特許第6257284号(P6257284)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6257284
(24)【登録日】2017年12月15日
(45)【発行日】2018年1月10日
(54)【発明の名称】受信装置
(51)【国際特許分類】
   H04B 1/26 20060101AFI20171227BHJP
【FI】
   H04B1/26 B
【請求項の数】2
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-244290(P2013-244290)
(22)【出願日】2013年11月26日
(65)【公開番号】特開2015-104018(P2015-104018A)
(43)【公開日】2015年6月4日
【審査請求日】2016年9月26日
【権利譲渡・実施許諾】特許権者において、実施許諾の用意がある。
(73)【特許権者】
【識別番号】000004352
【氏名又は名称】日本放送協会
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(72)【発明者】
【氏名】長坂 正史
(72)【発明者】
【氏名】亀井 雅
(72)【発明者】
【氏名】中澤 進
(72)【発明者】
【氏名】田中 祥次
【審査官】 大野 友輝
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−180024(JP,A)
【文献】 特開平09−182064(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 1/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンテナにより受信された放送波を、右旋円偏波及び左旋円偏波に分離する偏波分離部と、
前記右旋円偏波に対して、第1局部発振周波数を減ずる第1演算により右旋中間周波へ周波数変換を行う第1周波数変換部と、
前記左旋円偏波に対して、第2局部発振周波数を減ずる第2演算を複数回行うことにより左旋中間周波へ周波数変換を行う第2周波数変換部と、
前記右旋中間周波及び前記左旋中間周波を合波する合波器と、を備え
前記第2局部発振周波数、及び前記第1局部発振周波数と前記第2局部発振周波数との差の周波数は、前記第1演算又は前記第2演算により得られるいずれの中間周波の範囲にも含まれない受信装置。
【請求項2】
前記第2周波数変換部は、前記左旋中間周波の周波数範囲を所定値以上にするための前記第2局部発振周波数を用いる請求項1に記載の受信装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放送波の受信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、衛星放送では、円偏波が用いられている。現状、衛星基幹放送、いわゆるBS(Broadcasting Satellite)及び東経110度CS(Communications Satellite)は、共に右旋円偏波を用いている。右旋円偏波と左旋円偏波とは共用可能なため、各衛星は、同一周波数で異なる番組の送信が可能である。
【0003】
衛星放送で用いられる12GHz帯の電波は、周波数が高いため、宅内配線での減衰が大きい。そこで、受信アンテナで受信された放送波は、中間周波数(IF:Intermediate Frequency)に変換され、同軸ケーブルにより受信機まで伝送される。
【0004】
なお、BSでは、放送用周波数として11.7GHz〜12.2GHzが使用され、右旋円偏波用IFとして1032MHz〜1489MHzが使用されている。また、CSでは、放送用周波数として12.25GHz〜12.75GHzが使用され、右旋円偏波用IFとして1595MHz〜2071MHzが使用されている。
地上デジタルテレビ放送(地上TV)も、衛星放送と同一の同軸ケーブルにより宅内伝送することが一般的である。地上TVの周波数は、470MHz〜710MHzである。
ケーブルテレビ(ケーブルTV)の信号と衛星放送のIFとを混合し、同一の同軸ケーブルで宅内伝送する視聴形態もある。ケーブルTVの周波数は、10MHz〜770MHzである。
【0005】
通常、複数の放送波は、1本の同軸ケーブルに重畳されて受信機まで伝送される。したがって、各放送波の中間周波数は、互いに重ならないように変換される必要がある。このような状況において、例えば、右旋円偏波用と同様の帯域幅を要する左旋円偏波用のIFを、右旋円偏波用のIF及び放送波と重ならないように配置する受信装置として、以下のものが提案されている。
(1)CSの左旋円偏波を、2100MHz〜2600MHz付近のIF(Intermediate Frequency)に変換して伝送するもの(例えば、非特許文献1参照)。
(2)BSの左旋円偏波を、2000MHz〜2600MHz付近のIFに変換し、CSの左旋円偏波を、2600MHz〜3100MHz付近のIFに変換して伝送するもの(例えば、特許文献1参照)。
(3)BSの左旋円偏波とCSの左旋円偏波とを分波して周波数変換するもの(特願2013−145377号明細書)。
(4)BSの左旋円偏波とCSの左旋円偏波との周波数配列を入れ替えて周波数変換するもの(特願2013−145381号明細書)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−305460号公報
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】武田ほか,“2600MHz伝送システムに使用するBS・110°CS衛星アンテナ”,電子情報通信学会技術研究報告,Vol.109,No.454,AP2009−218,pp.79−83,2010年3月
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、放送波をIFへ変換する際に使用される局部発振器(LO)の出力電力レベルは、+5dBm程度と高いため、右旋円偏波用のLO(例えば、周波数LO1=10.678GHz)と左旋円偏波用のLO(例えば、周波数LO2=9.603GHz)とが分離できない場合は、これらの差の周波数成分(例えば、LO1−LO2=1075MHz)が無視できないレベルで発生する。この周波数成分がBS右旋円偏波用のIF(1032MHz〜1489MHz)に干渉してしまい、受信映像が乱れる等の不具合が生じるおそれがある。
【0009】
そこで、左旋円偏波用のLOの周波数を高くすることにより、LO1−LO2の周波数を低くした場合、左旋円偏波用IFの周波数も低くなる。この結果、BS左旋円偏波用IFがCS右旋円偏波用IFに近づき、両者間のガードバンドが十分に確保できなくなる。
また、右旋円偏波の周波数変換部と、左旋円偏波の周波数変換部とを分離することにより上述の干渉は回避できるが、構造が大型化してしまう上、一体化した基板による実現は難しかった。
【0010】
本発明は、右旋円偏波用のIFに影響を与えることなく、左旋円偏波用のIFを生成できる放送波の受信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る受信装置は、アンテナにより受信された放送波を、右旋円偏波及び左旋円偏波に分離する偏波分離部と、前記右旋円偏波に対して、第1局部発振周波数を減ずる第1演算により右旋中間周波へ周波数変換を行う第1周波数変換部と、前記左旋円偏波に対して、第2局部発振周波数を減ずる第2演算を複数回行うことにより左旋中間周波へ周波数変換を行う第2周波数変換部と、前記右旋中間周波及び前記左旋中間周波を合波する合波器と、を備える。
【0012】
この構成によれば、受信装置は、左旋円偏波用の第2周波数変換部によって多段階の周波数変換を行う。これにより、左旋円偏波用の局部発振周波数が調整されるので、受信装置は、局部発振周波数の差分の周波数成分を調整して、右旋円偏波用の中間周波に影響を与えることなく、左旋円偏波用の中間周波を生成できる。
【0013】
前記第2局部発振周波数、及び前記第1局部発振周波数と前記第2局部発振周波数との差の周波数は、前記第1演算又は前記第2演算により得られるいずれの中間周波の範囲にも含まれないように構成されてもよい。
【0014】
この構成によれば、受信装置は、例えば2段階の周波数変換を行うことにより、放送波、及び各周波数変換後の周波数帯のいずれに対しても、局部発振周波数又は局部発振周波数の差分が重畳せず、干渉を回避できる。
また、右旋円偏波用及び左旋円偏波用それぞれの局部発振周波数、及び2つの局部発振周波数の差の周波数成分は、バンドパスフィルタ又はローパスフィルタにより容易に除去できる。
【0015】
前記第2周波数変換部は、前記左旋中間周波の周波数範囲を所定値以上にするための前記第2局部発振周波数を用いてもよい。
【0016】
この構成によれば、受信装置は、左旋円偏波用の中間周波を右旋円偏波用の中間周波の高周波側に配置することにより、左旋円偏波用の中間周波を、右旋円偏波用の中間周波との干渉を回避して配置できる。したがって、受信装置は、右旋円偏波及び左旋円偏波を受信した場合に、これら複数の放送波の中間周波を1本の同軸ケーブルで伝送できる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、右旋円偏波用のIFに影響を与えることなく、左旋円偏波用のIFを生成できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】実施形態に係る受信装置の構成を示すブロック図である。
図2】実施形態に係る第1周波数変換部の構成を示す図である。
図3】実施形態に係る第2周波数変換部の構成を示す図である。
図4】2段階の周波数変換を行わない場合の第1の例を示す図である。
図5】2段階の周波数変換を行わない場合の第2の例を示す図である。
図6】2段階の周波数変換を行わない場合の第3の例を示す図である。
図7】実施形態に係る2段階の周波数変換を行った場合の左旋円偏波用IFの生成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態の一例について説明する。
本実施形態の受信システムは、受信装置1と、右旋円偏波用及び左旋円偏波用の放送チューナを有するテレビ又はビデオ等の受信機3とを備える。
受信装置1は、右旋円偏波及び左旋円偏波を、それぞれIFへ周波数変換し、左旋円偏波のIFを右旋円偏波のIFよりも高周波側に配置する。
【0020】
図1は、本実施形態に係る受信装置1の構成を示すブロック図である。
受信装置1は、偏波分離部11と、第1周波数変換部12と、第2周波数変換部13と、合波器14と、混合器15とを備える。
【0021】
偏波分離部11は、衛星放送受信アンテナ2により受信された放送衛星(BS及びCS)の電波を、右旋円偏波と左旋円偏波とに分離する。なお、偏波分離部11は、既存の偏波分離の方法を用いることができ、例えば、ハイブリッド回路を用いたもの、又は位相差板を用いたもの等であってよい。
偏波分離された右旋円偏波は、第1周波数変換部12に入力され、左旋円偏波は、第2周波数変換部13に入力される。
【0022】
第1周波数変換部12は、既定の第1局部発振周波数(例えば、LO1=10.678GHz)を用いて、右旋円偏波をIFに周波数変換する。第1周波数変換部12への入力周波数(RF1)からLO1を引いた値が変換後の周波数(IF1=RF1−LO1)となる(第1演算)。
これにより、BS及びCSの右旋円偏波の受信信号は、BS右旋円偏波用IF(BS右旋IF)及びCS右旋円偏波用IF(CS右旋IF)となり、合波器14に入力される。
【0023】
第2周波数変換部13は、第2局部発振周波数(例えば、LO2=4.802GHz)を用いて、左旋円偏波を、右旋円偏波用IFよりも高周波側のIFに周波数変換する。
このとき、第2周波数変換部13は、入力周波数(RF2)からLO2を減ずる処理(第2演算)を複数回(例えば、2回)行う(IF2=RF2−2×LO2)。以下、第2周波数変換部13は、2段階の周波数変換を行うものとして説明する。
【0024】
合波器14は、第1周波数変換部12及び第2周波数変換部13により変換された各IFを合成し、同軸ケーブルで伝送する。
【0025】
混合器15は、合波器14により合成された衛星放送信号のIFと、地上TV又はケーブルTVの信号を合成し、同軸ケーブルで伝送する。
【0026】
図2は、本実施形態に係る第1周波数変換部12の構成を示す図である。
第1周波数変換部12は、バンドパスフィルタ(BPF)121と、ミキサ122と、ローパスフィルタ(LPF)123とを備える。
【0027】
バンドパスフィルタ121によって不要波が除去されてRF1が取り出され、LO1と共にミキサ122に入力される。
ミキサ122は、RF1及びLO1から、第1演算によりIF1(=RF1−LO1)を生成する。
このとき、不要波であるイメージ(RF1+LO1)及びLO1は、ローパスフィルタ123によって除去される。
【0028】
図3は、本実施形態に係る第2周波数変換部13の構成を示す図である。
第2周波数変換部13は、2つのミキサ132及び134と、2つのバンドパスフィルタ(BPF)131及び133と、ローパスフィルタ135とを備え、2段階の周波数変換を行う。
【0029】
バンドパスフィルタ131によって不要波が除去されてRF2が取り出され、LO2と共にミキサ132に入力される。
2つのミキサ132及び134にそれぞれ供給される局部発振周波数は共通であってよく、この場合、1つのLOから分配されてもよい。出力周波数IF2は、「IF2=RF2−2×LO2」となり、左旋円偏波用のLOを従来技術の1/2の周波数にできる。
【0030】
ミキサ132からの出力側には、バンドパスフィルタ133が配置され、第2周波数変換部13は、LO2及びイメージ(RF2+LO2)を除去して、所望の出力(RF2−LO2)を取り出す。
また、ミキサ134からの出力側には、ローパスフィルタ135が配置され、第2周波数変換部13は、LO2及びイメージ(RF2−LO2+LO2)を除去して、所望の出力(IF2)を取り出す。
【0031】
ここで、比較のため、第2周波数変換部13による2段階の周波数変換を行わない場合の左旋円偏波用IFの生成例を説明する。
【0032】
図4は、本実施形態に係る2段階の周波数変換を行わない場合の第1の例を示す図である。
この例では、右旋円偏波用のLOの周波数として「LO1=10.678GHz」を用い、左旋円偏波用のLOの周波数として「LO2=9.603GHz」を用いている。
【0033】
この場合、LO1とLO2の差の周波数成分「LO1−LO2=1075MHz」は、BS右旋IF(1032MHz〜1489MHz)に重なり、干渉してしまう。この結果、BS右旋円偏波による放送映像が乱れる等の不具合が生じる。
【0034】
図5は、本実施形態に係る2段階の周波数変換を行わない場合の第2の例を示す図である。
この例では、第1の例に比べて、左旋円偏波用のLOの周波数を高くし、「LO2=9.648GHz」を用いている。
【0035】
この場合、LO1とLO2の差の周波数成分「LO1−LO2=1030MHz」は、BS右旋IFよりも低域側となる。ところが、左旋円偏波用IFの周波数も低くなるため、BS左旋IFがCS右旋IFと10MHz差まで近づき、両者間のガードバンドが十分に確保できなくなる。
【0036】
図6は、本実施形態に係る2段階の周波数変換を行わない場合の第3の例を示す図である。
この例では、LO2を調整して、LO1−LO2の周波数をBS右旋IF内のチャンネル間に配置している。
【0037】
例えば、LO2=9.609GHzとすれば、LO1−LO2=1069MHzとなる。この結果、LOの周波数の差分の周波数成分を、BS右旋IFの1チャンネルと3チャンネルとの間に配置できる。なお、この方法では、LOの周波数の差分の周波数成分を、BS右旋のチャンネル番号(1,3,5,・・・,21,23)のうち、任意のチャンネル間に配置できる。
【0038】
この場合、LO1−LO2の周波数から受信信号(IF)への干渉の影響は低減される。ところが、LO1−LO2の周波数成分は、BS右旋IFの帯域内にあることに変わりはなく、フィルタで除去することはできない。
【0039】
よって、LO1−LO2の周波数成分の電力レベルをBS右旋IFの信号レベルよりも十分低くできない場合、後段のアンプが飽和する等の理由により、受信品質が劣化するおそれがある。
【0040】
図7は、本実施形態に係る2段階の周波数変換を行った場合の右旋円偏波用IFの生成例を示す図である。
【0041】
2段階の周波数変換を行うことにより、LO2は、例えば上記の第1の例(図4)の1/2に設定される。このLO2(例えば、4.802GHz)は、いずれの放送波(衛星放送、地上TV、ケーブルTV)及びIF、さらには、1段階目の変換後の周波数帯にも干渉しない。
さらに、LO1−LO2の周波数(5.876GHz)も、いずれの放送波及びIF、さらには、1段階目の変換後の周波数帯にも干渉しない。
よって、これらの不要波は、フィルタにより除去可能であり、所望のIFのみを取り出すことが可能である。
【0042】
本実施形態によれば、受信装置1は、左旋円偏波用の第2周波数変換部13にミキサを複数配置し多段階の周波数変換を行う。これにより、左旋円偏波用のLOの周波数が調整されるので、受信装置1は、2つのLOの周波数の差分の周波数成分を調整して、右旋円偏波用のIFに影響を与えることなく、左旋円偏波用のIFを生成できる。
【0043】
さらに、受信装置1は、前述のLO1及びLO2を用いて2段階の周波数変換を行うことにより、放送波(衛星放送、地上TV、ケーブルTV)、及び各周波数変換後の周波数帯のいずれに対しても、LOの周波数又はLOの周波数の差分が重畳せず、干渉を回避できる。
なお、右旋円偏波用及び左旋円偏波用それぞれのLOの周波数、及び2つのLOの周波数の差の周波数成分は、バンドパスフィルタ133及びローパスフィルタ135により除去可能である。
【0044】
また、2段階の周波数変換のそれぞれで使用されるLO2は共通化されるので、第2周波数変換部13は、単一の発振器により左旋円偏波に対して周波数変換処理を行える。
なお、受信装置1は、右旋円偏波について従来との整合性を保つので、回路や部品を共通化し、コストの低減を図ることができる。
【0045】
受信装置1は、左旋円偏波用IFの周波数範囲を右旋円偏波用IFより高域側に配置するので、地上TV、ケーブルTV及び右旋円偏波用IFに加え、左旋円偏波用IFについても、1本の同軸ケーブルで伝送され、宅内配線設備を簡素化することができるので、コスト低減につながると共に、既存配線の流用も可能になる。
また、受信装置1は、右旋及び左旋の両円偏波の衛星放送を同時に伝送できる。さらに、分配器を用いることにより、複数台の受信機(チューナ)でそれぞれ任意の放送を選択し受信できる。これにより、受信装置1は、例えば、ユーザが視聴中の番組とは別の番組を録画する等、柔軟な視聴環境を提供できる。
【0046】
なお、本実施形態におけるLO2(4.802GHz)と周波数変換後の左旋円偏波用IFとは一例であり、受信装置1は、LOの周波数及びその差分による干渉を回避するように周波数変換を行えばよい。変換演算の回数は2回には限られず、また、それぞれの演算で異なるLOの周波数が使用されてもよい。
【0047】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態に限るものではない。また、本実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【0048】
前述の実施形態では、主に受信装置の構成と動作について説明したが、本発明はこれに限られず、各構成要素を備え、衛星放送を受信するための方法、又はプログラムとして構成されてもよい。
【0049】
さらに、受信装置の機能を実現するためのプログラムをコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。
【0050】
ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータで読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
【0051】
さらに「コンピュータで読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時刻の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時刻プログラムを保持しているものも含んでもよい。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
【0052】
なお、受信装置1の適用場所に限定はない。例えば、受信装置1は、一般家庭住宅、集合住宅、オフィスビル、ホテル等さまざまな場所、施設に適用することができる。また、本願で用いた「宅内配線」という用語は、電気信号を伝達する用途で建物に配されている電気信号線の一例を示したものに過ぎず、何らの限定を意図する用語ではない。
【符号の説明】
【0053】
1 受信装置
11 偏波分離部
12 第1周波数変換部
13 第2周波数変換部
14 合波器
15 混合器
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7