特許第6254273号(P6254273)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6254273
(24)【登録日】2017年12月8日
(45)【発行日】2017年12月27日
(54)【発明の名称】カートリッジ積層構造の電池モジュール
(51)【国際特許分類】
   H01M 2/10 20060101AFI20171218BHJP
   H01M 2/20 20060101ALI20171218BHJP
   H01M 10/613 20140101ALI20171218BHJP
   H01M 10/6556 20140101ALI20171218BHJP
   H01M 10/627 20140101ALI20171218BHJP
   H01M 10/625 20140101ALI20171218BHJP
   H01M 10/647 20140101ALI20171218BHJP
【FI】
   H01M2/10 K
   H01M2/10 S
   H01M2/10 M
   H01M2/20 A
   H01M10/613
   H01M10/6556
   H01M10/627
   H01M10/625
   H01M10/647
【請求項の数】27
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2016-528107(P2016-528107)
(86)(22)【出願日】2014年11月19日
(65)【公表番号】特表2016-541095(P2016-541095A)
(43)【公表日】2016年12月28日
(86)【国際出願番号】KR2014011102
(87)【国際公開番号】WO2015080421
(87)【国際公開日】20150604
【審査請求日】2016年5月6日
(31)【優先権主張番号】10-2013-0147108
(32)【優先日】2013年11月29日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】500239823
【氏名又は名称】エルジー・ケム・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100122161
【弁理士】
【氏名又は名称】渡部 崇
(72)【発明者】
【氏名】ビョン・オー・コン
(72)【発明者】
【氏名】ヒュン・チュル・パク
【審査官】 瀧 恭子
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2011/108680(WO,A1)
【文献】 特開2012−199255(JP,A)
【文献】 特開2003−017028(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/151190(WO,A2)
【文献】 国際公開第2013/089470(WO,A1)
【文献】 特開2004−095357(JP,A)
【文献】 特開2011−040389(JP,A)
【文献】 国際公開第2015/016566(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 2/10、2/20−2/34、10/52−10/667
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極端子がそれぞれの一側に形成されている2つ単位セルが固定されたカートリッジ積層された構造の電池モジュールであって、
前記2つの単位セルのそれぞれの前記電極端子を互いに結合して前記2つの単位セルを電気的に接続するバスバーを含んでおり、
前記2つの単位セルは、これらの側面が地面に対して水平に一字状をなすように相互に配置された状態で、それぞれの前記電極端子が互いに対面するようにカートリッジに装着されており、前記カートリッジに装着されているバスバーによって、前記2つの単位セルの互いに対面するそれぞれの前記電極端子が並列に接続されて、それぞれのカートリッジにおいて単位セル並列接続構造を形成し、
れぞれの前記単位セル並列接続構造が地面から高さ方向に配列されるようにカートリッジが積層されており、
前記カートリッジには両側部又は中央に締結溝が設けられており、それを貫通する締結部材によって隣接するカートリッジと互いに結合される構造となっていることを特徴とする、電池モジュール。
【請求項2】
前記単位セルは、長方形の板状型電池セルであることを特徴とする、請求項1に記載の電池モジュール。
【請求項3】
前記板状型電池セルは、金属層と樹脂層を含むラミネートシートのケースに電極組立体を内蔵した後、外周面をシールした構造からなることを特徴とする、請求項2に記載の電池モジュール。
【請求項4】
前記板状型電池セルはリチウム二次電池であることを特徴とする、請求項2に記載の電池モジュール。
【請求項5】
前記カートリッジには、2つの単位セルが互いに電極端子が対面するようにそれぞれ装着される第1単位セル装着部及び第2単位セル装着部が形成されており、前記第1単位セル装着部及び第2単位セル装着部は、カートリッジを側面から見て、前記第1単位セル装着部の端部から第2単位セル装着部の端部まで一字状に延びた形態からなることを特徴とする、請求項1に記載の電池モジュール。
【請求項6】
前記カートリッジには、単位セルの上面又は下面に対応する内面の一部に、冷媒流路を形成しながら単位セルを支持する1つ以上のリブ(rib)が形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の電池モジュール。
【請求項7】
前記カートリッジの側面には、冷媒流路と連通する開口が穿孔されていることを特徴とする、請求項6に記載の電池モジュール。
【請求項8】
前記カートリッジには、単位セルを定位置に固定しながら、バスバーに対する単位セル電極端子の溶接時に単位セルが滑ることを防止するように、単位セルの外周面の一部を電極端子の方向で支持する1つ以上の滑り防止突部が形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の電池モジュール。
【請求項9】
前記滑り防止突部は、単位セルの外周面のうち、電極端子の方向の外周面の両端部、及び単位セルの正極端子と負極端子との間を支持する構造で形成されていることを特徴とする、請求項8に記載の電池モジュール。
【請求項10】
前記カートリッジには、隣接カートリッジが定位置で積層されるように、上部又は下部方向に突出した1つ以上の突起が形成されており、前記隣接カートリッジには、前記突起に対応する1つ以上の溝が形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の電池モジュール。
【請求項11】
前記突起及び溝はカートリッジの外周面に形成されていることを特徴とする、請求項10に記載の電池モジュール。
【請求項12】
前記カートリッジの表面には、単位セルの定位置装着を案内したり、またはカートリッジ積層構造の構成時にカートリッジの位置を確認するための文字又は記号が表示されていることを特徴とする、請求項1に記載の電池モジュール。
【請求項13】
前記文字又は記号は、カートリッジの表面に印刷又は刻印されていることを特徴とする、請求項12に記載の電池モジュール。
【請求項14】
前記文字又は記号は、カートリッジ上の単位セルの位置、単位セルの正極と負極の位置、及びカートリッジの前面と後面の表示のうち少なくとも1つ以上を示すことを特徴とする、請求項12に記載の電池モジュール。
【請求項15】
前記カートリッジの両側部には、締結溝を備えた1つ以上の突出部がそれぞれ形成されているとを特徴とする、請求項1に記載の電池モジュール。
【請求項16】
前記両側部の突出部は、カートリッジの中心を基準として対称配列構造で形成されていることを特徴とする、請求項15に記載の電池モジュール。
【請求項17】
前記単位セルの電極端子は、バスバーにレーザー溶接又は超音波溶接により結合されていることを特徴とする、請求項1に記載の電池モジュール。
【請求項18】
前記単位セル並列接続構造において、バスバーを基準として単位セルが対称に配列された状態でカートリッジに装着されていることを特徴とする、請求項1に記載の電池モジュール。
【請求項19】
前記バスバーのうち少なくとも2つのバスバーは、直列接続部材によって直列に接続されていることを特徴とする、請求項1に記載の電池モジュール。
【請求項20】
前記バスバーは、単位セルの正極端子と接続される第1バスバー、及び単位セルの負極端子と接続される第2バスバーを含み、前記単位セル並列接続構造の第1バスバーと第2バスバーが、カートリッジ単位で交互に配列されるように積層されていることを特徴とする、請求項1に記載の電池モジュール。
【請求項21】
前記第1バスバー及び第2バスバーが交互に配列されるように、下部のカートリッジは、上部カートリッジに対して平面視で180°回転した状態で積層されていることを特徴とする、請求項20に記載の電池モジュール。
【請求項22】
前記バスバーが装着されるカートリッジ上には溶接用開口が穿孔されていることを特徴とする、請求項1に記載の電池モジュール。
【請求項23】
前記バスバーには締結用貫通口が穿孔されており、前記カートリッジには、前記締結用貫通口に挿入される締結用突起が形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の電池モジュール。
【請求項24】
前記バスバーの一側端部は、カートリッジの側面に折り曲げ延長されていることを特徴とする、請求項1に記載の電池モジュール。
【請求項25】
請求項1〜24のいずれか一項に記載の電池モジュールを単位モジュールとして含むことを特徴とする、電池パック。
【請求項26】
請求項25に記載の電池パックを含むことを特徴とする、デバイス。
【請求項27】
前記デバイスは、家庭用電源装置、公共施設電源装置、大型商店用電源装置、非常用電源装置、電算室電源装置、携帯用電源装置、医療設備電源装置、消火設備電源装置、警報設備電源装置、避難設備電源装置、電気自動車、ハイブリッド電気自動車、またはプラグインハイブリッド電気自動車であることを特徴とする、請求項26に記載のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池セルがカートリッジに固定されて積層された構造の電池モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、充放電可能な二次電池は、ワイヤレスモバイル機器のエネルギー源として広範囲に使用されており、化石燃料を使用する既存のガソリン車両、ディーゼル車両などの大気汚染などを解決するための方案として提示されている電気自動車(EV)、ハイブリッド電気自動車(HEV)、プラグインハイブリッド電気自動車(Plug−In HEV)などの動力源としても注目されている。
【0003】
また、電気を貯蔵しておき、必要な時点に安定的に電力系統に再び供給する電力貯蔵装置に関する技術が開発されている。電力貯蔵装置は、電力需要が少ないときにエネルギーを貯蔵し、過負荷又は非常時に電力を供給する装置であって、電力品質及びエネルギー利用効率を向上させる効果を提供している。特に、家庭用電力貯蔵装置及び産業用又は商業用中型電力貯蔵装置は、スマートグリッド技術と結び付いて市場規模が急成長している。
【0004】
一方、電池モジュールが所定の装置乃至デバイスで要求される出力及び容量を提供するためには、多数の電池セルを直列又は並列方式で電気的に接続して電池モジュールを構成しなければならず、電池モジュールの容量が大きくなるほど、拡張性が容易且つ安定した構造を維持できなければならない。
【0005】
特に、多数の電池セルを使用して電池モジュールを構成する場合、バスバー又は電源接続ケーブルのように、これらの機械的締結及び電気的接続のために一般的に多くの部材が必要であり、冷却構造も含めなければならないため、部品を製造して組み立てる過程は非常に複雑であり、電池モジュールを拡張しなければならない場合に、構造の変更が容易でないだけでなく、多くの部品の追加が必要であるため、製造コストを上昇させる。
【0006】
また、多数の部品が含まれて複雑な構成をなす電池モジュールの製造工程上、誤組立を確認しにくいという問題があり、このような誤組立は、電池モジュールの安全性及び信頼性を減少させ、不良率を上昇させる原因となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記のような従来技術の問題点及び過去から要請されてきた技術的課題を解決することを目的とする。
【0008】
具体的に、本発明の目的は、冷却構造を改善して冷却効率を向上させ、製造工程時に発生する誤組立を防止し、構造的安定性に優れた電池モジュールを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
このような目的を達成するための本発明に係る電池モジュールは、
2つ以上の単位セルがカートリッジに固定されて積層された構造の電池モジュールであって、
電極端子が一側に形成されている単位セル、前記単位セルをそれぞれ固定するカートリッジ、及び前記電極端子と結合されて単位セルを電気的に接続するバスバーを含んでおり;
前記単位セルは、これらの側面が地面に対して水平に一字状をなすように相互に配置された状態で、電極端子が対面するようにカートリッジに装着されており、前記カートリッジに装着されているバスバーによって、対面する電極端子が並列に接続され、それぞれのカートリッジにおいて単位セル並列接続構造を形成し;
前記それぞれの単位セル並列接続構造が地面から高さ方向に配列されるようにカートリッジが積層されている構造で形成されてもよい。
【0010】
すなわち、本発明の電池モジュールは、多数の単位セルを並列に構成して単位セル並列接続構造を形成し、これらを積層して並列に接続した構造を含んでいるので、組み立てが容易であり、簡単な過程で並列構造の拡張が可能であるという利点がある。
【0011】
また、本発明の電池モジュールは、単位セルがカートリッジ上に特定の配列で装着されることによって、全体的にコンパクトな構造を提供し、優れた構造的安定性を発揮することができる。
【0012】
一具体例において、前記単位セルは、長方形の板状型電池セルの構造であってもよい。
【0013】
前記板状型電池セルは、例えば、樹脂層と金属層を含むラミネートシートの電池ケースに電極組立体が内蔵されている構造のパウチ型電池セルであってもよい。
【0014】
具体的に、前記電池セルは、正極/分離膜/負極構造の電極組立体が電解液と共に電池ケースの内部に密封されているパウチ型電池セルであって、全体的に幅に比べて厚さが薄い略直方体構造である板状型からなっている。このようなパウチ型電池セルは、一般にパウチ型の電池ケースからなっており、前記電池ケースは、耐久性に優れた高分子樹脂からなる外部被覆層;水分、空気などに対して遮断性を発揮する金属素材からなる遮断層;及び熱融着し得る高分子樹脂からなる内部シーラント層が順次積層されているラミネートシート構造で構成されている。
【0015】
前記パウチ型電池セルにおいて、ケースは、様々な構造からなることができ、例えば、2単位の部材として上部及び/又は下部の内面に形成されている収納部に電極組立体を収納した後、ケースの外周面の上下部接触部位を熱融着して密封する構造などを挙げることができる。前記のような構造のパウチ型電池セルは、本出願人のPCT国際出願第PCT/KR2004/003312号に開示されており、前記出願は、参照として本発明の内容に組み込まれる。しかし、電池ケースが、1単位の部材として上部及び/又は下部の内面に形成されている収納部に電極組立体を収納した後、ケースの外周面の上下部接触部位を熱融着して密封する構造であってもよいことは勿論である。
【0016】
前記板状型電池セルは、電池モジュール又は電池パックの構成時、高電圧及び高電流を提供することができる電池であれば特に制限されず、例えば、体積当たりのエネルギー貯蔵量が大きいリチウム二次電池であってもよい。
【0017】
一具体例において、前記カートリッジには、2つの単位セルが互いに電極端子が対面するようにそれぞれ装着される第1単位セル装着部及び第2単位セル装着部が形成されており、前記第1単位セル装着部及び第2単位セル装着部は、カートリッジを側面から見て、前記第1単位セル装着部の端部から第2単位セル装着部の端部まで一字状に延びた形態からなることができる。
【0018】
すなわち、前記第1単位セル装着部及び第2単位セル装着部は、それぞれの単位セルをカートリッジに収容しながら、これら2つの単位セルの配列状態に対応する形態でカートリッジに形成されている。

前記カートリッジには、単位セルの上面又は下面に対応する内面の一部に、冷媒流路を形成しながら単位セルを支持する1つ以上のリブ(rib)が形成されてもよい。このようなリブは、例えば、冷媒流路の方向に延びた構造で形成されてもよい。
【0019】
また、前記カートリッジの側面には、冷媒流路と連通する開口が穿孔された構造であってもよい。前記開口は、例えば、スリット状に形成されてもよく、このような開口を介して冷媒が冷媒流路に流入又は排出されるので、カートリッジの一側に、冷媒が流入する開口が形成され、他側に、冷媒が排出される開口が形成された構造であってもよい。
【0020】
前記カートリッジには、単位セルを定位置に固定しながら、バスバーに対する単位セル電極端子の溶接時に単位セルが滑ることを防止するように、単位セルの外周面の一部を電極端子の方向で支持する1つ以上の滑り防止突部が形成されてもよい。
【0021】
前記滑り防止突部は、例えば、単位セルの外周面のうち、電極端子の方向の外周面の両端部、及び単位セルの正極端子と負極端子との間を支持する構造で形成されてもよい。
【0022】
一方、前記カートリッジは、隣接するカートリッジと定位置で積層されるように、上部又は下部方向に突出した1つ以上の突起が形成されてもよく、前記隣接カートリッジには、前記突起に対応する1つ以上の溝が形成されてもよい。すなわち、前記カートリッジが積層されたとき、前記突起が溝に挿入される構造によって、これらが定位置で結合され得る。
【0023】
前記突起及び溝は、定位置で積層されたか否かの確認が容易なようにカートリッジの外周面に形成されてもよい。
【0024】
一方、前記カートリッジの表面には、単位セルの定位置装着を案内したり、またはカートリッジ積層構造の構成時にカートリッジの位置を確認するための文字又は記号が表示されてもよい。前記カートリッジに表示された文字又は記号は、電池モジュールの組立時に正確な組み立てを可能にし、組み立てられた状態で不良の有無も容易に把握することができる。
【0025】
このような前記文字又は記号は、カートリッジの表面に印刷又は刻印されている構造で形成されてもよく、カートリッジ上の単位セルの位置、単位セルの正極と負極の位置、及びカートリッジの前面と後面の表示のうち少なくとも1つ以上を示す文字又は記号であってもよい。
【0026】
一方、前記単位セル並列接続構造は、積層された状態で固定することができ、例えば、前記単位セル並列接続構造に含まれるカートリッジの両側面には、締結溝を備えた突出部が形成されており、前記締結溝を貫通する締結部材によってカートリッジが互いに結合されてもよい。すなわち、カートリッジを積層した後、前記カートリッジの締結溝に前記締結部材を挿入して通過させる構造で結合され得る。
【0027】
このような構造において、カートリッジ間に安定した結合構造を提供するために、前記カートリッジの両側面の突出部は、カートリッジの中心を基準として対称に配列されてもよい。
【0028】
場合によって、前記カートリッジの中央に追加締結溝が形成されてもよく、前記追加締結溝を貫通する締結部材によってカートリッジが互いに結合される構造であってもよい。
【0029】
前記単位セルの電極端子はバスバーに様々な方法で結合されてもよく、例えば、溶接、ソルダリング、機械的締結などで結合されてもよい。その中でも、好ましくは、レーザー溶接又は超音波溶接で結合されてもよい。
【0030】
前記単位セル並列接続構造において、バスバーを基準として単位セルが対称に配列された状態でカートリッジに装着されている構造であってもよい。すなわち、前記バスバーに電極端子が接続されている単位セルの構造が、前記バスバーを中心に対称になるように配列される構造で形成されてもよい。このとき、単位セルを固定するカートリッジも、前記単位セルに対応してバスバーを基準として対称になるように配列され得る。
【0031】
場合によっては、前記バスバーのうち少なくとも2つのバスバーは直列に接続されている構造であってもよい。このとき、前記バスバーは、直列接続部材によって直列に接続され、前記直列接続部材は、前記バスバーと同様に、一側端部に結合口が形成されており、前記バスバーの結合口とボルト、ボルト−ナットまたは圧入ナットによって電気的及び機械的に締結され得る。
【0032】
したがって、前記単位セル並列接続構造の並列接続を通じて電池モジュールの容量を調節又は拡張することができるだけでなく、一部の単位セル並列接続構造の直列接続を通じて電池モジュールの出力も調節及び拡張可能な構造からなることができる。
【0033】
前記単位セル並列接続構造の直列接続に関する具体的な例において、前記並列接続用バスバーは第1バスバー及び第2バスバーを含み、前記第1バスバーは、単位セルの正極端子と接続され、前記第2バスバーは、単位セルの負極端子と接続されてもよい。このとき、前記単位セル並列接続構造が積層されながら、それぞれのカートリッジにおいて第1バスバーと第2バスバーが交互に配列されるように積層される構造で形成され得る。
【0034】
前記第1バスバーと第2バスバーが交互に配列される構造は、様々な過程で形成されてもよく、例えば、下部のカートリッジが上部カートリッジに対して平面視で180°回転した状態で積層される過程を用いて前記第1バスバー及び第2バスバーが交互に配列されるように積層される構造を形成することができる。
【0035】
すなわち、上記のように、正極端子と接続された第1バスバーと、負極端子が接続された第2バスバーとが交互に配列されて積層された構造において、前記直列接続部材を用いて、上下に積層されたカートリッジで第1バスバーと第2バスバーとを接続することによって直列接続を達成することができる。
【0036】
前記バスバーが装着されるカートリッジ上には溶接用開口が穿孔されていてもよい。すなわち、前記バスバーと単位セルの電極端子が溶接される部位に対応するカートリッジの一部の部位には、溶接のために前記バスバーの下面が露出するようにする開口が穿孔されていてもよい。
【0037】
前記バスバーとカートリッジの結合は、特に限定されず、様々な方法で行われてもよく、一例として、前記バスバーには締結用貫通口が穿孔されており、前記カートリッジには前記締結用貫通口に挿入される締結用突起が形成されて、前記締結用貫通口と締結用突起との結合で結合されてもよい。
【0038】
一方、前記バスバーの一側端部は、カートリッジの側面に折り曲げ延長されてもよい。前記のように折り曲げ延長された部位に別途の接続部材を連結して、積層構造の上部又は下部に隣接するカートリッジ、または外部入出力端子と電気的に接続される構造からなることができる。
【0039】
本発明はまた、前記電池モジュールを単位モジュールとして含む電池パックを提供する。
【0040】
前記電池パックは、所望の出力及び容量に応じて、単位モジュールとして前記電池モジュールを組み合わせて製造することができ、装着効率性、構造的安定性などを考慮するとき、家庭用電源装置、公共施設電源装置、大型商店用電源装置、非常用電源装置、電算室電源装置、携帯用電源装置、医療設備電源装置、消火設備電源装置、警報設備電源装置、避難設備電源装置、電気自動車、ハイブリッド電気自動車、またはプラグインハイブリッド電気自動車などの電源として好ましく使用することができるが、適用範囲がこれらのみに限定されるものではない。
【0041】
したがって、本発明は、前記電池パックを電源として含むデバイスを提供し、前記デバイスは、具体的に、家庭用電源装置、公共施設電源装置、大型商店用電源装置、非常用電源装置、電算室電源装置、携帯用電源装置、医療設備電源装置、消火設備電源装置、警報設備電源装置、避難設備電源装置、電気自動車、ハイブリッド電気自動車、またはプラグインハイブリッド電気自動車であってもよい。
【0042】
このようなデバイスの構造及び作製方法は当業界に公知となっているので、本明細書では、それについての詳細な説明を省略する。
【図面の簡単な説明】
【0043】
図1】本発明の一実施例に係る電池モジュールの斜視図である。
図2図1の上部部位を分解した構造の斜視図である。
図3図2の側面図である。
図4図1の電池モジュールにおいて単位セルを構成する電池セルの斜視図である。
図5図1のカートリッジの斜視図である。
図6図5のカートリッジからバスバーを分離した構造の斜視図である。
図7図4の正面図である。
図8図4の背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
以下では、本発明の実施例に係る図面を参照して説明するが、これは、本発明のより容易な理解のためのものであり、本発明の範疇がそれによって限定されるものではない。
【0045】
下記の図面では、説明の便宜上、一般的な電池モジュールに含まれるモジュールケース、外部入出力端子、及び保護回路モジュールなどは省略した。
【0046】
図1には、本発明の一実施例に係る電池モジュールの斜視図が示されている。
【0047】
図1を参照すると、電池モジュール100は、電極端子112,113,112’,113’が一側に形成されている単位セル110,110’、単位セル110,110’をそれぞれ固定するカートリッジ120、及び電極端子112,113,112’,113’と結合されて単位セル110,110’を電気的に接続するバスバー132,134を含む構造で構成されている。
【0048】
このような単位セル110,110’は、電極端子112,113,112’,113’が対面するようにカートリッジ120に装着されており、カートリッジ120に装着されているバスバー132,134によって電極端子112,113,112’,113’が並列に接続されて、カートリッジ120において単位セル並列接続構造を形成している。
【0049】
単位セル並列接続構造は、地面から高さ方向に配列されるようにカートリッジ120が上下に積層された構造で形成されている。
【0050】
図2には、図1の上部部位を分解した構造の斜視図が示されており、図3には、図2の側面図が示されている。
【0051】
図2及び図3図1と共に参照すると、カートリッジ120には、両側面に締結溝124を備えた突出部122が形成されており、カートリッジ120を積層した後、カートリッジの締結溝124に締結部材(図示せず)を挿入することによって、カートリッジ120が積層された状態を固定する構造となっている。カートリッジ120の突出部122は、カートリッジの中心を基準として対称に配列された構造で形成されている。
【0052】
図4には、図1の電池モジュールにおいて単位セルを構成する電池セルの斜視図が示されている。
【0053】
図4を参照すると、電池セル110は、電極端子(正極端子:112、負極端子:113)が一側端部に形成されている板状型電池セル110である。具体的に、板状型電池セル110は、金属層(図示せず)と樹脂層(図示せず)を含むラミネートシートのパウチ型ケース200に電極組立体(図示せず)を内蔵し、例えば、熱融着によりシーリング部201を形成した構造であり、通常、これを「パウチ型電池セル」と通称することもある。
【0054】
図5には、図1のカートリッジの斜視図が示されており、図6には、図5のカートリッジからバスバーを分離した構造の斜視図が示されている。
【0055】
図5及び図6図2と共に参照すると、カートリッジ120は、2つの単位セル110,110’が互いに電極端子112,113,112’,113’が対面するようにそれぞれ装着される第1単位セル装着部125a及び第2単位セル装着部125bが形成されている。
【0056】
第1単位セル装着部125a及び第2単位セル装着部125bに単位セル110,110’が装着されたとき、単位セルの上面又は下面に対応する部位は上下に貫通しており、このような貫通部位を横切るように冷媒流路を形成しながら単位セルを支持するリブ126が形成されている。すなわち、カートリッジ120の上部及び下部にそれぞれ単位セルが接したとき、上下に貫通した部位によって単位セル間に空間が形成され、このような空間は、リブ126によって区分されて冷媒流路が形成された構造となっている。また、カートリッジの両側面には、冷媒流路と連通する開口127が形成されて、冷媒が開口127を介して流入したり、放出されたりする構造で形成されている。
【0057】
カートリッジ120のバスバー132,134が装着される部位には溶接用開口128が穿孔されている。具体的に、バスバー132,134と単位セルの電極端子とが溶接される部位に対応するカートリッジ120の一部の部位には、溶接のためにバスバー132,134の下面が露出するように開口128が穿孔されている。
【0058】
また、カートリッジ120には締結用突起129が形成されており、バスバー132,134には、締結用突起129に対応する締結用貫通口133,135が穿孔されており、これらの結合によりカートリッジ120にバスバー132,134が結合される構造となっている。
【0059】
バスバー132,134の一側端部は、カートリッジ120の側面に折り曲げ延長されており、折り曲げ延長された部位には締結口136が形成されているので、カートリッジの積層構造において、別途の接続部材で上下に隣接するバスバーの締結口136を連結して直列又は並列に連結することができ、場合によって、外部入出力端子とも連結される構造で形成されている。
【0060】
カートリッジ120の両側面には、締結溝124を備えた突出部122がカートリッジ120の中心を基準として対称に配列されており、カートリッジ120の中央には追加締結溝124’が形成されている。上下に積層されたカートリッジ構造は、締結溝124,124’をそれぞれ貫通する締結部材(図示せず)によって結合されて固定される構造となっている。
【0061】
また、カートリッジ120は、隣接するカートリッジと定位置で積層されるように、上部方向に突起121aが形成されており、下部方向に溝121bが形成されている。このような構造が積層されたとき、突起121aが溝121bに挿入されることによって、カートリッジが定位置で結合される構造となっている。このような突起121a及び溝121bは、定位置で積層されたか否かの確認が容易なようにカートリッジ120の外周面に形成されている。
【0062】
一方、カートリッジ120には、単位セルの外周面のうち、電極端子の方向の外周面の両端部、及び単位セルの正極端子と負極端子との間を支持するための滑り防止突部140,141,142が形成されている。このような滑り防止突部140,141,142は、カートリッジ120に単位セルが装着される場合、単位セルの電極端子の突出方向の外周面において、電極端子部位を除いた残りの外周面と密着しながら単位セルを定位置に固定させる。したがって、滑り防止突部140,141,142は、外力によって単位セルがカートリッジ120内で流動することを抑制することができ、結果的に、流動によって単位セルの溶接部位が短絡又は破損することを防止することができる。
【0063】
図7及び図8には、それぞれ、図4の正面図及び背面図が示されている。
【0064】
図7及び図8を参照すると、カートリッジ120に「FR」及び「RR」のように正面及び後面を示す文字123a,123bが表示されている。このような文字123a,123bは、図1のようにカートリッジが積層された構造でも識別可能なように、カートリッジ120の正面及び後面に表示されている。
【0065】
また、図5に示されたように、カートリッジ120には、第1単位セル装着部及び第2単位セル装着部に装着されるそれぞれの単位セルを案内する「CELL 1」及び「CELL 2」の文字123c,123dが表示されている。
【0066】
このような文字123a,123b,123c,123dは、カートリッジが定位置で積層されたかどうかの確認を容易にし、単位セルの定位置装着を案内することによって、誤組立を防止し、組み立てられた状態で不良の有無を容易に把握することができる構造を提供する。
【0067】
本発明の属する分野における通常の知識を有する者であれば、上記内容に基づいて本発明の範疇内で様々な応用及び変形を行うことが可能であろう。
【産業上の利用可能性】
【0068】
以上で説明したように、本発明に係る電池モジュールは、多数の単位セルを並列に構成して単位セル並列接続構造を形成し、これらを積層して並列又は直列に接続した構造を含んでいるので、組み立てが容易であり、簡単な過程で並列又は直列に構造の拡張が可能であるという利点がある。
【0069】
また、前記カートリッジの内側に冷媒流路を形成して冷却効率を向上させるだけでなく、カートリッジに形成された文字、記号、突起、及び溝構造などによって誤組立を防止して組立信頼性を向上させることができる電池モジュールを組み立てることができる構造を提供する効果がある。
【符号の説明】
【0070】
100 電池モジュール
110,110’ 単位セル
112,113,112’,113’ 電極端子
120 カートリッジ
121a 突起
121b 溝
122 突出部
124 締結溝
125a 第1単位セル装着部
125b 第2単位セル装着部
126 リブ
128 溶接用開口
129 締結用突起
132,134 バスバー
133,135 締結用貫通口
140,141,142 滑り防止突部
201 シーリング部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8