(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記導光板の前記2つの主面のうち、前記波長変換部材で覆われた縁部領域を含む主面が、当該縁部領域内に傾斜面を含む請求項1〜12のいずれか1項に記載の照明装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を詳細に説明する。ただし、以下に説明する照明装置及びその製造方法は、実施形態の技術的思想を具現化するためのものであって、以下に限定するものではない。特に、構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の技術的範囲を限定するものではなく、単なる説明例であり、説明を明確にするために誇張していることがある。なお、以下に記載される実施形態は、各構成等を適宜組み合わせて適用できる。
なお、以下の説明では、必要に応じて特定の方向や位置を示す用語(例えば、「上」、「下」、「右」、「左」及び、それらの用語を含む別の用語)を用いる。それらの用語の使用は図面を参照した発明の理解を容易にするためであって、それらの用語の意味によって本発明の技術的範囲が限定されるものではない。また、複数の図面に表れる同一符号の部分は同一の部分または部材を示す。
【0011】
<実施形態1>
図1は、実施形態1に係る照明装置1の概略平面図を示す。
図2(a)は、
図1のA−A線に沿った照明装置1の概略断面図である。
実施形態1の照明装置1は、基板15に実装された発光素子20を含む発光部品10と、発光素子20からの光を導光するための導光板30と、導光板30の光取出面31の縁部領域31Mを被覆するように設けられた波長変換部材40と、少なくとも波長変換部材40を被覆する第1反射部材50と、を含む。実施形態1の照明装置1は、例えば液晶ディスプレイ等のバックライトとして用いることができる。
【0012】
以下、導光板の構成について詳述する。
導光板30は、発光素子20からの光を導光して、光取出面31から光を取り出すものである。導光板30は、
図2(a)に示されるように、光取出面31とその反対側の裏面32の2つの主面を有する。実施形態1では、
図1に示されるように、さらに光取出面31と裏面32との間に位置する端面として、第1端面33a、第2端面33b、第3端面33cおよび第4端面33dを有している。
【0013】
実施形態1の光取出面31は、
図1に示されるように、縁部領域31M(点線よりも外側)と、縁部領域31Mに囲まれた光取出領域31R(点線よりも内側)とを含む。本明細書において、「縁部領域」とは、照明装置1をデバイス(例えば液晶ディスプレイ)に組み込んだ際に、フレームで隠れる部分である。縁部領域31Mは、導光板30の各端面33a、33b、33c、33dから光取出面31の中央に向かって、ある程度の幅で存在する。縁部領域31Mの寸法および形状は、デバイスで使用されるフレームの寸法および形状によって変更し得る。縁部領域31Mは、例えば
図1に示されるように、発光部品が配置される第1端面33aの近傍では幅広で、第2端面33b、第3端面33c、第4端面33dの近傍では幅狭であってもよい。これにより、第1端面側の縁部領域31Mに、発光面が広い発光素子を用いた発光部品を配置することができ、且つ、光取出領域31Mの大きさを大きく設定することが可能である。また、本明細書において、「光取出領域」とは、照明装置1をデバイスに組み込んだ際に、外部から発光を視認できる範囲である。
【0014】
図3(a)、
図3(b)は、実施形態1に係る照明装置に利用できる導光板の光取出面側からの概略斜視図である。
図4(a)、
図4(b)は、実施形態1に係る照明装置に利用できる導光板の裏面側からの概略斜視図である。
図6(a)は、実施形態1に係る照明装置に利用できる発光部品の概略平面図である。
図6(b)は、発光部品の部分拡大斜視図である。
導光板30は、2つの主面のうちいずれか一方の縁部領域に凹部35を有する。実施形態1では、凹部35は導光板30の裏面32の縁部領域に設けられる。ここで、導光板30の裏面32の縁部領域、すなわち、導光板30の裏面32において、光取出面31の縁部領域31Mと対応する領域を「裏面縁部領域32M」とする。したがって、実施形態1では、裏面縁部領域32Mに、1つまたは複数の凹部35が設けられる。なお、光取出面31の光取出領域31Rと対応する領域は、「裏面中央領域32R」とする。
【0015】
実施形態1では、
図1および
図2(a)に示されるように、複数の凹部35が形成されてもよく、各凹部35には、発光素子20の発光面が光取出面31と対向するように発光部品10の発光素子20が1つずつ収納され得る。なお、「発光面が光取出面31と対向する」とは、発光面が光取出面31の方向を向いている(つまり、発光面の法線が、光取出面31と交差する)ことを意味する。隣接する凹部35の間には、導光板30の一部が延在しているので、発光素子20を凹部35に収納したときに、発光素子20の側面から出射した光のうち当該導光板30の一部に到達した光を、導光板30に入光させることができる。
【0016】
ここで、凹部35の寸法を、
図4(a)に示されるように、長さ35L(x方向の寸法)、幅35W(y方向の寸法)、および深さ35D(z方向の寸法)とし、発光素子20の寸法を、
図6(b)に示されるように、長さ20L(x方向の寸法)、幅20W(y方向の寸法)、および高さ20H(z方向の寸法)とすると、
図2(a)に示されるように、凹部35の寸法は、凹部35に発光素子20を収納したときに、発光素子20が凹部35の内面に接触しないように、長さ35L>長さ20L、幅35W>幅20W、および深さ35D>高さ20Hであることが好ましい。
このように、凹部35と発光素子20との間に隙間ができるような構成とすることで、導光板30と発光部品10とを組立てやすい。さらに、組立てた後も、外部からの圧力によって導光板30と発光素子20とが緩衝しにくく、発光素子20の破損等を抑制できる。
【0017】
なお、
図1、
図3(a)及び
図3(b)、
図4(a)には、導光板30に4つの凹部35が示されているが、凹部の数はこれに限らない。また、1つの凹部内に、複数の発光素子が収納されてもよい。例えば、
図4(b)に示されるように、導光板302の裏面322側に、第1端面332aに沿って伸びる細長い凹部352を設けてもよい。この場合、複数の発光素子を、1つの細長い凹部352に収納することができる。このように、凹部が1つだけであると、導光板302の形成が容易である。また、凹部352の長さ352Lによって、発光部品に含まれる発光素子の数および配置を変更しやすい。したがって、さまざまなタイプの発光部品と組み合わせやすく、導光板の汎用性が高くなる。
【0018】
実施形態1では、
図2(a)、
図3(a)および
図4(a)に示されるように、導光板30の凹部35は、導光板30の第1端面33aに開口してもよい。これにより、
図2(a)に示されるように、凹部35内に発光素子20を収納する際に、発光素子20を第1端面33a側からy方向に移動させることができるので、発光部品10と導光板30との組み立てが容易になる。なお、凹部35内に発光素子20を収納したときに、発光素子20の側面の1つ(
図2(a)では、第1端面33a側の側面)は、凹部35の開口から外部に露出し得る。
【0019】
図2(b)は、
図2(a)に示された導光板とは別の導光板を含んだ実施形態1に係る照明装置の概略断面図である。
図2(b)に示される導光板301の凹部351は、導光板301の第1端面331aに開口しなくてもよい。すなわち、凹部351内に発光素子20を収納したときに、発光素子20の側面が全て導光板301で囲まれていてもよい。これにより、発光素子20の側面(
図2(b)では、第1端面331a側の側面)から導光板301の第1端面331a方向に向かった光を、光取出領域側へ導光させやすい。さらに、後述する波長変換部材40や第1反射部材50を、
図2(b)の発光素子20の第1端面331a側の側面と向かい合う範囲まで安定的に延在させやすい。
【0020】
また、
図2(a)および
図3(a)に示されるように、導光板30において凹部35が設けられる主面と反対側の主面の縁部領域の一部、すなわち実施形態1では、光取出面31の縁部領域31Mの一部を傾斜面37としてもよい。この傾斜面37は、光取出面31と第1端面33aとの間の稜部を面取りするように形成することができる。傾斜面37の少なくとも一部は、凹部35の直上(つまり、発光素子20の直上)に位置する。実施形態1では、傾斜面37は、導光板30の裏面32の裏面中央領域32R方向を向いている。
【0021】
このような傾斜面37により、発光素子20から出射された光が、傾斜面37(及びその上に設けられる第1反射部材50)で反射され、裏面中央領域32R方向に向かいやすくなる。これにより、光が縁部領域31Mと裏面縁部領域32Mとで挟まれた導光板30の範囲(これを導光板30の縁部と称する)で繰り返し反射されることが抑制され、発光素子20の光を効率的に光取出領域31Rから出射させることができる。
【0022】
図5(a)〜
図5(d)は、実施形態1に係る照明装置に利用できる導光板の概略断面図である。
図5(a)〜
図5(d)に示されるように、導光板の傾斜面37は、曲面または複数の傾斜面に変更してもよい。
図5(a)に示される導光板303は、凹部35が設けられる面と反対側の主面の縁部領域の一部、すなわち実施形態1では、光取出面313の縁部領域の一部を曲面373としている。この曲面373は、光取出面313と第1端面333aとの間の稜部を面取りするように形成されている。曲面373の少なくとも一部は、凹部35の直上に位置する。
図5(a)の曲面373は、凹部35内に収納される発光素子の光を、裏面中央領域323R方向へ反射させる機能を有する。これにより、発光素子の光を、光取出領域から出射させやすくなる。
【0023】
図5(b)に示される導光板304は、凹部35が設けられる面と反対側の主面の縁部領域の一部、すなわち実施形態1では光取出面314の縁部領域の一部を、複数の傾斜面374a、374b、374cを含む複合傾斜面374としている。複合傾斜面374を構成する複数の傾斜面374a、374b、374cは、その傾斜角度が、第1端面334aから光取出面314に向かって徐々に小さくなっている。複合傾斜面374は、凹部35の直上に位置する。
図5(a)の曲面373と同様に、
図5(b)の複合傾斜面374は、凹部35内に収納される発光素子の光を、裏面中央領域324R方向へ反射させる機能を有する。これにより、発光素子の光を、光取出領域から出射させやすくなる。
【0024】
図5(c)に示される導光板305は、凹部35が設けられる面と反対側の主面の縁部領域内、すなわち実施形態1では光取出面315の縁部領域315M内において、光取出面315から上向きに突出する断面三角形状の突起375を有している。突起375を構成する2つの傾斜面375a、375bは傾斜方向が逆である。
図5(c)に示される第1端面335aに近接する第1傾斜面375aは、裏面中央領域325R方向を向いている。第1傾斜面375aは、凹部35の直上に位置しており、凹部35内に収納される発光素子の光を、裏面中央領域325R方向に反射する機能を有する。一方、
図5(c)に示される光取出領域315R側に位置する第2傾斜面375bは、第1端面335a方向を向いている。第2傾斜面375bに到達した光は、第1端面335a方向に反射された後に、最終的には光取出領域315R側に反射される。
このような突起375を備えることにより、デバイスに組み込む際に、フレーム等と組み立てる際の位置合わせを容易にすることができる。
【0025】
図5(d)に示される導光板306は、凹部35が設けられる面と反対側の主面の縁部領域内、すなわち実施形態1では光取出面316の縁部領域316M内において、光取出面316から上向きに突出する断面半楕円形状の突起376を有している。突起376を構成する半楕円曲面の接線は、突起376の頂点376tの両側で傾斜方向が逆になる。
図5(d)に示される第1端面336aに近接する第1曲面376aは、その接線が、裏面中央領域326R方向を向いている。第1曲面376aは、凹部35の直上(つまり、発光素子の直上)に位置しており、凹部35内に収納される発光素子の光を、裏面中央領域326R方向に反射する機能を有する。
一方、
図5(d)に示される光取出領域316R側に位置する第2曲面376bは、第1端面336a方向を向いている。第2曲面376bに到達した光は、第1端面336a方向に反射された後に、最終的には光取出領域316R側に反射される。
このような突起376を備えることにより、デバイスに組み込む際に、フレーム等と組み立てる際の位置合わせを容易にすることができる。
【0026】
以下、波長変換部材の構成について詳述する。
波長変換部材40は、発光素子20からの光を受けて、発光素子20の発光色とは異なる色の光を発する部材である。波長変換部材40は、導光板30の凹部35が設けられる主面と反対側の主面の縁部領域のみを被覆する。実施形態1では、
図2(a)及び
図3に示されるように、導光板30の光取出面31の縁部領域31M上に、波長変換部材40が配置されている。
【0027】
波長変換部材40は、発光素子20の光が十分に照射される位置に配置されていれば、
図2(a)に示されるように、縁部領域31Mの全てを覆っていなくてもよい。発光素子20は、その発光面21が、凹部35が設けられる面と反対側の主面方向、すなわち実施形態1では光取出面31側に向くように凹部35内に収納される。そのため、実施形態1では、波長変換部材40は、導光板30の光取出面31のうち、縁部領域31Mの少なくとも凹部35の直上を覆うように配置される。例えば、
図3(a)に示されるように、4つの凹部35の直上の領域を全て覆うようにx方向に延在する1つの波長変換部材40を配置してもよい。また、
図3(b)に示されるように、各凹部35の直上の領域を覆う複数の波長変換部材403を、凹部35の位置に合わせて離間するように配置してもよい。
【0028】
波長変換部材40は、例えば蛍光体と透光性樹脂とから形成することができる。波長変換部材40は、1種類、または2種類以上の蛍光体を含んでいてもよい。波長変換部材40が、2種類以上の蛍光体(例えば、黄色蛍光体と赤色蛍光体)を含むと、より演色性の高い照明装置1を得ることができる。波長変換部材40が、例えば黄色蛍光体と赤色蛍光体を含む場合、1つの層内に黄色蛍光体と赤色蛍光体が混在していてもよいが、好ましくは、黄色蛍光体を含む波長変換部材(黄色波長変換部材)と赤色蛍光体を含む波長変換部材(赤色波長変換部材)とを縞状に配置するのが好ましい。例えば
図3(a)のような連続する1枚の波長変換部材40を、光取出面31から傾斜面37を通って第1端面33aまで伸びる細長い黄色波長変換部材と赤色波長変換部材とを、x方向に交互に配列して構成してもよい。
【0029】
実施形態1では、
図2(a)、
図3(a)に示されるように、波長変換部材40は、光取出面31の縁部領域31Mだけでなく、導光板30の第1端面33aを覆うように延在することが好ましい。これにより、発光素子20から第1端面33a方向に向かう光を波長変換することができる。なお、凹部35が第1端面33aに開口している場合は、第1端面33aを覆う波長変換部材40が、発光部品10の基板15まで延在していることが好ましい。すなわち、第1端面33aの開口が、波長変換部材40によって覆われていることが好ましい。これにより、発光素子20の第1端面33a側の側面から出射された光を波長変換することができる。また、導光板30が傾斜面37を有する場合は、波長変換部材40は傾斜面37に沿うように配置することが好ましい。
【0030】
図2(a)に示されるように、凹部35に配置された発光素子20と、波長変換部材40とは、導光板30を挟んで向かい合っている。つまり、発光素子20と波長変換部材40とは離間している。このような構成により、発光素子20で発生した熱が波長変換部材40に到達しにくくなる。マンガンを賦活剤とする蛍光体(例えばKSF等)は熱に弱いが、発光素子20と波長変換部材40とを離間させることにより、波長変換部材40に使用することができる。また、量子ドットも熱に弱いが、このように構成することにより、波長変換部材40に使用することができる。
【0031】
以下、第1反射部材及び第2反射部材の構成について詳述する。
第1反射部材50は、少なくとも波長変換部材40を覆っている。実施形態1では、
図2(a)および
図3(a)に示されるように、第1反射部材50は、導光板30の光取出面31に配置された波長変換部材40を覆うように配置されている。これにより、波長変換部材40で波長変換された光を、裏面中央領域32M方向へ効率的に反射させることができ、光取出領域から出射させやすくなる。実施形態1では、第1反射部材50は、波長変換部材40が配置されていない光取出面31まで延在してもよい。但し、第1反射部材50は、光取出面31の光取出領域31Rを覆わないようにするのが好ましい。これにより、波長変換部材40で変換された光を、光取出領域から出射させやすい。
【0032】
第1反射部材50は、導光板30の複数の端面のうち、凹部35に隣接する端面、すなわち、実施形態1では第1端面33aまで延在していることが好ましい。これにより、凹部35内に配置した発光素子20から出射されて第1端面33a方向に向かう光を第1反射部材50で反射して、導光板30内に戻すことができる。また、導光板30が傾斜面37を有するときは、傾斜面37も第1反射部材50で覆うことが好ましい。これにより、傾斜面37での光の反射効率をさらに高めることができる。
なお、凹部35が第1端面33aに開口している場合は、第1反射部材50は、第1端面33aからさらに発光部品の基板15まで延在していることが好ましい。すなわち、第1端部33aの開口が、第1反射部材50によって覆われていることが好ましい。これにより、第1端面33a側の発光素子20の側面から出射された光を、第1反射部材50で反射して導光板30内に戻すことができる。
【0033】
さらに、実施形態1では、
図2(a)、
図4(a)に示されるように、導光板30の裏面32に第2反射部材52を設けることが好ましい。第2反射部材52は、少なくとも裏面中央領域32Rを覆うことが好ましい。第2反射部材52により、波長変換部材40で変換され、第1反射部材50によって裏面中央領域32Rへ反射された光を、光取出面31側へ反射させて光取出領域31Rから出射させることができる。
【0034】
以上のように、実施形態1では、波長変換部材40は、導光板30の光取出面31の縁部領域31Mの一部(少なくとも凹部35の直上領域)または全部を覆っているが、光取出領域31Rは覆わない。また、実施形態1の波長変換部材40は、導光板30の裏面32には設けられていない。このような構成とすることで、
図2(a)に示されるように、凹部35内に配置された発光素子20の発光面21からの光(矢印L
11)の一部は、発光素子20の直上に配置された波長変換部材40に達して波長変換される。波長変換された光は、波長変換部材40を覆う第1反射部材50で反射されて、導光板30の裏面32方向に向かう(矢印L
12)。裏面32で反射された光(矢印L
13)は、導光板30の光取出面31の光取出領域31Rと、裏面32の裏面中央領域32Rとで反射されながら導光板30内を進行し、最終的には、導光板30の光取出面31の光取出領域31Rから外部に取り出される(矢印L
2)。したがって、発光素子の光は、導光板30の光取出面31の縁部領域31Mに設けられた波長変換部材40で波長変換された後、少なくとも光取出領域31Rと裏面中央領域32Rとの間を進行する間は、波長変換部材40によって再度波長変換されることはない。よって、導光板30の光取出面31から取り出される光の色は、進行する距離に拘わらず比較的均一になる。つまり、照明装置1は、光取出領域の全体にわたって色むらが少ない。
【0035】
次に、照明装置に適した発光部品について説明する。
図6(a)に示されるように、発光部品10は、基板15と、基板15の上面15aに実装された1つまたは複数の発光素子20と、を含む。実施形態1では、複数の発光素子20が、細長い基板15の長手方向(x方向)に沿って1列に配列される。隣接する発光素子20の中心どうしの間隔は、導光板30の凹部35の中心どうしの間隔に一致させる。また、上述したように、導光板30の凹部35内に収納できるように、発光素子20の寸法は、導光板30の凹部35の寸法との関係で、
図4(a)、
図6(b)に示されるように、凹部35の長さ35L>発光素子20の長さ20L、凹部35の幅35W>発光素子20の幅20W、および凹部35の深さ35D>発光素子20の高さ20Hであるのが好ましい。
【0036】
ここで、発光素子20の高さ20Hが、発光素子の幅20Wより小さい場合、
図2(a)に示されるように発光素子20の発光面21を上向き(z方向の向き)に配置することにより、発光面21を横向き(y方向の向き)に配置する場合に比べて、導光板30の厚さを薄くすることができる。特に、
図3(a)に示されるように、凹部35と近接する第1端面33aにおける導光板30の最大厚さ30t(凹部35がない部分での厚さ)を薄くすることができる。発光素子20の幅20Wは、第1端面33aにおける導光板30の最大厚さ30tよりも大きいことが好ましい。これにより、照明装置の高さを薄くしつつ、光取出領域からの光の取り出しを向上させることができる。
【0037】
図7(a)〜
図7(c)は、発光部品の概略断面図である。
発光部品10に適した発光素子20としては、例えば半導体発光素子が挙げられる。
図7(a)の発光部品11に含まれる発光素子20は、発光層を含む半導体層28と、半導体層28を成長させるための成長基板27と、半導体層28を外部電源と導通するための一対の電極25とを含む。一対の電極25は、発光素子20の同一面上、より詳細には発光素子20の発光面21(成長基板27の上面)と反対側の面に設けられている。
この発光素子20では、透光性の成長基板27(例えばサファイア基板)が使用されており、成長基板27を通して光を取り出している。この発光部品11では、発光素子20の発光面21のみならず、発光素子20の側面からも光が出射される。このように、発光素子20の側面からも光が出射する発光素子20を使用する場合は、発光素子20の側面からの光を遮蔽または反射するための遮光部材を、導光板30及び/又は発光素子20の側面に設けることが好ましい。
【0038】
例えば、
図8(a)、
図8(b)に示されるように、導光板30、301の凹部35、351において、波長変換部材40と対向する面以外の内面(以降、凹部の側面と記載する)に、遮光部材36を設けることができる。遮光部材36により、発光素子20の側面から横(y)方向に進む光、つまり、波長変換部材40で波長変換されない光が導光板30に導光されるのを抑制することができる。
なお、遮光部材36を設けると共に、上述のように波長変換部材40及び第1反射部材50を、第1端面(凹部が第1端面に開口している場合は、第1端面及び第1端面の開口)を覆うように延在させることで、第1端部方向に向かった光を、導光板30に導光させることができる。
【0039】
なお、
図7(b)に示されるように、発光素子20の側面が反射性部材29で覆われた発光部品12を用いてよい。これにより、発光素子20の側面に向かう光は、反射性部材29で遮光されるので、発光素子20の光の大部分を発光面21から出射させることができる。発光素子20の発光面21から出射される光は、発光素子20の側面から出射される光に比べて、対向する波長変換部材40方向に進みやすい。したがって、発光素子20で発光した光の多くを波長変換することができる。
【0040】
図7(c)は、半導体層28および電極25からなる発光素子200を用い、発光素子200の側面を反射性部材29で覆った発光部品13を示す。発光素子200が成長基板を含まないので、発光部品13の高さ(基板15の下面から発光素子200の発光面201までのz方向の寸法)を低くすることができる。ひいては、照明装置の高さを低くすることができる。
【0041】
基板15は、その上面15aに一対の配線を有する。また、基板15は、発光素子20の光を遮光可能な材料であることが好ましい。特に、遮光可能であり且つ光反射率の高い材料を使用すると、発光素子20から基板15方向に向かう光を基板15で反射することができる。基板15で反射された光は、最終的に光取出領域から出射されるので、光取出効率を向上し得る。フレキシブル基板のような比較的薄い基板を用いると、発光部品10の高さを低くすることができるため好ましい。
【0042】
図6(a)、
図6(b)に示されるように、発光素子20を基板15に実装する際、発光素子20の発光面21と反対側の一対の電極25が設けられる面と、基板15の上面15aとを接合させてフリップチップ実装する。これにより、基板15の上面15aと、発光素子20の発光面21とが同じ方向を向く。実施形態1では、この発光部品10を、
図3(a)に示されるような導光板30と組み立てる際、発光部品10の基板15の上面15aを導光板30の裏面32と向かい合わせ、発光部品10の発光素子20が導光板30の凹部35内に収納されるように導光板30と発光部品10とを互いに位置決めする。これにより、
図2(a)に示されるように、発光部品10の発光素子20の発光面21は、導光板30の光取出面31上に配置した波長変換部材40と対向する。なお、「発光面21が波長変換部材40と対向する」とは、発光面21が波長変換部材40の方向を向いている(つまり、発光面21の法線が、波長変換部材40と交差する)ことを意味する。したがって、発光素子20が発光したときに、発光面21からの光を、波長変換部材40に十分に照射させることができる。
【0043】
実施形態1では、
図2(a)に示されるように、発光部品10は導光板30の裏面縁部領域32Mに配置される。よって、発光部品10は、
図1に示されるように、上面視で縁部領域31M内に位置し、照明装置1をデバイスに組み込んだ時にフレームで隠すことができる。なお、
図1では、凹部35及び発光部品10は、第1端面33aの近傍の縁部領域31Mのみに配置されているが、必要に応じて、別の端面33b、33c、33dの近傍の縁部領域31Mに配置してもよい。また、複数の発光部品10を準備して、2つ以上の端面(例えば、第1端面33aと第3端面33c)のそれぞれに近傍する縁部領域31Mに凹部を設けて配置してもよい。
【0044】
図9(a)は、
図8(a)に示される照明装置の部分拡大断面図である。
図9(b)は、
図8(b)に示される照明装置の部分拡大断面図である。
図9(c)は、実施形態1に係る照明装置の部分拡大断面図である。
上述したように、発光部品10の発光素子20を導光板30、301の凹部35、351内に収納したときに、発光素子20が凹部35、351の内面に接触しないように、発光素子20の寸法を導光板30の凹部35、351の寸法より小さくするのが好ましい(
図2(a)、
図2(b))。そのため、発光素子20と凹部35、351との間に隙間が生じるが、その隙間を、
図9(a)、
図9(b)に示されるように透光性樹脂60で満たしてもよい。特に、発光素子20の発光面21と、導光板30、301の凹部35、351の内面との間を、空気よりも発光素子20及び導光板30と屈折率差の少ない透光性樹脂60で満たすのが好ましい。一般的に、発光素子20を構成する材料は空気よりも屈折率が高い。そのため、発光素子20の発光面21と導光板30、301との間に隙間(つまり、空気層)が残っていると、発光面21から隙間に向かって出射する光の一部は、発光面21と空気層との界面で反射し得る。そこで、空気よりも発光素子20及び導光板30と屈折率差の少ない透光性樹脂60で発光素子20の発光面21と導光板30との隙間を満たすことにより、発光素子20の光が反射することを抑制して、発光素子20からの光の取り出し効率を向上することができる。
また、発光素子20と、導光板30の凹部35、351の内面との隙間を透光性樹脂60で満たすことにより、発光素子20を衝撃などから保護できる効果もある。
【0045】
図9(a)、
図9(b)の照明装置1、2のように、導光板30に凹部35、351を設けた上で凹部35、351と発光素子20との隙間を透光性樹脂60で埋める代わりに、
図9(c)に示される照明装置3のように、導光板307の縁部(光取出面の縁部領域と裏面の裏面縁部領域で挟まれた範囲)に発光素子20を埋め込んでもよい。これにより、発光部品10の発光素子20は、導光板307に埋め込まれるので、発光素子20を外部環境から保護することができる。
図9(a)、
図9(b)の照明装置1、2では、発光素子20と導光板30、301との間には2つの界面が存在する(つまり、発光素子20と透光性樹脂60との界面と、透光性樹脂60と導光板30、301との界面)。これに対して、
図9(c)の照明装置3では、発光素子20と導光板307との間に、1つの界面が存在する(発光素子20と導光板307との界面)。通常は、異なる部材間の界面を通る光は、その一部が反射され得るため、光路上に存在する界面の数は少ないほうが有利である。そのため、
図9(c)の照明装置3は、発光素子20で発光した光が導光板307に到達するまでの界面の数が少ないので、発光素子20から導光板307への入光ロスを減らすことができる。
【0046】
なお、実施形態1では、
図2(a)に示されるように、導光板30の光取出面31と裏面32とが平行に図示されているが、例えば、光取出面31と裏面32のうち一方の面が他方の面に対して傾斜していてもよい。また、発光素子20の発光面21は、導光板30の光取出面31及び裏面32と平行に図示されているが、光取出面31及び/又は裏面32に対してわずかに(例えば5°以下の角度で)傾斜していてもよい。なお、発光素子20と、発光素子20に向かい合う導光板の入光面、すなわち実施形態1では発光素子20のそれぞれの面と向かい合う凹部35の各内面は、平行であると好ましい。これにより、発光素子20の光を導光板30へ効率的に入光させることができる。
【0047】
次に、実施形態1に係る照明装置の製造方法について説明する。
【0048】
<発光部品準備工程>
発光部品準備工程では、
図6(a)、
図6(b)に示されるように、基板15の上面15aに、1つ以上の発光素子20を実装した発光部品10を準備する。基板15は、上面15aに一対の配線が設けられたものを用いる。発光素子20は、少なくとも発光層を含む半導体層と、同一面上に設けられた一対の電極と、を有するものを用いる。基板15と発光素子20とは、基板15の一対の配線と、発光素子20の一対の電極とがそれぞれ接合されるように、はんだ等の接着剤によってフリップチップ実装する。複数の発光素子20を含む場合には、基板15の長軸方向(x方向)に沿って、所定の間隔をあけて、一列に実装する。
【0049】
<導光板準備工程>
導光板準備工程では、
図3(a)、
図4(a)に示されるように、光取出面31と、光取出面31の反対側の裏面32との2つの主面を有し、いずれかの主面の縁部領域に、少なくとも1つ以上の凹部35を有する導光板30を準備する。実施形態1では、裏面縁部領域32Mに1つ以上の凹部35を有する導光板30を準備する。導光板30は、射出成形、切削加工などにより形成できる。
図9(c)のように、発光部品10が埋め込まれた導光板307の場合には、射出成形用の金型内に、発光部品準備工程で準備した発光部品10を配置し、その後に例えば透光性の樹脂を射出成形する。この場合、導光板307は発光部品10と一体成形されるので、後の発光部品10と導光板30の組み立て工程は省略する。
【0050】
<発光部品と導光板の組み立て工程>
発光部品と導光板の組み立て工程では、発光部品10の発光素子20が凹部35に収納されるように、発光部品10と導光板30とを組立てる。実施形態1では、導光板30の凹部35が導光板30の裏面縁部領域32Mに設けられているので、
図2(a)に示されるように、発光部品10を、発光素子20の発光面21が導光板30の光取出面31と対向するように、導光板30の裏面縁部領域32Mに配置する。
図9(a)、
図9(b)のように、発光素子20と導光板30、301との隙間を透光性樹脂60で満たす場合には、発光部品10と導光板30とを組み立てる前に、導光板30の凹部35、351に予め液状の透光性樹脂を塗布しておき、その後に凹部35、351内に発光素子20が収納されるように発光部品10を配置することができる。
【0051】
<波長変換部材形成工程>
波長変換部材形成工程では、
図2(a)、
図3(a)に示されるように、導光板30の凹部が設けられた主面と反対側の主面、すなわち実施形態1では光取出面31の縁部領域31Mに、波長変換部材40を設ける。このとき、光取出面31(傾斜面37を含む)の縁部領域31Mのうち、少なくとも凹部35の直上の領域を、波長変換部材40で覆う。さらに、波長変換部材40は、凹部35が隣接する第1端面33a側まで被覆するように設けることが好ましい。
【0052】
波長変換部材40としては、例えば蛍光体を含有する樹脂シートを用いることができる。例えば、実施形態1では、縁部領域31Mにおいて少なくとも凹部35の直上が被覆されるように所定の大きさに裁断した樹脂シートを、導光板30の光取出面31の縁部領域31Mの所定範囲に接着することができる。樹脂シートの貼り付けによれば、波長変換部材40を第1端面や傾斜面にも均一な厚みで形成することができる。また、凹部が第1端面に開口している場合、第1端面だけでなく第1端面の開口も覆うように形成することが可能である。
また、波長変換部材40はスプレー法によって形成してもよい。例えば、導光板30の光取出面31の縁部領域31Mの所定範囲以外にマスクを設けておき、蛍光体を含有する液状樹脂をスプレーして硬化させることで、所望の波長変換部材を形成することができる。スプレー法により形成した波長変換部材40は、樹脂シートを貼り付けて形成したものに比べて、成形時の溶媒の量を多くすることができる。したがって、蛍光体に対する樹脂の比率を低くした状態で波長変換部材40を形成できる。一般的に、蛍光体の方が樹脂より熱伝導性が高いため、スプレー法で形成した波長変換部材40は、熱伝導性が高く、耐熱性が良好になる傾向がある。また、スプレー法によれば、波長変換部材の厚みを調整しやすい。
【0053】
<第1反射部材50形成工程、第2反射部材52形成工程>
第1反射部材形成工程では、波長変換部材40を被覆する第1反射部材50を形成する。実施形態1では、
図2(a)、
図3(a)に示されるように、導光板30の光取出面31の縁部領域31Mに配置される波長変換部材40を被覆するように、第1反射部材50を形成する。波長変換部材40を、光取出面の縁部領域だけでなく、第1端面33a(凹部が第1端面に開口している場合は、第1端面及び第1端面の開口)まで覆うように形成する場合には、第1反射部材50も、第1端面33a(凹部が第1端面に開口している場合は、第1端面及び第1端面の開口)まで覆うように形成することが好ましい。
さらに、実施形態1では、導光板30の裏面32に第2反射部材52を配置するのが好ましい。これにより、発光素子20の光を、光取出領域31R方向へ反射させることができる。
第1反射部材50、第2反射部材52は、発光素子の光を反射可能な材料で形成されており、例えば、樹脂に反射性材料が含有されたものを用いることができる。製造方法としては、反射性材料が含有された樹脂シートの接着、反射性材料を含有する液状樹脂のスプレー等により形成できる。
特に、反射性材料を含有する液状樹脂をスプレーして第1反射部材50、第2反射部材52を形成するのが好ましい。これにより、薄く緻密な反射部材を形成することができるので、薄くて光の取り出し効率が高い照明装置を形成することができる。
【0054】
以上のように、実施形態1に係る製造方法によれば、波長変換部材40が、導光板30の光取出面31の縁部領域31Mの一部(少なくとも凹部35の直上領域)または全部を覆う照明装置を形成することができる。したがって、導光板30の光取出面31から取り出される光の色が、進行する距離に拘わらず比較的均一となり、光取出領域の全体にわたって色むらが少ない照明装置1を形成することができる。
【0055】
<実施形態2>
実施形態2では、導光板の凹部を裏面縁部領域に形成し、波長変換部材および第1光反射部材を導光板の光取出面の縁部領域に形成する点で、実施形態1と異なる。その他の構成については、実施形態1と同様である。以下に、実施形態1と相違する点を中心に説明する。
【0056】
図10は、実施形態2に係る照明装置の概略断面図である。
照明装置4は、発光素子20を含む発光部品10と、発光素子20からの光を導光するための導光板308と、導光板308の裏面328の裏面縁部領域328Mに設けられた波長変換部材408と、少なくとも波長変換部材408を被覆する第1反射部材508と、を含む。実施形態2の照明装置4は、実施形態1と同様に、例えば液晶ディスプレイ等のバックライトとして用いることができる。
【0057】
実施形態2では、導光板308の光取出面318の縁部領域318Mに、1つまたは複数の凹部358が設けられている。各凹部358に、発光部品10の発光素子20が1つ収納されるように、導光板308と発光部品10とが配置されている。
導光板30の裏面縁部領域328M内には、傾斜面378を設けてもよい。実施形態2の傾斜面378は、裏面328と第1端面338aとの間の稜部を面取りするように形成されている。傾斜面378の少なくとも一部は、凹部358の直下に位置している。傾斜面378は導光板308の光取出面318の光取出領域318R方向を向いている。そのため、発光素子20から下向きに出射された光は、傾斜面378に設けられた波長変換部材408で波長変換され、その下に設けられた第1反射部材508で反射されると、光取出領域318R方向に向かう。これにより、光が縁部領域318Mと裏面縁部領域328Mとで挟まれた導光板308の範囲内で繰り返し反射されるのを抑制することができる。
なお、実施形態1と同様に、傾斜面378を曲面または複数傾斜面に変更してもよい。また、導光板308の裏面328の裏面縁部領域328M内に突起を設けてもよい。
【0058】
導光板30の裏面縁部領域328Mには、波長変換部材408が配置されている。
波長変換部材408は、発光素子20からの光が十分に照射されるように配置される。実施形態2の発光素子20は、発光面21が導光板308の裏面328と対向するように、つまり、
図10において発光面21が下向きになるように、凹部358内に収納される。そのため、波長変換部材408は、導光板308の裏面328のうち、少なくとも凹部358の直下の領域を覆うように配置される。
【0059】
波長変換部材408は、裏面縁部領域328Mだけでなく、導光板308の第1端面338a(凹部が第1端面に開口している場合は、第1端面及び第1端面の開口)を覆うように形成することが好ましい。これにより、発光素子20の第1端面側の側面から横方向に進む光を、波長変換することができる。また、導光板308が傾斜面378を有するときは、傾斜面378も波長変換部材408で覆うことが好ましい。
【0060】
実施形態2において、波長変換部材408は、導光板308の裏面328の裏面縁部領域328Mの一部(少なくとも凹部358の直下領域)を覆っているが、裏面中央領域328Rは覆わない。また、波長変換部材408は、導光板308の光取出面318には設けられていない。
図10に矢印L
3で示すように、凹部358内に配置された発光素子20が発光すると、その発光面21からの光の一部は、発光素子20の直下に配置された波長変換部材408に達して波長変換される。波長変換された光の一部は、波長変換部材408を覆う第1反射部材508で反射されて、導光板308の光取出面318方向に向かい、光取出領域318Rから外部に取り出される(矢印L
4)。また、波長変換された光の一部は、第1反射部材508で反射されて、導光板308の光取出面318方向に向かい、光取出面318で反射される。波長変換部材408が、導光板308の裏面縁部領域328Mのみに設けられるので、発光素子20の光は、波長変換部材408で波長変換された後は導光板308内を導光する間に波長変換されない。したがって、導光板308から取り出される光の色は比較的一定となる。このように、色むらの少ない照明装置が得られる。
【0061】
実施形態2の第1反射部材508は、導光板308の裏面328において、波長変換部材408を覆うように配置されている。これにより、波長変換部材408で波長変換された光を反射して、導光板308内に戻すことができる。実施形態2では、第1反射部材508は、波長変換部材408が配置されていない導光板308の裏面328(裏面中央領域328R)上にも延在して設けられることが好ましい。これにより、発光素子20の光を光取出領域318Rから出射させやすくなる。
【0062】
第1反射部材508は、凹部358に隣接した第1端面338a(凹部が第1端面に開口している場合は、第1端面及び第1端面の開口)を覆うように延在していることが好ましい。これにより、発光素子20の第1端面側の側面から出射する光を第1反射部材508で反射して、導光板308内に戻すことができる。また、導光板308が傾斜面378を有するときは、傾斜面378も第1反射部材5で覆う。これにより、傾斜面378での光の反射効率を高めることができる。
【0063】
実施形態2の照明装置に用いられる発光部品10、発光部品10と導光板308との組み立て方法、種々の好ましい態様、照明装置の製造方法は、実施形態1と同様であるので、説明を省略する。
【0064】
以下に、実施形態1〜2の照明装置の各構成部材に適した材料を説明する。
【0065】
(導光板30)
導光板30は、発光素子20の光を導光可能な透光性の材料からなる。材料としては、樹脂材料、例えばアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂等から形成するのが好ましい。特に、透光性及び加工性の観点から、アクリル樹脂を用いることが好ましい。
【0066】
(波長変換部材40)
波長変換部材40は、母材に波長変換材料が含有されたものを用いることができる。波長変換部材40は、その他に適宜無機フィラー、有機フィラー等を含んでいてもかまわない。
波長変換部材40に適した母材としては、透光性樹脂が挙げられ、例えば、ジメチル系シリコーン樹脂、フェニル系シリコーン樹脂、ジメチル/フェニルのハイブリッドシリコーン樹脂、エポキシ/シリコーンのハイブリッド樹脂、フッ素樹脂、アダマンタン樹脂、脂環式エポキシ樹脂、ハイブリッドエポキシ樹脂、ウレタン樹脂などが挙げられる。特に、耐熱性、耐光性、透光性の観点から、シリコーン樹脂が好ましい。
【0067】
波長変換材料としては、発光素子20の光で励起されて異なる波長の光を発する当該分野で公知のもの、例えば蛍光体、量子ドット等を使用することができる。具体的には、セリウムで賦活されたイットリウム・アルミニウム・ガーネット(YAG)系蛍光体、セリウムで賦活されたルテチウム・アルミニウム・ガーネット(LAG)、ユウロピウム及び/又はクロムで賦活された窒素含有アルミノ珪酸カルシウム(CaO−Al
2O
3−SiO
2)系蛍光体、ユウロピウムで賦活されたシリケート((Sr,Ba)
2SiO
4)系蛍光体、βサイアロン蛍光体、CASN系又はSCASN系蛍光体等の窒化物系蛍光体、KSF系蛍光体(K
2SiF
6:Mn)、硫化物系蛍光体等、量子ドットと称される発光物質等が挙げられる。特に、実施形態では、波長変換層40が発光素子20と導光板30を挟んで配置されるので、熱に弱いマンガンを賦活剤とする蛍光体(例えばKSF等)や量子ドットを好適に用いることができる。
なお、蛍光体として熱に弱いKSFや量子ドット等を使用する場合、蛍光体の酸化劣化を抑制するために、波長変換部材40の表面を、ガス透過率の低い樹脂材料等で被覆してもよい。
【0068】
(第1反射部材50、第2反射部材52、遮光部材36)
第1反射部材50、第2反射部材52は、発光素子20の光を反射する材料で形成され、例えば、反射性材料を含有する樹脂から形成できる。
第1反射部材50、第2反射部材52に適した樹脂としては、例えば、ジメチル系シリコーン樹脂、フェニル系シリコーン樹脂、ジメチル/フェニルのハイブリッドシリコーン樹脂、エポキシ/シリコーンのハイブリッド樹脂、フッ素樹脂、アダマンタン樹脂、脂環式エポキシ樹脂、ハイブリッドエポキシ樹脂、ウレタン樹脂などが挙げられる。
反射性材料としては、酸化チタン、酸化亜鉛、二酸化チタン、二酸化ケイ素、二酸化ジルコニウム、チタン酸カリウム、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、ムライト、酸化ニオブ、硫酸バリウム、カーボンブラック、各種希土類酸化物(例えば、酸化イットリウム、酸化ガドリニウム等)が挙げられる。第1反射部材50、第2反射部材52は、その他、拡散材や着色剤等を含有させてもよい。
【0069】
遮光部材36としては、第1反射部材50、第2反射部材52で用いられる材料の他、カーボンブラック、Agナノ粒子、AgSnナノ粒子等の金属ナノ粒子を用いることができる。
【0070】
(発光部品10)
発光部品10は、基板15、発光素子20、および反射性部材29を含み得る。
基板15としては、例えば、セラミック(例えば、Al
2O
3,AlN等)等の絶縁性の支持基板に配線を形成したものや、樹脂(例えば、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、BTレジン(bismaleimide triazine resin)、ポリフタルアミド(PPA)等)とリードフレームを有するもの等を使用することができる。
【0071】
発光素子20としては、成長基板27と、発光層を含む半導体層28と、同一面上に設けられた一対の電極層と、を含む半導体発光素子が利用できる。例えば、発光素子20として、青色光を発光する窒化物半導体発光素子を用いることができる。成長基板27は、透光性を有する材料であって、半導体層28を成長させることのできるものを使用する。例えば、サファイアやスピネル(MgA1
2O
4)のような絶縁性基板、また炭化ケイ素(SiC)、ZnS、ZnO、ダイヤモンド、及び窒化物半導体と格子接合するニオブ酸リチウム、ガリウム酸ネオジウム等の酸化物基板が挙げられる。なお、上述のように、発光素子20は、成長基板27を有していなくてもよい。
【0072】
(透光性樹脂60)
発光素子20と導光板30との隙間を埋める透光性樹脂60としては、例えば、ジメチル系シリコーン樹脂、フェニル系シリコーン樹脂、ジメチル/フェニルのハイブリッドシリコーン樹脂、エポキシ/シリコーンのハイブリッド樹脂、フッ素樹脂、アダマンタン樹脂、脂環式エポキシ樹脂、ハイブリッドエポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等の樹脂材料を用いることができる。特に、耐熱性、耐光性、光の透過率の高い、シリコーン樹脂が好ましい。
【0073】
以上、本発明に係るいくつかの実施形態について例示したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限り任意のものとすることができることは言うまでもない。