特許第6249626号(P6249626)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6249626
(24)【登録日】2017年12月1日
(45)【発行日】2017年12月20日
(54)【発明の名称】自動分析装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 35/02 20060101AFI20171211BHJP
【FI】
   G01N35/02 E
【請求項の数】9
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2013-82208(P2013-82208)
(22)【出願日】2013年4月10日
(65)【公開番号】特開2014-206380(P2014-206380A)
(43)【公開日】2014年10月30日
【審査請求日】2016年2月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】501387839
【氏名又は名称】株式会社日立ハイテクノロジーズ
(74)【代理人】
【識別番号】110001829
【氏名又は名称】特許業務法人開知国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100077816
【弁理士】
【氏名又は名称】春日 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100156524
【弁理士】
【氏名又は名称】猪野木 雄一
(72)【発明者】
【氏名】宮崎 優
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 慶弘
(72)【発明者】
【氏名】森 高通
【審査官】 長谷 潮
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−226889(JP,A)
【文献】 特開2011−149832(JP,A)
【文献】 特開昭63−012964(JP,A)
【文献】 特開昭63−118663(JP,A)
【文献】 特開平11−258246(JP,A)
【文献】 特開平07−280816(JP,A)
【文献】 特開2012−242231(JP,A)
【文献】 特開2011−112502(JP,A)
【文献】 特開2011−191259(JP,A)
【文献】 特開平06−082460(JP,A)
【文献】 特開2012−132721(JP,A)
【文献】 特開2010−160109(JP,A)
【文献】 特開2011−149831(JP,A)
【文献】 特開2011−033426(JP,A)
【文献】 特開平05−080059(JP,A)
【文献】 特開平11−304797(JP,A)
【文献】 特開2003−083992(JP,A)
【文献】 特開平07−049350(JP,A)
【文献】 米国特許第05985672(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 35/00−35/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動分析装置であって、
試料と試薬とを混合して反応させた混合液や前記試料と前処理用試薬とを混合して調製した前処理液を収容する複数の反応容器と、
複数の試薬、および前記前処理用試薬を収納する試薬収納庫と、
前記反応容器に前記試料を分注する試料分注機構と、
前記反応容器に前記試薬および前記前処理用試薬を分注する試薬分注機構と、
前記反応容器内の前記混合液を測定する測定部と、
この測定部で測定が終了した前記混合液を吸引し、前記反応容器内部を洗浄する通常洗浄機構と、
前記通常洗浄機構とは別体であり、希釈とは異なる前処理で使用した前記反応容器内部を洗浄する前処理洗浄機構と、
前記反応容器に前記試料分注機構により前記試料を、前記試薬分注機構により前記試薬収納庫に収納された試薬を分注して前記混合液を調製する通常分注処理、前記通常分注処理に先立って前記反応容器に前記試料分注機構により前記試料を、前記試薬分注機構により前記試薬収納庫に収納された前記前処理用試薬を分注し、混合して前記前処理液を調製した後に前記試料分注機構により前記前処理液を吸引して別の反応容器に吐出する前記前処理、前記通常洗浄機構により前記測定終了後の前記反応容器を洗浄する通常洗浄、前記前処理洗浄機構により前記前処理で使用した反応容器内部を洗浄する前処理洗浄、およびこの前処理洗浄により洗浄した反応容器を、前記反応容器を複数保持する反応ディスクを回転駆動させて前記通常洗浄機構による洗浄位置まで移動させ、前記通常洗浄機構により洗浄する再洗浄、を実施するよう前記各機構を制御する制御手段と、を備えた
ことを特徴とする自動分析装置。
【請求項2】
請求項に記載の自動分析装置において、
前記前処理液を吸引する液体吸引ノズルと、洗浄液吐出ノズルと、洗浄液吸引ノズルと、前記液体吸引ノズルと前記洗浄液吸引ノズルに接続された吸引ポンプと、前記洗浄液吐出ノズルに接続された洗浄液吐出ポンプとを有する前記前処理洗浄機構を更に備えた
ことを特徴とする自動分析装置。
【請求項3】
請求項に記載の自動分析装置において、
前記前処理洗浄機構の前記液体吸引ノズルと前記洗浄液吐出ノズルと前記洗浄液吸引ノズルとをそれぞれ独立して動作するよう制御する前記制御手段を更に備えた
ことを特徴とする自動分析装置。
【請求項4】
請求項に記載の自動分析装置において、
前記前処理洗浄機構と前記通常洗浄機構とを独立して動作するよう制御する前記制御手段を更に備えた
ことを特徴とする自動分析装置。
【請求項5】
請求項に記載の自動分析装置において、
前記再洗浄を行うか否かを判断する基準となる前処理使用回数閾値と、前記再洗浄で吐出する洗剤の種類、前記洗剤の吐出量とのうち、少なくともいずれかを設定するための設定部を有する前記制御手段を更に備えた
ことを特徴とする自動分析装置。
【請求項6】
請求項記載の自動分析装置において、
前記各反応容器が前記前処理で使用された使用回数を記憶する記憶部、この記憶部で記憶された前記使用回数と前記設定部を介して設定された前記前処理使用回数閾値とを比較して前記再洗浄を実施するか否かを判定する判定部を有し、この判定部で前記再洗浄を実施すると判定されたときは、前記設定部で設定された種類の洗剤を設定された吐出量だけ吐出するよう前記前処理洗浄機構を制御する前記制御手段とを更に備えた
ことを特徴とする自動分析装置。
【請求項7】
請求項に記載の自動分析装置において、
前記洗剤を収納する前記試薬収納庫と、
前記再洗浄の際に、前記試薬収納庫から前記洗剤を吸引して再洗浄の対象となる前記反応容器へ吐出させるよう前記試薬分注機構を制御する前記制御手段とを更に備えた
ことを特徴とする自動分析装置。
【請求項8】
請求項に記載の自動分析装置において、
前記前処理が実施された前記反応容器に対しては前記前処理洗浄を実施し、前記前処理が実施されなかった前記反応容器に対しては前記前処理洗浄を実施しないよう制御する前記制御手段を更に備えた
ことを特徴とする自動分析装置。
【請求項9】
請求項に記載の自動分析装置において、
前記前処理洗浄が終了した後の前記再洗浄として、洗浄水あるいは洗剤を吸引して反応容器へ吐出した後に、前記洗浄水あるいは前記洗剤を一定時間浸漬させる浸漬洗浄処理を実施するよう前記通常洗浄機構を制御する前記制御手段を更に備えた
ことを特徴とする自動分析装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、血液、尿等の生体成分の定性、定量分析を行う自動分析装置に係り、特に、反応容器で前処理を実施して分析する自動分析装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、自動分析装置には、全血あるいは血球を試料とした自動前処理を必要としたHbA1c項目を分析する機能が求められている。HbA1cの測定に際して、事前に検体の前処理を決められたプロセスで行う必要がある。自動分析装置でこの前処理を行う場合、反応容器に試料(検体)と前処理用の試薬等の液体を分注・撹拌し、前処理した検体(以降、前処理液)を反応容器から別の反応容器に所定量を分注して通常の比色分析を行う。前処理に用いた反応容器は、測定が終了した後に洗浄機構(以降、通常洗浄機構)で所定の洗浄工程に従って洗浄され、次の測定に繰り返し使用される。
【0003】
通常、反応容器は反応ディスクに円周状に配置されており、反応ディスクは一定角度の回転と停止を繰り返す。そのため、前処理した反応容器は、前処理液が別の反応容器に分注されてから、通常洗浄機構で洗浄されるまで10分程度の時間を要する。
【0004】
ここで、HbA1c項目の測定に使用される全血あるいは血球試料は、血清や血漿と比べて粘性が高く、血清等で測定する項目のうちいくつかの成分が血球中に高濃度で含まれている。さらに、前処理液を別の反応容器へ再分注した後、残った前処理液を通常洗浄機構による洗浄が行われるまで反応容器で保持すると、前処理液が濃縮して反応容器内に吸着して汚れる。そのため、通常洗浄機構の洗浄では十分な洗浄効果が得られなくなり、この反応容器を次の測定に使用した場合に、分析結果に悪影響を与える恐れがある。
【0005】
これに対し、特許文献1に記載の技術では、前処理を行った反応容器から別の反応容器に所定量を再分注した後に、この前処理液が入った反応容器に補給剤を添加して前処理液を薄めて反応容器内に吸着するのを防止することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2011−191259号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上述の特許文献1に記載の方法では、前処理液を廃棄するわけではないため、反応容器内に前処理液が依然存在するため、粘性が高い検体においては反応容器に吸着する可能性がある。この反応容器に吸着した汚れは通常洗浄機構の所定の洗浄工程では十分な洗浄効果が得られず、汚れが累積して分析結果に悪影響を与える恐れがある。
そのために、反応容器内の汚れを除去するためには洗剤で数分間浸漬して洗浄する必要がある。
【0008】
ところで、従来の自動分析装置では前処理で使用した反応容器を通常洗浄機構で洗浄した後に、追加洗浄を実施して血球成分によるキャリーオーバーを低減または回避している。この追加洗浄は、前処理で使用した反応容器を次の測定に使用しない代わりに試薬分注機構を用いて反応容器に洗剤を分注して浸漬することで吸着した汚れを除去するものである。
しかし、この追加洗浄動作は、通常の分析動作の工程で実施される。そのため、反応容器に洗剤分注してから通常洗浄機構で反応容器が洗浄されるまで10分程度かかる。その間は洗浄中の反応容器が使用できないために、処理能力に大きく影響するという課題があった。
【0009】
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、分析の処理能力を向上させることができる自動分析装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、例えば特許請求の範囲に記載の構成を採用する。
本発明は、上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、自動分析装置であって、試料と試薬とを混合して反応させた混合液や前記試料と前処理用試薬とを混合して調製した前処理液を収容する複数の反応容器と、複数の試薬、および前記前処理用試薬を収納する試薬収納庫と、前記反応容器に前記試料を分注する試料分注機構と、前記反応容器に前記試薬および前記前処理用試薬を分注する試薬分注機構と、前記反応容器内の前記混合液を測定する測定部と、この測定部で測定が終了した前記混合液を吸引し、前記反応容器内部を洗浄する通常洗浄機構と、前記通常洗浄機構とは別体であり、希釈とは異なる前処理で使用した前記反応容器内部を洗浄する前処理洗浄機構と、前記反応容器に前記試料分注機構により前記試料を、前記試薬分注機構により前記試薬収納庫に収納された試薬を分注して前記混合液を調製する通常分注処理、前記通常分注処理に先立って前記反応容器に前記試料分注機構により前記試料を、前記試薬分注機構により前記試薬収納庫に収納された前記前処理用試薬を分注し、混合して前記前処理液を調製した後に前記試料分注機構により前記前処理液を吸引して別の反応容器に吐出する前記前処理、前記通常洗浄機構により前記測定終了後の前記反応容器を洗浄する通常洗浄、前記前処理洗浄機構により前記前処理で使用した反応容器内部を洗浄する前処理洗浄、およびこの前処理洗浄により洗浄した反応容器を、前記反応容器を複数保持する反応ディスクを回転駆動させて前記通常洗浄機構による洗浄位置まで移動させ、前記通常洗浄機構により洗浄する再洗浄、を実施するよう前記各機構を制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、前処理で使用した反応容器を従来より効率よく洗浄することができる。これにより、反応容器を効率的に使用することができ、検体分析処理の能力の向上を図ることが可能な自動分析装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の自動分析装置の実施形態の全体構成を示した概要図である。
図2】本発明の自動分析装置の実施形態における前処理洗浄機構の一例の概要図である。
図3】本発明の自動分析装置の実施形態における前処理洗浄機構のGUIによるパラメータ設定の一例を示す図である。
図4】本発明の自動分析装置の実施形態における分析動作における制御のフローチャート図である。
図5】本発明の自動分析装置の実施形態における前処理動作の流れを説明するフロー図である。
図6】本発明の自動分析装置の実施形態における前処理動作での反応ディスクの動きの一例を示す平面図である。
図7】本発明の自動分析装置の実施形態における前処理動作での反応ディスクの動きの一例を示す平面図である。
図8】本発明の自動分析装置の実施形態における前処理動作での反応ディスクの動きの一例を示す平面図である。
図9】本発明の自動分析装置の実施形態における前処理動作での反応ディスクの動きの一例を示す平面図である。
図10】本発明の自動分析装置の実施形態における前処理動作での反応ディスクの動きの一例を示す平面図である。
図11】本発明の自動分析装置の実施形態の比較のための前処理動作の流れを説明するフロー図である。
図12】本発明の自動分析装置の実施形態における前処理洗浄機構の他の一例の概要図である。
図13】本発明の自動分析装置の実施形態における前処理洗浄機構の更に他の一例の概要図である。
図14】本発明の自動分析装置の他の実施形態の全体構成を示した平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の自動分析装置の実施形態を、図1乃至図14を用いて説明する。
図1は本発明の自動分析装置の実施形態の全体構成を示した概要図、図2は本発明の自動分析装置の実施形態における前処理洗浄機構の一例の概要図、図3は本発明の自動分析装置の実施形態における前処理洗浄機構のGUIによるパラメータ設定の一例を示す図、図4は本発明の自動分析装置の実施形態における分析動作における制御のフローチャート図、図5は本発明の自動分析装置の実施形態における前処理動作の流れを説明するフロー図、図6は本発明の自動分析装置の実施形態における前処理動作での反応ディスクの動きの一例を示す平面図、図7は本発明の自動分析装置の実施形態における前処理動作での反応ディスクの動きの一例を示す平面図、図8は本発明の自動分析装置の実施形態における前処理動作での反応ディスクの動きの一例を示す平面図、図9は本発明の自動分析装置の実施形態における前処理動作での反応ディスクの動きの一例を示す平面図、図10は本発明の自動分析装置の実施形態における前処理動作での反応ディスクの動きの一例を示す平面図、図11は本発明の自動分析装置の実施形態の比較のための前処理動作の流れを説明するフロー図、図12は本発明の自動分析装置の実施形態における前処理洗浄機構の他の一例の概要図、図13は本発明の自動分析装置の実施形態における前処理洗浄機構の更に他の一例の概要図、図14は本発明の自動分析装置の他の実施形態の全体構成を示した平面図である。
【0014】
図1において、自動分析装置は、反応ディスク1、通常洗浄機構3、分光光度計4、攪拌機構5、洗浄漕6(撹拌機構5用)、第1試薬分注機構7、第2試薬分注機構7a、洗浄槽8(第1試薬分注機構7および第2試薬分注機構7a用)、試薬収納庫9、試料分注機構11,11a、洗浄槽13(試料分注機構11,11a用)、試料搬送機構17、前処理洗浄機構18、真空タンク25、廃液タンク26、制御部29(制御手段)等により概略構成されている。
【0015】
図1に示すように、反応ディスク1には反応容器2が円周状に並んでいる。反応容器2は試料と試薬とを混合して反応させた混合液を収容するための容器であり、反応ディスク1上に複数並べられている。本実施形態では29個並べられている例を例示する。
この反応ディスク1の近くには試料容器15を載せたラック16を移動する試料搬送機構17が配置されている。反応ディスク1の周囲には、通常洗浄機構3、分光光度計4、攪拌機構5および前処理洗浄機構18等が配置されている。
【0016】
試薬収納庫9は、複数の試薬ボトル10や洗剤ボトル12に加え、希釈液や前処理用試薬を収容するボトルが円周上に配置可能な構造である。
【0017】
通常洗浄機構3は、分光光度計4で測定が終了した混合液を吸引し、反応容器2内部を洗浄する機構であり、電磁弁24cを介して真空タンク25に繋がり、真空タンク25は廃液タンク26に接続されている。
【0018】
分光光度計4は、反応容器2内の混合液を通過した測定用の光の吸光度を測定するための測定部であり、反応ディスク1を回転させて分光光度計4の光軸を一定間隔で通過させ、反応容器2内の混合液の吸光度をその都度測定する。そして、後述する制御部29において、測定された吸光度とあらかじめ作成しておいた検量線から、検体中の目的成分の濃度を演算する。
【0019】
反応ディスク1と試料搬送機構17との間には、回転及び上下動可能な試料分注機構11,11aが配置されている。この試料分注機構11,11aは、回転軸を中心に円弧を描きながら移動して試料容器15から反応容器2への試料の分注を行う。試料分注機構11,11aは、各々が1個あるいは複数設置されており、本実施形態では2個設置されている。
【0020】
反応ディスク1と試薬収納庫9との間には、回転及び上下動可能な第1試薬分注機構7および第2試薬分注機構7aが配置されている。試薬分注機構7,7aは、回転軸を中心に1軸あるいは多軸での回転で移動して試薬ボトル10や洗剤ボトル12,希釈液ボトル,前処理用試薬ボトル等から反応容器2への試薬,洗剤,希釈液,前処理用試薬の分注を行う。第1試薬分注機構7および第2試薬分注機構7aは、各々が1個あるいは複数設置されている。本実施形態では、各々1個設置された例を示す。
この試薬分注機構7,7aは、反応容器2の再洗浄の際に、試薬収納庫9から洗剤を吸引して再洗浄の対象となる反応容器2へ吐出させるよう作動する。
【0021】
前処理洗浄機構18は、図2に示すように、前処理で使用した反応容器2の内部を洗浄する機構である。この前処理洗浄機構18は、前処理で調した前処理液を反応容器2から吸引する液体吸引ノズル19と、洗浄液を反応容器2に吐出する洗浄液吐出ノズル20と、洗浄液吐出ノズル20から反応容器2に吐出された洗浄液を反応容器2から吸引する洗浄液吸引ノズル23と、液体吸引ノズル19と洗浄液吸引ノズル23に接続された真空タンク25と、洗浄液吐出ノズル20に接続された洗浄液吐出ポンプ27と、洗浄水タンク28とを概略有する。
また、図2に示すように、前処理洗浄機構18は、液体吸引ノズル19と洗浄液吐出ノズル20とが一組に取り付けられたアーム21を支持する筺体22と、洗浄液吸引ノズル23が取り付けられたアーム21aを支持する筺体22aとに分けられており、反応ディスク1の周囲に配置し易い構造となっている。反応ディスク1の周囲に離れて設置できるように、各アーム21,21aは独立して上下動作するよう構成されている。
【0022】
前処理洗浄機構18の液体吸引ノズル19および洗浄液吸引ノズル23は、電磁弁24aを介して1つあるいは複数の真空タンク25に接続されている。この真空タンク25によって真空吸引をすることで液体吸引ノズル19および洗浄液吸引ノズル23は反応容器2内の液体吸引を行い、廃液タンク26に吸引した液体(前処理液、洗浄液など)廃棄する。つまり真空タンク25は反応容器2から前処理液を吸引する際のポンプとして機能する。また、前処理洗浄機構18の洗浄液吐出ノズル20は電磁弁24bとポンプ27を介して洗浄水タンク28に接続されている。洗浄水タンク28は、洗剤を収容するものであってもよいし、洗浄水と洗剤を収容する収容部を複数有するものでもよい。洗浄水は、純水や洗浄効果を奏する薬剤であってもよい。
【0023】
制御部29は、再洗浄を行うか否かを判断する基準となる閾値や再洗浄で吐出する洗剤の種類,洗剤の吐出量を設定するための設定部29cと、反応ディスク1の各反応容器2が前処理で使用された使用回数を記憶する記憶部29dと、この記憶部29dで記憶された使用回数と設定部29cを介して設定された閾値とを比較して再洗浄を実施するか否かを判定する判定部29eとを概略有している。
設定部29cは、図3に示すようなGUI(Graphical User Interface)の画面例のように、洗剤洗浄を実施する前処理使用回数(閾値),洗剤の種類,吐出量を設定するための設定画面を表示部29aに表示させ、入力部29bを介してオペレータによって入力された前処理使用回数,洗剤の種類,吐出量を記憶部29dに記憶させる。これらのパラメータを記憶部29dで分析項目毎にあるいは反応容器2毎に記憶して、前処理で使用した反応容器2の洗剤洗浄に用いる。記憶部29dは、前処理の実施回数を反応容器2毎に記憶しており、前処理洗浄機構18による洗浄が終了した際にカウントを0に戻す。
判定部29eにおいて再洗浄(反応容器2への洗剤の吐出)を実施すると判定されたときは、制御部29の判定部29eは設定部29cで設定された種類の洗剤を試薬収納庫9から吸引して再洗浄の対象となる反応容器2へ吐出させるよう試薬分注機構7,7a,試薬収納庫9に対しても信号を出力する。
【0024】
制御部29は、反応ディスク1の回転駆動や、試料分注機構11,11aや試薬分注機構7,7aの駆動、試料,試薬,洗剤等の吸引および吐出の動作や、試料容器15,試薬ボトル10,洗剤ボトル12等の搬送など、自動分析装置内の各機構の動作を制御する。
例えば、制御部29は、反応容器2に試料分注機構11,11aにより試料を分注し、試薬分注機構7,7aにより試薬収納庫9に収納された試薬を順不同で分注して混合液を調する通常分注処理や、この通常分注処理に先立って試料と前処理用試薬とを混合して前処理液を調した後に試料分注機構11,11aにより前処理液を吸引して別の反応容器2に吐出する前処理、通常洗浄機構3により測定終了後の反応容器2を洗浄する通常洗浄、前処理洗浄機構18により前処理で使用した反応容器2内部を洗浄する前処理洗浄、等を実施するよう自動分析装置の各機構を制御する。
更に、制御部29は、前処理が実施された反応容器2に対しては前処理洗浄を実施し、前処理が実施されなかった反応容器2に対しては前処理洗浄を実施しないようにする。
また、制御部29は、前処理洗浄機構18と通常洗浄機構3とは独立して制御する。特には、液体吸引ノズル19と洗浄液吐出ノズル20と洗浄液吸引ノズル23とをそれぞれ独立して動作するように制御する。これにより、HbA1cの検体の前処理を行った反応容器2に対してのみ前処理洗浄機構18による洗浄が実施可能となり、効率的な洗浄が可能となる。
更に、制御部29は、反応容器2に対する前処理洗浄が終了した後の再洗浄として、洗浄水あるいは洗剤を吸引して反応容器2へ吐出した後に、洗浄水あるいは洗剤を一定時間浸漬させる浸漬洗浄処理を実施する。その後、反応容器2の通常洗浄を行う。
【0025】
本発明の自動分析装置における前処理洗浄機構18を用いた前処理動作を含む分析動作のフローと、従来のフローを説明する。
以下、説明を簡単にするために、図6図10に示す反応ディスクに配置された反応容器2の総数を図1と同じ29個とする。また、反応ディスク1の1回の動作は反時計回り方向に反応容器6個分移動するものとして、5回動作すると反応容器は1個分ずれた位置(a位置からd位置)へ停止するものとする。また、通常洗浄機構3の洗浄工程についても説明に必要な部位だけを記載して説明する。
【0026】
最初に、本発明の自動分析装置における分析動作のフローについて、図4を用いて説明する。
【0027】
まず、制御部29は、試料容器15に収容された検体を反応容器2(以後、反応容器Xとする)に分注するよう、試料分注機構11a,試料搬送機構17,反応ディスク1を制御する(ステップS11)。
【0028】
次いで、制御部29は、オペレータなどによって入力された分析項目において、反応容器Xに分注された検体に対して実施する分析項目が、前処理を実施する必要のあるHbA1cであるか否かを判定する(ステップS12)。前処理が必要でないと判定されたときはステップS13に処理を進める。これに対して前処理が必要であると判定されたときはステップS18に処理を進める。
【0029】
次いで、制御部29は、第1試薬を反応容器X内に分注するよう、第1試薬分注機構7,試薬収納庫9,反応ディスク1を制御する(ステップS13)。
【0030】
次いで、制御部29は、第1試薬を分注した反応容器X内の混合液を撹拌するよう撹拌機構5,反応ディスク1を制御する(ステップS14)。
【0031】
次いで、制御部29は、必要に応じて、第2試薬を分注するよう、第1試薬分注機構7または第2試薬分注機構7a,試薬収納庫9,反応ディスク1を制御し(ステップS15)、第2試薬を分注した反応容器X内の混合液を撹拌するよう撹拌機構5,反応ディスク1を制御する(ステップS16)。
【0032】
次いで、制御部29は、反応容器X内の混合液の吸光度を測定するよう分光光度計4,反応ディスク1を制御する(ステップS17)。実際の測定では、第一試薬添加からの混合液の反応の過程を測定する。
【0033】
次いで、制御部29は、分析後の反応容器X内の洗浄を行うよう、通常洗浄機構3,反応ディスク1を制御する(ステップS27)。
【0034】
これに対し、ステップS12において前処理が必要であると判定されたときは、制御部29は、前処理工程を実施するために、前処理用の試薬を反応容器X内に分注するよう、第2試薬分注機構7a,試薬収納庫9,反応ディスク1を制御する(ステップS18)。
【0035】
次いで、制御部29は、前処理用試薬を分注した反応容器X内の前処理用試薬と検体との混合液を撹拌するよう撹拌機構5,反応ディスク1を制御する(ステップS19)。
【0036】
次いで、制御部29は、前処理用試薬と検体とを撹拌した後の前処理液を別の反応容器2sに分注するよう、試料分注機構11,反応ディスク1を制御する(ステップS20)。その後、別の反応容器2に分注した前処理液に対する分析を実施するためにステップS13に処理を進めるとともに、反応容器X内の残余の前処理液を洗浄するためにステップS21に処理を進める。
【0037】
次いで、制御部29は、反応容器X内の前処理液を吸引するよう、反応ディスク1,前処理洗浄機構18の液体吸引ノズル19を制御する(ステップS21)。
【0038】
次いで、制御部29は、反応容器X内に洗浄液を吐出するよう、前処理洗浄機構18の洗浄液吐出ノズル20を制御する(ステップS22)。
【0039】
次いで、制御部29は、反応容器X内の洗浄液を吸引するよう、前処理洗浄機構18の洗浄液吸引ノズル23,反応ディスク1を制御する(ステップS23)。
【0040】
次いで、制御部29は、反応容器Xの前処理使用回数が、設定部29cで設定された閾値より多いか否かを判定部29eにおいて判定する(ステップS24)。前処理使用回数が閾値より大きいときは、洗剤を反応容器X内で数分間浸漬させるためにステップS25に処理を進める。前処理使用回数が閾値以下のときはステップS26に処理を進める。
【0041】
次いで、制御部29は、設定された洗剤を試薬収納庫9内の洗剤ボトルから設定量吸引して反応容器Xに吐出させて数分間浸漬させるよう、第2試薬分注機構7a,試薬収納庫9,反応ディスク1等を制御する(ステップS25)。その後、ステップS27に処理を進める。
【0042】
これに対し、制御部29は、第2試薬分注機構7aから洗浄水を設定量反応容器Xに吐出させるよう、第2試薬分注機構7a,反応ディスク1等を制御する(ステップS26)。その後、ステップS27に処理を進める。
【0043】
次いで、本発明の自動分析装置における前処理洗浄機構18を用いた前処理時の反応容器Xおよび反応ディスク1の動作のフローについて図6図11を用いて説明する。
【0044】
まず、制御部29は、試料容器15からaの位置で停止している反応容器2(以後、反応容器Xとする)に検体を分注するよう試料分注機構11aを制御する(図6参照,ステップS51)。
【0045】
次いで、制御部29は、反応容器Xをbの位置まで移動(反応ディスク1は1回動作する)させて、このbの位置で第1試薬分注機構7により前処理用の試薬を反応容器Xに分注するよう制御する(ステップS52)。
【0046】
次いで、制御部29は、反応容器Xをcの位置まで移動(反応ディスク1は1回動作する)させて、cの位置で撹拌機構5を使って検体と前処理用の試薬を撹拌するよう制御する(ステップS53)。
【0047】
次いで、制御部29は、反応容器Xをdの位置に移動(反応ディスク1は3回動作する)させて、dの位置で前処理された検体(前処理液)を試料分注機構11で反応容器Xからaの位置にある29番の反応容器2に分注するよう制御する(図7およびステップS54)。
この後、29番の反応容器2内の前処理液に対して、先の図4で説明したステップS13−S17に示すような通常の比色分析と同様の流れで測定を実施するとともに、制御部29は、反応容器Xをdの位置からPの位置に移動(図8参照、反応ディスク1は3回動作する)させて、このPの位置で、液体吸引ノズル19および洗浄液吐出ノズル20を同時に同じ反応容器Xへ下降,上昇させる。この時、液体吸引ノズル19は下降しながら前処理液の吸引を行い、その後洗浄液吐出ノズル20は上昇しながら反応容器2内へ洗浄液を吐出させるよう制御する(ステップS55)。
【0048】
次いで、制御部29は、反応容器XをQの位置に移動(図9参照、反応ディスク1は1回動作する)させて、このQの位置では洗浄液吸引ノズル23によって反応容器X内の洗浄液吐出ノズル20で吐出された洗浄液を吸引するよう制御する(ステップS56)。
【0049】
次いで、制御部29は、反応容器XをRの位置に移動(図10参照、反応ディスク1は2回動作する)させるとともに、記憶部29dに記憶されたR位置の反応容器Xの前処理使用回数を読み出して、判定部29eにおいて使用回数が分析項目毎の前処理使用容器洗浄パラメータで設定された洗剤洗浄を実施する基準となる前処理使用回数(閾値)を超えているか否かを判断する(ステップS57)。そして、使用回数が閾値を超えている場合は、パラメータで設定された洗剤を第2試薬分注機構7aにより試薬収納庫9内の洗剤ボトルから設定量吸引して反応容器Xに吐出する。超えていない場合は、第2試薬分注機構7aから洗浄水を反応容器Xに設定量吐出する。
【0050】
次いで、制御部29は、反応容器XをSの位置に移動(反応ディスク1は1回動作する)させて、Sの位置で反応容器X内の洗浄液の撹拌を行うよう制御する(ステップS58)。この工程により、洗浄効果を高めることができる。
【0051】
次いで、制御部29は、反応容器Xをeの位置に移動(反応ディスク1は10回動作する)させて、以降通常洗浄機構3による洗浄を行うよう制御する(ステップS59)。
【0052】
次いで、制御部29は、反応容器Xをhの位置からaの位置に移動(反応ディスク1は1回動作する)させて、検体を反応容器Xに分注し、1サイクルで再度、HbA1c等の前処理あるいは通常の比色分析を行うよう制御する(ステップS60)。
【0053】
次に、比較のための従来の前処理動作フローを、図11を用いて説明する。
反応容器Xに分注された検体が前処理され、29番の反応容器2に分注されるまでのステップS91〜ステップS94に至る動作の流れは、上述した図5のステップS51〜S54までと同じである。
次いで、ステップS95では、反応容器Xはeの位置に移動する。eの位置では廃液(前処理液)の吸引と洗浄水の吐出を行う。
ここで、ステップS94からステップS95の間に、反応ディスク1は17回動作する必要があり、実際の装置では10分程度の時間がかかる。
次に、反応容器Xがfの位置まで移動し、洗浄液の吸引と洗剤の吐出が行われる(反応ディスク1は1回動作する)。その後、反応容器Xがgの位置まで移動し、洗剤の吸引と洗浄水の吐出を行う(反応ディスク1は4回動作する)。そして、反応容器Xがhの位置まで移動し、洗浄水の吸引を行う(反応ディスク1は1回動作する)。
次いで、ステップS96では、反応容器Xは再度、aの位置に移動する。しかしこの際、ステップS97で反応容器Xに洗剤を分注して浸漬させるために、検体の分注を行うことができない(反応ディスク1は回動作する)。
次のステップS97では、反応容器Xがbの位置まで移動(反応ディスク1は1回動作する)して、bの位置で試薬収納庫9内に保管されている専用の洗剤ボトル12内の洗剤を第1試薬分注機構7で反応容器Xに分注する。反応容器XはステップS98の通常洗浄機構で洗浄されるまで洗剤で浸漬される。
次いで、ステップS98では、eの位置に移動してステップS95と同様に洗浄される(反応ディスク1は21回動作する)。
次いで、ステップS99では、洗浄が終了した反応容器Xはaの位置に移動(反応ディスク1は1回動作する)し、再度検体を分注して分析に使用する。
【0054】
HbA1c等の検体の前処理が必要な分析において、従来の自動分析装置では、反応容器Xがaの位置で検体を試料分注機構で分注されてから、通常洗浄機構による反応容器の洗浄が終了するまでを便宜上1サイクルとした場合、通常の比色分析では1サイクルで反応容器2に検体を分注してから反応容器2の洗浄までを行い、次の検体の分析に再使用する。しかし、前処理に用いた反応容器2においては、前処理液が濃縮して反応容器2内に吸着した汚れを落として血球成分によるキャリーオーバー低減または回避するために、前処理で使用した反応容器2を通常洗浄機構で洗浄した後に、反応容器2を洗剤で浸漬させる追加洗浄が必要である。従って次の検体の分析に再使用するまで2サイクル必要となり、処理能力に影響するとの課題があった。この追加洗浄は、ステップS94からステップS95まで17回反応ディスク1が動作しており、通常の分析動作の工程で実施されるので反応容器に洗剤分注してから通常洗浄機構で反応容器が洗浄されるまでの10分程度行われるので、処理能力を向上させるのに大きな障害となっていた。
【0055】
これに対し、上述した本発明の自動分析装置の実施形態では、HbA1c等の検体の前処理が必要な分析において、通常洗浄機構3とは別に、この前処理に用いた反応容器2を専用で洗浄する前処理洗浄機構18を設けて、前処理液が入った反応容器2に対して、この前処理専用の洗浄機構18を用いて前処理液の破棄と洗浄液の投入を適宜行うように作動させる。
このため、図5に示すように、本発明の自動分析装置では、ステップS54からステップS55までの反応ディスク1が3回動作するだけで前処理に用いた反応容器2の洗浄に至るため、検体再分注後の速やかな洗浄が可能となり、血球成分によるキャリーオーバー低減または回避を実施することが容易となる。
また、前処理に使用した反応容器2を通常洗浄機構3による洗浄より前に前処理洗浄機構18で速やかに洗浄することで、通常洗浄機構3による1サイクル反応容器2が占有される浸漬洗浄工程も不要となり、洗剤の浸漬による処理能力への影響を防ぐことができる。
【0056】
また、制御部29は、前処理専用の洗浄機構18を、通常の洗浄機構3と独立して動作させる。これにより、通常の比色分析を行う反応容器2に対して前処理洗浄機構18が作動しないようにすることができ、無駄な洗浄動作が実行されず、効率的な分析作業が可能となる。
【0057】
更に、洗剤を試薬収納庫9に複数保管し、既存の試薬分注機構7,7aを用いて、試薬収納庫9に収納された洗剤を投入するよう制御する。この際、前処理洗浄機構18は、反応容器2に対して前処理液の破棄と洗浄液の投入を行い、試薬分注機構7,7aによる洗剤を投入する前に、洗浄液吸引ノズル23により洗浄液を破棄する。試薬分注機構7,7aで洗剤を分注するよう制御することで、洗剤の種類を選択可能となり、より洗浄能力の向上を図り、分析作業の更なる効率化が可能となる。
【0058】
また、洗剤を投入するか否かを判断するパラメータ(閾値)や、洗剤の種類・量を設定するよう制御部29は構成されている。これにより、洗剤を分注するか否かを制御して、無駄な洗剤の使用を防ぎ、分析作業の効率化を更に図ることができる。
【0059】
そして、前処理を実施した回数を記憶して洗剤洗浄を行うか否かを判断することで、洗剤の消費量を低減することができ、より効率的な自動分析装置による分析処理が可能となる。
【0060】
更に、前処理工程中に前処理で使用した反応容器2の洗浄と、この反応容器2に試薬分注機構7,7aで任意の洗剤を分注することで、洗剤の分注後に洗剤による浸漬洗浄を行うことができる。実際の装置では、数分程度、洗剤による反応容器2の浸漬を行うことができる。これにより、反応容器2の使用度合いに応じて、洗浄効果の高い浸漬洗浄を実施することができ、血球成分によるキャリーオーバー低減または回避の達成をより確実に図ることが可能になる。
【0061】
なお、本発明は上記の実施形態に限られず、種々の変形、応用が可能なものである。
【0062】
例えば、前処理洗浄機構18は、アーム21,21aを個別に配置して各々単独で動作できるため、図5のステップS54の動作終了後からステップS59の動作開始までの間の反応容器Xの停止位置にアクセスできる場所で有れば、反応ディスク1の周囲へ任意の位置に配置することが可能である。
【0063】
また、前処理洗浄機構18は図2に示す態様に限られない。以下他の態様の例について図12および図13を参照して説明する。
【0064】
図12に示すように、前処理洗浄機構18は、反応容器2内を洗浄するために用いる液体吸引ノズル19と洗浄液吐出ノズル20を一組にしたノズル2組が、アーム21,21aに各々取り付けられている。また、洗浄液吸引ノズル23がアーム21bに取り付けられている。このアーム21,21aとアーム21bとが、筺体22に配列して設置されている。各アームは、独立して上下動作する機構で構成されている。
また、図13に示すように、前処理洗浄機構18は、液体吸引ノズル19と洗浄液吐出ノズル20とが分離してアーム21,21aに取り付けられており、アーム21,21aおよび洗浄液吸引ノズル23が取り付けられたアーム21bとがまとめて筺体22に設置された構造とすることもできる。
【0065】
更に、前処理洗浄機構18における洗浄液を吐出する洗浄液吐出ノズル20の長さは、液体吸引ノズル19に対して短くても長くてもあるいは同等でもよい。液体吸引ノズル19でより多くの前処理液を吸引するためには、洗浄液吐出ノズル20が液体吸引ノズル19より短い方が好適である。
【0066】
また、図5に示すステップS55において、前処理洗浄機構18における洗浄液吐出ノズル20は、洗浄液を吐出しながら下降および上昇するよう制御することができる。この場合、反応容器X内の前処理液は洗浄液で希釈されながら液体吸引ノズル19で吸引される。前処理液が洗浄液で希釈されることで、前処理液内に含まれるいくつかの成分が反応容器側面に付着することを低減でき、また、前処理液の粘性が低下し、液体吸引ノズル19の詰りを防止することが期待できる。洗浄液吐出ノズル20により吐出される洗浄液の量は、測定用の反応容器2に試料分注機構11で29番の反応容器2に分注される前の前処理液量(検体と前処理用試薬との総液量)より多ければ、完全に反応容器Xを満たさなくてもよい。
【0067】
また、前処理洗浄機構18に洗剤を吐出するノズルを追加して、図5に示すステップS56で洗浄液を吸引した後のステップS57で洗剤を吐出してもよい。
【0068】
更に、試薬分注後の撹拌機構を利用して、洗剤を投入した後に撹拌を行い、洗浄能力を更に高めることも可能である。これにより、洗剤を投入後撹拌することで洗浄効果を更に高めることができる。
【0069】
また、前処理洗浄機構18を設ける自動分析装置は、図1に示すような試料分注機構11,11aや試薬分注機構7,7aを複数備えた態様に限られず、図14に示すような試料分注機構11および試薬分注機構7が1つの自動分析装置の場合でも同様の効果を奏する。
【符号の説明】
【0070】
1…反応ディスク、
2…反応容器、
3…通常洗浄機構、
4…分光光度計、
5…攪拌機構、
6…洗浄槽(撹拌機構)、
7…第1試薬分注機構、
7a…第2試薬分注機構、
8…洗浄槽(試薬分注機構)、
9…試薬収納庫、
10…試薬ボトル、
11…試料分注機構、
11a…試料分注機構、
12…専用洗剤ボトル、
13…洗浄槽(試料分注機構)、
15…試料容器、
16…ラック、
17…試料搬送機構、
18…前処理洗浄機構、
19…液体吸引ノズル、
20…洗浄液吐出ノズル、
21…洗浄アーム、
21a…洗浄アーム、
21b…洗浄アーム、
22…上下機構、
22a…筐体
23…洗浄液吸引ノズル、
23a…洗浄液吸引ノズル、
24a…電磁弁、
24b…電磁弁、
24c…電磁弁、
25…真空タンク、
26…廃液タンク、
27…ポンプ、
28…洗浄水タンク、
29…制御部。


図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14