【実施例】
【0082】
有機化合物の合成
代表合成法
代表合成法は、下記代表反応式の通りである。
【0083】
【化15】
【0084】
中間体の合成
合成例1:中間体I−1の合成
【0085】
【化16】
【0086】
窒素環境下、2−bromotriphenylene(100g、326mmol)をdimethylformamide(DMF)1Lに溶かした後、これに、bis(pinacolato)diboron(99.2g、391mmol)と、(1,1’−bis(diphenylphosphine)ferrocene)dichloropalladium(II)(2.66g、3.26mmol)、そしてpotassium acetate(80g、815mmol)を入れて、150℃で5時間加熱して還流させた。反応完了後、反応液に水を入れて、混合物をフィルタした後、真空オーブンで乾燥した。こうして得られた残渣をflash column chromatographyで分離精製して、前記化合物I−1(113g、98%)を得た。
【0087】
HRMS(70eV,EI+):m/z calcd for C24H23BO2:354.1791,found:354.
Elemental Analysis:C,81%;H,7%。
【0088】
合成例2:中間体I−2の合成
【0089】
【化17】
【0090】
窒素環境下、2−bromotriphenylene(32.7g、107mmol)をtetrahydrofuran(THF)0.3Lに溶かした後、これに、3−chlorophenylboronic acid(20g、128mmol)と、tetrakis(triphenylphosphine)palladium(1.23g、1.07mmol)を入れて撹拌した。水に飽和したpotassium carbonate(36.8g、267mmol)を入れて、80℃で24時間加熱して還流させた。反応完了後、反応液に水を入れて、dichloromethane(DCM)で抽出してから、無水MgSO4で水分を除去した後、フィルタし減圧濃縮した。こうして得られた残渣をflash column chromatographyで分離精製して、前記化合物I−2(22.6g、63%)を得た。
【0091】
HRMS(70eV,EI+):m/z calcd for C24H15Cl:338.0862,found:338.
Elemental Analysis:C,85%;H,5%。
【0092】
合成例3:中間体I−3の合成
【0093】
【化18】
【0094】
窒素環境下、前記化合物I−2(22.6g、66.7mmol)をdimethylformamide(DMF)0.3Lに溶かした後、これに、bis(pinacolato)diboron(25.4g、100mmol)と、(1,1’−bis(diphenylphosphine)ferrocene)dichloropalladium(II)(0.54g、0.67mmol)、そしてpotassium acetate(16.4g、167mmol)を入れて、150℃で48時間加熱して還流させた。反応完了後、反応液に水を入れて、混合物をフィルタした後、真空オーブンで乾燥した。こうして得られた残渣をflash column chromatographyで分離精製して、化合物I−3(18.6g、65%)を得た。
【0095】
HRMS(70eV,EI+):m/z calcd for C30H27BO2:430.2104,found:430.
Elemental Analysis:C,84%;H,6%。
【0096】
合成例4:中間体I−4の合成
【0097】
【化19】
【0098】
窒素環境下、前記化合物I−1(100g、282mmol)をtetrahydrofuran(THF)1Lに溶かした後、これに、1−bromo−2−iodobenzene(95.9g、339mmol)と、tetrakis(triphenylphosphine)palladium(3.26g、2.82mmol)を入れて撹拌した。水に飽和したpotassium carbonate(97.4g、705mmol)を入れて、80℃で53時間加熱して還流させた。反応完了後、反応液に水を入れて、dichloromethane(DCM)で抽出してから、無水MgSO4で水分を除去した後、フィルタし減圧濃縮した。こうして得られた残渣をflash column chromatographyで分離精製して、前記化合物I−4(95.1g、88%)を得た。
【0099】
HRMS(70eV,EI+):m/z calcd for C24H15Br:382.0357,found:382.
Elemental Analysis:C,75%;H,4%。
【0100】
合成例5:中間体I−5の合成
【0101】
【化20】
【0102】
窒素環境下、前記化合物I−4(90g、235mmol)をdimethylformamide(DMF)0.8Lに溶かした後、これに、bis(pinacolato)diboron(71.6g、282mmol)と、(1,1’−bis(diphenylphosphine)ferrocene)dichloropalladium(II)(1.92g、2.35mmol)、そしてpotassium acetate(57.7g、588mmol)を入れて、150℃で35時間加熱して還流させた。反応完了後、反応液に水を入れて、混合物をフィルタした後、真空オーブンで乾燥した。こうして得られた残渣をflash column chromatographyで分離精製して、前記化合物I−5(74.8g、74%)を得た。
【0103】
HRMS(70eV,EI+):m/z calcd for C30H27BO2:430.2104,found:430.
Elemental Analysis:C,84%;H,6%。
【0104】
合成例6:中間体I−6の合成
【0105】
【化21】
【0106】
窒素環境下、前記化合物I−3(50g、116mmol)をtetrahydrofuran(THF)0.5Lに溶かした後、これに、1−bromo−3−iodobenzene(39.4g、139mmol)と、tetrakis(triphenylphosphine)palladium(1.34g、1.16mmol)を入れて撹拌した。水に飽和したpotassium carbonate(40.1g、290mmol)を入れて、80℃で12時間加熱して還流させた。反応完了後、反応液に水を入れて、dichloromethane(DCM)で抽出してから、無水MgSO4で水分を除去した後、フィルタし減圧濃縮した。こうして得られた残渣をflash column chromatographyで分離精製して、前記化合物I−6(42.6g、80%)を得た。
【0107】
HRMS(70eV,EI+):m/z calcd for C30H19Br:458.0670,found:458.
Elemental Analysis:C,78%;H,4%。
【0108】
合成例7:中間体I−7の合成
【0109】
【化22】
【0110】
窒素環境下、前記化合物I−6(40g、87.1mmol)をdimethylformamide(DMF)0.3Lに溶かした後、これに、bis(pinacolato)diboron(26.5g、104mmol)と、(1,1’−bis(diphenylphosphine)ferrocene)dichloropalladium(II)(0.71g、0.87mmol)、そしてpotassium acetate(21.4g、218mmol)を入れて、150℃で26時間加熱して還流させた。反応完了後、反応液に水を入れて、混合物をフィルタした後、真空オーブンで乾燥した。こうして得られた残渣をflash column chromatographyで分離精製して、前記化合物I−7(34g、77%)を得た。
【0111】
HRMS(70eV,EI+):m/z calcd for C36H31BO2:506.2417,found:506.
Elemental Analysis:C,85%;H,6%。
【0112】
合成例8:中間体I−8の合成
【0113】
【化23】
【0114】
窒素環境下、前記化合物I−5(70g、163mmol)をtetrahydrofuran(THF)0.6Lに溶かした後、これに、1−bromo−2−iodobenzene(55.2g、195mmol)と、tetrakis(triphenylphosphine)palladium(1.88g、1.63mmol)を入れて撹拌した。水に飽和したpotassium carbonate(56.3g、408mmol)を入れて、80℃で12時間加熱して還流させた。反応完了後、反応液に水を入れて、dichloromethane(DCM)で抽出してから、無水MgSO4で水分を除去した後、フィルタし減圧濃縮した。こうして得られた残渣をflash column chromatographyで分離精製して、前記化合物I−8(68.1g、91%)を得た。
【0115】
HRMS(70eV,EI+):m/z calcd for C30H19Br:458.0670,found:458.
Elemental Analysis:C,78%;H,4%。
【0116】
合成例9:中間体I−9の合成
【0117】
【化24】
【0118】
窒素環境下、前記化合物I−8(40g、87.1mmol)をdimethylformamide(DMF)0.3Lに溶かした後、これに、bis(pinacolato)diboron(26.5g、104mmol)と、(1,1’−bis(diphenylphosphine)ferrocene)dichloropalladium(II)(0.71g、0.87mmol)、そしてpotassium acetate(21.4g、218mmol)を入れて、150℃で23時間加熱して還流させた。反応完了後、反応液に水を入れて、混合物をフィルタした後、真空オーブンで乾燥した。こうして得られた残渣をflash column chromatographyで分離精製して、前記化合物I−9(30.4g、69%)を得た。
【0119】
HRMS(70eV,EI+):m/z calcd for C36H31BO2:506.2417,found:506.
Elemental Analysis:C,85%;H,6%。
【0120】
合成例10:中間体I−10の合成
【0121】
【化25】
【0122】
窒素環境下、前記化合物I−9(30g、59.2mmol)をtetrahydrofuran(THF)0.3Lに溶かした後、これに、1−bromo−2−iodobenzene(20.1g、71.1mmol)と、tetrakis(triphenylphosphine)palladium(0.68g、0.59mmol)を入れて撹拌した。水に飽和したpotassium carbonate(20.5g、148mmol)を入れて、80℃で16時間加熱して還流させた。反応完了後、反応液に水を入れて、dichloromethane(DCM)で抽出してから、無水MgSO4で水分を除去した後、フィルタし減圧濃縮した。こうして得られた残渣をflash column chromatographyで分離精製して、前記化合物I−10(32.4g、85%)を得た。
【0123】
HRMS(70eV,EI+):m/z calcd for C36H23Br:534.0983,found:534.
Elemental Analysis:C,81%;H,4%。
【0124】
合成例11:中間体I−11の合成
【0125】
【化26】
【0126】
窒素環境下、前記化合物I−10(30g、56mmol)をdimethylformamide(DMF)0.3Lに溶かした後、これに、bis(pinacolato)diboron(17.1g、67.2mmol)と、(1,1’−bis(diphenylphosphine)ferrocene)dichloropalladium(II)(0.46g、0.56mmol)、そしてpotassium acetate(13.7g、140mmol)を入れて、150℃で25時間加熱して還流させた。反応完了後、反応液に水を入れて、混合物をフィルタした後、真空オーブンで乾燥した。こうして得られた残渣をflash column chromatographyで分離精製して、前記化合物I−11(22.8g、70%)を得た。
【0127】
HRMS(70eV,EI+):m/z calcd for C42H35BO2:582.2730,found:582.
Elemental Analysis:C,87%;H,6%。
【0128】
最終化合物の合成
合成例12:化合物1の合成
【0129】
【化27】
【0130】
窒素環境下、前記化合物I−1(20g、56.5mmol)をtetrahydrofuran(THF)0.2Lに溶かした後、これに、2−chloro−4,6−diphenyl−1,3,5−triazine(15.1g、56.5mmol)と、tetrakis(triphenylphosphine)palladium(0.65g、0.57mmol)を入れて撹拌した。水に飽和したpotassium carbonate(19.5g、141mmol)を入れて、80℃で20時間加熱して還流させた。反応完了後、反応液に水を入れて、dichloromethane(DCM)で抽出してから、無水MgSO4で水分を除去した後、フィルタし減圧濃縮した。こうして得られた残渣をflash column chromatographyで分離精製して、前記化合物1(22.1g、85%)を得た。
【0131】
HRMS(70eV,EI+):m/z calcd for C33H21N3:459.1735,found:459.
Elemental Analysis:C,86%;H,5%。
【0132】
合成例13:化合物13の合成
【0133】
【化28】
【0134】
窒素環境下、前記化合物I−3(20g、46.5mmol)をtetrahydrofuran(THF)0.2Lに溶かした後、これに、4−chloro−2,6−diphenylpyridine(12.4g、46.5mmol)と、tetrakis(triphenylphosphine)palladium(0.54g、0.47mmol)を入れて撹拌した。水に飽和したpotassium carbonate(16.1g、116mmol)を入れて、80℃で17時間加熱して還流させた。反応完了後、反応液に水を入れて、dichloromethane(DCM)で抽出してから、無水MgSO4で水分を除去した後、フィルタし減圧濃縮した。こうして得られた残渣をflash column chromatographyで分離精製して、前記化合物13(18.9g、76%)を得た。
【0135】
HRMS(70eV,EI+):m/z calcd for C41H27N:533.2143,found:533.
Elemental Analysis:C,92%;H,5%。
【0136】
合成例14:化合物14の合成
【0137】
【化29】
【0138】
窒素環境下、前記化合物I−3(20g、46.5mmol)をtetrahydrofuran(THF)0.2Lに溶かした後、これに、2−chloro−4,6−diphenylpyrimidine(12.4g、46.5mmol)と、tetrakis(triphenylphosphine)palladium(0.54g、0.47mmol)を入れて撹拌した。水に飽和したpotassium carbonate(16.1g、116mmol)を入れて、80℃で15時間加熱して還流させた。反応完了後、反応液に水を入れて、dichloromethane(DCM)で抽出してから、無水MgSO4で水分を除去した後、フィルタし減圧濃縮した。こうして得られた残渣をflash column chromatographyで分離精製して、前記化合物14(20.4g、82%)を得た。
【0139】
HRMS(70eV,EI+):m/z calcd for C40H26N2:534.2096,found:534.
Elemental Analysis:C,90%;H,5%。
【0140】
合成例15:化合物15の合成
【0141】
【化30】
【0142】
窒素環境下、前記化合物I−3(20g、46.5mmol)をtetrahydrofuran(THF)0.2Lに溶かした後、これに、2−chloro−4,6−diphenyl−1,3,5−triazine(12.4g、46.5mmol)と、tetrakis(triphenylphosphine)palladium(0.54g、0.47mmol)を入れて撹拌した。水に飽和したpotassium carbonate(16.1g、116mmol)を入れて、80℃で20時間加熱して還流させた。反応完了後、反応液に水を入れて、dichloromethane(DCM)で抽出してから、無水MgSO4で水分を除去した後、フィルタし減圧濃縮した。こうして得られた残渣をflash column chromatographyで分離精製して、前記化合物15(21.2g、85%)を得た。
【0143】
HRMS(70eV,EI+):m/z calcd for C39H25N3:535.2048,found:535.
Elemental Analysis:C,87%;H,5%。
【0144】
合成例16:化合物24の合成
【0145】
【化31】
【0146】
窒素環境下、前記化合物I−5(20g、46.5mmol)をtetrahydrofuran(THF)0.2Lに溶かした後、これに、2−chloro−4,6−diphenyl−1,3,5−triazine(12.4g、46.5mmol)と、tetrakis(triphenylphosphine)palladium(0.54g、0.47mmol)を入れて撹拌した。水に飽和したpotassium carbonate(16.1g、116mmol)を入れて、80℃で27時間加熱して還流させた。反応完了後、反応液に水を入れて、dichloromethane(DCM)で抽出してから、無水MgSO4で水分を除去した後、フィルタし減圧濃縮した。こうして得られた残渣をflash column chromatographyで分離精製して、前記化合物24(19.7g、79%)を得た。
【0147】
HRMS(70eV,EI+):m/z calcd for C39H25N3:535.2048,found:535.
Elemental Analysis:C,87%;H,5%。
【0148】
合成例17:化合物33の合成
【0149】
【化32】
【0150】
窒素環境下、前記化合物I−7(20g、39.5mmol)をtetrahydrofuran(THF)0.2Lに溶かした後、これに、2−chloro−4,6−diphenyl−1,3,5−triazine(10.6g、39.5mmol)と、tetrakis(triphenylphosphine)palladium(0.46g、0.4mmol)を入れて撹拌した。水に飽和したpotassium carbonate(13.6g、98.8mmol)を入れて、80℃で23時間加熱して還流させた。反応完了後、反応液に水を入れて、dichloromethane(DCM)で抽出してから、無水MgSO4で水分を除去した後、フィルタし減圧濃縮した。こうして得られた残渣をflash column chromatographyで分離精製して、前記化合物33(17.9g、74%)を得た。
【0151】
HRMS(70eV,EI+):m/z calcd for C45H29N3:611.2361,found:611.
Elemental Analysis:C,88%;H,5%。
【0152】
合成例18:化合物69の合成
【0153】
【化33】
【0154】
窒素環境下、前記化合物I−9(20g、39.5mmol)をtetrahydrofuran(THF)0.2Lに溶かした後、これに、2−chloro−4,6−diphenyl−1,3,5−triazine(10.6g、39.5mmol)と、tetrakis(triphenylphosphine)palladium(0.46g、0.4mmol)を入れて撹拌した。水に飽和したpotassium carbonate(13.6g、98.8mmol)を入れて、80℃で32時間加熱して還流させた。反応完了後、反応液に水を入れて、dichloromethane(DCM)で抽出してから、無水MgSO4で水分を除去した後、フィルタし減圧濃縮した。こうして得られた残渣をflash column chromatographyで分離精製して、前記化合物69(15.2g、63%)を得た。
【0155】
HRMS(70eV,EI+):m/z calcd for C45H29N3:611.2361,found:611.
Elemental Analysis:C,88%;H,5%。
【0156】
合成例19:化合物87の合成
【0157】
【化34】
【0158】
窒素環境下、前記化合物I−11(20g、34.3mmol)をtetrahydrofuran(THF)0.15Lに溶かした後、これに、2−chloro−4,6−diphenyl−1,3,5−triazine(9.19g、34.3mmol)と、tetrakis(triphenylphosphine)palladium(0.4g、0.34mmol)を入れて撹拌した。水に飽和したpotassium carbonate(11.9g、85.8mmol)を入れて、80℃で29時間加熱して還流させた。反応完了後、反応液に水を入れて、dichloromethane(DCM)で抽出してから、無水MgSO4で水分を除去した後、フィルタし減圧濃縮した。こうして得られた残渣をflash column chromatographyで分離精製して、前記化合物87(16.3g、69%)を得た。
【0159】
HRMS(70eV,EI+):m/z calcd for C51H33N3:687.2674,found:687.
Elemental Analysis:C,89%;H,5%。
【0160】
有機発光素子の作製
実施例1
合成例12で得られた化合物1をホストとして用い、Ir(PPy)3をドーパントとして用いて、有機発光素子を作製した。
【0161】
陽極にはITOを1000Åの厚さに使用し、陰極にはアルミニウム(Al)を1000Åの厚さに使用した。具体的には、有機発光素子の製造方法を説明すれば、陽極は、15Ω/cm2の面抵抗値を有するITOガラス基板を50mm×50mm×0.7mmの大きさに切断して、アセトンとイソプロピルアルコールと純水中で、各15分間超音波洗浄した後、30分間UVオゾン洗浄して使用した。
【0162】
前記基板の上部に、真空度650×10
−7Pa、蒸着速度0.1〜0.3nm/sの条件で、N4,N4’−di(naphthalen−1−yl)−N4,N4’−diphenylbiphenyl−4,4’−diamine(NPB)(80nm)を蒸着して、800Åの正孔輸送層を形成した。次に、同一の真空蒸着条件で、実施例1で得られた化合物1を用いて、膜厚300Åの発光層を形成し、この時、燐光ドーパントのIr(PPy)3を同時に蒸着した。この時、燐光ドーパントの蒸着速度を調整して、発光層の全体量を100重量%とした時、燐光ドーパントの配合量が7重量%となるように蒸着した。
【0163】
前記発光層の上部に、同一の真空蒸着条件を用いて、Bis(2−methyl−8−quinolinolate)−4−(phenylphenolato)aluminium(BAlq)を蒸着して、膜厚50Åの正孔阻止層を形成した。次に、同一の真空蒸着条件でAlq3を蒸着して、膜厚200Åの電子輸送層を形成した。前記電子輸送層の上部に、陰極としてLiFとAlを順次に蒸着して、有機発光素子を作製した。
【0164】
前記有機発光素子の構造は、ITO/NPB(80nm)/EML(化合物1(93重量%)+Ir(PPy)3(7重量%)、30nm)/Balq(5nm)/Alq3(20nm)/LiF(1nm)/Al(100nm)の構造で作製した。
【0165】
実施例2
合成例12の化合物1の代わりに、合成例13の化合物13を使用したことを除いては、実施例1と同様の方法で有機発光素子を製造した。
【0166】
実施例3
合成例12の化合物1の代わりに、合成例14の化合物14を使用したことを除いては、実施例1と同様の方法で有機発光素子を製造した。
【0167】
実施例4
合成例12の化合物1の代わりに、合成例15の化合物15を使用したことを除いては、実施例1と同様の方法で有機発光素子を製造した。
【0168】
実施例5
合成例12の化合物1の代わりに、合成例16の化合物24を使用したことを除いては、実施例1と同様の方法で有機発光素子を製造した。
【0169】
実施例6
合成例12の化合物1の代わりに、合成例17の化合物33を使用したことを除いては、実施例1と同様の方法で有機発光素子を製造した。
【0170】
実施例7
合成例12の化合物1の代わりに、合成例18の化合物69を使用したことを除いては、実施例1と同様の方法で有機発光素子を製造した。
【0171】
実施例8
合成例12の化合物1の代わりに、合成例19の化合物87を使用したことを除いては、実施例1と同様の方法で有機発光素子を製造した。
【0172】
比較例1
合成例12の化合物1の代わりに、下記構造のCBPを使用したことを除いては、実施例1と同様の方法で有機発光素子を製造した。
【0173】
比較例2
合成例12の化合物1の代わりに、下記構造のHOST1を使用したことを除いては、実施例1と同様の方法で有機発光素子を製造した。
【0174】
比較例3
合成例12の化合物1の代わりに、下記構造のHOST2を使用したことを除いては、実施例1と同様の方法で有機発光素子を製造した。
【0175】
前記有機発光素子の作製に使用されたNPB、BAlq、CBP、Ir(PPy)
3、HOST1、およびHOST2の構造は、下記の通りである。
【0176】
【化35】
【0177】
評価
実施例1〜8と、比較例1〜3による有機発光素子の電圧に応じた電流密度の変化、輝度変化および発光効率を測定した。
【0178】
具体的な測定方法は下記の通りであり、その結果は表1の通りである。
【0179】
(1)電圧の変化に応じた電流密度の変化の測定
製造された有機発光素子に対して、電圧を0Vから10Vまで上昇させながら、電流−電圧計(Keithley2400)を用いて単位素子に流れる電流値を測定し、測定された電流値を面積で割って、結果を得た。
【0180】
(2)電圧の変化に応じた輝度変化の測定
製造された有機発光素子に対して、電圧を0Vから10Vまで上昇させながら、輝度計(Minolta Cs−1000A)を用いてその時の輝度を測定して、結果を得た。
【0181】
(3)発光効率の測定
前記(1)および(2)から測定された輝度と電流密度および電圧を用いて、同一の電流密度(10mA/cm2)の電流効率(cd/A)を計算した。
【0182】
(4)寿命の測定
輝度(cd/m2)を5000cd/m
2に維持し、電流効率(cd/A)が90%に減少する時間を測定して、結果を得た。
【0183】
【表1】
【0184】
前記表1によれば、実施例1〜8による有機発光素子は、比較例1〜比較例3による有機発光素子と比較して、発光効率および寿命が顕著に改善されたことを確認することができる。
【0185】
具体的には、実施例1〜8による有機発光素子で使用された化合物は、比較例1〜3による有機発光素子で使用された化合物とは異なり、窒素を含むことで、電子を受けるのに容易な構造を有している。これによって、実施例1〜8による有機発光素子は、比較例1〜3による有機発光素子と比較して、駆動電圧が低くなることを確認することができる。
【0186】
また、実施例1〜8による有機発光素子で使用された化合物は、正孔を受けやすいトリフェニレン構造と、電子を受けやすい窒素含有環部分を共に含むバイポーラ構造を有することにより、正孔と電子の流れを適切にバランス良くすることができ、これによって、実施例1〜8による有機発光素子は、比較例1〜3による有機発光素子と比較して、効率が高いことを確認することができる。
【0187】
さらに、実施例1〜8による有機発光素子で使用された化合物は、正孔を受けやすいトリフェニレン構造と、電子を受けやすい窒素含有環部分とを適切に区域化する構造を有することにより、共役系の流れを制御することができ、これによって、実施例1〜8による有機発光素子は、比較例1または3に比べて、寿命が増加することを確認することができる。なお、実施例14、15、16の場合、比較例2の場合よりも、90%寿命の比較時、約3倍またはそれ以上に向上することが分かり、寿命の増加にもかかわらず、発光効率は1.6倍以上上昇したことを確認することができる。
【0188】
本発明は、上記の実施例に限定されるものではなく、互いに異なる多様な形態で製造可能であり、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者は、本発明の技術的な思想や必須の特徴を変更することなく他の具体的な形態で実施可能であることを理解することができる。そのため、以上に述べた実施例はすべての面で例示的なものであり、限定的ではないと理解しなければならない。