【実施例】
【0145】
合成例において使用したテトラカルボン酸二無水物及びジアミンの略号とその構造を以下に示す。
【0146】
【化31】
【0147】
【化32】
【0148】
【化33】
【0149】
【化34】
【0150】
実施例等で使用した有機溶媒等の略号は以下の通りである。
NMP: N−メチル−2−ピロリドン
BCS: ブチルセロソルブ
THF: テトラヒドロフラン
DMF: N,N−ジメチルホルムアミド
DMAc: N,N−ジメチルアセトアミド
EtOH: エタノール
HEMA: メタクリル酸2−ヒドロキシエチル
EDC: 1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩
DMAP: 4−ジメチルアミノピリジン
【0151】
<重合体の分子量の測定>
ポリイミドまたはポリアミック酸の分子量は、(株)Shodex社製常温ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)装置(GPC−101)、Shodex社製カラム(KD−803、KD−805)を用い以下のようにして測定した。
カラム温度:50℃
溶離液:N,N−ジメチルホルムアミド(添加剤として、臭化リチウム−水和物(LiBr・H
2O)が30mmol/L、リン酸・無水結晶(o−リン酸)が30mmol/L、テトラヒドロフラン(THF)が10ml/L)
流速:1.0mL/分
検量線作成用標準サンプル:東ソー社製 TSK 標準ポリエチレンオキサイド(分子量 約900,000、150,000、100,000、30,000)、および、ポリマーラボラトリー社製 ポリエチレングリコール(分子量 約12,000、4,000、1,000)。
【0152】
<
1HNMRの測定>
装置:フーリエ変換型超伝導核磁気共鳴装置(FT−NMR)INOVA−400(Varian製)400MHz
溶媒:重水素化ジメチルスルホキシド(DMSO−d
6)、重水素化クロロホルム(CDCl
3)
標準物質:テトラメチルシラン(TMS)
【0153】
(実施例1)DA−4の合成
【0154】
(実施例1−1)DA−4の前駆体DA−4−1の合成
【0155】
【化35】
【0156】
1L三口フラスコに、trans−p−クマル酸を102.0g、エタノールを500mL、硫酸を5.8g、加えて、還流加熱しながら攪拌した。反応終了後、3Lの水に反応系を注ぎ、沈殿物を濾過した後に、この濾過物を乾燥させ、90.0gの目的物DA−4−1(白色固体)を得た(収率75%)。
【0157】
(実施例1−2) DA−4の前駆体DA−4−2の合成
【0158】
【化36】
【0159】
500mL三口フラスコに、DA−4−1を19.2g、ジメチルホルムアミドを250mL、6−クロロ−1−ヘキサノールを20.5g、炭酸カリウムを41.5g、ヨウ化カリウムを1.7g加えて、60℃で攪拌した。反応終了後、1.2Lの水に反応系を注ぎ、1N−HCl水溶液で中和を行い、沈殿物を濾過した。この濾過物を300mLの酢酸エチルに溶解し、飽和食塩水を用いて抽出をおこない、有機層に無水硫酸マグネシウムを加えて脱水乾燥、濾過した後に、ロータリーエバポレーターを用いて溶媒留去を行い、26.99gの目的物DA−4−2(透明粘体)を得た(収率92%)。
【0160】
(実施例1−3) DA−1の前駆体DA−4−3の合成
【0161】
【化37】
【0162】
500mL三口フラスコに、DA−4−2を14.7g、エタノールを200mL、10wt%KOH水溶液を30.0g加えて、還流加熱しながら攪拌した。反応終了後、600mLの水に反応系を注ぎ、1N−HCl水溶液で中和を行い、沈殿物を濾過した。この濾過物を酢酸エチルで洗浄し、乾燥させ、11.8gの目的物DA−4−3(白色固体)を得た(収率89%)。
【0163】
(実施例1−4) DA−1の前駆体DA−4−4の合成
【0164】
【化38】
【0165】
300mL三口フラスコに、DA−4−3を11.7g、トリエチルアミン(Et
3N)を4.9gおよびテトラヒドロフランを200mL加えた。系内を冷却して0℃にし、3,5−ジニトロベンゾイルクロリドを15.2g加え、室温で攪拌した。反応終了後、純水を50mL加えて攪拌したのち、酢酸エチルを加えて有機層を抽出し、有機層に無水硫酸マグネシウムを加えて脱水乾燥、濾過した後に、ロータリーエバポレーターを用いて溶媒留去を行った。残渣を酢酸エチルにて再結晶を行い、7.2gの目的物DA−4−4(黄白色固体)を得た(収率35%)。
【0166】
(実施例1−5) DA−4の前駆体DA−4−5の合成
【0167】
【化39】
【0168】
200mL三口フラスコに、DA−4−4を6.9g、テトラヒドロフランを60mL、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル(HEMA)を3.0g、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(EDC)を4.4g、4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)を0.2g加えて、室温で攪拌した。反応終了後、有機層をクロロホルムで抽出し、有機層に無水硫酸マグネシウムを加えて脱水乾燥、濾過した後に、ロータリーエバポレーターを用いて溶媒留去を行い、残渣をイソプロピルアルコール/ヘキサン=1/5で再結晶を行い、5.9gの目的物DA−4−5(黄白色固体)を得た(収率69%)。
【0169】
(実施例1−6) DA−4の合成
【0170】
【化40】
【0171】
300mL三口フラスコに、DA−4−5を5.9g、テトラヒドロフランを60mLおよび純水を60mL加えて、系内を攪拌し、塩化すずを13.3g加え、系内を70℃まで加熱して攪拌した。反応終了後、300mLの酢酸エチルに反応系を注ぎ、炭酸水素ナトリウムを用いて、pHを7〜8にした。白色沈殿物を濾過により取り除き、有機層を酢酸エチルで抽出し、有機層に無水硫酸マグネシウムを加えて脱水乾燥、濾過した後に、ロータリーエバポレーターを用いて溶媒留去を行った。残渣を酢酸エチル/ヘキサン=1/5を用いて再結晶を行い、5.7gの目的物DA−4(橙色固体)を得た(収率99%)。得られた固体を
1H−NMRで測定した結果を以下に示す。この結果から、得られた固体が、目的のDA−4であることを確認した。
1H NMR(400MHz,[D
6]-DMSO):δ7.54-7.67(d,2H),7.60(s,1H),6.94-6.97(d,2H),6.48-6.52(d,1H),6.42-6.43(s,2H),6.01-6.05(m,2H),5.70(s,1H),4.99(s,4H),4.36-4.40(m,4H),4.15-4.19(m,2H),4.00-4.03(m,2H),1.88(s,3H),1.66-1.75(m,4H),1.36-1.46(m,4H)
【0172】
(実施例2)DA−5の合成
【0173】
(実施例2−1) DA−5の前駆体DA−5−1の合成
【0174】
【化41】
【0175】
2L四口フラスコに4−ブロモヒドロキシベンゼン(100g、578mmol)、アクリル酸tert−ブチル(156g、1.21mol)、酢酸パラジウム(II)(2.6g、11.6mmol)、トリ(o−トリル)ホスフィン(7.0g、23.1mmol)、トリブチルアミン(321g、1.73mol)、N、N‘−ジメチルアセトアミド(以下、DMAcと表記)(500g)を加え、100℃で加熱撹拌を行なった。反応をHPLCにて追跡し、反応終了後、反応溶液を1M塩酸水溶液(2L)へ注ぎしばらく撹拌した。そこに酢酸エチル(1L)を加え分液操作にて水層を除去した後、有機層を飽和食塩水(500mL)で3回洗浄し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥、ろ過し、溶媒を留去し、DA−5−1(赤褐色粘体)を158g得た。なお、得られた化合物は、そのまま次の工程に使用した。
【0176】
(実施例2−2) DA−5の前駆体DA−5−2の合成
【0177】
【化42】
【0178】
500mL四口フラスコに、DA−5−1を22.0g、N,N−ジメチルホルムアミドを250mL、6−クロロ−1−ヘキサノールを19.1g、炭酸カリウムを41.5g、ヨウ化カリウムを1.7g加えて、100℃に加熱しながら攪拌した。反応終了後、1Lの水に反応系を注ぎ、1N−塩酸水溶液で中和を行い、沈殿物を濾過した。この濾過物をイソプロピルアルコールで洗浄し、乾燥させ、DA−5−2(白色固体)を13.2g得た。(収率43%)
【0179】
(実施例2−3) DA−5の前駆体DA−5−3の合成
【0180】
【化43】
【0181】
300mL四口フラスコに、DA−5−2を6.4g、テトラヒドロフランを60mL、2,4−ジニトロフルオロベンゼンを3.7g、トリエチルアミンを2.4g加え、80℃に加熱しながら攪拌した。反応終了後、500mLの酢酸エチルに反応系を注ぎ、飽和食塩水を用いて抽出を行った。抽出した有機層に無水硫酸マグネシウムを加えて脱水乾燥し、無水硫酸マグネシウムを濾過した。得られた濾液をロータリーエバポレーターを用いて溶媒留去し、ギ酸を50mL加え、50℃に加熱しながら攪拌した。反応終了後、500mLの水に反応系を注ぎ、沈殿物を濾過した。この濾過物をイソプロピルアルコールで洗浄し、乾燥させ、DA−5−3(黄色固体)を7.4g得た(収率81%)。
【0182】
(実施例2−4) DA−5の前駆体DA−5−4の合成
【0183】
【化44】
【0184】
300mL四口フラスコに、DA−5−3を6.9g、テトラヒドロフランを70mL、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルを2.5g、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩を5.3g、4−ジメチルアミノピリジンを0.2g加えて、室温で攪拌した。反応終了後、200mLの水に反応系を注ぎ、沈殿物を濾過した。この濾過物をイソプロピルアルコールで洗浄し、乾燥させ、DA−5−4(黄白色固体)を8.6g得た(収率96%)。
【0185】
(実施例2−5) DA−5の合成
【0186】
【化45】
【0187】
300mL四口フラスコに、DA−5−4を7.6g、酢酸エチルを70mL、純水を70ml、還元鉄を7.8g、塩化アンモニウムを6.0g加え、60℃に加熱しながら攪拌した。反応終了後、還元鉄を濾過し、有機層を酢酸エチルで抽出した。有機層に無水硫酸マグネシウムを加えて脱水乾燥し、無水硫酸マグネシウムを濾過した。得られた濾液をロータリーエバポレーターを用いて溶媒留去した。残渣をイソプロパノールにて洗浄し、乾燥させ、DA−5(黄白色固体)を5.3g得た(収率78%)。得られた固体を
1H−NMRで測定した結果を以下に示す。この結果から、得られた固体が、目的のDA−5であることを確認した。
1H NMR (400 MHz,[D
6]-DMSO): δ7.62-7.64 (d,2H), 7.56-7.68 (d,1H), 6.91-6.93 (d,2H), 6.44-6.48 (d,1H), 6.42 (s,1H), 6.00 (s,1H), 5.91 (s,1H), 5.69-5.72 (d,2H), 5.66 (s,1H), 4.36 (s,2H), 4.32 (s,2H), 3.96-4.00 (t,2H), 3.71-3.74 (t,2H), 1.84 (s,3H), 1.62-1.72 (m,4H), 1.40-1.44 (m,4H)
【0188】
(実施例3)DA−6の合成
【0189】
(実施例3−1) DA−6の前駆体DA−6−1の合成
【0190】
【化46】
(上記反応式中、Msはメタンスルホニルを表す。)
【0191】
500mL四口フラスコに、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルを23.4g、トリエチルアミンを22.1gおよびテトラヒドロフランを250mL加えた。系内を冷却して0℃にし、メタンスルホニルクロリドを25.0g加え、室温で攪拌した。反応終了後、純水を50mL加えて攪拌したのち、酢酸エチルを加えて有機層を抽出し、有機層に無水硫酸マグネシウムを加えて脱水乾燥、濾過した後に、ロータリーエバポレーターを用いて溶媒を留去し、DA−6−1(赤色粘体)を37.5g得た。なお、得られた化合物は、そのまま次の工程に使用した。
【0192】
(実施例3−2) DA−6の前駆体DA−6−2の合成
【0193】
【化47】
(上記反応式中、Msはメタンスルホニルを表す。)
【0194】
1L四口フラスコに、DA−5−1を22.0g、N,N−ジメチルホルムアミドを500mL、DA−6−1を24.9g、炭酸カリウムを41.4g加えて、60℃に加熱しながら攪拌した。反応終了後、1Lの水に反応系を注ぎ、1N−塩酸水溶液で中和を行い、酢酸エチルを用いて抽出を行った。抽出した有機層に無水硫酸マグネシウムを加えて脱水乾燥し、無水硫酸マグネシウムを濾過した。得られた濾液をロータリーエバポレーターを用いて溶媒留去し、ギ酸を200mL加え、50℃に加熱しながら攪拌した。反応終了後、500mLの水に反応系を注ぎ、沈殿物を濾過した。この濾過物をイソプロピルアルコールで洗浄し、乾燥させ、DA−6−2(白色固体)を16.5g得た(収率60%)。
【0195】
(実施例3−3) DA−6の前駆体DA−6−3の合成
【0196】
【化48】
【0197】
300mL四口フラスコに、DA−6−2を11.5g、テトラヒドロフランを150mL、1,6−ヘキサンジオールを23.6g、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩を11.9g、4−ジメチルアミノピリジンを0.49g加えて、室温で攪拌した。反応終了後、300mLの酢酸エチルに反応系を注ぎ、飽和食塩水を用いて抽出を行った。抽出した有機層に無水硫酸マグネシウムを加えて脱水乾燥し、無水硫酸マグネシウムを濾過した。得られた濾液をロータリーエバポレーターを用いて溶媒を留去し、DA−6−3(赤褐色粘体)を15.4g得た。なお、得られた化合物は、そのまま次の工程に使用した。
【0198】
(実施例3−4) DA−6の前駆体DA−6−4の合成
【0199】
【化49】
【0200】
300mL四口フラスコに、DA−6−3を15.4g、N,N−ジメチルホルムアミドを150mL、2,4−ジニトロフルオロベンゼンを8.2g、トリエチルアミンを8.3g加え、80℃に加熱しながら攪拌した。反応終了後、500mLの酢酸エチルに反応系を注ぎ、飽和食塩水を用いて抽出を行った。抽出した有機層に無水硫酸マグネシウムを加えて脱水乾燥し、無水硫酸マグネシウムを濾過した。得られた濾液をロータリーエバポレーターを用いて溶媒留去した。残渣を酢酸エチル/ヘキサン(1:4)溶液で洗浄し、乾燥させ、DA−6−4(肌色固体)を12.6g得た(収率56%)。
【0201】
(実施例3−5) DA−6の合成
【0202】
【化50】
【0203】
500mL四口フラスコに、DA−6−4を12.6g、酢酸エチルを150mL、純水を150ml、還元鉄を7.7g、塩化アンモニウムを9.9g加え、60℃に加熱しながら攪拌した。反応終了後、還元鉄を濾過し、有機層を酢酸エチルで抽出した。有機層に無水硫酸マグネシウムを加えて脱水乾燥し、無水硫酸マグネシウムを濾過した。得られた濾液をロータリーエバポレーターを用いて溶媒留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=2:1体積比)にて単離し、DA−6(赤褐色粘体)を7.1g得た(収率63%)。得られた粘体を
1H−NMRで測定した結果を以下に示す。この結果から、得られた粘体が、目的のDA−6であることを確認した。
1H NMR (400 MHz,[D
6]-DMSO):δ7.66-7.68 (d,2H), 7.58-7.62 (d,1H), 6.99-7.02 (d,2H), 6.48-6.52 (d,1H), 6.46 (s,1H), 6.03 (s,1H), 5.95 (s,1H), 5.73-5.76 (d,1H), 5.70 (s,1H), 4.40-4.45 (m,4H), 4.29-4.34 (m,4H), 4.12-4.15 (t,2H), 3.74-3.78 (t,2H), 1.88 (s,3H), 1.64-1.68 (m,4H), 1.42-1.43 (m,4H)
【0204】
(実施例4)DA−7の合成
【0205】
【化51】
【0206】
反応容器に4−ブロモヒドロキシベンゼン(100g、578mmol)、アクリル酸tert-ブチル(156g、1.21mol)、酢酸パラジウム(II)(2.6g、11.6mmol)、トリ(o−トリル)ホスフィン(7.0g、23.1mmol)、トリブチルアミン(321g、1.73mol)、N、N‘−ジメチルアセトアミド(以下、DMAcと表記)(500g)を加え、100℃で加熱撹拌を行なった。反応をHPLCにて追跡し、反応終了後、反応溶液を1M塩酸水溶液(2L)へ注ぎしばらく撹拌した。そこに酢酸エチル(1L)を加え分液操作にて水層を除去した後、有機層を飽和食塩水(500mL)で3回洗浄し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥、ろ過し、溶媒を留去し、化合物[1]を得た(158g)。得られた化合物を
1H−NMRで測定した結果を以下に示す。なお、得られた化合物は、そのまま次の工程に使用した。
1H-NMR(400MHz, CDCl
3, δppm):7.52(1H, d), 7.40(2H, d), 6.76(1H, d), 6.22(2H, d), 1.52(9H, s).
【0207】
反応容器に化合物[1](20.00g、90.8mmol)、トリエチルアミン(11.94g、118mmol)、テトラヒドロフラン(以下、THFと表記)(200g)を仕込み、窒素置換後、内温が10℃を越えないように注意しながら3,5−ジニトロベンゾイルクロリド(25.12g、109mmol)のTHF(100g)溶液を滴下した。反応をHPLCにて追跡し、反応終了後、反応溶液を蒸留水(1.8L)へ注ぎ、析出した固体をろ過し、蒸留水で良く洗浄し、化合物[2]の粗物を得た。次に、得られた粗物にメタノール(240g)を加え、30分、加熱還流を行った後、室温まで放冷し、ろ過、固体を乾燥し化合物[2]を得た(収量18.0g、収率49%)。得られた化合物を
1H−NMRで測定した結果を以下に示す。
1H-NMR(400MHz, DMSO-d
6, δppm):9.09-9.08(1H, m), 9.05-9.04(2H, m), 7.84-7.80(2H, m), 7.57(1H, m), 7.46-7.38(2H, m), 6.54(1H, d), 1.46(9H, s).
【0208】
反応容器に化合物[2](15.82g、38.2mmol)、ギ酸(80g)を加え、40℃で加熱撹拌した。反応をHPLCにて追跡し、反応終了確認後、反応溶液を蒸留水(800mL)へ注ぎ、固体をろ過、蒸留水で良く洗浄した。得られた固体を乾燥し化合物[3]を得た(収量13.1g、収率96%)。得られた化合物を
1H−NMRで測定した結果を以下に示す。
1H-NMR(400MHz, DMSO-d
6, δppm):12.5(1H, brs), 9.10-9.09(1H, m), 9.09-9.04(2H, m), 7.84-7.80(2H, m), 7.60(1H, d), 7.44-7.41(2H, m), 6.54(1H, d).
【0209】
反応容器に化合物[3](13.07g、36.5mmol)、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル(以下、HEMAと表記)(5.70g、43.8mmol)、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド(以下、EDCと表記)(9.09g、47.4mmol)、4−ジメチルアミノピリジン(以下、DMAPと表記)(0.45g、3.65mmol)、THF(200g)を加え、室温で撹拌を行なった。HPLCで反応終了確認後、反応溶液を蒸留水(1.2L)に注ぎ、酢酸エチルで抽出を行なった。有機層を蒸留水で3回洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ過、エバポレーターで溶媒留去し、化合物[4]を得た(収量16.8g、収率98%)。得られた化合物を
1H−NMRで測定した結果を以下に示す。
1H-NMR(400MHz, DMSO-d
6, δppm): 9.09-9.08(1H, m), 9.06-9.04(2H, m), 7.88-7.86(2H, m), 7.69(1H, d), 7.44-7.42(2H, m), 6.68(1H, d), 6.03-6.02(1H, m), 5.69-5.67(1H, m), 4.41-4.39(2H, m), 4.36-4.34(2H, m), 1.86-1.85(3H, m).
【0210】
反応容器に化合物[4](16.8g、35.7mmol)、塩化スズ(IV)(48.42g、255mmol)、THF(170g)、蒸留水(170g)を加え、70℃で加熱撹拌を行なった。HPLCで反応終了を確認後、酢酸エチル(1L)を入れたビーカーに反応溶液を注ぎ、撹拌しながら、炭酸水素ナトリウムの粉末を加え中和した。その後、析出した固体をろ過で除去し、ろ液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(200g)で2回、飽和食塩水(500g)で3回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。その後、ろ過、溶媒留去し目的の化合物DA−7を得た(収量12.9g、収率86%)。得られた化合物を
1H−NMRで測定した結果を以下に示す。
1H-NMR(400MHz, DMSO-d
6, δppm): 7.85-7.84(3H, m), 7.66(1H, d), 7.45-7.43(2H, m), 6.41-6.38(2H, m), 6.05-6.01(2H, m), 5.70-5.63(1H, m), 4.96(4H, brs), 4.39-4.38(2H, m), 4.37-4.35(2H, m), 1.85-1.84(3H, m).
【0211】
(実施例5)DA−8の合成
【0212】
【化52】
【0213】
反応容器に化合物[1](127.3g、578mmol)、トリエチルアミン(70.19g、694mmol)、THF(800g)を仕込み、窒素置換後、内温が10℃を越えないように注意しながらメタクリロイルクロリド(63.4g、607mmol)のTHF(200g)溶液を滴下した。反応終了をHPLCで確認後、反応溶液を蒸留水(3L)へ注ぎ、酢酸エチル(1.5L)で抽出した。有機層を飽和食塩水(500g)で3回洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過、溶媒留去し、化合物[5]を得た。得られた化合物を
1H−NMRで測定した結果を以下に示す。なお、化合物[5]は精製を行なわずに、次工程に用いた。
1H-NMR(400MHz, DMSO-d
6, δppm):7.78-7.72(2H, m), 7.53(1H, d), 7.21-7.18(2H, m), 6.48(1H, d), 6.25-6.24(1H, m), 5.88-5.86(1H, m), 1.97-1.95(3H, m), 1.45(9H, s).
【0214】
反応容器に化合物[5](166.0g、578mmol)、ジクロロメタン(以下、DCMと表記)(834g)を仕込み、窒素置換後、トリフルオロ酢酸(328g、2.88mol)を滴下した。HPLCで反応終了確認後、反応溶液を蒸留水(1L)へ注ぎ、析出した固体をろ過し、粗物を得た。次に、得られた粗物を酢酸エチル/ヘキサン重量比1:2の混合溶液(200g)で洗浄撹拌を行い、再度ろ過、固体を乾燥し化合物[6]を得た(収量79.5g、収率59%)。得られた化合物を
1H−NMRで測定した結果を以下に示す。
1H-NMR(400MHz, DMSO-d
6, δppm):7.74-7.71(2H, m), 7.57(1H, d), 7.21-7.18(2H, m), 6.49(1H, d), 6.56-6.25(1H, m), 5.89-5.88(1H, m), 1.97-1.96(3H, m).
【0215】
反応容器に2−(2,4−ジニトロフェニル)エタノール(43.67g、206mmol)、化合物[6](45.53g、196mmol)、EDC(48.87g、255mmol)、DMAP(2.4g、19mmol)、THF(900g)を加え、室温で撹拌を行なった。HPLCで反応終了確認後、反応溶液を蒸留水(3L)に注ぎ、酢酸エチル(1L)で抽出を行なった。その後、有機層を蒸留水で3回洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ過、エバポレーターで溶媒留去し、化合物[7]の粗物を得た。得られた粗物をメタノール(100mL)で分散洗浄し、ろ過、減圧乾燥後、化合物[7]を得た。(収量48.3g、収率58%)。得られた化合物を
1H−NMRで測定した結果を以下に示す。
1H-NMR(400MHz, DMSO-d
6, δppm):8.71(1H, d), 8.47(2H, dd), 7.88(1H, d), 7.75-7.72(2H, m), 7.59(1H, d), 7.23-7.20(2H, m), 6.49(1H, d), 6.26-6.25(1H, m), 5.90-5.88(1H, m), 4.43(2H, 5), 3.35(2H, t), 1.97-1.96(3H, m).
【0216】
反応容器に化合物[7](48.25g、113mmol)、鉄分(37.91g、679mmol)、酢酸エチル(435g)、塩化アンモニウム(18.15g、340mmol)、蒸留水(160g)を加え、70℃で加熱撹拌を行なった。HPLCで反応終了を確認後、固体をセライトろ過、酢酸エチル(1L)で洗浄し除去した。ろ液を飽和食塩水(500g)で3回洗浄し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒をエバポレーターで留去し、化合物DA−8の粗物を得た。得られた粗物をメタノールで分散洗浄し、ろ過、減圧乾燥し、化合物DA−8を得た(収量29.8g、収率72%)。得られた化合物を
1H−NMRで測定した結果を以下に示す。
1H-NMR(400MHz, DMSO-d
6, δppm):7.78-7.74(2H, m), 7.63(1H, d), 7.24-7.18(2H, m), 6.59(1H, d), 6.57(1H, s), 6.27-6.26(1H, m), 5.91-5.88(1H, m), 5.86(1H, d), 5.76(1H, dd), 3.99(4H, brs), 4.14(2H, t), 2.65(2H, t), 1.97-1.95(3H, m).
【0217】
(実施例6)DA−9の合成
【0218】
【化53】
(上記反応式中の●が表記してあるシクロヘキサン環は、立体構造が1,4-trans-シクロヘキサン環であることを表す。)
【0219】
反応容器にtrans−4−(4−ブロモフェニル)シクロヘキサノール(200g、784mmol)、アクリル酸tert−ブチル(211g、1.65mol)、酢酸パラジウム(II)(3.5g、15.7mmol)、トリ(o−トリル)ホスフィン(9.5g、31.4mmol)、トリブチルアミン(436g、2.35mol)、DMAc(1000g)を加え、100℃で加熱撹拌を行なった。反応終了をHPLCで確認後、反応溶液を1M塩酸水溶液(3.5L)へ注ぎしばらく撹拌した。そこに酢酸エチル(1.5L)を加え分液操作にて水層を除去した後、有機層を飽和食塩水(500mL)で3回洗浄し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥、ろ過し、溶媒を留去し、化合物[8]を得た(収量208g、収率88%)。得られた化合物を
1H−NMRで測定した結果を以下に示す。
1H-NMR(400MHz, DMSO-d
6,δppm):7.58(2H, d), 7.50(1H, d), 7.25(2H, d), 6.44(1H, d),4.59(1H, d), 3.46-3.36(1H, m), 2.50-2.46(1H, m), 1.93-1.90(2H, m), 1.66-1.73(2H, m), 1.49-1.26(13H, m).
【0220】
反応容器に化合物[8](40.0g、132mmol)、トリエチルアミン(16.1g、159mmol)、THF(300g)を仕込み、窒素置換後、内温が10℃を越えないように注意しながら3,5−ジニトロベンゾイルクロリド(32.0g、139mmol)のTHF(180g)溶液を滴下した。反応終了をHPLCで確認後、反応溶液を蒸留水(2L)へ注ぎ、しばらく撹拌した。その後、析出した固体をろ過し、蒸留水で良く洗浄し、化合物[9]の粗物を得た。次に、得られた粗物にメタノール(300g)を加え、30分、室温で撹拌した後、ろ過、固体を乾燥し化合物[9]を得た(収量41.8g、収率64%)。得られた化合物を
1H−NMRで測定した結果を以下に示す。
1H-NMR(400MHz, DMSO-d
6, δppm):9.02-9.01(1H, m), 8.89-8.88(2H, m), 7.58(2H, d), 7.49(1H, d), 7.28(2H, d), 6.43(1H, d), 5.06(1H, m), 2.47-2.43(1H, m), 2.17-1.15(2H, m), 1.88-1.86(2H, m), 1.75-1.60(4H, m), 1.44(9H, s).
【0221】
反応容器に化合物[9](41.80g、84.2mmol)、ギ酸(210g)を加え、40℃で加熱撹拌した。反応終了をHPLCで確認後、反応溶液を蒸留水(2L)へ注ぎ、固体をろ過、蒸留水で良く洗浄した。得られた固体を乾燥し化合物[10]を得た(収量37g、収率99%)。得られた化合物を
1H−NMRで測定した結果を以下に示す。
1H-NMR(400MHz, DMSO-d
6, δppm):9.03-9.02(1H, m), 8.90-8.88(2H, m), 7.58(2H, d), 7.55(1H, d), 7.30(2H, d), 6.44(1H, d), 5.07-5.06(1H, m), 2.64-2.59(1H, m), 2.17-2.15(2H, m), 1.88-1.86(2H, m), 1.75-1.65(4H, m).
【0222】
反応容器に化合物[10](37.8g、85.8mmol)、HEMA(13.4g、103mmol)、EDC(21.38g、112mmol)、DMAP(1.05g、8.6mmol)、THF(570g)を加え、室温で撹拌を行なった。HPLCで反応終了確認後、反応溶液を蒸留水(1.8L)に注ぎ、酢酸エチルで抽出を行なった。有機層を蒸留水で3回洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ過、エバポレーターで溶媒留去し、化合物[11]の粗物を得た。得られた粗物を2−プロパノール(100g)で洗浄し、化合物[11]を得た(収量47.1g、収率99%)。得られた化合物を
1H−NMRで測定した結果を以下に示す。
1H-NMR(400MHz, DMSO-d
6, δppm): 9.02-9.01(1H, m), 8.89-8.88(2H, m), 7.63-7.55(3H, m), 7.30(2H, d), 6.59(1H, d), 6.01-5.99(1H, m), 5.69-5.67(1H, m), 5.15-4.99(1H, m), 4.37-4.32(4H, m), 2.64-2.58(1H, m), 2.17-2.15(2H, m), 1.95-1.62(11H, m).
【0223】
反応容器に化合物[11](47.4g、85.8mmol)、塩化スズ(IV)(114g、601mmol)、THF(470g)、蒸留水(470g)を加え、70℃で加熱撹拌を行なった。HPLCで反応終了を確認後、酢酸エチル(1.5L)を入れたビーカーに反応溶液を注ぎ、撹拌しながら、炭酸水素ナトリウムの粉末を加え中和した。その後、析出した固体をろ過により除去し、ろ液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(200g)で2回、飽和食塩水(500g)で3回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。その後、ろ過、溶媒留去し目的の化合物DA−9を得た(収量32.5g、収率76%)。得られた化合物を
1H−NMRで測定した結果を以下に示す。
1H-NMR(400MHz, DMSO-d
6, δppm):7.64-7.59(3H, m), 7.29(2H, d), 6.58(1H, d), 6.40-6.39(2H, m), 6.01-5.98(2H, m), 5.67-5.66(1H, m), 4.97(4H, brs), 4.86-4.81(1H, m), 4.38-4.33(4H, m), 2.62-2.46(1H, m), 2.06-2.03(2H, m), 1.99-1.94(5H, m), 1.66-1.47(4H, m)
【0224】
(実施例7)DA−10の合成
【0225】
【化54】
(上記反応式中の●が表記してあるシクロヘキサン環は、立体構造が1,4-trans-シクロヘキサン環であることを表す。)
【0226】
反応容器に化合物[8](74.43g、261mmol)、トリエチルアミン(29.81g、295mmol)、THF(1000g)を仕込み、窒素置換後、内温が10℃を越えないように注意しながらメタクリロイルクロリド(27.01g、258mmol)のTHF(100g)溶液を滴下した。反応終了をHPLCで確認後、反応溶液を蒸留水(3L)へ注ぎ、酢酸エチル(1.5L)で抽出した。有機層を飽和食塩水(500g)で3回洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過、溶媒留去し、化合物[12]の粗物を得た。得られた粗物をメタノール(100g)で分散洗浄し、ろ過、固体を乾燥させ、化合物[12]を得た(収量72.9g、収率80%)。得られた化合物を
1H−NMRで測定した結果を以下に示す。
1H-NMR(400MHz, DMSO-d
6, δppm):7.56(2H, d), 7.47(1H, d), 7.26(2H, d), 6.42(1H, d), 4.75-4.69(1H, m), 2.59-4.47(1H, m), 2.01-1.98(2H, m), 1.85-1.78(5H, m), 1.59-1.44(4H, m).
【0227】
反応容器に化合物[12](20.29g、54.8mmol)、DCM(100g)を仕込み、窒素置換後、トリフルオロ酢酸(31.2g、274mol)を滴下した。HPLCで反応終了確認後、反応溶液を蒸留水(200mL)へ注ぎ、酢酸エチル(1L)で抽出を行なった。その後、有機層を飽和食塩水(200g)で3回洗浄し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ過、エバポレーターで溶媒留去し化合物[13]の粗物を得た。得られた粗物をメタノール(30g)で分散洗浄し、ろ過、乾燥し、化合物[13]を得た(収量10.9g、収率64%)。得られた化合物を
1H−NMRで測定した結果を以下に示す。
1H-NMR(400MHz, DMSO-d
6, δppm):12.32(1H, brs), 7.58-7.50(3H, m),7.27(2H, d), 6.43(1H, d), 5.99-5.98(1H, m), 5.64-5.63(1H, m), 4.78-4.70(1H, m), 2.59-2.51(1H, m), 2.02-1.95(2H, m), 1.82-1.79(5H, m), 1.63-1.42(4H).
【0228】
反応容器に2−(2,4−ジニトロフェニル)エタノール(11.94g、56.3mmol)、化合物[13](10.89g、35.3mmol)、EDC(11.62g、61.0mmol)、DMAP(0.57g、4.7mmol)、THF(130g)を加え、室温で撹拌を行なった。HPLCで反応終了確認後、反応溶液を蒸留水(600mL)に注ぎ、析出した固体をろ過し、蒸留水で洗浄し化合物[14]の粗物を得た。得られた粗物をメタノール(100mL)で分散洗浄し、ろ過、減圧乾燥後、化合物[14]を得た(収量17.1g、収率96%)。得られた化合物を
1H−NMRで測定した結果を以下に示す。
1H-NMR(400MHz, DMSO-d
6, δppm):8.70-8.69(1H, m), 8.48-8.45(1H, m), 7.87(1H, d), 7.58-7.52(3H, m), 7.27(2H, d), 6.44(1H, d),5.99-5.98(1H, m), 5.63-5.62(1H, m), 4.76-4.71(1H, m), 4.41(2H, t), 3.34(2H, t), 2.57-2.54(1H, m), 2.01-1.97(2H, m), 1.84-1.78(5H, m), 1.60-1.45(4H, m).
【0229】
反応容器に化合物[14](17.00g、33.4mmol)、鉄分(11.2g、201mmol)、酢酸エチル(150g)、塩化アンモニウム(5.35g、100mmol)、蒸留水(50g)を加え、70℃で加熱撹拌を行なった。HPLCで反応終了を確認後、固体をセライトろ過、酢酸エチル(200mL)で洗浄し除去した。ろ液を飽和食塩水(200g)で3回洗浄し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒をエバポレーターで留去し、化合物DA−10の粗物を得た。得られた粗物をメタノール(100g)で分散洗浄し、ろ過、減圧乾燥し、化合物DA−10を得た(収量10.3g、収率69%)。得られた化合物を
1H−NMRで測定した結果を以下に示す。
1H-NMR(400MHz, DMSO-d
6, δppm):7.61-7.57(3H, m), 7.27(2H, d), 6.58-6.51(2H, m), 5.99(1H, s), 5.85(1H, d), 5.75(1H, dd), 5.65-5.63(1H, m), 4.80-4.71(1H, m), 4.63(2H, brs), 4.57(2H, brs), 4.12(2H, t), 2.64(2H, t), 2.59-2.53(1H, m), 2.00-1.98(2H, m), 1.85-1.79(5H, m), 1.64-1.44(4H, m).
【0230】
(実施例8)DA−11の合成
【0231】
【化55】
【0232】
反応容器に4´−ブロモ−[1,1´−ビフェニル]−4−オール(150g、602mmol)、アクリル酸tert-ブチル(162g、1.26mol)、酢酸パラジウム(II)(2.70g、12.0mmol)、トリ(o−トリル)ホスフィン(7.33g、24.1mmol)、トリブチルアミン(335g、1.81mol)、DMAc(750g)を加え、100℃で加熱撹拌を行なった。反応終了をHPLCで確認後、反応溶液を1M塩酸水溶液(3.5L)へ注ぎしばらく撹拌した。そこに酢酸エチル(1L)を加え分液操作にて水層を除去した後、有機層を飽和食塩水(500mL)で3回洗浄し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥、ろ過し、溶媒を留去し、化合物[15]を得た(収量176g、収率99%)。得られた化合物を
1H−NMRで測定した結果を以下に示す。
1H-NMR(400MHz, DMSO-d
6,δppm):9.67(1H, s), 7.72(2H, d), 7.62(2H, d), 7.19-7.54(3H, m), 6.89-6.82(2H, m), 6.52(1H, d), 1.49(9H, s).
【0233】
反応容器に化合物[15](73.4g、318mmol)、トリエチルアミン(36.8g、364mmol)、THF(1000g)を仕込み、窒素置換後、内温が10℃を越えないように注意しながら3,5−ジニトロベンゾイルクロリド(73.37g、318mmol)のTHF(300g)溶液を滴下した。反応終了をHPLCで確認後、反応溶液を蒸留水(6L)へ注ぎ、しばらく撹拌した。その後、析出した固体をろ過し、蒸留水で良く洗浄し、化合物[16]の粗物を得た。次に、得られた粗物にメタノール(1L)を加え30分、室温で撹拌した後、ろ過、固体を乾燥し化合物[16]を得た(収量117.9g、収率79%)。得られた化合物を
1H−NMRで測定した結果を以下に示す。
1H-NMR(400MHz, DMSO-d
6, δppm):9.14-9.13(1H, m), 9.13-9.10(2H, m), 7.88-7.76(6H, m), 7.74(1H, d), 7.52-7.50(2H, m), 6.59(1H, m), 1.50-1.49(9H, m).
【0234】
反応容器に化合物[16](117.9g、240mmol)、ギ酸(1180g)を加え、40℃で加熱撹拌した。反応終了をHPLCで確認後、反応溶液を蒸留水(3L)へ注ぎ、固体をろ過、蒸留水で良く洗浄した。得られた固体を乾燥し化合物[17]を得た(収量102g、収率98%)。得られた化合物を
1H−NMRで測定した結果を以下に示す。
1H-NMR(400MHz, DMSO-d
6, δppm):9.15-9.13(1H, m), 9.11-9.10(2H, m), 7.89-7.86(2H, m), 7.83-7.77(4H, m), 7.64(1H, d), 7.55-7.49(2H, m), 6.60(1H, d),
【0235】
反応容器に化合物[17](40.0g、92.1mmol)、HEMA(18.0g、138mmol)、EDC(22.8g、120mmol)、DMAP(1.13g、9.2mmol)、THF(600g)を加え、室温で撹拌を行なった。HPLCで反応終了確認後、反応溶液を蒸留水(3L)に注ぎ、酢酸エチルで抽出を行なった。有機層を飽和食塩水(500g)で3回洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ過、エバポレーターで溶媒留去し、化合物[18]の粗物を得た。得られた粗物をメタノール(300g)で洗浄し、化合物[18]を得た(収量27.8g、収率55%)。得られた化合物を
1H−NMRで測定した結果を以下に示す。
1H-NMR(400MHz, DMSO-d
6, δppm): 9.14-9.12(1H, m), 9.10-9.09(2H, m), 7.88-7.84(4H, m), 7.79-7.71(3H, m), 7.52-7.50(2H, m), 6.73(1H, d), 6.07-6.06(1H, m), 5.72-5.71(1H, m), 4.46-4.43(2H, m), 4.40-4.38(2H, m), 1.90-1.89(3H, m).
【0236】
反応容器に化合物[18](27.8g、50.9mmol)、塩化スズ(IV)(67.6g、357mmol)、THF(280g)、蒸留水(220g)を加え、70℃で加熱撹拌を行なった。HPLCで反応終了を確認後、酢酸エチル(2L)を入れたビーカーに反応溶液を注ぎ、撹拌しながら、炭酸水素ナトリウムの粉末を加え中和した。その後、析出した固体をろ過により除去し、ろ液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(200g)で2回、飽和食塩水(500g)で3回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。その後、ろ過、溶媒留去し目的の化合物DA−11を得た(収量23.9g、収率97%)。得られた化合物を
1H−NMRで測定した結果を以下に示す。
1H-NMR(400MHz, DMSO-d
6, δppm):7.86-7.71(7H, m), 7.32-7.30(2H, m), 6.73(1H, d), 6.61-6.60(2H, m), 6.12-6.11(1H, m), 6.06-6.05(1H, m), 5.72-5.71(1H, m), 5.12(4H, brs), 4.45-4.30(2H, m), 4.40-4.38(2H, m), 1.89-1.87(3H, m).
【0237】
(実施例9)DA−12の合成
【0238】
【化56】
【0239】
反応容器に化合物[15](89.15g、303mmol)、トリエチルアミン(36.8g、364mmol)、THF(1000g)を仕込み、窒素置換後、内温が10℃を越えないように注意しながらメタクリロイルクロリド(33.27g、318mmol)のTHF(330g)溶液を滴下した。反応終了をHPLCで確認後、反応溶液を蒸留水(6L)へ注ぎ、しばらく撹拌後、析出した固体をろ過、蒸留水でよく洗浄し、化合物[19]の粗物を得た。次に、得られた粗物にメタノール(1L)を加え、室温で30分撹拌後、ろ過、固体を乾燥し化合物[19]を得た(収量94.5g、収率86%)。得られた化合物を
1H−NMRで測定した結果を以下に示す。
1H-NMR(400MHz, DMSO-d
6, δppm):7.81-7.73(6H, m), 7.60(1H, d), 7.32-7.28(2H, m), 6.59(1H, d), 6.33-6.30(1H, m), 5.93-5.92(1H, m), 2.02-2.00(3H, m), 1.49(9H, s), 1.59-1.44(4H, m).
【0240】
反応容器に化合物[19](94.51g、259mmol)、ギ酸(475g)を仕込み、窒素置換後、40℃で加熱撹拌を行なった。HPLCで反応終了確認後、反応溶液を蒸留水(3.5L)へ注ぎ、析出した固体をろ過、蒸留水でよく洗浄し、固体を減圧乾燥することで、化合物[20]を得た(収量74.9g、収率75%)。得られた化合物を
1H−NMRで測定した結果を以下に示す。
1H-NMR(400MHz, DMSO-d
6, δppm):7.81-7.63(6H, m), 7.64(1H, d), 7.32-7.28(2H, m), 6.60(1H, d), 6.32-6.31(1H, m), 5.93-5.92(1H, m), 2.03-2.02(3H, m).
【0241】
反応容器に2−(2,4−ジニトロフェニル)エタノール(41.29g、195mmol)、化合物[20](50.00g、162mmol)、EDC(40.21g、211mmol)、DMAP(1.98g、16.2mmol)、THF(600g)を加え、室温で撹拌を行なった。HPLCで反応終了確認後、反応溶液を蒸留水(3.6L)に注ぎ、析出した固体をろ過し、蒸留水で洗浄し化合物[21]の粗物を得た。得られた粗物をメタノール(300mL)で分散洗浄し、ろ過、減圧乾燥後、化合物[21]を得た(収量65.1g、収率80%)。得られた化合物を
1H−NMRで測定した結果を以下に示す。
1H-NMR(400MHz, DMSO-d
6, δppm):8.76-8.75(1H, m), 8.54-8.48(1H, m), 7.93(1H, d), 7.82-7.61(7H, m), 7.31-7.28(2H, m), 6.62-6.57(1H, m), 6.32-6.31(1H, m), 5.93-5.92(1H, m), 4.48(2H, t), 3.39(2H, t), 2.03-2.02(3H, m).
【0242】
反応容器に化合物[21](65.01g、130mmol)、塩化スズ(IV)(171.9g、906mmol)、THF(650g)、蒸留水(520g)を加え、70℃で加熱撹拌を行なった。HPLCで反応終了を確認後、酢酸エチル(3.5L)を入れたビーカーに反応溶液を注ぎ、撹拌しながら、炭酸水素ナトリウムの粉末を加え中和した。その後、析出した固体をろ過により除去し、ろ液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(200g)で2回、飽和食塩水(500g)で3回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。その後、ろ過、溶媒留去し目的の化合物DA−12の粗物を得た。次に、得られた粗物をメタノール(200g)で分散洗浄し、ろ過、固体を乾燥し化合物DA−12を得た(収量49.5g、収率76%)。得られた化合物を
1H−NMRで測定した結果を以下に示す。
1H-NMR(400MHz, DMSO-d
6, δppm):7.84-7.55(7H, m),7.31-7.28(2H, m), 6.60(1H, d), 6.53(1H, d), 6.32-6.30(1H, m), 5.93-5.91(2H, m), 5.83-5.81(1H, m), 4.19-4.18(2H, m), 2.71-2.70(2H, m), 3,17(4H, brs), 2.03-2.27(3H, m)
【0243】
(実施例10)液晶配向剤の合成
CBDAを1.90g(0.0096mol)と、DA−1を0.27g(0.0025mol)、DA−4を3.06g(0.0060mol)、DA−2を0.57g(0.0015mol)をNMP 32.91g中、室温で16時間反応させ、ポリアミック酸(PAA−1)の溶液を調製した。このポリアミック酸は、数平均分子量が約13000、重量平均分子量が約44000であった。このポリアミック酸の溶液10gにNMP、BCSを加えて攪拌し、ポリアミック酸(PAA−1)が6質量%、NMPが74質量%、BCSが20質量%になるよう調製した後、細孔径1μmのメンブランフィルタで加圧濾過し、実施例10の液晶配向剤を得た。
【0244】
(実施例11)液晶配向剤の合成
CBDAを1.94g(0.0099mol)と、DA−4を4.34g(0.0085mol)、DA−2を0.57g(0.0015mol)とをNMP 38.83g中、室温で16時間反応させ、ポリアミック酸(PAA−2)の溶液を調製した。このポリアミック酸は、数平均分子量が約9000、重量平均分子量が約24000であった。このポリアミック酸の溶液10gにNMP、BCSを加えて攪拌し、ポリアミック酸(PAA−2)が6質量%、NMPが74質量%、BCSが20質量%になるよう調製した後、細孔径1μmのメンブランフィルタで加圧濾過し、実施例11の液晶配向剤を得た。
【0245】
(実施例12)液晶配向剤の合成
CBDAを1.94g(0.0099mol)と、DA−4を5.10g(0.01mol)とをNMP 39.93g中、室温で16時間反応させ、ポリアミック酸(PAA−3)の溶液を調製した。このポリアミック酸は、数平均分子量が約8000、重量平均分子量が約19000であった。このポリアミック酸の溶液10gにNMP、BCSを加えて攪拌し、ポリアミック酸(PAA−3)が6質量%、NMPが74質量%、BCSが20質量%になるよう調製した後、細孔径1μmのメンブランフィルタで加圧濾過し、実施例12の液晶配向剤を得た。
【0246】
(実施例13)液晶配向剤の合成
CBDAを1.94g(0.0099mol)と、DA−4を4.10g(0.0080mol)、DA−2を0.76g(0.0020mol)とをNMP 38.55g中、室温で16時間反応させ、ポリアミック酸(PAA−6)の溶液を調製した。このポリアミック酸は、数平均分子量が約10000、重量平均分子量が約20000であった。このポリアミック酸の溶液10gにNMP、BCSを加えて攪拌し、ポリアミック酸(PAA−6)が6質量%、NMPが74質量%、BCSが20質量%になるよう調製した後、細孔径1μmのメンブランフィルタで加圧濾過し、実施例13の液晶配向剤を得た。
【0247】
(実施例14)液晶配向剤の合成
CBDAを1.94g(0.0099mol)と、DA−5を3.86g(0.0080mol)、DA−2を0.76g(0.0020mol)とをNMP 37.19g中、室温で16時間反応させ、ポリアミック酸(PAA−7)の溶液を調製した。このポリアミック酸は、数平均分子量が約10000、重量平均分子量が約20000であった。このポリアミック酸の溶液10gにNMP、BCSを加えて攪拌し、ポリアミック酸(PAA−7)が6質量%、NMPが74質量%、BCSが20質量%になるよう調製した後、細孔径1μmのメンブランフィルタで加圧濾過し、実施例14の液晶配向剤を得た。
【0248】
(実施例15)液晶配向剤の合成
CBDAを1.94g(0.0099mol)と、DA−6を3.86g(0.0080mol)、DA−2を0.76g(0.0020mol)とをNMP 37.19g中、室温で16時間反応させ、ポリアミック酸(PAA−8)の溶液を調製した。このポリアミック酸は、数平均分子量が約9000、重量平均分子量が約18000であった。このポリアミック酸の溶液10gにNMP、BCSを加えて攪拌し、ポリアミック酸(PAA−8)が6質量%、NMPが74質量%、BCSが20質量%になるよう調製した後、細孔径1μmのメンブランフィルタで加圧濾過し、実施例15の液晶配向剤を得た。
【0249】
(実施例16)液晶配向剤の合成
CBDAを1.94g(0.0099mol)と、DA−8を2.93g(0.0080mol)、DA−2を0.76g(0.0020mol)とをNMP 31.92g中、室温で16時間反応させ、ポリアミック酸(PAA−10)の溶液を調製した。このポリアミック酸は、数平均分子量が約8000、重量平均分子量が約16000であった。このポリアミック酸の溶液10gにNMP、BCSを加えて攪拌し、ポリアミック酸(PAA−10)が6質量%、NMPが74質量%、BCSが20質量%になるよう調製した後、細孔径1μmのメンブランフィルタで加圧濾過し、実施例16の液晶配向剤を得た。
【0250】
(実施例17)液晶配向剤の合成
CBDAを1.94g(0.0099mol)と、DA−9を3.94g(0.0080mol)、DA−2を0.76g(0.0020mol)とをNMP 31.92g中、室温で16時間反応させ、ポリアミック酸(PAA−11)の溶液を調製した。このポリアミック酸は、数平均分子量が約9000、重量平均分子量が約22000であった。このポリアミック酸の溶液10gにNMP、BCSを加えて攪拌し、ポリアミック酸(PAA−11)が6質量%、NMPが74質量%、BCSが20質量%になるよう調製した後、細孔径1μmのメンブランフィルタで加圧濾過し、実施例17の液晶配向剤を得た。
【0251】
(実施例18)液晶配向剤の合成
CBDAを1.94g(0.0099mol)と、DA−10を3.59g(0.0080mol)、DA−2を0.76g(0.0020mol)とをNMP 35.65g中、室温で16時間反応させ、ポリアミック酸(PAA−12)の溶液を調製した。このポリアミック酸は、数平均分子量が約8000、重量平均分子量が約23000であった。このポリアミック酸の溶液10gにNMP、BCSを加えて攪拌し、ポリアミック酸(PAA−12)が6質量%、NMPが74質量%、BCSが20質量%になるよう調製した後、細孔径1μmのメンブランフィルタで加圧濾過し、実施例18の液晶配向剤を得た。
【0252】
(実施例19)液晶配向剤の合成
CBDAを1.94g(0.0099mol)と、DA−11を3.89g(0.0080mol)、DA−2を0.76g(0.0020mol)とをNMP 37.37g中、室温で16時間反応させ、ポリアミック酸(PAA−13)の溶液を調製した。このポリアミック酸は、数平均分子量が約7000、重量平均分子量が約20000であった。このポリアミック酸の溶液10gにNMP、BCSを加えて攪拌し、ポリアミック酸(PAA−13)が6質量%、NMPが74質量%、BCSが20質量%になるよう調製した後、細孔径1μmのメンブランフィルタで加圧濾過し、実施例19の液晶配向剤を得た。
【0253】
(実施例20)液晶配向剤の合成
CBDAを1.94g(0.0099mol)と、DA−12を3.54g(0.0080mol)、DA−2を0.76g(0.0020mol)とをNMP 35.37g中、室温で16時間反応させ、ポリアミック酸(PAA−14)の溶液を調製した。このポリアミック酸は、数平均分子量が約8000、重量平均分子量が約21000であった。このポリアミック酸の溶液10gにNMP、BCSを加えて攪拌し、ポリアミック酸(PAA−14)が6質量%、NMPが74質量%、BCSが20質量%になるよう調製した後、細孔径1μmのメンブランフィルタで加圧濾過し、実施例20の液晶配向剤を得た。
【0254】
(実施例21)液晶配向剤の合成
CBDAを1.94g(0.0099mol)と、DA−5を4.82g(0.01mol)とをNMP 38.35g中、室温で16時間反応させ、ポリアミック酸(PAA−15)の溶液を調製した。このポリアミック酸は、数平均分子量が約11000、重量平均分子量が約21000であった。このポリアミック酸の溶液10gにNMP、BCSを加えて攪拌し、ポリアミック酸(PAA−15)が6質量%、NMPが74質量%、BCSが20質量%になるよう調製した後、細孔径1μmのメンブランフィルタで加圧濾過し、実施例21の液晶配向剤を得た。
【0255】
(実施例22)液晶配向剤の合成
CBDAを1.94g(0.0099mol)と、DA−6を4.82g(0.01mol)とをNMP 38.35g中、室温で16時間反応させ、ポリアミック酸(PAA−16)の溶液を調製した。このポリアミック酸は、数平均分子量が約10000、重量平均分子量が約20000であった。このポリアミック酸の溶液10gにNMP、BCSを加えて攪拌し、ポリアミック酸(PAA−16)が6質量%、NMPが74質量%、BCSが20質量%になるよう調製した後、細孔径1μmのメンブランフィルタで加圧濾過し、実施例22の液晶配向剤を得た。
【0256】
(実施例23)液晶配向剤の合成
CBDAを1.94g(0.0099mol)と、DA−8を3.66g(0.01mol)とをNMP 31.76g中、室温で16時間反応させ、ポリアミック酸(PAA−18)の溶液を調製した。このポリアミック酸は、数平均分子量が約9000、重量平均分子量が約18000であった。このポリアミック酸の溶液10gにNMP、BCSを加えて攪拌し、ポリアミック酸(PAA−18)が6質量%、NMPが74質量%、BCSが20質量%になるよう調製した後、細孔径1μmのメンブランフィルタで加圧濾過し、実施例23の液晶配向剤を得た。
【0257】
(実施例24)液晶配向剤の合成
CBDAを1.94g(0.0099mol)と、DA−9を4.92g(0.01mol)とをNMP 38.91g中、室温で16時間反応させ、ポリアミック酸(PAA−19)の溶液を調製した。このポリアミック酸は、数平均分子量が約10000、重量平均分子量が約24000であった。このポリアミック酸の溶液10gにNMP、BCSを加えて攪拌し、ポリアミック酸(PAA−19)が6質量%、NMPが74質量%、BCSが20質量%になるよう調製した後、細孔径1μmのメンブランフィルタで加圧濾過し、実施例24の液晶配向剤を得た。
【0258】
(実施例25)液晶配向剤の合成
CBDAを1.94g(0.0099mol)と、DA−10を4.48g(0.01mol)とをNMP 36.42g中、室温で16時間反応させ、ポリアミック酸(PAA−20)の溶液を調製した。このポリアミック酸は、数平均分子量が約10000、重量平均分子量が約23000であった。このポリアミック酸の溶液10gにNMP、BCSを加えて攪拌し、ポリアミック酸(PAA−20)が6質量%、NMPが74質量%、BCSが20質量%になるよう調製した後、細孔径1μmのメンブランフィルタで加圧濾過し、実施例25の液晶配向剤を得た。
【0259】
(実施例26)液晶配向剤の合成
CBDAを1.94g(0.0099mol)と、DA−11を4.86g(0.01mol)とをNMP 38.57g中、室温で16時間反応させ、ポリアミック酸(PAA−21)の溶液を調製した。このポリアミック酸は、数平均分子量が約9000、重量平均分子量が約21000であった。このポリアミック酸の溶液10gにNMP、BCSを加えて攪拌し、ポリアミック酸(PAA−21)が6質量%、NMPが74質量%、BCSが20質量%になるよう調製した後、細孔径1μmのメンブランフィルタで加圧濾過し、実施例26の液晶配向剤を得た。
【0260】
(実施例27)液晶配向剤の合成
CBDAを1.94g(0.0099mol)と、DA−12を4.42g(0.01mol)とをNMP 36.08g中、室温で16時間反応させ、ポリアミック酸(PAA−22)の溶液を調製した。このポリアミック酸は、数平均分子量が約8000、重量平均分子量が約21000であった。このポリアミック酸の溶液10gにNMP、BCSを加えて攪拌し、ポリアミック酸(PAA−22)が6質量%、NMPが74質量%、BCSが20質量%になるよう調製した後、細孔径1μmのメンブランフィルタで加圧濾過し、実施例27の液晶配向剤を得た。
【0261】
(比較例1)液晶配向剤の合成
CBDAを1.94g(0.0099mol)と、DA−3を2.23g(0.0085mol)、DA−2を0.57g(0.0015mol)をNMP 18.97g中、室温で16時間反応させ、ポリアミック酸(PAA−4)の溶液を調製した。このポリアミック酸は、数平均分子量が約8000、重量平均分子量が約22000であった。このポリアミック酸の溶液10gにNMP、BCSを加えて攪拌し、ポリアミック酸(PAA−4)が6質量%、NMPが74質量%、BCSが20質量%になるよう調製した後、細孔径1μmのメンブランフィルタで加圧濾過し、比較例1の液晶配向剤を得た。
【0262】
(比較例2)液晶配向剤の合成
CBDAを1.84g(0.0094mol)と、DA−1を1.08g(0.01mol)とをNMP 26.32g中、室温で16時間反応させ、ポリアミック酸(PAA−5)の溶液を調製した。このポリアミック酸は、数平均分子量が約6000、重量平均分子量が約13000であった。このポリアミック酸の溶液10gにNMP、BCSを加えて攪拌し、ポリアミック酸(PAA−5)が6質量%、NMPが74質量%、BCSが20質量%になるよう調製した後、細孔径1μmのメンブランフィルタで加圧濾過し、比較例2の液晶配向剤を得た。
【0263】
(比較例3)液晶配向剤の合成
CBDAを1.94g(0.0099mol)と、DA−3を2.09g(0.0080mol)、DA−2を0.76g(0.0020mol)をNMP 18.97g中、室温で16時間反応させ、ポリアミック酸(PAA−23)の溶液を調製した。このポリアミック酸は、数平均分子量が約8000、重量平均分子量が約22000であった。このポリアミック酸の溶液10gにNMP、BCSを加えて攪拌し、ポリアミック酸(PAA−23)が6質量%、NMPが74質量%、BCSが20質量%になるよう調製した後、細孔径1μmのメンブランフィルタで加圧濾過し、比較例3の液晶配向剤を得た。
【0264】
(比較例4)液晶配向剤の合成
CBDAを1.94g(0.0099mol)と、DA−7を3.28g(0.0080mol)、DA−2を0.76g(0.0020mol)とをNMP 33.92g中、室温で16時間反応させ、ポリアミック酸(PAA−9)の溶液を調製した。このポリアミック酸は、数平均分子量が約7000、重量平均分子量が約15000であった。このポリアミック酸の溶液10gにNMP、BCSを加えて攪拌し、ポリアミック酸(PAA−9)が6質量%、NMPが74質量%、BCSが20質量%になるよう調製した後、細孔径1μmのメンブランフィルタで加圧濾過し、比較例4の液晶配向剤を得た。
【0265】
<液晶セルの作製>
実施例10の液晶配向剤を、画素サイズが100μm×300μmでライン/スペースがそれぞれ5μmのITO電極パターンが形成されているITO電極基板のITO面にスピンコートし、80℃のホットプレートで90秒間乾燥した後、200℃の熱風循環式オーブンで30分間焼成を行い、膜厚100nmの液晶配向膜を形成した。
【0266】
また、実施例10の液晶配向剤を電極パターンが形成されていないITO面にスピンコートし、80℃のホットプレートで90秒乾燥させた後、200℃の熱風循環式オーブンで30分間焼成を行い、膜厚100nmの液晶配向膜を形成した。
【0267】
上記の2枚の基板について一方の基板の液晶配向膜上に6μmのビーズスペーサーを散布した後、その上からシール剤(協立化学製XN−1500T)を印刷した。次いで、もう一方の基板の液晶配向膜が形成された側の面を内側にして、先の基板と貼り合せた後、シール剤を硬化させて空セルを作製した。この空セルに液晶MLC−6608(メルク社製商品名)を減圧注入法によって注入し、120℃のオーブン中でIsotropic処理(加熱による液晶の再配向処理)を行い、液晶セル(垂直配向モード用アンチパラレル液晶セル)を作製した。また、同様にして、実施例11、13〜20及び比較例1、3、4で調製した液晶配向剤を用いて、液晶セルをそれぞれ作成した。
【0268】
得られた実施例10〜11、13〜20及び比較例1、3、4の各液晶配向剤を用いた液晶セルの作製直後の応答速度を、下記方法により測定した。その後、この液晶セルに20Vp−pの電圧を印加した状態で、この液晶セルの外側から313nmのバンドパスフィルターを通したUVを10J照射した。その後、再び応答速度を測定し、UV照射前後での応答速度を比較した。液晶セル作製直後(表において「初期」と表記する)、及び、UVを照射した後(表において「UV後」と表記する)の応答速度の結果を表1に示す。
【0269】
「応答速度の測定方法」
まず、バックライト、クロスニコルの状態にした一組の偏光板、光量検出器の順で構成される測定装置において、一組の偏光板の間に液晶セルを配置した。このときライン/スペースが形成されているITO電極のパターンがクロスニコルに対して45°の角度になるようにした。そして、上記の液晶セルに電圧±4V、周波数1kHzの矩形波を印加し、光量検出器によって観測される輝度が飽和するまでの変化をオシロスコープにて取り込み、電圧を印加していない時の輝度を0%、±4Vの電圧を印加し、飽和した輝度の値を100%として、輝度が10%から90%まで変化するのにかかる時間を応答速度とした。
【0270】
この結果、光重合性基と光二量化を起こす基の両方を有する上記式[1]で表されるジアミン化合物を原料として用いた実施例10〜11、13〜20では、光重合性化合物を含有しなくても、十分応答速度が速かった。また、実施例10〜11、13〜20は、上記式[1]で表されるジアミン化合物の代わりに光重合性基を有するが光二量化を起こす基を有さないジアミン化合物を原料として用いた比較例1、3や、式[1]におけるR
4が単結合であるジアミン化合物を用いた比較例4と比べて、顕著に応答速度が速かった。
【0271】
【表1】
【0272】
<液晶セルの作製>
実施例12の液晶配向剤を2枚の透明電極付きガラス基板にそれぞれスピンコートし、90℃のホットプレート上で60秒間乾燥させた後、200℃の熱風循環式オーブンで30分間焼成を行い、膜厚100nmの液晶配向膜を形成した。これらの塗膜面を313nmのバンドパスフィルターと偏光板を通したUVをセルを組んだ際にアンチパラレルになるように基板配置して真上から500mJ照射した。
【0273】
上記の2枚の基板について一方の基板の液晶配向膜上に6μmのビーズスペーサーを散布した後、その上からシール剤(協立化学製XN−1500T)を印刷した。次いで、もう一方の基板の液晶配向膜が形成された側の面を内側にして、先の基板と貼り合せた後、シール剤を硬化させて空セルを作製した。この空セルに液晶MLC−2041(メルク社製商品名)を減圧注入法によって注入し、120℃のオーブン中でIsotropic処理(加熱による液晶の再配向処理)を行い、液晶セル(水平配向モード用アンチパラレルセル)を作製した。また、同様にして、実施例21〜27及び比較例2で調製した液晶配向剤を用いて、液晶セルを作成した。
【0274】
<液晶配向性の評価>
作成したセルをバックライト上にクロスニコルになるように配置した偏光板の間に挟みセルを観察し、下記の基準で液晶配向性の評価を行った。評価結果を表2に示す。
○:配向不良が観察されない。
×:配向不良が観察される。
【0275】
この結果、上記式[1]で表されるジアミン化合物を原料とする本発明の液晶配向剤は、水平配向モード用の液晶配向剤としても用いることができることが確認された。
【0276】
【表2】