特許第6252103号(P6252103)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6252103ズームレンズ及びこのズームレンズを用いた撮像装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6252103
(24)【登録日】2017年12月8日
(45)【発行日】2017年12月27日
(54)【発明の名称】ズームレンズ及びこのズームレンズを用いた撮像装置
(51)【国際特許分類】
   G02B 15/167 20060101AFI20171218BHJP
   G02B 13/18 20060101ALI20171218BHJP
   G02B 15/12 20060101ALI20171218BHJP
【FI】
   G02B15/167
   G02B13/18
   G02B15/12
【請求項の数】8
【全頁数】47
(21)【出願番号】特願2013-222272(P2013-222272)
(22)【出願日】2013年10月25日
(65)【公開番号】特開2015-84032(P2015-84032A)
(43)【公開日】2015年4月30日
【審査請求日】2016年10月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100082670
【弁理士】
【氏名又は名称】西脇 民雄
(72)【発明者】
【氏名】大橋 和泰
【審査官】 瀬戸 息吹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−107345(JP,A)
【文献】 特開平10−054937(JP,A)
【文献】 特開2000−338400(JP,A)
【文献】 特表2001−519542(JP,A)
【文献】 特開平03−180807(JP,A)
【文献】 特開昭63−169611(JP,A)
【文献】 特開昭62−027712(JP,A)
【文献】 特開2012−225988(JP,A)
【文献】 特開2008−241884(JP,A)
【文献】 特開2008−197534(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/031214(WO,A1)
【文献】 特開2010−175971(JP,A)
【文献】 特開2004−126631(JP,A)
【文献】 米国特許第05815322(US,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0239504(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 9/00 − 17/08
G02B 21/02 − 21/04
G02B 25/00 − 25/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体側から像面側に向かって、正の屈折力を有する第1レンズ群、負の屈折力を有する第2レンズ群、負の屈折力を有する第3レンズ群、正の屈折力を有する第4レンズ群を配設すると共に、第4レンズ群の像側へ挿脱可能に設けられ、第1レンズ群から第4レンズ群までの各レンズ群と像面との距離を変えることなく、全系の焦点距離を長い側へ遷移させるエクステンダレンズ群を有してなり、変倍に際して、第2レンズ群は広角端において最も物体側に位置し、第3レンズ群は望遠端において最も像面側に位置するように、第2レンズ群・第3レンズ群を移動させるズームレンズにおいて、以下の条件式を満足することを特徴とするズームレンズ。


ただし、m2Wは広角端における第2群の倍率、m2Tは望遠端における第2群の倍率、m3Wは広角端における第3群の倍率、m3Tは望遠端における第3群の倍率、D34Wは広角端における第3レンズ群と第4レンズ群との間隔、D34Tは望遠端における第3レンズ群と第4レンズ群との間隔、fwは広角端における全系の焦点距離を表す。
【請求項2】
物体側から像面側に向かって、正の屈折力を有する第1レンズ群、負の屈折力を有する第2レンズ群、負の屈折力を有する第3レンズ群、正の屈折力を有する第4レンズ群を配設すると共に、第4レンズ群の像側へ挿脱可能に設けられ、第1レンズ群から第4レンズ群までの各レンズ群と像面との距離を変えることなく、全系の焦点距離を長い側へ遷移させるエクステンダレンズ群を有してなり、変倍に際して、第2レンズ群は広角端において最も物体側に位置し、第3レンズ群は望遠端において最も像面側に位置するように、第2レンズ群・第3レンズ群を移動させるズームレンズにおいて、第1レンズ群が物体側から順に、像面側に凹面を向けた負メニスカスレンズ、物体側に像側よりも曲率半径の絶対値が小さい凸面を向けた正レンズ、物体側に像側よりも曲率半径の絶対値が小さい凸面を向けた正レンズの3枚で構成され、第1レンズ群に回折光学素子を含み、以下の条件式を満足することを特徴とするズームレンズ。



ただし、m2Wは広角端における第2群の倍率、m2Tは望遠端における第2群の倍率、m3Wは広角端における第3群の倍率、m3Tは望遠端における第3群の倍率、ν1GPは第1レンズ群に含まれる正レンズの材料のアッベ数の平均値、fTCはエクステンダレンズ群を挿入した状態での望遠端における全系の焦点距離、fDOEは回折光学素子の回折部の焦点距離を表す。
【請求項3】
物体側から像面側に向かって、正の屈折力を有する第1レンズ群、負の屈折力を有する第2レンズ群、負の屈折力を有する第3レンズ群、正の屈折力を有する第4レンズ群を配設すると共に、第4レンズ群の像側へ挿脱可能に設けられ、第1レンズ群から第4レンズ群までの各レンズ群と像面との距離を変えることなく、全系の焦点距離を長い側へ遷移させるエクステンダレンズ群を有してなり、変倍に際して、第2レンズ群は広角端において最も物体側に位置し、第3レンズ群は望遠端において最も像面側に位置するように、第2レンズ群・第3レンズ群を移動させるズームレンズにおいて、第1レンズ群が物体側から順に、像面側に凹面を向けた負メニスカスレンズ、物体側に像側よりも曲率半径の絶対値が小さい凸面を向けた正レンズ、像面側に凹面を向けた負メニスカスレンズ、物体側に像側よりも曲率半径の絶対値が小さい凸面を向けた正レンズ、物体側に像側よりも曲率半径の絶対値が小さい凸面を向けた正レンズの5枚で構成され、以下の条件式を満足することを特徴とするズームレンズ。


ただし、m2Wは広角端における第2群の倍率、m2Tは望遠端における第2群の倍率、m3Wは広角端における第3群の倍率、m3Tは望遠端における第3群の倍率、ν1GPは第1レンズ群に含まれる正レンズの材料のアッベ数の平均値を表す。
【請求項4】
物体側から像面側に向かって、正の屈折力を有する第1レンズ群、負の屈折力を有する第2レンズ群、負の屈折力を有する第3レンズ群、正の屈折力を有する第4レンズ群を配設すると共に、第4レンズ群の像側へ挿脱可能に設けられ、第1レンズ群から第4レンズ群までの各レンズ群と像面との距離を変えることなく、全系の焦点距離を長い側へ遷移させるエクステンダレンズ群を有してなり、変倍に際して、第2レンズ群は広角端において最も物体側に位置し、第3レンズ群は望遠端において最も像面側に位置するように、第2レンズ群・第3レンズ群を移動させるズームレンズにおいて、第4レンズ群が物体側から順に、少なくとも3枚の正レンズを有し、以下の条件式を満足することを特徴とするズームレンズ。


ただし、m2Wは広角端における第2群の倍率、m2Tは望遠端における第2群の倍率、m3Wは広角端における第3群の倍率、m3Tは望遠端における第3群の倍率、ν4GPは上記少なくとも3枚の正レンズのアッベ数の平均値を表す。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のズームレンズにおいて、以下の条件式を満足することを特徴とするズームレンズ。

ただし、L4は第4レンズ群の最も物体側の面から最も像側の面までの光軸に沿った距離、T4F-Iは第4レンズ群の最も物体側の面から像面までの光軸に沿った距離であり、第4レンズ群より像面側に屈折力を有さない光学素子が含まれる場合、それが存在しないと仮定した空気換算長を表す。
【請求項6】
請求項1ないし請求項のいずれか1項に記載のズームレンズにおいて、第2レンズ群が3枚以下のレンズで構成されることを特徴とするズームレンズ。
【請求項7】
請求項1ないし請求項のいずれか1項に記載のズームレンズにおいて、変倍に際し、第1レンズ群と第4レンズ群が像面に対して固定されていることを特徴とするズームレンズ。
【請求項8】
請求項1ないし請求項のいずれか1項に記載のズームレンズを撮影用光学系として有することを特徴とする撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テレビカメラ、ビデオカメラ、デジタルカメラ、監視用途に用いられるズームレンズ及びこのズームレンズを用いた撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
物体側から像面側に向かって正の屈折力を有する第1レンズ群、負の屈折力を有する第2レンズ群、正の屈折力を有する第3レンズ群、正の屈折力を有する第4レンズ群が配設され、変倍に際して、第2レンズ群は広角端において最も物体側に位置し、第3レンズ群は望遠端において最も像面側に位置するように第2レンズ群、第3レンズ群を移動させるズームレンズが知られている(特許文献1参照)。
【0003】
また、この種のタイプのズームレンズとして、第4レンズ群内にエクステンダレンズ群を挿脱可能としたものが知られている(特許文献2参照)。
また、この種のタイプのズームレンズとして、第1レンズ群に回折光学素子を含むものも知られている(特許文献3参照)。
【0004】
更に、この種のタイプのズームレンズにおいて、回折光学素子は設けられていないが、近赤外域までの色収差補正を行っているものも知られている(特許文献4参照)。
【0005】
テレビカメラ用のズームレンズには各種のタイプのズームレンズが考えられている。例えば、高変倍化に適したものとして、物体側から像側へ正の焦点距離を持つ第1レンズ群、負の焦点距離を持つ第2レンズ群、負の焦点距離を持つ第3レンズ群、正の焦点距離を持つ第4レンズ群を配設し、変倍に際して、第2レンズ群と第3レンズ群とを移動させるものが知られている。
【0006】
このタイプのズームレンズでは、第2レンズ群が変倍を行うためのバリエータ、第3レンズ群が変倍に伴う像面位置の変動を補正するためのコンペンセータという役割分担をするものが多い。しかしながら、小型化と高変倍化を両立させるため、第3レンズ群にも変倍作用の一部を負担させるものもある。
【0007】
その特許文献1では、第3レンズ群にも変倍作用の一部を負担させているが、変倍比が20倍未満にとどまっている。その特許文献2では、エクステンダレンズを内蔵させているが、やはり変倍比は20倍以下にとどまっている。
【0008】
監視用途のテレビカメラにおいては、波長900nm程度以下の近赤外域まで感度を持った撮像がなされることがある。例えば、十分な光量のある昼間は近赤外光をカットして可視光のみで正確なカラー画像を取得し、悪天候時や薄暮・黎明時には可視域から近赤外域までの光を全て透過させて光量を稼ぎ、夜間は可視光をカットして波長850nm程度の赤外線を投光・照明するといったような運用がなされる。
【0009】
よって、撮影レンズとして用いるズームレンズには、可視域のみならず近赤外域まで色収差が補正されていることが要求される。近赤外域までの色収差補正がなされていない場合、可視光と近赤外光との切り替えに際してフォーカスを合わせ直す必要が生じたり、可視域から近赤外域までの光を全て透過させて使用する場合に十分な解像力が得られなくなったりするからである。
【0010】
このタイプのズームレンズにおいて、色収差を良好に補正するためには、望遠側で軸上マージナル光線高さが大きくなる第1レンズ群、広角側で軸上マージナル光線高さが大きくなる第4レンズ群にそれぞれFPL51(株式会社オハラ製の商品名)やFPL53(株式会社オハラ製の商品名)に代表される特殊低分散ガラスを使用することが一般に行われる。また、第1レンズ群に回折光学素子を設け、回折光学素子が有する負の分散を用いて色収差を補正する提案もなされている。
【0011】
特許文献3では、第1レンズ群に回折光学素子を用いて色収差の補正を行っているが、変倍比が25倍を超えるものは望遠端における望遠比(焦点距離に対するレンズ全長の比)が1.0前後と大きく、小型化が十分に図れていない。
【0012】
特許文献4では、第1レンズ群、第4レンズ群に特殊低分散ガラスを使用して、近赤外域までの収差補正を行っているが、変倍比が22倍程度と25倍よりも小さい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
ところで、テレビカメラやビデオカメラには、ユーザから多岐にわたる要望がある。なかでも、高画質化と小型化は常にユーザが要望するところであり、そのウエイトが大きい。よって、ズームレンズにも、高性能化と小型化の両立が求められている。さらに、変倍比についてもなるべく大きなものが望まれている。
【0014】
本発明の目的は、収差補正が良好で小型のズームレンズを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の請求項1に記載のズームレンズは、物体側から像面側に向かって、正の屈折力を有する第1レンズ群、負の屈折力を有する第2レンズ群、負の屈折力を有する第3レンズ群、正の屈折力を有する第4レンズ群を配設すると共に、第4レンズ群の像面側に挿脱可能に設けられ、第1レンズ群から第4レンズ群までの各レンズ群と像面との距離を変えることなく、全系の焦点距離を長い側へ遷移させるエクステンダレンズ群を有し、変倍に際して第2レンズ群は広角端において最も物体側に位置し、第3レンズ群は望遠端において最も像面側に位置するように第2レンズ群、第3レンズ群を移動させるズームレンズで、
m2Wを広角端における第2群の倍率、m2Tを望遠端における第2群の倍率、m3Wを広角端における第3群の倍率、m3Tを望遠端における第3群の倍率、D34Wを広角端における第3レンズ群と第4レンズ群との間隔、D34Tを望遠端における第3レンズ群と第4レンズ群との間隔、fwを広角端における全系の焦点距離とするとき、以下の条件式を満足することを特徴とする。

【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、収差補正が良好で小型のズームレンズを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は数値例1のズームレンズ(エクステンダレンズ群が挿入されていない)の構成を示す断面図であり、(a)は広角端において第2レンズ群が最も物体側に接近している状態を示し、(c)は望遠端において第3レンズ群が最も像面側に接近している状態を示し、(b)はズームレンズが中間焦点距離にある状態を示す。
図2図2は数値例1のズームレンズ(エクステンダレンズ群が挿入されている)の構成を示す断面図であり、(a)は広角端において第2レンズ群が最も物体側に接近している状態を示し、(c)は望遠端において第3レンズ群が最も像面側に接近している状態を示し、(b)はズームレンズが中間焦点距離にある状態を示す。
図3図3は数値例2のズームレンズ(エクステンダレンズ群が挿入されていない)の構成を示す断面図であり、(a)は広角端において第2レンズ群が最も物体側に接近している状態を示し、(c)は望遠端において第3レンズ群が最も像面側に接近している状態を示し、(b)はズームレンズが中間焦点距離にある状態を示す。
図4図4は数値例2のズームレンズ(エクステンダレンズ群が挿入されている)の構成を示す断面図であり、(a)は広角端において第2レンズ群が最も物体側に接近している状態を示し、(c)は望遠端において第3レンズ群が最も像面側に接近している状態を示し、(b)はズームレンズが中間焦点距離にある状態を示す。
図5図5は数値例3のズームレンズ(エクステンダレンズ群が挿入されていない)の構成を示す断面図であり、(a)は広角端において第2レンズ群が最も物体側に接近している状態を示し、(c)は望遠端において第3レンズ群が最も像面側に接近している状態を示し、(b)はズームレンズが中間焦点距離にある状態を示す。
図6図6は数値例3のズームレンズ(エクステンダレンズ群が挿入されている)の構成を示す断面図であり、(a)は広角端において第2レンズ群が最も物体側に接近している状態を示し、(c)は望遠端において第3レンズ群が最も像面側に接近している状態を示し、(b)はズームレンズが中間焦点距離にある状態を示す。
図7図7は数値例4のズームレンズ(エクステンダレンズ群が挿入されていない)の構成を示す断面図であり、(a)は広角端において第2レンズ群が最も物体側に接近している状態を示し、(c)は望遠端において第3レンズ群が最も像面側に接近している状態を示し、(b)はズームレンズが中間焦点距離にある状態を示す。
図8図8は数値例4のズームレンズ(エクステンダレンズ群が挿入されている)の構成を示す断面図であり、(a)は広角端において第2レンズ群が最も物体側に接近している状態を示し、(c)は望遠端において第3レンズ群が最も像面側に接近している状態を示し、(b)はズームレンズが中間焦点距離にある状態を示す。
図9図9は数値例5のズームレンズ(エクステンダレンズ群が挿入されていない)の構成を示す断面図であり、(a)は広角端において第2レンズ群が最も物体側に接近している状態を示し、(c)は望遠端において第3レンズ群が最も像面側に接近している状態を示し、(b)はズームレンズが中間焦点距離にある状態を示す。
図10図10は数値例5のズームレンズ(エクステンダレンズ群が挿入されている)の構成を示す断面図であり、(a)は広角端において第2レンズ群が最も物体側に接近している状態を示し、(c)は望遠端において第3レンズ群が最も像面側に接近している状態を示し、(b)はズームレンズが中間焦点距離にある状態を示す。
図11図11は数値例1のズームレンズ(エクステンダレンズ群が挿入されていない)の広角端における収差曲線図である。
図12図12は数値例1のズームレンズ(エクステンダレンズ群が挿入されていない)の中間焦点距離における収差曲線図である。
図13図13は数値例1のズームレンズ(エクステンダレンズ群が挿入されていない)の望遠端における収差曲線図である。
図14図14は数値例1のズームレンズ(エクステンダレンズ群が挿入されている)の広角端における収差曲線図である。
図15図15は数値例1のズームレンズ(エクステンダレンズ群が挿入されている)の中間焦点距離における収差曲線図である。
図16図16は数値例1のズームレンズ(エクステンダレンズ群が挿入されている)の望遠端における収差曲線図である。
図17図17は数値例2のズームレンズ(エクステンダレンズ群が挿入されていない)の広角端における収差曲線図である。
図18図18は数値例2のズームレンズ(エクステンダレンズ群が挿入されていない)の中間焦点距離における収差曲線図である。
図19図19は数値例2のズームレンズ(エクステンダレンズ群が挿入されていない)の望遠端における収差曲線図である。
図20図20は数値例2のズームレンズ(エクステンダレンズ群が挿入されている)の広角端における収差曲線図である。
図21図21は数値例2のズームレンズ(エクステンダレンズ群が挿入されている)の中間焦点距離における収差曲線図である。
図22図22は数値例2のズームレンズ(エクステンダレンズ群が挿入されている)の望遠端における収差曲線図である。
図23図23は数値例3のズームレンズ(エクステンダレンズ群が挿入されていない)の広角端における収差曲線図である。
図24図24は数値例3のズームレンズ(エクステンダレンズ群が挿入されていない)の中間焦点距離における収差曲線図である。
図25図25は数値例3のズームレンズ(エクステンダレンズ群が挿入されていない)の望遠端における収差曲線図である。
図26図26は数値例3のズームレンズ(エクステンダレンズ群が挿入されている)の広角端における収差曲線図である。
図27図27は数値例3のズームレンズ(エクステンダレンズ群が挿入されている)の中間焦点距離における収差曲線図である。
図28図28は数値例3のズームレンズ(エクステンダレンズ群が挿入されている)の望遠端における収差曲線図である。
図29図29は数値例4のズームレンズ(エクステンダレンズ群が挿入されていない)の広角端における収差曲線図である。
図30図30は数値例4のズームレンズ(エクステンダレンズ群が挿入されていない)の中間焦点距離における収差曲線図である。
図31図31は数値例4のズームレンズ(エクステンダレンズ群が挿入されていない)の望遠端における収差曲線図である。
図32図32は数値例4のズームレンズ(エクステンダレンズ群が挿入されている)の広角端における収差曲線図である。
図33図33は数値例4のズームレンズ(エクステンダレンズ群が挿入されている)の中間焦点距離における収差曲線図である。
図34図34は数値例4のズームレンズ(エクステンダレンズ群が挿入されている)の望遠端における収差曲線図である。
図35図35は数値例5のズームレンズ(エクステンダレンズ群が挿入されていない)の広角端における収差曲線図である。
図36図36は数値例5のズームレンズ(エクステンダレンズ群が挿入されていない)の中間焦点距離における収差曲線図である。
図37図37は数値例5のズームレンズ(エクステンダレンズ群が挿入されていない)の望遠端における収差曲線図である。
図38図38は数値例5のズームレンズ(エクステンダレンズ群が挿入されている)の広角端における収差曲線図である。
図39図39は数値例5のズームレンズ(エクステンダレンズ群が挿入されている)の中間焦点距離における収差曲線図である。
図40図40は数値例5のズームレンズ(エクステンダレンズ群が挿入されている)の望遠端における収差曲線図である。
図41図41は撮像装置としての一実施形態を模式的に示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0018】
以下に、本発明に係るズームレンズの実施例を図面を参照しつつ説明する。
本発明のズームレンズ1は、図1ないし図10に示すように、物体側から像面側に向かって、正の屈折力を有する第1レンズ群2、負の屈折力を有する第2レンズ群3、負の屈折力を有する第3レンズ群4、正の屈折力を有する第4レンズ群5からなる。
【0019】
また、図2図4図6図8図10に示すように、このズームレンズ1には、第1レンズ群2から第4レンズ群5までの各レンズ群と像面Sとの距離を変えることなく、全系の焦点距離を長い側へ遷移させるエクステンダレンズ群6が、第4レンズ群5の像面Sの側に挿脱可能に設けられる。
【0020】
第1レンズ群2は、例えば、数値例1ないし数値例4に対応する図1ないし図8に示すように、レンズL1とレンズL2とレンズL3との三枚のレンズから構成されている。第2レンズ群3は、例えば、レンズL6とレンズL7とレンズL8との三枚のレンズから構成されている。
【0021】
第3レンズ群4は、例えば、レンズL9と、レンズL10との二枚のレンズから構成されている。第4レンズ群5は、例えば、レンズL11と、レンズL12と、レンズL13と、レンズL14と、レンズL15と、レンズL16との六枚のレンズから構成されている。
【0022】
エクステンダレンズ群6は、例えば、レンズL17と、レンズL18と、レンズL19と、レンズL20と、レンズL21との五枚のレンズから構成されている。
その第3レンズ群4と第4レンズ群5との間には、第4レンズ群5のレンズL11の直前方に平行平板FP2が配設されている。この平行平板FP2は、光量調整用のNDフィルタを想定している。その平行平板FP2とレンズL11との間には絞りSBが設けられている。第4レンズ群5の像面Sの側には、平行平板FP1が配設されている。この平行平板FP1は、光学ローパスフィルタ・赤外カットフィルタ等の各種フィルタや、CCDセンサ等の撮像素子のカバーガラス(シールガラス)を想定している。
【0023】
正・負・負・正の4レンズ群で構成されるズームレンズ1は、一般に、第2レンズ群3が主要な変倍作用を負担するいわゆるバリエータとして構成され、第3レンズ群4にも変倍作用を分担させることができ、高変倍化に適している。
【0024】
この実施例では、図1(a)〜図10(a)に示すように、第2レンズ群3が広角端において最も物体側に位置し、図1(c)〜図10(c)に示すように、第3レンズ群4が望遠端において最も像面側に位置するように、第2レンズ群3、第3レンズ群4を移動させることによって、第3レンズ群4が十分な変倍作用を有するようにしている。
【0025】
広角端から望遠端への変倍に際して、図1(a)〜図10(a)から図1(b)〜図10(b)に示すように、第2レンズ群3と第3レンズ群4との間隔は一旦小さくなり、変倍の中間域で極値をとる。その後、図1(c)〜図10(c)に示すように、第2レンズ群3と第3レンズ群4との間隔は再び大きくなる。第2レンズ群3と第3レンズ群4とは変倍作用を負担するバリエータとして一体的であり、互いの間隔を変えることによって、像面位置の補償、いわゆるコンペンセータとしての機能を果たしている。
【0026】
また,この実施例に係るズームレンズ1では、第4レンズ群5の像面側に挿脱可能に設けられたエクステンダレンズ群6により,第1レンズ群2から第4レンズ群5までの各レンズ群と像面Sとの距離を変えることなく,全系の焦点距離を長い側へ遷移させるようにしている。
【0027】
このような構成を採る理由は、エクステンダレンズ群6をズームレンズ1に内蔵可能とするためである。エクステンダレンズ群6の挿脱によって、第1レンズ群2から第4レンズ群5までの各レンズ群と像面Sとの距離が変わる構成では、エクステンダレンズ群6の挿脱に伴って、フォーカス状態を維持するために第1レンズ群2から第4レンズ群5までを移動させなければならない。
【0028】
このため、ズームレンズ1を駆動するために、非常に複雑な機構が必要となる。加えて,第4レンズ群5の途中ではなく、第4レンズ群5の像面側にエクステンダレンズ群6を設けることにより、第4レンズ群5の組み立て精度の維持の容易化を図っている。
【0029】
更に、この実施例のズームレンズ1では、以下の条件式を満足する構成とされている。
【0030】
ただし、m2Wは広角端における第2レンズ群3の倍率,m2Tは望遠端における第2レンズ群3の倍率、m3Wは広角端における第3レンズ群4の倍率,m3Tは望遠端における第3レンズ群4の倍率を示している。
【0031】
m2T / m2Wおよびm3T / m3Wが共に負であるという意味は、言い換えると、広角端から望遠端への変倍の途中に、第3レンズ群4の倍率が「0」となる状態を含むという意味である。
【0032】
また、第3レンズ群4の倍率が「0」となる状態とは、第1レンズ群2と第2レンズ群3との合成の屈折力が「0」となる状態であり、これを境として、第2レンズ群3・第3レンズ群4の倍率の符号が逆転する(第3レンズ群4の倍率が「0」となるとき、第2レンズ群3の倍率は無限大となる。)。この状態を含むように、ズームレンズ1を構成することにより、第2レンズ群3・第3レンズ群4の変倍への寄与をバランスさせ、良好な収差補正を実現することが可能となる。
【0033】
さらに、その第2レンズ群3・第3レンズ群4の変倍への寄与を、( m3T / m3W ) / ( m2T / m2W ) が所定の範囲に入るようにコントロールすることにより,十分な高変倍化を達成しながら、大幅な小型化を実現することができる。
【0034】
( m3T / m3W ) / ( m2T / m2W ) が0.8以下であると,第3レンズ群4の変倍への寄与が小さくなりすぎ、( m3T / m3W ) / ( m2T / m2W )が3.0以上であると、第2レンズ群3の変倍への寄与が小さくなりすぎて、いずれの場合も各種の単色収差の補正に困難が生じ、高変倍化と小型化の両立が困難となる。
【0035】
この実施例1に係るズームレンズ1では、エクステンダレンズ群6により焦点距離をさらに長い側へ遷移させるため、エクステンダレンズ群6の非挿入時の収差はより良好に補正されている必要がある。
従って、さらに望ましくは、以下の条件式を満足する構成とするのが良い。
【0036】
ズームレンズ1をより高変倍に適したものとするためには、さらに、以下の条件式を満足する構成とするのが望ましい。
ただし、D34Wは広角端における第3レンズ群4と第4レンズ群5との間隔、D34Tは望遠端における第3レンズ群4と第4レンズ群5との間隔、fwをは広角端における全系の焦点距離を示す。
【0037】
( D34W - D34T ) / fw が2.5以下であると、第3レンズ群4の変倍への寄与が小さくなりやすく、( D34W - D34T ) / fw が6.0以上であると第2レンズ群3の変倍への寄与が小さくなりやすく、いずれにせよ、収差補正に無理が生じる場合がある。
【0038】
また、この実施例のズームレンズ1においては、望遠域の開放Fナンバが、第4レンズ群5の物体側近傍に設けた開口絞りSBではなく、第1レンズ群2の有効径で規制されるように構成することができるが、その場合、( D34W - D34T ) / fw が2.5より大きいことは、第3レンズ群4の有効径を小さくする効果があり、これも収差補正に有利に機能する。
【0039】
この実施例のズームレンズ1においては、また、主要な結像作用を負担する第4レンズ群5の配置に関して、以下の条件式を満足することが望ましい。
ただし、L4は第4レンズ群5の最も物体側の面(面番号19)から最も像側の面(面番号28)までの光軸に沿った距離、T4F-Iは第4レンズ群5の最も物体側の面(面番号28)から像面Sまでの光軸に沿った距離であり、第4レンズ群5より像面側に屈折力を有さない光学素子が含まれる場合、それが存在しないと仮定した空気換算長を示す。
【0040】
L4 / T4F-I が0.2以下であると、第4レンズ群5の構成に関する自由度が阻害され、各種の収差補正(球面収差、非点収差、歪曲収差、コマ収差の補正)が困難となる場合がある。一方、L4 / T4F-I が0.5以上であると、第4レンズ群5と像面Sとの間に十分な空間が確保できず、エクステンダレンズ群6の構成に関する自由度が阻害される。
【0041】
また、各種の収差補正が不十分となったり、赤外光カットフィルタ・可視光カットフィルタ等の切替機構をズームレンズ1内に配設するのに支障をきたしたりして、好ましくない。
更には、第4レンズ群5内・エクステンダレンズ群6内の各面やフィルタの反射によるゴーストが発生しやすくなったりして、好ましくない。
なお、以下の条件式を満足するのが更に望ましい。
【0042】
実施例のズームレンズ1において、第1レンズ群2に含まれる正レンズは、以下の条件式を満足することが望ましい。
ただし,ν1GPは第1レンズ群2に含まれる正レンズの材料のアッベ数の平均値を示す。高変倍化、特に、望遠端の焦点距離を長くしようとすると、望遠側における軸上色収差の二次スペクトルの補正が困難となる。この実施例のズームレンズ1では、エクステンダレンズ群6により焦点距離をさらに長い側へ遷移させるため、軸上色収差は、なおさら良好に補正されている必要がある。
【0043】
例えば、エクステンダレンズ群6の倍率(横倍率)を「2」とすると,Fナンバが2倍となるため、焦点深度は2倍となるが、軸上色収差は縦収差であるため2乗で寄与し、収差量は4倍となるからである。
【0044】
よって、望遠側で軸上マージナル光線高さが大きくなる第1レンズ群2には、分散の小さな正レンズを用いるのが望ましい。
ν1GPが75以下であると、望遠域の色収差補正が不十分になりやすい。その一方、ν1GPが96以上の材料は存在しないか、存在したとしても非常に特殊かつ高価であり、現実的には使用できない。
【0045】
なお、第1レンズ群2に回折光学素子を設けるなど、他の色収差補正手段を併用する場合でも、近赤外域までの色収差補正が必要な場合には、本条件式を満足するのが良い。
なお、さらに望ましくは、以下の条件式を満足するのが良い。
【0046】
この実施例の数値例1ないし数値例4に対応する図1ないし図8に示す実施例では、第1レンズ群2の各レンズL1ないしL3は、物体側から順に、像面側に凹面を向けた負メニスカスレンズ、物体側に像側よりも曲率半径の絶対値が小さい凸面を向けた正レンズ、物体側に像側よりも曲率半径の絶対値が小さい凸面を向けた正レンズL3から構成され、回折光学素子RFを含んでいる。
【0047】
第1レンズ群2に回折光学素子RFを含む構成とすることにより、近赤外域を含む望遠域の色収差補正を十分に行った場合でも、レンズ径の大きな第1レンズ群2の構成枚数を3枚に抑えることができ、軽量化が可能となる。
【0048】
第1レンズ群2に回折光学素子RFを設ける場合、以下の条件式を満足することが望ましい。
ただし,fTCはエクステンダレンズ群6を挿入した状態での望遠端における全系の焦点距離,fDOEは回折光学素子RFの回折部の焦点距離を示す。
【0049】
fTC / fDOEが、0.02以下となる程度に、回折光学素子RFの屈折力が弱いと、望遠域における色収差補正を十分に行うことが難しくなる。その一方、fTC / fDOEが0.10以上となる程度に回折光学素子RFの屈折力が強いと、望遠側における色収差の補正が過剰となって、これも好ましくない。
【0050】
第1レンズ群2は、数値例5に対応する図9図10に示すように、物体側から順に、像面側に凹面を向けた負メニスカスレンズL1’、物体側に像側よりも曲率半径の絶対値が小さい凸面を向けた正レンズL2’、像面側に凹面を向けた負メニスカスレンズL3’、物体側に像側よりも曲率半径の絶対値が小さい凸面を向けた正レンズL4’、物体側に像側よりも曲率半径の絶対値が小さい凸面を向けた正レンズL5’の5枚の構成とすることもできる。
【0051】
この場合、第1レンズ群2に回折光学素子RFは不要となる。この場合、回折光学素子RFの波長依存性に起因する不要な高次回折光、回折光学素子RFの構造に起因するフレア等を考慮する必要がなくなるというメリットがある。
【0052】
このズームレンズ1においては、第4レンズ群5は物体側から順に配設された6枚のレンズL11ないしL16から構成されているが、少なくとも3枚の正レンズを有していれば良く、以下の条件式を満足することが望ましい。
ただし、ν4GPは少なくとも3枚の正レンズのアッベ数の平均値を示す。
第4レンズ群5をこのように構成することにより、特に変倍範囲の広角域において、可視域から近赤外域までの色収差をさらに良好に補正することが可能となる。
【0053】
第2レンズ群3は、この実施例では、3枚であるが、3枚以下のレンズにより構成されることが望ましい。
この実施例のズームレンズ1においては、第2レンズ群3と第3レンズ群4とにバリエータ・コンペンセータという区別なく、総合的に変倍と収差補正を行うため、第2レンズ群3を3枚以下のレンズで構成し、第2レンズ群3単独での収差補正能力が比較的低い構成でも、十分な結像性能の確保が可能である。
【0054】
この各数値例に対応する図1ないし図10に示す第2レンズ群3のレンズL6、L7、L8は、物体側から順に負レンズ・正レンズ・負レンズの3枚構成とされている。
また、変倍に際し、第1レンズ群2と第4レンズ群5は像面Sに対して固定されていることが望ましい。
【0055】
テレビカメラ・ビデオカメラ用のズームレンズ1としては、全長が一定で変倍に際して重量バランスが変化しないことが望まれている。このため、第1レンズ群2と第4レンズ群5を移動させない構成とすることによって、それを具現化することができる。
また、移動レンズ群が少ないことは機構面でも有利であり、部品点数の低減や軽量化、信頼性の向上につながる。
【0056】
各レンズ群の屈折力は、それぞれ以下の条件式を満足することが望ましい。
ただし、f1は第1レンズ群2の焦点距離、f2は第2レンズ群3の焦点距離、f3は第3レンズ群4の焦点距離、f4は第4レンズ群5の焦点距離,fwは広角端における全系の焦点距離を示す。
【0057】
各レンズ群の屈折力を条件式の範囲に収めることにより、25倍を超える変倍比を有し、望遠端の半画角が0.5度程度となるようなズームレンズ1により適したものとなる。
【0058】
第1レンズ群2に含まれる正レンズのうちの少なくとも1枚、および、第4レンズ群5に含まれる正レンズのうちの少なくとも1枚は以下の条件式を満足することが望ましい。
ただし、νdはその正レンズを構成する材料のアッベ数、θC,A'はその正レンズを構成する材料の部分分散比を示す。
【0059】
ここで、θC,A' = ( nC - nA' ) / ( nF - nC ) であり、nF,nC,nA'は、それぞれ、その負レンズを構成する材料のF線,C線,A'線に対する屈折率である。
第1レンズ群2・第4レンズ群5のそれぞれに上記条件式を満足する正レンズを設けることにより、広角端から望遠端に至る変倍の全域にわたって近赤外域を含む色収差を良好に補正することが可能となる。
【0060】
エクステンダレンズ群6は、物体側から順に、正のレンズL17と正のレンズL18と負のレンズL19とからなるエクステンダレンズ前群と、正のレンズL20と負のレンズL21とからなるエクステンダレンズ後群とを有する構成とすることが望ましい。
【0061】
エクステンダレンズ前群は全体として正の屈折力を有し、エクステンダレンズ後群は全体として負の屈折力を有することにより、第1レンズ群2から第4レンズ群5までの各レンズ群と像面Sとの距離を変えることなく、全系の焦点距離を長い側へ遷移させることができる。
【0062】
さらに、エクステンダレンズ前群、エクステンダレンズ後群をそれぞれ複数枚のレンズにより構成すれば、エクステンダレンズ群6の収差補正をより良好に行うことが可能となる。
【0063】
エクステンダレンズ群6の屈折力は、以下の条件式を満足することが望ましい。
ただし,fEはエクステンダレンズ群の焦点距離、fwは広角端における全系の焦点距離を示す。
【0064】
エクステンダレンズ群6の屈折力を条件式の範囲内に収めることにより、2倍程度の焦点距離を有する内蔵エクステンダレンズにより適したものとなる.
この実施例のズームレンズ1において、有限距離へのフォーカシングは各種の方法が考えられる。最も簡単な構成は、第1レンズ群2を移動させることによって行うものである。
【0065】
以下に、このズームレンズ1の具体的な数値例を示す。なお、最大像高y’は、数値例1、数値例2、数値例4、数値例5においては、4.0mm,数値例3においては、4.5mmである。
【0066】
各レンズの材質は,数値例1〜数値例4において,第1レンズ群2が有する回折部に樹脂が使用されている他は全て光学ガラスである。この光学ガラスには株式会社オハラ製の製品を使用しており、数値例にはガラス材料名を記載している。
【0067】
数値例1ないし数値例5の収差は十分に補正されており、200万画素以上の撮像素子への対応が可能となっている。この実施例のように、ズームレンズ1を構成することにより、25倍を超える変倍比と十分な小型化を達成しながら、非常に良好な結像性能を確保し得ることは実施例より明らかである。
【0068】
数値例1ないし数値例5における記号の意味は以下の通りである。
f :全系の焦点距離
F :Fナンバ
ω :半画角
r :曲率半径
d :面間隔
nd :屈折率
νd :アッベ数
θC,A' :部分分散比:(nC-nA')/(nF-nC
C2 :位相関数の2次係数
C4 :位相関数の4次係数
K :非球面の円錐定数
A4 :非球面式の4次係数
A6 :非球面式の6次係数
A8 :非球面式の8次係数
【0069】
ただし、ここで用いられる回折面は、基準波長をλ、光軸からの高さをhとして、以下の位相関数で表される。なお、結像光には1次回折光を使用し、回折部の屈折力は-2・C2である。
また、ここで用いられる非球面は、近軸曲率半径をR、光軸からの高さをHとして、以下の非球面式で表される。
球面収差の図中の破線は正弦条件を示す。
非点収差の図中の実線はサジタル収差、破線はメリディオナル収差を示す。
【0070】
(数値例1)
エクステンダレンズ群6が設けられていない場合
第3面は面番号3を意味する。
【0071】
(数値例1)
エクステンダレンズ群6が設けられている場合

【0072】
(数値例2)
エクステンダが設けられていない場合
【0073】
(数値例2)
エクステンダが設けられている場合
【0074】
(数値例3)
エクステンダが設けられていない場合
【0075】
(数値例3)
エクステンダが設けられている場合
【0076】
(数値例4)
エクステンダが設けられていない場合
第19面は面番号19を意味する。
【0077】
(数値例4)
エクステンダが設けられている場合
【0078】
(数値例5)
エクステンダが設けられていない場合
【0079】
(数値例5)
エクステンダが設けられている場合
【0080】
次に、このズームレンズ1を適用した撮像装置10を図41を参照しつつ説明する。
撮像装置10は撮影レンズ11と撮像素子16(例えば、エリアセンサ)を有する。この撮影レンズ11には、既述のズームレンズ1を用いることができる。撮影レンズ11は、フォカース制御部12によってフォーカス制御される。すなわち、このフォーカス制御部12によって合焦動作が実行される。
【0081】
また、ズームレンズ制御部13によって、ズーム制御される。つまり、ズーム制御部13によって変倍動作がなされる。絞り部材SBは絞り制御部14’によって制御され、平行平面板FP2等のフィルタはフィルタ制御部14によって撮影光路に挿脱され、エクステンダレンズ群6はエクステンダ制御部15によって撮影光路に挿脱される。絞り制御部14’は開口絞りSBの径を変えて、Fナンバをコントロールする役割を果たす。フィルタ制御部14は、例えば、赤外光カットフィルタ・可視光カットフィルタ等の切替を行う役割を有する。
【0082】
その撮影レンズ11によって撮像素子16の像面Sに被写体像が形成される。その撮像素子16は、像面Sに形成された被写体像を光電変換して、画像信号として信号処理部17に向けて出力する。
【0083】
その信号処理部17は画像信号を処理して、デジタル情報に変換する。その信号処理部17によってデジタル化された画像情報は、図示を略す画像処理部において所定の画像処理を受け、図示を略す半導体メモリ等に記録されたり、図示を略す通信手段によって外部へ伝送される。
また、図示を略すモニタに撮影中の画像を表示することもあるし、半導体メモリ等に記録されている画像をモニタに表示することもできる。
【0084】
以上に説明した撮像装置10によれば、数値例1〜数値例5のズームレンズ1を撮影レンズ11として使用できるので、可視域から近赤外域までのシームレスな撮像に対応し、200万画素以上の撮像素子16を使用した小型で高画質の撮像装置10を実現できる。
【0085】
この実施例の効果をまとめると、25倍を超える変倍比を有すると共に2倍程度のエクステンダを内蔵し、構成枚数が少なく、軽量で、望遠端における望遠比(焦点距離に対するレンズ全長の比)が0.60未満と小型であり、200万画素以上の撮像素子に対応した解像力を有するズームレンズ1を提供することができる。このため、高変倍かつ十分に小型・軽量で、高画質の撮像装置を実現することが可能となる。
【0086】
また、この実施例によれば、特に望遠域の色収差をより良好に補正した高性能なズームレンズ1を提供することができる。このため、監視用途として特に重要な望遠域において、さらに画質低下が少なく、かつ、使い勝手に優れた高画質の撮像装置を提供することができる。
【0087】
また、この実施例によれば、変倍全域における色収差をよりバランス良く補正した高性能なズームレンズ1を提供することができる。このため、さらに高画質で使用時のストレスがない撮像装置を実現することができる。
【0088】
更に、この実施例によれば,第3レンズ群4の収差補正への寄与をコントロールし、より高性能化・小型化に適したズームレンズ1を提供することができる。このため、画面全体にわたって高い解像度を有する小型の撮像装置を提供することができる。
【0089】
更に、変倍に際して第2レンズ群3・第3レンズ群4の役割を適切なものとし、より小型化・高変倍化に適したズームレンズ1を提供することができる。このため、十分に高変倍で小型の撮像装置を提供することができる。
【0090】
また、像面Sに対して第4レンズ群5を適切に配置し,十分なバックフォーカスを確保しながら、より高性能化の可能なズームレンズ1を提供することができる。このため、フィルタ切替機構等の配置に無理のない高画質の撮像装置を提供することができる。
【0091】
加えて、各レンズ群の適切な構成例を示し、ズームレンズ1をより具現化することができるため、高変倍かつ小型・軽量で、可視域から近赤外域に至るまでピント変動や画質低下を抑えた高画質の撮像装置をより確実に実現することができる。
【0092】
変倍に際して可動レンズ群を限定し、全長変化がなく重量バランスも崩れにくい操作性に優れた高性能なズームレンズ1を提供することができる。このため、使い勝手が良く、信頼性も高い撮像装置を実現することができる。
【0093】
また、25倍を超える変倍比を有すると共に2倍程度のエクステンダレンズ群6を内蔵し、構成枚数が少なく、軽量で、望遠端における望遠比(焦点距離に対するレンズ全長の比)が0.60未満と小型であり、200万画素以上の撮像素子に対応した解像力を有するズームレンズを撮影光学系として使用した小型で高画質の撮像装置を提供することができる。このため、ユーザは可視域から近赤外域までの撮像をストレスなく行うことができる。
【符号の説明】
【0094】
1…ズームレンズ
2…第1レンズ群
3…第2レンズ群
4…第3レンズ群
5…第4レンズ群
6…エクステンダレンズ群
【先行技術文献】
【特許文献】
【0095】
【特許文献1】特開平10-054937号公報
【特許文献2】特開2012-185272号公報
【特許文献3】特開2008-197534号公報
【特許文献4】特開2008-241884号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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