特許第6252483号(P6252483)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日立化成株式会社の特許一覧
<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6252483
(24)【登録日】2017年12月8日
(45)【発行日】2017年12月27日
(54)【発明の名称】粘着剤組成物及びフィルム状粘着剤
(51)【国際特許分類】
   C09J 163/00 20060101AFI20171218BHJP
   C09J 177/00 20060101ALI20171218BHJP
   C09J 7/00 20060101ALI20171218BHJP
【FI】
   C09J163/00
   C09J177/00
   C09J7/00
【請求項の数】5
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-540910(P2014-540910)
(86)(22)【出願日】2013年10月11日
(86)【国際出願番号】JP2013077790
(87)【国際公開番号】WO2014058058
(87)【国際公開日】20140417
【審査請求日】2016年8月10日
(31)【優先権主張番号】特願2012-226425(P2012-226425)
(32)【優先日】2012年10月11日
(33)【優先権主張国】JP
(31)【優先権主張番号】特願2012-276211(P2012-276211)
(32)【優先日】2012年12月18日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004455
【氏名又は名称】日立化成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100128381
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 義憲
(74)【代理人】
【識別番号】100160897
【弁理士】
【氏名又は名称】古下 智也
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(72)【発明者】
【氏名】増田 克之
(72)【発明者】
【氏名】品田 詠逸
【審査官】 菅野 芳男
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭62−177066(JP,A)
【文献】 特開2010−202852(JP,A)
【文献】 米国特許第04082708(US,A)
【文献】 特開2006−324547(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/141266(WO,A1)
【文献】 国際公開第2012/140740(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09J 163/00
C09J 7/00
C09J 177/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エポキシ樹脂及びポリアミド樹脂を含む粘着剤組成物であって、
前記ポリアミド樹脂は1,4−ピペラジンジイル基を有し、
前記ポリアミド樹脂に対する、前記エポキシ樹脂の添加量は、前記粘着剤組成物の固形分量に対して0.1〜30質量%である、粘着剤組成物。
【請求項2】
前記ポリアミド樹脂は、ポリオキシアルカンジイル基を有する、請求項1に記載の粘着剤組成物。
【請求項3】
前記ポリアミド樹脂は、二価の芳香環基を有する、請求項1又は2に記載の粘着剤組成物。
【請求項4】
前記ポリアミド樹脂は、ヒドロキシ基を有する、請求項1〜のいずれか一項に記載の粘着剤組成物。
【請求項5】
請求項1〜のいずれか一項に記載の粘着剤組成物をフィルム状に形成してなるフィルム状粘着剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粘着剤組成物及びフィルム状粘着剤に関する。
【背景技術】
【0002】
アミド系粘着樹脂は、例えば250℃の温度に対する耐熱性と粘着性を兼ね備えているため、高温プロセスに対応した粘着剤として用いることができる(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2012/140740号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、粘着剤を電子材料の製造工程に用いようとした場合には、工程中で用いられるレジスト、レジスト剥離液等に用いられる有機溶剤に溶解しない性能、すなわち耐薬品性を備えることが望ましい。しかしながら、従来のアミド系粘着樹脂は上記用途に一般的に用いられる有機溶剤(例えば、N−メチルピロリドン、テトラヒドロフラン等)に溶解するために、使用に制限があった。
【0005】
そこで本発明は、耐薬品性に優れた、ポリアミド樹脂を含む粘着剤組成物及びこれを用いたフィルム状粘着剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、エポキシ樹脂及びポリアミド樹脂を含む粘着剤組成物を提供する。このような粘着剤組成物は、耐熱性及び耐薬品性に優れる。本発明の粘着剤組成物は、特に200〜270℃の温度範囲で用いられる粘着剤として特に好適に適用することができる。
【0007】
ポリアミド樹脂は、ポリオキシアルカンジイル基を有することが好ましい。ポリオキシアルカンジイル基により、粘着剤組成物の柔軟性及び粘着性が良好となる。
ポリアミド樹脂は、二価の芳香環基を有することが好ましい。二価の芳香環基の存在により、粘着剤組成物の高温における粘着性が更に良好になる。
ポリアミド樹脂は、ヒドロキシ基を有することが好ましい。これにより、粘着剤組成物の耐薬品性が更に良好になる。
ポリアミド樹脂は、1,4−ピペラジンジイル基を有していてもよい。
【0008】
なお、粘着剤組成物は、フィルム状に形成してなるフィルム状粘着剤として提供されてもよい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、耐薬品性に優れた、ポリアミド樹脂を含む粘着剤組成物及びこれを用いたフィルム状粘着剤を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本実施形態の粘着剤組成物は、ポリアミド樹脂及びエポキシ樹脂を含有する。なお、本発明において「粘着性」とは、20℃〜22℃の温度で10ラジアン/秒で測定した貯蔵弾性率(G’)が3×10パスカル未満であることをいう(ダールキスト基準)。
【0011】
(ポリアミド樹脂)
ポリアミド樹脂は、主鎖にアミド基を有し、主鎖の末端はアミノ基、カルボキシル基、カルボン酸ハロゲン化物構造又はカルボン酸無水物構造を有している。主鎖の末端は後述する変性に用いた化合物由来の基であってもよい。なお、カルボン酸ハロゲン化物構造としては、例えば、−COCl、−COBrのような酸ハロゲン基が挙げられ、カルボン酸無水物構造とは、複数のカルボキシル基から生成した酸無水物基を意味する。
ポリアミド樹脂は、下記式(1−1)で表される構造単位を有することが好ましい。
【0012】
【化1】
【0013】
上記式(1−1)において、R及びRは二価の有機基を示す。Rは、鎖式脂肪族化合物、環式脂肪族化合物(脂環式化合物、架橋環式化合物、スピロ炭化水素が含まれる。)、ベンゼン環を有する化合物(ナフタレン、アントラセン、ナフタセン、ピレン、ペリレン等の縮合多環式炭化水素及びベンゼンが含まれる。)及び複素環式化合物からなる群より選ばれる化合物から、水素原子2個を除いた二価の有機基であることが好ましい。
【0014】
としては、鎖式脂肪族化合物、環式脂肪族化合物(メチレンジシクロヘキシル基を備える化合物等の脂環式化合物、架橋環式化合物、スピロ炭化水素が含まれる。)、ベンゼン環を有する化合物(ナフタレン、アントラセン、ナフタセン、ピレン、ペリレン等の縮合多環式炭化水素及びベンゼンが含まれる。)、複素環式化合物、ポリアルキレンオキサイド(ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイドが含まれる。)及びポリオルガノシロキサン(ポリジメチルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサンが含まれる。)からなる群より選ばれる化合物又はそのハロゲン化物(フッ素化物等)から水素原子2個を除いた二価の有機基が好ましい。なお、Rを与える化合物として上記した、ベンゼン環を有する化合物には、2,2−ビス(4−フェノキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−フェノキシフェニル)スルホン、2,2−ビス(4−フェノキシフェニル)メタン、4,4’−ビスフェノキシビフェニル、ビス(4−フェノキシフェニル)エーテル、ビス(4−フェノキシフェニル)ケトン、1,3−フェノキシベンゼン、1,4−フェノキシベンゼン、2,2’−ジメチルビフェニル、5,5’−ジメチル−2,2’−スルフォニル−ビフェニル、ジフェニルエーテル、ジフェニルスルホン、ベンゾフェノン、ジフェニルメタン等が含まれる。
【0015】
ポリアミド樹脂は、ポリオキシアルカンジイル基を有することが好適である。ポリアミド樹脂がポリオキシアルカンジイル基を含有することにより、粘着剤組成物のガラス転移温度が低下し、例えば室温等の低温で貼り付けることが容易となり、粘着性が優れるようになる。ポリオキシアルカンジイル基としては、下記式(2)で表される基が挙げられる。式中、nは2以上の整数を示し、Rはアルカンジイル基を示す。ここで、複数存在するRは互いに同一でも異なっていてもよい。
【0016】
【化2】
【0017】
上記式(2)中、Rは直鎖状でも分岐状であってもよく、炭素数2〜4のアルカンジイル基が好ましく、炭素数2〜3のアルカンジイル基がより好ましい。Rとしては、例えば、エタン−1,2−ジイル基、プロパン−1,2−ジイル基、プロパン−1,3−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基が挙げられる。nは、2〜70であることが好ましく、6〜33であることがより好ましい。
【0018】
ポリオキシアルカンジイル基としては、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリブチレンオキサイド、ポリテトラメチレンオキサイド、ポリエチレンオキサイドポリプロピレンオキサイド共重合体、ポリエチレングリコールポリテトラメチレングリコール共重合体、ポリプロピレングリコールポリテトラメチレングリコール共重合体、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールポリテトラメチレングリコール共重合体等のポリアルキレンオキサイドから誘導される基が好ましく、ポリオキシエチレン基、ポリオキシプロパン−1,2−ジイル基がより好ましい。
【0019】
ポリアミド樹脂にポリオキシアルカンジイル基を導入する方法としては、原料(重合性モノマー)の少なくとも一つにポリオキシアルカンジイル基を有する原料を使用することが簡便である。
【0020】
ポリアミド樹脂は、例えば、下記式(A−1)で表されるモノマー(A−1)と、下記式(B−1)で表されるモノマー(B−1)との縮合重合により得ることができる。モノマー(A−1)のカルボキシル基を酸クロライド基にしてポリアミドを形成してもよく、その他の方法で製造されたものであってもよい。モノマー(A−1)及びモノマー(B−1)は、それぞれ一種を単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なお、下記式(A−1)及び(B−1)における、R及びRの定義及び好適例は上述のとおりである。
【0021】
【化3】
【0022】
【化4】
【0023】
モノマー(A−1)としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、ドデカン二酸、テトラデカン二酸、ペンタデカン二酸、オクタデカン二酸等のアルキレンジカルボン酸、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等のアリーレンジカルボン酸、4−メチルヘキサヒドロフタル酸、3−メチルヘキサヒドロフタル酸、2−メチルヘキサヒドロフタル酸、3−エチルヘキサヒドロフタル酸、2−エチルヘキサヒドロフタル酸、メチルノルボルナン−2,3−ジカルボン酸、メチルノルボルナン−3,4−ジカルボン酸等のシクロヘキサン骨格を有するジカルボン酸などが挙げられる。粘着剤組成物の耐熱性が向上することから、アリーレンジカルボン酸が好ましい。
【0024】
モノマー(B−1)としては、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2’−ジメチルビフェニル−4,4’−ジアミン、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル−4,4’−ジアミン、5,5’−ジメチル−2,2’−スルフォニル−ビフェニル−4,4’−ジアミン、(4,4’−ジアミノ)ジフェニルエーテル、(4,4’−ジアミノ)ジフェニルスルホン、(4,4’−ジアミノ)ベンゾフェノン、(3,3’―ジアミノ)ベンゾフェノン、(4,4’−ジアミノ)ジフェニルメタン、(4,4’−ジアミノ)ジフェニルエーテル、(3,3’―ジアミノ)ジフェニルエーテル、N,N’−ビス(4−アミノフェニル)ピペラジン等の芳香族ジアミン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン等のアルキレンジアミン、ポリエチレンオキサイドジアミン、ポリプロピレンオキサイドジアミン等のポリアルキレンオキサイドジアミン、(4,4’−ジアミノ)ジシクロヘキシルメタン、イソホロンジアミン、1,4−ビスアミノプロピルピペラジン、[3,4−ビス(1−アミノヘプチル)−6−ヘキシルー5−(1−オクテニル)]シクロヘキセン、ビスアミノメチルノルボルネン等の脂肪族ジアミン、ポリジメチルシロキサンジアミン等のシロキサンジアミンなどが挙げられる。
【0025】
ポリアミド樹脂は、ポリオキシアルカンジイル基を有していることが好ましく、構造単位中のモノマー(B−1)に由来する構造にポリオキシアルカンジイル基が存在することがより好ましい。すなわち、モノマー(A−1)及び(B−1)のうち少なくとも一種がポリオキシアルカンジイル基を有することが好ましく、モノマー(B−1)のうち少なくとも一種がポリオキシアルカンジイル基を有することがより好ましい。
【0026】
したがって、ポリアミド樹脂は、ポリオキシアルカンジイル基及び少なくとも2つのアミノ基を有するモノマー(モノマー(b−1))を含む重合性モノマーを縮合重合して得られる構造単位を有することが好ましい。
【0027】
重合性モノマー中のモノマー(b−1)の含有量は、モノマー(B−1)の総量に対して5〜20mol%であることが好ましく、7〜15mol%であることがより好ましく、8〜10mol%であることが更に好ましい。このような重合性モノマーを縮合重合して得られる構造単位を有する粘着剤組成物は、被着体との密着性に一層優れる傾向にある。
【0028】
モノマー(b−1)としては、ポリアルキレンオキサイドポリアミンが挙げられる。ポリアルキレンオキサイドポリアミンとしては、ポリアルキレンオキサイドジアミン又はポリアルキレンオキサイドトリアミンが好ましく、このようなアミンとしては、ジェファーミンD−230(HUNTSMAN、商品名)、ジェファーミンD−400(HUNTSMAN、商品名)、ジェファーミンD−2000(HUNTSMAN、商品名)、ジェファーミンD−4000(HUNTSMAN、商品名)等のポリプロピレンオキサイドジアミン、ジェファーミンED−600(HUNTSMAN、商品名)、ジェファーミンED−900(HUNTSMAN、商品名)等のポリプロピレンオキサイドとポリエチレンオキサイドの共重合体ジアミン、ジェファーミンEDR−148(HUNTSMAN、商品名)、ジェファーミンEDR−176(HUNTSMAN、商品名)等のポリエチレンオキサイドジアミン、ジェファーミンT−403(HUNTSMAN、商品名)、ジェファーミンT−3000(HUNTSMAN、商品名)、ジェファーミンT−5000(HUNTSMAN、商品名)等のポリアミン(ポリオキシプロピレントリグリセリドトリアミン)などを好適に用いることができる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
【0029】
ポリアミド樹脂はまた、脂環式構造を有することが好ましい。このような構造を有する粘着剤組成物は、吸水性の抑制ができるものとなる。脂環式構造としては、シクロヘキシル基、ジシクロヘキシル基、メチレンジシクロヘキシル基、イソホロン基、シクロヘキシルジメチル基が挙げられる。
【0030】
このような脂環式構造を有するモノマーとしては、モノマー(A−1)として、1,4−ジカルボキシシクロヘキサンが、モノマー(B−1)としてビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、イソホロンジアミン及び1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンが例示できる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
【0031】
また、ポリアミド樹脂は、構造単位中にメチレンジシクロヘキシル基を有していることが好ましく、構造単位中のモノマー(B−1)に由来する構造にメチレンジシクロヘキシル基が存在することがより好ましい。すなわち、モノマー(A−1)及び(B−1)のうち少なくとも一種がメチレンジシクロヘキシル基を有することが好ましく、モノマー(B−1)のうち少なくとも一種がメチレンジシクロヘキシル基を有することがより好ましい。
【0032】
すなわち、ポリアミド樹脂は、メチレンビスシクロヘキシル基及び少なくとも2つのアミノ基を有するモノマー(モノマー(b−2))を含む重合性モノマーを縮合重合して得られる構造単位を有することが好ましい。
【0033】
重合性モノマー中のモノマー(b−2)の含有量は、モノマー(B−1)の総量に対して4〜28.5mol%であることが好ましく、8〜28.5mol%であることがより好ましく、8〜20mol%であることがさらに好ましい。このような重合性モノマーを縮合重合して得られる構造単位を有する粘着剤組成物は、吸水率が抑制され保存安定性に一層優れるものとなる。
【0034】
モノマー(b−2)としては、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタンを好適に用いることができる。
【0035】
ポリアミド樹脂は、構造単位中のモノマー(B−1)に由来する構造が、ピペラジンジイル基を有することが好ましく、ピペラジン−N,N’−ジプロピル基を有することがより好ましい。
【0036】
すなわち、ポリアミド樹脂は、ピペラジン−N,N’−ジプロピル基及び少なくとも2つのアミノ基を有するモノマー(モノマー(b−3))を含む重合性モノマーを縮合重合して得られる構造単位を有することが好ましい。
【0037】
重合性モノマー中のモノマー(b−3)の含有量は、特に制限は無いが、モノマー(b−1)及び(b−2)を用いた後の残量を最大量として用いることができる。このような重合性モノマーを縮合重合して得られる構造単位を有するポリアミド樹脂によれば、耐熱性と粘着性のバランスに優れる粘着剤組成物が得られる。
【0038】
モノマー(b−3)としては、1,4−ビス(3−アミノプロピル)ピペラジンを好適に用いることができる。
【0039】
ポリアミド樹脂は、ヒドロキシ基を有することが好適であり、フェノール性水酸基を有することがより好適である。ポリアミド樹脂がヒドロキシ基を有することにより、耐薬品性がより向上する。ポリアミド樹脂にヒドロキシ基を導入する方法としては、重合性モノマーの少なくとも一つにヒドロキシ基を有する原料を使用することが好適である。ヒドロキシ基を有する原料としては、例えば、ヒドロキシイソフタル酸が挙げられる。
【0040】
ポリアミド樹脂は、例えば、モノマー(A−1)と、モノマー(B−1)を含む重合性モノマーの縮合重合により得ることができる。また、モノマー(A−1)に代えて、そのエステル化物、酸ハロゲン化物等を用いることもできる。重合性モノマーとして、ジイソシアネート(モノマー(C−1))等の他のモノマーを含有していてもよい。
【0041】
縮合重合の方法は特に制限されないが、例えば、重合性モノマーを溶媒に溶解して、反応温度0〜200℃、反応時間1〜10時間程度で反応させる方法を採用することができる。
【0042】
縮合重合に用いる溶媒としては、N−メチルピロリドン、N−エチルピロリドン、N−メチルスクシイミド、ジメチルフラン、トルエン、N,N’−ジメチルアセトアミド、ヘキサメチレンホスホルアミド、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。この中でも、樹脂の溶解性の観点からN−メチルピロリドンが好ましい。
【0043】
また、縮合重合においては、縮合反応を促進させる目的で、触媒等の加速剤を用いることができる。加速剤の添加量は、重合性モノマー10mol当量に対して、0.1〜50mol当量とすることが好ましい。加速剤としては、塩化リチウム、塩化カルシウム、ロダンカルシウム等の無機塩、トリエチルアミン、ピリジン等の3級アミン、テトラメチルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウムブロマイド、テトラ−n−ブチルアンモニウムブロマイド等の4級アンモニウム塩などが挙げられる。
【0044】
ポリアミド樹脂は、縮合重合で得られた重合体をさらに変性したもの(変性ポリアミド樹脂)であってもよく、変性ポリアミド樹脂としては、オレフィン変性ポリアミド、アルコキシシラン変性ポリアミド、シロキサン変性ポリイミド、エポキシ変性ポリアミド、ポリカーボネート変性ポリアミド、イソシアネート変性ポリアミド等が挙げられる。
【0045】
(エポキシ樹脂)
エポキシ基を有する化合物であるエポキシ樹脂は、効率的に架橋する観点から、エポキシ基を2つ以上有するものが好ましい。具体例としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、りん含有エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族鎖状エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールのジグリシジルエーテル化物、ナフタレンジオールのジグリシジルエーテル化物、フェノール類のジグリシジルエーテル化物、アルコール類のジグリシジルエーテル化物、及びこれらのアルキル置換体、ハロゲン化物、水素添加物等を例示できる。これらのエポキシ樹脂は単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0046】
エポキシ樹脂は、エポキシ硬化剤を更に含んでいてもよい。エポキシ硬化剤としては、フェノール型エポキシ硬化剤、クレゾール型エポキシ硬化剤、エステル型エポキシ硬化剤等が挙げられる。
【0047】
エポキシ樹脂の硬化促進剤として、イミダゾール類を添加してもよい。イミダゾール類としては、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−イミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、2−フェニルイミダゾリン、ナフトイミダゾール、ピラゾール、トリアゾール、テトラゾール、インダゾール、ピリジン、ピラジン、ピリダジン、ピリミジン、ベンゾトリアゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾリウムトリメリテイト、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテイト等が挙げられる。
【0048】
粘着剤組成物における、ポリアミド樹脂に対する、エポキシ樹脂の添加量は、粘着剤組成物の固形分量に対して0.01〜50質量%が好ましく、0.1〜30質量%がより好ましく、0.5〜20質量%がさらに好ましく、1〜15質量%が特に好ましい。この範囲であると充分な耐薬品性を維持することができ、かつ粘着剤としての機能が向上する。
【0049】
粘着剤組成物におけるエポキシ樹脂及びポリアミド樹脂の合計含有量は、粘着剤組成物全量に対して、40〜100質量%であると好ましく、80〜100質量%であると好ましく、100質量%、すなわちエポキシ樹脂及びポリアミド樹脂からなるとより好ましい。
【0050】
粘着剤組成物は、密着性を高める観点から、発明の目的を損なわない範囲内でロジン樹脂、テルペン樹脂、クマロン樹脂、フェノール樹脂、スチレン樹脂、脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、脂肪族芳香族共重合系石油樹脂等の粘着付与剤などを含んでもよい。
【0051】
また、粘着剤組成物は、合金粒子、ガラス粒子、粘土粒子等の無機材料、ポリマー粒子などの有機材料を含んでいてもよい。より具体的には、合金粒子としては錫合金、鉛合金、インジウム合金、亜鉛合金、金合金等が挙げられ、ガラスとしては鉛系、燐酸塩系、ホウ酸系、バナデート系、テルライド系、フッ化物系ガラス等が挙げられ、粘土としてはスティーブンサイト、モンモリロナイト、カオリナイト、イライト、スメクタイト、クロ―ライト、バーミキュライト等が挙げられ、ポリマー粒子としてはポリレチレンテレフタレート、ポリアクリロニトリル、フッ素樹脂(PTFE)、エポキシ樹脂、ナイロン、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエチレンナフタレート等が挙げられる。
【0052】
粘着剤組成物は、アミン、カルボン酸、酸無水物、過酸化物等の硬化触媒を含有しないことが好ましいが、硬化触媒を含有する場合のその含有量は、粘着剤組成物の固形分量に対して1質量%以下であると好ましく、0.5質量%以下であるとより好ましい。
【0053】
粘着剤組成物は、フィルム形状で提供されてもよい。すなわち、上述の粘着剤組成物を含むフィルム状粘着剤が提供される。フィルム状粘着剤は、単層又は複数の粘着剤組成物の層からなるもの、又は支持体の片面又は両面に単層又は複数の粘着剤組成物の層が形成されたものとすることができる。フィルム状粘着剤の製造方法の例を以下に示す。
【0054】
例えば、粘着剤組成物を含む粘着剤組成物ワニスを支持体の一面上に塗布して乾燥させることにより、フィルム状粘着剤を作製することができる。
【0055】
また、粘着剤組成物ワニスを支持体の両面上に塗布して乾燥させることにより、支持体の両面に粘着剤組成物の層を有するフィルム状粘着剤を作製することができる。
【0056】
さらに、粘着剤組成物ワニスを、離型フィルム等のフィルム上に塗布して乾燥させることにより形成された粘着剤組成物の層を、支持体上にラミネートして転写することによってフィルム状粘着剤を作製することもできる。
【0057】
このようなキャスティング法による作製方法は、平坦な粘着剤組成物の層が容易に得られることから好適である。
【0058】
粘着剤組成物の層の厚さは、0.1〜100μmであることが好ましく、1〜50μmであることがより好ましい。粘着剤組成物の層の厚さは、粘着剤組成物ワニスにおける粘着剤組成物の濃度、及び粘着剤組成物ワニスの塗布量によって、適宜調整することができる。
【0059】
粘着剤組成物ワニスに用いられる溶媒は、特に制限されないが、粘着剤組成物が良好な溶解性を示すことから、グリコール系溶剤、グリコールエーテル系溶剤、グリコールエステル系溶剤等が好ましく用いられる。
【0060】
具体的には、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル,3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、PMA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等が挙げられる。このほかにも、N−メチルピロリドン、N−エチルピロリドン、N−メチルスクシイミド、N,N’−ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド等も用いることができる。これらの溶剤は単独で又は2種類以上を混合させて用いてもよい。
【0061】
支持体としては、特に制限されないが、200℃以上の温度に対する耐熱性を有する材料を用いることが好ましく、ポリエステル、ポリイミド、ポリアミド、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、トリアセチルセルロース、ポリエーテルイミド、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレン、アクリル、ポリスチレン、ポリカーボネート等の有機材料を含むものが挙げられる。また、無機材料を含む支持体を用いることもでき、アルミニウム、マグネシウム、チタン、クロム、マンガン、鉄、ニッケル、亜鉛、錫、ガラス、シリコンウエハ、合金等の無機材料を含むものを用いることができる。
【0062】
本実施形態の粘着剤組成物は、室温で貼り付けることができ、200〜270℃においても十分な接着性を有する。本実施形態の粘着剤組成物の粘着力は、0.1〜8.0N/cmであると好ましく、0.3〜5.0N/cmであるとより好ましく、0.5〜2.0N/cmであるとさらに好ましい。
【0063】
粘着剤組成物が接着することが可能な好適な被着体としては、200℃以上の温度に対する耐熱性を有する材料が好ましい。より具体的な被着体としては、本発明の目的を達成できる限り特に制限はなく、例えば、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン46等のポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリトリメチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンナフタレート等のポリエステル樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、トリアセチルセルロース樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂又はこれらの混合樹脂、アルミニウム、マグネシウム、チタン、クロム、マンガン、鉄、ニッケル、亜鉛、錫、ガラス、銅、シリコンウエハ及び合金が挙げられる。これらの材料の中では、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、アルミニウム、マグネシウム、チタン、クロム、マンガン、鉄、ニッケル、亜鉛、錫、ガラス、銅及びシリコンウエハが高い耐熱性を示すことからより好ましい。
【実施例】
【0064】
(合成例1)
攪拌機、還流冷却器、温度計及び窒素導入管を備えたセパラブルフラスコに、二塩化イソフタロイル529.3g、二塩化テレフタロイル75.7g、ポリプロピレングリコールジアミン(JEFFAMINE(登録商標)D−2000、HUNTSMAN社製)447.2g、1,4−ビス(3−アミノプロピル)ピペラジン462.8g及びメチレンシクロヘキシルジアミン(ワンダミンHM(登録商標)、新日本理化社製)93.9gを、N−メチルピロリドン7609g中、氷冷下で1時間、室温下で2時間、縮合重合させた。反応終了後、反応混合液に3倍量の水を加えて、不溶成分を分離及び乾燥することにより重量平均分子量が45000のポリアミド樹脂を得た。
【0065】
(合成例2)
攪拌機、還流冷却器、温度計及び窒素導入管を備えたセパラブルフラスコに、イソフタロイル酸55.7g、テレフタル酸41.8g、5−ヒドロキシイソフタル酸15.3g、ポリプロピレングリコールジアミン(JEFFAMINE(登録商標)D−2000、HUNTSMAN社製、ポリプロピレングリコールの繰り返し単位数:33)122.0g、1,4−ビス(3−アミノプロピル)ピペラジン97.7g、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン(ワンダミンHM(登録商標)、新日本理化社製)12.8g及び鉄粉0.37gを、N−メチルピロリドン650g中、200℃で10時間、副成する水を除去しつつ縮合重合させた。反応終了後、冷却し、メチレンジフェニルジイソシアネート30.5gを加え、160℃で3時間反応させることにより重量平均分子量が40000のポリアミド樹脂のNMP溶液を得た。
【0066】
(実施例1)
合成例1のポリアミド樹脂20gとエポキシ樹脂(日本化薬製、商品名:NC−3000H)0.5gをジメチルアセトアミド32gに溶解して、樹脂ワニスを得た。
得られた樹脂ワニスを用いて、離型PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム上にバーコーターで乾燥後の樹脂厚みが20μmになるようにワニスを均一に塗布し、熱風乾燥機を用いて160℃30分乾燥させて、フィルム状粘着剤を形成した。
【0067】
(実施例2)
合成例1のポリアミド樹脂20gとエポキシ樹脂(日本化薬製、商品名:NC−3000H)1.0gをジメチルアセトアミド32gに溶解して、樹脂ワニスを得た。
得られた樹脂ワニスを用いて、離型PETフィルム上にバーコーターで乾燥後の樹脂厚みが20μmになるようにワニスを均一に塗布し、熱風乾燥機を用いて160℃30分乾燥させて、フィルム状粘着剤を形成した。
【0068】
(実施例3)
合成例1のポリアミド樹脂20gとエポキシ樹脂(日本化薬製、商品名:NC−3000H)2.0gをジメチルアセトアミド32gに溶解して、樹脂ワニスを得た。
得られた樹脂ワニスを用いて、離型PETフィルム上にバーコーターで乾燥後の樹脂厚みが20μmになるようにワニスを均一に塗布し、熱風乾燥機を用いて160℃30分乾燥させて、フィルム状粘着剤を形成した。
【0069】
(実施例4)
合成例2のポリアミド樹脂20gを含むNMP溶液にエポキシ樹脂(日本化薬製、商品名:NC−3000H)0.5gを溶解して、樹脂ワニスを得た。
得られた樹脂ワニスを用いて、離型PETフィルム上にバーコーターで乾燥後の樹脂厚みが20μmになるようにワニスを均一に塗布し、熱風乾燥機を用いて160℃30分乾燥させて、フィルム状粘着剤を形成した。
【0070】
(実施例5)
合成例2のポリアミド樹脂20gを含むNMP溶液にエポキシ樹脂(日本化薬製、商品名:NC−3000H)1.0gを溶解して、樹脂ワニスを得た。
得られた樹脂ワニスを用いて、離型PETフィルム上にバーコーターで乾燥後の樹脂厚みが20μmになるようにワニスを均一に塗布し、熱風乾燥機を用いて160℃30分乾燥させて、フィルム状粘着剤を形成した。
【0071】
(実施例6)
合成例2のポリアミド樹脂20gを含むNMP溶液にエポキシ樹脂(日本化薬製、商品名:NC−3000H)2.0gを溶解して、樹脂ワニスを得た。
得られた樹脂ワニスを用いて、離型PETフィルム上にバーコーターで乾燥後の樹脂厚みが20μmになるようにワニスを均一に塗布し、熱風乾燥機を用いて160℃30分乾燥させて、フィルム状粘着剤を形成した。
【0072】
(実施例7)
合成例2のポリアミド樹脂20gを含むNMP溶液にエポキシ樹脂(新日鐵住金化学製、商品名:YDF−8170C)1.0gを溶解して、樹脂ワニスを得た。
得られた樹脂ワニスを用いて、離型PETフィルム上にバーコーターで乾燥後の樹脂厚みが20μmになるようにワニスを均一に塗布し、熱風乾燥機を用いて160℃30分乾燥させて、フィルム状粘着剤を形成した。
【0073】
(比較例1)
合成例1のポリアミド樹脂20gをジメチルアセトアミド32gに溶解して、樹脂ワニスを得た。
得られた樹脂ワニスを用いて、離型PETフィルム上にバーコーターで乾燥後の樹脂厚みが20μmになるようにワニスを均一に塗布し、熱風乾燥機を用いて160℃30分乾燥させて、フィルム状粘着剤を形成した。
【0074】
(比較例2)
合成例2の樹脂ワニスを用いて、離型PETフィルム上にバーコーターで乾燥後の樹脂厚みが20μmになるようにワニスを均一に塗布し、熱風乾燥機を用いて160℃30分乾燥させて、フィルム状粘着剤を形成した。
【0075】
実施例1〜7及び比較例1、2で得られたフィルム状粘着剤について、以下の評価を行った。その結果を表1に示す。
【0076】
[耐薬品性評価]
実施例1〜7及び比較例1、2で作製したフィルム状粘着剤を各々用いて、ガラス管瓶にフィルム(2cm角)と、表1に示す溶剤(10mL)を加えて、ミックスローターで25℃8時間攪拌した。溶解試験後、フィルムを取り出し、160℃30分乾燥後の質量基準の残膜率から耐薬品性を評価した。
【0077】
[粘着力評価]
実施例1〜7及び比較例1、2で作製したフィルム状粘着剤を各々、ポリイミドフィルム(東レ・デュポン製、商品名:カプトンEN、厚さ:25μm)とガラス(日本電気硝子製、商品名:OA−10G)との間に挟み、ハンドローラーで圧着して、200℃30分加熱後の粘着力を測定した。具体的には、フィルム状粘着剤の一端をガラス板から引き剥がし、引張り測定器の引張り治具に固定した。ガラス板をステージに押さえつけ、フィルム状粘着剤を引き上げてガラス板から引き剥がし、90°ピール試験を行った。この測定によってフィルム状粘着剤の粘着力を測定した。
【0078】
[耐熱性評価]
粘着力評価において作製した構造体について、室温から250℃に加熱、この温度で30分保持及び室温に放冷の操作を3回繰り返し、その都度外観を観察するとともに粘着力を測定し、耐熱性を評価した。耐熱性の評価項目として耐熱粘着力は、粘着力変化率:3回目の操作後の粘着力を1回目の操作後の粘着力で除した値の100分率で示した。
【0079】
【表1】
NMP:N−メチルピロリドン
THF:テトラヒドロフラン
TMAH:2.38%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液
なお、表中、「白化」とは溶剤により処理することによって、フィルムが白く変色したことをいう。
【0080】
ポリアミド樹脂及びエポキシ樹脂を所定の割合で組み合わせた実施例1〜7のフィルム状粘着剤によれば、耐熱性は維持して、かつ耐薬品性を向上できることが示された。また、ヒドロキシ基を有するポリアミド樹脂を用いた実施例4〜7のフィルム状粘着剤によれば、耐薬品性がさらに向上することが明らかになった。また、実施例1〜7のフィルム状粘着剤によれば、粘着力の測定結果から明らかであるように、いずれにおいても引き剥がしが可能であった。