特許第6261908号(P6261908)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許62619081−アシル−2−(置換フェニル)ナフタレン及びその製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6261908
(24)【登録日】2017年12月22日
(45)【発行日】2018年1月17日
(54)【発明の名称】1−アシル−2−(置換フェニル)ナフタレン及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   C07C 45/68 20060101AFI20180104BHJP
   C07C 49/813 20060101ALI20180104BHJP
   C07C 49/84 20060101ALI20180104BHJP
   C07C 31/20 20060101ALN20180104BHJP
   C07B 61/00 20060101ALN20180104BHJP
   C07F 5/02 20060101ALN20180104BHJP
【FI】
   C07C45/68CSP
   C07C49/813
   C07C49/84 C
   !C07C31/20 Z
   !C07B61/00 300
   !C07F5/02 A
【請求項の数】16
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2013-171628(P2013-171628)
(22)【出願日】2013年8月21日
(65)【公開番号】特開2015-40184(P2015-40184A)
(43)【公開日】2015年3月2日
【審査請求日】2016年7月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003300
【氏名又は名称】東ソー株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000173762
【氏名又は名称】公益財団法人相模中央化学研究所
(72)【発明者】
【氏名】山川 哲
(72)【発明者】
【氏名】山本 哲也
【審査官】 新留 素子
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2008/111515(WO,A1)
【文献】 特開2008−201769(JP,A)
【文献】 特開2011−012047(JP,A)
【文献】 Organic Letters,2003年,Vol.5, No.22,pp.4121-4123, Supporting Information
【文献】 Chem. Eur. J,2006年,Vol.12,pp.5790-5805
【文献】 J. Am. Chem. Soc.,2003年,Vol.125, No.7,pp.1698-1699
【文献】 J. Am. Chem. Soc.,2005年,Vol.127, No.16,pp.5936-5945
【文献】 Tetrahedron Letters,2011年,Vol.52,pp.5888-5890
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07C
C07B
C07F
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルカリ金属塩の存在下、三級ホスフィン配位ルテニウム触媒を用いて、一般式(1)
【化1】
(式中、Rは炭素数1〜4のアルキル基を示す。Rは同一または相異なって、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を示す。Xは水素原子を示す。)
で表される1−アシルナフタレンと、一般式(2a)
【化2】
(式中、Rは同一または相異なって、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基または炭素数1〜4のアルコキシ基を示す。但し、Rのうち少なくとも一つは、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基または炭素数1〜4のアルコキシ基を示す。R、RおよびRは同一または相異なって水素原子またはメチル基を示す。nは0または1を示す。)
で表される置換フェニルボロン酸エステル、または、ジオールの共存下に一般式(2b)
【化3】
(式中、Rは前記と同じ意味を示す。)
で表される置換フェニルボロン酸を、反応させることを特徴とする一般式(3)
【化4】
(式中、R、RおよびRは前記と同じ内容を示す。)
で表される1−アシル−2−(置換フェニル)ナフタレンの製造方法であって、1−アシルナフタレン(1)の使用量が置換フェニルボロン酸エステル(2a)または置換フェニルボロン酸(2b)に対して、3.3から10倍モルであることを特徴とする製造方法
【請求項2】
アルカリ金属塩が、カリウム塩、セシウム塩またはルビジウム塩である請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
アルカリ金属塩が、フッ化セシウム、リン酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸ルビジウム、水酸化カリウムまたはカリウムtert−ブトキシドである請求項1または2に記載の製造方法。
【請求項4】
アルカリ金属塩の使用量が置換フェニルボロン酸エステル(2a)または置換フェニルボロン酸(2b)に対して、0.01から0.5倍モルである請求項1から3のいずれかに記載の製造方法。
【請求項5】
三級ホスフィン配位ルテニウム触媒が、トリフェニルホスフィン配位ルテニウム触媒である請求項1からのいずれかに記載の製造方法。
【請求項6】
トリフェニルホスフィン配位ルテニウム触媒が、カルボニルジヒドリドトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、カルボニルクロロヒドリドトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、ジクロロトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、ジヒドリドテトラキス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、またはクロロヒドリドトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウムトルエン付加体である請求項に記載の製造方法。
【請求項7】
トリフェニルホスフィン配位ルテニウム触媒が、ビス(2−メチルアリル)(1,5−シクロオクタジエン)ルテニウムとトリフェニルホスフィンからなる触媒である請求項に記載の製造方法。
【請求項8】
がメチル基である請求項1からのいずれかに記載の製造方法。
【請求項9】
が水素原子である請求項1からのいずれかに記載の製造方法。
【請求項10】
の少なくとも一つが臭素原子、ヨウ素原子、またはメトキシ基である請求項1からのいずれかに記載の製造方法。
【請求項11】
置換フェニルボロン酸エステル(2a)が、一般式(2aa)
【化5】
(式中、R3aは臭素原子、ヨウ素原子、またはメトキシ基を示す。)
である請求項1から10のいずれかに記載の製造方法。
【請求項12】
nが1であり、RおよびRが水素原子であり、Rがメチル基である請求項1から11のいずれかに記載の製造方法。
【請求項13】
置換フェニルボロン酸(2b)が、一般式(2bb)
【化6】
(式中、R3bは臭素原子、ヨウ素原子、またはメトキシ基を示す。)
である請求項1から10のいずれかに記載の製造方法。
【請求項14】
ジオールが、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオールである請求項1から11および13のいずれかに記載の製造方法。
【請求項15】
一般式(3c)
【化7】
(式中、Rメチル基を示す。R3cは臭素原子、ヨウ素原子、またはメトキシ基を示す。)
で表される1−アシル−2−(置換フェニル)ナフタレン。
【請求項16】
3cが臭素原子である請求項15に記載の1−アシル−2−(置換フェニル)ナフタレン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、1−アシル−2−(置換フェニル)ナフタレン及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
1−アシル−2−(置換フェニル)ナフタレンは、医薬品や農薬などの生理活性物質、液晶や有機EL素子等の電子材料の製造中間体として工業的に有用である。特に置換フェニル基が、置換基導入の際に脱離基となりうるハロゲン原子をパラ位に有するフェニル基である該化合物は、有用性が極めて高い(例えば、特許文献1)。1−アシル−2−(置換フェニル)ナフタレンの製造方法としては、ルテニウム触媒の存在下に、1−アシルナフタレンを原料として製造する方法が知られている(例えば、非特許文献1または2)。当該非特許文献には、トルエンまたはピナコロン溶媒中、メチル(1−ナフチル)ケトンと5,5−ジメチル−2−フェニル−1,3,2−ジオキサボリナンをジヒドリドカルボニルトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム(II)の存在下に反応させ、1−(2−フェニルナフタレン−1−イル)エタノンを製造する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−201769
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】Journal of the American Chemical Society,125巻,1698−1699ページ,2003年.
【非特許文献2】Journal of the American Chemical Society,127巻,5936−5945ページ,2005年.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
1−アシル−2−(置換フェニル)ナフタレン化合物としては、前記の置換フェニル基のパラ位の位置に塩素原子を有する化合物のみが知られている。塩素原子より反応性が高い臭素原子やヨウ素原子を有する1−アシル−2−(置換フェニル)ナフタレン化合物は、これまでに報告がない。非特許文献1に記載の反応において、5,5−ジメチル−2−フェニル−1,3,2ジオキサボリナンを2−(4−ブロモフェニル)−5,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサボリナンに替えたところ、1−[2−(4−ブロモフェニル)ナフタレン−1−イル]エタノンの収率は23%に留まった(比較例4)。さらに、非特許文献2に記載の反応において、5,5−ジメチル−2−フェニル−1,3,2−ジオキサボリナンを2−(4−ブロモフェニル)−5,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサボリナンに替えたところ、目的物の収率は8%に留まった(比較例5)。
【0006】
本発明は、下記一般式(1)で表される1−アシルナフタレン(以下、「1−アシルナフタレン(1)」と称す。その他、一般式で表される化合物も同様に取り扱う。)と、下記一般式(2a)で表される置換フェニルボロン酸エステルまたは下記一般式(2b)で表される置換フェニルボロン酸から、収率良く下記一般式(3)で表される1−アシル−2−(置換フェニル)ナフタレンを製造する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題を鑑み鋭意検討を重ねた結果、アルカリ金属塩の存在下、三級ホスフィン配位ルテニウム触媒を用いて、一般式(1)
【0008】
【化1】
【0009】
(式中、Rは炭素数1〜4のアルキル基を示す。Rは同一または相異なって、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を示す。Xは水素原子を示す。)
で表される1−アシルナフタレンと、一般式(2a)
【0010】
【化2】
【0011】
(式中、Rは同一または相異なって、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基または炭素数1〜4のアルコキシ基を示す。但し、Rのうち少なくとも一つは、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基または炭素数1〜4のアルコキシ基を示す。R、RおよびRは同一または相異なって水素原子またはメチル基を示す。nは0または1を示す。)
で表される置換フェニルボロン酸エステル、または、ジオールの共存下に一般式(2b)
【0012】
【化3】
【0013】
(式中、Rは前記と同じ意味を示す。)
で表される置換フェニルボロン酸を、反応させることを特徴とする一般式(3)
【0014】
【化4】
【0015】

(式中、R、RおよびRは前記と同じ内容を示す。)
で表される1−アシル−2−(置換フェニル)ナフタレンを高収率に製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち本発明は、一般式(3)製造方法に関するものである。さらに本発明は、一般式(3c)
【0016】
【化5】
【0017】
(式中、Rは前記と同じ内容を示す。R3cは臭素原子またはヨウ素原子を示す。)
で表される1−アシル−2−(置換フェニル)ナフタレンに関するものである。
【発明の効果】
【0018】
本発明は、医薬品や農薬などの生理活性物質、液晶や有機EL素子等の電子材料の製造中間体として工業的に有用な1−アシル−2−(置換フェニル)ナフタレン(3)の製造方法として有効である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下に本発明を詳細に説明する。
【0020】
はじめに、本発明の1−アシルナフタレン(1)のRおよびR、置換フェニルボロン酸エステル(2a)および置換フェニルボロン酸(2b)のRについて説明する。
【0021】
で示される炭素数1〜4のアルキル基は直鎖状または分岐状いずれでもよく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等を挙げることができる。収率が良い点で、Rはメチル基が好ましい。
【0022】
で示される炭素数1〜4のアルキル基は直鎖状または分岐状いずれでもよく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等を挙げることができる。
【0023】
で示されるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、またはヨウ素原子を挙げることができる。置換基導入の際の脱離基としての反応性が高い点で、臭素原子、またはヨウ素原子が好ましい。
【0024】
で示される炭素数1〜4のアルキル基は直鎖状または分岐状いずれでもよく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等を挙げることができる。
【0025】
で示される炭素数1〜4のアルコキシ基は直鎖状または分岐状いずれでもよく、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロピルオキシ基、ブトキシ基、イソブチルオキシ基、sec−ブチルオキシ基、tert−ブチルオキシ基等を挙げることができる。
【0026】
一般式(2a)で表される置換フェニルボロン酸エステルは、用途の点で、一般式(2aa)
【0027】
【化6】
【0028】
(式中、R3aは臭素原子を示す。)
で表される置換フェニルボロン酸エステルであることが好ましい。
【0029】
一般式(2b)で表される置換フェニルボロン酸は、用途の点で、一般式(2bb)
【0030】
【化7】
【0031】
(式中、R3bは臭素原子を示す。)
で表される置換フェニルボロン酸であることが好ましい。
【0032】
置換フェニルボロン酸エステル(2a)および(2aa)のR、R、Rおよびnは、収率が良い点で、RおよびRが水素原子、Rがメチル基、nが1が好ましい。
【0033】
次に本発明の製造方法について説明する。
【0034】
本発明の製造方法で用いることのできる三級ホスフィン配位ルテニウム触媒は、ルテニウムに三級ホスフィンが配位した化合物を示す。前記三級ホスフィンとしては、特に限定するものではないが、例えば、トリフェニルホスフィン、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリプロピルホスフィン、トリイソプロピルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリイソブチルホスフィン、トリ−tert−ブチルホスフィン、トリネオペンチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリオクチルホスフィン、トリアリルホスフィン、トリアミルホスフィン、シクロヘキシルジフェニルホスフィン、メチルジフェニルホスフィン、エチルジフェニルホスフィン、プロピルジフェニルホスフィン、イソプロピルジフェニルホスフィン、ブチルジフェニルホスフィン、イソブチルジフェニルホスフィン、tert−ブチルジフェニルホスフィン、9,9−ジメチル−4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)キサンテン、2−(ジフェニルホスフィノ)−2’−(N,N−ジメチルアミノ)ビフェニル、(R)−(+)−2−(ジフェニルホスフィノ)−2’−メトキシ−1,1’−ビナフチル、1,1’−ビス(ジイソプロピルホスフィノ)フェロセン、ビス[2−(ジフェニルホスフィノ)フェニル]エーテル、(±)−2−(ジ−tert−ブチルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル、2−(ジ−tert−ブチルホスフィノ)ビフェニル、2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)ビフェニル、2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)−2’−メチルビフェニル、ビス(ジフェニルホスフィノ)メタン、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、1,2−ビス(ジペンタフルオロフェニルホスフィノ)エタン、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン、1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ペンタン、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン、トリ(2−フリル)ホスフィン、トリ(1−ナフチル)ホスフィン、トリス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ホスフィン、トリス(3,5−ジメチルフェニル)ホスフィン、トリス(3−フルオロフェニル)ホスフィン、トリス(4−フルオロフェニル)ホスフィン、トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン、トリス(3−メトキシフェニル)ホスフィン、トリス(4−メトキシフェニル)ホスフィン、トリス(2,4,6−トリメトキシフェニル)ホスフィン、トリス(ペンタフルオロフェニル)ホスフィン、トリス[4−(ペルフルオロへキシル)フェニル]ホスフィン、トリス(2−チエニル)ホスフィン、トリス(m−トリル)ホスフィン、トリス(o−トリル)ホスフィン、トリス(p−トリル)ホスフィン、トリス(4−トリフルオロメチルフェニル)ホスフィン、トリ(2,5−キシリル)ホスフィン、トリ(3,5−キシリル)ホスフィン、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)ベンゼン、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビフェニル、ビス(2−メトキシフェニル)フェニルホスフィン、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)ベンゼン、トリス(ジエチルアミノ)ホスフィン、ビス(ジフェニルホスフィノ)アセチレン、ビス(p−スルホナトフェニル)フェニルホスフィン二カリウム塩、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’−(N,N−ジメチルアミノ)ビフェニル、トリス(トリメチルシリル)ホスフィン、テトラフルオロホウ酸ジシクロヘキシル(5’’−ヒドロキシ−[1,1’:4’,4’’−ターフェニレン]−2−イル)ホスホニウム、ジフェニル(5’’−ヒドロキシ−[1,1’:4’,4’’−ターフェニレン]−2−イル)ホスフィン等が挙げられる。本願発明における三級ホスフィン配位ルテニウム触媒としては、収率が良い点で、トリフェニルホスフィン配位ルテニウム触媒が好ましい。トリフェニルホスフィン配位ルテニウム触媒としては、特に限定するものではないが、具体的には、カルボニルジヒドリドトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、カルボニルクロロヒドリドトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、ジクロロトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、ジクロロテトラキス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、アセトキシクロロトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、ジカルボニルジクロロビス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、クロロ(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ビス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、クロロ(インデニル)ビス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、クロロシクロペンタジエニルビス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、ジヒドリドテトラキス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、クロロヒドリドトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウムトルエン付加体等を例示することができる。中でも、カルボニルジヒドリドトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、カルボニルクロロヒドリドトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、ジクロロトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、ジヒドリドテトラキス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、クロロヒドリドトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウムトルエン付加体がより好ましい。
【0035】
また、本発明の製造方法で用いることのできる三級ホスフィン配位ルテニウム触媒は、ルテニウム化合物と三級ホスフィンを混合することで任意に調整することができる。当該三級ホスフィンについては、前述の例示の通りである。当該ルテニウム化合物としては、特に限定するものではないが、例えば、塩化ルテニウム、臭化ルテニウム、ヨウ化ルテニウム、酢酸ルテニウム、硝酸ルテニウム、トリス(アセチルアセトナト)ルテニウム、ビス(シクロペンタジエニル)ルテニウム、ビス(シクロペンタジエニルルテニウムジカルボニル)ダイマー、ビス(エチルシクロペンタジエニル)ルテニウム、ジ−μ−クロロ−ビス[(ベンゼン)クロロルテニウム]、ジ−μ−クロロ−ビス[クロロ(p−シメン)ルテニウム]、ジ−μ−クロロ−ビス[クロロ(メシチレン)ルテニウム]、ジ−μ−クロロ−ビス[クロロ(ヘキサメチルベンゼン)ルテニウム] 、ジクロロ(1,5−シクロオクタジエン)ルテニウム、ビス(2−メチルアリル)(1,5−シクロオクタジエン)ルテニウム、トリルテニウムドデカカルボニル等のルテニウム化合物等が挙げられる。収率が良い点で、ルテニウム化合物としては、ビス(2−メチルアリル)(1,5−シクロオクタジエン)ルテニウムが好ましい。
【0036】
ルテニウム化合物と三級ホスフィンを混合して用いる場合、三級ホスフィンの使用量はルテニウム化合物に対して、0.5〜10モル当量が収率が良い点で好ましく、さらに好ましくは2〜5モル当量が良い。
【0037】
本発明は、三級ホスフィン配位ルテニウム触媒の使用量は、いわゆる触媒量であることが好ましい。収率が良い点で、三級ホスフィン配位ルテニウム触媒の使用量は置換フェニルボロン酸エステル(2a)または置換フェニルボロン酸(2b)に対して、0.00005〜0.5倍モルが好ましく、0.0005〜0.1倍モルがさらに好ましい。
【0038】
本発明の製造方法では、目的物を収率よく得るために、1−アシルナフタレン(1)の使用量は置換フェニルボロン酸エステル(2a)または置換フェニルボロン酸(2b)に対して、3.3モル当量以上であることが好ましい。また、使用量の上限に特に制限はないが、経済性の点で、20モル当量以下が好ましく、10モル当量以下がさらに好ましい。
【0039】
本発明の製造方法は、アルカリ金属塩(好ましくは、塩基性のアルカリ金属塩)の存在下で行うことが必須である。用いることのできるアルカリ金属塩としては、特に限定するものではないが、具体的には、ナトリウムtert−ブトキシド、水酸化ナトリウム等のナトリウム塩、フッ化カリウム、リン酸カリウム、炭酸カリウム、カリウムメトキシド、カリウムエトキシド、カリウムtert−ブトキシド、水酸化カリウム等のカリウム塩、フッ化セシウム、炭酸セシウム等のセシウム塩、フッ化ルビジウム、リン酸ルビジウム、炭酸ルビジウム等のルビジウム塩が例示できる。これらのうち、収率が良い点で、カリウム塩、セシウム塩、またはルビジウム塩がより好ましく、フッ化セシウム、リン酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸ルビジウム、水酸化カリウム、またはカリウムtert−ブトキシドがさらに好ましい。
【0040】
アルカリ金属塩の使用量は特に制限はないが、収率が良い点で、置換フェニルボロン酸エステル(2a)または置換フェニルボロン酸(2b)に対して、0.002〜1モル当量が好ましく、0.01〜0.5モル当量がより好ましい。
【0041】
置換フェニルボロン酸(2b)を用いる場合、ジオールの存在下で行うことが必須である。用いることのできるジオールとして、特に限定するものではないが、具体的には、エチレングリコール、1,2−プロパンジール、2−メチル−1,2−プロパンジオール、2,3−ブタンジオール、2−メチル−2,3−ブタンジオール、ピナコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2,4−ペンタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−ブタンジオール、3−メチル−2,4−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2,2,3−トリメチル−1,3−ブタンジオール、2,3−ジメチル−2,4−ペンタンジオール、2,4−ジメチル−2,4−ペンタンジオール、3,3−ジメチル−2,4−ペンタンジオール、2,3,3−トリメチル−2,4−ペンタンジオール、2,3,4−トリメチル−2,4−ペンタンジオール、2,3,3,4−テトラメチル−2,4−ペンタンジオール等が挙げられる。これらのうち、収率が良い点で、ピナコール、または2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオールがより好ましく、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオールがさらに好ましい。
【0042】
ジオールの使用量に特に制限はないが、収率が良い点で、置換フェニルボロン酸(2b)に対して、0.1〜10倍モルが好ましく、0.6〜1.5倍モルがより好ましい。
【0043】
本発明の製造方法は反応に害を及ぼす恐れのない有機溶媒を加えて実施してもよい。用いることのできる有機溶媒としては、特に限定するものではないが、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、1,4−ジオキサン、メチル−tert−ブチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン等のエーテル系溶媒、ペンタン、キシレン、ヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒等を例示することができ、上記の溶媒のうち2種類以上を混合してもよい。これらのうち、収率が良い点で、炭化水素系溶媒がより好ましく、トルエンがさらに好ましい。
【0044】
本発明の製造方法は、0〜300℃の温度から適宜選ばれた温度で実施することができる。収率が良い点で、70〜200℃の温度から適宜選ばれた温度が好ましい。
【0045】
反応は、アルゴン、窒素等の不活性ガス雰囲気下で行うことが望ましいが、空気中でもおこなうことができる。
【0046】
反応後の溶液から高純度の1−アシル−2−(置換フェニル)ナフタレン(3)を単離する方法に特に限定はないが、溶媒抽出、カラムクロマトグラフィー、分取薄層クロマトグラフィー、分取液体クロマトグラフィー、蒸留、再結晶または昇華等の汎用的な方法で目的物を得ることができる。
【実施例】
【0047】
次に本発明を実施例によって詳細に説明するが、本発明はこれらに限定して解釈されるものではない。
【0048】
実施例−1
【0049】
【化8】
【0050】
アルゴン雰囲気下、反応容器にカルボニルジヒドリドトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム 9.2mg(10μmol)、2−(4−ブロモフェニル)−5,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサボリナン 269mg(1.00mmol)、フッ化セシウム 15.2mg(100μmol)及び1−アセトナフトン 1.12g(6.58mmol)を加えた。反応容器を150℃に加熱し、1時間攪拌した。反応容器を室温まで冷却した後、混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=10:0〜9:1)を用いて精製することにより、1−[2−(4−ブロモフェニル)ナフタレン−1−イル]エタノン 268mgを得た(白色固体、収率82%)。
【0051】
H−NMR(CDCl,400MHz)δ(ppm):7.82−7.94(m,3H),7.59(ddd,J=2.0Hz,2.0Hz,9.0Hz,2H),7.53−7.56(m,2H),7.45(d,J=8.4Hz,1H),7.33(ddd,J=2.0Hz,2.0Hz,9.0Hz,2H),2.13(s,3H).
実施例−2
アルゴン雰囲気下、反応容器にカルボニルクロロヒドリドトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム 3.8mg(4.0μmol)、2−(4−ブロモフェニル)−5,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサボリナン 538mg(2.00mmol)、炭酸セシウム 65.2mg(200μmol)及び1−アセトナフトン 1.34g(7.90mmol)を加えた。反応容器を150℃に加熱し、2時間攪拌した。反応容器を室温まで冷却した後、混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=10:0〜9:1)を用いて精製することにより、1−[2−(4−ブロモフェニル)ナフタレン−1−イル]エタノン 533mgを得た(白色固体、収率82%)。
【0052】
実施例−3
1−アセトナフトン使用量を1.12g(6.58mmol)とした以外は全て実施例−2と同じ操作を行うことにより、1−[2−(4−ブロモフェニル)ナフタレン−1−イル]エタノン 496mgを得た(白色固体、収率76%)。
【0053】
実施例−4
1−アセトナフトン使用量を896mg(5.26mmol)とした以外は全て実施例−2と同じ操作を行うことにより、1−[2−(4−ブロモフェニル)ナフタレン−1−イル]エタノン 435mgを得た(白色固体、収率67%)。加えた。
【0054】
実施例−5
アルゴン雰囲気下、反応容器にカルボニルクロロヒドリドトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム 1.9mg(2.0μmol)、2−(4−ブロモフェニル)−5,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサボリナン 269mg(1.00mmol)、炭酸セシウム 32.6mg(100μmol)及び1−アセトナフトン 224mg(1.32mmol)を加えた。反応容器を150℃に加熱し、2時間攪拌した。反応容器を室温まで冷却した後、混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=10:0〜9:1)を用いて精製することにより、1−[2−(4−ブロモフェニル)ナフタレン−1−イル]エタノン 127mgを得た(白色固体、収率39%)。
【0055】
比較例−1
フッ化セシウムを加えず、反応時間を6時間とし、カルボニルジヒドリドトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム 18.4mg(20.0μmol)を用いた以外は全て実施例−1と同じ操作を行うことにより、1−[2−(4−ブロモフェニル)ナフタレン−1−イル]エタノン 97.2mgを得た(白色固体、収率30%)。
【0056】
比較例−2
アルゴン雰囲気下、反応容器にカルボニルジヒドリドトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム 46.0mg(50μmol)、2−(4−ブロモフェニル)−5,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサボリナン 269mg(1.00mmol)、1−アセトナフトン 340mg(2.58mmol)及びトルエン 1mLを加えた。反応容器を150℃に加熱し、2時間攪拌した。反応容器を室温まで冷却した後、混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=10:0〜9:1)を用いて精製することにより、1−[2−(4−ブロモフェニル)ナフタレン−1−イル]エタノン 73.2mgを得た(白色固体、収率23%)。
【0057】
比較例−3
アルゴン雰囲気下、反応容器にカルボニルジヒドリドトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム 18.4mg(20μmol)、2−(4−ブロモフェニル)−5,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサボリナン 296mg(1.10mmol)、1−アセトナフトン 170mg(1.00mmol)及びピナコロン 1mLを加えた。反応容器を150℃に加熱し、2時間攪拌した。反応容器を室温まで冷却した後、混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=10:0〜9:1)を用いて精製することにより、1−[2−(4−ブロモフェニル)ナフタレン−1−イル]エタノン 25.0mgを得た(白色固体、収率8%)。
【0058】
比較例−4
フッ化カリウム 58.0mg(1.00mmol)、を加えた以外は全て比較例−3と同じ操作を行うことにより、1−[2−(4−ブロモフェニル)ナフタレン−1−イル]エタノン 28.0mgを得た(白色固体、収率9%)。
【0059】
比較例−5
フッ化セシウム 152mg(1.00mmol)、を加えた以外は全て比較例−3と同じ操作を行うことにより、1−[2−(4−ブロモフェニル)ナフタレン−1−イル]エタノン 84.0mgを得た(白色固体、収率26%)。
【0060】
実施例−6
アルゴン雰囲気下、反応容器にカルボニルジヒドリドトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム 9.2mg(10μmol)、2−(4−ブロモフェニル)−5,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサボリナン 269mg(1.00mmol)、炭酸セシウム 32.6mg(100μmol)及び1−アセトナフトン 1.12g(6.58mmol)を加えた。反応容器を100℃に加熱し、12時間攪拌した。反応容器を室温まで冷却した後、混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=10:0〜9:1)を用いて精製することにより、1−[2−(4−ブロモフェニル)ナフタレン−1−イル]エタノン 270mgを得た(白色固体、収率83%)。
【0061】
実施例−7
反応温度を120℃とし、カルボニルジヒドリドトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム 4.6mg(5.0μmol)を用いた以外は全て実施例−6と同じ操作を行うことにより、1−[2−(4−ブロモフェニル)ナフタレン−1−イル]エタノン 278mgを得た(白色固体、収率85%)。
【0062】
比較例−6
炭酸セシウムを加えなかったこと以外は全て実施例−6と同じ操作を行うことにより、1−[2−(4−ブロモフェニル)ナフタレン−1−イル]エタノン 70.0mgを得た(白色固体、収率22%)。
【0063】
実施例−8
反応温度を150℃とし、カルボニルジヒドリドトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウムに替えてジヒドリドテトラキス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム 11.5mg(10.0μmol)を用いた以外は全て実施例−6と同じ操作を行うことにより、1−[2−(4−ブロモフェニル)ナフタレン−1−イル]エタノン 252mgを得た(白色固体、収率77%)。
【0064】
実施例−9
反応温度を150℃とし、カルボニルジヒドリドトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウムに替えてビス(2−メチルアリル)(1,5−シクロオクタジエン)ルテニウム 3.2mg(10μmol)およびトリフェニルホスフィン 7.9mg(30μmol)を用いた以外は全て実施例−6と同じ操作を行うことにより、1−[2−(4−ブロモフェニル)ナフタレン−1−イル]エタノン 267mgを得た(白色固体、収率82%)。
【0065】
実施例−10
反応温度を120℃とし、カルボニルジヒドリドトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウムに替えてジクロロトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム 9.6mg(10μmol)、炭酸セシウム 65.2mg(200μmol)を用いた以外は全て実施例−6と同じ操作を行うことにより、1−[2−(4−ブロモフェニル)ナフタレン−1−イル]エタノン 255mgを得た(白色固体、収率78%)。
【0066】
実施例−11
アルゴン雰囲気下、反応容器にカルボニルクロロヒドリドトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム 1.9mg(2.0μmol)、2−(4−ブロモフェニル)−5,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサボリナン 269mg(1.00mmol)、炭酸セシウム 32.6mg(100μmol)及び1−アセトナフトン 1.12g(6.58mmol)を加えた。反応容器を150℃に加熱し、2時間攪拌した。反応容器を室温まで冷却した後、混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=10:0〜9:1)を用いて精製することにより、1−[2−(4−ブロモフェニル)ナフタレン−1−イル]エタノン 259mgを得た(白色固体、収率80%)。
【0067】
実施例−12
炭酸セシウムに替えて炭酸ルビジウム 46.2mg(200μmol)を用いた以外は全て実施例−11と同じ操作を行うことにより、1−[2−(4−ブロモフェニル)ナフタレン−1−イル]エタノン 283mgを得た(白色固体、収率87%)。
【0068】
実施例−13
炭酸セシウムに替えてカリウムtert−ブトキシド 11.2mg(100μmol)を用いた以外は全て実施例−11と同じ操作を行うことにより、1−[2−(4−ブロモフェニル)ナフタレン−1−イル]エタノン 272mgを得た(白色固体、収率84%)。
【0069】
実施例−14
炭酸セシウムに替えてリン酸カリウム 42.4mg(200μmol)を用いた以外は全て実施例−11と同じ操作を行うことにより、1−[2−(4−ブロモフェニル)ナフタレン−1−イル]エタノン 255mgを得た(白色固体、収率78%)。
【0070】
実施例−15
炭酸セシウムに替えて水酸化カリウム 5.6mg(100μmol)を用いた以外は全て実施例−11と同じ操作を行うことにより、1−[2−(4−ブロモフェニル)ナフタレン−1−イル]エタノン 245mgを得た(白色固体、収率75%)。
【0071】
実施例−16
【0072】
【化9】
【0073】
アルゴン雰囲気下、反応容器にカルボニルクロロヒドリドトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム 4.8mg(5.0μmol)、2−(4−ブロモフェニル)−5,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサボリナン 269mg(1.00mmol)、炭酸セシウム 32.6mg(100μmol)及び4−メチル−1−アセトナフトン 954mg(6.58mmol)を加えた。反応容器を135℃に加熱し、12時間攪拌した。反応容器を室温まで冷却した後、混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=10:0〜9:1)を用いて精製することにより、1−[2−(4−ブロモフェニル)−4−メチルナフタレン−1−イル]エタノン 244mgを得た(白色固体、収率72%)。
【0074】
H−NMR(CDCl,400MHz)δ(ppm):8.06−7.84(m,2H),7.58−7.55(m,4H),7.34−7.32(m,2H),7.30(d,J=0.8Hz,1H),2.74(d,J=0.8Hz,3H),2.13(s,3H).
実施例−17
【0075】
【化10】
【0076】
アルゴン雰囲気下、反応容器にカルボニルジヒドリドトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム 4.6mg(5.0μmol)、2−(3−ブロモフェニル)−5,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサボリナン 269mg(1.00mmol)、炭酸セシウム 32.6mg(100μmol)及び1−アセトナフトン 1.12g(6.58mmol)を加えた。反応容器を120℃に加熱し、12時間攪拌した。反応容器を室温まで冷却した後、混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=10:0〜9:1)を用いて精製することにより、1−[2−(3−ブロモフェニル)ナフタレン−1−イル]エタノン 247mgを得た(白色固体、収率76%)。
【0077】
H−NMR(CDCl,400MHz)δ(ppm):7.93(d,J=8.4Hz,1H),7.91−7.83(m,2H),7.64(dd,J=1.8Hz,1.8Hz,1H),7.58−7.52(m,3H),7.46(d,J=8.5Hz,1H),7.38(ddd,J=1.4Hz,1.4Hz,7.8Hz,1H),7.30(dd,J=7.8Hz,7.8Hz,1H),2.14(s,3H).
実施例−18
【0078】
【化11】
【0079】
アルゴン雰囲気下、反応容器にカルボニルクロロヒドリドトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム 4.8mg(5.0μmol)、2−(3−ブロモ−5−フルオロフェニル)−5,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサボリナン 287mg(1.00mmol)、炭酸セシウム 32.6mg(100μmol)及び1−アセトナフトン 1.12g(6.58mmol)を加えた。反応容器を150℃に加熱し、3時間攪拌した。反応容器を室温まで冷却した後、混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=10:0〜9:1)を用いて精製することにより、1−[2−(3−ブロモ−5−フルオロフェニル)ナフタレン−1−イル]エタノン 257mgを得た(白色固体、収率75%)。
【0080】
H−NMR(CDCl,400MHz)δ(ppm):7.94(d,J=8.5Hz,1H),7.92−7.81(m,2H),7.59−7.54(m,2H),7.44−7.42(m,2H),7.31(ddd,J=1.9Hz,1.9Hz,8.0Hz,1H),7.13(ddd,J=1.7Hz,1.7Hz,8.8Hz,1H),2.13(s,3H).19F−NMR(CDCl,376MHz)δ−109.7(s,1F).
実施例−19
【0081】
【化12】
【0082】
アルゴン雰囲気下、反応容器にカルボニルクロロヒドリドトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム 4.8mg(5.0μmol)、2−(3−ブロモ−5−メチルフェニル)−5,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサボリナン 283mg(1.00mmol)、炭酸セシウム 16.3mg(50.0μmol)及び1−アセトナフトン 1.12g(6.58mmol)を加えた。反応容器を150℃に加熱し、3時間攪拌した。反応容器を室温まで冷却した後、混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=10:0〜9:1)を用いて精製することにより、1−[2−(3−ブロモ−5−フルオロフェニル)ナフタレン−1−イル]エタノン 272mgを得た(白色固体、収率80%)。
【0083】
H−NMR(CDCl,400MHz)δ(ppm):7.93−7.83(m,3H),7.58−7.52(m,2H),7.46−7.43(m,2H),7.39(s,1H),7.18(d,J=0.6Hz,1H),2.38(s,3H),2.15(s,3H).
実施例−20
【0084】
【化13】
【0085】
ディーン・スターク装置を設置した反応容器にカルボニルクロロヒドリドトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム 19.0mg(0.02mmol)、4−ブロモフェニルボロン酸 2.01g(10.0mmol)、炭酸セシウム 328mg(1.01mmol)及び2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール 1.08g(10.4mmol)を加え、アルゴン置換した後、1−アセトナフトン 6.81g(40.0mmol)とトルエン 15mLを加えた。反応容器を150℃に加熱し、3時間攪拌した。反応容器を室温まで冷却した後、混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=10:0〜9:1)を用いて精製することにより、1−[2−(4−ブロモフェニル)ナフタレン−1−イル]エタノン 2.01gを得た(白色固体、収率78%)。
【0086】
実施例−21
【0087】
【化14】
【0088】
アルゴン雰囲気下、反応容器にカルボニルクロロヒドリドトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム 4.8mg(5.0μmol)、2−(4−ヨ−ドフルオロフェニル)−5,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサボリナン 316mg(1.00mmol)、炭酸セシウム 97.8mg(300μmol)及び1−アセトナフトン 1.12g(6.58mmol)を加えた。反応容器を135℃に加熱し、12時間攪拌した。反応容器を室温まで冷却した後、混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=10:0〜9:1)を用いて精製することにより、1−[2−(4−ヨードフェニル)ナフタレン−1−イル]エタノン 260mgを得た(白色固体、収率70%)。
【0089】
H−NMR(CDCl,400MHz)δ(ppm):7.93(d,J=8.5Hz,1H),7.91−7.81(m,2H),7.79(ddd,J=2.1Hz,2.1Hz,8.8Hz,2H),7.56−7.53(m,2H),7.45(d,J=8.5Hz,1H),7.20(ddd,J=2.1Hz,2.1Hz,8.8Hz,2H),2.13(s,3H).
比較例−8
炭酸セシウムを加えず、カルボニルクロロヒドリドトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウムに代えてカルボニルジヒドリドトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム 46mg(50μmol)を用い、反応温度を135℃に代えて150℃とした以外は全て実施例−21と同じ操作を行うことにより、1−[2−(4−ヨードフェニル)ナフタレン−1−イル]エタノン 48mgを得た(白色固体、収率13%)。
【0090】
実施例−22
【0091】
【化15】
【0092】
アルゴン雰囲気下、反応容器にカルボニルジヒドリドトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム 1.8mg(2.0μmol)、2−(4−メトキシフェニル)−5,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサボリナン 220mg(1.00mmol)、炭酸セシウム 32.6mg(100μmol)及び1−アセトナフトン 1.34g(7.87mmol)を加えた。反応容器を150℃に加熱し、3時間攪拌した。反応容器を室温まで冷却した後、混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=20:0〜19:1)を用いて精製することにより、1−[2−(4−メトキシフェニル)ナフタレン−1−イル]エタノン 226mgを得た(白色固体、収率82%)。
【0093】
H−NMR(CDCl,400MHz)δ(ppm):7.92(d,J=8.4Hz,1H),7.91−7.84(m,2H),7.56−7.37(m,5H),7.01−6.97(m,2H),3.87(s,3H),2.10(s,3H).
比較例−9
炭酸セシウムを加えなかった以外は全て実施例−22と同じ操作を行うことにより、1−[2−(4−メトキシフェニル)ナフタレン−1−イル]エタノンの生成をガスクロマトグラフィーにより確認した(GC収率3%)。