮像信号に対応する光信号Sを送信させる(ステップSC10)。これにより、光源装置12のPD27において、撮像信号に対応する光信号Sが受信される(ステップSA7)。
【0078】
信号受信制御部34は、PD27が検出した光信号Sを撮像信号に変換して光源CPU36へ出力する(ステップSA8)。光源CPU36は、信号受信制御部34から入力された撮像信号をプロセッサ装置13に出力する。(ステップSA9)。これにより、プロセッサ装置13に撮像信号が入力される(ステップSB2)。
【0079】
プロセッサ装置13の画像処理回路60は、光源装置12から先に入力された電子内視鏡11の固有情報に基づき、撮像信号に対して各種信号処理を施して画像データを生成し、画像データをフレームメモリ61に格納する(ステップSB3)。表示制御回路62は、フレームメモリ61から画像データを読み出し、この画像データに基づいてモニタ14に観察部位の観察像を表示させる(ステップSB4)。
【0080】
以下、観察部位の撮像が終了するまで、電子内視鏡11による撮像及び光信号Sの送信、光源装置12による光信号Sの受信並びに撮像信号への変換・出力、プロセッサ装置13によるモニタ14への観察像の表示が繰り返し行われる(ステップSA10,SB5,SC11でYES)。
【0081】
[本発明の効果]
本発明の内視鏡装置10では、第1の通信情報C1に基づき照明光Lを変調させてなる通信光Laを、ライトガイド40を介して光源装置12から電子内視鏡11に送信し、電子内視鏡11にて通信光Laを光電変換して第1の通信情報C1を取得する。このため、少なくとも光源装置12については既存の白色半導体光源30を用いて通信光Laの送信が実行可能となるので、通信光Laを送信するためにLD等の光通信インタフェースや無線通信インタフェースを光源装置12に別途設ける必要がなくなる。これにより、光源装置12の大型化及びコストアップが抑えられる。また、ライトガイド40を利用した光通信、すなわち、高速通信を行うことができる。さらに、ライトガイド40を利用した有線の光通信では、非接触の光通信等で送信を行う場合よりも高速で安定的に通信光Laを電子内視鏡11に送信することができる。その結果、内視鏡装置10の大型化及びコストアップを抑えつつ、光源装置12と電子内視鏡11との間で高速通信が可能になる。
【0082】
また、本発明の内視鏡装置10では、電子内視鏡11の既存の撮像素子48を用いて通信光Laを光電変換して第1の通信情報C1を出力することができるので、電子内視鏡11の内部の限られたスペース(特に挿入部16内のスペース)にPDなどの光電変換部を別途設ける必要が無くなる。これにより、電子内視鏡11の内部のスペースが圧迫される
ことが防止されるので、特に電子内視鏡11の大型化(挿入部16の太径化)及びコストアップを抑えることができる。
【0083】
また、本発明の内視鏡装置10では、LD26を有する撮像信号送信用の高速光通信インタフェースを用いて、電子内視鏡11から光源装置12に対して第2の通信情報C2に対応する光信号Sを送信することにより、電子内視鏡11から光源装置12への通信を高速化することができる。
【0084】
また、本発明の内視鏡装置10では、照明光L(通信光La)として可視光を用いているので、撮像素子48等の光電変換部に紫外カットフィルタや赤外カットフィルタが設けられている場合でも通信光Laを光電変換部にて受光することができる。
【0085】
[第2実施形態の内視鏡装置]
次に、
図5を用いて本発明の第2実施形態の内視鏡装置10Aについて説明を行う。上記第1実施形態の内視鏡装置10の電子内視鏡11では、分光部45により分光された通信光Laを撮像素子48に受光させているが、内視鏡装置10Aの電子内視鏡11Aでは、分光部45を用いることなく通信光Laを撮像素子48に受光させる。
【0086】
なお、内視鏡装置10Aは、電子内視鏡11Aの構成が第1実施形態の電子内視鏡11と異なる点を除けば、第1実施形態の内視鏡装置10と基本的に同じ構成である。このため、上記第1実施形態と機能・構成上同一のものについては、同一符号を付してその説明は省略する。
【0087】
電子内視鏡11Aでは、ライトガイド40の途中に分光部45は設けられていない。このため、白色半導体光源30から供給された通信光Laは、分光されることなく照明窓42を通して挿入部先端部16aの前方に照射される。この通信光Laは挿入部先端部16aの前方にある何らかの物体Xで反射/散乱される。そして、反射/散乱した照明光Lは、観察窓43を通して集光レンズ44に入射し、集光レンズ44を通して撮像素子48に受光される。これにより、第1実施形態と同様に、撮像素子48は受光した通信光Laを光電変換して第1の通信情報C1を出力することができる。物体Xは、反射板、挿入部先端部16aに取り付けられるキャップ、部屋の壁、観察部位など特に限定はされない。
【0088】
なお、内視鏡装置10Aは、電子内視鏡11Aの構成が一部異なる点を除けば第1実施形態の内視鏡装置10と基本的に同じ構成であるので、その作用は第1実施形態と基本的に同じであり、第1実施形態で説明した効果と同様の効果が得られる。
【0089】
さらに、第2実施形態の内視鏡装置10Aの電子内視鏡11Aでは、分光部45を用いることなく通信光Laを撮像素子48に受光させて第1の通信情報C1を出力可能であるので、分光部45、ハーフミラー46、シャッタ47などを設ける必要がなくなる。これにより、電子内視鏡11Aは、第1実施形態の電子内視鏡11よりも内部のスペースが圧迫されることが防止され、かつ大型化(挿入部16の太径化)及びコストアップを抑えることができる。言い換えると、第1実施形態の電子内視鏡11よりも挿入部16を細径化することができる。
【0090】
[第3実施形態の内視鏡装置]
次に、
図6を用いて本発明の第3実施形態の内視鏡装置10Bについて説明を行う。上記第1実施形態の内視鏡装置10の光源装置12では、照明光Lとして白色半導体光源30から出射される白色光を用いている。これに対して、内視鏡装置10Bの光源装置12Bでは、照明光Lとして、赤色、緑色、青色の各色の可視光を用いている。
【0091】
なお、内視鏡装置10Bは、光源装置12Bの構成が第1実施形態の光源装置12と異なり、かつ詳しくは後述する特殊光観察が可能である点を除けば、第1実施形態の内視鏡装置10と基本的に同じ構成である。このため、上記第1実施形態と機能・構成上同一のものについては、同一符号を付してその説明は省略する。
【0092】
光源装置12Bは、第1実施形態の白色半導体光源30及び光源制御部32の代わりにRGB半導体光源71、光源制御部32Bを有しており、その他の構成は第1実施形態の光源装置12と基本的に同じである。
【0093】
図7は、RGB半導体光源71の概略図である。RGB半導体光源71は、本発明の光源の一形態に相当するものであり、可視光として、赤色光(図中では「R」と表示)を出射する半導体光源71Rと、緑色光(図中では「G」と表示)を出射する半導体光源71Gと、青色光(図中では「B」と表示)を出射する半導体光源71Bと、を有する。以下、赤色光、緑色光、青色光をそれぞれR光、G光、B光と略す。各色の半導体光源71R,71G,71Bからそれぞれ出射されるR,G,B光が照明光Lとなる。
【0094】
図6に戻って、光源制御部32Bは、光源CPU36の制御の下、各色の半導体光源71R,71G,71BからのR,G,B光の出射を制御する。また、光源制御部32Bは、内視鏡装置10Bの起動の際に、光源CPU36から入力される第1の通信情報C1に基づき、RGB半導体光源71を制御して第1の通信情報C1を通信光に変調する。すなわち、光源制御部32Bは、本発明の光変調部の一形態に相当するものである。
【0095】
図8に示すように、内視鏡装置10Bの起動の際に光源制御部32Bは、第1の通信情報C1に基づき半導体光源71Rを制御して、R,G,B光のうちのR光のスイッチングを行い、第1の通信情報C1を通信光LaRに変換する。これにより、RGB半導体光源71から出射される照明光Lの特定波長域の光であるR波長域のR光を、通信光LaRとして機能させることができる。以下、R,G,B光のうちのR光を通信光LaRに変換する理由について説明する。
【0096】
図9に示すように、内視鏡装置10Bは、前述の通常モードの他に、特定の狭い波長帯域の光(以下、狭帯域光という)を生体組織に照射して、生体組織の表層血管や中深層血管の特殊光観察を行う特殊光観察モードを有している。血管(へモグロビン)の光吸収スペクトルは、415nm付近や540nm付近の帯域に吸収ピークを持つため、特殊光観察では、狭帯域光として、415nm付近の光吸収率が高い帯域の波長を持つ青色狭帯域光Bnと、540nm付近の光吸収率が高い帯域の波長を持つ緑色狭帯域光Gnとを使用している。
【0097】
光源装置12Bでは、特殊光観察モード下において、例えば半導体光源71B,71GがLEDである場合に、半導体光源71B,71Gからそれぞれ出射されるB光やR光の光路上にフィルタ73B,73Gがセットされる。フィルタ73B,73Gは、それぞれ特定の波長域に制限された青色狭帯域光Bn、緑色狭帯域光Gnを透過させる。これにより、青色狭帯域光Bn、緑色狭帯域光Gnを電子内視鏡11に供給することができる。なお、LED及びフィルタ73B,73Gを使用する代わりに、青色狭帯域光Bn及び緑色狭帯域光Gnをそれぞれ出射するLD等の狭帯域光の光源を別途設けてもよい。
【0098】
血管の光吸収率が高い帯域に対応する狭帯域光を使用すると、観察像においては、血管部分は光が吸収されるため暗く、血管の周辺組織では吸収されずに、散乱、反射するため明るく写る。そして、照明光を狭帯域化することにより、光吸収率が高い帯域から外れる波長が照明光から取り除かれるため、血管部分において散乱、反射する成分が減り、血管とその周辺組織のコントラストが強調された観察像が得られる。
【0099】
また、生体組織内における光の散乱特性は、波長が長いほど低くなるため、波長が長い光ほど生体組織の深層まで到達する(深達度が高い)。そのため、青色狭帯域光Bnとより波長が長い緑色狭帯域光Gnの2種類の狭帯域光を利用することにより、青色狭帯域光Bnにより、生体組織表面近くの表層にある表層血管を強調した像を得て、緑色狭帯域光Gnにより、より深い中深層の血管を強調した像を得ることができる。
【0100】
このように、表層血管や中深層血管の特殊光観察ではR光は使用されない。このため、内視鏡装置10Bでは、R,G,B光のうちのR光を通信光LaRに変換している。ここで、半導体光源71Rからの通信光LaRの照射は、内視鏡装置10Bの起動の際、または後述する垂直ブランキング期間(
図11参照)に行われるので、通信光LaRが特殊光観察で得られる観察像に影響を及ぼすことはない。
【0101】
なお、撮像素子48が、2次元配列された複数の光電変換素子PDと、各光電変換素子PD上に光電変換素子PDに対応する配列パターンで配設された少なくともR色のフィルタRF、G色のフィルタGF、及びB色のフィルタBFを含むカラーフィルタCFと、を有する場合に、R光(通信光LaR)は、フィルタRFを透過可能な波長の光である。
【0102】
図6に戻って、光源装置12Bからコネクタ部25aを介してライトガイド40に供給された通信光LaRは、分光部45で分光された後、シャッタ47及びハーフミラー46を経て撮像素子48に入射する。撮像素子48は、通信光LaRを受光すると共に光電変換して第1の通信情報C1を出力する。これ以降の処理は、第1実施形態と同じであるので、ここでは説明を省略する。
【0103】
このように第3実施形態の内視鏡装置10Bでは、第1の通信情報C1に基づき照明光Lの波長域のうちの特定の波長域の光(ここではR光)を変調させてなる通信光LaRを、ライトガイド40を介して光源装置12から電子内視鏡11に送信し、電子内視鏡11にて通信光LaRを光電変換して第1の通信情報C1を取得する。このため、上記第1実施形態で説明した効果と同様の効果が得られる。また、特殊光観察に利用しない波長域の光(ここではR光)を利用して第1の通信情報C1の送信を行うことができる。
【0104】
上記第3実施形態では、R,G,B光のうちのR光を通信光LaRに変換しているが、他の色の光を通信光に変換してもよい。また、上記第3実施形態では、R,G,B光を照明光Lとして出射するRGB半導体光源71を用いているが、照明光Lとして出射する光の色の種類及び数は特に限定はされない。
【0105】
さらに、特殊光観察は表層血管や中深層血管の特殊光観察に限られず、例えば、特定の波長の光を利用して行う蛍光観察(Auto Fluorescence Imaging)などの各種特殊光観察があり、各特殊光観察において使用されないR光以外の色の光を通信光に変換してもよい。
【0106】
また、上記第2実施形態の内視鏡装置10Aにおいて、第3実施形態の内視鏡装置10Bと同様に、照明光Lの波長域のうちの特定の波長域の光(例えばR光)を変調させた光を通信光として用いてもよい。
【0107】
[第4実施形態の内視鏡装置]
次に、
図10を用いて本発明の第4実施形態の内視鏡装置10Cについて説明を行う。上記第1実施形態の内視鏡装置10の電子内視鏡11では、観察部位の撮像に用いる撮像素子48により通信光Laを光電変換して第1の通信情報C1を出力している。これに対して、内視鏡装置10Cの電子内視鏡11Cでは、撮像素子48とは異なる光電変換部8
0を用いて通信光を光電変換して第1の通信情報C1を出力する。
【0108】
なお、内視鏡装置10Cは、電子内視鏡11Cの構成が第1実施形態の電子内視鏡11と異なる点を除けば、第1実施形態の内視鏡装置10と基本的に同じ構成である。このため、上記第1実施形態と機能・構成上同一のものについては、同一符号を付してその説明は省略する。
【0109】
電子内視鏡11Cは、第1実施形態のシャッタ47及びハーフミラー46の代わりに、分光部45にて分光された照明光L(通信光Laを含む)の光路上に配置された光電変換部80を有する。光電変換部80は、例えばPDや撮像素子などを含んで構成されており、前述の撮像素子48と同様に、分光部45にて分光された通信光Laを受光し光電変換して第1の通信情報C1を出力する。これ以降の処理は、第1実施形態と基本的に同じであるので、ここでは説明を省略する。
【0110】
このように第4実施形態の内視鏡装置10Cにおいても、光源装置12からライトガイド40を介して送信される通信光Laを、電子内視鏡11Cの光電変換部80により光電変換して第1の通信情報C1を取得することができる。これにより、第1実施形態と同様に、内視鏡装置10Cの大型化及びコストアップを抑えつつ、光源装置12から電子内視鏡11Cへの通信を高速化することができる。また、シャッタ47を設けることなく、観察部位の観察時に照明光Lが撮像素子48に入射することが防止される。
【0111】
なお、上記第3実施形態の内視鏡装置10Bにも、内視鏡装置10Cと同様に、撮像素子48とは別途に光電変換部80を設けてもよい。
【0112】
[その他]
上記第1実施形態では、内視鏡装置10の起動の際に、光源装置12から電子内視鏡11に対して第1の通信情報C1に対応する通信光Laを送信しているが、観察部位の観察時に通信光の送信を行ってもよい。この場合には、例えば
図11に示すように、撮像素子48から出力されるフレームごとの撮像信号間の垂直ブランキング期間内に、光源装置12から電子内視鏡11に対して通信光Laを送信する。これにより、観察部位の観察時にも、第1の通信情報C1として、電子内視鏡11の動作制御に係る各種情報を光信号化して光源装置12から電子内視鏡11に送信することができる。なお、上記第2実施形態から第4実施形態についても同様に、観察部位の観察時に通信光の送信を行ってもよい。
【0113】
上記各実施形態では、照明光として可視光を用いているが、照明光が可視範囲内及び可視範囲外の波長域の光を含む広帯域光である場合には、例えば、照明光の波長域のうちの可視範囲外の波長域の光を通信光として用いてもよい。
【0114】
上記各実施形態では、光源装置の光源としてLDやLED等の半導体光源を例に挙げて説明を行ったが、例えばキセノンランプ等の半導体光源以外の各種光源を用いてよい。なお、光源としてキセノンランプを用いる場合には、別途に通信光を出射可能なLEDやLD等の半導体光源を設けるようにしてもよい。
【0115】
上記各実施形態では、LD26及びPD27により、電子内視鏡から光源装置に対して第2の通信情報C2に対応する光信号Sを送信しているが、LD26の代わりにLED等を用いて良く、さらに非接触型の通信方式であれば特に限定されない。例えば、電子内視鏡にて第2の通信情報C2を電波信号に変換し、この電波信号を無線通信により光源装置に送信して、光源装置にて電波信号を第2の通信情報C2に変換して出力してもよい。この場合には、
図2等において、LD26及びPD27の代わりに無線通信可能な無線送信部、無線受信部を設ける。そして、信号送信制御部50は、無線送信部から第2の通信情
報C2に対応する電波信号を送信させ、信号受信制御部34は、無線受信部が受信した電波信号を第2の通信情報C2に変換して出力する。
【0116】
上記第1実施形態等では、ライトガイド40を通る通信光Laを分光部45で分光しているが、分光部は
図2等に示したものに限定されず、例えば光ファイバカプラやスプリッタ等でライトガイド40から別の光ファイバケーブルを分岐させて、この光ファイバケーブルにより通信光Laを撮像素子48や光電変換部80まで導く構成も本発明の分光部に含まれる。また、上記第1実施形態等では、分光部45で分光された通信光Laをハーフミラー46で撮像素子48に向けて反射しているが、ハーフミラー46を設けることなく、分光部45で分光された通信光Laを光ファイバケーブル等により光電変換部80まで導くようにしてもよい。さらに、分光部45で分光された通信光Laを撮像素子48で受光可能な構成であれば特に限定はされない。
【0117】
上記各実施形態では、電子内視鏡として軟性内視鏡を例に挙げて説明を行ったが、硬性内視鏡等の各種電子内視鏡を備える内視鏡装置に本発明を適用することができる。
【0118】
更に、本発明は上述した実施形態に限定されず、本発明の精神を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であることは言うまでもない。