(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記出力処理手段は、前記出力ユーザから前記出力対象データの出力要求の選択を受け付けるための画面に、前記出力ユーザが登録した前記出力対象データの出力要求と、前記出力ユーザが代理ユーザとして設定された前記出力対象データの出力要求と、切り替え表示すること
を特徴とする請求項1乃至4何れか一項記載の出力システム。
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。なお、本実施形態では出力システムの一例としての印刷システムを例として説明するが、印刷システムに限定するものではない。出力システムは投影システムや表示システムの他、蓄積先に蓄積してあるジョブを出力するシステムであればよい。
[第1の実施形態]
<システム構成>
図1は、本実施形態に係る印刷システムの一例の構成図である。印刷システム1はLANなどのネットワークN1を介して接続されたプリントサーバ装置10、認証サーバ装置11、画像形成装置12、クライアント端末13を有する。プリントサーバ装置10、認証サーバ装置11、画像形成装置12、クライアント端末13は無線又は有線による通信手段を有している。
図1ではプリントサーバ装置10、認証サーバ装置11、画像形成装置12、クライアント端末13が1台である例を示しているが、複数台あってもよい。
【0011】
プリントサーバ装置10は一台以上の情報処理装置により実現される。プリントサーバ装置10は印刷データや印刷ジョブ情報を保有している。プリントサーバ装置10は画像形成装置12等からの要求に基づき、印刷データや印刷ジョブ情報を画像形成装置12等に送信する。
【0012】
認証サーバ装置11は一台以上の情報処理装置によって実現される。認証サーバ装置11はユーザ情報を保有し、画像形成装置12等からの要求に基づき認証を行う。また、認証サーバ装置11は後述のように代理ユーザの設定機能を提供する。画像形成装置12は有線や無線通信でネットワークN1に接続される出力装置である。画像形成装置12はプリンタ、コピー機、複合機、レーザプリンタなどの印刷装置の他、プロジェクタやモニタなどの表示出力を実行する投影装置や表示装置、オーディオなどの音声データを出力する音声出力装置であってもよい。
【0013】
クライアント端末13はユーザが利用する情報処理装置である。クライアント端末13はスマートフォンや携帯電話、PCなどの端末装置である。クライアント端末13は後述のように代理ユーザの設定機能を提供するプラグインなどのクライアントツールがインストールされている。なお、
図1の印刷システム1の構成は一例であり、他の構成であってもよい。
【0014】
<ハードウェア構成>
図1のプリントサーバ装置10、認証サーバ装置11、クライアント端末13は、
図2に示すハードウェア構成のコンピュータ等により実現される。
図2は、本実施形態に係るコンピュータの一例のハードウェア構成図である。
【0015】
図2に示したコンピュータ500は、入力装置501、表示装置502、外部I/F503、RAM504、ROM505、CPU506、通信I/F507、及びHDD508などを備え、それぞれがバスBで相互に接続されている。なお、入力装置501及び表示装置502は必要なときに接続して利用する形態であってもよい。
【0016】
入力装置501はキーボードやマウスなどを含み、ユーザが各操作信号を入力するのに用いられる。表示装置502はディスプレイなどを含み、コンピュータ500による処理結果を表示する。
【0017】
通信I/F507はコンピュータ500をネットワークN1に接続するインタフェースである。これにより、コンピュータ500は通信I/F507を介してデータ通信を行うことができる。
【0018】
HDD508はプログラムやデータを格納している不揮発性の記憶装置である。格納されるプログラムやデータは、例えばコンピュータ500全体を制御する基本ソフトウェアであるOSや、OS上において各種機能を提供するアプリケーションソフトウェアなどである。
【0019】
外部I/F503は、外部装置とのインタフェースである。外部装置には、記録媒体503aなどがある。これにより、コンピュータ500は外部I/F503を介して記録媒体503aの読み取り及び/又は書き込みを行うことができる。記録媒体503aにはフレキシブルディスク、CD、DVD、SDメモリカード、USBメモリなどがある。
【0020】
ROM505は、電源を切ってもプログラムやデータを保持することができる不揮発性の半導体メモリ(記憶装置)である。ROM505には、コンピュータ500の起動時に実行されるBIOS、OS設定、及びネットワーク設定などのプログラムやデータが格納されている。RAM504は、プログラムやデータを一時保持する揮発性の半導体メモリである。
【0021】
CPU506は、ROM505やHDD508などの記憶装置からプログラムやデータをRAM504上に読み出し、処理を実行することで、コンピュータ500全体の制御や機能を実現する演算装置である。
【0022】
本実施形態に係るプリントサーバ装置10、認証サーバ装置11、クライアント端末13は、上記したコンピュータ500のハードウェア構成により後述するような各種処理を実現できる。
【0023】
図1の画像形成装置12は、例えば
図3に示すようなハードウェア構成のコンピュータにより実現される。
図3は本実施形態に係る画像形成装置の一例のハードウェア構成図である。
図3に示した画像形成装置12は、コントローラ601、操作パネル602、外部I/F603、通信I/F604、プリンタ605及びスキャナ606などを備える。
【0024】
コントローラ601はCPU611、RAM612、ROM613、NVRAM614及びHDD615などを備える。ROM613は、各種プログラムやデータが格納されている。RAM612はプログラムやデータを一時保持する。NVRAM614は、例えば設定情報等が格納されている。また、HDD615は各種プログラムやデータが格納されている。
【0025】
CPU611は、ROM613やNVRAM614、HDD615などからプログラムやデータ、設定情報等をRAM612上に読み出し、処理を実行することで、画像形成装置12全体の制御や機能を実現する。
【0026】
操作パネル602はユーザからの入力を受け付ける入力部と、表示を行う表示部とを備えている。外部I/F603は外部装置とのインタフェースである。外部装置には、記録媒体603aなどがある。これにより、画像形成装置12は外部I/F603を介して記録媒体603aの読み取り及び/又は書き込みを行うことができる。記録媒体603aにはICカード、フレキシブルディスク、CD、DVD、SDメモリカード、USBメモリ等がある。
【0027】
通信I/F604は、画像形成装置12をネットワークN1に接続するインタフェースである。これにより、画像形成装置12は通信I/F604を介してデータ通信を行うことができる。プリンタ605は、印刷データを用紙に印刷するための印刷装置である。スキャナ606は原稿から画像データ(電子データ)を読み取るための読取装置である。
【0028】
<ソフトウェア構成>
《プリントサーバ装置》
本実施形態に係るプリントサーバ装置10は例えば
図4に示す処理ブロックにより実現される。
図4は本実施形態に係るプリントサーバ装置の一例の処理ブロック図である。
【0029】
図4のプリントサーバ装置10はプログラムを実行することにより、ジョブ登録処理部22、ジョブ情報提供部23、印刷データ提供部24、サーバ情報保持部25、ジョブ情報保持部26、印刷データ保持部27を実現している。
【0030】
ジョブ登録処理部22は印刷ジョブを受け付け、印刷ジョブの登録処理を行う。ジョブ情報提供部23は画像形成装置12からの要求に基づき、印刷ジョブ情報を画像形成装置12に提供する。
【0031】
印刷データ提供部24は画像形成装置12からの要求に基づき、印刷データを画像形成装置12に提供する。サーバ情報保持部25は後述のサーバ情報を保持する。ジョブ情報保持部26は印刷ジョブ情報を保持する。また、印刷データ保持部27は印刷データを保持する。
【0032】
《画像形成装置》
本実施形態に係る画像形成装置12は、例えば
図5に示す処理ブロックにより実現される。
図5は本実施形態に係る画像形成装置の一例の処理ブロック図である。
【0033】
画像形成装置12はプログラムを実行することにより、操作受付部41、データ表示処理部42、ログイン処理部43、ジョブ情報取得部44、ジョブ選択受付部45、印刷データ取得部46、印刷設定更新受付部47、印刷処理部48を実現している。
【0034】
操作受付部41はユーザからの操作を受け付ける。データ表示処理部42はユーザに対する表示を行う。ログイン処理部43はユーザからのログイン操作を受け付け、後述のようにログイン処理を行う。ジョブ情報取得部44は印刷ジョブ情報をプリントサーバ装置10から取得する。
【0035】
ジョブ選択受付部45は後述の印刷ジョブ情報一覧画面から印刷ジョブの選択を受け付ける。印刷データ取得部46はユーザにより選択された印刷ジョブの印刷データを後述のようにプリントサーバ装置10から取得する。印刷設定更新受付部47はユーザから印刷設定更新の要求を受け付けると、印刷データの印刷設定を更新する。印刷処理部48は取得した印刷データを印刷設定に従ってプリンタ605から印刷する印刷処理を行う。
【0036】
《クライアント端末》
本実施形態に係るクライアント端末13は、例えば
図6に示す処理ブロックにより実現される。
図6は本実施形態に係るクライアント端末の一例の処理ブロック図である。
【0037】
クライアント端末13はプログラムを実行することにより、文書作成アプリケーション61、仮想プリンタドライバ62、実プリンタドライバ63、プラグイン64、プラットフォームAPI65、プラットフォーム66、記憶部67を実現している。プラグイン64は印刷フロープラグイン71、ジョブ蓄積プラグイン72、代理印刷プラグイン73を有する。プラットフォーム66は表示制御(UI制御)部81、設定部82、通信部83を有する。
【0038】
文書作成アプリケーション61はユーザから印刷の要求を受け付けるアプリケーションの一例である。文書作成アプリケーション61は一例であって、ユーザから印刷等の出力の要求を受け付けるアプリケーションであればよい。
【0039】
仮想プリンタドライバ62はアプリケーションデータを機種依存しない中間形式の印刷データに変換して出力するプリンタドライバである。中間形式の印刷データは画像形成装置12の機種に依存しない印刷データである。XPS(XML Paper Specification)形式のデータは中間形式の印刷データの一例である。また、アプリケーションデータは出力対象データの一例である。
【0040】
実プリンタドライバ63は、アプリケーションデータ又は中間形式の印刷データを画像形成装置12が印刷できる実形式の印刷データに変換して出力するプリンタドライバである。RAW形式のデータは、実形式の印刷データの一例である。
【0041】
なお、アプリケーションデータ等の出力対象データ、中間形式又は実形式の印刷データ等は、ユーザが出力を要求してから出力装置に出力されるまでの間、出力の対象として取り扱われる出力データと捉えることができる。例えばアプリケーションデータは、アプリケーションに従ったデータ形式のデータである。
【0042】
したがって、出力の要求から出力の実行までにどのようなデータ形式となっているかは関係なく、アプリケーションデータ、中間形式の印刷データ、実形式の印刷データ等は全て出力対象データと言える。
【0043】
また、出力データは印刷出力に利用するデータに限らず、表示(投影)出力に利用するデータ(表示(画像)データなど)や、音声出力に利用するデータ(音声データなど)であってもよい。出力データは印刷、表示、音声再生等の1または複数の出力用途に応じた出力データを取り扱うことができる。
【0044】
プラグイン64はプラットフォーム66上で動作するソフトウェアである。プラグイン64はプラットフォームAPI65を利用することで、プラットフォーム66の機能を利用できる。プラグイン64の印刷フロープラグイン71は印刷フロー制御を行う。ジョブ蓄積プラグイン72は印刷ジョブの蓄積を行う。代理印刷プラグイン73は代理印刷に関する処理を行う。代理印刷プラグイン33は印刷ジョブごとに代理ユーザを設定する場合に利用される。
【0045】
プラットフォームAPI65はプラグイン64が、プラットフォーム66の機能を利用するためのインタフェースである。プラットフォームAPI65はプラグイン64からの要求をプラットフォーム66が受信するために設けられた予め定義されたインタフェースであり、例えば関数やクラス等により構成される。
【0046】
プラットフォーム66の表示制御部81は例えば文書作成アプリケーション61やプラグイン64等からの要求に基づいて表示装置502の表示を制御する。設定部82はプラグイン64の設定を行う。通信部83はプリントサーバ装置10、認証サーバ装置11や画像形成装置12等との通信を実行する。記憶部67は設定等を記憶する。
【0047】
クライアント端末13はプラグイン64が共通に利用する機能をプラットフォーム66に集約することで、処理を集約している。なお、
図6の処理ブロック図の分類形態は一例であり、
図6に示されるような階層で分類されていることは必須でない。プラグイン64は管理者やユーザが所望するものを適宜インストールして使用できる。したがって、クライアント端末13は必ず印刷フロープラグイン71、ジョブ蓄積プラグイン72及び代理印刷プラグイン73を備えていなければならないわけではない。
【0048】
《サーバ情報》
図7はサーバ情報の一例の構成図である。
図7のサーバ情報はサーバID、IPアドレス、ホスト名、ポート番号、ポート番号(https)などの項目を有している。サーバIDはプリントサーバ装置10をサーバとして一意に特定するための特定情報である。IPアドレスはサーバIDにより特定されるサーバのIPアドレスである。
【0049】
ホスト名はサーバIDにより特定されるサーバのホスト名である。ポート番号はサーバIDにより特定されるサーバと通信を行う際のポート番号である。ポート番号(https)はサーバIDにより特定されるサーバと暗号化を行った状態で通信を行う際のポート番号である。
【0050】
例えば印刷データを印刷するとき、画像形成装置12は後述の印刷ジョブ情報に含まれるサーバIDをキー情報として
図7のサーバ情報を検索することで印刷データが蓄積されているプリントサーバ装置10と通信を行い、印刷データを取得できる。
【0051】
《印刷ジョブ情報》
図8は印刷ジョブ情報の一例の構成図である。印刷ジョブ情報は文書ID、ユーザ名、ユーザ表示名、サーバID、ジョブ名、データ蓄積先、蓄積言語、ページ数、面設定、色情報、部数などの項目を有している。
【0052】
文書IDは印刷ジョブを一意に識別するための識別情報である。ユーザ名は印刷ジョブを登録したユーザの名前である。ユーザ表示名は印刷ジョブを登録したユーザの表示名である。サーバIDは印刷ジョブが蓄積されているサーバのサーバIDである。ジョブ名は印刷ジョブの名前であって、例えば印刷データの文書名である。また、データ蓄積先は印刷ジョブの印刷データが蓄積されている場所を示している。
【0053】
蓄積言語は蓄積されている印刷データの形式を示している。例えば印刷ジョブ情報は蓄積言語が「XPS」である場合、中間形式の印刷データが蓄積されていることを示し、蓄積言語が「PCL」である場合、実形式の印刷データが蓄積されていることを示す。中間形式の印刷データとはフォーマットに関する共通仕様が一般に公開され、かつ、再編集が容易な形式の印刷データである。また、中間形式の印刷データのデータ形式はXPSに限らない。中間形式の印刷データのデータ形式はPDF(Portable Document Format)等であってもよい。
【0054】
一方、実形式の印刷データとは画像形成装置12に依存した印刷データである。実形式の印刷データのデータ形式はPCLに限らない。例えば実形式の印刷データのデータ形式はPS(Post Script)等であってもよい。
【0055】
中間形式及び実形式の印刷データの性質の違いの一例としては印刷データの出力態様に関する設定の変更(出力データの編集)に対する自由度の違いが挙げられる。印刷データの出力態様に関する設定には、例えば両面/片面などの印刷面の設定やカラー/白黒などのカラーモードの設定、2in1などの集約の設定などがある。
【0056】
例えばXPSといった中間形式の印刷データであれば印刷面の設定変更、カラーモードの設定変更、集約の設定変更が行える。PCLといった実形式の印刷データであれば印刷面の設定変更、カラーを白黒にする設定変更は行える一方で、白黒をカラーにする設定変更や集約の設定変更は行えないといった設定変更の制約が生じる。中間印刷データが、再編集が容易な形式のデータであるとは、一つの側面として、このような出力態様に関する設定の変更の自由度が挙げられる。
【0057】
ページ数は印刷データのページ数を表す。面設定は印刷データの面数を表す。色情報は印刷データの色情報を表す。部数は印刷データの印刷時の部数を表す。例えばユーザが印刷ジョブの登録を要求すると、
図8の印刷ジョブ情報にはユーザが登録を要求した印刷ジョブの印刷ジョブ情報が登録される。
【0058】
<処理の詳細>
以下では、本実施形態に係る印刷システム1の処理の詳細について説明する。
【0059】
《クライアント端末における設定処理》
図9はクライアント端末における設定画面の一例のイメージ図である。
図9の設定画面1000はプリントサーバ装置10及び認証サーバ装置11との通信を可能にする為の設定と、認証情報の設定と、が可能である。
【0060】
プリントサーバ装置10との通信を可能にする為の設定には、プリントサーバ装置10のホスト名/IPアドレス、ポート番号、SSLの有効/無効の項目が含まれる。プリントサーバ装置10との通信を可能にする為の設定は接続ボタン1002を押下することにより行われる接続テストにより確認できる。
【0061】
認証サーバ装置11との通信を可能にする為の設定には、認証サーバ装置11のホスト名/IPアドレス、ポート番号の項目が含まれる。認証サーバ装置11との通信を可能にする為の設定は接続ボタン1001を押下することにより行われる接続テストにより確認できる。
【0062】
《認証サーバ装置における代理ユーザ設定処理》
認証サーバ装置11は例えば
図10に示す画面から代理ユーザの設定を受け付ける。
図10は代理ユーザの設定を受け付ける画面の一例のイメージ図である。
図10(a)は認証サーバ装置11においてユーザ編集処理を行うためのユーザ編集画面1010の一例である。また、
図10(b)は認証サーバ装置11において代理ユーザ設定処理を行うための代理ユーザ設定画面1020の一例である。なお、
図10(a)のユーザ編集画面1010及び
図10(b)の代理ユーザ設定画面1020は認証サーバ装置11において表示されてもよいし、認証サーバ装置11とネットワークN1を介して接続されるクライアント端末13に表示されてもよい。
【0063】
図10(a)のユーザ編集画面1010は、ログインユーザ名及び表示名を入力する入力欄と、パスワード、カード情報、代理ユーザ情報及び権限情報の編集を行うためのボタンと、を有する。なお、表示名は、画像形成装置12において表示されるユーザ表示名である。
【0064】
代理ユーザ情報の編集を行うためのボタン1011が押下されると、認証サーバ装置11は
図10(b)の代理ユーザ設定画面1020を表示する。
図10(b)の代理ユーザ設定画面1020は
図10(a)のユーザ編集画面1010のログインユーザが自身の印刷ジョブの権限を委譲する代理ユーザの設定を行う画面である。
【0065】
図10の代理ユーザ設定画面1020は、ユーザ編集画面1010のログインユーザであるオーナが自身の印刷ジョブの権限を委譲する代理ユーザとしてユーザ名「AAA」及び「BBB」のユーザを選択している例を示している。ユーザ編集画面1010及び代理ユーザ設定画面1020により設定されたオーナと代理ユーザとを紐付ける情報はユーザがログインする際に認証サーバ装置11から画像形成装置12に通知される。
【0066】
ユーザ編集画面1010及び代理ユーザ設定画面1020により設定されたオーナと代理ユーザとを紐付ける情報により、代理ユーザがログインユーザとして画像形成装置12にログインした際、オーナの印刷ジョブの全てを代理として印刷できる。
【0067】
《画像形成装置におけるログイン処理》
ユーザは
図11に示す手順で画像形成装置12にログインを行う。
図11は画像形成装置におけるログイン処理の一例のフローチャートである。ここではオーナが印刷ジョブをプリントサーバ装置10に蓄積済みであるとして説明する。例えばオーナは文書作成アプリケーション61を操作して印刷設定画面などを開き、仮想プリンタドライバ62を選択して印刷を指示することにより、印刷ジョブ蓄積処理を開始できる。ユーザが仮想プリンタドライバ62を選択して印刷を要求すると、クライアント端末13は印刷ジョブをプリントサーバ装置10に蓄積する。
【0068】
ステップS51において、ユーザは画像形成装置12の操作パネル602を操作して例えばログイン画面の表示を要求する。画像形成装置12の操作受付部41はユーザからの操作を受け付け、データ表示処理部42にログイン画面を表示させる。
【0069】
ステップS51において、操作受付部41はユーザからログイン画面へのユーザ名の入力を受け付ける。また、ステップS52において、操作受付部41はユーザからログイン画面へのパスワードの入力を受け付ける。なお、ユーザ名及びパスワードはユーザの認証情報の一例である。ステップS53において、ログイン処理部43はログイン画面に入力されたユーザ名及びパスワードを認証情報として認証サーバ装置11に送信し、認証情報の問い合わせを行う。
【0070】
ステップS54において、認証サーバ装置11は画像形成装置12から認証情報を受信する。ステップS55において、認証サーバ装置11は画像形成装置12から受信した認証情報の検索をユーザ情報保持部91に依頼する。ユーザ情報保持部91は画像形成装置12から受信した認証情報を保持しているかを検索により確認し、検索結果を認証サーバ装置11に送信する。
【0071】
ステップS56において、認証サーバ装置11はユーザ情報保持部91から検索結果を受信する。ステップS57において、認証サーバ装置11は画像形成装置12から受信した認証情報と、ユーザ情報保持部91が保持している認証情報と、に整合があるかを確認する。
【0072】
画像形成装置12から受信した認証情報と、ユーザ情報保持部91が保持している認証情報と、に整合があれば、認証サーバ装置11はステップS58において、ユーザに対して画像形成装置12の利用権限を設定する。そして、認証サーバ装置11はステップS59において、成功通知と共に、ユーザに設定した利用権限の情報を画像形成装置12に対して送信する。
【0073】
なお、画像形成装置12から受信した認証情報と、ユーザ情報保持部91が保持している認証情報と、に整合がなければ、認証サーバ装置11はステップS59において、失敗通知を画像形成装置12に対して送信する。
【0074】
ステップS60において、画像形成装置12のログイン処理部43は認証サーバ装置11から認証情報の問い合わせの結果を受信する。なお、ユーザ編集画面1010及び代理ユーザ設定画面1020により設定されたオーナと代理ユーザとを紐付ける情報は例えばステップS60において認証サーバ装置11から画像形成装置12に通知される。
【0075】
ステップS61において画像形成装置12のログイン処理部43は認証情報の問い合わせの結果として認証サーバ装置11から利用権限の情報を受信したか否かを判定する。利用権限の情報を受信したと判定すると、ログイン処理部43はステップS62においてログインを成功させる。ログインの成功によりユーザは設定された利用権限の範囲で画像形成装置12のアプリケーションや機能などの利用が可能となる。なお、利用権限の情報を受信していないと判定すると、ログイン処理部43はステップS63においてログインの失敗を操作パネル602などに表示させる。
【0076】
図11のログイン処理はユーザ名及びパスワードをユーザの認証情報として利用しているが、例えばICカードの登録情報を用いたログイン処理も可能である。ICカードの登録情報を用いたログイン処理は、例えばユーザ情報保持部91にICカードの登録情報とユーザ名などのユーザを特定する情報とを、予め紐づけて登録しておくことにより可能である。なお、ユーザを特定する情報と紐づけられていないICカードの登録情報がログイン処理に利用された場合は、ICカードの登録情報とユーザ名などのユーザを特定する情報とを紐づけて登録する処理を画像形成装置12から受け付けるようにしてもよい。
【0077】
ログインが成功すると、画像形成装置12のデータ表示処理部42は
図12に示すようなホーム画面1030を例えば操作パネル602に表示させる。
図12はログイン後に画像形成装置に表示されるホーム画面の一例のイメージ図である。
図12のホーム画面1030は、コピー、プリンタ、ドキュメントサーバ、スキャナ、ファクシミリなどのアプリケーションへのリンクボタンが表示され、アプリケーションへの遷移を容易にする。
【0078】
また、
図12のホーム画面1030は更新ボタンやログアウトボタンを配置することにより画面更新やログアウトをスムーズに行える構成となっている。
図12のホーム画面1030は基本アプリケーション以外へのリンク「Embedded Application」も設定可能である。なお、
図12のホーム画面1030は一例であって、ユーザに設定された利用権限やユーザによる操作によりレイアウトを変更可能である。
【0079】
《印刷ジョブ情報一覧画面の表示》
例えばユーザはホーム画面1030からプリンタのアプリケーションへのリンクボタンを押下することで、印刷ジョブ情報一覧画面の表示を画像形成装置12に要求する。画像形成装置12のジョブ情報取得部44はログインに成功したユーザの印刷ジョブ情報をプリントサーバ装置10に要求する。プリントサーバ装置10のジョブ情報提供部23はログインに成功したユーザのユーザ名が設定されている印刷ジョブ情報を検索する。
【0080】
また、ジョブ情報提供部23は検索した印刷ジョブ情報に設定されているサーバIDを取得し、そのサーバIDが設定されているサーバ情報を検索する。ジョブ情報提供部23は検索した印刷ジョブ情報とサーバ情報とを画像形成装置12に送信する。
【0081】
画像形成装置12のジョブ情報取得部44はログインに成功したユーザの印刷ジョブ情報と、その印刷ジョブ情報に設定されているサーバIDのサーバ情報とをプリントサーバ装置10から受信する。画像形成装置12のデータ表示処理部42はプリントサーバ装置10から受信したユーザの印刷ジョブ情報と、印刷ジョブ情報に設定されているサーバIDのサーバ情報とを利用して、
図13に示す印刷ジョブ情報一覧画面1050を操作パネル602に表示する。
【0082】
図13は印刷ジョブ情報一覧画面の一例のイメージ図である。
図13の印刷ジョブ情報一覧画面1050はログインに成功したユーザ(ログインユーザ)の印刷ジョブ情報のリスト1051が含まれる。印刷ジョブ情報のリスト1051は各印刷ジョブ情報がボタン等の選択可能な部品で表されている。
図13の各印刷ジョブ情報を表す部品には、印刷データの文書名、印刷ジョブの蓄積処理を行った年月日、ページ数、部数、面設定、色情報が一例として表示されている。
【0083】
また、
図13の印刷ジョブ情報一覧画面1050は全選択ボタン、オーナ選択ボタン1052、更新ボタン、条件変更ボタン、削除ボタン、印刷ボタンが含まれる。さらに、
図13の印刷ジョブ情報一覧画面1050はログインに成功したユーザが蓄積している印刷ジョブ数を表示している。
【0084】
全選択ボタンは印刷ジョブ情報のリスト1051の全ての印刷ジョブ情報を選択するボタンである。オーナ選択ボタン1052は後述のオーナ選択画面を操作パネル602に表示させるためのボタンである。更新ボタンは、印刷ジョブ情報のリスト1051を更新するためのボタンである。更新ボタンが押下されると、ジョブ情報取得部44はプリントサーバ装置10から印刷ジョブ情報及びサーバ情報を再取得する。
【0085】
条件変更ボタンは選択されている印刷ジョブ情報の印刷設定変更画面を表示するボタンである。削除ボタンは選択されている印刷ジョブ情報を削除するボタンである。印刷ボタンは選択されている印刷ジョブ情報の印刷指示を行うボタンである。
【0086】
《オーナの印刷ジョブ情報一覧画面の表示》
例えばログインユーザは印刷ジョブ情報一覧画面1050からオーナ選択ボタン1052を押下することで、オーナ選択画面の表示を画像形成装置12に要求し、オーナ選択画面を表示させる。ログインユーザはオーナ選択画面からオーナを選択することで、選択したオーナから権限を委譲された印刷ジョブ情報のリストを印刷ジョブ情報一覧画面に表示させることができる。
【0087】
図14は、オーナの印刷ジョブ情報一覧画面を表示する処理の一例のフローチャートである。ステップS71において、画像形成装置12の操作受付部41はログインユーザによるオーナ選択ボタン1052の押下を受け付ける。ステップS72において、ジョブ情報取得部44はログインユーザが代理ユーザとして紐付けられているオーナの印刷ジョブ情報の数をプリントサーバ装置10に問い合わせる。なお、ジョブ情報取得部44は複数人のオーナの印刷ジョブ情報の数をステップS72において問い合わせてもよい。
【0088】
図15はオーナの印刷ジョブ情報の数をプリントサーバ装置に問い合わせる為の問い合わせ情報の一例の説明図である。
図15の問い合わせ情報は「Owner_A」と「Owner_B」とが自身の印刷ジョブの権限をログインユーザに委譲した例である。
図15の問い合わせ情報により、ログインユーザが代理ユーザとして権限を委譲されたオーナのユーザ名がプリントサーバ装置10に通知される。
【0089】
ステップS73において、プリントサーバ装置10のジョブ情報提供部23はジョブ情報保持部26の印刷ジョブ情報をオーナのユーザ名で検索する。ステップS74においてジョブ情報提供部23は検索結果に基づき、オーナのユーザ名ごとに印刷ジョブ情報の数をカウントする。
【0090】
ステップS75において、ジョブ情報提供部23はステップS72の問い合わせに対する応答として、オーナのユーザ名ごとに印刷ジョブ情報の数をカウントした結果を画像形成装置12に通知する。
【0091】
ステップS76において、画像形成装置12のデータ表示処理部42はプリントサーバ装置10から受信したオーナのユーザ名ごとに印刷ジョブ情報の数をカウントした結果を利用して
図16に示すようなオーナ選択画面1060を操作パネルに表示する。
【0092】
図16はオーナ選択画面の一例のイメージ図である。
図16のオーナ選択画面1060は選択可能なオーナのオーナ情報がボタン等の選択可能な部品で表されている。
図16のオーナ情報を表す部品には、ログインユーザが代理ユーザとして権限を委譲されたオーナのユーザ表示名と、オーナのユーザ名ごとにカウントした印刷ジョブ情報の数と、が一例として表示されている。
【0093】
また、
図16のオーナ選択画面1060はキャンセル処理を要求し、オーナ選択画面1060を閉じるキャンセルボタンと、ログインユーザが選択したオーナの印刷ジョブ情報のリストが含まれる印刷ジョブ情報一覧画面を表示させるOKボタンと、が含まれる。
【0094】
ステップS77において、ログインユーザは
図16のオーナ選択画面1060から印刷ジョブ情報のリストを表示させたいオーナを選択し、OKボタンを押下する。ステップS78において、画像形成装置12のジョブ情報取得部44はオーナ選択画面1060から選択されたオーナの認証設定を用いて内部ログインを行う。なお、内部ログインに必要な情報はログイン処理時に認証サーバ装置11から取得しているものとする。
【0095】
ステップS79において、画像形成装置12のジョブ情報取得部44は
図16のオーナ選択画面1060から選択されたオーナの印刷ジョブ情報をプリントサーバ装置10に要求する。ステップS80において、プリントサーバ装置10のジョブ情報提供部23は選択されたオーナのユーザ名が設定されている印刷ジョブ情報を検索する。
【0096】
また、ジョブ情報提供部23は検索した印刷ジョブ情報に設定されているサーバIDを取得し、そのサーバIDが設定されているサーバ情報を検索する。ステップS81においてジョブ情報提供部23は検索した印刷ジョブ情報とサーバ情報とを画像形成装置12に送信する。
【0097】
画像形成装置12のジョブ情報取得部44は選択されたオーナの印刷ジョブ情報と、その印刷ジョブ情報に設定されているサーバIDのサーバ情報とをプリントサーバ装置10から受信する。ステップS82において、画像形成装置12のデータ表示処理部42は受信したオーナの印刷ジョブ情報と印刷ジョブ情報に設定されているサーバIDのサーバ情報とを利用して、
図17に示す印刷ジョブ情報一覧画面1070を操作パネル602に表示する。
【0098】
図17は印刷ジョブ情報一覧画面の他の例のイメージ図である。
図17の印刷ジョブ情報一覧画面1070は、選択されたオーナの印刷ジョブ情報のリスト1071が含まれている。
図17の印刷ジョブ情報一覧画面1070は、オーナ選択ボタン1052の替わりにログインユーザボタン1072を有し、オーナのユーザ表示名が表示されている点で
図13の印刷ジョブ情報一覧画面1050と異なる。
【0099】
ログインユーザボタン1072は
図13の印刷ジョブ情報一覧画面50の表示に切り替えるためのボタンである。ログインユーザは
図13のオーナ選択ボタン1052と
図17のログインユーザボタン1072とを利用することで、自身の印刷ジョブ情報とオーナの印刷ジョブ情報との表示の切り替えを容易に行うことができる。
【0100】
図14の処理によれば、ログインユーザはオーナから権限を委譲された印刷ジョブのリスト1071を容易に表示させることができ、印刷ジョブのリスト1071から選択した印刷ジョブ情報の印刷指示を容易に行うことができる。また、オーナは自身が蓄積した全ての印刷ジョブの権限を委譲する代理ユーザを予め設定できるため、代理印刷の設定が容易となる。
【0101】
《印刷ジョブ出力処理》
例えばユーザは
図13の印刷ジョブ情報一覧画面1050の印刷ジョブ情報のリスト1051から印刷指示を行いたい印刷ジョブ情報を選択して印刷ボタンを押下することにより印刷ジョブ出力処理を画像形成装置12に要求できる。また、ユーザは
図17の印刷ジョブ情報一覧画面1070の印刷ジョブ情報のリスト1071から印刷指示を行いたい印刷ジョブ情報を選択して印刷ボタンを押下することにより印刷ジョブ出力処理を画像形成装置12に要求できる。
【0102】
図18は本実施形態に係る印刷ジョブ出力処理の一例のフローチャートである。画像形成装置12のジョブ選択受付部45はステップS101において、
図17の印刷ジョブ情報一覧画面1070の印刷ジョブ情報のリスト1071等からユーザによる印刷ジョブ情報の選択を受け付ける。
【0103】
ステップS102において、ジョブ選択受付部45は印刷ジョブ情報一覧画面1070の印刷ボタンをユーザに押下され、ステップS101で選択を受け付けた印刷ジョブ情報の印刷指示を受け付ける。そして、ステップS103において、印刷データ取得部46は印刷指示を受け付けた印刷ジョブ情報の印刷データ取得要求をプリントサーバ装置10に送信する。
【0104】
ステップS104においてプリントサーバ装置10は画像形成装置12から印刷データ取得要求を受信する。ステップS105において、プリントサーバ装置10の印刷データ提供部24は、画像形成装置12から要求された実形式の印刷データを印刷データ保持部27から取得する。ステップS106において、印刷データ提供部24は実形式の印刷データを印刷データ取得要求元である画像形成装置12に送信する。
【0105】
ステップS107において、画像形成装置12はプリントサーバ装置10から実形式の印刷データを受信する。ステップS108において、画像形成装置12の印刷処理部48は受信した実形式の印刷データの印刷を実行する。ステップS109において、印刷処理部48は印刷を完了する。
【0106】
ステップS110において、印刷処理部48は実形式の印刷データの印刷結果の送信処理を開始する。印刷処理部48は印刷データの処理結果をプリントサーバ装置10に送信する。印刷結果には、画像形成装置12のログインユーザを印刷実行者とする情報が含まれている。ステップS111において、プリントサーバ装置10は印刷データの印刷結果を受信する。ステップS112において、プリントサーバ装置10のジョブ登録処理部22は受信した印刷データの印刷結果に基づき、印刷データの削除や印刷ジョブ情報の更新処理等を行う。また、印刷結果をアカウンティングログとして自身あるいは外部の記憶装置に記録する。
【0107】
したがって、代理ユーザがオーナの印刷ジョブを選択し、印刷データの印刷を実行した場合でも、画像形成装置12はオーナの認証設定を用いて内部ログインを行っているためにオーナを印刷実行者としてアカウンティングを管理することができる。これはオーナから依頼された代理ユーザがオーナの印刷ジョブを実行したとしても、本質的には依頼者であるオーナが印刷実行者に該当すると考えられるためである。
【0108】
近年、ユーザ毎に何枚の印刷を行ったかといったユーザ毎の使用量を管理するために印刷結果のアカウンティングログを収集し、集計したいという要望がある。この時、依頼された側の代理ユーザではなく依頼した側のオーナを印刷実行者として集計できることで印刷物を必要とするユーザ単位で使用量を管理することができる。
【0109】
図18のフローチャートに示したように、本実施形態の印刷システム1の画像形成装置12はプリントサーバ装置10に蓄積されている印刷データを取得して印刷できる。
【0110】
なお、ステップS102において、印刷ジョブ情報の印刷指示を受け付けたあと、画像形成装置12のデータ表示処理部42は例えば
図19に示すような印刷中画面1080を操作パネル602に表示する。
【0111】
図19は印刷中画面の一例のイメージ図である。
図19の印刷中画面1080は印刷中の印刷データの文書名や蓄積処理を行った日時、ページ数が含まれるため、ユーザに印刷中の印刷ジョブの内容を確認させることができる。
【0112】
また、
図17の印刷ジョブ情報一覧画面1070等の条件変更ボタンが押下されることにより、画像形成装置12の操作パネル602には例えば
図20に示すような印刷設定変更画面1090が表示される。
図20は印刷設定変更画面の一例のイメージ図である。
【0113】
図20の印刷設定変更画面1090は条件変更ボタンが押下されたときに選択されていた印刷ジョブ情報の印刷設定のうち、変更が可能な印刷設定が含まれる。
図20の印刷設定変更画面1090には変更が可能な印刷設定の一例として、部数、面設定、色情報が表示されている。
【0114】
図20の印刷設定変更画面1090では、面設定を変更しないか、片面に変更するかを選択できる。また、
図20の印刷設定変更画面1090では色情報を変更しないか、モノクロに変更するかを選択できる。また、
図20の印刷設定変更画面1090はチェック印刷ボタン、印刷ボタンが含まれる。
【0115】
チェック印刷ボタンはチェック印刷(1部の印刷)を行うボタンである。また、印刷ボタンは印刷設定変更画面1090に表示されている印刷設定で印刷を開始するボタンである。印刷ボタンが押下されると、画像形成装置12は印刷設定変更画面1090に表示されている印刷設定で印刷データの出力を開始する。
【0116】
なお、本実施形態の印刷システム1はプリントサーバ装置10に実形式の印刷データを蓄積している。実形式の印刷データは、中間形式の印刷データよりも変更が可能な印刷設定の数が少ない。そこで、本実施形態の印刷システム1はプリントサーバ装置10に中間形式の印刷データを蓄積することで、パンチやステープル等の印刷設定の変更も受け付けることができるようにしてもよい。
【0117】
この場合、本実施形態の印刷システム1は、中間形式の印刷データの印刷ジョブ情報が選択された場合に、パンチやステープル等の印刷設定の変更も受け付ける印刷設定変更画面としてもよい。なお、本実施形態の印刷システム1は代理ユーザが印刷ジョブの出力を行った場合のアカウンティングをオーナのアカウンティングとして計上する。
【0118】
<まとめ>
本実施形態に係る印刷システム1によれば、オーナは自身が蓄積した全ての印刷ジョブの権限を委譲する代理ユーザの設定を、容易に行うことができる。
[第2の実施形態]
第1の実施形態の印刷システム1はオーナが自身の蓄積した全ての印刷ジョブの権限を委譲する代理ユーザの設定を行うものである。一方、第2の実施形態の印刷システム1はオーナが自身の蓄積した印刷ジョブごとに代理ユーザの設定を行うものである。なお、第2の実施形態は一部を除いて第1の実施形態と同一であるため、同一部分についての説明を適宜省略する。
【0119】
システム構成、ハードウェア構成、ソフトウェア構成は第1の実施形態と同様であるため説明を省略する。なお、印刷ジョブ情報は
図21に示すような構成となる。
図21は印刷ジョブ情報の一例の構成図である。印刷ジョブ情報は
図8の項目に代理印刷許可者の項目が追加された構成である。代理印刷許可者は印刷ジョブの権限を委譲した代理ユーザを示すための情報であって、例えばユーザIDなどが設定される。
【0120】
ユーザが印刷ジョブの登録を要求すると、
図21の印刷ジョブ情報にはユーザが登録を要求した印刷ジョブの印刷ジョブ情報が登録される。
【0121】
<処理の詳細>
以下では、本実施形態に係る印刷システム1の処理の詳細について説明する。クライアント端末13における設定処理、画像形成装置12におけるログイン処理、印刷ジョブ情報一覧画面1050の表示、印刷ジョブ出力処理は第1の実施形態と同様である。
【0122】
《クライアント端末における代理ユーザ設定処理》
例えばオーナは文書作成アプリケーション61を操作して印刷設定画面などを開き、仮想プリンタドライバ62を選択して印刷を指示することにより、印刷ジョブ蓄積処理を開始できる。オーナが仮想プリンタドライバ62を選択して印刷を要求すると、クライアント端末13は
図22に示すような代理印刷受付画面を表示装置502に表示させる。
【0123】
図22は代理印刷受付画面の一例のイメージ図である。ログインユーザは
図22の代理印刷受付画面1100から代理印刷を行うか否かを設定する。クライアント端末13の代理印刷プラグイン73は代理印刷受付画面1100からログインユーザによる「代理印刷を行う」設定を受け付けると、
図23に示すような代理ユーザ設定画面1110を表示装置502に表示させる。
【0124】
図23は代理ユーザ設定画面の一例のイメージ図である。代理ユーザ設定画面1110はクライアント端末13において代理ユーザ設定処理を行うための画面例である。例えばログインユーザであるオーナは、印刷ジョブ蓄積処理の対象である印刷ジョブの権限を委譲する代理ユーザを代理ユーザ設定画面1110から選択できる。例えば
図23の代理ユーザ設定画面1110は、ログインユーザであるオーナが印刷ジョブ蓄積処理の対象である印刷ジョブの権限を委譲する代理ユーザとしてユーザ名「AAA」及び「BBB」のユーザを選択している例を示している。
【0125】
また、ログインユーザであるオーナは、印刷を指示するプリンタドライバを代理ユーザ設定画面1110から選択できる。さらに、ログインユーザであるオーナは代理ユーザ設定画面1110の代理ユーザ候補選択ボタン1111を押下することで、代理ユーザ候補設定処理を開始できる。
【0126】
オーナが代理ユーザ候補選択ボタン1111を押下すると、クライアント端末13は
図24に示す代理ユーザ候補設定画面1120を表示装置502に表示させる。
図24は代理ユーザ候補設定画面の一例のイメージ図である。
【0127】
代理ユーザ候補設定画面1120はユーザ名及びユーザ表示名の表示欄が左右に一つずつ設けられており、左側の表示欄から右側の表示欄に移動されたユーザが代理ユーザ候補のプリセットとして設定される。
【0128】
このように、オーナは印刷ジョブ蓄積処理の対象である印刷ジョブごとに代理ユーザを代理ユーザ設定画面1110から選択できる。クライアント端末13のジョブ蓄積プラグイン72は印刷ジョブ蓄積処理の対象である印刷ジョブごとに代理ユーザが選択されたあと例えば
図25に示すような印刷ジョブ情報の印刷ジョブをプリントサーバ装置10に蓄積する。
【0129】
図25は印刷ジョブ情報の一例の構成図である。
図25の印刷ジョブ情報はオーナである「Owner_A」が代理ユーザとして「User_A」及び「User_B」を選択した例を表している。
図25ではジョブ名「JOB NAME」のPJLの後部にオーナのユーザ表示名と、代理ユーザのユーザIDと、が含まれている。
【0130】
ユーザIDは認証サーバ装置11において一意に設定されている情報であるため、適切なユーザに対して代理印刷の権限を付与できる。なお、
図25の印刷ジョブ情報に含まれるオーナのユーザ表示名は
図21のユーザ表示名として設定される。また、
図25の印刷ジョブ情報に含まれる代理ユーザのユーザIDは、
図21の代理印刷許可者として設定される。なお、
図25のジョブ名のPJLの後部に含まれる「#」は各PDL形式に応じた区切り文字であり、複数の代理印刷許可者を設定できる。
【0131】
《オーナの印刷ジョブ情報一覧画面の表示》
例えばログインユーザは印刷ジョブ情報一覧画面1050からオーナ選択ボタン1052を押下することで、オーナ選択画面の表示を画像形成装置12に要求し、オーナ選択画面を表示させる。ログインユーザはオーナ選択画面からオーナを選択することで、選択したオーナから権限を委譲された印刷ジョブ情報のリストを印刷ジョブ情報一覧画面に表示させることができる。
【0132】
図26は、オーナの印刷ジョブ情報一覧画面を表示する処理の他の例のフローチャートである。ステップS131において画像形成装置12の操作受付部41はログインユーザによるオーナ選択ボタン1052の押下を受け付ける。
【0133】
ステップS132において、ジョブ情報取得部44はログインユーザが代理ユーザとして紐付けられているオーナの印刷ジョブ情報の数をプリントサーバ装置10に問い合わせる。なお、ジョブ情報取得部44は複数人のオーナの印刷ジョブ情報の数をステップS132において問い合わせてもよい。
【0134】
図27はオーナの印刷ジョブ情報の数をプリントサーバ装置に問い合わせる為の問い合わせ情報の一例の説明図である。
図27の問い合わせ情報は「User_A」がログインユーザであるときの例である。
図27の問い合わせ情報の「delegateUserID=10」により、プリントサーバ装置10にログインユーザである「User_A」のユーザID「10」が通知される。
図27の問い合わせ情報により、プリントサーバ装置10はログインユーザに権限が委譲されているか否かを印刷ジョブごとに判定できる。
【0135】
ステップS133において、プリントサーバ装置10のジョブ情報提供部23はジョブ情報保持部26の印刷ジョブ情報の項目「代理印刷許可者」を「User_A」のユーザIDで検索する。また、ステップS134においてジョブ情報提供部23は検索結果に基づきオーナのユーザ名ごとに印刷ジョブ情報の数をカウントする。
【0136】
ステップS135において、ジョブ情報提供部23はステップS132の問い合わせに対する応答として、オーナのユーザ名ごとに印刷ジョブ情報の数をカウントした結果を画像形成装置12に通知する。ステップS136において、画像形成装置12のデータ表示処理部42はプリントサーバ装置10から受信したオーナのユーザ名ごとに印刷ジョブ情報の数をカウントした結果を利用して
図16に示したようなオーナ選択画面1060を操作パネルに表示する。
【0137】
ステップS137において、ログインユーザはオーナ選択画面1060から印刷ジョブ情報のリストを表示させたいオーナを選択し、OKボタンを押下する。ステップS138において、画像形成装置12のジョブ情報取得部44はオーナ選択画面1060から選択されたオーナの認証設定を用いて内部ログインを行う。なお、内部ログインに必要な情報はログイン処理時に認証サーバ装置11から取得しているものとする。
【0138】
ステップS139において、画像形成装置12のジョブ情報取得部44はオーナ選択画面1060から選択されたオーナがログインユーザに権限を委譲した印刷ジョブ情報をプリントサーバ装置10に要求する。ステップS140において、プリントサーバ装置10のジョブ情報提供部23はログインユーザのユーザIDが項目「代理印刷許可者」に設定されている印刷ジョブ情報を検索する。
【0139】
また、ジョブ情報提供部23は検索した印刷ジョブ情報に設定されているサーバIDを取得し、そのサーバIDが設定されているサーバ情報を検索する。ステップS141においてジョブ情報提供部23は検索した印刷ジョブ情報とサーバ情報とを画像形成装置12に送信する。
【0140】
画像形成装置12のジョブ情報取得部44は選択されたオーナがログインユーザに権限を委譲した印刷ジョブ情報と、その印刷ジョブ情報に設定されているサーバIDのサーバ情報とをプリントサーバ装置10から受信する。ステップS142において、画像形成装置12のデータ表示処理部42は受信したオーナの印刷ジョブ情報と印刷ジョブ情報に設定されているサーバIDのサーバ情報とを利用して、
図17に示した印刷ジョブ情報一覧画面1070を操作パネル602に表示する。
【0141】
図26の処理によれば、ログインユーザはオーナから権限を委譲された印刷ジョブのリスト1071を容易に表示させることができ、印刷ジョブのリスト1071から選択した印刷ジョブ情報の印刷指示を容易に行うことができる。また、オーナは自身が蓄積した印刷ジョブの権限を委譲する代理ユーザを代理ユーザ設定画面1110から印刷ジョブごとに設定できるため、代理印刷の設定が容易となる。
【0142】
<まとめ>
本実施形態に係る印刷システム1によれば、オーナは自身が蓄積した印刷ジョブの権限を委譲する代理ユーザの設定を印刷ジョブごとに容易に行うことができる。
【0143】
本発明は、具体的に開示された上記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。
【0144】
なお、本発明の適用範囲は印刷用途に限らず、上述した印刷システム1は、出力システムの一例である。よって本発明の適用範囲は印刷データや印刷ジョブ情報を取り扱う出力システムに限らない。クライアント端末13は、出力対象データの出力要求や出力処理の指示においてユーザが使用する装置である端末装置の一例である。
【0145】
プリントサーバ装置10は、印刷データ等の出力対象データや、印刷ジョブ情報等の出力対象データに関する情報である出力データ関連情報(出力対象データの出力要求)を蓄積(保持)し、出力装置に送信する情報処理装置(データ保持装置)の一例である。
【0146】
したがって、プリントサーバ装置10は例えば出力装置がプロジェクタであれば、プロジェクタを用いて表示出力(投影)したい表示データ(出力データ)を保持し、また、表示出力する際の表示方法等の設定(出力データ関連情報)を保持することもできる。
【0147】
また、プリントサーバ装置10は印刷データと表示データの両方を保持することもできる。プリントサーバ装置10は印刷データを印刷出力する複合機や表示データを表示するプロジェクタ等、異なる出力データを出力する複数の出力装置に対して出力装置に応じた出力データや出力データ関連情報等を送信することもできる。
【0148】
認証サーバ装置11はユーザ情報を保持し、要求に応じて認証を実行し、認証結果を応答する情報処理装置(認証装置)の一例である。オーナは、端末装置から出力対象データの出力要求を登録するユーザである登録ユーザの一例である。代理ユーザは、画像形成装置12等の出力装置から出力データを出力するときに出力装置を操作するユーザである出力ユーザの一例である。なお、オーナ自身も出力対象データを出力できる場合、オーナも出力ユーザになり得る。
【0149】
ジョブ登録処理部22は登録ユーザが操作する端末装置から受け付けた出力対象データの出力要求を登録する機能を実現する登録処理手段の一例である。ジョブ情報取得部44は、出力ユーザが操作する出力装置において、出力ユーザを代理ユーザとして設定している登録ユーザの情報を表示し、出力ユーザから登録ユーザの選択を受け付ける機能を実現する選択受付手段の一例である。
【0150】
ジョブ情報提供部23は、出力ユーザによって選択された登録ユーザの出力対象データの出力要求の取得依頼を受け付け、選択された登録ユーザの出力対象データの出力要求を提供する機能を実現する出力要求提供手段の一例である。
【0151】
ジョブ選択受付部45、印刷データ取得部46、印刷処理部48は、出力ユーザから出力対象データの出力要求の選択を受け付ける機能、選択を受け付けた出力要求の出力対象データを蓄積先から取得する機能、蓄積先から取得した出力対象データを出力する機能を実現する出力処理手段の一例である。
【0152】
また、代理ユーザの設定は、認証サーバ装置11、代理印刷プラグイン73は、ユーザが代理ユーザとして選択した他のユーザを設定し、代理ユーザの設定を保持する機能を実現する代理ユーザ設定手段を備える。
【0153】
なお、認証サーバ装置11における代理ユーザ設定手段と、代理印刷プラグイン73における代理ユーザ設定手段とを区別する場合には、それぞれ番号を付した表記を行う。例えば認証サーバ装置11における代理ユーザ設定手段を第1の代理ユーザ設定手段、代理印刷プラグイン73における代理ユーザ設定手段を第2の代理ユーザ設定手段と表記することが一例として挙げられる。なお、番号は逆でもよい。
【0154】
ジョブ情報提供部23は出力ユーザが操作する出力装置に対して、自身を代理ユーザとして設定した登録ユーザの出力対象データの出力要求に関する情報(登録ユーザのユーザ名(表示名)や登録ユーザ単位での出力要求の数等)を提供する機能を実現する。ジョブ情報提供部23は情報提供手段の一例である。また、登録ユーザの出力対象データの出力要求に関する情報の提供方法として、登録ユーザが登録した出力要求の全てを対象として情報を提供する場合と、登録ユーザが代理ユーザを設定して登録した出力要求を対象として情報を提供する場合とがある。したがって、それぞれの場合を区別する場合には、それぞれ番号を付した表記を行う。例えば登録ユーザが登録した出力要求の全てを対象として情報を提供する情報提供手段を第1の情報提供手段、代理ユーザを設定して登録した出力要求を対象として情報を提供する情報提供手段を第2の情報提供手段と表記することが一例として挙げられる。なお、番号は逆でもよい。