特許第6261931号(P6261931)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6261931
(24)【登録日】2017年12月22日
(45)【発行日】2018年1月17日
(54)【発明の名称】有害節足動物防除組成物
(51)【国際特許分類】
   A01N 25/06 20060101AFI20180104BHJP
   A01N 51/00 20060101ALI20180104BHJP
   A01P 7/04 20060101ALI20180104BHJP
【FI】
   A01N25/06
   A01N51/00
   A01P7/04
【請求項の数】6
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-208393(P2013-208393)
(22)【出願日】2013年10月3日
(65)【公開番号】特開2014-159397(P2014-159397A)
(43)【公開日】2014年9月4日
【審査請求日】2016年9月21日
(31)【優先権主張番号】特願2013-10414(P2013-10414)
(32)【優先日】2013年1月23日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002093
【氏名又は名称】住友化学株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】591107034
【氏名又は名称】日本液炭株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】390000527
【氏名又は名称】住化エンバイロメンタルサイエンス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100100480
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 隆
(72)【発明者】
【氏名】岡本 央
(72)【発明者】
【氏名】芳村 健治
(72)【発明者】
【氏名】田中 崇
(72)【発明者】
【氏名】水谷 理人
(72)【発明者】
【氏名】川口 忍
【審査官】 水島 英一郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−201710(JP,A)
【文献】 特開平07−309704(JP,A)
【文献】 特開平08−188506(JP,A)
【文献】 特開2006−028147(JP,A)
【文献】 特開2012−087056(JP,A)
【文献】 特開2008−201731(JP,A)
【文献】 特開2004−075607(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/017971(WO,A1)
【文献】 特開2002−128613(JP,A)
【文献】 特開2002−193718(JP,A)
【文献】 特開2003−342102(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01N,A01P
CAplus(STN)
REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
クロチアニジン0.01〜0.5重量%、炭素数1〜3のモノアルコール及びアセトンからなる群より選ばれる有機溶剤10〜50重量%、液化炭酸ガス49.5〜89.99重量%を含有する有害節足動物防除組成物であって、クロチアニジンに対する該有機溶剤の重量が100倍以上である有害節足動物防除組成物。
【請求項2】
有機溶剤がエタノールまたはアセトンである請求項1記載の有害節足動物防除組成物。
【請求項3】
クロチアニジンの含有量が0.01〜0.2重量%である請求項1又は2記載の有害節足動物防除組成物。
【請求項4】
請求項1乃至のいずれか記載の有害節足動物防除組成物を耐圧容器に充填してなる有害節足動物防除剤。
【請求項5】
有害節足動物の生息場所に請求項1乃至のいずれか記載の有害節足動物防除組成物を耐圧容器より噴霧する有害節足動物の防除方法。
【請求項6】
有害節足動物の生息場所が屋内空間である請求項記載の防除方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は有害節足動物防除組成物および有害節足動物の防除方法に関する。
【背景技術】
【0002】
クロチアニジン等のネオニコチノイド系殺虫性化合物が有害節足動物に対して優れた防除効力を有することが知られている(例えば、特許文献1乃至3参照)。しかしながら、屋内に生息する有害節足動物の一部はソファーや家具等の調度品等の隙間、カーペット等の敷物の裏、マットレスや布団等の寝具の隙間等に潜んでおり、常温で固体のこれらのネオニコチノイド系殺虫性化合物は屋内用の有害節足動物防除剤の施用方法では十分な効力を発揮できない場合もあり、そのような有害節足動物の防除に適した防除組成物の開発が望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平3−157308号公報
【特許文献2】特開2008−201710号公報
【特許文献3】特開2008−201731号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、クロチアニジン、ニテンピラム、イミダクロプリド、アセタミプリド、チアメトキサム、チアクロプリド等のネオニコチノイド系殺虫性化合物を有効成分とする優れた効力を有する有害節足動物防除組成物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、鋭意検討した結果、クロチアニジン、イミダクロプリド、チアメトキサム、チアクロプリド、ニテンピラム、アセタミプリド等のネオニコチノイド系殺虫性化合物を有効成分とする組成物において、ネオニコチノイド系殺虫性化合物、炭素数1〜3のモノアルコール及びアセトンからなる群より選ばれる有機溶剤、並びに、液化炭酸ガスが特定の成分比で含有されてなる組成物が有害節足動物防除組成物として有用であることを見出し、本発明を完成に至った。
【0006】
即ち、本発明は以下の通りである。
[発明1] ネオニコチノイド系殺虫性化合物0.01〜0.5重量%、炭素数1〜3のモノアルコール及びアセトンからなる群より選ばれる有機溶剤10〜50重量%、液化炭酸ガス49.5〜89.99重量%を含有する有害節足動物防除組成物であって、ネオニコチノイド系殺虫性化合物に対する該有機溶剤の重量が100倍以上である有害節足動物防除組成物。
[発明2] ネオニコチノイド系殺虫化合物がクロチアニジンである[発明1]記載の有害節足動物防除組成物。
[発明3] 有機溶剤がエタノールまたはアセトンである[発明1]又は[発明2]記載の有害節足動物防除組成物。
[発明4] ネオニコチノイド系殺虫性化合物の含有量が0.01〜0.2重量%である[発明1]乃至[発明3]のいずれか記載の有害節足動物防除組成物。
[発明5] [発明1]乃至[発明4]のいずれか記載の有害節足動物防除組成物を耐圧容器に充填してなる有害節足動物防除剤。
[発明6] 有害節足動物の生息場所に[発明1]乃至[発明4]のいずれか記載の有害節足動物防除組成物を耐圧容器より噴霧する有害節足動物の防除方法。
[発明7] 有害節足動物の生息場所が屋内空間である[発明6]記載の防除方法。
【発明の効果】
【0007】
本発明により、有害節足動物を防除することができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の有害節足動物防除組成物は、ネオニコチノイド系殺虫性化合物0.01〜0.5重量%、炭素数1〜3のモノアルコール及びアセトンからなる群より選ばれる有機溶剤(以下、本有機溶剤と記す。)10〜50重量%、液化炭酸ガス49.5〜89.99重量%を含有し、ネオニコチノイド系殺虫性化合物に対する本有機溶剤の重量が100倍以上である有害節足動物防除組成物(以下、本発明組成物と記す。)である。液化炭酸ガスは大気圧下では容易に気化する為、本発明組成物は耐圧容器に充填されている。
【0009】
本発明におけるネオニコチノイド系殺虫性化合物としては、クロチアニジン、イミダクロプリド、チアメトキサム、チアクロプリドニテンピラム及びアセタミプリドが挙げられ、好ましくはクロチアニジン、イミダクロプリド、チアメトキサム及びチアクロプリドが挙げられる。
本発明において、ネオニコチノイド系殺虫性化合物は上記で挙げられた化合物の単独であっても、2種以上の混合物であってもよい。
本発明における本有機溶剤における炭素数1〜3のモノアルコールとは、メタノール、エタノール、プロパノール及びイソプロパノールからなる群より選ばれるモノアルコールである。
本有機溶剤は、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール及びアセトンからなる群より選ばれる1種であっても、2種以上の混合物であってもよい。
【0010】
本発明組成物を充填しておく容器は通常鉄、アルミニウム、ステンレス等の材質でできた1〜50リットルの耐圧容器が用いられる。該耐圧容器は通常、耐圧容器本体の開口部分に圧力バルブが設けられ、必要に応じて圧力バルブには本発明組成物を散布する際に使用するノズル等を取り付けてもよい。
通常、容量が10リットル程度の耐圧容器には、本発明組成物を5〜7kg程度充填する。
室温における耐圧容器内の圧力は通常5MPa〜40MPa程度である。
【0011】
上記に記載したクロチアニジン(Clothianidin)、ニテンピラム(Nitenpyram)、イミダクロプリド(Imidacloprid)、アセタミプリド(Acetamiprid)、チアメトキサム(Thiamethoxam)、チアクロプリド(Thiacloprid)はいずれも公知の殺虫性化合物であり、例えば「The Pesticide Manual-15th edition(BCPC刊);ISBN 978−1−901396−18−8」の229頁、817頁、645頁、9頁、1112頁、1111頁に記載されている。これらの化合物は市販の製剤より抽出したり、公知の方法により製造することもできる。
【0012】
本発明組成物に含有され得るエタノール、メタノール、プロパノール、イソプロパノール及びアセトンは工業用、薬品用、化粧品用等のいずれの規格の製品も用いることができる。本有機溶剤の量が、ネオニコチノイド系殺虫性化合物の重量に対して100倍未満であると、本発明組成物を施用した際に調度品の隙間や敷物の裏等に生息している有害生物に対してネオニコチノイド系殺虫性化合物の効力を十分に発揮できない場合がある。本有機溶媒の量がネオニコチノイド系殺虫性化合物の重量に対して100倍以上あればよいが、本発明組成物を屋内で施用した場合に、壁や床が本有機溶媒により濡れてしまう場合もあるので、実用的には本発明組成物における本有機溶剤の量は10〜50重量%である。
【0013】
本発明組成物に含有される液化炭酸ガスも工業用、食品用等のいずれの規格の製品も用いることができる。
本発明組成物を調製する場合は、通常ネオニコチノイド系殺虫性化合物および本有機溶剤を耐圧容器内に注入した後に、加圧条件下にて液化炭酸ガスを耐圧容器内に注入して本発明組成物を調製する。
【0014】
本発明組成物を用いて有害節足動物を防除する場合は、有害節足動物に直接本発明組成物を噴霧してもよいが、有害節足動物が生息する場所に十分に到達するように噴霧量等を調整する。
有害節足動物の生息場所が屋内である場合は、ソファーや家具等の調度品等の隙間、カーペット等の敷物の裏、マットレスや布団等の寝具の隙間にも有効成分のクロチアニジンが到達するように噴霧するが、多量の本発明組成物を噴霧する場合には気化した炭酸ガスにより酸素欠乏にならないように十分に注意して作業を行う必要がある。
【0015】
本発明組成物が効力を有する有害節足動物としては、例えば以下のものが挙げられる。
鱗翅目害虫:ノシメマダラメイガ(Plodia interpunctella)等のメイガ類、イガ(Tinea translucens)、コイガ(Tineola bisselliella)等のヒロズコガ類等
双翅目害虫:アカイエカ(Culex pipiens pallens)、コガタアカイエカ(Culex tritaeniorhynchus)、ネッタイイエカ(Culex quinquefasciatus)等のイエカ類、ネッタイシマカ(Aedes aegypti)、ヒトスジシマカ(Aedes albopictus)等のエーデス属、シナハマダラカ(Anopheles sinensis)等のアノフェレス属、ユスリカ類、イエバエ(Musca domestica)、オオイエバエ(Muscina stabulans)等のイエバエ類、クロバエ類、ニクバエ類、ヒメイエバエ類、タネバエ(Delia platura)、タマネギバエ(Delia antiqua)等のハナバエ類、ショウジョウバエ類、オオキモンノミバエ(Megaselia spiracularis)等のノミバエ類、オオチョウバエ(Clogmia albipunctata)等のチョウバエ類、クロバネキノコバエ類、ブユ類、ヌカカ類等。
網翅目害虫:チャバネゴキブリ(Blattella germanica)、クロゴキブリ(Periplaneta fuliginosa)、ワモンゴキブリ(Periplaneta americana)、トビイロゴキブリ(Periplaneta brunnea)、トウヨウゴキブリ(Blatta orientalis)等。
膜翅目害虫:イエヒメアリ(Monomorium pharaosis)、クロヤマアリ(Formica fusca japonica)、ルリアリ(Ochetellus glaber)、アミメアリ(Pristomyrmex pungens)、オオズアリ(Pheidole noda)、ハキリアリ(Acromyrmex spp.)、ファイヤーアント(Solenopsis spp.)、アルゼンチンアリ(Linepithema humile)等のアリ類、スズメバチ類、アリガタバチ類等。
隠翅目害虫:ネコノミ(Ctenocephalides felis),イヌノミ(Ctenocephalides canis),ヒトノミ(Pulex irritans),ケオプスネズミノミ(Xenopsylla cheopis)等。
シラミ目害虫:コロモジラミ(Pediculus humanus corporis),アタマジラミ(Pediculus humanus humanus)、ケジラミ (Phthirus pubis),ウシジラミ(Haematopinus eurysternus),ヒツジジラミ(Dalmalinia ovis),ブタジラミ(Haematopinus suis)、イヌジラミ(Linognathus setosus)等。
等翅目害虫:ヤマトシロアリ(Reticulitermes speratus),イエシロアリ(Coptotermes formosanus)等
半翅目害虫:ヒメトビウンカ(Laodelphax striatellus)、トビイロウンカ(Nilaparvata lugens)、セジロウンカ(Sogatella furcifera)等のウンカ類、ツマグロヨコバイ(Nephotettix cincticeps)、タイワンツマグロヨコバイ(Nephotettix virescens)等のヨコバイ類、トコジラミ(Cimex lectularius)、タイワントコジラミ(Cimex hemipterus)等のトコジラミ類、キジラミ類等
鞘翅目害虫:ヒメマルカツオブシムシ(Anthrenus verbasci)、ハラジロカツオブシムシ(Dermestes maculates)等のカツオブシムシ類、タバコシバンムシ(Lasioderma serricorne)等のシバンムシ類、ヒラタキクイムシ(Lyctus brunneus)、マツノキクイムシ(Tomicus piniperda)等のキクイムシ類、ナガシンクイムシ類、ヒョウホンムシ類等
ダニ類:ケナガコナダニ(Tyrophagus putrescentiae)等のコナダニ類、コナヒョウヒダニ(Dermatophagoides farinae)、ヤケヒョウヒダニ(Dermatophagoides ptrenyssnus)等のヒョウヒダニ類、ホソツメダニ(Cheyletus eruditus)、クワガタツメダニ(Cheyletus malaccensis)、ミナミツメダニ(Cheyletus moorei)、イヌツメダニ(Cheyletiella yasguri)等のツメダニ類、アオツツガムシ(Leptotrombidium akamushi)等のツツガムシ類、フタトゲチマダニ(Haemaphysalis longicornis)、等のマダニ類
本発明組成物は、トコジラミ、タイワントコジラミ等の屋内の隙間に生息する難防除有害節足動物に対しても優れた効力を有している。
【0016】
本発明組成物は、ネオニコチノイド系殺虫性化合物以外の殺虫性化合物を含有していてもよい。かかる殺虫性化合物としては例えば以下のものが挙げられる。
アレスリン、テトラメトリン、プラレトリン、フェノトリン、レスメトリン、シフェノトリン、ペルメトリン、シペルメトリン、アルファシペルメトリン、ゼータシペルメトリン、デルタメトリン、トラロメトリン、シフルトリン、ベータシフルトリン、シハロトリン、ラムダシハロトリン、フラメトリン、イミプロトリン、エトフェンプロクス、フェンバレレート、エスフェンバレレート、フェンプロパトリン、シラフルオフェン、ビフェントリン、トランスフルスリン、フルシトリネート、タウフルバリネート、アクリナトリン、テフルトリン、シクロプロトリン、エンペンスリン等のピレスロイド化合物;
ジクロルボス、フェニトロチオン、シアノホス、プロフェノホス、スルプロホス、フェントエート、イソキサチオン、テトラクロロビンホス、フェンチオン、クロルピリホス、ダイアジノン、アセフェート、テルブホス、フォレート、クロルエトキシホス、ホスチアゼート、エトプロホス、カズサホス、メチダチオン等の有機燐化合物。
【実施例】
【0017】
次に本発明を製剤例、試験例等の実施例により具体的に示す。
まず本発明組成物および本発明組成物が充填されてなる有害節足動物防除剤の製剤例を記す。
製剤例1
クロチアニジン0.1重量部とエタノール20重量部を予め耐圧容器内に入れ、該耐圧容器に圧力バルブを取り付けた後に、ノズル側より液化炭酸ガス79.9重量部を注入し、本発明組成物1を調製した。
製剤例2
クロチアニジン0.05重量部とアセトン20重量部を予め耐圧容器内に入れ、該耐圧容器に圧力バルブを取り付けた後に、ノズル側より液化炭酸ガス79.95重量部を注入し、本発明組成物2を調製する。
製剤例3
クロチアニジン0.2重量部とエタノール20重量部を予め耐圧容器内に入れ、該耐圧容器に圧力バルブを取り付けた後に、ノズル側より液化炭酸ガス79.8重量部を注入し、本発明組成物3を調製する。
製剤例4
イミダクロプリド0.05重量部とエタノール10重量部を予め耐圧容器内に入れ、該耐圧容器に圧力バルブを取り付けた後に、ノズル側より液化炭酸ガス89.95重量部を注入し、本発明組成物4を調製した。
製剤例5
チアメトキサム0.05重量部とエタノール10重量部を予め耐圧容器内に入れ、該耐圧容器に圧力バルブを取り付けた後に、ノズル側より液化炭酸ガス89.95重量部を注入し、本発明組成物5を調製した。
製剤例6
チアクロプリド0.05重量部とエタノール10重量部を予め耐圧容器内に入れ、該耐圧容器に圧力バルブを取り付けた後に、ノズル側より液化炭酸ガス89.95重量部を注入し、本発明組成物6を調製した。
製剤例7
ニテンピラム0.05重量部とエタノール10重量部を予め耐圧容器内に入れ、該耐圧容器に圧力バルブを取り付けた後に、ノズル側より液化炭酸ガス89.95重量部を注入し、本発明組成物7を調製した。
製剤例8
アセタミプリド0.05重量部とエタノール10重量部を予め耐圧容器内に入れ、該耐圧容器に圧力バルブを取り付けた後に、ノズル側より液化炭酸ガス89.95重量部を注入し、本発明組成物8を調製した。
製剤例9
クロチアニジン0.05重量部とメタノール10重量部を予め耐圧容器内に入れ、該耐圧容器に圧力バルブを取り付けた後に、ノズル側より液化炭酸ガス89.95重量部を注入し、本発明組成物9を調製する。
製剤例10
クロチアニジン0.05重量部とプロパノール10重量部を予め耐圧容器内に入れ、該耐圧容器に圧力バルブを取り付けた後に、ノズル側より液化炭酸ガス89.95重量部を注入し、本発明組成物10を調製する。
製剤例11
クロチアニジン0.05重量部とイソプロパノール10重量部を予め耐圧容器内に入れ、該耐圧容器に圧力バルブを取り付けた後に、ノズル側より液化炭酸ガス89.95重量部を注入し、本発明組成物11を調製する。
【0018】
製剤例12
クロチアニジン0.1重量部とエタノール15重量部を予め耐圧容器内に入れ、該耐圧容器に圧力バルブを取り付けた後に、ノズル側より液化炭酸ガス84.9重量部を注入し、本発明組成物12を調製した。
製剤例13
クロチアニジン0.1重量部とエタノール30重量部を予め耐圧容器内に入れ、該耐圧容器に圧力バルブを取り付けた後に、ノズル側より液化炭酸ガス69.9重量部を注入し、本発明組成物13を調製した。
製剤例14
クロチアニジン0.1重量部とエタノール40重量部を予め耐圧容器内に入れ、該耐圧容器に圧力バルブを取り付けた後に、ノズル側より液化炭酸ガス59.9重量部を注入し、本発明組成物14を調製した。
【0019】
本発明組成物との比較の為、以下の比較防除剤を調製した。
比較製剤例1
クロチアニジン0.2重量部および脂肪族飽和炭化水素溶剤(ネオチオゾール;中央化成株式会社製)49.8重量部をエアゾール缶に入れ、該エアゾール缶にエアゾールバルブを装着した後、ジメチルエーテル25重量部および液化天然ガス25重量部を充填し、振騰を加えた。更に全量噴射型エアゾール用アクチュエーターを装着し、比較組成物1を調製した。
比較製剤例2
クロチアニジン0.1重量部とエタノール5重量部を予め耐圧容器内に入れ、該耐圧容器に圧力バルブを取り付けた後に、ノズル側より液化炭酸ガス94.9重量部を注入し、比較組成物2を調製した。
【0020】
次に試験例にて本発明組成物が有害節足動物に対して優れた効力を有することを示す。
試験例1
1辺3cmの正方形のベニヤ板2枚の間に、太さ2mm、長さ3cmの棒を両端に2本挟んで隙間を作って固定し、その隙間内にトコジラミ成虫10頭を潜ませた。該工作物をプラスチックカップ(蓋なし)内に置き、密閉した部屋(4m×3m×2.3m(高さ)の床面に設置した。製剤例1で調製した本発明組成物を10g/m3(合計噴霧量=280g)を噴霧した。噴霧して18時間後にプラスチックカップを回収し、室温条件で放置して24時間後にトコジラミ成虫の死虫率を求めた。
また、比較対照として比較製剤例1で調製した比較組成物を5g/m3(140g。クロチアニジンとして0.28g)噴霧した。同様に死虫率を求めた。
結果を表1に記載した。
【0021】
【表1】
【0022】
試験例2
ラージチャンバー底面にトコジラミ成虫を入れたプラスチックカップを試験例1で使用した部屋の床面に配置し、製剤例1で調製した本発明組成物1を10g/m3(合計噴霧量=280g)噴霧した。噴霧してから16時間後にトコジラミを入れたカップを回収し、室温条件で保管して14日後に死虫率を求めた。同様に、製剤例12〜14で調製した本発明組成物12〜14を噴霧し、14日後に死虫率を求めた。
比較対照として、比較製剤例2を用いて同様に10g/m3(合計噴霧量=280g)噴霧し、14日後に死虫率を求めた。
【0023】
【表2】
【産業上の利用可能性】
【0024】
本発明組成物は、有害節足動物に対して優れた防除効力を有しており、難防除節足動物であるトコジラミを駆除することができる。