特許第6249970号(P6249970)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6249970
(24)【登録日】2017年12月1日
(45)【発行日】2017年12月20日
(54)【発明の名称】半導体装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/027 20060101AFI20171211BHJP
   G03F 7/20 20060101ALI20171211BHJP
   G03F 7/40 20060101ALI20171211BHJP
【FI】
   H01L21/30 570
   G03F7/20 521
   G03F7/40 511
【請求項の数】3
【全頁数】32
(21)【出願番号】特願2015-16406(P2015-16406)
(22)【出願日】2015年1月30日
(65)【公開番号】特開2016-143689(P2016-143689A)
(43)【公開日】2016年8月8日
【審査請求日】2015年11月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】八重樫 英民
【審査官】 田口 孝明
(56)【参考文献】
【文献】 特表2013−533611(JP,A)
【文献】 特開2014−072226(JP,A)
【文献】 特開2014−165271(JP,A)
【文献】 特開2012−033923(JP,A)
【文献】 特開2014−135417(JP,A)
【文献】 特開2014−056864(JP,A)
【文献】 特開2015−018874(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
IPC H01L 21/027、
G03F 7/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1Dレイアウトを用いてパターン形成対象膜に所望のパターンを形成する半導体装置の製造方法であって、
前記パターン形成対象膜上に、所定間隔のスペースを隔てて整列されたラインを含み、前記ラインの幅よりも前記スペースの幅が広いラインアンドスペース形状を有する芯材パターンを形成し、第1のカットマスクを用いて前記芯材パターンのラインの一部を分離することにより、第1のパターンにパターニングされた第1の膜を形成する第1のパターン形成工程と、
前記第1の膜側壁を覆うようにスペーサを形成することにより、ラインアンドスペース形状を有するスペーサパターンを形成する工程と、
第2のカットマスクを用いて、前記スペーサパターンのスペースの一部を分離することにより、第2のパターンにパターニングされたパターン形成対象膜を形成する第2のパターン形成工程と
を有し、
前記第1のカットマスクは、各々が同形の複数の開口部又は各々が同形の複数のブロックを有し、
前記第2のカットマスクは、各々が同形の複数の開口部又は各々が同形の複数のブロックを有する、
半導体装置の製造方法。
【請求項2】
前記第1のカットマスクは、各々が同形の複数の開口部を有し、
前記第2のカットマスクは、各々が同形の複数のブロックを有する、
請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項3】
前記第1のパターン形成工程は、
レジストパターンを形成する工程と、
前記レジストパターンに対して、シュリンク処理又はスリミング処理を行うことにより前記開口部又は前記ブロックを小さくした前記第1のカットマスクを形成する工程と
を含み、
前記第2のパターン形成工程は、
レジストパターンを形成する工程と、
前記レジストパターンに対して、シュリンク処理又はスリミング処理を行うことにより前記開口部又は前記ブロックを小さくした前記第2のカットマスクを形成する工程と
を含む、
請求項1又は2に記載の半導体装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置の高集積化に伴って、製造プロセスに要求される配線や分離幅のパターンは、微細化される傾向にある。このような微細なパターンは、フォトリソグラフィ技術を用いてレジストパターンを形成し、レジストパターンをマスクパターンに用いて下地の各種薄膜をエッチングすることで形成される(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
マスクパターンを形成するためには、フォトリソグラフィ技術が重要であり、スリミング処理の前後の微細化は、フォトリソグラフィ技術の解像限界以下を要求するまでに至っている。このようなフォトリソグラフィ技術の解像限界以下の微細なマスクパターンを形成する方法として、1次元(1D)レイアウトを用いる方法が知られている。
【0004】
1Dレイアウトを用いる方法は、等倍ピッチの繰り返しラインアンドスペース形状のライン又はスペースを任意の箇所でカットパターンを用いてカットするカット工程を有する。カットパターンとしては、複数の開口部又は複数の遮光部を有するパターンが用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2014−56864号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、10nmノード以細における1Dレイアウトを用いるパターン形成では、特にカットパターンの寸法・位置に高い精度が求められるが、寸法精度及び位置精度を高めることは困難である。
【0007】
そこで、本発明の一つの案では、1Dレイアウトを用いるパターン形成において求められるカットパターンの位置精度を緩和することが可能な半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、1Dレイアウトを用いてパターン形成対象膜に所望のパターンを形成する半導体装置の製造方法であって、前記パターン形成対象膜上に、所定間隔のスペースを隔てて整列されたラインを含み、前記ラインの幅よりも前記スペースの幅が広いラインアンドスペース形状を有する芯材パターンを形成し、第1のカットマスクを用いて前記芯材パターンのラインの一部を分離することにより、第1のパターンにパターニングされた第1の膜を形成する第1のパターン形成工程と、前記第1の膜側壁を覆うようにスペーサを形成することにより、ラインアンドスペース形状を有するスペーサパターンを形成する工程と、第2のカットマスクを用いて、前記スペーサパターンのスペースの一部を分離することにより、第2のパターンにパターニングされたパターン形成対象膜を形成する第2のパターン形成工程とを有し、前記第1のカットマスクは、各々が同形の複数の開口部又は各々が同形の複数のブロックを有し、前記第2のカットマスクは、各々が同形の複数の開口部又は各々が同形の複数のブロックを有する、半導体装置の製造方法が提供される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、1Dレイアウトを用いるパターン形成において求められるカットパターンの位置精度を緩和することが可能な半導体装置の製造方法を提供することを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の第1実施形態に係る半導体装置の製造方法を例示するフローチャートである。
図2】本発明の第1実施形態に係る半導体装置の製造方法の各工程を説明するための図(その1)である。
図3】本発明の第1実施形態に係る半導体装置の製造方法の各工程を説明するための図(その2)である。
図4】本発明の第1実施形態に係る半導体装置の製造方法の各工程を説明するための図(その3)である。
図5】本発明の第1実施形態に係る半導体装置の製造方法の各工程を説明するための図(その4)である。
図6】本発明の第1実施形態に係る半導体装置の製造方法の各工程を説明するための図(その5)である。
図7】本発明の第1実施形態に係る半導体装置の製造方法の各工程を説明するための図(その6)である。
図8】本発明の第1実施形態に係る半導体装置の製造方法の各工程を説明するための図(その7)である。
図9】本発明の第1実施形態に係る半導体装置の製造方法の各工程を説明するための図(その8)である。
図10】本発明の第1実施形態に係る半導体装置の製造方法の各工程を説明するための図(その9)である。
図11】本発明の第1実施形態に係る半導体装置の製造方法の各工程を説明するための図(その10)である。
図12】本発明の第1実施形態に係る半導体装置の製造方法の各工程を説明するための図(その11)である。
図13】本発明の第1実施形態に係る半導体装置の製造方法の各工程を説明するための図(その12)である。
図14】本発明の第1実施形態に係る半導体装置の製造方法の各工程を説明するための図(その13)である。
図15】本発明の第1実施形態に係る半導体装置の製造方法の各工程を説明するための図(その14)である。
図16】本発明の第1実施形態に係る半導体装置の製造方法の各工程を説明するための図(その15)である。
図17】本発明の第1実施形態に係る半導体装置の製造方法の各工程を説明するための図(その16)である。
図18】本発明の第1実施形態に係る半導体装置の製造方法の各工程を説明するための図(その17)である。
図19】従来の半導体装置の製造方法を例示するフローチャートである。
図20】従来の半導体装置の製造方法の各工程を説明するための図(その1)である。
図21】従来の半導体装置の製造方法の各工程を説明するための図(その2)である。
図22】従来の半導体装置の製造方法の各工程を説明するための図(その3)である。
図23】従来の半導体装置の製造方法の各工程を説明するための図(その4)である。
図24】従来の半導体装置の製造方法の各工程を説明するための図(その5)である。
図25】従来の半導体装置の製造方法の各工程を説明するための図(その6)である。
図26】従来の半導体装置の製造方法の各工程を説明するための図(その7)である。
図27】従来の半導体装置の製造方法の各工程を説明するための図(その8)である。
図28】従来の半導体装置の製造方法の各工程を説明するための図(その9)である。
図29】従来の半導体装置の製造方法の各工程を説明するための図(その10)である。
図30】従来の半導体装置の製造方法の各工程を説明するための図(その11)である。
図31】従来の半導体装置の製造方法の各工程を説明するための図(その12)である。
図32】従来の半導体装置の製造方法の各工程を説明するための図(その13)である。
図33】従来の半導体装置の製造方法の各工程を説明するための図(その14)である。
図34】従来の半導体装置の製造方法の各工程を説明するための図(その15)である。
図35】従来の半導体装置の製造方法の各工程を説明するための図(その16)である。
図36】従来の半導体装置の製造方法の各工程を説明するための図(その17)である。
図37】従来の半導体装置の製造方法の各工程を説明するための図(その18)である。
図38】従来の半導体装置の製造方法の各工程を説明するための図(その19)である。
図39】従来の半導体装置の製造方法の各工程を説明するための図(その20)である。
図40】従来のカットパターンに要求される位置精度について説明するための図である。
図41】本発明の第1実施形態のカットパターンに要求される位置精度について説明するための図である。
図42】従来のカットパターンの形状を例示する図である。
図43】本発明の第1実施形態のカットパターンの形状を例示する図である。
図44】カットマスクにおけるブロックのスリミング処理の前後の形状変化を説明するための図(その1)である。
図45】カットマスクにおけるブロックのスリミング処理の前後の形状変化を説明するための図(その2)である。
図46】本発明の第2実施形態に係る半導体装置の製造方法を例示するフローチャートである。
図47】本発明の第2実施形態に係る半導体装置の製造方法の各工程を説明するための図(その1)である。
図48】本発明の第2実施形態に係る半導体装置の製造方法の各工程を説明するための図(その2)である。
図49】本発明の第2実施形態に係る半導体装置の製造方法の各工程を説明するための図(その3)である。
図50】本発明の第2実施形態に係る半導体装置の製造方法の各工程を説明するための図(その4)である。
図51】本発明の第2実施形態に係る半導体装置の製造方法の各工程を説明するための図(その5)である。
図52】本発明の第2実施形態に係る半導体装置の製造方法の各工程を説明するための図(その6)である。
図53】本発明の第2実施形態に係る半導体装置の製造方法の各工程を説明するための図(その7)である。
図54】本発明の第2実施形態に係る半導体装置の製造方法の各工程を説明するための図(その8)である。
図55】本発明の第2実施形態に係る半導体装置の製造方法の各工程を説明するための図(その9)である。
図56】本発明の第3実施形態に係る半導体装置の製造方法を例示するフローチャートである。
図57】本発明の第3実施形態に係る半導体装置の製造方法の各工程を説明するための図(その1)である。
図58】本発明の第3実施形態に係る半導体装置の製造方法の各工程を説明するための図(その2)である。
図59】本発明の第3実施形態に係る半導体装置の製造方法の各工程を説明するための図(その3)である。
図60】本発明の第3実施形態に係る半導体装置の製造方法の各工程を説明するための図(その4)である。
図61】本発明の第3実施形態に係る半導体装置の製造方法の各工程を説明するための図(その5)である。
図62】本発明の第3実施形態に係る半導体装置の製造方法の各工程を説明するための図(その6)である。
図63】本発明の第3実施形態に係る半導体装置の製造方法の各工程を説明するための図(その7)である。
図64】本発明の第3実施形態に係る半導体装置の製造方法の各工程を説明するための図(その8)である。
図65】本発明の第3実施形態に係る半導体装置の製造方法の各工程を説明するための図(その9)である。
図66】本発明の第4実施形態に係る半導体装置の製造方法を例示するフローチャートである。
図67】本発明の第4実施形態に係る半導体装置の製造方法の各工程を説明するための図(その1)である。
図68】本発明の第4実施形態に係る半導体装置の製造方法の各工程を説明するための図(その2)である。
図69】本発明の第4実施形態に係る半導体装置の製造方法の各工程を説明するための図(その3)である。
図70】本発明の第4実施形態に係る半導体装置の製造方法の各工程を説明するための図(その4)である。
図71】本発明の第4実施形態に係る半導体装置の製造方法の各工程を説明するための図(その5)である。
図72】本発明の第4実施形態に係る半導体装置の製造方法の各工程を説明するための図(その6)である。
図73】本発明の第4実施形態に係る半導体装置の製造方法の各工程を説明するための図(その7)である。
図74】本発明の第5実施形態に係る半導体装置の製造方法を例示するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について添付の図面を参照しながら説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することによって重複した説明を省く。
【0012】
[第1実施形態]
(半導体装置の製造方法)
本発明の第1実施形態に係る半導体装置の製造方法について説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る半導体装置の製造方法を例示するフローチャートである。
【0013】
本発明の第1実施形態に係る半導体装置の製造方法は、第1のパターン形成工程と、スペーサ形成工程と、第2のパターン形成工程とを有し、第1のパターン形成工程と、スペーサ形成工程と、第2のパターン形成工程とをこの順で行うことを特徴とする。
【0014】
第1のパターン形成工程は、芯材パターンを形成する工程(ステップS101)、芯材パターンをスリミング処理する工程(ステップS102)、反射防止膜を形成する工程(ステップS103)、レジスト膜を形成する工程(ステップS104)、レジストパターンを形成する工程(ステップS105)、レジストパターンをシュリンク処理する工程(ステップS106)及び芯材パターンのラインをカットする工程(ステップS107)を含む。
【0015】
スペーサ形成工程は、スペーサを形成する工程(ステップS108)を含む。
【0016】
第2のパターン形成工程は、芯材パターンを露出させる工程(ステップS109)、反射防止膜を形成する工程(ステップS110)、レジスト膜を形成する工程(ステップS111)、レジストパターンを形成する工程(ステップS112)、レジストパターンをスリミング処理する工程(ステップS113)、反射防止膜を除去する工程(ステップS114)、芯材を除去する工程(ステップS115)、パターン形成対象膜をエッチングする工程(ステップS116)及びスペーサ・反射防止膜・レジスト膜を除去する工程(ステップS117)を含む。
【0017】
以下、各々の工程について説明する。図2から図18は、本発明の第1実施形態に係る半導体装置の製造方法の各工程を説明するための図である。図2から図18における(a)の図は各工程における半導体装置の平面図であり、図2から図18における(b)の図は(a)の図のB−B線断面図であり、図6から図18における(c)の図は(a)の図のC−C線断面図である。
【0018】
ステップS101では、芯材パターンを形成する。具体的には、まず、パターン形成対象膜11上に、例えばChemical Vapor Deposition(CVD、化学気層成長)により芯材12を形成する。芯材12は、第1の膜の一例である。その後、図2に示すように、例えば波長193nmのArFの露光及び現像により、所定間隔のスペースを隔てて整列されたラインを含むラインアンドスペース形状にパターニングされた芯材パターン12aを形成する。ラインアンドスペース形状の線幅/線間としては、例えば40nm/40nmとすることができる。パターン形成対象膜11としては、例えば有機膜を用いることができる。芯材12としては、例えばシリコン膜を用いることができる。
【0019】
ステップS102では、芯材パターンをスリミング処理する。具体的には、図3に示すように、エッチングにより、芯材パターン12aの線幅を細くする。スリミング処理後の芯材パターン12aのラインアンドスペース形状の線幅/線間としては、例えば20nm/60nmとすることができる。
【0020】
ステップS103では、反射防止膜を形成する。具体的には、図4に示すように、芯材パターン12aが形成されたパターン形成対象膜11上に、例えばスピン塗布により反射防止膜13を形成する。反射防止膜13としては、例えばSpin On Carbon(SOC)膜、アモルファスカーボン膜等の有機膜を用いることができる。
【0021】
ステップS104では、レジスト膜を形成する。具体的には、図5に示すように、反射防止膜13上にレジスト膜14を形成する。レジスト膜14の材料としては、例えば化学増幅型レジストを用いることができる。
【0022】
ステップS105では、レジストパターンを形成する。具体的には、図6に示すように、例えば波長193nmのArFの露光及び現像により、所定の位置に複数の開口部(以下「ホール14h」という。)を有するレジストパターン14aを形成する。ホール14hの形状としては、例えば矩形とすることができる。複数のホール14hの各々は、後述する図43に示すように、同一の形状(以下「同形」ともいう。)であることが好ましい。複数のホール14hの各々が同形であることが好ましい理由については後述する。
【0023】
ステップS106では、レジストパターンをシュリンク処理する。具体的には、図7に示すように、例えばシュリンク剤によりレジスト膜14に形成されたホール14hを小さくする。シュリンク処理後のホール14hの形状としては、芯材パターン12aをラインカットする位置を含む形状であれば特に限定されるものではない。
【0024】
ステップS107では、芯材パターンのラインをカットする。具体的には、図8に示すように、レジストパターン14aをマスクとして用いて、例えばReactive Ion Etching(RIE、反応性イオンエッチング)による異方性エッチングにより、ラインアンドスペース形状にパターニングされた芯材パターン12aのラインカットエッチングを行う。その後、残存している反射防止膜13及びレジスト膜14を除去する。
【0025】
以上のステップS101からステップS107により、一部が分離されたラインを含む第1のパターンを形成することができる。
【0026】
ステップS108では、スペーサを形成する。具体的には、図9に示すように、第1のパターンを有する芯材パターン12aが形成されたパターン形成対象膜11上に、例えばCVDにより芯材パターン12aの表面を覆うようにスペーサ15を形成する。スペーサ15は、第2の膜の一例である。スペーサ15としては、例えばシリコン酸化膜(SiO膜)を用いることができる。
【0027】
ステップS109では、芯材パターンを露出させる。具体的には、図10に示すように、例えばRIEによる異方性エッチングにより、芯材パターン12aが露出するまでスペーサ15をエッチングする。
【0028】
ステップS110では、反射防止膜を形成する。具体的には、図11に示すように、芯材パターン12a、スペーサ15が形成されたパターン形成対象膜11上に、例えばスピン塗布により反射防止膜16を形成する。反射防止膜16としては、例えばSOC膜、アモルファスカーボン膜等の有機膜を用いることができる。なお、反射防止膜16としては、ステップS103で用いられるものと同一であってもよく、異なるものであってもよい。
【0029】
ステップS111では、レジスト膜を形成する。具体的には、図12に示すように、反射防止膜16上にレジスト膜17を形成する。レジスト膜17の材料としては、例えば化学増幅型レジストを用いることができる。なお、レジスト膜17の材料としては、ステップS104で用いられる材料と同一の材料であってもよく、異なる材料であってもよい。
【0030】
ステップS112では、レジストパターンを形成する。具体的には、図13に示すように、例えば波長193nmのArFの露光及び現像により、所定の位置に複数の遮光部(以下「ブロック17b」という。)を有するレジストパターン17aを形成する。ブロック17bの形状としては、例えば矩形とすることができる。複数のブロック17bの各々は、同形であることが好ましい。複数のブロック17bの各々が同形であることが好ましい理由については後述する。
【0031】
ステップS113では、レジストパターンをスリミング処理する。具体的には、図14に示すように、例えば熱処理を行うことにより、レジストパターン17aのブロック17bを小さくする。スリミング処理後のブロック17bの形状としては、芯材パターン12aのスペースカットする位置を含む形状であれば特に限定されるものではない。
【0032】
ステップS114では、反射防止膜を除去する。具体的には、図15に示すように、レジストパターン17aをマスクとして用いて、例えばRIEによる異方性エッチングにより、反射防止膜16を除去する。
【0033】
ステップS115では、芯材を除去する。具体的には、図16に示すように、例えばRIEによる異方性エッチングにより、芯材12を除去する。
【0034】
ステップS116では、パターン形成対象膜をエッチングする。具体的には、図17に示すように、スペーサ15及びレジスト膜17をマスクとして用いて、例えばRIEによる異方性エッチングにより、パターン形成対象膜11をエッチングする。
【0035】
ステップS117では、スペーサ、反射防止膜及びレジスト膜を除去する。具体的には、図18に示すように、例えばRIEによる異方性エッチングにより、パターン形成対象膜11上に残存しているスペーサ15、反射防止膜16及びレジスト膜17を除去する。
【0036】
以上のステップS109からステップS117により、第2のパターンを形成することができる。
【0037】
また、本発明の第1実施形態に係る半導体装置の製造方法は、第2のパターンを反転して第3のパターンを形成する工程を更に含んでいてもよい。この場合、パターン形成対象膜11としては、少なくとも2層以上の膜(第1のパターン形成対象膜及び第2のパターン形成対象膜)を用いる。
【0038】
具体的には、第2のパターンが形成された第1のパターン形成対象膜のスペースを埋めるように、例えばアモルファスカーボン膜やシリコン膜からなるリバース膜を形成し、その後、ウェットエッチング等により、第1のパターン形成対象膜を除去する。
【0039】
次いで、残存するリバース膜を第2のパターンの反転パターンである第3のパターンのハードマスク膜とする。そして、ハードマスク膜をマスクとして、例えばRIEによる異方性エッチングにより、第2のパターン形成対象膜に第3のパターンを形成し、ハードマスク膜を除去する。これにより、第2のパターンの反転パターンである第3のパターンを形成することができる。
【0040】
(従来例)
本発明の第1実施形態に係る半導体装置の製造方法の比較のために、従来の半導体装置の製造方法について説明する。図19は、従来の半導体装置の製造方法を例示するフローチャートである。
【0041】
従来の半導体装置の製造方法は、スペーサ工程を行った後に、第1のパターン形成工程と、第2のパターン形成工程とをこの順に行う点で、本発明の第1実施形態に係る半導体装置の製造方法と相違する。
【0042】
スペーサ形成工程は、芯材パターンを形成する工程(S901)、芯材パターンをスリミング処理する工程(S902)及びスペーサを形成する工程(ステップS903)を含む。
【0043】
第1のパターン形成工程は、芯材パターンを露出させる工程(ステップS904)、芯材を除去する工程(ステップS905)、反射防止膜を形成する工程(ステップS906)、レジスト膜を形成する工程(ステップS907)、レジストパターンを形成する工程(ステップS908)、レジストパターンをスリミング処理する工程(ステップS909)、反射防止膜を除去する工程(ステップS910)、レジスト膜を除去する工程(S911)、パターン形成対象膜をエッチングする工程(ステップS912)及び反射防止膜・スペーサを除去する工程(S913)を含む。
【0044】
第2のパターン形成工程は、反射防止膜を形成する工程(ステップS914)、レジスト膜を形成する工程(ステップS915)、レジストパターンを形成する工程(ステップS916)、レジストパターンをスリミング処理する工程(ステップS917)、反射防止膜を除去する工程(S918)、レジスト膜を除去する工程(ステップS919)及び反射防止膜を面出しする工程(S920)を含む。
【0045】
以下、各々の工程について説明する。図20から図39は、従来の半導体装置の製造方法の各工程を説明するための図である。図20から図39における(a)の図は各工程における半導体装置の平面図であり、図20から図39における(b)の図は(a)の図のB−B線断面図であり、図27から図39における(c)の図は(a)の図のC−C線断面図である。また、図35から図39における(d)の図は(a)の図のD−D線断面図であり、(e)の図は(a)の図のE−E線断面図である。
【0046】
ステップS901では、芯材パターンを形成する。具体的には、図20に示すように、第1実施形態のステップS101と同様とすることができる。
【0047】
ステップS902では、芯材パターンをスリミング処理する。具体的には、図21に示すように、第1実施形態のステップS102と同様とすることができる。
【0048】
ステップS903では、スペーサを形成する。具体的には、図22に示すように、芯材パターン12aが形成されたパターン形成対象膜11上に、例えばCVDにより芯材パターン12aの表面を覆うようにスペーサ15を形成する。
【0049】
ステップS904では、芯材パターンを露出させる。具体的には、図23に示すように、例えばRIEによる異方性エッチングにより、芯材パターン12aが露出するまでスペーサ15をエッチングする。
【0050】
ステップS905では、芯材を除去する。具体的には、図24に示すように、例えばRIEによる異方性エッチングにより、芯材12を除去する。
【0051】
ステップS906では、反射防止膜を形成する。具体的には、図25に示すように、芯材パターン12aが形成されたパターン形成対象膜11上に、例えばスピン塗布により反射防止膜13を形成する。
【0052】
ステップS907では、レジスト膜を形成する。具体的には、図26に示すように、反射防止膜13上にレジスト膜14を形成する。
【0053】
ステップS908では、レジストパターンを形成する。具体的には、図27に示すように、例えば波長193nmのArFの露光及び現像により、所定の位置に複数のブロック14bを有するレジストパターン14aを形成する。
【0054】
ステップS909では、レジストパターンをスリミング処理する。具体的には、図28に示すように、例えば熱処理を行うことにより、レジスト膜14に形成されたブロック14bを小さくする。
【0055】
ステップS910では、反射防止膜を除去する。具体的には、図29に示すように、レジストパターン14aをマスクとして用いて、例えばRIEによる異方性エッチングにより、反射防止膜13を除去する。
【0056】
ステップS911では、レジスト膜を除去する。具体的には、図30に示すように、反射防止膜13上に残存しているレジスト膜14を除去する。
【0057】
ステップS912では、パターン形成対象膜をエッチングする。具体的には、図31に示すように、反射防止膜13及びスペーサ15をマスクとして用いて、例えばRIEによる異方性エッチングにより、パターン形成対象膜11をエッチングする。
【0058】
ステップS913では、反射防止膜・スペーサを除去する。具体的には、図32に示すように、例えばRIEによる異方性エッチングにより、パターン形成対象膜11上に残存している反射防止膜13及びスペーサ15を除去する。
【0059】
以上のステップS904からステップS913により、第1のパターンを形成することができる。
【0060】
ステップS914では、反射防止膜を形成する。具体的には、図33に示すように、第1のパターンが形成されたパターン形成対象膜11上に、例えばスピン塗布により反射防止膜16を形成する。
【0061】
ステップS915では、レジスト膜を形成する。具体的には、図34に示すように、反射防止膜16上にレジスト膜17を形成する。
【0062】
ステップS916では、レジストパターンを形成する。具体的には、図35に示すように、例えば波長193nmのArFの露光及び現像により、所定の位置に複数のブロック17bを有するレジストパターン17aを形成する。
【0063】
ステップS917では、レジストパターンをスリミング処理する。具体的には、図36に示すように、例えば熱処理を行うことにより、レジストパターン17aのブロック17bを小さくする。
【0064】
ステップS918では、反射防止膜を除去する。具体的には、図37に示すように、レジストパターン17aをマスクとして用いて、例えばRIEによる異方性エッチングにより、反射防止膜16を除去する。
【0065】
ステップS919では、レジスト膜を除去する。具体的には、図38に示すように、反射防止膜16上に残存しているレジスト膜17を除去する。
【0066】
ステップS920では、反射防止膜を面出しする。具体的には、図39に示すように、例えばRIEによる異方性エッチングにより、パターン形成対象膜11の表面から突出している反射防止膜16を除去する。
【0067】
以上のステップS914からステップS920により、第2のパターンを形成することができる。
【0068】
(作用・効果)
本発明の第1実施形態に係る半導体装置の製造方法の作用・効果について説明する。
【0069】
まず、カットパターンに要求される位置精度について説明する。図40は、従来のカットパターンに要求される位置精度について説明するための図である。図41は、本発明の第1実施形態のカットパターンに要求される位置精度について説明するための図である。
【0070】
具体的には、図40(a)及び(b)は、各々、従来の第1のパターン形成工程及び第2のパターン形成工程においてカットパターンに要求される位置精度について説明するための図である。図41(a)及び(b)は、各々、第1実施形態の第1のパターン形成工程及び第2のパターン形成工程においてカットパターンに要求される位置精度について説明するための図である。
【0071】
従来のパターン形成工程では、第1のパターンを形成する際に、所定の位置に複数のブロック14bを設けることにより、ラインアンドスペース形状を有するスペーサの線間であるスペースをカットする。このとき、カット対象ではないスペースをカットしないように、カットパターンのブロック14bの長さを決定する必要がある。例えば図40(a)に示すように、スペースにおける領域A,B及びCで示す部分をカットする場合、カットパターンのブロック14bが領域A,B及びCを含み、領域Aの左側のはみ出し部分が隣接するラインと重ならない20nm以内、領域Cの右側のはみ出し部分が隣接するラインと重ならない20nm以内の長さとなるようにカットパターンを決定する必要がある。また、例えばスペースにおける領域D及びEで示す部分をカットする場合、カットパターンのブロック14bが領域D及びEを含み、領域Dの左側のはみ出し部分が隣接するラインと重ならない20nm以内、領域Eの右側のはみ出し部分が隣接するラインと重ならない20nm以内の長さとなるようにカットパターンを決定する必要がある。
【0072】
また、従来のパターン形成工程では、第2のパターンを形成する際に、所定の位置に複数のブロック17bを設けることにより、第1のパターンを有するパターン形成対象膜11のスペースをカットする。このとき、カット対象ではないスペースをカットしないように、カットパターンのブロック17bの長さを決定する必要がある。例えば図40(b)に示すように、スペースにおける領域Fで示す部分をカットする場合、カットパターンのブロック17bが領域Fを含み、領域Fの左側のはみ出し部分が20nm以内、領域Fの右側のはみ出し部分が20nm以内の長さとなるようにカットパターンを決定する必要がある。
【0073】
これに対して、第1実施形態の第1のパターン形成工程では、第1のパターンを形成する際に、ラインアンドスペース形状を有する芯材12の線幅であるラインをカットする。このとき、カット対象ではないラインをカットしないように、カットパターンのホール14hの長さを決定する必要がある。例えば図41(a)に示すように、ラインにおける領域Gで示す部分をカットする場合、カットパターンのホール14hが領域Gを含み、領域Gの左側のはみ出し部分が隣接するラインと重ならない60nm以内の長さ、領域Gの右側のはみ出し部分が隣接するラインと重ならない60nm以内の長さとなるようにカットパターンを形成すればよい。すなわち、第1実施形態に係る半導体装置の製造方法によれば、第1実施形態の第1のパターン形成工程で用いられるカットパターンに要求される位置精度を、従来のパターン形成工程で用いられるカットパターンに要求される位置精度よりも緩和することができる。
【0074】
また、第1実施形態の第2のパターン形成工程では、第2のパターンを形成する際に、ラインアンドスペース形状を有するスペーサ15の線間であるスペースをカットする。このとき、カット対象ではないスペースをカットしないように、カットパターンのブロック17bの長さを決定する必要がある。例えば図41(b)に示すように、スペースにおける領域Hで示す部分をカットする場合、カットパターンのブロック17bが領域Hを含み、領域Hの左側のはみ出し部分が隣接するラインと重ならない60nm以内、領域Hの右側のはみ出し部分が隣接するラインと重ならない60nm以内の長さとなるようにカットパターンを形成すればよい。すなわち、第1実施形態に係る半導体装置の製造方法によれば、第1実施形態の第2のパターン形成工程で用いられるカットパターンに要求される位置精度を、従来のパターン形成工程で用いられるカットパターンに要求される位置精度よりも緩和することができる。
【0075】
次に、カットパターンの形状について説明する。図42は、従来のカットパターンの形状を例示する図である。図43は、本発明の第1実施形態のカットパターンの形状を例示する図である。
【0076】
具体的には、図42(a)及び(b)は、各々、従来の第1のパターン形成工程及び第2のパターン形成工程において用いられるカットパターンの形状を例示する図である。図43(a)及び(b)は、各々、本発明の第1実施形態の第1のパターン形成工程及び第2のパターン形成工程において用いられるカットパターンの形状を例示する図である。
【0077】
前述したように、従来の第1のパターン形成工程では、図42(a)に示すように、各々のブロック14bの形状が異なる(以下「異形」ともいう。)第1のカットマスク(レジストパターン)を用いる。また、従来の第2のパターン形成工程では、図42(b)に示すように、各々のブロック17bが異形である第2のカットマスク(レジストパターン)を用いる。
【0078】
これに対して、本発明の第1実施形態に係る第1のパターン形成工程では、図43(a)に示すように、各々のホール14hが同形であるカットマスクを用いることができる。また、本発明の第1実施形態に係るパターン形成工程では、図43(b)に示すように、各々のブロック17bが同形であるカットマスクを用いることができる。このため、マスクの設計が容易となる。
【0079】
次に、カットマスクにおけるブロックのスリミング処理の前後の形状変化について説明する。図44及び図45は、カットマスクにおけるブロックのスリミング処理の前後の形状変化を説明するための図である。具体的には、図44(a)及び(b)は、各々、幅40nm、長さ80nmのブロックをスリミング処理する前及び後の形状を示す図である。また、図45(a)及び(b)は、各々、幅40nm、長さ160nmのブロックをスリミング処理する前及び後の形状を示す図である。なお、図44(b)及び図45(b)における破線はスリミング処理前の形状を示し、実線はスリミング処理後の形状を示す。
【0080】
図44(a)に示す幅40nm、長さ80nmのブロックをスリミング処理する場合、ブロックの周辺部からブロックが均等に又は略均等に小さくなる。このため、スリミング処理を所定の時間行った後のブロックは、例えば図44(b)に示すように、幅20nm、長さ60nmとなる。すなわち、スリミング処理前の幅と長さとのアスペクト比が1:2であったブロックは、スリミング処理後にアスペクト比が1:3のブロックとなる。
【0081】
これに対して、図45(a)に示す幅40nm、長さ160nmのブロックをスリミング処理する場合、ブロックの周辺部からブロックが均等に又は略均等に小さくなる。このため、スリミング処理を所定の時間行った後のブロックは、例えば図45(b)に示すように、幅20nm、長さ140nmとなる。すなわち、スリミング処理前の幅と長さとのアスペクト比が1:4であったブロックは、スリミング処理後にアスペクト比が1:7のブロックとなる。
【0082】
すなわち、カットパターンに複数の異形のブロックが存在する場合、すなわち、従来のカットパターンの場合、ブロックの形状によってスリミング処理の前後のアスペクト比の変化に違いが生じる。このため、マスクの設計が複雑となる。
【0083】
これに対して、本発明の第1実施形態のカットパターンの場合、複数のブロックの各々が同形であるため、このような問題は生じない。このため、マスクの設計が容易となる。
【0084】
なお、カットマスクにおけるホールのシュリンク処理の前後の形状変化についても、ブロックの場合と同様である。
【0085】
以上に説明したように、本発明の第1実施形態に係る半導体装置の製造方法によれば、1Dレイアウトを用いるパターン形成において要求されるカットパターンの位置精度を緩和することができる。
【0086】
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態に係る半導体装置の製造方法について説明する。図46は、本発明の第2実施形態に係る半導体装置の製造方法を例示するフローチャートである。
【0087】
本発明の第2実施形態に係る半導体装置の製造方法は、第1実施形態と同様に、第1のパターン形成工程と、スペーサ形成工程と、第2のパターン形成工程とを有する。また、第1のパターン形成工程と、スペーサ形成工程と、第2のパターン形成工程とをこの順で行うことを特徴とする。
【0088】
本発明の第2実施形態に係る半導体装置の製造方法は、第2のパターン形成工程において、芯材パターンを露出させることなく反射防止膜を形成する点で、第1実施形態に係る半導体装置の製造方法と異なる。以下、第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0089】
第1のパターン形成工程は、芯材パターンを形成する工程(ステップS201)、芯材パターンをスリミング処理する工程(ステップS202)、反射防止膜を形成する工程(ステップS203)、レジスト膜を形成する工程(ステップS204)、レジストパターンを形成する工程(ステップS205)、レジストパターンをシュリンク処理する工程(ステップS206)及び芯材パターンのラインをカットする工程(ステップS207)を含む。なお、第2実施形態におけるステップS201、S202、S203、S204、S205、S206及びS207は、各々、第1実施形態におけるステップS101、S102、S103、S104、S105、S106及びS107に対応する。
【0090】
スペーサ形成工程は、スペーサを形成する工程(ステップS208)を含む。なお、第2実施形態におけるステップS208は、第1実施形態におけるステップS108に対応する。
【0091】
第2のパターン形成工程は、反射防止膜を形成する工程(ステップS209)、レジスト膜を形成する工程(ステップS210)、レジストパターンを形成する工程(ステップS211)、レジストパターンをスリミング処理する工程(ステップS212)、反射防止膜を除去する工程(ステップS213)、芯材パターンを露出させる工程(ステップS214)、芯材を除去する工程(ステップS215)、パターン形成対象膜をエッチングする工程(ステップS216)及びスペーサ・反射防止膜・レジスト膜を除去する工程(ステップS217)を含む。
【0092】
以下、各々の工程について説明する。図47から図55は、本発明の第2実施形態に係る半導体装置の製造方法の各工程を説明するための図である。図47から図55における(a)の図は各工程における半導体装置の平面図であり、(b)の図は(a)の図のB−B線断面図であり、(c)の図は(a)の図のC−C線断面図である。
【0093】
なお、以下の各々の工程において用いられる材料としては、例えば第1実施形態と同様の材料とすることができる。
【0094】
ステップS201からステップS207では、第1実施形態と同様、図2から図8に示すように、第1のパターンを形成する。
【0095】
ステップS208では、第1実施形態と同様、図9に示すように、スペーサ15を形成する。
【0096】
ステップS209では、反射防止膜を形成する。具体的には、図47に示すように、スペーサ15上に、例えばスピン塗布により反射防止膜16を形成する。
【0097】
ステップS210では、レジスト膜を形成する。具体的には、図48に示すように、反射防止膜16上にレジスト膜17を形成する。
【0098】
ステップS211では、レジストパターンを形成する。具体的には、図49に示すように、例えば波長193nmのArFの露光及び現像により、所定の位置に複数のブロック17bを有するレジストパターン17aを形成する。
【0099】
ステップS212では、レジストパターンをスリミング処理する。具体的には、図50に示すように、例えば熱処理を行うことにより、レジストパターン17aのブロック17bを小さくする。
【0100】
ステップS213では、反射防止膜を除去する。具体的には、図51に示すように、レジストパターン17aをマスクとして用いて、例えばRIEによる異方性エッチングにより、反射防止膜16を除去する。
【0101】
ステップS214では、芯材パターンを露出させる。具体的には、図52に示すように、芯材パターン12aが露出するまでスペーサ15をエッチングする。
【0102】
ステップS215では、芯材を除去する。具体的には、図53に示すように、例えばRIEによる異方性エッチングにより、芯材12を除去する。
【0103】
ステップS216では、パターン形成対象膜をエッチングする。具体的には、図54に示すように、レジスト膜17及びスペーサ15をマスクとして用いて、例えばRIEによる異方性エッチングにより、パターン形成対象膜11をエッチングする。
【0104】
ステップS217では、スペーサ、反射防止膜及びレジスト膜を除去する。具体的には、図55に示すように、例えばRIEによる異方性エッチングにより、パターン形成対象膜11上に残存しているスペーサ15、反射防止膜16及びレジスト膜17を除去する。
【0105】
以上のステップS209からステップS217により、第2のパターンを形成することができる。
【0106】
以上に説明したように、本発明の第2実施形態に係る半導体装置の製造方法によれば、第1実施形態と同様に、1Dレイアウトを用いるパターン形成において要求されるカットパターンの位置精度を緩和することができる。
【0107】
[第3実施形態]
本発明の第3実施形態に係る半導体装置の製造方法について説明する。図56は、本発明の第3実施形態に係る半導体装置の製造方法を例示するフローチャートである。
【0108】
本発明の第3実施形態に係る半導体装置の製造方法は、第1実施形態と同様に、第1のパターン形成工程と、スペーサ形成工程と、第2のパターン形成工程とを有する。また、第1のパターン形成工程と、スペーサ形成工程と、第2のパターン形成工程とをこの順で行うことを特徴とする。
【0109】
本発明の第3実施形態に係る半導体装置の製造方法は、第2のパターン形成工程において、反射防止膜を形成するまでに芯材を除去する点で、第1実施形態に係る半導体装置の製造方法と異なる。以下、第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0110】
第1のパターン形成工程は、芯材パターンを形成する工程(ステップS301)、芯材パターンをスリミング処理する工程(ステップS302)、反射防止膜を形成する工程(ステップS303)、レジスト膜を形成する工程(ステップS304)、レジストパターンを形成する工程(ステップS305)、レジストパターンをシュリンク処理する工程(ステップS306)及び芯材パターンのラインをカットする工程(ステップS307)を含む。なお、第3実施形態におけるステップS301、S302、S303、S304、S305、S306及びS307は、各々、第1実施形態におけるステップS101、S102、S103、S104、S105、S106及びS107に対応する。
【0111】
スペーサ形成工程は、スペーサを形成する工程(ステップS308)を含む。なお、第3実施形態におけるステップS308は、第1実施形態におけるステップS108に対応する。
【0112】
第2のパターン形成工程は、芯材パターンを露出させる工程(ステップS309)、芯材を除去する工程(S310)、反射防止膜を形成する工程(ステップS311)、レジスト膜を形成する工程(ステップS312)、レジストパターンを形成する工程(ステップS313)、レジストパターンをスリミング処理する工程(ステップS314)、反射防止膜を除去する工程(ステップS315)、パターン形成対象膜をエッチングする工程(ステップS316)及びスペーサ・反射防止膜・レジスト膜を除去する工程(ステップS317)を含む。
【0113】
以下、各々の工程について説明する。図57から図65は、本発明の第3実施形態に係る半導体装置の製造方法の各工程を説明するための図である。図57から図65における(a)の図は各工程における半導体装置の平面図であり、(b)の図は(a)の図のB−B線断面図であり、(c)の図は(a)の図のC−C線断面図である。
【0114】
なお、以下の各々の工程において用いられる材料としては、例えば第1実施形態と同様の材料とすることができる。
【0115】
ステップS301からステップS307では、第1実施形態と同様、図2から図8に示すように、第1のパターンを形成する。
【0116】
ステップS308では、第1実施形態と同様、図9に示すように、スペーサ15を形成する。
【0117】
ステップS309では、芯材パターンを露出させる。具体的には、図57に示すように、例えばRIEによる異方性エッチングにより、芯材パターン12aが露出するまでスペーサ15をエッチングする。
【0118】
ステップS310では、芯材を除去する。具体的には、図58に示すように、例えばRIEによる異方性エッチングにより、芯材12を除去する。
【0119】
ステップS311では、反射防止膜を形成する。具体的には、図59に示すように、スペーサ15が形成されたパターン形成対象膜11上に、例えばスピン塗布により反射防止膜16を形成する。
【0120】
ステップS312では、レジスト膜を形成する。具体的には、図60に示すように、反射防止膜16上にレジスト膜17を形成する。
【0121】
ステップS313では、レジストパターンを形成する。具体的には、図61に示すように、例えば波長193nmのArFの露光及び現像により、所定の位置に複数のブロック17bを有するレジストパターン17aを形成する。
【0122】
ステップS314では、レジストパターンをスリミング処理する。具体的には、図62に示すように、例えば熱処理を行うことにより、レジストパターン17aのブロック17bを小さくする。
【0123】
ステップS315では、反射防止膜を除去する。具体的には、図63に示すように、レジストパターン17aをマスクとして用いて、例えばRIEによる異方性エッチングにより、反射防止膜16を除去する。
【0124】
ステップS316では、パターン形成対象膜をエッチングする。具体的には、図64に示すように、スペーサ15及びレジスト膜17をマスクとして用いて、例えばRIEによる異方性エッチングにより、パターン形成対象膜11をエッチングする。
【0125】
ステップS317では、スペーサ、反射防止膜及びレジスト膜を除去する。具体的には、図65に示すように、例えばRIEによる異方性エッチングにより、パターン形成対象膜11上に残存しているスペーサ15、反射防止膜16及びレジスト膜17を除去する。
【0126】
以上のステップS309からステップS317により、第2のパターンを形成することができる。
【0127】
以上に説明したように、本発明の第3実施形態に係る半導体装置の製造方法によれば、第1実施形態と同様に、1Dレイアウトを用いるパターン形成において要求されるカットパターンの位置精度を緩和することができる。
【0128】
[第4実施形態]
本発明の第4実施形態に係る半導体装置の製造方法について説明する。図66は、本発明の第4実施形態に係る半導体装置の製造方法を例示するフローチャートである。
【0129】
本発明の第4実施形態に係る半導体装置の製造方法は、第1実施形態と同様に、第1のパターン形成工程と、スペーサ形成工程と、第2のパターン形成工程とを有する。また、第1のパターン形成工程と、スペーサ形成工程と、第2のパターン形成工程とをこの順で行うことを特徴とする。
【0130】
本発明の第4実施形態に係る半導体装置の製造方法は、第1のパターン形成工程において、予めホールを有する芯材を形成する点で、第1実施形態に係る半導体装置の製造方法と異なる。以下、第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0131】
第1のパターン形成工程は、芯材パターンを形成する工程(ステップS401)、芯材パターンをスリミング処理する工程(ステップS402)、レジスト膜を形成する工程(ステップS403)、レジストパターンを形成する工程(ステップS404)、レジストパターンをスリミング処理する工程(ステップS405)、芯材を除去する工程(S406)及びレジスト膜を除去する工程(ステップS407)を含む。
【0132】
スペーサ形成工程は、スペーサを形成する工程(ステップS408)を含む。なお、第4実施形態におけるステップS408は、第1実施形態におけるステップS108に対応する。
【0133】
第2のパターン形成工程は、芯材パターンを露出させる工程(ステップS409)、反射防止膜を形成する工程(ステップS410)、レジスト膜を形成する工程(ステップS411)、レジストパターンを形成する工程(ステップS412)、レジストパターンをスリミング処理する工程(ステップS413)、反射防止膜を除去する工程(ステップS414)、芯材を除去する工程(ステップS415)、パターン形成対象膜をエッチングする工程(ステップS416)及びスペーサ・反射防止膜・レジスト膜を除去する工程(ステップS417)を含む。なお、第4実施形態におけるステップS409、S410、S411、S412、S413、S414、S415、S416及びS417は、各々、第1実施形態におけるステップS109、S110、S111、S112、S113、S114、S115、S116及びS117に対応する。
【0134】
以下、各々の工程について説明する。図67から図73は、本発明の第4実施形態に係る半導体装置の製造方法の各工程を説明するための図である。図67から図73における(a)の図は各工程における半導体装置の平面図であり、(b)の図は(a)の図のB−B線断面図であり、(c)の図は(a)の図のC−C線断面図である。
【0135】
なお、以下の各々の工程において用いられる材料としては、例えば第1実施形態と同様の材料とすることができる。
【0136】
ステップS401では、芯材パターンを形成する。具体的には、まず、パターン形成対象膜11上に、例えばCVDにより芯材12を形成する。その後、図67に示すように、例えば波長193nmのArFの露光及び現像により、開口部12hを有する芯材パターン12aを形成する。
【0137】
ステップS402では、芯材パターンをシュリンク処理する。具体的には、図68に示すように、例えば原子層堆積(ALD:Atomic Layer deposition)によるSiO膜を形成することにより、芯材パターン12aの開口部12hを小さくする。
【0138】
ステップS403では、レジスト膜を形成する。具体的には、図69に示すように、芯材パターン12aが形成されたパターン形成対象膜11上にレジスト膜14を形成する。
【0139】
ステップS404では、レジストパターンを形成する。具体的には、図70に示すように、例えば波長193nmのArFの露光及び現像により、所定間隔のスペースを隔てて整列されたラインを含むラインアンドスペース形状にパターニングされたレジストパターン14aを形成する。ラインアンドスペース形状の線幅/線間としては、例えば40nm/40nmとすることができる。
【0140】
ステップS405では、レジストパターンをスリミング処理する。具体的には、図71に示すように、例えば熱処理を行うことにより、レジスト膜14に形成されたラインアンドスペース形状の線幅を細くする。スリミング処理後のラインアンドスペース形状の線幅/線間としては、例えば20nm/60nmとすることができる。
【0141】
ステップS406では、芯材を除去する。具体的には、図72に示すように、例えばレジストパターン14aをマスクとして用いて、RIEによる異方性エッチングにより、芯材12を除去する。
【0142】
ステップS407では、レジスト膜を除去する。具体的には、図73に示すように、パターン形成対象膜11上又は芯材12上に残存しているレジスト膜14を除去する。
【0143】
以上のステップS401からステップS407により、一部が分離されたラインを含む第1のパターンを形成することができる。
【0144】
ステップS408では、第1実施形態と同様、図9に示すように、スペーサ15を形成する。
【0145】
ステップS409からステップS417では、第1実施形態と同様、図10から図18に示すように、第2のパターンを形成することができる。
【0146】
以上に説明したように、本発明の第4実施形態に係る半導体装置の製造方法によれば、第1実施形態と同様に、1Dレイアウトを用いるパターン形成において要求されるカットパターンの位置精度を緩和することができる。
【0147】
[第5実施形態]
本発明の第5実施形態に係る半導体装置の製造方法について説明する。図74は、本発明の第5実施形態に係る半導体装置の製造方法を例示するフローチャートである。
【0148】
本発明の第5実施形態に係る半導体装置の製造方法は、第1実施形態と同様に、第1のパターン形成工程と、スペーサ形成工程と、第2のパターン形成工程とを有する。また、第1のパターン形成工程と、スペーサ形成工程と、第2のパターン形成工程とをこの順で行うことを特徴とする。
【0149】
本発明の第5実施形態に係る半導体装置の製造方法は、第1のパターン形成工程が第4実施形態の第1のパターン形成工程と同一であり、第2のパターン形成工程が第2実施形態の第2のパターン形成工程と同一である。
【0150】
第1のパターン形成工程は、芯材パターンを形成する工程(ステップS501)、芯材パターンをスリミング処理する工程(ステップS502)、レジスト膜を形成する工程(ステップS503)、レジストパターンを形成する工程(ステップS504)、レジストパターンをスリミング処理する工程(ステップS505)、芯材を除去する工程(S506)及びレジスト膜を除去する工程(ステップS507)を含む。なお、第5実施形態におけるステップS501、S502、S503、S504、S505、S506及びS507は、各々、第4実施形態におけるステップS401、S402、S403、S404、S405、S406及びS407に対応する。
【0151】
スペーサ形成工程は、スペーサを形成する工程(ステップS508)を含む。なお、第5実施形態におけるステップS508は、第1実施形態におけるステップS108に対応する。
【0152】
第2のパターン形成工程は、反射防止膜を形成する工程(ステップS509)、レジスト膜を形成する工程(ステップS510)、レジストパターンを形成する工程(ステップS511)、レジストパターンをスリミング処理する工程(ステップS512)、反射防止膜を除去する工程(ステップS513)、芯材パターンを露出させる工程(ステップS514)、芯材を除去する工程(ステップS515)、パターン形成対象膜をエッチングする工程(ステップS516)及びスペーサ・反射防止膜・レジスト膜を除去する工程(ステップS517)を含む。なお、第5実施形態におけるステップS509、S510、S511、S512、S513、S514、S515、S516及びS517は、各々、第2実施形態におけるステップS209、S210、S211、S212、S213、S214、S215、S216及びS217に対応する。
【0153】
以上に説明したように、本発明の第5実施形態に係る半導体装置の製造方法によれば、第1実施形態と同様に、1Dレイアウトを用いるパターン形成において要求されるカットパターンの位置精度を緩和することができる。
【0154】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0155】
11 パターン形成対象膜
12 芯材
12a 芯材パターン
13,16 反射防止膜
14,17 レジスト膜
14a,17a レジストパターン
15 スペーサ
図1
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