特許第6249215号(P6249215)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特許6249215接着シート、画像表示装置及びその製造方法
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  • 特許6249215-接着シート、画像表示装置及びその製造方法 図000003
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6249215
(24)【登録日】2017年12月1日
(45)【発行日】2017年12月20日
(54)【発明の名称】接着シート、画像表示装置及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   C09J 175/14 20060101AFI20171211BHJP
   C09J 7/00 20060101ALI20171211BHJP
   C09J 7/02 20060101ALI20171211BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20171211BHJP
【FI】
   C09J175/14
   C09J7/00
   C09J7/02 Z
   G09F9/00 338
   G09F9/00 313
【請求項の数】8
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2013-263820(P2013-263820)
(22)【出願日】2013年12月20日
(65)【公開番号】特開2015-120773(P2015-120773A)
(43)【公開日】2015年7月2日
【審査請求日】2016年10月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002886
【氏名又は名称】DIC株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100124970
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 通洋
(74)【代理人】
【識別番号】100149445
【弁理士】
【氏名又は名称】大野 孝幸
(72)【発明者】
【氏名】古川 智
(72)【発明者】
【氏名】金川 善典
(72)【発明者】
【氏名】山川 大輔
【審査官】 田澤 俊樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−152253(JP,A)
【文献】 特開2012−087240(JP,A)
【文献】 特開2011−184582(JP,A)
【文献】 特表2013−522393(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/096111(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09J 1/00−201/10
G09F 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
重合性不飽和二重結合を有するポリウレタン(A)を含有する接着剤層を有する接着シートであって、前記接着剤層の40℃における貯蔵弾性率(G’40)が、周波数1.0Hzで測定した場合に1.0×10Pa以上であり、70℃における貯蔵弾性率(G’70)が、周波数1.0Hzで測定した場合に1.0×10Pa以下であることを特徴とする接着シート。
【請求項2】
前記重合性不飽和二重結合を有するポリウレタン(A)が、ポリカーボネートポリオールを含むポリオール(a1)とポリイソシアネート(a2)とを反応させて得られるイソシアネート基を有するポリウレタン(A’)、及び、イソシアネート基と反応しうる官能基を有する(メタ)アクリル単量体を反応させて得られたものである請求項1に記載の接着シート。
【請求項3】
前記ポリカーボネートポリオールが、ジアルキルカーボネートと、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール及び1,6−ヘキサンジオールからなる群より選ばれる1種以上のポリオールとを反応させて得られるものである請求項2に記載の接着シート。
【請求項4】
前記ポリオール(a1)が、さらに直鎖脂肪族ポリエステルポリオールを含有するものである請求項2または3に記載の接着シート。
【請求項5】
前記直鎖脂肪族ポリエステルポリオールが、脂肪族アルキレングリコールと脂肪族ジカルボン酸とを反応させて得られたものである請求項4に記載の接着シート。
【請求項6】
透明基材の一部に加飾層が設けられた基材と、画像表示モジュールとの接着に使用する請求項1〜5のいずれか1項に記載の接着シート。
【請求項7】
透明基材の一部に加飾層が設けられた基材と、画像表示モジュールとが、請求項6に記載の接着シートによって接着されたものであることを特徴とする画像表示装置。
【請求項8】
透明基材の一部に加飾層が設けられた基材と、画像表示モジュールとを、請求項6に記載の接着シートを介して積層し、オートクレーブ処理した後、活性エネルギー線を照射し前記接着シートを構成する接着剤層を硬化させることによって、前記基材と前記画像表示モジュールとを接着することを特徴とする画像表示装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学用途をはじめとする様々な用途で使用可能な接着シートに関する。
【背景技術】
【0002】
電子手帳、携帯電話等の小型電子端末に設けられる画像表示装置としては、一般に、画像表示モジュールの上部または下部に、前記画像表示モジュールを保護すること等を目的として透明な画像表示パネルが積層されたものが知られている。
【0003】
前記画像表示パネルには、通常、意匠性の付与や、遮光性の付与を目的として加飾層が設けられている場合が多い。
【0004】
しかし、前記加飾層が設けられた箇所には、画像表示パネルの表面に対してわずかに段差が形成されるため、前記画像表示パネルを接着シート等によって固定した場合に、前記接着シートがその段差部に追従することができず、前記接着シートと前記段差部との界面に気泡が含まれてしまう場合があった。また、前記接着シートは、前記段差部への追従性が十分でないことに起因して、皺のような歪みを引き起こし、その結果、貼付物の外観不良を引き起こす場合があった。
【0005】
前記段差部に対しても追従可能で、その界面に気泡を含みにくい接着シートとしては、例えば特定のアクリル酸エステルモノマーを主成分とし、特定範囲の分子量に調整した粘着剤を用いた接着シートが知られている(例えば特許文献1参照。)。
【0006】
しかし、前記小型電子端末等のデザインの多様化に伴って、前記加飾層が厚膜化する傾向にあるなかで、前記接着シートでは、前記厚膜の加飾層に対して十分に追従できず、前記界面に気泡を含んでしまう場合があった。
【0007】
前記段差追従性に優れた接着シートとしては、一般に、比較的柔軟な接着剤層を有するシートを使用することが好適と考えられている。
【0008】
しかし、柔軟な接着剤層を備えた接着シートを、例えば離型紙等を介してロール等に巻き取った状態で保管等した場合に、前記粘着剤層の一部がロールの端部等から押し出されてしまう場合があった。
【0009】
前記粘着剤層の一部が押し出された粘着シートは、柔軟性に富むものであっても被着体の段差に十分に追従することができず、また、前記巻取りを解く際に取り扱いにくい等の課題を有する場合があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2013−1769号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明が解決しようとする課題は、ロール等に巻き取った場合であっても粘着剤成分がロールの端部から押し出されるのを防止でき、かつ、加飾層の厚さに起因した透明基材の表面の段差部に追従可能な接着シートを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明者等は、前記特定の貯蔵弾性率を有する重合性不飽和二重結合を有するポリウレタン(A)を含有する接着剤層を備えた接着シートを使用することによって、前記課題を解決できることを見出した。
【0013】
すなわち、本発明は、重合性不飽和二重結合を有するポリウレタン(A)を含有する接着剤層を有する接着シートであって、前記接着剤層の40℃における貯蔵弾性率(G’40)が、周波数1.0Hzで測定した場合に1.0×10Pa以上であることを特徴とする接着シートに関するものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明の接着シートは、ロール等に巻き取った場合であっても粘着剤成分がロールの端部から押し出されるのを防止でき、その結果、加飾層の厚さに起因した透明基材の表面の段差部に追従可能であることから、例えば液晶表示装置、タッチパネルモジュール、有機EL表示装置等の製造に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の接着シートの実施態様の一例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の接着シートは、重合性不飽和二重結合を有するポリウレタン(A)を含有する接着剤層を有する接着シートであって、前記接着剤層の40℃における貯蔵弾性率(G’40)が、周波数1.0Hzで測定した場合に1.0×10Pa以上であることを特徴とする。
【0017】
前記接着シートであれば、それをロール等に巻き取った場合であっても、粘着剤層がロールの端部から押し出されるのを防止でき、かつ、加飾層の厚さに起因した透明基材の表面の段差部に追従することが可能になる。
【0018】
前記40℃における貯蔵弾性率(G’40)は、接着剤層の成分、具体的には前記ポリウレタン(A)を構成するポリオール(a1)の組成やその数平均分子量等を適宜選択することによって、前期所定の範囲内に設定することができる。
【0019】
前記接着剤層としては、その40℃における貯蔵弾性率(G’40)が周波数1Hzで測定した場合に1.0×10以上であるものを使用する。これにより、ロール等に巻き取った場合であっても粘着剤層がロールの端部から押し出されるのを防止でき、かつ、加飾層の厚さに起因した透明基材の表面の段差部に追従することが可能となる。
【0020】
前記接着剤層としては、その40℃における貯蔵弾性率(G’40)が周波数1Hzで測定した場合に1.0×10Pa〜1.0×10Paの範囲であるものを使用することが、ロール等に巻き取った場合であっても粘着剤層がロールの端部から押し出されるのをより一層防止でき、かつ、加飾層の厚さに起因した透明基材の表面の段差部に追従性をより一層向上した接着シートを得るうえで好ましい。
【0021】
また、前記粘着剤層としては、さらに70℃における貯蔵弾性率(G’70)が周波数1Hzで測定した場合に1.0×10Pa以下であるものを使用することが、ロール等に巻き取った場合であっても粘着剤層がロールの端部から押し出されるのをより一層防止でき、かつ、加飾層の厚さに起因した透明基材の表面の段差部に追従性をより一層向上した接着シートを得るうえで好ましく、1.0×10Pa以下であるものを使用することがより好ましく、1.0×10Pa以下であるものを使用することがさらに好ましい。前記70℃における貯蔵弾性率(G’70)は、例えば接着剤層の成分、具体的には前記ポリウレタン(A)を構成するポリオール(a1)の組成やその数平均分子量等を適宜選択することによって、前記所定の範囲内に設定することができる。
【0022】
なお、上記40℃における貯蔵弾性率(G’40)及び70℃における貯蔵弾性率(G’70)は、粘弾性試験機(レオメトリックス社製、商品名:アレス2KSTD)を用いて、同試験機の測定部である平行円盤の間に試験片を挟み込み、温度40℃または70℃、及び、周波数1Hzでの貯蔵弾性率(G’)と損失弾性率(G”)を測定することで得られる。なお、上記測定で使用する試験片としては、前記接着剤層を厚さ1mmで直径8mmの大きさからなる円状に裁断したものを使用した。
【0023】
本発明の接着シートは、フィルム基材の片面または両面に前記接着剤層を有するものであってもよく、前記フィルム基材を有さず前記接着剤層によって構成される、いわゆる基材レスの接着シートであってもよい。前記接着シートとしては、単一の接着剤層によって構成されるものを使用してもよく、また、同一または異なる2以上の粘着剤層が積層したものを使用することもできる。
【0024】
[接着剤組成物]
本発明の接着シートを構成する接着剤層は、例えば接着剤組成物を用いて形成することができる。
【0025】
前記接着剤組成物としては、重合性不飽和二重結合を有するポリウレタン(A)を含有するものを使用する。前記ポリウレタン(A)は、例えば活性エネルギー線を照射されることによって、前記重合性不飽和二重結合に起因したラジカル重合を進行させ硬化物を形成する。
【0026】
前記ポリウレタン(A)を含有する接着剤層を有する接着シートは、一般に知られるアクリル重合体等を含有する接着剤層を有する接着シートと比較して、ロール等に巻き取られた状態で保存等された場合であっても、接着剤層が押し出されることを抑制することができる。
【0027】
前記ポリウレタン(A)としては、例えばポリオール(a1)とポリイソシアネート(a2)とを反応させることによって得られたイソシアネート基を有するポリウレタン(A’)と、前記イソシアネート基と反応しうる官能基を有する(メタ)アクリル単量体とを反応させることによって得られるものを使用することができる。
【0028】
前記ポリウレタン(A)の製造に使用可能なポリオール(a1)としては、ポリカーボネートポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール等を使用することができる。なかでも、前記ポリオール(a1)としては、ポリカーボネートポリオール、ポリエステルポリオールを単独または2種以上組み合わせ使用することが好ましく、ポリカーボネートポリオール及びポリエステルポリオールを組み合わせ使用することが、光学用途に使用可能なレベルの透明性を維持し、かつ、接着シートをロール等に巻き取った場合であっても粘着剤層がロールの端部から押し出されるのをより一層防止でき、その結果、加飾層の厚さに起因した透明基材の表面の段差部に追従性をより一層向上した接着シートを得るうえで好ましい。
【0029】
前記ポリカーボネートポリオールとしては、例えば炭酸エステル及び/又はホスゲンと、後述する低分子ポリオールとを反応させて得られるものを使用することができる。
【0030】
前記炭酸エステルとしては、例えばメチルカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルカーボネート、ジエチルカーボネート、シクロカーボネート、ジフェニルカーボネート等を使用することができる。
【0031】
また、前記炭酸エステルやホスゲンと反応しうる低分子ポリオールとしては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,5−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ハイドロキノン、レゾルシン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、4,4’−ビフェノール等を使用することができる。
【0032】
前記ポリカーボネートポリオールとしては、脂肪族ポリカーボネートポリオールまたは脂環式ポリカーボネートポリオールを使用することが好ましい。
【0033】
脂肪族ポリカーボネートポリオールとしては、前記接着シートに、例えば光学用途に使用可能なレベルの透明性を付与するうえで、ジアルキルカーボネートと、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール及び1,6−ヘキサンジオールからなる群より選ばれる1種以上のポリオールとを反応させて得られるものを使用することが好ましい。
【0034】
脂環式ポリカーボネートポリオールとしては、前記接着シートに、例えば光学用途に使用可能なレベルの透明性を付与し、かつ優れた初期凝集力を付与するうえで、例えばジアルキルカーボネートと、シクロヘキサンジメタノール及びその誘導体からなる群より選ばれる1種以上を含むポリオールとを反応させて得られるものを使用することが好ましい。
【0035】
前記ポリカーボネートポリオールとしては、前記所定範囲内の貯蔵弾性率(G’40)を備えた接着シートを形成し、その結果、光学用途に使用可能なレベルの透明性を維持し、かつ、接着シートをロール等に巻き取った場合であっても粘着剤層がロールの端部から押し出されるのをより一層防止でき、加飾層の厚さに起因した透明基材の表面の段差部に追従性をより一層向上した接着シートを得るうえで、1000〜5000の範囲の数平均分子量を有するものを使用することが好ましく、1000〜3000の範囲の数平均分子量を有するものを使用することが好ましい。
【0036】
前記ポリカーボネートポリオールは、前記ポリオール(a1)の全量に対して50質量%〜90質量%の範囲で使用することが好ましく、60質量%〜80質量%の範囲で使用することが、光学用途に使用可能なレベルの透明性を維持し、かつ、接着シートをロール等に巻き取った場合であっても粘着剤層がロールの端部から押し出されるのをより一層防止でき、加飾層の厚さに起因した透明基材の表面の段差部に追従性をより一層向上した接着シートを得るうえで好ましい。
【0037】
前記ポリオール(a1)に使用可能な前記ポリエステルポリオールとしては、例えば低分子量のポリオールとポリカルボン酸とをエステル化反応して得られるもの、ε−カプロラクトン等の環状エステル化合物を開環重合反応して得られるポリエステル、これらの共重合ポリエステル等を使用することができる。
【0038】
前記低分子量のポリオールとしては、例えば概ね分子量が50〜300程度である、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,3−ブタンジオール等の脂肪族アルキレングリコールや、シクロヘキサンジメタノール等を使用することができる。
【0039】
また、前記ポリエステルポリオールの製造に使用可能な前記ポリカルボン酸としては、例えばコハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸や、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、及びそれらの無水物またはエステル化物等を使用することができる。
【0040】
前記ポリエステルポリオールとしては、前記所定範囲内の貯蔵弾性率(G’40)を備えた接着シートを得、その結果、接着シートをロール等に巻き取った場合であっても粘着剤層がロールの端部から押し出されるのをより一層防止でき、かつ、加飾層の厚さに起因した透明基材の表面の段差部に追従性をより一層向上した接着シートを得るうえで、脂肪族ポリエステルポリオールを使用することが好ましく、直鎖脂肪族ポリエステルポリオールを使用することがより好ましい。前記直鎖脂肪族ポリエステルポリオールは、側鎖にアルキル基を有さないポリエステルポリオールを指す。
【0041】
前記ポリエステルポリオールとしては、前記脂肪族アルキレングリコールと脂肪族ジカルボン酸とを反応させて得られるものが挙げられ、1,4−ブタンジオールとアジピン酸とをエステル化反応して得られる脂肪族ポリエステルポリオールを使用することが好ましい。
【0042】
前記ポリエステルポリオールとしては、前記所定範囲内の貯蔵弾性率(G’40)を備えた接着シートを形成し、その結果、接着シートをロール等に巻き取った場合であっても粘着剤層がロールの端部から押し出されるのをより一層防止でき、かつ、加飾層の厚さに起因した透明基材の表面の段差部に追従性をより一層向上した接着シートを得るうえで、1000〜5000の範囲の数平均分子量を有するものを使用することが好ましい。
【0043】
特に、前記ポリエステルポリオールとして、1,2−エタンジオールまたは1,4−ブタンジオール等の脂肪族ジオールと、アジピン酸とを反応させて得られるポリエステルポリオールを使用する場合には、1100〜2900の範囲の数平均分子量を有するものを使用することが好ましく、1,6−ヘキサンジオールとアジピン酸とを反応させて得られるポリエステルポリオールを使用する場合には、1100〜5000の範囲の数平均分子量を有するものを使用することが好ましく、1,6−ヘキサンジオールとセバシン酸とを反応させて得られるポリエステルポリオールを使用する場合には、1000〜5000の範囲の数平均分子量を有するものを使用することが好ましい。
【0044】
前記ポリエステルポリオールは、前記ポリオール(a1)の全量に対して10質量%〜50質量%の範囲で使用することが好ましく、20質量%〜40質量%の範囲で使用することが、光学用途に使用可能なレベルの透明性を維持し、かつ、接着シートをロール等に巻き取った場合であっても粘着剤層がロールの端部から押し出されるのをより一層防止でき、その結果、加飾層の厚さに起因した透明基材の表面の段差部に追従性をより一層向上した接着シートを得るうえで好ましい。
【0045】
前記ポリオール(a1)としては、前記ポリカーボネートポリオールと前記ポリエステルポリオールとを組み合わせ使用することが好ましい。
【0046】
前記ポリカーボネートポリオール及び前記ポリエステルポリオールは、前記ポリオール(a1)100質量部に対して、合計20質量部以上を含有するものを使用することが好ましく、50質量部以上を含有するものを使用することが、光学用途に使用可能なレベルの透明性を維持し、かつ、接着シートをロール等に巻き取った場合であっても粘着剤層がロールの端部から押し出されるのをより一層防止でき、加飾層の厚さに起因した透明基材の表面の段差部に追従性をより一層向上した接着シートを得るうえで好ましい。
【0047】
前記ポリカーボネートポリオールと前記ポリエステルポリオールとを組み合わせ使用する際には、[ポリカーボネートポリオール/ポリエステルポリオール](質量比)は、1.5〜7.0の範囲であることが、前記所定範囲内の貯蔵弾性率(G’40)を備えた接着シートを形成し、その結果、光学用途に使用可能なレベルの透明性を維持し、かつ、接着シートをロール等に巻き取った場合であっても粘着剤層がロールの端部から押し出されるのをより一層防止でき、加飾層の厚さに起因した透明基材の表面の段差部に追従性をより一層向上した接着シートを得るうえで好ましい。
【0048】
また、前記ポリオール(a1)としては、ポリエーテルポリオールを使用することもできる。前記ポリエーテルポリオールとしては、例えば活性水素原子を2個以上有する化合物の1種または2種以上を開始剤として、アルキレンオキサイドを付加重合させたものを使用することができる。
【0049】
前記開始剤としては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ビスフェノールA、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン等を使用することができる。
【0050】
前記アルキレンオキサイドとしては、例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド、エピクロルヒドリン、テトラヒドロフラン等を使用することができる。
【0051】
前記ポリエーテルポリオールとしては、脂肪族ポリエーテルポリオールや脂環式構造を有するポリエーテルポリオールを使用することが好ましい。
【0052】
前記ポリエーテルポリオールとしては、特にテトラヒドロフランを開環重合して得られるポリテトラメチレングリコール、テトラヒドロフランとアルキル置換テトラヒドロフランとを反応させて得られるポリテトラメチレングリコール誘導体、ネオペンチルグリコールとテトラヒドロフランとを共重合させたポリテトラメチレングリコール誘導体等を使用することができる。なかでも、前記ポリエーテルポリオールとしては、前記接着シートを光学用途に使用可能なレベルの透明性を維持し、かつ、優れた柔軟性、耐久性(特に耐加水分解性)等を向上するうえで、ポリテトラメチレングリコール(PTMG)、ポリテトラメチレングリコール誘導体(PTXG)を使用することが好ましい。
【0053】
また、前記ポリオール(a1)としては、前記したもののほかに、その他のポリオールを使用することができる。前記その他のポリオールとしては、例えばアクリルポリオール等が挙げられる。
【0054】
前記ポリオール(a1)としては、500〜5000の範囲の数平均分子量を有するものを使用することが好ましく、1000〜3000の範囲の数平均分子量を有するものを使用することが、保型性、塗布作業性、初期凝集力等に優れた接着シートを得るうえでより好ましい。なお、前記数平均分子量は、下記条件にて測定した値である。
【0055】
〔数平均分子量の測定方法〕
本発明に記載の数平均分子量の測定は、ポリスチレン換算によるゲル・パーミエイション・クロマトグラフ(GPC)により、下記条件にて測定した値である。
【0056】
樹脂試料溶液;0.4質量%テトラヒドロフラン(THF)溶液
測定装置型番;HLC−8220GPC(東ソー株式会社製)
カラム ;TSKgel(東ソー株式会社製)
溶離液 ;テトラヒドロフラン(THF)
【0057】
前記ポリウレタン(A)の製造に使用可能なポリイソシアネート(a2)としては、脂環式ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート、芳香族ポリイソシアネート等を使用することができ、脂環式ポリイソシアネートを使用することが好ましい。
【0058】
前記脂環式ポリイソシアネートとしては、例えばイソホロンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアナートメチル)シクロヘキサン、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、2,4−及び/又は2,6−メチルシクロヘキサンジイソシアネート、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート、ビス(2−イソシアナトエチル)−4−シクロヘキシレン−1,2−ジカルボキシレート及び2,5−及び/又は2,6−ノルボルナンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート、ビシクロヘプタントリイソシアネート等を、単独または2種以上組み合わせ使用することができる。
【0059】
前記脂環式ポリイソシアネートとしては、前記したなかでも、前記ポリオール(a1)との良好な反応性を有し、かつ、耐熱性や透明性(光線透過性)等に優れた接着シートを得るうえで、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(HMDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、1,3−ビス(イソシアナートメチル)シクロヘキサン(BICH)を使用することが好ましい。
【0060】
前記ポリオール(a1)と前記ポリイソシアネート(a2)とを反応させイソシアネート基を有するポリウレタン(A’)を製造する方法としては、例えば反応容器に仕込んだ前記ポリオール(a1)を、常圧または減圧条件下で加熱することにより水分を除去した後、前記ポリイソシアネート(a2)を一括または分割して供給し反応させる方法が挙げられる。
【0061】
前記ポリオール(a1)と前記ポリイソシアネート(a2)との反応は、前記ポリイソシアネート(a2)が有するイソシアネート基と、前記ポリオール(a1)が有する水酸基との当量比(以下[NCO/OH当量比]という。)が、1.1〜20.0の範囲で行うことが好ましく、1.1〜13.0の範囲で行うことがより好ましく、1.1〜5.0の範囲で行うことがさらに好ましく、1.5〜3.0の範囲で行うことが特に好ましい。
【0062】
前記ポリオール(a1)と前記ポリイソシアネート(a2)との反応条件(温度、時間等)は、安全、品質、コストなど諸条件を考慮して適宜設定すればよく、特に限定しないが、例えば反応温度は、好ましくは70〜120℃の範囲であり、反応時間は、好ましくは30分〜5時間の範囲である。
【0063】
前記ポリオール(a1)と前記ポリイソシアネート(a2)とを反応させる際には、必要に応じて、触媒として、例えば、三級アミン触媒や有機金属系触媒等を使用することができる。
【0064】
また、前記反応は、無溶剤の環境下で行っても、有機溶剤存在下で行ってもよい。
【0065】
前記有機溶剤としては、例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、メチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート等のエーテルエステル系溶剤、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド系溶剤等を、単独または2種以上組み合わせ使用することができる。前記有機溶剤は、前記ポリウレタン(A’)の製造途中または、前記ポリウレタン(A’)を製造した後、減圧加熱、常圧乾燥等の適切な方法により除去してもよい。
【0066】
前記方法で得られたイソシアネート基を有するポリウレタン(A’)としては、40℃以上の軟化温度を有するものを使用することが好ましく、50℃以上の軟化温度を有するものを使用することがより好ましい。なお、前記軟化温度とは、JIS K 2207に準拠して測定した値を指す。前記軟化温度の上限は、100℃以下であることが好適である。
【0067】
本発明で使用するポリウレタン(A)は、前記方法で得られたイソシアネート基を有するポリウレタン(A’)、及び、前記イソシアネート基と反応しうる官能基を有する(メタ)アクリル単量体を反応させることによって製造することができる。具体的には、前記ポリウレタン(A)は、前記方法で得たポリウレタン(A’)またはその有機溶剤溶液と、前記(メタ)アクリル単量体とを混合し反応させることによって製造することができる。
【0068】
前記(メタ)アクリル単量体としては、イソシアネート基と反応しうる官能基として、例えば水酸基、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基等を有する(メタ)アクリル単量体を使用することができ、水酸基、アミノ基を有する(メタ)アクリル単量体を使用することが好ましい。
【0069】
前記(メタ)アクリル単量体としては、具体的には、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートのカプロラクトン変性物、グリシドールジ(メタ)アクリレート;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等を単独または2種以上組み合わせ使用することができる。
【0070】
なかでも、前記(メタ)アクリル単量体としては、例えば赤外線、可視光線、紫外線、X線、電子線、α線、β線、γ線、太陽光等の活性エネルギー線を照射することによって速硬化性し、かつ、最終的に得られる接着シートの機械的強度をより一層向上するうえで2−ヒドロキシエチルアクリレートを使用することが好ましい。なお、本発明において、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート及びメタクリレートの一方または両方を指す。
【0071】
前記(メタ)アクリル単量体は、前記ポリウレタン(A’)100質量部に対して、5質量部〜20質量部の範囲で使用することが好ましく、5質量部〜15質量部の範囲で使用することがより好ましい。
【0072】
より具体的には、(メタ)アクリル単量体は、前記ポリウレタン(A’)が有するイソシアネート基のモル数に対して、好ましくは50モル%を超えて100モル%以下、より好ましくは60モル%〜100モル%、さらに好ましくは80モル%〜100モル%の、前記イソシアネート基と反応しうる官能基を供給可能な量を使用することができる。これにより、適度な柔軟性と、速硬化性、基材への塗布後の保型性、機械的強度、耐久性(特に耐加水分解性)、基材への密着性(特に金属に対する密着性)などに優れた接着シートを得ることができる。
【0073】
前記ポリウレタン(A’)と前記(メタ)アクリル単量体とを反応させる際には、必要に応じて、ウレタン化触媒を使用することができる。前記ウレタン化触媒は、前記ウレタン化反応の任意の段階で、適宜加えることができる。前記ウレタン化反応は、イソシアネート基含有量(%)が実質的に一定になるまで行うことが好ましい。
【0074】
前記ウレタン化触媒としては、例えば、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、N−メチルモルホリン等の含窒素化合物、酢酸カリウム、ステアリン酸亜鉛、オクチル酸第一錫等の有機金属塩、ジブチル錫ジラウレート等の有機金属化合物等を使用することができる。
【0075】
前記方法で得られた重合性不飽和二重結合を有するポリウレタン(A)を含有する接着剤組成物は、前記活性エネルギー線が照射されることによって(メタ)アクリロイル基等の重合性不飽和二重結合のラジカル重合が進行し硬化する。前記ポリウレタン(A)として、イソシアネート基を有するものを使用する場合、前記イソシアネート基は、前記ラジカル重合とは別に、水(湿気)による湿気硬化反応する場合がある。
【0076】
前記ポリウレタン(A)を含有する接着剤組成物としては、ラジカル重合開始剤を含有するものを使用することができる。
【0077】
前記ラジカル重合開始剤としては、公知のものが使用でき、例えば、光重合開始剤、過酸化物などが挙げられ、良好な生産性等を維持するうえで、光重合開始剤が好ましい。
【0078】
前記光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン等のアルキルフェノン光重合開始剤、カンファーキノン光重合開始剤、アシルフォスフィンオキサイド光重合開始剤、チタノセン光重合開始剤等の従来公知のものを使用できる。
【0079】
前記光重合開始剤の市販品(以下、商標記載)としては、例えば、ベンゾフェノン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、メチルオルソベンゾイルベンゾエート、4−フェニルベンゾフェノン、t−ブチルアントラキノン、2−エチルアントラキノンや、2,4−ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン等のチオキサントン類;ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(例えば、チバスペシャリティケミカルズ社製のダロキュア1173)、ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン(例えば、チバスペシャリティケミカルズ社製のイルガキュア184)、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン(例えば、チバスペシャリティケミカルズ社製のイルガキュア2959)、2−メチル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オン(例えば、チバスペシャリティケミカルズ社製のイルガキュア907)、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン等のアセトフェノン類;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾインエーテル類;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド等のアシルホスフィンオキサイド類;メチルベンゾイルホルメート(例えば、ストウファー社製のバイキュア55)、1,7−ビスアクリジニルヘプタン、9−フェニルアクリジン、クオンタキュアー(インターナショナル・バイオ−シンセティクス社製)、カイアキュアーMBP(日本化薬株式会社製)、エサキュアーBO(フラテリ・ランベルティ社製)、トリゴナル14(アクゾ社製)、イルガキュアー(チバ・ガイギー社製)、ダロキュアー(同社製)、スピードキュアー(同社製)、ダロキュアー1173とFi−4との混合物(イーストマン社製)等を、単独または2種以上組み合わせ使用することができる。
【0080】
前記光重合開始剤としては、紫外線等の活性エネルギー線を照射することによって速やかに硬化させることのできるイルガキュア184、イルガキュア651等を使用することが好ましい。
【0081】
また、前記ラジカル重合開始剤に使用可能な過酸化物としては、例えばケトンパーオキサイド、パーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシジカーボネート、クメンハイドロパーオキサイド、パーオキシエステル等の従来公知の過酸化物を使用できる。これらは単独使用でも2種以上を併用してもよい。これらの中でも、80〜120℃の高温条件下での硬化では、パーオキシエステル、パーオキシジカーボネートが好ましく、特にパーオキシジカーボネートが好ましい。前記パーオキシジカーボネートとしては、例えば、ジ(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、市販品では、パーロイルTCP(日本油脂株式会社製)等が挙げられる。なかでも、過酸化物としては、紫外線等の活性エネルギー線を照射することによって速やかに硬化させることのできるパーロイルTCPを使用することが好ましい。
【0082】
前記ラジカル重合開始剤は、前記ポリウレタン(A)100質量部に対して0.5質量部〜5質量部の範囲で使用することが好ましく、1質量部〜3質量部の範囲で使用することがより好ましい。
【0083】
また、前記接着剤組成物としては、必要に応じて公知の多官能(メタ)アクリレート化合物を含有するものを使用することができる。
【0084】
なお、本発明でいう「多官能」とは、重合性不飽和二重結合を分子中に2個以上有することを指す。
【0085】
前記多官能(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールヒドロキシピバレートジ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート、ソルビトール等の糖アルコールの(メタ)アクリレートエステル等の、重合性不飽和二重結合を2個〜4個有するもの等を、単独または2種以上組み合わせ使用することができる。
【0086】
前記多官能(メタ)アクリレート化合物の配合量は、前記ポリウレタン(A)の100質量部に対して、好ましくは5質量部〜30質量部の範囲であり、より好ましくは5質量部〜10質量部の範囲である。
【0087】
前記接着剤組成物としては、上記ポリウレタン(A)の他に、必要に応じて添加剤を含有するものを使用することができる。
【0088】
前記添加剤としては、シランカップリング剤、リン酸系添加剤、アクリレート系添加剤、粘着付与剤等を使用することができる。特にガラスとの反応性に富むシランカップリング剤を使用することが、ガラス等からなる被着体に対する接着性に優れた接着シートを得ることができるため好ましく、上記ポリウレタン(A)と反応しうる活性エネルギー線硬化型シランカップリング剤を使用することがより好ましい。
【0089】
前記接着剤組成物は、前記シランカップリング剤、リン酸系添加剤、アクリレート系添加剤、粘着付与剤等を、前記ポリウレタン(A)の全量に対して合計0.05質量%〜5質量%の範囲で含有するものを使用することが、被着体に対する優れた密着性と、優れた透明性とを両立できるため好ましい。
【0090】
前記接着剤組成物としては、上記以外に、必要に応じて、光安定剤、老化防止剤、剥離調整剤、可塑剤、軟化剤、充填材、着色剤、界面活性剤等の添加剤を含有するものを使用することができる。
【0091】
[接着シート]
本発明の接着シートは、例えばフィルム基材の片面または両面に前記接着剤組成物を塗布、必要に応じて乾燥し接着剤層を形成することによって製造することができる。また、本発明の接着シートは、例えば離型シートの表面に前記接着剤組成物を塗布、必要に応じて乾燥することで接着剤層を形成し、前記接着剤層の表面にフィルム基材を貼付することによって製造することができる。
【0092】
また、本発明の接着シートは、例えば離型シートの表面に前記接着剤組成物を塗布、必要に応じて乾燥することで接着剤層を形成し、前記離型シートを除去することによって製造することができる。
【0093】
前記接着シートとして、同一または異なる組成からなる2以上の接着剤層が積層されたものを製造する場合、例えばフィルム基材の片面または両面に接着剤組成物1を塗布、必要に応じて乾燥することで接着剤層1を形成し、前記接着剤層1の表面に他の接着剤組成物2を塗布、必要に応じて乾燥し接着剤層2を形成することによって製造することができる。
【0094】
また、本発明の接着シートは、例えば離型シートの表面に前記接着剤組成物1を塗布、必要に応じて乾燥することで接着剤層1を形成し、前記接着剤層1の表面に他の接着剤組成物2を塗布、必要に応じて乾燥し接着剤層2を形成することによって製造することができる。
【0095】
本発明の接着シートの製造に使用可能な前記フィルム基材としては、透明フィルム基材を使用することができる。前記透明フィルム基材としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、セロファン、ジアセチルセルロースフィルム、トリアセチルセルロースフィルム、アセチルセルロースブチレートフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリスルホンフィルム、ポリエーテルエーテルケトンフィルム、ポリエーテルスルホンフィルム、ポリエーテルイミドフィルム、ポリイミドフィルム、フッソ樹脂フィルム、ナイロンフィルム、アクリル樹脂フィルム等を使用することができる。なかでも、前記透明フィルム基材としては、透明性、平滑性に優れたポリエチレンテレフタレートを使用することが好ましい。
【0096】
前記フィルム基材としては、前記接着剤層との密着性をより一層向上させることを目的として、サンドブラスト法や溶剤処理法等による表面凹凸化処理、または、コロナ放電処理法、クロム酸処理法、火炎処理法、熱風処理法、オゾン処理法、紫外線照射処理法等による表面酸化処理等が施されたものを使用することができる。
【0097】
前記方法で得られた本発明の接着シートとしては、10μm〜300μmの厚さのものを使用することが好ましく、25μm〜200μmの厚さのものを使用することが好ましく、25μm〜150μmの厚さのものを使用することが好ましい。前記厚さの接着シートは、光学用途に使用可能なレベルの透明性を維持し、かつ、接着シートをロール等に巻き取った場合であっても粘着剤層がロールの端部から押し出されるのをより一層防止でき、その結果、加飾層の厚さに起因した透明基材の表面の段差部に追従性をより一層向上できるため好ましい。
【0098】
また、前記接着シートは、電子機器等の製造にした場合に、前記した効果と、前記電子機器の薄型化を両立することができる。また、前記厚さの接着シートを使用することによって、貼付された透明基材の良好な表面硬度を維持することができる。
【0099】
本発明の接着シートとしては、前記画像表示装置等の製造に好適に使用する場合には、波長380nm〜780nmの光の透過率が85%以上、ヘイズが2.0以下であるものを使用することが好ましく、波長380nm〜780nmの光の透過率が90%以上、ヘイズが1.5以下であるものを使用することが、ディスプレイを画像表示部の透明性を維持するうえで好ましい。
【0100】
また、本発明の接着シートとしては、前記画像表示装置等の製造に好適に使用する場合には、温度60℃、相対湿度90%RHの環境下に500時間放置した後の、波長380nm〜780nmの光の透過率が85%以上、ヘイズが2.0以下であるものを使用することが好ましく、波長380nm〜780nmの光の透過率が90%以上、ヘイズが1.5以下であるものを使用することが、ディスプレイを画像表示部の透明性を維持するうえで好ましい。
【0101】
本発明の接着シートは、透明基材の一部に加飾層が設けられた基材の固定に使用することができる。
【0102】
前記透明基材の一部に加飾層が設けられた基材としては、例えば意匠性や遮光性等を付与することを目的とした加飾層を備えた画像表示パネル等が挙げられる。
【0103】
前記透明基材としては、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、セロファン、ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース、アセチルセルロースブチレート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリメチルペンテン、ポリスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルイミド、ポリイミド、フッソ樹脂、ナイロン、アクリル樹脂、二酸化ケイ素等を用いて得られる基材を使用することができる。なかでも、前記透明基材としては、耐久性、透明性に優れるポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、アクリル樹脂、二酸化ケイ素を用いて得られる基材を使用することが好ましい。
【0104】
上記透明基材としては、38μm〜1000μmの厚さのものを使用することが好ましく、50μm〜700μmの厚さのものを使用することがより好ましく、100μm〜500μmの厚さのものを使用することが、画像表示装置をはじめとする貼付物の薄型化を図るうえでさらに好ましい。
【0105】
上記透明基材としては、その表面の傷や打痕等の外観欠点を防ぐことを目的として、その片面または両面にハードコート層を有する、いわゆるハードコートフィルムを使用することが好ましい。
【0106】
前記ハードコートフィルムとしては、それを構成するハードコート層の表面の鉛筆硬度がH以上、好ましくは2H以上であるものを使用することができる。なお、前記ハードコート層の鉛筆硬度は、前記ハードコートフィルムの表面をJIS K 5600−5−4(1999)に準拠して測定した値を指す。
【0107】
また、前記透明基材としては、透明導電膜が挙げられる。透明導電膜としては、フィルムまたはシートの少なくとも片面の表層に導電層を有するものを使用することができ、前記フィルムまたはシートの表層に導電物質が蒸着やコーティングにより設けられたものが挙げられる。なかでも、前記透明導電膜としては、導電物質が蒸着により形成された導電層を有する透明導電膜を使用することが好ましい。
【0108】
前記導電物質としては、例えば酸化インジウムスズ、酸化インジウム、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化カドミウム、酸化ガリウム、酸化チタン等を使用することができ、透明性、導電性に優れる酸化インジウムスズを使用することが好ましい。
【0109】
前記透明基材の一部には、加飾層が設けられている。前記加飾層は、一般的な印刷法により印刷することによって設けることができる。前記印刷法としては、例えば、シルク印刷法、スクリーン印刷法、熱転写印刷法、グラビア印刷法等が挙げられる。
【0110】
上記加飾層は、透明基材に各種の意匠性を付与するものであれば特に制限されず、例えば、画像表示パネルとして使用する際の画像表示部の周囲に視認される文字や図形、あるいは、画像表示部に額縁状に設けられる黒色の縁取り状の加飾層などが挙げられる。
【0111】
上記加飾層の厚さは、2μm〜50μmの範囲であることが好ましく、2μm〜30μmの範囲であることがより好ましく、2μm〜20μmの範囲であることが、加飾層の色抜けや印刷不良を抑制し、好適な意匠性を付与しやすく、前記画像表示装置等の貼付物の薄型化を図ることができる。
【0112】
前記透明基材の一部に加飾層が設けられた基材であるハードコートフィルムや、透明導電膜が形成されたタッチパネル部材等の画像表示パネルは、各種画像表示モジュールの表面に、本発明の接着シートを用いて貼付することができる。
【0113】
前記画像表示モジュールとしては、液晶ディスプレイモジュール、有機ELモジュール等を使用することができる。
【0114】
前記透明基材の一部に加飾層が設けられた基材は、前記接着シートを用いて任意の部材に固定することができる。
【0115】
前記接着方法としては、例えば前記基材と任意の部材とを、前記接着シートを介して積層し、活性エネルギー線を照射する方法が挙げられる。その際、前記基材等が透明である場合には、前記基材の表面等から活性エネルギー線を照射することができる。
【0116】
前記接着シートを硬化させ前記基材等を接着する際に使用する活性エネルギー線としては、紫外線を用いることが好ましい。前記紫外線は、紫外線による硬化反応を効率よく行う上で、窒素ガス等の不活性ガス雰囲気下で照射してもよく、空気雰囲気下で照射してもよい。また、必要に応じて熱をエネルギー源として併用し、活性エネルギー線を照射した後、加熱してもよい。
【0117】
活性エネルギー線として紫外線を用いる場合には、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、無電極ランプ(フュージョンランプ)、ケミカルランプ、ブラックライトランプ、水銀−キセノンランプ、ショートアーク灯、ヘリウム・カドミニウムレーザー、アルゴンレーザー、太陽光、LED等が挙げられる。また、活性エネルギー線を閃光的に照射することのできるキセノン−フラッシュランプは、前記基材への熱の影響を最小限に抑えることができるため好ましい。
【0118】
上記活性エネルギー線の照射装置としては、前記したもののほかに、殺菌灯、カーボンアーク、キセノンランプ、メタルハライドランプ、走査型、カーテン型電子線加速器等を使用することができる。
【0119】
本発明の接着シートは、前記活性エネルギー線を照射することによって重合し硬化する。前記接着シートが硬化し形成した硬化物(硬化後の接着剤層)としては、40℃における貯蔵弾性率(E’40)が周波数1.0Hzで測定した場合に1.0×10Pa以上であり、かつ、70℃における貯蔵弾性率(E’70)が周波数1.0Hzで測定した場合に1.0×10Pa以上であることが、透明基材の一部に加飾層が設けられた基材の表面硬度の低下を抑制でき、かつ、経時的な剥がれ等を引き起こさないレベルの接着性とを両立するうえで好ましい。
【0120】
なお、前記接着シートが硬化し形成した硬化物(硬化後の接着剤層)の動的粘弾性は、動的粘弾性測定装置(レオメトリックス社製、商品名:RSA−II)を用いて測定した値である。なお、前記測定には、前記接着シートが硬化し形成した厚さ100μmの硬化物(硬化後の接着剤層)を作製し、それをダンベルカッターを用いJIS K 7127の試験片タイプ5の形状に打ち抜いたものを使用した。
【0121】
[画像表示装置]
本発明の画像表示装置は、透明基材の一部に加飾層が設けられた基材であるハードコートフィルムや透明導電膜等と、前記画像表示モジュールとを、前記接着シートを介して接着したものである。前記接着方法としては、前記したとおり前記基材と接着シートと画像表示モジュールとを積層し、活性エネルギー線を照射する方法が挙げられる。
【0122】
本発明の画像表示装置のJIS K 5600−5−4(1999)に準拠して測定される表面硬度はF〜9Hが好ましい。上記範囲内の表面硬度であることで、画像表示装置の傷や打痕などの外観欠点を防ぎやすい。
【0123】
本発明の画像表示装置の好適な構成例としては、図1に示したように、本発明の接着シート1を用いて、ポリエチレンテレフタレート基材2の片面に額縁状に加飾層3が設けられ、もう一方にはハードコート層4を有するハードコートフィルムと、導電層がパターン化されたタッチセンサーパネル6とを固定する態様を挙げることができる。
【実施例】
【0124】
以下に実施例および比較例により本発明をより具体的に説明する。
<接着剤組成物a>
反応容器に、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール及びジアルキルカーボネートを反応させて得られる数平均分子量2000の脂肪族ポリカーボネートポリオール80質量部と、1,4−ブタンジオール及びアジピン酸を反応させて得られる数平均分子量2000のポリエステルポリオール26質量部とを混合し、減圧条件下にて100℃に加熱することにより、水分率が0.05質量%になるまで脱水した。
【0125】
次に、前記脂肪族ポリカーボネートポリオール及び前記ポリエステルポリオールの混合物を70℃まで冷却したものと、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート26質量部とを混合した後、100℃まで昇温し、イソシアネート基含有量が一定となるまで3時間反応させることによって、イソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを得た。
【0126】
前記ウレタンプレポリマー100質量部を100℃で加熱溶融させたものと、2−ヒドロキシエチルアクリレート11.4質量部とオクチル酸第一錫0.01質量部とを混合し、100℃でNCO%が一定となるまで反応させることによって、重合性不飽和二重結合を有するポリウレタン(A−1)を得た。なお、前記2−ヒドロキシエチルアクリレートは、前記ウレタンプレポリマーが有するイソシアネート基の総数がすべて前記2−ヒドロキシエチルアクリレートの水酸基と理論上反応する量を使用した。
【0127】
前記方法で得た重合性不飽和二重結合を有するポリウレタン(A−1)のイソシアネート基含有量(NCO%)は0質量%であった。
【0128】
次に、前記重合性不飽和二重結合を有するポリウレタン(A−1)100質量部と、イルガキュア 184(チバスペシャリティ株式会社製)2質量部とを混合攪拌し、酢酸エチルを供給し不揮発分を57質量%に調整することにより接着剤組成物aを得た。
【0129】
<接着剤組成物b>
反応容器に、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール及びジアルキルカーボネートを反応させて得られる数平均分子量2000の脂肪族ポリカーボネートポリオール80質量部と、1,6−ヘキサンジオール及びアジピン酸を反応させて得られる数平均分子量4500のポリエステルポリオール26質量部とを混合し、減圧条件下にて100℃に加熱することにより、水分率が0.05質量%になるまで脱水した。
【0130】
次に、前記脂肪族ポリカーボネートポリオール及び前記ポリエステルポリオールの混合物を70℃まで冷却したものと、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート26質量部とを混合した後、100℃まで昇温し、イソシアネート基含有量が一定となるまで3時間反応させることによって、イソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを得た。
【0131】
前記ウレタンプレポリマー100質量部を100℃で加熱溶融させたものと、2−ヒドロキシエチルアクリレート11.4質量部とオクチル酸第一錫0.01質量部とを混合し、100℃でNCO%が一定となるまで反応させることによって、重合性不飽和二重結合を有するポリウレタン(A−2)を得た。なお、前記2−ヒドロキシエチルアクリレートは、前記ウレタンプレポリマーが有するイソシアネート基の総数がすべて前記2−ヒドロキシエチルアクリレートの水酸基と理論上反応する量を使用した。
【0132】
前記方法で得た重合性不飽和二重結合を有するポリウレタン(A−2)のイソシアネート基含有量(NCO%)は0質量%であった。
【0133】
次に、前記重合性不飽和二重結合を有するポリウレタン(A−2)100質量部と、イルガキュア 184(チバスペシャリティ株式会社製)2質量部とを混合攪拌し、酢酸エチルを供給し不揮発分を57質量%に調整することにより接着剤組成物bを得た。
【0134】
<接着剤組成物c>
反応容器に、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール及びジアルキルカーボネートを反応させて得られる数平均分子量2000の脂肪族ポリカーボネートポリオール80質量部と、1,6−ヘキサンジオール及びセバシン酸を反応させて得られる数平均分子量3500のポリエステルポリオール26質量部とを混合し、減圧条件下にて100℃に加熱することにより、水分率が0.05質量%になるまで脱水した。
【0135】
次に、前記脂肪族ポリカーボネートポリオール及び前記ポリエステルポリオールの混合物を70℃まで冷却したものと、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート26質量部とを混合した後、100℃まで昇温し、イソシアネート基含有量が一定となるまで3時間反応させることによって、イソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを得た。
【0136】
前記ウレタンプレポリマー100質量部を100℃で加熱溶融させたものと、2−ヒドロキシエチルアクリレート11.4質量部とオクチル酸第一錫0.01質量部とを混合し、100℃でNCO%が一定となるまで反応させることによって、重合性不飽和二重結合を有するポリウレタン(A−3)を得た。なお、前記2−ヒドロキシエチルアクリレートは、前記ウレタンプレポリマーが有するイソシアネート基の総数がすべて前記2−ヒドロキシエチルアクリレートの水酸基と理論上反応する量を使用した。
【0137】
前記方法で得た重合性不飽和二重結合を有するポリウレタン(A−3)のイソシアネート基含有量(NCO%)は0質量%であった。
【0138】
次に、前記重合性不飽和二重結合を有するポリウレタン(A−3)100質量部と、イルガキュア 184(チバスペシャリティ株式会社製)2質量部とを混合攪拌し、酢酸エチルを供給し不揮発分を57質量%に調整することにより接着剤組成物cを得た。
【0139】
<接着剤組成物d>
反応容器に、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール及びジアルキルカーボネートを反応させて得られる数平均分子量2000の脂肪族ポリカーボネートポリオール80質量部と、1,2−エタンジオール及びアジピン酸を反応させて得られる数平均分子量2000のポリエステルポリオール26質量部とを混合し、減圧条件下にて100℃に加熱することにより、水分率が0.05質量%になるまで脱水した。
【0140】
次に、前記脂肪族ポリカーボネートポリオール及び前記ポリエステルポリオールの混合物を70℃まで冷却したものと、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート26質量部とを混合した後、100℃まで昇温し、イソシアネート基含有量が一定となるまで3時間反応させることによって、イソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを得た。
【0141】
前記ウレタンプレポリマー100質量部を100℃で加熱溶融させたものと、2−ヒドロキシエチルアクリレート11.4質量部とオクチル酸第一錫0.01質量部とを混合し、100℃でNCO%が一定となるまで反応させることによって、重合性不飽和二重結合を有するポリウレタン(A−4)を得た。なお、前記2−ヒドロキシエチルアクリレートは、前記ウレタンプレポリマーが有するイソシアネート基の総数がすべて前記2−ヒドロキシエチルアクリレートの水酸基と理論上反応する量を使用した。
【0142】
前記方法で得た重合性不飽和二重結合を有するポリウレタン(A−4)のイソシアネート基含有量(NCO%)は0質量%であった。
【0143】
次に、前記重合性不飽和二重結合を有するポリウレタン(A−4)100質量部と、イルガキュア 184(チバスペシャリティ株式会社製)2質量部とを混合攪拌し、酢酸エチルを供給し不揮発分を57質量%に調整することにより接着剤組成物dを得た。
【0144】
<接着剤組成物e>
反応容器に、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール及びジアルキルカーボネートを反応させて得られる数平均分子量2000の脂肪族ポリカーボネートポリオール93質量部と、1,6−ヘキサンジオール及びアジピン酸を反応させて得られる数平均分子量4500のポリエステルポリオール13質量部とを混合し、減圧条件下にて100℃に加熱することにより、水分率が0.05質量%になるまで脱水した。
【0145】
次に、前記脂肪族ポリカーボネートポリオール及び前記ポリエステルポリオールの混合物を70℃まで冷却したものと、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート26質量部とを混合した後、100℃まで昇温し、イソシアネート基含有量が一定となるまで3時間反応させることによって、イソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを得た。
【0146】
前記ウレタンプレポリマー100質量部を100℃で加熱溶融させたものと、2−ヒドロキシエチルアクリレート11.4質量部とオクチル酸第一錫0.01質量部とを混合し、100℃でNCO%が一定となるまで反応させることによって、重合性不飽和二重結合を有するポリウレタン(A−2)を得た。なお、前記2−ヒドロキシエチルアクリレートは、前記ウレタンプレポリマーが有するイソシアネート基の総数がすべて前記2−ヒドロキシエチルアクリレートの水酸基と理論上反応する量を使用した。
【0147】
前記方法で得た重合性不飽和二重結合を有するポリウレタン(A−2)のイソシアネート基含有量(NCO%)は0質量%であった。
【0148】
次に、前記重合性不飽和二重結合を有するポリウレタン(A−2)100質量部と、イルガキュア 184(チバスペシャリティ株式会社製)2質量部とを混合攪拌し、酢酸エチルを供給し不揮発分を57質量%に調整することにより接着剤組成物eを得た。
【0149】
<接着剤組成物f>
反応容器に、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール及びジアルキルカーボネートを反応させて得られる数平均分子量2000の脂肪族ポリカーボネートポリオール93質量部と、1,6−ヘキサンジオール及びセバシン酸を反応させて得られる数平均分子量3500のポリエステルポリオール13質量部とを混合し、減圧条件下にて100℃に加熱することにより、水分率が0.05質量%になるまで脱水した。
【0150】
次に、前記脂肪族ポリカーボネートポリオール及び前記ポリエステルポリオールの混合物を70℃まで冷却したものと、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート26質量部とを混合した後、100℃まで昇温し、イソシアネート基含有量が一定となるまで3時間反応させることによって、イソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを得た。
【0151】
前記ウレタンプレポリマー100質量部を100℃で加熱溶融させたものと、2−ヒドロキシエチルアクリレート11.4質量部とオクチル酸第一錫0.01質量部とを混合し、100℃でNCO%が一定となるまで反応させることによって、重合性不飽和二重結合を有するポリウレタン(A−3)を得た。なお、前記2−ヒドロキシエチルアクリレートは、前記ウレタンプレポリマーが有するイソシアネート基の総数がすべて前記2−ヒドロキシエチルアクリレートの水酸基と理論上反応する量を使用した。
【0152】
前記方法で得た重合性不飽和二重結合を有するポリウレタン(A−3)のイソシアネート基含有量(NCO%)は0質量%であった。
【0153】
次に、前記重合性不飽和二重結合を有するポリウレタン(A−3)100質量部と、イルガキュア 184(チバスペシャリティ株式会社製)2質量部とを混合攪拌し、酢酸エチルを供給し不揮発分を57質量%に調整することにより接着剤組成物fを得た。
【0154】
<比較接着剤組成物g>
攪拌機、寒流冷却器、温度計、滴下漏斗及び窒素ガス導入口を備えた反応容器に、メトキシエチルアクリレート75質量部、n−ブチルアクリレート24質量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート1質量部と重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチルニトリル0.4部とを酢酸エチル100質量部に溶解し、窒素置換後、80℃で8時間重合して重量平均分子量35万のアクリル共重合体を得、前記アクリル共重合体と酢酸エチルとを混合することによって不揮発分30質量%の接着剤組成物gを得た。
【0155】
<比較接着剤組成物h>
攪拌機を備えた500mLの反応容器に、数平均分子量が2,000のポリエステルポリオール((株)クラレ製 P−2010、アジピン酸と3−メチル−1,5−ペンタンジオールのエステル化物)を138g、2−ヒドロキシエチルアクリレートを16.2g、希釈剤としてイソボルニルアクリレートを185g、触媒としてジブチルスズジラウレートを185mg、重合禁止剤として2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノールを92.7mg仕込み、5容量%の酸素を含む窒素の雰囲気下、攪拌しながら液温が70℃になるまで加温した。
【0156】
前記混合液にイソホロンジイソシアネート31.1gを徐々に添加し、9時間反応させた。前記イソホロンジイソシアネートのイソシアネート基がすべて消費されたことを確認し接着組成物hを得た。
【0157】
(実施例1)
上記接着剤組成物a100質量部を、シリコーン化合物で片面を剥離処理した厚さ75μmのポリエステルフィルム(以下「#75剥離フィルム」)上に乾燥後の厚さが50μmになるように塗工し、85℃で4分間乾燥することによって、前記#75剥離フィルムの表面に接着シートを作製した。
【0158】
次に、前記接着シートの片面に、シリコーン化合物で片面を剥離処理した厚さ38μmのポリエステルフィルム(以下「#38剥離フィルム」)を貼り合わせた。
【0159】
(実施例2)
前記接着剤組成物a100質量部の代わりに、接着剤組成物b100質量部を使用すること以外は、実施例1と同様の方法で接着シートを作製した。
【0160】
(実施例3)
前記接着剤組成物a100質量部の代わりに、接着剤組成物c100質量部を使用すること以外は、実施例1と同様の方法で接着シートを作製した。
【0161】
(実施例4)
前記接着剤組成物a100質量部の代わりに、接着剤組成物d100質量部を使用すること以外は、実施例1と同様の方法で接着シートを作製した。
【0162】
(実施例5)
前記接着剤組成物a100質量部の代わりに、接着剤組成物e100質量部を使用すること以外は、実施例1と同様の方法で接着シートを作製した。
【0163】
(実施例6)
前記接着剤組成物a100質量部の代わりに、接着剤組成物f100質量部を使用すること以外は、実施例1と同様の方法で接着シートを作製した。
【0164】
(比較例1)
前記接着剤組成物a100質量部の代わりに、接着剤組成物g100質量部を使用すること以外は、実施例1と同様の方法で接着シートを作製した。
【0165】
(比較例2)
前記接着剤組成物a100質量部の代わりに、接着剤組成物h100質量部を使用すること以外は、実施例1と同様の方法で接着シートを作製した。
【0166】
[耐つぶれ性の評価方法(接着シートに力が加わった場合に接着剤層に含まれる成分が押し出されるか否かを評価する方法)]
実施例及び比較例で得た接着シートを5cm×5cmに裁断し、#38剥離フィルムを剥がしたものを、厚さ50μmの剥離フィルム(以下「#50剥離フィルム」)7cm×7cmの中央部に貼り合わせた。
【0167】
次に、#75剥離フィルムを剥がし、さらにその上に#50剥離フィルム7cm×7cmを貼り合わせた。
【0168】
前記貼り合わせたものの上部から、単位面積当たり0.4kg/cmの圧力を加えた状態で40℃で60分間放置した。
【0169】
次に、放置前の接着シートの面積(5cm×5cm=25cm)に対する、放置後の接着シートの面積の割合を、下記基準で評価した。
【0170】
◎:放置前の接着シートの面積に対する、放置後の接着シートの面積の割合が100%以上101%未満であった。
【0171】
○:放置前の接着シートの面積に対する、放置後の接着シートの面積の割合が101%以上103%未満であった。
【0172】
△:放置前の接着シートの面積に対する、放置後の接着シートの面積の割合が103%以上105%未満であった。
【0173】
×:放置前の接着シートの面積に対する、放置後の接着シートの面積の割合が105%以上であった。
【0174】
(段差追従性の評価方法)
縦4cm及び横5cmのガラス板の額縁部に、厚さ20μm及び幅4mmの加飾層(黒色)を有するパネルを用意した。
【0175】
前記耐つぶれ性の評価試験で使用した接着シートから、一方の#50離型フィルムを除去し、前記パネルの表面(加飾層を有する側の面)に貼付した。
【0176】
次に、前記接着シートの他方の#50離型フィルムを除去し、その表面に縦4cm、横5cm及び厚さ125μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを貼付した。
【0177】
前記貼付物を、5気圧及び50℃の環境下に20分間放置した後、無電極ランプ(フュージョンランプHバルブ)を用いて紫外線を1000mJ/cm照射した。
【0178】
前記照射後、前記加飾層に起因する段差部と、接着シートの接着剤層との界面を、ガラス板側から目視で確認し、下記基準で評価した。
【0179】
<気泡の有無による評価>
◎:前記段差部と、接着シートの接着剤層との界面に気泡が全くなかった。
【0180】
○:前記段差部と、接着シートの接着剤層との界面に、ごくわずかに気泡があったが、実用上問題ないレベルであった。
【0181】
△:前記段差部と、接着シートの接着剤層との界面にわずかに気泡があった。
【0182】
×:前記段差部と、接着シートの接着剤層との界面及び前記界面以外の範囲に気泡があった。
【0183】
<外観による評価>
◎:前記段差部と、接着シートの接着剤層との界面に歪みに起因した凹凸が全くなく、外観に優れたものであった。
【0184】
○:前記段差部と、接着シートの接着剤層との界面にごくわずかに歪みがあったものの、良好な外観を備えたものであった。
【0185】
△:前記段差部と、接着シートの接着剤層との界面に歪みに起因した凹凸があり、若干の外観の低下が確認された。
【0186】
×:前記段差部と、接着シートの接着剤層との界面に歪みに起因した凹凸があり、外観の低下が確認された。
【0187】
[貯蔵弾性率の測定方法]
前記接着シートを構成する接着剤層の各温度における貯蔵弾性率は、粘弾性試験機(レオメトリックス社製、商品名:アレス2KSTD)を用いて、同試験機の測定部である平行円盤の間に試験片を挟み込み、温度40℃または70℃、及び、周波数1Hzでの貯蔵弾性率(G’)と損失弾性率(G”)を測定し求めた。上記測定で使用する試験片としては、前記接着シートを厚さ1mmで直径8mmの大きさからなる円状に裁断したものを使用した。
【0188】
【表1】
【0189】
表1のとおり、実施例1〜6の接着シートは、良好な耐つぶれ性を有し、加飾層の段差に対して良好な追従性を有するものであった。比較例1の接着シートは、加飾層における透明基材の歪みの残存が確認された。比較例2では、界面に気泡を確認でき、耐つぶれ性も十分でなかった。
【符号の説明】
【0190】
1 接着シート
2 ポリエチレンテレフタレート基材
3 加飾層
4 ハードコート層
5 タッチセンサーパネルを構成するガラスパネル
図1