【文献】
MAIMONE, Andrew et al.,Reducing Interference Between Multiple Structured Light Depth Sensors Using Motion,2012 IEEE Virtual Reality Short Papers and Posters (VRW),2012年,pp. 51-54,ISBN:978-1-4673-1247-9, DOI:10.1109/VR.2012.6180879
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記光変調部は、前記第1のパターンを空間変調させるための複数の空間変調パターンを記憶する記憶部を有し、前記判別部により前記他の距離画像取得装置から前記第2のパターンが投射されていると判別され、かつ前記投射部から投射される前記第1のパターンと前記他の距離画像取得装置から投射される前記第2のパターンとの識別が不能な場合に、前記他の距離画像取得装置から投射される前記第2のパターンとの識別が可能な空間変調パターンを前記記憶部から選択し、前記選択した空間変調パターンにしたがって前記投射部から投射される前記第1のパターンを空間変調させる請求項3に記載の距離画像取得装置。
前記他の距離画像取得装置から送信されるビーコン情報であって、前記他の距離画像取得装置から前記第2のパターンが投射されていることを示すビーコン情報を受信するビーコン情報受信部を備え、
前記判別部は、前記ビーコン情報受信部が前記ビーコン情報を受信すると、前記他の距離画像取得装置から前記第2のパターンが投射されていると判別する請求項2に記載の距離画像取得装置。
前記光変調部は、前記第1のパターンを空間変調の変調内容が異なる複数の空間変調パターンを記憶する記憶部を有し、前記記憶部に記憶された複数の空間変調パターンの中から順番に、又はランダムに前記空間変調パターンを読み出し、前記読み出した空間変調パターンにしたがって前記投射部から投射される前記第1のパターンを空間変調させる請求項1に記載の距離画像取得装置。
前記撮像部は、近赤外光の波長帯域に感度を有する第1の受光素子と、可視光の波長帯域に感度を有する第2の受光素子とが混在して2次元配列されたイメージセンサを有し、
前記パターン抽出部は、前記イメージセンサの前記第1の受光素子により取得される画像から前記光変調部により空間変調された前記第1のパターンを抽出し、
前記イメージセンサの前記第2の受光素子により取得される画像から前記測距領域内の被写体の可視光画像を生成する可視光画像生成部を更に備えた請求項1から10のいずれか1項に記載の距離画像取得装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
非特許文献1に記載の距離画像取得装置は、偏心モータにより装置全体を振動させるため、特別な保持装置で装置全体を振動可能に保持する必要があり、手持ちでの使用に適さず、携帯性に欠けるという問題がある。
【0009】
また、非特許文献1に記載の距離画像取得装置は、装置全体を高周波で振動させるため、振動させる機器(偏心モータ)が大型化し、高価になるとともに、消費エネルギが増大し、更に騒音が発生するという問題がある。
【0010】
更にまた、一般に距離画像取得装置には、白黒画像やカラー画像を撮像する撮像装置が搭載されていることがあるが、非特許文献1に記載の距離画像取得装置の場合、距離画像の取得時に撮像装置も振動するため、撮像される画像がボケるという問題がある。
【0011】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、他機から構造化光のパターンが同時に照射されていても自機から投射したパターンを容易に識別して距離画像を取得することができ、また、手持ちでの使用、装置の小型化及び低コスト化が可能な距離画像取得装置及び距離画像取得方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために本発明の一の態様に係る距離画像取得装置は、測距領域内の被写体に対して2次元に分布する構造化光の第1のパターンを投射する投射部と、投射部から投射される第1のパターンを空間変調させる光変調部と、投射部から基線長だけ離れて並設され、測距領域内の被写体上で反射する第1のパターンを含む画像を撮像する撮像部と、撮像部により撮像された画像から光変調部により空間変調された第1のパターンを抽出するパターン抽出部と、パターン抽出部により抽出された第1のパターンに基づいて測距領域内の被写体の距離を示す距離画像を取得する距離画像取得部と、を備える。
【0013】
本発明の一の態様によれば、光変調部により投射部から投射される構造化光の第1のパターンを空間変調させるようにしたため、撮像部により撮像される第1のパターンは、光変調部による空間変調に対応したボケたパターンとなる。これにより、他機から構造化光の他のパターンが同じ被写体に投射されていても、自機から投射した第1のパターンと他機から投射された他のパターンとを識別して被写体の距離を示す距離画像を取得することができる。また、撮像部を振動させずに、第1のパターンを空間変調するため、距離画像取得装置全体が振動することがない。即ち、距離画像取得装置は、装置全体が振動しないため、手持ちでの使用が可能であり、携帯性に優れる。また、距離画像取得装置にカラー画像を撮像する撮像装置の機能を追加した場合に、距離画像の取得と同時にブレのないカラー画像の取得が可能である。
【0014】
本発明の他の態様に係る距離画像取得装置において、他の距離画像取得装置から構造化光の第2のパターンが投射されているか否かを判別する判別部を備え、光変調部は、判別部により他の距離画像取得装置から第2のパターンが投射されていると判別されると、投射部から投射される第1のパターンを空間変調させることが好ましい。即ち、他の距離画像取得装置から第2のパターンが投射されていないと判別された場合には、投射部から投射される第1のパターンを空間変調させないため、ボケていない第1のパターンを取得することができる。
【0015】
本発明の更に他の態様に係る距離画像取得装置において、第1のパターン及び第2のパターンは、それぞれドットパターンであり、判別部は、撮像部により撮像された画像から検出されたドットパターンのドット数が投射部から投射した第1のパターンのドット数を越えている場合に、他の距離画像取得装置から第2のパターンが投射されていると判別する。
【0016】
本発明の更に他の態様に係る距離画像取得装置において、光変調部は、第1のパターンを空間変調させるための複数の空間変調パターンを記憶する記憶部を有し、判別部により他の距離画像取得装置から第2のパターンが投射されていると判別され、かつ投射部から投射される第1のパターンと他の距離画像取得装置から投射される第2のパターンとの識別が不能な場合に、他の距離画像取得装置から投射される第2のパターンとの識別が可能な空間変調パターンを記憶部から選択し、選択した空間変調パターンにしたがって投射部から投射される第1のパターンを空間変調させることが好ましい。
【0017】
他の距離画像取得装置が、自機と同じ変調内容(空間変調パターン)で第2のパターンを空間変調している場合には、第1のパターンと第2のパターンとを識別することができない。この場合には、他の距離画像取得装置が第2のパターンを空間変調している空間変調パターンとは異なる空間変調パターンにしたがって第1のパターンを空間変調させ、これにより第1のパターンと第2のパターンとを識別できるようにしている。
【0018】
本発明の更に他の態様に係る距離画像取得装置において、他の距離画像取得装置から送信されるビーコン情報であって、他の距離画像取得装置から第2のパターンが投射されていることを示すビーコン情報を受信するビーコン情報受信部を備え、判別部は、ビーコン情報受信部がビーコン情報を受信すると、他の距離画像取得装置から第2のパターンが投射されていると判別する。
【0019】
本発明の更に他の態様に係る距離画像取得装置において、ビーコン情報は、第2のパターンの空間変調の変調内容を示す空間変調情報を含み、光変調部は、第1のパターンを空間変調の変調内容が異なる複数の空間変調パターンを記憶する記憶部を有し、判別部により他の距離画像取得装置から第2のパターンが投射されていると判別され、かつ投射部から投射される第1のパターンと他の距離画像取得装置から投射される第2のパターンとの識別が不能な場合に、第1のパターンと第2のパターンとの識別を可能にする空間変調パターンを記憶部から選択し、選択した空間変調パターンにしたがって投射部から投射される第1のパターンを空間変調させることが好ましい。
【0020】
本発明の更に他の態様に係る距離画像取得装置において、光変調部は、第1のパターンを空間変調の変調内容が異なる複数の空間変調パターンを記憶する記憶部を有し、記憶部に記憶された複数の空間変調パターンの中から順番に、又はランダムに空間変調パターンを読み出し、読み出した空間変調パターンにしたがって投射部から投射される第1のパターンを空間変調させることが好ましい。
【0021】
第1のパターンのボケ形状は、読み出した空間変調パターンにより既知である。従って、第1のパターンのボケ形状(空間変調パターン)を順番に又はランダムに変えることで、他機から投射されるパターンが空間変調されていても、第1のパターンのボケ形状と異なるボケ形状を有するパターンは他機から投射されるパターンであると判別することができる。
【0022】
本発明の更に他の態様に係る距離画像取得装置において、光変調部は、投射部又は投射部の投射光学系を振動させる振動子であることが好ましい。光変調部により振動させる対象は、距離画像取得装置全体に比べて小さいため、光変調部も小型化及び低コスト化が可能であり、騒音の発生源にならないようにすることができる。
【0023】
本発明の更に他の態様に係る距離画像取得装置において、振動子は、ピエゾ素子又はボイスコイル型振動子であることが好ましい。
【0024】
本発明の更に他の態様に係る距離画像取得装置において、光変調部は、投射部から投射される第1のパターンが入射するマイクロミラー群を有し、マイクロミラー群を揺動させることによりマイクロミラー群により反射する第1のパターンを空間変調させるデジタルマイクロミラーデバイスであることが好ましい。デジタルマイクロミラーデバイスは、投射部等を機械的に振動させるのではなく、マイクロミラー群を揺動させることにより第1のパターンを空間変調させるため、機械的な振動を発生させることがなく、騒音源にもならない。
【0025】
本発明の更に他の態様に係る距離画像取得装置において、第1のパターンが投射される測距領域と、他の距離画像取得装置から投射される構造化光の第2のパターンの投射領域とが重複する重複領域を判別する領域判別部を備え、光変調部は、デジタルマイクロミラーデバイスのマイクロミラー群のうちの領域判別部により判別された重複領域に対応するマイクロミラーのみを揺動させることが好ましい。第1のパターンの投射領域と第2のパターンの投射領域とが完全に重複することは稀である。従って、重複領域に対応するマイクロミラーのみを揺動させ、これにより第1のパターンと第2のパターンとの識別を可能にし、一方、重複しない領域に対応する第1のパターンは空間変調されないため、ボケていないパターンとして撮像することができる。
【0026】
本発明の更に他の態様に係る距離画像取得装置において、第1のパターンの光は、近赤外光であり、撮像部は、少なくとも近赤外光の波長帯域に感度を有することが好ましい。これによれば、距離画像取得装置を人工照明(近赤外光を含まない照明)のみの室内で使用する場合、又は夜間に使用する場合、第1のパターンのみを撮像することができる。また、環境光に近赤外光が含まれていても環境光中の近赤外光は、投射される第1のパターンに比べて十分に小さいため、例えば2値化処理により第1のパターンを容易に抽出することができる。
【0027】
本発明の更に他の態様に係る距離画像取得装置において、撮像部は、近赤外光の波長帯域に感度を有する第1の受光素子と、可視光の波長帯域に感度を有する第2の受光素子とが混在して2次元配列されたイメージセンサを有し、パターン抽出部は、イメージセンサの第1の受光素子により取得される画像から光変調部により空間変調された第1のパターンを抽出し、イメージセンサの第2の受光素子により取得される画像から測距領域内の被写体の可視光画像を生成する可視光画像生成部を更に備えることが好ましい。これによれば、1つのイメージセンサの出力に基づいて同一画角の距離画像と可視光画像とを同時に取得することができる。
【0028】
本発明の更に他の態様に係る距離画像取得方法は、投射部から測距領域内の被写体に対して2次元に分布する構造化光の第1のパターンを投射するステップと、投射部から投射される第1のパターンを空間変調させるステップと、投射部から基線長だけ離れて並設された撮像部により測距領域内の被写体上で反射する第1のパターンを含む画像を撮像するステップと、撮像部により撮像された画像に基づいて空間変調された第1のパターンを抽出するステップと、抽出された第1のパターンに基づいて測距領域内の被写体の距離を示す距離画像を取得するステップと、を含む。
【0029】
本発明の更に他の態様に係る距離画像取得方法において、投射部から投射される第1のパターンと異なる第2のパターンが投射されているか否かを判別するステップを含み、第1のパターンを空間変調させるステップは、第2のパターンが投射されていると判別されると、第1のパターンを空間変調させることが好ましい。
【0030】
本発明の更に他の態様に係る距離画像取得方法において、第1のパターン及び第2のパターンは、それぞれドットパターンであり、判別するステップは、撮像部により撮像された画像から検出されたドットパターンのドット数が第1のパターンのドット数を越えている場合に、第2のパターンが投射されていると判別する。
【0031】
本発明の更に他の態様に係る距離画像取得方法において、空間変調させるステップは、判別するステップにより第2のパターンが投射されていると判別され、かつ第1のパターンと第2のパターンとの識別が不能な場合に、第1のパターンと第2のパターンとの識別を可能にする空間変調パターンにしたがって投射部から投射される第1のパターンを空間変調させることが好ましい。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、測距領域内の被写体に対して投射する構造化光の第1のパターンのみを空間変調させるようにしたため、他機から同一の被写体に構造化光の他のパターンが同時に照射されていても自機から投射した第1のパターンを容易に識別して被写体の距離を示す距離画像を取得することができ、特に装置全体が振動しないため、手持ちでの使用が可能であり、また、装置の小型化及び低コスト化を実現することができる。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、添付図面に従って本発明に係る距離画像取得装置及び距離画像取得方法の実施形態について説明する。
【0035】
[距離画像取得装置]
図1は、本発明に係る距離画像取得装置10の第1の実施形態を示す外観図である。
【0036】
図1に示すように距離画像取得装置10は、投射部12と撮像部14とを有し、シャッターボタン11の操作による撮像指示入力が加えられると、後に詳しく説明するが、撮像領域(測距領域)内の被写体の距離(深度情報)を示す距離画像を取得する。
【0037】
ここで、距離画像取得装置10は、静止画撮像と同様に1フレーム分の距離画像を取得する静止画モードと、動画撮像と同様に所定のフレームレート(例えば、30フレーム/秒、60フレーム/秒)で連続する距離画像を取得する動画モードとを有し、これらの静止画モードと動画モードとは操作部28(
図3)のモード選択部の操作により適宜選択可能になっている。そして、静止画モードが選択されているときにシャッターボタン11をワンプッシュすると、1フレーム分の距離画像を取得し、動画モードが選択されているときにシャッターボタン11をワンプッシュすると、所定のフレームレートで連続する距離画像の取得を開始し、再度シャッターボタン11をワンプッシュすると、距離画像の取得を停止する。
【0038】
図2は、距離画像取得装置10における距離画像取得の原理を説明するために用いた図である。
【0039】
図2に示すように距離画像の取得時に投射部12は、測距領域内の被写体に対して2次元に分布する構造化光のパターン(第1のパターン)を投射する。本実施形態では、構造化光の第1のパターンとして、マトリクス状のドットパターンを被写体に投射する。以下、投射部12から投射される構造化光の第1のパターンを、「第1のドットパターン」という。
【0040】
撮像部14は、被写体上で反射する第1のドットパターンを含む画像を撮像する。撮像部14は、
図2に示すように投射部12から基線長Lだけ離れて並設されており、投射部12から投射される第1のドットパターンと、撮像部14により撮像される第1のドットパターンとの対応する各ドット間には被写体の距離に応じた視差が発生する。従って、投射部12から投射される第1のドットパターンの各ドットの、撮像部14により撮像されるイメージセンサ上の受光位置(図示せず)に基づいて三角測量法を用いて被写体の距離を示す距離画像を求めることができる。
【0041】
尚、本実施形態の投射部12は、
図2及び
図8に示すようにマトリクス状の第1のドットパターンを投射するが、これに限らず、ドット間隔がランダム(疑似ランダム)のドットパターンを投射してもよいし、メッシュ状のパターンを投射してもよい。
【0042】
図3は、上記距離画像取得装置10の内部構成例を示すブロック図である。
【0043】
図3に示す距離画像取得装置10は、前述した投射部12及び撮像部14の他に、AD(Analog-to-Digital)変換器16、インターフェース回路18、中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)20、光変調部22、駆動部26、操作部28及び通信部30を備えている。
【0044】
投射部12は、近赤外発光ダイオード(近赤外LED(LED:Light Emitting Diode))12Aと、回折光学素子12Bと、投射光学系として機能する投射レンズ12Cとから構成されている。
【0045】
回折光学素子12Bは、光の回折現象を利用して光強度分布を変換する素子として機能し、本例では近赤外LED12Aから発光された近赤外光を入射し、
図2に示したマトリクス状の第1のドットパターンに変換する。投射レンズ12Cは、回折光学素子12Bにより変換された近赤外光の第1のドットパターンを、撮像部14による撮像領域(測距領域)と同じ測距領域の被写体に投射する。
【0046】
撮像部14は、結像レンズ14Aとイメージセンサ14Bとから構成されている。結像レンズ14Aは、被写体からの反射光(投射部12から投射され、被写体にて反射する第1のドットパターンを含む光像)をイメージセンサ14Bに結像させる。
【0047】
イメージセンサ14Bは、垂直ドライバ及び水平ドライバ等を有するCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)ドライバ、及びタイミングジェネレータにより駆動されるCMOS型のイメージセンサにより構成されている。尚、イメージセンサ14Bは、CMOS型に限らず、XYアドレス型、又はCCD(Charge Coupled Device)型のイメージセンサでもよい。
【0048】
イメージセンサ14Bは、2次元状に複数の受光素子(フォトダイオード)が配列され、複数の受光素子の入射面側には、投射部12から投射される近赤外光の第1のドットパターンの波長帯域のみを通過させるバンドパスフィルタ、又は可視光を除去する可視光カットフィルタが設けられている。これにより、イメージセンサ14Bの複数の受光素子は、近赤外光に対して感度をもった画素として機能する。
【0049】
イメージセンサ14Bは、図示しないタイミングジェネレータから加えられるタイミング信号(シャッター制御信号)により露光期間が制御され、イメージセンサ14Bの各受光素子には、露光期間に入射する近赤外光の光量に対応する電荷が蓄積される。そして、イメージセンサ14Bからは、被写体にて反射した第1のドットパターンの入射光量に応じた画素信号(画素毎に蓄積された電荷に対応するアナログ信号)が読み出される。尚、被写体に環境光が照射され、環境光中に近赤外光の波長帯域の成分が含まれている場合には、環境光中に近赤外光の波長帯域の成分は、ノイズ信号として画素信号に含まれることになる。
【0050】
イメージセンサ14Bから読み出されたアナログ信号は、AD変換器16によりデジタル信号(画像データ)に変換され、画像入力コントローラとして機能するインターフェース回路18を経由してCPU20に取り込まれる。尚、CMOS型のイメージセンサには、AD変換器を含むものがあり、この場合にはAD変換器16は省略することができる。
【0051】
CPU20は、詳細については後述するが、操作部28での指示入力に応じて距離画像取得装置10の露光制御、光変調部22、及び駆動部26等の各部を統括的に制御するデバイス制御部としての機能と、パターン抽出部20A、距離画像取得部20B、及び判別部20Cとしての機能とを有する。
【0052】
パターン抽出部20Aは、インターフェース回路18を介して入力する画像データから第1のドットパターンを抽出する部分であり、例えば適当な閾値を設定し、この閾値に基づいて入力する画像データを2値化処理することにより、第1のドットパターンのみを示す画像データ(2値画像データ)を抽出する。
【0053】
距離画像取得部20Bは、パターン抽出部20Aにより抽出された第1のドットパターンの2値画像データに基づいて第1のドットパターンの各ドットのイメージセンサ14B上の位置(例えば、各ドットの重心の位置)を求め、求めた第1のドットパターンの各ドットのイメージセンサ14B上の位置に基づいてドット毎に被写体の距離を算出し、これにより測距領域内の被写体の距離を示す距離画像を取得(生成)する。尚、距離画像は、測距領域内の被写体の距離を示す2次元の距離情報であるが、距離情報を距離に対応する輝度値や色情報に置き換えることにより、距離画像を画像として視認することができる。
【0054】
判別部20Cは、他の距離画像取得装置(以下、単に「他機」という)から構造化光のパターン(第2のパターン)が投射されているか否かを判別する部分である。いま、他機から第2のパターンが投射され、第2のパターンが第1のドットパターンと同様にドットパターン(第2のドットパターン)の場合、パターン抽出部20Aにより抽出されたドットパターンが、自機から投射された第1のドットパターンか、又は他機から投射された第2のドットパターンかを識別することができない。
【0055】
判別部20Cは、パターン抽出部20Aにより抽出されたドットパターンのドット数を計数し、計数したドット数が第1のドットパターンのドット数を越えている場合には、他機から第2のドットパターンが投射されていると判別することができる。
【0056】
通信部30は、他機又はアクセスポイントとの間で無線通信する近距離無線通信部であり、他機から直接又はアクセスポイントを介して送信されるビーコン情報を受信するビーコン情報受信部として機能する。判別部20Cは、通信部30からのビーコン情報の受信結果に応じて通信可能範囲に他機が存在しているか否か(即ち、他機から第2のドットパターンが投射されているか否か)を判別することができる。また、ビーコン情報として、他機が投射している構造化光のパターン(第2のパターンに相当する第2のドットパターン)を示す情報、及び第2のドットパターンが後述するように空間変調されている場合には、空間変調の変調内容を示す空間変調情報を含めることができ、この場合には、判別部20Cは、通信部30を介して受信するビーコン情報に基づいて他機から投射される第2のドットパターンに関する情報(第2のドットパターンの形状や空間変調の変調内容を示す空間変調情報等)を取得することができる。
【0057】
他機から同一の被写体に対して第2のドットパターンが投射されている場合、パターン抽出部20Aは、自機から投射した第1のドットパターンと他機から投射された第2のドットパターンとを抽出するが、この場合、第1のドットパターンと第2のドットパターンとが同一の形状(例えば、円形のドット)の場合、両者を識別することができない。
【0058】
そこで、パターン抽出部20Aが第1のパターンと第2のパターンとの識別が不能な場合、CPU20は、自機の投射部12から投射される第1のパターン(第1のドットパターン)を空間変調させる変調指令等を光変調部22に出力する。
【0059】
光変調部22は、投射部12から投射される第1のドットパターンを空間変調させるもので、第1のドットパターンを空間変調させるための複数の空間変調パターンを記憶する記憶部24を備え、他機から投射される第2のドットパターンとの識別が可能な空間変調パターンを記憶部24から選択し、選択した空間変調パターンにしたがって投射部12から投射される第1のドットパターンを空間変調させることが好ましい。
【0060】
操作部28は、電源スイッチ、シャッターボタン11、モード選択部等を含み、操作部28での指示入力はCPU20に加えられる。通信部30は、他の周辺機器又はアクセスポイントとの間で近距離無線を行う部分であり、本例では他の距離画像取得装置との間でビーコン情報等の送受信等を行う。
【0061】
[光変調部]
次に、第1の実施形態の光変調部22について詳述する。第1の実施形態の光変調部22は、投射部12又は投射レンズ12Cを振動させる振動子を含んで構成されている。
【0062】
図4は、光変調部22の第1の実施形態を示す要部構成図であり、特に投射レンズ12Cを光軸方向(z方向)と直交する水平方向(x方向)及び鉛直方向(y方向)に高周波で振動させる振動機構に関して示している。
【0063】
図4に示す光変調部22の振動機構は、一般のカメラに適用されている手ブレ補正機構と同様の構成を有しており、主としてベース部材100に設けられたメインガイド軸102及び回転止めガイド軸104によりx方向に移動自在に案内されたスライド部材106と、スライド部材106に設けられたサブガイド軸108及び回転止めガイド軸110によりy方向に移動自在に案内された移動部材112と、ベース部材100側に磁石が固定され、移動部材112側にコイルが固定されたボイスコイル型振動子114及び116と、ボイスコイル型振動子114及び116に駆動信号を供給するプリント基板118とから構成されている。尚、投射部12の投射レンズは、移動部材112に保持されている。
【0064】
ボイスコイル型振動子114は、プリント基板118を介して高周波の駆動信号が印加されると、スライド部材106及び移動部材112をx方向に振動させ、ボイスコイル型振動子116は、プリント基板118を介して高周波の駆動信号が印加されると、移動部材112をy方向に振動させる。
【0065】
即ち、ボイスコイル型振動子114又は116により移動部材112がx方向又はy方向に振動すると、移動部材112とともに投射レンズがx方向又はy方向に振動し、これにより投射レンズ12Cにより投射される第1のドットパターンは、x方向又はy方向に振動(空間変調)させられる。
【0066】
尚、上記第1の実施形態の光変調部22は、投射レンズ12Cを振動させる振動子として、ボイスコイル型振動子114又は116を使用しているが、これに限らず、例えば、ピエゾ素子(圧電素子)を使用することができる。
【0067】
図5は、光変調部22の第2の実施形態を含む投射部12の構成を示す図である。尚、
図5において、
図3に示した投射部12と共通する部分には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0068】
第2の実施形態の光変調部22は、主としてデジタルマイクロミラーデバイス(DMD:Digital Micromirror Device)200により構成されており、近赤外LED12Aから発光された近赤外光は、コリメータレンズ210により平行光に補正され、回折光学素子12Bに入射し、ここでマトリクス状の第1のドットパターンに変換される。回折光学素子12Bにより変換された近赤外光の第1のドットパターンの各ドットは、反射ミラー220を経由してDMD200を構成するマイクロミラー200A(
図6参照)に入射する。
【0069】
図6は、DMD200の構成を示す斜視図である。
図6に示すようにDMD200は、多数(第1のドットパターンのドット数とほぼ同数)のマイクロミラー200Aが格子状に配列されてなるマイクロミラー群により構成されている。マイクロミラー200Aの各々は、マイクロミラーの駆動情報を一時的に記憶するシリコンゲートのCMOS等からなるメモリセル202上にヒンジ及びヨーク(図示省略)を含む支柱により支持されている。マイクロミラー200Aの表面にはアルミニウム等の反射率の高い材料が蒸着されていて光反射面を形成している。マイクロミラー200Aの各々によって反射された第1のドットパターンは、DMD200により空間変調された後、投射レンズ12Cにより測距領域の被写体に投射される。
【0070】
第2の実施形態の光変調部22として機能するDMD200は、第1のドットパターンが入射するマイクロミラー群の各々のマイクロミラー200Aを高周波で揺動させることにより、第1のドットパターンを空間変調させることができる。尚、DMD200は、マイクロミラー群を構成する各々のマイクロミラー200Aを個別に制御することができ、後に詳しく説明するが、揺動させるマイクロミラーを選択し、選択したマイクロミラーのみを揺動させることが好ましい。
【0071】
次に、自機から投射した第1のドットパターンと他機から投射した第2のドットパターンとを識別する方法について、
図7から
図11を参照しながら説明する。
【0072】
図7は、撮像部14により撮像された近赤外画像であって、測距領域A内の被写体から反射した第1のドットパターンを含む画像の一例を示す図である。尚、
図7は、自機から投射した第1のドットパターンのみを含む画像を示している。また、説明の簡単のために、測距領域A内の被写体は、距離が一定の平坦面とする。
【0073】
図7に示すように距離が一定の平坦面に投射された第1のドットパターンは、ドット間隔が等間隔になる。尚、各ドット間隔は、撮像部14から被写体(平坦面)までの距離に対応する間隔になる。
【0074】
図8は、撮像部14により撮像された近赤外画像であって、自機から投射された第1のドットパターンと他機から投射された第2のドットパターンとを含む画像の一例を示す図である。
【0075】
図8において、自機の第1のドットパターンが投射される測距領域Aは、自機の第1のドットパターンと他機の第2のドットパターンとが重複する重複領域Bを含んでいる。この場合、第1のドットパターンと第2のドットパターンとは、ドット形状が同一であるため、第1のドットパターンと第2のドットパターンとを画像により識別することはできない。
【0076】
距離画像取得装置10は、自機の第1のドットパターンと他機の第2のドットパターンとの識別を可能にするために、光変調部22により自機から投射する第1のドットパターンを空間変調させる。
【0077】
図9は、
図8に示した第1のドットパターン及び第2のドットパターンを含む近赤外画像であって、光変調部22により投射レンズ12Cを上下方向(
図4に示すy方向)に振動させた状態で撮像された画像を示す図である。
【0078】
この場合、自機の投射部12から投射される第1のドットパターンのみが上下方向に空間変調されるため、
図9に示すように第1のドットパターンの各ドットの形状は、上下方向に長い長円形又は楕円形になる。
【0079】
従って、自機の第1のドットパターンが投射される測距領域Aに自機の第1のドットパターンと他機の第2のドットパターンとが重複する重複領域Bが存在していても、パターン抽出部20Aは、第1のドットパターンと第2のドットパターンとのドット形状の違いにより、光変調部22により空間変調された第1のドットパターン(長円形又は楕円形のドットパターン)のみを抽出することができる。
【0080】
尚、パターン抽出部20Aは、光変調部22による第1のドットパターンを空間変調させる空間変調パターン(即ち、空間変調パターンに対応する第1のドットパターンの各ドットの形状)を示す情報を、CPU20又は光変調部22から取得することができ、空間変調パターンに対応したドット形状を有する第1のドットパターンのみを抽出することができる。
【0081】
図10は、
図8に示した第1のドットパターン及び第2のドットパターンを含む近赤外画像であって、他機から投射された第2のドットパターンが空間変調されている場合に関して示している。
【0082】
この場合、第1のドットパターンと第2のドットパターンとの重複領域Bにおける、他機から投射された第2のドットパターンのドット形状は、空間変調により円形ではない。従って、自機の第1のドットパターンが投射される測距領域Aに自機の第1のドットパターンと他機の第2のドットパターンとが重複する重複領域Bが存在していても、パターン抽出部20Aは、第1のドットパターンと第2のドットパターンとのドット形状の違いにより、第1のドットパターン(円形のドットパターン)のみを抽出することができる。
【0083】
即ち、他機の第2のドットパターンが空間変調されている場合には、CPU20は自機の光変調部22をオフにし、第1のドットパターンを空間変調させないことが好ましい。
【0084】
図11は、第1のドットパターン及び第2のドットパターンを含む近赤外画像であって、2台の他機から第2のドットパターンが投射され、かつ2台の他機のうちの一方の他機から投射された第2のドットパターンが空間変調されている場合に関して示している。
【0085】
図11において、自機から投射された第1のドットパターンと2台の他機のうちの一方の他機から投射された空間変調された第2のドットパターンとが重複する重複領域B内には、2台の他機のうちの他方の他機から投射された空間変調されていない第2のドットパターンとが重複する重複領域Cが存在している。
【0086】
この場合、
図10に示したように自機の第1のドットパターンを空間変調させないと、重複領域Cにおいて、第1のドットパターンと2台の他機のうちの他方の他機から投射された空間変調されていない第2のドットパターンとを識別することができなくなる。
【0087】
そこで、自機から投射する第1のドットパターンを空間変調させ、空間変調された第1のドットパターンと空間変調されていない第2のドットパターンとを識別可能にするとともに、空間変調された第1のドットパターンと空間変調された第2のドットパターンとを識別可能にするために、第2のドットパターンの空間変調パターンと異なる空間変調パターンにて第1のドットパターンを空間変調させる。
【0088】
図11に示す例では、光変調部22により投射レンズ12Cを左右方向(
図4に示すx方向)に振動させ、自機の投射部12から投射される第1のドットパターンを左右方向に空間変調させる。これにより、第1のドットパターンの各ドットの形状は、左右方向に長い長円形又は楕円形になり、パターン抽出部20Aは、自機の第1のドットパターンと空間変調されて上下方向に長い長円形又は楕円形のドット形状を有する他機の第2のドットパターンとを識別することができる。
【0089】
尚、
図4に示した光変調部22を構成するボイスコイル型振動子114及び116をそれぞれ協働させ、投射レンズ12Cをx方向及びy方向にそれぞれ移動させることにより、第1のドットパターンの各ドットの形状を任意の形状にすることができる。即ち、第1のドットパターンを空間変調させるための複数の空間変調パターン(第1のドットパターンの各ドットの形状に対応する複数の空間変調パターン)を記憶部24に記憶させておき、光変調部22は、他機から投射される第2のドットパターンとの識別が可能な空間変調パターンを記憶部24から選択し、選択した空間変調パターンにしたがって投射部12から投射される第1のドットパターンを空間変調させることが好ましい。
【0090】
また、
図8及び
図9に示すように測距領域Aのうちの重複領域Bにおいて、自機の第1のドットパターンと他機の第2のドットパターンとが混在し、測距領域Aの他の領域(重複領域Bを除いた他の領域)には、自機の第1のドットパターンのみが存在する場合、重複領域B内の第1のドットパターンのみを空間変調し、重複領域Bにおける自機の第1のドットパターンと他機の第2のドットパターンとを識別可能にしてもよい。
【0091】
この場合、領域判別部として機能する判別部20Cにより第1のドットパターンが投射される測距領域Aと他機から投射される第2のドットパターンの投射領域とが重複する重複領域Bを判別する。
図5及び
図6に示した第2の実施形態の光変調部22を構成するDMD200は、領域判別部による判別結果に応じてマイクロミラー群のうちの重複領域Bに対応するマイクロミラー群のみを揺動させる。これにより、第1のドットパターンと第2のドットパターンとの識別が可能になり、かつ重複しない領域に対応する第1のパターンは空間変調されないため、ボケていないドットパターンとして撮像することができる。
【0092】
[距離画像取得方法]
次に、本発明に係る距離画像取得方法について説明する。
【0093】
図12は、本発明に係る距離画像取得方法の第1の実施形態を示すフローチャートである。
【0094】
図12において、CPU20は、駆動部26を介して投射部12の近赤外LED12Aを点灯させ、投射部12から近赤外光の第1のドットパターンを測距領域の被写体に投射させる(ステップS10)。この場合、CPU20は、光変調部22をオフにし、第1のドットパターンの空間変調を行わないようにする(ステップS12)。
【0095】
続いて、撮像部14より空間変調されていない第1のドットパターンを含む画像を撮像する(ステップS14)。パターン抽出部20Aは、撮像された画像を閾値に基づいて2値化処理し、ドットパターン(ドットパターンを示す2値画像)を抽出する(ステップS16)。
【0096】
次に、判別部20Cは、他の距離画像取得装置からドットパターン(第2のドットパターン)が投射されているか否かを判別する(ステップS18)。この判別は、ステップS16で抽出したドットパターンのドット数が、第1のドットパターンのドット数よりも多いか否かにより行うことができ、又は他の距離画像取得装置の存在を示すビーコン情報を通信部30を介して受信したか否かにより行うことができる。
【0097】
ステップS18において、他の距離画像取得装置から第2のドットパターンが投射されていると判別されると(「Yes」の場合)、ステップS20に遷移させ、他の距離画像取得装置から第2のドットパターンが投射されていないと判別されると(「No」の場合)、ステップS28に遷移させる。
【0098】
ステップS20では、自機の第1のドットパターンと他機の第2のドットパターンとが識別が可能か否かを判別し、判別可能な場合(「Yes」の場合)、ステップS28に遷移させ、判別不能な場合(「No」の場合)、ステップS22に遷移させる。
【0099】
ステップS22では、光変調部22をオンにし、第1のドットパターンを空間変調させる。尚、第2のドットパターンの中に空間変調されている第2のドットパターンが存在する場合には、光変調部22は、空間変調されている第2のドットパターンとは異なる空間変調パターンにて第1のドットパターンを空間変調させる。
【0100】
続いて、撮像部14より第1のドットパターン(空間変調された第1のドットパターン)を含む画像を撮像し(ステップS24)、パターン抽出部20Aは、撮像された画像から第1のドットパターン(空間変調された第1のドットパターン)を抽出する(ステップS26)。
【0101】
距離画像取得部20Bは、ステップS16により抽出したドットパターン(空間変調されていない第1のドットパターン)、又はステップS26により抽出した空間変調された第1のドットパターンに基づいて被写体の距離を示す距離画像を取得する(ステップS28)。
【0102】
尚、
図12に示す実施形態では、1フレーム分の距離画像を取得しているが、動画と同様に所定のフレームレートで連続する距離画像を取得する場合には、ステップS10からステップS28の処理を、動画の距離画像の取得が終了するまで繰り返し実行する。
【0103】
図13は、本発明に係る距離画像取得方法の第2の実施形態を示すフローチャートである。
【0104】
図13において、CPU20は、投射部12の近赤外LED12Aを消灯させ(ステップS100)、撮像部14は、第1のドットパターンの非投射下で撮像を行う(ステップS102)。判別部20Cは、ステップS102で取得した画像に基づいて他の距離画像取得装置からドットパターン(第2のドットパターン)が投射されているか否かを判別する(ステップS104)。
【0105】
第2のドットパターンが投射されている場合(「Yes」の場合)には、投射の有無を示すフラグFを1にセットした後(ステップS106)、ステップS110に遷移させ、第2のドットパターンが投射されていない場合(「No」の場合)には、フラグFを0にセットした後(ステップS108)、ステップS110に遷移させる。
【0106】
ステップS110において、CPU20は、駆動部26を介して投射部12の近赤外LED12Aを点灯させ、投射部12から近赤外光の第1のドットパターンを測距領域の被写体に投射させる(ステップS110)。
【0107】
続いて、フラグFが1か否かを判別し(ステップS112)、フラグFが1の場合(「Yes」の場合)、光変調部22をオンにし、第1のドットパターンを空間変調させる。(ステップS114)。一方、フラグFが1でない場合(「No」の場合)、光変調部22をオフにし、第1のドットパターンの空間変調を行わないようにする(ステップS116)。 次に、撮像部14より第1のドットパターンを含む画像を撮像する(ステップS118)。パターン抽出部20Aは、撮像された画像を閾値に基づいて2値化処理し、第1のドットパターン(第1のドットパターンを示す2値画像)を抽出する(ステップS120)。尚、他機から第2のドットパターンが投射されている場合には、第1のドットパターンは空間変調されており、一方、他機から第2のドットパターンが投射されていない場合には、第1のドットパターンは空間変調されていないが、第1のドットパターンのみが撮像されるため、パターン抽出部20Aは、いずれの場合も第1のドットパターンのみを抽出することができる。
【0108】
距離画像取得部20Bは、ステップS120により抽出した第1のドットパターンに基づいて被写体の距離を示す距離画像を取得する(ステップS122)。
【0109】
尚、
図13に示す実施形態では、1フレーム分の距離画像を取得しているが、動画と同様に所定のフレームレートで連続する距離画像を取得する場合には、ステップS100からステップS122の処理を、動画の距離画像の取得が終了するまで繰り返し実行する。
【0110】
また、上記の第1の実施形態及び第2の実施形態では、自機から投射した第1のドットパターンと他機から投射された第2のドットパターンとの識別が不能な場合、あるいは他機から第2のドットパターンが投射されている場合に、光変調部22をオンにして第1のドットパターンを空間変調させ、第1のドットパターンと第2のドットパターンとの識別を可能にしているが、他機から投射される第2のドットパターンの有無、及び第2のドットパターンの空間変調の有無にかかわらず、光変調部22は、記憶部24に記憶された複数の空間変調パターンの中から順番に、又はランダムに空間変調パターンを読み出し、読み出した空間変調パターンにしたがって投射部12から投射される第1のパターンを空間変調させるようにしてもよい。
【0111】
この場合、第1のドットパターンは、複数の空間変調パターンの中から順番に、又はランダムに読み出された空間変調パターンにしたがって空間変調しているため、第1のドットパターンの各ドットの形状は、時々刻々と変化する。パターン抽出部20Aは、ドット形状が変化するドットパターンを、自機から投射した第1のドットパターンとして識別することができる。また、第1のドットパターンの各ドットの形状が、時々刻々と変化する場合、他機の第2のドットパターンのドット形状と異なるドット形状を有する第1のドットパターン(第2のドットパターンとの識別が可能な第1のドットパターン)が投射されるタイミングがあり、パターン抽出部20Aは、そのタイミングで撮像された第1のドットパターンを含む画像から第1のドットパターンのみを抽出することができる。
【0112】
<イメージセンサの他の実施形態>
図14は、本発明に係る距離画像取得装置に適用可能なイメージセンサの他の実施形態を説明するために用いた図であり、
図14の(A)部分は、他の実施形態のイメージセンサの2×2画素の基本配列を示す図である。他の実施形態のイメージセンサは、この基本配列が水平方向及び垂直方向に繰り返し配置されて構成されている。
【0113】
図14の(A)部分に示すように2×2画素の基本配列は、近赤外光の波長帯域に感度を有する第1の受光素子である近赤外光画素(IR(infrared)画素)と、赤(R)、緑(G)、青(B)の可視光の波長帯域にそれぞれ感度を有する3つの第2の受光素子(R画素、G画素、B画素)とを有している。即ち、他の実施形態のイメージセンサは、IR画素と、R画素、G画素及びB画素とが混在して2次元配列されて構成されている。
【0114】
図14の(B)部分は、R画素、G画素及びB画素に配設されているRGBの各カラーフィルタの分光透過率と、近赤外LED12Aから発光される近赤外光の分光特性とを示している。
【0115】
パターン抽出部20Aは、上記構成のイメージセンサのIR画素から読み出される近赤外画像から第1のドットパターンを抽出することができ、距離画像取得部20Bは、抽出された第1のドットパターンに基づいて被写体の距離を示す距離画像の取得が可能である。
【0116】
また、CPU20内の可視光画像生成部(図示せず)は、上記構成のイメージセンサのR画素、G画素及びB画素から読み出されるRGBの可視光画像から測距領域内の被写体の可視光画像(カラー画像)を生成することができる。RGBの各フィルターは近赤外光にも透過率を有するが、対応するR画素、G画素及びB画素が近赤外光に感度を持たない構造としたり、RGBの各フィルターに重ねてIRカットフィルタを設けることで近赤外に感度を持たない可視光画像の生成が可能である。また、IRカットフィルタや近赤外光に感度を持たない構造ではなく、
図14の(B)部分でバンドパス特性を有している近赤外光フィルターに代えて可視光カットフィルタを設け、R画素、G画素及びB画素から読み出されるRGBの各画像から、IR画像成分を減算することで可視光画像の生成を行っても良い。
【0117】
つまり可視光画像には近赤外画像が含まれないため、空間変調された近赤外光の第1のドットパターンが被写体に投射されていても可視光画像には影響しない。また、上記構成のイメージセンサによれば、1つのイメージセンサの出力に基づいて同一画角の距離画像と可視光画像とを同時に取得することができる。
【0118】
本発明を適用可能な態様は、距離画像を取得する単独の機能を備えている距離画像取得装置に限らず、一般のカラー画像の撮像が可能なデジタルカメラ、ビデオカメラが距離画像取得機能を搭載しているものでもよく、また、距離画像取得機能に加えて距離画像取得機能以外の他の機能(通話機能、通信機能、その他のコンピュータ機能)を備えるモバイル機器類に対しても適用可能である。本発明を適用可能な他の態様としては、例えば、携帯電話機やスマートフォン、PDA(Personal Digital Assistants)、携帯型ゲーム機が挙げられる。以下、本発明を適用可能なスマートフォンの一例について説明する。
【0119】
<スマートフォンの構成>
図15は、距離画像取得装置の実施形態であるスマートフォン500の外観を示す斜視図である。
【0120】
図15に示すスマートフォン500は、平板状の筐体502を有し、筐体502の一方の面に表示部としての表示パネル521と、入力部としての操作パネル522とが一体となった表示入力部520を備えている。また、筐体502は、スピーカ531と、マイクロホン532、操作部540と、カメラ部541と、投射部542とを備えている。尚、筐体502の構成はこれに限定されず、例えば、表示部と入力部とが独立した構成を採用することや、折り畳み構造やスライド機構を有する構成を採用することもできる。
【0121】
図16は、
図15に示したスマートフォン500の構成を示すブロック図である。
図16に示すように、スマートフォン500の主たる構成要素として、無線通信部510と、表示入力部520と、通話部530と、操作部540と、撮像部として機能するカメラ部541と、記憶部550と、外部入出力部560と、GPS(Global Positioning System)受信部570と、モーションセンサ部580と、電源部590と、主制御部501とを備える。また、スマートフォン500の主たる機能として、基地局装置と移動通信網とを介した移動無線通信を行う無線通信機能を備える。
【0122】
無線通信部510は、主制御部501の指示に従って、移動通信網に収容された基地局装置に対し無線通信を行うものである。この無線通信を使用して、音声データ、画像データ等の各種ファイルデータ、電子メールデータなどの送受信や、Webデータやストリーミングデータなどの受信を行う。
【0123】
表示入力部520は、主制御部501の制御により、画像(静止画及び動画)や文字情報などを表示して視覚的にユーザに情報を伝達すると共に、表示した情報に対するユーザ操作を検出する、いわゆるタッチパネルであって、表示パネル521と、操作パネル522とを備える。生成された3次元画像を鑑賞する場合には、表示パネル521は、3次元表示パネルであることが好ましい。
【0124】
表示パネル521は、LCD(Liquid Crystal Display)、OELD(Organic Electro-Luminescence Display)などを表示デバイスとして用いたものである。
【0125】
操作パネル522は、表示パネル521の表示面上に表示される画像を視認可能に載置され、ユーザの指や尖筆によって操作される一又は複数の座標を検出するデバイスである。このデバイスをユーザの指や尖筆によって操作すると、操作に起因して発生する検出信号を主制御部501に出力する。次いで、主制御部501は、受信した検出信号に基づいて、表示パネル521上の操作位置(座標)を検出する。
【0126】
図15に示すように、スマートフォン500の表示パネル521と操作パネル522とは一体となって表示入力部520を構成しているが、操作パネル522が表示パネル521を完全に覆うような配置となっている。この配置を採用した場合、操作パネル522は、表示パネル521外の領域についても、ユーザ操作を検出する機能を備えてもよい。換言すると、操作パネル522は、表示パネル521に重なる重畳部分についての検出領域(以下、表示領域と称する)と、それ以外の表示パネル521に重ならない外縁部分についての検出領域(以下、非表示領域と称する)とを備えていてもよい。
【0127】
尚、表示領域の大きさと表示パネル521の大きさとを完全に一致させても良いが、両者を必ずしも一致させる必要はない。また、操作パネル522が、外縁部分と、それ以外の内側部分の2つの感応領域を備えていてもよい。更に、外縁部分の幅は、筐体502の大きさなどに応じて適宜設計されるものである。更にまた、操作パネル522で採用される位置検出方式としては、マトリクススイッチ方式、抵抗膜方式、表面弾性波方式、赤外線方式、電磁誘導方式、静電容量方式などが挙げられ、いずれの方式を採用することもできる。
【0128】
通話部530は、スピーカ531やマイクロホン532を備え、マイクロホン532を通じて入力されたユーザの音声を主制御部501にて処理可能な音声データに変換して主制御部501に出力したり、無線通信部510あるいは外部入出力部560により受信された音声データを復号してスピーカ531から出力するものである。また、
図16に示すように、例えば、スピーカ531及びマイクロホン532を表示入力部520が設けられた面と同じ面に搭載することができる。
【0129】
操作部540は、キースイッチなどを用いたハードウェアキーであって、ユーザからの指示を受け付けるものである。例えば、操作部540は、スマートフォン500の筐体502の表示部の下部、下側面に搭載され、指などで押下されるとオンとなり、指を離すとバネなどの復元力によってオフ状態となる押しボタン式のスイッチである。
【0130】
記憶部550は、主制御部501の制御プログラムや制御データ、通信相手の名称や電話番号などを対応づけたアドレスデータ、送受信した電子メールのデータ、WebブラウジングによりダウンロードしたWebデータや、ダウンロードしたコンテンツデータを記憶し、またストリーミングデータなどを一時的に記憶するものである。また、記憶部550は、スマートフォン内蔵の内部記憶部551と着脱自在な外部メモリスロットを有する外部記憶部552により構成される。尚、記憶部550を構成するそれぞれの内部記憶部551と外部記憶部552は、フラッシュメモリタイプ(flash memory type)、ハードディスクタイプ(hard disk type)、マルチメディアカードマイクロタイプ(multimedia
card micro type)、カードタイプのメモリ(例えば、Micro SD(登録商標)メモリ等)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)などの格納媒体を用いて実現される。
【0131】
外部入出力部560は、スマートフォン500に連結される全ての外部機器とのインターフェースの役割を果たすものであり、他の外部機器に通信等(例えば、ユニバーサルシリアルバスなど)又はネットワーク(例えば、インターネット、無線LAN(Local Area
Network)、ブルートゥース(Bluetooth)(登録商標)、RFID(Radio Frequency Identification)、赤外線通信(Infrared Data Association:IrDA)、UWB(Ultra Wideband)(登録商標)、ジグビー(ZigBee)(登録商標)など)により直接的又は間接的に接続するためのものである。
【0132】
スマートフォン500に連結される外部機器としては、例えば、有/無線ヘッドセット、有/無線外部充電器、有/無線データポート、カードソケットを介して接続されるメモリカード(Memory card)やSIM(Subscriber Identity Module Card)/UIM(User Identity Module Card)カード、オーディオ・ビデオI/O(Input/Output)端子を介して接続される外部オーディオ・ビデオ機器、無線接続される外部オーディオ・ビデオ機器、有/無線接続されるスマートフォン、有/無線接続されるパーソナルコンピュータ、有/無線接続されるPDA、イヤホンなどがある。外部入出力部は、このような外部機器から伝送を受けたデータをスマートフォン500の内部の各構成要素に伝達することや、スマートフォン500の内部のデータが外部機器に伝送されるようにすることができる。
【0133】
GPS受信部570は、主制御部501の指示に従って、GPS衛星ST1〜STnから送信されるGPS信号を受信し、受信した複数のGPS信号に基づく測位演算処理を実行し、スマートフォン500の緯度、経度、高度からなる位置を検出する。GPS受信部570は、無線通信部510や外部入出力部560(例えば、無線LAN)から位置情報を取得できるときには、その位置情報を用いて位置を検出することもできる。
【0134】
モーションセンサ部580は、例えば、3軸の加速度センサなどを備え、主制御部501の指示に従って、スマートフォン500の物理的な動きを検出する。スマートフォン500の物理的な動きを検出することにより、スマートフォン500の動く方向や加速度が検出される。この検出結果は、主制御部501に出力されるものである。
【0135】
電源部590は、主制御部501の指示に従って、スマートフォン500の各部に、バッテリ(図示しない)に蓄えられる電力を供給するものである。
【0136】
主制御部501は、マイクロプロセッサを備え、記憶部550が記憶する制御プログラムや制御データに従って動作し、スマートフォン500の各部を統括して制御するものである。また、主制御部501は、無線通信部510を通じて、音声通信やデータ通信を行うために、通信系の各部を制御する移動通信制御機能と、アプリケーション処理機能を備える。
【0137】
アプリケーション処理機能は、記憶部550が記憶するアプリケーションソフトウェアに従って主制御部501が動作することにより実現するものである。アプリケーション処理機能としては、例えば、外部入出力部560を制御して対向機器とデータ通信を行う赤外線通信機能や、電子メールの送受信を行う電子メール機能、Webページを閲覧するWebブラウジング機能などがある。
【0138】
また、主制御部501は、受信データやダウンロードしたストリーミングデータなどの画像データ(静止画や動画のデータ)に基づいて、映像を表示入力部520に表示する等の画像処理機能を備える。画像処理機能とは、主制御部501が、上記画像データを復号し、この復号結果に画像処理を施して、画像を表示入力部520に表示する機能のことをいう。
【0139】
更に、主制御部501は、表示パネル521に対する表示制御と、操作部540、操作パネル522を通じたユーザ操作を検出する操作検出制御を実行する。
【0140】
表示制御の実行により、主制御部501は、アプリケーションソフトウェアを起動するためのアイコンや、スクロールバーなどのソフトウェアキーを表示し、あるいは電子メールを作成するためのウィンドウを表示する。尚、スクロールバーとは、表示パネル521の表示領域に収まりきれない大きな画像などについて、画像の表示部分を移動する指示を受け付けるためのソフトウェアキーのことをいう。
【0141】
また、操作検出制御の実行により、主制御部501は、操作部540を通じたユーザ操作を検出したり、操作パネル522を通じて、上記アイコンに対する操作や、上記ウィンドウの入力欄に対する文字列の入力を受け付けたり、あるいは、スクロールバーを通じた表示画像のスクロール要求を受け付ける。
【0142】
更に、操作検出制御の実行により主制御部501は、操作パネル522に対する操作位置が、表示パネル521に重なる重畳部分(表示領域)か、それ以外の表示パネル521に重ならない外縁部分(非表示領域)かを判定し、操作パネル522の感応領域や、ソフトウェアキーの表示位置を制御するタッチパネル制御機能を備える。
【0143】
また、主制御部501は、操作パネル522に対するジェスチャ操作を検出し、検出したジェスチャ操作に応じて、予め設定された機能を実行することもできる。ジェスチャ操作とは、従来の単純なタッチ操作ではなく、指などによって軌跡を描いたり、複数の位置を同時に指定したり、あるいはこれらを組み合わせて、複数の位置から少なくとも1つについて軌跡を描く操作を意味する。
【0144】
カメラ部541は、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)やCCD(Charge-Coupled Device)などのイメージセンサを用いて電子撮像する撮像装置である。このカメラ部541に前述した距離画像取得装置10を適用することができる。
【0145】
この場合、カメラ部541は、
図14の(A)部分に示したように1つのイメージセンサ内に距離画像用の近赤外光を透過させる第1の受光素子(IR画素)と、カラー撮像用の第2の受光素子(R画素、G画素、B画素)が混在して2次元配列されたものが好ましい。即ち、カメラ部541のイメージセンサとしては、RGBのカラーフィルタが設けられたR画素、G画素及びB画素と、可視光カットフィルタが設けられた画素(赤外光のみに感度を有するIR画素)とが混在するものを使用することが好ましい。
【0146】
投射部542は、近赤外LEDを有し、距離画像の取得時に近赤外光の第1のドットパターンを投射する。また、近赤外LEDは、赤外線通信機能を有するスマートフォン500の場合、赤外線通信の光源として使用することも可能である。
【0147】
また、カメラ部541は、主制御部501の制御により、撮像によって得た可視光の画像データを、例えばJPEG(Joint Photographic coding Experts Group)などの圧縮した画像データに変換し、記憶部550に記録したり、外部入出力部560や無線通信部510を通じて出力することができ、同様に被写体の距離を示す距離画像を記憶部550に記録したり、外部入出力部560や無線通信部510を通じて出力することができる。
図15に示すにスマートフォン500において、カメラ部541は表示入力部520と同じ面に搭載されているが、カメラ部541の搭載位置はこれに限らず、表示入力部520の背面に搭載されてもよいし、あるいは、複数のカメラ部541が搭載されてもよい。尚、複数のカメラ部541が搭載されている場合には、撮像に供するカメラ部541を切り替えて単独にて撮像したり、あるいは、複数のカメラ部541を同時に使用して撮像することもできる。
【0148】
また、カメラ部541はスマートフォン500の各種機能に利用することができる。例えば、表示パネル521にカメラ部541で取得した画像を表示することや、操作パネル522の操作入力のひとつとして、カメラ部541の画像を利用することができる。また、GPS受信部570が位置を検出する際に、カメラ部541からの画像を参照して位置を検出することもできる。更には、カメラ部541からの画像を参照して、3軸の加速度センサを用いずに、あるいは、3軸の加速度センサと併用して、スマートフォン500のカメラ部541の光軸方向を判断することや、現在の使用環境を判断することもできる。勿論、カメラ部541からの画像をアプリケーションソフトウェア内で利用することもできる。
【0149】
尚、本実施形態の投射部12は、近赤外LED12Aを光源としているが、本発明はこれに限らず、例えば、近赤外のレーザー光を出射する半導体レーザ等を光源にしてもよい。例えば第2の実施形態の変形として、光源の近赤外LED12Aの代わりに近赤外レーザーを用いてコリメータレンズ210等を省略し、DMD200の変わりに2軸走査のシングルマイクロミラーを用いたり、反射ミラー210とDMD200の代わりに1軸走査のシングルマイクロミラー2枚の組み合わせを用いることも出来る。