(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6247935
(24)【登録日】2017年11月24日
(45)【発行日】2017年12月13日
(54)【発明の名称】自動分析装置
(51)【国際特許分類】
G01N 35/02 20060101AFI20171204BHJP
【FI】
G01N35/02 G
【請求項の数】6
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-701(P2014-701)
(22)【出願日】2014年1月7日
(65)【公開番号】特開2015-129659(P2015-129659A)
(43)【公開日】2015年7月16日
【審査請求日】2016年12月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】501387839
【氏名又は名称】株式会社日立ハイテクノロジーズ
(74)【代理人】
【識別番号】100091720
【弁理士】
【氏名又は名称】岩崎 重美
(72)【発明者】
【氏名】青柳 翔太
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 佳明
【審査官】
素川 慎司
(56)【参考文献】
【文献】
特開2005−241612(JP,A)
【文献】
特開2007−127583(JP,A)
【文献】
特開2011−013112(JP,A)
【文献】
特開2012−255663(JP,A)
【文献】
特開2010−276514(JP,A)
【文献】
特開2002−277477(JP,A)
【文献】
特開2000−088856(JP,A)
【文献】
特開平11−316236(JP,A)
【文献】
米国特許第8322510(US,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 35/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の反応容器を保持する反応ディスクを回転駆動させる反応ディスク駆動機構と、
前記反応容器に対して生体試料を分注する試料分注プローブと、
前記反応容器に対して試薬を分注する試薬分注プローブと、
試料と試薬を混合した反応液に対して光を照射する光源と、
前記反応液から得られる光量を検出する検出器と、
測定が終了した反応容器を洗浄する洗浄機構と、を備えた自動分析装置において、
装置の電源が入れられたスタンバイ状態と、実際に試料の測定が可能となるオペレーション状態との間に、所定の機構への通電を停止させる多段階の省電力モードを有し、各省電力モードに順次遷移するよう制御する制御機構を備え、
前記省電力モードは少なくとも第一のモードおよび第二のモードを含み、
前記第一のモードは前記反応ディスク駆動機構および前記洗浄機構への通電を停止させたモードであり、
前記第二のモードは前記第一のモードに加えて前記光源への通電を停止させた状態であることを特徴とする自動分析装置。
【請求項2】
請求項1記載の自動分析装置において、
前記第一のモードおよび前記第二のモードが継続する時間を設定する設定画面を表示する表示機構を備えたことを特徴とする自動分析装置。
【請求項3】
複数の反応容器を保持する反応ディスクを回転駆動させる反応ディスク駆動機構と、分析に使用する試薬を保持する試薬保管庫と、前記反応容器に対して生体試料を分注する試料分注プローブと、前記反応容器に対して試薬を分注する試薬分注プローブと、試料と試薬を混合した反応液に対して光を照射する光源と、前記反応液から得られる光量を検出する検出器と、測定が終了した反応容器を洗浄する洗浄機構を備えた複数の自動分析モジュールと、
前記自動分析モジュール間で検体を搬送する搬送機構と、
前記自動分析モジュールおよび前記搬送機構の動作を制御する制御部と、を備えた自動分析システムにおいて、
前記自動分析モジュールは、電源が入れられたスタンバイ状態と、実際に試料の測定が可能となるオペレーション状態との間に、所定の機構への通電を停止させる多段階の省電力モードを有し、
前記制御部は、ユーザが試料について測定すべき項目を指定した場合に、前記複数の分析モジュール内の試薬保管庫内に保管されている試薬の残量情報およびユーザが依頼した項目情報に基づき、当該項目を測定する分析モジュールを選定するとともに、選定されなかった他の分析モジュールを省電力モードとするよう制御することを特徴とする自動分析システム。
【請求項4】
請求項3記載の自動分析システムにおいて、
前記省電力モードは少なくとも第一のモードおよび第二のモードを含み、
前記第一のモードは前記反応ディスク駆動機構および前記洗浄機構への通電を停止させたモードであり、
前記第二のモードは前記第一のモードに加えて前記光源への通電を停止させた状態であることを特徴とする自動分析システム。
【請求項5】
請求項3記載の自動分析システムにおいて、
前記制御部は、分析モジュールを選定するにあたり、各分析モジュールの電源オンからの累積稼働時間が短い分析モジュールを優先して選定し、
オペレーション状態にある分析モジュールの稼働数を必要最低限にスケジューリングすることを特徴とした自動分析システム。
【請求項6】
請求項4記載の自動分析システムにおいて、
ユーザが分析モジュールごとに任意のモード継続時間を設定する設定画面を表示する表示部を備えることを特徴とした自動分析システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、血液、尿、髄液などの複数種別の生体試料の定性・定量分析を行う自動分析装置に係り、検体搬送ラインを介して、複数の分析モジュールを接続した自動分析システムに関する。
【背景技術】
【0002】
血液や尿等の生体由来の試料中の対象成分の定性、定量分析を行うため、生体試料に試薬を添加し、光度計等を用いて、反応液の色の変化を測定する自動分析装置は、測定結果の再現性向上,測定の迅速化が図れるため、大病院や臨床検査センターを中心に導入されている。また、検体搬送ラインを介して、複数の分析モジュールを接続した自動分析システムにより、分析処理能力の向上,分析項目の多様化のニーズに対応している。
【0003】
一方、近年の自動分析装置において、大量の生体試料を測定する日中は全ての分析モジュールを使用して行うが、夜間休日等の試料数が少ない時間帯は水,電力等の消費を抑えるため、一部の分析モジュールを停止し分析を行う場合が多々ある。
【0004】
このような水,電力等の消費を抑えるための技術として、分析モジュール毎に電源オン/オフの時刻を設定し、各分析モジュールを使用しないときに電源オフ、設定した時間帯になると対象の分析モジュールを自動的に電源オンする機能が特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−241612号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
こうした機能は、分析モジュールを使用しないときに電源オフすることで、24時間稼働させる大病院や臨床センターでの夜間休日の試料が少ない時間帯において、無駄な水、洗浄水,消費電力等を抑える有効な技術であるが、電源オフの設定時間になると対象の分析モジュールは電源オフになり、その分析モジュールの全ての機構が停止する。そのため、緊急を要する試料(以下、緊急検体と称す)が来た場合は、測定するには分析モジュールを再起動させる必要があり、また、再起動させると分析モジュールが測定可能な状態になるまで30分程度の時間を要してしまうため、迅速に対応できない問題がある。また、それによりユーザが待機する時間(以下、待機時間と称す)が発生するため、作業効率が低下するおそれがある。
【0007】
また、近年の自動分析装置では、ユーザが操作画面から任意の時間を設定することで、設定した時間の間、測定終了後にすぐに測定開始可能な状態を保つという機能を有している。しかし、この機能は設定した時間の間、洗浄するために、試料と試薬を入れ反応が行われる容器(以下、反応セルと称す)、その反応セルを保持し、回転する機構に接続する円盤状のディスク(以下、反応ディスクと称す)の回転動作およびその反応ディスクの回転動作に合わせ、反応セルを洗浄する洗浄機構が動作しており、測定しない場合、洗浄に使用する洗浄液や無駄な水,電力等の消費により、ランニングコストが増加するという問題があった。
【0008】
本発明は、分析モジュールが電源オフ時に緊急検体が来た場合に測定可能な状態になるまでに時間がかかるという問題および、その問題に伴う、ユーザの待機時間発生による作業効率の低下や測定開始可能な状態を保つ機能で測定していない時間の間、ランニングコストが増加する問題を解決するために、緊急検体に迅速に対応することでユーザの待機時間を低減し、測定しない場合に発生するランニングコストも低減させる自動分析装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するための本発明の特徴は以下の通りである。すなわち、複数の反応容器を保持する反応ディスクを回転駆動させる反応ディスク駆動機構と、前記反応容器に対して生体試料を分注する試料分注プローブと、前記反応容器に対して試薬を分注する試薬分注プローブと、試料と試薬を混合した反応液に対して光を照射する光源と、前記反応液から得られる光量を検出する検出器と、測定が終了した反応容器を洗浄する洗浄機構と、を備えた自動分析装置において、装置の電源が入れられたスタンバイ状態と、実際に試料の測定が可能となるオペレーション状態との間に、所定の機構への通電を停止させる多段階の省電力モードを有し、各省電力モードに順次遷移するよう制御する制御機構を備え、前記省電力モードは少なくとも第一のモードおよび第二のモードを含み、前記第一のモードは前記反応ディスク駆動機構および前記洗浄機構への通電を停止させたモードであり、前記第二のモードは前記第一のモードに加えて前記光源への通電を停止させた状態であることを特徴としている。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、従来技術の設定した待機時間分、測定可能な状態を保つ機能に比べて、省電力の各モードに遷移させることで洗浄機構の動作や光源ランプといった機構を停止させるため、測定しない場合における無駄な洗浄液や水,電力の消費を抑え、ランニングコストを低減させることができる。
【0011】
また、上記モード中にユーザから測定依頼があった場合、測定依頼された項目の分析を実行する分析モジュールが測定可能な状態になるための準備動作に要する時間において、電源オフの状態から再起動することと比べると、短時間で測定可能な状態となるため、緊急検体などの緊急時に迅速に対応することができ、ユーザの待機時間を低減することができ、またそれにより、ユーザの作業効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図4】モード中の測定開始時の分析モジュール稼働決定処理フロー
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
【0014】
図1は本発明による自動分析装置の実施例を示すシステム構成図である。ユーザ(101)によってキャリブレーション測定、精度管理試料測定、患者試料測定で対象となる試料(102)は試料を複数搭載可能な試料ラック(103)に搭載される。試料を搭載した試料ラックは試料投入部(104)に設置され、設置された試料ラックは順に搬送ライン(105)に搬入され、試料に対する分析を行う単一または複数の分析部(106)に搬送される。分析部には、バーコードリーダが設けられており、試料ラックおよび試料に貼付されたバーコードラベルなどの識別子を認識し、試料情報を操作部PC(111)又は上位ホストシステム112に設けられているデータベース(DB)に問合せることにより、試料に必要な分析を行う。
【0015】
分析部は分析を行うために使用する複数の試薬(107)を収納する試薬ディスク(108)と、試料と試薬と混合する反応容器を複数保持した反応ディスク(114)を備える。また、試薬ディスクから任意の試薬を反応容器に分注する試薬分注プローブ(116)、搬送された試料ラックに搭載されている試料から所望の量分注する試料分注プローブ(115)が設けられている。反応ディスクは複数の反応容器を円周上に配置した構造を有しており、図示しないモータにより回転駆動する。所定の場所で試料分注プローブ、試薬分注プローブにより試料と試薬が反応容器に分注され、分析継続中は反応液の温度が一定に温調する恒温槽が周囲に配置されている。反応ディスクには反応容器中に収容されている反応液を分析するため、例えば吸光度計が反応ディスクの近傍に設けられており、反応ディスク中に保持されている反応液中の成分濃度を経時的に測定する。吸光度計は、反応容器に対して光を照射するための光源としてのランプ(117)、反応液を透過する光量を検出する検出器(118)が設けられている。一連の分析が終了すると、セル洗浄機構(119)により反応容器内から反応液が吸引して取り除かれ、かわりに洗浄液を吐出・吸引することでセル洗浄が実行される。
【0016】
分析に必要な試薬はユーザによって分析に先立ち前もって試薬ディスクに設置される。必要な分析が行われた試料ラックは試料収納部(109)に搬送される。試料投入部,分析部,試料収納部はそれぞれネットワークケーブルでハブ(110)を介して自動分析装置の操作部PC(111)に接続される。操作部PCにはネットワークにて上位ホストシステム(112)に接続される。ユーザは上位ホストシステムまたは操作部PCから各試料に対する分析依頼(測定依頼)を行い、分析する試料を試料ラックに搭載し試料投入部へ設置する。分析依頼された情報はネットワークを介して分析部に送信され、分析部にて分析した結果は操作部PCおよび上位ホストシステムへ送信される。
【0017】
また、操作部PCは公衆回線を介してリモートシステム(113)に接続される。リモートシステムには自動分析装置で使用する試薬を使用した分析条件情報である分析パラメータ等の情報を蓄積しており、操作部PCからの要求により分析パラメータの配信を行う。配信された分析パラメータは操作部PCに記憶され、試料の分析時に分析部へ送信される。本発明は、操作部PCに画面インタフェースを備えることがシステム構成および操作性の観点から最良な形態である。
【0018】
本願発明における各モードの説明をする。本発明では、分析を実行しているオペレーション状態、省エネモードとして、モード1、モード2、およびスタンバイ状態、の4つの状態が設定されている。
【0019】
モード1では、反応ディスク(114)の回転駆動、セル洗浄機構(119)への通電が停止されて動作が停止する。反応ディスクの回転駆動を停止させることにより、反応ディスクを回転駆動させるモータの消費電力を節約することができる。またセル洗浄機構の動作を停止させることにより、セル洗浄機構を駆動させるのに必要な消費電力が不要となる上に、洗浄液の使用量を抑制させることができる。
【0020】
モード2では、反応ディスク(114)の回転駆動、セル洗浄機構(119)に加えて、ランプ(117)への通電を停止させて消灯させる。これによりランプを点灯させるのに必要な消費電力を節約することが可能となる。
【0021】
スタンバイ状態では、モード2に加えて、図示しないポンプ系(真空ポンプ、給水ポンプ、ギアポンプ)、バーコードリーダ、電磁弁、ソレノイドの通電を停止させる。ポンプ系は、洗浄機機構への洗浄液の供給や、プローブに繋がる配管内へのシステム水の供給を行う流路上に配置されている。バーコードリーダは上述のように、分析部において搬送されている試料ラックまたは試料容器に貼付されたバーコードを読み取る位置に設けられている。電磁弁は流路の切り替えが必要な配管の分岐部に設けられ、所定のタイミングで流路の切り替えを行う。
【0022】
本発明における分析システムでは、装置電源がONされると、まずスタンバイ状態に移行し、分析準備動作を実行したのち、分析動作状態としてオペレーション状態に移行する。分析動作が一旦終了するとモード1、モード2のいずれかのモードに遷移する。いずれのモードに遷移するかはオペレータの設定または指示による。
【0023】
本発明は、分析モジュールが電源オフ時に緊急検体が来た場合に測定可能な状態になるまでに時間がかかるという問題および、その問題に伴う、ユーザの待機時間発生による作業効率の低下や測定開始可能な状態を保つ機能で測定していない時間の間、ランニングコストが増加する問題を解決するために、緊急検体に迅速に対応することでユーザの待機時間を低減し、測定しない場合に発生するランニングコストも低減させる自動分析装置を提供することを目的とする。
【0024】
図2は、本発明のモード設定画面の例である。モード設定画面(201)には、モード1継続時間エリア(202)とモード2継続時間エリア(203)にそれぞれ分析モジュールごとの設定時間を表示する。ユーザはこのモード設定画面(201)で、分析モジュールごとに測定終了後に各モードに遷移するまでの任意の継続時間、またはモード遷移しない旨の『設定なし』を設定し、登録ボタン(206)を押下することで設定を保存することができる。モード1に『設定なし』を設定した場合、モード1には遷移せず、直接モード2に遷移する。モード2に関しては、モード2継続時間エリア(204)に設定時間を設けず、モード2は永続的にモードを継続することとする。また、モード設定画面(201)には、モード1遷移ボタン(204)とモード2遷移ボタン(205)を設け、それぞれのボタンを押下することでユーザが任意のタイミングで、分析モジュールを各モードに遷移させることができる。その際、モード1の継続時間は、モード1継続時間エリア(204)に設定された時間に準ずる。
【0025】
図3は分析モジュールの状態遷移図の例を示す。各分析モジュールはこの遷移図に従い状態を遷移する。
【0026】
モード設定画面(201)でモード1継続時間エリア(202)にモジュールA:120分、モジュールB:『設定なし』と設定した場合を例として説明する。装置の電源をONさせると、装置は測定準備動作を実施した後、スタンバイ状態に遷移する。スタンバイ状態で測定を依頼することによりオペレーション状態に遷移し、測定を開始する。測定終了後、モジュールAはオペレーション状態(302)からモード1(303)に遷移し、120分間モード1を継続した後、モード2(304)に遷移する。モード1で反応ディスクの回転駆動および洗浄機構の動作を停止させるため、消費電力の節約および洗浄液の使用量の低減が可能となる。また、モード1からモード2へ遷移するまでに一定の待機時間を設定することにより、モード1からすぐにモード2に遷移し、ランプを再び点灯させることにより光量が安定するまで待機させる必要がない。
【0027】
モジュールBはモード1が『設定なし』のため、オペレーション状態(302)から直接モード2(304)に遷移する。ただし、モード設定画面(201)で、モード1継続時間エリア(202)およびモード2継続時間エリア(203)の両方に『設定なし』が設定されている場合、測定終了後、オペレーション状態(302)からスタンバイ状態(301)に遷移する。
【0028】
モジュールA,Bともに、モード1(303)またはモード2(304)の状態の時、測定開始の依頼が来ると、オペレーション状態(302)に遷移し、測定を開始する。
【0029】
また、モード設定画面(201)に表示されてあるモード1遷移ボタン(204)を押下すると、スタンバイ状態(301)からモード1(303)に遷移し、モード2遷移ボタン(205)を押下すると、スタンバイ状態(301)からモード2(304)に遷移する。
【0030】
分析終了した後に直接スタンバイ状態に遷移するように設定されていると、次の測定依頼が発生した後、再び測定が開始できる状態に遷移までに長い時間を要する。たとえば、ランプの光量が安定するまで待機する必要がある。一方、本実施例のように多段階の省電力モード(モード1,2)を備えることにより、測定が終了した後でも、即座に機構等が全て停止する事態を回避することが可能である。これにより、たとえば緊急検体の依頼が発生した場合でも、実際に測定を開始するのに時間をかけずに対応することが可能である。また、段階的に省エネモードとするため、消費電力の節約、洗浄水や純水に使用量を低減させることも可能である。さらに、モード1、モード2はそれぞれのモードの継続時間を任意に設定できるため、実際のルーチンワークで測定依頼の件数が少ないことが予め判明している時間帯がある場合には、その時間帯を選択して早期にモード2に遷移するように設定することも可能である。
図4は、複数の分析モジュール構成の自動分析装置において、
図3のモード1(303)またはモード2(304)からオペレーション状態(302)に遷移する際の測定開始時の分析モジュール稼働決定処理フローの例を示す。また、本処理フローは説明のし易さの観点から分析モジュール2台構成で記載しており、それぞれの分析モジュールの名称をモジュールA,モジュールBと称しているが、分析システムの構成はこれに限られるものではない。
【0031】
測定開始時に、まずユーザ(101)が操作部PC(111)の画面上で依頼した項目の情報、と分析モジュールごとに設置されている試薬の試薬残量の情報を操作部PC(111)内に記憶されてあるメモリから取得する(ステップ401,ステップ402)。取得した依頼項目情報と、分析モジュールごとの設置試薬残量情報に基づき、測定可能な分析モジュールを選別する(ステップ403)。ここでは、例として選別した結果をモジュールAとする。なお、ここで測定可能とは、分析に使用する試薬などの消耗品が充分あり、かつ、反応容器が使用可能である、など、次の検体分取タイミングで分析を開始しても、分析が問題なく遂行できるための条件をすべて満たすことを意味する。その後、モジュールA以外の他の分析モジュールで依頼された項目が測定可能かどうか判定を行う(ステップ404)。
【0032】
他の分析モジュールで測定が不可能な場合(分岐A)、測定に使用(稼働)する分析モジュールをモジュールAに決定する(ステップ411)。モジュールBは、測定に使用しないため、稼働させず測定開始する前のモード状態を継続するようモード継続処理を行う(ステップ412)。なお、モジュールAがオペレーション状態にない場合には、オペレーション状態への復帰処理を実行する。
【0033】
他の分析モジュールで測定可能な場合(分岐B)、各分析モジュールの累積稼働情報を操作部PC(111)内に記憶されてあるメモリから取得する(ステップ405)。ここでは、例としてモジュールAおよびモジュールBの累積稼働情報(405)を取得することとする。モジュールAおよびモジュールBの累積稼働情報を取得後、モジュールAはモジュールBよりも累積稼働時間が短いかの判定処理を行う(ステップ406)。モジュールBの累積稼働時間が短い場合、測定に使用(稼働)する分析モジュールをモジュールBに決定する(ステップ409)。モジュールAは、測定に使用しないため、稼働させず測定開始する前のモード状態を継続するようモード継続処理(410)を行う。モジュールAの累積稼働時間が短い場合、測定に使用(稼働)する分析モジュールをモジュールAに決定する(ステップ407)。モジュールBは、測定に使用しないため、稼働させず測定開始する前のモード状態を継続するようモード継続処理を行う(ステップ418)。
【0034】
累積稼働時間を考慮して使用する分析モジュールを決定させることにより、分析する際に累積稼働時間が短い分析モジュールを優先的に使用するようスケジューリングすることができ、最小限の分析モジュールで分析を行い、ランニングコスト低減に繋がる。また、特定の分析モジュールを使い続けることを回避できるため、特定の分析モジュールに負荷が集中せず、消耗品低減や装置寿命も分散させる効果が期待できる。
【0035】
上記のモード中における測定開始時の分析モジュール稼働決定処理フローを実施することにより、測定時に最低減必要な分析モジュールのみ稼働させることができるため、測定に使用しない分析モジュールにおける測定開始時の準備動作に使用する洗浄液や水の消費を抑え、ランニングコストを低減させることが可能となる。
【符号の説明】
【0036】
101 ユーザ
102 試料
103 試料ラック
104 試料投入部
105 搬送ライン
106 分析部
107 試薬
108 試薬ディスク
109 試料収納部
110 ハブ
111 操作部PC
112 上位ホストシステム
113 リモートシステム
201 モード設定画面
202 モード1継続時間エリア
203 モード2継続時間エリア
204 モード1遷移ボタン
205 モード2遷移ボタン
206 登録ボタン
301 スタンバイ状態
302 オペレーション状態
303 モード1状態
304 モード2状態