(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記純水と前記研磨布との接触角の測定は、前記純水を前記乾燥後の研磨布上に滴下後100秒経過した後の前記純水と前記研磨布との接触角を測定することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の研磨布の評価方法。
前記測定した接触角が60°以上であれば、研磨布が充分な研磨剤保持性能を有すると判定し、半導体シリコンウェーハの仕上げ研磨用の研磨布として用いることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の研磨布の評価方法。
【背景技術】
【0002】
シリコンウェーハに代表される半導体ウェーハは、
図8に示すような、研磨布802が貼り付けられた定盤803と、研磨剤供給機構804と、研磨ヘッド805等から構成された研磨装置801を用い、研磨ヘッド805で半導体ウェーハWを保持し、研磨剤供給機構804から研磨布802上に研磨剤を供給するとともに、定盤803と研磨ヘッド805をそれぞれ回転させて半導体ウェーハWの表面を研磨布802に摺接させることにより研磨を行っている。
【0003】
また、半導体ウェーハの研磨は、研磨布の種類や研磨剤の種類を変えて、多段で行われることが多く、最初に行われる両面研磨を一次研磨、一次研磨後に行われる研磨を二次研磨、最終段で行われる研磨工程を仕上げ研磨やファイナル研磨と呼んでいる。仕上げ研磨工程では、表面欠陥が少なく、かつ、ヘイズと呼ばれるウェーハ表面の粗さが小さくなるように、研磨剤や研磨布が選定され、一般的にはアルカリベースのコロイダルシリカ含有研磨剤とスエードタイプの研磨布が用いられる。
【0004】
仕上げ研磨工程では、ウェーハの表面の粗さ(ヘイズ)と表面の微少欠陥が重要な品質項目であり、これらは研磨布の研磨剤保持性能と密接に関係している。研磨剤の保持性能は、研磨布の濡れ性で評価することができる。研磨布の濡れ性が悪いと、スラリー(研磨剤)を必要量、均一に研磨布上に保持することができず、ウェーハ表面を均一に研磨することができない。また、研磨布の濡れ性が良すぎると、研磨剤の有効成分が研磨布の表層に吸収されるため、研磨剤の性能を十分に発揮することができず、研磨後のウェーハ表面の濡れ性不足や、研磨レートが低下する現象が起きる。特許文献1、2には、このような研磨布の濡れ性を評価する方法として、純水を研磨布上に滴下した直後の接触角や、完全に純水を吸収するまでの時間で評価する方法が記載されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、近年表面の平滑性の改善要求が高まり、ウェーハ表面の粗さ(ヘイズ)改善のため、研磨後の洗浄にエッチング力の少ないブラシ洗浄等が導入されている。ブラシ洗浄は、SC1(アンモニアと過酸化水素水の混合液)洗浄に代表されるバッチ式の薬液による洗浄に比べ、少ないエッチング量で洗浄が可能なため、エッチングに起因するウェーハ表面のヘイズレベルの悪化を抑制することができる。
【0007】
ウェーハの表面のヘイズは、例えばレーザー散乱方式のウェーハ表面検査装置(例えばKLAテンコール社製の製品名「Surfscan SP3」)にて測定することができ、一般的にはウェーハ全面のヘイズの平均値をそのウェーハのヘイズの代表値として使用する。また、ウェーハ面内のヘイズレベルをマップとして出力することも可能であり、このヘイズマップは、平均値には現れない局所的なヘイズ異常を目視判定する際に用いられる。
【0008】
図9にヘイズマップの例を示す。また、
図10にウェーハ外周部に発生したヘイズムラの例を示す。
図10に示すような微弱なヘイズムラを抑制するため、研磨布の研磨剤保持性能の評価がますます重要となっている。
【0009】
特許文献1に記載されているように、接触角による評価は、被測定物表面の微小な凹凸等の表面状態によって変化するため、安定した評価が難しい。特許文献1に記載されているように、研磨布の原料となる高分子材料をヒートプレス機によりフィルム状に形成して、接触角を評価する場合には、安定した評価が可能であるが、研磨布としての評価ではないため、ウェーハの研磨結果との整合性が不十分であった。
【0010】
また、研磨布に純水を滴下すると、滴下直後から接触角が徐々に変化し、最終的には全て研磨布に吸収される。このため、特許文献2には、完全に純水を吸収するまでの時間で研磨布を評価する方法が開示されている。しかし、吸収までに長時間かかる場合、蒸発の影響が無視できなくなるため、放置時間が長くなると評価の精度が悪化するという問題がある。また、シーズニング条件によって、完全に吸収するまでの時間が大きく変化することも分かっている。尚、シーズニングとは、一般的にセラミックスやダミーウェーハを用い、交換直後の新しい研磨布の表面を平滑化する研磨布の立上作業であり、純水や研磨剤を用いて行われる。
【0011】
シーズニング前後で、完全に純水を吸収するまでの時間が変化する原因は、研磨布製造時に使用される整泡剤などの添加剤が、研磨布表面樹脂中に残留していることに起因しており、シーズニングにより、研磨布に残留した添加剤濃度が低下するためである。このため、特許文献2の評価方法は、残留添加剤濃度を制御しない状態では、研磨布の研磨剤保持性の評価方法として精度が不十分であった。
【0012】
本発明は前述のような問題に鑑みてなされたもので、研磨布表面の微小な凹凸等の表面状態の影響や、研磨布に残留している添加剤の影響を低減した研磨布の評価方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために、本発明は、半導体シリコンウェーハの仕上げ研磨に用いられる研磨布を評価する評価方法であって、前記研磨布にシーズニングを一定時間実施した後、前記研磨布を乾燥させ、その後、純水を前記乾燥後の研磨布上に滴下し、一定時間経過後の前記純水と前記研磨布との接触角を測定し、該接触角の測定値に基づいて前記研磨布を評価する研磨布の評価方法を提供する。
【0014】
このように、研磨布をシーズニングした後、完全に乾燥させた研磨布表面に純水を滴下し、滴下直後ではなく一定時間経過後の接触角を評価することにより、研磨布表面の微小な凹凸の影響や、研磨布表面の樹脂中に残留している添加剤の影響による評価精度の低下を抑制した、精度の良い評価ができる。
【0015】
このとき、前記シーズニングの実施時間を30分間とすることができる。
【0016】
シーズニング時間を30分とすれば、例えば研磨装置本体を用いてシーズニングを行う場合であっても、研磨装置による研磨を一旦停止することによる生産性の低下が少なく済む。研磨剤を用いたシーズニングを行う場合、実施時間を30分とすれば研磨剤コストを低減でき、かつ研磨布の目詰まりによる研磨布ライフの低下も抑制できる。また、接触角への影響が大きい親水系の残留添加剤は、比較的早く残留濃度が低下するため、30分間のシーズニングで、残留添加剤の影響をある程度除外した接触角が測定可能となり、より精度のよい評価を行うことができる。
【0017】
またこのとき、前記純水と前記研磨布との接触角の測定は、前記純水を前記乾燥後の研磨布上に滴下後100秒経過した後の前記純水と前記研磨布との接触角を測定することができる。
【0018】
シーズニング後は、研磨布の表面状態は研磨布毎の差がほとんど見られずほぼ同じとなるため、純水滴下直後の接触角に差は見られないが、純水滴下後100秒経過した後の接触角を測定すれば研磨布毎の研磨剤保持性能をより精度よく評価できる。
【0019】
またこのとき、前記測定した接触角が60°以上であれば、研磨布が充分な研磨剤保持性能を有すると判定し、半導体シリコンウェーハの仕上げ研磨用の研磨布として用いることが好ましい。
【0020】
このように、一定時間経過後の接触角が60°以上であれば、ヘイズの悪化が起こりやすい研磨布ライフ初期でも十分な研磨剤保持性がある研磨布と判断することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明の研磨布の評価方法であれば、研磨布の表面状態の影響や、研磨布に残留している添加剤の影響による精度の悪化を低減して、精度の高い評価ができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の研磨布の評価方法の一例を説明するフロー図である。
【
図2】研磨布の純水との接触角の経時変化を示す図である。
【
図3】シーズニング時間の違いによる接触角の経時変化を示す図である。
【
図4】シーズニング時間の違いによる接触角の経時変化を示す写真である。
【
図5】研磨布の純水滴下後100秒後の接触角を示す図である。
【
図6】実施例において測定した純水滴下後100秒後の接触角とヘイズムラの閾値を越えた割合(Defect%)の相関を示す図である。
【
図7】比較例において測定した滴下した純水が完全に吸収されるまでの時間とヘイズムラの閾値を越えた割合(Defect%)の相関を示す図である。
【
図8】一般的な片面研磨装置の一例を示す概略図である。
【
図9】仕上げ研磨後のウェーハのヘイズマップの一例を示す写真である。
【
図10】仕上げ研磨後のウェーハの外周部におけるヘイズムラの一例を示す写真である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明について実施の形態を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
上記のように、研磨布の表面に滴下した純水は、時間の経過と共に研磨布に染み込むため、接触角が経時変化する。したがって、残留添加剤の影響を除外すれば、接触角の変化で、研磨布の研磨剤保持性を評価することができる。つまり、研磨剤の保持性が良い研磨布とは、接触角がある程度大きく、接触角の経時変化が少ない、即ち一定時間経過後の接触角が有る程度大きい研磨布と定義することができる。
【0024】
図2に、スエードタイプの研磨布A−1、B、C、D、Eを30分間シーズニングし、接触角の経時変化を測定した結果を示す。シーズニングを行ったことにより、各研磨布の表面状態は研磨布毎の差がほとんど見られずほぼ同じとなっているため、純水滴下直後の接触角はほとんど同じである。一方で、研磨布毎に接触角の経時変化が異なることが分かる。
【0025】
図3に同じ研磨布を用い、シーズニング時間を30分(研磨布A−1)、シーズニング時間を120分(研磨布A−2)、240分(研磨布A−3)に変えた場合の接触角の経時変化を示す。同じ研磨布でも、シーズニング時間によって接触角の経時変化が異なることが分かる。このときの液滴の状態例を
図4に示す。
【0026】
図2−4の結果から、シーズニングで研磨布の表面が平滑化されることにより、安定して接触角が測定できていると言える。しかし、シーズニングにより研磨布の表面状態がほぼ同じとなるため、純水滴下直後の接触角に差は見られない。したがって、シーズニングを行った場合、純水滴下直後の接触角は研磨布の濡れ性の評価基準には適していない。
【0027】
また、前述のようにシーズニング時間によって接触角の経時変化が異なる原因は、研磨布製造時に使用される整泡剤などの添加剤が、研磨布表面の樹脂中に残留していることに起因している。研磨布の製造工程では、整泡剤として界面活性剤等の添加剤が用いられる。添加剤は、製造メーカーや研磨布の種類によって、添加する種類や添加量が異なる。
【0028】
例えば、親水系の添加剤を用いた場合と撥水系の添加剤を用いた場合では、研磨布の濡れ性が異なり、接触角も異なる。また、添加剤の種類によって、製造工程での抜けやすさが異なるため、研磨布中の添加剤の残留量も異なる。この影響により、同じ親水系の添加剤が残留した研磨布でも、接触角の経時変化に違いが生じる。
【0029】
研磨布のシーズニングを長時間行い、残留添加剤を完全に除去した場合、純水滴下直後の接触角による従来の方法で、その研磨布の濡れ性を評価することができる。しかし、前述のウェーハのヘイズムラは、研磨布ライフ初期に発生することが多く、研磨布ライフ進行に伴う表面状態の変化以外に、残留添加剤の影響も考えられるため、ヘイズムラの発生に関する研磨布の評価では、残留添加剤の影響をある程度除外した評価方法が必要となる。
【0030】
本発明者は、上記課題の解決方法を検討した結果、研磨布をシーズニングした後、乾燥させ、その後、純水を研磨布上に滴下し、滴下直後ではなく一定時間経過後の接触角に基づいて研磨布の濡れ性を評価すれば、残留添加剤の影響をある程度除外した正確な評価が可能であることに想到し、本発明を完成させた。
【0031】
以下、本発明の研磨布の評価方法の一例について、
図1のフロー図を参照して説明する。本発明の研磨布の評価方法では、まず、研磨布にシーズニングを一定時間実施し(
図1のS101)、その後、研磨布を乾燥させ(
図1のS102)、その後、純水を乾燥後の研磨布上に滴下し(
図1のS103)、一定時間経過後の前記純水と前記研磨布との接触角を測定し(
図1のS104)、該接触角の測定値に基づいて前記研磨布を評価する(
図1のS105)。
【0032】
評価対象の研磨布をシーズニングする工程(
図1のS101)では、シーズニングの実施時間は、一定の時間とすればよく、特に限定されないが5〜120分の範囲内で一定の時間を採用することができ、特に例えば30分間とすることができる。
例えば、研磨装置本体を用いてシーズニングを行う場合、この間研磨を一旦停止する必要が有るが、30分という比較的短時間のシーズニングであれば、生産性の低下を抑制することができる。また、研磨剤を用いたシーズニングを行う場合、実施時間を30分とすれば研磨剤コストを低減でき、かつ研磨布の目詰まりによる研磨布ライフの低下も抑制できる。また、特に、仕上げ研磨に一般的に使用されるスエードタイプの仕上げ研磨布であれば、30分間のシーズニングを行えば、研磨布表面の微小な凹凸を十分に平滑化できるため、安定した接触角の評価が可能である。また、接触角への影響が大きい親水系の添加剤は、比較的早く残留濃度が低下するため、30分間のシーズニングで、残留添加剤の影響をある程度除外した接触角が測定可能である。
【0033】
次に、シーズニング終了後の研磨布を乾燥させる(
図1のS102)。研磨布は、例えば、常温で24時間以上放置するなどして、完全に乾燥させることができる。
【0034】
研磨布の乾燥後、研磨布上に純水を滴下し(
図1のS103)、一定時間経過後の純水と研磨布との接触角を測定する(
図1のS104)。
【0035】
このとき、純水と研磨布との接触角の測定は、滴下後一定時間経過後であれば特に限定されないが、5秒〜250秒の範囲内の一定時間を採用することができ、例えば純水を乾燥後の研磨布上に滴下後100秒経過した後の純水と研磨布との接触角を測定することが好ましい。
滴下後100秒経過時の接触角であれば、ヘイズムラとの相関を十分に有するため、この時の接触角の測定値に基づいて研磨布の評価を行えば、精度の高い評価が可能となる。
【0036】
尚、水滴と研磨布との接触角は、一般的な接触角計を使用して測定すればよい。例えば接触角計としては、株式会社マツボー製のモバイル接触角計PG−Xなどを用いることができる。
【0037】
次に、接触角の測定値に基づき研磨布を評価する(
図1のS105)。
この際、仕上げ研磨に用いる研磨布としての合否判定は、前工程(
図1のS104)にて測定した一定時間経過後の接触角が60°以上であれば、研磨布が充分な研磨剤保持性能を有し合格であると判定し、半導体シリコンウェーハの仕上げ研磨用の研磨布として用いることが好ましい。
【0038】
このように接触角が60°以上であれば、十分な研磨剤保持性がある研磨布と判断することができる。特に、30分間のシーズニング後、完全に乾燥させた研磨布表面に純水を滴下し、100秒経過した後の接触角が60°以上であれば、研磨布ライフ初期でも十分な研磨剤保持性がある研磨布と判断することができる。そして、このような評価方法にて合格と判定された研磨布を使用して仕上げ研磨を行えば、ヘイズムラの発生を従来よりも効果的に抑制することができる。
【0039】
以上のような、本発明の研磨布の評価方法であれば、研磨布表面の微小な凹凸の影響や、研磨布表面の樹脂中に残留している添加剤の影響をある程度除外した研磨布の評価が可能となる。これにより、例えば、
図8に示すような研磨装置を使用する仕上げ研磨工程において、ヘイズムラの発生をより小さく抑制できる研磨布を選定して使用することが可能となる。
【実施例】
【0040】
以下、本発明の実施例及び比較例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0041】
(実施例)
図1のフロー図に示す本発明の評価方法に従って研磨布を評価した。
評価に用いた研磨布は、
図2に示した5種類の研磨布(研磨布A−1、B、C、D、E)と、シーズニング条件を変えた研磨布(研磨布A−2、研磨布A−3)を加え、7種類について評価を行った。
研磨布のシーズニングの条件は、本発明において特に限定しないが、今回は、セラミック定盤を用い、ウェーハ研磨時と同じ荷重、回転数でシーズニングを行った。また、仕上げ研磨で使用する研磨剤を、研磨時と同じ流量で用いた。
【0042】
上記条件のシーズニング終了後、ブラシを用い純水で研磨布表面を洗浄した後、接触角測定用のサンプルを、ウェーハの研磨結果に影響しない位置より切り出した。その後、接触角測定用サンプルを、24時間以上放置して完全に乾燥させた後、研磨布表面に純水を滴下し、純水滴下後100秒経過後の接触角を測定した。
図5に各接触角測定用サンプルにおける、純水滴下後100秒経過後の接触角及びその時の液滴の写真を示す。尚、接触角の測定には株式会社マツボー製のモバイル接触角計PG−Xを用いた。
【0043】
図5に示す接触角の測定値から、接触角が60°以上となっている研磨布A−3、C、D、Eについては、後述するヘイズムラの閾値を上回ることが無い良好な表面状態のウェーハが得られ、評価することができた。
【0044】
続いて、各研磨布を仕上げ研磨に使用した。ここで、仕上げ研磨に使用した研磨装置は岡本製作所製PNX332Bを用い、被研磨物として、直径300mmシリコンウェーハを、研磨荷重:150g/cm
2、定盤回転数:30rpm、ヘッド回転数:30rpm、研磨剤流量:1L/minの条件にて仕上げ研磨を行った。
尚、仕上げ研磨前に行った二次研磨条件は全て同じとし、仕上げ研磨は取り代が同じになるように研磨時間を調整した。
【0045】
仕上げ研磨後のウェーハは、枚葉式のブラシ洗浄機を用い、洗浄後のヘイズレベル(ヘイズの平均値)が、0.08ppmを超えないようにエッチング条件を調整した。
【0046】
ここで、ヘイズの評価は、KLAテンコール社製ウェーハ表面検査装置(製品名、「Surfscan SP3」)にて行った。ヘイズムラの判定は、通常はオートスケールで出力したヘイズマップを用い、目視判定を行うが、今回は、ヘイズレベル0.08ppm以下のウェーハのみを用い、マップで確認できるヘイズムラに近似したパターンが得られるように閾値を設定し、閾値を越えた割合(以下、この割合をDefect%と呼称する)を算出した。尚、上述の
図9と
図10のヘイズマップは、ウェーハ外周から2mmを除外して測定したマップであるが、目視判定との整合性のため、本実施例におけるヘイズムラの数値化はウェーハ外周から3mmを除外して行った。
【0047】
このように数値化したDefect%は、例えば
図9のヘイズマップの場合1.1%、
図10のヘイズマップの場合で5.2%であった。Defect%の判定基準は、
図10のヘイズムラをNG判定とするため、5%以下を合格とし、5%を超える場合は不合格とした。
【0048】
表1に各種研磨布の実施例の評価方法による評価結果及び後述する比較例の評価方法による評価結果及び仕上げ研磨後のウェーハの品質(スクラッチ及びヘイズムラ)を示す。また、本発明の評価方法により測定された純水滴下後100秒経過後の接触角と、Defect%の関係を
図6に示す。
図6に示すように、滴下後100秒経過後の接触角とDefect%は明確な相関関係が見られ、接触角が大きいほうがDefect%が低くなり、更に、シーズニング時間が30分と同じ条件の場合は、接触角とDefect%の相関はより強い結果となった。この結果より、同じシーズニング条件とした場合、Defect%を5%以下にするためには、滴下後100秒経過後の接触角が60°以上ある研磨布を使用すればよいことが分かった。また、このような研磨布であれば、研磨布ライフ初期でも十分な研磨剤保持性がある研磨布と判断することができることが分かった。
【0049】
(比較例)
実施例と同時に、7種類の研磨布(研磨布A−1、A−2、A−3、B、C、D、E)について、滴下した純水が完全に吸収されるまでの時間を測定し、該測定時間に基づいて研磨布を評価した。
滴下した純水が完全に吸収されるまでの時間と、仕上げ研磨後のシリコンウェーハのDefect%の関係を
図7に示す。純水が完全に吸収されるまでの時間が長い方がDefect%が低い傾向はあるものの、研磨布DやEの特性の場合、純水が完全に吸収されるまでの時間とDefect%の相関は実施例に比べると低く、評価方法として実施例に劣ることが分かった。
【0050】
【表1】
【0051】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。