(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、本発明の目的は、冒頭に挙げた投影対物系をその全伝達率が改善され、更に負のアポディゼーション効果が回避又は低減されるように改善することである。それに対する代替として又はそれに加えて、投影対物系は、可能な限り小型でなければならない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によると、この目的は、請求項1に開示する特徴を有する投影対物系、請求項2に開示する特徴を有する投影対物系、請求項5に開示する特徴を有する投影対物系、及び請求項10に開示する特徴を有する投影対物系によって達成される。
本発明の第1の態様によると、投影対物系には、少なくとも6つのミラーが設けられ、これらのミラーのうちの少なくとも1つは、自由曲面を有し、投影対物系の全長と投影対物系の物体像シフトとの間の比は、12よりも小さい。この種の投影対物系は、物体平面と像平面の間に中間像平面を有することができる。それによって所定の結像要件を満たし、同時に個々のミラーの寸法、言い換えればこれらのミラーの完全な反射面の寸法が最小にされる。中間像平面を有する実施形態では、比較的小さい曲率半径を有するミラーを用いることができる。更に、露光反射面とミラーの傍を通り越す結像ビームとの間で比較的大きい作動距離を維持することができる対物系設計を考えることができる。物体像シフトは、120mmよりも大きい絶対値を有することができ、この値は、好ましくは、150mmよりも大きく、より好ましくは、200mmよりも大きい。
【0006】
本発明の別の態様によると、投影対物系は、少なくとも1つのミラーが反射自由曲面を有する少なくとも6つのミラーを有する。この投影対物系の像平面は、物体平面の下流の投影対物系の最初の視野平面である。従って、投影対物系の物体平面と像平面の間の中間像平面が不要な場合には、それによって入射角スペクトル、言い換えればミラーのそれぞれの1つの上に入射する結像ビームの最大入射角と最小入射角の間の差が小さく保たれる。それによってミラー上の反射コーティングに対する要求が低減する。この場合、反射コーティングは、高いピーク反射又はミラー面にわたる均等な反射のいずれに関しても最適化することができ、ミラーのうちの1つの上での入射角の激しい変動を実際に無視することができる。その結果は、望ましくないアポディゼーション効果を回避又は低減することを可能にする良好な全伝達率を有する投影対物系である。少なくとも1つのミラーが反射自由曲面として設計された場合には、本発明による投影対物系は、いかなる中間像平面も設けられない場合であっても小さい結像誤差しか示さない。投影対物系の少なくとも6つのミラーは、結像誤差を容易に補正することを可能にする。本発明による投影対物系は、ミラー投影対物系、言い換えれば、全ての結像ビーム誘導構成要素が反射構成要素である投影対物系とすることができる。
【0007】
請求項3に記載の投影対物系は小型であり、かつ像視野からの物体視野の良好な分離を保証する。全長と物体結像シフトの間の比は、好ましくは、2よりも小さく、より好ましくは、1.5よりも小さく、更に好ましくは、1.1よりも小さい。
請求項4に記載の反射自由曲面は、投影対物系による結像誤差を最小にすることを可能にする。他の種類の自由曲面を考えることもできる。この種の自由曲面は、ミラー面のある面区域に対して法線を成す有意な軸に関して回転対称な関数を用いて説明することができない。特に、この種の自由曲面は、円錐断面を説明する種類の非球面式を用いて説明することができず、更に、ミラー面を説明するためには、少なくとも2つの独立したパラメータを必要とする。光学的活性ミラー面の境界の形状は、ミラー面を自由曲面として特徴付ける時には重要ではない。一般的に、回転対称な境界を持たない光学的活性面は、従来技術から公知である。この種の光学的活性面は、それでも依然として回転対称関数を用いて説明することができ、この場合、この光学面のうちの回転対称ではない境界を有する区域が用いられる。
【0008】
請求項5に記載の投影対物系は小型であり、かつ像視野からの物体視野の良好な分離を保証する。全長と物体像シフトの間の比は、好ましくは、1.5よりも小さく、より好ましくは、1.1よりも小さい。請求項4に記載の投影対物系も、同様にミラー投影対物系とすることができる。
請求項6から請求項9の利点は、本発明による投影対物系に関して既に上述したものに対応する。
【0009】
本発明の別の態様によると、投影対物系は、少なくとも1つのミラーが反射自由曲面を有する複数のミラー、及び物体平面と像平面の間に少なくとも1つの中間像平面を有し、投影対物系の全長と物体像シフトの間の比は12よりも小さい。少なくとも1つの反射自由曲面を用いることにより、中間像平面を有する投影対物系においてさえも明確な物体像シフトを得ることができる。この明確な物体像シフトは、特に、投影対物系が装備された投影露光装置の更に別の構成要素を通り越して照明光を誘導する役割を投影対物系のミラーに入射する入射角を損なわずに達成することができる。特に、照明光の事実上全ての反射を小さい入射角、又は代替的に非常に大きい入射角(かすめ入射)で達成することができる。本発明のこの態様による投影対物系の中間像平面は、投影対物系の開口数を定める最後のミラーの近くに誘導される光束を除き、比較的小さい一般的な光束寸法又は光束直径を有する結像光束を物体平面と像平面との間に誘導することを可能にする。それによって投影対物系を用いた投影露光中の口径食制御が容易になる。更に、少なくとも1つの中間像平面を含む投影対物系は、1つが、物体平面と少なくとも1つの中間像平面との間に配置され、それに対してもう1つが、少なくとも1つの中間像平面と像平面との間に配置された少なくとも2つの瞳平面を有する。それによって瞳平面内又はその近くの光束に影響を与えることにより、照明パラメータを制御する可能性が高められる。
【0010】
請求項11及び請求項12の利点は、従来の態様による本発明の投影対物系に関して既に上述したものに対応する。
請求項13に記載の中心物体視野点に割り当てられた主光線の経路は、投影対物系のミラー上で小から中程度の入射角を有しながら、大きい物体像シフトを得ることを可能にする。そのような主光線経路の場合には、主光線が法線方向に誘導して戻され、それによって大きい物体像シフトを得る上で逆効果を招くことになる主光線経路の部分が全く存在しない。
【0011】
請求項14に記載の物体像シフトの絶対値は、投影光学系の物体視野の上流の照明ビーム光路を投影対物系内の結像ビーム経路から空間的に分離するのに有利であることが見出されている。
請求項15に記載の入射角スペクトルと像側開口数との間の比は、ミラー上の反射コーティングに対する有利に低い要求をもたらす。好ましくは、入射角スペクトルは、最大で15°、より好ましくは、最大で13°、より好ましくは、最大で12°、更に好ましくは、最大で10°である。従って、入射角スペクトルと投影対物系の像側開口数との比は、好ましくは、最大で60°、より好ましくは、最大で52°、より好ましくは、最大で48°、更に好ましくは、最大で40°である。0.25という像側開口数を設けることができる。0.25と、例えば、0.9との間の範囲の他の像側開口数、すなわち、例えば、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、又は0.9という像側開口数を設けることができ、それに応じて入射角スペクトルと投影対物系の像側開口数との間の比が変化することになる。
【0012】
請求項16に記載の開口数(nが屈折率、例えば、洗浄ガスの屈折率であり、αが、対物系の像側の半開口角である時に、NA=n・sinα)は、投影対物系の良好な空間解像度をもたらす。投影対物系のミラーのうちの1つの上に入射する結像ビームの最大入射角と最小入射角の間の差は、好ましくは、最大で0.9arcsin(NA)、より好ましくは、最大で0.8arcsin(NA)、更に好ましくは、最大で0.7arcsin(NA)である。
請求項17に記載の視野サイズは、この種の投影対物系を含む投影露光装置を作動させる際に良好な収量を保証する。
請求項18に記載の入射角は、投影対物系を用いて結像される構造が配置された反射マスクを用いることを可能にする。入射角は、特に、6°である。
【0013】
本発明の別の目的は、光源によって放出される照明光を誘導し、かつ物体視野を照明するためのマイクロリソグラフィのための投影対物系及び照明光学系を含む光学系を、照明光を誘導する時の反射損失が最低限まで低減されるように改善することである。
本発明によると、この目的は、請求項19に開示する特徴を有する光学系によって達成される。
【0014】
投影対物系の全長と中間焦点像シフトとの間のそのような比は、像側で大きい空間要件を有する構成要素をいかなる付加的な照明光誘導光学構成要素も必要とせず、かつ収量を低減する可能性がある極端な入射角も必要とせずに通り越すように照明光を誘導することができることを保証することができる。投影対物系の全長と中間焦点像シフトとの間の比は、3よりも小さく、2よりも小さく、1.90よりも小さく、1.80よりも小さいとすることができ、特に、1.75とすることができる。更に、小さい比を考えることもできる。
一般的な像側空間要件は、像平面内で像視野の中心で測定した場合に約1mであり、特に、照明光学系の構成要素の方向にもそうであり、像平面に対して垂直に像平面から遠ざかるように測定した場合にも同じく1mである。
【0015】
請求項20に記載の光学系の利点は、一方で本発明による投影光学系に関して説明したものに、他方で本発明による光学系に関して説明したものに対応する。
請求項21に記載の中間焦点配列は、照明光学系における構成要素に入射する照明光を特に小さい最大入射角で誘導することを可能にする。
請求項22に記載の照明光学系の設計は、少ない個数の反射構成要素に起因して高い照明光収量を有する。照明光学系は、特に、集光器及び僅か2つの付加的なミラー、言い換えれば僅か2つの付加的な反射構成要素を有することができる。
【0016】
請求項23に記載の投影露光装置、請求項24に記載の製造法、及び請求項25に記載の微細構造化構成要素又はナノ構造化構成要素の利点は、請求項1から請求項19に記載の投影対物系、及び請求項20から請求項22に記載の光学系に関して既に上述したものに対応する。
本発明による投影対物系、本発明による光学系、及び本発明による投影露光装置の利点は、特に、EUV光が照明光として用いられる時に明らかになる。
以下では、本発明の例を図面を用いてより詳細に説明する。
【発明を実施するための形態】
【0018】
マイクロリソグラフィのための投影露光装置1は、照明光3のための光源2を含む。光源2は、5nmと30nmの間の波長範囲の光を生成するEUV光源である。他のEUV波長も考えることができる。代替的に、投影露光装置1は、例えば、可視波長、UV波長、DUV波長、又はVUV波長を有する照明光3を用いて作動させることができる。
図1には照明光3のビーム経路を非常に模式的に示す。
【0019】
照明光3は、照明光学系6を用いて物体平面5内の物体視野4へと誘導される。投影対物系の形態にある投影光学系7は、物体視野4を像平面9内の像視野8へと所定の縮小比で結像するように用いられる。この縮小比は、4:1である。従って、像視野8へと結像されると、物体視野4は、投影光学系7を用いてサイズが4倍だけ縮小される。
投影光学系7は、例えば、像を4倍だけ縮小する。他の像スケール、例えば、5×、6×、8×、又は更には8×よりも大きい像スケールを考えることができる。また、4×よりも小さい像スケールを考えることができる。
【0020】
像平面9は、物体平面5に対して平行である。この工程では、反射マスク10の物体視野4と一致する部分が結像される。この部分は、基板ホルダ12によって保持されたウェーハの形態にある基板11上に結像される。
位置関係の説明を容易にするために、図面は、xyz座標系を含む。
図1では、x軸は、作図面に対して垂直であり、閲覧者から作図面に向けて延びている。y軸は、
図1の右に延びている。z軸は、
図1の下方に延びている。
レチクルホルダ(図示していない)によって保持された反射マスク10と基板11は、投影露光中にy方向に同期して走査される。
【0021】
図2は、第1の実施形態である投影光学系7の光学設計を示しており、この図は、2つの離間された視野点によって放出された照明光3の個々の結像ビーム13の経路を示している。これらの結像ビーム13のうちの1つは、中心視野点の主光線であり、言い換えれば、物体視野4又は像視野8のコーナを結ぶ対角線の交点上に厳密に位置する視野点の主光線である。
投影光学系7では、像平面9は、物体平面5の下流にある投影光学系7の最初の視野平面である。言い換えれば、投影光学系7は、中間像平面を持たない。
投影光学系7は、像側に0.25という開口数を有する。全長T、言い換えれば投影光学系7の物体平面5と像平面9の間の距離は、1585mmである。
【0022】
物体平面5が像平面9に対して平行ではない投影光学系の考えることができる他の実施形態(図示していない)では、全長Tは、像平面からの中心視野点の距離として定められる。非偶数個のミラー、例えば、7個又は9個のミラーが装備された考えることができる別の投影対物系(図示していない)では、全長は、ミラーのうちの1つと視野平面のうちの1つとの間の最大距離として定められる。
投影光学系7の物体像シフトd
OISは、1114.5mmである。物体像シフトd
OISは、中心物体視野点の像平面8上への垂直投影Pの中心像点からの距離である。
図2に記載の投影光学系では、全長Tと物体像シフトd
OISの間の比は、約1.42である。
【0023】
像平面9内での投影光学系7の視野サイズは、y方向に2mm、x方向に26mmであり、それに対して物体平面5内では、視野サイズは、y方向に8mmであり、x方向に108mmである。
物体視野4及び像視野8は、矩形である。一般的に、これらの視野は、対応するxyアスペクト比を有する円の扇形の形状を有することができる、言い換えれば、湾曲形状を有することができる。
視野のy寸法をスロット高さとも呼び、それに対してx方向をスロット幅とも呼ぶ。
物体視野4上、言い換えれば反射マスク10上に入射する結像ビーム13の入射角βは、6°である。他の入射角βを考えることもできる。
【0024】
投影光学系7は、照明光3に露光される順番で番号が振られた合計で6つのミラーM1、M2、M3、M4、M5、M6を含む。ミラーM3及びM6は、凹である。ミラーM4は、凸である。
図2は、ミラーM1からM6の反射面のみを示しており、ミラー本体全体又は関係するホルダのような他の態様を省略していることに注意すべきである。
ミラーM1からM6は、各場合に特定の入射角スペクトルで照明光3に露光される。この入射角スペクトルは、それぞれのミラーM1からM6に入射する最小入射角α
minと最大入射角α
maxの間の差である。
図2では、これを投影光学系7の最大絶対入射角スペクトルを有する最後から2番目のミラーM5の例で示している。
以下の表は、ミラーM1からM6の入射角スペクトルα
max−α
minを示している。
【0026】
図2の子午断面では、約14°の最小入射角α
minをミラーM5の右手縁部に得ることができる。
図2の最大入射角α
maxは、約24°であり、ミラーM5の左手縁部に得ることができる。従って、ミラーM5は、10°の入射角スペクトルを有する。この入射角スペクトルは、同時に、ミラーM1からM6のうちの1つに入射する入射角の間の最大差である。投影光学系7のミラーM1からM6に入射する入射角は、ほぼ例外なく小角度の良好な近似満足範囲内(0°≦α≦7°)にある。従って、ミラーM1からM6は、これらのミラーの反射面にわたって均等に付加された反射コーティングで被覆される。
【0027】
反射コーティングは、特に多層コーティングであり、言い換えれば、EUV反射コーティングには通例であるモリブデン層とシリコン層との交互スタックである。僅か10°という小さい最大入射角スペクトルは、全てのミラーM1及びM6上の反射が、良好な近似で一定であることを保証する。すなわち、投影光学系7では、それぞれのミラー面にわたる反射の望ましくない変動又は過度なアポディゼーションが回避される。アポディゼーションは、瞳にわたる照明光3の強度分布の変動として定められる。I
maxを投影光学系7の瞳平面内での照明光3の最大強度とし、I
minをこの瞳平面にわたる照明光3の最小強度とすると、次式の値はアポディゼーションの尺度である。
A=(I
max−I
min)/I
max
【0028】
ミラーM1からM6のうちの少なくとも1つは、双円錐形の基本形状を有し、以下の曲面式を用いて説明することができる反射自由曲面を有する。
【0030】
x及びyは、反射面を通る法線の貫通点として定められる座標原点から始まる反射面上の座標を表している。理論的には、この貫通点は、有用反射面を超えて配置することができる。zは、反射自由曲面のサジタル高さを表している。係数cvx及びcvyは、xy断面図及びxz断面図における反射自由曲面の曲率を説明する。係数ccx及びccyは、円錐パラメータである。
自由曲面式は、最初の双円錐項及びその後の係数a
jiを有するxy多項式から成る。
【0031】
以下の表は、投影光学系7におけるミラーM1からM6の光学面の配列及び形状を明記している。
表1の最初の列には、選択面を番号で表している。第2の列は、z方向にそれぞれの最隣接面からの各面のそれぞれの距離を含む。表1の第3の列は、全体座標系に対する各面の局所座標系のそれぞれのy偏心を列記している。
表1の最終列は、定められた面を投影光学系7の構成要素に割り当てることを可能にする。
【0033】
表2は、ミラーM6(面2)、M5(面3)、M4(面4)、M3(面5)、M2(面6)、M1(面7)というそれぞれの反射自由曲面のデータを含む。表に記載のない係数は、ゼロに等しい。更に、RDX=1/cvx、RDY=1/cvyが適用される。
【0036】
図3は、投影光学系7の代わりに
図1に記載の投影露光装置1に対して用いることができる投影光学系の別の実施形態14を示している。投影光学系7に関して既に上述したものに対応する投影光学系14の構成要素は、同じ参照番号を有し、これらに対しては、再度詳細に説明しない。
投影光学系14は、像側に0.25という開口数を有する。投影光学系14の全長Tは、1000mmである。投影光学系14の物体像シフトd
OISは、656.5mmである。従って、比T/d
OISは、約1.52である。
【0037】
投影光学系14では、12°である最大入射角スペクトルは、ミラーM5上においても見出すことができる。約6°である最小入射角は、
図3のミラーM5の右手縁部に見出される。約18°である最大入射角は、
図3のミラーM5の左手縁部に見出される。投影光学系14においても、像平面9は、物体平面5の下流にある最初の視野平面である。
同様に、投影光学系14では、M1からM6のうちの少なくとも1つが双円錐反射自由曲面である。
【0038】
以下の表は、投影光学系14におけるミラーM1からM6の光学面の配列及び形状を明記している。表3の最初の列には、選択面を番号で表している。第2の列は、z方向にそれぞれの最隣接面からの各面のそれぞれの距離を含む。表3の第3の列は、全体座標系に対する各面の局所座標系のそれぞれのy偏心を列記している。
表3の最終列は、定められた面を投影光学系14の構成要素に割り当てることを可能にする。
【0040】
表4は、ミラーM6(面2)、M5(面3)、M4(面4)、M3(面5)、M2(面6)、M1(面7)というそれぞれの反射自由曲面のデータを含む。表に記載のない係数は、ゼロに等しい。更に、RDX=1/cvx、RDY=1/cvyが適用される。
【0047】
図4は、投影光学系7の代わりに
図1に記載の投影露光装置に対して用いることができる投影光学系の別の実施形態15を示している。投影光学系7に関して既に上述したものに対応する投影光学系15の構成要素は、同じ参照番号を有し、これらに対しては、再度詳細に解説しない。
投影光学系15は、像側に0.32という開口数を有する。投影光学系15の全長Tは、1000mmである。投影光学系15の物体像シフトd
OISは、978mmである。従って、比T/d
OISは、約1.02である。
【0048】
投影光学系15では、13°である最大入射角スペクトルは、ミラーM5においても同様に見出すことができる。約9°である最小入射角は、
図4のミラーM5の右手縁部に見出される。約22°である最大入射角は、
図4のミラーM5の左手縁部に見出される。投影光学系15においても、像平面9は、物体平面5の下流にある最初の視野平面である。
同様に、投影光学系15では、M1からM6のうちの少なくとも1つが双円錐反射自由曲面である。
【0049】
以下の表は、投影光学系15におけるミラーM1からM6の光学面の配列及び形状を明記している。
表5の最初の列には、選択面を番号で表している。第2の列は、z方向にそれぞれの最隣接面からの各面のそれぞれの距離を含む。表5の第3の列は、全体座標系に対する各面の局所座標系のそれぞれのy偏心を列記している。
表5の最終列は、定められた面を投影光学系15の構成要素に割り当てることを可能にする。
【0051】
表6は、ミラーM6(面2)、M5(面3)、M4(面4)、M3(面5)、M2(面6)、M1(面7)というそれぞれの反射自由曲面のデータを含む。表に記載のない係数は、ゼロに等しい。更に、RDX=1/cvx、RDY=1/cvyが適用される。
【0058】
図5は、投影光学系7の代わりに
図1に記載の投影露光装置1に対して用いることができる投影光学系の別の実施形態16を示している。投影光学系7に関して既に上述したものに対応する投影光学系16の構成要素は、同じ参照番号を有し、これらに対しては再度詳細に解説しない。
投影光学系16は、像側に0.35という開口数を有する。投影光学系16の全長Tは、1500mmである。投影光学系16の物体像シフトd
OISは、580mmである。従って、比T/d
OISは、約2.59である。
【0059】
投影光学系16のミラーM5上には、0.15°の最小入射角及び23.72°の最大入射角が存在する。従って、ミラーM5において見出される最大入射角スペクトルは、投影光学系16のミラーのうちの1つにおいて見出される入射角の最大スペクトルである23.58°である。
投影光学系16は、ミラーM4とM5の間に中間像平面17を有する。この中間像平面17は、結像ビーム13が誘導されてミラーM6を通り越した点にほぼ配置される。
【0060】
投影光学系16のミラーM1からM6の反射自由曲面は、次式によって数学的に説明することができる。
【0064】
Zは、点x、y(x
2+y
2=r
2)における自由曲面のサジタル高さを表している。
cは、対応する非球面の頂点の曲率に対応する定数である。kは、対応する非球面の円錐定数に対応する。C
jは、単項式X
mY
nの係数である。一般的に、c、k、及びC
jの値は、投影光学系16におけるミラーの望ましい光学特性に基づいて決められる。単項式の次数m+nは、必要に応じて変更することができる。高次の単項式は、結像エラーの補正を容易にする投影光学系設計をもたらすことができるが、計算することが困難であり、m+nは、3と20よりも大きい値との間の値を取ることができる。
【0065】
自由曲面は、例えば、光学設計プログラム「CODE V」(登録商標)のマニュアルに説明されているゼルニケ多項式を用いて数学的に説明することができる。代替的に、自由曲面は、2次元スプライン面を用いて説明することができる。2次元スプライン面の例は、ベジェ曲面又は不均一有理スプライン(NURBS)である。2次元スプライン面は、例えば、xy平面内の点の集合とこれらの点のそれぞれのz値により、又はこれらの点とそのそれぞれの勾配によって説明することができる。スプライン面の種類によっては、面全体は、例えば、連続性及び微分可能性に関して特定の特性を有する多項式又は関数を用いた上記集合における点の間の内挿によって得られる。この例は、解析関数である。
【0066】
投影光学系16のミラーM1からM6の反射面の光学設計データを以下の表に列記する。これらの表のうちの最初のものは、光学構成要素の光学面におけるそれぞれの頂点曲率の逆数(半径)、及び距離値(厚み)を含み、距離値は、物体平面から始まるビーム経路内で隣接する要素のz距離に対応する。第2の表は、ミラーM1からM6に関する上述の自由曲面式における単項式X
mY
nの係数C
jを含み、N半径は、正規化定数である。第2の表には、ミラーの基準設計に対するそれぞれのミラーのy偏心の絶対値(mm)及びx回転が列記された第3の表が続く。この表は、自由曲面設計工程の最中の偏心(y方向の)及び回転(x軸回りの)の工程に対応し、回転角を度で明記している。
【0071】
図5では、参照番号18は、中心物体視野点に割り当てられた主光線を表している。参照番号19は、
図5の物体平面5に対する中心物体視野点を通過する法線を指す。言い換えれば、主光線18と法線19とは物体平面5内で交わる。主光線18が、その経路に沿って物体平面5と像平面9との間で伝播し続けると、法線19からの主光線18の距離は単調に増大する。主光線18が、像平面、言い換えれば中心像視野点を通過する時には、上記距離は、物体像シフトd
OISに等しい。法線19からの主光線18の距離は、ビーム経路に沿って物体平面5と像平面9との間で単調に増大するので、ビーム経路全体に沿っていかなる距離の減少もないことになる。投影光学系16では、この距離は、主光線18が最後のミラーM6上に入射するまで連続的に増大する。ミラーM6上の主光線18の入射点と像平面9との間では、この距離は一定に留まる。
【0072】
図1よりも模式的ではない
図6は、投影光学系16が装備された投影露光装置1を示している。特に、
図1から
図5に関して既に上述したものに対応する構成要素は、同じ参照番号を有し、これらに対しては、再度詳細に解説しない。
光源2から放出された照明光3は、最初に、
図6では模式的に例示している集光器20によって集光される。
図1に記載の図とは対照的に、
図6に記載の図は、
図6の像平面9の高さよりも低い高さに光源2を示している。従って、集光器20によって集光される照明光3は、基板ホルダ12を通り越すように誘導する必要がある。
【0073】
図6に記載の実施形態では、照明光学系6は、集光器20の下流に配置された視野ファセットミラー21、及びこの視野ファセットミラー21の下流に配置された瞳ファセットミラー22を有する。2つのファセットミラー21、22は、物体視野4にわたる照明光3の強度分布及び照明角度分布の所定の設定を得るのに用いられる。集光器20と視野ファセットミラー21の間には、照明光3のビーム経路に配置された中間焦点23が存在する。
図5及び
図6に記載の投影光学系16の大きい物体像シフトd
OISは、ビーム経路が、物体平面5、更に像平面9へと法線に沿って、言い換えれば垂直に延びることを可能にする。従って、基板ホルダ12を通り越して照明光3を誘導する上で、照明光3を誘導するミラー上の過度に大きい入射角を必要としない。
図6に記載の投影光学系16を含む投影露光装置1は、855mmの中間焦点像シフトDを有する。中間焦点像シフトDは、中間焦点23からの像平面9に対する法線の貫通点からの像視野8の中心点の距離として定められる。
図6に記載の投影露光装置1では、投影光学系16の全長Tと中間焦点像シフトDとの間の比は、T/D=1.75である。
【0074】
図7は、
図6に記載の投影光学系16及び別の実施形態の照明光学系6を含む投影露光装置1の
図6と類似の図である。
図1から
図6、特に、
図6に関して既に上述したものに対応する構成要素は、同じ参照番号を有し、これらに対しては、再度詳細に解説しない。
図6に記載の実施形態の照明光学系6とは対照的に、
図7に記載の実施形態は、照明光3のための貫通開口部24を有する瞳ファセットミラー22を含む。照明光3は、集光器20と視野ファセットミラー21の間のビーム経路に沿って貫通開口部24を通過する。
図7に記載の実施形態では、中間焦点23は、貫通開口部24の近くに配置される。
【0075】
図7に記載の投影露光装置1では、中間焦点像シフトDは、703mmである。従って、
図6に記載の投影光学系16と同一の投影光学系16の全長Tと中間焦点像シフトDの間の比は、T/D=2.12である。
集光器20と視野ファセットミラー21の間のビーム経路は、物体平面5及び像平面9と81°の角度γを成す。その結果、ビーム経路は、法線から9°しか偏向しない。
図7に記載の照明光学系6を用いると、視野ファセットミラー21上に入射する照明光3の特に小さい最大入射角が得られる。
【0076】
投影光学系7、14、15、及び16は、光束誘導構成要素であり、従って、ミラーのみを含む。従って、これらの投影光学系7、14、15、16をミラー投影対物系と呼ぶ。
投影露光装置1を用いて微細構造化構成要素を製造する際には、最初の段階で反射マスク10及び基板11が準備される。その後、投影露光装置1の投影光学系7、14、15、又は16を用いて、反射マスク10上の構造がウェーハ11上の感光層上に投影される。その後、感光層は、ウェーハ11上の微細構造へと作成され、これは、次に、微細構造化構成要素へと作成される。