特許第6251647号(P6251647)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6251647
(24)【登録日】2017年12月1日
(45)【発行日】2017年12月20日
(54)【発明の名称】マスク検査装置及びマスク検査方法
(51)【国際特許分類】
   G03F 1/84 20120101AFI20171211BHJP
   G01N 21/956 20060101ALI20171211BHJP
【FI】
   G03F1/84
   G01N21/956 A
【請求項の数】10
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2014-145114(P2014-145114)
(22)【出願日】2014年7月15日
(65)【公開番号】特開2016-21004(P2016-21004A)
(43)【公開日】2016年2月4日
【審査請求日】2017年1月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】504162958
【氏名又は名称】株式会社ニューフレアテクノロジー
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100189913
【弁理士】
【氏名又は名称】鵜飼 健
(74)【代理人】
【識別番号】100120569
【弁理士】
【氏名又は名称】大阿久 敦子
(72)【発明者】
【氏名】井上 貴文
【審査官】 赤尾 隼人
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−071893(JP,A)
【文献】 特開2009−222626(JP,A)
【文献】 特開2007−102153(JP,A)
【文献】 特開2007−072232(JP,A)
【文献】 特開2010−112766(JP,A)
【文献】 特開2005−049611(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03F 1/00−1/86
G01N 21/84−21/958
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マスクに光を照射して前記マスクに形成されたパターンの欠陥を検査するマスク検査装置であって、
前記マスクに光を照射して光学画像を取得する光学画像取得部と、
前記マスクの設計データから、検査条件を推定して参照画像を生成する参照画像生成部と、
前記光学画像と前記参照画像を、オフラインで比較するオフライン比較部とを備え、
前記オフライン比較部は、前記参照画像を格納する参照画像領域と、前記光学画像を格納する光学画像領域と、前記格納された参照画像と前記格納された光学画像をオフラインで比較する比較部と、前記オフラインでの比較の前に、前記格納された参照画像と前記格納された光学画像の所定の検索領域での差分を求め、前記差分がある閾値より大きい場合には、前記差分に応じて前記検査条件を再設定する検査条件再設定部を有することを特徴とするマスク検査装置。
【請求項2】
前記検査条件の推定は、参照画像学習・作成推定であることを特徴とする請求項1に記載のマスク検査装置。
【請求項3】
前記所定の検索領域は、検査領域がある一定の領域に到達したときの特定領域であり、前記特定領域での前記差分が前記ある閾値より大きい場合は欠陥とし、また、前記欠陥の数がある閾値より大きいときに、前記参照画像学習・作成推定に所定のポイントを加えることを特徴とする請求項2に記載のマスク検査装置。
【請求項4】
前記特定領域での差分は、前記検索領域の斜めパターン混在、縦横パターン混在、縦又は横パターンのみ、の順番での優先順位で求めたものであることを特徴とする請求項3に記載のマスク検査装置。
【請求項5】
前記オフライン比較部は、前記格納された参照画像と前記格納された光学画像から、各パターンのCD寸法を確認するCD寸法確認部と、前記確認されたCD寸法に応じて、前記各パターンの前記比較の閾値を決定する欠陥判定閾値決定部を有することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のマスク検査装置。
【請求項6】
前記オフライン比較部は、前記格納された参照画像と前記格納された光学画像が、ある一定領域に達したときに、前記比較部での比較を実行させるパイプライン実行部を有することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のマスク検査装置。
【請求項7】
前記参照画像生成部では、前記光学画像の取得時に、前記参照画像を離散的に生成し、前記離散的に生成された参照画像と前記光学画像をリアルタイムで比較するリアルタイム比較部を有することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のマスク検査装置。
【請求項8】
前記離散的に生成された参照画像の作成状況を、一定間隔で確認し、前記作成状況に応じて、前記参照画像の作成領域を管理する参照画像管理部を有することを特徴とする請求項7に記載のマスク検査装置。
【請求項9】
前記照射された光の光量を測定する光量センサと、前記測定された光量の低下量が、ある閾値より大きい場合に、前記検査を中止する光量監視部を有することを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載のマスク検査装置。
【請求項10】
マスクに光を照射して前記マスクに形成されたパターンの欠陥を検査するマスク検査方法であって、
前記マスクに光を照射して取得した光学画像を格納し、前記マスクの設計データから、検査条件を推定して生成した参照画像を格納するステップと、
前記格納された参照画像と前記格納された光学画像から、所定の検索領域での差分を求め、前記差分がある閾値より大きい場合には、前記差分に応じて前記検査条件を再設定するステップと、
前記格納された参照画像と前記格納された光学画像をオフラインで比較し、欠陥を判定するステップとを含むことを特徴とするマスク検査方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マスク検査装置及びマスク検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
大規模集積回路(Large Scale Integration; LSI)の高集積化及び大容量化に伴い、半導体素子に要求される回路寸法は微細化の一途を辿っている。そして、半導体素子においては、回路パターンが形成された原画パターン(マスクまたはレチクルを指す。以下では、マスクと総称する。)を用い、いわゆるステッパまたはスキャナと呼ばれる縮小投影露光装置でウェハ上にパターンを露光転写して回路形成することにより製造されている。
【0003】
多大な製造コストのかかるLSIの製造にとって、歩留まりの向上は欠かせない。一方、最先端のデバイスでは、十数nmの線幅のパターン形成が要求される状況となってきている。ここで、歩留まりを低下させる大きな要因として、マスクパターンの欠陥が挙げられる。半導体ウェハ上に形成されるLSIパターン寸法の微細化に伴い、マスクパターンの欠陥も微細化している。
【0004】
また、マスクの寸法精度を高めることで、プロセス諸条件の変動を吸収しようとしてきたこともあり、マスク検査においては、極めて小さなパターンの欠陥を検出することが必要になっている。こうしたことから、マスクのパターンを検査するマスク検査装置に対して高い検査精度が要求されている。
【0005】
マスク検査装置では、光源から出射された光が光学系を介してマスクに照射される。マスクはステージの上に保持され載置されており、ステージが移動することによって、照射された光がマスクの上を走査する。マスクを透過あるいは反射した光は、レンズを介してセンサに結像する。そして、センサで撮像された光学画像を基に、マスクの欠陥検査が行われる。
【0006】
マスク検査装置におけるマスク検査方法としては、ダイ−ダイ比較(Die-to-Die)検査方法と、ダイ−データベース(Die-to-Database)比較検査方法とが知られている。ダイ−ダイ比較検査方法は、異なる位置にある同一パターンの光学画像同士を比較する方法である。一方、ダイ−データベース検査方法は、マスク作成時に使用した設計データから生成される参照画像と、実際のマスクパターンの光学画像とを比較する方法である。
【0007】
光学画像を生成するために、電荷蓄積型のTDI(Time Delay Integration)センサと、このTDIセンサの出力を増幅するセンサアンプとが用いられている。透過光で検査する場合においては、例えば、ハーフトーン型位相シフトマスクは遮光膜とガラス基板のコントラストがある程度得られるため、クロムマスクと同様に検出光学系で受光したセンサ画像の光強度信号でマスクパターンを認識して欠陥判定を行う手法を採用している。
【0008】
欠陥の形状によっては、マスク面の反射光を利用する方がコントラストを得やすい場合があり、異物検査機能などの用途で反射検査光学系を用いた検査方法もある。また、マスク厚のばらつきによる透過照明光の焦点ズレを容易に補正することにより、検出感度の高い欠陥検査を行う手法を採用している。
【0009】
上記のダイ−データベース比較検査において、パターンの微細化とともに設計データの大容量化が進んでおり、リアルタイムに設計データから参照画像データを生成することが困難となっている。
【0010】
すなわち、ダイ−データベース比較検査を実施するためには、膨大なデータ容量を高速に処理しなければならず、参照画像生成を、光学画像取得のためのスキャン速度に合わせることが困難となっている。
【0011】
一方、ストレージにおいては、大容量化が進んでおり大容量のデータを保管することは可能となっている。そのため、リアルタイムに参照画像と光学画像を比較するという方法ではなく、検査領域全面の光学画像を採取して、オフラインで採取した光学画像と参照画像を比較する全画像採取検査が開示されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2010−071893号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
ダイ−データベース比較検査をリアルタイムに実施するためには、膨大なデータ容量を高速に処理しなければならず、参照画像生成を、光学画像取得のためのスキャン速度に合わせることが困難となっている。しかし、ストレージの大容量化が進み大容量のデータを保管することは容易となっている。
【0014】
上記のとおりリアルタイムに参照画像と光学画像を比較するという方法ではなく、検査領域全面の光学画像を採取して、オフラインで採取した光学画像と参照画像を比較する全画像採取検査が開示されている。そこで、この全画像採取検査方法において、センサ像、つまり光学画像が先に採取されている点を生かすことが考えられる。
【0015】
本発明は、こうした点に鑑みてなされたものであり、全画像採取検査方法において、先に採取されている光学画像を用いて、精度の高い参照画像を生成し、ダイ−データベース比較検査の検査精度の向上を図ることができるマスク検査装置及びマスク検査方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の第1の態様は、マスクに光を照射して前記マスクに形成されたパターンの欠陥を検査するマスク検査装置であって、前記マスクに光を照射して光学画像を取得する光学画像取得部と、前記マスクの設計データから、検査条件を推定して参照画像を生成する参照画像生成部と、前記光学画像と前記参照画像を、オフラインで比較するオフライン比較部とを備え、前記オフライン比較部は、前記参照画像を格納する参照画像領域と、前記光学画像を格納する光学画像領域と、前記格納された参照画像と前記格納された光学画像をオフラインで比較する比較部と、前記オフラインでの比較の前に、前記格納された参照画像と前記格納された光学画像の所定の検索領域での差分を求め、前記差分がある閾値より大きい場合には、前記差分に応じて前記検査条件を再設定する検査条件再設定部を有することを特徴とするものである。
【0017】
本発明の第1の態様において、前記検査条件の推定は、参照画像学習・作成推定であることが好ましい。
【0018】
本発明の第1の態様において、前記所定の検索領域は、検査領域がある一定の領域に到達したときの特定領域であり、前記特定領域での前記差分が前記ある閾値より大きい場合は欠陥とし、また、前記欠陥の数がある閾値より大きいときに、前記参照画像学習・作成推定に所定のポイントを加えることが好ましい。
【0019】
本発明の第1の態様において、前記特定領域での差分は、前記検索領域の斜めパターン混在、縦横パターン混在、縦又は横パターンのみ、の順番での優先順位で求めたものであることが好ましい。
【0020】
本発明の第1の態様において、前記オフライン比較部は、前記格納された参照画像と前記格納された光学画像から、各パターンのCD寸法を確認するCD寸法確認部と、前記確認されたCD寸法に応じて、前記各パターンの前記比較の閾値を決定する欠陥判定閾値決定部を有することが好ましい。
【0021】
本発明の第1の態様において、前記オフライン比較部は、前記格納された参照画像と前記格納された光学画像が、ある一定領域に達したときに、前記比較部での比較を実行させるパイプライン実行部を有することが好ましい。
【0022】
本発明の第1の態様において、前記参照画像生成部では、前記光学画像の取得時に、前記参照画像を離散的に生成し、前記離散的に生成された参照画像と前記光学画像をリアルタイムで比較するリアルタイム比較部を有することが好ましい。
【0023】
本発明の第1の態様において、前記離散的に生成された参照画像の作成状況を、一定間隔で確認し、前記作成状況に応じて、前記参照画像の作成領域を管理する参照画像管理部を有することが好ましい。
【0024】
本発明の第1の態様において、前記照射された光の光量を測定する光量センサと、前記測定された光量の低下量が、ある閾値より大きい場合に、前記検査を中止する光量監視部を有することが好ましい。
【0025】
本発明の第2の態様は、マスクに光を照射して前記マスクに形成されたパターンの欠陥を検査するマスク検査方法であって、前記マスクに光を照射して取得した光学画像を格納し、前記マスクの設計データから、検査条件を推定して生成した参照画像を格納するステップと、前記格納された参照画像と前記格納された光学画像から、所定の検索領域での差分を求め、前記差分がある閾値より大きい場合には、前記差分に応じて前記検査条件を再設定するステップと、前記格納された参照画像と前記格納された光学画像をオフラインで比較し、欠陥を判定するステップとを含むことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0026】
本発明のマスク検査装置及びマスク検査方法によれば、全画像採取検査方法において、先に採取されている光学画像を用いて、精度の高い参照画像を生成し、ダイ−データベース比較検査の検査精度の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】実施形態のマスク検査装置の構成を示す概略図である。
図2】光学画像の取得手順を示す模式図である。
図3】データの流れを示す模式図である。
図4】フィルタ処理を示す図である。
図5】実施形態のオフライン比較回路の構成を示す概略図である。
図6】実施形態の処理を示すフローチャートである。
図7】他の実施形態のマスク検査装置の構成を示す概略図である。
図8】他の実施形態のオフライン比較回路の構成を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1は、本発明のマスク検査装置の実施形態であるマスク検査装置100を示す概略図である。
【0029】
図1に示すマスク1に光を照射してマスク1に形成されたパターンの欠陥を検査するマスク検査装置100では、本実施形態で必要な構成部を記載しているが、検査に必要な他の公知の構成部が含まれていてもよい。また、本明細書において、「〜部」及び「〜回路」などと記載したものは、コンピュータで動作可能なプログラムにより構成することができるが、ソフトウェアとなるプログラムだけではなく、ハードウェアとソフトウェアとの組合せやファームウェアとの組合せによって実施されるものであってもよい。プログラムにより構成される場合、プログラムは、磁気ディスク装置などの記録装置に記録される。
【0030】
図1に示す光学画像を取得する光学画像取得部の一例である光学画像取得部101は、ステージ2、オートローダ制御回路3、オートローダ3A、ステージ制御回路4、モータ4A,4B,4C、レーザ測長装置5、位置回路5A、光源6、ビームスプリッタ7、光学系8,9、TDIセンサ11,11A及びセンサアンプ12で構成されている。以下、マスク検査装置100の各構成について説明する。
【0031】
マスク検査装置100は、検査対象であるマスク1を保持するステージ2を有している。マスク1は、オートローダ3Aからステージ2上に搬送される。オートローダ3Aは、オートローダ制御回路3により制御される。
【0032】
ステージ2は、駆動手段の一例として、X方向モータ4Aと、Y方向モータ4Bと、θ方向(水平回転方向)モータ4Cとによって、X方向、Y方向及びθ方向に駆動される。これらのモータ4A,4B,4Cの駆動制御は、ステージ制御回路4によって実行される。
【0033】
ステージ2のX方向及びY方向の位置は、例えば、レーザ干渉計などのレーザ測長装置5と、このレーザ測長装置5に接続された位置回路5Aによって検出される。マスク1は、例えば、X方向に一定速度で連続移動しながらセンサの撮像が行われ、終端でY方向に移動した後、X方向に逆向きに一定速度で連続移動しながらセンサの撮像を行うといったことを、繰り返して被検査マスクの検査領域全面を撮像する。
【0034】
また、マスク検査装置100は、光照射手段の一例としてレーザ光を発する光源6を備えている。マスク検査装置100は、光源6から発せられたレーザ光を、ビームスプリッタ7を介してマスク1に照射し透過させる光学系8と、光源6から発せられたレーザ光を、ビームスプリッタ7を介してマスク1に照射し反射させる光学系9を有している。
【0035】
光学系8は、ミラー8a、対物レンズ8b及び画像センサの一例であるTDIセンサ11に透過光を結像させる対物レンズ8cを有している。また、光学系9は、ミラー9a、ビームスプリッタ9b及び画像センサの一例であるTDIセンサ11Aに反射光を結像させる対物レンズ9cを有している。以下、光学系8と光学系9を区別する必要がない場合は、光学系8の構成を用いて説明する。
【0036】
TDIセンサ11は、例えば、2048画素×512画素(1画素が70nm×70nmの場合、144μm×36μm)の撮像領域を有する2次元のCCDセンサで構成されている。すなわち、TDIセンサ11は、TDI方向に複数段(例えば、512段)のラインによって構成され、各ラインLは複数の画素(例えば、2048画素)によって構成されている。
【0037】
また、TDIセンサ11は、TDI方向(512段方向)とステージ2のX方向が一致するように設置され、ステージ2が移動することにより、TDIセンサ11が、マスク1に対して相対的に移動し、TDIセンサ11にマスク1のパターンが撮像される。
【0038】
ステージ2の移動方向が反転されると、TDIセンサ11の移動方向も反転され、TDIセンサ11がマスク1に対して相対的に移動することになる。なお、本実施形態で使用されるマスク検査装置100では、画像センサとしてTDIセンサ11を用いているが、TDIセンサ11に代えてラインセンサやエリアセンサのような他の画像センサを用いてもよい。
【0039】
TDIセンサ11は、センサアンプ12と接続されている。センサアンプ12は、TDIセンサ11から入力された各画素の光量信号をノーマライズされた光学画像とする。センサアンプ12から出力された光学画像は、位置回路5Aから出力されたステージ2でのマスク1の位置を示すデータとともに、オフライン比較部の一例であるオフライン比較回路15に入力される。
【0040】
図2は、マスク1に形成されたパターンの光学画像の取得手順を示す模式図である。マスク検査装置100が、マスク1に形成されたパターンの光学画像を取得する手順について説明する。
【0041】
図2に示すマスク1は、図1に示すステージ2の上に載置されているものとする。また、マスク1上の検査領域は、図2に示すように、短冊状の複数の検査領域、すなわち、ストライプ20,20,20,20,・・・に仮想的に分割されている。各ストライプは、例えば、幅が数百μmであって、長さがマスク1のX方向またはY方向の全長に対応する100mm程度の領域とすることができる。
【0042】
光学画像は、ストライプ毎に取得される。すなわち、図2で示す光学画像を取得する際には、各ストライプ20,20,20,20,・・・が連続的に走査されるようにステージ2の動作が制御される。具体的には、ステージ2が図2に示す−X方向に移動しながら、マスク1の光学画像が取得される。そして、図1に示すTDIセンサ11に図2に示すような走査幅Wの画像が連続的に入力される。
【0043】
すなわち、第1のストライプ20における画像を取得した後、第2のストライプ20における画像が取得される。この場合、ステージ2が−Y方向にステップ移動した後、第1のストライプ20における画像の取得時の方向(−X方向)とは逆方向(X方向)に移動しながら光学画像が取得され、走査幅Wの画像が、TDIセンサ11に連続的に入力される。
【0044】
また、第3のストライプ20における画像を取得する場合には、ステージ2が−Y方向にステップ移動した後、第2のストライプ20における画像を取得する方向(X方向)とは逆方向、すなわち、第1のストライプ20における画像を取得した方向(−X方向)にステージ2が移動する。なお、図2の矢印は、光学画像が取得される方向と順序を示しており、ハッチングされた部分は、光学画像の取得が済んだ領域を示している。
【0045】
図1に示すTDIセンサ11に結像したパターンの像は、光電変換され、さらにセンサアンプ12によってA/D(アナログデジタル)変換される。その後、A/D変換されたセンサデータ(透過画像及び反射画像)は、センサアンプ12から図1に示すオフライン比較回路15に送られる。
【0046】
次に、参照画像生成部の一例としての参照回路について説明する。図1に示すようにマスク検査装置100は、展開回路13及び光学画像に対する比較基準となる参照画像を生成する参照回路14を備えている。
【0047】
展開回路13は、記憶装置21に記憶されたCADデータ(作図データ)などを展開し、展開データを参照回路14に出力する。すなわち、展開回路13は、例えば、記憶装置21から制御計算機20を通して設計データを読み出し、この読み出された設計データを二値又は多値のイメージデータ(設計画像データ)に変換する。
【0048】
上記のようにして二値又は多値のイメージデータ(設計画像データ)に変換された設計データは、展開回路13から参照回路14に送られる。参照回路14では、送られた図形のイメージデータである設計画像データに対して適切なフィルタ処理が施される。
【0049】
ここで、本実施形態のデータの流れについて説明する。図3は、本実施形態のデータの流れを示す模式図である。
【0050】
図3に示すように、設計者(ユーザ)が作成したCADデータ301は、OASISなどの階層化されたフォーマットの設計中間データ302に変換される。設計中間データ302には、レイヤ〈層〉毎に作成されて各マスクに形成される設計データが格納される。マスク検査装置100では、OASISなどの設計中間データ302を直接読み込めるようには構成されていない。
【0051】
すなわち、マスク検査装置100の各製造メーカは、独自のフォーマットデータを用いている。このため、設計中間データ302は、レイヤ毎にマスク検査装置100に固有のパターンデータであるフォーマットデータ303に変換される。この変換後のフォーマットデータ303は、マスク検査装置100に入力される。なお、このフォーマットデータ303は、マスク検査装置100に固有のデータとすることができるが、描画装置と互換性のあるデータとしてもよい。
【0052】
フォーマットデータ303は、例えば、マスク検査装置100の記憶装置21に格納される。フォーマットデータ303の数十μm程度の範囲に存在する図形の集合を一般にクラスタ又はセルと称するが、これを用いてデータを階層化することが行われている。クラスタ又はセルには、各種図形を単独で配置したり、ある間隔で繰り返し配置したりする場合の配置座標や繰り返し記述も定義される。
【0053】
クラスタ又はセルは、フレーム又はストライプに配置される。フレーム又はストライプは、例えば、幅が数百μmで、長さがフォトマスクのX方向又はY方向の全長に対応する100mm程度の短冊状領域である。
【0054】
記憶装置21に入力されたフォーマットデータ303(設計データ)は、マスク検査の進行に伴って、観測中のパターンに必要な箇所のデータが、展開回路13に読み出される。展開回路13は、フォーマットデータ303の図形形状(図形コード)、図形寸法、配置位置などを解釈する。そして、展開回路13では、所定の量子化寸法のグリッドを単位とするマス目内に配置されるパターンデータとして二値又は多値の設計画像データを展開するデータ展開処理が行われる。
【0055】
展開された設計画像データは、センサ画素に相当する領域(マス目)毎に設計パターンにおける図形が占める占有率を演算する。そして、各画素内の図形占有率が画素値となる。上記のように二値又は多値のイメ一ジデータ(ビットパタ一ンデ一夕)に変換されたパターンデータは、参照データ(参照画像)を発生する参照回路14に送られる。参照回路14では、マスク観察像と比較するための適切な画像フィルタ処理が施され、参照パターンを発生する。
【0056】
図4は、フィルタ処理を示す図である。フィルタ処理は、マスク1に形成されたパターンが、マスクの製造仕上がり寸法を設計寸法通りにするために、製造工程で線幅を加減することがある。また、マスク製造プロセスの過程でパターンのコーナーが丸まってしまうことがある。このため、検査装置で観測する光学画像(マスク観測像)は、設計パターンと厳密には一致しないことから、参照画像と光学画像が近似するように処理する。
【0057】
また、センサアンプ12から得られた光学画像(マスク観測像)は、拡大光学系の解像特性やフォトダイオードアレイのアパーチャ効果などによって、ぼやけを生じた状態、言い換えれば空間的なローパスフィルタが作用した状態にある。
【0058】
したがって、設計側の二値又は多値のイメージデータである設計データにフィルタ処理を施し、つまり光学画像と合わせる処理を行うことで、光学画像と高い精度で比較することができる参照画像が生成されることになる。すなわち、検査に先だって検査対象となるマスク1を観察し、その製造プロセスや検査装置の光学系による変化を模擬したフィルタ係数を学習して、設計データに2次元のデジタルフィルタ処理を施し、参照画像が光学画像に近似するような処理を行っている。
【0059】
上記のフィルタ処理に用いられたパラメータは、マスク検査装置100の検査条件として用いられており、また、このパラメータは、検査条件の推定にも用いられている。本実施形態においては、この検査条件の推定を、参照画像学習・作成推定としている。
【0060】
この参照画像学習・作成推定は、例えば、参照画像の生成において、光学画像と近似するように階調値を用いてぼかし量、丸め量を推定する処理である。また、この参照画像学習・作成推定では、予め定められたポイントが設定されている。
【0061】
このポイント、例えば、1から10などの値から推定値を設定することで、上記のぼかし量、丸め量が設定され、光学画像と近似するようにしている。なお、参照画像学習・作成推定のパラメータは、ぼかし量、丸め量としているが、これに限定されず適宜他のパラメータを用いてもよい。
【0062】
次に、図5を用いて、オフライン比較回路15について説明する。オフライン比較回路15には、参照回路14でフィルタ処置を一括して施すことで生成された参照画像が入力され、また、光学画像取得部101で採取された光学画像が入力される。
【0063】
オフライン比較回路15は、参照画像を格納する参照画像領域としてのバッファメモリ15aと、光学画像を格納する光学画像領域としてのバッファメモリ15bと、バッファメモリ15a,15bの所定の検索領域を用いて検査条件を再設定する検査条件再設定部としての参照画像学習・作成推定再設定回路15cと、バッファメモリ15aに格納された参照画像とバッファメモリ15bに格納された光学画像をオフラインで比較する比較部としての比較回路15dとを有している。
【0064】
バッファメモリ15a,15bのそれぞれには、検査領域、例えば、ストライプ単位の参照画像と光学画像がシーケンシャルに格納され、マスク1全体の参照画像と光学画像が格納される構成である。このようにバッファメモリ15a,15bのそれぞれに格納されたマスク1全体の参照画像と光学画像を用いて、オフラインでマスク1のパターンの欠陥検査が行われる。
【0065】
本実施形態では、バッファメモリ15a,15bのそれぞれに格納されている参照画像と光学画像が、比較回路15dに入力され比較される前に、バッファメモリ15a,15bのそれぞれに格納されている参照画像と光学画像の所定の検索領域が、参照画像学習・作成推定再設定回路15cに入力される。
【0066】
所定の検査領域とは、例えば、検査領域がある一定の領域に到達したときの特定領域であり、上記のストライプ単位などである。
【0067】
参照画像学習・作成推定再設定回路15cでは、バッファメモリ15a,15bから送られた参照画像と光学画像の特定領域の差分(所定領域における参照画像の階調値と光学画像の階調値の最大差分)を求める。この差分がある閾値より大きい場合には、この差分に応じてバッファメモリ15aに格納されている参照画像学習・作成推定が再設定される。
【0068】
例えば、参照画像学習・作成推定再設定回路15cでは、特定領域での参照画像と光学画像の差分が、上記のある閾値より大きい場合に欠陥と判断し、この欠陥の数がある閾値より大きいときに、参照画像学習・作成推定で定められているポイント(場所/箇所)に、所定のポイントを加え、バッファメモリ15aに格納されている参照画像の参照画像学習・作成推定が再設定される。
【0069】
なお、この差分は、上記の特定領域において、「斜めパターン混在」、「縦横パターン混在」、「縦又は横パターンのみ」の優先順位で発見するようにしてもよい。また、参照画像学習・作成推定の再設定は、自動で実行される構成であるがオペレータによる入力で再設定してもよい。
【0070】
次に、バッファメモリ15aに格納されている参照画像学習・作成推定が再設定された参照画像と、バッファメモリ15bに格納されている光学画像は、比較回路15dに入力される。
【0071】
比較回路15dは、バッファメモリ15aから入力された参照画像と、バッファメモリ15bから入力された光学画像を比較する。比較回路15dでは、この比較によりパターンの形状の差異に基づいてパターン形状欠陥を検出し、この比較により欠陥と判断した箇所の座標を特定する。
【0072】
比較回路15dでの検査結果は、例えば、記憶装置21に格納され、その後、オペレータが格納された検査結果を記憶装置21から読み出してディスプレイなどの表示装置22に表示させ確認することができる。なお、記憶装置21は、例えば、磁気ディスク装置、磁気テープ装置、FD、半導体メモリなどである。
【0073】
比較回路15dでは、透過と反射を組み合わせた比較判定アルゴリズムが用いられ、比較の結果、両者の差異が所定の閾値を超えた場合には、その箇所が欠陥と判定されるが、透過画像同士での比較、反射画像同士での比較であってもよい。
【0074】
また、保存された検査結果は、例えば、図3に示すレビュー装置310に送られ、オペレータによってレビューされる。このレビュー装置310は、マスク検査装置100の構成要素の1つであってもよく、また、マスク検査装置100の外部装置であってもよい。
【0075】
レビュー装置310でのレビューは、オペレータによって検出された欠陥が実用上問題となるものであるかどうかを判断する動作であり、このオペレータは、例えば、欠陥判定の根拠となった基準画像と、欠陥が含まれる光学画像とを見比べて修正の必要な欠陥であるか否かを判断する。
【0076】
レビュー装置310で判別された欠陥情報は、例えば、記憶装置21に保存される。レビュー装置で1つでも修正すべき欠陥が確認されると、マスク1は、図3に示す欠陥情報リスト320とともに、マスク検査装置100の外部装置である修正装置330に送られる。修正方法は、欠陥のタイプが凸系の欠陥か凹系の欠陥かによって異なるので、欠陥情報リスト320には、凸凹の区別を含む欠陥の種別と欠陥の座標が添付される。
【0077】
次に、図6を用いて実施形態の処理について説明する。図6は実施形態の処理を示すフローチャートである。
【0078】
実施形態においては、まず、参照画像学習・作成推定の実施を行う(ステップS200)。参照画像学習・作成推定は、検査条件の推定の一例であり、参照画像と光学画像の比較において発生する疑似欠陥を回避するためのものである。参照画像学習・作成推定は、上記のとおり、エッジでのぼかし量推定及びコーナーでの丸め量推定であり、ポイントは、例えば、階調値(0から255)に対応している。
【0079】
次に、ステージ2に載置されたマスク1に対して、欠陥検査が開始される(ステップS210)。
【0080】
ステップS210において、マスクに対する欠陥検査が開始され、光学画像取得部101でマスク1の光学画像が採取されると、この採取された光学画像は、オフライン比較回路15に入力され、バッファメモリ15bに格納される(ステップS220)。このとき、参照回路14で生成された参照画像も、オフライン比較回路15に入力され、この参照画像は、バッファメモリ15aに格納される。
【0081】
次に、バッファメモリ15aに格納されている所定の検索領域、つまり特定領域の参照画像と、バッファメモリ15bに格納されている特定領域の光学画像が、参照画像学習・作成推定再設定回路15cに入力され、比較される(ステップS230)。
【0082】
ステップS230において、この特定領域の参照画像と光学画像が比較され、比較結果の差分を求め、この差分が、ある閾値より大きい場合に欠陥と判断する。そして、この欠陥の数が、ある閾値より大きいときに、ステップS240にすすむ。
【0083】
一方、ステップS230において、差分が、ある閾値より小さいとき、又は、大きいと判断された欠陥の数が、ある閾値未満のときには、ステップS260にすすむ。
【0084】
次に、参照画像学習・作成ポイント候補の検索を行う(ステップS240)。例えば、特定領域において参照画像と光学画像の差分が、ある閾値未満となるような参照画像学習・作成ポイントの候補を検索する。
【0085】
次に、ステップS240で検索された参照画像学習・作成ポイント候補、つまりステップS200で実施された参照画像学習・作成推定のポイントに、所定のポイントが加えられた参照画像学習・作成ポイント候補を用いてバッファメモリ15aに格納されている参照画像の参照画像学習・作成推定を再設定する(ステップS250)。
【0086】
次に、ステップS250において、バッファメモリ15aに格納されている参照画像学習・作成推定が再設定された参照画像と、バッファメモリ15bに格納されている光学画像が、比較回路15dに入力され、オフラインでの欠陥検査が実施される(ステップS260)。
【0087】
また、ステップS230において、差分が、ある閾値より小さいとき、又は、大きいと判断された欠陥の数が、ある閾値未満のときに、オフラインでの欠陥検査が実施される(ステップS260)。
【0088】
ステップS260において、参照画像と光学画像の比較が比較回路15dで実施され、欠陥検査は終了する(ステップS270)。この欠陥検査で欠陥と判断された箇所の座標が特定され、この検査結果は記憶装置21に格納される。
【0089】
次に、図7及び図8を用いて本発明の他の実施形態について説明する。
【0090】
図7に示す他の実施形態であるマスク検査装置100Aは、実施形態のマスク検査装置100と同様な構成を有し、さらにリアルタイム比較部の一例としてリアルタイム比較回路16、参照画像管理部の一例としての参照画像管理回路16A、光量監視部の一例としての光量監視回路17及び光量センサ17Aを有している。
【0091】
また、マスク検査装置100Aは、図7及び図8に示すオフライン比較回路15Aを有している。このオフライン比較回路15Aは、オフライン比較回路15と同様な構成を有し、さらにCD寸法確認部の一例としてのCD寸法確認回路15e、欠陥判定閾値決定部の一例としての欠陥判定閾値決定回路15f及びパイプライン実行部の一例としてのパイプライン実行回路15gを有している。以下、マスク検査装置100Aの新たな構成について説明する。
【0092】
図7に示すリアルタイム比較回路16は、光学画像取得部101で採取された光学画像が入力され、この光学画像の取得と同時に、参照回路14から離散的に生成され参照画像が入力される。
【0093】
そして、リアルタイム比較回路16に入力された参照画像と光学画像は比較され、リアルタイムで欠陥検出が行われる。オフライン比較回路15Aでは、マスク1全体の参照画像と光学画像を格納し、マスク1全体を順次比較しているが、このリアルタイム比較回路16では、離散的に生成された参照画像を用いている。
【0094】
また、マスク検査装置100Aは、参照画像管理回路16Aを有している。参照画像管理回路16Aは、上記の離散的に生成された参照画像の作成状況を、一定間隔で確認し、管理する。
【0095】
すなわち、参照画像管理回路16Aは、参照画像生成を、リアルタイム比較回路16で光学画像を取得するスキャン速度と合わせるように管理し、この管理された参照画像をリアルタイム比較回路16に出力する。このような構成を有することで、リアルタイムにダイ−データベース比較を行うことができ、フォーカスエラー、アライメントエラーなどの検出も検査中に行うことができる。
【0096】
また、図7に示すように、マスク検査装置100Aは、光量監視回路17と、光源6から照射された光の光量を測定する光量センサ17Aを有している。
【0097】
光量監視回路17は、光量センサ17Aで測定された光量を監視する回路であり、光量センサ17Aで測定された光量の低下量が、ある閾値より大きい場合に、マスク検査装置100Aによるマスク1の欠陥検査を、中止するように構成されている。このような構成を有することで、光学画像の採取エラーの検出が、検査中に行われる。
【0098】
図8は、オフライン比較回路15Aの構成を示す概略図である。図8を用いてオフライン比較回路15Aについて説明する。
【0099】
オフライン比較回路15Aは、参照画像を格納するバッファメモリ15a、光学画像を格納するバッファメモリ15b、比較回路15dでの比較の前に参照画像と光学画像の特定領域を用いて参照画像学習・作成推定を再設定する参照画像学習・作成推定再設定回路15c、バッファメモリ15aに格納された参照画像とバッファメモリ15bに格納された光学画像をオフラインで比較する比較回路15d、CD寸法確認回路15e、欠陥判定閾値決定回路15f及びパイプライン実行回路15gを有している。以下、CD寸法確認回路15e、欠陥判定閾値決定回路15f及びパイプライン実行回路15gについて説明する。
【0100】
CD寸法確認回路15eは、バッファメモリ15aに格納された参照画像とバッファメモリ15bに格納された光学画像を用いて、各パターンのCD寸法を確認する。確認されたCD寸法は、欠陥判定閾値決定回路15fに入力される。欠陥判定閾値決定回路15fは、入力されたCD寸法に応じて欠陥判定の閾値を決定し、比較回路15dに出力する。なお、CD(Critical Dimension)とは、マスク1に描画されたパターンの寸法であり、例えば、ラインパターンであれば、その線幅である。
【0101】
オフライン比較回路15Aは、CD寸法確認回路15e及び欠陥判定閾値決定回路15fを有することで、特定の描画領域で発生する線幅の変化(太くなる又は細くなる)による疑似欠陥の発生を抑制することができる。
【0102】
また、光学画像のパターンの寸法が設計データのパターンの寸法、つまり参照画像のパターンと異なるという現象からも、光学画像と参照画像のパターンの線幅に偏差が生じることがあり、その結果、欠陥として検出する必要のないものを疑似欠陥として検出するという問題がある。このような問題に対して、CD寸法確認回路15e及び欠陥判定閾値決定回路15fは、疑似欠陥の発生を抑制するように比較回路15dの閾値を決定するように構成されている。
【0103】
パイプライン実行回路15gは、バッファメモリ15aに格納された参照画像とバッファメモリ15bに格納された光学画像が、ある一定領域に達したときに、比較回路15dでの比較を実行させるようにする。
【0104】
すなわち、パイプライン実行回路15gは、マスク1全体の参照画像と光学画像が、バッファメモリ15a,15bに格納される前に、格納された一定領域に対して、パイプライン処理を実行し、この一定領域を比較回路15dに入力して比較させる。
【0105】
このような処理を行うことで、オフライン比較回路15Aでの処理時間を削減することができる。なお、パイプライン処理とは、例えば、前の命令のサイクルが終わる前に、次の命令を処理し始める処理である。
【0106】
以上述べた各実施形態のマスク検査装置及びマスク検査方法によれば、オフラインで参照画像と光学画像を比較することができるオフライン比較回路15,15Aを備えており、このオフライン比較回路15,15Aで、参照画像と光学画像が近似しているかを判断し、参照画像学習・作成推定を再設定することができる。このような実施形態では、精度の高い参照画像を生成しダイ−データベース比較検査の検査精度を向上させることができる。
【0107】
すなわち、リアルタイムでの参照画像と光学画像の比較では、参照画像生成を光学画像取得のためのスキャン速度に合わせることが困難となっており、疑似欠陥の発生の原因となっている。しかし、本発明の各実施形態においては、参照画像学習・作成推定再設定回路15cを有することで、最適な参照画像学習・作成推定を検索し、疑似欠陥の発生を抑制することができ、ダイ−データベース比較検査の検査精度を向上させることができる。
【0108】
本発明は上記各実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々変形して実施することができる。
【0109】
また、上記各実施の形態では、装置構成や制御手法など、本発明の説明に直接必要としない部分についての記載を省略したが、必要とされる装置構成や制御手法を適宜選択して用いてもよい。その他、本発明の要素を具備し、当業者が適宜設計変更し得る全ての検査方法または検査装置は、本発明の範囲に包含される。
【符号の説明】
【0110】
1 マスク
2 ステージ
3 オートローダ制御回路
3A オートローダ
4 ステージ制御回路
4A,4B,4C モータ
5 レーザ測長装置
5A 位置回路
6 光源
7 ビームスプリッタ
8 光学系
8a ミラー
8b,8c 対物レンズ
9 光学系
9a ミラー
9b ビームスプリッタ
9c 対物レンズ
11,11A TDIセンサ
12 センサアンプ
13 展開回路
14 参照回路
15,15A オフライン比較回路
15a,15b バッファメモリ
15c 参照画像学習・作成推定再設定回路
15d 比較回路
15e CD寸法確認回路
15f 欠陥判定閾値決定回路
15g パイプライン実行回路
16 リアルタイム比較回路
16A 参照画像管理回路
17 光量監視回路
17A 光量センサ
20 制御計算機
21 記憶装置
22 表示装置
100,100A マスク検査装置
101 光学画像取得部
301 CADデータ
302 設計中間データ
303 フォーマットデータ
310 レビュー装置
320 欠陥情報リスト
330 修正装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8