(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
複数の画素が二次元に配列されたイメージセンサの先頭画素行から最終画素行まで順次時間をずらしながら画素行ごとに電荷蓄積の期間tを制御するローリングシャッタ制御部と、
前記先頭画素行の電荷蓄積開始時から前記最終画素行の電荷蓄積終了時までの全期間にわたって照明部から照明光を観察標本に照射させる第1照明制御部と、
前記先頭画素行の電荷蓄積期間と前記最終画素行の電荷蓄積期間とが重複する重複期間だけ照明部から照明光を観察標本に照射させる第2照明制御部と、
前記第1照明制御部による制御から前記第2照明制御部による制御に切り替わった際、前記第1照明制御部による照明光の照射に基づき前記イメージセンサから出力される画像の明るさと、前記第2照明制御部による照明光の照射に基づき前記イメージセンサから出力される画像の明るさとの差が小さくなるように、前記イメージセンサから出力される画像の明るさを補正する明るさ補正部と、
を備える撮像装置の制御装置。
前記第1照明制御部は、前記先頭画素行の電荷蓄積開始時と前記最終画素行の電荷蓄積開始時との時間差aに対して前記期間tがt≦na(n≧1)の場合、前記先頭画素行の電荷蓄積開始時から前記最終画素行の電荷蓄積終了時までの全期間にわたって照明部から照明光を照射させ
前記第2照明制御部は、前記期間tがt>na(n≧1)の場合、記先頭画素行の電荷蓄積期間と前記最終画素行の電荷蓄積期間とが重複する重複期間だけ照明部から照明光を照射させる請求項1記載の撮像装置の制御装置。
前記明るさ補正部は、異なる補正処理を備えるとともに、前記イメージセンサによる撮像の用途に応じて前記補正処理を切り替える切替部を有する請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の撮像装置の制御装置。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、実施形態について図面を参照しながら説明するが、この実施形態に限定されるものではない。また、図面においては実施形態を説明するため、一部分を大きくまたは強調して記載するなど適宜縮尺を変更して表現している。また、
図15では、XYZ座標系を用いて図中の方向を説明する場合がある。
【0016】
<撮像装置>
図1は、実施形態に係る制御装置を含む撮像装置の一例を示す機能ブロック構成図である。撮像装置1は、
図1に示すように、撮像部10と、制御装置30とを有している。撮像部10は、CMOS型のイメージセンサ12と、AFE(アナログフロントエンド)回路13と、TG(タイミングジェネレータ)17と、撮影レンズ19と、レンズ駆動部21と、を備えている。イメージセンサ12は、例えば、信号読出回路としてCMOSトランジスタを用いたCMOS型のイメージセンサが用いられる。CMOSトランジスタとしては、nMOSトランジスタやpMOSトランジスタが用いられる。イメージセンサ12は、半導体基板に多数の画素(光電変換素子)が二次元格子状に配列されて形成される。
【0017】
イメージセンサ12の水平方向(横方向)または垂直方向(縦方向)に並んだ各画素は、画素行単位または画素列単位で、後述するTG17からのタイミングパルス信号により駆動される。すなわち、各画素行における電荷蓄積開始時(以下では適宜、露光開始、電子シャッタ開という用語を用いている。)から電荷蓄積終了時(以下では適宜、露光終了、電子シャッタ閉という用語を用いている。)までの電子シャッタの開/閉のタイミング等が制御される。なお、画素行は、ラインとして表現する。
【0018】
AFE回路13は、イメージセンサ12からの出力に対してアナログ信号処理を行う回路である。このAFE13は、相関二重サンプリング処理や、画像信号のゲインの調整処理などが行われ、処理したアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換を行う。AFE回路13から出力したデジタルの撮像画像信号は、後述する制御装置30の画像入力部39に入力される。
【0019】
TG17は、後述する制御装置30のCPU31からの指示によりイメージセンサ12を駆動するためのパルス信号を生成する。このCPU31とTG17とにより、イメージセンサ12をローリングシャッタ方式で駆動させるローリングシャッタ駆動部15が形成される。
【0020】
撮像レンズ19は、被写体である観察標本Pの像を取り込んでイメージセンサ12の撮像面に結像させるものであり、鏡筒内に複数のレンズを有している。撮像レンズ19の鏡筒内には、観察標本Pの撮像倍率を調整するズームレンズと、観察標本Pに対して焦点を合わせるフォーカスレンズとを含む複数のレンズ群が配置される。なお、
図1では、レンズ群を収容した鏡筒を表している。観察標本Pは、静物を図示しているが、静物以外に動きのある動物や魚などであってもよい。例えば、スタジオ内での撮影時には、これらの観察標本P(人物、動物、魚など任意物)を、照明部23で照明し、撮影レンズ19を介してその反射光等をイメージセンサ12が取り込む。
【0021】
レンズ駆動部21は、撮像レンズ19の鏡筒内でズームレンズやフォーカスレンズのレンズ位置を移動させる不図示のモータ等を有している。レンズ駆動部21は、後述する制御装置30のAF調整部35からの指示に応じて光軸方向にフォーカスレンズの1つまたは複数を移動させる。
【0022】
制御装置30は、
図1に示すように、CPU(中央演算処理部)31と、メインメモリ(ワークメモリ)33と、AF(自動焦点)調整部35と、記憶装置制御部37と、画像入力部39と、補正部41と、表示制御部50と、を備えている。これらCPU31等は、バス47により相互に接続されている。
【0023】
CPU31は、メインメモリ33または不図示のハードディスク等に格納された撮像プログラムを読み出し、メインメモリ33を用いて各種処理を行う。CPU31は、各種処理を行った後に適宜AF調整部35等の各部に制御指示を出力する。なお、撮像プログラムが光ディスクやCD−ROM、USBメモリ、SDカード等の記憶媒体に格納されている場合は、不図示の入出力(IО)デバイスを介して読み込み、その撮像プログラムを実行する。
【0024】
メインメモリ33は、例えば、不揮発性の半導体メモリなどが用いられる。メインメモリ33は、イメージセンサ12によって撮像された画像データ等を記憶する。また、メインメモリ33は、例えば、CPU31によって実行される画像処理の前工程や後工程での画像データなどを一時的に記憶する。
【0025】
AF調整部35は、CPU31からの指示に基づいて、レンズ駆動部21に焦点合わせ指示を出力する。焦点合わせ指示を受けたレンズ駆動部21は、撮影レンズ19のフォーカスレンズを移動させてその位置を調整し、撮影レンズ19の焦点位置に観察標本Pを合わせ込む。なお、焦点合わせをAF調整部35によって自動で行うことに限定されず、使用者が撮影レンズ19のフォーカスレンズを手動で操作してもよい。また、撮影レンズ19による観察標本Pの撮像倍率は、不図示のズームボタン等により操作するか、手動により撮影レンズ19のズームレンズを操作して調整する。
【0026】
記憶装置制御部37は、ハードディスク等の外部記憶装置49が接続される。記憶装置制御部37は、使用者から保存指示が入力されると、CPU31からの保存指示に基づいて、観察標本Pの撮像画像を外部記憶装置49に保存する。
【0027】
画像入力部39は、AFE回路13から出力される画像信号を取り込む。取り込んだ画像信号は、所定の処理プログラムに基づいてCPU31によって処理される。CPU31は、1フレーム分のデジタル画像信号に対して、例えば、色補間処理、階調変換処理、輪郭強調処理、ホワイトバランス調整などを施す。なお、CPU31は、処理された画像データに基づいて、この画像に含まれる高周波成分やコントラスト等を判断し、AF調整部35に制御指示を出力する。AF調整部35は、上述したように、この制御指示に基づいて撮影レンズ19の焦点位置に観察標本Pを合わせる。
【0028】
補正部41は、第1照明制御部42と、第2照明制御部43と、明るさ補正制御部44とを備える。補正部41は、CPU31が撮像プログラムを実行することにより実現する。ただし、補正部41は、ソフトウェアの実行により実現することに代えて、電子回路等のハードウェアとして実現させてもよい。第1照明制御部42は、先頭画素行の電荷蓄積開始時から最終画素行の電荷蓄積終了時までの全期間にわたって照明部23から照明光を観察標本Pに照射させる制御(以下、全ライン露光モードという。)を行う。第2照明制御部43は、先頭画素行の電荷蓄積期間と最終画素行の電荷蓄積期間とが重複する重複期間だけ照明部23から照明光を観察標本Pに照射させる制御(以下、同時露光モードという。)を行う。
【0029】
図2は、明るさ補正部44を説明する機能ブロック図である。
図2に示すように、明るさ補正部44は、照射時間調整部44aと、ゲイン調整部44bと、光量調節部44cとを有する。本実施形態では、この明るさ補正部44は、同時露光モードの際に実行させるように制御される。すなわち、CPU31は、第2照明制御部43が制御を行っている場合に、補正部41に対して明るさ補正部44の照射時間調整部44a等のいずれかを実行させる。
【0030】
照射時間調整部44aは、照明部23による照明光の照射時間を調整するとともに、この照射時間と同期させて、同時露光モードでの重複期間を調整するようにTG17への出力調整を行う。ゲイン調整部44bは、イメージセンサ12から出力される画像信号に対して、AFE回路13のゲイン制御を行う。光量調節部44cは、照明部23による照明光の光量(強度)を調節する。
【0031】
補正部41は、明るさ補正部44の照射時間調整部44a、ゲイン調整部44b、及び光量調節部44cを切り替えるための不図示の切替部を備えている。CPU31は、補正部41の切替部に対して、明るさ補正部44の照射時間調整部44a等のいずれかを切り替える指示を行う。切替部は、この指示に基づいて照射時間調整部44a等のいずれかを切り替えて実行させる。なお、切替部への指示は、撮影するモード(例えば、保存用の撮影や、ライブ観察用の撮影など)に合わせて自動で行う場合の他に、使用者が手動で切替指示を行うものでもよい。
【0032】
図1に戻り、表示制御部50は、液晶表示装置等のモニタ51が接続される。表示制御部50は、CPU31からの表示指示に応じて、イメージセンサ12から取り込まれた観察標本Pの画像(静止画または動画)をモニタ51に表示する。使用者は、この画像を見ながら、各種操作を行うことができる。なお、表示制御部50は、例えば、画像処理を専用に行うDSP(デジタルシグナルプロセッサ)をCPU31とは別に備えてもよい。このDSPは、バス47に接続される。DSPが用いられることにより、CPU31の負担軽減を図ることができる。
【0033】
入力装置45は、制御装置30のバス47に接続されており、使用者からの各種入力指示を取り込む。入力装置45としては、例えば、キーボードや、マウス等のポインティングデバイス、タッチパネル、ジョイスティックなどがある。なお、タッチパネルは、モニタ51上に形成され、表示された画面上をタッチ操作して入力を行う。また、入力装置45としては、マイクによって使用者の指示が入力され、この音声データを音声認識させることで各種指示が入力されるものでもよい。
【0034】
使用者からの指示としては、t入力指示や、用途入力指示、画像保存指示などがある。t入力指示は、露光開始(電子シャッタ開)から露光終了(電子シャッタ閉)までの期間tを設定する。用途入力指示は、例えば、静止画撮影、動画撮影、撮像倍率やフォーカス調整のためのライブ観察など、各種撮影モードを設定する。画像保存指示は、撮像部10で撮像した観察標本Pの画像を外部記憶装置49に保存させる。
【0035】
照明部23は、不図示の電源に接続され、補正部41からの照明指示により観察標本Pに向けて照明光を照射する。照明部23としては、LED(Light Emitting Diode)光源やレーザ光源を用いた照明の他に、各種光源が用いられてもよい。LED光源やレーザ光源によれば、照明光の照射時間や照明光の強度を細かく制御可能である。なお、その他の光源が用いられる場合は、液晶装置等のライトバルブを用いて照射時間や強度を制御してもよい。
【0036】
図1では、撮像部10と制御装置30とを別の装置として表しているが、これらが一体となったデジタルカメラの構成が採用されてもよい。この場合、モニタ51は、カメラ本体の背面やバリアングル構成の液晶表示部が該当する。また、照明部23は、
図1では撮像部10等と別体として表しているが、カメラ本体に付属または内蔵したものでもよい。また、モニタ51は、表示制御部50に有線で接続されることに限定されず、無線により接続されてもよい。
【0037】
図3は、イメージセンサ12のローリングシャッタ方式を説明する図である。
図3に示すように、イメージセンサ12は、画素が二次元格子状に配置されており、水平方向(横方向)の画素行ごとに順に駆動制御される。なお、各画素行は、電子シャッタ開から電子シャッタ閉までの露光時間(電荷蓄積時間)を期間tに設定されている。まず、第1画素行(先頭画素行)の各画素について同時に露光開始する。次に、第1画素行の露光開始から若干時間をずらして第2画素行の各画素について同時に露光を開始する。以下、順に画素行ごとに時間をずらしながら露光を開始する。
【0038】
画素行における各画素は、それぞれ期間tのうち所要時間だけ露光され、露光が終了した画素行から順に、信号読出回路により、検出信号がイメージセンサ12の外部に読み出される。
図3は、各画素行の、露光開始(電子シャッタ開、電荷蓄積開始)から露光終了(電子シャッタ閉、電荷蓄積終了)までの時間のずれを示している。
【0039】
各画素行間の露光開始タイミングのずれを、例えば10μsecとし、画素行数を1000とすると、先頭画素行と最終画素行との間には10msecの時間差aが生じてしまう。この結果、高速に移動する物体をローリングシャッタで撮像すると、先頭画素行の撮像画像と最終画素行の撮像画像とで同時性が確保できず、画像が斜め方向に歪んでしまうことになる。従って、
図3に示すように、全画素行が同時に電子シャッタ開となっている重複期間だけ観察標本Pに照明光を照射することにより、全画素行に対して撮像画像の同時性を確保することが可能となる。なお、全画素行が同時に電子シャッタ開となる重複期間は、期間t−時間差aとなる。
【0040】
本明細書において、先頭画素行及び最終画素行は、イメージセンサ12の受光面(有効画素領域)の全面を撮像領域として使用する場合、受光面全面における先頭画素行及び最終画素行を指すものである。ただし、イメージセンサ12の受光面全面ではなく、受光面の一部(例えば中央領域)だけを撮像領域として使用する場合には、その受光面の一部における先頭画素行及び最終画素行を指すものである。同様に、上記した時間差aについても、イメージセンサ12の受光面全面を使う撮像時と、一部だけ使う撮像時とで異なる値となる。
【0041】
尚、この時間差aは、イメージセンサ12の種類によって決定されるものである。例えば時間差aは、イメージセンサの画素行の行数と、第1の画素行と第1の画素行の次の行である第2の画素行との露光開始時間の差で決定されるものである。したがって、2つのイメージセンサを比較した場合、両者の露光開始時間の差が同じである場合、画素行の少ないイメージセンサの方が時間差aは短くなる。本実施例において、時間差aは予め記憶部に記憶するか、または使用者が使用するイメージセンサで定められている時間差aを入力するなどの手段をとる。
【0042】
図4は、上記した重複期間において照明光を照射させることにより、全画素行に対して撮像画像の同時性を確保した状態を示している。すなわち、重複期間において照明光を照射する同時露光モードにより観察標本Pを撮像した状態を示している。なお、同時露光モード(第2照明処理)は、補正部41の第2照明制御部43によって制御される。この同時露光モードにより、先頭画素行から最終画素行まで、同時に観察標本Pを撮像することになり、撮像画像の同時性が確保される。
【0043】
ただし、同時露光モードで撮像できるのは、
図4に示すように、各画素行における電子シャッタ開から電子シャッタ閉までの期間tが、先頭画素行と最終画素行との時間差aよりも長い場合に限られる。つまり、期間t≦時間差aの場合には、全画素行で同時刻に露光時間が重複している期間はない。
【0044】
図5(a)は、期間tと時間差aとがt=aの場合を示している。
図5(a)に示すように、画素行の重複期間がないので、先頭画素行の電子シャッタ開のタイミングから最終画素行の電子シャッタ閉のタイミングまで、照明光を照射して観察標本Pを撮像している。すなわち、補正部41の第1照明制御部42によって制御された全ライン露光モードで観察標本Pを撮像する(第1照明処理)。これにより、先頭画素行から最終画素行まで、各画素行は、期間tにわたって照明光が照射され、各画素行における電荷蓄積時間に差が生じないようにしている。
【0045】
また、
図5(b)は、期間t<時間差aの場合を示している。
図5(b)に示すように、
図5(a)と同様、画素行の重複期間がないので、第1照明制御部42によって制御された全ライン露光モードにより観察標本Pを撮像する。
【0046】
観察標本Pを撮像する場合、使用者は露光時間を変えながら最適な露光時間を設定するといった手順を行う。この場合、例えば、
図5(b)に示すような露光時間が短い設定であれば、全ライン露光モードにより観察標本Pが照明されているので、露光時間を順に長くした場合、当初は次第に明るい画像が取得される。ただし、さらに露光時間を長くしていくと、期間tが時間差aより長くなった時点、すなわち
図5(a)に示す状態を超えた時点で同時露光モードに移行し、全画素行の重複期間だけに照明光を照射するモードに切り替わる。
【0047】
図6では、電子シャッタ開から電子シャッタ閉までの期間t、すなわち露光時間を変化した場合の画像の明るさの変化を示している。
図6では、横軸が期間tであり、縦軸が画像の明るさを示している。
図6に示すように、期間tが0の状態から順次期間tを長くすると、全ライン露光モード中においては順次画像の明るさが増加する。ただし、期間tが時間差aを超えた段階で全ライン露光モードから同時露光モードに切り替わるため、一旦画像の明るさが0となり、さらに露光時間を長くすると、再度0から画像の明るさが増加する。
【0048】
全ライン露光モードでは、全ての画素行が期間tにおいて照明光を受けているのに対し、同時露光モードでは、期間tの一部(t−aの期間)において照明光を受けた状態となっている。すなわち、全ライン露光モードと同時露光モードとでは、露光時間である期間tに対して照明光の照射時間が異なる。これによって、画像明るさに不連続(t=aでの段差)が生じている。
【0049】
このように、露光時間を徐々に長くしても、一旦画像が暗くなって、そこから再度画像が順次明るくなるといった事態が生じている。ところで、使用者は、撮影レンズ19の視野内に観察標本Pを合わせ、露光時間(期間t)を0から徐々に増加させ、あるいは逆に最大露光量から徐々に短くなるように指示入力することで、撮像する画像の明るさが最適な明るさとなるようにモニタ51を見ながら最適な露光時間を探すことが通常である。その際、露光量の調整時に画像の明るさがシームレスに変化しないと、違和感を生じさせるだけでなく、調整しづらいといった不都合を伴う。また、
図6に示すように、同じ露光量(画像の明るさ)でありながら、全ライン露光モード及び同時露光モードの2つのモードが存在するため、ある露光量を設定した場合に、制御装置30はいずれのモードを選択すべきか判断できなくなる可能性がある。
【0050】
本実施形態では、
図6に示すように、同時露光モードで撮像する際、画像の明るさが明るくなるように、明るさ補正部44によって補正することで、画像の明るさの不連続を補正する。なお、
図6では、全ライン露光モードと同時露光モードとで、画像の明るさの変化が同一の傾きとなるように補正しているが、これに限定されず、異なる傾きとなるように、同時露光モードでの画像の明るさを補正するものでもよい。また、補正した同時露光モードの画像の明るさは、直線状の傾きを有することに限定されず、曲線状に変化するものでもよい。また、期間tが時間差aを超えた段階で全ライン露光モードから同時露光モードに切り替わるが、切り替わった直後の同時露光モードの画像の明るさは、切り替わる直前の全ライン露光モードで取得した画像の明るさと完全に一致させることは必須ではなく、取得画像をモニタへ表示した際、違和感のない程度に近似していればよい。モニタの画像表示性能、設定の差異によっても近似の程度を変更してもよい。
【0051】
明るさ補正部44が行う補正処理の例として、補正処理A、補正処理B、補正処理Cの3つについて説明する。ただし、明るさ補正部44が行う補正処理は、この3つに限定されるものではない。補正処理A〜Cの切り替えは、上述したように、補正部41の切替部が行う。
【0052】
〔補正処理A〕
図7は、明るさ補正部44の照射時間調整部44aによる補正処理Aを説明する図である。
図6で説明したように、全ライン露光モードと同時露光モードとの間で画像明るさが不連続となるのは、同時露光モードで、期間tよりも実際の露光期間がt−aと短くなることが理由である点を説明した。そこで、補正処理Aでは、使用者がt>aとなる期間tを指示したとき、照射時間調整部44aが、上記のt−aの期間を延長して照明光が観察標本Pを照明し、かつその延長した期間において各画素が電荷を蓄積させるように制御する。なお、補正処理Aでは、照射光の強さは全ライン露光モードと同じ強さであり、照明時間(照射時間)を延長する。
【0053】
補正処理Aが選択されると、照射時間調整部44aは期間tを延長し、
図7に示すように、最終画素行の露光開始のタイミングから先頭画素行の露光終了のタイミングまでの期間にわたって照明光を観察標本Pに照射する。
図7では、延長時間として時間差aと同様の期間aを採用している。時間差aの分を延長させることにより、各画素行はt+aの期間で電荷蓄積を行うが、その期間のうち期間tで照明光の照射を受けるため、全ライン露光モードと同時露光モードとの間で画像明るさの不連続が解消されることになる。すなわち、同時露光モードにおける実際の露光期間は、(t+a)−a=tとなり、t=aにおける画像明るさの段差(不連続)はなくなる。
【0054】
補正処理Aでは、照射時間調整部44aを有する補正部44が、撮像部10のTG17に制御指令を出力し、CPU31が指示した期間tに対して期間aを加算することで各画素行の電荷蓄積時間の延長を行う。同時に、補正部44は、照明部23を、期間tに対して期間aを加算して照明光を照射するよう制御する。なお、CPU31が補正部44の処理機能を内蔵し、t+aの期間をTG17に直接指示するものでもよい。
【0055】
なお、照射時間調整部44aにより延長する期間としてはaに限定するものではなく、時間差aより短くまたは長く設定してもよい。ただし、延長する期間が時間差aより短いまたは長いと、全ライン露光モードとの間で画像明るさに多少の段差を生じさせるが、その段差の大きさは補正しない場合と比較して小さくなり、使用者に与える違和感や調整のしづらさを軽減する。
【0056】
〔補正処理B〕
図8は、明るさ補正部44のゲイン調整部44bによる補正処理Bを説明する図である。
図6に示すt=aにおける画像明るさの不連続は、期間tに対して実際の照明光の照射時間がt−aに短縮され、撮像した画像の信号量が本来の期間tでの信号量より低下することに起因する。そこで、補正処理Bでは、期間tで得られる撮像画像の信号量に対して、ゲイン調整部44bが所定のゲインに基づいて信号量を乗算するように制御する。なお、補正処理Bでは、照射光の強さは全ライン露光モードと同じ強さであり、電荷蓄積の期間tも同時露光モードにおける通常の期間tのままである。
【0057】
補正処理Bが選択されると、ゲイン調整部44bは、
図8に示すように、各画素行から出力される信号量に対して、t/(t−a)のゲインを乗算するようにAFE回路13に指示を出力する。t/(t−a)のゲインは、期間tのうち時間差aだけ照明光の照射時間が減少した分を増加させる値となっている。このゲインによって信号量は増幅され、全ライン露光モードと同時露光モードとの間で画像明るさの不連続が解消されることになる。
【0058】
ただし、ゲインとしてt/(t−a)のように時間差aを用いることに限定されず、任意の数値を用いることができる。ただし、ゲイン量がt/(t−a)より小さいまたは大きい場合は、全ライン露光モードとの間で画像明るさに多少の段差を生じさせるが、その段差の大きさは補正しない場合と比較して小さくなり、使用者に与える違和感や調整のしづらさを軽減する。また、上記ではAFE回路13においてアナログの撮像画像の信号にゲインを掛けているが、これに限定されず、制御装置30に取り込まれたデジタルの撮像画像の信号にゲインを掛けるものでもよい。
【0059】
〔補正処理C〕
図9は、明るさ補正部44の光量調節部44cによる補正処理Cを説明する図である。上述したように、
図6に示すt=aにおける画像明るさの不連続は、本来の期間tでの露光量より低下することに起因する。そこで、補正処理Cでは、光量調節部44cが、照射部23からの照明光の強さを所定の割合で増加させ、観察標本Pの明るさを増加させるように制御する。なお、補正処理Cでは、各画素行における電荷蓄積の期間tが、同時露光モードにおける通常の期間tのままである。
【0060】
補正処理Cが選択されると、光量調節部44cは、
図9に示すように、照明部23に対して、照射する照明光の強さをt/(t−a)倍とするように指示を出力する。t/(t−a)倍は、期間tのうち時間差aだけ照明光の照射時間が減少した分を増加させる値となっている。この照明光の強度の増加によって、各画素が取り込む観察標本Pの画像の明るさがt/(t−a)倍となり、全ライン露光モードと同時露光モードとの間で画像明るさの不連続が解消されることになる。
【0061】
ただし、光量調節部44による割合としてt/(t−a)倍といった時間差aを用いることに限定されず、任意の数値を用いることができる。ただし、割合がt/(t−a)倍より小さいまたは大きい場合は、全ライン露光モードとの間で画像明るさに多少の段差を生じさせるが、その段差の大きさは補正しない場合と比較して小さくなり、使用者に与える違和感や調整のしづらさを軽減する。
【0062】
照明部23から照射する照明光の強さは、例えばLED光源やレーザ光源の場合は投入する電圧を変更することにより行う。また、照明光の透過率を変更可能なフィルタを用い、このフィルタの透過率を適宜変更させることで照明光の強さを調節するものでもよい。また、照明部23の光源を複数個配置させ、照明光を照射させる光源の個数を変えることにより観察標本Pを照明する照明光の強さを調節するものでもよい。
【0063】
図10は、補正処理A〜Cの特徴を表した図である。以上説明した補正処理A、B、Cには、それぞれ特徴を有している。これら補正処理A、B、Cの特徴を踏まえて、撮像装置1の用途に応じた補正処理を選択してもよい。特徴点としては、
図10に示すように、フレームレート、ノイズ、観察標本Pへの影響、光源側のキャリブレーションの要否、を挙げて、さらに各補正処理の用途の一例について記載している。
【0064】
フレームレートについて、補正処理Aは、各画素行における電荷蓄積の期間tをt+aに延長するとともに、照明光の照射時間を延長して実際の露光時間を長くする。従って、イメージセンサ12による撮像のフレームレートは低下する。これに対し、補正処理B及び補正処理Cは、ゲインの増幅や照明光の強度の増加を利用するので、フレームレートを低下させるものではない。
【0065】
これにより、補正処理Aは、動画を取得する際には不向きといえる。また、撮像に際しては、観察標本Pを撮像しながらモニタ51に表示させるライブ観察の撮像モードがある。ライブ観察は、モニタ51のライブ映像を見ながら、例えば動く観察標本Pや変化する観察標本Pを撮影レンズ19の視野内に入れるように撮影レンズ19の向きや観察標本Pの位置を調整する場合や、観察標本Pにフォーカスを合わせる場合に用いられる。このライブ観察の際にフレームレートが低いと画像が粗くなることから、各種調整を行うときは不利となる。
【0066】
従って、補正処理Aは、フレームレートが低くなるので、ライブ観察は不向きといえる。一方、補正処理B及び補正処理Cは、フレームレートが低下するものではないので、動画が粗くなることはなく、動画の取得やライブ観察の際、フレームレートに関して不利となることはない。
【0067】
ノイズについて、補正処理Aは、露光時間(期間t)を延長するため、画像信号に含まれるノイズNの信号量Sに対する比率は増加せず、S/Nの劣化はない。また、補正処理Cも照射部23からの照射光の強度を強くするため、同様に画像信号に含まれるノイズNの信号量Sに対する比率は増加せず、S/Nの劣化はない。これに対し、補正処理Bは、画像信号にゲインを掛けるため、画像信号に含まれるノイズも増幅されるとともに、ゲイン用のアンプのノイズ分が重畳されてS/Nが低下し、ノイズ成分を多く含んだ画像となる。
【0068】
従って、補正処理Aや補正処理Cは、高品質な画像を保存する場合、ノイズに関して不利となることはない。一方、補正処理Bは、画像に多くのノイズを含むため、高品質な静止画や動画を保存する場合には不利となる。
【0069】
観察標本Pへの影響について、補正処理Aは、照明光の照射時間を延長するため、観察標本Pに照明光を照射する時間が長くなり、観察標本Pに対して悪影響やダメージを増加させる場合がある。特に、観察標本Pが生体の場合は、撮像前のライブ観察時に観察標本Pへのダメージを軽減させることも必要となる。また、補正処理Cは、照明光の強度を強くして観察標本Pを照射するため、同様に観察標本Pに対して悪影響やダメージを増加させる場合がある。これに対し、補正処理Bは、イメージセンサ12から出力された撮像信号に対してゲインを掛けるため、観察標本Pに照射する照明光を変化させるものではなく、観察標本Pに対して悪影響やダメージを増加させることはない。
【0070】
従って、補正処理Aや補正処理Cは、観察標本Pに照射する照明光を通常から増加させた状態(時間延長や強度増加)で照射するため、観察標本Pに対して悪影響やダメージを増加させる場合があり、撮像におけるライブ観察では不利となる。一方、補正処理Bは、観察標本Pに対して悪影響やダメージが増加しないので、ライブ観察での撮像モードで不利となることはない。
【0071】
光源側のキャリブレーションについて、補正処理Aや補正処理Bは、照明部23からの照明光の強度を変化させるものではないので、光源側のキャリブレーションを行う必要はない。これに対し、補正処理Cは、照射光の強さをt/(t−a)倍するため、精度の高い発光強度の補正ができるように、照明部23の発光強度の校正をしておくことが必須である。なお、この光源側のキャリブレーションは、例えば製品の出荷時に行う場合は、その後、定期的に行う場合もある。
【0072】
従って、補正処理Aや補正処理Bは、光源側のキャリブレーションが不要であり、光源側のキャリブレーションによるコストの増加がなく、ライブ観察など頻繁に使用するモードの場合に不利となることはない。一方、補正処理Cは、光源側のキャリブレーションが必須のため、コストの点で不利となる。
【0073】
以上のような、補正処理A、B、Cの特徴を総合すると、
図6の用途で示すように、補正処理Aは、高品質な静止画の保存を行う用途では有利であり、補正処理Bは、モニタ51に表示されたライブ映像を観察しながら観察標本Pに撮影レンズ19のフォーカス合わせ等を行うライブ観察の用途で有利であり、補正処理Cは、光源側のキャリブレーションが実施された照明部23を用意できる場合、動画を保存する用途に有利である。
【0074】
なお、以上説明した補正処理A、B、Cは、単独で行うことに限定されず、これら補正処理を組み合わせて用いられてもよい。例えば、補正処理Aと補正処理Bまたは補正処理Cとを組み合わせることや、補正処理Bと補正処理Cとを組み合わせること、補正処理A〜Cを組み合わせるものでもよい。この場合、
図10に示す各補正処理A〜Cの特徴は、適宜組み合わされた状態となる。
【0075】
また、明るさ補正部44が備える補正処理としては、上記した補正処理A〜Cに限定するものではなく、同時露光モードにおいて画像の明るさを増加させるものであれば、他の補正処理が用いられてもよい。また、明るさ補正部44は、補正処理として、上記した3つの補正処理A〜Cを実行させることに限定されず、これら3つの補正処理A〜Cのうち、1つまたは2つの補正処理を行うものでもよい。
【0076】
<撮像方法>
図11〜
図13は、実施形態に係る撮像方法の一例について説明するフローチャートである。
図11〜
図13は、同時露光モードにおいて、補正処理A〜Cを切り替えて画像の明るさ補正する撮像プログラムの処理手順を示している。この撮像プログラムは、
図1に示すCPU31が、内臓のハードディスクやCDROM等からメインメモリ33に読み出して実行する。
【0077】
図11に示すように、先ず、この撮像プログラムを終了するか否かの指示が使用者から入力されているか否かを判定する(ステップS01)。使用者から終了指示がある場合(ステップS01:YES)、CPU31は、この撮像プラグラムを終了する。使用者から終了指示がない場合(ステップS01:NO)、CPU31は、使用者によって入力装置45から入力された各種入力(期間t入力指示、用途入力指示)を取り込む(ステップS02)。続いて、CPU31は、使用者から入力された期間tを、先頭画素行の電荷蓄積開始時と、最終画素行の電荷蓄積開始時との時間差aと比較し、t>aであるか否かを判定する(ステップS03)。
【0078】
判定結果がt≦aの場合(ステップS03:NO)、CPU31は、撮影モードを全ライン露光モードに設定する(ステップS04)。続いて、全ライン露光モードに対応する処理(ステップS05)を行った後、ステップS01に戻る。また、判定結果がt>aの場合(ステップS03:YES)、CPU31は、撮影モードを同時露光モードに設定する(ステップS06)。続いて、同時露光モードに対応する処理(ステップS07)を行った後、ステップS01に戻る。
【0079】
図12は、
図11に示すステップS05の全ライン露光モード(
図5参照)に対応する処理について、詳細な処理手順を示すフローチャートである。
図12に示すように、先ず、CPU31は、AF調整部35からの指示により撮影レンズ19を操作して観察標本Pに対するフォーカス調整を行う(ステップS51)。続いて、CPU31は、第1照明制御部42からの指示に基づいて、各画素行における電荷蓄積の期間tを使用者から入力された値に制御する(ステップS52)。
【0080】
続いて、CPU31(ローリングシャッタ駆動部15)は、ステップS52に設定された期間tに基づいてイメージセンサ12を駆動し、イメージセンサ12によって撮像した画像をモニタ51に表示する(ステップS53)。なお、上記したステップS02で使用者から用途が入力されている場合でも、このステップS53において、期間tや照明部23からの照明光の強度を変更しない。
【0081】
続いて、CPU31は、使用者が入力装置45から画像保存指示を行ったか否かを判定する(ステップS54)。画像保存指示がある場合(ステップS54:YES)、CPU31は、撮像した画像を外部記憶装置49に保存(ステップS55)して、
図11のステップS01に戻る。また、保存指示がない場合(ステップS54:NO)も、
図11のステップS01に戻る。なお、ステップS54において、画像保存の指示は入力装置45としてのシャッタボタン等が用いられてもよい。
【0082】
このように、使用者から入力された期間tの値が時間差a以下の場合は、期間tの値が使用者から変更されるごとに、ステップS01からステップS54までの動作が繰り返され、それに応じてフォーカス調整されるとともに、明るさが調整された画像がモニタ51に表示される。
【0083】
図13は、
図11に示すステップS07の同時露光モード(
図4参照)に対応する処理について、詳細な処理手順を示すフローチャートである。使用者が入力した期間tがt>aになると、
図11に示す処理手順ではステップS06及びステップS07と進み、
図13に示す同時露光モードの処理に入る。
図13に示すように、先ず、CPU31は、入力装置45によって使用者から入力された用途が画像保存のための用途であるか否かを判定する(ステップS71)。すなわち、CPU31は、高品質な静止画像を取得し、その撮像画像を外部記憶装置49に保存する用途であるか否かを判定する。
【0084】
画像保存の用途でない場合(ステップS71:NO)、CPU31は、入力された用途が、撮影レンズ19の視野内に観察標本Pを入れることや、観察標本Pのフォーカス位置を調整すること、画像の明るさを調整することなど、期間tを調整する用途であるか否か、すなわち、入力された用途が調整のためのライブ観察であるか否かを判定する(ステップS72)。
【0085】
用途がライブ観察である場合(ステップS72:YES)、CPU31は、明るさ補正処理として補正処理B(
図8参照)を選択する(ステップS73)。続いて、CPU31は、AF調整部35からの指示により撮影レンズ19を操作して観察標本Pに対するフォーカス調整を行う(ステップS74)。続いて、CPU31は、第2照明制御部43の指示に基づいてイメージセンサ12から撮像信号を出力させるとともに、明るさ補正部44のゲイン調整部44bの指示に基づいて、この撮像信号に、使用者が入力した期間tに応じてt/(t−a)のゲイン補正を行う(ステップS75)。
【0086】
続いて、CPU31は、ゲイン補正後の画像をモニタ51に表示して(ステップS76)、
図11のステップS01に戻る。なお、期間tが時間差aより長い場合において、使用者の入力した用途が画像保存でない限り、使用者が期間tを変更するごとに、上記したステップS72からステップS76の動作が繰り返される。
【0087】
また、用途がライブ観察でない場合(ステップS72:NO)、CPU31は、使用者によって用途が入力されていないと判断し、モニタ51に用途の入力を促す警告表示を行い(ステップS77)、
図11のステップS01に戻る。
【0088】
用途が画像保存である場合(ステップS71:YES)、CPU31は、使用者の入力した保存の形態が動画であるか静止画であるかを判定する(ステップS81)。なお、使用者が入力装置45によって画像保存指示を行う場合、静止画及び動画の一方または双方を記録する指示が可能である。保存形態が動画でない場合(ステップS81:NO)、CPU31は、明るさ補正処理として補正処理A(
図7参照)を選択する(ステップS82)。
【0089】
続いて、CPU31は、TG17を制御して期間tをt+aに延長させるとともに、明るさ補正部44の照射時間調整部44aからの指示に基づいて、照明部23の照明時間を同時露光モードにおける通常の照明時間から時間aだけ延長する(ステップS83)。CPU31は、この制御においてイメージセンサ12から画像信号を出力させ、その画像をモニタ51に表示される(ステップS84)。続いて、CPU31は、入力装置45によって使用者が画像保存を入力したか否かを判定する(ステップS85)。なお、ステップS85において、画像保存の指示は入力装置45としてのシャッタボタン等が用いられてもよい。
【0090】
画像保存の入力がある場合(ステップS85:YES)、CPU31は、撮像した静止画(画像)を外部記憶装置49に保存して(ステップS86)、
図11のステップS01に戻る。画像保存の入力がない場合(ステップS85:NO)、同じく
図11のステップS01に戻る。ステップS86において静止画を保存する場合、ステップS72からステップS74のライブ観察において調整した期間t、フォーカス、撮像倍率等がそのまま用いられてもよい。
【0091】
保存形態が動画である場合(ステップS81:YES)、CPU31は、明るさ補正処理として補正処理C(
図9参照)を選択する(ステップS91)。続いて、CPU31は、照明部23を制御して照明光の強度をt/(t−a)倍に設定する(ステップS92)。CPU31は、この制御においてイメージセンサ12から画像信号を出力させて動画を生成するとともに、その動画をモニタ51に表示される(ステップS84)。なお、ステップS84以降は先に説明したとおりである。なお、動画を保存する際の入力装置45として、静止画用のシャッタボタンに代えて録画開始ボタン等が用いられてもよい。
【0092】
また、
図12に示すステップS54や
図13に示すステップS85において、画像保存の入力としてシャッタボタン等を用いる点を説明したが、このシャッタボタンを押して取り込んだ画像を一旦モニタ51に表示させ、使用者がモニタ51を見て確認した後に所定の入力操作を行うことで外部記憶装置49に画像を保存させてもよい。
【0093】
また、
図11〜
図13に示すフローチャートでは、3つの補正処理A〜Cを切り替える手順について説明したが、この手順に限定されるものではない。補正処理A〜Cの切り替え手順の一部または全部を手動で行うものでもよい。また、3つの補正処理が用いられることに限定されず、例えば、補正処理Cに関するステップS81からS92の処理が省略されて、補正処理A及び補正処理Bの2つの補正処理を切り替えるようにしたものでもよい。
【0094】
また、上記した実施形態では、使用者が入力装置45によって期間tを適宜入力する形態を説明したが、期間tを自動で増加または減少させるモードが設けられてもよい。この場合、使用者は、モニタ51を見ながら所望する画像の明るさに近づいたとき、自動増加または自動減少を使用者の指示によりストップさせてもよい。さらに、自動増加等をストップさせた後に、使用者は、期間tを細かく調整できるように入力装置45を操作可能にしてもよい。
【0095】
また、上記した実施形態では、
図6に示すように、先頭画素行の電荷蓄積開始時と最終画素行の電荷蓄積開始時の時間差aを用いて、期間t=aのタイミングで全ライン露光モードと同時露光モードとを切り替えるようにしている。ただし、この切り替えタイミングは、期間t=aに限定されず、t>aの範囲で任意に設定可能である。すなわち、期間tがt≦na(n≧1)の場合に全ライン露光モードを実行し、期間tがt>na(n≧1)の場合に同時露光モードを実行させてもよい。
【0096】
上記した実施形態では、全ライン露光モードや同時露光モードにおいて、ローリングシャッタ駆動による時間差aより短い時間で照明部23の点灯及び消灯を制御する必要が生じる。これはLED光源やレーザ光源を用いることで容易に実現されるが、他の光源を用いる場合は、この応答時間に追従できない可能性がある。このような場合、上記したように、全ライン露光モードと同時露光モードとの切り替えタイミングをt>aとすることにより、同時露光モードにおいて点灯及び消灯の時間が長くなり、点灯及び消灯の追従性を向上させることが可能となる。
【0097】
図14は、全ライン露光モードと同時露光モードとを切り替えるタイミングの他の例を示す図である。
図14に示すように、t=2aのタイミングで全ライン露光モードと同時露光モードとを切り替えるようにしている。この
図14に示す場合は、先頭画素行と最終画素行とで重複する期間が生じている場合でも、期間tが2aとなるまでは全ライン露光モードが維持される。これにより、同時露光モードでは、照明光の最も短い期間がaとなり、aより短い時間で点灯及び消灯を行う必要がない。従って、同時露光モードでの照明部23の追従性を向上させることができる。
【0098】
全ライン露光モードと同時露光モードとを切り替えるタイミングとして、期間t=2aに限定されず、期間t=1.5aや期間t=3aなど、任意に設定可能である。また、入力装置45に、切り替えタイミングt=naのnを使用者が入力できるようにしてもよい。
【0099】
また、本実施形態では、使用者が入力装置45によって用途(撮影モード)を適宜入力しているが、これに限定されない。例えば、撮像装置1の電源を入れた当初や、使用者から用途が入力されない場合は、デフォルトでライブ観察の撮影モードとなるように設定してもよい。また、用途として画像保存指示が入力されている場合でも、例えば、使用者が頻繁に撮像倍率やフォーカス調整を行っている場合や、期間tを変更している場合は、CPU31が、これをライブ観察と判別し、用途を自動的にライブ観察に切り替えるようにしてもよい。
【0100】
このように、本実施形態の撮像装置1または撮像方法によれば、明るさ補正部によってイメージセンサから出力される画像の明るさを増加させるので、例えば、ライブ観察等において、連続的に期間tを変化させながら観察標本Pの画像を取得する場合でも画像の明るさの変化に段差がなく、画像の明るさをシームレスに変化させることができる。これにより、使用者は、画像の明るさ調整等において違和感がなく、明るさの調整を容易に行うことができる。
【0101】
また、明るさ補正部44が、期間tを延長するとともに、照明光の照射時間を延長する照射時間調整部44aを含むので、画像の明るさを増加させながら、高画質の静止画を撮影可能となる。また、明るさ補正部44が、イメージセンサ12の出力信号を増幅するゲイン調整部44bを含むので、観察標本Pへのダメージを軽減しつつ、画像の明るさを増加させることができる。また、明るさ補正部44が、照明光の光量を調整する光量調整部44cを含むので、フレームレートを低下させずに画像の明るさを増加させることができる。
【0102】
また、明るさ補正部44が、異なる補正処理A〜Cを備えるとともに、イメージセンサ12による撮像の用途に応じて補正処理を切り替える切替部を有しているので、用途に応じた適切な補正処理を容易かつ確実に行うことができる。また、撮像の用途として、画像を保存する用途と、観察標本Pを観察する用途と、を含むので、画像の保存と観察標本Pの観察との用途に応じて適切に補正処理を行うことができる。
【0103】
また、第1照明制御部が、期間t≦aの場合に全期間にわたって照明光を照射させ、第2照明制御部が、期間t>aの場合に重複期間だけ照明光を照射させることにより、全ライン露光モードと同時露光モードとを確実に実行させることができる。また、第1照明制御部が、期間t≦2aの場合に全期間にわたって照明光を照射させ、第2照明制御部が、期間t>2aの場合に重複期間だけ照明光を照射させることにより、同時露光モードにおいて照明部の点灯及び消灯を短時間で行うことを回避でき、照明光の追従性を向上させることができる。第1照明制御部と、第2照明制御部と、明るさ補正部とによって制御される照明部を含むので、外部の照明装置等と接続することなく、容易に照明光の制御を行うことができる。
【0104】
また、動く観察標本Pや変化する観察標本Pに対して露出(露光量)を合わせるように、制御装置30が連続的に期間tを変化させるコンティニュアスAEモードで撮像する場合においても、上記した画像の明るさ補正処理を適用してもよい。
【0105】
また、ハイダイナミックレンジ(HDR)撮影を行う場合においても、上記した画像の明るさ補正処理が適用されてもよい。ハイダイナミックレンジ撮影は、異なる期間tで複数枚の観察標本Pの画像を取得し、各画像中の黒潰れや白飛びしていない部分の画像を合成して1枚の画像を作成するものであり、上記したように、期間tに応じて適切な補正処理が行われるようにしてもよい。
【0106】
<顕微鏡装置>
図15は、実施形態に係る顕微鏡装置の一例を示す機能ブロック構成図である。なお、以下の説明において、先に説明した実施形態と同一または同等の構成部分については同一符号を付けて説明を省略または簡略化する。
図15に示す顕微鏡装置MSは、撮像部10aを含む顕微鏡本体60と、制御装置30aと、を有している。すなわち、顕微鏡装置MSは、撮像部10a及び制御装置30aを含む撮像装置を搭載したものである。なお、顕微鏡本体60は、蛍光顕微鏡の構成が採用されるが、これに限定されるものではない。
【0107】
顕微鏡本体60は、XY移動ステージ61と、X軸駆動モータ63と、Y軸駆動モータ65と、透過照明用の通常光源(照明部)67と、コリメータレンズ69と、コンデンサレンズ71と、を備える。XY移動ステージ61は、水平に設置されXY面において移動可能に形成される。XY移動ステージ61の中心部には、上下に貫通する光路孔61aが形成されている。光路孔61aの上部には、被写体(試料)Pを載置したプレート73が固定される。なお、プレート73は、観察対象とする細胞を培地と共に収納した培養容器の場合もあり、その他生体以外の鉱物試料の場合もある。
【0108】
X軸駆動モータ63は、後述する制御装置30aのXY位置調整部55からの指示によりXY移動ステージ61をX方向に移動させる。Y軸駆動モータ65は、同じくXY位置調整部55からの指示により、XY移動ステージ61をY方向に移動させる。なお、不図示のモータ等によってXY移動ステージ61をZ方向に移動させるようにしてもよい。通常光源67は、例えば白色光源が用いられる。通常光源67から出射された照明光は、コリメータレンズ69及びコンデンサレンズ71を介してプレート73上の観察標本Pを照明する。通常光源67による照明光の照明時間や強さは、制御装置30aからの指示により制御される。
【0109】
顕微鏡本体60は、対物光学系80と、撮像部10aと、を備える。これら対物光学系80及び撮像部11は、XY移動ステージ61の下方において、通常光源67からの照明光の光軸AXに沿って直列に配置されている。
【0110】
対物光学系80は、第1対物レンズ81と、焦点調節部83と、励起光光源85と、蛍光フィルタ87と、調光フィルタ89と、第2対物レンズ91と、光路切替器93と、を備える。なお、第1対物レンズ81及び焦点調節部83は、
図1に示す撮像部10の撮影レンズ19及びレンズ駆動部21に相当する。第1対物レンズ81は、観察標本Pの像を取り込むものであり、鏡筒内に複数のレンズを有している。第1対物レンズ81の鏡筒内には、観察標本Pの撮像倍率を調整するズームレンズと、観察標本Pに対して焦点を合わせるフォーカスレンズとを含む複数のレンズ群が配置される。
【0111】
焦点調節部83は、第1対物レンズ81の鏡筒内でズームレンズやフォーカスレンズのレンズ位置を移動させる不図示のモータ等を有している。焦点調節部83は、制御装置30aのAF調整部35からの指示に応じて光軸方向にフォーカスレンズの1つまたは複数を移動させる。これにより、第1対物レンズ81の焦点が観察標本Pに合わせられる。従って、通常光源67から出射した照明光によって観察標本Pが照明され、その観察標本Pの像を第1対物レンズ81が取り込むようにしている。
【0112】
励起光光源(照明部)85は、観察標本Pに付与された試薬等によって蛍光を励起させるため、所定の波長に設定された励起光を出射する。励起光の照射時間や励起光の強さは、制御装置30aからの指示により制御される。励起光光源85から出射された励起光は、調光フィルタ89を介して蛍光フィルタ87に入射する。蛍光フィルタ87に入射した励起光は、波長選択ミラー87aによって反射され、第1対物レンズ81を介して観察標本Pに照射される。
【0113】
なお、励起光によって観察標本Pにおいて励起された蛍光は、第1対物レンズ81を介して蛍光フィルタ87に入射する。蛍光フィルタ87に入射した蛍光は、波長選択ミラー87aを透過し、第2対物レンズ91を介して撮像部10aに入射し、イメージセンサ12の受光面で結像する。また、上記した通常光源67により得られた観察標本Pの像も、第1対物レンズ81を介して波長選択ミラー87aを透過し、第2対物レンズ91を介して撮像部10aに入射し、イメージセンサ12の受光面で結像する。
【0114】
光路切替器93は、第2対物レンズ91と撮像部10aとの間に配置される。光路切替器93は、光軸AXに対して45度の傾斜を持つ全反射ミラー93aが設けられている。光路切替部93は、全反射ミラー93aを光軸AXに対して挿入または退避させるためのモータ95を有している。全反射ミラー93aが光軸AXに挿入されると、第2対物レンズ91を通ってきた光は、全反射ミラー93aにより反射され、不図示の接眼レンズの方向に出射される。
【0115】
また、全反射ミラー95aが光軸AX位置から退避すると、第2対物レンズ91を通ってきた光は、撮像部10aに入射する。なお、モータ95は、後述する制御装置30aの光路切替出力部57からの指示により光路切替器93を駆動し、光軸AXに対して全反射ミラー93aの挿入または退避を行う。
【0116】
撮像部10aは、全反射ミラー93aが退避している場合、第2対物レンズ91を通ってきた光を取り込んでイメージセンサ12により撮像する。撮像部10aから出力された画像信号は、制御装置30aの画像入力部39により取り込む点は、
図1に示す撮像装置1と同様である。なお、撮像部10aは、
図1に示す撮像部10と撮影レンズ19及びレンズ駆動部21を除いて同様であり、説明を省略する。
【0117】
制御装置30aは、
図1に示す制御装置30の構成に加え、XY位置調整部55と、光路切替出力部57とを有している。これらXY位置調整部55及び光路切替出力部57は、双方ともバス47に接続されている。なお、XY位置調整部55及び光路切替出力部57以外は、
図1に示す制御装置30と同様であり、説明を省略する。
【0118】
XY位置調整部55は、使用者からの指示入力に基づいた制御信号をX軸駆動モータ63やY軸駆動モータ65に出力し、試料73のうち使用者が見たい観察対象箇所が光軸AX上に来るようにXY移動ステージ61を移動させる。また、使用者が入力装置45によって、
図1に示すような、期間t入力指示、用途入力指示、画像保存指示に加えて、光路切替指示、XY入力指示や、光源切替指示(不図示)を入力する。
【0119】
光路切替指示は、光路切替器93の全反射ミラー93aを光軸AXに挿入または退避の選択を行う。XY入力指示は、XY移動ステージ61のX方向の位置及びY方向の位置を指示する。光源切替指示は、通常光源67と励起光光源85とのいずれによって観察標本Pを照明するかの選択を行う。なお、XY入力指示において、例えば、X方向の位置及びY方向の位置をキーボード(入力装置45)の左右及び上下のカーソルキーに割り当てるようにしてもよい。
【0120】
XY移動ステージ61は、X方向の位置及びY方向の位置を検出する不図示のエンコーダを有している。このエンコーダからの検出信号は制御装置30aに取り込まれ、XY移動ステージ61のX及びY方向の位置が精度良くフィードバック制御される。また、エンコーダから出力されるX及びY方向の位置(座標値)は、モニタ51の一部に表示させてもよい。
【0121】
光路切替出力部57は、入力装置45によって使用者から入力された指示に基づいて、光路切替モータ95に駆動指令を出力し、光軸AXに対して全反射ミラー93aの挿入または退避を行う。
【0122】
この顕微鏡装置MSは、先に説明した撮像装置1と同様、制御装置30aが補正部41内に第1照明制御部42、第2照明制御部43、及び明るさ補正部44を有している。従って、通常光源67または励起光光源85のいずれが用いられる場合でも、
図3〜
図14を用いた上記内容は、この顕微鏡装置MSにおいてもそのまま適用される。以下では、顕微鏡装置MSにおいて、上記した撮像装置1と同様の内容は省略または簡略して説明する。
【0123】
図11〜
図13に示すフローチャートも顕微鏡装置MSに適用される。従って、使用者は、撮像に際して、入力装置45から用途としてライブ観察を入力することにより、モニタ51を見ながら、XY移動ステージ61を移動させて観察標本P中の観察対象位置を探すとともに、撮像倍率やフォーカス調整等を行う。なお、制御装置30aのAF調整部35は、対物光学系80の焦点調節部83を制御して、第1対物レンズ81による観察標本Pの倍率やフォーカス合わせを行う。
【0124】
このライブ観察において、補正処理B(
図8参照)が適用される点は、上記のとおりである。さらに、使用者は、モニタ51を見ながら、期間tを調整することで、画像の明るさが最適となるように調整を行う。
【0125】
また、ライブ観察の際、補正処理Bによって画像の明るさを増加させているので、観察標本Pが生体等であっても、明るさ増加による観察標本Pへのダメージを増加させない点は上述のとおりである。なお、使用者は、観察標本Pの照明光として、入力装置45に光源の選択を入力することにより、通常光源67または励起光光源85のいずれかを選択する。いずれの光源であっても、ライブ観察や画像保存等の用途の入力は可能である。また、使用者は、入力装置45に光路選択を入力することにより、モニタ51への表示ではなく、接眼レンズで直接観察標本Pの像を確認することができる。
【0126】
使用者は、入力装置45に画像保存指示を入力することにより、ライブ観察によって設定した状態で観察標本Pの画像を外部記憶装置49等に保存する。なお、静止画を撮像する場合は、上記した補正処理A(
図7参照)によって画像の明るさ補正処理が行われ、動画を撮像する場合は、上記した補正処理C(
図9参照)によって画像の明るさ補正が行われる点は、上記のとおりである。
【0127】
このように、本実施形態の顕微鏡装置MSによれば、上記した撮像装置1と同様に、明るさ補正部によってイメージセンサから出力される画像の明るさを増加させるので、例えば、ライブ観察等において画像の明るさをシームレスに変化させることができ、画像の明るさ調整を容易に行うことができる。また、用途に応じて適切な補正処理を行うので、観察標本Pが生体等であっても観察標本Pへのダメージを軽減しつつ、高精度な画像を取得できる。
【0128】
以上、本発明について実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は、上記した実施形態の内容に限定されない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施形態に、変更または改良を加えることが可能である。また、上記の実施形態で説明した要件の1つ以上は、省略されることがある。そのような変更または改良、省略した形態も本発明の技術的範囲に含まれる。また、上記した実施形態の構成を適宜組み合わせて適用することも可能である。
【0129】
また、撮像装置1や顕微鏡装置MSの一部の構成をコンピュータにより実現してもよい。例えば、制御装置30、30aをコンピュータにより実現してもよい。この場合、コンピュータは、記憶部に記憶された撮像プログラムに従って、イメージセンサ12の先頭画素行の電荷蓄積開始時と最終画素行の電荷蓄積開始時との時間差aに対して期間tがt≦na(n≧1)の場合、先頭画素行の電荷蓄積開始時から最終画素行の電荷蓄積終了時までの全期間にわたって照明部から照明光を照射させる第1照明処理と、期間tがt>na(n≧1)の場合、先頭画素行の電荷蓄積期間と最終画素行の電荷蓄積期間とが重複する重複期間だけ照明部から照明光を照射させる第2照明処理と、第2照明処理の際、イメージセンサ12から出力される画像の明るさを増加させる明るさ補正処理と、を実行する。
【0130】
また、この撮像プログラムは、光ディスクやCD−ROM、USBメモリ、SDカード等の、コンピュータで読み取り可能な記憶媒体に格納されて提供されてもよい。