(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明は、用紙に折り処理を行うのに際して、折り処理中に用紙が送られ続けても用紙の搬送を妨げることがないようにし、また、一定間隔で連続して送られてくる用紙に対し、折り処理中に次紙が折り処理中、若しくは折り処理後の用紙に追いついても、用紙の搬送が妨げられることがないようにして生産性を落とさないで折り処理を可能としたことを特徴とする。
【0015】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の説明において、同等な各部には同一の参照符号を付し、重複する説明は、適宜省略する。
【0016】
図1は、本発明の実施形態に係る画像形成装置及び画像形成システムの概略構成を示す図である。
図1(a)において、画像形成装置PRは、画像形成部1、給紙部2、定着部3、排紙部4及び画像読み取り部5から基本的に構成されている。
【0017】
画像形成部1は画像形成装置PRの本体に内部に設けられ、用紙に対して単色あるいはカラーの画像を形成する画像形成エンジンを備えている。給紙部2は、画像形成部1の下部に位置し、各段に用紙が積載されて収納された給紙段を備え、各給紙段から用紙をピックアップして画像形成部1側の画像転写部に用紙を給紙する。用紙は画像形成部1で画像が転写された後、定着部3で加熱及び加圧され、画像が定着される。定着部3で画像が定着された用紙は排紙部4に排紙され、積層される。
【0018】
画像読み取り部5は、原稿載置トレイ、原稿搬送装置、原稿排紙トレイ及び光学読み取り装置を備え、原稿載置トレイに載置された原稿を原稿搬送装置により搬送し、原稿排紙トレイに排紙する間に、光学読み取り装置によって光学的に読み取る。そして、読み取り信号を画像形成のための画像信号に変換して画像形成部1側に送る。画像形成部1側では、送信されてきた画像信号を画像処理回路で処理し、画像形成エンジンの出力として画像を形成し、用紙に転写して定着部3側に送り出す。
【0019】
画像形成エンジンは例えば電子写真方式の画像形成装置が使用される。画像形成エンジンによる用紙に対する画像形成動作は、単色であれ、フルカラーであれ公知であり、一般に実施されている技術なので、ここでは説明は省略する。なお、電子写真方式の他に、液滴吐出方式、活版印刷方式など公知の画像形成方式により用紙に画像形成する機能を備えたものであれば、画像形成エンジンの方式は限定しない。
【0020】
図1(b)において画像形成システム100は、
図1(a)に示した画像形成装置PRと用紙(後)処理装置としての用紙折り装置6とから構成されている。
図1(a)から分るように排紙部4は画像形成装置PRの本体内に設けられている。排紙部4は画像形成装置PRの本体内に設けられているので、胴内排紙部とも称されている。本実施形態では、用紙折り装置(以下、単に折り装置と称する。)6は、
図1(b)に示すようにこの胴内排紙部4に装着されている。
【0021】
図2は折り装置6の概略構成を示す図である。折り装置6には、第1搬送路W1と第2搬送路W2が設けられている。第1搬送路W1は、画像形成装置PRの搬送部材Rから用紙を受け入れて、排紙トレイTまで搬送するために水平方向に延びる搬送路であり、第2搬送路W2は第1搬送路W1の後述の第3搬送部材R3から下方に分岐し、第5搬送部材R5の搬送方向上流側で合流する迂回搬送路である。なお、以下の説明では、搬送方向を省略して単に上流側あるいは下流側と称する。また、搬送方向とは搬送部材R側から第5搬送部材R5方向に搬送する方向を、逆方向とは第5搬送部材R5から第3搬送部材R3方向に搬送する方向をいう。
【0022】
第1搬送路W1には、上流側から第1搬送部材R1、第2搬送部材R2、第3搬送部材R3及び第5搬送部材R5がこの順で設けられている。また、用紙に対して折り処理を行うための第4搬送部材R4が第3搬送部材R3の駆動側の搬送部材(搬送ローラ)に接して設けられている。第2搬送路W2は、第1搬送路W1から第4搬送部材R4と第3搬送部材R3のニップの下流側に延出している。
【0023】
第1ないし第3搬送部材R1,R2,R3及び第5搬送部材R5は、それぞれ搬送ローラ対によって構成され、第4搬送部材R4は搬送ローラによって構成されている。第1ないし第3搬送部材R1,R2,R3及び第5搬送部材R5の駆動側の搬送ローラは、それぞれタイミングベルトを介して第1、第2、第3及び第4の駆動モータM1,M2,M3,M4によって回転駆動される。第1、第2、第3及び第4の駆動モータM1,M2,M3,M4は、例えばパルスモータによって構成され、パルス制御が可能である。なお、本実施形態では、第1ないし第3搬送部材R1,R2,R3及び第5搬送部材R5の駆動側の搬送ローラは、第1搬送路W1の下側に位置する搬送ローラである。
【0024】
また、第1搬送路W1の上流側から下流側に第1、第2及び第3用紙検知センサSN1,SN2,SN3が設けられている。第1用紙検知センサSN1は入口センサであり、折り装置6の入口の下流側直後に配置されている。第2用紙検知センサSN2は第3搬送部材R3の下流側直後に、また、第3用紙検知センサSN3は第5搬送部材R5の上流側直前であって、第2搬送路W2の第1搬送路W1への合流部の直後に配置された所謂排紙センサである。各用紙検知センサSN1,SN2,SN3は、例えば、それぞれ用紙端部を光学的に検知する光センサによって構成される。
【0025】
また、第1ないし第5搬送部材R1〜R5では、従動側の搬送ローラを駆動側の搬送ローラに対して加圧し、各搬送部材のニップで用紙に搬送力を付与する第1、第2、第3、第4及び第5弾性部材S1,S2,S3,S4,S5が設けられている。
【0026】
第1搬送部材R1及び第2搬送部材R2は、上流の画像形成装置PRの搬送部材Rから送られてくる用紙を下流側に搬送し、第3搬送部材R3は折り位置を調整する機能を有する。第4搬送部材R4は折り処理を行う搬送部材であり、第5搬送部材R5は折り処理の有無を問わず、用紙を排出トレイT上へ搬送する。
【0027】
図3は、本実施形態における画像形成システムの制御構成を示すブロック図である。
【0028】
図3において、折り装置6はCPU6a、I/Oインターフェイス6b等を有するマイクロコンピュータを搭載した制御回路を備えている。CPU6aには、画像形成装置PRのCPUあるいは操作パネルPR1の各スイッチ等、及び図示しない各用紙検知センサからの信号が通信インターフェイス6cを介して入力される。
【0029】
CPU6aは、画像形成装置PR側から入力された信号に基づいて所定の制御を実行する。さらに、CPU6aは、ドライバ、モータドライバを介してソレノイド及びモータを駆動制御し、インターフェイスから装置内の用紙検知センサ情報を取得する。また、例えば制御対象に対してI/0インターフェイス6bを介してモータドライバによりモータの駆動制御を行い、用紙検知センサSN1,SN2,SN3等から用紙検知センサ情報を取得する。
【0030】
なお、前記制御は図示しないROMに格納されたプログラムコードをCPU6aが読み込んで図示しないRAMに展開し、当該RAMをワークエリア及びデータバッファとして使用しながら前記プログラムコードで定義されたプログラムに基づいて実行される。
【0031】
本実施例では、
図3に示した折り機構によって2つ折り、Z折り、内3つ折り、外3つ折りを行うことができる。これらの各折り動作及び後述のローラ等の回転駆動制御は
図3に示したCPU6aによって指示され、実行される。
【0032】
以下、折り装置6において実行される折り処理の動作について説明する。
【0033】
図4ないし
図7は本実施形態における折り装置6の基本的な動作を示す動作説明図であり、
図8はそのときの処理手順を示すフローチャートである。
【0034】
上流の画像形成装置PRから搬送部材Rによって送られてきた用紙Pの先端P1を第1用紙検知センサSN1で検知すると(ステップ101:YES)、第1ないし第4駆動モータM1,M2,M3,M4(第1ないし第5搬送部材R1,R2,R3,R4,R5)が回転を開始する(ステップ102)。用紙Pが第1搬送部材R1に達すると、第1搬送部材R1によって搬送力が付与され、第2搬送部材R2及び第3搬送部材R3側へと搬送される(
図4参照)。なお、図ではステップを符号“S”で示す。
【0035】
用紙先端P1を第2用紙検知センサSN2によって検知すると(ステップ103:YES)、CPU6aは図示しないカウンタによって用紙先端P1の搬送量(パルスモータの駆動パルス数)のカウントを開始する(ステップ104)。そして、所定のカウント値に達したら、すなわち用紙Pの先端P1を第2検知手段SN2で検知してから折り目を付けたい長さだけ用紙Pが搬送されたら(ステップ105:YES)、第1ないし第5搬送部材R1、R2、R3、R4、R5を停止させる(ステップ106)。その後、第3駆動モータM3及び第4駆動モータM4(第3搬送部材R3及び第5搬送部材R5)を逆転させて(ステップ107)、第3搬送部材R3と第4搬送部材R4から成る折り処理部に向かって用紙Pを撓ませていく(
図5参照)。
【0036】
用紙Pの撓みは第3搬送部材R3と第4搬送部材R4とによって挟まれて折り目となり、その後、折り目を付けた用紙を第1ないし第5搬送部材R1、R2,R3,R4、R5によって下流側へ搬送していく(
図6参照)。
【0037】
折り目を付けられた用紙Pは、再度第5搬送部材R5によって排紙トレイT上へ排出する必要があるので、折り処理中の用紙Pの先端P1が第3検知手段SN3によって検知されたら(ステップ108:YES)、第4駆動モータM4を止めて第5搬送部材R5の逆方向回転を停止させ、さらに第4駆動モータM4を駆動して第5搬送部材R5を下流への搬送方向回転に切り換える(ステップ109)。
【0038】
次いで、用紙先端P1となった折り部Pfが第3及び第4搬送部材R3,R4のニップを通過したら(ステップ110:YES)、第1及び第2駆動モータM1、M2を駆動して第1及び第2搬送部材R1,R2による用紙搬送を開始する(ステップ111)。そして、第3用紙検知センサSN3が折り処理後の用紙後端P2を検知するまで搬送を継続し、用紙後端P2を検知した時点から(ステップ112:YES)所定量搬送して排紙トレイT上へ折り処理された用紙Pを排出する。その後、第1ないし第4駆動モータM1〜M4(第1ないし第5搬送部材R1〜R5による用紙搬送)を停止させる(
図7参照)。
【0039】
図2に示した本実施形態の基本構成では、折り装置6は画像形成装置PRの下流側に位置し、搬送部材Rから送られてくる用紙Pをそのまま受け取り、下流側に搬送するようになっている。折り装置6内で折り処理を行う際には、第3及び第5搬送部材R3,R5を逆転させることからある一定の処理時間が必要となる。しかし、画像形成装置PRは一定速度で画像を形成し、一定速度で用紙Pを搬送し続けるため、折り装置6で折り処理されるために用紙Pが停止し、若しくは逆方向に搬送されている最中にも搬送部材R及び第1搬送部材R1によって用紙Pは折り処理部側に送り込まれてくる。このように用紙Pが折り処理過程にあるときに用紙後端P2側がさらに搬送されると、第1搬送路W1内で用紙ジャム(用紙詰まり)が発生する。
【0040】
また、先行紙P−1が折り処理されているときに、後行の用紙(次紙)P−2が送り込まれると、次紙P−2は折り処理されている先行紙P−1に第1搬送路W1内で衝突し、あるいは停止した搬送部材に衝突し、用紙ジャムが生じる。用紙ジャムが生じると、画像形成システム100は停止し、画像形成装置PR及び折り装置6内の搬送路内に位置した用紙Pを全て取り出す必要がある。そして、再度、先行紙P−1に対する画像形成からやり直さなければならない。このように用紙ジャムが生じると、ユーザの手間だけではなく、著しく生産効率を低下させることになる。
【実施例1】
【0041】
そこで、本実施例1では、折り処理中に用紙Pが継続して搬送される場合でも用紙の搬送を妨げることのないようにした。そのため、本実施例では、
図9に示すように第1及び第2搬送部材R1,R2の間で第1搬送路W1を形成するガイド部材を第1弾性材F1で構成した。このように構成すると、
図10に示すように用紙Pを受け入れてから折り処理のために第2ないし第5搬送部材R2,R3,R4,R5が停止しても、画像形成装置PRの搬送部材Rによって搬送され続ける用紙Pを第1搬送部材R1で受け取り、停止している第2搬送部材R2に向かって搬送して用紙Pを撓ませ、用紙ジャムが発生しないようにすることができる。その他の各部は
図2に示した折り装置6の基本構成と同様である。
【0042】
なお、
図9は実施例1に係る折り装置6の概略構成を示す図、
図10ないし
図12は実施例1における折り装置6の基本的な動作を示す動作説明図、
図13はそのときの処理手順を示すフローチャート、
図14は
図13のサブルーチンの処理手順を示すフローチャートである。
【0043】
以下、折り装置6において実行される実施例1における折り処理の動作について
図10ないし
図14を参照して説明する。
【0044】
図13において、ステップ201からステップ205までは、
図8に示した基本となる折り装置6の処理手順と同じ手順で処理され、同じ動作を行う(
図10参照)。ステップ205で折り位置まで搬送を終了すると(ステップ205:YES)、第2、第3及び第4駆動モータM2,M3,M4を止め、第2ないし第5搬送部材R2,R3,R4,R5を停止させる(ステップ206)。ただし、第1搬送部材R1は停止していないので、用紙Pは第2搬送部材R2のニップに挟まれ、その状態で用紙後端P2側は第1搬送部材R1によって搬送された状態を維持する。
【0045】
用紙後端P2が画像形成装置PRの搬送部材Rにニップを抜けて第1用紙検知手段SN1に検知されたら(ステップ207−ステップ11)、第1駆動モータM1を止め、第1搬送部材R1による用紙Pの搬送を停止する(ステップ207−ステップ12:
図11参照)。この状態で、用紙Pは第1搬送部材R1と第2搬送部材R2との間で撓み、この撓みPdをガイド部材の第1弾性材F1が弾性変形して吸収し若しくは撓みを許容する。なお、ステップ207は第1用紙検知センサSN1の用紙後端P2の検知結果に基づく用紙後端チェックルーチンであり、
図14(a)におけるステップ11及びステップ12のルーチンである。なお、本実施例では、撓みPdを吸収し、あるいは許容するために弾性材F1によりガイド部材を構成しているが、例えば空間部を形成して撓みをその空間部から外部に出すようにしてもよい。
【0046】
次いで、ステップ107と同様に第3及び第4駆動モータM3,M4を逆転させ、第3ないし第5駆動部材R3,R4,R5の逆方向への回転を開始させる(ステップ208−
図12参照)。そして、再度第1用紙検知センサSN1の用紙後端P2の検知結果に基づく用紙後端チェック(ステップ209)と第3用紙検知センサSN3の用紙先端P1の検知結果に基づく用紙先端チェック(ステップ210)を実行し、折り部Pfが第3及び第4搬送部材R3,R4のニップを通過したかどうかをチェックする(ステップ211)。
【0047】
なお、第3用紙検知センサSN3の用紙先端P1の検知結果に基づく用紙先端チェックルーチンでは、
図14(b)に示したような処理を実行する。すなわち、第3用紙検知センサSN3が用紙先端P1を検知すると(ステップ21)、言い換えれば用紙Pが逆方向に搬送され、用紙先端P1が第5搬送部材R5のニップを抜けた後、第4駆動モータM4を停止させ、さらに搬送方向に回転を開始する。これにより第5搬送部材R5は用紙Pが抜けた後、次の搬送に備えるべく用紙搬送方向に回転することになる。
【0048】
折り部Pfが第3及び第4搬送部材R3,R4のニップを抜けると(ステップ211:YES)、
図8のステップ111からステップ113と同様のステップ212からステップ214の処理を実行し、
図6及び
図7に示したように下流側に用紙Pを搬送する。
【0049】
このように処理すれば、第1搬送部材R1によって用紙Pを搬送したとしても、下流側に送り込むことが可能となり、画像形成装置PR側からの用紙Pの搬送を妨げることなく折り処理を行うことができる。
【実施例2】
【0050】
処理する用紙Pの長さが長い場合や、画像形成装置PRの搬送速度が速い機種に折り装置6が装着される場合がある。このような場合、折り処理中に用紙Pが停止している最中に搬送され続けることによってできる用紙Pの撓みPdが
図11に示した撓みPdよりも大きくなってしまい、弾性材F1のみでは吸収できなくなってしまう場合がある。本実施例は、このような場合に対応した例である。
【0051】
図15は実施例2に係る折り装置6の概略構成を示す図である。本実施例では、
図15に示すように折り処理中に停止する第2搬送部材R2と、上流側の第1搬送部材R1との間のガイド部材、搬送部材R1と画像形成装置の搬送部材Rとの間のガイド部材のそれぞれのガイド部材を第1弾性材F1と第2弾性材F2で構成し、折り処理中に停止している第2搬送部材R2よりも上流側の第1搬送部材R1の搬送速度を、画像形成装置PRの搬送部材Rの搬送速度よりも遅くした。その他の各部は
図2に示した折り装置6の基本構成と同様である。
【0052】
図16及び
図17は実施例2における折り装置6の動作説明図である。
図15に示すように構成することにより、
図16のようにして搬送されてきた用紙Pに対し、
図17に示すように用紙Pの撓みPdを第1搬送部材R1と第2搬送部材R2との間、及び搬送部材Rと第1搬送部材R1との間で分散させ、第1の撓みPd1及び第2の撓みPd2して形成することができる。また、撓みPdを分散(Pd1,Pd2)して作ることができるため、第2搬送部材R2の停止時間を長く取ることができる。その結果、折り処理にかかる時間も多く取ることが可能となる。逆の見方をすれば、用紙の撓みを分散させることができ、搬送差を吸収することができるので、画像形成装置PRの搬送速度がより速い機種へも対応可能となる。
【0053】
なお、
図17では折り処理の停止中に用紙後端P2が搬送部材Rのニップを抜けたら、用紙後端P2と搬送部材Rとが接触した状態で搬送部材Rは搬送(回転)し続けるように構成されているが、搬送部材Rの汚れが用紙後端P2に付着するなどの不具合をなくすためにも、折り処理の停止中には用紙後端P2が搬送部材Rのニップを抜けないような搬送速度である画像形成装置PRへの装着が望ましい。
【0054】
以下、折り装置6において実行される実施例2における折り処理の動作について
図16ないし
図18A及び
図18Bを参照して説明する。
【0055】
図18Aにおいて、ステップ301からステップ305までは、
図8に示した基本となる折り装置6のステップ101からステップ105までと同じ手順で処理され、同じ動作を行う(
図16参照)。ステップ305で折り位置まで搬送を終了すると(ステップ305:YES)、画像形成装置PR側から送られてくる用紙サイズ情報を判定する(ステップ306)。この判定は、第1弾性材F1でのみ撓み吸収可能か否か、第1及び第2弾性材F1,F2の両方で撓みの吸収が必要か否か、という基準で行われる。
【0056】
第1弾性材F1でのみ撓み吸収可能、あるいは第1及び第2弾性材F1,F2の両方で撓みの吸収が必要であるか否かは、
用紙長さ<折り位置までの搬送料+第1弾性材F1での最大撓み量 …(1)
が成り立つか否かによって判断する。
【0057】
ステップ306では、(1)式が成り立てば、第1弾性材F1でのみ撓み吸収可能と判断し、ステップ307以降の処理を実行し、(1)式が成り立たなければ、第1及び第2弾性材F1,F2の両方で撓みの吸収が必要であると判断してステップ316以降の処理を実行する。
【0058】
すなわち、(1)式が成り立つ場合には、ステップ307からステップ315の処理を実行する。ステップ307からステップ315の処理は、実施例1におけるステップ207からステップ214の処理と同様であるので、説明は省略する。
【0059】
また、(1)式が不成立であれば、第2ないし第4駆動モータM2,M3,M4を止め、第2ないし第5駆動部材R2,R3,R4,R5の回転を停止させる。同時に、第1駆動モータM1の回転速度を減速し、第1搬送部材R1の搬送速度を遅くする。第1搬送部材R1の搬送速度VR1は、第2搬送部材R2の搬送速度をVR2、搬送部材Rの搬送速度をVRとしたときに、
VR2<VR1<VR …(2)
の関係が成り立つように設定する。
【0060】
図2に示した基本構成では、搬送部材R、第1搬送部材R1、第2搬送部材R2の搬送速度は同一であり、画像形成装置PRからの搬送速度を維持して折り装置6内に搬入される。これに対し、本実施例では、前記(2)の搬送速度関係に設定する。この設定は、折り装置6内のCPU6aによって行われる。
【0061】
ステップ316で第2ないし第4駆動モータM2,M3,M4(第2ないし第5搬送部材R2,R3,R4,R5)を停止させ、速度関係を(2)式のように設定した後、第3及び第4駆動モータM3,M4(第3、第4及び第5搬送部材R3,R4,R5)の逆転を開始し、用紙Pを用紙Pの搬入方向とは逆の方向に搬送する(ステップ317)。次いで、ステップ319からステップ322の処理を実行する。ステップ318からステップ322の処理は、実施例1におけるステップ210からステップ214の処理と同様であるので、説明は省略する。
【実施例3】
【0062】
実施例1及び2は、折り処理中に搬送され続ける用紙Pに対応した例であるが、実施例3は画像形成装置PRから連続して送られてくる用紙Pが折り処理中に先行紙に追いついてしまう場合に対応した例である。
【0063】
図19は実施例3に係る折り装置6の概略構成を示す図である。本実施例では、
図2に示した基本構成に対して第1搬送路W1にスイッチバック経路W3と分岐爪B1を設けたものである。スイッチバック経路W3は、折り処理中に停止する第2搬送部材R2とその上流の第1搬送部材R1との間の第1搬送路W1から分岐させ、その分岐点に分岐爪B1を設けている。分岐爪B1はモータあるいはソレノイドなどの駆動源によって駆動制御してもよいが、本実施例では、分岐爪B1はバネなどの弾性材により常時弾性力を付与し、常に用紙Pをスイッチバック経路W3へ導くような位置構成になっている。また分岐爪B1そのものを弾性材で構成し、常に用紙Pをスイッチバック経路W3へ導くような構成とすることもできる。その他の各部は
図2の基本構成と同様である。
【0064】
図20ないし
図26は実施例3における折り装置6の動作を示す動作説明図である。
【0065】
実施例3では、画像形成装置PRから送られてきた用紙Pを第1ないし第5搬送部材R1,R2,R3,R4,R5で下流へ用紙後端P2が分岐部に設けられた分岐爪B1を越える位置まで搬送する(
図20及び
図21参照)。用紙後端PRが分岐爪B1を超えると、分岐爪B1は弾性材の作用により用紙後端P2をスイッチバック経路へ導くような位置に位置する(
図20から
図21の状態)。そして第2ないし第5搬送部材R2,R3,R4,R5を搬送方向と逆方向に回転させることにより用紙後端P2はスイッチバック経路W3へと導かれる(
図22参照)。
【0066】
このとき、折り目を付けたい位置まで用紙を戻して第2搬送部材R2を停止させれば、用紙Pは第3及び第4搬送部材R3,R4のニップへと撓んでいき、折り目付け処理が行われることとなる(
図23参照)。そして、折り目が付いた後は、第3ないし第5搬送部材R3,R4,R5によって下流へと搬送されていく。このとき、次紙P−2が折り処理後の先行紙P−1に追いついてきても(
図23参照)、スイッチバック経路W3に退避していた先行紙P−1の後端P−1bと、次紙P−2の先端P−2aとが重なった状態で下流へ搬送されていくことができる。このため、折り処理後の先行紙P−1や次紙P−2の搬送を互いに邪魔しあうことがない(
図24参照)。
【0067】
そして、折り処理された先行紙P−1の後端P−1bが第2搬送部材R2のニップを超えた位置から第3ないし第5搬送部材R3,R4,R5を、次紙P−2の搬送速度よりも速い速度に増速して下流へ搬送する(
図25参照)。さらに、先行紙P−1の後端P−1bが第3及び第4搬送部材R3,R4のニップを超えたら、第3及び第4搬送部材R3,R4を逆転させて搬送方向へ回転させ、かつ、搬送速度を次紙P−2の搬送速度とあわせれば、先行紙P−1を第5搬送部材R5によって排紙しながら次紙P−2を受け入れることができる(
図26参照)。
【0068】
また、これらの動作において、先行紙P−1の後端P−1bが画像形成装置PRの搬送部材Rのニップを超えてから、スイッチバック経路W3に退避するまで(
図20、
図21、
図22参照)の動作の第1ないし第5搬送部材R1,R2,R3,R4,R5の搬送速度を、画像形成装置PRの搬送部材Rの搬送速度よりも増速すると、一時的に次紙P−2との紙間時間を広げることができる。これにより、先行紙P−1の折り処理中に次紙P−2が追いつくまでの時間を稼ぐことができる。
【0069】
図27A、
図27B及び
図27Cは実施例3における処理手順を示すフローチャートである。
【0070】
図27Aにおいて、ステップ401からステップ404までは、
図8に示した基本となる折り装置6のステップ101からステップ104までと同じ手順で処理され、第1用紙検知センサSN1で用紙後端P2を検出するまで搬送する(ステップ405:
図20参照)。そして、第1用紙検知センサSN1で先行紙P−1の後端P−1bを検知した後、用紙搬送量を設定するため、ステップ104と同様にして先行紙P−1の搬送量を設定する。搬送量は、用紙後端P−1bを検知してからの駆動モータの駆動パルスのカウント量により設定されるので、ステップ405で用紙後端を検知した時点でカウントを開始する(ステップ406)。
【0071】
次いで、第1ないし第4駆動モータM1〜M4の全て(第1ないし第5搬送部材R1〜R5)の増速を開始して(ステップ407)、先行紙P−1の後端P−1bが分岐爪B1を越える位置まで搬送する(ステップ408:YES−
図21)。そして、分岐爪B1を越えた位置で第1ないし第4駆動モータM1〜M4(第1ないし第5搬送部材R1〜R5)の駆動を停止する(ステップ409)。
【0072】
この位置から第2ないし第4駆動モータM2〜M4(第2ないし第5搬送部材R2〜R5)を逆転させる(ステップ410)。これにより先行紙P−1の後端P−1bはスイッチバック経路W3へと導かれる(
図22参照)。そして、折り目を付けたい位置まで先行紙P−1が到達すれば(ステップ411:YES)、第2駆動モータM2(第2搬送部材R2)を停止させる(ステップ412)。これに応じて、先行紙P−1は第3及び第4搬送部材R3,R4のニップへと撓んでいき、折り目付け処理が行われる(
図23参照)。
【0073】
次いで、第1用紙検知センサSN1が次紙P−2の先端P−2aを検知するまで、第1用紙検知センサSN1による用紙検知動作を繰り返し(ステップ413−ステップ31:NO)、第1用紙検知センサSN1が次紙P−2の先端P−2aを検知した時点で(ステップ413−ステップ31:YES)、第1駆動モータM1を駆動して第1搬送部材R1による次紙P−2の搬送を開始する(ステップ413−ステップ32)。ステップ413の処理内容は
図14(c)に示すSN1用紙先端チェック処理である。
【0074】
そして、ステップ410で逆方向搬送となった先行紙P−1の先端P−1aを第3用紙検知センサSN3が検知するまで第3用紙検知センサSN3による用紙検知動作を繰り返し(ステップ414−ステップ21:NO)、検知した時点で(ステップ414−ステップ21:YES)、第4駆動モータM4(第5搬送部材R5)を停止させ、排紙方向の搬送方向回転を開始させる(ステップ414−ステップ22)。ステップ413の処理内容は前述の
図14(b)に示した処理である。
【0075】
これらステップ413及びステップ414の処理を先行紙P−1の折り部Pfが第3及び第4搬送部材R3,R4のニップを通過するまで繰り返し(ステップ415:NO)、次紙P−2の第1搬送部材R1による搬送が開始され、先行紙P−1の先端P−1aが第5搬送部材R5のニップから抜けて第5搬送部材R5が搬送方向に回転を開始し、さらに先行紙P−1の折り部Pfが第3及び第4搬送部材R3,R4のニップを抜けた後、ステップ416に移行する。
【0076】
そして、ステップ416においてステップ412で停止していた第2駆動モータM2の駆動を開始させ、第2搬送部材R2による用紙搬送を開始する。このとき、前述のように先行紙P−1の搬送部材R3,R4を搬送方向へ回転させ、かつ搬送速度を次紙P−2の搬送速度と合わせれば、次紙P−2を受け入れることができる(
図24参照)。
【0077】
あるいは、第2ないし第4駆動モータM2,M3,M4(第2〜第5搬送部材R2,R3,R4,R5)の駆動を開始させるとともに次紙P−2の搬送速度よりも早い速度に増速して第2搬送路W2に沿って先行紙P−1の下流側への搬送を開始すれば、前述のように一時的に次紙P−2との紙間時間を広げることができる。
【0078】
ステップ416の処理後、さらに、ステップ417及びステップ418で前記ステップ413及びステップ414と同一の処理を実行し、さらに、ステップ419で
図14(d)に示すステップ41及びS42のSN2用紙後端チェックを実行する。
【0079】
ステップ419のSN2用紙後端チェックルーチンは、第2用紙検知センサSN2の検出出力に基づいて実行され、第2及び第3駆動モータM2,M3(第2ないし第4搬送部材R2、R3,R4)の搬送方向とは逆方向の駆動を搬送方向の駆動に切り換えるルーチンである。すなわち、先行紙P−1が画像形成装置PRからの搬送方向とは逆の方向に搬送され、先行紙P−1への折り処理が行われているとき、搬入時に先行紙P−1の先端P−1aであった用紙後端が第2用紙検知センサSN2で検知されると、そのタイミングから所定量送れば、第3及び第4搬送部材R3,R4のニップから先行紙Pが抜けることが分る。
【0080】
そこで、第2用紙検知センサSN2の用紙後端(ここでは先端P−1a)検知を繰り返し(ステップ419−ステップ41:NO)、検知したタイミング(ステップ419−ステップ41:YES)を基準に所定量搬送し、用紙が第3及び第4搬送部材R3,R4のニップから抜けた後、次紙P−2を第1搬送路W1に沿って排紙トレイT側に搬送するために第2及び第3駆動モータM2,M3を搬送方向に駆動する(ステップ419−ステップ42)。これにより、第2及び第3搬送部材R2,R3は次紙P−2を第1搬送路W1に沿って排紙トレイT側に搬送する方向に回転する(
図26参照)。
【0081】
ステップ419のチェックが終了すると、第5搬送部材R5が搬送方向(排紙方向)に回転しているかどうかを確認し(ステップ420)、回転していなければ、ステップ418に戻って以降の処理を繰り返す。搬送方向に回転していれば、さらに、第3用紙検知センサSN3が先行紙P−1の後端P−1bを検知するまで待ち(ステップ421)、後端P−1bを検知すると、次紙P−2があるかどうかを確認する(ステップ422)。次紙P−2があれば、ステップ437においてステップ416で増速して搬送している場合、第1ないし第4駆動モータM1〜M4(第1ないし第5搬送部材R1〜R5)の搬送速度を元の速度に戻す。そして、ステップ403以降の処理を繰り返す。
【0082】
次紙P−2がなければ、第1ないし第4駆動モータM1〜M4(第1ないし第5搬送部材R1〜R5)によって先行紙P−1を所定量搬送した後、停止する(ステップ423)。
【実施例4】
【0083】
さらに、画像形成装置PRから連続して送られてくる用紙Pの紙間時間が短く実施例3に示した構成では対応できない場合には、第2搬送部材R2を離間させ、第2搬送部材R2において用紙ジャムが発生しないようにすることができる。実施例4はこの例である。
【0084】
図28及び
図29は実施例4に係る折り装置6の概略構成を示す図である。実施例4は
図19に示した実施例3に対して第2搬送部材R2の従動側の搬送ローラを駆動側の搬送ローラから離間機構によって離間させることができるようにした例である。
【0085】
図28において、第2搬送部材R2の従動側の搬送ローラR2aの回転軸がリンクL1の一端に結合され、リンクL1の他端はカムK1の偏心した位置に結合されている。カムK1は第5駆動モータM5によって回転駆動され、カムK1はリンク部材L1によって従動側の搬送ローラR2aを駆動側の搬送ローラR2bに対して図において上下方向に動かすことができる。これにより、
図29に示すように従動側の搬送ローラR2aは駆動側の搬送ローラR2bから離間し、第2搬送部材R2のニップが解除できる。
【0086】
図30は先行紙P−1の折り処理中に次紙P−2が追いついて重複部が生じたときの状態を示す動作説明図である。
図30と
図24における先行紙P−1と次紙P−2との状態を比較すると、
図30の方が先行紙P−1の後端P−1bと次紙P−2の先端P−2aとのオーバーラップ量が多い。しかし、先行紙P−1の折り目付け処理が終わり、第3及び第4搬送部材R3,R4によって下流へ搬送できる状態になったときに第2搬送部材R2のニップを離間してしまえば、先行紙P−1をより早いタイミングで下流に増速させて搬送させていくことができる。そのため、
図25に示すように折り処理中に追いついてしまった次紙P−2との紙間時間を広げることができ、次紙P−2を折り処理のために第3搬送部材R3へ受け入れる時間に余裕が生まれることとなる。
【0087】
また、先行紙P−1の後端P−1bが分岐爪B1に到達した後、スイッチバックしてスイッチバック経路W3に搬送する搬送量は、用紙先端P−1aから折り目を付ける距離に比例するため、用紙長さ(搬送方向の長さ)が長い方がスイッチバックに要する時間がかかり、次紙P−2との紙間時間が詰まってくる。一方、用紙長さが短いとスイッチバック時間が少なくなるため次紙P−2との紙間時間の詰まり方が小さい。
【0088】
このことから用紙長さが長く、次紙P−2との紙間が詰まってしまい折り処理された先行紙P−1をより早く下流へ搬送させる必要があるときは、第2搬送部材R2の離間を実施する。これに対し、用紙長さが短く、次紙P−2との紙間時間に余裕があり、折り処理された先行紙P−1の後端P−1bが第2搬送部材R2のニップを通過してから下流へ増速しても、次紙P−2との紙間時間に余裕があるときは、第2搬送部材R2の離間を実施しないようにすれば、消費電力を少なくでき、動作音低減、駆動部品の耐久性を向上させることができる。
【0089】
図30及び
図31は、実施例4における折り装置6の動作説明図である。以下、実施例4における折り処理の動作について
図27A、
図27B及び
図27Cを参照して説明する。
【0090】
実施例4では
図27Aのステップ401から
図27Bのステップ415までは実施例3と同様に処理され、同様に動作する。そして、ステップ415の判定処理の後、第2搬送部材R2が離間する場合には、
図27Cのステップ424の処理に移行する。
【0091】
ステップ424では、第5駆動モータM5を駆動して離間機構を動作させ、第2搬送部材R2を前述のようにして離間させる(
図30参照)。そして、先行紙P−1を増速して搬送する場合には、第3駆動モータ(第3及び第4駆動部材R3,R4)を増速して先行紙P−1の第2搬送路W2に沿った搬送を開始する(ステップ425)。
【0092】
次いで、ステップ426からステップ429の処理を実行する。ステップ426からステップ429の処理は、実施例3におけるステップ417からステップ420n処理と同一であるので、ここでの説明は省略する。
【0093】
ステップ429で第5搬送部材R5が搬送方向に回転しており(ステップ429:YES)、第5搬送部材R5の搬送速度を増速する場合には、第4駆動モータM4を増速して先行紙P−1の搬送を開始する(ステップ430)。そして、第2用紙検知センサSN2で先行紙P−1の用紙後端(搬入時の用紙先端P−1a)を検知すると(ステップ431:YES)、第2及び第3駆動モータM2,M3(第2ないし第4搬送部材R2,R3,R4)を駆動し、所定量先行紙P−1を搬送し、先行紙P−1の後端が第3及び第4搬送部材R3,R4のニップを通過すると、第2及び第3駆動モータM2,M3を停止させ、搬送方向への回転を開始させる(ステップ432)。
【0094】
次いで、第2駆動モータM2(第2搬送部材R2)を搬送方向に回転させ、第5駆動モータM5を駆動して第2搬送部材R2の離間状態を解除して従動側の搬送ローラR2aを駆動側の搬送ローラR2bにニップさせる(ステップ433:
図31参照)。その後、実施例3のステップ321からステップ423と同様のステップ434からステップ436の処理を実行し、処理を終える。
【0095】
また、ステップ435で次紙P−2があると判断されたときには、ステップ438に移行し、増速している場合には増速していた第1ないし第4駆動モータM1,M2,M3,M4(第1ないし第5搬送部材R1,R2,R,3,R4,R5)の速度を元に戻し、ステップ403以降の処理を実行する。
【0096】
以上のように、本実施形態によれば、下記のような効果を奏する。
【0097】
(1)用紙Pを搬送する第2搬送部材R2(第1の搬送部材)と、前記第2搬送部材R2(第1の搬送部材)によって搬送される前記用紙Pを受け取り、後段に搬送する第3搬送部材R3(第2の搬送部材)と、前記第2搬送部材R2(第1の搬送部材)と前記第3搬送部材R3(第2の搬送部材)によって前記用紙Pを保持した状態で、前記第3搬送部材R3(第2の搬送部材)を逆方向に回転させて前記用紙Pを折る第4搬送部材R4(第3の搬送部材)と、前記第2搬送部材R2(第1の搬送部材)の用紙搬送方向上流側において折り処理と並行して用紙Pの搬送を許容する第1弾性材F1[及び第2弾性材F2]又はスイッチバック経路W3(用紙搬送許容手段)と、を備えたので、折り処理中も搬送され続ける用紙を受け入れ可能とし、また次紙が追いついてしまうような場合でも、用紙の搬送を妨げることなく折り処理でき、また次紙の受け入れが可能となる。
【0098】
また、第2搬送部材R2(第1の搬送部材)の用紙搬送方向上流側の搬送路に用紙搬送許容手段に設けるだけなので、小型化された折り機能を有する用紙処理装置に適用可能であり、小型のものでも生産性を維持することができる。
【0099】
(2)前記用紙搬送許容手段が搬送中の用紙Pの撓みPdを吸収する撓み吸収部であるので、撓みPdを吸収する部分を設けるという簡単な構成で前記(1)の効果を得ることができる。
【0100】
(3)前記用紙搬送許容手段が搬送中の用紙Pを退避させるスイッチバック経路W3(退避経路)であるので、従来から使用されるスイッチバック経路W3を応用した簡単な構成で前記(1)の効果を得ることができる。
【0101】
(4)前記撓み吸収部が搬送ガイド部材に設けられた第1弾性材F1(弾性変形部)からなるので、第1弾性材F1の弾性変形により用紙Pの撓みPdを吸収することができる。
【0102】
(5)前記弾性変形部が前記第1搬送部材R1(第4の搬送部材)と前記第2搬送部材R2(第1の搬送部材)との間、及び前記第1搬送部材R1(第4の搬送部材)の用紙搬送方向上流側に設けられた第1及び第2弾性材F1,F2からなるので、複数箇所で用紙Pの撓みPdを吸収することができる。これにより、大サイズの用紙Pに対しても確実に対応することが可能となる。
【0103】
(6)前記撓み吸収部が搬送ガイド部材に設けられた空間部であるので、単に空間部を設け、撓みPdを外部に逃がすようにして対処することができる。
【0104】
(7)前記第2搬送部材R2(第1の搬送部材)のニップを離間させる第5駆動モータM5、カムK1、リンクL1などの離間機構(離間手段)を備えたので、必要に応じて第2搬送部材R2(第1の搬送部材)のニップを開放し、次紙P−2の先端P−2aを第2搬送部材R2より先まで用紙ジャムを生じることなく送り込むことができる。
【0105】
(8)前記離間機構(離間手段)の離間動作の可否が用紙サイズに応じて設定されているので、用紙サイズが所定のサイズより大きい場合に離間させることにより前記(7)の効果を得ることができる。
【0106】
(9)前記(1)ないし(8)の用紙処理装置を備えているので、前記(1)ないし(8)の用紙処理装置の効果を有する画像形成システム100を小型に構築することができる。ここでいう画像形成システム100は用紙処理装置として折り装置6と画像形成装置PRとを含むものである。
【0107】
(10)用紙Pを搬送する第2搬送部材R2(第1の搬送部材)と、前記第2搬送部材R2(第1の搬送部材)によって搬送される前記用紙Pを受け取り、後段に搬送する第3搬送部材R3(第2の搬送部材)と、前記第2搬送部材R2(第1の搬送部材)と前記第3搬送部材R3(第2の搬送部材)によって前記用紙Pを保持した状態で、前記第3搬送部材R3(第2の搬送部材)を逆方向に回転させて前記用紙Pを折る第4搬送部材R4(第3の搬送部材)と、前記第2搬送部材R2(第1の搬送部材)の用紙搬送方向上流側において折り処理と並行して用紙の搬送を許容する第1弾性材F1(及び第2弾性材F2)又はスイッチバック経路W3(用紙搬送許容手段)と、を備えた折り装置6における用紙折り方法であって、先行紙P−1又は次紙P−2を、前記用紙搬送許容手段を使用して搬送しながら前記第3搬送部材R3(第2の搬送部材)によって搬送方向とは逆方向に搬送して折るので、前記(1)で述べた効果を得ることができる。
【0108】
なお、前記実施形態における効果の説明では、本実施形態の各部について、特許請求の範囲における各構成要素をかっこ書きで示し、若しくは参照符号を付し、両者の対応関係を明確にした。
【0109】
さらに、本発明は前述した実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であり、特許請求の範囲に記載された技術思想に含まれる技術的事項の全てが本発明の対象となる。前記実施例は、好適な例を示したものであるが、当業者ならば、本明細書に開示の内容から、各種の代替例、修正例、変形例あるいは改良例を実現することができ、これらは添付の特許請求の範囲に記載された技術的範囲に含まれる。