(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
被測定物の測定領域へライン状のパターンを投影するか又はパターンを少なくとも一方向に走査しながら投影する照射部と、前記照射部による前記パターンの投影方向とは異なる方向から前記被測定物に投影されたパターンの像を撮像し、画像データを出力する撮像部とを含むプローブと、
前記撮像部による撮像範囲内で、前記パターンの像の位置を検出する測定範囲を設定する測定範囲設定部と、
前記撮像部による撮像範囲内で、撮影された像の明るさを検出する調光領域を設定する調光領域設定部と、
前記調光領域で検出された撮影された像の明るさに応じて、前記照射部からの投光量、前記撮像部で受光する受光量、前記撮像部で前記画像データを取得するときの露光量または前記撮像部の入出力特性を制御する調光制御部と、
前記撮像部による撮像範囲内における前記測定範囲の位置情報に基づき、前記撮像部による撮像範囲内で、前記調光領域を設定可能にする調光領域設定可能範囲を設定する調光領域設定可能範囲設定部と、を有する形状測定装置。
前記調光領域設定可能範囲設定部は、前記測定範囲の境界の少なくとも一箇所に接するように前記調光領域設定可能範囲の境界を設定する請求項1または2に記載の形状測定装置。
前記調光領域設定可能範囲設定部は、前記ライン状のパターンの像の長手方向と前記長手方向に対して直交する方向とが辺となる矩形の範囲を前記調光領域設定可能範囲に設定する請求項6に記載の形状測定装置。
前記調光領域設定部は、前記調光領域が設定されていない場合または前記調光領域設定可能範囲よりも広い範囲を前記調光領域とする設定の場合、前記調光領域設定可能範囲と同じ範囲を前記調光領域に設定する請求項5に記載の形状測定装置。
前記画像データの前記測定範囲内に位置する前記パターンの像の位置に基づいて、前記被測定物の形状を測定する測定部をさらに有する請求項1から10のいずれか一項に記載の形状測定装置。
被測定物の測定領域へライン状のパターンを投影するか又はパターンを少なくとも一方向に走査しながら投影し、前記パターンの投影方向とは異なる方向から前記被測定物に投影されたパターンの像を撮像して画像データを取得し、前記画像データの前記測定領域の前記パターンの像の位置に基づいて、前記被測定物の形状を測定する形状測定方法であって、
前記パターンの像を撮像する撮像範囲内で、前記パターンの像の位置を検出する測定範囲を設定することと、
前記パターンの像を撮像する撮像範囲内における前記測定範囲の位置情報に基づき、前記画像データを形成する範囲内で、調光領域設定可能範囲を設定することと、
前記調光領域設定可能範囲に基づき、撮影された像の明るさを検出する調光領域を設定することと、
前記調光領域で検出された撮影された像の明るさに応じて、前記測定領域を投影する光の投光量、前記画像データを取得する際の受光する受光量、前記撮像部で前記画像データを取得するときの露光量または前記画像データを取得する際の入出力特性を制御することと、を有する形状測定方法。
被測定物の測定領域へライン状のパターンを投影するか又はパターンを少なくとも一方向に走査しながら投影し、前記パターンの投影方向とは異なる方向から前記被測定物に投影されたパターンの像を撮像して画像データを取得し、前記画像データの前記測定領域の前記パターンの像の位置に基づいて、前記被測定物の形状を測定する形状測定プログラムであって、
コンピュータに、
前記パターンの像を撮像する撮像範囲内で、前記パターンの像の位置を検出する測定範囲を設定することと、
前記パターンの像を撮像する撮像範囲内における前記測定範囲の位置情報に基づき、前記パターンの像を撮像する撮像範囲内で、調光領域設定可能範囲を設定することと、
前記調光領域設定可能範囲に基づき、撮影された像の明るさを検出する調光領域を設定することと、
前記調光領域で検出された撮影された像の明るさに応じて、前記測定領域を投影する光の投光量、前記画像データを取得する際の受光する受光量、前記撮像部で前記画像データを取得するときの露光量または前記画像データを取得する際の入出力特性を制御することと、を実行させる形状測定プログラム。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、下記の発明を実施するための形態(以下、実施形態という)により本発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、下記実施形態で開示した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。
【0015】
以下の説明においては、XYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部の位置関係について説明する。Z軸方向は、例えば鉛直方向に設定され、X軸方向及びY軸方向は、例えば、水平方向に平行で互いに直交する方向に設定される。また、X軸、Y軸、及びZ軸まわりの回転(傾斜)方向をそれぞれ、θX、θY、及びθZ軸方向とする。
【0016】
(本実施形態)
図1は、本実施形態に係る形状測定装置1の外観を示す図である。
図2は、本実施形態の形状測定装置の概略構成を示す模式図である。
図3は、本実施形態の形状測定装置の制御装置の概略構成を示すブロック図である。
【0017】
形状測定装置1は、例えば光切断法を利用して、測定対象の物体(被測定物)Mの三次元的な形状を測定するものである。形状測定装置1は、プローブ移動装置2と、光学プローブ3と、制御装置4と、表示装置5と、入力装置6と、保持回転装置7と、を備える。形状測定装置1は、ベースBに設けられた保持回転装置7に保持されている被測定物Mを光学プローブ3が撮像するものである。また、本実施形態では、プローブ移動装置2と保持回転装置7とが、プローブと被測定物Mとを相対的に移動させる移動機構となる。
【0018】
プローブ移動装置2は、光学プローブ3による撮像範囲(視野)が被測定物Mの測定対象領域に来るように光学プローブ3の三次元空間上で位置と後述する光学プローブ3から投影されるパターンの投影方向及び被測定物Mの測定対象領域に投影されたパターンの向きを位置決めし、かつ光学プローブ3の撮像範囲を被測定物M上で走査するように、被測定物Mに対して光学プローブ3を移動させるためのものである。このプローブ移動装置2は、
図2に示すように、駆動部10、位置検出部11を備えている。駆動部10は、X移動部50X、Y移動部50Y、Z移動部50Z、第1回転部53、及び第2回転部54を備えている。
【0019】
X移動部50Xは、ベースBに対して矢印62の方向、つまりX軸方向に移動自在に設けられている。Y移動部50Yは、X移動部50Xに対して矢印63の方向、つまりY軸方向に移動自在に設けられている。Y移動部50Yには、Z軸方向に延在する保持体52が設けられている。Z移動部50Zは、保持体52に対して、矢印64の方向、つまりZ軸方向に移動自在に設けられている。これらX移動部50X、Y移動部50Y、Z移動部50Zは、第1回転部53、第2回転部54とともに光学プローブ3をX軸方向、Y軸方向及びZ軸方向に移動可能にする移動機構を構成している。
【0020】
第1回転部53は、後述する保持部材(保持部)55に支持される光学プローブ3をX軸と平行な回転軸線(回転軸)53a回り、つまり矢印65の方向に回転して光学プローブ3の姿勢を変えるものであり、特に光学プローブ3から投影されるパターンの被測定物Mへの投影方向が変えられる。第2回転部54は、保持部材55に支持される光学プローブ3を後述する第1保持部55Aが延在する方向と平行な軸線回り、つまり矢印66の方向に回転して光学プローブ3の姿勢を変えるものであり、特に光学プローブ3から投影されるパターンの向きを変えることができる。形状測定装置1は、光学プローブ3と光学プローブ3を保持している保持部材55との相対位置の補正に用いる基準球73aまたは基準球73bを有する。
【0021】
これら、X移動部50X、Y移動部50Y、Z移動部50Z、第1回転部53、第2回転部54の駆動は、エンコーダ装置等によって構成される位置検出部11の検出結果に基づいて、制御装置4により制御される。
【0022】
光学プローブ3は、光源装置8及び撮像装置9を備えており、保持部材55に支持されている。保持部材55は、回転軸線53aと直交する方向に延び、第1回転部53に支持される第1保持部(第1部分、第1部材)55Aと、第1保持部55Aの被測定物Mに対して遠い側の端部に設けられ回転軸線53aと平行に延びる第2保持部(第2部分、第2部材)55Bとが直交する略L字状に形成されており、第2保持部55Bの+X側の端部に光学プローブ3が支持されている。第1回転部53の回転軸線53aの位置は、光学プローブ3よりも、被測定物Mに近い側に配置されている。また、第1保持部55Aの被測定物Mに対して近い側の端部には、カウンターバランス55cが設けられている。したがって、第1回転部53に駆動力が発生しないときには、
図1で図示されているように第1保持部55Aの延出方向がZ軸方向に沿うような姿勢となる。
【0023】
保持回転装置7は、
図1および
図2に示すように、被測定物Mを保持するテーブル71と、テーブル71をθZ軸方向、つまり矢印68の方向に回転させる回転駆動部72と、テーブル71の回転方向の位置を検出する位置検出部73と、を有する。位置検出部73は、テーブル71または回転駆動部72の回転軸の回転を検出するエンコーダ装置である。保持回転装置7は、位置検出部73で検出した結果に基づいて、回転駆動部72によってテーブル71を回転させる。保持回転装置7は、テーブル71を回転させることで、回転軸中心AXを中心として被測定物Mを矢印68の方向に回転させる。
【0024】
ところで、光学プローブ3の光源装置(照射部)8は、制御装置4によって制御され、保持回転装置7に保持された被測定物Mの測定領域にライン状の測定光を照射するものであり、光源12、照明光学系13を備える。本実施形態の光源12は、例えば、レーザーダイオードを含む。なお、光源12は、レーザーダイオード以外の発光ダイオード(LED)等の固体光源を含んでいてもよい。また、本実施形態の光源12は制御装置4により投光量が制御されている。特に、制御装置4にある調光制御部36で制御している。
【0025】
照明光学系13は、光源12から発せられた光の空間的な光強度分布を調整する。本実施形態の照明光学系13は、例えば、シリンドリカルレンズを含む。照明光学系13は、1つの光学素子であってもよいし、複数の光学素子を含んでいてもよい。光源12から発せられた光は、シリンドリカルレンズが正のパワーを有する方向にスポットが広げられて、光源装置8から被測定物Mに向く第1方向に沿って出射する。
図2に示したように、光源装置8から出射し、被測定物Mに投影した場合、光源装置8からの出射方向に対して直交する面を有する被測定物Mに投影されたときには、回転軸線53aと平行な方向を長手方向とし、回転軸線53aに平行なライン状のパターンになる。また、このライン状のパターンは、被測定物M上では長手方向に所定の長さを持つ。
【0026】
なお、このライン状のパターンの長手方向は、先に説明した第2回転部54により方向を変えられる。被測定物Mの面の広がり方向に応じて、ライン状のパターンの長手方向を変えることで、効率的に測定することができる。
【0027】
なお、照明光学系13は、CGH等の回折光学素子を含み、光源12から発せられた照明光束Lの空間的な光強度分布を回折光学素子によって調整してもよい。また、本実施形態において、空間的な光強度分布が調整された投影光をパターン光ということがある。照明光束Lは、パターン光の一例である。ところで、本明細書ではパターンの向きと称しているときは、このライン状のパターンの長手方向の方向を示している。
【0028】
撮像装置(撮像部)9は、撮像素子20、結像光学系21、ダイヤフラム23、及びダイヤフラム駆動部24を備える。光源装置8から被測定物Mに照射された照明光束Lは、被測定物Mの表面で反射散乱して、その少なくとも一部が結像光学系21へ入射する。結像光学系21は、光源装置8によって被測定物Mの表面に投影されたライン状のパターンの像を被測定物Mの像と一緒に結像光学系21により撮像素子20に結ぶ。撮像素子20は、この結像光学系21が形成する像を撮像する。画像処理部25は、撮像素子20で受光した受光信号から画像データを生成する。ダイヤフラム23は大きさを可変可能にする開口を有し、開口の大きさを変えることで結像光学系21を通過する光量を制御することができる。ダイヤフラム23の開口の大きさは、ダイヤフラム駆動部24により調整可能である。このダイヤフラム駆動部24は制御装置4に制御されている。特に、制御装置4にある調光制御部36で制御している。
【0029】
結像光学系21は、光源装置8からのライン光としての照明光束Lの射出方向と照明光束Lのスポットの形状の長手方向とを含む面上の物体面21aと撮像素子20の受光面20a(像面)とが共役な関係になっている。なお、光源装置8からの照明光束Lの射出方向と照明光束Lのスポットの形状の長手方向とを含む面は、照明光束Lの伝播方向にほぼ平行である。照明光束Lの伝播方向に沿って、撮像素子20の受光面20aと共役な面を形成するようにすることで、被測定物Mの表面がどの位置にあっても、合焦した像が得られる。
【0030】
制御装置4は、形状測定装置1の各部を制御するとともに、光学プローブ3による撮像結果とプローブ移動装置2及び保持回転装置7の位置情報に基づく演算処理を行って被測定物Mの形状情報を取得する。本実施形態における形状情報は、測定対象の被測定物Mの少なくとも一部に関する形状、寸法、凹凸分布、表面粗さ、及び測定対象面上の点の位置(座標)、の少なくとも1つを示す情報を含む。制御装置4には、表示装置5、及び入力装置6が接続される。制御装置4は、
図3に示すように、制御部32と、記憶部46と、を有する。
【0031】
制御部32は、被測定物Mを測定するためのプログラムを生成し、生成したプログラムに基づいて、各部による被測定物Mの形状測定動作を制御する。制御部32は、測定範囲設定部33と、調光領域設定部34と、調光領域設定可能範囲設定部35と、調光制御部36と、測定部37と、動作制御部38と、を有する。
【0032】
測定範囲設定部33は、記憶部46に記憶されているデータや、入力装置6で受け付けた入力に基づいて、測定範囲を決定する。測定範囲とは、画像処理部39で撮像された被測定物Mの像の中からパターンの像の位置を検出する範囲である。
【0033】
調光領域設定部34は、調光領域設定可能範囲設定部35で設定された調光領域設定可能範囲に基づいて、調光領域を設定する。調光領域は、撮像素子20による撮像範囲内で、撮影された像の明るさを検出する領域である。画像データからパターンの位置を検出する場合、撮像素子20により撮像された画像データのうち、ライン状のパターンの像の幅方向(スポット光の走査であれば、走査方向とは直交方向)に配列する画素列の中から、最も明るい画素値を画素列毎に検出する。その際、画像データの画素列の一端から他端までをくまなく探索するのではなく、調光領域として設定された範囲内だけで、画素列毎に最も明るい画素値を探索する。調光領域設定部34は、調光領域設定可能範囲に加え、記憶部46に記憶されているデータや、入力装置6で受け付けた入力に基づいて、調光領域を設定することもできる。
【0034】
調光領域設定可能範囲設定部35は、測定範囲の位置情報に基づいて、調光領域設定可能範囲を設定する。調光領域設定可能範囲は、撮像部による撮像範囲内において、測定範囲の位置情報に基づいて設定される範囲であり、調光領域を設定可能とする範囲である。調光領域設定可能範囲設定部35は、測定範囲に加え、記憶部46に記憶されているデータや、入力装置6で受け付けた入力に基づいて、調光領域設定可能範囲を設定することもできる。
【0035】
調光制御部36は、調光領域内で検出された画素列毎に最も明るい画素の画素値を取得し、取得された画素値の大きさに応じて、光源12に対して投光量を制御するための信号、ダイヤフラム駆動部24を制御するための信号、または撮像素子20による撮像時の露出時間を制御するための信号等を出力する。露出時間の制御については、1枚の画像データを取得するときの露出時間で制御したり、撮像素子20に組み込まれている不図示のメカニカルシャッターにより撮像面が露出する時間を制御するようにしても良い。したがって、調光制御部36は取得された画素値の大きさに応じて、照射部の投光量、撮像部で受光する受光量、撮像部で画像データを取得するときの露光量または撮像部の入出力特性(感度又は撮像素子の各ピクセルで検出した信号に対する増幅率など)、つまり光学プローブ3によって画像データを取得する際の各種条件(調光条件)を制御する。
【0036】
測定部37は、画像データの測定範囲内に位置する光源装置8により投影されたパターンの像の位置に基づいて、被測定物の形状を測定する。測定部37は、調光制御部36で制御された条件に基づいて、プローブ移動装置2及び保持回転装置7によって、光学プローブ3と被測定物を相対的に移動させ、パターン像が投影される位置を移動させつつ、パターン像が投影された撮影領域の画像を撮像装置9で撮像する。また、撮像装置9で撮像したタイミングで位置検出部11からのプローブ移動装置2及び保持回転装置7の位置情報を取得する。測定部37は、撮像装置9で撮像したタイミングで取得した位置検出部11からのプローブ移動装置2及び保持回転装置7の位置情報と、撮像装置9で取得した測定範囲のパターンの像の画像に関連した撮影信号とに基づいて、被測定物Mのパターンが投影された位置を算出し、被測定物Mの形状データを出力する。本形状測定装置1は、例えば、撮像装置9の撮影タイミングを一定間隔にし、入力装置6から入力する測定点間隔情報を基に、プローブ移動装置2及び保持回転装置7の移動速度を制御している。
【0037】
動作制御部38は、プローブ移動装置2、光学プローブ3及び保持回転装置7を含む、形状測定装置1の各部の動作を制御する。この動作制御部38は、制御部32で作成された動作制御情報を基に、プローブ移動装置2、光学プローブ3及び保持回転装置7の動作制御を実施する。また、制御部32は、光学プローブ3による画像取得動作制御する。
【0038】
記憶部46は、ハードディスク、メモリ等、各種プログラム、データを記憶する記憶装置である。記憶部46は、条件テーブル46Aと、形状測定プログラム46Bと、を有する。なお、記憶部46は、これらのプログラム、データ以外にも形状測定装置1の動作の制御に用いる各種プログラム、データを記憶している。条件テーブル46Aは、制御部32で設定された条件や、予め入力された各種条件を記憶する。形状測定プログラム46Bは、制御装置4の各部の処理を実行させるプログラムを記憶している。つまり、制御装置4は、形状測定プログラム46Bに記憶されているプログラムを実行することで、上述した各部の動作を実現する。形状測定プログラム46Bは、上述した制御部32で生成する被測定物Mを測定するためのプログラムと、制御部32が当該プログラムを生成するためのプログラムの両方を含む。なお、形状測定プログラム46Bは、予め記憶部46に記憶させてもよいがこれに限定されない。形状測定プログラム46Bが記憶された記憶媒体から読み取って記憶部46に記憶してもよいし、通信により外部から取得してもよい。
【0039】
制御装置4は、プローブ移動装置2の駆動部10及び保持回転装置7の回転駆動部72を制御して、光学プローブ3と被測定物Mの相対位置が所定の位置関係となるようにしている。また、制御装置4は、光学プローブ3の調光等を制御して、被測定物M上の投影されたライン状のパターンを最適な光量で撮像させる。制御装置4は、光学プローブ3の位置情報をプローブ移動装置2の位置検出部11から取得し、測定領域を撮像した画像を示すデータ(撮像画像データ)を光学プローブ3から取得する。そして、制御装置4は、光学プローブ3の位置に応じた撮像画像データから得られる被測定物Mの表面の位置と光学プローブ3の位置及びライン光の投影方向と撮像装置の撮影方向とを対応付けることによって、測定対象の三次元的な形状に関する形状情報を演算して取得する。
【0040】
表示装置5は、例えば液晶表示装置、有機エレクトロルミネッセンス表示装置等によって構成される。表示装置5は、形状測定装置1の測定に関する測定情報を表示する。測定情報は、例えば、撮像素子20で撮影された画像データや、撮像素子20の撮影領域内に設定された測定領域の位置を示す情報、調光領域の位置を示す情報、調光領域設定可能範囲の位置を示す情報を表示することができる。これら測定領域、調光領域及び調光領域設定可能範囲の位置情報は撮像素子20で撮影された画像データ上に重畳して表示する。また、他にも測定に関する設定を示す設定情報、測定の経過を示す経過情報、測定の結果を示す形状情報等を含む。本実施形態の表示装置5は、測定情報を示す画像データを制御装置4から供給され、この画像データに従って測定情報を示す画像を表示する。
【0041】
入力装置6は、例えばキーボード、マウス、ジョイスティック、トラックボール、タッチバッド等の各種入力デバイスによって構成される。入力装置6は、制御装置4への各種情報の入力を受けつける。各種情報は、例えば、形状測定装置1に測定を開始させる指令(コマンド)を示す指令情報、形状測定装置1による測定に関する設定情報、形状測定装置1の少なくとも一部をマニュアルで操作するための操作情報等を含む。
【0042】
本実施形態の形状測定装置1は、制御装置4が制御部32と、記憶部46とを備え、制御装置4に表示装置5、及び入力装置6が接続されている。形状測定装置1は、制御装置4、表示装置5、及び入力装置6が、例えば、形状測定装置1に接続されるコンピュータでも構わないし、形状測定装置1が設置される建物が備えるホストコンピュータなどでも構わないし、形状測定装置1が設置される建物に限られず、形状測定装置1とは離れた位置にあり、コンピュータでインターネットなどの通信手段を用いて、形状測定装置1と接続されても構わない。また、形状測定装置1は、制御装置4と、表示装置5及び入力装置6とが、別々の場所に保持されても構わない。例えば、入力装置6と表示装置5とを備えるコンピュータとは別に、例えば光学プローブ3の内部に形状測定装置1が支持されていても構わない。この場合には、形状測定装置1で取得した情報を、通信手段を用いて、コンピュータに接続される。
【0043】
次に、
図4から
図10Cを用いて、上記構成の形状測定装置1により、被測定物の形状を測定する動作の例について説明する。
図4は、本実施形態の形状測定装置の測定動作を説明するための説明図である。
図5は、本実施形態の形状測定装置に表示する画面の一例を説明するための説明図である。
図6は、本実施形態の形状測定装置の測定動作を説明するための説明図である。
図7は、本実施形態の形状測定装置の測定動作の一例を示すフローチャートである。
図8は、本実施形態の形状測定装置の調光範囲の設定動作の一例を示すフローチャートである。
図9A及び
図9Bは、それぞれ本実施形態の形状測定装置の測定動作を説明するための説明図である。
図10Aから
図10Cは、それぞれ本実施形態の形状測定装置の測定動作を説明するための説明図である。
【0044】
以下では、
図4に示すように、形状測定装置1が円周方向に繰り返し形状が形成された被測定物Maの形状を測定する場合として説明する。形状測定装置1は、照明光束Lを被測定物Maの繰り返し形状の1つの単位である歯に照射し、被測定物Ma上に投影されたパターンの画像を取得することで、被測定物Maの形状を測定する。本実施形態の形状測定装置1は、歯筋の方向に沿って、照明光束Lを移動させつつ、被測定物Ma上に投影されたパターンの画像を取得することで、1つの歯の形状を測定することができる。形状測定装置1は、被測定物Maの歯の形状を順番に測定することで、被測定物Maの形状を測定することができる。被測定物Maは、設計上は略同一形状となる歯が円周方向に所定の間隔で形成された、かさ歯車である。本実施形態の形状測定装置1は、被測定物Maをかさ歯車としたが、種々の形状の物体を被測定物として形状を測定することができる。もちろん、被測定物Maを歯車とした場合、歯車の種類は特に限定されない。形状測定装置1は、かさ歯車以外に、平歯車、はすば歯車、やまば歯車、ウォームギア、ピニオン、ハイポイドギアなども測定対象となり、被測定物Maとなる。なお、形状測定装置1は、1つの歯の形状の測定や、被測定物Maの全体の形状を測定することに限定されず、被測定物Maの任意の1点の形状を測定することもできる。
【0045】
形状測定装置1は、稼動時に
図5に示す画面100を表示させる。画面100は、被測定物Maの形状を測定するための条件を設定するモード、例えばティーチングモードで表示される。画面100は、画像ウインドウ102と、ウインドウ104、106を含む。
【0046】
画像ウインドウ102は、
図6に示すように、撮像装置9で撮影し、取得した画像を表示している。画像ウインドウ102に表示されている画像は、撮像装置9による撮像範囲内の全域の画像である。画像ウインドウ102に表示される画像には、被測定物Maの外形140と、外形140に照明光束Lを投影することで形成されるパターン142a、142b、142cと、外形140に照明光束Lを投影した際に、照明光束Lが多重反射したり、乱反射したりすることで、生じる輝線144が含まれる。
【0047】
また、画像ウインドウ102には、画像に重ねて、測定範囲150a、150bと、調光領域設定可能範囲152と、調光領域154と、が表示されている。測定範囲150a、150bは、測定範囲設定部33で設定される領域である。調光領域設定可能範囲152は、調光領域設定可能範囲設定部35で設定される領域である。調光領域154は、調光領域設定部34で設定される領域である。
図6に示す調光領域設定可能範囲152は、測定範囲150a、150bの全てを含み、測定範囲150a、150bに外接する矩形形状の範囲である。また、調光領域設定可能範囲152は、照明光束Lを平坦でかつ水平な面を持つ被測定物Maに投影したときに形成されるライン状のパターンの像に対して、その像の長手方向と長手方向に対して直交する方向とが辺となる矩形の範囲である。調光領域154は、調光領域設定可能範囲152に含まれる範囲である。なお、測定範囲150a、150bと、調光領域設定可能範囲152と、調光領域154の設定方法の動作については後述する。
【0048】
ウインドウ104は、測定条件欄112と、ボタン114と、を有する。測定条件欄112は、光切断法を用いて形状を取得する際の取得方法、照明光束Lの走査速度、画像データを取得する間隔である距離ピッチ、測定する距離、光学プローブ3と被測定物Maとの各方向における相対値移動距離等の情報が表示される。制御装置32は、各種条件が更新されると測定条件欄112に表示される情報を更新する。ボタン114は、後述するプレスキャン処理またはスキャン処理(測定処理)が開始される際に操作されるボタンである。制御部32は、入力装置6への入力でボタン114が操作されたことを検出した場合、プレスキャン処理またはスキャン処理(測定処理)を実行する。
【0049】
ウインドウ106は、表示されている画像データに関する各種プロファイルの表示を行うかどうかを選択するためのチェックボックス120と、調光領域選択点122、測定範囲選択点124と、範囲欄126と、ボタン128、130と、を有する。チェックボックス120は、画像の光量のプロファイルや、ヒストグラムを表示させるか否かを選択するためのボックスである。ヒストグラムは、ライン上のパターンの幅方向におけるピーク値を撮像素子の列毎に抽出して作成した列毎の最大輝度値の分布である。制御部32は、チェックボックス120にチェックが入力されている場合、画像ウインドウ102に重ねて画像の光量分布や、最大輝度値分布のヒストグラムを表示させる。また、調光領域選択点122にチェックが入った場合、調光領域の範囲の対角線上の座標位置を範囲欄126に表示させる。測定範囲選択点124にチェックが入った場合は、測定範囲つまり撮像装置で画像を取得した測定領域を矩形で設定できるようになっている。測定領域の範囲は、測定領域の対角線上の座標位置を範囲欄126に表示させる。ボタン128は、自動調光処理が開始される際に操作されるボタンである。ボタン130は、調光領域選択点122と測定範囲選択点124のうち、選択されている側の範囲、領域の設定を行う場合に操作されるボタンである。
【0050】
以下、
図7を用いて、形状測定装置1の処理動作の一例を説明する。形状測定装置1の制御部32は、例えば、ティーチングモードが選択された場合に、
図5に示す画面100を表示し
図7に示す処理を実行する。また、後述する他の処理も記憶部に記憶されているプログラムに基づいて制御部32の各部で処理を実行することで、実現される。
【0051】
制御部32は、ティーチングモードが選択されると、測定範囲、調光領域、調光領域設定可能範囲を撮像装置8により撮影できる全範囲に予め設定する。次に、撮像装置8から画像データが制御部32に転送され、その画像データがウインドウ102に表示する。このような状態になった時点で、測定範囲の設定がなされたかを判定する(ステップS12)。ここで、制御部32は、撮像装置9で撮影可能な範囲の全範囲よりも小さい範囲、つまり取得した画像データの全範囲よりも小さい範囲が測定範囲として設定されている場合、測定範囲が設定されていると判定する。測定範囲の設定方法は、ウインドウ102上に円形や矩形、楕円形などの任意の形状で画像データの一部を囲むようにして指定することができる。なお、制御部32は、例えば、測定範囲選択点124が選択されボタン130が操作された後、ユーザによって指定された範囲を測定範囲に設定する。また、制御部32は、条件テーブル46Aに設定されている情報に基づいて測定範囲を設定してもよい。また、制御部32は、撮像装置9が取得した画像から照明光束が投影されたパターンの像を抽出し、当該パターンの像が抽出された範囲を測定範囲としてもよい。
【0052】
制御部32は、測定範囲の設定がある(ステップS12でYes)と判定した場合、測定範囲設定部33により、画像データの位置座標を基に測定範囲の設定処理を行い、記憶部46の条件テーブル46Aに書き込む(ステップS14)。制御部32は、撮像装置9で撮影可能な範囲よりも小さい範囲を測定範囲に設定する。次に、調光領域設定可能範囲の設定処理を行う(ステップS15)。測定範囲で設定された領域情報の中から
図6に示す画像データの横軸aの最大座標値amaxと最小座標値amin、縦軸bの最大座標値bmaxと最小座標値bminを取得する。制御部32の調光領域設定可能範囲設定部35により、各軸の最大座標値と最小座標値に基づき、調光領域設定可能範囲152を設定する。なお、
図6に示すように、縦軸bについては最大座標値と最小座標値に対して、どちらも数画素分のマージンを持たせるようにして、最大座標値をb’maxにし、最小座標値b’minに設定するようにしても良い。もちろん、縦軸横軸ともに各軸の最大座標値と最小座標値をそのまま、調光領域設定可能範囲の境界座標値としても良い。なお、調光領域設定可能範囲は、全ての測定範囲を含み測定範囲の少なくとも1箇所に外接する範囲とすることが好ましいが、これに限定されず、測定範囲を含まなくてもよいし、接していなくてもよい。また、調光領域設定可能範囲を決定するための設定された条件は、ユーザが設定してもよいし、形状測定装置1が自動的に設定してもよい。また、調光領域設定部34も同時に調光領域も調光領域設定可能範囲と同じ範囲に設定する。これら設定された調光領域設定可能範囲及び調光領域は、制御部32により記憶部46の条件テーブル46Aに書き込まれる。
【0053】
制御部32は、測定範囲の設定がない(ステップS12でNo)と判定した場合、または測定範囲の設定処理を行った場合、入力装置6による調光領域の設定があるかを判定する(ステップS16)。
【0054】
制御部32は、調光領域の設定がある(ステップS16でYes)と判定した場合、調光領域設定部34により、調光領域の設定処理を行う(ステップS18)。
【0055】
以下、
図8を用いて調光範囲の設定処理について説明する。前述のように制御部32は、調光領域設定可能範囲設定部35により、測定範囲を取得し(ステップS40)、調光領域設定可能範囲152を設定する(ステップS42)。例えば、
図6に示したように、全ての測定範囲に外接する範囲を調光領域設定可能範囲する。なお、全ての測定範囲を含み測定範囲の少なくとも1箇所に外接する範囲を調光領域設定可能範囲としてもよい。
【0056】
次に、制御部32は、画像データ上に設定した調光領域設定可能範囲を表示させる(ステップS43)。具体的には、表示装置5の画像ウインドウ102に測定範囲と調光領域設定可能範囲を重ねて表示させる。これにより、撮像装置9で撮影可能な撮影領域の中で測定範囲と調光領域設定可能範囲に設定された範囲をユーザが確認するこことができる。
【0057】
制御部32は、測定範囲と調光領域設定可能範囲を表示させたら、調光領域設定可能範囲を調光範囲とする指示があるかを判定する(ステップS44)。制御部32は、調光領域設定可能範囲を調光範囲とする指示がある(ステップS44でYes)と判定した場合、ステップS48に進む。制御部32は、調光領域設定可能範囲を調光範囲とする指示がない(ステップS44でNo)と判定した場合、調光範囲についての指示があるかを判定する(ステップS46)。制御部32は、調光範囲についての指示がない(ステップS46でNo)と判定した場合、ステップS48に進む。制御部32は、ステップS44でYesまたはステップS46でNoと判定した場合、調光領域設定部34により、調光領域設定可能範囲を調光範囲とし(ステップS48)、本処理を終了する。
【0058】
制御部32は、調光範囲についての指示がある(ステップS46でYes)と判定した場合、指示の範囲が調光領域設定可能範囲に含まれるかを判定する(ステップS50)。制御部32は、指示の範囲が調光領域設定可能範囲に含まれない(ステップS50でNo)と判定した場合、調光領域設定部34により、調光領域設定可能範囲を超えない範囲に指示の範囲を補正して調光領域を設定する(ステップS52)。具体的には、
図9Aに示す撮像装置8で撮像可能な範囲160には、測定範囲162が設定され、その測定範囲162に基づいて、調光領域設定可能範囲164が設定されている。範囲160は、本実施形態では、画像ウインドウに表示される画像となる。この状態で、調光範囲を設定する指示として、範囲166が指定された場合、範囲166と調光領域設定可能範囲164とが重なる範囲を調光領域168として設定する。制御部32は、指示の範囲が調光領域設定可能範囲に含まれる(ステップS50でYes)と判定した場合、調光領域設定部34により、指示されている範囲を調光範囲に設定する(ステップS54)。
【0059】
制御部32は、ステップS48、ステップS52またはステップS54で調光領域(調光範囲)を設定したら、設定した調光領域を表示させる(ステップS55)。具体的には、表示装置5の画像ウインドウ102に調光領域を重ねて表示させる。これにより、撮像装置9で撮影可能な撮影領域の中で調光領域として設定された範囲をユーザが確認するこことができる。
【0060】
図7に戻り、説明を続ける。制御部32は、調光領域の設定がない(ステップS16でNo)と判定した場合、または調光領域の設定処理を行った場合、プレスキャンを実行するかを判定する(ステップS20)。ここで、プレスキャンとは、設定された条件に基づいて、光学プローブ3と被測定物を相対的に移動させ、パターン像が投影される位置を移動させ、ライン光が照射される位置を表示装置5に表示させる処理である。被測定物を相対的に移動させながら、所定のフレームレートで撮像装置9により取得されたライン状のパターンの像を含む画像データを次々と表示させる。それと同時に、測定範囲150a、150b、調光領域設定可能範囲152、調光領域154を画像データに重畳させながら表示し続けるようにすると良い。制御部32は、プレスキャンを実行する(ステップS20でYes)と判定した場合、プレスキャン処理を実行する(ステップS22)。
【0061】
制御部32は、プレスキャンを実行しない(ステップS20でNo)と判定した場合、またはプレスキャン処理を行った場合、設定が終了したかを判定する(ステップS24)。制御部32は、設定が終了していない(ステップS24でNo)と判定した場合、ステップS12に戻り、上述した処理を再び実行する。
【0062】
制御部32は、記憶部46に記憶された測定範囲の位置情報及び調光範囲の位置情報と、光学プローブ3の走査パスなどの測定条件が設定されたら、形状測定プログラムを生成する(ステップS28)。制御部32は、測定範囲、調光領域、調光方式や測定座標算出領域も含めた被測定物Maを測定するための形状測定プログラムを生成し、記憶部46に記憶する。具体的には、制御部32は、各種条件に基づいて測定パス、測定速度を決定し、プローブ移動装置2によるXYZ軸方向の移動経路、保持回転装置7によるZθ方向の回転速度、光学プローブ3による画像の取得タイミング等を決定し、決定した動作の情報と、設定した調光条件の情報と、取得した画像からパターンの像の位置を抽出する測定範囲の情報と、を含む形状測定プログラムを生成する。
【0063】
制御部32は、形状測定プログラムを生成したら、測定を実行するかを判定する(ステップS30)。ここで、測定とは、設定された条件に基づいて、光学プローブ3と被測定物Maを相対的に移動させ、パターン像が投影される位置を移動させ、測定領域内でパターン像が投影される位置を検出し、被測定物の各部位の座標値(点群データ)を取得することで、形状を測定する処理である。制御部32は、測定を実行する(ステップS30でYes)と判定した場合、撮像装置8を所定のフレームレートで撮影を繰り返される。調光制御部36は、その撮影された画像データから調光範囲に含まれる各画素列の最大画素値を取得し、調光制御部36は光源装置8や撮像装置9に調光制御の情報を出力する(ステップS31)。次に、その調光条件に基づき、撮像装置9は被測定物Maに投影されたパターンの像を撮像し、そのときの画像データを制御部32の測定部37に送出する(ステップS32)。次に、測定部37では、測定範囲情報に基づき、画像データの中からパターンの像の位置を求め、かつプローブ移動装置2の位置情報とパターンの像の位置情報から被測定物Maのパターンが投影された部分の三次元座標値を算出する(ステップS33)。
【0064】
制御部32は、
図7のステップS12からステップS28までの処理、つまり形状測定プログラムを作成するまでの測定処理以外の処理をティーチング処理とし、測定処理とは別のモードでの処理として実行してもよい。また、制御部32は、ステップS20とステップS22を行わなくてもよい。つまり、測定範囲、調光領域、及び調光領域設定可能範囲は、表示装置5に表示させなくてもよい。
【0065】
以上説明したように、本実施形態の制御部32は、測定範囲に基づいて調光領域設定可能範囲を設定し、調光領域設定可能範囲で調光領域が設定可能な範囲を制限することで、調光領域を測定範囲に対応した範囲とすることができる。これにより、パターンの像が投影されている領域を調光領域に設定しやすくでき、パターンの像が全く投影されていない領域を調光領域に設定することを抑制できる。以上により、より適切な領域を調光領域に設定しやすくすることができ、調光領域に基づいて算出する調光条件をより適切な条件とすることができる。
【0066】
例えば、
図6に示す例では、測定範囲150a、150bに基づいて設定された調光領域設定可能範囲152に含まれる範囲内で調光領域154が設定されている。このように、調光領域設定可能範囲152に含まれる範囲内で調光領域154を設定することで、測定範囲150a、150bに、歯先付近の強い反射が生じる範囲が含まれる場合もこれに影響されることなく調光条件を設定することができる。なお、歯先を含まない範囲を調光領域154とし、調光条件を設定した場合、歯先付近は飽和してしまうことで精度は劣化するものの実用上は精度を要しない部位であり、形状の測定精度を高く維持することができる。
【0067】
また、パターン142a、142b、142cは、照明光束Lを拡散反射した光であり、輝線144は、照明光束Lを正反射した光である。ここで、一般には拡散反射した部分と正反射した部分では戻り光量に、10倍から1000倍程度の違いがあり、拡散反射した部分の光量の方が正反射した部分の光量の方が小さくなる。このため、調光範囲に輝線144が含まれ、輝線144の光量に基づいて調光条件を設定すると、パターン142a,142b,142cの光量に基づいて調光条件を設定した場合に比べると、入射光量が1000分の1以下になってしまう場合があり、数100階調しかない画素値で表現してしまうと輝線144が検出できるがパターン142a,142b,142cが検出できなくなってしまうことになる。これに対して、本実施形態は、調光領域設定可能範囲152に含まれる範囲内で調光領域154が設定することで、パターン142a,142b,142cが含まれる範囲を調光領域154に設定しやすくなり、また、輝線144が含まれる範囲が調光領域154に設定されにくくすることができる。
【0068】
また、本実施形態の制御部32は、測定範囲設定部33により複数の測定範囲を設定可能とすることで、パターンの像が投影されている範囲を選択して、測定範囲に設定することができる。これにより、測定範囲に輝線等が生じる部分が含まれる可能性を低減することができ、形状の測定精度をより高くすることができる。
【0069】
また、上記実施形態の制御部32は、調光領域設定可能範囲をライン状のパターンの像の長手方向と長手方向に対して直交する方向とが辺となる矩形の範囲とすることで、撮像装置9で画像を読み取る方向と調光領域設定可能範囲の辺を同じ方向とすることができる。これにより、始点と終点の2点の指定で、矩形の調光領域設定可能範囲を特定することができ、処理が簡単となる。なお、調光領域設定可能範囲の形状は矩形に限定されない。
図9Bに示す範囲160は、調光領域設定可能範囲164aが5角形となる。このように、調光領域設定可能範囲は、3角形、5角形以上の多角形、円、楕円、円弧と直線とを組み合わせた閉じられた形状とすることができる。
【0070】
また、上記実施形態では、調光領域をライン状のパターンの像の長手方向と長手方向に対して直交する方向とが辺となる矩形の範囲とすることで、撮像装置9で画像を読み取る方向と調光領域設定可能範囲の辺を同じ方向とすることができる。これにより、始点と終点の2点の指定で、矩形の調光領域を特定することができる。これにより、調光領域のヒストグラム等の演算を簡単にすることができる。なお、調光領域の形状も矩形に限定されない。
図9Bに示す範囲160は、調光領域設定可能範囲164aが5角形となる。このように、調光領域設定可能範囲は、3角形、5角形以上の多角形、円、楕円、円弧と直線とを組み合わせた閉じられた形状とすることができる。
【0071】
また、本実施形態の制御部32は、プレスキャン処理を実行可能とすることで、被測定物Mと照明光束Lとが相対移動する際の、測定範囲及び調光領域の画像の変動をユーザが目視で確認することができる。これにより、測定範囲及び調光領域をより適切な範囲、領域に設定することができる。
【0072】
また、形状測定装置1は、測定範囲を任意の領域に設定することができる。上記実施形態では、パターンの像が形成される領域を選択して複数の測定範囲にしたが、パターンの像が形成される範囲を全部含む広い範囲を1つの測定範囲としてもよい。この場合は、測定範囲に輝線を含む場合があるが、測定範囲に基づいて設定した調光領域設定可能範囲に基づいて調光領域を設定することで、一部の領域のみを調光領域とすることができる。これにより、調光条件を適切な条件とすることができる。
【0073】
また、制御部32は、調光条件を、形状測定プログラムの作成時に設定したが、これに限定されない。制御部32は、測定時の画像の調光領域の光量に基づいて、調光条件を設定してもよい。これにより、測定時に取得した画像に適した調光条件とすることができる。
【0074】
また、調光領域設定可能範囲設定部35と調光領域設定部34調光制御部36はいずれも撮像装置9内に配置されていても良い。この場合には、制御部32は、測定範囲設定部32から測定範囲の各軸の最大座標値と最小座標値情報を撮像装置9に出力させる。そして、入力装置6から制御部32を介して入力された調光領域指定情報と調光領域設定可能範囲情報とを対比させて、撮像装置9内にある調光領域設定部39により調光領域を設定するようにしてもよい。また、撮像装置9内にある調光制御部36は、撮像装置9内にある画像処理部25から調光領域内の画素値に対して各画素列の最大画素値の分布情報を取得し、その情報に基づいて、撮像素子20の露出制御を行うようにしても良い。
【0075】
以下、
図10Aから
図10Cを用いてより詳細に説明する。形状測定装置1は、光学プローブ3と被測定物Maとを相対的に移動させつつ、照明光束Lを投影し、投影されたパターンの画像を取得する。従って、形状測定装置1は、
図10Aから
図10Cに示すように、画像に対して被測定物Ma及びパターンの形状の位置が徐々に変動する。具体的には、被測定物の外形180が画面ウインドウ102Aから画面ウインドウ102B、画面ウインドウ102Bから画面ウインドウ102Cに向かうに従って、画面側に移動する。また、画面ウインドウ102A、102B、102Cは、調光領域設定可能範囲190に含まれる範囲に調光領域192が設定されている。また、画面ウインドウ102A,102B,102Cは、調光領域設定可能範囲190と同じ範囲が測定領域に設定されている。形状測定装置1は、調光領域設定可能範囲190に基づいて調光領域192を設定できることで、いずれの画像においても外形180で輝点182が現れる部分を調光領域192から外すことができる。このように、調光領域を狭い範囲に設定できることで、測定時に調光条件を設定する場合も、取得した画像に適した調光条件とすることができる。
【0076】
形状測定装置1の移動機構は、本実施形態のように、第1の方向、第1の方向に直交する第2の方向、及び、第1方向と第2の方向がなす平面と直交する第3の方向に光学プローブ3と被測定物M(Ma)とを相対移動可能であり、第1方向と第2の方向がなす平面に径方向が含まれることが好ましい。これにより、相対位置を任意の方向に移動させることができる。また、形状測定装置1は、形状測定装置1に限定されず、被測定物Mと被測定物Mに投影するパターンとの相対位置を移動さえる機構としては、種々の組み合わせを用いることができる。形状測定装置1は、光学プローブ3と被測定物MのどちらをX軸、Y軸、Z軸方向に移動可能としてもよいし、X軸、Y軸、Z軸方向の回りを回転させてもよい。また、形状測定装置1は、相対移動しない機構としてもよい。
【0077】
ところで、光学プローブ3の照明光学系13によりライン状のパターンが投影される例で説明したが、本発明はこれだけに限られない。例えば、被測定物Mに対してドット状のスポットパターンが投影される光学系と、このスポットパターンが被測定物Mの表面上で1方向に走査できるように、偏向走査ミラーを具備した照明光学系を用いても良い。この場合は、ライン状のパターンの長手方向が偏向走査ミラーの走査方向に対応する。これにより、ドット状のスポットパターン少なくとも線状の走査範囲内で走査しながら投影し、線状の走査範囲内がライン状のパターンとなる。
【0078】
上記実施形態の形状測定装置1は、1台の装置で処理を行ったが複数組み合わせてもよい。
図11は、形状測定装置を有するシステムの構成を示す模式図である。次に、
図11を用いて、形状測定装置を有する形状測定システム300について説明する。形状測定システム300は、形状測定装置1と、複数台(図では2台)の形状測定装置1aと、プログラム作成装置302とを、有する。形状測定装置1、1a、プログラム作成装置302は、有線または無線の通信回線で接続されている。形状測定装置1aは、測定範囲設定部33、調光領域設定部34及び調光領域設定可能範囲設定部35を備えていない以外は、形状測定装置1と同様の構成である。プログラム作成装置302は、上述した形状測定装置1の制御装置4で作成する種々の設定やプログラムを作成する。具体的には、プログラム作成装置302は、測定範囲、調光領域設定可能範囲及び調光領域の情報や、測定範囲、調光領域設定可能範囲及び調光領域の情報を含む形状測定プログラム等を作成する。プログラム作成装置302は、作成したプログラムや、データを形状測定装置1、1aに出力する。形状測定装置1aは、領域及び範囲の情報や形状測定プログラムを形状測定装置1や、プログラム作成装置302から取得し、取得したデータ、プログラムを用いて、処理を行う。形状測定システム300は、測定プログラムを形状測定装置1や、プログラム作成装置302で作成したデータ、プログラムを用いて、形状測定装置1aで測定を実行することで、作成したデータ、プログラムを有効活用することができる。また、形状測定装置1aは、測定範囲設定部33、調光領域設定部34及び調光領域設定可能範囲設定部35、さらにその他の設定を行う各部を設けなくても測定を行うことができる。
【0079】
次に、上述した形状測定装置を備えた構造物製造システムについて、
図12を参照して説明する。
図12は、構造物製造システムのブロック構成図である。本実施形態の構造物製造システム200は、上記の実施形態において説明したような形状測定装置201と、設計装置202と、成形装置203と、制御装置(検査装置)204と、リペア装置205とを備える。制御装置204は、座標記憶部210及び検査部211を備える。
【0080】
設計装置202は、構造物の形状に関する設計情報を作成し、作成した設計情報を成形装置203に送信する。また、設計装置202は、作成した設計情報を制御装置204の座標記憶部210に記憶させる。設計情報は、構造物の各位置の座標を示す情報を含む。
【0081】
成形装置203は、設計装置202から入力された設計情報に基づいて、上記の構造物を作成する。成形装置203の成形は、例えば鋳造、鍛造、切削等が含まれる。形状測定装置201は、作成された構造物(測定対象物)の座標を測定し、測定した座標を示す情報(形状情報)を制御装置204へ送信する。
【0082】
制御装置204の座標記憶部210は、設計情報を記憶する。制御装置204の検査部211は、座標記憶部210から設計情報を読み出す。検査部211は、形状測定装置201から受信した座標を示す情報(形状情報)と、座標記憶部210から読み出した設計情報とを比較する。検査部211は、比較結果に基づき、構造物が設計情報通りに成形されたか否かを判定する。換言すれば、検査部211は、作成された構造物が良品であるか否かを判定する。検査部211は、構造物が設計情報通りに成形されていない場合に、構造物が修復可能であるか否か判定する。検査部211は、構造物が修復できる場合、比較結果に基づいて不良部位と修復量を算出し、リペア装置205に不良部位を示す情報と修復量を示す情報とを送信する。
【0083】
リペア装置205は、制御装置204から受信した不良部位を示す情報と修復量を示す情報とに基づき、構造物の不良部位を加工する。
【0084】
図13は、構造物製造システムによる処理の流れを示したフローチャートである。構造物製造システム200は、まず、設計装置202が構造物の形状に関する設計情報を作成する(ステップS101)。次に、成形装置203は、設計情報に基づいて上記構造物を作成する(ステップS102)。次に、形状測定装置201は、作成された上記構造物の形状を測定する(ステップS103)。次に、制御装置204の検査部211は、形状測定装置201で得られた形状情報と上記の設計情報とを比較することにより、構造物が設計情報通りに作成されたか否か検査する(ステップS104)。
【0085】
次に、制御装置204の検査部211は、作成された構造物が良品であるか否かを判定する(ステップS105)。構造物製造システム200は、作成された構造物が良品であると検査部211が判定した場合(ステップS105でYes)、その処理を終了する。また、検査部211は、作成された構造物が良品でないと判定した場合(ステップS105でNo)、作成された構造物が修復できるか否か判定する(ステップS106)。
【0086】
構造物製造システム200は、作成された構造物が修復できると検査部211が判定した場合(ステップS106でYes)、リペア装置205が構造物の再加工を実施し(ステップS107)、ステップS103の処理に戻る。構造物製造システム200は、作成された構造物が修復できないと検査部211が判定した場合(ステップS106でNo)、その処理を終了する。以上で、構造物製造システム200は、
図13に示すフローチャートの処理を終了する。
【0087】
本実施形態の構造物製造システム200は、上記の実施形態における形状測定装置201が構造物の座標を高精度に測定することができるので、作成された構造物が良品であるか否か判定することができる。また、構造物製造システム200は、構造物が良品でない場合、構造物の再加工を実施し、修復することができる。
【0088】
なお、本実施形態におけるリペア装置205が実行するリペア工程は、成形装置203が成形工程を再実行する工程に置き換えられてもよい。その際には、制御装置204の検査部211が修復できると判定した場合、成形装置203は、成形工程(鍛造、切削等)を再実行する。具体的には、例えば、成形装置203は、構造物において本来切削されるべき箇所であって切削されていない箇所を切削する。これにより、構造物製造システム200は、構造物を正確に作成することができる。
【0089】
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0090】
例えば、上記実施形態における形状測定装置1は、保持部材55が片持ちで光学プローブ3を保持する構成を例示したが、これに限定されるものではなく、両持ちで保持する構成としてもよい。両持ちで保持することにより、回転時に保持部材55に生じ変形を低減することができ、測定精度の向上を図ることが可能になる。
【0091】
また、上述実施形態では光学プローブ3から照明光束Lとしてライン光を照射し、被測定物から反射するライン状のパターンを撮像しているが、光学プローブ3の形式はこれに限られない。光学プローブ3から発せられる照明光は、所定の面内に一括で照射する形式でも構わない。例えば、米国特許6075605号に記載さる方式でも構わない。光学プローブから発せられる照明光は、点状のスポット光を照射する形式でも構わない。
【0092】
また、形状測定装置は、上記実施形態のように、円周方向に繰り返し形状を有しかつ円周方向とは異なる方向に延在した凹凸形状を有する形状の被測定物の測定に好適に用いることができる。形状測定装置は、繰り返し形状の1つについて、測定範囲、調光領域設定可能範囲及び調光領域を設定することで、設定した条件を他の繰り返し形状の測定に用いることができる。なお、被測定物は、円周方向に繰り返し形状を有しかつ円周方向とは異なる方向に延在した凹凸形状を有する形状に限定されず、種々の形状、例えば、繰り返し形状を備えない形状であってもよい。