特許第6248027号(P6248027)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6248027
(24)【登録日】2017年11月24日
(45)【発行日】2017年12月13日
(54)【発明の名称】光伝送路二重化装置および方法
(51)【国際特許分類】
   H04B 10/25 20130101AFI20171204BHJP
   H04B 10/07 20130101ALI20171204BHJP
   H04B 10/03 20130101ALI20171204BHJP
【FI】
   H04B10/25
   H04B10/07
   H04B10/03
【請求項の数】8
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2014-249233(P2014-249233)
(22)【出願日】2014年12月9日
(65)【公開番号】特開2016-111617(P2016-111617A)
(43)【公開日】2016年6月20日
【審査請求日】2016年12月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004226
【氏名又は名称】日本電信電話株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(72)【発明者】
【氏名】真鍋 哲也
(72)【発明者】
【氏名】古敷谷 優介
(72)【発明者】
【氏名】岡本 圭司
(72)【発明者】
【氏名】井上 雅晶
(72)【発明者】
【氏名】片山 和典
【審査官】 後澤 瑞征
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−126085(JP,A)
【文献】 特開2012−253418(JP,A)
【文献】 特開2013−243496(JP,A)
【文献】 特開2014−45410(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B10/00−10/90
H04J14/00−14/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上流側の伝送装置と下流側の伝送装置との間を接続する第1の光伝送路に対し並行して迂回用の第2の光伝送路を敷設し、この第2の光伝送路中に可変遅延器を配置することで、前記第1の光伝送路と前記第2の光伝送路との間の光路長差を調整する光伝送路二重化装置であって、
前記第2の光伝送路中に配置され、前記上流側の伝送装置から下流側の伝送装置へ伝送される下り信号光の光強度を予め設定されたレベルまで減衰させ、当該減衰された信号光を下り試験信号光として下流側の伝送装置へ送出する下り信号光減衰器と、
前記第2の光伝送路中に配置され、前記下流側の伝送装置から上流側の伝送装置へ伝送される上り信号光の光強度を予め設定されたレベルまで減衰させ、当該減衰された信号光を上り試験信号光として上流側の伝送装置へ送出する上り信号光減衰器と、
前記第1の光伝送路を介して伝送された下り信号光と前記第2の光伝送路を介して伝送された前記下り試験信号光とをもとに、前記第1の光伝送路と前記第2の光伝送路との間の下り光路長差を検出する下り光路長差検出器と、
前記第1の光伝送路を介して伝送された上り信号光と前記第2の光伝送路を介して伝送された前記上り試験信号光とをもとに、前記第1の光伝送路と前記第2の光伝送路との間の上り光路長差を検出する上り光路長差検出器と、
前記下り光路長差検出器により検出された下り光路長差を所定の許容範囲内にするべく、前記可変遅延器により前記下り試験信号光を遅延制御すると共に、前記上り光路長差検出器により検出された上り光路長差を所定の許容範囲内にするべく、前記可変遅延器により前記上り試験信号光を遅延制御する遅延制御器と
を具備することを特徴とする光伝送路二重化装置。
【請求項2】
上流側の伝送装置と下流側の伝送装置との間が、光路長差が許容範囲内に調整された第1の光伝送路および迂回用の第2の光伝送路を用いて接続された後、前記第1の光伝送路に代えて新規の第3の光伝送路が接続された場合に、前記第2の光伝送路中に配置した可変遅延器を用いて前記第3の光伝送路と前記第2の光伝送路との間の光路長差を調整する光伝送路二重化装置であって、
前記第3の光伝送路中に配置され、前記上流側の伝送装置から下流側の伝送装置へ伝送される下り信号光の光強度を予め設定されたレベルまで減衰させ、当該減衰された信号光を下り試験信号光として下流側の伝送装置へ送出する下り信号光減衰器と、
前記第3の光伝送路中に配置され、前記下流側の伝送装置から上流側の伝送装置へ伝送される上り信号光の光強度を予め設定されたレベルまで減衰させ、当該減衰された信号光を上り試験信号光として上流側の伝送装置へ送出する上り信号光減衰器と、
前記第2の光伝送路を介して伝送された下り信号光と前記第3の光伝送路を介して伝送された前記下り試験信号光とをもとに、前記第2の光伝送路と前記第3の光伝送路との間の下り光路長差を検出する下り光路長差検出器と、
前記第2の光伝送路を介して伝送された上り信号光と前記第3の光伝送路を介して伝送された前記上り試験信号光とをもとに、前記第2の光伝送路と前記第3の光伝送路との間の上り光路長差を検出する上り光路長差検出器と、
前記下り光路長差検出器により検出された下り光路長差を所定の許容範囲内にするべく、前記可変遅延器により前記下り信号光を遅延制御すると共に、前記上り光路長差検出器により検出された上り光路長差を所定の許容範囲内にするべく、前記可変遅延器により前記上り信号光を遅延制御する遅延制御器と
を具備することを特徴とする光伝送路二重化装置。
【請求項3】
前記遅延制御器により上り光路長差および下り光路長差の調整が終了した状態で、前記下り信号光減衰器および上り信号光減衰器の各減衰量を減衰前の初期値に戻す減衰制御器を、さらに具備し、
前記遅延制御器は、前記下り信号光減衰器および上り信号光減衰器の各減衰量が初期値に戻された状態で、前記下り光路長差検出器により検出された下り光路長差を所定の許容範囲内に維持するべく前記下り信号光に対し与える遅延量を制御し直すと共に、前記上り光路長差検出器により検出された上り光路長差を所定の許容範囲内に維持するべく前記上り信号光に対し与える遅延量を制御し直す手段を、さらに備えることを特徴とする請求項2記載の光伝送路二重化装置。
【請求項4】
前記下り信号光減衰器および上り信号光減衰器は、
下り信号光と上り信号光とを分離する光波長分離器と、
前記分離された下り信号光および上り信号光をそれぞれ減衰させる第1及び第2の可変減衰器と、
前記分離された下り信号光の光強度および上り信号光の光強度をそれぞれ測定する第1及び第2の光強度測定器と、
前記第1及び第2の光強度測定器により測定された各光強度に基づいて、前記第1及び第2の可変減衰器の減衰量を可変制御する減衰制御器と
を備えることを特徴とする請求項1または2記載の光伝送路二重化装置。
【請求項5】
上流側の伝送装置と下流側の伝送装置との間を接続する第1の光伝送路に対し並行して迂回用の第2の光伝送路を敷設し、この第2の光伝送路中に可変遅延器を配置することで、前記第1の光伝送路と前記第2の光伝送路との間の光路長差を調整する光伝送路二重化装置が実行する光伝送路二重化方法であって、
前記第2の光伝送路中に配置された下り信号光減衰器により、前記上流側の伝送装置から下流側の伝送装置へ伝送される下り信号光の光強度を予め設定されたレベルまで減衰させ、当該減衰された信号光を下り試験信号光として下流側の伝送装置へ送出する過程と、
前記第2の光伝送路中に配置され上り信号光減衰器により、前記下流側の伝送装置から上流側の伝送装置へ伝送される上り信号光の光強度を予め設定されたレベルまで減衰させ、当該減衰された信号光を上り試験信号光として上流側の伝送装置へ送出する過程と、
前記第1の光伝送路を介して伝送された下り信号光と前記第2の光伝送路を介して伝送された前記下り試験信号光とをもとに、前記第1の光伝送路と前記第2の光伝送路との間の下り光路長差を検出する過程と、
前記第1の光伝送路を介して伝送された上り信号光と前記第2の光伝送路を介して伝送された前記上り試験信号光とをもとに、前記第1の光伝送路と前記第2の光伝送路との間の上り光路長差を検出する過程と、
前記検出された下り光路長差を所定の許容範囲内にするべく、前記可変遅延器により前記下り試験信号光を遅延制御する過程と、
前記検出された上り光路長差を所定の許容範囲内にするべく、前記可変遅延器により前記上り試験信号光を遅延制御する過程と
を具備することを特徴とする光伝送路二重化方法。
【請求項6】
上流側の伝送装置と下流側の伝送装置との間が、光路長差が許容範囲内に調整された第1の光伝送路および迂回用の第2の光伝送路を用いて接続された後、前記第1の光伝送路に代えて新規の第3の光伝送路が接続された場合に、前記第2の光伝送路中に配置した可変遅延器を用いて前記第3の光伝送路と前記第2の光伝送路との間の光路長差を調整する光伝送路二重化装置が実行する光伝送路二重化方法であって、
前記第3の光伝送路中に配置された下り信号光減衰器により、前記上流側の伝送装置から下流側の伝送装置へ伝送される下り信号光の光強度を予め設定されたレベルまで減衰させ、当該減衰された信号光を下り試験信号光として下流側の伝送装置へ送出する過程と、
前記第3の光伝送路中に配置された上り信号光減衰器により、前記下流側の伝送装置から上流側の伝送装置へ伝送される上り信号光の光強度を予め設定されたレベルまで減衰させ、当該減衰された信号光を上り試験信号光として上流側の伝送装置へ送出する過程と、
前記第2の光伝送路を介して伝送された下り信号光と前記第3の光伝送路を介して伝送された前記下り試験信号光とをもとに、前記第2の光伝送路と前記第3の光伝送路との間の下り光路長差を検出する過程と、
前記第2の光伝送路を介して伝送された上り信号光と前記第3の光伝送路を介して伝送された前記上り試験信号光とをもとに、前記第2の光伝送路と前記第3の光伝送路との間の上り光路長差を検出する過程と、
前記検出された下り光路長差を所定の許容範囲内にするべく、前記可変遅延器により前記下り信号光を遅延制御する過程と、
前記検出された上り光路長差を所定の許容範囲内にするべく、前記可変遅延器により前記上り信号光を遅延制御する過程と
を具備することを特徴とする光伝送路二重化方法。
【請求項7】
前記上り光路長差および下り光路長差の調整が終了した状態で、前記下り信号光減衰器および上り信号光減衰器の各減衰量を減衰前の初期値に戻す過程と、
前記各減衰量が初期値に戻された後、前記検出された下り光路長差を所定の許容範囲内に維持するべく前記下り試験信号光に対し与える遅延量を制御し直す過程と、
前記各減衰量が初期値に戻された後、前記検出された上り光路長差を所定の許容範囲内に維持するべく前記上り試験信号光に対し与える遅延量を制御し直す過程と
を、さらに具備することを特徴とする請求項6記載の光伝送路二重化方法。
【請求項8】
前記下り信号光減衰器および上り信号光減衰器は、
下り信号光と上り信号光とを分離する過程と、
前記分離された下り信号光の光強度および上り信号光の光強度をそれぞれ測定する過程と、
前記測定された各光強度に基づいて、前記分離された下り信号光および上り信号光をそれぞれ減衰させる過程と、
を備えることを特徴とする請求項5または6記載の光伝送路二重化方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば支障移転工事等による光線路切替時に一時的に迂回路を構成するための光伝送路二重化装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、光線路の支障移転工事等において通信サービスを途絶させることなく既設伝送路から迂回伝送路に通信回線を移転させることを可能とするサービス無瞬断切替技術が提案されている。この技術は、迂回伝送路を用意して、既設伝送路に接続し、一時的に伝送路を二重化した後に、既設伝送路側の通信光を遮断することにより迂回伝送路への移転を図るものである。
【0003】
ところで、この無瞬断切替えにおいて、二重化する伝送路区間において既設伝送路と迂回伝送路との間に光路長差があると、この光路長差に起因する遅延により、光の位相ずれによる光干渉が発生する。そのため、既設伝送路と迂回伝送路との間の遅延量を所定の許容範囲内に収めるための遅延量調整技術が必要になる。
【0004】
従来では、例えば迂回伝送路に分波した上り通信光を、通信光とは異なる波長、例えば伝送装置の受信帯域を超える波長でかつ加入者側の光フィルタにて遮断される波長を有する試験光に変換する。そして、既設伝送路により伝送される通信光と迂回線路により伝送される上記試験光との伝搬時間差から光路長差に起因する遅延量を求め、この遅延量に基づいて既設伝送路または迂回伝送路により伝送される光に遅延を与えることにより、遅延量を調整するようにしている(例えば非特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】東ほか、「光アクセス媒体切り替え方式の基礎検討−サービス無瞬断光媒体切り替えシステム」、信学技法OFT2008-52, pp.27-31, 2008
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、光伝送路を伝搬する光の速度はその波長に依存し、波長が長い光ほど伝搬速度が速くなる。このため、非特許文献1に記載された技術のように、通信光とは波長が大きく異なる試験光を用いて遅延量を測定し、遅延量を調整する手法では、測定区間長が長距離になるほど光の伝搬速度の違いに起因する遅延量の測定誤差が無視できない量になり、この結果伝送路の二重化通信を実現できなくなる場合がある。
【0007】
この発明は上記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、通信光と近接する波長を持つ試験光を使用しながら、本来の通信に影響を与えることなく、既設伝送路と迂回伝送路との間の遅延量を精度良く調整できるようにした光伝送路二重化装置及び方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するためにこの発明の第1の態様は、上流側の伝送装置と下流側の伝送装置との間を接続する第1の光伝送路に対し並行して迂回用の第2の光伝送路を敷設し、この第2の光伝送路中に可変遅延器を配置することで上記第1の光伝送路と上記第2の光伝送路との間の光路長差を調整する際に、上記第2の光伝送路中に下り信号光減衰器を配置して、上記上流側の伝送装置から下流側の伝送装置へ伝送される下り信号光の光強度を予め設定されたレベルまで減衰させ、当該減衰された信号光を下り試験信号光として下流側の伝送装置へ送出する。同様に、上記第2の光伝送路中にも上り信号光減衰器を配置して、上記下流側の伝送装置から上流側の伝送装置へ伝送される上り信号光の光強度を予め設定されたレベルまで減衰させ、当該減衰された信号光を上り試験信号光として上流側の伝送装置へ送出する。そして、上記第1の光伝送路を介して伝送された下り信号光と上記第2の光伝送路を介して伝送された上記下り試験信号光とをもとに上記第1の光伝送路と上記第2の光伝送路との間の下り光路長差を検出すると共に、上記第1の光伝送路を介して伝送された上り信号光と上記第2の光伝送路を介して伝送された上記上り試験信号光とをもとに上記第1の光伝送路と上記第2の光伝送路との間の上り光路長差を検出し、上記検出された下り光路長差を所定の許容範囲内にするべく上記可変遅延器により上記下り試験信号光を遅延制御すると共に、上記検出された上り光路長差を所定の許容範囲内にするべく上記可変遅延器により上記上り試験信号光を遅延制御するようにしたものである。
【0009】
この発明の第2の態様は、上流側の伝送装置と下流側の伝送装置との間が、光路長差が許容範囲内に調整された第1の光伝送路および迂回用の第2の光伝送路を用いて接続された後、上記第1の光伝送路に代えて新規の第3の光伝送路が接続された場合に、上記第3の光伝送路中に下り信号光減衰器を配置し、上記上流側の伝送装置から下流側の伝送装置へ伝送される下り信号光の光強度を予め設定されたレベルまで減衰させて、当該減衰された信号光を下り試験信号光として下流側の伝送装置へ送出する。またそれと共に、上記第3の光伝送路中に上り信号光減衰器を配置し、上記下流側の伝送装置から上流側の伝送装置へ伝送される上り信号光の光強度を予め設定されたレベルまで減衰させて、当該減衰された信号光を上り試験信号光として上流側の伝送装置へ送出する。そして、上記第2の光伝送路を介して伝送された下り信号光と上記第3の光伝送路を介して伝送された上記下り試験信号光とをもとに上記第2の光伝送路と上記第3の光伝送路との間の下り光路長差を検出すると共に、上記第2の光伝送路を介して伝送された上り信号光と上記第3の光伝送路を介して伝送された上記上り試験信号光とをもとに上記第2の光伝送路と上記第3の光伝送路との間の上り光路長差を検出し、当該検出された下り光路長差を所定の許容範囲内にするべく上記可変遅延器により上記下り信号光を遅延制御すると共に、上記検出された上り光路長差を所定の許容範囲内にするべく上記可変遅延器により上記上り信号光を遅延制御するようにしたものである。
【0010】
この発明の第3の態様は、上記遅延制御器により上り光路長差および下り光路長差の調整が終了した後、上記下り信号光減衰器および上り信号光減衰器の各減衰量を減衰前の初期値に戻す。そして、当該減衰量が初期値に戻された状態で、上記遅延制御器により、上記下り光路長差検出器により検出された下り光路長差を所定の許容範囲内に維持するべく上記下り信号光に対し与える遅延量を制御し直すと共に、上記上り光路長差検出器により検出された上り光路長差を所定の許容範囲内に維持するべく上記上り信号光に対し与える遅延量を制御し直すようにしたものである。
【0011】
この発明の第4の態様は、上記下り信号光減衰器および上り信号光減衰器において、下り信号光と上り信号光とを光波長分離器により分離した後、それぞれ第1及び第2の可変減衰器に入射し、上記分離された下り信号光の光強度および上り信号光の光強度をそれぞれ測定して、当該測定された各光強度に基づいて上記第1及び第2の可変減衰器の減衰量を可変制御するようにしたものである。
【発明の効果】
【0012】
この発明の第1の態様によれば、第1の光伝送路と迂回用の第2の光伝送路との間の光路長差を一致させるための遅延制御を行う際に、加入者側の伝送装置から送信された上り信号光および局側の伝送装置から送信された下り信号光の光強度がそれぞれ上り信号光可変減衰器および下り信号光可変減衰器により減衰されて、この減衰された信号光が上り試験信号光および下り試験信号光として迂回用の第2の光伝送路により伝送される。このため、下り信号光と下り試験信号光との波長の相違、および上り信号光と上り試験信号光との波長の相違を考慮する必要がなくなり、これにより光伝送路長が長い場合でも、高精度の遅延量調整が可能となる。
【0013】
また、局側の伝送装置および加入者側の伝送装置には、迂回用の第2の光伝送路を介して、光強度が減衰された上り試験信号光および下り試験信号光が伝送される。このため、局側の伝送装置および加入者側の伝送装置では、上り試験信号光および下り試験信号光として、第1の光伝送路により伝送される上り信号光および下り信号光と同一波長の信号光を使用しているにも拘わらず、試験信号光による影響を受けることなく、第1の光伝送路により伝送された上りおよび下りの各信号光を受信することができる。したがって、第1の光伝送路により伝送された上りおよび下りの各信号光を、伝送エラー等を起こすことなく高品質に受信することが可能となる。
【0014】
この発明の第2の態様によれば、光伝送路が第1の光伝送路から新規の第3の光伝送路に切り替えられた後、当該第3の光伝送路と迂回用の第2の光伝送路との間の光路長差を調整する際に、新規の第3の光伝送路の経路中に設けられた減衰器により上り信号光および下り信号光の光強度がそれぞれ減衰されて、この減衰された信号光が上り試験信号光および下り試験信号光として伝送される。このため、上りおよび下りの各試験信号光として、それぞれ上り信号光および下り信号光と同一波長の信号光が用いられるため、上り信号光と上り試験信号光との間、および下り信号光と下り試験信号光との間の各波長の相違を考慮する必要がなくなり、これにより光伝送路長が長い場合でも、高精度の遅延量調整が可能となる。
【0015】
また、局側の伝送装置および加入者側の伝送装置には、上記減衰器により光強度が減衰された上り試験信号光および下り試験信号光が伝送されることになる。このため、局側の伝送装置および加入者側の伝送装置では、上り試験信号光および下り試験信号光として、それぞれ迂回用の第2の光伝送路により伝送される上り信号光および下り信号光と同一波長の信号光を使用しているにも拘わらず、試験信号光による影響を受けることなく、迂回用の第2の光伝送路により伝送された上りおよび下り信号光を受信することができる。したがって、迂回用の第2の光伝送路により伝送された上りおよび下り信号光を、伝送エラー等を起こすことなく受信することが可能となる。
【0016】
第3の態様によれば、上り光路長差および下り光路長差の調整が終了した状態で、下り信号光減衰器および上り信号光減衰器の各減衰量が減衰前の初期値に戻されることで、新規の第3の光伝送路への切り替えに備え、迂回用の第2の光伝送路により伝送される上り試験信号光及び下り試験信号光を、十分に大きな光強度で局側および加入者側の各伝送装置に受信させることができる。
【0017】
さらに、下り信号光減衰器および上り信号光減衰器の各減衰量が減衰前の初期値に戻されたことにより、上り光路長差および下り光路長差が大きくなったとしても、上り信号光および下り信号光に対する遅延量が再設定される。このため、迂回用の第2の光伝送路と新規の第3の光伝送路との間の上り光路長差および下り光路長差を許容範囲内に維持することが可能となる。
【0018】
第4の態様によれば、上り信号光及び下り信号光のそれぞれについて独立して減衰量を制御することができ、さらに入力された信号光の光強度が変化しても、上り信号光及び下り信号光のレベルを常に最適な値に維持することが可能となる。
【0019】
すなわちこの発明によれば、通信光と近接する波長を持つ試験光を使用しながら、本来の通信に影響を与えることなく、既設伝送路と迂回伝送路との間の遅延量を精度良く調整できるようにした光伝送路二重化装置及び方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】この発明の一実施形態に係る光伝送路二重化装置を含むシステム全体の構成を示すブロック図。
図2図1に示した光伝送路二重化装置に設けられる上り信号光路長差検出器の構成を示すブロック図。
図3図1に示した光伝送路二重化装置に設けられる下り信号光路長差検出器の構成を示すブロック図。
図4図1に示した光伝送路二重化装置に設けられる下り信号光路長差検出器および下部検出信号送信器の構成を示すブロック図。
図5】迂回路構成ユニットにおいて、図4に示した下部検出信号送信器から送信される下部検出信号を受信するための構成を示すブロック図。
図6】新規光ファイバに挿入される上り下り信号パワー減衰器の構成を示すブロック図。
図7図1に示した光伝送路二重化装置において、現用光ファイバにより通信中に当該現用光ファイバと迂回路との間の光路長差を検出する場合の動作を説明する図。
図8図1に示した光伝送路二重化装置において、迂回路により通信中に当該迂回路と新規光ファイバとの間の光路長差を検出する場合の動作を説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照してこの発明に係わる実施形態を説明する。
[一実施形態]
(構成)
図1は、この発明の一実施形態に係る光伝送路二重化装置の構成を含むシステム伝体の構成を示すブロック図である。
同図において、100は局舎内に設けられた局側伝送装置(OLT:Optical Line Terminal)、101は加入者宅内に設けられた加入者側伝送装置(ONU:Optical Network Unit)をそれぞれ示しており、この局側伝送装置100と加入者側伝送装置101との間には現用光ファイバ102が敷設されている。
【0022】
また、上記局舎内および加入者宅内には、それぞれ上部光分岐カプラ202および下部光分岐カプラ201が設置され、この上部光分岐カプラ202および下部光分岐カプラ201にはそれぞれ上部迂回用光ファイバ103および下部迂回用光ファイバ104が分岐結合されている。さらに局舎内には、迂回路構成ユニット10が設置されている。この迂回路構成ユニット10は、上記上部迂回用光ファイバ103と下部迂回用光ファイバ104との間に介挿される状態で接続されている。これらの迂回用光ファイバ103,104および迂回路構成ユニット10により迂回路が構成される。
【0023】
迂回路構成ユニット10は、波長分割多重方式(WDM:Wavelength Division Multiplexing)を採用した上部WDMカプラ11および下部WDMカプラ15を備え、これらのWDMカプラ11,15間には下り信号遅延ユニットおよび上り信号遅延ユニットが並列に配置されている。また迂回路構成ユニット10は、上り信号光路長差検出器21、下部検出信号受信器22および制御器23を備えている。
【0024】
下り信号遅延ユニットは、下り信号用の光/電気変換器(以後O/Eと略称する)12と下り信号用の電気/光変換器(以後E/Oと略称する)13との間に下り信号可変遅延器19を配置すると共に、E/O13とWDMカプラ15との間に下り信号光可変減衰器14を配置したものとなっている。一方、上り信号遅延ユニットは、上り信号用の(O/E)16と上り信号用の(E/O)17との間に上り信号可変遅延器20を配置すると共に、E/O17とWDMカプラ11との間に上り信号光可変減衰器18を配置したものとなっている。
【0025】
上記下り信号可変遅延器19および上り信号可変遅延器20は、それぞれ迂回路下り信号光および迂回路上り信号光を遅延させる機能を有する。これにより、加入者側伝送装置101において、現用光ケーブル102により伝送された下り信号光と、迂回路により伝送された迂回路下り信号光との間の信号伝搬時間差が、所定の許容範囲内になるように調整する。また局側伝送装置100において、現用光ケーブル102により伝送された上り信号光と、迂回路により伝送された迂回路上り信号光との間の信号伝搬時間差が、所定の許容範囲内になるように調整する。なお、下り信号可変遅延器19および上り信号可変遅延器20は、例えば周知の半導体ディレイラインを用いることで実現できる。
【0026】
下り信号光可変減衰器14および上り信号可変減衰器18は、それぞれ迂回路下り信号光および迂回路上り信号光の光強度を所定レベルまで減衰させ、この減衰処理後の信号光をそれぞれ下り試験信号光および上り試験信号光として出力する。下り信号光可変減衰器14の減衰量は、加入者側の伝送装置101において、迂回路により伝送された迂回路下り試験信号光が現用光ケーブル102により伝送された下り信号光の受信品質に影響を与えない値、つまりS/X比が許容レベル以下になるような値に設定される。また上り信号光可変減衰器18の減衰量は、局側の伝送装置100において、迂回路により伝送された上り試験信号光が現用光ケーブル102により伝送された上り信号光の受信品質に影響を与えない値に設定される。すなわち、下りおよび上りの各減衰量とも、現用光ケーブル102により伝送された信号光と、迂回路から入力される試験光との強度比(SX比)が、予め設定された許容レベル以下になる値に設定される。
【0027】
上り信号光路長差検出器21は、現用光ファイバ102を介して伝送された上り信号光と、迂回路を介して伝送された上り試験信号光との間の信号伝搬時間差を検出するもので、例えば次のように構成される。図2はその構成の一例を示すものである。
【0028】
すなわち、上り信号光路長差検出器21は、上り光WDMカプラ211と、O/E212,213と、信号遅延差計測器214を備えている。そして、上部迂回用光ファイバ103により伝送された信号光を上り光WDMカプラ211により上り信号光2000と上り試験信号光2002とに分離した後、この分離された上り信号光2000および上り試験信号光2002をそれぞれO/E212,213で電気信号に変換して信号遅延差計測器214に入力する。信号遅延差計測器214は、上記入力された各電気信号間の位相差を計測することで、上記上り信号光2000と上り試験信号光2001との間の信号伝搬時間差、つまり現用光ファイバ102と迂回路との間の上り光路長差を検出する。そして、この検出された上り光路長差を表す上部検出信号を制御器23に入力する。
【0029】
一方加入者宅内には、下り信号光路長差検出器30と、下部検出信号送信器31が配置されている。下り信号光路長差検出器30は、現用光ファイバ102を介して伝送された下り信号光と、迂回路を介して伝送された下り試験信号光との間の信号伝搬時間差を検出する。また、現用光ファイバ102が新規の光ファイバ105に切り替えられた場合には、当該新規の光ファイバ105を介して伝送された本線下り試験信号光と、迂回路を介して伝送された下り信号光との間の信号伝搬時間差を検出する。
【0030】
図3は下り信号光路長差検出器30の構成の一例を示すものであり、以下のように構成される。すなわち、下り信号光路長差検出器30は、上記上り信号光路長差検出器21と同様に、下り光WDMカプラ301と、O/E302,303と、信号遅延差計測器304を備えている。そして、下部迂回用光ファイバ104により伝送された信号光を、下り光WDMカプラ301により、現用光ファイバ102により伝送された下り信号光3000と、迂回路を介して伝送された下り試験信号光3001とに分離した後、この分離された下り信号光3000および下り試験信号光3001をそれぞれO/E303,304で電気信号に変換して信号遅延差計測器304に入力する。
【0031】
また現用光ファイバ102が新規光ファイバ105に切り替えられた場合には、下部迂回用光ファイバ104により伝送された信号光を、下り光WDMカプラ301により、迂回路を介して伝送された迂回路下り信号光3003と、新規光ファイバ105により伝送された本線下り試験信号光3002とに分離した後、この分離された迂回路下り信号光3003および本線下り試験信号光3002をそれぞれO/E303,304で電気信号に変換して信号遅延差計測器304に入力する。
【0032】
信号遅延差計測器304は、上記入力された各電気信号間の位相差を計測することで、上記下り信号光3000と下り試験信号光3001との間、および上記迂回路下り信号光3003と本線下り試験信号光3002との間の信号伝搬時間差を検出する。すなわち、現用光ファイバ102と迂回路との間の下り光路長差、および新規の光ファイバ105と迂回路との間の下り光路長差をそれぞれ検出し、その検出結果を表す下部検出信号を下部検出信号送信器31へ出力する。
【0033】
下部検出信号送信器31は、例えば図4に示すようにE/O311を備える。そして、上記下り信号光路長差検出器30から出力された下部検出信号をE/O311により信号光4000に変換し、下部検出信号用の光ファイバ33を介して上記下り信号光路長差検出器30に返送する。
【0034】
下り信号光路長差検出器30は、図4に示すように上記下部検出信号送信器31から返送された下部検出信号光4000を下り光WDMカプラ301に導入する。そして、上記下部検出信号光4000を、下り光WDMカプラ301から下部迂回用光ファイバ104を介して局側の迂回路構成ユニット10へ送信する。
【0035】
迂回路構成ユニット10は、上記下部検出信号送信器31から下り信号光路長差検出器30を介して送信された下部検出信号光4000を、例えば図5に示すように下部WDMカプラ15により分波して下部検出信号受信器22に入力する。下部検出信号受信器22はO/Eを備え、上記下部検出信号送信器31から送信された下部検出信号光4000を当該O/Eにより電気信号に変換して、制御器23に入力する。
【0036】
制御器23は、上記上り信号光路長差検出器21により検出された、現用光ファイバ102と迂回路との間、または新規光ファイバ105と迂回路との間の上り光路長差に基づいて、当該上り光路長差が許容値以下(理想的にはゼロ)になるような上り遅延量を計算する。そして、この上り遅延量を設定するための遅延量制御信号を遅延制御線24を介して上り信号可変遅延器20に与え、当該上り信号可変遅延器20に上記上り遅延量を設定する。
【0037】
また制御器23は、上記下部検出信号受信器22から入力された下部検出信号をもとに、現用光ファイバ102と迂回路との間、または新規の光ファイバ105と迂回路との間の下り光路長差が許容値以下(理想的にはゼロ)になるような下り遅延量を計算する。そして、この下り遅延量を設定するための遅延量制御信号を遅延制御線24を介して下り信号可変遅延器19に与え、当該下り信号可変遅延器19に上記下り遅延量を設定する。
【0038】
さらに制御器23は、上記上りおよび下りの各遅延量の調整終了後、つまり上記現用光ファイバ102と迂回路との間の上り光路長差および下り光路長差が許容値以下(理想的にはゼロ)になった状態で、上り信号光可変減衰器18および下り信号光可変減衰器14の減衰量を初期値(ゼロ)に戻す機能も備える。
【0039】
一方、現用光ファイバ102に代えて新規の光ファイバ105を敷設した場合、当該新規の光ファイバ105には上り下り信号パワー減衰器40が介挿配置される。この上り下り信号パワー減衰器40は、新規の光ファイバ105により伝送される上り信号光及び下り信号光の光強度をそれぞれ減衰させ、この減衰処理後の信号光を本線上り試験信号光及び本線下り信号光として出力するものである。
【0040】
図6は上り下り信号パワー減衰器40の構成を示すブロック図である。同図に示すように上り下り信号パワー減衰器40は、WDMカプラ41,45間に下り信号光可変減衰器44および上り信号光可変減衰器48を配置している。下り信号光可変減衰器44はWDMカプラ41により分離された下り信号光3000の光強度を、加入者側の伝送装置101における迂回路下り信号光3003の受信品質に影響を与えないレベルに減衰させ、この減衰後の信号光を本線下り試験信号光3002として出力する。上り信号光可変減衰器48は、WDMカプラ45により分離された上り信号光2000の光強度を、局側の伝送装置100における迂回路上り信号光2003の受信品質に影響を与えないレベルに減衰させ、この減衰後の信号光を本線上り試験信号光2002として出力する。
【0041】
また上り下り信号パワー減衰器40は、WDMカプラ41と下り信号光可変減衰器44との間、およびWDMカプラ45と上り信号光可変減衰器48との間に、それぞれ光分岐カプラ42,46を配置している。光分岐カプラ42,46はそれぞれ下り信号光3000および上り信号光2000の一部を光強度測定用として分岐し、光強度測定器43,47に導入する。光強度測定器43,47は、上記導入された下り信号光3000および上り信号光2000の光強度を測定し、その測定値を減衰制御器49に入力する。
【0042】
減衰制御器49は、上記入力された下り信号光3000の光強度測定値をもとに、適切な光強度を持つ本線下り試験信号光3002が得られるような減衰量を計算し、この減衰量を上記下り信号光可変減衰器44に設定する。またそれと共に減衰制御器49は、上記入力された上り信号光2000の光強度測定値をもとに、適切な光強度を持つ本線上り試験信号光2002が得られるような減衰量を計算し、この減衰量を上記上り信号光可変減衰器48に設定する。
【0043】
(動作)
次に、以上のように構成された光伝送路二重化装置の動作を説明する。
(1)現用光ファイバ102で通信を行っている状態で、当該現用光ファイバ102と迂回路との間の光路長差を調整する場合
図7はこの場合の信号光の流れを示す図である。同図において、加入者側の伝送装置101から送信された上り信号光2000および局側の伝送装置100から送信された下り信号光はいずれも現用光ファイバ102を介して伝送され、それぞれ局側の伝送装置100および加入者側の伝送装置101で受信される。
【0044】
またそれと共に、上記加入者側の伝送装置101から送信された上り信号光2000は、下部光分岐カプラ201で分岐された後、下部迂回用光ファイバ104を介して迂回路構成ユニット10に伝送される。そして、この迂回路構成ユニット10において、現用光ファイバ102と迂回路との間の上り光路長差が所定長以下に(理想的にはゼロに)なるように遅延量の調整が行われる。
【0045】
一方、局側の伝送装置100から送信された下り信号光3000は、上部光分岐カプラ202で分岐された後、上部迂回用光ファイバ103を介して迂回路構成ユニット10に伝送される。そして、この迂回路構成ユニット10において、上記した上りの場合と同様に、現用光ファイバ102と迂回路との間の下り光路長差が所定長以下(理想的にはゼロ)になるように遅延量の調整が行われる。
【0046】
以下に、上記上り光路長差および下り光路長差を所定長以下にするための遅延量の調整動作を詳しく説明する。
先ず上り光路長差を所定長以下にするための遅延量の調整について述べる。
上記下部迂回用光ファイバ104を介して迂回路構成ユニット10に伝送された迂回路上り信号光2000は、上り信号光可変減衰器18により減衰されて迂回路上り試験信号光2001となる。そして、当該迂回路上り試験信号光2001は、現用光ファイバ102を介して伝送された上り信号光2000と共に、上部迂回用光ファイバ103を介して上り信号光路差長検出器21に導入される。
【0047】
上り信号光路差長検出器21では、上記上り信号光2000と上り試験信号光2001がそれぞれO/E212,213で電気信号に変換されたのち信号遅延差計測器214に入力され、この信号遅延差計測器214により上記上り信号光2000と上り試験信号光2001との間の信号伝搬時間差、つまり現用光ファイバ102と迂回路との間の上り光路長差が検出される。そして、この検出された上り光路長差を表す上部検出信号が制御器23に入力される。
【0048】
制御器23では、上記上り信号光路長差検出器21により検出された、現用光ファイバ102と迂回路との間の上り光路長差に基づいて、当該上り光路長差が許容値以下(理想的にはゼロ)になるような上り遅延量が算出される。そして、遅延量制御信号が遅延制御線24を介して上り信号可変遅延器20に与えられる。このため、上り信号可変遅延器20には上記上り光路長差を許容値以下(理想的にはゼロ)にするための上り遅延量が設定される。
【0049】
この結果、局側の伝送装置100において、迂回路により伝送された上り試験信号光2001の位相は、現用光ファイバ102により伝送された上り信号光2000の位相と一致するように遅延制御され、これにより現用光ファイバ102と迂回路との間の上り光路長差はゼロになる。このため、局側の伝送装置100で受信される上り信号光2000と上り試験信号光2001との信号波形パターンは時間的に一致したものとなる。
【0050】
また、このとき上記迂回路上り試験信号光2001の波長は、現用光ファイバ102により伝送される上り信号光2000と同一波長である。このため、上り信号光2000と迂回路上り試験信号光2001との波長の相違を考慮する必要がなくなり、これにより簡単且つ高精度の遅延量調整が可能となる。
【0051】
次に、下り光路長差を所定長以下にするための遅延量の調整について述べる。
上部迂回用光ファイバ103を介して迂回路構成ユニット10に伝送された迂回路下り信号光3000は、下り信号光可変減衰器14により減衰されて迂回路下り試験信号光3001となる。そして、当該迂回路下り試験信号光3001は、現用光ファイバ102を介して伝送された下り信号光3000と共に、下部迂回用光ファイバ104を介して下り信号光路差長検出器30に導入される。
【0052】
下り信号光路差長検出器30では、上記下り信号光3000および迂回路下り試験信号光3001がそれぞれO/E302,303で電気信号に変換されたのち信号遅延差計測器304に入力され、この信号遅延差計測器304により上記下り信号光3000と下り試験信号光3001との間の信号伝搬時間差、つまり現用光ファイバ102と迂回路との間の下り光路長差が検出される。そして、この検出された下り光路長差を表す下部検出信号が、下部検出信号送信器31により下部検出信号光4000に変換され、下り信号光路差長検出器30から下部迂回用光ファイバ104を介して局側に設けられた迂回路構成ユニット10へ伝送される。
【0053】
迂回路構成ユニット10では、上記伝送された下部検出信号光4000が、下部WDMカプラ15により分波されて下部検出信号受信器22に入力され、この下部検出信号受信器22により電気信号に変換された後、制御器23に入力される。
【0054】
制御器23では、上記下部検出信号受信器22から入力された下部検出信号をもとに、現用光ファイバ102と迂回路との間の下り光路長差が許容値以下(理想的にはゼロ)になるような下り遅延量が計算される。そして、遅延量制御信号が遅延制御線24を介して下り信号可変遅延器19に与えられる。このため、下り信号可変遅延器19には上記下り光路長差を許容値以下(理想的にはゼロ)にするための下り遅延量が設定される。
【0055】
この結果、加入者側の伝送装置101において、迂回路により伝送された下り試験信号光3001の位相は、現用光ファイバ102により伝送された下り信号光3000の位相と一致するように遅延制御され、これにより現用光ファイバ102と迂回路との間の下り光路長差はゼロになる。このため、加入者側の伝送装置101で受信される下り信号光3000と下り試験信号光3001との信号波形パターンは時間的に一致したものとなる。
【0056】
また、このとき上記迂回路下り試験信号光3001の波長は、現用光ファイバ102により伝送される下り信号光3000と同一波長である。このため、下り信号光3000と迂回路下り試験信号光3001との波長の相違を考慮する必要がなくなり、これにより簡単に高精度の遅延量調整が可能となる。
【0057】
ところで、迂回路構成ユニット10では、上記上り信号光2000および下り信号光3000の光強度が、それぞれ上り信号光可変減衰器18および下り信号光可変減衰器14により減衰される。そして、この減衰された後の上り信号光が迂回路上り試験信号光2001として出力され、上部光迂回用光ファイバ103および上部光分岐カプラ202を介して局側の伝送装置100に伝送される。また、上記減衰された後の下り信号光が迂回路下り試験信号光3001として出力され、下部光迂回用光ファイバ104および下部光分岐カプラ201を介して加入者側の伝送装置101に伝送される。
【0058】
このとき、上記上り信号光可変減衰器18および下り信号光可変減衰器14による減衰量は、迂回路により伝送された迂回路上り試験信号光2001および迂回路下り試験信号光3001が現用光ケーブル102により伝送された上り信号光および下り信号光の受信品質に影響を与えない値に設定されている。したがって、迂回路上り試験信号光2001および迂回路下り試験信号光3001として、それぞれ現用光ファイバ102により伝送される上り信号光2000および下り信号光3000と同一波長の信号光を使用しているにも拘わらず、局側の伝送装置100および加入者側の伝送装置101ではいずれも試験信号光による影響を受けることなく現用光ファイバ102により伝送された信号光を受信することができる。
【0059】
(2)迂回路により通信を継続している状態で、現用光ファイバ102を新規の光ファイバ105に切り替えた場合の光路長差の調整
上記(1)による調整により、現用光ファイバ102と迂回路との間の上り光路長差および下り光路長差が許容値以下(理想的にはゼロ)に調整されると、制御器23は、上り信号光可変減衰器18および下り信号光可変減衰器14の減衰量を初期値(ゼロ)に戻す。この結果、局側の伝送装置100と加入者側の伝送装置101との間の光通信は、迂回路を介して維持される。
【0060】
なお、上記上り信号光可変減衰器18および下り信号光可変減衰器14の減衰量が初期値に戻されると、当該各減衰器18,14が試験信号に与える遅延時間が変化することが考えられる。しかしこの場合、上り信号光路差長検出器21および下り信号光路長差検出器30と制御器23とにより構成されるフィードバック制御により、上り信号可変遅延器18および下り信号可変遅延器14の遅延量が調整し直される。このため、上り光路長差および下り光路長差はそれぞれ許容範囲内に維持される。
【0061】
この状態で保守員が現用光ファイバ102を新規の光ファイバ105に切り替えると、迂回路と当該新規の光ファイバ105との間の光路長差を許容値以下(理想的にはゼロ)に調整するための動作が開始される。図8はこの場合の信号光の流れを示す図である。
【0062】
同図において、新規の光ファイバ105の経路中には上り下り信号パワー減衰器40が介挿配置されており、この上り下り信号パワー減衰器40では図6に示したように減衰制御器49の制御の下、下り信号光可変減衰器44および上り信号光可変減衰器48に対し予め設定された減衰量が設定される。
【0063】
このため、加入者側の伝送装置101から送信された上り信号光2000および局側の伝送装置100から送信された下り信号光3000はそれぞれ上り下り信号パワー減衰器40の上り信号光可変減衰器48および下り信号光可変減衰器44により減衰され、この減衰後の信号光が本線上り試験信号光2002および本線下り試験信号光3002となってそれぞれ局側の伝送装置100および加入者側の伝送装置101へ伝送される。
【0064】
また、上記上り信号光可変減衰器48および下り信号光可変減衰器44の減衰量は、それぞれ光強度測定器47,43により測定された上り信号光2000および下り信号光3000の光強度に応じてさらに可変制御される。このため、本線上り試験信号光2002および本線下り試験信号光3002の光強度は、それぞれ局側の伝送装置100および加入者側の伝送装置101において、迂回路を介して伝送された上り信号光2000および下り信号光3000の受信品質に伝送エラーなどの悪影響を与えない適切なレベルに設定される。
【0065】
さて、この状態で迂回路構成ユニット10では、当該迂回路構成ユニット10を通過した迂回路上り信号光2003と、新規の光ファイバ105を介して伝送された本線上り試験信号光2002が、上部迂回用光ファイバ103を介して上り信号光路差長検出器21に導入される。
【0066】
上り信号光路差長検出器21では、上記迂回路上り信号光2003および本線上り試験信号光2002がそれぞれO/E212,213で電気信号に変換されたのち信号遅延差計測器214に入力され、この信号遅延差計測器214により上記迂回路上り信号光2003と本線上り試験信号光2002との間の信号伝搬時間差、つまり新規の光ファイバ105と迂回路との間の上り光路長差が検出される。そして、この検出された上り光路長差を表す上部検出信号が制御器23に入力される。
【0067】
制御器23では、上記上り信号光路長差検出器21により検出された、新規の光ファイバ105と迂回路との間の上り光路長差に基づいて、当該上り光路長差が許容値以下(理想的にはゼロ)になるような上り遅延量が算出される。そして、遅延量制御信号が遅延制御線24を介して上り信号可変遅延器20に与えられる。このため、上り信号可変遅延器20には上記上り光路長差を許容値以下(理想的にはゼロ)にするための上り遅延量が設定される。
【0068】
この結果、局側の伝送装置100において、新規の光ファイバ105により伝送された本線上り試験信号光2002の位相は、迂回路により伝送された迂回路上り信号光2003の位相と一致するように遅延制御され、これにより新規の光ファイバ105と迂回路との間の上り光路長差はゼロになる。
【0069】
また、このとき上記本線上り試験信号光2002の波長は、迂回路により伝送される迂回路上り信号光2003と同一波長である。このため、本線上り試験信号光2002と迂回路上り信号光2003との波長の相違を考慮する必要がなくなり、これにより簡単且つ高精度の遅延量調整が可能となる。
【0070】
一方、新規の光ファイバ105上において上り下り信号パワー減衰器40により光強度が減衰された本線下り試験信号光3002と、迂回路を経由して伝送された迂回路下り信号光3003は、下部迂回用光ファイバ104を介して下り信号光路差長検出器30に導入される。
【0071】
下り信号光路差長検出器30では、上記迂回路下り信号光3003および本線下り試験信号光3002がそれぞれO/E302,303で電気信号に変換されたのち信号遅延差計測器304に入力され、この信号遅延差計測器304により上記迂回路下り信号光3003と本線下り試験信号光3002との間の信号伝搬時間差、つまり新規の光ファイバ105と迂回路との間の下り光路長差が検出される。そして、この検出された下り光路長差を表す下部検出信号が、下部検出信号送信器31により下部検出信号光4000に変換され、下り信号光路差長検出器30から下部迂回用光ファイバ104を介して局側に設けられた迂回路構成ユニット10へ伝送される。
【0072】
迂回路構成ユニット10では、上記伝送された下部検出信号光4000が、下部WDMカプラ15により分波されて下部検出信号受信器22に入力され、この下部検出信号受信器22により電気信号に変換された後、制御器23に入力される。
【0073】
制御器23では、上記下部検出信号受信器22から入力された下部検出信号をもとに、新規の光ファイバ105と迂回路との間の下り光路長差が許容値以下(理想的にはゼロ)になるような下り遅延量が計算される。そして、遅延量制御信号が遅延制御線24を介して下り信号可変遅延器19に与えられる。このため、下り信号可変遅延器19には上記下り光路長差を許容値以下(理想的にはゼロ)にするための下り遅延量が設定される。
【0074】
この結果、加入者側の伝送装置101において、新規の光ファイバ105により伝送された本線下り試験信号光3002の位相は、迂回路により伝送された迂回路下り信号光3003の位相と一致するように遅延制御され、これにより新規の光ファイバ105と迂回路との間の下り光路長差はゼロになる。
【0075】
また、このとき上記本線下り試験信号光3002の波長は、迂回路により伝送される迂回路下り信号光3003と同一波長である。このため、迂回路下り信号光3003と本線下り試験信号光3002との波長の相違を考慮する必要がなくなり、これにより簡単に高精度の遅延量調整が可能となる。
【0076】
さらに、先に述べたように本線上り試験信号光2002および本線下り試験信号光3002は、それぞれ上り下り信号パワー減衰器40により光強度が減衰された後、局側の伝送装置100および加入者側の伝送装置101へ伝送される。このため、本線上り試験信号光2002および本線下り試験信号光3002は、それぞれ迂回路上り信号光2003および迂回路下り信号光3003と同一波長の信号光を使用しているにも拘わらず、局側の伝送装置100および加入者側の伝送装置101ではいずれも本線試験信号光による影響を受けることなく迂回路により伝送された信号光を受信することができる。
【0077】
上記した上りおよび下りの各光路長差の調整が終了すると、上り下り信号パワー減衰器40を取り外す。或いは上り下り信号パワー減衰器40の減衰量をゼロに設定する。なお、このとき上り下り信号パワー減衰器40が有する遅延時間だけ減算した設定遅延時間を上り信号可変遅延器20および下り信号可変遅延器19に設定する。
【0078】
この結果、本線上り試験信号光2002および本線下り試験信号光3002は、それぞれ迂回路上り信号光2003および迂回路下り信号光3003と位相が一致した状態を維持した上で、光強度が迂回路上り信号光2003および迂回路下り信号光3003と同程度に設定される。そして、この状態で迂回路を切り離すことで、現用光ファイバ102から新規の光ファイバ105への無瞬断による切り替えが完了する。
【0079】
(実施形態の効果)
以上詳述したように一実施形態では、現用光ファイバ102と迂回路との間の光路長差を一致させるための遅延制御を行う際に、迂回路構成ユニット10において、加入者側の伝送装置101から送信された上り信号光2000および局側の伝送装置100から送信された下り信号光3000の光強度を、それぞれ上記上り信号光可変減衰器18および下り信号光可変減衰器14により減衰させて、この減衰された信号光を迂回路上り試験信号光2001および迂回路下り試験信号光3001として伝送するようにしている。このため、下り信号光3000と迂回路下り試験信号光3001との波長の相違を考慮することなく、また上り信号光2000と上り試験信号光2001との波長の相違を考慮することなく、簡単且つ高精度の遅延量調整が可能となる。
【0080】
また、局側の伝送装置100および加入者側の伝送装置101には、上記迂回路構成ユニット10により光強度が減衰された迂回路上り試験信号光2001および迂回路下り試験信号光3001が伝送されることになる。このため、迂回路上り試験信号光2001および迂回路下り試験信号光3001として、それぞれ現用光ファイバ102により伝送される上り信号光2000および下り信号光3000と同一波長の信号光を使用しているにも拘わらず、局側の伝送装置100および加入者側の伝送装置101ではいずれも試験信号光による影響を受けることなく現用光ファイバ102により伝送された信号光を受信することができる。
【0081】
一方、現用光ファイバ102から切り替えた新規の光ファイバ105と、迂回路との間の光路長差を一致させるための遅延制御を行う際に、新規の光ファイバ105の経路中に設けた上り下り信号パワー減衰器40において、加入者側の伝送装置101から送信された上り信号光2000および局側の伝送装置100から送信された下り信号光3000の光強度を、それぞれ上り信号光可変減衰器48および下り信号光可変減衰器44により減衰させて、この減衰された信号光を本線上り試験信号光2002および本線下り試験信号光3002として伝送するようにしている。このため、上りおよび下りの各試験信号光として、それぞれ迂回路上り信号光2003および迂回路下り信号光3003と同一波長の試験信号光が用いられるため、迂回路上り信号光2003と本線上り試験信号光2002との間、および迂回路下り信号光3003と本線下り試験信号光3002との間の各波長の相違を考慮する必要がなくなり、簡単に高精度の遅延量調整が可能となる。
【0082】
また、局側の伝送装置100および加入者側の伝送装置101には、上記上り下り信号パワー減衰器40により光強度が減衰された本線上り試験信号光2002および本線下り試験信号光3002が伝送されることになる。このため、本線上り試験信号光2002および本線下り試験信号光3002として、それぞれ迂回路により伝送される迂回路上り信号光2003および迂回路下り信号光3003と同一波長の信号光を使用しているにも拘わらず、局側の伝送装置100および加入者側の伝送装置101ではいずれも試験信号光による影響を受けることなく迂回路により伝送された信号光を受信することができる。
【0083】
[他の実施形態]
前記実施形態では、迂回路構成ユニット10において、制御器23から上り信号光可変減衰器18および下り信号光可変減衰器14に対し予め設定された減衰量を設定するようにした。しかし、上り信号光可変減衰器18および下り信号光可変減衰器14に入力される直前の上り信号光および下り信号光の光強度を測定し、その測定値に応じて最適な減衰量を可変設定するようにしてもよい。
【0084】
その他、迂回路構成ユニットや上りおよび下りの各光路長差検出器、上り下り信号パワー減衰器の構成や光路長差の調整手順と調整内容等についても、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施可能である。
【0085】
要するにこの発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【符号の説明】
【0086】
10…迂回路構成ユニット、11…上部WDMカプラ、12,212,302……下り信号光/電気変換器(O/E)、13,311…下り信号電気/光変換器(E/O)、14…下り信号光可変減衰器、15…下部WDMカプラ、16,213,303…上り信号光/電気変換器(O/E)、17…上り信号電気/光変換器(E/O)、18…上り信号光可変減衰器、19…下り信号可変遅延器、20…上り信号可変遅延器、21…上り信号光路長差検出器、22…下部検出信号受信器、23…制御器、30…下り信号光路長差検出器、31…下部検出信号送信器、33…下部検出信号伝送用光ファイバ、40…上り下り信号パワー減衰器、41,45…WDMカプラ、42,46…光分岐カプラ、43,47…光強度測定器、44…下り信号光可変減衰器、48…上り信号光可変減衰器、49…減衰制御器、100…局側伝送装置、101…加入者側伝送装置、102…現用光ファイバ、103…上部迂回用光ファイバ、104…下部迂回用光ファイバ、201…下部光分岐カプラ、202…上部光分岐カプラ、211…上り光WDMカプラ、214,304…信号遅延差計測器、301…下り光WDMカプラ、2000…上り信号光、2001…迂回路上り試験信号光、2002…本線上り試験信号光、2003…迂回路上り信号光、3000…下り信号光、3001…迂回路下り試験信号光、3002…本線下り試験信号光、3003…迂回路下り信号光、4000…下部検出信号光。
図1
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