(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1シンボル系列Aに対応する送信信号及び前記第2シンボル系列Aに対応する送信信号のうち、一方の送信信号は、第1偏波によって送信され、他方の送信信号は、第2偏波によって送信され、
前記第1シンボル系列Bに対応する送信信号及び前記第2シンボル系列Bに対応する送信信号のうち、一方の送信信号は、第1偏波によって送信され、他方の送信信号は、第2偏波によって送信されることを特徴とする請求項1に記載のデジタル放送システム。
前記第1規則の時空間符号化、前記第2規則の時空間符号化、及び、前記第3規則の時空間符号化で用いる変換行列は、前記変換行列L及び前記変換行列Mの中から選択された変換行列であることを特徴とする請求項3に記載のデジタル放送システム。
2つの送信アンテナを有する第1送信装置及び2つの送信アンテナを有する第2送信装置を備えるデジタル放送システムに設けられており、前記第1送信装置及び前記第2送信装置から送信される信号を受信可能な受信装置であって、
前記第1送信装置は、シンボル系列を第1規則の時空間符号化によって符号化することによって得られる第1シンボル系列及び第2シンボル系列のうち、前記第1シンボル系列を第2規則の時空間符号化によって符号化することによって得られる第1シンボル系列A及び前記第2シンボル系列を第3規則の時空間符号化によって符号化することによって得られる第2シンボル系列Aを送信しており、
前記第2送信装置は、前記シンボル系列を前記第1規則の時空間符号化によって符号化することによって得られる前記第1シンボル系列及び前記第2シンボル系列のうち、前記第1シンボル系列を前記第2規則の時空間符号化によって符号化することによって得られる第1シンボル系列B及び前記第2シンボル系列を前記第3規則の時空間符号化によって符号化することによって得られる第2シンボル系列Bを送信しており、
前記第1シンボル系列A、前記第1シンボル系列B、前記第2シンボル系列A及び前記第2シンボル系列Bを受信する受信部と、
前記第1シンボル系列A、前記第1シンボル系列B、前記第2シンボル系列A及び前記第2シンボル系列Bに基づいて、前記第1送信装置及び前記第2送信装置から送信される信号を検出する検出部とを備えることを特徴とする受信装置。
2つの送信アンテナを有する第1送信装置及び2つの送信アンテナを有する第2送信装置を備えるデジタル放送システムに設けられており、前記第1送信装置及び前記第2送信装置から送信される信号を受信可能な受信装置に搭載されるチップであって、
前記第1送信装置は、シンボル系列を第1規則の時空間符号化によって符号化することによって得られる第1シンボル系列及び第2シンボル系列のうち、前記第1シンボル系列を第2規則の時空間符号化によって符号化することによって得られる第1シンボル系列A及び前記第2シンボル系列を第3規則の時空間符号化によって符号化することによって得られる第2シンボル系列Aを送信しており、
前記第2送信装置は、前記シンボル系列を前記第1規則の時空間符号化によって符号化することによって得られる前記第1シンボル系列及び前記第2シンボル系列のうち、前記第1シンボル系列を前記第2規則の時空間符号化によって符号化することによって得られる第1シンボル系列B及び前記第2シンボル系列を前記第3規則の時空間符号化によって符号化することによって得られる第2シンボル系列Bを送信しており、
前記第1シンボル系列A、前記第1シンボル系列B、前記第2シンボル系列A及び前記第2シンボル系列Bを受信する受信部と、
前記第1シンボル系列A、前記第1シンボル系列B、前記第2シンボル系列A及び前記第2シンボル系列Bに基づいて、前記第1送信装置及び前記第2送信装置から送信される信号を検出する検出部とを備えることを特徴とするチップ。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の図面の記載において、同一または類似の部分には、同一または類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。
【0012】
したがって、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
【0013】
[実施形態の概要]
実施形態に係るデジタル放送システムは、2つの送信アンテナを有する第1送信装置及び2つの送信アンテナを有する第2送信装置を備える。前記第1送信装置は、シンボル系列を第1規則の時空間符号化によって符号化することによって得られる第1シンボル系列及び第2シンボル系列を出力する第1前段符号化部と、前記第1シンボル系列を第2規則の時空間符号化によって符号化することによって第1シンボル系列Aを生成し、前記第2シンボル系列を第3規則の時空間符号化によって符号化することによって第2シンボル系列Aを生成する第1後段符号化部とを備える。前記第2送信装置は、前記シンボル系列を前記第1規則の時空間符号化によって符号化することによって得られる前記第1シンボル系列及び前記第2シンボル系列を出力する第2前段符号化部と、前記第1シンボル系列を前記第2規則の時空間符号化によって符号化することによって第1シンボル系列Bを生成し、前記第2シンボル系列を前記第3規則の時空間符号化によって符号化することによって第2シンボル系列Bを生成する第2後段符号化部とを備える。
【0014】
実施形態では、時空間符号が2段階で行われるため、受信装置における受信特性の劣化を抑制することができる。詳細には、第1規則の時空間符号化によって得られる第1シンボル系列及び第2シンボル系列は、第1送信装置に設けられる第1後段符号化部及び第2送信装置に設けられる第2後段符号化部の連携によって、4系統のシンボル系列に符号化される。これによって、受信装置における受信特性が向上する。
【0015】
[第1実施形態]
(デジタル放送システム)
以下において、第1実施形態に係るデジタル放送システムについて説明する。
図1は、第1実施形態に係る送信装置10及び送信装置20を示すブロック図であり、
図2は、第1実施形態に係る受信装置30を示すブロック図である。デジタル放送システムは、送信装置10、送信装置20及び受信装置30を備える。送信装置10、受信装置30のみでデジタル放送システムを構成することもできる。送信装置10、受信装置30のみでデジタル放送システムを構成することもできる。
【0016】
実施形態において、デジタル放送システムは、次世代地上放送方式に対応するデジタル放送システムである。例えば、次世代地上放送方式に対応するデジタル放送システムでは、MIMO(Multiple Input Multiple Output)技術、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)技術が適用される。デジタル放送システムでは、送信装置10から受信装置30に対して、複数の階層に属する階層化データ(例えば、1セグメント、13セグメント)が送信される。
【0017】
第1実施形態において、送信装置10及び送信装置20は、同一のデータを取得することに留意すべきである。送信装置10及び送信装置20は、特に限定されるものではないが、互いに離れた位置に設けられる。送信装置10及び送信装置20で用いられる周波数は同一であり、デジタル放送システムは、SFN(Single Frequency Network)を構成する。
【0018】
(送信装置)
図1に示すように、送信装置10は、誤り訂正符号化部11と、マッピング部12と、前段符号化部13と、後段符号化部14と、OFDMフレーム構成部15と、IFFT部16と、GI付加部17と、送信アンテナ18とを備える。同様に、送信装置20は、誤り訂正符号化部21と、マッピング部22と、前段符号化部23と、後段符号化部24と、OFDMフレーム構成部25と、IFFT部26と、GI付加部27と、送信アンテナ28とを備える。
【0019】
なお、送信装置20の構成は、送信装置10の構成と同様であるため、以下においては、送信装置10について主として説明する。
【0020】
誤り訂正符号化部11は、外部から入力されるデータ(映像データ、音声データ等)を構成するビット列から取り出される所定数のビット列に誤り訂正符号を付与して、所定長の誤り訂正ブロックを生成する。
【0021】
マッピング部12は、キャリア変調処理の変調多値数に応じて定められる所定数のビット列をIQ平面上にマッピングする。キャリア変調処理としては、例えば、偶数のビット列を1シンボルとしてマッピングする64QAM、256QAM、1024QAM等が用いられる。或いは、キャリア変調処理として、奇数のビット列を1シンボルとしてマッピングする32QAM、128QAM、512QAM等が用いられてもよい。
【0022】
前段符号化部13は、マッピング部12から出力されるシンボル系列を第1規則の時空間符号化によって符号化することによって得られる第1シンボル系列及び第2シンボル系列を出力する。具体的には、前段符号化部13は、第1シンボルP
0及び第2シンボルP
1によって構成されるブロック毎に、第1シンボルP
0及び第2シンボルP
1を符号化する。
【0023】
第1規則の時空間符号化で用いる変換行列は、変換行列J及び変換行列Kの中から選択された変換行列、或いは、変換行列L及び変換行列Mの中から選択された変換行列である。変換行列J〜変換行列Mは、以下に示す通りである。
【0028】
変換行列Jは、Alamoutiの時空間ブロック符号化行列である。変換行列Jにおいて、行は、各送信アンテナから送信されるシンボルを示している。また、時空間符号化がSTBC(Space Time Block Coding)であれば、変換行列Jにおいて、列は、各送信時刻で送信されるシンボルを示している。一方で、時空間符号化がSFBC(Space Frequency Block Coding)であれば、変換行列Jにおいて、列は、各周波数(OFDM伝送では、OFDMフレームを構成するキャリアの番号)で送信されるシンボルを示している。
【0029】
変換行列Kは、Alamoutiの時空間ブロック符号化行列である。変換行列Kにおいて、行は、各送信アンテナから送信されるシンボルを示している。また、時空間符号化がSTBC(Space Time Block Coding)であれば、変換行列Kにおいて、列は、各送信時刻で送信されるシンボルを示している。一方で、時空間符号化がSFBC(Space Frequency Block Coding)であれば、変換行列Kにおいて、列は、各周波数(OFDM伝送では、OFDMフレームを構成するキャリアの番号)で送信されるシンボルを示している。
【0030】
変換行列Lは、Modified Alamoutiの時空間ブロック符号化行列である。変換行列Lにおいて、行は、各送信アンテナから送信されるシンボルを示している。また、時空間符号化がSTBC(Space Time Block Coding)であれば、変換行列Lにおいて、列は、各送信時刻で送信されるシンボルを示している。一方で、時空間符号化がSFBC(Space Frequency Block Coding)であれば、変換行列Lにおいて、列は、各周波数(OFDM伝送では、OFDMフレームを構成するキャリアの番号)で送信されるシンボルを示している。
【0031】
変換行列Mは、Modified Alamoutiの時空間ブロック符号化行列である。変換行列Mにおいて、行は、各送信アンテナから送信されるシンボルを示している。また、時空間符号化がSTBC(Space Time Block Coding)であれば、変換行列Mにおいて、列は、各送信時刻で送信されるシンボルを示している。一方で、時空間符号化がSFBC(Space Frequency Block Coding)であれば、変換行列Mにおいて、列は、各周波数(OFDM伝送では、OFDMフレームを構成するキャリアの番号)で送信されるシンボルを示している。
【0032】
後段符号化部14は、後段符号化部14A及び後段符号化部14Bを含む。
【0033】
後段符号化部14Aは、送信装置20の後段符号化部24AとセットでSTC符号化器を構成する。詳細については後述するが、後段符号化部14A及び後段符号化部24Aによって構成される符号化器は、
図3又は
図4に示すSTC#1である。STC#1は、第1シンボル系列を第2規則の時空間符号化によって符号化することによって第1シンボル系列A及び第1シンボル系列Bを生成する。
【0034】
言い換えると、後段符号化部14Aは、前段符号化部13から出力される第1シンボル系列を第2規則の時空間符号化によって符号化することによって第1シンボル系列Aを生成する。一方で、後段符号化部24Aは、前段符号化部23から出力される第1シンボル系列を第2規則の時空間符号化によって符号化することによって第1シンボル系列Bを生成する。
【0035】
後段符号化部14Bは、送信装置20の後段符号化部24BとセットでSTC符号化器を構成する。詳細については後述するが、後段符号化部14B及び後段符号化部24Bによって構成される符号化器は、
図3又は
図4に示すSTC#2である。STC#2は、第2シンボル系列を第3規則の時空間符号化によって符号化することによって第2シンボル系列A及び第2シンボル系列Bを生成する。
【0036】
言い換えると、後段符号化部14Bは、前段符号化部13から出力される第2シンボル系列を第3規則の時空間符号化によって符号化することによって第2シンボル系列Aを生成する。一方で、後段符号化部24Bは、前段符号化部23から出力される第2シンボル系列を第3規則の時空間符号化によって符号化することによって第2シンボル系列Bを生成する。
【0037】
第1実施形態において、後段符号化部14A及び後段符号化部14Bは、第1シンボルP
0及び第2シンボルP
1によって構成されるブロック毎に、第1シンボルP
0及び第2シンボルP
1を符号化する。
【0038】
第2規則の時空間符号化及び第3規則の時空間符号化で用いる変換行列は、変換行列J及び変換行列Kの中から選択された変換行列、或いは、変換行列L及び変換行列Mの中から選択された変換行列である。変換行列J〜変換行列Mは、上述した通りである。
【0039】
変換行列J〜変換行列Mにおいて、行は、各送信装置から送信されるシンボルを示している。また、時空間符号化がSTBC(Space Time Block Coding)であれば、変換行列J〜変換行列Mにおいて、列は、各送信時刻で送信されるシンボルを示している。一方で、時空間符号化がSFBC(Space Frequency Block Coding)であれば、変換行列J〜変換行列Mにおいて、列は、各周波数(OFDM伝送では、OFDMフレームを構成するキャリアの番号)で送信されるシンボルを示している。
【0040】
OFDMフレーム構成部15は、OFDMフレーム構成部15A及びOFDMフレーム構成部15Bを含む。OFDMフレーム構成部15Aは、後段符号化部14Aから出力されるシンボル系列に基づいて、所定数のサブキャリア(周波数軸)及び所定数のシンボル数(時間軸)によって定義されるOFDMフレーム(伝送フレーム)を生成する。一方で、OFDMフレーム構成部15Bは、後段符号化部14Bから出力されるシンボル系列に基づいて、所定数のサブキャリア(周波数軸)及び所定数のシンボル数(時間軸)によって定義されるOFDMフレーム(伝送フレーム)を生成する。
【0041】
OFDMフレーム(伝送フレーム)は、データ信号に対応するデータシンボル、制御信号に対応する制御シンボル、パイロットシンボル等によって構成される。制御信号は、例えば、TMCC(Transmission and Multiplexing Configuration Control)信号、AC(Auxiliary Channel)信号等である。例えば、TMCC信号は、複数の階層のそれぞれの伝送パラメータ(変調方式、セグメント数、符号化率等)を示す信号、OFDMフレーム(伝送フレーム)の同期をとるための同期信号を含む。
【0042】
IFFT部16は、IFFT部16A及びIFFT部16Bを含む。IFFT部16Aは、OFDMフレーム構成部15Aから出力されるOFDMフレームに逆フーリエ変換を施す。一方で、IFFT部16Bは、OFDMフレーム構成部15Bから出力されるOFDMフレームに逆フーリエ変換を施す。
【0043】
GI付加部17は、GI付加部17A及びGI付加部17Bを含む。GI付加部17Aは、IFFT部16Aから出力された信号にGI(Gurard Interval)を付加する。一方で、GI付加部17Bは、IFFT部16Bから出力された信号にGI(Gurard Interval)を付加する。
【0044】
送信アンテナ18は、送信アンテナ18A及び送信アンテナ18Bを含む。送信アンテナ18Aは、GI付加部17Aから出力された信号(第1シンボル系列Aに対応する送信信号)を送信する。一方で、送信アンテナ18Bは、GI付加部17Bから出力された信号(第2シンボル系列Aに対応する送信信号)を送信する。送信アンテナ18Aは、例えば、水平偏波の信号を送信し、送信アンテナ18Bは、例えば、垂直偏波の信号を送信する。
【0045】
(受信装置)
図2に示すように、受信装置30は、受信アンテナ31と、GI除去部32と、FFT部33と、伝送路応答推定部34と、送信信号検出部35と、キャリア復調部36と、誤り訂正符号復号部37とを有する。
【0046】
受信アンテナ31は、受信アンテナ31A及び受信アンテナ31Bを含む。受信アンテナ31Aは、水平偏波の信号を受信する。例えば、送信アンテナ18A及び送信アンテナ28Aが水平偏波の信号を送信する場合には、受信アンテナ31Aは、送信アンテナ18A及び送信アンテナ28Aから送信される信号(すなわち、第1シンボル系列Aに対応する送信信号及び第1シンボル系列Bに対応する送信信号)を受信する。一方で、受信アンテナ31Bは、垂直偏波の信号を受信する。例えば、送信アンテナ18B及び送信アンテナ28Bが垂直偏波の信号を送信する場合には、受信アンテナ31Bは、送信アンテナ18B及び送信アンテナ28Bから送信される信号(すなわち、第2シンボル系列Aに対応する送信信号及び第2シンボル系列Bに対応する送信信号)を受信する。受信アンテナ31A及び受信アンテナ31Bは、ともに同一の偏波の信号を受信してもよい。
【0047】
GI除去部32は、GI除去部32A及びGI除去部32Bを含む。GI除去部32Aは、受信アンテナ31Aで受信された信号からGI(Gurard Interval)を除去する。一方で、GI除去部32Bは、受信アンテナ31Bで受信された信号からGI(Gurard Interval)を除去する。
【0048】
FFT部33は、FFT部33A及びFFT部33Bを含む。FFT部33Aは、GI除去部32Aから出力される信号にフーリエ変換を施す。一方で、FFT部33Bは、GI除去部32Bから出力される信号にフーリエ変換を施す。
【0049】
伝送路応答推定部34は、FFT部33Aから出力される信号に含まれる既知のパイロットキャリアを抽出して、抽出されたパイロットキャリアに応じて、パイロットキャリアの伝送路応答を推定する。同様に、伝送路応答推定部34は、FFT部33Bから出力される信号に含まれる既知のパイロットキャリアを抽出して、抽出されたパイロットキャリアに応じて、パイロットキャリアの伝送路応答を推定する。
【0050】
送信信号検出部35は、伝送路応答推定部34によって推定された伝送路応答に応じて、FFT部33から出力される信号に含まれるシンボルを推定する。
【0051】
キャリア復調部36は、送信信号検出部35から出力されたシンボルのキャリア復調処理を行う。例えば、キャリア復調部36は、送信信号検出部35から出力されたシンボルの位置から伝送ビット列、または伝送ビット列に対応するLLR(対数尤度比)を算出する。
【0052】
誤り訂正符号復号部37は、キャリア復調部36から出力された伝送ビット列、または伝送ビット列に対応するLLRから所定長の誤り訂正ブロックを抽出して、誤り訂正ブロックの誤り訂正を行う。
【0053】
(時空間符号化)
以下において、第1実施形態に係る時空間符号化について説明する。
図3〜
図5は、第1実施形態に係る時空間符号化の一例を説明する図である。
【0054】
図3及び
図4に示すデジタル放送システムでは、3つの符号化器(STC#0、STC#1、STC#2)が設けられており、3つの符号化器は、第1シンボルP
0及び第2シンボルP
1によって構成されるブロック毎に、第1シンボルP
0及び第2シンボルP
1を符号化する。
【0055】
ここで、STC#0は、送信装置10に設けられる前段符号化部13、或いは、送信装置20に設けられる前段符号化部23である。STC#1は、送信装置10に設けられる後段符号化部14A及び送信装置20に設けられる後段符号化部24Aによって構成される符号化器である。STC#2は、送信装置10に設けられる後段符号化部14B及び送信装置20に設けられる後段符号化部24Bによって構成される符号化器である。
【0056】
ここで、STC#0は、第1規則の時空間符号化によってシンボル系列を符号化することによって、第1シンボル系列及び第2シンボル系列を生成する。STC#1は、第1シンボル系列を第2規則の時空間符号化によって符号化することによって、第1シンボル系列A及び第1シンボル系列Bを生成する。STC#2は、第2シンボル系列を第3規則の時空間符号化によって符号化することによって、第2シンボル系列A及び第2シンボル系列Bを生成する。
【0057】
ここで、上述した後段符号化部14Aは、第1シンボル系列を時空間符号によって符号化することによって得られる第1シンボル系列Aを出力し、後段符号化部14Bは、第2シンボル系列を時空間符号によって符号化することによって得られる第2シンボル系列Aを出力する。一方で、上述した後段符号化部24Aは、第1シンボル系列を時空間符号によって符号化することによって得られる第1シンボル系列Bを出力し、後段符号化部24Bは、第2シンボル系列を時空間符号によって符号化することによって得られる第2シンボル系列Bを出力する。
【0058】
ここで、第1規則の時空間符号化、第2規則の時空間符号化、及び、第3規則の時空間符号化で用いる変換行列は、変換行列J及び変換行列Kの中から選択された変換行列、或いは、変換行列L及び変換行列Mの中から選択された変換行列である。変換行列J〜変換行列Mは、上述した通りである。
【0059】
図3に示すように、時空間符号化としてSTBCを用いる場合には、STC#0は、例えば、シンボル系列(S
0,0,S
0,1)を変換行列Mによって符号化して、時間軸方向に並ぶ第1シンボル系列(S
0,0,S
0,1)及び第2シンボル系列(S
0,1*,−S
0,0*)を生成する。STC#1は、第1シンボル系列(S
0,0,S
0,1)を変換行列Mによって符号化して、時間軸方向に並ぶ第1シンボル系列A(S
0,0,S
0,1)及び第1シンボル系列B(S
0,1*,−S
0,0*)を生成する。STC#2は、第2シンボル系列(S
0,1*,−S
0,0*)を変換行列Mによって符号化することによって、時間軸方向に並ぶ第2シンボル系列A(S
0,1*,−S
0,0*)及び第2シンボル系列B(−S
0,0,−S
0,1)を生成する。
【0060】
図4に示すように、時空間符号化としてSFBCを用いる場合には、STC#0は、例えば、シンボル系列(S
0,0,S
0,1)を変換行列Mによって符号化して、周波数軸方向に並ぶ第1シンボル系列(S
0,0,S
0,1)及び第2シンボル系列(S
0,1*,−S
0,0*)を生成する。STC#1は、第1シンボル系列(S
0,0,S
0,1)を変換行列Mによって符号化して、周波数軸方向に並ぶ第1シンボル系列A(S
0,0,S
0,1)及び第1シンボル系列B(S
0,1*,−S
0,0*)を生成する。STC#2は、第2シンボル系列(S
0,1*,−S
0,0*)を変換行列Mによって符号化することによって、周波数軸方向に並ぶ第2シンボル系列A(S
0,1*,−S
0,0*)及び第2シンボル系列B(−S
0,0,−S
0,1)を生成する。
【0061】
図3及び
図4において、第1シンボル系列A(S
0,0,S
0,1)及び第2シンボル系列A(S
0,1*,−S
0,0*)は、送信装置10から送信される。第1シンボル系列B(S
0,1*,−S
0,0*)及び第2シンボル系列B(−S
0,0,−S
0,1)は、送信装置20から送信される。
【0062】
第1実施形態において、第1シンボル系列Aに対応する送信信号及び第2シンボル系列Aに対応する送信信号のうち、一方の送信信号は、第1偏波(例えば、水平偏波)によって送信され、他方の送信信号は、第2偏波(例えば、垂直偏波)によって送信されることが好ましい。一方で、第1シンボル系列Bに対応する送信信号及び第2シンボル系列Bに対応する送信信号のうち、一方の送信信号は、第1偏波(水平偏波)によって送信され、他方の送信信号は、第2偏波(例えば、垂直偏波)によって送信されることが好ましい。
【0063】
第1実施形態において、各符号化器で用いる変換行列の組合せは、
図5に示す組合せが考えられる。このようなケースにおいては、第1規則の時空間符号化(STC#0)、第2規則の時空間符号化(STC#1)、及び、第3規則の時空間符号化で用いる変換行列(STC#2)は、変換行列L及び変換行列M(すなわち、Modified Alamoutiの変換行列)の中から選択された変換行列であることが好ましい。
【0064】
(作用及び効果)
第1実施形態では、時空間符号が2段階で行われるため、受信装置30における受信特性の劣化を抑制することができる。詳細には、第1規則の時空間符号化によって得られる第1シンボル系列及び第2シンボル系列は、送信装置10に設けられる後段符号化部14及び送信装置20に設けられる後段符号化部24の連携によって、4系統のシンボル系列に符号化される。これによって、受信装置30における受信特性が向上する。
【0065】
[変更例1]
以下において、第1実施形態の変更例1について説明する。第1実施形態では、受信装置30が2つの受信アンテナ31を有するケースについて説明した。しかしながら、実施形態は、これに限定されるものではなく、受信装置30は、1つの受信アンテナ31を有していてもよい。
【0066】
例えば、受信シンボルがyである場合において、時刻t及び時刻t+1の受信信号は、以下のように表現することができる。
【0068】
但し、h
11、h
12、h
13、h
14は、4つの送信アンテナと1つの受信アンテナとの間における伝送路応答である。また、STC#0で変換行列Mが用いられ、STC#1で変換行列Lが用いられ、STC#2で変換行列Mが用いられるケースを例示する。
【0069】
上述した式を変形すると、以下の式が得られる。
【0071】
上述した式の変数の置き換えを行うと、以下の式が得られる。
【0073】
ここで、(1)式の両辺にA*を乗算し、(2)式の両辺の複素共役をとってBを乗算すると、以下の式が得られる。
【0075】
(3)式から(4)式を引くことによって、シンボルS
0及びS
1を検出することができる。
【0077】
このように、受信装置30が有する受信アンテナ31が1つであっても、シンボルS
0及びS
1を検出することができる。
【0078】
[その他の実施形態]
本発明は上述した実施形態によって説明したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、この発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0079】
実施形態では特に明示していないが、上述した実施形態は、MIMO(Multiple Input Multiple Output)技術が用いられるシステムだけではなくて、MISO(Multiple Input Single Output)技術が用いられるシステムに適用されてもよい。
【0080】
実施形態では特に触れていないが、送信装置10、送信装置20及び受信装置30が行う各処理をコンピュータに実行させるプログラムが提供されてもよい。また、プログラムは、コンピュータ読取り可能媒体に記録されていてもよい。コンピュータ読取り可能媒体を用いれば、コンピュータにプログラムをインストールすることが可能である。ここで、プログラムが記録されたコンピュータ読取り可能媒体は、非一過性の記録媒体であってもよい。非一過性の記録媒体は、特に限定されるものではないが、例えば、CD−ROMやDVD−ROM等の記録媒体であってもよい。
【0081】
或いは、送信装置10、送信装置20及び受信装置30が行う各処理を実行するためのプログラムを記憶するメモリ及びメモリに記憶されたプログラムを実行するプロセッサによって構成されるチップが提供されてもよい。