(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記クラッドは、前記コアパターンが積層された下部クラッドと、前記コアパターンを覆うように前記下部クラッドに積層された上部クラッドと、前記上部クラッドに積層された有色感光性クラッドとを有し、
前記マーカー用空隙部は、前記有色感光性クラッドに形成されている、請求項1に記載のマーカー付き光導波路。
前記クラッドは、前記コアパターンが積層された下部クラッドと、前記コアパターンを覆うように前記下部クラッドに積層された上部クラッドAと、前記上部クラッドAに積層された別の上部クラッドBとを有し、
前記マーカー用空隙部は、前記上部クラッドBに形成されている、請求項1に記載のマーカー付き光導波路。
前記積層方向から観察した場合において、前記光軸方向における、前記光路変換ミラーと前記マーカー用空隙部との間の距離がロケーション番号と関連付けられている、請求項1から6のいずれかに記載のマーカー付き光導波路。
前記マーカー用空隙部は、前記積層方向から観察した場合において、前記コアパターンに重ならない位置に形成されている、請求項1から6のいずれかに記載のマーカー付き光導波路。
前記マーカー用空隙部の形状は、前記積層方向から観察した場合において、ロケーション番号と関連付けられている、請求項1から10のいずれかに記載のマーカー付き光導波路。
前記積層方向から観察した場合における前記マーカー用空隙部の形状は、円、多角形、楕円、星形、又は、これらの組み合わせである、請求項1から11のいずれかに記載のマーカー付き光導波路。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、クラッドの積層方向から観察した場合において、光導波路自体が明確に左右非対称の形状であると、その光導波路の表裏を簡単に区別することもできるが、一般に、光導波路は長方形や台形等の左右対称又はほぼ左右対称の形状に形成されていることが多く、この場合、その光導波路の表裏を簡単に区別することは難しいという課題がある。
さらに、光導波路は、その大きさも小さく、また、外観が表面と裏面との区別がし難い略対称形状を有しているので、一見して表面と裏面とを区別することが難しい。特に、光導波路の材料が透過性材料で形成されていると、コアパターン等でマーカーを形成しても、視認性が殆ど向上しないので、表面と裏面とを区別することは難しいという課題がある。
【0006】
本発明の目的は、前記の課題を解決するためになされたもので、光導波路の表裏を簡単に区別することができるマーカー付き光導波路を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、上記課題に対して、クラッドに左右非対称の視認可能なマーカーを設けることで、前記課題を解決し得ることを見出した。本発明はかかる知見に基づいて完成したものである。
【0008】
本発明に係るマーカー付き光導波路は、コアパターンと、前記コアパターンを覆うクラッドと、前記コアパターンの光路を変換させる光路変換ミラーと、前記クラッドに、好ましくは視認可能に、形成されたマーカー用空隙部と、を備える。前記マーカー用空隙部は、前記コアパターンの光軸方向を上下方向となるように前記マーカー付き光導波路を置いて、前記コアパターンを伝搬する光が前記光路変換ミラーによって光路変換されて出射する方向から又は前記コアパターンを伝搬する光が前記光路変換ミラーによって光路変換されて出射される方向と逆の方向から前記マーカー用空隙部を観察した場合に、左右非対称となる形状又は位置に形成されている。本発明における、前記コアパターンを伝搬する光が前記光路変換ミラーによって光路変換されて出射する方向とは、光路変換されて光が出射される面を視認でき、該光が出射される面と視認方向のなす角が、本発明におけるマーカー用間隙部を視認可能な0超〜90°の範囲内を指す。また、前記コアパターンを伝搬する光が前記光路変換ミラーによって光路変換されて出射される方向と逆の方向とは、光路変換されて光が出射される面と略平行な裏面であって、該裏面と視認方向のなす角が、本発明におけるマーカー用間隙部を視認可能な0超〜90°の範囲内を指す。
【0009】
マーカー付き光導波路のうちマーカー用空隙部以外の部分が長方形や台形等の左右対称又はほぼ左右対称の形状に形成されていても、その部分の対称軸は容易に把握することができるので、その部分の対称軸を左右非対称を判断する対称軸とし、マーカー用空隙部がその部分の対称軸に対して左右非対称となる形状又は位置に形成されていることを把握することは容易である。
また、マーカー付き光導波路のうちコアパターンは、クラッドの積層方向から比較的容易に把握することができるので、そのコアパターンに基づいて左右非対称を判断する対称軸を設定し、マーカー用空隙部がその対称軸に対して左右非対称となる形状又は位置に形成されていることを把握することは容易である。例えば、コアパターンが3本形成されている場合は、その中央のコアパターンの中心軸を、左右非対称を判断する対称軸してもよいし、4本形成されている場合は、その中央の2本のコアパターンの間に、左右非対称を判断する対称軸となる中心軸を設定してもよい。
前記コアパターンは、光路変換ミラーの近傍のものとすることができる。
このように、コアパターンの光軸方向を上下方向となるようにマーカー付き光導波路を置いて、クラッドの積層方向からマーカー用空隙部を観察した場合に、左右非対称を判断する対称軸に対して、マーカー用空隙部が非対称となる形状に形成されたり、非対称な位置に視認可能なマーカー用空隙部があったりするので、光導波路の裏表を容易に認識できる。
【0010】
前記クラッドは、一般に、前記コアパターンが積層された下部クラッドと、前記コアパターンを覆うように前記下部クラッドに積層された上部クラッドとを有する。前記マーカー用空隙部は、前記上部クラッドに形成されたマーカー用上部空隙部であってもよい。
そのようにすることにより、上部クラッドにマーカー用空隙部が形成されるので、マーカー用空隙部の形成を光路変換ミラーの開口部の形成と同時に行うことができる。
マーカー用空隙部は、内部が空洞であるから、クラッドとマーカー用空隙部との屈折率差を大きく確保することができ、視認性を向上させることができる。
【0011】
前記マーカー用空隙部は、前記積層方向において、前記マーカー用上部空隙部前記下部クラッドに形成されたマーカー用下部空隙部が連通するマーカー用空隙部であってもよい。
そのようにすることにより、下部クラッドにもマーカー用空隙部が形成されるので、より視認しやすい、深いマーカー用空隙部を形成することができる。
【0012】
前記クラッドは、前記コアパターンが積層された下部クラッドと、前記コアパターンを覆うように前記下部クラッドに積層された上部クラッドと、前記上部クラッドに積層された有色感光性クラッドとを有し、前記マーカー用空隙部は、前記有色感光性クラッドに形成してもよい。
そのようにすることにより、マーカー用空隙部の周囲が有色になるので、マーカーの視認性を向上させることができる。
【0013】
前記クラッドに積層された透過性基板を備え、前記透過性基板は、前記マーカー用空隙部を塞ぐようにしてもよい。
そのようにすることにより、マーカー用空隙部への異物の侵入を阻止することができる。なお、マーカー用空隙部を覆っている基板が透過性基板なので、マーカー用空隙部の視認性は損なわない。
【0014】
前記クラッドは、前記コアパターンが積層された下部クラッドと、前記コアパターンを覆うように前記下部クラッドに積層された上部クラッドAと前記上部クラッドAに積層された別の上部クラッドBを有し、前記マーカー用空隙部は、前記上部クラッドBに形成されたマーカー用空隙部を有し、前記別の上部クラッドBのその上は、前記マーカー用空隙部が塞がれるような層が形成されていてもよい。
そのようにすることにより、マーカー用空隙部への異物の侵入を阻止することができる。
【0015】
前記積層方向から観察した場合において、非対称となる対称軸方向における、前記光路変換ミラーと前記マーカー用空隙部との間の距離がロケーション番号と関連付けられていてもよいし、また、前記マーカー用空隙部の形状は、前記積層方向から観察した場合において、ロケーション番号と関連付けられていてもよい。
そのようにすることにより、マーカー付き光導波路のロッドの管理をすることができる。
【0016】
前記クラッドは、前記マーカー用空隙部とは別に、空間部を有し、前記光路変換ミラーは、前記空間部の内部に露出する位置に形成され、前記積層方向から観察した場合において、前記対称軸方向における、前記空間部と前記マーカー用空隙部との間の距離がロケーション番号と関連付けられていてもよい。前記空間部は、中空状であってもよい。
そのようにすることにより、マーカー付き光導波路のロッドの管理をすることができる。さらに、視認容易な空間部を計測の基準とすることができるので、前記空間部とマーカー用空隙部との間の距離を容易に測定することができる。
【0017】
前記積層方向から観察した場合における前記マーカー用空隙部の形状は、円、多角形、楕円、星形、又は、これらの組み合わせであってもよい。ここでの組み合わせとは、それらの複合形状や、複数の独立したマーカー用空隙部を「組」とみなした飛び地状等を含む。
そのようにすることにより、マーカー用空隙部の形状は、他の部品の形状とは異なる形状となるので、マーカー用空隙部の視認性を向上させることができる。
【0018】
前記マーカー用空隙部は、フォトリソグラフィー加工によって形成してもよい。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、コアパターンの光軸方向を上下方向となるようにマーカー付き光導波路を置いて、クラッドの積層方向からマーカー用空隙部を観察した場合に、マーカー用空隙部が左右非対称となる形状又は位置に形成されているので、マーカー付き光導波路の表裏を簡単に区別することができるマーカー付き光導波路を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
[第1の実施形態]
図1及び
図2に示すように、マーカー付き光導波路10は、基板15と、コアパターン20と、コアパターン20を覆うように、基板15に積層されたクラッド30と、コアパターン20の光路を変換させる光路変換ミラー40と、クラッド30に視認可能に形成されたマーカー用空隙部50とを備える。
クラッド30には、透過性の上部基板(透過性基板)60が積層されている。
クラッド30は中空状の空間部70を有し、また、光路変換ミラー40は空間部70の内部に露出する位置に形成されている。
【0022】
基板15には、クラッド30が載置される。基板15の材質としては、特に限定はないが、クラッド30に接着性がある場合、例えば、ガラスエポキシ樹脂基板、セラミック基板、ガラス基板、シリコン基板、プラスチック基板、金属基板、樹脂層付き基板、金属層付き基板、プラスチックフィルム、樹脂層付きプラスチックフィルム、金属層付きプラスチックフィルム、電気配線板等が挙げられる。基板15とクラッド30とを接合させることによってクラッド30に強靭性を持たせることができるため、基板15は設置することが好ましいが、基板15は省略してもよい。
【0023】
クラッド30は、コアパターン20が積層された下部クラッド32と、コアパターン20を覆うように下部クラッド32に積層された上部クラッド34とを有する。
クラッド30は、特に限定されないが、例えば以下の方法で形成される。基板15上に積層された平面状の下部クラッド32の上面に、シート状にコア層を積層した後、そのコア層の一部をフォトリソグラフィー加工によって除去して、コアパターン20に形成する。そして、そのコアパターン20上に、コアパターン20のうち光路変換ミラー40の近傍が露出し、かつ、それ以外のコアパターン20が埋め込まれるように、上部クラッド34を積層して、中空状の空間部70が形成されたクラッド30が形成される。
【0024】
コアパターン20は、上部クラッド34の内部に埋め込まれることにより、周囲がクラッド30によって覆われることになる。光信号の閉じ込めの観点から、クラッド30は、コアパターンの各コアの上下左右に5μm以上の厚さがあると良く、特に、省スペース・低背化の観点、及びハンドリング性の観点から、コアパターンの上下にそれぞれ5μm〜100μmの厚さのクラッド層があれば良く、10μm〜50μmであるとなお良い。
【0025】
下部クラッド32、上部クラッド34は、コアパターン20を形成する材料よりも屈折率が低い材料で形成されば特に限定されず、各種樹脂材料等を使用するが、下部クラッド32は、基板15上に積層形成する場合には、基板15と接着力のあるものを用いるとよい。ただし、下部クラッド32が基板15に対して接着できない場合には、基板15としては接着層付きの基板を用いるとよい。下部クラッド32は、光信号の閉じ込めの観点から、5μm以上の厚さがあればよく、積層後の厚さ均一性の観点から100μm以下であると良い。
また、上部クラッド34は、上部基板60の接着層64が接着するような材料によって形成されればよい。
また、コアパターン20は、クラッド30よりも屈折率が高く、パターンを形成し得る材料で形成されれば特に限定されないが、上記したようにフォトリソグラフィー加工によりパターン化する場合には、フォトリソグラフィー加工可能な材料であると良く、感光性樹脂組成物であるとより好ましい。
【0026】
光路変換ミラー40は、コアパターン20と光の送受が可能なように空間部70内に配置されている。
光路変換ミラー40は、コアパターン20を伝搬する光信号を基板15がある方向に光路変換させたり、基板15の垂直方向(積層方向Z)からの光信号を伝搬方向αに光路変換させたりすることができるよう、コアパターン20を一体的に削られて形成されたV溝の傾斜面に形成されている。
光路変換ミラー40は、35〜55°の斜面であることが好ましく、45°の斜面であることがより好ましい。また、光路変換ミラー40に蒸着装置を用いて、金等の金属を蒸着し、反射金属層を備えた光路変換ミラー40としてもよい。
光路変換ミラー40の傾斜面の形成方法は、下部クラッド32にコアパターン20を形成した後に、上部クラッド34を形成する前に、そのコアパターン20を、ダイシングソーを用いて切削する方法や、レーザアブレーションを用いて加工する方法が挙げられるが、角度制御の観点からダイシングソーによる加工方法がより好適である。
【0027】
図1に示すように、マーカー付き光導波路10をコアパターン20の光軸方向(α方向)を上下方向として置いた場合、左右非対称を判断する対称軸Sは、マーカー付き光導波路10のうちマーカー用空隙部50以外の部分の対称軸(マーカー付き光導波路10の左右の幅方向に対称な対称軸)であり、また、マーカー付き光導波路10の左右の幅の中央であるからみた対称軸としても、3つのコアパターン20が左右対称となる対称軸である。
マーカー用空隙部50は、光路変換ミラー40の近傍に形成され、対称軸Sとした場合において、クラッド30の積層方向Zからみて非対称となる位置に形成されている。
マーカー用空隙部50は、上部クラッド34に形成されたマーカー用上部空隙部52を有する。
マーカー用空隙部50は、積層方向Zにおいて、マーカー用上部空隙部52に連通する、下部クラッド32に形成されたマーカー用下部空隙部54を有する。
【0028】
なお、マーカー用空隙部50は、下部クラッド32及び上部クラッド34に形成されているが、コアパターン20には形成されていないので、コアパターン20に光伝達性能は維持されている。
マーカー用空隙部50は、レーザー加工等で形成してもよいし、フォトリソグラフィー加工で加工してもよい。マーカー用空隙部50をフォトリソグラフィー加工で加工すると、マーカー用空隙部50はコアパターンとの高精度な位置合わせが可能であり、また、加工くず等の異物がマーカー用空隙部50を汚染することを抑制することが出来るため、好ましい。
【0029】
上部基板60は、上部基板本体62と接着層64とを備え、マーカー用空隙部50を塞ぐように、上部クラッド34に積層されている。マーカー用空隙部50は、上部基板60によって塞がれているので、マーカー用空隙部50の内部に異物が浸入することがない。
【0030】
上部基板本体62は、変形が容易な樹脂で形成された板状の基材で形成され、また、透過性のある材料で形成されている。上部基板本体62は、例えば、柔軟性及び強靭性のあるフレキシブル基板を用いることが好ましい。
【0031】
上部基板本体62の材質としては、特に制限はなく、例えば、ガラスエポキシ樹脂基板、プラスチック基板、金属基板、樹脂層付き基板、金属層付き基板、プラスチックフィルム、樹脂層付きプラスチックフィルム、金属層付きプラスチックフィルム等が挙げられる。
上部基板本体62の厚さは、5μm〜500μmであることが好ましい。上部基板本体62が容易に変形するよう、上部基板本体62の厚さは、10μm〜50μmであることが好ましい。
【0032】
以上のマーカー付き光導波路10は、クラッドの積載方向Zからみて、非対称な位置に視認可能なマーカー用空隙部50があるので、マーカー付き光導波路10の裏表を容易に認識できる。
【0033】
また、下部クラッド32や上部クラッド34にマーカー用空隙部50が形成されるので、視認しやすい、深いマーカー用空隙部50を形成することができる。
また、上部クラッド34にマーカー用空隙部50を形成することができるので、マーカー用空隙部50の形成を光路変換ミラー40の空間部70の形成と同時に行うことができる。
マーカー用空隙部50は、内部を空洞にすることができるので、クラッド30とマーカー用空隙部50との屈折率差を大きく確保することができ、マーカー用空隙部50の視認性を向上させることができる。
さらに、マーカー用空隙部50の上下の開口を、基板15と上部基板60とで塞いでいるので、マーカー付き光導波路10の両表面は平坦となり、異物のトラップや光導波路の破断を抑制することができる。
【0034】
また、積層方向Zから観察した場合において、対称軸S方向における、光路変換ミラー40とマーカー用空隙部50との間の距離を、ロケーション番号に関連付けることができるし、また、マーカー用空隙部50の形状を、積層方向Zから観察した場合において、ロケーション番号に関連付けることもできる。例えば、形成する開口部50の数をロケーション番号に応じた数にしたり、複数の開口部50間の距離をロケーション番号に応じた距離にしたり、開口部50の形状をロケーション番号に応じた形状にさせたりすることができる。
このように、マーカー付き光導波路10は、その表裏を簡単に区別することができる。
【0035】
[第2の実施形態]
図3に示すように、マーカー付き光導波路10aは、下部クラッド32にマーカー用下部空隙部54が形成されていない点以外は、マーカー付き光導波路10と同じである。
【0036】
マーカー付き光導波路10aは、マーカー用空隙部50をマーカー用上部空隙部52のみで形成しているので、その内部空間は、マーカー付き光導波路10のマーカー用空隙部50よりも小さい。このため、マーカー用上部空隙部52の内部の空気の膨張の影響を小さくすることができる。
【0037】
[第3の実施形態]
図4に示すように、マーカー付き光導波路10bは、上部基板60が積層されていない点以外は、マーカー付き光導波路10aと同じである。
基板15の強度が充分高い場合、上部基板60の積層を省略して、マーカー用上部空隙部52を開口にすることができる。このため、マーカー付き光導波路10bの厚さを薄くすることができる。
【0038】
[第4の実施形態]
図5に示すように、マーカー付き光導波路10cは、上部基板60とクラッドA 30との間に別の上部クラッドB 36を積層し、上部クラッド34A にマーカー用上部空隙部52を形成せずに、別の上部クラッドB 36にマーカー用第2上部空隙部(マーカー用別の上部空隙部)56を形成したこと以外は、マーカー付き光導波路10aと同じである。
つまり、マーカー付き光導波路10cは、クラッド30に積層された別の上部クラッドB 36を有し、マーカー用空隙部50は、別の上部クラッドB 36に形成されたマーカー用第2上部空隙部56を有し、別の上部クラッド36は、マーカー用空隙部50を塞ぐようにしている。これにより、マーカー用空隙部50への異物の侵入を阻止することができる。
このとき、別の上部クラッド36とコアパターン20とが互いに直接接触しない場合、別の上部クラッドB 36は、透明性がなく着色していてもよいし、コアパターン20よりも低いか同等の屈折率を有してもよい。
【0039】
別の上部クラッドB 36は、上部クラッドA 34や下部クラッド32とは異なる感光層であることが好ましい。これにより、別の上部クラッドB 36に形成されたマーカー用第2上部空隙部56の視認性を向上させることができる。
【0040】
[その他の実施形態]
積層方向Zから観察した場合におけるマーカー用空隙部50の形状は、円、多角形、楕円、星形、又は、これらの組み合わせであってもよい。このようにすることにより、マーカー用空隙部の形状は、他の部品の形状とは異なる形状となるので、マーカー用空隙部50の視認性を向上させることができる。
また、マーカー用空隙部50の数は1つでもよいし、複数であってもよい。
また、マーカー用空隙部50は、光路変換ミラー40の近傍のコアパターン20を対称軸とした場合において、クラッドの積層方向Zからみて非対称となる形状又は位置に形成されていればよい。
【実施例】
【0041】
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されない。
【0042】
実施例1
<クラッド層形成用樹脂フィルムの作製>
[(A)(メタ)アクリルポリマー(ベースポリマー)の作製]
撹拌機、冷却管、ガス導入管、滴下ろうと、及び温度計を備えたフラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート46質量部及び乳酸メチル23質量部を秤量し、窒素ガスを導入しながら撹拌を行った。液温を65℃に上昇させ、メチルメタクリレート47質量部、ブチルアクリレート33質量部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート16質量部、メタクリル酸14質量部、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)3質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート46質量部、及び乳酸メチル23質量部の混合物を3時間かけて滴下後、65℃で3時間撹拌し、さらに95℃で1時間撹拌を続けて、(A)(メタ)アクリルポリマーの溶液(固形分45質量%)を得た。
【0043】
[重量平均分子量の測定]
(A)(メタ)アクリルポリマーの重量平均分子量(標準ポリスチレン換算)をGPC(東ソー株式会社製「SD−8022」、「DP−8020」、及び「RI−8020」)を用いて測定した結果、3.9×10
4であった。なお、カラムは日立化成工業株式会社製「Gelpack GL−A150−S」及び「Gelpack GL−A160−S」を使用した。
【0044】
[酸価の測定]
(A)(メタ)アクリルポリマーの酸価を測定した結果、79mgKOH/gであった。なお、酸価は(A)(メタ)アクリルポリマー溶液を中和するのに要した0.1mol/L水酸化カリウム水溶液量から算出した。このとき、指示薬として添加したフェノールフタレインが無色からピンク色に変色した点を中和点とした。
【0045】
[クラッド層形成用樹脂ワニスの調合]
ベースポリマーとして、前記(A)(メタ)アクリルポリマー溶液(固形分45質量%)84質量部(固形分38質量部)、(B)光硬化成分として、ポリエステル骨格を有するウレタン(メタ)アクリレート(新中村化学工業株式会社製「U−200AX」)33質量部、及びポリプロピレングリコール骨格を有するウレタン(メタ)アクリレート(新中村化学工業株式会社製「UA−4200」)15質量部、(C)熱硬化成分として、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート型三量体をメチルエチルケトンオキシムで保護した多官能ブロックイソシアネート溶液(固形分75質量%)(住化バイエルウレタン株式会社製「スミジュールBL3175」)20質量部(固形分15質量部)、(D)光重合開始剤として、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン(チバ・ジャパン株式会社製「イルガキュア2959」)1質量部、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド(チバ・ジャパン株式会社製「イルガキュア819」)1質量部、及び希釈用有機溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート23質量部を撹拌しながら混合した。孔径2μmのポリフロンフィルタ(アドバンテック東洋株式会社製「PF020」)を用いて加圧濾過後、減圧脱泡し、クラッド層形成用樹脂ワニスを得た。
【0046】
<クラッド層形成用樹脂フィルムの作製>
上記で得られたクラッド層形成用樹脂ワニスを、支持フィルムであるPETフィルム(東洋紡績株式会社製「コスモシャインA4100」、厚さ50μm)の非処理面上に、塗工機(マルチコーターTM−MC、株式会社ヒラノテクシード製)を用いて塗布し、100℃で20分乾燥後、保護フィルムとして表面離型処理PETフィルム(帝人デュポンフィルム株式会社製「ピューレックスA31」、厚さ25μm)を貼付け、クラッド層形成用樹脂フィルムを得た。
このとき、クラッド層形成用樹脂ワニスより形成される樹脂層の厚さは、塗工機のギャップを調節することで任意に調整可能であり、その膜厚については後述する。
【0047】
<コア層形成用樹脂フィルムの作製>
(A)ベースポリマーとして、フェノキシ樹脂(商品名:フェノトートYP−70、東都化成株式会社製)26質量部、(B)光重合性化合物として、9,9−ビス[4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン(商品名:A−BPEF、新中村化学工業株式会社製)36質量部、及びビスフェノールA型エポキシアクリレート(商品名:EA−1020、新中村化学工業株式会社製)36質量部、(C)光重合開始剤として、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド(商品名:イルガキュア819、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)1質量部、及び1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン(商品名:イルガキュア2959、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)1質量部、有機溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート40質量部を用いたこと以外は上述のクラッド層形成用樹脂ワニスの調合と同様の方法及び条件でコア層形成用樹脂ワニスを調合した。その後、上記と同様の方法及び条件で加圧濾過さらに減圧脱泡した。
上記で得られたコア層形成用樹脂ワニスを、支持フィルムであるPETフィルム(商品名:コスモシャインA1517、東洋紡績株式会社製、厚さ:16μm)の非処理面上に、上記製造例と同様な方法で塗布乾燥し、次いで保護フィルムとして離型PETフィルム(商品名:ピューレックスA31、帝人デュポンフィルム株式会社、厚さ:25μm)を離型面が樹脂側になるように貼り付け、コア層形成用樹脂フィルムを得た。
このとき、コア層形成用樹脂ワニスより形成される樹脂層の厚さは、塗工機のギャップを調節することで任意に調整可能であり、その膜厚については後述する。
【0048】
<
図4の光導波路の作製例>
基板15として100mm×100mmのポリイミドフィルム(ポリイミド:カプトンEN、厚さ;12.5μm)を用い、上記で得られた15μm厚さのクラッド層形成用樹脂フィルムの保護フィルムを剥離した後に、真空加圧式ラミネータ(株式会社名機製作所製、MVLP−500)を用い、500Pa以下に真空引きした後、圧力0.4MPa、温度110℃、加圧時間30秒の条件にて加熱圧着して、ラミネートした。続いて、紫外線露光機(株式会社オーク製作所製、EXM−1172)を用いて、クラッド層形成用樹脂フィルムの支持フィルム側から紫外線(波長365nm)を3J/cm
2で照射した。その後、支持フィルムを剥離し、170℃で1時間加硬化した。下部クラッド32の厚さは基板1上から15μmであった。
【0049】
次いで、上記で形成した下部クラッド32形成面側から、上記で得られた45μm厚さのコア層形成用樹脂フィルムを、保護フィルムを剥離した後に、ロールラミネータ(日立化成テクノプラント株式会社製、HLM−1500)を用い圧力0.4MPa、温度50℃、ラミネート速度0.2m/minの条件をラミネートし、次いで上記の真空加圧式ラミネータ(株式会社名機製作所製、MVLP−500)を用い、500Pa以下に真空引きした後、圧力0.4MPa、温度70℃、加圧時間30秒の条件にて加熱圧着した。
【0050】
続いて、開口部(45μm×90mm、250μmピッチで3本/組、各組間のピッチが10mm、5組)を有するネガ型フォトマスクを介し、支持フィルム側から上記紫外線露光機を用いて、紫外線(波長365nm)を0.8J/cm
2で照射し、次いで80℃で5分間露光後加熱を行った。その後、支持フィルムであるPETフィルムを剥離し、現像液(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート/N,N−ジメチルアセトアミド=8/2、質量比)を用いてエッチングした。続いて、洗浄液(イソプロパノール)を用いて洗浄し、100℃で10分間加熱乾燥し、コアパターン20を形成した。得られたコアパターン20の下部クラッド32表面からの高さは45μmであった。また、コア幅は45μmであった。
【0051】
得られた光導波路のコアパターン20形成面側から、ダイシングソー(DAC552、株式会社ディスコ社製)を用いて対向した45°の傾斜面からなる光路変換ミラー40を2箇所(光路変換ミラー40の間隔は50mm)設けた。
【0052】
得られたコアパターン20上から、上記で得られた75μm厚さのクラッド層形成用樹脂フィルムを、保護フィルムを剥離した後に、真空加圧式ラミネータ(株式会社名機製作所製、MVLP−500)を用い、500Pa以下に真空引きした後、圧力0.4MPa、温度110℃、加圧時間30秒の条件にて加熱圧着して、ラミネートした。
続いて、遮光部(光路変換ミラー40上に200μm×1mmの遮光部、マーカー用空隙部を形成するためにφ100μmの遮光部が、3本のコアパターン20の近傍に、かつ該コアパターン20と同軸方向に1組目は2個、2組目は3個、N組目は(N+1)個となるように、さらに3本のコアパターンを対称軸にして反対方向のミラー近傍にそれぞれ1個が配置される)を有するネガ型フォトマスクを位置合わせして、上記紫外線露光機を用いて、クラッド層形成用樹脂フィルムの支持フィルム側から紫外線(波長365nm)を350mJ/cm
2で照射し、その後、支持フィルムを剥離し、現像液(1%炭酸カリウム水溶液)を用いて、未硬化部の上部クラッド層形成用樹脂を除去し、次いで水洗浄を行い、さらに上記紫外線露光機を用いて3.0J/cm
2照射し、170℃で1時間加熱乾燥及び硬化した。上部クラッド34の厚さは下部クラッド32表面から75μmであった。
【0053】
得られた光導波路を、矩形のダイシングブレードを備えたダイシングソー(DAC552、株式会社ディスコ社製)を用いてマーカー用上部空隙部52を内包するように、70mm×8mmに個片加工した。
得られたミラー付き光導波路は、N番目には(N+1)個のマーカー用上部空隙部を有するため、ロケーションも明確であり、面視方向も容易に判断出来た。なお、上記マーカーは白色照明下で容易に視認出来た。
【0054】
実施例2
<
図3の光導波路の作製例>
実施例1において、個片加工を行う前に、上部基板60として、透明熱硬化型接着剤(厚さ15μm)付きのポリイミドフィルム(厚さ12.5μm)を用い、ロールラミネータ(日立化成テクノプラント株式会社製、HLM−1500)で圧力0.4MPa、温度50℃、ラミネート速度0.2m/minの条件をラミネートし、さらに180℃で1時間加熱した後に、個片加工を行った以外は同様の方法でミラー付き光導波路を作製した。
得られたミラー付き光導波路は、N番目には(N+1)個のマーカー用上部空隙部を有するため、ロケーションも明確であり、面視方向も容易に判断出来た。なお、上記マーカーは白色照明下で容易に視認出来た。
【0055】
実施例3
<
図2の光導波路の作製例>
実施例2において、下部クラッドとして15μm厚さのクラッド層形成用樹脂フィルムラミネートした後に、実施例1で用いた上部クラッド形成用の遮光部を有するネガ型フォトマスクのうち、光路変換ミラー40部近傍の遮光部を開口部にしたネガ型フォトマスクを介して、紫外線(波長365nm)を350mJ/cm
2で照射した。その後、支持フィルムを剥離し、現像液(1%炭酸カリウム水溶液)を用いて、未硬化の下部クラッド層形成用樹脂を除去し、次いで水洗浄を行い、さらに上記紫外線露光機を用いて3.0J/cm
2照射し、170℃で1時間加熱乾燥及び硬化した以外は同様の方法でミラー付き光導波路を作製した。
得られたミラー付き光導波路は、N番目には(N+1)個のマーカー用上部空隙部を有するため、ロケーションも明確であり、面視方向も容易に判断出来た。なお、上記マーカーは白色照明下で容易に視認出来た。
【0056】
実施例4
<
図5の光導波路の作製例>
実施例2において、下部クラッド32、及び上部クラッドA 34にマーカー用の開口部を設けず(光路変換ミラー40部の上部クラッドのみを開口)、上部クラッドA 34まで形成した後に、別の上部クラッドB 36として緑色に着色した15μmの感光性レジスト(日立化成株式会社製、商品名;フォテック)を上部クラッドA 34に上記ロールラミネータを用いて積層し、実施例2の上部クラッドA 34形成で用いたネガ型フォトマスクを用いて、紫外線(波長365nm)を350mJ/cm
2で照射した。その後、支持フィルムを剥離し、現像液(1%炭酸カリウム水溶液)を用いて、未硬化の別の上部クラッドB 36を除去し、次いで水洗浄を行い、さらに上記紫外線露光機を用いて3.0J/cm
2照射し、170℃で1時間加熱乾燥及び硬化してマーカー用第2上部空隙部56を作製した。
得られたミラー付き光導波路は、N番目には(N+1)個のマーカー用上部空隙部を有するため、ロケーションもより明確であり、面視方向も容易に判断出来た。なお、上記マーカーは白色照明下でより容易に視認出来た。