特許第6262732号(P6262732)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6262732N型カルシウムチャネル遮断剤としての置換ピラゾール
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6262732
(24)【登録日】2017年12月22日
(45)【発行日】2018年1月17日
(54)【発明の名称】N型カルシウムチャネル遮断剤としての置換ピラゾール
(51)【国際特許分類】
   C07D 231/20 20060101AFI20180104BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20180104BHJP
   A61P 1/04 20060101ALI20180104BHJP
   A61P 25/06 20060101ALI20180104BHJP
   A61P 19/02 20060101ALI20180104BHJP
   A61P 17/02 20060101ALI20180104BHJP
   A61P 17/18 20060101ALI20180104BHJP
   A61P 33/14 20060101ALI20180104BHJP
   A61P 13/10 20060101ALI20180104BHJP
   A61P 13/02 20060101ALI20180104BHJP
   A61P 11/02 20060101ALI20180104BHJP
   A61P 15/00 20060101ALI20180104BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20180104BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20180104BHJP
   A61P 37/06 20060101ALI20180104BHJP
   A61K 31/454 20060101ALI20180104BHJP
   A61K 31/416 20060101ALI20180104BHJP
   A61P 25/16 20060101ALI20180104BHJP
   A61P 1/02 20060101ALI20180104BHJP
   A61P 1/18 20060101ALI20180104BHJP
   C07D 401/12 20060101ALI20180104BHJP
   C07D 405/12 20060101ALI20180104BHJP
   C07D 409/12 20060101ALI20180104BHJP
   C07D 403/12 20060101ALI20180104BHJP
   C07D 403/14 20060101ALI20180104BHJP
【FI】
   C07D231/20 E
   A61P29/00
   A61P1/04
   A61P25/06
   A61P29/00 101
   A61P19/02
   A61P17/02
   A61P17/18
   A61P33/14
   A61P13/10
   A61P13/02 105
   A61P11/02
   A61P15/00
   A61P35/00
   A61P25/00
   A61P37/06
   A61K31/454
   A61K31/416
   A61P25/16
   A61P1/02
   A61P1/18
   C07D401/12CSP
   C07D231/20 Z
   C07D405/12
   C07D409/12
   C07D403/12
   C07D403/14
【請求項の数】20
【全頁数】83
(21)【出願番号】特願2015-527650(P2015-527650)
(86)(22)【出願日】2013年8月16日
(65)【公表番号】特表2015-524850(P2015-524850A)
(43)【公表日】2015年8月27日
(86)【国際出願番号】US2013055263
(87)【国際公開番号】WO2014028800
(87)【国際公開日】20140220
【審査請求日】2016年7月21日
(31)【優先権主張番号】61/683,774
(32)【優先日】2012年8月16日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】397060175
【氏名又は名称】ヤンセン ファーマシューティカ エヌ.ベー.
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100093676
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 純子
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100190779
【弁理士】
【氏名又は名称】神谷 昌男
(74)【代理人】
【識別番号】100104282
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 康仁
(72)【発明者】
【氏名】ウォール,マーク
(72)【発明者】
【氏名】スバシンゲ,ナリン
(72)【発明者】
【氏名】スイ,ジフア
(72)【発明者】
【氏名】フロアーズ,クリストファー
【審査官】 伊藤 幸司
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2010/0094006(US,A1)
【文献】 特表2003−530345(JP,A)
【文献】 国際公開第96/038442(WO,A1)
【文献】 国際公開第2004/060367(WO,A1)
【文献】 国際公開第2009/000085(WO,A1)
【文献】 Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters,2012年,22,pp.4080-4083
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
A61K
A61P
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、若しくは製薬上許容され得る塩
【化1】

(式中、
1は、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ、ジ(C1〜4アルキル)アミノ、クロロ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチル、及びシアノからなる群から選択され、
環Aは、フェニルであるか、又はピリジニル、チエニル、ベンゾフラニル、キノリニル、及びインドリルからなる群から選択されるヘテロアリールであり、
2は、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ、C1〜4アルキルチオ、シアノ、フルオロ、クロロ、ヒドロキシ、及びジ(C1〜4アルキル)アミノからなる群から選択され、
Gは、G1、G2、G3、又はG4であり、
【化2】

Qは、O、S、SO2、N−R4、CH2、CH(R5)、CF2、C(CH32、C(O)、及びスピロ縮合した
【化3】

からなる群から選択され、
Wは、O、S、CH(OH)、C(O)、S(O)、SO2、及びN−R4からなる群から選択され、
3、及びR4は、それぞれ独立して、2,2,2−トリフルオロエチル、ジ(C1〜4アルキル)アミノカルボニル、N−メトキシ−N−メチルアミノカルボニル、フェニルカルボニル、C1〜4アルキルカルボニル、トリフルオロメチルカルボニル、C1〜4アルコキシカルボニル、C1〜4アルキルスルホニル、C3〜7シクロアルキルスルホニル、トリフルオロメチルスルホニル、及び3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イルスルホニルからなる群から選択され、
5は、トリフルオロメチルカルボニルアミノ、アミノ、又はC1〜4アルコキシカルボニルアミノである)。
【請求項2】
1が、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ、クロロ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチル、及びシアノからなる群から選択される、請求項1に記載の化合物、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、若しくは製薬上許容され得る塩
【請求項3】
1が、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ、クロロ、及びトリフルオロメチルからなる群から選択される、請求項2に記載の化合物、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、若しくは製薬上許容され得る塩
【請求項4】
1が、メチル、エチル、メトキシ、及びイソプロピルオキシからなる群から選択される、請求項3に記載の化合物、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、若しくは製薬上許容され得る塩
【請求項5】
環Aがフェニルである、請求項1に記載の化合物、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、若しくは製薬上許容され得る塩
【請求項6】
環Aが4位で置換されたフェニルである、請求項5に記載の化合物、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、若しくは製薬上許容され得る塩
【請求項7】
2が、C1〜4アルコキシ、シアノ、及びクロロからなる群から選択される、請求項1に記載の化合物、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、若しくは製薬上許容され得る塩
【請求項8】
2が、メトキシ、シアノ、及びクロロからなる群から選択される、請求項7に記載の化合物、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、若しくは製薬上許容され得る塩
【請求項9】
GがG1、G2、G3、又はG4である、請求項1に記載の化合物
【化4】

(式中、
Qは、O、S、SO2、N−R4、CH2、CH(R5)、CF2、C(CH32、C(O)、及びスピロ縮合した
【化5】

からなる群から選択され、
Wは、O、S、CH(OH)、C(O)、S(O)、及びSO2からなる群から選択され、
3、及びR4は、それぞれ独立して、2,2,2−トリフルオロエチル、ジ(C1〜4アルキル)アミノカルボニル、N−メトキシ−N−メチルアミノカルボニル、フェニルカルボニル、C1〜4アルキルカルボニル、トリフルオロメチルカルボニル、C1〜4アルコキシカルボニル、C1〜4アルキルスルホニル、C3〜7シクロアルキルスルホニル、トリフルオロメチルスルホニル、及び3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イルスルホニルからなる群から選択され、そして、
5は、トリフルオロメチルカルボニルアミノ又はC1〜4アルコキシカルボニルアミノである)、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、若しくは製薬上許容され得る塩
【請求項10】
請求項1に記載される通りの式(I)の化合物であって、
【化6】

式中、
1は、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ、クロロ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチル、及びシアノからなる群から選択され、
環Aは、フェニルであるか、又はピリジニル、チエニル、ベンゾフラニル、キノリニル、及びインドリルからなる群から選択されるヘテロアリールであり、
2は、C1〜4アルコキシ、シアノ、及びクロロからなる群から選択され、
Gは、G1、G2、G3、又はG4であり、
【化7】

Qは、O、S、SO2、N−R4、CH2、CH(R5)、CF2、C(CH32、C(O)、及びスピロ縮合した
【化8】

からなる群から選択され、
Wは、O、S、CH(OH)、C(O)、S(O)、及びSO2からなる群から選択され、
3、及びR4は、それぞれ独立して、2,2,2−トリフルオロエチル、ジ(C1〜4アルキル)アミノカルボニル、N−メトキシ−N−メチルアミノカルボニル、フェニルカルボニル、C1〜4アルキルカルボニル、トリフルオロメチルカルボニル、C1〜4アルコキシカルボニル、C1〜4アルキルスルホニル、C3〜7シクロアルキルスルホニル、トリフルオロメチルスルホニル、及び3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イルスルホニルからなる群から選択され、
5は、トリフルオロメチルカルボニルアミノ又はC1〜4アルコキシカルボニルアミノである、化合物、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、若しくは製薬上許容され得る塩。
【請求項11】
請求項1に記載される通りの式(I)の化合物であって、
【化9】

式中、
1は、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ、クロロ、及びトリフルオロメチルからなる群から選択され、
環Aはフェニルであり、
2は、C1〜4アルコキシ、シアノ、及びクロロからなる群から選択され、
Gは、G1、G2、G3、又はG4であり、
【化10】

Qは、O、S、SO2、N−R4、CH2、CH(R5)、CF2、C(CH32、C(O)、及びスピロ縮合した
【化11】

からなる群から選択され、
Wは、O、S、CH(OH)、C(O)、S(O)、及びSO2からなる群から選択され、
3、及びR4は、それぞれ独立して、2,2,2−トリフルオロエチル、ジ(C1〜4アルキル)アミノカルボニル、N−メトキシ−N−メチルアミノカルボニル、フェニルカルボニル、C1〜4アルキルカルボニル、トリフルオロメチルカルボニル、C1〜4アルコキシカルボニル、C1〜4アルキルスルホニル、C3〜7シクロアルキルスルホニル、トリフルオロメチルスルホニル、及び3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イルスルホニルからなる群から選択され、
5は、トリフルオロメチルカルボニルアミノ又はC1〜4アルコキシカルボニルアミノである、
化合物、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、若しくはこれらの製薬上許容され得る塩。
【請求項12】
請求項1に記載される通りの式(I)の化合物
【化12】

式中、
1は、メチル、エチル、メトキシ、及びイソプロピルオキシからなる群から選択され、
環Aは4位でフェニル置換されており、
2は、メトキシ、シアノ、及びクロロからなる群から選択され、
Gは、G1、G2、G3、又はG4であり、
【化13】

Qは、O、S、SO2、N−R4、CH2、CH(R5)、CF2、C(CH32、C(O)、及びスピロ縮合した
【化14】

からなる群から選択され、
Wは、O、S、CH(OH)、C(O)、S(O)、及びSO2からなる群から選択され、
3、及びR4は、それぞれ独立して、2,2,2−トリフルオロエチル、ジ(C1〜4アルキル)アミノカルボニル、N−メトキシ−N−メチルアミノカルボニル、フェニルカルボニル、C1〜4アルキルカルボニル、トリフルオロメチルカルボニル、C1〜4アルコキシカルボニル、C1〜4アルキルスルホニル、C3〜7シクロアルキルスルホニル、トリフルオロメチルスルホニル、及び3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イルスルホニルからなる群から選択され、
5は、トリフルオロメチルカルボニルアミノ又はC1〜4アルコキシカルボニルアミノである、
化合物、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、若しくは製薬上許容され得る塩。
【請求項13】
請求項1に記載される通りの式(I)の化合物であって、
【化15】

tert−ブチル4−{[5−(4−クロロフェニル)−1−(2−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル]オキシ}ピペリジン−1−カルボキシラート;
4−{[5−(4−クロロフェニル)−1−(2−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル]オキシ}シクロヘキサノン;
1−アセチル−4−{[5−(4−クロロフェニル)−1−(2−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル]オキシ}ピペリジン;
4−{[5−(4−クロロフェニル)−1−(2−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル]オキシ}−N,N−ジメチルピペリジン−1−カルボキサミド;
4−{[5−(4−クロロフェニル)−1−(2−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル]オキシ}−1−(メチルスルホニル)ピペリジン;
5−(4−クロロフェニル)−1−(2−メトキシフェニル)−3−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルオキシ)−1H−ピラゾール;
5−(4−クロロフェニル)−1−(2−メトキシフェニル)−3−(テトラヒドロ−2H−チオピラン−4−イルオキシ)−1H−ピラゾール;
4−{[5−(4−クロロフェニル)−1−(2−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル]オキシ}−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)ピペリジン;
4−{[5−(4−クロロフェニル)−1−(2−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル]オキシ}−1−(トリフルオロアセチル)ピペリジン;
5−(4−クロロフェニル)−3−[(1,1−ジオキシドテトラヒドロ−2H−チオピラン−4−イル)オキシ]−1−(2−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール;
tert−ブチル(cis−4−{[5−(4−クロロフェニル)−1−(2−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル]オキシ}シクロヘキシル)カルバマート;
cis−4−{[5−(4−クロロフェニル)−1−(2−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル]オキシ}シクロヘキサンアミン;
N−(cis−4−{[5−(4−クロロフェニル)−1−(2−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル]オキシ}シクロヘキシル)−2,2,2−トリフルオロアセトアミド;
4−{[5−(4−クロロフェニル)−1−(2−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル]オキシ}−1−[(トリフルオロメチル)スルホニル]ピペリジン;
4−{[5−(4−クロロフェニル)−1−(2−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル]オキシ}−1−(シクロプロピルスルホニル)ピペリジン;
5−(4−クロロフェニル)−3−[(4,4−ジフルオロシクロヘキシル)オキシ]−1−(2−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール;
5−(4−クロロフェニル)−3−(1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカ−8−イルオキシ)−1−(2−エチルフェニル)−1H−ピラゾール;
tert−ブチル4−{[5−(4−クロロフェニル)−1−(2−エチルフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル]オキシ}ピペリジン−1−カルボキシラート;
4−{[5−(4−クロロフェニル)−1−(2−エチルフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル]オキシ}−1−(メチルスルホニル)ピペリジン;
4−({5−(4−クロロフェニル)−1−[2−(1−メチルエトキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−3−イル}オキシ)−1−(メチルスルホニル)ピペリジン;
4−{[5−(4−クロロフェニル)−1−(2−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル]オキシ}−1−[(1−メチルエチル)スルホニル]ピペリジン;
tert−ブチル3−{[5−(4−クロロフェニル)−1−(2−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル]オキシ}アゼチジン−1−カルボキシラート;
5−(4−クロロフェニル)−1−(2−メトキシフェニル)−3−[(2,2,6,6−テトラメチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)オキシ]−1H−ピラゾール;
4−{[1−(2−tert−ブトキシフェニル)−5−(4−クロロフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル]オキシ}−1−(メチルスルホニル)ピペリジン;
5−(4−クロロフェニル)−1−(2−メトキシフェニル)−3−({1−[(1−メチルエチル)スルホニル]アゼチジン−3−イル}オキシ)−1H−ピラゾール;
5−(4−クロロフェニル)−1−(2−メトキシフェニル)−3−{[1−(メチルスルホニル)アゼチジン−3−イル]オキシ}−1H−ピラゾール;
5−(4−クロロフェニル)−1−(2−メトキシフェニル)−3−{[1−(フェニルカルボニル)アゼチジン−3−イル]オキシ}−1H−ピラゾール;
4−({5−(4−クロロフェニル)−1−[2−(1−メチルエトキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−3−イル}オキシ)−1−[(1−メチルエチル)スルホニル]ピペリジン;
3−{[5−(4−クロロフェニル)−1−(2−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル]オキシ}−N−メトキシ−N−メチルアゼチジン−1−カルボキサミド;
4−[(3−{[5−(4−クロロフェニル)−1−(2−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル]オキシ}アゼチジン−1−イル)スルホニル]−3,5−ジメチルイソオキサゾール;
1−(2−メトキシフェニル)−5−(4−メトキシフェニル)−3−[(2,2,6,6−テトラメチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)オキシ]−1H−ピラゾール;
1−(2−メトキシフェニル)−5−(4−メトキシフェニル)−3−[(2,2,6,6−テトラメチルテトラヒドロ−2H−チオピラン−4−イル)オキシ]−1H−ピラゾール;
1−(2−メトキシフェニル)−5−(4−メトキシフェニル)−3−[(2,2,6,6−テトラメチル−1,1−ジオキシドテトラヒドロ−2H−チオピラン−4−イル)オキシ]−1H−ピラゾール;
1−(2−メトキシフェニル)−5−(4−メトキシフェニル)−3−[(2,2,6,6−テトラメチル−1−オキシドテトラヒドロ−2H−チオピラン−4−イル)オキシ]−1H−ピラゾール;
1−(2−メトキシフェニル)−5−(4−メトキシフェニル)−3−[(2,2,6,6−テトラメチル−1−オキシドテトラヒドロ−2H−チオピラン−4−イル)オキシ]−1H−ピラゾール;
5−(4−クロロフェニル)−1−(2−メトキシフェニル)−3−[(2,2,6,6−テトラメチルテトラヒドロ−2H−チオピラン−4−イル)オキシ]−1H−ピラゾール;
5−(4−クロロフェニル)−1−(2−メトキシフェニル)−3−[(2,2,6,6−テトラメチル−1,1−ジオキシドテトラヒドロ−2H−チオピラン−4−イル)オキシ]−1H−ピラゾール;
5−(4−クロロフェニル)−1−(2−メトキシフェニル)−3−{[(1s)−2,2,6,6−テトラメチル−1−オキシドテトラヒドロ−2H−チオピラン−4−イル]オキシ}−1H−ピラゾール;
5−(4−クロロフェニル)−1−(2−メトキシフェニル)−3−{[(1r)−2,2,6,6−テトラメチル−1−オキシドテトラヒドロ−2H−チオピラン−4−イル]オキシ}−1H−ピラゾール;
5−(4−クロロフェニル)−1−(2−メトキシフェニル)−3−[(2,2,4,4−テトラメチルオキセタン−3−イル)メトキシ]−1H−ピラゾール;
4−{[5−(4−クロロフェニル)−1−(2−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル]オキシ}−2,2,6,6−テトラメチルシクロヘキサノン;
4−{[5−(4−クロロフェニル)−1−(2−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル]オキシ}−2,2,6,6−テトラメチルシクロヘキサノール;
4−{1−(2−メトキシフェニル)−3−[(2,2,6,6−テトラメチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)オキシ]−1H−ピラゾール−5−イル}ベンゾニトリル;
4−{1−(2−メトキシフェニル)−3−[(2,2,6,6−テトラメチルテトラヒドロ−2H−チオピラン−4−イル)オキシ]−1H−ピラゾール−5−イル}ベンゾニトリル;
4−{1−(2−メトキシフェニル)−3−[(2,2,6,6−テトラメチル−1,1−ジオキシドテトラヒドロ−2H−チオピラン−4−イル)オキシ]−1H−ピラゾール−5−イル}ベンゾニトリル;及び
4−[1−(2−メトキシフェニル)−3−{[(1s)−2,2,6,6−テトラメチル−1−オキシドテトラヒドロ−2H−チオピラン−4−イル]オキシ}−1H−ピラゾール−5−イル]ベンゾニトリル;
からなる群から選択される化合物、又はその製薬学的に許容され得る塩形態
【請求項14】
請求項1〜13のいずれか一項に記載の化合物、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、若しくは製薬上許容され得る塩と、製薬上許容され得るキャリア、製薬上許容され得る賦形剤、及び製薬上許容され得る希釈剤のうちの少なくとも1つと、を含む、医薬組成物。
【請求項15】
前記組成物が固形経口投与形態である、請求項14に記載の医薬組成物。
【請求項16】
前記組成物がシロップ、エリキシル剤又は懸濁物である、請求項14に記載の医薬組成物。
【請求項17】
治療を必要とする対象の炎症性疼痛を処置するための医薬組成物であって、
治療に有効な量の請求項1〜13のいずれか一項に記載の化合物、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、若しくは製薬上許容され得る塩を含む、医薬組成物
【請求項18】
前記炎症性疼痛が、炎症性腸疾患、過敏性腸症候群、内臓痛、片頭痛、術後疼痛、変形性関節症、リウマチ様関節炎、背部疼痛、腰痛、関節痛、腹痛、胸痛、陣痛、筋骨格系疾患、皮膚疾患、歯痛、発熱、火傷、日焼け、蛇咬傷、毒蛇咬傷、クモ咬症、虫刺され、神経原性/過活動膀胱、間質性膀胱炎、尿路感染、鼻炎、接触皮膚炎/過敏性、掻痒、湿疹、咽頭炎、粘膜炎、腸炎、胆嚢炎、膵炎、乳房切除後痛症候群、生理痛、子宮内膜症、疼痛、身体外傷に起因する疼痛、頭痛、副鼻腔炎性頭痛、緊張性頭痛、又はくも膜炎に起因するものである、請求項17に記載の医薬組成物
【請求項19】
治療を必要とする対象の神経因性疼痛を処置するための医薬組成物であって、
治療に有効な量の請求項1〜13のいずれか一項に記載の化合物、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、若しくは製薬上許容され得る塩を含む、医薬組成物
【請求項20】
前記神経因性疼痛が、癌性疼痛、神経障害、脊椎及び末梢神経手術、脳腫瘍、外傷性脳損傷(TBI)、化学療法により誘発される疼痛、慢性疼痛、根性痛、HIV疼痛、脊髄外傷、慢性疼痛症候群、線維筋痛症、慢性疲労症候群、狼瘡、サルコイドーシス、末梢神経障害、両側末梢神経障害、糖尿病性神経障害、中心性疼痛、脊髄損傷に付随する神経障害、脳卒中、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、パーキンソン病、多発性硬化症、坐骨神経炎、顎関節疼痛、末梢神経炎、多発性神経炎、断端痛、幻肢痛、骨折、口腔神経因性疼痛、シャルコー痛、複合性局所疼痛症候群I及びII(CRPSI/II)、神経根障害、ギラン・バレー症候群、知覚異常性大腿神経痛、口腔内灼熱症候群、視神経炎、発熱後神経炎、遊走性神経炎、分節性神経炎、ゴンボー神経痛(Gombault's neuritis)、ニューロン炎、頸腕神経痛、頭蓋神経痛、膝状節神経痛、舌咽神経痛、群発頭痛、特発性神経痛、肋間神経痛、乳房神経痛、モートン病、鼻毛様体神経痛、後頭部神経痛、帯状疱疹後神経痛、灼熱痛、紅神経痛、スルーダー神経痛、翼口蓋神経痛、眼窩上神経痛、三叉神経痛、外陰部痛、又はヴィディアン神経痛である、請求項19に記載の医薬組成物
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、米国仮出願特許第61/683,774号(2012年8月16日出願)の利益に関する優先権を請求する。前述の関連米国特許出願の開示全体は、全ての目的のために参照することにより本明細書に援用される。
【0002】
(連邦政府支援研究又は開発に関する陳述)
下に記載される本発明の研究及び開発は、連邦政府の支援によるものではない。
【背景技術】
【0003】
カルシウムイオンは、生物及び細胞の生理及び生化学において基本的な役割を果たす。細胞へのイオンチャネルを介したカルシウムの取り込みは、遺伝子発現、シグナル伝達、神経伝達物質の放出、筋収縮及びホルモン分泌などの多様な細胞及び生理応答を仲介する。イオンチャネルは、ゲーティングにより、又は何がイオンの流入のためにチャネルを開閉させるのかにより分類される。電位依存性イオンチャネルは、細胞膜をはさんだ電位勾配に依存して開閉するのに対し、リガンド開口性イオンチャネルはチャネルへのリガンドの結合に依存して開閉する。電位依存性カルシウムチャネルは、3群、(i)高電位活性化型チャネル(L、N、P及びQ型チャネルなど)、(ii)中間電位活性化型R型チャネル、及び(iii)低電位活性化型T型チャネル、に分類される。
【0004】
N型カルシウムチャネルは主に中枢及び末梢神経に分布し、主にシナプス前終末に局在する。このチャネルは、脱分極により誘起される、シナプス末端からの神経伝達物質の放出に必要とされる、カルシウムの流入を制御する。末梢から中枢神経系(CNS)への痛み信号の伝達は、とりわけ、脊髄に局在するN型カルシウムチャネルにより介在される。後角表面におけるN型カルシウムチャネルの阻害により、膜の興奮性及び神経伝達物質放出が低下し、痛みの軽減がもたらされる。加えて、N型カルシウムチャネルを欠損しているノックアウトマウスは、疼痛の動物モデルにおいて、侵害受容性の挙動の低減を示す。
【0005】
N型カルシウムチャネルは、神経因性疼痛と関連するニューロンの感作プロセスの進行及び維持を介在し、したがって鎮痛薬の開発に魅力的な標的を提供することが示されている。現在、疼痛治療には、3種のN型カルシウムチャネルモジュレーター、すなわちω−コノトキシンMVIIA(ジコノチド)(Prialt(登録商標)として市販、重度の慢性疼痛の管理のためにN型カルシウムチャネルを強力かつ選択的に遮断することが示されている)、Neurontin(登録商標)として市販のガバペンチン、及びLyrica(登録商標)として市販のプレガバリン(N型カルシウムチャネルのα2δサブユニットに高親和性に結合する)が認可されており、線維筋痛症、糖尿病性神経痛及び/又は帯状疱疹後神経痛の治療に適応されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、N型カルシウムチャネル遮断剤を提供することを目的とする。本発明は、式(I)の化合物の投与により疼痛を処置、寛解又は予防する方法を提供することも目的とする。並びに、本発明は、疼痛の処置、寛解又は予防に有用な、式(I)の化合物を含む医薬組成物を提供することも目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、式(I)の化合物、並びにそのエナンチオマー、ジアステレオマー、溶媒和物及び製薬上許容され得る塩を目的とする
【0008】
【化1】
(式中、
1は、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ、ジ(C1〜4アルキル)アミノ、クロロ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチル、及びシアノからなる群から選択され、
環Aは、フェニルであるか、又はピリジニル、チエニル、ベンゾフラニル、キノリニル、及びインドリルからなる群から選択されるヘテロアリールであり、
2は、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ、C1〜4アルキルチオ、シアノ、フルオロ、クロロ、ヒドロキシ、及びジ(C1〜4アルキル)アミノからなる群から選択され、
Gは、G1、G2、G3、又はG4であり、
【0009】
【化2】
Qは、O、S、SO2、N−R4、CH2、CH(R5)、CF2、C(CH32、C(O)、及びスピロ縮合した
【0010】
【化3】
からなる群から選択され、
Wは、O、S、CH(OH)、C(O)、S(O)、SO2、及びN−R4からなる群から選択され、
3、及びR4は、それぞれ独立して、2,2,2−トリフルオロエチル、ジ(C1〜4アルキル)アミノカルボニル、N−メトキシ−N−メチルアミノカルボニル、フェニルカルボニル、C1〜4アルキルカルボニル、トリフルオロメチルカルボニル、C1〜4アルコキシカルボニル、C1〜4アルキルスルホニル、C3〜7シクロアルキルスルホニル、トリフルオロメチルスルホニル、及び3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イルスルホニルからなる群から選択され、
5は、トリフルオロメチルカルボニルアミノ、アミノ、又はC1〜4アルコキシカルボニルアミノである)。
【0011】
同様に、本発明はまた、製薬上許容され得る担体、製薬上許容され得る賦形剤、及び/又は製薬上許容され得る希釈剤と、式(I)の化合物又はその製薬上許容され得る塩と、を含むか、又はそれらからなり、及び/又はそれらから本質的になる医薬組成物を提供する。
【0012】
更に本発明により、式(I)の化合物、及び製薬上許容され得る担体、製薬上許容され得る賦形剤、及び/又は製薬上許容され得る希釈剤の混合物を含むか、又はそれらからなり、及び/又はそれらから本質的になる医薬組成物を製造するプロセスが提供される。
【0013】
更に本発明は、とりわけ、疼痛などのN型カルシウムチャネルの調節により影響される疾患、症候群又は状態、並びにこのような疼痛をもたらす疾患などのような、ヒト又はその他の哺乳動物を含む患者においてN型カルシウムチャネルにより調節される障害を、式(I)の化合物を用いて治療する、又は寛解させる方法を提供する。
【0014】
更に本発明は、とりわけ、例示的な化合物並びにその医薬組成物及び医薬品の製造方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】CFA放射熱による炎症性疼痛のラットモデルにおける化合物23の抗痛覚過敏効果を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
置換基に関連して用いられる用語「独立して」は、2個以上の置換基が可能である場合に、それらの置換基が互いに同一であっても異なってもよいことを指す。
【0017】
用語「アルキル」は、単独で用いられる場合であれ、置換基の一部分として用いられる場合であれ、1〜8個の炭素原子を有する直鎖及び分枝炭素鎖を指す。したがって、指定された炭素原子の数(例えばC1〜8)は、独立に、アルキル部分における炭素原子数、又はアルキルを含有するより大きな置換基のアルキル部分を指す。(C1〜6アルキル)2アミノ等の複数のアルキル基を有する置換基では、ジアルキルアミノのC1〜6アルキル基は、同一であっても異なってもよい。
【0018】
用語「アルコキシ」は−O−アルキル基を意味し、この中の「アルキル」は上記で定義されるものである。
【0019】
用語「アルケニル」及び「アルキニル」は、2個以上の炭素原子を有する直鎖及び分枝炭素鎖であって、アルケニル鎖は少なくとも1個の二重結合を含み、及びアルキニル鎖は少なくとも1個の三重結合を含む。
【0020】
用語「環状アルキル」は、飽和した又は部分的に飽和した、3〜14個の炭素原子を有する単環性又は多環性炭化水素環を指す。このような環の例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル及びアダマンチルを含む。
【0021】
用語「ベンゾ縮合したシクロアルキル」としては、ベンゼン環と縮合した5〜8員の単環式シクロアルキルが挙げられる。シクロアルキル環を構成する炭素原子の環構成部材は完全に飽和していても部分的に飽和していてもよい。
【0022】
用語「複素環」は、3〜10個の環員子を有し、炭素原子と、独立してN、O、及びSからなる群から選択された1〜4個のヘテロ原子と、を含有する、非芳香族単環系又は二環系を指す。この用語「複素環」は、1〜2個の員子が窒素原子である非芳香環、又は、0、1若しくは2個の員子が窒素であり、最大で2個の員子が酸素若しくは硫黄であり、少なくとも1個の員子が窒素、酸素若しくは硫黄のいずれかでなければならない、5〜7員の非芳香環であり、場合により、この環は0〜1個の不飽和結合を含有し、環が6員若しくは7員である場合には、場合により最大で2個の不飽和結合を含有する。ヘテロ環の環を構成する炭素原子は、完全に飽和又は部分的に飽和することができる。用語「ヘテロシクリル」は、更に架橋して二環式の環を形成する2個の5員の単環性複素環状アルキル基をも含む。このような基は、完全に芳香族性とはみなされずヘテロアリール基とは称されない。ヘテロ環が二環性の場合、ヘテロ環の2つの環は非芳香族性であり、及び少なくとも1つの環は、環の構成原子としてヘテロ原子を含む。複素環基の例としては、ピロリニル(2H−ピロール、2−ピロリニル又は3−ピロリニルを含む)、ピロリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、及びピペラジニルが挙げられるがこれらに限定されない。別途記載のない限り、ペンダント基は、安定な構造をもたらす任意のヘテロ環のヘテロ原子又は炭素原子と結合できる。
【0023】
用語「ベンゾ縮合ヘテロシクリル」は、ベンゼン環に縮合した5〜7員の単環式複素環を指す。複素環は、炭素原子と、独立してN、O、及びSからなる群から選択された1〜4個のヘテロ原子と、を含有する。複素環を構成する炭素原子は、完全に飽和状態であってもあるいは一部飽和状態であってもよい。特に注記しない限り、ベンゾ縮合複素環はベンゼン環の炭素原子においてそのペンダント基と結合する。
【0024】
用語「アリール」は、構成原子として6〜10個の炭素原子を含む不飽和の芳香族単環性又は二環性環状化合物を指す。アリール環の例は、フェニル及びナフタレニルを含む。
【0025】
用語「ヘテロアリール」は、環原子を5〜10個有し、炭素原子と、独立してN、O、及びSからなる群から選択される1〜4個のヘテロ原子とを含有する芳香族単環若しくは二環系を指す。この用語「ヘテロアリール」には、炭素原子からなり、ヘテロ原子を少なくとも1つ有する5又は6員の芳香環も包含される。適切なヘテロ原子は窒素、酸素、及び硫黄を含む。5員環の場合、ヘテロアリール環は好ましくは環の構成原子として窒素原子、酸素原子又は硫黄原子を1個と、加えて最大3個までの窒素を含有する。6員環の場合、ヘテロアリール環は好ましくは1〜3個の窒素原子を含有する。6員環が窒素原子を3個有する場合については、最大で2個の窒素原子が隣接する。ヘテロアリール基の例としては、フリル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、チアジアゾリル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、インドリル、イソインドリル、ベンゾフリル、ベンゾチエニル、インダゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾトリアゾリル、キノリニル、イソキノリニル及びキナゾリニルが挙げられる。特に断りがない限り、ペンダント基は、安定な構造をもたらすヘテロアリールの任意のヘテロ原子又は炭素原子と結合できる。
【0026】
用語「ハロゲン」又は「ハロ」は、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素を指す。
【0027】
用語「ホルミル」は−C(=O)H基を指す。
【0028】
用語「オキソ」は、(=O)基を指す。
【0029】
用語「アルキル」若しくは「アリール」又はその接頭辞の語根のいずれかが、置換基(例えば、アリールアルキル、アルキルアミノ)の名称に現れる場合はいつでも、それは「アルキル」及び「アリール」について上述した限定を含むものとして解釈すべきである。指定された炭素原子数(例えば、C1〜C6)は、独立してアルキル部分、アリール部分、又はアルキルが接頭辞の語根として現れるより大きな置換基のアルキル部分の、炭素原子の数を指すべきである。アルキル及びアルコキシ置換基の場合、指定された数の炭素原子は、指定された所与の範囲に含まれる独立員の全てを含む。例えば、C1〜6アルキルは、個別に、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル及びヘキシル、並びにこれらに属する組み合わせ(例えば、C1〜2、C1〜3、C1〜4、C1〜5、C2〜6、C3〜6、C4〜6、C5〜6、C2〜5など)を含む。
【0030】
一般に、本開示全体を通して用いられる標準的な命名法の法則の下、指定された側鎖の末端部を先ず記載し、続いて結合点に向かって隣接する官能基を記載する。したがって、例えば「C1〜C6アルキルカルボニル」置換基は下式の基を示す。
【0031】
【化4】
【0032】
立体中心における用語「R」は、その立体中心が純粋に、当技術分野において定義されるR配置であることを指定し、同様に、用語「S」は、純粋にS配置であることを指定する。本明細書で用いるように、立体中心における用語「*R」又は「*S」は、その立体中心が純粋な立体配置であるが、どちらの配置であるか不明であることを指定する。本明細書で用いるように、用語「RS」は、その立体中心がR−及びS−配置の混合物として存在することを意味する。同様に、用語「*RS」又は「*SR」は、R配置及びS配置の混合物として存在し、同一分子内の別の立体中心に比較してその配置が不明である立体中心を指す。
【0033】
立体化学的な結合の表記をされずに図示されている立体中心を1つ含有する化合物は、2つのエナンチオマーの混合物である。立体化学的な結合の表記をされずに図示されている立体中心を2つ含有する化合物は、4つのジアステレオマーの混合物である。「RS」と標識され、かつ立体化学的な結合の表記を付して図示されている立体中心を2つ有する化合物は、図示されているように相対的な立体化学を有する2つの化合物の混合物である。「*RS」と標識され、かつ立体化学的な結合の表記を付して図示されている立体中心を2つ有する化合物は、未知の相対的な立体化学を有する2成分性混合物である。標識されていない立体中心であって、立体化学的結合指定なしで図示されているものはR−及びS−配置の混合物である。標識されていない立体中心であって、立体化学的結合指定と共に図示されているものは、その絶対的立体化学が図示された通りのものである。
【0034】
別途記載のない限り、分子中の任意の置換基又は特定の位置における変数の定義は、その分子内のいずれの位置の定義からも独立していることを意図する。式(I)の化合物における置換基及び置換様式は、当業者により化学的に安定であり、当技術分野において周知の技術及び同時に本明細書において規定される方法によって容易に合成できる化合物を提供するために選択できることは理解されるべきである。
【0035】
用語「患者」は、処置、観察又は実験に付されている動物、好ましくは哺乳動物、最も好ましくはヒトを指す。
【0036】
用語「治療上有効な量」は、研究者、獣医、医師、又は他の臨床専門家により探求される組織系、動物又はヒトにおいて、処置される疾患、症候群、状態又は障害の症状の緩和又は部分的緩和を含む生体応答又は薬物反応を引き出す、本発明の化合物を含む、活性化合物又は薬剤の量を指す。
【0037】
用語「組成物」は、治療上有効な量の特定の成分を含む精製物、並びに特定の量の特定の成分の組み合わせから直接的に又は間接的にもたらされる任意の精製物を指す。
【0038】
用語「N型カルシウムチャネル遮断薬」は、N型カルシウムチャネルと相互作用して、その機能活性を大幅に減少させる又は除外することにより、チャネルを介したカルシウムイオンの流出を減少させ、細胞内カルシウム濃度を増加させる化合物を包含することを意図する。
【0039】
用語「N型カルシウムチャネルにより調節される」は、N型カルシウムチャネルの調節により影響を受ける状態(例えば、疼痛などの、N型カルシウムチャネルの阻害により影響を受ける状態を含む)、このような疼痛をもたらす疾患、並びにこのような疼痛の軽減をもたらす治療、を指すために使用される。
【0040】
本明細書で使用するとき、別途記載のない限り、用語「効果」又は「影響を受ける」には(N型カルシウムチャネル阻害により影響を受ける疾患、症候群、状態又は障害を指す場合)、このような疾患、症候群、状態又は障害の、1種以上の症状又は症状発現の頻度及び/又は重症度を減少させることを含み、並びに/あるいはこのような疾患、症候群、状態又は障害の1種以上の症状又は症状発現の進行を、又は疾患、状態、症候群又は障害の進行を予防することを含む。
【0041】
本明細書で定義される式(I)の化合物は、N型カルシウムチャネルの阻害によって影響を受ける疾患、症候群、状態又は障害の処置、寛解及び/又は予防に有用である。このような方法は、このような処置、寛解、及び/又は予防を必要とする動物、哺乳類、及びヒトなどの対象に、式(I)の化合物、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、溶媒和物、若しくは製薬的に許容される塩形態の治療有効量を投与する工程を含み、投与する工程からなり、並びに/又は投与する工程から本質的になる。特に、式(I)の化合物は、疼痛、並びにそのような疼痛を生じる疾患、症候群、状態若しくは障害の、処置、寛解及び/又は予防に有用である。より具体的には、式(I)の化合物は、急性疼痛、炎症性疼痛、及び/又は神経障害性の疼痛を処置、寛解、及び/又は予防するのに有用であり、これには式(I)の化合物の治療有効量を、必要とする患者に投与することが含まれる。
【0042】
本明細書で使用するとき、急性疼痛は、急速に生じ、重症度は異なり得るものの自己制御式であり、持続時間が比較的短い疼痛を指す。急性疼痛の例としては、限定するものではないが、術後疼痛(post-operative pain)、術後疼痛(post-surgical pain)、歯痛、火傷、日焼け、昆虫/動物咬傷及び刺傷、頭痛及び/又は急性外傷又は傷害に付随する任意の疼痛が挙げられる。
【0043】
炎症性疼痛は、炎症性腸疾患、過敏性腸症候群、内臓痛、片頭痛、術後疼痛、変形性関節症、リウマチ様関節炎、背部疼痛、腰痛、関節痛、腹痛、胸痛、陣痛、筋骨格系疾患、皮膚疾患、歯痛、発熱、火傷、日焼け、蛇咬傷、毒蛇咬傷、クモ咬症、虫刺され、神経原性又は過活動膀胱、間質性膀胱炎、尿路感染、鼻炎、接触皮膚炎/過敏性、掻痒、湿疹、咽頭炎、粘膜炎、腸炎、過敏性腸症候群、胆嚢炎、膵炎、乳房切除後痛症候群、生理痛、子宮内膜症、身体外傷に起因する疼痛、頭痛、副鼻腔炎性頭痛、緊張性頭痛、又はくも膜炎を含むもののこれらに限定されない炎症性疾患、状態、症候群、又は疾患から生じる疼痛を指す。
【0044】
本発明の更なる一実施形態は、神経因性疼痛の処置、寛解及び/又は予防のための方法を目的とする。神経因性疼痛は、癌性疼痛、神経障害、脊椎及び末梢神経手術、脳腫瘍、外傷性脳損傷(TBI)、化学療法により誘発される疼痛、慢性疼痛、根性痛、HIV痛、脊髄外傷、慢性疼痛症候群、線維筋痛症、慢性疲労症候群、狼瘡、サルコイドーシス、末梢神経障害、両側末梢神経障害、糖尿病性神経障害、中心性疼痛、脊髄損傷に付随する神経障害、脳卒中、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、パーキンソン病、多発性硬化症、坐骨神経炎、顎関節疼痛、末梢神経炎、多発性神経炎、断端痛、幻肢痛、骨折、口腔神経因性疼痛、シャルコー痛、複合性局所疼痛症候群I及びII(CRPS I/II)、神経根障害、ギラン・バレー症候群、知覚異常性大腿神経痛、口腔内灼熱症候群、視神経炎、発熱後神経炎、遊走性神経炎、分節性神経炎、ゴンボー神経痛(Gombault's neuritis)、ニューロン炎、頸腕神経痛、頭蓋神経痛、膝状節神経痛、舌咽神経痛、群発頭痛、特発性神経痛、肋間神経痛、乳房神経痛、モートン病、鼻毛様体神経痛、後頭部神経痛、帯状疱疹後神経痛、灼熱痛、紅神経痛、スルーダー神経痛、翼口蓋神経痛、眼窩上神経痛、三叉神経痛、外陰部痛、又はヴィディアン神経痛を含む、末梢性又は中枢神経系の損傷を包含する疾患、症候群、状態、及び/又は障害を指す。
【0045】
本発明の実施形態は、式(I)の化合物、並びにそのエナンチオマー、ジアステレオマー、溶媒和物及び製薬上許容され得る塩を含む
【0046】
【化5】
(式中、
a)R1は、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ、クロロ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチル、及びシアノからなる群から選択され、
b)R1は、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ、クロロ、及びトリフルオロメチルからなる群から選択され、
c)R1は、メチル、エチル、メトキシ、及びイソプロピルオキシからなる群から選択され、
d)環Aはフェニルであり、
e)環Aは4位でフェニル置換されており、
f)R2は、C1〜4アルコキシ、シアノ、及びクロロからなる群から選択され、
g)R2は、メトキシ、シアノ、及びクロロからなる群から選択され、
h)Gは、G1、G2、G3、又はG4であり、
【0047】
【化6】
Qは、O、S、SO2、N−R4、CH2、CH(R5)、CF2、C(CH32、C(O)、及びスピロ縮合した
【0048】
【化7】
からなる群から選択され、
Wは、O、S、CH(OH)、C(O)、S(O)、及びSO2からなる群から選択され、
3、及びR4は、それぞれ独立して、2,2,2−トリフルオロエチル、ジ(C1〜4アルキル)アミノカルボニル、N−メトキシ−N−メチルアミノカルボニル、フェニルカルボニル、C1〜4アルキルカルボニル、トリフルオロメチルカルボニル、C1〜4アルコキシカルボニル、C1〜4アルキルスルホニル、C3〜7シクロアルキルスルホニル、トリフルオロメチルスルホニル、及び3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イルスルホニルからなる群から選択され、
5はトリフルオロメチルカルボニルアミノ又はC1〜4アルコキシカルボニルアミノであり、
但し、上記a)〜h)の実施形態の任意の組み合わせは、組み合わされ得る同一の置換基についての異なる実施形態の組み合わせは除外されるものと理解されたい)。
【0049】
本発明の一実施形態は、式(I)の化合物、並びにそのエナンチオマー、ジアステレオマー、溶媒和物、及び製薬学的に許容され得る塩を目的とする:
【0050】
【化8】
(式中、
1は、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ、クロロ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチル、及びシアノからなる群から選択され、
環Aは、フェニルであるか、又はピリジニル、チエニル、ベンゾフラニル、キノリニル、及びインドリルからなる群から選択されるヘテロアリールであり、
2は、C1〜4アルコキシ、シアノ、及びクロロからなる群から選択され、
Gは、G1、G2、G3、又はG4であり、
【0051】
【化9】
Qは、O、S、SO2、N−R4、CH2、CH(R5)、CF2、C(CH32、C(O)、及びスピロ縮合した
【0052】
【化10】
からなる群から選択され、
Wは、O、S、CH(OH)、C(O)、S(O)、及びSO2からなる群から選択され、
3、及びR4は、それぞれ独立して、2,2,2−トリフルオロエチル、ジ(C1〜4アルキル)アミノカルボニル、N−メトキシ−N−メチルアミノカルボニル、フェニルカルボニル、C1〜4アルキルカルボニル、トリフルオロメチルカルボニル、C1〜4アルコキシカルボニル、C1〜4アルキルスルホニル、C3〜7シクロアルキルスルホニル、トリフルオロメチルスルホニル、及び3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イルスルホニルからなる群から選択され、
5は、トリフルオロメチルカルボニルアミノ又はC1〜4アルコキシカルボニルアミノである)。
【0053】
本発明の一実施形態は、式(I)の化合物、並びにそのエナンチオマー、ジアステレオマー、溶媒和物、及び製薬学的に許容され得る塩を目的とする:
【0054】
【化11】
(式中、
1は、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ、クロロ、及びトリフルオロメチルからなる群から選択され、
環Aはフェニルであり、
2は、C1〜4アルコキシ、シアノ、及びクロロからなる群から選択され、
Gは、G1、G2、G3、又はG4であり、
【0055】
【化12】
Qは、O、S、SO2、N−R4、CH2、CH(R5)、CF2、C(CH32、C(O)、及びスピロ縮合した
【0056】
【化13】
からなる群から選択され、
Wは、O、S、CH(OH)、C(O)、S(O)、及びSO2からなる群から選択され、
3、及びR4は、それぞれ独立して、2,2,2−トリフルオロエチル、ジ(C1〜4アルキル)アミノカルボニル、N−メトキシ−N−メチルアミノカルボニル、フェニルカルボニル、C1〜4アルキルカルボニル、トリフルオロメチルカルボニル、C1〜4アルコキシカルボニル、C1〜4アルキルスルホニル、C3〜7シクロアルキルスルホニル、トリフルオロメチルスルホニル、及び3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イルスルホニルからなる群から選択され、
5は、トリフルオロメチルカルボニルアミノ又はC1〜4アルコキシカルボニルアミノである)。
【0057】
本発明の一実施形態は、式(I)の化合物、並びにそのエナンチオマー、ジアステレオマー、溶媒和物、及び製薬学的に許容され得る塩を目的とする:
【0058】
【化14】
(式中、
1は、メチル、エチル、メトキシ、及びイソプロピルオキシからなる群から選択され、
環Aは4位でフェニル置換されており、
2は、メトキシ、シアノ、及びクロロからなる群から選択され、
Gは、G1、G2、G3、又はG4であり、
【0059】
【化15】
Qは、O、S、SO2、N−R4、CH2、CH(R5)、CF2、C(CH32、C(O)、及びスピロ縮合した
【0060】
【化16】
からなる群から選択され、
Wは、O、S、CH(OH)、C(O)、S(O)、及びSO2からなる群から選択され、
3、及びR4は、それぞれ独立して、2,2,2−トリフルオロエチル、ジ(C1〜4アルキル)アミノカルボニル、N−メトキシ−N−メチルアミノカルボニル、フェニルカルボニル、C1〜4アルキルカルボニル、トリフルオロメチルカルボニル、C1〜4アルコキシカルボニル、C1〜4アルキルスルホニル、C3〜7シクロアルキルスルホニル、トリフルオロメチルスルホニル、及び3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イルスルホニルからなる群から選択され、
5はトリフルオロメチルカルボニルアミノ又はC1〜4アルコキシカルボニルアミノである。)
【0061】
本発明の更なる実施形態は、次のものから選択される式(I)の化合物及びその製薬学的に許容され得る塩形態を目的とする:
【0062】
【化17】
tert−ブチル4−{[5−(4−クロロフェニル)−1−(2−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル]オキシ}ピペリジン−1−カルボキシラート;
4−{[5−(4−クロロフェニル)−1−(2−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル]オキシ}シクロヘキサノン;
1−アセチル−4−{[5−(4−クロロフェニル)−1−(2−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル]オキシ}ピペリジン;
4−{[5−(4−クロロフェニル)−1−(2−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル]オキシ}−N,N−ジメチルピペリジン−1−カルボキサミド;
4−{[5−(4−クロロフェニル)−1−(2−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル]オキシ}−1−(メチルスルホニル)ピペリジン;
5−(4−クロロフェニル)−1−(2−メトキシフェニル)−3−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルオキシ)−1H−ピラゾール;
5−(4−クロロフェニル)−1−(2−メトキシフェニル)−3−(テトラヒドロ−2H−チオピラン−4−イルオキシ)−1H−ピラゾール;
4−{[5−(4−クロロフェニル)−1−(2−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル]オキシ}−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)ピペリジン;
4−{[5−(4−クロロフェニル)−1−(2−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル]オキシ}−1−(トリフルオロアセチル)ピペリジン;
5−(4−クロロフェニル)−3−[(1,1−ジオキシドテトラヒドロ−2H−チオピラン−4−イル)オキシ]−1−(2−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール;
tert−ブチル(cis−4−{[5−(4−クロロフェニル)−1−(2−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル]オキシ}シクロヘキシル)カルバマート;
cis−4−{[5−(4−クロロフェニル)−1−(2−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル]オキシ}シクロヘキサンアミン;
N−(cis−4−{[5−(4−クロロフェニル)−1−(2−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル]オキシ}シクロヘキシル)−2,2,2−トリフルオロアセトアミド;
4−{[5−(4−クロロフェニル)−1−(2−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル]オキシ}−1−[(トリフルオロメチル)スルホニル]ピペリジン;
4−{[5−(4−クロロフェニル)−1−(2−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル]オキシ}−1−(シクロプロピルスルホニル)ピペリジン;
5−(4−クロロフェニル)−3−[(4,4−ジフルオロシクロヘキシル)オキシ]−1−(2−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール;
5−(4−クロロフェニル)−3−(1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカ−8−イルオキシ)−1−(2−エチルフェニル)−1H−ピラゾール;
tert−ブチル4−{[5−(4−クロロフェニル)−1−(2−エチルフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル]オキシ}ピペリジン−1−カルボキシラート;
4−{[5−(4−クロロフェニル)−1−(2−エチルフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル]オキシ}−1−(メチルスルホニル)ピペリジン;
4−({5−(4−クロロフェニル)−1−[2−(1−メチルエトキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−3−イル}オキシ)−1−(メチルスルホニル)ピペリジン;
4−{[5−(4−クロロフェニル)−1−(2−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル]オキシ}−1−[(1−メチルエチル)スルホニル]ピペリジン;
tert−ブチル3−{[5−(4−クロロフェニル)−1−(2−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル]オキシ}アゼチジン−1−カルボキシラート;
5−(4−クロロフェニル)−1−(2−メトキシフェニル)−3−[(2,2,6,6−テトラメチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)オキシ]−1H−ピラゾール;
4−{[1−(2−tert−ブトキシフェニル)−5−(4−クロロフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル]オキシ}−1−(メチルスルホニル)ピペリジン;
5−(4−クロロフェニル)−1−(2−メトキシフェニル)−3−({1−[(1−メチルエチル)スルホニル]アゼチジン−3−イル}オキシ)−1H−ピラゾール;
5−(4−クロロフェニル)−1−(2−メトキシフェニル)−3−{[1−(メチルスルホニル)アゼチジン−3−イル]オキシ}−1H−ピラゾール;
5−(4−クロロフェニル)−1−(2−メトキシフェニル)−3−{[1−(フェニルカルボニル)アゼチジン−3−イル]オキシ}−1H−ピラゾール;
4−({5−(4−クロロフェニル)−1−[2−(1−メチルエトキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−3−イル}オキシ)−1−[(1−メチルエチル)スルホニル]ピペリジン;
3−{[5−(4−クロロフェニル)−1−(2−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル]オキシ}−N−メトキシ−N−メチルアゼチジン−1−カルボキサミド;
4−[(3−{[5−(4−クロロフェニル)−1−(2−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル]オキシ}アゼチジン−1−イル)スルホニル]−3,5−ジメチルイソオキサゾール;
1−(2−メトキシフェニル)−5−(4−メトキシフェニル)−3−[(2,2,6,6−テトラメチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)オキシ]−1H−ピラゾール;
1−(2−メトキシフェニル)−5−(4−メトキシフェニル)−3−[(2,2,6,6−テトラメチルテトラヒドロ−2H−チオピラン−4−イル)オキシ]−1H−ピラゾール;
1−(2−メトキシフェニル)−5−(4−メトキシフェニル)−3−[(2,2,6,6−テトラメチル−1,1−ジオキシドテトラヒドロ−2H−チオピラン−4−イル)オキシ]−1H−ピラゾール;
(1r,4r)−4−((1−(2−メトキシフェニル)−5−(4−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル)オキシ)−2,2,6,6−テトラメチルテトラヒドロ−2H−チオピラン1−オキシド;
(1s,4s)−4−((1−(2−メトキシフェニル)−5−(4−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル)オキシ)−2,2,6,6−テトラメチルテトラヒドロ−2H−チオピラン1−オキシド;
5−(4−クロロフェニル)−1−(2−メトキシフェニル)−3−[(2,2,6,6−テトラメチルテトラヒドロ−2H−チオピラン−4−イル)オキシ]−1H−ピラゾール;
5−(4−クロロフェニル)−1−(2−メトキシフェニル)−3−[(2,2,6,6−テトラメチル−1,1−ジオキシドテトラヒドロ−2H−チオピラン−4−イル)オキシ]−1H−ピラゾール;
(1r,4r)−4−((5−(4−クロロフェニル)−1−(2−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル)オキシ)−2,2,6,6−テトラメチルテトラヒドロ−2H−チオピラン1−オキシド;
(1s,4s)−4−((5−(4−クロロフェニル)−1−(2−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル)オキシ)−2,2,6,6−テトラメチルテトラヒドロ−2H−チオピラン1−オキシド;
5−(4−クロロフェニル)−1−(2−メトキシフェニル)−3−[(2,2,4,4−テトラメチルオキセタン−3−イル)メトキシ]−1H−ピラゾール;
4−{[5−(4−クロロフェニル)−1−(2−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル]オキシ}−2,2,6,6−テトラメチルシクロヘキサノン;
4−{[5−(4−クロロフェニル)−1−(2−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル]オキシ}−2,2,6,6−テトラメチルシクロヘキサノール;
4−{1−(2−メトキシフェニル)−3−[(2,2,6,6−テトラメチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)オキシ]−1H−ピラゾール−5−イル}ベンゾニトリル;
4−{1−(2−メトキシフェニル)−3−[(2,2,6,6−テトラメチルテトラヒドロ−2H−チオピラン−4−イル)オキシ]−1H−ピラゾール−5−イル}ベンゾニトリル;
4−{1−(2−メトキシフェニル)−3−[(2,2,6,6−テトラメチル−1,1−ジオキシドテトラヒドロ−2H−チオピラン−4−イル)オキシ]−1H−ピラゾール−5−イル}ベンゾニトリル;
4−[1−(2−メトキシフェニル)−3−{[(1s)−2,2,6,6−テトラメチル−1−オキシドテトラヒドロ−2H−チオピラン−4−イル]オキシ}−1H−ピラゾール−5−イル]ベンゾニトリル。
【0063】
薬剤における使用に関して、式(I)の化合物の塩は、非毒性の「製薬上許容される塩」を指す。しかしながら他の塩も式(I)の化合物又はそれらの製薬上許容される塩の調製に有用である場合がある。式(I)の化合物の製薬上許容され得る好適な塩には、例えば、化合物の溶液を塩酸、硫酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、酢酸、安息香酸、クエン酸、酒石酸、炭酸又はリン酸のような製薬上許容される酸の溶液と混合することにより得られる酸付加塩が挙げられる。更に、式(I)の化合物が酸性基を有する場合には、製薬上許容され得るその好適な塩には、ナトリウム又はカリウム塩などのアルカリ金属塩、カルシウム又はマグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩、及び四級アンモニウム塩などの好適な有機リガンドと形成した塩、を挙げることができる。したがって、代表的な製薬上許容され得る塩としては、酢酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重炭酸塩、重硫酸塩、酸性酒石酸塩、ホウ酸塩、臭化物塩、カルシウム・エデト酸塩、カンシル酸塩、炭酸塩、塩化物塩、クラブラン酸塩、クエン酸塩、ニ塩酸塩、エデト酸塩、エジシル酸塩、エストレート、エシラート、フマル酸塩、グルセプト酸塩、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリコリルアルサニレート、ヘキシルレゾルシネート、ハイドロバミン、臭化水素酸塩、塩酸塩、ヒドロキシナフトエート、ヨウ化物塩、イソチオネート、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、ラウリン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、メシル酸塩、メチル臭化物塩、メチル硝酸塩、メチル硫酸塩、ムチン酸塩、ナプシル酸塩、硝酸塩、N−メチルグルカミン・アンモニウム塩、オレイン酸塩、パモン酸塩(エンボナート)、パルミチン酸塩、パントテン酸塩、リン酸塩/二リン酸塩、ポリガラクツロン酸塩、サリチル酸塩、ステアリン酸塩、硫酸塩、塩基性酢酸塩、コハク酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、テオクル酸塩、トシル酸塩、トリエチオジド及び吉草酸塩が挙げられる。
【0064】
製薬上許容され得る塩の調製に使用することができる代表的な酸及び塩基としては、酢酸、2,2−ジクロロ酢酸、アシル化アミノ酸、アジピン酸、アルギン酸、アスコルビン酸、L−アスパラギン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、4−アセトアミド安息香酸、(+)−カンファー酸、カンファースルホン酸、(+)−(1S)−カンファー−10−スルホン酸、カプリン酸、カプロン酸、カプリル酸、ケイ皮酸、クエン酸、シクラミン酸、ドデシル硫酸、エタン−1,2−ジスルホン酸、エタンスルホン酸、2−ヒドロキシ−エタンスルホン酸、ギ酸、フマル酸、ガラクタル酸、ゲンチシン酸、グルコヘプトン酸、D−グルコン酸、D−グルクロン酸、L−グルタミン酸、α−オキソ−グルタル酸、グリコール酸、馬尿酸、臭化水素酸、塩酸、(+)−L−乳酸、(±)−DL−乳酸、ラクトビオン酸、マレイン酸、(−)−L−りんご酸、マロン酸、(±)−DL−マンデル酸、メタンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、1,5−ナフタレンジスルホン酸、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、ニコチン酸、硝酸、オレイン酸、オロチン酸、シュウ酸、パルミチン酸、パモ酸、リン酸、L−ピログルタミン酸、サリチル酸、4−アミノサリチル酸、セバシン酸、ステアリン酸、コハク酸、硫酸、タンニン酸、(+)−L−酒石酸、チオシアン酸、p−トルエンスルホン酸及びウンデシレン酸などの酸、並びにアンモニア、L−アルギニン、ベネタミン、ベンザチン、水酸化カルシウム、コリン、デアノール、ジエタノールアミン、ジエチルアミン、2−(ジエチルアミノ)エタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−メチル−D−グルカミン、ヒドラバミン、1H−イミダゾール、L−リジン、水酸化マグネシウム、4−(2−ヒドロキシエチル)モルホリン、ピペラジン、水酸化カリウム、1−(2−ヒドロキシエチル)ピロリジン、水酸化ナトリウム、トリエタノールアミン、トロメタミン及び水酸化亜鉛などの塩基が挙げられる。
【0065】
本発明の実施形態には、式(I)の化合物のプロドラッグが含まれる。一般に、かかるプロドラッグは、インビボで必要な化合物に容易に変換可能な化合物の機能的誘導体っである。したがって、本発明の処置又は予防実施形態の方法において、用語「投与する」は、具体的に開示された化合物又は具体的には開示され得ないが、患者に投与後にインビボにおいて特定の化合物に転化される化合物と共に記載される様々な疾患、状態、症候群及び障害の処置又は予防を包含する。好適なプロドラッグ誘導体の選択及び調製に関する通常の手順は、例えば、「Design of Prodrugs」H.Bundgaard,Elsevier編、1985に述べられている。
【0066】
本発明の実施形態に従う化合物は少なくとも1個の不斉中心を有し、したがってそれらは鏡像異性体として存在する。化合物が2つ以上のキラル中心を持つ場合、この化合物はジアステレオマーとして存在し得る。このような異性体全て及びこれらの混合物が本発明の範囲内に包括されることが理解されるであろう。更に、化合物の結晶形の一部は、多形体として存在してよく、それらも本発明に含まれることが意図される。加えて、化合物の一部は、水(すなわち、水和物)又は一般的な有機溶媒と溶媒和物を形成してよく、かかる溶媒和物も本発明の範囲内に包含されることが意図される。当業者は、本明細書で用いる用語「化合物」が、式(I)の化合物の溶媒和物を含むことを理解するであろう。
【0067】
本発明の特定の実施形態に従う化合物の調製のプロセスが、立体異性体の混合物を生じさせる場合は、これらの異性体は、分取クロマトグラフィーなどの従来技術により分離することができる。化合物はラセミ体で調製されてもよく、又は個々のエナンチオマーをエナンチオ選択的合成、又は分割のいずれかにより調製することができる。化合物は、例えば、(−)−ジ−p−トルオイル−D−酒石酸及び/又は(+)−ジ−p−トルオイル−L−酒石酸等の光学活性酸を用いて塩を形成させた後に、分別結晶化を行い、遊離塩基を再生させることによりジアステレオマー対を形成させる等の標準的技術により、それら化合物の成分である鏡像異性体に分割することもできる。化合物はまた、ジアステレオマーエステル又はアミドを形成させた後に、クロマトグラフィー分離を行い、キラル補助基を除去することによっても分割されてよい。代替的に、化合物は、キラルHPLCカラムを使用して分割されてもよい。
【0068】
本発明の一実施形態は、式(I)の化合物の(+)−エナンチオマーを含む、(+)−エナンチオマーからなる、及び/又は本質的に(+)−エナンチオマーからなる医薬組成物を含む組成物を対象とし、その組成物は上記化合物の(−)−異性体を実質的に含まない。本明細書の文脈における「実質的に含まない」とは、下式により求められる(−)−異性体が約25%未満、好適には約10%、より好適には約5%、更に好適には約2%未満、更により好適には約1%未満であることを意味する。
【0069】
【数1】
【0070】
本発明の別の実施形態は、式(I)の化合物の(−)−鏡像異性体を含む、からなる、及びから本質的になる医薬組成物を含む組成物であって、実質的にその化合物の(+)−異性体を含まない組成物である。本文中では、実質的に含まないとは、以下の式により算出したとき、(+)−異性体が約25%未満、好ましくは約10%未満、より好ましくは約5%未満、更により好ましくは約2%未満、更により好ましくは約1%未満であることを意味する。
【0071】
【数2】
【0072】
本発明の様々な実施形態の化合物を調製するためのプロセスのいずれかを行っている間に、関係する分子のいずれかが有する感受性又は反応性基を保護する必要があり、及び/又はその方が望ましい場合がある。これは、Protective Groups in Organic Chemistry,Second Edition,J.F.W.McOmie,Plenum Press,1973;T.W.Greene & P.G.M.Wuts,Protective Groups in Organic Synthesis,John Wiley & Sons,1991;並びにT.W.Greene & P.G.M.Wuts,Protective Groups in Organic Synthesis,Third Edition,John Wiley & Sons,1999に記載のものなどの従来の保護基による手法により達成され得る。保護基は、続く都合のよい段階で、当技術分野にて既知の方法を用いて除去され得る。
【0073】
本発明の実施形態の化合物(その製薬上許容され得る塩及び製薬上許容され得る溶媒和物を含む)は単独で投与することができるが、それらは通常、意図された投与経路及び標準の製薬学的又は獣医学的な実務の観点から選ばれる、製薬上許容され得る担体、製薬上許容され得る賦形剤及び/又は製薬上許容され得る希釈剤との混合物として投与される。したがって、本発明の特定の実施形態は、式(I)の化合物及び少なくとも1個の製薬上許容され得る担体、製薬上許容され得る賦形剤、及び/又は製薬上許容され得る希釈剤を含む医薬組成物及び獣医学的組成物を目的とする。
【0074】
一例として、本発明の実施形態の医薬組成物では、式(I)の化合物は、任意の適切な結合剤、潤滑剤、懸濁化剤、コーティング剤、可溶化剤、及びそれらの組み合わせと混合することができる。
【0075】
本発明の化合物を含有する錠剤又はカプセル剤等の固体経口投与形態は、必要に応じて、一度に少なくとも1つの剤形が投与されてよい。持続放出性製剤で化合物を投与することも可能である。
【0076】
本発明の化合物が投与され得る追加の経口形態としては、エリキシル剤、溶液、シロップ、及び懸濁液が挙げられ、そのそれぞれが任意に香料及び着色剤を含有する。
【0077】
別の方法としては、式(I)の化合物は、吸入(気管内又は経鼻的に)により投与することができ、又は座薬若しくはペッサリー、又は局所的にローション、溶液、クリーム、軟膏若しくは散布剤として塗布することができる。例えば、それらは、ポリエチレングリコール又は流動パラフィンの水性エマルションを含むか、それからなるか、及び/又は本質的にそれからなるクリームの中に組み込むことができる。それら化合物を、クリームの約1重量%〜約10重量%の濃度で、必要に応じて任意の安定剤及び防腐剤と共に白蝋又は白色軟パラフィン基剤を含む、からなる、及び/又はから本質的になる軟膏に組み込んでよい。代替的な投与方法は、皮膚又は経皮パッチを使用することによる経皮投与を含む。
【0078】
本発明の医薬組成物(本発明の化合物単独と同様に)は、非経口的に、例えば空洞内、静脈内、筋肉内、皮下、皮内、又は髄腔内に注入することができる。この場合、組成物はまた、好適な担体、好適な賦形剤、及び好適な希釈剤の少なくとも1種を含む。
【0079】
非経口投与の場合、本発明の医薬組成物は、他の物質、例えば、十分な塩及び単糖類を含有させて血液と等張な溶液を作製する、無菌水溶液の形態で用いられるのが最良である。
【0080】
口腔又は舌下投与に対しては、本発明の医薬組成物は、既存の方法で製剤される錠剤又はトローチ剤の形態で投与することができる。
【0081】
更なる例として、式(I)の化合物の少なくとも1つを活性成分として含む医薬組成物は、化合物を製薬分野の従来の配合技術に従う製薬学的に許容され得る担体、製薬学的に許容され得る希釈剤、及び/又は製薬学的に許容され得る賦形剤と混合することにより調製することができる。担体、賦形剤、及び希釈剤は、所望の投与経路(例えば、経口、非経口など)に応じ、広範な形態を取ることができる。したがって懸濁液、シロップ、エリキシル剤及び溶液などの液体の経口用製剤では、適切な担体、賦形剤及び希釈剤は、水、グリコール、油、アルコール、着香料、保存料、安定剤、着色剤などを含み、粉剤、カプセル、及び錠剤などの経口固形製剤では、適切な担体、賦形剤及び希釈剤は、でんぷん、糖、希釈剤、造粒剤、潤滑剤、バインダー、崩壊剤などを含む。その吸収及び崩壊の主要な体内部位を調節するために、固体の経口用製剤は、更に任意に糖などの物質で被覆することができ、又は経腸的に吸収されるように被覆することができる。非経口投与のための、担体、賦形剤及び希釈剤は、通常、滅菌水を含み、及び溶解性の向上及び組成の保存のための他の成分を加えることができる。注射用懸濁液又は溶液は、水性の担体を、可溶化剤及び保存料のような好適な添加物と共に利用して、調製することができる。
【0082】
式(I)の化合物又はその医薬組成物の治療的有効量としては、1日当たり約1〜約4回のレジメンで、平均的なヒト(70kg)について約0.1mg〜約3000mg、又はその中の任意の特定の量若しくは範囲、詳細には、約1mg〜約1000mg、又はその中の任意の特定の量、若しくは範囲、又はより詳細には、約10mg〜約500mg、又はその中の任意の特定の量若しくは範囲の、有効成分が挙げられるが、式(I)の化合物の治療有効量は、処置される疾患、症候群、状態及び障害に伴って変化することは、当業者には明白である。
【0083】
経口投与については、医薬組成物は、好適には式(I)の化合物を約0.01、約10、約50、約100、約150、約200、約250、及び約500mg含む錠剤として提供される。
【0084】
有利なことに、式(I)の化合物は、1日に1回投与することができ、又は1日当たりの合計投与量を2、3、及び4回に分けて投与することができる。
【0085】
投与する式(I)の化合物の最適な投与量は、容易に決定することができ、用いられる具体的な化合物、投与方法、製剤の強度、及び疾患、症候群、状態、又は障害の進行によって変化する。加えて、患者の性別、年齢、体重、食事及び投与時間などの、処置される具体的な患者に関連する要因に起因し、適切な治療水準並びに所望される治療効果を得るために用量を調整する必要が生じる。上記投与量は、したがって、平均的な場合の代表例である。もちろん、より高いか又はより低い薬量範囲が有効である個別の例が存在し、このようなものも発明の範囲の中に含まれる。
【0086】
式(I)の化合物は、この化合物を必要としている対象のために使用する場合には、上記のいずれかの組成物及び投与レジメンで、又は当技術分野で確立されたそれらの組成物及び投与レジメンで投与され得る。
【0087】
式(I)の化合物は、N型カルシウムチャネル遮断薬として、その疾患、症候群、状態、又は障害がN型カルシウムチャネルの調節により影響を受ける動物、哺乳類及びヒトなどの患者の疾患、症候群、状態、又は障害を処置及び/又は予防するための方法において有用である。このような方法は、治療有効量の式(I)の化合物、塩、又は溶媒和物を、治療有効量の式(I)の化合物、塩、又は溶媒和物を投与する必要のある動物、哺乳動物及びヒトなどの対象に投与することを含み、又は投与することからなり、及び/又は本質的に投与することからなる。特に、式(I)の化合物は、炎症性疼痛又は神経因性疼痛などの疼痛、又はこのような疼痛を生じる疾患、症候群、状態、又は障害の予防又は治療に有用である。
【0088】
一般的な合成方法
本発明の代表的な化合物は、以下に記載し、続くスキーム及び実施例で例示する、一般的な合成法に従って合成することができる。スキームは説明図であるため、本発明はスキームに記載された化学反応及び条件により限定されたものとして解釈されるべきではない。スキーム及び実施例で用いられる様々な出発物質は、市販品として入手可能であるか、又は当業者の技能の範囲内に十分に入る方法によって調製し得るものである。変形物は、本明細書に定義されている通りである。
【0089】
本明細書、特にスキーム及び実施例で用いられる略称は、以下の通りである:
【0090】
【表1】
【0091】
スキームAは、式(I)の可変要素Gの範囲内に当てはまり、本発明の化合物の調製に有用である特定のG3中間体の化合物の合成経路を表す。式中、GはG3であり、WはO、S、S(O)、又はS(O2)である。
【0092】
【化18】
【0093】
式A2の有用な中間体は市販されており、あるいは本明細書に記載の科学文献において既知の方法により調製できる。式A1の化合物に、H2Oなどの求核剤を用い、40〜50℃の温度で、約4日間にわたって過剰な1〜4N水性HClにより、酸又は塩基触媒のいずれかによる二重マイケル付加反応を行い、式中、WがOである式A2の化合物を得ることができる。
【0094】
同様にして、連続的にゆっくりとH2Sをバブリングする還流条件下で、求核剤としてH2Sを使用し、KOHなどの無機塩基の存在下、ピペリジンなどの触媒量の有機アミンを用い、又は用いずに、エタノールなどのプロトン溶媒中で、式中、WがSである式A2の化合物を調製することもできる。当業者であれば、WがSであるとき、硫黄を1当量又は2当量のm−クロロ過安息香酸などの適切な酸化剤により酸化して、それぞれ式中、WがS(O)又はS(O2)である化合物を得ることができることを認識されるであろう。
【0095】
式A2の化合物は、水素化ホウ素ナトリウムなどの一般的な還元剤の存在下で、THFなどの非プロトン性有機溶媒中で、対応するアルコールへと還元して式A3の化合物を得ることができる。式A3の化合物を、ピリジンなどの非求核性第三級アミン塩基の存在下で、開始温度約0℃にて、メタンスルホニルクロリドの作用により、対応するメシラートへと変換して式A4の化合物を得ることができる。
【0096】
スキームBは、式(I)−Bの化合物の合成経路を表し、式中、R1、R2、及び環Aは本明細書に定義される通りのものであり、GBはG1、G2、又はG4である。
【0097】
【化19】
【0098】
式B1及びB2の化合物は市販されており、又は科学的文献において既知の方法で調製することができる。式B1の化合物を縮合させ、続いて温度をおよそ室温から約50〜60℃に加熱しつつ、三塩化リンなどの適切なルイス酸の存在下で、ジクロロメタンなどの有機溶媒中で、式B2の化合物により環化させ、式B3の化合物を精製する。
【0099】
式B4の化合物は市販品として入手可能であり、あるいは科学的文献において既知の方法で調製することもできる。式B3の化合物は、式A4の化合物又は式B4の化合物により処理することができ、式中、GBはG1、G2、又はG4であり、かつLGは、限定するものではないが、臭化物、ヨウ化物、メシラート、又はトシラートなどの好適な脱離基である。この反応を、炭酸セシウムなどの無機塩基の存在下で、トルエンなどの非プロトン性有機溶媒中で、約115℃の温度で実施して、式(I)−Bの化合物を得ることができる。
【0100】
当業者であれば、式(I)−Bの化合物は、更に誘導体化して、本発明の範囲内のものである追加の化合物を得ることができる、特定の置換基を保有し得ることを認識するであろう。例えば、置換基R2がクロロである場合、対応する塩化フェニル又はヘテロアリールクロリドを、シアン化亜鉛などの亜鉛金属、遷移金属触媒、及び好適な配位子の存在下で、一般的な化学を使用して変換して、式中、R2がシアノである式(I)の化合物を得ることができる。あるいは、塩化フェニル又はヘテロアリールクロリドに、好適なアミンの存在下で、ブッフバルト・ハートウィッグアミノ化反応を行い、式中、R2がジ(C1〜4アルキル)アミノである本発明のアリール−又はヘテロアリール−ジアルキルアミンを得ることができる。
【実施例】
【0101】
具体例
(実施例1)
5−(4−クロロフェニル)−1−(2−メトキシフェニル)−3−((2,2,6,6−テトラメチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)オキシ)−1H−ピラゾール(化合物23)
【0102】
【化20】
【0103】
a)N’−(2−メトキシフェニル)アセトヒドラジド,1a
【0104】
【化21】
【0105】
室温の(2−メトキシフェニル)ヒドラジン(7.40g,53.56mmol)の54mLトルエン溶液に、無水酢酸(5.57mL、58.91mmol)をゆっくりと加え、混合物を室温で1時間静置した。形成された沈殿を濾過により回収し、トルエンで洗浄して化合物1aとしてオフホワイトの固体を7.78g(80%)得た。1H NMR(クロロホルム−d)δ:7.48(br.s.,1H),6.77〜6.99(m,4H),6.33(br.s.,1H),3.89及び3.88(回転異性体,s,3H),2.05及び2.15(回転異性体,s,3H)。
【0106】
b)5−(4−クロロフェニル)−1−(2−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3(2H)−オン,1b
【0107】
【化22】
【0108】
10mL DCE中、化合物1a(2.90g、16.09mmol)及びエチル3−(4−クロロフェニル)−3−オキソプロパノエート(3.65g、16.09mmol)の混合物に、三塩化リン(1.41mL、16.09mmol)を滴加した。混合物を50℃に加熱し、全ての固体を溶解させた。50℃で2時間後、混合物を室温に冷却し、沈殿を濾過により回収した。沈殿を水及びEtOAcに分画し、硫酸ナトリウムで有機相を乾燥させ、濾過し、濃縮して、白色固体として2.50g(49%)の化合物1bを得た。1H NMR(DMSO−d6)δ:7.29〜7.42(m,4H),7.15(d,J=8.3Hz,2H),6.95〜7.09(m,2H),5.93(s,1H),3.44(s,3H)。マススペクトル(ESI、m/z):C1613ClN22の理論値301.1(M+H)、実測値301.2。
【0109】
c)2,2,6,6−テトラメチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−オール,1c
【0110】
【化23】
【0111】
14mL THF及び5mLエタノール中2,2,6,6−テトラメチル−ジヒドロ−2H−ピラン−4(3H)−オン(国際出願第2010021680号に従って調製)(2.30g、14.72mmol)に、水素化ホウ素ナトリウム(0.56g、14.72mmol)を加え、混合物を室温で8時間撹拌した。混合物を50mL EtOAcで希釈し、50mL 0.2N HCl及び50mL食塩水で洗浄した。水層をEtOAc(3×50mL)により再抽出し、有機画分を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮して白色固体として2.30g(99%)の化合物1cを得て、これを更なる精製はせずに使用した。1H NMR(クロロホルム−d)δ:4.13(tt,J=11.4,4.3Hz,1H),1.94(dd,J=12.5,4.2Hz,2H),1.28(s,6H),1.27〜1.22(m,8H)。
【0112】
d)2,2,6,6−テトラメチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルメタンスルホン酸,1d
【0113】
【化24】
【0114】
0℃にて、23mL DCM中、化合物1c(1.44g、9.10mmol)及びピリジン(1.90mL、13.65mmol)の混合物に、メタンスルホニルクロリド(0.78mL、10.01mmol)を加え、混合物を室温で1時間撹拌した。混合物を40mL DCMで希釈し、40mL NaHCO3及び40mL食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮して、白色固体として2.10g(97%)の化合物1dを得て、これを更なる精製はせずに使用した。1H NMR(クロロホルム−d)δ:5.05(tt,J=11.4,4.4Hz,1H),2.96(s,3H),2.02(dd,J=12.6,4.5Hz,2H),1.50(t,J=11.9Hz,2H),1.23(s,6H),1.20(s,6H)。
【0115】
e)5−(4−クロロフェニル)−1−(2−メトキシフェニル)−3−((2,2,6,6−テトラメチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)オキシ)−1H−ピラゾール,化合物23
フラスコに化合物1b(0.70g、2.14mmol)、化合物1d(0.61g、2.57mmol)、炭酸セシウム(1.39g、4.28mmol)及びトルエン(7mL)を充填し、115℃で12時間加熱した。反応物をEtOAc(50mL)で希釈し、飽和水性NaHCO3(2×50mL)及び食塩水(100mL)で洗浄し、有機層をNa2SO4で乾燥させて蒸発させた。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(Thomson Scientific 25gカートリッジ、カラムの10倍量の4〜40% EtOAc/ヘプタン)により精製し、白色固体として0.48g(51%)の化合物23を得た。1H NMR(クロロホルム−d)δ:7.44(dd,J=7.7,1.6Hz,1H),7.34(td,J=7.9,1.7Hz,1H),7.20〜7.25(m,2H),7.11〜7.16(m,2H),7.04(td,J=7.7,1.2Hz,1H),6.86(dd,J=8.3,1.0Hz,1H),5.95(s,1H),5.06(tt,J=10.9,4.2Hz,1H),3.46(s,3H),2.22(dd,J=12.7,4.4Hz,2H),1.54(t,J=11.7Hz,2H),1.34(s,6H),1.31(s,6H)。マススペクトル(ESI,m/z):C2529ClN23の理論値441.2(M+H)、実測値441.1。
【0116】
(実施例2)
5−(4−クロロフェニル)−1−(2−メトキシフェニル)−3−[(2,2,6,6−テトラメチルテトラヒドロ−2H−チオピラン−4−イル)オキシ]−1H−ピラゾール(化合物36)
【0117】
【化25】
【0118】
工程(c)において、2,2,6,6−テトラメチル−ジヒドロ−2H−ピラン−4(3H)−オンを2,2,6,6−テトラメチル−ジヒドロ−2H−チオピラン−4(3H)−オン(米国特許第20090105296号に従って調製)に置き換え、実施例1に記載の手順に従って、化合物36を調製した。1H NMR(クロロホルム−d)δ:7.43(dd,J=7.7,1.3Hz,1H),7.31〜7.37(m,1H),7.19〜7.26(m,2H),7.11〜7.16(m,2H),7.04(t,J=7.6Hz,1H),6.86(d,J=8.3Hz,1H),5.95(s,1H),5.02(tt,J=11.2,3.3Hz,1H),3.45(s,3H),2.37(dd,J=12.6,3.3Hz,2H),1.72(t,J=11.9Hz,2H),1.54(s,6H),1.35(s,6H)。マススペクトル(ESI、m/z):C2529ClN22Sの理論値457.2(M+H)、実測値457.2。
【0119】
(実施例3)
5−(4−クロロフェニル)−1−(2−メトキシフェニル)−3−[(2,2,6,6−テトラメチル−1,1−ジオキシドテトラヒドロ−2H−チオピラン−4−イル)オキシ]−1H−ピラゾール(化合物37)
【0120】
【化26】
【0121】
化合物36(50mg、0.11mmol)のDCM(0.5mL)溶液に、mCPBA(77%、47mg、0.21mmol)を加え、混合物を室温で1時間撹拌した。溶液を濃縮し、C18カラムでRP−HPLCにより精製し、0.1% TFA中40〜60% CH3CNの直線勾配により15分間溶出し、凍結乾燥した後、白色固体として38mg(74%)の化合物37を得た。1H NMR(クロロホルム−d)δ:7.32〜7.41(m,2H),7.22(d,J=8.6Hz,2H),7.08〜7.14(m,2H),7.03(t,J=7.4Hz,1H),6.86(d,J=8.2Hz,1H),5.93(s,1H),5.06〜5.16(m,1H),3.47(s,3H),2.24〜2.41(m,4H),1.58(s,6H),1.50(s,6H)。マススペクトル(ESI,m/z):C2529ClN24Sの理論値489.1(M+H)、実測値489.1
【0122】
(実施例4)
(1r,4r)−4−((5−(4−クロロフェニル)−1−(2−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル)オキシ)−2,2,6,6−テトラメチルテトラヒドロ−2H−チオピラン1−オキシドトリフルオロアセテート(化合物38)
【0123】
【化27】
並びに、
(1s,4s)−4−((5−(4−クロロフェニル)−1−(2−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル)オキシ)−2,2,6,6−テトラメチルテトラヒドロ−2H−チオピラン1−オキシドトリフルオロアセテート(化合物39)
【0124】
【化28】
【0125】
1.5当量のmCPBAを使用して、実施例3に記載の手順に従って化合物38及び39を調製し、C18カラムでRP−HPLCにより精製し、0.1% TFA中40〜60% CH3CNの直線勾配で15分間溶出した。溶出した第1の化合物を適宜化合物38(シス)とし、第2の化合物を化合物39(トランス)とした。
【0126】
化合物38:1H NMR(クロロホルム−d)δ:7.39(dd,J=7.8,1.6Hz,1H),7.31〜7.37(m,1H),7.19〜7.23(m,2H),7.08〜7.13(m,2H),7.02(td,J=7.6,1.2Hz,1H),6.85(dd,J=8.2,1.2Hz,1H),5.93(s,1H),4.86〜5.03(m,1H),3.45(s,3H),2.08〜2.14(m,4H),1.43(s,6H),1.42(s,6H)。マススペクトル(ESI,m/z):C2529ClN23Sの理論値473.2(M+H)、実測値473.2。
【0127】
化合物39:1H NMR(クロロホルム−d)δ:7.39(dd,J=7.6,1.8Hz,1H),7.32〜7.37(m,1H),7.19〜7.23(m,2H),7.08〜7.13(m,2H),7.01〜7.06(m,1H),6.86(dd,J=8.2,1.2Hz,1H),5.91(s,1H),4.91〜4.99(m,1H),3.46(s,3H),3.43(dt,J=3.1,1.6Hz,1H),2.40(dd,J=14.5,3.5Hz,4H),1.43(s,6H),1.34(s,6H)。マススペクトル(ESI,m/z):C2529ClN23Sの理論値473.2(M+H)、実測値473.2。
【0128】
(実施例5)
4−{1−(2−メトキシフェニル)−3−[(2,2,6,6−テトラメチルテトラヒドロ−2H−チオピラン−4−イル)オキシ]−1H−ピラゾール−5−イル}ベンゾニトリル(化合物44)
【0129】
【化29】
【0130】
マイクロ波バイアルに化合物36(90.0mg、0.20mmol)、シアン化亜鉛(35.0mg、0.30mmol)、亜鉛(3.8mg、0.06mmol)、Pd(t−Bu32(10.1mg、0.020mmol)、及び0.8mL N,N−ジメチルアセトアミドを装填し、170℃で1時間加熱した。混合物を12gシリカゲルカートリッジ(Thomson Scientific)に直接装填し、カラムの10倍量の3〜40% EtOAc/ヘプタンの直線勾配で溶出し、白色固体として76mg(86%)の化合物44を得た。1H NMR(クロロホルム−d)δ:7.53(d,J=8.6Hz,2H),7.45(dd,J=7.8,1.7Hz,1H),7.35(td,J=7.9,1.7Hz,1H),7.28(d,J=8.6Hz,2H),7.01〜7.10(m,1H),6.84(d,J=7.6Hz,1H),6.00(s,1H),5.01(tt,J=11.2,3.3Hz,1H),3.40(s,3H),2.35(dd,J=12.8,3.3Hz,2H),1.70(t,J=11.9Hz,2H),1.55(s,6H),1.52(s,6H)。マススペクトル(ESI,m/z):C262932Sの理論値448.2(M+H)、実測値448.2。
【0131】
(実施例6)
4−(1−(2−メトキシフェニル)−3−(((1r,4r)−2,2,6,6−テトラメチル−1−オキシドテトラヒドロ−2H−チオピラン−4−イル)オキシ)−1H−ピラゾール−5−イル)ベンゾニトリル(化合物46)
【0132】
【化30】
【0133】
実施例4に記載の手順に従って、化合物44から化合物46を調製した。化合物は純粋であったが配座が不明であり、適宜シスと表記した。1H NMR(クロロホルム−d)δ:7.53(d,J=8.6Hz,2H),7.45(dd,J=7.7,1.6Hz,1H),7.36(td,J=7.9,1.7Hz,1H),7.26〜7.30(m,2H),7.06(td,J=7.6,1.1Hz,1H),6.84(d,J=7.8Hz,1H),6.00(s,1H),4.96(tt,J=11.1,3.9Hz,1H),3.40(s,3H),2.09〜2.17(m,2H),2.01〜2.07(m,2H),1.40(s,6H),1.38(s,6H)。マススペクトル(ESI,m/z):C262933Sの理論値464.2(M+H)、実測値464.2。
【0134】
(実施例7)
4−{1−(2−メトキシフェニル)−3−[(2,2,6,6−テトラメチル−1,1−ジオキシドテトラヒドロ−2H−チオピラン−4−イル)オキシ]−1H−ピラゾール−5−イル}ベンゾニトリル(化合物45)
【0135】
【化31】
【0136】
実施例3に記載の手順に従って、化合物44から化合物45を調製した。1H NMR(クロロホルム−d)δ:7.53(d,J=8.3Hz,2H),7.44(dd,J=7.7,1.6Hz,1H),7.33〜7.40(m,1H),7.28(d,J=8.3Hz,2H),7.07(t,J=7.7Hz,1H),6.85(d,J=8.3Hz,1H),6.00(s,1H),5.15(tt,J=10.2,3.7Hz,1H),3.41(s,3H),2.34〜2.41(m,2H),2.22〜2.32(m,2H),1.59(s,6H),1.50(s,6H)。マススペクトル(ESI,m/z):C262934Sの理論値480.1(M+H)、実測値480.1。
【0137】
(実施例8)
4−{1−(2−メトキシフェニル)−3−[(2,2,6,6−テトラメチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)オキシ]−1H−ピラゾール−5−イル}ベンゾニトリル(化合物43)
【0138】
【化32】
【0139】
実施例5に記載の手順に従って、化合物23から化合物43を調製した。1H NMR(クロロホルム−d)δ:7.53(d,J=8.6Hz,2H),7.46(d,J=6.3Hz,1H),7.35(br.s.,1H),7.25〜7.31(m,2H),7.06(t,J=7.2Hz,1H),6.84(d,J=7.8Hz,1H),6.01(s,1H),5.00〜5.12(m,1H),3.40(s,3H),2.20(dd,J=12.1,2.7Hz,2H),1.51(t,J=11.5Hz,2H),1.32(s,6H),1.29(s,6H)。マススペクトル(ESI,m/z):C262933の理論値432.2(M+H)、実測値432.2。
【0140】
(実施例9)
1−(2−メトキシフェニル)−5−(4−メトキシフェニル)−3−[(2,2,6,6−テトラメチルテトラヒドロ−2H−チオピラン−4−イル)オキシ]−1H−ピラゾール(化合物32)
【0141】
【化33】
【0142】
a)1−(2−メトキシフェニル)−5−(4−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3(2H)−オン,9a
【0143】
【化34】
【0144】
実施例1、工程(b)に記載の手順に従って、エチル3−(4−メトキシフェニル)−3−オキソプロパノエートを置き換え化合物9aを調製した。1H NMR(DMSO−d6)δ:7.35〜7.43(m,1H),7.29(dd,J=7.7,1.6Hz,1H),7.05〜7.11(m,3H),7.00(td,J=7.6,1.0Hz,1H),6.79〜6.84(m,2H),5.85(s,1H),3.70(s,3H),3.49(s,3H)。
【0145】
b)1−(2−メトキシフェニル)−5−(4−メトキシフェニル)−3−[(2,2,6,6−テトラメチルテトラヒドロ−2H−チオピラン−4−イル)オキシ]−1H−ピラゾール,化合物32
実施例1に従って、工程(c)において、2,2,6,6−テトラメチル−ジヒドロ−2H−ピラン−4(3H)−オンを2,2,6,6−テトラメチル−ジヒドロ−2H−チオピラン−4(3H)−オン(米国特許第20090105296号の記載に従って調製)に置き換え、工程(e)において化合物1bを化合物9aに置き換えて、化合物32を調製した。1H NMR(クロロホルム−d)δ:7.35〜7.46(m,1H),7.28〜7.34(m,1H),7.11(d,J=8.6Hz,2H),7.00(t,J=7.6Hz,1H),6.85(d,J=8.3Hz,1H),6.76(d,J=8.8Hz,2H),5.88(s,1H),4.92〜5.02(m,1H),3.77(s,3H),3.46(s,3H),2.36(dd,J=12.7,3.2Hz,2H),1.70(t,J=11.9Hz,2H),1.57(s,6H),1.52(s,6H)。マススペクトル(ESI,m/z):C263223Sの理論値453.2(M+H)、実測値453.3。
【0146】
(実施例10)
1−(2−メトキシフェニル)−5−(4−メトキシフェニル)−3−[(2,2,6,6−テトラメチル−1,1−ジオキシドテトラヒドロ−2H−チオピラン−4−イル)オキシ]−1H−ピラゾール(化合物33)
【0147】
【化35】
【0148】
実施例3に記載の手順に従って、化合物32から化合物33を調製した。1H NMR(クロロホルム−d)δ:7.30〜7.39(m,2H),7.10(d,J=8.8Hz,2H),7.00(t,J=7.7Hz,1H),6.88(d,J=8.6Hz,1H),6.76(d,J=8.8Hz,2H),5.89(s,1H),5.02〜5.12(m,1H),3.77(s,3H),3.50(s,3H),2.23〜2.43(m,4H),1.58(s,6H),1.50(s,6H)。マススペクトル(ESI,m/z):C263225Sの理論値485.2(M+H)、実測値485.2。
【0149】
(実施例11)
(1r,4r)−4−((1−(2−メトキシフェニル)−5−(4−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル)オキシ)−2,2,6,6−テトラメチルテトラヒドロ−2H−チオピラン1−オキシド(化合物34)
【0150】
【化36】
並びに、
(1s,4s)−4−((1−(2−メトキシフェニル)−5−(4−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル)オキシ)−2,2,6,6−テトラメチルテトラヒドロ−2H−チオピラン1−オキシド(化合物35)
【0151】
【化37】
【0152】
実施例4に記載の手順に従って、化合物32から化合物34及び35を調製した。溶出した第1の化合物を適宜化合物34(シス)とし、第2の化合物を化合物35(トランス)とした。
【0153】
化合物34:1H NMR(MeOD)δ:7.42(td,J=7.9,1.7Hz,1H),7.35(dd,J=7.9,1.6Hz,1H),7.10〜7.18(m,2H),7.01〜7.08(m,2H),6.81(d,J=8.8Hz,2H),6.00(s,1H),3.76(s,3H),3.56(s,3H),2.40(dd,J=14.5,3.3Hz,2H),1.84〜1.93(m,2H),1.45(s,6H),1.37(s,6H)。マススペクトル(ESI,m/z):C263224Sの理論値469.2(M+H)、実測値469.2。
【0154】
化合物35:1H NMR(クロロホルム−d)δ:7.38(dd,J=7.7,1.6Hz,1H),7.30〜7.35(m,1H),7.10(d,J=9.0Hz,2H),7.00(d,J=3.2Hz,1H),6.86(s,1H),6.72〜6.78(m,2H),5.88(s,1H),4.90〜4.98(m,1H),3.76(s,3H),3.46(s,3H),2.01〜2.18(m,4H),1.41(s,6H),1.38(s,6H)。マススペクトル(ESI,m/z):C263224Sの理論値469.2(M+H)、実測値469.2。
【0155】
(実施例12)
1−(2−メトキシフェニル)−5−(4−メトキシフェニル)−3−[(2,2,6,6−テトラメチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)オキシ]−1H−ピラゾール(化合物31)
【0156】
【化38】
【0157】
実施例1、工程(e)に記載した手順に従って、化合物1bを化合物9aで置き換えることにより、化合物31を調製した。1H NMR(クロロホルム−d)d:7.39(dd,J=7.8,1.8Hz,1H),7.35(td,J=7.9,1.6Hz,1H),7.11〜7.17(m,2H),7.01(td,J=7.6,1.1Hz,1H),6.88(dd,J=8.3,1.0Hz,1H),6.76〜6.81(m,2H),5.93(s,1H),5.00(tt,J=10.9,4.4Hz,1H),3.78(s,3H),3.53(s,3H),2.22(dd,J=12.9,4.3Hz,2H),1.56(t,J=11.7Hz,2H),1.34(s,6H),1.31(s,6H);.マススペクトル(ESI,m/z):C263224の理論値437.2(M+H)、実測値437.1。
【0158】
(実施例13)
5−(4−クロロフェニル)−1−(2−メトキシフェニル)−3−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルオキシ)−1H−ピラゾール(化合物6)
【0159】
【化39】
【0160】
実施例1の手順に従って、化合物1cを市販のテトラヒドロ−4H−ピラン−4−オールに置き換えて、化合物6を調製した。1H NMR(クロロホルム−d)δ:7.39(dd,J=7.7,1.6Hz,1H),7.28〜7.35(m,1H),7.16〜7.23(m,2H),7.06〜7.15(m,2H),7.01(td,J=7.6,1.3Hz,1H),6.84(dd,J=8.3,1.0Hz,1H),5.95(s,1H),4.85(tt,J=8.2,4.0Hz,1H),3.92〜4.05(m,2H),3.58(ddd,J=11.7,8.8,3.0Hz,2H),3.45(s,3H),2.07〜2.18(m,2H),1.78〜1.95(m,2H)。マススペクトル(ESI,m/z):C2121ClN23の理論値385.1(M+H)、実測値385.1
【0161】
(実施例14)
5−(4−クロロフェニル)−1−(2−メトキシフェニル)−3−(テトラヒドロ−2H−チオピラン−4−イルオキシ)−1H−ピラゾール(化合物7)
【0162】
【化40】
【0163】
実施例1に従って、化合物1cを、テトラヒドロ−4H−チオピラン−4−オールに置き換えて、化合物7を調製した。1H NMR(クロロホルム−d)δ:7.41(dd,J=7.8,1.8Hz,1H),7.32〜7.39(m,1H),7.23(d,J=8.6Hz,2H),7.09〜7.16(m,2H),7.04(td,J=7.6,1.1Hz,1H),6.88(d,J=8.3Hz,1H),5.97(s,1H),5.01(quin,J=4.7Hz,1H),3.74〜3.93(m,3H),3.60〜3.70(m,1H),3.49(s,3H),1.99〜2.12(m,4H)。マススペクトル(ESI,m/z):C2121ClN22Sの理論値401.0(M+H)、実測値401.0
【0164】
(実施例15)
5−(4−クロロフェニル)−3−[(1,1−ジオキシドテトラヒドロ−2H−チオピラン−4−イル)オキシ]−1−(2−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール(化合物10)
【0165】
【化41】
【0166】
室温にて、化合物7(40.0mg、0.10mmol)のDCM(2mL)溶液にmCPBA(60mg、57〜80%)を加え、混合物を1時間撹拌した。反応物をEtOAc(50mL)で希釈し、飽和水性NaHCO3(2×50mL)及び食塩水(100mL)で洗浄し、有機層をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、蒸発させた。粗生成物を、シリカゲルクロマトグラフィー(Thomson Scientific 12gカートリッジ、カラムの10倍量の5〜50% EtOAc/ヘプタン)で精製し、白色固体として50mg(43%)の化合物10を得た。1H NMR(クロロホルム−d)δ:7.31〜7.43(m,2H),7.23(d,J=8.6Hz,2H),7.12(d,J=8.6Hz,2H),7.03(t,J=7.6Hz,1H),6.87(d,J=8.1Hz,1H),5.97(s,1H),4.99〜5.07(m,1H),3.49(s,3H),3.39〜3.47(m,2H),2.92〜3.02(m,2H),2.64(dd,J=14.0,3.4Hz,2H),2.23〜2.46(m,2H)。マススペクトル(ESI,m/z):C2121ClN24Sの理論値433.0(M+H)、実測値433.0。
【0167】
(実施例16)
tert−ブチル4−{[5−(4−クロロフェニル)−1−(2−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル]オキシ}ピペリジン−1−カルボキシラート(化合物41)
【0168】
【化42】
【0169】
実施例1、工程(e)に記載の手順に従って、化合物1dを1−Boc−4−メタンスルホニルオキシピペリジンに置き換えて、化合物41を調製した。1H NMR(クロロホルム−d)δ:7.40(dd,J=7.7,1.6Hz,1H),7.29〜7.35(m,1H),7.16〜7.23(m,2H),7.06〜7.14(m,2H),7.01(td,J=7.6,1.1Hz,1H),6.82〜6.86(m,1H),5.94(s,1H),4.78〜4.87(m,1H),3.75(br.s.,2H),3.46(s,3H),3.25〜3.35(m,2H),2.05(s,2H),1.75〜1.87(m,2H),1.47(s,9H)。マススペクトル(ESI,m/z):C2630ClN34の理論値483.2(M+H)、実測値483.9。
【0170】
(実施例17)
1−アセチル−4−{[5−(4−クロロフェニル)−1−(2−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル]オキシ}ピペリジン(化合物3)
【0171】
【化43】
【0172】
a)4−((5−(4−クロロフェニル)−1−(2−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル)オキシ)ピペリジントリフルオロアセテート,17a
【0173】
【化44】
【0174】
化合物41のDCM(12mL)溶液に4mL TFAを加え、混合物を室温で1時間撹拌した。混合物を濃縮し、残渣をメタノール/水から結晶化して、380mg(83%)の白色固体を得た。1H NMR(クロロホルム−d)d:8.14(br.s.,1H),7.86(br.s.,1H),7.44〜7.52(m,1H),7.25〜7.33(m,3H),7.16(d,J=8.6Hz,2H),6.93〜7.04(m,2H),6.19(s,1H),4.91(br.s.,1H),3.64(s,3H),3.34〜3.58(m,4H),2.22〜2.38(m,4H)。マススペクトル(ESI,m/z):C2122ClN32の理論値384.1(M+H、384.0。
【0175】
b)1−アセチル−4−{[5−(4−クロロフェニル)−1−(2−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル]オキシ}ピペリジン、化合物3
室温にて、化合物17a(30mg、0.06mmol)及びNEt3(0.025mL、0.18mmol)のDCM(0.25mL)溶液に塩化アセチル(0.009mL)を加え、混合物を8時間撹拌した。混合物を濃縮し、残渣をRP−HPLC(C18)で精製し、0.1% TFA/H2O中40〜100% CH3CNの直線勾配で18分間溶出し、白色固体として20mg化合物3を得た。1H NMR(クロロホルム−d)δ:7.38(dd,J=7.7,1.6Hz,1H),7.33(td,J=7.9,1.6Hz,1H),7.19〜7.23(m,2H),7.07〜7.13(m,2H),7.01(td,J=7.6,1.3Hz,1H),6.83〜6.89(m,1H),5.95(s,1H),4.91(tt,J=6.6,3.5Hz,1H),3.61〜3.87(m,3H),3.39〜3.50(m,4H),2.16(s,3H),1.85〜2.09(m,4H)。マススペクトル(ESI,m/z):C2324ClN33の理論値426.1(M+H),426.1。
【0176】
(実施例18)
4−{[5−(4−クロロフェニル)−1−(2−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル]オキシ}−N,N−ジメチルピペリジン−1−カルボキサミド(化合物4)
【0177】
【化45】
【0178】
室温にて、化合物17a(30mg、0.06mmol)及びNEt3(0.025mL、0.18mmol)のDCM(0.25mL)溶液に、N,N−ジメチルカルバモイルクロリド(0.008mL、0.09mmol)を加え、混合物を8時間撹拌した。混合物を濃縮し、残渣をRP−HPLC(C18)で精製し、0.1% TFA/H2O中40〜100% CH3CNの直線勾配で18分間溶出し、白色固体として18mgの化合物4を得た。1H NMR(MeOH)δ:7.40〜7.46(m,1H),7.38(dd,J=7.8,1.5Hz,1H),7.25〜7.29(m,2H),7.18〜7.23(m,2H),7.02〜7.09(m,2H),6.12(s,1H),4.68〜4.75(m,1H),3.59〜3.52(m,3H),3.13〜3.22(m,2H),2.87(s,6H),2.01〜2.14(m,2H),1.73〜1.93(m,J=12.8,8.4,4.1,4.1Hz,2H)。マススペクトル(ESI,m/z):C2427ClN43の理論値455.2(M+H)、実測値455.0。
【0179】
(実施例19)
4−{[5−(4−クロロフェニル)−1−(2−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル]オキシ}−1−(メチルスルホニル)ピペリジン(化合物5)
【0180】
【化46】
【0181】
室温にて、化合物17a(30mg、0.06mmol)及びNEt3(0.025mL、0.18mmol)のDCM(0.25mL)溶液に、メタンスルホニルクロリド(0.006mL、0.08mmol)を加え、混合物を8時間撹拌した。混合物を濃縮し、残渣を、RP−HPLC(C18)で精製し、0.1% TFA/H2O中40〜100% CH3CNの直線勾配で18分間溶出し、白色固体として17mgの化合物5(50%)を得た。1H NMR(クロロホルム−d)δ:7.29〜7.41(m,2H),7.19〜7.24(m,2H),7.06〜7.14(m,2H),7.01(td,J=7.6,1.1Hz,1H),6.86(d,J=8.3Hz,1H),5.96(s,1H),4.83(quin,J=4.5Hz,1H),3.49(s,3H),3.26〜3.45(m,4H),2.80(s,3H),2.03〜2.15(m,4H)。マススペクトル(ESI,m/z):C2224ClN34Sの理論値462.1(M+H)、実測値462.1。
【0182】
(実施例20)
4−{[5−(4−クロロフェニル)−1−(2−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル]オキシ}−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)ピペリジン(化合物8)
【0183】
【化47】
【0184】
化合物17a(100mg、0.07mmol)及びNEt3(0.030mL、0.21mmol)のDCE(0.5mL)溶液に、2,2,2−トリフルオロエチルトリフルオロメタンスルホン酸(16mg、0.07mmol)を加え、混合物を80℃で8時間加熱した。混合物を濃縮し、残渣を、RP−HPLC(C18)で精製し、0.1% TFA/H2O中40〜100% CH3CNの直線勾配で18分間溶出し、白色固体として12mgの化合物8(38%)を得た。1H NMR(MeOH)δ:7.32(t,J=7.8Hz,1H),7.24〜7.28(m,1H),7.14〜7.18(m,2H),7.05〜7.11(m,2H),6.91〜6.97(m,2H),6.02(s,1H),4.60〜4.68(m,1H),3.74(q,J=9.3Hz,2H),3.42(s,3H),3.25〜3.35(m,2H),3.05〜3.14(m,2H),1.97〜2.17(m,4H)。マススペクトル(ESI,m/z):C2323ClF332の理論値466.1(M+H)、実測値466.0。
【0185】
(実施例21)
4−{[5−(4−クロロフェニル)−1−(2−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル]オキシ}−1−(トリフルオロアセチル)ピペリジン(化合物9)
【0186】
【化48】
【0187】
化合物17a(100mg、0.20mmol)及びNEt3(0.100mL、0.72mmol)のDCM(1mL)溶液に、無水トリフルオロ酢酸(0.035mL、0.25mmol)を加え、混合物を室温で1時間撹拌した。混合物を12gシリカゲルカートリッジ(Thomson Scientific)に直接装填し、10倍量の3〜30% EtOAc/ヘプタンで溶出して、白色固体として65mg(67%)の化合物9を得た。1H NMR(クロロホルム−d)δ:7.41(dd,J=7.8,1.8Hz,1H),7.32〜7.39(m,1H),7.23(d,J=8.6Hz,2H),7.09〜7.16(m,2H),7.04(td,J=7.6,1.1Hz,1H),6.88(d,J=8.3Hz,1H),5.97(s,1H),5.01(quin,J=4.7Hz,1H),3.74〜3.93(m,3H),3.60〜3.70(m,1H),3.49(s,3H),1.99〜2.12(m,4H)。マススペクトル(ESI,m/z):C2321ClF333の理論値480.1(M+H)、実測値480.1。
【0188】
(実施例22)
4−{[5−(4−クロロフェニル)−1−(2−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル]オキシ}−1−[(トリフルオロメチル)スルホニル]ピペリジン(化合物14)
【0189】
【化49】
【0190】
化合物17a(250mg、0.50mmol)及びNEt3(0.21mL、1.51mmol)のDCE(5mL)溶液に、N−フェニル−ビス−(トリフルオロメタンスルホンイミド)(0.20g、0.56mmol)を加え、混合物を80℃で1時間撹拌した。反応物をEtOAc(50mL)で希釈し、飽和水性NaHCO3(2×50mL)及び食塩水(100mL)で洗浄し、有機層をNa2SO4で乾燥させて蒸発させた。粗生成物を、シリカゲルクロマトグラフィー(Thomson Scientific 24gカートリッジ、カラムの10倍量の5〜40% EtOAc/ヘプタン)で精製し、白色固体として190mg(39%)の化合物14を得た。1H NMR(クロロホルム−d)δ:7.40(dd,J=7.7,1.6Hz,1H),7.35(d,J=1.5Hz,1H),7.20〜7.25(m,2H),7.10〜7.15(m,2H),7.03(td,J=7.6,1.1Hz,1H),6.85〜6.90(m,1H),5.98(s,1H),4.97(quin,J=4.5Hz,1H),3.56〜3.78(m,4H),3.49(s,3H),2.03〜2.18(m,4H)。マススペクトル(ESI,m/z):C2221ClF334Sの理論値516.1(M+H)、実測値516.0。
【0191】
(実施例23)
4−{[5−(4−クロロフェニル)−1−(2−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル]オキシ}−1−(シクロプロピルスルホニル)ピペリジン(化合物15)
【0192】
【化50】
【0193】
0℃にて、化合物17a(75mg、mmol)及びNEt3(0.063mL、0.45mmol)のDCM(1mL)溶液に、シクロプロピルスルホニルクロリド(0.014mL)を加え、混合物を室温で1時間撹拌した。混合物を濃縮し、残渣をRP−HPLC(C18)で精製し、0.1% TFA/H2O中40〜100% CH3CNの直線勾配で18分間溶出し、白色固体として58mgの化合物15(80%)を得た。1H NMR(クロロホルム−d)δ:7.33〜7.41(m,2H),7.20〜7.25(m,2H),7.13(d,J=8.6Hz,2H),7.02(td,J=7.7,1.3Hz,1H),6.88(d,J=8.1Hz,1H),5.98(s,1H),4.79〜4.86(m,1H),3.49〜3.58(m,5H),3.35〜3.44(m,2H),2.31(tt,J=8.0,4.8Hz,1H),2.04〜2.16(m,4H),1.16〜1.22(m,2H),0.98〜1.04(m,2H)。マススペクトル(ESI,m/z):C2426ClN34Sの理論値488.1(M+H)、実測値488.1。
【0194】
(実施例24)
4−{[5−(4−クロロフェニル)−1−(2−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル]オキシ}−1−[(1−メチルエチル)スルホニル]ピペリジン(化合物21)
【0195】
【化51】
【0196】
0℃にて、化合物17a(0.38g、0.76mmol)及びNEt3(0.43mL、3.05mmol)のDCM(5mL)溶液に、イソプロピルスルホニルクロリド(0.093mL、0.84mmol)を加え、混合物を室温で1時間撹拌した。反応物をEtOAc(50mL)で希釈し、飽和水性NaHCO3(2×50mL)及び食塩水(100mL)で洗浄し、有機層をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、蒸発させた。粗生成物を、シリカゲルクロマトグラフィー(Thomson Scientific 24gカートリッジ、カラムの10倍量の12〜100% EtOAc/ヘプタン)で精製し、白色固体として360mg(91%)の化合物21を得た。1H NMR(クロロホルム−d)δ:7.41(dd,J=7.7,1.6Hz,1H),7.35(td,J=7.9,1.6Hz,1H),7.20〜7.25(m,2H),7.10〜7.15(m,2H),7.03(td,J=7.6,1.3Hz,1H),6.87(dd,J=8.3,1.0Hz,1H),5.96(s,1H),4.90(tt,J=6.4,3.3Hz,1H),3.61(ddd,J=12.6,8.6,3.5Hz,2H),3.49(s,3H),3.38〜3.46(m,2H),3.22(quin,1H),1.96〜2.15(m,4H),1.38(d,J=6.8Hz,6H)。マススペクトル(ESI,m/z):C2428ClN34Sの理論値490.1(M+H)、実測値490.1。
【0197】
(実施例25)
4−({5−(4−クロロフェニル)−1−[2−(1−メチルエトキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−3−イル}オキシ)−1−[(1−メチルエチル)スルホニル]ピペリジン(化合物28)
【0198】
【化52】
【0199】
a)2−(5−(4−クロロフェニル)−3−((1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル)オキシ)−1H−ピラゾール−1−イル)フェノール,25a
【0200】
【化53】
【0201】
−78℃にて、化合物21(0.36g、0.74mmol)のDCM(2mL)溶液に、1M三臭化ホウ素DCM溶液(0.88mL、0.88mmol)を加え、混合物を室温で1時間撹拌した。反応物をEtOAc(50mL)で希釈し、飽和水性NaHCO3(2×50mL)及び食塩水(100mL)で洗浄し、有機層をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、蒸発させた。粗生成物を、シリカゲルクロマトグラフィー(Thomson Scientific 40gカートリッジ、カラムの10倍量の6〜50% EtOAc/ヘプタン)で精製し、白色固体として200mg(57%)の化合物25aを得た。
【0202】
b)4−({5−(4−クロロフェニル)−1−[2−(1−メチルエトキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−3−イル}オキシ)−1−[(1−メチルエチル)スルホニル]ピペリジン,化合物28
室温にて、化合物25a(0.20g、0.42mmol)及びK2CO3(0.12g、0.84mmol)のアセトン(2mL)溶液に、ヨウ化イソプロピル(0.042mL、0.42mmol)を加え、混合物を60℃で8時間撹拌した。反応物をEtOAc(50mL)で希釈し、飽和水性NaHCO3(2×50mL)及び食塩水(100mL)で洗浄し、有機層をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、蒸発させた。粗生成物を、シリカゲルクロマトグラフィー(Thomson Scientific 40gカートリッジ、カラムの10倍量の3〜40% EtOAc/ヘプタン)で精製し、白色固体として110mg(50%)の化合物28を得た。1H NMR(クロロホルム−d)d:7.45(dd,J=7.7,1.6Hz,1H),7.25〜7.32(m,1H),7.16〜7.22(m,2H),7.09〜7.15(m,2H),7.00(td,J=7.6,1.3Hz,1H),6.81(d,J=7.6Hz,1H),5.93(s,1H),4.87(tt,J=6.6,3.3Hz,1H),4.25(spt,J=6.1Hz,1H),3.60(ddd,J=12.5,8.5,3.5Hz,2H),3.35〜3.43(m,2H),3.20(spt,J=6.9Hz,1H),1.94〜2.12(m,4H),1.35(d,J=6.8Hz,6H),0.85〜1.02(m,6H)マススペクトル(ESI,m/z):C2632ClN34Sの理論値518.2(M+H)、実測値518.1。
【0203】
(実施例26)
4−{[5−(4−クロロフェニル)−1−(2−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル]オキシ}シクロヘキサノン(化合物2)
【0204】
【化54】
【0205】
a)3−(1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン−8−イルオキシ)−5−(4−クロロフェニル)−1−(2−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール,26a
【0206】
【化55】
【0207】
工程(c)において2,2,6,6−テトラメチル−ジヒドロ−2H−ピラン−4(3H)−オンを4−ヒドロキシシクロヘキサノンモノエチレンケタールに置き換えて、実施例1に記載の手順に従って化合物26aを調製した。1H NMR(クロロホルム−d)δ:7.40(dd,J=7.7,1.6Hz,1H),7.28〜7.34(m,1H),7.16〜7.21(m,2H),7.05〜7.14(m,2H),7.00(td,J=7.6,1.3Hz,1H),6.79〜6.86(m,1H),5.94(s,1H),4.76(quin,J=5.1Hz,1H),3.91〜4.01(m,4H),3.45(s,3H),1.98〜2.06(m,4H),1.88〜1.97(m,2H),1.64(dt,2H)。
【0208】
b)4−{[5−(4−クロロフェニル)−1−(2−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル]オキシ}シクロヘキサノン,化合物2
室温にて、化合物26a(50mg,mmol)のアセトン(2mL)溶液に6N HClを4滴加え、混合物を室温で1時間撹拌した。反応物をEtOAc(50mL)で希釈し、飽和水性NaHCO3(2×50mL)及び食塩水(100mL)で洗浄し、有機層をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、蒸発させた。粗生成物を、シリカゲルクロマトグラフィー(Thomson Scientific 12gカートリッジ、カラムの10倍量の3〜30% EtOAc/ヘプタン)で精製し、白色固体として28mg(63%)の化合物2を得た。1H NMR(クロロホルム−d)δ:7.40(dd,J=7.8,1.8Hz,1H),7.33(td,J=8.0,1.8Hz,1H),7.17〜7.24(m,2H),7.09〜7.15(m,2H),7.02(td,J=7.6,1.3Hz,1H),6.85(dd,J=8.3,1.3Hz,1H),5.98(s,1H),5.02〜5.11(m,1H),3.47(s,3H),2.66〜2.79(m,2H),2.31〜2.44(m,4H),2.08〜2.19(m,2H)。マススペクトル(ESI,m/z):C2221ClN23の理論値397.1(M+H)、実測値397.0。
【0209】
(実施例27)
4−({5−(4−クロロフェニル)−1−[2−(1−メチルエトキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−3−イル}オキシ)−1−(メチルスルホニル)ピペリジン(化合物20)
【0210】
【化56】
【0211】
実施例25に記載の手順を使用して、実施例19の化合物5から表題化合物を調製した。1H NMR(クロロホルム−d)δ:7.44(dd,J=7.8,1.8Hz,1H),7.29〜7.37(m,1H),7.19〜7.24(m,2H),7.10〜7.16(m,2H),7.00(td,J=7.6,1.3Hz,1H),6.82(d,J=7.6Hz,1H),5.96(s,1H),4.79(quin,J=4.5Hz,1H),4.29(spt,J=6.1Hz,1H),3.31〜3.44(m,4H),2.81(s,3H),2.09(q,4H),0.98(m,6H)。マススペクトル(ESI,m/z):C2428ClN34Sの理論値490.1(M+H)、実測値490.1。
【0212】
(実施例28)
4−{[1−(2−tert−ブトキシフェニル)−5−(4−クロロフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル]オキシ}−1−(メチルスルホニル)ピペリジン(化合物24)
【0213】
【化57】
【0214】
a)2−(5−(4−クロロフェニル)−3−((1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル)オキシ)−1H−ピラゾール−1−イル)フェノール,28a
【0215】
【化58】
【0216】
化合物21のための化合物を実施例19の化合物5に置き換え、実施例25、工程(a)に記載の手順に従って、化合物28aを調製した。
【0217】
b)4−{[1−(2−tert−ブトキシフェニル)−5−(4−クロロフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル]オキシ}−1−(メチルスルホニル)ピペリジン,化合物24
化合物28a(50mg、0.11mmol)のトルエン(0.5mL)溶液に、N,Nジメチルホルムアミドジ−tert−ブチルアセタール(0.5mL、mmol)を加え、混合物を80℃で30分間加熱した。反応物をEtOAc(25mL)で希釈し、飽和水性NaHCO3(2×25mL)及び食塩水(50mL)で洗浄し、有機層をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、蒸発させた。粗生成物を、シリカゲルクロマトグラフィー(Thomson Scientific 12gカートリッジ、カラムの10倍量の5〜40% EtOAc/ヘプタン)で精製し、白色固体として50mg(95%)の表題化合物を得た。1H NMR(クロロホルム−d)δ:7.56(dd,J=7.8,1.8Hz,1H),7.26〜7.31(m,1H),7.16〜7.23(m,3H),7.06〜7.12(m,2H),6.97(dd,J=8.2,1.4Hz,1H),5.95(s,1H),4.87(quin,J=4.6Hz,1H),3.33〜3.45(m,4H),2.82(s,3H),2.10(d,4H),1.03(s,9H)。マススペクトル(ESI,m/z):C2530ClN34Sの理論値504.2(M+H)、実測値504.0。
【0218】
(実施例29)
tert−ブチル4−{[5−(4−クロロフェニル)−1−(2−エチルフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル]オキシ}ピペリジン−1−カルボキシラート(化合物18)
【0219】
【化59】
【0220】
a)N’−(2−エチルフェニル)アセトヒドラジド,29a
【0221】
【化60】
【0222】
(2−メトキシフェニル)ヒドラジンを(2−エチルフェニル)ヒドラジンに置き換え、実施例1、工程(a)の手順に従って、化合物29aを調製した。1H NMR(クロロホルム−d)δ:7.25(br s,0.6H),7.14〜7.23(m,2H),6.85〜7.00(m,2H),6.82(br s 0.4,2H),6.16(br.s.,0.6H),5.85(br s,0.4H),2.46〜2.75(m,2H),2.06〜2.17(m,3H),1.30(t,3H)(回転異性体)。
【0223】
b)5−(4−クロロフェニル)−1−(2−エチルフェニル)−1H−ピラゾール−3(2H)−オン,29b
【0224】
【化61】
【0225】
実施例1、工程(b)に記載した手順に従って、化合物1aを化合物29aで置き換えることにより、化合物29bを調製した。1H NMR(DMSO−d6)δ:7.31〜7.42(m,4H),7.25(td,J=7.3,2.0Hz,1H),7.11〜7.18(m,3H),6.02(s,1H),4.03(q,J=7.1Hz,2H),1.18(t,J=7.2Hz,3H。
【0226】
c)tert−ブチル4−{[5−(4−クロロフェニル)−1−(2−エチルフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル]オキシ}ピペリジン−1−カルボキシラート,化合物18
実施例1工程(e)に記載の手順に従って、化合物29b及び市販1−Boc−4−メタンスルホニルオキシピペリジンから化合物18を調製した。1H NMR(クロロホルム−d)δ:7.29〜7.39(m,2H),7.12〜7.25(m,4H),7.04〜7.10(m,2H),5.99(s,1H),4.85(tt,J=7.7,3.8Hz,1H),3.77(d,J=10.6Hz,2H),3.25〜3.35(m,2H),2.41(q,J=7.4Hz,2H),1.98〜2.09(m,2H),1.73〜1.88(m,2H),1.49(s,10H),1.07(t,3H)。マススペクトル(ESI,m/z):C2732ClN33の理論値481.2(M+H)、実測値481.9。
【0227】
(実施例30)
4−{[5−(4−クロロフェニル)−1−(2−エチルフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル]オキシ}−1−(メチルスルホニル)ピペリジン(化合物19)
【0228】
【化62】
【0229】
a)4−((1−(2−エチルフェニル)−5−(4−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル)オキシ)ピペリジントリフルオロアセテート,30a
【0230】
【化63】
【0231】
室温にて、化合物18(700mg、1.50mmol)のDCM(5mL)溶液に5mL TFAを加え、混合物を1時間撹拌した。混合物を濃縮し、更なる精製はせずに使用した。1H NMR(MeOH)δ:7.41〜7.47(m,1H),7.36〜7.40(m,1H),7.21〜7.33(m,4H),7.15〜7.21(m,2H),6.24(s,1H),4.83〜4.89(m,1H),3.44(ddd,J=12.8,9.0,3.7Hz,2H),3.20〜3.30(m,2H),2.36(q,J=7.6Hz,2H),2.06〜2.30(m,4H),1.02(t,3H)。
【0232】
b)4−{[5−(4−クロロフェニル)−1−(2−エチルフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル]オキシ}−1−(メチルスルホニル)ピペリジン,化合物19
0℃にて、3mL DCM中化合物30a(130mg、0.26mmol)及びNEt3(0.091mL、0.66mmol)に、メタンスルホニルクロリド(0.024mL、0.32mmol)を加え、反応物を室温で2時間撹拌した。混合物を濃縮し、残渣を、RP−HPLC(C18)で精製し、0.1% TFA/H2O中40〜100% CH3CNの直線勾配で18分間溶出し、白色固体として70mg(46%)の化合物19を得た。1H NMR(クロロホルム−d)δ:7.25〜7.31(m,1H),7.21〜7.25(m,1H),7.06〜7.16(m,4H),6.98(d,J=8.6Hz,2H),5.91(s,1H),4.79(quin,J=4.7Hz,1H),3.23〜3.39(m,4H),2.74(s,3H),2.31(q,J=7.6Hz,2H),1.96〜2.05(m,4H),0.97(t,3H)。マススペクトル(ESI,m/z):C2326ClN33Sの理論値460.0(M+H)、実測値460.1。
【0233】
(実施例31)
5−(4−クロロフェニル)−3−(1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカ−8−イルオキシ)−1−(2−エチルフェニル)−1H−ピラゾール(化合物17)
【0234】
【化64】
【0235】
実施例1に記載の手順に従って、実施例29の化合物29bと、市販の4−ヒドロキシシクロヘキサノンモノエチレンケタールから化合物17を調製した。1H NMR(クロロホルム−d)δ:7.29〜7.38(m,2H),7.14〜7.24(m,4H),7.07(d,J=8.6Hz,2H),5.99(s,1H),4.79(quin,J=5.2Hz,1H),3.95〜4.04(m,4H),2.42(q,J=7.6Hz,2H),2.00〜2.07(m,4H),1.90〜1.99(m,2H),1.66(dt,J=12.8,6.1Hz,2H),1.07(t,3H)。マススペクトル(ESI,m/z):C2527ClN23の理論値439.2(M+H)、実測値438.9。
【0236】
(実施例32)
tert−ブチル(cis−4−{[5−(4−クロロフェニル)−1−(2−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル]オキシ}シクロヘキシル)カルバマート(化合物11)
【0237】
【化65】
【0238】
a)(trans−4−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)シクロヘキシル メタンスルホン酸,32a
【0239】
【化66】
【0240】
0℃にて、市販tert−ブチル(trans−4−ヒドロキシシクロヘキシル)カルバマート(1.09g、5.06mmol)及びNEt3(1.06mL、7.59mmol)のDCM(10mL)溶液にメタンスルホニルクロリド(0.46mL、6.07mmol)を加え、反応物を室温で2時間撹拌した。反応物をEtOAc(50mL)で希釈し、飽和水性NaHCO3(2×50mL)及び食塩水(50mL)で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、濾液を減圧下で濃縮して、白色固体として1.40g(94%)の化合物11を得て、更なる精製はせずに次の工程に使用した。
【0241】
b)tert−ブチル(cis−4−{[5−(4−クロロフェニル)−1−(2−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル]オキシ}シクロヘキシル)カルバマート,化合物11
実施例1、工程(e)に記載の手順に従って、化合物32a及び化合物1bから表題化合物11を調製した。1H NMR(クロロホルム−d)δ:7.42(dd,J=7.7,1.6Hz,1H),7.30〜7.36(m,1H),7.19〜7.25(m,2H),7.09〜7.16(m,2H),7.02(td,J=7.6,1.1Hz,1H),6.86(dd,J=8.3,1.0Hz,1H),5.95(s,1H),4.78(br.s.,1H),4.53(br.s.,1H),3.48(s,3H),2.08〜2.17(m,2H),1.61〜1.84(m,6H),1.47(s,9H)。マススペクトル(ESI,m/z):C2732ClN34の理論値498.0(M+H)、実測値498.0。
【0242】
(実施例33)
cis−4−{[5−(4−クロロフェニル)−1−(2−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル]オキシ}シクロヘキサンアミントリフルオロアセテート(化合物12)
【0243】
【化67】
【0244】
室温にて、化合物11(200mg、0.40mmol)のDCM(2mL)溶液に、2mL TFAを加え、混合物を1時間撹拌した。混合物を濃縮し、残渣をRP−HPLC(C18)で精製し、0.1% TFA/H2O中40〜100% CH3CNの直線勾配で18分間溶出し、白色固体として150mg(73%)の化合物12を得た。1H NMR(クロロホルム−d)δ:10.49(br.s.,1H),7.95(br.s.,2H),7.30〜7.41(m,2H),7.19〜7.26(m,2H),7.12(d,J=8.6Hz,2H),7.00(t,J=7.6Hz,1H),6.89(d,J=7.8Hz,1H),5.98(s,1H),4.65(br.s.,1H),3.52(s,3H),3.14(br.s.,1H),2.19(d,J=13.6Hz,2H),1.86(br.s.,4H),1.55(d,2H)。マススペクトル(ESI,m/z)C2224ClN32の理論値398.1(M+H)、実測値398.1。
【0245】
(実施例34)
N−(cis−4−{[5−(4−クロロフェニル)−1−(2−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル]オキシ}シクロヘキシル)−2,2,2−トリフルオロアセトアミド(化合物13)
【0246】
【化68】
【0247】
0℃にて、化合物12(25mg、0.05mmol)及びピリジン(0.012mL、0.147mmol)のDCM(1mL)溶液にトリフルオロメタンスルホン酸無水物(0.010mL、0.063mmol)を加え、反応物を室温で2時間撹拌した反応物をEtOAc(25mL)で希釈し、飽和水性NaHCO3(2×25mL)及び食塩水(25mL)で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して白色固体として22mg(74%)の化合物13を得た。1H NMR(クロロホルム−d)δ:7.33〜7.40(m,2H),7.21〜7.26(m,2H),7.11〜7.15(m,2H),7.02(td,J=7.7,1.3Hz,1H),6.88(d,J=8.3Hz,1H),6.38(d,J=7.1Hz,1H),5.98(s,1H),4.76〜4.81(m,1H),3.91〜4.03(m,1H),3.52(s,3H),2.22(dd,J=12.6,3.3Hz,2H),1.67〜1.90(m,6H)。マススペクトル(ESI,m/z):C2423ClF333の理論値494.0(M+H)、実測値494.0。
【0248】
(実施例35)
5−(4−クロロフェニル)−3−[(4,4−ジフルオロシクロヘキシル)オキシ]−1−(2−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール(化合物16)
【0249】
【化69】
【0250】
化合物2(20mg,0.05mmol)(実施例26)及び0.0006mLエタノール(0.2当量)のDCM(0.5mL)溶液に、ビス(2−メトキシエチル)アミノ硫黄トリフルオリド(0.016mL、0.090mmol)を加え、混合物を室温で一晩撹拌した。これとは別に、ビス(2−メトキシエチル)アミノ硫黄トリフルオリド(0.016mL、0.090mmol)部分を加え、混合物を更に8時間撹拌した。残渣を濃縮し、RP−HPLC(C18)で精製し、0.1% TFA/H2O中40〜100% CH3CNの直線勾配で18分間溶出し、白色固体として16mg(60%)の化合物16を得た。1H NMR(クロロホルム−d)δ:7.24〜7.32(m,2H),7.10〜7.17(m,2H),7.00〜7.07(m,2H),6.93(td,J=7.6,1.3Hz,1H),6.79(d,J=8.3Hz,1H),5.90(s,1H),4.75〜4.83(m,1H),3.43(s,3H),1.79〜2.50(m,8H)。マススペクトル(ESI,m/z):C2221ClF222の理論値419.0(M+H)、実測値419.0。
【0251】
(実施例36)
5−(4−クロロフェニル)−1−(2−メトキシフェニル)−3−[(2,2,4,4−テトラメチルオキセタン−3−イル)メトキシ]−1H−ピラゾール(化合物40)
【0252】
【化70】
【0253】
a)4−ジアゾ−2,2,5,5−テトラメチル−ジヒドロ−フラン−3−オン,36a
【0254】
【化71】
【0255】
2,2,5,5−テトラメチルテトラヒドロフラン−3−オン(0.32mL、2.08mmol、1当量)、2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルホニルアジド(1.79g、5.2mmol、2.5当量)、18−クラウン−6(55mg、0.21mmol、0.1当量)、及び臭化テトラブチルアンモニウム(335mg、1.04mmol、0.5当量)のベンゼン(30mL)溶液に、KOH(30mL 50%水溶液)を加えた。溶液を40℃に加温し、激しく撹拌した。5時間後、反応混合物を冷却し、水で希釈し、エーテルにより抽出した。合わせた有機相をMgSO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。クロマトグラフィー(40g)により精製し、5〜15%EA/ヘプタンにより溶出して、化合物36a(400mg、96%)を得た。1H NMR(クロロホルム−d)δ:1.60(s,6H),1.37(s,6H)。
【0256】
b)2,2,4,4−テトラメチル−オキセタン−3−カルボン酸メチルエステル,36b
【0257】
【化72】
【0258】
アルゴン下、石英フラスコ中で、化合物36a(400mg、2.38mmol)のメタノール(10mL)溶液に一晩紫外線を照射した。この溶液を濃縮して、化合物36b(347mg、85%)を得て、更なる精製はせずに以降の反応に使用した。1H NMR(クロロホルム−d)δ:3.69(s,3H),3.31(s,1H),1.48(s,12H)。
【0259】
c)2,2,4,4−テトラメチル−オキセタン−3−イル)−メタノール,36c
【0260】
【化73】
【0261】
0℃下にて、化合物36b(347mg、2.01mmol、1当量)のTHF(5mL)溶液にLiAlH4(THF中1M溶液1.0mL、1.0mmol、0.5当量)を加え、混合物を室温で8時間撹拌した。この反応物に酒石酸塩(1mL)を加え、次に反応物を20分間撹拌した後、デカントした。続いて、デカントした溶液をDCM及び1 N HClにより洗浄し、有機相をMgSO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して化合物36c(274mg、純度70%、66%)を得た。
【0262】
d)(2,2,4,4−テトラメチルオキセタン−3−イル)メチル4−メチルベンゼンスルホナート,36d
【0263】
【化74】
【0264】
化合物36c(274mg、1.33mmol、1当量)のDCM(5mL)溶液にp−トルエンスルホニルクロリド(507mg、2.66mmol、2当量)及びピリジン(0.27mL、3.32mmol、2.5当量)を加え、反応物を室温で3日間撹拌した。反応混合物に水及び1N HClを加え、次にDCMで抽出した。合わせた有機相をMgSO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。クロマトグラフィー(12g)により精製し、10〜50%EtOAc/ヘプタンにより溶出して、表題化合物36d(139mg、35%)を得た。1H NMR(クロロホルム−d)δ:7.75〜7.84(m,J=7.8Hz,2H),7.31〜7.41(m,J=8.1Hz,2H),4.21(d,J=8.1Hz,2H),2.70(t,J=7.9Hz,1H),2.47(s,3H),1.39(s,6H),1.22(s,6H)。
【0265】
e)5−(4−クロロフェニル)−1−(2−メトキシフェニル)−3−[(2,2,4,4−テトラメチルオキセタン−3−イル)メトキシ]−1H−ピラゾール,化合物40
トルエン(2mL)中化合物1b(50mg、0.17mmol、1当量)懸濁液に化合物36d(60mg、0.2mmol、1.2当量)及びCs2CO3(108mg、0.33mmol、2当量)を加え、懸濁液を一晩125℃に加熱した。続いて水及び1N HClを加え、混合物をDCMにより抽出した。合わせた有機抽出物をMgSO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。クロマトグラフィー(8g)により精製し、20〜40%EtOAc/ヘプタンにより溶出して、表題化合物40を得た。30〜90% ACN/H2Oにより溶出してHPLCにより更なる精製を行い、表題化合物40(25.3mg、34%)を得た。1H NMR(クロロホルム−d)δ:7.42(d,J=7.6Hz,1H),7.29〜7.36(m,1H),7.15〜7.23(m,J=8.1Hz,2H),7.07〜7.14(m,J=8.3Hz,2H),7.02(t,J=7.7Hz,1H),6.85(d,J=8.3Hz,1H),5.94(s,1H),4.42(d,J=7.8Hz,2H),3.47(s,3H),2.88(t,J=7.8Hz,1H),1.48(s,6H),1.38(s,6H)。ESI−MS(m/z):C2427ClN23の理論値427.2(M+1);実測値:427.2。
【0266】
(実施例37)
4−{[5−(4−クロロフェニル)−1−(2−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル]オキシ}−2,2,6,6−テトラメチルシクロヘキサノン(化合物41)
【0267】
【化75】
【0268】
55℃の粉末KOH(232mg、4mmol)のDMSO(0.2mL)懸濁液に化合物2(実施例26、82mg、0.2mmol)及びヨードメタン(0.1mL、1.65mmol)のDMSO(0.2mL)溶液を滴加した。得られた混合物を60分間撹拌し、室温に冷却し、水で希釈した。この水性溶液をEtOAcで抽出した。EtOAc画分を飽和NaClで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濾液を濃縮した。残渣をシリカカラムクロマトグラフィーにより精製し、化合物41を得た。1H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δ ppm 1.18(s,6H),1.23(s,6H),1.96(dd,J=13.4,9.6Hz,2H),2.34(dd,J=13.4,4.8Hz,2H),3.45(s,3H),5.20(dt,J=9.6,4.8Hz,1H),5.87〜6.02(m,1H),6.79〜6.89(m,1H),7.03(t,J=7.2Hz,1H),7.08〜7.16(m,2H),7.16〜7.24(m,2H),7.29〜7.38(m,1H),7.38〜7.46(m,1H)。マススペクトル(ESI,m/z):C2629ClN23の理論値453.2(M+H)、実測値453.2。
【0269】
(実施例38)
4−{[5−(4−クロロフェニル)−1−(2−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル]オキシ}−2,2,6,6−テトラメチルシクロヘキサノール(化合物42)
【0270】
【化76】
【0271】
化合物41(実施例37、10mg、0.02mmol)のMeOH溶液を水素化ホウ素ナトリウム(1mg 0.02mmol)により処理し、混合物を18時間撹拌した。水を数滴加え、反応物をクエンチした。減圧下でMeOHを除去し、残渣を水に取り、EtOAcにより抽出した。EtOAc画分を飽和NaClで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濾液を濃縮した。得られた残渣を分取シリカTLCにより精製し、化合物42を得た。1H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δ ppm 1.03(s,6H),1.04〜1.07(m,6H),1.43(d,J=12.1Hz,2H),2.13(dd,J=12.4,3.0Hz,2H),3.12(br.s.,1H),3.39〜3.48(m,3H),4.77(ddd,J=11.3,7.4,4.3Hz,1H),5.92(s,1H),6.83(d,J=8.3Hz,1H),7.02(t,J=7.6Hz,1H),7.11(d,J=8.3Hz,2H),7.20(d,J=8.1Hz,2H),7.28〜7.35(m,1H),7.42(d,J=7.8Hz,1H)。マススペクトル(ESI,m/z):C2631ClN23の理論値455.2(M+H),実測値455.2。
【0272】
(実施例39)
tert−ブチル3−{[5−(4−クロロフェニル)−1−(2−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル]オキシ}アゼチジン−1−カルボキシラート(化合物22)
【0273】
【化77】
【0274】
a)tert−ブチル3−ヒドロキシアゼチジン−1−カルボキシラート,39a
【0275】
【化78】
【0276】
室温にて、20mL 3−ヒドロキシアゼチジン(5g、68.5mmol)のアセトニトリル溶液にジ−tert−ブチルジカルボネート(11.54g、52.87mmol)及びトリエチルアミン(7.4mL、53.09mmol)を加えた。混合物を室温で18時間撹拌した。減圧下で溶媒を除去し、残渣をヘキサンにより粉砕し、ヘキサンをデカントとした。高真空下で残渣油を乾燥させ、オフホワイトの固体として7.78g(80%)の化合物39aを得た。1H NMR(クロロホルム−d)δ:1.43(s,9H)3.55〜3.60(m,1H)3.75〜3.83(m,2H)4.07〜4.18(m,2H)4.49〜4.63(m,1H)。
【0277】
b)tert−ブチル3−((メチルスルホニル)オキシ)アゼチジン−1−カルボキシラート,39b
【0278】
【化79】
【0279】
10mL DCE中化合物39a(1.0g、5.78mmol)及びトリエチルアミン(1.8mL、12.9mmol)混合物を氷浴中で冷却し、メタンスルホニルクロリド(0.72mL、9.30mmol)により処理した。混合物を撹拌し、4時間にわたって室温に加温した。反応混合物をDCMにより希釈し、続いて水及び飽和NaClにより洗浄した。有機層を分画し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。更なる精製はせずに粗化合物39bを使用した。
【0280】
c)tert−ブチル−3−((5−(4−クロロフェニル)−1−(2−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル)オキシ)アゼチジン−1−カルボキシラート,化合物22
フラスコに化合物1b(0.20g、0,67mmol)、化合物39b(0.18g、0.73mmol)、炭酸セシウム(0.26g、0.8mmol)及びDMF(3mL)を装填し、80℃で6時間、70℃で18時間加熱した。減圧下でDMFを除去し、残渣をEtOAcで希釈し、水及び飽和水性NaClで洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲル分取TLCにより精製し、化合物22を得た。1H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δ ppm 1.45(s,9H),3.44(s,3H),4.02〜4.09(m,2H),4.28(dd,J=9.9,6.6Hz,2H),5.19(ddd,J=6.6,4.2,2.4Hz,1H),5.93(s,1H),6.84(d,J=8.3Hz,1H),6.98〜7.06(m,1H),7.07〜7.14(m,2H),7.17〜7.24(m,2H),7.29〜7.36(m,1H),7.38(dd,J=7.7,1.6Hz,1H)。マススペクトル(ESI,m/z):C2426ClN34の理論値455.2(M+H)、実測値455.2。
【0281】
(実施例40)
4−[(3−{[5−(4−クロロフェニル)−1−(2−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル]オキシ}アゼチジン−1−イル)スルホニル]−3,5−ジメチルイソオキサゾール(化合物30)
【0282】
【化80】
【0283】
a)3−(アゼチジン−3−イルオキシ)−5−(4−クロロフェニル)−1−(2−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール塩酸塩,40a
【0284】
【化81】
【0285】
フラスコに装填した化合物22(実施例39、1g、2.2mmol)をジオキサン(10mL)中4N HClにより処理した。混合物を室温にて5時間撹拌した。減圧下でジオキサンを除去し、トルエンから残留物を2回蒸発させた。得られた油、化合物40aを、更なる精製はせずに使用した。
【0286】
b)4−[(3−{[5−(4−クロロフェニル)−1−(2−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル]オキシ}アゼチジン−1−イル)スルホニル]−3,5−ジメチルイソオキサゾール,40b
フラスコに装填した化合物40a(33mg、0.09mmol)、TEA(0.052mL、0.37mmol)及びTHF(3mL)を3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−スルホニルクロリド(36mg、0.185mmol)により処理した。混合物を室温にて18時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、残渣をEtOAcにより希釈し、続いて10%クエン酸、水、及び飽和NaClにより洗浄した。EtOAc画分を無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濾液を濃縮した。残渣をシリカカラムクロマトグラフィーにより精製し、18.8mg(39%)の化合物40bを得た。1H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δ ppm 2.44(s,3H),2.66(s,3H),3.44(s,3H),3.96(dd,J=9.3,5.1Hz,2H),4.19〜4.28(m,2H),5.16〜5.29(m,1H),5.92(s,1H),6.82〜6.87(m,1H),7.02(td,J=7.6,1.1Hz,1H),7.08(m,2H),7.20(m,2H),7.33〜7.37(m,2H)。マススペクトル(ESI,m/z):C2423ClN45Sの理論値515.1(M+H)、実測値515.1
【0287】
(実施例41)
3−{[5−(4−クロロフェニル)−1−(2−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル]オキシ}−N−メトキシ−N−メチルアゼチジン−1−カルボキサミド(化合物29)
【0288】
【化82】
【0289】
実施例40に変更を加え、化合物40a(33mg、0.09mmol)及びTEA(0.052mL、0.37mmol)を使用し、3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−スルホニルクロリドはメトキシ(メチル)カルバミン酸クロリド(23mg、0.185mmol)に置き換え、表題化合物29を調製した。シリカカラムクロマトグラフィーにより精製して、21.9mgの表題化合物29を得た。1H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δ ppm 3.10(s,3H),3.45(s,3H),3.61(s,3H),4.18〜4.23(m,2H),4.45(dd,J=10.7,5.9Hz,2H),5.25(ddd,J=6.5,4.1,2.5Hz,1H),5.94(s,1H),6.82〜6.87(m,1H),7.00〜7.05(m,1H),7.11(m,2H),7.21(m,2H),7.31〜7.36(m,1H),7.39(dd,J=7.7,1.6Hz,1H)マススペクトル(ESI,m/z):C2223ClN44の理論値443.1(M+H)、実測値443.1。
【0290】
(実施例42)
5−(4−クロロフェニル)−1−(2−メトキシフェニル)−3−{[1−(フェニルカルボニル)アゼチジン−3−イル]オキシ}−1H−ピラゾール(化合物27)
【0291】
【化83】
【0292】
フラスコに装填した化合物40a(20mg、0.05mmol)、TEA(0.035mL、0.25mmol)及びTHF(2mL)を、ベンゾイルクロリド(0.15mmol)により処理した。混合物を室温にて18時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、残渣をEtOAcにより希釈し、続いて飽和水性NaHCO3、1N HCl及び飽和水性NaClにより洗浄した。EtOAc画分を無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濾液を濃縮した。残渣をシリカ分取TLC、続いて逆相HPLCにより精製し、化合物27を得た。1H NMR(400MHz,アセトニトリル−d3)δ ppm 3.36(s,3H),4.04(d,J=8.8Hz,1H),4.27(br.s.,1H),4.33〜4.44(m,1H),4.44〜4.56(m,1H),5.12(tt,J=6.6,4.0Hz,1H),5.96(s,1H),6.88(dd,J=8.5,1.1Hz,1H),6.94(td,J=7.6,1.3Hz,1H),7.08(m,2H),7.18(m,2H),7.24〜7.45(m,5H),7.53〜7.59(m,2H)。マススペクトル(ESI,m/z):C2622ClN33の理論値460.1(M+H)、実測値460.1。
【0293】
(実施例43)
5−(4−クロロフェニル)−1−(2−メトキシフェニル)−3−{[1−(メチルスルホニル)アゼチジン−3−イル]オキシ}−1H−ピラゾール(化合物26)
【0294】
【化84】
【0295】
フラスコに装填した化合物40a(20mg、0.05mmol)、TEA(0.035mL、0.25mmol)及びTHF(2mL)をメタンスルホニルクロリド(0.15mmol)により処理した。混合物を室温にて18時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、残渣をEtOAcで希釈し、続いて飽和水性NaHCO3、1N HCl及び飽和水性NaClで洗浄した。EtOAc画分を無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濾液を濃縮した。得られた残渣をシリカゲル分取TLCにより精製し、化合物26を得た。1H NMR(400MHz,アセトニトリル−d3)δ ppm 2.84(s,3H),3.37(s,3H),3.91(dd,J=10.2,4.7Hz,2H),4.15(dd,J=10.4,6.6Hz,2H),5.04〜5.12(m,1H),5.97(s,1H),6.90(dd,J=8.3,1.3Hz,1H),6.93〜6.99(m,1H),7.09(m,2H),7.19(m,2H),7.25〜7.29(m,1H),7.29〜7.35(m,1H)マススペクトル(ESI,m/z):C2020ClN34Sの理論値434.1(M+H)、実測値434.1。
【0296】
(実施例44)
5−(4−クロロフェニル)−1−(2−メトキシフェニル)−3−({1−[(1−メチルエチル)スルホニル]アゼチジン−3−イル}オキシ)−1H−ピラゾール(化合物25)
【0297】
【化85】
【0298】
フラスコに装填した化合物40a(20mg、0.05mmol)、TEA(0.035mL、0.25mmol)及びTHF(2mL)をイソプロピルスルホニルクロリド(0.15mmol)により処理した。混合物を室温にて18時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、残渣をEtOAcで希釈し、続いて飽和水性NaHCO3、1N HCl及び飽和水性NaClで洗浄した。EtOAc画分を無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濾液を濃縮した。得られた残渣をシリカゲル分取TLCにより精製し、化合物25を得た。1H NMR(400MHz,アセトニトリル−d3)δ ppm 1.20(d,J=6.8Hz,6H),3.09(quin,J=6.8Hz,1H),3.37(s,3H),3.91〜3.98(m,2H),4.13(dd,J=9.9,6.3Hz,2H),5.07(tt,J=6.4,4.7Hz,1H),5.97(s,1H),6.90(dd,J=8.3,1.0Hz,1H),6.93〜6.99(m,1H),7.09(m,2H),7.19(m,2H),7.28(dd,J=7.7,1.6Hz,1H),7.29〜7.36(m,1H)。マススペクトル(ESI,m/z):C2224ClN34Sの理論値462.1(M+H)、実測値462.1。
【0299】
本明細書に記載のスキーム及び特定の実施例に従って、以降に例示する表1の化合物を調製した。
【0300】
【表2-1】
【0301】
【表2-2】
【0302】
【表2-3】
【0303】
【表2-4】
【0304】
【表2-5】
【0305】
【表2-6】
【0306】
生物学的実施例
インビトロアッセイ
(実施例1)
機能アッセイ:N型カルシウムチャネル拮抗作用
N型カルシウムチャネルサブユニットの、サブユニットα1B(Cav2.2)、β3及びα2δを共発現する安定な細胞株(HEK親)を使用した。これらの細胞を通常通りに単層として増殖させた。10% FBS、2mM L−グルタミン、100I.U./mLペニシリン、100μg/mLストレプトマイシン、400μg/mL G418及び200μg/mL Zeocin(分割比=1:5)を加えた、低グルコース含量ダルベッコ改変イーグル培地中で、細胞を、37℃下、5% CO2中で維持した。式(I)の化合物は、入手可能な場合、未希釈化合物から10mM母液としてDSMOで調製した。あるいは、社内で用意した5又は10mM DMSO母液を使用した。
【0307】
KCl脱分極に応答するカルシウム流動は、Hamamatsu社(Bridgewater,NJ U.S.A.)の機能性薬剤スクリーニングシステム(FDSS)を利用し、BDカルシウムアッセイ染料(BD Biosciences,Franklin Lakes,NJ,U.S.A.)の存在下で、カルシウム介在性の蛍光シグナル強度を測定することで評価した。
【0308】
アッセイの24時間前、細胞は、ウェル当たり5,000個の密度で、透明なポリ−D−リジン−コート384ウェルプレート(BD Biosciences)中の培養培地に播種し、5% CO2、37℃にて一晩増殖させた。アッセイ当日、増殖培地を除去し、細胞にはBDカルシウムアッセイ染料(BD Biosciences)により、5% CO2下37℃にて35分間、次に室温で25分間負荷をかけた。FDSSを利用して、様々な濃度の代表的な式(I)の化合物に細胞を暴露し、細胞内カルシウムを測定した5分後、50mM KClを加え、更に3分間測定した。
【0309】
計算及び式
6種類の濃度応答実験から、代表的な式(I)の化合物のIC50値を決定し、最大応答の50%を阻害するのに必要とされる前記化合物濃度を表す。50mM KCl添加により達成された最大蛍光強度(FI)は、FDSSソフトウェアから転送し、更にGraphPad Prism 3.02(Graph Pad Software Inc.,San Diego,CA,U.S.A.)により解析した。データは、各条件50mM KClの存在下、4つずつのウェル由来のカウント数の最大平均、並びに緩衝液の存在下のカウント数の最小平均に対し正規化した。シグモイド様濃度応答又はシグモイド様濃度応答(可変スロープ)のいずれかの非線形回帰曲線に当てはめた分析を使用して、理論曲線を作成し、GraphPad Prismにより求められる最適曲線を用い、IC50値を記録した。得られたデータを表2に示す。
【0310】
【表3】
【0311】
(実施例2)
自動化電気生理アッセイ
細胞を、T175フラスコ内で50%〜90%コンフルエンスまで増殖させた。使用する際、細胞はDetachin(Genlantis、San Diego、CA、USA)により酵素処理し、遠心分離し、すすぎ洗いし、及び25mM HEPES(Sigma−Aldrich、St.Louis、MO、U.S.A.)を加えた293SFM II培地(Life Technologies、Grand Island、NY、U.S.A.)に再懸濁し、濃度を2〜3×106個/mLとした。細胞を、QPatch−HT(Sophion Biosciences、North Brunswick、NJ、U.S.A.)上の自動細胞調製ステーションに加え、続いて穏やかに撹拌しながら10〜30分回復させて、アッセイプロトコルを開始した。自動細胞調製中、細胞を回収し、遠心分離し、及び132mM NaCl、1.8mM CaCl2、5.4mM KCl、0.8mM MgCl2、10mMグルコース、及び10mM HEPES(pH=7.4)を含有させスクロースにより約315m0smに調整した細胞外(EC)溶液に再懸濁した。135mM CsCl、10mM EGTA、4MgATP、0.3 NaGTP、及び20mM HEPES(pH=7.2)を含有させ、脱イオン水及びEC溶液により約290m0smに調整した細胞内溶液により、QPlateを下塗りした。準備したQPlateのウェルに、QPatch−HTのロボット式ピペットにより細胞を加えた。
【0312】
細胞を、安定な全細胞パッチクランプで測定するため、EC溶液を、140mM TEA−Cl、10mM BaCl2、0.8mM MgCl2、10mMグルコース及び10mM HEPES(pH=7.4)を含有するバリウム(Ba)/トリエチルアンモニウム(TEA)溶液で置き換えた。TEA−Cl(90mM)に対し調整して高濃度(40mM)BaCl2をなし、浸透圧モル濃度を維持した。−80mVの静止電位から、脱分極パルス(5Hzで15パルス、+20mV)を30秒おきに8回細胞に与え(計4分)、対照期間中(化合物は非存在)に得られた電流を測定した。それぞれに化合物添加又は非添加対照緩衝液を加えてこのプロトコルを繰り返した(計3期間、それぞれ4回)。初回及び第15回目のパルス(それぞれの薬剤濃度の存在下、各期間最後の試行)で精製された電流を、対照期間中に対応するパルスで精製した電流に対し正規化した(それぞれ低頻度及び高頻度刺激を表す)。それぞれの細胞に関し、第2回及び第3回目の薬剤投与期間の両方から得たデータを解析した。60〜100μM CdCl2を含有するBa/TEA溶液を最後に加えて、全てのN型電流を遮断し、それぞれの細胞の電流を「ゼロ」にした。全ての緩衝剤/化合物添加はQPatch−HTの、各記録期間の開始時に5μLの溶液を3回繰り返して加える「スピッティング」様式により行った。
【0313】
閉塞状態の不活性化を試験するため、細胞に、−80〜+10mVのパルスによりチャネルを50m秒活性化する脱分極工程、続いて10mV幅で−130〜−60mVの範囲の電圧へと5秒間不活性化する工程、次に−80〜+10mVで50m秒間、残存する電流を評価する工程を行った。活性化電圧のパルス由来の電流を、−130mVでの工程による試験パルスのピーク値に対して正規化し、ボルツマン方程式に代入してV1/2を得た。ジメチルスルホキシドで100mM原液としてロスコビチン(Sigma−Aldrich)を調製し、記載の使用濃度に希釈した。酸性水(pH=2.0)で4mM原液としてテトランドリン(Sigma−Aldrich)を調製し、次に外液で使用濃度に希釈した。0.1%ウシ血清アルブミンV(Life Technologies)を添加し、水中0.3mg/mL原液としてω−コノトキシンMVIIA(Sigma−Aldrich)を調製した。最処に式(I)の化合物をジメチルスルホキシドに希釈し、次に水中10%プルロニックF−127(Life Technologies)に希釈し、1分間超音波処理し、EC緩衝液に希釈した。全ての実験において、溶媒対照を平行して測定した。
【0314】
別途記載のない限り、電気生理学的な結果を比較するための統計には、一対比較のためのフィッシャーの最小二乗検定法による一元配置分散分析を使用した。得られたデータを以降の表3及び4に示す。
【0315】
【表4】
【0316】
【表5】
【0317】
インビボアッセイ
(実施例3)
フロイント完全アジュバント(CFA)により引き起こされる痛覚過敏
げっ歯目にフロイント完全アジュバント(CFA)を足底内注射することにより、熱的及び機械的刺激の両方に対する明白な過敏症により特徴づけられる持続的な炎症反応が生じる。この反応のピークは注射後24〜72時間であり、数週間にわたって持続し得る。この試験は、アセトアミノフェン、アスピリン及びイブプロフェンなどのNSAIDS、モルヒネなどのオピオイド、及び特にN型カルシウムチャネル遮断薬ジコノチド(幾種類かの神経因性疼痛を含む、重度の慢性疼痛を管理するための、Prialt(登録商標)として市販)などの数多の有効な臨床薬の鎮痛性、抗アロディニア及び/又は抗痛覚過敏効果を予測している。
【0318】
発症している過敏性を式(I)の試験化合物が逆転させるかを評価するために、スプラーグドーリーラット(一般的に150〜350gのオス)の片側後肢に、100μLのCFA(生理食塩水と、熱殺菌したヒト結核菌を加えた鉱油溶液との、1:1エマルジョンとして懸濁)を注射した。
【0319】
各ラットを試験チャンバ内の温かいガラス表面に置き、約10分間順化させた。次いで、ガラスを通して放射熱刺激(光のビーム)の焦点を各後肢の足底表面に次々に合わせる。足が動かされるか、停止時間(約5アンペアで20秒の放射熱)に達したときに、熱刺激は光電リレーにより自動的に停止された。CFAの注射に先立ち、熱刺激に対する初期(ベースライン)反応潜時が各ラットについて記録された。次に、足底内CFA注射の24時間後に、動物が熱刺激に対して示す反応潜時を再評価して、その動物のベースライン反応時間と比較した。反応潜時の少なくとも25%の減少(すなわち、痛覚過敏症)を示したラットのみを、以降の解析に含めた。CFA投与後の潜伏期評価を行った直後に、試験化合物又は媒質(通常はSolutol、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルβ−シクロデキストリン又はPEG−400)をラットに腹腔内又は経口投与した。化合物処置後の潜時反応からの離脱は、通常、30、60、及び120分の固定された時間間隔で評価した。式(I)の化合物23に関し得られたデータを図1に示す。
【0320】
前述の明細書は、例示を目的として提供される実施例と共に、本発明の原理を教示するが、本発明の実践は、以下の特許請求の範囲及びそれらの等価物の範囲内に含まれる全ての通常の変形、改作及び/又は修正を包含することが理解されるであろう。

本発明は、以下の態様を包含し得る。
[1]
式(I)の化合物、並びにそのエナンチオマー、ジアステレオマー、及び製薬上許容され得る塩
【化86】

(式中、
1は、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ、ジ(C1〜4アルキル)アミノ、クロロ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチル、及びシアノからなる群から選択され、
環Aは、フェニルであるか、又はピリジニル、チエニル、ベンゾフラニル、キノリニル、及びインドリルからなる群から選択されるヘテロアリールであり、
2は、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ、C1〜4アルキルチオ、シアノ、フルオロ、クロロ、ヒドロキシ、及びジ(C1〜4アルキル)アミノからなる群から選択され、
Gは、G1、G2、G3、又はG4であり、
【化87】

Qは、O、S、SO2、N−R4、CH2、CH(R5)、CF2、C(CH32、C(O)、及びスピロ縮合した
【化88】

からなる群から選択され、
Wは、O、S、CH(OH)、C(O)、S(O)、SO2、及びN−R4からなる群から選択され、
3、及びR4は、それぞれ独立して、2,2,2−トリフルオロエチル、ジ(C1〜4アルキル)アミノカルボニル、N−メトキシ−N−メチルアミノカルボニル、フェニルカルボニル、C1〜4アルキルカルボニル、トリフルオロメチルカルボニル、C1〜4アルコキシカルボニル、C1〜4アルキルスルホニル、C3〜7シクロアルキルスルホニル、トリフルオロメチルスルホニル、及び3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イルスルホニルからなる群から選択され、
5は、トリフルオロメチルカルボニルアミノ、アミノ、又はC1〜4アルコキシカルボニルアミノである)。
[2]
1が、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ、クロロ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチル、及びシアノからなる群から選択される、上記[1]に記載の化合物。
[3]
1が、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ、クロロ、及びトリフルオロメチルからなる群から選択される、上記[2]に記載の化合物。
[4]
1が、メチル、エチル、メトキシ、及びイソプロピルオキシからなる群から選択される、上記[3]に記載の化合物。
[5]
環Aがフェニルである、上記[1]に記載の化合物。
[6]
環Aが4位で置換されたフェニルである、上記[5]に記載の化合物。
[7]
2が、C1〜4アルコキシ、シアノ、及びクロロからなる群から選択される、上記[1]に記載の化合物。
[8]
2が、メトキシ、シアノ、及びクロロからなる群から選択される、上記[7]に記載の化合物。
[9]
GがG1、G2、G3、又はG4である、上記[1]に記載の化合物
【化89】

(式中、
Qは、O、S、SO2、N−R4、CH2、CH(R5)、CF2、C(CH32、C(O)、及びスピロ縮合した
【化90】

からなる群から選択され、
Wは、O、S、CH(OH)、C(O)、S(O)、及びSO2からなる群から選択され、
3、及びR4は、それぞれ独立して、2,2,2−トリフルオロエチル、ジ(C1〜4アルキル)アミノカルボニル、N−メトキシ−N−メチルアミノカルボニル、フェニルカルボニル、C1〜4アルキルカルボニル、トリフルオロメチルカルボニル、C1〜4アルコキシカルボニル、C1〜4アルキルスルホニル、C3〜7シクロアルキルスルホニル、トリフルオロメチルスルホニル、及び3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イルスルホニルからなる群から選択され、そして、
5は、トリフルオロメチルカルボニルアミノ又はC1〜4アルコキシカルボニルアミノである)。
[10]
上記[1]に記載される通りの式(I)の化合物であって、
【化91】

式中、
1は、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ、クロロ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチル、及びシアノからなる群から選択され、
環Aは、フェニルであるか、又はピリジニル、チエニル、ベンゾフラニル、キノリニル、及びインドリルからなる群から選択されるヘテロアリールであり、
2は、C1〜4アルコキシ、シアノ、及びクロロからなる群から選択され、
Gは、G1、G2、G3、又はG4であり、
【化92】

Qは、O、S、SO2、N−R4、CH2、CH(R5)、CF2、C(CH32、C(O)、及びスピロ縮合した
【化93】

からなる群から選択され、
Wは、O、S、CH(OH)、C(O)、S(O)、及びSO2からなる群から選択され、
3、及びR4は、それぞれ独立して、2,2,2−トリフルオロエチル、ジ(C1〜4アルキル)アミノカルボニル、N−メトキシ−N−メチルアミノカルボニル、フェニルカルボニル、C1〜4アルキルカルボニル、トリフルオロメチルカルボニル、C1〜4アルコキシカルボニル、C1〜4アルキルスルホニル、C3〜7シクロアルキルスルホニル、トリフルオロメチルスルホニル、及び3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イルスルホニルからなる群から選択され、
5は、トリフルオロメチルカルボニルアミノ又はC1〜4アルコキシカルボニルアミノである、化合物、並びにそのエナンチオマー、ジアステレオマー、製薬上許容され得る塩。
[11]
上記[1]に記載される通りの式(I)の化合物であって、
【化94】

式中、
1は、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ、クロロ、及びトリフルオロメチルからなる群から選択され、
環Aはフェニルであり、
2は、C1〜4アルコキシ、シアノ、及びクロロからなる群から選択され、
Gは、G1、G2、G3、又はG4であり、
【化95】

Qは、O、S、SO2、N−R4、CH2、CH(R5)、CF2、C(CH32、C(O)、及びスピロ縮合した
【化96】

からなる群から選択され、
Wは、O、S、CH(OH)、C(O)、S(O)、及びSO2からなる群から選択され、
3、及びR4は、それぞれ独立して、2,2,2−トリフルオロエチル、ジ(C1〜4アルキル)アミノカルボニル、N−メトキシ−N−メチルアミノカルボニル、フェニルカルボニル、C1〜4アルキルカルボニル、トリフルオロメチルカルボニル、C1〜4アルコキシカルボニル、C1〜4アルキルスルホニル、C3〜7シクロアルキルスルホニル、トリフルオロメチルスルホニル、及び3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イルスルホニルからなる群から選択され、
5は、トリフルオロメチルカルボニルアミノ又はC1〜4アルコキシカルボニルアミノである、
化合物、並びにそのエナンチオマー、ジアステレオマー、及びこれらの製薬上許容され得る塩。
[12]
上記[1]に記載される通りの式(I)の化合物
【化97】

式中、
1は、メチル、エチル、メトキシ、及びイソプロピルオキシからなる群から選択され、
環Aは4位でフェニル置換されており、
2は、メトキシ、シアノ、及びクロロからなる群から選択され、
Gは、G1、G2、G3、又はG4であり、
【化98】

Qは、O、S、SO2、N−R4、CH2、CH(R5)、CF2、C(CH32、C(O)、及びスピロ縮合した
【化99】

からなる群から選択され、
Wは、O、S、CH(OH)、C(O)、S(O)、及びSO2からなる群から選択され、
3、及びR4は、それぞれ独立して、2,2,2−トリフルオロエチル、ジ(C1〜4アルキル)アミノカルボニル、N−メトキシ−N−メチルアミノカルボニル、フェニルカルボニル、C1〜4アルキルカルボニル、トリフルオロメチルカルボニル、C1〜4アルコキシカルボニル、C1〜4アルキルスルホニル、C3〜7シクロアルキルスルホニル、トリフルオロメチルスルホニル、及び3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イルスルホニルからなる群から選択され、
5は、トリフルオロメチルカルボニルアミノ又はC1〜4アルコキシカルボニルアミノである、
化合物、並びにそのエナンチオマー、ジアステレオマー、及び製薬上許容され得る塩。
[13]
上記[1]に記載される通りの式(I)の化合物であって、
【化100】

tert−ブチル4−{[5−(4−クロロフェニル)−1−(2−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル]オキシ}ピペリジン−1−カルボキシラート;
4−{[5−(4−クロロフェニル)−1−(2−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル]オキシ}シクロヘキサノン;
1−アセチル−4−{[5−(4−クロロフェニル)−1−(2−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル]オキシ}ピペリジン;
4−{[5−(4−クロロフェニル)−1−(2−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル]オキシ}−N,N−ジメチルピペリジン−1−カルボキサミド;
4−{[5−(4−クロロフェニル)−1−(2−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル]オキシ}−1−(メチルスルホニル)ピペリジン;
5−(4−クロロフェニル)−1−(2−メトキシフェニル)−3−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルオキシ)−1H−ピラゾール;
5−(4−クロロフェニル)−1−(2−メトキシフェニル)−3−(テトラヒドロ−2H−チオピラン−4−イルオキシ)−1H−ピラゾール;
4−{[5−(4−クロロフェニル)−1−(2−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル]オキシ}−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)ピペリジン;
4−{[5−(4−クロロフェニル)−1−(2−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル]オキシ}−1−(トリフルオロアセチル)ピペリジン;
5−(4−クロロフェニル)−3−[(1,1−ジオキシドテトラヒドロ−2H−チオピラン−4−イル)オキシ]−1−(2−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール;
tert−ブチル(cis−4−{[5−(4−クロロフェニル)−1−(2−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル]オキシ}シクロヘキシル)カルバマート;
cis−4−{[5−(4−クロロフェニル)−1−(2−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル]オキシ}シクロヘキサンアミン;
N−(cis−4−{[5−(4−クロロフェニル)−1−(2−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル]オキシ}シクロヘキシル)−2,2,2−トリフルオロアセトアミド;
4−{[5−(4−クロロフェニル)−1−(2−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル]オキシ}−1−[(トリフルオロメチル)スルホニル]ピペリジン;
4−{[5−(4−クロロフェニル)−1−(2−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル]オキシ}−1−(シクロプロピルスルホニル)ピペリジン;
5−(4−クロロフェニル)−3−[(4,4−ジフルオロシクロヘキシル)オキシ]−1−(2−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール;
5−(4−クロロフェニル)−3−(1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカ−8−イルオキシ)−1−(2−エチルフェニル)−1H−ピラゾール;
tert−ブチル4−{[5−(4−クロロフェニル)−1−(2−エチルフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル]オキシ}ピペリジン−1−カルボキシラート;
4−{[5−(4−クロロフェニル)−1−(2−エチルフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル]オキシ}−1−(メチルスルホニル)ピペリジン;
4−({5−(4−クロロフェニル)−1−[2−(1−メチルエトキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−3−イル}オキシ)−1−(メチルスルホニル)ピペリジン;
4−{[5−(4−クロロフェニル)−1−(2−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル]オキシ}−1−[(1−メチルエチル)スルホニル]ピペリジン;
tert−ブチル3−{[5−(4−クロロフェニル)−1−(2−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル]オキシ}アゼチジン−1−カルボキシラート;
5−(4−クロロフェニル)−1−(2−メトキシフェニル)−3−[(2,2,6,6−テトラメチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)オキシ]−1H−ピラゾール;
4−{[1−(2−tert−ブトキシフェニル)−5−(4−クロロフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル]オキシ}−1−(メチルスルホニル)ピペリジン;
5−(4−クロロフェニル)−1−(2−メトキシフェニル)−3−({1−[(1−メチルエチル)スルホニル]アゼチジン−3−イル}オキシ)−1H−ピラゾール;
5−(4−クロロフェニル)−1−(2−メトキシフェニル)−3−{[1−(メチルスルホニル)アゼチジン−3−イル]オキシ}−1H−ピラゾール;
5−(4−クロロフェニル)−1−(2−メトキシフェニル)−3−{[1−(フェニルカルボニル)アゼチジン−3−イル]オキシ}−1H−ピラゾール;
4−({5−(4−クロロフェニル)−1−[2−(1−メチルエトキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−3−イル}オキシ)−1−[(1−メチルエチル)スルホニル]ピペリジン;
3−{[5−(4−クロロフェニル)−1−(2−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル]オキシ}−N−メトキシ−N−メチルアゼチジン−1−カルボキサミド;
4−[(3−{[5−(4−クロロフェニル)−1−(2−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル]オキシ}アゼチジン−1−イル)スルホニル]−3,5−ジメチルイソオキサゾール;
1−(2−メトキシフェニル)−5−(4−メトキシフェニル)−3−[(2,2,6,6−テトラメチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)オキシ]−1H−ピラゾール;
1−(2−メトキシフェニル)−5−(4−メトキシフェニル)−3−[(2,2,6,6−テトラメチルテトラヒドロ−2H−チオピラン−4−イル)オキシ]−1H−ピラゾール;
1−(2−メトキシフェニル)−5−(4−メトキシフェニル)−3−[(2,2,6,6−テトラメチル−1,1−ジオキシドテトラヒドロ−2H−チオピラン−4−イル)オキシ]−1H−ピラゾール;
1−(2−メトキシフェニル)−5−(4−メトキシフェニル)−3−[(2,2,6,6−テトラメチル−1−オキシドテトラヒドロ−2H−チオピラン−4−イル)オキシ]−1H−ピラゾール;
1−(2−メトキシフェニル)−5−(4−メトキシフェニル)−3−[(2,2,6,6−テトラメチル−1−オキシドテトラヒドロ−2H−チオピラン−4−イル)オキシ]−1H−ピラゾール;
5−(4−クロロフェニル)−1−(2−メトキシフェニル)−3−[(2,2,6,6−テトラメチルテトラヒドロ−2H−チオピラン−4−イル)オキシ]−1H−ピラゾール;
5−(4−クロロフェニル)−1−(2−メトキシフェニル)−3−[(2,2,6,6−テトラメチル−1,1−ジオキシドテトラヒドロ−2H−チオピラン−4−イル)オキシ]−1H−ピラゾール;
5−(4−クロロフェニル)−1−(2−メトキシフェニル)−3−{[(1s)−2,2,6,6−テトラメチル−1−オキシドテトラヒドロ−2H−チオピラン−4−イル]オキシ}−1H−ピラゾール;
5−(4−クロロフェニル)−1−(2−メトキシフェニル)−3−{[(1r)−2,2,6,6−テトラメチル−1−オキシドテトラヒドロ−2H−チオピラン−4−イル]オキシ}−1H−ピラゾール;
5−(4−クロロフェニル)−1−(2−メトキシフェニル)−3−[(2,2,4,4−テトラメチルオキセタン−3−イル)メトキシ]−1H−ピラゾール;
4−{[5−(4−クロロフェニル)−1−(2−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル]オキシ}−2,2,6,6−テトラメチルシクロヘキサノン;
4−{[5−(4−クロロフェニル)−1−(2−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル]オキシ}−2,2,6,6−テトラメチルシクロヘキサノール;
4−{1−(2−メトキシフェニル)−3−[(2,2,6,6−テトラメチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)オキシ]−1H−ピラゾール−5−イル}ベンゾニトリル;
4−{1−(2−メトキシフェニル)−3−[(2,2,6,6−テトラメチルテトラヒドロ−2H−チオピラン−4−イル)オキシ]−1H−ピラゾール−5−イル}ベンゾニトリル;
4−{1−(2−メトキシフェニル)−3−[(2,2,6,6−テトラメチル−1,1−ジオキシドテトラヒドロ−2H−チオピラン−4−イル)オキシ]−1H−ピラゾール−5−イル}ベンゾニトリル;
4−[1−(2−メトキシフェニル)−3−{[(1s)−2,2,6,6−テトラメチル−1−オキシドテトラヒドロ−2H−チオピラン−4−イル]オキシ}−1H−ピラゾール−5−イル]ベンゾニトリル;
からなる群から選択される化合物、及びその製薬学的に許容され得る塩。
[14]
上記[1]又は[13]に記載の化合物と、製薬上許容され得るキャリア、製薬上許容され得る賦形剤、及び製薬上許容され得る希釈剤のうちの少なくとも1つと、を含む、医薬組成物。
[15]
前記組成物が固形経口投与形態である、上記[14]に記載の医薬組成物。
[16]
前記組成物がシロップ、エリキシル剤又は懸濁物である、上記[14]に記載の医薬組成物。
[17]
治療に有効な量の上記[1]又は[13]に記載の化合物を、治療を必要とする患者に投与することを含む、患者の炎症性疼痛の処置方法。
[18]
前記炎症性疼痛が、炎症性腸疾患、過敏性腸症候群、内臓痛、片頭痛、術後疼痛、変形性関節症、リウマチ様関節炎、背部疼痛、腰痛、関節痛、腹痛、胸痛、陣痛、筋骨格系疾患、皮膚疾患、歯痛、発熱、火傷、日焼け、蛇咬傷、毒蛇咬傷、クモ咬症、虫刺され、神経原性/過活動膀胱、間質性膀胱炎、尿路感染、鼻炎、接触皮膚炎/過敏性、掻痒、湿疹、咽頭炎、粘膜炎、腸炎、過敏性腸症候群、胆嚢炎、膵炎、乳房切除後痛症候群、生理痛、子宮内膜症、疼痛、身体外傷に起因する疼痛、頭痛、副鼻腔炎性頭痛、緊張性頭痛、又はくも膜炎に起因するものである、上記[17]に記載の方法。
[19]
治療に有効な量の上記[1]又は[13]に記載の化合物を、治療を必要とする患者に投与することを含む、患者の神経因性疼痛の処置方法。
[20]
前記神経因性疼痛が、癌性疼痛、神経障害、脊椎及び末梢神経手術、脳腫瘍、外傷性脳損傷(TBI)、化学療法により誘発される疼痛、慢性疼痛、根性痛、HIV疼痛、脊髄外傷、慢性疼痛症候群、線維筋痛症、慢性疲労症候群、狼瘡、サルコイドーシス、末梢神経障害、両側末梢神経障害、糖尿病性神経障害、中心性疼痛、脊髄損傷に付随する神経障害、脳卒中、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、パーキンソン病、多発性硬化症、坐骨神経炎、顎関節疼痛、末梢神経炎、多発性神経炎、断端痛、幻肢痛、骨折、口腔神経因性疼痛、シャルコー痛、複合性局所疼痛症候群I及びII(CRPSI/II)、神経根障害、ギラン・バレー症候群、知覚異常性大腿神経痛、口腔内灼熱症候群、視神経炎、発熱後神経炎、遊走性神経炎、分節性神経炎、ゴンボー神経痛(Gombault's neuritis)、ニューロン炎、頸腕神経痛、頭蓋神経痛、膝状節神経痛、舌咽神経痛、群発頭痛、特発性神経痛、肋間神経痛、乳房神経痛、モートン病、鼻毛様体神経痛、後頭部神経痛、帯状疱疹後神経痛、灼熱痛、紅神経痛、スルーダー神経痛、翼口蓋神経痛、眼窩上神経痛、三叉神経痛、外陰部痛、又はヴィディアン神経痛である、上記[19]に記載の方法。

図1