(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記所定の条件とは、前記ユーザ認証手段が認証したユーザが該当のデータにアクセスした回数又は頻度が所定値より少ないという条件であることを特徴とする、請求項5に記載の情報処理装置。
前記取得手段は、前記ネットワークストレージからデータを取得する場合に、前記ローカルストレージを検索し、すでに前記ローカルストレージに格納されているデータについては前記ネットワークストレージからの取得を行わないことを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、この発明を実施するための形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、この実施形態では、データが画像データであり、情報処理装置が画像形成装置である場合を例として説明する。
【0012】
図1は、本発明の情報処理装置の一実施形態である画像形成装置を含む情報処理システムの構成について説明する図である。
図1に示す情報処理システムは、画像形成装置10とネットワークストレージ20がネットワーク30を介して相互に通信可能に接続されている。
画像形成装置10は、プリンタ、ファクシミリ、複写装置、これらの複合機(MFP)等の画像形成処理(以下、印刷という。)に用いられる装置を指す。ここでは、プリント、スキャン、コピー、ファクシミリ通信、ネットワーク通信、文書蓄積等の機能を備えたデジタル複合機(MFP)であるとする。
【0013】
ネットワークストレージ20は、画像形成装置10が印刷する画像データを記憶しているネットワーク30に接続されたストレージ装置であり、NAS(Network Attached Storage)等のファイルサーバが利用可能である。
なお、ネットワークストレージ20の実体はコントローラとハードディスクから成るファイルサービス用コンピュータであり、OSもファイルサービス用にチューニングまたは独自開発されたものである。しかし、ハードウェア構成としては、一般的なパーソナルコンピュータと基本的には同じであるのでハードウェア構成についての説明は省略する。
【0014】
なお、ネットワークストレージ20は、ネットワーク30に接続され、画像形成装置10からアクセス可能な記憶装置であれば利用可能である。
ネットワーク30は、LAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)が利用可能である。また、LAN又はWANは有線/無線の別を問わない。ネットワーク30がインターネットであり、ネットワークストレージ20が、いわゆるクラウド環境に設けられたデータストレージサービス装置であってもよい。なお、ネットワークストレージとは、該ストレージを使用する装置とネットワークを介して接続されたストレージである。
【0015】
図2は、画像形成装置10のハードウェア構成を示すブロック図である。画像形成装置10はハードウェアとしては公知のMFPと同様な構成を適宜採用できる。
例えば、
図2に示すように、CPU101、ROM102、RAM103、通信I/F104、HDD105、エンジンI/F(インタフェース)106、UI(ユーザインタフェース)部I/F107をシステムバス108により接続した構成とすることができる。また、エンジンI/F106にはエンジン部109を、UI部I/F107にはUI部110をそれぞれ接続する。
【0016】
そして、CPU101がRAM103をワークエリアとしてROM102あるいはHDD105に記憶されたプログラムを実行することにより、画像形成装置10全体の動作を制御し、印刷を始めとする種々の機能を実現することができる。通信I/F104は、LAN等のネットワーク30を介して、ネットワークストレージ20と通信するためのインタフェースである。
【0017】
エンジン部109は、画像形成エンジン等の、外部に対して通信及び表示以外の物理的な出力(例えば、印刷等)を行う手段を示す。エンジンI/F106は、エンジン部109とCPU101とを接続してエンジン部109をCPU101から制御可能とするためのインタフェースである。
UI部I/F107は、UI部110とCPU101とを接続してUI部110をCPU101から制御可能とするためのインタフェースである。
【0018】
UI部110は、ユーザの操作を受け付けるための操作部や、ユーザに情報を提示するための表示部を含む操作受け付け手段である。外付けの操作部や表示部を用いてもよいことはもちろんである。
この実施形態では、HDD105が本発明のローカルストレージとして機能するが、これに限定はされず、例えば、画像形成装置10に外付けされたHDDをローカルストレージとして利用してもよい。なお、ローカルストレージとは、該ストレージを使用する装置に内蔵されるか直接接続されたストレージである。
【0019】
次に、画像形成装置10の機能構成について、
図3を用いて説明する。
図3は、本実施形態における画像形成装置10の機能構成を示すブロック図である。
画像形成装置10は、ユーザ認証部201、ローカルストレージ202、画像蓄積制御部203、利用履歴情報記録部204、予測部205及び送受信部206の各部を備える。
【0020】
このうち、ユーザ認証部201は、画像形成装置10において画像データを利用するユーザを識別し認証を行うユーザ認証手段としての機能を備える。
この機能は、上述のUI部110をCPU101が所定のプログラムによって制御することによって実現する。
この実施形態では、ユーザの識別情報(ID)を記憶したIDカードを用いてユーザ認証を行うが、これには限られず、パスワードを用いた認証や、カメラを用いた顔認識などの手段を用いてもよい。
【0021】
ローカルストレージ202は、画像データを保存する記憶装置としての機能を備える。
画像蓄積制御部203は、本発明のデータ蓄積制御手段として機能する。
画像蓄積制御部203は、ユーザからの画像蓄積操作に基づき、図示しない入力手段から受け取った画像データをネットワークストレージ20及びローカルストレージ202へ蓄積する機能を備える。また、画像蓄積制御部203は、ネットワークストレージ20からダウンロードした所定の画像データをローカルストレージ202に蓄積する機能も備える。
【0022】
利用履歴情報記録部204は、ローカルストレージ202あるいはネットワークストレージ20に蓄積した各画像データについて、その画像データにアクセスしたユーザの識別情報を含む利用履歴情報を記録する利用履歴情報記録手段として機能する。なお、アクセスとは、印刷等の利用だけではなく、蓄積自体も含む。また、画像形成装置10による管理上の理由により同じデータをローカルストレージ202とネットワークストレージ20の両方に蓄積する場合、それらのデータについて個別に利用履歴情報を作成する必要はない。それらのデータは同じデータであるとして、両データの利用履歴を統合した1つの利用履歴情報を作成すればよい。また、利用履歴情報は、ローカルストレージ202上から蓄積データが削除された際にも、そのデータがネットワークストレージ20上に残っている場合には削除されない。
この実施形態では、画像形成装置10ごとにそれぞれの利用履歴情報をデータベースとして例えばローカルストレージ202内に残すことを想定している。なお、複数の画像形成装置10の利用履歴情報を全体としてまとめて記録する場合は、ネットワークストレージ20内に記録するようにしてもよい。
【0023】
また、予測部205は、ユーザ認証部201が認証したユーザの情報及び利用履歴情報に基づき、ユーザがアクセスする可能性が高い画像データを予測する予測手段として機能する。
アクセスする可能性が高い画像データを予測するための条件としては、例えば、次の3通りが考えられる。
【0024】
第1に、ユーザが過去に一度でもアクセスしたものを、アクセスする可能性が高い画像データと予測する。
第2に、ユーザ自身が蓄積したものを、アクセスする可能性が高い画像データと予測する。
第3に、アクセスした回数又は頻度が所定の閾値以上のものをアクセスする可能性が高い画像データと予測する。回数とは蓄積した時から現在までの同一ユーザの累計アクセス回数を指し、頻度とは、例えば直近の所定期間内におけるアクセス回数で判定することができる。
【0025】
送受信部206は、画像蓄積制御部203が、画像データをネットワークストレージ20にアップロードしたり、逆に、ネットワークストレージ20からダウンロードしたりする際に、画像データの送受信を行う機能を備える。
なお、画像蓄積制御部203は、予測手段が予測したアクセスする可能性が高い画像データをネットワークストレージ20から取得してローカルストレージ202に格納する取得手段としても機能する。
【0026】
図4は利用履歴情報の一例をテーブルの形で表したものである。この図に示すように、利用履歴情報は、蓄積されたデータ(ここでは画像データとする)を特定する画像ID、その画像データを蓄積したユーザの識別情報である蓄積者ID、その画像データの印刷履歴(利用履歴の一例である)等を含んでいる。また、印刷履歴には、印刷を行ったユーザの識別情報である印刷者ID及び印刷回数を含んでいる。さらに、印刷回数は、画像データの蓄積時から現在までの通算の印刷回数と、直近所定期間における印刷回数に分けられる。直近所定期間における印刷回数を、この明細書においては「頻度」と呼ぶこととする。
【0027】
なお、
図4に示した利用履歴情報の例では、画像データを基準として構成しているが、ユーザを基準としたデータ構成でもよい。例えば、一つのユーザIDに対して、そのユーザが蓄積した画像データの画像IDと、そのユーザが過去に印刷したことのある画像データの画像ID(及びその印刷回数や印刷時期)を紐付けて登録するようにしてもよい。
【実施例1】
【0028】
図5は、ネットワークストレージ20から画像データを取得してローカルストレージ202に格納する画像形成装置10
及びそのデータ蓄積制御方法の実施例1における処理の流れを示したシーケンス図である。
【0029】
この処理は、ユーザ300が画像形成装置10を使用しようとして、画像形成装置10にアクセスした時に開始される。
まず、ユーザ300が画像形成装置10のカードリーダ(不図示)に自分の識別情報(ID)が書き込まれたIDカードを読み込ませてユーザIDを入力し、ユーザ認証部201に対してユーザ認証を依頼する(S501)。なお、ここでは、IDカードを用いてユーザIDを入力しているが、操作パネル(不図示)のキーボードから直接IDを入力してもよい。
【0030】
すると、ユーザIDがユーザ認証部201に送られ、ユーザ認証部201がユーザの認証を行う(S502)。
ユーザ認証に成功すると、ユーザ認証部201は画像蓄積制御部203にユーザIDを送る。ユーザIDが画像蓄積制御部203に送られると、画像蓄積制御部203は予測部205に対して、ユーザ300が印刷する可能性が高い画像データの予測を依頼する(S503)。
【0031】
画像蓄積制御部203からユーザIDを受け取って画像データの予測の依頼を受けた予測部205は、利用履歴情報記録部204から利用履歴情報を取得する(S504)。
利用履歴情報とは、上述の通り、ユーザ300が過去にアクセスした履歴が蓄積されているものである。
次に、予測部205は、利用履歴情報を検索して、ユーザ300が過去に一度でもアクセスしたことがあるという条件で予測する(S505)。
すなわち、利用履歴情報の中で、蓄積者IDがユーザ300のユーザIDと一致する画像データや、印刷履歴の印刷者IDがユーザIDと一致する画像データをユーザ300が印刷する可能性が高い画像データと予測するのである。
【0032】
この結果、利用履歴情報が
図4に示したものであったとすると、ユーザIDが「001」のユーザ300の場合は、少なくとも画像IDが「000101」、「000102」である画像データが、印刷する可能性が高い画像データであることに
なる。予測部205は、印刷する可能性が高いと予測した画像データ(以下「予測画像」ともいう)の画像IDを画像蓄積制御部203に通知する(S506)。
画像蓄積制御部203は、ローカルストレージ202内を検索して、受けとった画像IDに該当する画像データがローカルストレージ202に存在するか否かを確認する(S507)。
【0033】
予測した画像データが存在しなかった場合(S508のN)、画像蓄積制御部203は送受信部206に当該画像データの画像IDを渡して、ネットワークストレージ20からの画像データの取得を依頼する(S509)。
画像蓄積制御部203から依頼を受けた送受信部206は、ネットワークストレージ20に画像IDを渡して画像データの取得を依頼する(S510)。
次に、ネットワークストレージ20から画像データを取得した送受信部206は、その画像データを画像蓄積制御部203に渡す。
【0034】
次に、画像蓄積制御部203は、受け取った画像データをローカルストレージ202に書き込んで保存する(S511)。
一方、予測した画像データがローカルストレージ202に存在している場合は(S508のY)、そのまま処理を終了する。
以上の処理は、ユーザ300がユーザ認証を依頼した時にスタートして自動的に
行ってもよいが、ローカルストレージ202を利用せずに単にコピーを行うだけの場合もあるため、ローカルストレージ202へのアクセス(ローカルストレージ202を用いる機能の利用要求)があった時にスタートするように
するとよい。
【0035】
なお、予測された画像データがローカルストレージ202内にあるか否かを確認するS507及びS508のステップは省略可能である。もし、予測画像がすでに存在している場合は上書き保存するような設定にしておけば、ローカルストレージ202の容量を圧迫するおそれがないからである。
【実施例2】
【0036】
図6は、ネットワークストレージ20から画像データを取得してローカルストレージ202に格納する画像形成装置10
及びそのデータ蓄積制御方法の実施例2における処理の流れを示したシーケンス図である。
図5に示した実施例1の処理と異なる点は、予測部205における予測条件のみである。
【0037】
すなわち、本実施例では、ステップS605において、ユーザ300自身が蓄積した画像データをユーザが印刷する可能性が高い画像データであると予測する。
すなわち、利用履歴情報の中で、蓄積者IDがユーザ300のユーザIDと一致する画像データのみをユーザ300が印刷する可能性が高い画像データと予測するのである。
上記以外の処理は、すべて実施例1の場合と同じであるので説明を省略する。
【0038】
なお、ユーザ300自身が画像データを蓄積する手順については、本発明とは直接関係がないので、特に図示はしないが、例えば、以下のような手順で行えばよい。
まず、ユーザ300が画像形成装置10の図示しない入力手段(例えば、スキャナ)から画像を入力する。入力された画像データは入力手段から画像蓄積制御部203に送られ、画像データを受け取った画像蓄積制御部203はローカルストレージ202に対して画像データを書き込む。
【0039】
次に、画像蓄積制御部203は、ネットワークストレージ20へ画像データを蓄積するように送受信部206に依頼する。依頼を受けた送受信部206は、ローカルストレージ202に蓄積された画像データを読み出し、ネットワークストレージ20に送信する。
そして、画像蓄積制御部203は、画像蓄積要求を行ったユーザ300のユーザIDと蓄積した画像の画像IDを利用履歴情報記録部204に書き込む。
このようにして、利用履歴情報記録部204に
図4に示すような利用履歴情報が記録される。
【実施例3】
【0040】
図7は、ネットワークストレージ20から画像データを取得してローカルストレージ202に格納する画像形成装置10
及びそのデータ蓄積制御方法の実施例3における処理の流れを示したシーケンス図である。
図5に示した実施例1の処理と異なる点は、予測部205における予測条件のみである。
【0041】
すなわち、本実施例では、ステップS705において、ユーザ300が過去に利用した回数又は頻度が所定の値以上である画像データをユーザがアクセスする可能性が高い画像データと予測する。
すなわち、利用履歴情報の中で、印刷者IDがユーザ300のユーザIDと一致する画像データの中で、過去に印刷した回数又は頻度が所定の値以上である画像データをユーザ300が印刷する可能性が高い画像データと予測するのである。
【0042】
「回数」は現在までの通算印刷回数で表し、「頻度」は直近所定期間における印刷回数で表すことができる。所定期間内で回数が多いということは頻度が高いことを意味する。
例えば、「所定の値」を、通算で5回、直近所定期間で3回と設定すると、ユーザIDが「004」であるユーザ300の場合は、画像ID「000101」の画像データが予測画像に該当することになる。
これ以外の処理は、すべて実施例1の場合と同じであるので説明を省略する。
【実施例4】
【0043】
図8は、ネットワークストレージ20から画像データを取得してローカルストレージ202に格納する画像形成装置10
及びそのデータ蓄積制御方法の実施例1乃至3の変形例における処理の流れを示したシーケンス図である。
それぞれ
図5乃至
図7に示した実施例1乃至3の処理と異なる点は、所定の条件で予測した画像データがローカルストレージ202に存在しなかった場合に(S808のN)、ネットワークストレージ20から画像データを取得する際の処理である(S809)。
【0044】
すなわち、予測した画像の画像データサイズをネットワークストレージ20に問い合わせ、画像データサイズがローカルストレージ202の空き容量以上であるときは、ローカルストレージ202から不要な画像データを削除する処理が追加されている。
ステップS801〜S808は、
図5のS501〜S508と同様であるので説明は省略する。
【0045】
図8のステップS809における処理の流れを
図9に基づいて説明する。
図9は、
図8のステップS809における処理の流れの詳細を示すシーケンス図である。
まず、画像蓄積制御部203は、予測画像の画像IDを送受信部206に送り、ネットワークストレージ20からダウンロードすべき画像データのサイズの取得を依頼する(S8091)。
送受信部206はネットワークストレージ20に画像IDを送り、画像データサイズの送信を依頼する(S8092)。
画像蓄積制御部203は、ローカルストレージ202の空き容量を確認するとともに、送受信部206を介して取得した画像データサイズとの比較を行う(S8093)。
【0046】
ダウンロードすべき画像データのサイズが、ローカルストレージ202の空き容量以上であるときは(S8094のY)、画像蓄積制御部203は、予測部205に対して非印刷画像予測依頼を行う(S8095)。すなわち、ローカルストレージ202内にある、ユーザ300が印刷する可能性が極めて低い画像(非印刷画像)を予測して削除することにより、予測画像データの保存容量を確保するためである。
非印刷画像の予測条件としては、例えば、利用履歴情報を参照して、ユーザ300が利用した回数及び頻度が所定値よりも少ない画像データを非印刷画像としたり、予測画像データ以外をすべて非印刷画像としたりすること等が考えられる。
【0047】
予測部205は上記のような条件で非印刷画像を予測し(S8096)、その画像ID(非印刷画像ID)を画像蓄積制御部203に通知する。
非印刷画像IDの通知を受けた画像蓄積制御部203は、ローカルストレージ202内を検索し、非印刷画像IDを持つ画像データを削除する(S8097)。
そして、画像蓄積制御部203は、送受信部206にS806で通知された予測画像データの画像IDを渡して、ネットワークストレージ20からの画像データの取得を依頼する(S8098)。
【0048】
画像蓄積制御部203から依頼を受けた送受信部206は、ネットワークストレージ20に画像IDを渡して画像データの取得を依頼する(S8099)。
次に、ネットワークストレージ20から画像データを取得した送受信部206は、その画像データを画像蓄積制御部203に渡す。
次に、画像蓄積制御部203は、受け取った画像データをローカルストレージ202に書き込んで保存する(S8100)。
【0049】
一方、予測した画像の画像データサイズが、ローカルストレージ202の空き容量未満であるときは(S8094のN)、すぐに画像データの取得を依頼する(S8098)。ローカルストレージ202の空き容量に余裕があるため、非印刷画像データを削除する必要がないからである。
【0050】
また、上記の実施形態では、画像データの蓄積の際、その画像データをローカルストレージ202とネットワークストレージ20の両方に保存しているが、画像データの保存はネットワークストレージ20だけでもよい。あるいは、一旦、ローカルストレージ202に保存した後、適当なタイミングでネットワークストレージ20に移動あるいはコピーしてもよい。
【0051】
以上説明してきた画像形成装置
及びそのデータ蓄積制御方法によれば、ユーザIDに基づいて、ユーザが印刷する可能性の高い画像を予測して、その画像をネットワークで接続されたネットワークストレージから取得してローカルストレージに格納するので、印刷開始までの待機時間が少なく、快適に利用できる。すなわち、ユーザが印刷する可能性の高い画像のデータを、実際に印刷指示を行う前の、認証等のタイミングでローカルストレージにダウンロードするので、初めからローカルストレージに保存されていたかのように、速やかに印刷開始できる。
なお、認証は、ユーザが装置を使う意思を示したという点で、その後ユーザが画像データを利用する蓋然性が高く、ネットワークストレージからデータのダウンロードを開始するタイミングとして好適である。しかし、他のタイミングでダウンロードを開始してもよい。
【0052】
また、ユーザが印刷する可能性の高い画像を、予めローカルストレージに保存しておく必要がないため、ローカルストレージの容量が少なくても済むという効果がある。極端に言えば、長期的な保存はすべてネットワークストレージで行うようにしたとしてもかまわない。この場合、画像データはネットワークストレージだけに残っていればよいので、ローカルストレージは必ずしも不揮発性メモリで構成する必要はなく、揮発性メモリ(RAM)でもよい。
【0053】
また、実施例4のように、予測画像の画像データサイズがローカルストレージの空き容量を超えているときは、ローカルストレージ内の非印刷画像データを削除するように構成すれば、ローカルストレージの記憶容量が少ない場合でも、必要な画像データを確実にローカルストレージにダウンロードすることができる。
また、ネットワークストレージ20からデータを取得する場合に、ローカルストレージ202を検索し、すでにローカルストレージ202に格納されているデータについてはネットワークストレージ20からの取得を行わないようにするとよい。このようにすれば、ダウンロードに要する時間を短縮し、画像データを利用するタイミングまでにダウンロードが完了しないといった事態を防止することができる。
【0054】
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を損なわない範囲で変更することが可能である。
上述の実施形態の説明では、データが画像データであり、その利用形態を「印刷」である場合を例として説明したが、本発明はこれに限定されないことは言うまでもない。
【0055】
たとえば、データが音楽データ、映像データ又は文書データであったりしてもよい。さらには、機械加工データ等であってもよく、要するに、後で再利用する可能性のある電子データであれば、本発明が適用可能である。利用も、データの性質に応じた任意の形態で構わない。
この発明は、これらのデータを扱う任意の情報処理装置に適用可能である。
さらに、以上説明した各実施形態、動作の構成は、相互に矛盾しない限り任意に組み合わせて実施可能であることはもちろんである。