特許第6264570号(P6264570)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6264570-非感光性樹脂組成物 図000012
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6264570
(24)【登録日】2018年1月5日
(45)【発行日】2018年1月24日
(54)【発明の名称】非感光性樹脂組成物
(51)【国際特許分類】
   C08L 33/14 20060101AFI20180115BHJP
   C08F 220/30 20060101ALI20180115BHJP
   C08F 220/32 20060101ALI20180115BHJP
   G02B 1/04 20060101ALI20180115BHJP
【FI】
   C08L33/14
   C08F220/30
   C08F220/32
   G02B1/04
【請求項の数】15
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2014-543213(P2014-543213)
(86)(22)【出願日】2013年10月4日
(86)【国際出願番号】JP2013077149
(87)【国際公開番号】WO2014065100
(87)【国際公開日】20140501
【審査請求日】2016年9月16日
(31)【優先権主張番号】特願2012-233995(P2012-233995)
(32)【優先日】2012年10月23日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000003986
【氏名又は名称】日産化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001999
【氏名又は名称】特許業務法人はなぶさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】坂口 崇洋
(72)【発明者】
【氏名】安達 勲
【審査官】 藤井 勲
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭64−010666(JP,A)
【文献】 特開2006−111802(JP,A)
【文献】 特開2007−033518(JP,A)
【文献】 特開2007−171572(JP,A)
【文献】 特開2008−069205(JP,A)
【文献】 特開2008−165127(JP,A)
【文献】 特開2008−257188(JP,A)
【文献】 特開2009−015245(JP,A)
【文献】 特開2009−020462(JP,A)
【文献】 特開2010−204151(JP,A)
【文献】 特開2011−138116(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/005619(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08L 33/00 − 33/26
C08F 220/00 − 220/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(1)及び式(2)で表される構造単位を有する自己架橋性共重合体、界面活性剤及び溶剤を含有し、キノンジアジド化合物を含有しない、非感光性樹脂組成物。
【化1】
(式中、Rはそれぞれ独立に水素原子又はメチル基を表し、Xは−O−基又は−NH−基を表し、Rは単結合又は炭素原子数1乃至6のアルキレン基を表し、Rは炭素原子数1乃至6のアルキル基を表し、aは1乃至5の整数を表し、bは0乃至4の整数を表し、且つaとbは1≦a+b≦5を満たし、bが2、3又は4を表す場合Rは互いに異なっていてもよく、Rは下記式(I)、式(II)又は式(III)で表される2価の有機基を表し、Rが下記式(I)で表される2価の有機基を表す場合、該式(I)中のカルボニル基は上記式(2)で表される構造単位の主鎖と結合し、Rはエポキシ基を有する有機基を表す。)
【化2】
(式中、cは0乃至3の整数を表し、dは1乃至3の整数を表し、eはそれぞれ独立に2乃至6の整数を表す。)
【請求項2】
前記式(2)で表される構造単位は下記式(2−1)又は式(2−2)で表される構造単位である、請求項1に記載の非感光性樹脂組成物。
【化3】
(式中、R及びRは請求項1に記載の定義と同義である。)
【請求項3】
前記自己架橋性共重合体は、さらに、下記式(3)乃至式(6)で表される構造単位のうち少なくとも1種を有する共重合体である、請求項1又は請求項2に記載の非感光性樹脂組成物。
【化4】
(式中、R及びRは請求項1に記載の定義と同義であり、Yはフェニル基、ビフェニリル基又はナフチル基を表し、該フェニル基、該ビフェニリル基及び該ナフチル基は、水素原子の一部又は全てが炭素原子数1乃至10のアルキル基、炭素原子数1乃至10のアルコキシ基、ヒドロキシ基、シアノ基又はハロゲノ基で置換されていてもよく、Rは炭素原子数1乃至20の直鎖状、分岐鎖状もしくは環状の炭化水素基、フェニル基、ビフェニリル基、ナフチル基、炭素原子数1乃至10のアルコキシ基、フェノキシ基、ビフェノキシ基又はナフトキシ基を表し、Zは炭素原子数1乃至5のアルキル基、炭素原子数5又は6のシクロアルキル基、フェニル基又はベンジル基を表し、Zにおける該アルキル基、該シクロアルキル基、該フェニル基及び該ベンジル基は、水素原子の一部又は全てがハロゲノ基又はヒドロキシ基で置換されていてもよい。)
【請求項4】
前記自己架橋性共重合体の重量平均分子量は1,000乃至100,000である、請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の非感光性樹脂組成物。
【請求項5】
さらに硬化促進剤を含有する、請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の非感光性樹脂組成物。
【請求項6】
さらに紫外線吸収剤、増感剤、可塑剤、酸化防止剤、密着助剤及び消泡剤からなる群から選択される添加剤を含有する、請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の非感光性樹脂組成物。
【請求項7】
保護膜用である請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載の非感光性樹脂組成物。
【請求項8】
平坦化膜用である請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載の非感光性樹脂組成物。
【請求項9】
マイクロレンズ用である請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載の非感光性樹脂組成物。
【請求項10】
請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載の非感光性樹脂組成物から得られる硬化膜。
【請求項11】
請求項に記載の非感光性樹脂組成物から作製される保護膜。
【請求項12】
請求項に記載の非感光性樹脂組成物から作製される平坦化膜。
【請求項13】
請求項に記載の非感光性樹脂組成物から作製されるマイクロレンズ。
【請求項14】
請求項に記載の非感光性樹脂組成物を基材上に塗布しベークして樹脂膜を形成し、前記樹脂膜上にレジストパターンを形成し、加熱処理によって前記レジストパターンをリフローさせてレンズパターンを形成し、前記レンズパターンをマスクとして前記樹脂膜をエッチバックして該レンズパターンの形状を該樹脂膜へ転写する、マイクロレンズの作製方法。
【請求項15】
前記基材はカラーフィルターが形成された基板である、請求項14に記載のマイクロレンズの作製方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非感光性樹脂組成物、及び当該非感光性樹脂組成物より形成される硬化膜、保護膜、平坦化膜及びマイクロレンズに関するものである。本発明の非感光性樹脂組成物は、キノンジアジド化合物などの感光剤を含有しない組成物であり、本発明の非感光性樹脂組成物に含まれる自己架橋性共重合体は、架橋剤を伴わずに共重合体同士が熱架橋し、硬化膜を形成するものである。
【背景技術】
【0002】
液晶ディスプレイ、CCD/CMOSイメージセンサ等の電子デバイスは、その製造工程において、溶剤、又は酸もしくはアルカリ溶液等の薬液に曝される処理や、スパッタリング、ドライエッチング、半田リフロー等の高温に曝される処理が行われる。このような処理によって、素子が劣化もしくは損傷することを防止するために、このような処理に対して耐性を有する硬化膜を保護膜として素子上に形成することが行われている。このような保護膜には、耐薬品性、高透明性、耐熱性等が要求される。
【0003】
カラーフィルターのような凹凸が形成された表面上に前記硬化膜を形成する場合、後に続く工程でのプロセスマージンの確保、デバイス特性の均一性の確保等の観点から、平坦化性の高い硬化膜が必要となる。また、このような硬化膜からマイクロレンズを作製することも行われている。
【0004】
CCD/CMOSイメージセンサ用マイクロレンズの作製方法の1つとして、エッチバック法が知られている(特許文献1及び特許文献2)。すなわち、カラーフィルター上に形成したマイクロレンズ用樹脂層上にレジストパターンを形成し、熱処理によってこのレジストパターンをリフローさせることによりレンズパターンを形成する。このレジストパターンをリフローさせて形成したレンズパターンをエッチングマスクとして下層のマイクロレンズ用樹脂層をエッチバックし、レンズパターン形状をマイクロレンズ用樹脂層に転写することによってマイクロレンズを作製する。
【0005】
例えば特許文献3乃至特許文献5には、マイクロレンズ形成に用いられる樹脂組成物が開示されている。しかしながら、いずれも感光性(感放射線性)樹脂組成物であって、上記のエッチバック法によってマイクロレンズを形成するのに好適な材料とはいえない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平1−10666号公報
【特許文献2】特開平6−112459号公報
【特許文献3】特開2006−251464号公報
【特許文献4】特開2007−033518号公報
【特許文献5】特開2007−171572号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、前記の事情に基づいてなされたものであり、その目的は、優れた耐薬品性、耐熱性、透明性及び平坦化性を有する硬化膜を形成できる樹脂組成物を提供することである。また、本発明の他の目的は、優れた耐薬品性、耐熱性及び透明性を有するマイクロレンズを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、前記の課題を解決するべく鋭意検討を行った結果、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、下記式(1)及び式(2)で表される構造単位を有する自己架橋性共重合体、及び溶剤を含有する非感光性樹脂組成物である。
【化1】
(式中、Rはそれぞれ独立に水素原子又はメチル基を表し、Xは−O−基又は−NH−基を表し、Rは単結合又は炭素原子数1乃至6のアルキレン基を表し、Rは炭素原子数1乃至6のアルキル基を表し、aは1乃至5の整数を表し、bは0乃至4の整数を表し、且つaとbは1≦a+b≦5を満たし、bが2、3又は4を表す場合Rは互いに異なっていてもよく、Rは下記式(I)、式(II)又は式(III)で表される2価の有機基を表し、Rが下記式(I)で表される2価の有機基を表す場合、該式(I)中のカルボニル基は上記式(2)で表される構造単位の主鎖と結合し、Rはエポキシ基を有する有機基を表す。)
【化2】
(式中、cは0乃至3の整数を表し、dは1乃至3の整数を表し、eはそれぞれ独立に2乃至6の整数を表す。)
【0009】
前記式(2)で表される構造単位は、例えば下記式(2−1)又は式(2−2)で表される構造単位である。
【化3】
(式中、Rはそれぞれ独立に水素原子又はメチル基を表し、Rは前記式(I)、式(II)又は式(III)で表される2価の有機基を表す。)
【0010】
前記自己架橋性共重合体は、さらに、下記式(3)乃至式(6)で表される構造単位のうち少なくとも1種を有する共重合体である。
【化4】
(式中、Rはそれぞれ独立に水素原子又はメチル基を表し、Rは単結合又は炭素原子数1乃至6のアルキレン基を表し、Yはフェニル基、ビフェニリル基又はナフチル基を表し、該フェニル基、該ビフェニリル基及び該ナフチル基は、水素原子の一部又は全てが炭素原子数1乃至10のアルキル基、炭素原子数1乃至10のアルコキシ基、ヒドロキシ基、シアノ基又はハロゲノ基で置換されていてもよく、Rは炭素原子数1乃至20の直鎖状、分岐鎖状もしくは環状の炭化水素基、フェニル基、ビフェニリル基、ナフチル基、炭素原子数1乃至10のアルコキシ基、フェノキシ基、ビフェノキシ基又はナフトキシ基を表し、Zは炭素原子数1乃至5のアルキル基、炭素原子数5又は6のシクロアルキル基、フェニル基又はベンジル基を表し、Zにおける該アルキル基、該シクロアルキル基、該フェニル基及び該ベンジル基は、水素原子の一部又は全てがハロゲノ基又はヒドロキシ基で置換されていてもよい。)
【0011】
本発明の非感光性樹脂組成物は、例えば保護膜用樹脂組成物、平坦化膜用樹脂組成物又はマイクロレンズ用樹脂組成物である。本発明はまた、前記非感光性樹脂組成物から得られる硬化膜である。さらに本発明は、前記非感光性樹脂組成物から作製される保護膜、平坦化膜又はマイクロレンズである。当該マイクロレンズは、前記のエッチバック法によって作製される。すなわち、前記非感光性樹脂組成物を基材上に塗布しベークして樹脂膜を形成し、前記樹脂膜上にレジストパターンを形成し、加熱処理によって前記レジストパターンをリフローさせてレンズパターンを形成し、前記レンズパターンをマスクとして前記樹脂膜をエッチバックして該レンズパターンの形状を該樹脂膜へ転写することによって、マイクロレンズは作製される。
【発明の効果】
【0012】
本発明の非感光性樹脂組成物は、その成分として自己架橋性共重合体を採用しており、熱硬化性を有し、そして加熱処理により優れた耐薬品性、耐熱性、透明性及び平坦化性を有する硬化膜を形成できる。そのため本発明の非感光性樹脂組成物から形成される硬化膜は、その形成工程、又は半導体素子等の材料として用いた場合における配線等の周辺装置の形成工程において、溶剤、又は酸もしくはアルカリ溶液等の薬液に曝される処理や、スパッタリング、ドライエッチング、半田リフロー等の高温に曝される処理が行われる場合に、硬化膜や素子が劣化もしくは損傷する可能性、例えば着色や変形などを著しく減少できる。
また、本発明の非感光性樹脂組成物から保護膜、平坦化膜又はマイクロレンズを形成し、その上にレジストを塗布する場合、及び電極/配線形成工程を行う場合には、レジストとのミキシングの問題、及び薬液による保護膜、平坦化膜又はマイクロレンズの変形及び剥離といった問題も著しく減少できる。
したがって、本発明の非感光性樹脂組成物は、保護膜、平坦化膜及びマイクロレンズを形成する材料として好適である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、段差基板上に本発明の非感光性樹脂組成物を塗布し、ベークして形成される硬化膜を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明は、自己架橋性共重合体と溶剤を含有する非感光性樹脂組成物である。以下、各成分の詳細を説明する。本発明の非感光性樹脂組成物から溶剤を除いた固形分は通常、1質量%乃至50質量%である。
【0015】
<共重合体>
本発明の非感光性樹脂組成物に含まれる自己架橋性共重合体は、前記式(1)及び式(2)で表される構造単位を有する共重合体である。
【0016】
前記式(1)で表される構造単位を形成する化合物(モノマー)の具体例としては、2−ヒドロキシフェニル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシフェニル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシフェニル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシベンジル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシフェネチル(メタ)アクリレート、3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル(メタ)アクリレート、3,5−ジメチル−4−ヒドロキシベンジル(メタ)アクリレート、3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェネチル(メタ)アクリレート、N−(2−ヒドロキシフェニル)(メタ)アクリルアミド、N−(3−ヒドロキシフェニル)(メタ)アクリルアミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)(メタ)アクリルアミド、N−(4−ヒドロキシベンジル)(メタ)アクリルアミド、N−(4−ヒドロキシフェネチル)(メタ)アクリルアミド、N−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)(メタ)アクリルアミド、N−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシベンジル)(メタ)アクリルアミド、N−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェネチル)(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。なお、これらの化合物は単独で使用しても、2種以上を組み合わせて使用しても良い。なお、本明細書において、(メタ)アクリレートはメタクリレート及びアクリレートを意味し、(メタ)アクリルアミドはメタクリルアミド及びアクリルアミドを意味する。
【0017】
前記式(2)で表される構造単位を形成する化合物(モノマー)の具体例としては、下記式(2−3)乃至式(2−18)で表されるモノマーが挙げられる。なお、これらのモノマーは単独で使用しても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【化5】
【0018】
本発明の非感光性樹脂組成物に含まれる共重合体は、前記式(1)及び式(2)で表される構造単位に加えて、さらに前記式(3)乃至式(6)で表される構造単位のうち少なくとも1種を含有することができる。前記式(3)乃至式(6)で表される構造単位の含有量を調節することで、硬化膜の光学特性、ドライエッチングレート、熱特性、及び段差平坦化性をより広範囲に調節することが可能となる。
【0019】
前記式(3)で表される構造単位を形成する化合物(モノマー)の具体例としては、スチレン、α−メチルスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、4−tert−ブチルスチレン、4−メトキシスチレン、4−ヒドロキシスチレン、4−シアノスチレン、4−フルオロスチレン、4−クロロスチレン、4−ブロモスチレン、4−ビニルビフェニル、1−ビニルナフタレン及び2−ビニルナフタレンが挙げられる。これらの化合物は単独で使用しても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0020】
前記式(4)で表される構造単位を形成する化合物(モノマー)の具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、2−アダマンチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェネチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、2−ビフェノキシエチル(メタ)アクリレート、及び2−ナフトキシエチル(メタ)アクリレートが挙げられる。これらの化合物は単独で使用しても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0021】
前記式(5)で表される構造単位を形成する化合物(モノマー)の具体例としては、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−ベンジルマレイミド、及びN−(2,4,6−トリクロロフェニル)マレイミドが挙げられる。これらの化合物は単独で使用しても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0022】
前記式(1)及び式(2)で表される構造単位を有する共重合体において、前記式(1)で表される構造単位及び前記式(2)で表される構造単位の和100mol%に対し、前記式(1)で表される構造単位の含有率は5mol%乃至95mol%であり、好ましくは10mol%乃至90mol%、前記式(2)で表される構造単位の含有率は5mol%乃至95mol%であり、好ましくは10mol%乃至90mol%である。
【0023】
前記式(1)及び式(2)に加えて、式(3)乃至式(6)で表される構造単位のうち少なくとも1種を有する共重合体において、前記式(1)で表される構造単位、前記式(2)で表される構造単位、及び前記式(3)乃至式(6)で表される構造単位のうち少なくとも1種の和100mol%に対し、前記式(1)で表される構造単位の含有率は5mol%乃至90mol%であり、好ましくは10mol%乃至80mol%、前記式(2)で表される構造単位の含有率は5mol%乃至90mol%であり、好ましくは10mol%乃至80mol%、前記式(3)乃至式(6)で表される構造単位のうち少なくとも1種の含有率(2種以上有する場合はそれらの含有率の和)は5mol%乃至90mol%であり、好ましくは10mol%乃至80mol%である。
【0024】
前記共重合体の重量平均分子量は通常、1,000乃至100,000であり、好ましくは3,000乃至50,000である。なお、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、標準試料としてポリスチレンを用いて得られる値である。
【0025】
また、本発明の非感光性樹脂組成物における前記自己架橋性共重合体の含有量は、当該樹脂組成物の固形分中の含有量に基づいて例えば、1質量%乃至99質量%であり、若しくは5質量%乃至95質量%、又は50質量%乃至100質量%である。
【0026】
本発明において、前記自己架橋性共重合体を得る方法は特に限定されないが、一般的には、前記式(1)及び式(2)で表される構造単位を形成する化合物(モノマー)、又は前記化合物(モノマー)及び式(3)乃至式(6)で表される構造単位のうち少なくとも1種を形成する化合物(モノマー)を、重合開始剤存在下の溶剤中において、通常50℃乃至120℃の温度下で重合反応させることにより得られる。このようにして得られる共重合体は、通常、溶剤に溶解した溶液状態であり、この状態で単離することなく、本発明の非感光性樹脂組成物に用いることもできる。
【0027】
また、上記のようにして得られた自己架橋性共重合体の溶液を、攪拌させたヘキサン、ジエチルエーテル、メタノール、水等の貧溶媒に投入して当該共重合体を再沈殿させ、生成した沈殿物をろ過・洗浄後、常圧又は減圧下で常温乾燥又は加熱乾燥することで、当該共重合体を粉体とすることができる。このような操作により、前記自己架橋性共重合体と共存する重合開始剤や未反応化合物を除去することができる。本発明においては、前記自己架橋性共重合体の粉体をそのまま用いてもよく、あるいはその粉体を、例えば後述する溶剤に再溶解して溶液の状態として用いてもよい。
【0028】
本発明の非感光性樹脂組成物の調製方法は、特に限定されないが、例えば、前記式(1)及び式(2)で表される構造単位を有する共重合体、又は前記式(1)及び式(2)で表される構造単位並びに式(3)乃至式(6)で表される構造単位のうち少なくとも1種を有する共重合体を溶剤に溶解し、均一な溶液とする方法が挙げられる。さらに、この調製方法の適当な段階において、必要に応じて、その他の添加剤を更に添加して混合する方法が挙げられる。
【0029】
前記溶剤としては、共重合体を溶解するものであれば特に限定されない。そのような溶剤としては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、ピルビン酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、2−ヘプタノン、γ−ブチロラクトンを挙げることができる。これらの溶剤は、単独で使用しても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0030】
これらの溶剤の中でも、本発明の非感光性樹脂組成物を基板上に塗布して形成される塗膜のレベリング性の向上の観点から、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、2−ヘプタノン、γ−ブチロラクトン、乳酸エチル、乳酸ブチル、シクロペンタノン及びシクロヘキサノンが好ましい。
【0031】
また、本発明の非感光性樹脂組成物は、硬化性を向上させる目的で、硬化促進剤を含有することもできる。
当該硬化促進剤としては、例えば、トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリス(4−メチルフェニル)ホスフィン、トリス(4−ノニルフェニル)ホスフィン、トリス(4−メトキシフェニル)ホスフィン、トリス(2,6−ジメトキシフェニル)ホスフィン、トリフェニルホスフィントリフェニルボラン等のホスフィン類、テトラフェニルホスホニウムクロリド、テトラフェニルホスホニウムブロミド、ベンジルトリフェニルホスホニウムクロリド、ベンジルトリフェニルホスホニウムブロミド、エチルトリフェニルホスホニウムクロリド、エチルトリフェニルホスホニウムブロミド、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、テトラフェニルホスホニウムテトラ(4−メチルフェニル)ボレート、テトラフェニルホスホニウムテトラ(4−メトキシフェニル)ボレート、テトラフェニルホスホニウムテトラ(4−フルオロフェニル)ボレート等の4級ホスホニウム塩類、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール類、2−エチル−4−メチルイミダゾールテトラフェニルボレート等のイミダゾリウム塩類、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン等のジアザビシクロアルケン類、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセンのギ酸塩、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセンの2−エチルヘキサン酸塩等のジアザビシクロアルケンの有機酸塩類、テトラエチルアンモニウムクロリド、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド、ベンジルトリメチルアンモニウムブロミド、ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド、ベンジルトリエチルアンモニウムブロミド、ベンジルトリプロピルアンモニウムクロリド、ベンジルトリプロピルアンモニウムブロミド、テトラメチルアンモニウムクロリド、テトラエチルアンモニウムブロミド、テトラプロピルアンモニウムクロリド、テトラプロピルアンモニウムブロミド等の4級アンモニウム塩類を挙げることができる。これらの硬化促進剤は、単独で使用しても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0032】
前記硬化促進剤が使用される場合、本発明の非感光性樹脂組成物における含有量は、当該非感光性樹脂組成物の固形分中の含有量に基づいて、0.001質量%乃至10質量%であり、好ましくは0.01質量%乃至5質量%であり、より好ましくは0.1質量%乃至2質量%である。
【0033】
また、本発明の非感光性樹脂組成物は、塗布性を向上させる目的で、界面活性剤を含有することもできる。
当該界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリオレエート、ソルビタントリステアレート等のソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類等のノニオン系界面活性剤、エフトップ〔登録商標〕EF301、同EF303、同EF352(以上、三菱マテリアル電子化成(株)製)、メガファック〔登録商標〕F−171、同F−173、同R−30(以上、DIC(株)製)、フロラードFC430、同FC431(以上、住友スリーエム(株)製)、アサヒガード〔登録商標〕AG710、サーフロン〔登録商標〕S−382、同SC101、同SC102、同SC103、同SC104、同SC105、同SC106(旭硝子(株)製)、FTX−206D、FTX−212D、FTX−218、FTX−220D、FTX−230D、FTX−240D、FTX−212P、FTX−220P、FTX−228P、FTX−240G等のフタージェントシリーズ((株)ネオス製)等のフッ素系界面活性剤、オルガノシロキサンポリマーKP341(信越化学工業(株)製)を挙げることができる。これらの界面活性剤は、単独で使用しても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0034】
また、前記界面活性剤が使用される場合、本発明の非感光性樹脂組成物における含有量は、当該非感光性樹脂組成物の固形分中の含有量に基づいて、0.0001質量%乃至3質量%であり、好ましくは0.001質量%乃至1質量%であり、より好ましくは0.01質量%乃至0.5質量%である。
【0035】
本発明の非感光性樹脂組成物は、当該組成物に含まれる共重合体が自己架橋タイプであるため必ずしも架橋剤が添加される必要はないが、本発明の効果を損なわない限りにおいて、必要に応じて、架橋剤を含むことができる。また、本発明の非感光性樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない限りにおいて、必要に応じて、紫外線吸収剤、増感剤、可塑剤、酸化防止剤、密着助剤、消泡剤等の添加剤を含むことができる。
【0036】
<硬化膜、保護膜及び平坦化膜の作製方法>
本発明の非感光性樹脂組成物を用いた硬化膜、保護膜及び平坦化膜の作製方法について説明する。基材(例えば、半導体基板、ガラス基板、石英基板、シリコンウエハー及びこれらの表面に各種金属膜又はカラーフィルター等が形成された基板)上に、スピナー、コーター等の適当な塗布方法により本発明の非感光性樹脂組成物を塗布後、ホットプレートやオーブン等の加熱手段を用いてベークして硬化させて硬化膜、保護膜、又は平坦化膜を作製する。
ベーク条件は、ベーク温度80℃乃至300℃、ベーク時間0.3分乃至60分間の中から適宜選択される。ベークは2ステップ以上処理してもよい。
また、本発明の非感光性樹脂組成物から形成される膜の膜厚としては、例えば0.001μm乃至100μmであり、好ましくは0.01μm乃至10μmである。
【0037】
<マイクロレンズの作製方法>
本発明の非感光性樹脂組成物を用いたマイクロレンズの作製方法について説明する。基材(例えば、半導体基板、ガラス基板、石英基板、シリコンウエハー及びこれらの表面に各種金属膜又はカラーフィルター等が形成された基板)上に、スピナー、コーター等の適当な塗布方法により本発明の非感光性樹脂組成物を塗布後、ホットプレート、オーブン等の加熱手段を用いてベークして硬化させて樹脂膜を作製する。
ベーク条件は、ベーク温度80℃乃至300℃、ベーク時間0.3分乃至60分間の中から適宜選択される。ベークは2ステップ以上処理してもよい。
また、本発明の非感光性樹脂組成物から形成される膜の膜厚としては、例えば0.01μm乃至100μmであり、好ましくは0.1μm乃至10μmである。
その後、作製された樹脂膜の上にレジストを塗布し、所定のマスクを通して露光し、必要に応じて露光後加熱(PEB)を行い、アルカリ現像、リンス、乾燥することにより、所定のレジストパターンを形成する。露光には、例えば、g線、I線、KrFエキシマレーザー、ArFエキシマレーザーを使用することができる。
次いで、加熱処理することにより、前記レジストパターンをリフローしてレンズパターンを形成する。このレンズパターンをエッチングマスクとして下層の樹脂膜をエッチバックして、当該レンズパターンの形状をマイクロレンズ用樹脂膜に転写することによってマイクロレンズを作製する。
【実施例】
【0038】
以下に実施例及び比較例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものでない。
〔下記合成例で得られた共重合体の重量平均分子量の測定〕
装置:日本分光(株)製GPCシステム
カラム:Shodex〔登録商標〕KF−804L及び803L
カラムオーブン:40℃
流量:1mL/分
溶離液:テトラヒドロフラン
【0039】
[自己架橋性共重合体の合成]
<合成例1>
4−ヒドロキシフェニルメタクリレート10.0g、前記式(2−7)で表されるモノマー8.0g、及び2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.90gをプロピレングリコールモノメチルエーテル35.1gに溶解させた後、この溶液を、プロピレングリコールモノメチルエーテル21.6gを70℃に保持したフラスコ中に4時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに18時間反応させて、共重合体の溶液(固形分濃度25質量%)を得た。得られた共重合体の重量平均分子量Mwは21,000(ポリスチレン換算)であった。
【0040】
<合成例2>
4−ヒドロキシフェニルメタクリレート5.2g、前記式(2−7)で表されるモノマー4.2g、スチレン9.1g及び2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.92gをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート36.0gに溶解させた後、この溶液を、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート22.2gを70℃に保持したフラスコ中に4時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに18時間反応させて、共重合体の溶液(固形分濃度25質量%)を得た。得られた共重合体の重量平均分子量Mwは22,000(ポリスチレン換算)であった。
【0041】
<合成例3>
4−ヒドロキシフェニルメタクリレート5.0g、前記式(2−7)で表されるモノマー5.0g、2−ビニルナフタレン11.9g及び2,2’−アゾビスイソブチロニトリル1.1gをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート34.5gに溶解させた後、この溶液を、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート19.2gを70℃に保持したフラスコ中に4時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに18時間反応させて、共重合体の溶液(固形分濃度30.2質量%)を得た。得られた共重合体の重量平均分子量Mwは11,500(ポリスチレン換算)であった。
【0042】
<合成例4>
4−ヒドロキシフェニルメタクリルアミド7.5g、前記式(2−5)で表されるモノマー12.7g及び2,2’−アゾビスイソブチロニトリル1.4gをプロピレングリコールモノメチルエーテル40.2gに溶解させた後、この溶液を、プロピレングリコールモノメチルエーテル24.7gを70℃に保持したフラスコ中に4時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに18時間反応させて、共重合体の溶液(固形分濃度23.8質量%)を得た。得られた共重合体の重量平均分子量Mwは9,400(ポリスチレン換算)であった。
【0043】
<合成例5>
4−ヒドロキシフェニルメタクリルアミド4.6g、前記式(2−7)で表されるモノマー3.7g、2−ビニルナフタレン12.0g及び2,2’−アゾビスイソブチロニトリル1.1gをプロピレングリコールモノメチルエーテル39.7gに溶解させた後、この溶液を、プロピレングリコールモノメチルエーテル24.4gを70℃に保持したフラスコ中に4時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに18時間反応させて、共重合体の溶液(固形分濃度25.0質量%)を得た。得られた共重合体の重量平均分子量Mwは9,600(ポリスチレン換算)であった。
【0044】
<合成例6>
4−ヒドロキシフェニルメタクリルアミド6.3g、前記式(2−5)で表されるモノマー8.5g、4−メトキシスチレン8.6g及び2,2’−アゾビスイソブチロニトリル1.2gをプロピレングリコールモノメチルエーテル36.9gに溶解させた後、この溶液を、プロピレングリコールモノメチルエーテル20.5gを70℃に保持したフラスコ中に4時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに18時間反応させて、共重合体の溶液(固形分濃度29.4質量%)を得た。得られた共重合体の重量平均分子量Mwは16,800(ポリスチレン換算)であった。
【0045】
<合成例7>
4−ヒドロキシフェニルメタクリレート7.5g、前記式(2−8)で表されるモノマー8.3g、スチレン8.8g及び2,2’−アゾビスイソブチロニトリル1.5gをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート39.0gに溶解させた後、この溶液を、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート21.7gを70℃に保持したフラスコ中に4時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに18時間反応させて、共重合体の溶液(固形分濃度29.9質量%)を得た。得られた共重合体の重量平均分子量Mwは13,900(ポリスチレン換算)であった。
【0046】
<合成例8>
4−ヒドロキシフェニルメタクリレート5.5g、前記式(2−13)で表されるモノマー7.0g、4−ビニルビフェニル2.2g、N−シクロヘキシルマレイミド8.9g及び2,2’−アゾビスイソブチロニトリル1.2gをシクロヘキサノン37.1gに溶解させた後、この溶液を、シクロヘキサノン20.6gを70℃に保持したフラスコ中に4時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに18時間反応させて、共重合体の溶液(固形分濃度29.4質量%)を得た。得られた共重合体の重量平均分子量Mwは29,200(ポリスチレン換算)であった。
【0047】
<合成例9>
4−ヒドロキシフェニルメタクリレート6.5g、前記式(2−13)で表されるモノマー8.3g、N−フェニルマレイミド9.9g及び2,2’−アゾビスイソブチロニトリル1.5gをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート39.2gに溶解させた後、この溶液を、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート21.8gを70℃に保持したフラスコ中に4時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに18時間反応させて、共重合体の溶液(固形分濃度29.9質量%)を得た。得られた共重合体の重量平均分子量Mwは24,300(ポリスチレン換算)であった。
【0048】
<合成例10>
4−ヒドロキシフェニルメタクリレート7.0g、前記式(2−15)で表されるモノマー6.8g、N−シクロヘキシルマレイミド11.1g及び2,2’−アゾビスイソブチロニトリル1.5gをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート39.5gに溶解させた後、この溶液を、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート21.9gを70℃に保持したフラスコ中に4時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに18時間反応させて、共重合体の溶液(固形分濃度28.0質量%)を得た。得られた共重合体の重量平均分子量Mwは28,500(ポリスチレン換算)であった。
【0049】
<合成例11>
4−ヒドロキシフェニルメタクリレート8.0g、前記式(2−7)で表されるモノマー6.4g、インデン1.8g、N−シクロヘキシルマレイミド8.1g及び2,2’−アゾビスイソブチロニトリル1.5gをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート38.4gに溶解させた後、この溶液を、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート21.3gを70℃に保持したフラスコ中に4時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに18時間反応させて、共重合体の溶液(固形分濃度28.5質量%)を得た。得られた共重合体の重量平均分子量Mwは27,800(ポリスチレン換算)であった。
【0050】
<合成例12>
4−ヒドロキシフェニルメタクリレート6.0g、前記式(2−7)で表されるモノマー4.8g、フェノキシエチルアクリレート13.0g及び2,2’−アゾビスイソブチロニトリル1.5gをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート37.7gに溶解させた後、この溶液を、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート21.0gを70℃に保持したフラスコ中に4時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに18時間反応させて、共重合体の溶液(固形分濃度29.5質量%)を得た。得られた共重合体の重量平均分子量Mwは34,000(ポリスチレン換算)であった。
【0051】
<合成例13>
4−ヒドロキシフェニルメタクリレート9.0g、前記式(2−7)で表されるモノマー7.2g、4−tert−ブチルスチレン2.7g、n−ブチルアクリレート6.5g及び2,2’−アゾビスイソブチロニトリル1.6gをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート40.3gに溶解させた後、この溶液を、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート22.4gを70℃に保持したフラスコ中に4時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに18時間反応させて、共重合体の溶液(固形分濃度29.2質量%)を得た。得られた共重合体の重量平均分子量Mwは31,500(ポリスチレン換算)であった。
【0052】
<合成例14>
4−ヒドロキシフェニルメタクリレート9.0g、前記式(2−7)で表されるモノマー7.2g、イソボルニルアクリレート6.0g、N−メチルマレイミド1.6g及び2,2’−アゾビスイソブチロニトリル1.5gをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート37.8gに溶解させた後、この溶液を、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート21.0gを70℃に保持したフラスコ中に4時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに18時間反応させて、共重合体の溶液(固形分濃度28.9質量%)を得た。得られた共重合体の重量平均分子量Mwは31,800(ポリスチレン換算)であった。
【0053】
<合成例15>
4−ヒドロキシフェニルメタクリルアミド8.0g、前記式(2−7)で表されるモノマー7.5g、2−ビニルナフタレン2.3g、ベンジルアクリレート2.4g、N−フェニルマレイミド3.9g及び2,2’−アゾビスイソブチロニトリル1.5gをプロピレングリコールモノメチルエーテル38.4gに溶解させた後、この溶液を、プロピレングリコールモノメチルエーテル21.3gを70℃に保持したフラスコ中に4時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに18時間反応させて、共重合体の溶液(固形分濃度29.1質量%)を得た。得られた共重合体の重量平均分子量Mwは11,100(ポリスチレン換算)であった。
【0054】
<合成例16>
4−ヒドロキシフェニルメタクリレート18.0g、及び2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.90gをプロピレングリコールモノメチルエーテル35.1gに溶解させた後、この溶液を、プロピレングリコールモノメチルエーテル21.6gを70℃に保持したフラスコ中に4時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに18時間反応させて、共重合体の溶液(固形分濃度25質量%)を得た。得られた共重合体の重量平均分子量Mwは32,000(ポリスチレン換算)であった。
【0055】
<合成例17>
前記式(2−7)で表されるモノマー22.0g、及び2,2’−アゾビスイソブチロニトリル1.1gをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート34.7gに溶解させた後、この溶液を、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート19.3gを70℃に保持したフラスコ中に4時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに18時間反応させて、共重合体の溶液(固形分濃度30質量%)を得た。得られた共重合体の重量平均分子量Mwは15,000(ポリスチレン換算)であった。
【0056】
[非感光性樹脂組成物の調製]
<実施例1>
合成例1で得られた共重合体の溶液50.0g及び界面活性剤としてメガファック〔登録商標〕R−30(DIC(株)製)0.01gを、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート12.5gに溶解させて溶液とした。その後、孔径0.10μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いてろ過して、非感光性樹脂組成物を調製した。
【0057】
<実施例2>
合成例2で得られた共重合体の溶液50.0g及び界面活性剤としてメガファック〔登録商標〕R−30(DIC(株)製)0.01gを、プロピレングリコールモノメチルエーテル12.5gに溶解させて溶液とした。その後、孔径0.10μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いてろ過して非感光性樹脂組成物を調製した。
【0058】
<実施例3>
合成例3で得られた共重合体の溶液50.0g及び界面活性剤としてメガファック〔登録商標〕R−30(DIC(株)製)0.01gを、プロピレングリコールモノメチルエーテル15.1g及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート0.3gに溶解させて溶液とした。その後、孔径0.10μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いてろ過して非感光性樹脂組成物を調製した。
【0059】
<実施例4>
合成例4で得られた共重合体の溶液50.0g及び界面活性剤としてメガファック〔登録商標〕R−30(DIC(株)製)0.01gを、プロピレングリコールモノメチルエーテル1.2g、乳酸エチル5.9g及びγ−ブチロラクトン2.4gに溶解させて溶液とした。その後、孔径0.10μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いてろ過して非感光性樹脂組成物を調製した。
【0060】
<実施例5>
合成例5で得られた共重合体の溶液50.0g及び界面活性剤としてメガファック〔登録商標〕R−30(DIC(株)製)0.01gを、プロピレングリコールモノメチルエーテル1.1g、乳酸エチル2.1g及びγ−ブチロラクトン2.1gに溶解させて溶液とした。その後、孔径0.10μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いてろ過して非感光性樹脂組成物を調製した。
【0061】
<実施例6>
合成例6で得られた共重合体の溶液50.0g、硬化促進剤としてトリフェニルホスフィン0.3g及び界面活性剤としてメガファック〔登録商標〕R−30(DIC(株)製)0.01gを、プロピレングリコールモノメチルエーテル7.0g及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート18.1gに溶解させて溶液とした。その後、孔径0.10μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いてろ過して非感光性樹脂組成物を調製した。
【0062】
<実施例7>
合成例7で得られた共重合体の溶液50.0g、硬化促進剤としてトリフェニルホスフィン0.3g及び界面活性剤としてメガファック〔登録商標〕R−30(DIC(株)製)0.01gを、プロピレングリコールモノメチルエーテル16.2g及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート2.9gに溶解させて溶液とした。その後、孔径0.10μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いてろ過して非感光性樹脂組成物を調製した。
【0063】
<実施例8>
合成例8で得られた共重合体の溶液50.0g及び界面活性剤としてメガファック〔登録商標〕R−30(DIC(株)製)0.01gを、プロピレングリコールモノメチルエーテル17.7g及びシクロヘキサノン5.9gに溶解させて溶液とした。その後、孔径0.10μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いてろ過して非感光性樹脂組成物を調製した。
【0064】
<実施例9>
合成例9で得られた共重合体の溶液50.0g及び界面活性剤としてメガファック〔登録商標〕R−30(DIC(株)製)0.01gを、プロピレングリコールモノメチルエーテル8.8gに溶解させて溶液とした。その後、孔径0.10μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いてろ過して非感光性樹脂組成物を調製した。
【0065】
<実施例10>
合成例10で得られた共重合体の溶液50.0g及び界面活性剤としてメガファック〔登録商標〕R−30(DIC(株)製)0.01gを、プロピレングリコールモノメチルエーテル9.0gに溶解させて溶液とした。その後、孔径0.10μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いてろ過して非感光性樹脂組成物を調製した。
【0066】
<実施例11>
合成例11で得られた共重合体の溶液50.0g及び界面活性剤としてメガファック〔登録商標〕R−30(DIC(株)製)0.01gを、プロピレングリコールモノメチルエーテル9.6g及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート2.5gに溶解させて溶液とした。その後、孔径0.10μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いてろ過して非感光性樹脂組成物を調製した。
【0067】
<実施例12>
合成例12で得られた共重合体の溶液50.0g及び界面活性剤としてメガファック〔登録商標〕R−30(DIC(株)製)0.01gを、プロピレングリコールモノメチルエーテル9.9g及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート4.3gに溶解させて溶液とした。その後、孔径0.10μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いてろ過して非感光性樹脂組成物を調製した。
【0068】
<実施例13>
合成例13で得られた共重合体の溶液50.0g及び界面活性剤としてメガファック〔登録商標〕R−30(DIC(株)製)0.01gを、プロピレングリコールモノメチルエーテル9.8g及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート3.7gに溶解させて溶液とした。その後、孔径0.10μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いてろ過して非感光性樹脂組成物を調製した。
【0069】
<実施例14>
合成例14で得られた共重合体の溶液50.0g及び界面活性剤としてメガファック〔登録商標〕R−30(DIC(株)製)0.01gを、プロピレングリコールモノメチルエーテル10.3g及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート5.5gに溶解させて溶液とした。その後、孔径0.10μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いてろ過して非感光性樹脂組成物を調製した。
【0070】
<実施例15>
合成例15で得られた共重合体の溶液50.0g及び界面活性剤としてメガファック〔登録商標〕R−30(DIC(株)製)0.01gを、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート8.4g及び乳酸エチル11.0gに溶解させて溶液とした。その後、孔径0.10μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いてろ過して非感光性樹脂組成物を調製した。
【0071】
<比較例1>
合成例16で得られた共重合体の溶液50.0g及び界面活性剤としてメガファック〔登録商標〕R−30(DIC(株)製)0.01gを、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート9.7gに溶解させて溶液とした。その後、孔径0.10μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いてろ過して非感光性樹脂組成物を調製した。
【0072】
<比較例2>
合成例17で得られた共重合体の溶液50.0g及び界面活性剤としてメガファック〔登録商標〕R−30(DIC(株)製)0.02gを、プロピレングリコールモノメチルエーテル8.8gに溶解させて溶液とした。その後、孔径0.10μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いてろ過して非感光性樹脂組成物を調製した。
【0073】
<比較例3>
合成例1で得られた共重合体の溶液50.0g、感光剤としてP−200(東洋合成工業(株)製)3.2g及び界面活性剤としてメガファック〔登録商標〕R−30(DIC(株)製)0.02gを、プロピレングリコールモノメチルエーテル1.6g及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート14.7g溶解させて溶液とした。その後、孔径0.10μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いてろ過して感光性樹脂組成物を調製した。
【0074】
[耐薬品性試験]
実施例1乃至実施例15並びに比較例1乃至比較例3で調製した樹脂組成物をそれぞれ、シリコンウエハー上にスピンコーターを用いて塗布し、ホットプレート上において100℃で1分間、さらに230℃で5分間ベークを行い、膜厚2μmの膜を形成した。これらの膜に対して、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸エチル、酢酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、アセトン、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノン、2−プロパノール、N−メチルピロリドン及び2.38質量%濃度の水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)水溶液に、それぞれ23℃の温度条件下、10分間浸漬する試験を行った。浸漬前及び浸漬後の膜厚測定を行い、浸漬前後での膜厚変化を算出した。前記浸漬溶剤のうち1つでも、浸漬前の膜厚に対して10%以上の膜厚増減があった場合は“×”、全ての溶剤について膜厚増減が10%未満であった場合は“○”として耐薬品性を評価した。評価結果を表1に示す。
【0075】
[透過率測定]
実施例1乃至実施例15で調製した非感光性樹脂組成物及び比較例3で調製した感光性樹脂組成物をそれぞれ、石英基板上にスピンコーターを用いて塗布し、ホットプレート上において100℃で1分間、さらに230℃で5分間ベークを行い、膜厚2μmの膜を形成した。これらの膜に対して、紫外線可視分光光度計UV−2550((株)島津製作所製)を用いて、波長400nm〜800nmの範囲で波長を2nmずつ変化させて透過率を測定した。さらにこの膜を260℃で5分間加熱した後、再び波長400nm〜800nmの範囲で波長を2nmずつ変化させて透過率を測定した。なお、マイクロレンズ用硬化膜の透過率は90%以上であることが通常求められる。260℃で5分間加熱する前及び後での、波長400nm〜800nmの範囲で測定された最低透過率の値を表1に示す。
【0076】
[ドライエッチングレートの測定]
ドライエッチングレートの測定に用いたエッチャー及びエッチングガスは、以下の通りである。
エッチャー:RIE−10NR(サムコ(株)製)
エッチングガス:CF
【0077】
実施例1乃至実施例15で調製した非感光性樹脂組成物をそれぞれ、シリコンウエハー上にスピンコーターを用いて塗布し、ホットプレート上において100℃で1分間、さらに230℃で5分間ベークを行い、膜厚2μmの膜を形成した。前記エッチャー及びエッチングガスを用い、これらの膜のドライエッチングレートを測定した。同様に、レジスト溶液(THMR−IP1800(東京応化工業(株)製)を、シリコンウエハー上にスピンコーターを用いて塗布し、ホットプレート上において90℃で1.5分間ベークを行い、膜厚1μmのレジスト膜を形成し、ドライエッチングレートを測定した。そして、前記レジスト膜に対する、実施例1乃至実施例15で調製した非感光性樹脂組成物から得られた膜のドライエッチングレート比を求めた。なお、エッチバック法によるマイクロレンズ作製において、レンズパターンの形状を忠実に下層の樹脂膜へ転写するにあたり、レジスト膜のドライエッチングレートXと樹脂膜のドライエッチングレートYが同等(X:Y=1:0.8〜1.2)であることが求められる。評価結果を表1に示す。
【0078】
[段差平坦化性]
実施例1乃至実施例15で調製した非感光性樹脂組成物を、それぞれ高さ0.5μm、ライン幅10μm、ライン間スペース10μmの段差基板(図1参照)上にスピンコーターを用いて塗布し、ホットプレート上において100℃で1分間、さらに230℃で5分間ベークを行い、膜厚2μmの膜を形成した。図1の段差基板1に示すh1(段差基板の段差)とh2(硬化膜の段差、即ちライン上の硬化膜の高さとスペース上の硬化膜の高さとの高低差)の値から、“式:(1−(h2/h1))×100”を用いて平坦化率を求めた。評価結果を表1に示す。
【0079】
【表1】
【0080】
表1の結果から、本発明の非感光性樹脂組成物から形成された膜は、高耐薬品性、高透明性であると共に、260℃で加熱した後でも着色しない高耐熱性を有するものであった。また、本発明の非感光性樹脂組成物から形成された膜は、いずれも平坦化率50%以上の段差平坦化性を有し、中でも実施例2乃至10、12及び13で調製した非感光性樹脂組成物から形成された膜については、平坦化率80%以上の優れた段差平坦化性を有するものであった。さらに前述したように、エッチバック法によるマイクロレンズ作製において、レンズパターンの形状を忠実に下層の樹脂膜へ転写するにあたり、レジスト膜のドライエッチングレートXと樹脂膜のドライエッチングレートYが同等(X:Y=1:0.8〜1.2)であることが求められるが、本発明の非感光性樹脂組成物から形成された膜は、いずれもこれを満足する結果となった。
一方、比較例1及び比較例2で調製した非感光性樹脂組成物から形成された膜については、耐薬品性を満足しない結果となり、保護膜、平坦化膜及びマイクロレンズ用として適さないことが分かった。
また、比較例3で調整した感光性樹脂組成物から形成された硬化膜については、耐溶剤性は満足する結果であるものの、透過率が90%未満であった。前述したように、マイクロレンズ用硬化膜の透過率は90%以上であることが通常求められ、比較例3のような感光性樹脂組成物は、エッチバック法によって作製されるマイクロレンズ用樹脂組成物として適さないことが分かった。
【符号の説明】
【0081】
1:段差基板
2:硬化膜
3:ライン幅
4:ライン間スペース
h1:段差基板の段差
h2:硬化膜の段差
図1