特許第6251207号(P6251207)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6251207
(24)【登録日】2017年12月1日
(45)【発行日】2017年12月20日
(54)【発明の名称】動作電力値推定装置および方法
(51)【国際特許分類】
   G01R 21/06 20060101AFI20171211BHJP
   G01R 21/00 20060101ALI20171211BHJP
   H02J 13/00 20060101ALI20171211BHJP
【FI】
   G01R21/06 F
   G01R21/00 P
   H02J13/00 301A
【請求項の数】6
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-31997(P2015-31997)
(22)【出願日】2015年2月20日
(65)【公開番号】特開2016-153759(P2016-153759A)
(43)【公開日】2016年8月25日
【審査請求日】2017年2月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004226
【氏名又は名称】日本電信電話株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石山 文彦
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 敏雄
(72)【発明者】
【氏名】井上 洋思
(72)【発明者】
【氏名】大山 孝
【審査官】 永井 皓喜
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−2905(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0039254(US,A1)
【文献】 特開2013−238523(JP,A)
【文献】 特開2002−199623(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 21/06
G01R 21/00
G01R 21/133
H02J 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
分電盤における電流波形から、その配下にある1または2以上の電気製品における動作電力値を推定する動作電力推定装置であって、
前記分電盤の配下の1または2以上の電気製品のぞれぞれについて、所定の時間周期ごとの電流波形をあらかじめ複数回測定する第1の測定手段と、
前記1または2以上の電気製品について、前記測定された複数の電流波形のうちで最も振幅を小さくする点を結んだ波形である基準電流波形を算出する基準電流波形算出手段と、
前記分電盤における電流波形を測定する第2の測定手段と、
前記1または2以上の電気製品の前記基準電流波形を複数の基底として、該複数の基底による一次結合が前記測定した分電盤における電流波形に内接するようにフィッティングすることにより、前記各電気製品の動作電力値を推定する推定手段とを備えたことを特徴とする動作電力値推定装置。
【請求項2】
前記基準電流波形算出手段は、前記第1の測定手段で測定された複数の電流波形の振幅を、電流波形の一次ノルムで割ることによって規格化した複数の電流波形のうちで最も振幅を小さくする点を結んだ波形である基準電流波形を算出することを特徴とする請求項1記載の動作電力値推定装置。
【請求項3】
前記基準電流波形算出手段は、前記第1の測定手段で測定された複数の電流波形の振幅を、電流波形に電圧波形を掛けあわせたもので割ることによって規格化した複数の電流波形のうちで最も振幅を小さくする点を結んだ波形である基準電流波形を算出することを特徴とする請求項1記載の動作電力値推定装置。
【請求項4】
分電盤における電流波形から、その配下にある1または2以上の電気製品における動作電力値を推定する動作電力推定方法であって、
前記分電盤の配下の1または2以上の電気製品のぞれぞれについて、所定の時間周期ごとの電流波形をあらかじめ複数回測定する第1の測定ステップと、
前記1または2以上の電気製品について、前記測定された複数の電流波形のうちで最も振幅を小さくする点を結んだ波形である基準電流波形を算出する基準電流波形算出ステップと、
前記分電盤における電流波形を測定する第2の測定ステップと、
前記1または2以上の電気製品の前記基準電流波形を複数の基底として、該複数の基底による一次結合が前記測定した分電盤における電流波形に内接するようにフィッティングすることにより、前記各電気製品の動作電力値を推定する推定ステップとを含むことを特徴とする動作電力値推定方法。
【請求項5】
前記基準電流波形算出ステップは、前記第1の測定ステップで測定された複数の電流波形の振幅を、電流波形の一次ノルムで割ることによって規格化した複数の電流波形のうちで最も振幅を小さくする点を結んだ波形である基準電流波形を算出することを特徴とする請求項4記載の動作電力値推定方法。
【請求項6】
前記基準電流波形算出ステップは、前記第1の測定ステップで測定された複数の電流波形の振幅を、電流波形に電圧波形を掛けあわせたもので割ることによって規格化した複数の電流波形のうちで最も振幅を小さくする点を結んだ波形である基準電流波形を算出することを特徴とする請求項4記載の動作電力値推定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電流波形形状の連続変動を伴う電気製品が分電盤配下に含まれる場合の、分電盤配下の各電気製品の動作電力値の推定を行う動作電力値推定装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、家庭の分電盤に設置した電流センサを用いて電流波形を測定し、測定した波形の形状から、家庭内で動作している電気製品の電力値を推定して表示するシステム(特許文献1)がある。
【0003】
この文献に記載のシステムにおいては、事前に推定対象の電気製品の電流波形測定を行い、システムのデータベースに登録する必要がある。従来のシステムでは、電力値が常に一定の値をとり変動しないか、または電力値がとる一定の値が複数あって、それらの値の間で電力値が遷移することを前提としている。また、電流波形の形状も常に一定であることを前提としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013−238523号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、例えばエアコン、冷蔵庫、テレビなどの電気機器では、出力レベルが経時的に変動し、それに伴い電流波形形状が変化してしまう。したがって、電流波形形状に連続変動のある電気製品が含まれる場合に各電気製品の電力値を推定しようとすると、データベースに登録された電流波形と一致した瞬間以外はデータベースに存在しない電流波形を用いて電力値を推定することになることから、正しい電力値推定が難しくなるという問題があった。
【0006】
本発明は上記従来の課題に鑑みてなされたものであって、本発明の課題は、電流波形形状に連続変動のある電気製品が含まれる場合であっても、各電気製品の電力値推定ができる動作電力値推定装置および方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、一実施形態に記載の発明は、分電盤における電流波形から、その配下にある1または2以上の電気製品における動作電力値を推定する動作電力推定装置であって、前記分電盤の配下の1または2以上の電気製品のぞれぞれについて、所定の時間周期ごとの電流波形をあらかじめ複数回測定する第1の測定手段と、前記1または2以上の電気製品について、前記測定された複数の電流波形のうちで最も振幅を小さくする点を結んだ波形である基準電流波形を算出する基準電流波形算出手段と、前記分電盤における電流波形を測定する第2の測定手段と、前記1または2以上の電気製品の前記基準電流波形を複数の基底として、該複数の基底による一次結合が前記測定した分電盤における電流波形に内接するようにフィッティングすることにより、前記各電気製品の動作電力値を推定する推定手段とを備えたことを特徴とする動作電力値推定装置である。
【0008】
他の実施形態に記載の発明は、分電盤における電流波形から、その配下にある1または2以上の電気製品における動作電力値を推定する動作電力推定方法であって、前記分電盤の配下の1または2以上の電気製品のぞれぞれについて、所定の時間周期ごとの電流波形をあらかじめ複数回測定する第1の測定ステップと、前記1または2以上の電気製品について、前記測定された複数の電流波形のうちで最も振幅を小さくする点を結んだ波形である基準電流波形を算出する基準電流波形算出ステップと、前記分電盤における電流波形を測定する第2の測定ステップと、前記1または2以上の電気製品の前記基準電流波形を複数の基底として、該複数の基底による一次結合が前記測定した分電盤における電流波形に内接するようにフィッティングすることにより、前記各電気製品の動作電力値を推定する推定ステップとを含むことを特徴とする動作電力値推定方法である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】分電盤に取り付けた第1の実施形態の動作電力値推定装置の概略構成を示す図である。
図2】電気製品1、2における電力値と測定電流の時間変動を示す図である。
図3】電気製品1、2の規格化電流波形Qm、n(t)および基準電流波形Qm(t)を示す図である。
図4】電気製品1のみの電流波形に対してフィッティングを実行した例を示す図である。
図5】電気製品1、2の合成電流波形に対するフィッティングの様子を示す図である。
図6】分電盤に取り付けた第2の実施形態の動作電力値推定装置の概略構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
【0011】
本発明では、分電盤配下の電気製品の電気製品ごとの電流波形を複数回取得して、規格化し、複数の規格化した電流波形のうち、最も振幅を小さくする点をつないだラインを取ることによって電気製品ごとの基準電流波形を算出し、データベースに蓄積する。この算出した基準電流波形は、電力値および測定電流の時間変動を考慮したものとなっている。さらに、データベースに蓄積された基準電流波形を重ね合わせたものを基底として分電盤で測定した電流波形に内接するようにフィッティングを行い、電力値を算出する。この構成によって、電流波形形状に連続変動のある電気製品が含まれる場合であっても、各電気製品の電力値推定を可能にする。電気製品の動作状態を正しく識別し、正確な電力値を表示できる。
【0012】
(第1の実施形態)
図1は、分電盤に取り付けた第1の実施形態の動作電力値推定装置の概略構成を示す図である。本実施形態の動作電力値推定装置10は、図1に示すように、電気製品20に接続された電力線22と分電盤21とに取り付けられている。動作電力値推定装置10は、電気製品の電流波形を測定する第1の測定部1と、測定した電流波形を蓄積する蓄積部2と、蓄積した電流波形を規格化する規格化部3と、規格化した電流波形から家電製品の基準電流波形を算出する基準電流波形算出部4と、基準電流波形を保存するデータベース部5と、分電盤の電流波形を測定する第2の測定部6と、基準電流波形および分電盤の電流波形から電力値を算出する電力値算出部7と、算出した電力値を出力する出力部8とを備えて構成されている。第1の測定部1および第2の測定部6以外の構成は、必ずしも分電盤21の付近に設ける必要はなく、ネットワークに接続されたサーバ内に設けてもよい。なお、図1に示す構成では、電気製品20は1つのみが図示されているが、電気製品20は、複数接続されていてもよい。
【0013】
第1の測定部1は、動作電力推定対象の電気製品20の電流波形を測定する。第1の測定部1は、1つの電気製品20に接続され、その電気製品20の基準電流波形を算出することができる。蓄積部2は、第1の測定部1で測定した電気製品ごとの複数の電流波形を蓄積する。本実施形態では、動作電力推定対象の電気製品がM個あり、それぞれの電気製品についてN回の電流波形測定を行うものとする。そのm番目の電気製品のn番目の電流波形をIm、n(t)で表し、tは区間[0、T]で1周期の電流波形となるものとする。
【0014】
図2は、電気製品1、2における電力値と測定電流の時間変動を示す図である。図2(a)、(c)は、電気製品1と電気製品2とにおける電力値の分単位で2〜3時間程度の周期の時間変動をそれぞれ示している。どちらの機器でも電力値が連続に変動していることが読み取れる。図2(b)、(d)は、それぞれの電気製品において商用電源の一周期程度の短い適当な時間の周期T=20msで電流波形を測定したものを、重ねあわせてプロットしたものである。図2(b)、(d)は、Im、n(t)に相当し、適当な時間間隔Tの電流波形が示されている。図2(b)、(d)から、適当な時間周期で振幅が繰り返される電流波形の形状は一定していないことが読み取れる。
【0015】
本実施形態では、図2に示すように、電力値および測定電流の時間変動を考慮した基準電流波形を算出し、算出された基準電流波形を用いて電気製品の動作電力値の推定を行うことにより、電流波形形状に連続変動のある電気製品が含まれる場合であっても、各電気製品の電力値推定を可能としている。
【0016】
規格化部3は、分電盤配下の各電気製品について、それぞれの電流波形Im、n(t)を規格化した規格化電流波形Qm、n(t)を算出する。規格化の係数は、電流波形Im、n(t)の一次ノルムを用いる。すなわち、m番目の電気製品のn番目の規格化電流波形Qm、n(t)は、下記の(式1)に基づいて算出できる。
【0017】
【数1】
【0018】
基準電流波形算出部4は、規格化電流波形Qm、n(t)を用いて基準電流波形Qm(t)を算出する。基準電流波形Qm(t)の算出は、まず、規格化電流波形Qm、n(t)の各tについて、最大値を取る関数
【0019】
【数2】
【0020】
と、最小値を取る関数
【0021】
【数3】
【0022】
とを用意する。これらの関数を用い、下記の(式2)に基づいて基準電流波形Qm(t)を算出する。
【0023】
【数4】
【0024】
このように、基準電流波形Qm(t)は、電力値および測定電流の時間変動を考慮して算出することができる。
【0025】
図3は、電気製品1、2の規格化電流波形Qm、n(t)および基準電流波形Qm(t)を示す図である。図3(a)、(c)は、電気製品1と電気製品2との規格化電流波形Qm、n(t)を重ねあわせてプロットしたものであり、図2(b)、(d)に示された電気製品1と電気製品2との電流波形Im、n(t)を規格化したものである。
【0026】
図3(b)、(d)は、それぞれの電気製品の基準電流波形Qm(t)をプロットしたものである。基準電流波形Qm(t)は、図3(a)、(c)に示した、重ね合わされた規格化電流波形Qm、n(t)のうち、最も振幅を小さくする点を結んだ波形となっている。なお、規格化は、基準電流波形Qm(t)の算出を容易にするためのものであり、必須の構成ではない。
【0027】
第1の測定部1と、蓄積部2と、規格化部3と、基準電流波形算出部4とは、初期設定部11として構成され、初期設定時に電気製品の電流波形を測定するとき以外は動作電力値推定装置10本体から取り外すことができるように構成してよい。
【0028】
データベース部5は、各電気製品について電力値および測定電流の時間変動を考慮して算出した基準電流波形Qm(t)を保存する。
【0029】
分電盤電流測定部6は、分電盤21における電流波形P(t)を測定する。
【0030】
電力値算出部7は、データベース部5に保存されている、電力値および測定電流の時間変動を考慮して算出された基準電流波形Qm(t)を用い、分電盤で測定された電流波形P(t)にフィッティングして電気製品の動作電力値の推定を行う。
【0031】
ここでまず、分電盤で測定された電流波形P(t)へのフィッティングを説明する前に、本手法によるフィッティングを説明するため、単一の電気製品についてのフィッティングによる動作電力値の推定を説明する。図4は、電気製品1のみの電流波形に対してフィッティングを実行した例を示したものである。図4(a)は電気製品1の電力値の分単位での時間変動を示し、(b)は(a)の一部分の拡大を示したものである。部分拡大したもののうち、3点をピックアップし、その瞬間における電気製品1の基準電流波形Qm(t)をフィッティングした様子を図4(c)、(d)、(e)に示している。
【0032】
図4(c)、(d)、(e)において、実線で示したものが電気製品1の各時点における測定された電流波形であり、点線で示したものがフィッティングした波形である。フィッティングは、電気製品1の測定した電流波形に基準電流波形Qm(t)が内接するようにおこなう。ピックアップした3点において実際に測定した値はそれぞれ、409W、274W、157Wであるのに対し、電力推定した値はそれぞれ、421W、279W、160Wであった。電力推定した値は、基準電流波形Qm(t)を用いて求めた電力値である。電気製品1の実際の電流波形形状は、3点において互いに異なるにもかかわらず、極めてよい精度で電力値推定が実現されていることが判る。この3点における電力値推定の最大誤差は約3%であった。
【0033】
次に、分電盤で測定された電流波形P(t)に対するフィッティングによる動作電力値の推定について説明する。まず、基準電流波形Qm(t)を用いた推定電力値の算出について説明する。基準電流波形Qm(t)を用いて、下記の(式3)により電力値換算用の係数Rmを算出する。
【0034】
【数5】
【0035】
ここで、m番目の電気製品の電力値係数をamとし、さらに下記(式4)に示す補助関数を導入する。
【0036】
【数6】
【0037】
分電盤電流波形へのフィッティングは、以下の条件式
【0038】
【数7】
【0039】
を、任意のmと任意のにおいて満たす条件の元に、
【0040】
【数8】
【0041】
を満たす電力値係数をamを算出することによって行う。数値計算は、制約条件付き最小二乗法等を用いればよい。算出されたamを用い、m番目の電気製品の電力値をamRmと算出する。
【0042】
出力部8は、電力値算出部7で算出された電気製品の電力値を出力する。
【0043】
図5は、分電盤で測定した電流波形である電気製品1と電気製品2との電流波形の合成波形に対するフィッティングの様子を示したものである。図5(a)は、電気製品1、2の電流波形の波形形状を示したものであり、図5(b)は、分電盤で測定された電流波形P(t)を実線で示し、電気製品1、2の基準電流波形Qm(t)を波形を合成してフィッティングしたものを点線で示している。フィッティングは、2つの基準電流波形Qm(t)を基底としてこれら2つの基底を一次結合した波形を分電盤で測定された電流波形に内接させることにより行う。図5(b)の実線は電気製品1、2の電流波形を合成したものに等しい。図5(b)の点線は、上記フィッティング計算によって算出されたamを用いて、
【0044】
【数9】
【0045】
をプロットしたものに等しい。また、この時の電気製品1、2の電力値は、実際の値が245W、52Wであるのに対し、推定した値は249W、53Wであった。このように、分電盤で測定される合成電流波形においても、極めて良い精度で電力値推定が実現されていることが判る。この事例における誤差は約2%である。
【0046】
以上説明したように本実施形態の動作電力値推定装置によれば、電流波形形状に連続変動のある電気製品が含まれる場合であっても、各電気製品の電力値推定ができる。
【0047】
本実施形態では、規格化の係数として電流波形Im、n(t)の一次ノルムを用いていたが、これに代えて、電流波形Im、n(t)に電圧波形V(t)を掛けあわせたものを規格化の係数として用いてもよい。すなわち、m番目の電気製品のn番目の規格化電流波形Qm、n(t)を、
【0048】
【数10】
【0049】
として算出してもよい。この場合、電力値換算用の係数Rmは、Rm=1として算出する。すなわち、任意のmと任意のtにおいて満たす条件の元に、
【0050】
【数11】
【0051】
を満たす電力係数amがm番目の電気製品の電力値として算出される。
【0052】
(第2の実施形態)
図6は分電盤に取り付けた第2の実施形態の動作電力値推定装置の概略構成を示す図である。本実施形態の動作電力値推定装置12では、第2の測定部6が電気製品の電流波形を測定する第1の測定部1の機能を兼ねている点で第1の実施形態の動作電力値推定装置10と構成が異なる。ここでは、第1の実施形態と異なる構成のみ説明することとし、第1の実施形態と同様の構成はその説明を省略する。
【0053】
動作電力値推定装置12は、初期設定時に分電盤21に接続された第2の測定部6を用いて個々の電気製品の電流波形を測定する。測定した電流波形は蓄積部2に蓄積される。第2の実施形態では、分電盤21に接続されている複数の電気製品20のうち、対象となる1つの電気製品20のみを動作させて、動作電力値推定装置12が、電流波形の測定および基準電流波形の算出、データベース部5への保存を行う。
【0054】
この実施形態の動作電力値推定装置によれば、より簡易な構成で第1の実施形態と同様に電流波形形状に連続変動のある電気製品が含まれる場合であっても、各電気製品の電力値推定ができる。
【符号の説明】
【0055】
1 第1の測定部
2 蓄積部
3 規格化部
4 基準電流波形算出部
5 データベース部
6 第2の測定部
7 電力値算出部
8 出力部
10、12 動作電力値推定装置
20 電気製品
22 電力線
21 分電盤
図1
図2
図3
図4
図5
図6