【実施例】
【0038】
以下に実施例及び比較例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものでない。
〔下記合成例で得られた共重合体の重量平均分子量の測定〕
装置:日本分光(株)製GPCシステム
カラム:Shodex〔登録商標〕KF−804L及び803L
カラムオーブン:40℃
流量:1mL/分
溶離液:テトラヒドロフラン
【0039】
[自己架橋性共重合体の合成]
<合成例1>
4−ヒドロキシフェニルメタクリレート10.0g、前記式(2−7)で表されるモノマー8.0g、及び2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.90gをプロピレングリコールモノメチルエーテル35.1gに溶解させた後、この溶液を、プロピレングリコールモノメチルエーテル21.6gを70℃に保持したフラスコ中に4時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに18時間反応させて、共重合体の溶液(固形分濃度25質量%)を得た。得られた共重合体の重量平均分子量Mwは21,000(ポリスチレン換算)であった。
【0040】
<合成例2>
4−ヒドロキシフェニルメタクリレート5.2g、前記式(2−7)で表されるモノマー4.2g、スチレン9.1g及び2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.92gをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート36.0gに溶解させた後、この溶液を、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート22.2gを70℃に保持したフラスコ中に4時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに18時間反応させて、共重合体の溶液(固形分濃度25質量%)を得た。得られた共重合体の重量平均分子量Mwは22,000(ポリスチレン換算)であった。
【0041】
<合成例3>
4−ヒドロキシフェニルメタクリレート5.0g、前記式(2−7)で表されるモノマー5.0g、2−ビニルナフタレン11.9g及び2,2’−アゾビスイソブチロニトリル1.1gをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート34.5gに溶解させた後、この溶液を、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート19.2gを70℃に保持したフラスコ中に4時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに18時間反応させて、共重合体の溶液(固形分濃度30.2質量%)を得た。得られた共重合体の重量平均分子量Mwは11,500(ポリスチレン換算)であった。
【0042】
<合成例4>
4−ヒドロキシフェニルメタクリルアミド7.5g、前記式(2−5)で表されるモノマー12.7g及び2,2’−アゾビスイソブチロニトリル1.4gをプロピレングリコールモノメチルエーテル40.2gに溶解させた後、この溶液を、プロピレングリコールモノメチルエーテル24.7gを70℃に保持したフラスコ中に4時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに18時間反応させて、共重合体の溶液(固形分濃度23.8質量%)を得た。得られた共重合体の重量平均分子量Mwは9,400(ポリスチレン換算)であった。
【0043】
<合成例5>
4−ヒドロキシフェニルメタクリルアミド4.6g、前記式(2−7)で表されるモノマー3.7g、2−ビニルナフタレン12.0g及び2,2’−アゾビスイソブチロニトリル1.1gをプロピレングリコールモノメチルエーテル39.7gに溶解させた後、この溶液を、プロピレングリコールモノメチルエーテル24.4gを70℃に保持したフラスコ中に4時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに18時間反応させて、共重合体の溶液(固形分濃度25.0質量%)を得た。得られた共重合体の重量平均分子量Mwは9,600(ポリスチレン換算)であった。
【0044】
<合成例6>
4−ヒドロキシフェニルメタクリルアミド6.3g、前記式(2−5)で表されるモノマー8.5g、4−メトキシスチレン8.6g及び2,2’−アゾビスイソブチロニトリル1.2gをプロピレングリコールモノメチルエーテル36.9gに溶解させた後、この溶液を、プロピレングリコールモノメチルエーテル20.5gを70℃に保持したフラスコ中に4時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに18時間反応させて、共重合体の溶液(固形分濃度29.4質量%)を得た。得られた共重合体の重量平均分子量Mwは16,800(ポリスチレン換算)であった。
【0045】
<合成例7>
4−ヒドロキシフェニルメタクリレート7.5g、前記式(2−8)で表されるモノマー8.3g、スチレン8.8g及び2,2’−アゾビスイソブチロニトリル1.5gをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート39.0gに溶解させた後、この溶液を、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート21.7gを70℃に保持したフラスコ中に4時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに18時間反応させて、共重合体の溶液(固形分濃度29.9質量%)を得た。得られた共重合体の重量平均分子量Mwは13,900(ポリスチレン換算)であった。
【0046】
<合成例8>
4−ヒドロキシフェニルメタクリレート5.5g、前記式(2−13)で表されるモノマー7.0g、4−ビニルビフェニル2.2g、N−シクロヘキシルマレイミド8.9g及び2,2’−アゾビスイソブチロニトリル1.2gをシクロヘキサノン37.1gに溶解させた後、この溶液を、シクロヘキサノン20.6gを70℃に保持したフラスコ中に4時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに18時間反応させて、共重合体の溶液(固形分濃度29.4質量%)を得た。得られた共重合体の重量平均分子量Mwは29,200(ポリスチレン換算)であった。
【0047】
<合成例9>
4−ヒドロキシフェニルメタクリレート6.5g、前記式(2−13)で表されるモノマー8.3g、N−フェニルマレイミド9.9g及び2,2’−アゾビスイソブチロニトリル1.5gをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート39.2gに溶解させた後、この溶液を、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート21.8gを70℃に保持したフラスコ中に4時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに18時間反応させて、共重合体の溶液(固形分濃度29.9質量%)を得た。得られた共重合体の重量平均分子量Mwは24,300(ポリスチレン換算)であった。
【0048】
<合成例10>
4−ヒドロキシフェニルメタクリレート7.0g、前記式(2−15)で表されるモノマー6.8g、N−シクロヘキシルマレイミド11.1g及び2,2’−アゾビスイソブチロニトリル1.5gをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート39.5gに溶解させた後、この溶液を、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート21.9gを70℃に保持したフラスコ中に4時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに18時間反応させて、共重合体の溶液(固形分濃度28.0質量%)を得た。得られた共重合体の重量平均分子量Mwは28,500(ポリスチレン換算)であった。
【0049】
<合成例11>
4−ヒドロキシフェニルメタクリレート8.0g、前記式(2−7)で表されるモノマー6.4g、インデン1.8g、N−シクロヘキシルマレイミド8.1g及び2,2’−アゾビスイソブチロニトリル1.5gをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート38.4gに溶解させた後、この溶液を、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート21.3gを70℃に保持したフラスコ中に4時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに18時間反応させて、共重合体の溶液(固形分濃度28.5質量%)を得た。得られた共重合体の重量平均分子量Mwは27,800(ポリスチレン換算)であった。
【0050】
<合成例12>
4−ヒドロキシフェニルメタクリレート6.0g、前記式(2−7)で表されるモノマー4.8g、フェノキシエチルアクリレート13.0g及び2,2’−アゾビスイソブチロニトリル1.5gをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート37.7gに溶解させた後、この溶液を、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート21.0gを70℃に保持したフラスコ中に4時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに18時間反応させて、共重合体の溶液(固形分濃度29.5質量%)を得た。得られた共重合体の重量平均分子量Mwは34,000(ポリスチレン換算)であった。
【0051】
<合成例13>
4−ヒドロキシフェニルメタクリレート9.0g、前記式(2−7)で表されるモノマー7.2g、4−tert−ブチルスチレン2.7g、n−ブチルアクリレート6.5g及び2,2’−アゾビスイソブチロニトリル1.6gをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート40.3gに溶解させた後、この溶液を、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート22.4gを70℃に保持したフラスコ中に4時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに18時間反応させて、共重合体の溶液(固形分濃度29.2質量%)を得た。得られた共重合体の重量平均分子量Mwは31,500(ポリスチレン換算)であった。
【0052】
<合成例14>
4−ヒドロキシフェニルメタクリレート9.0g、前記式(2−7)で表されるモノマー7.2g、イソボルニルアクリレート6.0g、N−メチルマレイミド1.6g及び2,2’−アゾビスイソブチロニトリル1.5gをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート37.8gに溶解させた後、この溶液を、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート21.0gを70℃に保持したフラスコ中に4時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに18時間反応させて、共重合体の溶液(固形分濃度28.9質量%)を得た。得られた共重合体の重量平均分子量Mwは31,800(ポリスチレン換算)であった。
【0053】
<合成例15>
4−ヒドロキシフェニルメタクリルアミド8.0g、前記式(2−7)で表されるモノマー7.5g、2−ビニルナフタレン2.3g、ベンジルアクリレート2.4g、N−フェニルマレイミド3.9g及び2,2’−アゾビスイソブチロニトリル1.5gをプロピレングリコールモノメチルエーテル38.4gに溶解させた後、この溶液を、プロピレングリコールモノメチルエーテル21.3gを70℃に保持したフラスコ中に4時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに18時間反応させて、共重合体の溶液(固形分濃度29.1質量%)を得た。得られた共重合体の重量平均分子量Mwは11,100(ポリスチレン換算)であった。
【0054】
<合成例16>
4−ヒドロキシフェニルメタクリレート18.0g、及び2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.90gをプロピレングリコールモノメチルエーテル35.1gに溶解させた後、この溶液を、プロピレングリコールモノメチルエーテル21.6gを70℃に保持したフラスコ中に4時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに18時間反応させて、共重合体の溶液(固形分濃度25質量%)を得た。得られた共重合体の重量平均分子量Mwは32,000(ポリスチレン換算)であった。
【0055】
<合成例17>
前記式(2−7)で表されるモノマー22.0g、及び2,2’−アゾビスイソブチロニトリル1.1gをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート34.7gに溶解させた後、この溶液を、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート19.3gを70℃に保持したフラスコ中に4時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに18時間反応させて、共重合体の溶液(固形分濃度30質量%)を得た。得られた共重合体の重量平均分子量Mwは15,000(ポリスチレン換算)であった。
【0056】
[非感光性樹脂組成物の調製]
<実施例1>
合成例1で得られた共重合体の溶液50.0g及び界面活性剤としてメガファック〔登録商標〕R−30(DIC(株)製)0.01gを、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート12.5gに溶解させて溶液とした。その後、孔径0.10μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いてろ過して、非感光性樹脂組成物を調製した。
【0057】
<実施例2>
合成例2で得られた共重合体の溶液50.0g及び界面活性剤としてメガファック〔登録商標〕R−30(DIC(株)製)0.01gを、プロピレングリコールモノメチルエーテル12.5gに溶解させて溶液とした。その後、孔径0.10μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いてろ過して非感光性樹脂組成物を調製した。
【0058】
<実施例3>
合成例3で得られた共重合体の溶液50.0g及び界面活性剤としてメガファック〔登録商標〕R−30(DIC(株)製)0.01gを、プロピレングリコールモノメチルエーテル15.1g及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート0.3gに溶解させて溶液とした。その後、孔径0.10μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いてろ過して非感光性樹脂組成物を調製した。
【0059】
<実施例4>
合成例4で得られた共重合体の溶液50.0g及び界面活性剤としてメガファック〔登録商標〕R−30(DIC(株)製)0.01gを、プロピレングリコールモノメチルエーテル1.2g、乳酸エチル5.9g及びγ−ブチロラクトン2.4gに溶解させて溶液とした。その後、孔径0.10μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いてろ過して非感光性樹脂組成物を調製した。
【0060】
<実施例5>
合成例5で得られた共重合体の溶液50.0g及び界面活性剤としてメガファック〔登録商標〕R−30(DIC(株)製)0.01gを、プロピレングリコールモノメチルエーテル1.1g、乳酸エチル2.1g及びγ−ブチロラクトン2.1gに溶解させて溶液とした。その後、孔径0.10μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いてろ過して非感光性樹脂組成物を調製した。
【0061】
<実施例6>
合成例6で得られた共重合体の溶液50.0g、硬化促進剤としてトリフェニルホスフィン0.3g及び界面活性剤としてメガファック〔登録商標〕R−30(DIC(株)製)0.01gを、プロピレングリコールモノメチルエーテル7.0g及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート18.1gに溶解させて溶液とした。その後、孔径0.10μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いてろ過して非感光性樹脂組成物を調製した。
【0062】
<実施例7>
合成例7で得られた共重合体の溶液50.0g、硬化促進剤としてトリフェニルホスフィン0.3g及び界面活性剤としてメガファック〔登録商標〕R−30(DIC(株)製)0.01gを、プロピレングリコールモノメチルエーテル16.2g及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート2.9gに溶解させて溶液とした。その後、孔径0.10μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いてろ過して非感光性樹脂組成物を調製した。
【0063】
<実施例8>
合成例8で得られた共重合体の溶液50.0g及び界面活性剤としてメガファック〔登録商標〕R−30(DIC(株)製)0.01gを、プロピレングリコールモノメチルエーテル17.7g及びシクロヘキサノン5.9gに溶解させて溶液とした。その後、孔径0.10μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いてろ過して非感光性樹脂組成物を調製した。
【0064】
<実施例9>
合成例9で得られた共重合体の溶液50.0g及び界面活性剤としてメガファック〔登録商標〕R−30(DIC(株)製)0.01gを、プロピレングリコールモノメチルエーテル8.8gに溶解させて溶液とした。その後、孔径0.10μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いてろ過して非感光性樹脂組成物を調製した。
【0065】
<実施例10>
合成例10で得られた共重合体の溶液50.0g及び界面活性剤としてメガファック〔登録商標〕R−30(DIC(株)製)0.01gを、プロピレングリコールモノメチルエーテル9.0gに溶解させて溶液とした。その後、孔径0.10μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いてろ過して非感光性樹脂組成物を調製した。
【0066】
<実施例11>
合成例11で得られた共重合体の溶液50.0g及び界面活性剤としてメガファック〔登録商標〕R−30(DIC(株)製)0.01gを、プロピレングリコールモノメチルエーテル9.6g及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート2.5gに溶解させて溶液とした。その後、孔径0.10μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いてろ過して非感光性樹脂組成物を調製した。
【0067】
<実施例12>
合成例12で得られた共重合体の溶液50.0g及び界面活性剤としてメガファック〔登録商標〕R−30(DIC(株)製)0.01gを、プロピレングリコールモノメチルエーテル9.9g及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート4.3gに溶解させて溶液とした。その後、孔径0.10μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いてろ過して非感光性樹脂組成物を調製した。
【0068】
<実施例13>
合成例13で得られた共重合体の溶液50.0g及び界面活性剤としてメガファック〔登録商標〕R−30(DIC(株)製)0.01gを、プロピレングリコールモノメチルエーテル9.8g及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート3.7gに溶解させて溶液とした。その後、孔径0.10μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いてろ過して非感光性樹脂組成物を調製した。
【0069】
<実施例14>
合成例14で得られた共重合体の溶液50.0g及び界面活性剤としてメガファック〔登録商標〕R−30(DIC(株)製)0.01gを、プロピレングリコールモノメチルエーテル10.3g及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート5.5gに溶解させて溶液とした。その後、孔径0.10μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いてろ過して非感光性樹脂組成物を調製した。
【0070】
<実施例15>
合成例15で得られた共重合体の溶液50.0g及び界面活性剤としてメガファック〔登録商標〕R−30(DIC(株)製)0.01gを、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート8.4g及び乳酸エチル11.0gに溶解させて溶液とした。その後、孔径0.10μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いてろ過して非感光性樹脂組成物を調製した。
【0071】
<比較例1>
合成例16で得られた共重合体の溶液50.0g及び界面活性剤としてメガファック〔登録商標〕R−30(DIC(株)製)0.01gを、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート9.7gに溶解させて溶液とした。その後、孔径0.10μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いてろ過して非感光性樹脂組成物を調製した。
【0072】
<比較例2>
合成例17で得られた共重合体の溶液50.0g及び界面活性剤としてメガファック〔登録商標〕R−30(DIC(株)製)0.02gを、プロピレングリコールモノメチルエーテル8.8gに溶解させて溶液とした。その後、孔径0.10μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いてろ過して非感光性樹脂組成物を調製した。
【0073】
<比較例3>
合成例1で得られた共重合体の溶液50.0g、感光剤としてP−200(東洋合成工業(株)製)3.2g及び界面活性剤としてメガファック〔登録商標〕R−30(DIC(株)製)0.02gを、プロピレングリコールモノメチルエーテル1.6g及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート14.7g溶解させて溶液とした。その後、孔径0.10μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いてろ過して感光性樹脂組成物を調製した。
【0074】
[耐薬品性試験]
実施例1乃至実施例15並びに比較例1乃至比較例3で調製した樹脂組成物をそれぞれ、シリコンウエハー上にスピンコーターを用いて塗布し、ホットプレート上において100℃で1分間、さらに230℃で5分間ベークを行い、膜厚2μmの膜を形成した。これらの膜に対して、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸エチル、酢酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、アセトン、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノン、2−プロパノール、N−メチルピロリドン及び2.38質量%濃度の水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)水溶液に、それぞれ23℃の温度条件下、10分間浸漬する試験を行った。浸漬前及び浸漬後の膜厚測定を行い、浸漬前後での膜厚変化を算出した。前記浸漬溶剤のうち1つでも、浸漬前の膜厚に対して10%以上の膜厚増減があった場合は“×”、全ての溶剤について膜厚増減が10%未満であった場合は“○”として耐薬品性を評価した。評価結果を表1に示す。
【0075】
[透過率測定]
実施例1乃至実施例15で調製した非感光性樹脂組成物及び比較例3で調製した感光性樹脂組成物をそれぞれ、石英基板上にスピンコーターを用いて塗布し、ホットプレート上において100℃で1分間、さらに230℃で5分間ベークを行い、膜厚2μmの膜を形成した。これらの膜に対して、紫外線可視分光光度計UV−2550((株)島津製作所製)を用いて、波長400nm〜800nmの範囲で波長を2nmずつ変化させて透過率を測定した。さらにこの膜を260℃で5分間加熱した後、再び波長400nm〜800nmの範囲で波長を2nmずつ変化させて透過率を測定した。なお、マイクロレンズ用硬化膜の透過率は90%以上であることが通常求められる。260℃で5分間加熱する前及び後での、波長400nm〜800nmの範囲で測定された最低透過率の値を表1に示す。
【0076】
[ドライエッチングレートの測定]
ドライエッチングレートの測定に用いたエッチャー及びエッチングガスは、以下の通りである。
エッチャー:RIE−10NR(サムコ(株)製)
エッチングガス:CF
4【0077】
実施例1乃至実施例15で調製した非感光性樹脂組成物をそれぞれ、シリコンウエハー上にスピンコーターを用いて塗布し、ホットプレート上において100℃で1分間、さらに230℃で5分間ベークを行い、膜厚2μmの膜を形成した。前記エッチャー及びエッチングガスを用い、これらの膜のドライエッチングレートを測定した。同様に、レジスト溶液(THMR−IP1800(東京応化工業(株)製)を、シリコンウエハー上にスピンコーターを用いて塗布し、ホットプレート上において90℃で1.5分間ベークを行い、膜厚1μmのレジスト膜を形成し、ドライエッチングレートを測定した。そして、前記レジスト膜に対する、実施例1乃至実施例15で調製した非感光性樹脂組成物から得られた膜のドライエッチングレート比を求めた。なお、エッチバック法によるマイクロレンズ作製において、レンズパターンの形状を忠実に下層の樹脂膜へ転写するにあたり、レジスト膜のドライエッチングレートXと樹脂膜のドライエッチングレートYが同等(X:Y=1:0.8〜1.2)であることが求められる。評価結果を表1に示す。
【0078】
[段差平坦化性]
実施例1乃至実施例15で調製した非感光性樹脂組成物を、それぞれ高さ0.5μm、ライン幅10μm、ライン間スペース10μmの段差基板(
図1参照)上にスピンコーターを用いて塗布し、ホットプレート上において100℃で1分間、さらに230℃で5分間ベークを行い、膜厚2μmの膜を形成した。
図1の段差基板1に示すh1(段差基板の段差)とh2(硬化膜の段差、即ちライン上の硬化膜の高さとスペース上の硬化膜の高さとの高低差)の値から、“式:(1−(h2/h1))×100”を用いて平坦化率を求めた。評価結果を表1に示す。
【0079】
【表1】
【0080】
表1の結果から、本発明の非感光性樹脂組成物から形成された膜は、高耐薬品性、高透明性であると共に、260℃で加熱した後でも着色しない高耐熱性を有するものであった。また、本発明の非感光性樹脂組成物から形成された膜は、いずれも平坦化率50%以上の段差平坦化性を有し、中でも実施例2乃至10、12及び13で調製した非感光性樹脂組成物から形成された膜については、平坦化率80%以上の優れた段差平坦化性を有するものであった。さらに前述したように、エッチバック法によるマイクロレンズ作製において、レンズパターンの形状を忠実に下層の樹脂膜へ転写するにあたり、レジスト膜のドライエッチングレートXと樹脂膜のドライエッチングレートYが同等(X:Y=1:0.8〜1.2)であることが求められるが、本発明の非感光性樹脂組成物から形成された膜は、いずれもこれを満足する結果となった。
一方、比較例1及び比較例2で調製した非感光性樹脂組成物から形成された膜については、耐薬品性を満足しない結果となり、保護膜、平坦化膜及びマイクロレンズ用として適さないことが分かった。
また、比較例3で調整した感光性樹脂組成物から形成された硬化膜については、耐溶剤性は満足する結果であるものの、透過率が90%未満であった。前述したように、マイクロレンズ用硬化膜の透過率は90%以上であることが通常求められ、比較例3のような感光性樹脂組成物は、エッチバック法によって作製されるマイクロレンズ用樹脂組成物として適さないことが分かった。