【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明者らは上記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、一般式(1)及び(1a)で示されるルテニウム錯体が酸化性ガス条件下に加えて非酸化性ガス条件下においてもルテニウム含有薄膜を作製するための材料として有用なことを見出し、またルテニウム錯体(1)及び(1a)の合成原料として有用な、一般式(2)で示されるカチオン性トリス(ニトリル)錯体を、ルテノセン誘導体とニトリルとプロトン酸とを反応させることによって良好な収率で製造出来ることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、一般式(1a)
【0014】
【化1】
【0015】
(式中、R
1a、R
2a、R
3a、R
4a及びR
5aは各々独立に、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表す。ただしR
1a、R
2a、R
3a、R
4a及びR
5a全てが同時にメチル基の場合を除く。R
6a及びR
7aは各々独立に炭素数1〜6のアルキル基を表す。)で示されるルテニウム錯体に関する。また本発明は、
一般式(2)
【0016】
【化2】
【0017】
(式中、R
1、R
2、R
3、R
4及びR
5は各々独立に、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表す。R
21は炭素数1〜4のアルキル基を表す。Z
−は対アニオンを表す。)で示されるカチオン性トリス(ニトリル)錯体と、一般式(3)
【0018】
【化3】
【0019】
(式中、R
6及びR
7は各々独立に炭素数1〜6のアルキル基を表す。)で示されるエノン誘導体を、塩基の存在下反応させることを特徴とする、一般式(1)
【0020】
【化4】
【0021】
(式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6及びR
7は各々独立に、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表す。)で示されるルテニウム錯体の製造方法に関する。さらに本発明は、
一般式(2b)
【0022】
【化5】
【0023】
(式中、R
1bは炭素数2〜6のアルキル基を表す。R
21bは炭素数1〜4のアルキル基を表す。Zb
−は対アニオンを表す。)で示されるカチオン性トリス(ニトリル)錯体に関する。さらに本発明は、
一般式(4)
【0024】
【化6】
【0025】
(式中、R
1、R
2、R
3、R
4及びR
5は各々独立に、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表す。Xは、一般式(5)
【0026】
【化7】
【0027】
(式中、R
1、R
2、R
3、R
4及びR
5は前記と同意義を表す。)で示されるη
5−(無置換又は置換)シクロペンタジエニル配位子、又はη
5−2,4−ジメチル−2,4−ペンタジエニル配位子を表す。)で示されるルテノセン誘導体と、一般式R
21CN(R
21は前記と同意義を表す。)で示されるニトリルと、一般式H
+Z
−(式中、Z
−は前記と同意義を表す。)で示されるプロトン酸とを反応させることを特徴とする、一般式(2)
【0028】
【化8】
【0029】
(式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
21及びZ
−は前記と同意義を表す。)で示されるカチオン性トリス(ニトリル)錯体の製造方法に関する。さらに本発明は、一般式(4)
【0030】
【化9】
【0031】
(式中、R
1、R
2、R
3、R
4及びR
5は各々独立に、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表す。Xは、一般式(5)
【0032】
【化10】
【0033】
(式中、R
1、R
2、R
3、R
4及びR
5は前記と同意義を表す。)で示されるη
5−(無置換又は置換)シクロペンタジエニル配位子、又はη
5−2,4−ジメチル−2,4−ペンタジエニル配位子を表す。)で示されるルテノセン誘導体と、一般式R
21CN(R
21は前記と同意義を表す。)で示されるニトリルと、一般式H
+Z
−(式中、Z
−は対アニオンを表す)で示されるプロトン酸とを反応させることにより、一般式(2)
【0034】
【化11】
【0035】
(式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
21及びZ
−は前記と同意義を表す。)で示されるカチオン性トリス(ニトリル)錯体を製造し、さらに該カチオン性トリス(ニトリル)錯体と一般式(3)
【0036】
【化12】
【0037】
(式中、R
6及びR
7は各々独立に炭素数1〜6のアルキル基を示す。)で示されるエノン誘導体を、塩基の存在下反応させることを特徴とする、一般式(1)で示されるルテニウム錯体の製造方法に関する。さらに本発明は、一般式(1)で示されるルテニウム錯体を材料として用いることを特徴とするルテニウム含有薄膜の作製方法に関する。さらに本発明は、一般式(1)で示されるルテニウム錯体を材料として用いて作製されることを特徴とするルテニウム含有薄膜に関する。さらに本発明は、一般式(1)で示されるルテニウム錯体を材料として用いて作製されるルテニウム含有薄膜を電極部分及び/又は配線部分に使用することを特徴とする半導体デバイスに関する。
【0038】
以下、本発明を更に詳細に説明する。一般式(1a)で示されるルテニウム錯体は、一般式(1)で示されるルテニウム錯体の下位概念に相当する。一般式(1a)で示されるルテニウム錯体は、R
1a、R
2a、R
3a、R
4a及びR
5a全てが同時にメチル基の場合を含まない。一方、一般式(1)で示されるルテニウム錯体は、R
1、R
2、R
3、R
4及びR
5全てが同時にメチル基の場合を含む。
【0039】
次に、一般式(1a)中のR
1a、R
2a、R
3a、R
4a、R
5a、R
6a及びR
7aの定義について説明する。R
1a、R
2a、R
3a、R
4a及びR
5aで表される炭素数1〜6のアルキル基としては、直鎖状、分岐状及び環状のいずれでも良く、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、シクロブチル基、ペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、シクロペンチル基、シクロブチルメチル基、ヘキシル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基、1,1−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、シクロヘキシル基、シクロペンチルメチル基、1−シクロブチルエチル基、2−シクロブチルエチル基などを例示することが出来る。本発明のルテニウム錯体(1a)がCVD材料やALD材料として好適な蒸気圧及び熱安定性を持つ点で、R
1aが炭素数1〜6のアルキル基であり、R
2a、R
3a、R
4a及びR
5aが水素原子であることが好ましく、R
1aがメチル
基又はエチル基であり、R
2a、R
3a、R
4a及びR
5aが水素原子であることが更に好ましい。
【0040】
R
6a及びR
7aで表される炭素数1〜6のアルキル基としては、直鎖状、分岐状及び環状のいずれでも良く、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、シクロブチル基、ペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、シクロペンチル基、シクロブチルメチル基、ヘキシル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基、1,1−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、シクロヘキシル基、シクロペンチルメチル基、1−シクロブチルエチル基、2−シクロブチルエチル基などを例示することが出来る。本発明のルテニウム錯体(1a)がCVD材料やALD材料として好適な蒸気圧及び熱安定性を持つ点で、R
6a及びR
7aはメチル基であることが好ましい。
【0041】
本発明のルテニウム錯体(1a)の具体例を表1−1〜1−6に示した。なお、Me、Et、Pr、
iPr、Bu、
iBu、
sBu、
tBu、Pe、
cPe及びHxは、それぞれメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、シクロペンチル基及びヘキシル基を示す。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】
【表3】
【0045】
【表4】
【0046】
【表5】
【0047】
【表6】
【0048】
表1−1〜1−6に挙げた例示の中でも、(η
5−シクロペンタジエニル)(η
5−2,4−ジメチル−1−オキサ−2,4−ペンタジエニル)ルテニウム(1a−1)、(η
5−2,4−ジメチル−1−オキサ−2,4−ペンタジエニル)(η
5−メチルシクロペンタジエニル)ルテニウム(1a−2)、(η
5−2,4−ジメチル−1−オキサ−2,4−ペンタジエニル)(η
5−エチルシクロペンタジエニル)ルテニウム(1a−3)、(η
5−2,4−ジメチル−1−オキサ−2,4−ペンタジエニル)(η
5−プロピルシクロペンタジエニル)ルテニウム(1a−4)、(η
5−2,4−ジメチル−1−オキサ−2,4−ペンタジエニル)(η
5−イソプロピルシクロペンタジエニル)ルテニウム(1a−5)、(η
5−2,4−ジメチル−1−オキサ−2,4−ペンタジエニル)(η
5−ブチルシクロペンタジエニル)ルテニウム(1a−6)、(η
5−2,4−ジメチル−1−オキサ−2,4−ペンタジエニル)(η
5−イソブチルシクロペンタジエニル)ルテニウム(1a−7)、(η
5−2,4−ジメチル−1−オキサ−2,4−ペンタジエニル)(η
5−(sec−ブチル)シクロペンタジエニル)ルテニウム(1a−8)、(η
5−2,4−ジメチル−1−オキサ−2,4−ペンタジエニル)(η
5−(tert−ブチル)シクロペンタジエニル)ルテニウム(1a−9)、(η
5−2,4−ジメチル−1−オキサ−2,4−ペンタジエニル)(η
5−ペンチルシクロペンタジエニル)ルテニウム(1a−10)、(η
5−(シクロペンチル)シクロペンタジエニル)(η
5−2,4−ジメチル−1−オキサ−2,4−ペンタジエニル)ルテニウム(1a−11)及び(η
5−2,4−ジメチル−1−オキサ−2,4−ペンタジエニル)(η
5−ヘキシルシクロペンタジエニル)ルテニウム(1a−12)が好ましく、1a−2及び1a−3が更に好ましい。
【0049】
次に本発明のルテニウム錯体(1a)の製造方法について説明する。ルテニウム錯体(1a)は、下記のルテニウム錯体(1)の製造方法1に従って製造することが出来る。製造方法1は、カチオン性トリス(ニトリル)錯体(2)と、エノン誘導体(3)を、塩基の存在下反応させることによりルテニウム錯体(1)を製造する方法である。
【0050】
【化13】
【0051】
(式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
21及びZ
−は前記と同意義を表す。)
次に一般式(1)中のR
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6及びR
7の定義について説明する。R
1、R
2、R
3、R
4及びR
5で表される炭素数1〜6のアルキル基としては、直鎖状、分岐状及び環状のいずれでも良く、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、シクロブチル基、ペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、シクロペンチル基、シクロブチルメチル基、ヘキシル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基、1,1−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、シクロヘキシル基、シクロペンチルメチル基、1−シクロブチルエチル基、2−シクロブチルエチル基などを例示することが出来る。収率が良い点でR
1が炭素数1〜6のアルキル基でありR
2、R
3、R
4及びR
5が水素原子であることが好ましく、R
1がメチル基又はエチル基であってR
2、R
3、R
4及びR
5が水素原子であることが更に好ましい。
【0052】
R
6及びR
7で表される炭素数1〜6のアルキル基としては、直鎖状、分岐状及び環状のいずれでも良く、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、シクロブチル基、ペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、シクロペンチル基、シクロブチルメチル基、ヘキシル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基、1,1−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、シクロヘキシル基、シクロペンチルメチル基、1−シクロブチルエチル基、2−シクロブチルエチル基などを例示することが出来る。収率が良い点でR
6及びR
7はメチル基であることが好ましい。
【0053】
ルテニウム錯体(1)の具体例としては、表1−1〜1−6に示した1a−1〜1a−210に加えて、表2に示した化合物を挙げることが出来る。
【0054】
【表7】
【0055】
表1−1〜1−6及び表2に挙げた例示の中でも、1a−1、1a−2、1a−3、1a−4、1a−5、1a−6、1a−7、1a−8、1a−9、1a−10、1a−11及び、1−12がCVD材料やALD材料として好適な蒸気圧及び熱安定性を持つ点で好ましく、1a−2及び1a−3が更に好ましい。
【0056】
カチオン性トリス(ニトリル)錯体(2)におけるR
21で表される炭素数1〜4のアルキル基としては、直鎖状、分岐状及び環状のいずれでも良く、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、シクロブチル基などを例示することが出来る。ルテニウム錯体(1)の収率が良い点で、R
21がメチル基であることが好ましい。
【0057】
カチオン性トリス(ニトリル)錯体(2)のカチオン部分の具体例としては、[トリス(アセトニトリル)(η
5−シクロペンタジエニル)ルテニウム(II)]([Ru(η
5−C
5H
5)(MeCN)
3])、[トリス(アセトニトリル)(η
5−メチルシクロペンタジエニル)ルテニウム(II)]([Ru(η
5−C
5MeH
4)(MeCN)
3])、[トリス(アセトニトリル)(η
5−エチルシクロペンタジエニル)ルテニウム(II)]([Ru(η
5−C
5EtH
4)(MeCN)
3])、[トリス(アセトニトリル)(η
5−プロピルシクロペンタジエニル)ルテニウム(II)]([Ru(η
5−C
5PrH
4)(MeCN)
3])、[トリス(アセトニトリル)(η
5−イソプロピルシクロペンタジエニル)ルテニウム(II)]([Ru(η
5−C
5iPrH
4)(MeCN)
3])、[トリス(アセトニトリル)(η
5−ブチルシクロペンタジエニル)ルテニウム(II)]([Ru(η
5−C
5BuH
4)(MeCN)
3])、[トリス(アセトニトリル)(η
5−イソブチルシクロペンタジエニル)ルテニウム(II)]([Ru(η
5−C
5iBuH
4)(MeCN)
3])、[トリス(アセトニトリル)(η
5−(sec−ブチル)シクロペンタジエニル)ルテニウム(II)]([Ru(η
5−C
5sBuH
4)(MeCN)
3])、[トリス(アセトニトリル)(η
5−(tert−ブチル)シクロペンタジエニル)ルテニウム(II)]([Ru(η
5−C
5tBuH
4)(MeCN)
3])、[トリス(アセトニトリル)(η
5−ペンチルシクロペンタジエニル)ルテニウム(II)]([Ru(η
5−C
5PeH
4)(MeCN)
3])、[トリス(アセトニトリル)(η
5−(シクロペンチル)シクロペンタジエニル)ルテニウム(II)]([Ru(η
5−C
5cPeH
4)(MeCN)
3])、[トリス(アセトニトリル)(η
5−ヘキシルシクロペンタジエニル)ルテニウム(II)]([Ru(η
5−C
5HxH
4)(MeCN)
3])、[トリス(アセトニトリル)(η
5−1,2,3,4,5−ペンタメチルシクロペンタジエニル)ルテニウム(II)]([Ru(η
5−C
5Me
5)(MeCN)
3])、[(η
5−シクロペンタジエニル)トリス(プロピオニトリル)ルテニウム(II)]([Ru(η
5−C
5H
5)(EtCN)
3])、[(η
5−メチルシクロペンタジエニル)トリス(プロピオニトリル)ルテニウム(II)]([Ru(η
5−C
5MeH
4)(EtCN)
3])、[(η
5−エチルシクロペンタジエニル)トリス(プロピオニトリル)ルテニウム(II)]([Ru(η
5−C
5EtH
4)(EtCN)
3])、[トリス(プロピオニトリル)(η
5−プロピルシクロペンタジエニル)ルテニウム(II)]([Ru(η
5−C
5PrH
4)(EtCN)
3])、[(η
5−イソプロピルシクロペンタジエニル)トリス(プロピオニトリル)ルテニウム(II)]([Ru(η
5−C
5iPrH
4)(EtCN)
3])、[(η
5−ブチルシクロペンタジエニル)トリス(プロピオニトリル)ルテニウム(II)]([Ru(η
5−C
5BuH
4)(EtCN)
3])、[(η
5−イソブチルシクロペンタジエニル)トリス(プロピオニトリル)ルテニウム(II)]([Ru(η
5−C
5iBuH
4)(EtCN)
3])、[(η
5−(sec−ブチル)シクロペンタジエニル)トリス(プロピオニトリル)ルテニウム(II)]([Ru(η
5−C
5sBuH
4)(EtCN)
3])、[(η
5−(tert−ブチル)シクロペンタジエニル)トリス(プロピオニトリル)ルテニウム(II)]([Ru(η
5−C
5tBuH
4)(EtCN)
3])、[(η
5−ペンチルシクロペンタジエニル)トリス(プロピオニトリル)ルテニウム(II)]([Ru(η
5−C
5PeH
4)(EtCN)
3])、[(η
5−(シクロペンチル)シクロペンタジエニル)トリス(プロピオニトリル)ルテニウム(II)]([Ru(η
5−C
5cPeH
4)(EtCN)
3])、[(η
5−ヘキシルシクロペンタジエニル)トリス(プロピオニトリル)ルテニウム(II)]([Ru(η
5−C
5HxH
4)(EtCN)
3])、[(η
5−シクロペンタジエニル)トリス(ピバロニトリル)ルテニウム(II)]([Ru(η
5−C
5H
5)(
tBuCN)
3])、[(η
5−メチルシクロペンタジエニル)トリス(ピバロニトリル)ルテニウム(II)]([Ru(η
5−C
5MeH
4)(
tBuCN)
3])、[(η
5−エチルシクロペンタジエニル)トリス(ピバロニトリル)ルテニウム(II)]([Ru(η
5−C
5EtH
4)(
tBuCN)
3])、[トリス(ピバロニトリル)(η
5−プロピルシクロペンタジエニル)ルテニウム(II)]([Ru(η
5−C
5PrH
4)(
tBuCN)
3])、[(η
5−イソプロピルシクロペンタジエニル)トリス(ピバロニトリル)ルテニウム(II)]([Ru(η
5−C
5iPrH
4)(
tBuCN)
3])、[(η
5−ブチルシクロペンタジエニル)トリス(ピバロニトリル)ルテニウム(II)]([Ru(η
5−C
5BuH
4)(
tBuCN)
3])、[(η
5−イソブチルシクロペンタジエニル)トリス(ピバロニトリル)ルテニウム(II)]([Ru(η
5−C
5iBuH
4)(
tBuCN)
3])、[(η
5−(sec−ブチル)シクロペンタジエニル)トリス(ピバロニトリル)ルテニウム(II)]([Ru(η
5−C
5sBuH
4)(
tBuCN)
3])、[(η
5−(tert−ブチル)シクロペンタジエニル)トリス(ピバロニトリル)ルテニウム(II)]([Ru(η
5−C
5tBuH
4)(
tBuCN)
3])、[(η
5−ペンチルシクロペンタジエニル)トリス(ピバロニトリル)ルテニウム(II)]([Ru(η
5−C
5PeH
4)(
tBuCN)
3])、[(η
5−(シクロペンチル)シクロペンタジエニル)トリス(ピバロニトリル)ルテニウム(II)]([Ru(η
5−C
5cPeH
4)(
tBuCN)
3])、[(η
5−ヘキシルシクロペンタジエニル)トリス(ピバロニトリル)ルテニウム(II)]([Ru(η
5−C
5HxH
4)(
tBuCN)
3])などを例示することが出来る。
【0058】
一般式(2)における対アニオンZ
−の例としては、カチオン性金属錯体の対アニオンとして一般的に用いられているものを挙げることが出来る。具体的にはテトラフルオロホウ酸イオン(BF
4−)、ヘキサフルオロリン酸イオン(PF
6−)、ヘキサフルオロアンチモン酸イオン(SbF
6−)、テトラフルオロアルミン酸イオン(AlF
4−)などのフルオロ錯アニオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン(CF
3SO
3−)、メタンスルホン酸イオン(MeSO
3−)、メチル硫酸イオン(MeSO
4−)などの一価スルホン酸イオン、硝酸イオン(NO
3−)、過塩素酸イオン(ClO
4−)、テトラクロロアルミン酸イオン(AlCl
4−)、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)アミドイオン((CF
3SO
2)
2N
−)などの一塩基酸の対アニオン、硫酸イオン(SO
42−)、硫酸水素イオン(HSO
4−)、リン酸イオン(PO
43−)、リン酸一水素イオン(HPO
42−)、リン酸二水素イオン(H
2PO
4−)、ジメチルリン酸イオン((MeO)
2PO
4−)、ジエチルリン酸イオン((EtO)
2PO
4−)などの多塩基酸の対アニオン又はその誘導体などを例示することが出来る。ルテニウム錯体(1)の収率が良い点で、対アニオンZ
−としてはBF
4−、PF
6−などのフルオロ錯アニオン、CF
3SO
3−、MeSO
3−などの一価スルホン酸イオンが好ましい。
【0059】
具体的なカチオン性トリス(ニトリル)錯体(2)の更に好ましい例としては、[トリス(アセトニトリル)(η
5−シクロペンタジエニル)ルテニウム(II)][テトラフルオロボラト]([Ru(η
5−C
5H
5)(MeCN)
3][BF
4])、[トリス(アセトニトリル)(η
5−メチルシクロペンタジエニル)ルテニウム(II)][テトラフルオロボラト]([Ru(η
5−C
5MeH
4)(MeCN)
3][BF
4])、[トリス(アセトニトリル)(η
5−エチルシクロペンタジエニル)ルテニウム(II)][テトラフルオロボラト]([Ru(η
5−C
5EtH
4)(MeCN)
3][BF
4])、[トリス(アセトニトリル)(η
5−1,2,3,4,5−ペンタメチルシクロペンタジエニル)ルテニウム(II)][テトラフルオロボラト]([Ru(η
5−C
5Me
5)(MeCN)
3][BF
4])、[トリス(アセトニトリル)(η
5−シクロペンタジエニル)ルテニウム(II)][ヘキサフルオロホスファト]([Ru(η
5−C
5H
5)(MeCN)
3][PF
6])、[トリス(アセトニトリル)(η
5−メチルシクロペンタジエニル)ルテニウム(II)][ヘキサフルオロホスファト]([Ru(η
5−C
5MeH
4)(MeCN)
3][PF
6])、[トリス(アセトニトリル)(η
5−エチルシクロペンタジエニル)ルテニウム(II)][ヘキサフルオロホスファト]([Ru(η
5−C
5EtH
4)(MeCN)
3][PF
6])、[トリス(アセトニトリル)(η
5−1,2,3,4,5−ペンタメチルシクロペンタジエニル)ルテニウム(II)][ヘキサフルオロホスファト]([Ru(η
5−C
5Me
5)(MeCN)
3][PF
6])、[トリス(アセトニトリル)(η
5−シクロペンタジエニル)ルテニウム(II)][トリフルオロメタンスルホナト]([Ru(η
5−C
5H
5)(MeCN)
3][CF
3SO
3])、[トリス(アセトニトリル)(η
5−メチルシクロペンタジエニル)ルテニウム(II)][トリフルオロメタンスルホナト]([Ru(η
5−C
5MeH
4)(MeCN)
3][CF
3SO
3])、[トリス(アセトニトリル)(η
5−エチルシクロペンタジエニル)ルテニウム(II)][トリフルオロメタンスルホナト]([Ru(η
5−C
5EtH
4)(MeCN)
3][CF
3SO
3])、[トリス(アセトニトリル)(η
5−1,2,3,4,5−ペンタメチルシクロペンタジエニル)ルテニウム(II)][トリフルオロメタンスルホナト]([Ru(η
5−C
5Me
5)(MeCN)
3][CF
3SO
3])、[トリス(アセトニトリル)(η
5−シクロペンタジエニル)ルテニウム(II)][メタンスルホナト]([Ru(η
5−C
5H
5)(MeCN)
3][MeSO
3])、[トリス(アセトニトリル)(η
5−メチルシクロペンタジエニル)ルテニウム(II)][メタンスルホナト]([Ru(η
5−C
5MeH
4)(MeCN)
3][MeSO
3])、[トリス(アセトニトリル)(η
5−エチルシクロペンタジエニル)ルテニウム(II)][メタンスルホナト]([Ru(η
5−C
5EtH
4)(MeCN)
3][MeSO
3])、[トリス(アセトニトリル)(η
5−1,2,3,4,5−ペンタメチルシクロペンタジエニル)ルテニウム(II)][メタンスルホナト]([Ru(η
5−C
5Me
5)(MeCN)
3][MeSO
3])などを挙げることが出来る。
【0060】
一般式(3)におけるR
6及びR
7で表される炭素数1〜6のアルキル基としては、直鎖状、分岐状及び環状のいずれでも良く、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、シクロブチル基、ペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、シクロペンチル基、シクロブチルメチル基、ヘキシル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基、1,1−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、シクロヘキシル基、シクロペンチルメチル基、1−シクロブチルエチル基、2−シクロブチルエチル基などを例示することが出来る。
【0061】
エノン誘導体(3)の具体例としては、4−メチルペンタ−3−エン−2−オン(メシチルオキシド)、5−メチルヘキサ−4−エン−3−オン、2−メチルヘプタ−2−エン−4−オン、2,5−ジメチルヘキサ−4−エン−3−オン、2−メチルオクタ−2−エン−4−オン、2,6−ジメチルヘプタ−2−エン−4−オン、2,5−ジメチルヘプタ−2−エン−4−オン、2,2,5−トリメチルヘキサ−4−エン−3−オン、2−メチルノナ−2−エン−4−オン、2,5,5−トリメチルヘプタ−2−エン−4−オン、2−メチルデカ−2−エン−4−オン、1−シクロヘキシル−3−メチルブタ−2−エン−1−オン、4−メチルヘキサ−3−エン−2−オン、4−メチルヘプタ−3−エン−2−オン、4,5−ジメチルヘキサ−3−エン−2−オン、4−メチルオクタ−3−エン−2−オン、4,6−ジメチルヘプタ−3−エン−2−オン、4,5−ジメチルヘプタ−3−エン−2−オン、4,5,5−トリメチルヘキサ−3−エン−2−オン、4−メチルノナ−3−エン−2−オン、4−メチルデカ−3−エン−2−オン、4−シクロヘキシルペンタ−3−エン−2−オン、5−メチルヘプタ−4−エン−3−オン、6−メチルノナ−5−エン−4−オン、2,5,6−トリメチルヘプタ−4−エン−3−オン、2,2,5,6,6−ペンタメチルヘプタ−4−エン−3−オン、3,3,6,7,7−ペンタメチルノナ−5−エン−4−オンなどを挙げることが出来る。ルテニウム錯体(1)の収率が良い点で、メシチルオキシド又は2,2,5,6,6−ペンタメチルヘプタ−4−エン−3−オンが好ましく、メシチルオキシドが更に好ましい。
【0062】
製造方法1で用いることが出来る塩基としては、無機塩基及び有機塩基を挙げることが出来る。該無機塩基としては、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属炭酸塩、炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムなどのアルカリ金属炭酸水素塩、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸ストロンチウムなどの第2族金属炭酸塩、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウムなどの典型金属水酸化物、水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、水素化マグネシウム、水素化カルシウム、水素化アルミニウムなどの典型金属水素化物、水素化ホウ素ナトリウム、水素化リチウムアルミニウムなどの典型金属水素化錯化合物、リチウムアミド、ナトリウムアミド、リチウムジアルキルアミドなどのアルカリ金属アミドなどを例示することが出来る。また該有機塩基としては、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ジエチルイソプロピルアミン、トリブチルアミンなどのアルキルアミン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、1,4−ジアザビシクロオクタンなどの環状アミン、ピリジンなどを例示することが出来る。ルテニウム錯体(1)の収率が良い点で、塩基としてはアルカリ金属炭酸塩又はアルキルアミンが好ましく、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム又はトリエチルアミンが更に好ましく、炭酸リチウム又はトリエチルアミンが殊更好ましい。
【0063】
製造方法1は、ルテニウム錯体(1)の収率が良い点で、不活性ガス中で実施するのが好ましい。該不活性ガスとして具体的には、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、窒素ガスなどを例示することが出来、アルゴン又は窒素ガスが更に好ましい。
【0064】
製造方法1は、ルテニウム錯体(1)の収率が良い点で有機溶媒中で実施することが好ましい。製造方法1を有機溶媒中で実施する場合、該有機溶媒として具体的には、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、石油エーテルなどの脂肪族炭化水素、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、シクロペンチルエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル、アセトン、メチルエチルケトン、3−ペンタノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノンなどのケトン、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、tert−ブタノール、エチレングリコールなどのアルコールなどを例示することが出来る。これら有機溶媒のうち一種類を単独で用いることが出来、複数を任意の比率で混合して用いることも出来る。ルテニウム錯体(1)の収率が良い点で、有機溶媒としてはジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、アセトン、メタノール及びヘキサンが好ましい。
【0065】
次にカチオン性トリス(ニトリル)錯体(2)及びエノン誘導体(3)の入手方法について説明する。カチオン性トリス(ニトリル)錯体(2)の入手方法としては、後述する本発明の製造方法2のほか、非特許文献3又は非特許文献4などに記載の製造方法を挙げることが出来る。エノン誘導体(3)の入手方法としては、市販の製品を入手するほか、Journal of Organometallic Chemistry,第402巻,17ページ(1991年)や特許3649441号公報などに記載の製造方法を挙げることが出来る。
【0066】
次に製造方法1を実施するときのカチオン性トリス(ニトリル)錯体(2)、エノン誘導体(3)及び塩基のモル比に関して説明する。好ましくはカチオン性トリス(ニトリル)錯体(2)1モルに対して等モル以上のエノン誘導体(3)及び塩基を用いることによって、収率良くルテニウム錯体(1)を製造することが出来る。
【0067】
また製造方法1では、反応温度及び反応時間には特に制限はなく、当業者が金属錯体を製造するときの一般的な条件を用いることが出来る。具体例としては、−80℃から120℃の温度範囲から適宜選択した反応温度において、10分間から120時間の範囲から適宜選択した反応時間を選択することによってルテニウム錯体(1)を収率良く製造することが出来る。
【0068】
製造方法1によって製造したルテニウム錯体(1)は、当業者が金属錯体を精製するときの一般的な精製方法を適宜選択して用いることによって精製することが出来る。具体的な精製方法としては、ろ過、抽出、遠心分離、デカンテーション、蒸留、昇華、結晶化などを挙げることが出来る。
【0069】
次に本発明のカチオン性トリス(ニトリル)錯体(2b)について説明する。一般式(2b)におけるR
1bで表される炭素数2〜6のアルキル基としては、直鎖状、分岐状及び環状のいずれでも良く、具体的にはエチル基、プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、シクロブチル基、ペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、シクロペンチル基、シクロブチルメチル基、ヘキシル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基、1,1−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、シクロヘキシル基、シクロペンチルメチル基、1−シクロブチルエチル基、2−シクロブチルエチル基などを例示することが出来る。CVD材料やALD材料としてとりわけ好適な蒸気圧及び熱安定性を持つルテニウム錯体(1)の合成原料となる点で、R
1bは炭素数2〜4のアルキル基であることが好ましく、エチル基であることが更に好ましい。
【0070】
一般式(2b)におけるR
21bで表される炭素数1〜4のアルキル基としては、直鎖状、分岐状及び環状のいずれでも良く、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、シクロブチル基などを例示することが出来る。ルテニウム錯体(1)の合成原料として用いたときの収率が良い点で、R
21がメチル基が好ましい。
【0071】
カチオン性トリス(ニトリル)錯体(2b)のカチオン部分の具体例としては、[トリス(アセトニトリル)(η
5−エチルシクロペンタジエニル)ルテニウム(II)]([Ru(η
5−C
5EtH
4)(MeCN)
3])、[トリス(アセトニトリル)(η
5−プロピルシクロペンタジエニル)ルテニウム(II)]([Ru(η
5−C
5PrH
4)(MeCN)
3])、[トリス(アセトニトリル)(η
5−イソプロピルシクロペンタジエニル)ルテニウム(II)]([Ru(η
5−C
5iPrH
4)(MeCN)
3])、[トリス(アセトニトリル)(η
5−ブチルシクロペンタジエニル)ルテニウム(II)]([Ru(η
5−C
5BuH
4)(MeCN)
3])、[トリス(アセトニトリル)(η
5−イソブチルシクロペンタジエニル)ルテニウム(II)]([Ru(η
5−C
5iBuH
4)(MeCN)
3])、[トリス(アセトニトリル)(η
5−(sec−ブチル)シクロペンタジエニル)ルテニウム(II)]([Ru(η
5−C
5sBuH
4)(MeCN)
3])、[トリス(アセトニトリル)(η
5−(tert−ブチル)シクロペンタジエニル)ルテニウム(II)]([Ru(η
5−C
5tBuH
4)(MeCN)
3])、[トリス(アセトニトリル)(η
5−ペンチルシクロペンタジエニル)ルテニウム(II)]([Ru(η
5−C
5PeH
4)(MeCN)
3])、[トリス(アセトニトリル)(η
5−(シクロペンチル)シクロペンタジエニル)ルテニウム(II)]([Ru(η
5−C
5cPeH
4)(MeCN)
3])、[トリス(アセトニトリル)(η
5−ヘキシルシクロペンタジエニル)ルテニウム(II)]([Ru(η
5−C
5HxH
4)(MeCN)
3])、[(η
5−エチルシクロペンタジエニル)トリス(プロピオニトリル)ルテニウム(II)]([Ru(η
5−C
5EtH
4)(EtCN)
3])、[トリス(プロピオニトリル)(η
5−プロピルシクロペンタジエニル)ルテニウム(II)]([Ru(η
5−C
5PrH
4)(EtCN)
3])、[(η
5−イソプロピルシクロペンタジエニル)トリス(プロピオニトリル)ルテニウム(II)]([Ru(η
5−C
5iPrH
4)(EtCN)
3])、[(η
5−ブチルシクロペンタジエニル)トリス(プロピオニトリル)ルテニウム(II)]([Ru(η
5−C
5BuH
4)(EtCN)
3])、[(η
5−イソブチルシクロペンタジエニル)トリス(プロピオニトリル)ルテニウム(II)]([Ru(η
5−C
5iBuH
4)(EtCN)
3])、[(η
5−(sec−ブチル)シクロペンタジエニル)トリス(プロピオニトリル)ルテニウム(II)]([Ru(η
5−C
5sBuH
4)(EtCN)
3])、[(η
5−(tert−ブチル)シクロペンタジエニル)トリス(プロピオニトリル)ルテニウム(II)]([Ru(η
5−C
5tBuH
4)(EtCN)
3])、[(η
5−ペンチルシクロペンタジエニル)トリス(プロピオニトリル)ルテニウム(II)]([Ru(η
5−C
5PeH
4)(EtCN)
3])、[(η
5−(シクロペンチル)シクロペンタジエニル)トリス(プロピオニトリル)ルテニウム(II)]([Ru(η
5−C
5cPeH
4)(EtCN)
3])、[(η
5−ヘキシルシクロペンタジエニル)トリス(プロピオニトリル)ルテニウム(II)]([Ru(η
5−C
5HxH
4)(EtCN)
3])、[(η
5−エチルシクロペンタジエニル)トリス(ピバロニトリル)ルテニウム(II)]([Ru(η
5−C
5EtH
4)(
tBuCN)
3])、[トリス(ピバロニトリル)(η
5−プロピルシクロペンタジエニル)ルテニウム(II)]([Ru(η
5−C
5PrH
4)(
tBuCN)
3])、[(η
5−イソプロピルシクロペンタジエニル)トリス(ピバロニトリル)ルテニウム(II)]([Ru(η
5−C
5iPrH
4)(
tBuCN)
3])、[(η
5−ブチルシクロペンタジエニル)トリス(ピバロニトリル)ルテニウム(II)]([Ru(η
5−C
5BuH
4)(
tBuCN)
3])、[(η
5−イソブチルシクロペンタジエニル)トリス(ピバロニトリル)ルテニウム(II)]([Ru(η
5−C
5iBuH
4)(
tBuCN)
3])、[(η
5−(sec−ブチル)シクロペンタジエニル)トリス(ピバロニトリル)ルテニウム(II)]([Ru(η
5−C
5sBuH
4)(
tBuCN)
3])、[(η
5−(tert−ブチル)シクロペンタジエニル)トリス(ピバロニトリル)ルテニウム(II)]([Ru(η
5−C
5tBuH
4)(
tBuCN)
3])、[(η
5−ペンチルシクロペンタジエニル)トリス(ピバロニトリル)ルテニウム(II)]([Ru(η
5−C
5PeH
4)(
tBuCN)
3])、[(η
5−(シクロペンチル)シクロペンタジエニル)トリス(ピバロニトリル)ルテニウム(II)]([Ru(η
5−C
5cPeH
4)(
tBuCN)
3])、[(η
5−ヘキシルシクロペンタジエニル)トリス(ピバロニトリル)ルテニウム(II)]([Ru(η
5−C
5HxH
4)(
tBuCN)
3])などを例示することが出来、[Ru(η
5−C
5EtH
4)(MeCN)
3]、[Ru(η
5−C
5PrH
4)(MeCN)
3]、[Ru(η
5−C
5iPrH
4)(MeCN)
3]、[Ru(η
5−C
5BuH
4)(MeCN)
3]、[Ru(η
5−C
5iBuH
4)(MeCN)
3]、[Ru(η
5−C
5sBuH
4)(MeCN)
3]、[Ru(η
5−C
5tBuH
4)(MeCN)
3]などが好ましく、[Ru(η
5−C
5EtH
4)(MeCN)
3]が殊更好ましい。
【0072】
一般式(2b)における対アニオンZ
−の例としては、カチオン性金属錯体の対アニオンとして一般的に用いられているものを挙げることが出来る。具体的にはテトラフルオロホウ酸イオン(BF
4−)、ヘキサフルオロリン酸イオン(PF
6−)、ヘキサフルオロアンチモン酸イオン(SbF
6−)、テトラフルオロアルミン酸イオン(AlF
4−)などのフルオロ錯アニオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン(CF
3SO
3−)、メタンスルホン酸イオン(MeSO
3−)、メチル硫酸イオン(MeSO
4−)などの一価スルホン酸イオン、硝酸イオン(NO
3−)、過塩素酸イオン(ClO
4−)、テトラクロロアルミン酸イオン(AlCl
4−)、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)アミドイオン((CF
3SO
2)
2N
−)などの一塩基酸の対アニオン、硫酸イオン(SO
42−)、硫酸水素イオン(HSO
4−)、リン酸イオン(PO
43−)、リン酸一水素イオン(HPO
42−)、リン酸二水素イオン(H
2PO
4−)、ジメチルリン酸イオン((MeO)
2PO
4−)、ジエチルリン酸イオン((EtO)
2PO
4−)などの多塩基酸の対アニオン又はその誘導体などを例示することが出来る。ルテニウム錯体(1)の収率が良い点で、対アニオンZ
−としてはBF
4−、PF
6−などのフルオロ錯アニオン、CF
3SO
3−、MeSO
3−などの一価スルホン酸イオンが好ましい。
【0073】
更に具体的なカチオン性トリス(ニトリル)錯体(2b)の好ましい例としては、[トリス(アセトニトリル)(η
5−エチルシクロペンタジエニル)ルテニウム(II)][テトラフルオロボラト]([Ru(η
5−C
5EtH
4)(MeCN)
3][BF
4])、[トリス(アセトニトリル)(η
5−エチルシクロペンタジエニル)ルテニウム(II)][ヘキサフルオロホスファト]([Ru(η
5−C
5EtH
4)(MeCN)
3][PF
6])、[トリス(アセトニトリル)(η
5−エチルシクロペンタジエニル)ルテニウム(II)][トリフルオロメタンスルホナト]([Ru(η
5−C
5EtH
4)(MeCN)
3][CF
3SO
3])、[トリス(アセトニトリル)(η
5−プロピルシクロペンタジエニル)ルテニウム(II)][テトラフルオロボラト]([Ru(η
5−C
5PrH
4)(MeCN)
3][BF
4])、[トリス(アセトニトリル)(η
5−プロピルシクロペンタジエニル)ルテニウム(II)][ヘキサフルオロホスファト]([Ru(η
5−C
5PrH
4)(MeCN)
3][PF
6])、[トリス(アセトニトリル)(η
5−プロピルシクロペンタジエニル)ルテニウム(II)][トリフルオロメタンスルホナト]([Ru(η
5−C
5PrH
4)(MeCN)
3][CF
3SO
3])、[トリス(アセトニトリル)(η
5−イソプロピルシクロペンタジエニル)ルテニウム(II)][テトラフルオロボラト]([Ru(η
5−C
5iPrH
4)(MeCN)
3][BF
4])、[トリス(アセトニトリル)(η
5−イソプロピルシクロペンタジエニル)ルテニウム(II)][ヘキサフルオロホスファト]([Ru(η
5−C
5iPrH
4)(MeCN)
3][PF
6])、[トリス(アセトニトリル)(η
5−イソプロピルシクロペンタジエニル)ルテニウム(II)][トリフルオロメタンスルホナト]([Ru(η
5−C
5iPrH
4)(MeCN)
3][CF
3SO
3])、[トリス(アセトニトリル)(η
5−ブチルシクロペンタジエニル)ルテニウム(II)][テトラフルオロボラト]([Ru(η
5−C
5BuH
4)(MeCN)
3][BF
4])、[トリス(アセトニトリル)(η
5−ブチルシクロペンタジエニル)ルテニウム(II)][ヘキサフルオロホスファト]([Ru(η
5−C
5BuH
4)(MeCN)
3][PF
6])、[トリス(アセトニトリル)(η
5−ブチルシクロペンタジエニル)ルテニウム(II)][トリフルオロメタンスルホナト]([Ru(η
5−C
5BuH
4)(MeCN)
3][CF
3SO
3])、[トリス(アセトニトリル)(η
5−イソブチルシクロペンタジエニル)ルテニウム(II)][テトラフルオロボラト]([Ru(η
5−C
5iBuH
4)(MeCN)
3][BF
4])、[トリス(アセトニトリル)(η
5−イソブチルシクロペンタジエニル)ルテニウム(II)][ヘキサフルオロホスファト]([Ru(η
5−C
5iBuH
4)(MeCN)
3][PF
6])、[トリス(アセトニトリル)(η
5−イソブチルシクロペンタジエニル)ルテニウム(II)][トリフルオロメタンスルホナト]([Ru(η
5−C
5iBuH
4)(MeCN)
3][CF
3SO
3])、[トリス(アセトニトリル)(η
5−(sec−ブチル)シクロペンタジエニル)ルテニウム(II)][テトラフルオロボラト]([Ru(η
5−C
5sBuH
4)(MeCN)
3][BF
4])、[トリス(アセトニトリル)(η
5−(sec−ブチル)シクロペンタジエニル)ルテニウム(II)][ヘキサフルオロホスファト]([Ru(η
5−C
5sBuH
4)(MeCN)
3][PF
6])、[トリス(アセトニトリル)(η
5−(sec−ブチル)シクロペンタジエニル)ルテニウム(II)][トリフルオロメタンスルホナト]([Ru(η
5−C
5sBuH
4)(MeCN)
3][CF
3SO
3])、[トリス(アセトニトリル)(η
5−(tert−ブチル)シクロペンタジエニル)ルテニウム(II)][テトラフルオロボラト]([Ru(η
5−C
5tBuH
4)(MeCN)
3][BF
4])、[トリス(アセトニトリル)(η
5−(tert−ブチル)シクロペンタジエニル)ルテニウム(II)][ヘキサフルオロホスファト]([Ru(η
5−C
5tBuH
4)(MeCN)
3][PF
6])、[トリス(アセトニトリル)(η
5−(tert−ブチル)シクロペンタジエニル)ルテニウム(II)][トリフルオロメタンスルホナト]([Ru(η
5−C
5tBuH
4)(MeCN)
3][CF
3SO
3])などを挙げることが出来、[トリス(アセトニトリル)(η
5−エチルシクロペンタジエニル)ルテニウム(II)][テトラフルオロボラト]([Ru(η
5−C
5EtH
4)(MeCN)
3][BF
4])、[トリス(アセトニトリル)(η
5−エチルシクロペンタジエニル)ルテニウム(II)][ヘキサフルオロホスファト]([Ru(η
5−C
5EtH
4)(MeCN)
3][PF
6])、[トリス(アセトニトリル)(η
5−エチルシクロペンタジエニル)ルテニウム(II)][トリフルオロメタンスルホナト]([Ru(η
5−C
5EtH
4)(MeCN)
3][CF
3SO
3])などが更に好ましい。
【0074】
次に本発明のカチオン性トリス(ニトリル)錯体(2b)の製造方法について説明する。カチオン性トリス(ニトリル)錯体(2b)は、下記のカチオン性トリス(ニトリル)錯体(2)の製造方法2に従って製造することが出来る。製造方法2は、ルテノセン誘導体(4)とニトリルR
21CNとプロトン酸H
+Z
−とを反応させることによりカチオン性トリス(ニトリル)錯体(2)を製造する方法である。
【0075】
【化14】
【0076】
(式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、X、R
21及びZ
−は前記と同意義を表す。)
R
21で表される炭素数1〜4のアルキル基としては、直鎖状、分岐状及び環状のいずれでも良く、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、シクロブチル基などを例示することが出来る。収率が良い点で、R
21がメチル基であることが好ましい。ニトリルとしてさらに具体的にはアセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、イソブチロニトリル、シクロプロパンカルボニトリル、ペンチロニトリル、イソペンチロニトリル、3−メチルブタンニトリル、2−メチルブタンニトリル、ピバロニトリル、シクロブタンカルボニトリルなどを例示することが出来、収率が良い点でアセトニトリルが好ましい。
一般式(4)におけるXは一般式(5)
【0077】
【化15】
【0078】
(式中、R
1、R
2、R
3、R
4及びR
5は前記と同意義を表す。)で示されるη
5−(無置換又は置換)シクロペンタジエニル配位子、又はη
5−2,4−ジメチル−2,4−ペンタジエニル配位子を表す。具体的なη
5−(無置換又は置換)シクロペンタジエニル配位子の例としては、η
5−シクロペンタジエニル配位子、η
5−メチルシクロペンタジエニル配位子、η
5−エチルシクロペンタジエニル配位子、η
5−プロピルシクロペンタジエニル配位子、η
5−イソプロピルシクロペンタジエニル配位子、η
5−ブチルシクロペンタジエニル配位子、η
5−イソブチルシクロペンタジエニル配位子、η
5−(sec−ブチル)シクロペンタジエニル配位子、η
5−(tert−ブチル)シクロペンタジエニル配位子、η
5−ペンチルシクロペンタジエニル配位子、η
5−(シクロペンチル)シクロペンタジエニル配位子、η
5−ヘキシルシクロペンタジエニル配位子、η
5−1,2−ジメチルシクロペンタジエニル配位子、η
5−1,3−ジメチルシクロペンタジエニル配位子、η
5−1,3−ジ(イソプロピル)シクロペンタジエニル配位子、η
5−1,2,4−トリ(イソプロピル)シクロペンタジエニル配位子、η
5−1,3−ジ(tert−ブチル)シクロペンタジエニル配位子、η
5−1,2,3,4,5−ペンタメチルシクロペンタジエニル配位子などを挙げることが出来る。ルテノセン誘導体(4)が入手しやすい点で、Xとしてはη
5−(無置換又は置換)シクロペンタジエニル配位子であることが好ましく、η
5−シクロペンタジエニル配位子、η
5−メチルシクロペンタジエニル配位子、η
5−エチルシクロペンタジエニル配位子が更に好ましい。
【0079】
ルテノセン誘導体(4)として更に具体的には、ビス(η
5−シクロペンタジエニル)ルテニウム((η
5−C
5H
5)
2Ru)、ビス(η
5−メチルシクロペンタジエニル)ルテニウム((η
5−C
5MeH
4)
2Ru)、ビス(η
5−エチルシクロペンタジエニル)ルテニウム((η
5−C
5EtH
4)
2Ru)、ビス(η
5−プロピルシクロペンタジエニル)ルテニウム((η
5−C
5PrH
4)
2Ru)、ビス(η
5−イソプロピルシクロペンタジエニル)ルテニウム((η
5−C
5iPrH
4)
2Ru)、ビス(η
5−ブチルシクロペンタジエニル)ルテニウム((η
5−C
5BuH
4)
2Ru)、ビス(η
5−イソブチルシクロペンタジエニル)ルテニウム((η
5−C
5iBuH
4)
2Ru)、ビス(η
5−(sec−ブチル)シクロペンタジエニル)ルテニウム((η
5−C
5sBuH
4)
2Ru)、ビス(η
5−(tert−ブチル)シクロペンタジエニル)ルテニウム((η
5−C
5tBuH
4)
2Ru)、ビス(η
5−ペンチルシクロペンタジエニル)ルテニウム((η
5−C
5PeH
4)
2Ru)、ビス(η
5−(シクロペンチル)シクロペンタジエニル)ルテニウム((η
5−C
5cPeH
4)
2Ru)、ビス(η
5−ヘキシルシクロペンタジエニル)ルテニウム((η
5−C
5HxH
4)
2Ru)、ビス(η
5−1,2−ジメチルシクロペンタジエニル)ルテニウム((η
5−C
5Me
2H
3)
2Ru)、ビス(η
5−1,3−ジメチルシクロペンタジエニル)ルテニウム((η
5−C
5Me
2H
3)
2Ru)、ビス(η
5−1,3−ジ(イソプロピル)シクロペンタジエニル)ルテニウム((η
5−C
5(
iPr)
2H
3)
2Ru)、ビス(η
5−1,2,4−トリ(イソプロピル)シクロペンタジエニル)ルテニウム((η
5−C
5(
iPr)
3H
2)
2Ru)、ビス(η
5−1,3−ジ(tert−ブチル)シクロペンタジエニル)ルテニウム((η
5−C
5(
tBu)
2H
3)
2Ru)、ビス(η
5−1,2,3,4,5−ペンタメチルシクロペンタジエニル)ルテニウム((η
5−C
5Me
5)
2Ru)、(η
5−シクロペンタジエニル)(η
5−1,2,3,4,5−ペンタメチルシクロペンタジエニル)ルテニウム((η
5−C
5H
5)(η
5−C
5Me
5)Ru)、(η
5−シクロペンタジエニル)(η
5−2,4−ジメチル−2,4−ペンタジエニル)ルテニウム(Ru(η
5−C
5H
5)(η
5−CH
2C(Me)CHC(Me)CH
2))、(η
5−2,4−ジメチル−2,4−ペンタジエニル)(η
5−メチルシクロペンタジエニル)ルテニウム(Ru(η
5−C
5MeH
4)(η
5−CH
2C(Me)CHC(Me)CH
2))、(η
5−2,4−ジメチル−2,4−ペンタジエニル)(η
5−エチルシクロペンタジエニル)ルテニウム(Ru(η
5−C
5EtH
4)(η
5−CH
2C(Me)CHC(Me)CH
2))、(η
5−2,4−ジメチル−2,4−ペンタジエニル)(η
5−プロピルシクロペンタジエニル)ルテニウム(Ru(η
5−C
5PrH
4)(η
5−CH
2C(Me)CHC(Me)CH
2))、(η
5−2,4−ジメチル−2,4−ペンタジエニル)(η
5−イソプロピルシクロペンタジエニル)ルテニウム(Ru(η
5−C
5iPrH
4)(η
5−CH
2C(Me)CHC(Me)CH
2))、(η
5−2,4−ジメチル−2,4−ペンタジエニル)(η
5−ブチルシクロペンタジエニル)ルテニウム(Ru(η
5−C
5BuH
4)(η
5−CH
2C(Me)CHC(Me)CH
2))、(η
5−2,4−ジメチル−2,4−ペンタジエニル)(η
5−イソブチルシクロペンタジエニル)ルテニウム(Ru(η
5−C
5iBuH
4)(η
5−CH
2C(Me)CHC(Me)CH
2))、(η
5−2,4−ジメチル−2,4−ペンタジエニル)(η
5−(sec−ブチル)シクロペンタジエニル)ルテニウム(Ru(η
5−C
5sBuH
4)(η
5−CH
2C(Me)CHC(Me)CH
2))、(η
5−2,4−ジメチル−2,4−ペンタジエニル)(η
5−(tert−ブチル)シクロペンタジエニル)ルテニウム(Ru(η
5−C
5tBuH
4)(η
5−CH
2C(Me)CHC(Me)CH
2))、(η
5−2,4−ジメチル−2,4−ペンタジエニル)(η
5−ペンチルシクロペンタジエニル)ルテニウム(Ru(η
5−C
5PeH
4)(η
5−CH
2C(Me)CHC(Me)CH
2))、(η
5−2,4−ジメチル−2,4−ペンタジエニル)(η
5−(シクロペンチル)シクロペンタジエニル)ルテニウム(Ru(η
5−C
5cPeH
4)(η
5−CH
2C(Me)CHC(Me)CH
2))、(η
5−2,4−ジメチル−2,4−ペンタジエニル)(η
5−ヘキシルシクロペンタジエニル)ルテニウム(Ru(η
5−C
5HxH
4)(η
5−CH
2C(Me)CHC(Me)CH
2))、(η
5−2,4−ジメチル−2,4−ペンタジエニル)(η
5−1,2,3,4,5−ペンタメチルシクロペンタジエニル)ルテニウム(Ru(η
5−C
5Me
5)(η
5−CH
2C(Me)CHC(Me)CH
2))などを例示することが出来、ビス(η
5−シクロペンタジエニル)ルテニウム((η
5−C
5H
5)
2Ru)、ビス(η
5−メチルシクロペンタジエニル)ルテニウム((η
5−C
5MeH
4)
2Ru)、ビス(η
5−エチルシクロペンタジエニル)ルテニウム((η
5−C
5EtH
4)
2Ru)、ビス(η
5−プロピルシクロペンタジエニル)ルテニウム((η
5−C
5PrH
4)
2Ru)、ビス(η
5−イソプロピルシクロペンタジエニル)ルテニウム((η
5−C
5iPrH
4)
2Ru)、ビス(η
5−ブチルシクロペンタジエニル)ルテニウム((η
5−C
5BuH
4)
2Ru)、ビス(η
5−イソブチルシクロペンタジエニル)ルテニウム((η
5−C
5iBuH
4)
2Ru)、ビス(η
5−(sec−ブチル)シクロペンタジエニル)ルテニウム((η
5−C
5sBuH
4)
2Ru)、ビス(η
5−(tert−ブチル)シクロペンタジエニル)ルテニウム((η
5−C
5tBuH
4)
2Ru)、ビス(η
5−ペンチルシクロペンタジエニル)ルテニウム((η
5−C
5PeH
4)
2Ru)、ビス(η
5−(シクロペンチル)シクロペンタジエニル)ルテニウム((η
5−C
5cPeH
4)
2Ru)、ビス(η
5−ヘキシルシクロペンタジエニル)ルテニウム((η
5−C
5HxH
4)
2Ru)、ビス(η
5−1,2−ジメチルシクロペンタジエニル)ルテニウム((η
5−C
5Me
2H
3)
2Ru)、ビス(η
5−1,3−ジメチルシクロペンタジエニル)ルテニウム((η
5−C
5Me
2H
3)
2Ru)、ビス(η
5−1,3−ジ(イソプロピル)シクロペンタジエニル)ルテニウム((η
5−C
5(
iPr)
2H
3)
2Ru)、ビス(η
5−1,2,4−トリ(イソプロピル)シクロペンタジエニル)ルテニウム((η
5−C
5(
iPr)
3H
2)
2Ru)、ビス(η
5−1,3−ジ(tert−ブチル)シクロペンタジエニル)ルテニウム((η
5−C
5(
tBu)
2H
3)
2Ru)、ビス(η
5−1,2,3,4,5−ペンタメチルシクロペンタジエニル)ルテニウム((η
5−C
5Me
5)
2Ru)などが好ましく、ビス(η
5−シクロペンタジエニル)ルテニウム((η
5−C
5H
5)
2Ru)、ビス(η
5−メチルシクロペンタジエニル)ルテニウム((η
5−C
5MeH
4)
2Ru)、ビス(η
5−エチルシクロペンタジエニル)ルテニウム((η
5−C
5EtH
4)
2Ru)、ビス(η
5−プロピルシクロペンタジエニル)ルテニウム((η
5−C
5PrH
4)
2Ru)、ビス(η
5−イソプロピルシクロペンタジエニル)ルテニウム((η
5−C
5iPrH
4)
2
Ru)、ビス(η
5−ブチルシクロペンタジエニル)ルテニウム((η
5−C
5BuH
4)
2Ru)、ビス(η
5−イソブチルシクロペンタジエニル)ルテニウム((η
5−C
5iBuH
4)
2Ru)、ビス(η
5−(sec−ブチル)シクロペンタジエニル)ルテニウム((η
5−C
5sBuH
4)
2Ru)、ビス(η
5−(tert−ブチル)シクロペンタジエニル)ルテニウム((η
5−C
5tBuH
4)
2Ru)、ビス(η
5−ペンチルシクロペンタジエニル)ルテニウム((η
5−C
5PeH
4)
2Ru)、ビス(η
5−(シクロペンチル)シクロペンタジエニル)ルテニウム((η
5−C
5cPeH
4)
2Ru)、ビス(η
5−ヘキシルシクロペンタジエニル)ルテニウム((η
5−C
5HxH
4)
2Ru)などが更に好ましく、ビス(η
5−シクロペンタジエニル)ルテニウム((η
5−C
5H
5)
2Ru)、ビス(η
5−メチルシクロペンタジエニル)ルテニウム((η
5−C
5MeH
4)
2Ru)、ビス(η
5−エチルシクロペンタジエニル)ルテニウム((η
5−C
5EtH
4)
2Ru)が殊更好ましい。
【0080】
製造方法2の合成原料として用いることが出来るルテノセン誘導体(4)としては、市販のものをそのまま用いることが出来、またOrganic Syntheses,第41巻,96ページ(1961年)、特開2003−342286号公報、Organometallics,第5巻,2321ページ(1986年)などに記載の公知の方法に従って合成したものを用いることも出来る。
【0081】
製造方法2で用いることが出来るH
+Z
−のプロトン酸におけるZ
−としては、例えばテトラフルオロホウ酸イオン(BF
4−)、ヘキサフルオロリン酸イオン(PF
6−)などのフルオロ錯アニオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン(CF
3SO
3−)、硫酸イオン(SO
42−)、硫酸水素イオン(HSO
4−)、などのスルホン酸イオン、塩化物イオン、臭化物イオンなどのハロゲン化物イオン等が挙げられ、具体的なプロトン酸としては、テトラフルオロホウ酸、ヘキサフルオロりん酸などのフルオロ錯酸;硫酸、トリフルオロメタンスルホン酸などのスルホン酸;塩化水素などのハロゲン化水素などを例示することが出来る。該プロトン酸は、ジメチルエーテルやジエチルエーテルなどのエーテルと錯体を形成していても良い。錯体を形成しているプロトン酸の例としては、テトラフルオロホウ酸ジメチルエーテル錯体、テトラフルオロホウ酸ジエチルエーテル錯体、ヘキサフルオロりん酸ジエチルエーテル錯体などを挙げることが出来る。
【0082】
カチオン性トリス(ニトリル)錯体(2)の収率が良い点で、テトラフルオロホウ酸ジエチルエーテル錯体又はトリフルオロメタンスルホン酸が好ましい。
【0083】
また製造方法2で用いるプロトン酸として、フルオロ錯アニオン含有塩と強酸とを反応させることにより、反応系中で生成させたフルオロ錯酸を用いることも出来る。この場合、用いることが出来るフルオロ錯アニオン含有塩の例としては、テトラフルオロホウ酸アンモニウム、テトラフルオロホウ酸リチウム、テトラフルオロホウ酸ナトリウム、テトラフルオロホウ酸カリウム、ヘキサフルオロりん酸アンモニウム、ヘキサフルオロりん酸リチウム、ヘキサフルオロりん酸ナトリウム、ヘキサフルオロりん酸カリウムなどを挙げることが出来る。用いることが出来る強酸としては、硫酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、塩化水素、臭化水素などを例示することが出来る。反応系中で生成させることができるフルオロ錯酸の具体例としては、テトラフルオロホウ酸及びヘキサフルオロりん酸を挙げることが出来る。コストメリットが高く収率が良い点で、テトラフルオロホウ酸アンモニウム、テトラフルオロホウ酸ナトリウム又はヘキサフルオロりん酸アンモニウムのいずれかを硫酸と混ぜて用いるのが好ましい。
【0084】
次に製造方法2で使用するルテノセン誘導体(4)、ニトリル及びプロトン酸のモル比について説明する。カチオン性トリス(ニトリル)錯体(2)の収率が良い点でルテノセン誘導体1モルあたり3モル以上のニトリルを用いるのが好ましい。溶媒量のニトリルを使用するのが収率が良い点で更に好ましく、具体的にはルテノセン誘導体1モルあたり5モル以上1000モル以下の範囲から適宜選択した量を用いるのが殊更好ましい。またプロトン酸の好ましい使用量はプロトン酸の種類によって異なる。例えばプロトン酸が一塩基酸の場合、収率が良い点でルテノセン誘導体1モルあたり1モル以上のプロトン酸を使用することが好ましく、二塩基酸の場合にはルテノセン誘導体1モルあたり0.5モル以上のプロトン酸を使用することが好ましい。プロトン酸としてフルオロ錯アニオン含有塩と強酸との混合物を用いる場合、ルテノセン誘導体1モルあたり1モル以上のフルオロ錯アニオン含有塩、及び0.5モル〜2.0モルの強酸を適宜用いることにより、収率良くカチオン性トリス(ニトリル)錯体(2)を得ることが出来る。
【0085】
製造方法2は、カチオン性トリス(ニトリル)錯体(2)の収率が良い点で、不活性ガス中で実施するのが好ましい。該不活性ガスとして具体的には、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、窒素ガスなどを例示することが出来、アルゴン又は窒素ガスが更に好ましい。
【0086】
製造方法2は、カチオン性トリス(ニトリル)錯体(2)の収率が良い点で過剰量のニトリルを溶媒として用いる条件下で実施するのが好ましい。また製造方法2は有機溶媒中で実施することも出来る。該有機溶媒として具体的には、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、石油エーテルなどの脂肪族炭化水素、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、シクロペンチルエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル、アセトン、メチルエチルケトン、3−ペンタノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノンなどのケトン、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、tert−ブタノール、エチレングリコールなどのアルコールなどを例示することが出来る。これら有機溶媒のうち一種類を単独で用いることが出来、複数を任意の比率で混合して用いることも出来る。カチオン性トリス(ニトリル)錯体(2)の収率が良い点で、有機溶媒としてはジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、アセトン、メタノールが好ましい。
【0087】
また製造方法2では、反応温度及び反応時間には特に制限はなく、当業者が金属錯体を製造するときの一般的な条件を用いることが出来る。具体例としては、−80℃から150℃の温度範囲から適宜選択した反応温度において、10分間から120時間の範囲から適宜選択した反応時間を選択することによってカチオン性トリス(ニトリル)錯体(2)を収率良く製造することが出来る。
【0088】
製造方法2によって製造したカチオン性トリス(ニトリル)錯体(2)は、当業者が金属錯体を精製するときの一般的な精製方法を適宜選択して用いることによって精製することが出来る。具体的な精製方法としては、ろ過、抽出、遠心分離、デカンテーション、結晶化などを挙げることが出来る。
【0089】
またルテニウム錯体(1)は、製造方法2と製造方法1とを連続して実施することによっても製造することが可能である。この場合、製造方法2よって製造したカチオン性トリス(ニトリル)錯体(2)を、精製することなく製造方法1の製造原料として用いることが出来、また当業者が金属錯体を精製するときの一般的な精製方法を適宜選択して用いることによって精製したカチオン性トリス(ニトリル)錯体(2)を製造方法1の製造原料
として用いることも出来る。
【0090】
なお、本発明のルテニウム錯体(1a)も、製造方法2と製造方法1とを連続して実施することによってルテニウム錯体(1)と同様に製造することが出来る。
【0091】
次に、ルテニウム錯体(1)を材料として用いることを特徴とする、ルテニウム含有薄膜の作製方法について詳細に説明する。本発明のルテニウム含有薄膜を作製する方法としては、一般式(1)で示されるルテニウム錯体を気化させ、基板上で分解する方法であり、気化させ基板上に分解する方法としては当業者が金属含有薄膜を作製するのに用いる通常の技術手段を挙げることが出来る。具体的には、CVD法、ALD法など化学反応に基づく気相蒸着法、並びにディップコート法、スピンコート法又はインクジェット法などの溶液法などを例示することが出来る。本明細書中では、化学反応に基づく気相蒸着法とは熱CVD法、プラズマCVD法、光CVD法などのCVD法や、ALD法など当業者が通常用いる技術手段を含む。化学反応に基づく気相蒸着法によってルテニウム含有薄膜を作製する場合、三次元化された構造を持つ基板の表面にも均一に薄膜を形成しやすい点で、化学気相蒸着法が好ましく、CVD法又はALD法が更に好ましい。CVD法は成膜速度が良好な点で更に好ましく、またALD法は段差被覆性が良好な点で更に好ましい。例えばCVD法又はALD法によりルテニウム含有薄膜を作製する場合、ルテニウム錯体(1)を気化させて反応チャンバーに供給し、反応チャンバー内に備え付けた基板上でルテニウム錯体(1)を分解することにより、該基板上にルテニウム含有薄膜を作製することが出来る。ルテニウム錯体(1)を分解する方法としては、当業者が金属含有薄膜を作製するのに用いる通常の技術手段を挙げることが出来る。具体的にはルテニウム錯体(1)と反応ガスとを反応させる方法や、ルテニウム錯体(1)に熱、プラズマ、光などを作用させる方法などを例示することが出来る。これらの分解方法を適宜選択して用いることにより、ルテニウム含有薄膜を作製することが出来る。複数の分解方法を組み合わせて用いることも出来る。反応チャンバーへのルテニウム錯体(1)の供給方法としては、例えばバブリング、液体気化供給システムなどが挙げられ、特に限定されるものではない。
【0092】
CVD法又はALD法によりルテニウム含有薄膜を作製する際のキャリアガス及び希釈ガスとしては、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノンなどの希ガス又は窒素ガスが好ましく、経済的な理由から窒素ガス、ヘリウム、ネオン、アルゴンが特に好ましい。キャリアガス及び希釈ガスの流量は反応チャンバーの容量などに応じて適宜調節される。例えば反応チャンバーの容量が1〜10Lの場合、キャリアガスの流量は特に制限は無く、経済的な理由から1〜10000sccmが好ましい。なお、sccmとは気体の流量を表す単位であり、1sccmは理想気体に換算すると2.68mmol/hの速度で気体が移動していることを表す。
【0093】
CVD法又はALD法によりルテニウム含有薄膜を作製する際の反応ガスとしては、例えばアンモニア、水素、モノシラン、ヒドラジンなどの非酸化性ガス、酸素、オゾン、水蒸気、過酸化水素、笑気ガス、塩化水素、硝酸ガス、ぎ酸、酢酸などの酸化性ガスを挙げることが出来る。成膜装置の仕様による制約が少なく、取扱いが容易である点でアンモニア、水素、酸素、オゾン、水蒸気が好ましい。反応ガスとして酸化性ガスを用いずに非酸化性ガスを用いる条件下でルテニウム含有薄膜を作製する場合は、ルテニウム含有薄膜の成膜速度が良好な点でアンモニアが好ましい。反応ガスの流量は材料の反応性と反応チャンバーの容量に応じて適宜調節される。例えば反応チャンバーの容量が1〜10Lの場合、反応ガスの流量は特に制限は無く、経済的な理由から1〜10000sccmが好ましい。
【0094】
CVD法又はALD法によりルテニウム含有薄膜を作製する際の基板温度は、熱、プラズマ、光などの使用の有無、反応ガスの種類などにより適宜選択される。例えば光やプラズマを併用することなく反応ガスとしてアンモニアを用いる場合には、基板温度に特に制限は無く、経済的な理由から200℃〜1000℃が好ましい。成膜速度が良好な点で300℃〜750℃が好ましく、350℃〜700℃が殊更好ましい。また、光やプラズマ、オゾン、過酸化水素などを適宜使用することで200℃以下の温度域でルテニウム含有薄膜を作製することが出来る。
【0095】
本発明の作製方法により得られるルテニウム含有薄膜としては、例えばルテニウム錯体を単独で用いた場合は、金属ルテニウム薄膜、酸化ルテニウム薄膜、窒化ルテニウム薄膜、酸窒化ルテニウム薄膜などが得られ、また他の金属材料と組み合わせて用いた場合は、ルテニウム含有複合薄膜が得られる。例えば、ストロンチウム材料と組み合わせて用いればSrRuO
3薄膜が得られる。ストロンチウム材料としては、例えば、ビス(ジピバロイルメタナト)ストロンチウム、ジエトキシストロンチウム、ビス(1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロ−2,4−ペンタンジオナト)ストロンチウムなどが挙げられる。また、CVD法又はALD法によりルテニウム含有複合薄膜を作製する場合において、ルテニウム錯体(1)と他の金属材料とを反応チャンバー内に別々に供給しても、混合してから供給しても良い。
【0096】
なお、ルテニウム錯体(1a)もルテニウム錯体(1)と同様にルテニウム含有薄膜とすることができる。
【0097】
本発明のルテニウム含有薄膜を構成部材として用いることで、記憶容量や応答性を向上させた高性能な半導体デバイスを製造することが出来る。半導体デバイスとしてはDRAM、FeRAM、ReRAMなどの半導体記憶装置や電界効果トランジスタなどを例示することが出来る。これらの構成部材としてはキャパシタ電極、ゲート電極、銅配線ライナーなどを例示することが出来る。