(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6248541
(24)【登録日】2017年12月1日
(45)【発行日】2017年12月20日
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
B65H 7/02 20060101AFI20171211BHJP
【FI】
B65H7/02
【請求項の数】6
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-223695(P2013-223695)
(22)【出願日】2013年10月28日
(65)【公開番号】特開2015-86020(P2015-86020A)
(43)【公開日】2015年5月7日
【審査請求日】2016年10月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】及川 康一郎
(72)【発明者】
【氏名】高橋 正紀
(72)【発明者】
【氏名】香川 英之
(72)【発明者】
【氏名】西 隆行
(72)【発明者】
【氏名】小松崎 寛央
【審査官】
佐藤 秀之
(56)【参考文献】
【文献】
特開2005−280871(JP,A)
【文献】
特開2000−355446(JP,A)
【文献】
特開2004−059221(JP,A)
【文献】
特開2000−318907(JP,A)
【文献】
特開2012−254860(JP,A)
【文献】
実開昭54−003943(JP,U)
【文献】
実開昭49−086109(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 7/00− 7/20
B65H 43/00−43/08
B65H 5/00− 5/08
B65H 5/20− 5/38
B65H 29/12−29/24
B65H 29/32
B65H 29/52−29/70
B65H 9/00− 9/20
B65H 13/00−15/02
B41J 13/00−13/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートを駆動して搬送する搬送ローラ対の位置が上下に配置された搬送ローラを有する画像形成装置であって、
前記搬送ローラ対を構成する非導電性の上側ローラ及び下側ローラと、
前記下側ローラの駆動軸に取り付けられる、導電性の円形の板と、
前記上側ローラの駆動軸が輪の内側に入る範囲で移動可能に設けられる、導電性のリング状の板と、
前記上側ローラの前記駆動軸に取り付けられ、前記リング状の板を、前記搬送ローラ対が停止時には前記円形の板と接触させ、前記搬送ローラ対が回動時には前記円形の板と非接触にさせるように移動させる移動手段と、
前記搬送ローラの回転駆動力を利用する機構と、
前記リング状の板と前記円形の板との接触と非接触とを検出する電子制御装置と、を有し、
前記電子制御装置は、前記搬送ローラ対が停止時に前記リング状の板に電流が流れないことで、前記リング状の板と前記円形の板の非接触とを検出し、前記上側ローラと前記下側ローラとの間に前記シートがあることを検出する
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記移動手段は、
前記リング状の板を前記円形の板から非接触の位置へ上側に移動させる突起と、
前記突起が設けられ、前記上側ローラの前記駆動軸に合わせて回動する軸と、を有することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記移動手段は、
前記突起の先端が、上側に向く位置で接するストッパを有することを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記上側ローラの前記駆動軸に合わせて回動する軸は、前記突起の先端が前記ストッパに接した時に、トルク伝達を遮断することを特徴とする請求項3記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記上側ローラの前記駆動軸に合わせて回動する軸は、前記上側ローラの駆動軸が停止した時に、前記リング状の板が前記前記円形の板に接触するまで前記突起の自重で該突起が下側に向く方向へ空転することを特徴とする請求項2から4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記搬送ローラ対のローラ幅は、前記シートの幅よりも狭く
前記下側ローラのシート幅方向の両側に、前記円形の板が設けられ、
前記上側ローラの前記シート幅方向の両側に、前記リング状の板と、前記移動手段とが設けられることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録媒体の巻き付き発生を検知する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式による画像形成装置においては、用紙を通紙する際に発生した紙詰まりを検知して機器の動作を停止して紙詰まりを除去する必要がある。この際に搬送ローラ対の箇所で紙詰まりを検知する手段として搬送ローラの材質を導電性のものを用いる方法がある。
【0003】
しかし、摩擦係数の関係から通常はゴム製の搬送ローラを用いるため、導電性の物質を加えたゴムを用いる構造にしたり、また、搬送ローラ対に挟まっている用紙を検知するのではなく、搬送ローラの近辺にセンサを設けて、用紙の有無を検知する手段は既に知られている。
【0004】
特許文献1には、搬送ローラ対にある用紙を直接検出する目的で、表面が導電性のローラ部材と、該ローラ部材の表面に当接された給電部材と、該給電部材に電圧を印加する給電手段と、前記ローラ部材の表面に当接し、かつローラ部材の通紙域に配設された導電性部材からなる用紙分離手段と、該用紙分離手段の電圧を検出する電圧検知手段とを有する検出装置が開示されている。
【0005】
また、特許文献2には、シート搬送路にシート搬送方向に沿って併設された2つの導電性のシート搬送部材間に所定のバイアス電圧を印加しておき、これらシート搬送部材間の抵抗値を測定することで、シート搬送路を搬送されるシートの端部を検出するシート端部検出方法が開示されている。
【0006】
シート搬送方向に沿って併設された2つのシート搬送部材を導電性とし、これらシート搬送部材間にバイアス電圧を印加しておくと、2つのシート搬送部材間に跨るような状態でシートが搬送されている期間のみ、シートを通って電流が流れる。これに対し、これ以外の状態、つまり2つのシート搬送部材の何れにもシートが到達していない状態、及び、シートが2つのシート搬送部材の何れか一方にのみ達している状態では、2つのシート搬送部材間を繋ぐものがないため、電流は流れない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、今までの電子写真方式による画像形成装置においては、用紙を通紙する際に発生した紙詰まりを検出する際に、搬送ローラ対の箇所で紙詰まりを検知する手段として搬送ローラの材質を導電性のものを用いる方法があるが、摩擦係数の関係から通常はゴム製の搬送ローラを用いるため、導電性の物質を加えたゴムはコスト高になる。
【0008】
また、特許文献1に開示された搬送ローラの近辺にセンサを設けて、用紙の有無を検知する手段では、画像形成装置の操作に不慣れな操作者がジャム用紙を取り除く際に、機器に設置されたローラを手動で回すノブやローラ対に隙間を設けるための解除レバーの存在に気付かず、搬送ローラ対に挟まった用紙を引っ張り、ローラ対に残った用紙の切れ端を、搬送ローラの近辺に設けられたセンサが検知できない箇所に残留してしまうといった問題があった。
【0009】
また、特許文献2に開示された技術では、搬送部材の材質には、シートを搬送するだけの摩擦係数があり、かつ、導電性をもつ材質を選定する必要がある。搬送部材の2つ、あるいは2つのうち1つにゴムが用いられ、ゴムには導電性がなく、これを導電性とする場合、導電性の材質を混合させたゴムがある。しかし、導電性がないゴムと比較して導電性をもつゴムは特殊なものであり、そのためにコスト高になるという問題は解消されていない。
【0010】
本発明は、前記課題を解決するためのものであり、その目的とするところは、搬送ローラ対の箇所で紙詰まりを検知する手段として、搬送ローラの材質を導電性でないゴム製としながら、搬送ローラ対に挟まれた用紙を搬送ローラ上で検出することができる画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
かかる目的を達成するために、本発明は、以下の特徴を有する。
【0012】
本発明に係る画像形成装置は、シートを駆動して搬送する搬送ローラ対の位置が上下に配置された搬送ローラを有する画像形成装置であって、
前記搬送ローラ対を構成する非導電性の上側ローラ及び下側ローラと、前記下側ローラの駆動軸に取り付けられる、導電性の円形の板と、前記上側ローラの
駆動軸が輪の内側に入る範囲で移動可能に設けられる、
導電性のリング状の板
と、前記上側ローラの前記駆動軸に取り付けられ、前記リング状の板を、前記搬送ローラ対が停止時には
前記円形の板と接触
させ、前記搬送ローラ対が回動時には
前記円形の板と非接触
にさせるように移動
させる移動手段と、前記搬送ローラの回転駆動力を利用する機構と、
前記リング状の板と前記円形の板との接触と非接触とを検出する電子制御装置と、を有
し、前記電子制御装置は、前記搬送ローラ対が停止時に前記リング状の板に電流が流れないことで、前記リング状の板と前記円形の板の非接触とを検出し、前記上側ローラと前記下側ローラとの間に前記シートがあることを検出することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、搬送ローラ対の箇所で紙詰まりを検知する手段として、搬送ローラの材質を導電性でないゴム製としながら、搬送ローラ対に挟まれた用紙を搬送ローラ上で検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本実施形態に係る孔版印刷装置の全体構成を示す概略図である。
【
図2】本実施形態に係る搬送ローラ対の正面図である。
【
図3】本実施形態に係る搬送ローラ対の側面図である。
【
図4】搬送ローラが通紙方向に回転することを示す図である。
【
図5】搬送ローラに紙詰りが発生した場合を示す図である。
【
図6】搬送ローラ対に挟まった用紙が破れた状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本実施形態について図面により詳細に説明する。
【0016】
図1は、本実施形態に係る孔版印刷装置1の全体構成を示す概略図である。
図1に基づいて孔版印刷装置1の全体構成の概要を説明する。
搬送ローラ対は画像形成装置全般に設けられているが、中にはトナー定着等の理由により導電性を付加したゴム(弾性体)であることが必要な場合があるため、導電性を付加したゴム(弾性体)であることが不要な搬送ローラがある孔版印刷装置の機構で説明する。
【0017】
印刷部2は印刷装置本体の中央に設けられ、印刷部2は版胴10、クランパ10a、支持軸11、インキ供給手段12、印圧ローラ16等を有している。版胴10は多孔質の円筒状金属薄板とその外周に巻かれたメッシュスクリーンで構成され、外周の一部に孔版原紙の先端部を係止するクランパ10aを有している。
【0018】
版胴10はインキ供給パイプを兼ねた支持軸11に回転自在に支持され図示しない駆動手段で矢印方向に回転駆動される。版胴10内部には、インキローラ13及びドクターローラ14で構成されるインキ供給手段12が配置されている。支持軸11より供給されたインキはインキローラ13とドクターローラ14との近接部においてインキ溜まり15を形成し、インキ溜まり15のインキがインキローラ13とドクターローラ14との近接部を通過してインキローラ13の周面に層状に供給される。
【0019】
印圧ローラ16は図示しない印圧駆動手段によって、版胴10の所定エリアにタイミングを合わせて押圧制御が行われるようになっており、これにより版胴10の内周面にインキローラ13が接触することで版胴10の内周面にインキが供給され、版胴10の開孔部より滲出して用紙へと転写される。
【0020】
印刷部2の右上方に製版部3が設けられ、製版部P3は孔版原紙ロール20、プラテンローラ22、サーマルヘッド23、カッター24、給版ローラ対25等を有している。巻成された孔版原紙ロール20の孔版原紙21がプラテンローラ22によってサーマルヘッド23に押し付けられて加熱穿孔製版され、給版ローラ対25によって版胴10の外周面に向かって給版搬送される。製版済み孔版原紙はクランパ10aにその先端をクランプ系止されることで版胴10の外周に巻き付けられ、カッター24によって一版分の長さで切断される。
【0021】
製版部3の下方に給紙部4が設けられ、給紙部4は給紙トレイ30、給紙ローラ31、分離ローラ32、分離パッド33、レジストローラ対34等を有している。給紙トレイ30は図示しない筐体側板内側に用紙搬送方向に対して直交する上下方向に移動自在に取り付けられており、用紙Pの幅方向の揃えを行う対のサイドフェンス35が互いに同期して移動可能に構成されている。
【0022】
給紙トレイ30上方にはそれぞれの表面に高摩擦抵抗部材を有する給紙ローラ31、32が配置され、図示しない駆動手段により回転駆動される。給紙トレイ30が上昇した際に給紙ローラ31で所定の圧力で用紙Pを圧接し、分離ローラ32と分離パッド33とで用紙を一枚ずつに分離してレジストローラ対34に搬送する。
【0023】
レジストローラ対34は図示しない駆動力手段により所定のタイミングで回転駆動され、版胴10と印圧ローラ16の間に向けて用紙を搬送する。印刷部2の左上方に排版部5が設けられる。排版ボックス41は、排版ローラ対42により該排版ボックス41内に搬送された使用済みのマスタ43を圧縮する圧縮板44と、該マスタの排版経路に対して略直交するように該圧縮板44の端部を支持して該圧縮板44を該排版ボックス41内で回転させる支軸44aとを備えている。
【0024】
上記支軸44aを回転中心として少なくとも90°以上、上記圧縮板44を回転させることにより、上記排版ボックス41内に搬送された使用済みのマスタ43を圧縮して、上記排版ボックス41内に収容する。
【0025】
排版部5の下方に排紙部6が設けられ、排紙部6は剥離爪50、排紙搬送部51、排紙収納部52等を有している。剥離爪50により版胴10の外周面より印刷済みの用紙を剥離する。剥離爪50は支軸によって印刷装置本体の側板に揺動自在に支持されており、図示しない揺動手段によりその先端が版胴10の外周面に近傍する位置と、版胴10の回転によって移動するクランパ10a等と干渉しない位置とに選択的に揺動される。
【0026】
排紙搬送部51は、駆動ローラ53と従動ローラ54と無端ベルト55と吸引ファン56とを有する。駆動ローラ53及び従動ローラ54は図示しないユニット側板に回転自在で支持されており、駆動ローラ53は図示しない駆動手段により回転駆動される。駆動ローラ53と従動ローラ54には複数の開孔を有する無端ベルト55が掛け渡されており、駆動手段により駆動ローラ53を駆動し、無端ベルト下方の吸引ファン56で印刷済みの用紙を無端ベルト上に吸引しながら排紙収納部52へ搬送する。
【0027】
排紙収納部52は排紙搬送部51によって搬送される印刷済みの用紙を積載する排紙台57と、印刷済み用紙を揃えるためのサイドフェンス58と対のエンドフェンス59とを有している。サイドフェンス58は用紙幅方向と接離自在に、エンドフェンス59は用紙搬送方向に移動自在に構成されている。
【0028】
孔版印刷装置1の外装を構成する筐体上部に操作パネルと画像読取部7が設けられている。画像読取部7は原稿を載置するコンタクトガラス60と、コンタクトガラス60に接離自在に設けられた圧版61と、原稿画像を走査して読み取る反射ミラー62、63、64、65と、蛍光灯66と、走査された画像を集束する集束レンズ67と、集束された画像を処理するCCD等の画像センサ68と、原稿のサイズを検知する複数の原稿サイズ検知センサ69と、読み取られた画像データを記憶する画像メモリ70とを有している。
【0029】
次に、レジストローラ対34を例として、搬送ローラ対の構成について説明する。
図2は、本実施形態に係る搬送ローラ対の正面図である。
図3は、本実施形態に係る搬送ローラ対の側面図である。
【0030】
搬送ローラ対はローラ101とローラ102とを備え、ローラ101とローラ102とは導電性を有しない弾性体であり、本実施形態ではゴム製である。搬送条件によっては樹脂のように導電性を有しない材質であってもよく、弾性体に限定されない。
【0031】
図2に示すように、ローラ101の両端に本実施形態の機構100を配置するが、本実施形態の機構100aと機構100bはローラ101から左右対称であるため、ローラ101から見て右側の構成100aで説明する。
【0032】
駆動軸103にローラ101、駆動軸104にローラ102は配置され、
図3では、ローラ101、ローラ102は停止している。リング状の形態である金属板105の円周は、駆動軸103に輪の内側が入り、駆動軸103に挿入された軸106に保持されつつ駆動軸104と同軸に配置された円形の金属板107の円周に接している。
【0033】
円形の金属板107の具体的な金属の材料としては、金属であれば導通するので特に限定するものではないが、一般的に市場に流通しており安価なものという観点でいえば、鉄、アルミニウムが用いられる。
【0034】
金属板105は導通線125が接続され、金属板107は導通線126が接続され、金属板105と金属板107が接すると、電子制御装置127によって導通する。ローラ101とローラ102が停止中に、金属板105と金属板107の間に搬送用紙がなく、ローラ101とローラ102の間に用紙がないことを検出し、紙詰りがないと判断する。金属板105と軸106は、軸106に保持された保持板121と122によって軸106から落ちないようになっている。
【0035】
図4は、搬送ローラが通紙方向に回転することを示す図である。駆動軸103が回転し、軸106も合わせて回転する。軸106はトルクリミッタの機能を有している。トルクリミッタは既知のものであり説明は省略する。
【0036】
軸106には突起108が設けてあり、ストッパ109に突起108が当たるが、ある規定のトルクに達すると軸106は空転し、突起108は
図4の状態を維持する。金属板105の内側は突起108に保持され、突起108の回動に合わせて
図3の位置から
図4の位置へ移動する。用紙110はローラ101とローラ102を通過する。
【0037】
次に、搬送ローラに紙詰りが発生した場合を説明する。
図5は、搬送ローラに紙詰りが発生した場合を示す図である。搬送ローラに紙詰りが発生すると金属板105と金属板107に電流が流れないことで、搬送ローラは停止する。
【0038】
軸106は
図4での説明の通り、トルクリミッタの機能を有していると同時に、ワンウェイクラッチの機能を同時に有している。ワンウェイクラッチは既知のものであり、説明は省略する。
【0039】
軸106は突起108の自重によって
図5の位置まで回動する。突起108は金属板105を保持しなくなる。金属板105は下に落ちて、ジャム用紙111に当たり、停止する。ローラ101とローラ102が停止中に、金属板105と金属板107が接していないので、ローラ101とローラ102の間に用紙があることを検出し、紙詰りがあると判断する。
【0040】
図6は、搬送ローラ対に挟まった用紙が破れた状態を示す図である。搬送ローラ対に挟まった用紙を無理に引っ張り破ったとして、わずかな用紙の切れ端112でも検出することができる。搬送ローラ間に残留する用紙の切れ端112は、搬送ローラに挟まれた部分で発生するので、搬送ローラの両端に本実施形態の機構100aと100bを配置すれば、用紙の切れ端112を検出することが可能となる。
【0041】
駆動軸103に配置したローラ101は個数に上限はなく、通紙する用紙のサイズによって用紙の切れ端112の発生する位置が増加することを考慮し、搬送ローラ間の用紙残留を検知したい箇所を増やしたい場合は、ローラの個数を増やしてもよい。ローラ102と金属板107との構成は、搬送条件によってはローラ102を金属製とし、金属板107を外してもよい。
【0042】
実施形態として搬送する記録シートを用紙と記載したが、シートの材質は紙に限定するものではなく非導電性であればよい。搬送ローラ対の位置関係は、本実施形態ではローラ対の回転中心が垂直の位置としたが、本実施形態の機構が保てることができれば垂直でなくてもよい。
【0043】
本機構で検出したジャム用紙の残留は機器本体の操作部へ表示するが、図示しない発光手段や音声出力手段を搬送ローラの近傍に設けて、本実施形態の機構を有する搬送ローラがある箇所の開閉カバーを閉じる前に、作業者へジャム用紙残留の有無を通知させてもよい。
【0044】
本実施形態によれば、搬送ゴムローラ対の同軸上にリング状の金属を設けて、用紙搬送中のゴムローラの回転では対のリング状の金属には接触せずに、停止時には対のリング状の金属が接触するので、搬送ローラ対の箇所で紙詰まりを検知する手段として、搬送ローラの材質を導電性でないゴム製としながら、搬送ローラ対に挟まれた用紙を搬送ローラ上で検出することができる。
【0045】
なお、上述した実施の形態は、本発明の好適な実施の形態の一例を示すものであり、本発明はそれに限定されることなく、その要旨を逸脱しない範囲内において、種々変形実施が可能である。
【符号の説明】
【0046】
1 孔版印刷装置
34 レジストローラ対
100 機構
101 ローラ
103 駆動軸
105 金属板
106 軸
108 突起
109 ストッパ
110 用紙
111 ジャム用紙
112 用紙の切れ端
【先行技術文献】
【特許文献】
【0047】
【特許文献1】特開2003−081523号公報
【特許文献2】特許第3980393号公報