特許第6265208号(P6265208)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6265208
(24)【登録日】2018年1月5日
(45)【発行日】2018年1月24日
(54)【発明の名称】リードフレーム及び半導体装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/62 20100101AFI20180115BHJP
   H01L 23/50 20060101ALI20180115BHJP
【FI】
   H01L33/62
   H01L23/50 R
【請求項の数】11
【全頁数】28
(21)【出願番号】特願2015-504355(P2015-504355)
(86)(22)【出願日】2014年3月5日
(86)【国際出願番号】JP2014055589
(87)【国際公開番号】WO2014136824
(87)【国際公開日】20140912
【審査請求日】2016年10月20日
(31)【優先権主張番号】特願2013-43551(P2013-43551)
(32)【優先日】2013年3月5日
(33)【優先権主張国】JP
(31)【優先権主張番号】特願2013-43543(P2013-43543)
(32)【優先日】2013年3月5日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000226057
【氏名又は名称】日亜化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】新樹グローバル・アイピー特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】中林 拓也
(72)【発明者】
【氏名】板東 義尚
(72)【発明者】
【氏名】玉置 寛人
【審査官】 島田 英昭
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−249737(JP,A)
【文献】 特開昭60−206053(JP,A)
【文献】 特開平08−023059(JP,A)
【文献】 特開2014−116579(JP,A)
【文献】 特開2012−186192(JP,A)
【文献】 特開2007−134376(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L33/00−33/64
H01L23/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに離間しかつ対向して配置され、半導体素子の一対の電極と電気的にそれぞれ接合するための一対のリード部と、
該リード部から離間し、前記一方のリード部の側方から他方のリード部の側方に延長する一対のサポートバーと、
前記各リード部から延長し、平面形状がU字となる錨状部と、
前記サポートバーの先端において前記リード部側に延長する鉤部とを含み、
前記各リード部の錨状部が、前記サポートバーの鉤部を取り囲むように成形されているユニットが複数連結されたリードフレーム。
【請求項2】
前記リードフレームは、少なくとも第1金属層と、該第1金属層と異なる金属からなる第2金属層とが積層されたクラッド材によって形成されている請求項に記載のリードフレーム。
【請求項3】
前記第1金属層が前記第2金属層よりも線膨張係数が大きい特性を有する請求項に記載のリードフレーム。
【請求項4】
前記第1金属層が前記第2金属層よりもエッチング液に対する溶解性が大きい特性を有する請求項に記載のリードフレーム。
【請求項5】
前記エッチング液が塩化第二鉄又は塩化第二銅の溶液である請求項に記載のリードフレーム。
【請求項6】
前記クラッド材の表面、裏面又は端面がめっき層で被覆された請求項2〜5のいずれか1つに記載のリードフレーム。
【請求項7】
前記第1金属層が銅又は銅合金であり、前記第2金属層が鉄又は鉄合金である請求項2〜6のいずれか1つに記載のリードフレーム。
【請求項8】
前記クラッド材が、前記第1金属層、前記第2金属層及び前記第1金属層がこの順に積層された3層構造である請求項2〜7のいずれか1つに記載のリードフレーム。
【請求項9】
前記サポートバーの厚みが、前記リード部の厚みよりも薄い請求項1〜8のいずれか1つに記載のリードフレーム。
【請求項10】
前記サポートバーが、前記第1金属層及び前記第2金属層の2層構造である請求項1〜9のいずれか1つのリードフレーム。
【請求項11】
同一面側に一対の電極を有する半導体素子と、
請求項1〜10のいずれか1つに記載のリードフレームと、 少なくとも前記互いに対向して配置されたリード部の間に配置され、前記リードフレームを固定する樹脂部材とを含む半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リードフレームならびに、表示装置、照明器具、ディスプレイ及び液晶ディスプレイ等のバックライト光源等に利用可能な半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、様々な電子部品が提案、実用化されており、これらに求められる性能が高くなっている。特に、電子部品には、厳しい使用環境下でも長時間性能を維持することが求められている。
メモリ、発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)をはじめとする半導体装置も同様で、特に、一般照明分野、車載照明分野等で使用される発光装置では、さらなる高出力(高輝度)化、高信頼性が要求されている。
そのために、例えば、硬度及び導電性が高いリードフレーム材として、圧延圧着による積層構造のクラッド材を用いることが提案されている(例えば、JPH5-102386A)。
【0003】
また、半導体装置の用途によって、これらの高性能を維持しながら、より一層の小型化が求められている。
そのために、半導体素子の構造のみならず、パッケージ構造においても種々の工夫がなされている。
【0004】
例えば、より薄膜化を実現し得る半導体装置において、半導体素子を封止樹脂とリードとの密着性を図るために、ダイパッド及びリード部の対向する端面に凹凸を形成することが提案されている(例えば、JP2011-151069A等)。
【発明の概要】
【0005】
しかし、半導体素子とリードとを封止樹脂で一体化による密着性を確保しても、半導体装置のさらなる小型化、薄膜化を図るためには、金属部材に直接素子電極を接合する構造が採用されるなどの工夫がさらに要求されている。
その一方、素子の電極と金属部材との直接接合では、素子と、金属部材との間の線膨張係数の差異、特に、素子を構成する半導体層と金属部材との間の線膨張係数の差異により、接合破壊が起こりやすいという課題があった。
【0006】
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、素子との直接接合に耐え得る高品質なリードフレーム及びそれを利用した信頼性の高い半導体装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、以下の発明を含む。
(1)互いに離間しかつ対向して配置され、半導体素子の一対の電極と電気的にそれぞれ接合するための一対のリード部と、
該リード部から離間し、前記一方のリード部の側方から他方のリード部の側方に延長する一対のサポートバーを含むユニットが複数連結されたリードフレーム。
(2)互いに離間しかつ対向して配置され、半導体素子を載置して一対の電極と電気的にそれぞれ接合するための一対のリード部を含むユニットが複数連結されたリードフレームであって、
前記リード部は、該リード部から延長した2つの鉤部を含み、
前記一方のリード部の鉤部は、前記ユニットの中心線に対する両側で、前記他方のリード部の鉤部の先端部を取り囲むように配置されているリードフレーム。
(3)同一面側に一対の電極を有する半導体素子と、
上記のいずれか1つに記載のリードフレームと、
少なくとも前記互いに対向して配置されたリード部の間に配置され、前記リードフレームを固定する樹脂部材とを含む半導体装置。
(4)同一面側に一対の電極を有する半導体素子と、
互いに離間しかつ対向して配置され、前記半導体素子の一対の電極が対向し、該一対の電極に接合部材を介して電気的に接続された一対のリード部を含むリードフレームと、
少なくとも前記互いに離間しかつ対向して配置されたリード部の間に配置され、前記リードフレームを固定する樹脂部材とを含み、
前記リードフレームは、前記リード部から離間し、前記一方のリード部の側方から他方のリード部の側方に延長する一対のサポートバーをさらに備える半導体装置。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、半導体素子との直接接合に耐え得る、高品質なリードフレームを提供することができる。
また、これを用いることにより、高品質かつ高信頼性であり、より小型化及び薄膜化を実現し得る半導体装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1A】本発明の実施形態1に係るリードフレームの1単位の外形を示す平面図である。
図1B図1Aのリードフレームについて説明するための1単位を示す平面図である。
図1C図1BのA−A’線断面図である。
図1D図1Cの要部Xの拡大図である。
図1E】本発明の実施形態1に係るリードフレームの1単位が複数単位連結されたリードフレームを示す平面図である。
図1F】本発明の実施形態1の変形例に係るリードフレームの要部の断面拡大図である。
図2A】本発明の実施形態2に係るリードフレームの概略平面図である。
図2B】本発明の実施形態2の変形例に係るリードフレームの概略平面図である。
図3】本発明の実施形態3に係るリードフレームの概略平面図である。
図4A】本発明の実施形態4に係る半導体装置の概略平面図である。
図4B図4AのB−B’線断面図である。
図4C図4Aに対応する半導体装置のB−B’線の概略断面図である。
図5】本発明の実施形態5に係る半導体装置の平面図である。
図6A】本発明の実施形態6に係るリードフレームの1単位を示す平面図である。
図6B図6Aのリードフレームの各部位を説明するための分解平面図である。
図6C図6Aのリードフレームの要部の概略断面図である。
図6D図6Aのリードフレームの1単位が複数単位連結されたリードフレームを示す平面図である。
図7】本発明の実施形態7に係るリードフレームの1単位を示す平面図である。
図8】本発明の実施形態8に係る半導体装置の要部平面図である。
図9A】本発明の実施形態9に係るリードフレームの平面図である。
図9B図9Aのリードフレームに載置する発光素子の電極パターンを示す発光素子の平面図である。
図9C図9Aのリードフレームを発光装置とする場合の裏面におけるリードフレームの露出形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明に係るリードフレーム及び半導体装置の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、各図面が示す部材の大きさ及び位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。さらに以下の説明において、同一の名称、符号については、原則として同一又は同質の部材を示しており、詳細説明を適宜省略する。
【0011】
〔リードフレーム〕
本実施形態のリードフレームは、金属部材であり、電極として機能する少なくとも一対のリード部を含むユニットが複数連結されて構成される。
一実施形態では、リードフレームは、電極として機能する一対のリード部と、その一対のリード部に対応する一対のサポートバーとを含むユニットが複数連結されて構成することができる。サポートバーは、後述するように、鉤部を有することが好ましい。
別の実施形態のリードフレームは、一対のリード部を含むユニットが複数連結され、1つのリード部において、リード部から延長した鉤部を2つ有して構成される。
ユニットは、通常、このような形状を実現するパターンの間、それらの外周等に、枠体を有する。半導体装置とする際に、リードフレームは、ユニットごとに切断される。以下、リードフレームにおける1ユニットについて説明する。
【0012】
(リード部)
一対のリード部は、互いに離間しており、対向して配置されている。つまり、一対のリード部のうち、一方のリード部は、後述する半導体素子の一対の電極のうちの一方の電極と、他方のリード部は、半導体素子の他方の電極と電気的にそれぞれ接合されるように配置され、少なくとも正又は負の電極端子として機能する。
【0013】
リード部は、例えば、半導体素子が一対のリード部を跨いで載置する領域を画定するための溝部を、その表面に有していてもよい。このような領域は、半導体素子に略等しい面積及び形状又はそれより若干大きな面積及び相似形状とすることが好ましい。これによって、画定された半導体素子載置領域(以下、単に素子載置領域ということがある)に半導体素子を接合部材によって接合するために、半導体素子をリード部の適所に効果的にアライメントさせることができる。
具体的なリード部及び素子載置領域の面積は、その上に搭載する平面積、数、配列状態等によって適宜設定することができる。また、一対の素子載置領域の間の隙間の形状や位置は、に設けられる正負電極の形状によって適宜設定することができる。
リード部の表面は、平坦であることが好ましいが、リードフレーム材料自体に若干の凹凸が形成されていてもよいし、リードフレーム材料の凹凸によって、リード材料と樹脂とが交互に配列するパターン形状を有していてもよい。
【0014】
リード部の平面形状は、特に限定されるものではなく、平面視において、四角形等の多角形、円形又は楕円形等、これらに近似する形状、櫛状及び鋸歯状等の凹凸を有する形状であってもよい。さらに、後述するサポートバー先端における形状に対応する形状であってもよい。このような形状については後述する。
また、リード部の裏面は、リード部の表面と異なる形状(凹凸など)を有していてもよい。図1Bに示すように、素子載置領域11cは、そのリード部の一部に厚みの薄い領域(クロスハッチン部で示す部分)を有している。この厚みの薄い領域は、リード部の裏面側からエッチング又はプレス等によって表面の端部よりも裏面の端部が内側に位置するように加工された領域であり、素子載置領域の1/5〜1倍程度の面積を占めるように形成することができる。
【0015】
溝部は、半導体素子の外周に対応するように、一対のリード部の端面から始まり、この端面から離れる方向に向かって延長する部位を有する。溝部が端面から始まることにより、半導体装置の樹脂部材の成型時に、リード部の端面側から樹脂が注入されて、この溝部内を樹脂で被覆することができる。これによって、上述したアライメント効果をより顕著に発揮させることができる。ここでの離れる方向とは、例えば、その端面によって構成されるリード部の縁に対して、直交又は略直交(±10度)する方向、傾斜する方向(45度±10度)に延長することが好ましい。この延長する部位は、直線状に形成されることが好ましい。
【0016】
(サポートバー)
サポートバーは、一対のリード部から離間し、一方のリード部の側方から他方のリード部の側方に延長するように配置されている。このようなサポートバーは、リード部の両側に配置されるように、一対有していることが好ましい。
【0017】
サポートバーの平面形状は、特に限定されず、搭載する半導体素子の一辺の全側方に沿うような細長い形状であればよい。例えば、直線状であってもよいし、半導体素子の側方に沿う直線状の先端からリード部側に延長する鉤部(つまり、L字形状の部位)を有していてもよい。このような鉤部は、1つのサポートバーの一端のみでもよいが、両端に存在することが好ましい。あるいは、必ずしも端部でなくてもよく、中央部に配置されていてもよい。また、一対のサポートバーのうちの一方のみに配置されていてもよいが、双方に配置されていることが好ましい。さらに、一対のサポートバーにおいて、それぞれ異なる一端又は端部付近において配置されていてもよい。なかでも、一対のサポートバーの両端に配置されていることが好ましい。また、鉤部は、平面視、リード部側に向かって屈曲するものであってもよいし、リード部とは反対側に向かって屈曲するものであってもよい。サポートバーは、全長に渡って同じ太さでもよいし、徐々に幅広、幅狭等のように太さが変化してもよい。
【0018】
なお、サポートバー先端において鉤部を有する場合は、その鉤部に対向するリード部は、リード部からその一部が側方に延長する部分を有する形状、言い換えると、平面形状がU字状又はL字状の凹部(錨状部)を有する形状とすることが好ましい。この凹部は、サポートバー先端の鉤部の形状に沿って、鉤部を、U字状又はL字状で取り囲むように配置されていることが好ましい。
したがって、リードフレームは、サポートバーの先端の鉤部及びリード部の凹部をそれぞれ1個又はそれぞれ2〜4個含むことができる。
【0019】
このような形状のサポートバーがリード部の両側に配置されることにより、半導体装置において半導体素子の電極とリードフレームとを直接接合した場合であっても、半導体素子と、リードフレームとの間の線膨張係数及び/又は熱膨張係数の差異、特に、半導体素子を構成する半導体層とリードフレームとの間の線膨張係数の差異を効果的に相殺することが可能となる。これによって、接合破壊を有効に防止することができる。
【0020】
サポートバーの表面は、リード部表面と面一であってもよいし、サポートバーの裏面はリード部の裏面と面一であってもよい。つまり、サポートバーの厚みは、リード部と同じであってもよいが、リード部よりも薄いことが好ましい。この場合、サポートバーの表面又は裏面のいずれかが、リード部の表面又は裏面のいずれかよりも凹んでいる(厚み方向において内側に位置している)ことが好ましい。特に、サポートバーの裏面(半導体装置の一部となる場合に半導体素子が載置される面の反対面)が、リード部の裏面よりも凹んでいることがより好ましい。
これによって、サポートバーに起因する裏面における短絡等を阻止することができる。
サポートバーの表面又は裏面の凹みの深さは、リードフレームの総厚みの5%〜60%程度が挙げられる。
このように、サポートバーをリード部よりも薄くする方法は、当該分野で公知の方法、いわゆるハーフエッチング法を利用して形成することができる。具体的には、サポートバーの表面及び/又は裏面に開口を有するマスクパターンを形成し、エッチングする方法が挙げられる。エッチング条件は、リードフレームの開口における厚み方向の一部のみがエッチングされるように適宜設定することができる。
【0021】
(鉤部)
リード部は、上述したように、1つのリード部において、リード部から延長した鉤部を2つ有していてもよい。ここで、鉤部とは、平面視、端部が折れ曲がった形状を有する部位、例えば、L字状、T字状、U字状、V字状、W字状等に折れ曲がった形状を有する部位が挙げられる。なかでも、L字状、U字状又はT字状の部位であることが好ましい。別の観点からは、鉤部とは、平面視、凹状又は切欠状に凹んだ部位と言い換えることもできる。さらに別の観点から、リード部は、雌雄スナップのように、凸部及び凹部に対応する凸凹2つ有する。
一対のリード部をそれぞれ分解した図1Bを用いて説明すると、リード部11aは、このリード部11aから延長する2つの鉤部A、Bを、その両側に有する。リード部11bは、このリード部11baから延長する2つの鉤部C、Dを、その両側に有する。ここでの両側とは、一対のリード部11a、11bが配置された方向(図1A中、X方向)の左右両側を意味する。言い換えると、ユニットの中心線に対する両側を意味する。ここでの中心線は、ユニットの中心又は重心を通る線を意味するが、ユニットの一辺に対して±10%程度の距離で、中心線がずれていることも許容される。
そして、一方のリード部11aの鉤部A(凹部A)は、他方のリード部11bの鉤部D(凸部D)の先端部D1を取り囲むように配置されている。逆に、他方のリード部11bの鉤部D(凹部D)は、一方のリード部11aの鉤部A(凸部A)の先端部A1を取り囲むように配置されている。この関係は、一対のリード部11a、11bが配置された方向の左右両側に存在する。
また、別の観点から説明すると、リード部は、平面視、一対のリード部の配置方向(図1A中のX方向)において、リード部11bの一部(つまりD1)が、リード部11aの一部(つまりA1)と互いに離間しながら、重なるように、互いの凹凸に沿って噛み合う形状で配置されている。このような部位が、X方向の左右両側において配置されている。
【0022】
このような鉤部を一対のリード部が配置された方向の左右両側に配置することにより、半導体装置において半導体素子の電極とリードフレームとを直接接合した場合であっても、半導体素子と、リードフレームとの間の線膨張係数の差異、特に、半導体素子を構成する半導体層とリードフレームとの間の線膨張係数の差異を効果的に相殺することが可能となる。これによって、接合破壊を有効に防止することができる。
【0023】
鉤部の表面は、リード部(特に、素子搭載領域)表面と面一であってもよいし、鉤部の裏面はリード部(特に、素子搭載領域)の裏面と面一であってもよい。つまり、鉤部の厚みは、リード部と同じであってもよいが、リード部よりも薄いことが好ましい。この場合、鉤部の表面又は裏面のいずれかが、リード部の表面又は裏面のいずれかよりも凹んでいることが好ましい。特に、鉤部の裏面(半導体装置の一部となる場合に半導体素子が載置される面の反対面)が、リード部の裏面よりも凹んでいることがより好ましい。
これによって、鉤部に起因する裏面における短絡等を阻止することができる。
鉤部の表面又は裏面の凹みの深さは、リードフレームの総厚みの5%〜60%程度が挙げられる。
このように、鉤部をリード部よりも薄くする方法は、当該分野で公知の方法、いわゆるハーフエッチング法を利用して形成することができる。具体的には、鉤部の表面及び/又は裏面に開口を有するマスクパターンを形成し、エッチングする方法が挙げられる。エッチング条件は、リードフレームの開口における厚み方向の一部のみがエッチングされるように適宜設定することができる。
【0024】
特に、鉤部がハーフエッチング法によって形成されることにより、パッケージ強度を向上させることができ、一対のリード部にまたがって配置される半導体素子を実装する際に、接合強度を向上させ、信頼性を確保することができる。
また、一面のハーフエッチングだけでなく、表裏面をエッチングすることにより、例えば、第1金属層又は第2金属層を多く残すことができ、アンカー効果を制御しやすくなる。また、その表面を波型など異形状としたり、後述するようにめっきレスにするなどにより、樹脂部材との密着性を向上させることができる。
【0025】
リード部は、鉤部を有するために、通常その平面積が大きくなることが考えられる。このような平面積の増加は、半導体素子との応力差の増大を招くことがある。このような場合には、リード部において鉤部でない部位に、貫通孔などを設けて、半導体素子との応力差を緩和することができる。
【0026】
(その他の部位)
リードフレームは、一実施形態では、上述した一対のリード部と、リード部から離間して配置されたサポートバーが、一単位として、行列方向、つまり長手方向及びこれに直交する方向である短手方向に複数配列されている。
また、他の実施形態では、上述した一対のリード部と、鉤部が、一単位として、行列方向に複数配列されている。
【0027】
本願では、リードフレームは、このような一単位のみを含むもののみならず、複数単位を含むものが包含される。
つまり、リードフレームはリード部を互いに連結する連結部位を含んでいてもよい。また、半導体装置の一単位に相当するリードフレームではリード部から離間するように配置されるが、複数単位を一連で配置するために、サポートバーとリード部とを連結する連結部位を含んでいてもよい。
これらのリードフレームの各部位は、後述する1つの半導体装置の一部となる場合には、例えば、樹脂部材中に埋設されていてもよいし、樹脂部材から露出していてもよいし、切断されて分離されてもよい。特に、鉤部は、樹脂部材中に埋設されていることが好ましい。また、上述したリード部における溝内にも、樹脂部材が充填されていることが好ましい。
【0028】
リードフレームの形状は、互いに離間して対向して配置されている限り特に限定されるものではない。例えば、板状及び波状であってもよいし、部分的に厚くなる又は薄くなっていてもよいし、板状又は波状のものを屈曲させたものであってもよい。
【0029】
(材料)
リードフレームは、通常、端子として機能する導電性材料によって形成される。例えば、Fe、Ni、Cu、Co、Ti、Sc、Nb、Zn、Zr、W、Mo、Ta、Al、Au、Pt、Ag、Rh、Ru、Pd、Os、Ir、Hf、V、Mn、Cr、La、Y、Sn等の金属又はこれらの合金が挙げられる。これらは単層であってもよいし、積層構造(例えば、クラッド材)であってもよい。主成分としては、Fe、Ni、Cuを用いるのが好ましい。また、微量含有元素としてSi、Pなどの非金属が含まれていてもよい。
リードフレームの膜厚は、例えば、100〜1000μm程度が挙げられる。
【0030】
(クラッド材)
本実施形態のリードフレームは、クラッド材を含んで形成されていることが好ましい。
クラッド材は、少なくとも第1金属層と、第1金属層と異なる金属からなる第2金属層との積層構造を含むものが好ましい。
第1金属層及び第2金属層は、互いに異なる組成を有していればよく、同じ金属元素をその一部に含む材料によって形成されているものでもよい。
互いに異なる金属としては、線膨張係数及び/又は熱膨張係数、特定のエッチング液に対する溶解性、導電率、導電率、熱伝導率、反射率及び/又は硬度が互いに異なるものが挙げられる。なかでも、熱膨張係数及び特定のエッチング液に対する溶解性が互いに異なるものが好ましい。
【0031】
第1金属層及び第2金属層は、上述した金属又は合金等から選択することができる。具体的には、第1金属層は、第2金属層よりも線膨張係数又は特定のエッチング液に対する溶解性が大きい特性を有するものが好ましく、銅又は銅合金がより好ましく、放熱性に優れる銅がさらに好ましい。特に、不純物が少なく、熱伝導率が高い無酸素銅がさらに好ましい。例えば、電極端子として用いる部分にCuを用いることで、半田付けを容易とすることができ、放熱性に優れた半導体装置を得ることができる。また、後述する樹脂部材との接合部分には無酸素銅を用いることで、樹脂部材とリードフレームとの密着性を向上させ、これらの剥離を抑制することができる。
Cuを主成分とする194系合金、EFTEC系合金、KFC系合金とすることでクラッド材の生産性が向上し、加工時の反り、変形などを抑制することができる。
第2金属層は、鉄又は鉄合金であることが好ましく、Inver、SPCC、Kovar、SUS等がより好ましく、汎用性や加工性に優れた又は常温付近での線膨張率が小さいFe−Ni系合金がさらに好ましい。
【0032】
このように、異なる金属からなる第1金属層及び第2金属層の積層構造のクラッド材を採用することにより、各金属の特性を適宜組み合わせて利用することができるために、リードフレームとして、さらにこれを用いた半導体装置において、それらの信頼性をより一層確保しながら、高品質を与えることが可能となる。
特に、第1金属層が第2金属層よりも線膨張係数が大きい特性を有するものである場合には、半導体素子等に対する線膨張係数の差を最小限に留めること、または半導体素子の接合に用いる接合部材の線膨張係数を半導体素子に近づけることができる。その結果、半導体素子とリードフレームとの接合破壊を有効に防止することが可能となる。この効果は、半導体素子の一対の電極に接合部材を介してリード部が電気的に接続されたフェイスダウンタイプの半導体装置に対して顕著である。
また、第1金属層が第2金属層よりもエッチング液に対する溶解性が大きい特性を有する場合には、第1金属層及び第2金属層の一方の端面が他方の端面よりも突出した形状の加工を容易に実現することができる。これによって、リードフレームと樹脂部材との接触面積の増大させることが可能となる。また、リードフレームの樹脂部材に対するアンカー効果を発揮させることができる。
【0033】
なお、特定のエッチング液としては、代表的には、塩化第二鉄又は塩化第二銅の溶液が挙げられる。この溶液の濃度は特に限定されるものではなく、第1金属層及び第2金属層の種類、厚み、エッチングの際に用いるマスクパターン等を考慮して、通常の金属エッチングに使用される濃度に設定することができる。
【0034】
クラッド材は、第1金属と第2金属との積層構造を含んでいればよく、いわゆる全面においてオーバーレイ型であることが好ましいが、オーバーレイ型、インレイ型、エッジレス型の部分を一部含む構造を有していてもよい。また、3層構造、4層以上の構造を含んでいてもよい。この場合、第1金属層と第2金属層とのいずれか又は双方が複数層積層された構造を含んでいてもよいし、これら金属層とは異なる第3、第4、・・・第n金属層等が、第1金属層と第2金属層との間に積層されていてもよいし、第1金属層と第2金属層との積層体の一面又は両面に積層されていてもよい。この場合の異なる第3金属層等は、上述した第1金属層及び第2金属層等の例示材料から選択することができる。
【0035】
なかでも、リードフレームは、第1金属層及び第2金属層の2層構造を含むか、第1金属層及び第2金属層がこの順に交互に接合されてなる3層構造又は5層構造を含むクラッド材によって形成されていることが好ましい。2層構造のクラッド材を含む場合は、半導体素子側に第1金属層及び第2金属層のいずれが配置されていてもよいが、第1金属層が配置されることが好ましい。このような構造は、端面における凹凸を適切な形状に容易に制御することができる。また、第1金属層及び第2金属層の材料を適切に選択することにより、線膨張係数を制御することを通じて上述した接合破壊の防止を確実に行うことができ、放熱性を確保することができる。
【0036】
特に、リードフレームは、第1金属層/第2金属層/第1金属層の3層構造が好ましい。この場合、上述したサポートバーは、一方の第1金属層がエッチング除去された部分とすることができる。つまり、溝部の下部を第1金属層及び第2金属層の2層構造とすることが好ましい。このような構成によって、加工条件の設定が簡便であり、容易にサポートバーの厚みを薄くすることができる。
【0037】
第1金属層及び第2金属層の厚みは特に限定されるものではなく、例えば、第1金属層及び第2金属層は、それぞれ、数十μm〜数百μm程度の厚みとすることができる。特に、第1金属層及び第2金属層の2層構造では、第1金属層は10〜300μm程度、第2金属層は10〜300μm程度の厚みとすることが挙げられる。第1金属層、第2金属層及び第1金属層がこの順に接合されてなる3層構造では、第1金属層はそれぞれ50〜200μm程度、第2金属層は50〜200μm程度の厚みとすることが挙げられる。この場合、第1金属層は、同じ厚みでもよいし、異なる厚みでもよい。特に、半導体装置に用いる場合には、半導体素子から遠い側に厚い膜厚の第1金属層を配置することが好ましい。
【0038】
第1金属層及び第2金属層の一方の端面が他方の端面よりも突出した形状は、アンカー効果を最大限に発揮させ得る形状とすることが好ましい。
例えば、(1)第2金属層の端面が第1金属層の端面よりも突出している、(2)第1金属層及び第2金属層の一方の厚み方向の全端面が他方の端面よりも突出している、(3)第1金属層、第2金属層及び第1金属層がこの順に接合されてなる3層構造のクラッド材では、第2金属層の端面は、第1金属層の端面よりも突出している、(4)第2金属層の端面は、第1金属層の第2金属層側の縁部から、第1金属層の第2金属層側の縁部に一致するように傾斜している、(5)第1金属層の端面は、第2金属層の全端面よりも内側に位置している、(6)第2金属層側に位置する第1金属層の縁部は、第2金属層とは反対側に位置する第1金属層の縁部よりも外側に位置しているなどの形状が挙げられる。
【0039】
(めっき膜)
リードフレームは、その表面又は裏面の一方に、表裏面の双方に、表面又は裏面の一方あるいは表裏面の双方と端面とに、めっき膜が被覆されていてもよい。上述した第1金属層及び第2金属層又は第3金属層等を含むクラッド材の場合は、各層の間にめっき膜は必要ではなく、表出している部分(表面、裏面、端面)にめっき膜が被覆されていればよい。例えば、クラッド材の表面又は裏面の一方に、表裏面の双方に、表面又は裏面の一方あるいは表裏面の双方と端面とに、めっき膜が被覆されていてもよい。
めっき膜の材料としては、Ag、Al、Au又はこれらの合金等が挙げられる。なかでも、Agによるめっき膜が好ましい。これにより、半導体素子が発光素子である場合、特に、発光素子からの光を効率よく取り出すことが可能となる。なお、クラッド材において、第1金属層及び/又は第2金属層が最表面に存在しない場合には、めっき膜はこれら第1金属層及び第2金属層に接触して被覆されるものではなく、クラッド材の最表面に存在する層に接触して被覆される。
また、リードフレームの表面(端面、上面、下面に)は、下地めっき膜を形成することが好ましい。例えば、最表面をAgめっきとしたい場合は、その下地めっきとしてCu、Niめっき膜などを形成するのが好ましい。
めっき膜は、リードフレームを加工する前に施してもよいが、後述するリードフレームを加工(パターン化)した後に形成することが好ましい。それによって、クラッド材の端面までをもめっき膜で被覆することができる。
めっき膜の厚みは特に限定されるものではなく、例えば、1〜10μm程度が挙げられる。
【0040】
リードフレームは、公知の方法によって又はそれに準じて製造することができる。
特に、クラッド材は、例えば、芯材及び皮材を固相状態において熱間圧延により高温下で加圧して接合する方法、肉盛溶接、鋳込み、鋳かけ等による溶融接合する方法、圧延接合、爆着接合、拡散接合等の非溶融接合する方法、焼結、溶射の半溶融接合する法等によって製造することができる。具体的には、JPH5-102386Aに記載された方法を利用することができる。クラッド材は、強磁性体であるフェライト系ステンレス鋼などの鉄系合金で形成された芯材の上に、銅または銅合金を接合したものが好ましい。
【0041】
リードフレームを加工方法としては、特に限定されるものではなく、リード部、サポートバー等の所定形状に、プレス、パンチ、ブラスト、エッチング等の通常のリードフレームの加工に利用される方法によって、パターニングすることができる。
なお、リードフレームの端面、特に、後述する樹脂部材に埋設される部位の端面は、傾斜しているか、凹凸を有していることが好ましい。これにより、リードフレームの樹脂部材に対するアンカー効果を利用することができる。
【0042】
例えば、クラッド材を利用する場合、第1金属層及び第2金属層の一方の端面を他方の端面よりも突出させる加工を行うことが好ましい。例えば、第1金属層及び第2金属層に対するエッチングレートが異なるエッチング液を利用したウェットエッチング法が挙げられる。この場合、リードフレームの一面に意図する形状をマスクする又は開口するマスクパターンを利用してエッチングすることが適しており、リードフレームの両面に意図する形状をマスクする又は開口するマスクパターンを利用してエッチングすることが好ましい。これによって、加工時間及び加工コストを低減させることができる。両面に形成するマスクパターンは、同一形状であってもよいし、異なる形状であってもよい。
【0043】
また、プレス、パンチ、ブラスト等の通常のリードフレームの加工に利用される方法によってリードフレームに所望のパターンに成形し、その後、第1金属層及び第2金属層等のうちの最表面に配置される金属層のみに開口を有するマスクパターンを形成し、ブラスト、エッチング等を行って、第1金属層及び第2金属層の一方の端面が他方の端面よりも突出する形状に加工してもよい。
【0044】
なお、これらの加工方法では、上述した1単位に相当する形状のみを加工してもよいが、複数配列した形状で加工されることが好ましい。
このような加工方法を利用することにより、半導体装置の複数個分の加工を容易にする。また、その加工形状、すなわち、第1金属層及び第2金属層の一方の端面を他方の端面よりも突出させることができ、容易に突出の程度を制御することができる。これによって、リードフレームが半導体装置に使用される場合には、後述する樹脂部材に対して、よりアンカー効果を有効に発揮させることが可能となる。特に、半導体素子の大きさ(チップサイズ)が極小であり、半導体装置の高さが極めて低いものへの適用に対して、より有効に作用する。
【0045】
上述したように、リードフレームが、その表面及び/又は裏面及び/又は端面にめっき膜を有する場合には、上述したリードフレームの加工の後にめっきを施すことが好ましい。この場合、リードフレームの加工された端面は露出しない場合があり、特に、クラッド材を用いる場合は、第1金属層及び第2金属層等が露出しない場合もある。
また、リードフレームは、樹脂部材を成型した後、最終的に半導体装置として個片化(切断)される。そのため、この切断部におけるリードフレームの端面は、その一部において、第1金属層及び第2金属層等が露出することがあり、それらの端面については突出部を有さず、面一又は略面一となることもある。さらに、このような端面にはめっき膜が形成されないこともある。
【0046】
〔半導体装置〕
本実施形態の半導体装置は、上述したリードフレームと、このリードフレーム上に載置された半導体素子と、リードフレームを固定する樹脂部材とを含む。
【0047】
(半導体素子)
半導体素子は、特に限定されるものではなく、シリコン、ゲルマニウム等の元素半導体、III−V族等の化合物半導体から構成されるものであれば、どのような素子であってもよい。
特に、発光素子であることが好ましい。発光素子は、通常、基板上に積層された、発光層を含む半導体層から構成される。あるいは、基板上に発光層を含む半導体層を積層した後に基板を除去することにより得られる半導体層から構成されていてもよい。以下、半導体素子である発光素子を一例として説明する。
【0048】
(基板)
基板としては、特に限定されるものではなく、例えば、窒化物半導体層を成長させるために通常用いられるものが挙げられる。なかでも、透光性の基板が好ましい。ここでの透過性とは、発光素子から出射される光の60%、65%、70%又は80%程度以上を透過し得る性質を指す。基板としては、サファイア、スピネル、NGO、LiAlO、LiGaO、GaN等が挙げられる。なかでも、酸化物からなる基板が好ましく、ウルツ鉱型結晶からなる基板がより好ましく、特にサファイア基板がさらに好ましい。
【0049】
(半導体層)
基板上(例えば、第1の主面上)に積層される半導体層は、少なくとも発光構造を有するものが好ましい。具体的には、半導体層は、例えば、基板上に、任意にバッファ層等の1層又は複数層を介して、第1半導体層(n型又はp型半導体層)、発光層及び第2半導体層(p型又はn型半導体層)がこの順に積層されて構成されるものが挙げられる。
【0050】
半導体層は、第2半導体層側から厚み方向に一領域が除去され、つまり、部分的に除去され、そこから第1半導体層が露出しており、この露出した領域以外の第1半導体層の他の領域上に、発光層および第2半導体層が順に積層されて構成されている。
半導体層を構成する第1半導体層、発光層及び第2半導体層としては、特に限定されるものではなく、例えば、InAlGa1−X−YN(0≦X、0≦Y、X+Y≦1)等の窒化物系化合物半導体が好適に用いられる。これらの窒化物半導体層は、それぞれ単層構造でもよいが、組成及び膜厚等の異なる層の積層構造、超格子構造等であってもよい。特に、発光層は、量子効果が生ずる薄膜を積層した単一量子井戸又は多重量子井戸構造であることが好ましい。
【0051】
(電極)
半導体素子が有する一対の電極は、半導体層の同一面側に配置されている。これらの一対の電極は、上述した第1半導体層及び第2半導体層と、それぞれ、電流−電圧特性が直線又は略直線となるようなオーミック接続されるものであれば、単層構造でもよいし、積層構造でもよい。このような電極は、当該分野で公知の材料及び構成で、任意の厚みで形成することができる。例えば、十数μm〜300μmが好ましい。
【0052】
特に、後述するように、半導体素子の一対の電極がそれぞれ接合部材を介してリード部と電気的に接続される場合には、一対の電極の最も半導体層側の層として、反射層(めっき膜、DBR膜)を配置することが好ましい。
【0053】
反射層としては、可視光域における反射率の波長依存性が比較的大きく、特に、近紫外域から長波長側において、反射率が急激に増大する材料によって形成されることが好ましい。具体的には、350nm以上の波長域(赤色まで)の光を効果的に反射し得る材料によって形成されることが好ましく、より好ましくは380nm以上、さらに好ましくは400nm以上である。具体的には、Ag又はAg合金が挙げられる。
Ag合金としては、Agと、Pt、Co、Au、Pd、Ti、Mn、V、Cr、Zr、Rh、Cu、Al、Mg、Bi、Sn、Ir、Ga、Nd及びRe(Reは希土類)からなる群から選択される1種又は2種以上の合金が挙げられる。反射層の厚みは、照射された光を効率的に反射させること等を考慮して、例えば、数十nm〜数μm程度が適している。
DBR膜としては、Nb、TiO、ZrO、Ta、HfO、SiO、Al、MgF等が挙げられる。
このような材料を用いることにより、特に発光素子の場合には、半導体層から出射された光を反射させて、光を効率的に取り出すことができる。また、放熱性の良好な半導体装置を得ることができる。その結果、大電流を流した際の発熱を緩和することができ、半導体素子をより高出力とすることが可能となる。
【0054】
半導体素子の一対の電極は、通常、後述するリードフレームのリード部に接合部材を介して電気的に接続されている。つまり、フェイスダウンにて接続されている。つまり、半導体素子の各電極の形状に対応するよう、素子載置領域、すなわち、溝部が形成される。
ここでの半導体素子の「電極の形状」とは、素子載置領域と接する電極(パッド電極)の表面形状を指す。パッド電極の下に形成され、半導体層と接している電極(オーミック電極)は素子載置領域とは異なる形状であってもよい。例えば、p電極の上方に、絶縁膜を介してn電極を積層させるなど、p電極とn電極とを部分的に積層させた構造とする場合、最表面に露出されているp電極及びn電極の形状が、リードフレームの素子載置領域と対応する形状とすることが好ましい。
【0055】
また、発光素子として、あらかじめ蛍光体層を形成した白色発光素子、発光素子の側面を樹脂又は金属などの反射層で被覆して上面に蛍光体層を形成した白色発光素子を用いてもよい。さらに、発光素子から実装面に配置される電極の厚みを厚くして、その周囲に樹脂(白色樹脂)などの応力緩和層を備えた発光素子を用いることもできる。
【0056】
(接合部材)
接合部材としては、一般に、半導体素子をボンディングする際に用いる材料、例えば、共晶合金及び半田が挙げられる。好ましい共晶合金としては、AuとSnを主成分とする合金、AuとSiとを主成分とする合金、AuとGeとを主成分とする合金などが挙げられる。半田としては、AgとCuとSnとを主成分とする合金、CuとSnとを主成分とする合金、BiとSnとを主成分とする合金などが挙げられる。これらの中でもAu−Snの共晶合金が好ましい。Au−Snの共晶合金を用いると、半導体素子の電極に対する熱圧着による劣化を低減させることができ、リードフレームに対して強固に接合させることができる。
【0057】
(樹脂部材)
樹脂部材は、リードフレームを固定する部材である。半導体素子として発光素子を用いる場合、発光素子からの光を反射可能な反射面を有するものが好ましい。
樹脂部材としては、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂などの樹脂によって形成することができる。具体的には、エポキシ樹脂組成物、シリコーン樹脂組成物、シリコーン変性エポキシ樹脂などの変性エポキシ樹脂組成物、エポキシ変性シリコーン樹脂などの変性シリコーン樹脂組成物、ポリイミド樹脂組成物、変性ポリイミド樹脂組成物、ポリフタルアミド(PPA)、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、液晶ポリマー(LCP)、ABS樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、PBT樹脂等の樹脂が挙げられる。特に、熱硬化樹脂が好ましい。なかでも、半導体装置として、発光素子を用いた発光装置とする場合、樹脂部材は、発光素子からの光に対する反射率が60%以上であるものが好ましく、より好ましくは70%、80%又は90%以上であるものが好ましい。
【0058】
例えば、樹脂部材には、酸化チタン、二酸化ケイ素、二酸化ジルコニウム、チタン酸カリウム、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、ムライトなどの光反射材が含有されていてもよい。これにより、発光素子からの光を効率よく反射させることができる。光反射材は、樹脂成形法や樹脂流動性などの成形条件によって、また反射率や機械強度などの特性等によって適宜調整することができる。例えば、酸化チタンを用いる場合は、樹脂部材の全重量に対して、20〜40重量%、さらに25〜35重量%含有させることが好ましい。
【0059】
樹脂部材は、上述した一対のリードフレーム(つまり、リード部)の間に配置され、両者を絶縁分離している。互いに離間しかつ対向して配置されたリード部の間に配置された樹脂部材は、リードフレームの厚み方向の全端面を被覆することが好ましい。
上述したように、リードフレームの端面の一部が突出した形状の場合、例えば、リードフレームがクラッド材であって、第1金属層及び第2金属層の一方の端面が他方の端面よりも突出した形状を有している場合には、このような厚み方向の全端面が、樹脂部材に被覆され、埋め込まれていることにより、リードフレームと樹脂部材との接触面積を増大させ、両者の密着性を向上させることができる。また、リードフレームの端面の部分的な突出によって、効果的にアンカー効果を発揮させることができる。
特に、上述したように、第1金属層、第2金属層及び第1金属層がこの順に接合されてなる3層構造で、第1金属層及び第2金属層の一方の厚み方向の全端面が他方の端面よりも突出している場合には、上下方向の双方に対するアンカー効果を確保することができる。また、第2金属層の厚み方向の全端面が、第1金属層の全端面よりも突出していること又は第1金属層の最も突出した端面よりも突出している場合においても、第1金属層及び第2金属層の線膨張係数の差異によって、より効果的に樹脂部材に対してアンカー効果を発揮させることができる。
【0060】
本実施形態の半導体装置は、特に、半導体素子として発光素子を用いる場合、上述した樹脂部材とは別に、発光素子及びリードフレームの一部を被覆する透光性部材が配置されていてもよい。この透光性部材は、発光素子から出射される光の配光性及び指向性を考慮して、凹レンズ又は凸レンズ形状が挙げられる。
このような透光性部材は、例えば、シリコーン樹脂組成物、変性シリコーン樹脂組成物、エポキシ樹脂組成物、変性エポキシ樹脂組成物、アクリル樹脂組成物等、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ユリア樹脂、フッ素樹脂及びこれらの樹脂を少なくとも1種以上含むハイブリッド樹脂等の樹脂によって形成することができる。
【0061】
この透光性部材には、発光素子から出射される光を吸収して異なる波長の光に変換する蛍光体等の波長変換部材を含有されていてもよい。例えば、酸化物系、硫化物系、窒化物系の蛍光体などが挙げられる。例えば、発光素子として青色発光する窒化ガリウム系発光素子を用いる場合、青色光を吸収して黄色〜緑色系発光するYAG系、LAG系、緑色発光するSiAlON系(βサイアロン)、赤色発光するSCASN、CASN系、KSF系蛍光体(KSiF:Mn)、硫化物系蛍光体等の蛍光体の単独又は組み合わせが挙げられる。また、光散乱材(硫酸バリウム、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化珪素など)を含有していてもよい。
【0062】
なお、半導体装置においては、ツェナーダイオード、ブリッジダイオードなどの保護素子等が、リードフレーム上に配置されていてもよい。
【0063】
実施形態1
この実施形態のリードフレーム10は、図1A及び1Bに示すように、半導体装置として、1単位Uの平面形状が、正負一対を構成するリード部11a、11bと、この2つのリード部11a、11bの両側において、リード部11aからリード部11bを跨ぐように、その両側に平行にサポートバー12が配置されている。換言すると、サポートバーは、その側面がリード部11aの側面とリード部11bの側面との双方の側面に渡って対向する長さで設けられている。
サポートバー12は、図1Cに示すように、その裏面においてリード部11a、11bの裏面から凹むように、リード部11a、11bよりも薄く加工されている。
サポートバー12は、図1Cに示すように、裏面が凹むように加工してもよいし、上面が凹むように加工してもよい。また、サポートバーが3層構造のクラッド材の場合、その真ん中の層(第2金属層)のみを残すように、上層(第1金属層)と下層(第1金属層)とを、真ん中の層が露出するよう加工してもよい。また、クラッド材に限らず、表面又は裏面に溝加工を施してもよい。さらに、図1Cでは、サポートバー全体が、リード部よりも厚みを薄くするほか、上記の加工(上面又は下面に凹部を設けることで部分的に厚みを薄くする)を施す領域を、サポートバーの一部分にするなど、厚みについても適宜選択できる。
【0064】
2つに分割されたリード部11a、11bは、リードフレーム10の表面に形成された溝部16によって素子載置領域11cが画定されている。
このような溝部16の配置によって、発光素子を半田等の接合部材によってボンディングする際に、接合部材のフローを防止して、セルフアライメント効果によって適所に発光素子をボンディングさせることを可能にする。特に、この溝部16には、後述する樹脂部材など、金属の接合部材(半田など)と濡れ性の悪い部材が充填されていることが好ましい。このような部材の配置によって、より効果的にセルフアライメント効果を発揮させることができる。
【0065】
このリードフレーム10は、図1Dに示すように、上から(発光素子が載置される側から)第1金属層として銅合金(194)からなる層(厚み約100μm)と、第2金属層14として鉄合金(Fe−Ni合金、Ni:36%)からなる層(厚み約50μm)とが、第1金属層13a/第2金属層14/第1金属層13bの積層構造となるように積層されたクラッド材によって形成されている。このクラッド材の表裏面、つまり、第1金属層13a、13bの外側の面と、これらクラッド材の端面に、Agからなるめっき膜15(厚み約2〜3μm)が被覆されている。
【0066】
リードフレーム10では、第1金属層13aの端面は、第2金属層14の端面よりも突出している。これにより、アンカー効果を効果的に発揮させることができる。
また、第2金属層14の端面は、第1金属層13aの第2金属層14側の縁部から、第1金属層13bの第2金属層14側の縁部に一致するように傾斜している。
さらに、第1金属層13bの端面は、第1金属層13aの全端面よりも内側に位置している。
加えて、第2金属層14側に位置する第1金属層13bの縁部は、第2金属層14とは反対側に位置する第1金属層13bの縁部よりも外側に位置している。
【0067】
リードフレームのこのような形状により、樹脂部材との密着性を向上させることができる。また、樹脂部材とリードフレームと間、半導体素子とリードフレームとの間の線膨張差を低減することができる。その結果、これらの接合の信頼性を高めることができる。
【0068】
このリードフレーム10は、図1Eに示すように、1つの発光装置を構成する1単位Uの形状が、長手方向及びそれに直交する方向において複数配列されている。
【0069】
このようなリードフレームは、以下の製造方法によって製造することができる。
まず、第1金属層13a/第2金属層14/第1金属層13bの積層構造からなるクラッド材を準備する。このクラッド材は、第1の金属層と、第2金属層との接合界面が拡散結合されており、金属層間での剥離が生じないように形成されている。
クラッド材の表面に、例えば、レジストを全面に設け、フォトリソ工程によって、詳細には、所望形状のパターンの露光用マスクを用いて露光し、現像する工程を経ることによって、レジストからなる所望形状のマスクを形成する。このマスクを、リードフレームのエッチング用のマスクとする。このマスクを、リードフレームのエッチング用のマスクとする。この場合のパターン形状は、図1Aに示した形状に対応するものとする。
また、表面に形成されたマスクの開口幅よりも若干幅広となる開口を形成してもよい。ただし、表裏面それぞれのマスクの開口の中心線が、投影視において重なるように配置することが好ましい。
クラッド材の表裏面にマスクを形成した後、例えば、45℃、塩化第二鉄溶液(FeCl濃度:3.2mol/L、塩素濃度:0.7〜2.0wt%、比重1.4g/cc)で、約6分間スプレーし、クラッド材をエッチングし、パターンニングする。
この際、表面側に溝部形成用の開口の狭いマスクを設け、溝部を同時形成してもよい。
【0070】
また、図1Aの形状のリードフレームにおいて、リードフレームの表面に溝部16を形成する場合には、表面に溝部16に対応する形状の開口を有するマスクを形成し、かつ裏面全面を被覆するマスクを形成し、例えば、45℃、塩化第二鉄溶液(FeCl濃度:3.2mol/L、塩素濃度:0.7〜2.0wt%、比重1.4g/cc)で、約4分間スプレーし、クラッド材をエッチングする。
あるいは、表面に溝部16に対応する形状の開口を有するマスクを形成し、裏面においては全面マスクを形成する代わりに、素子載置領域11c及び溝部16を含むリード部11a、11bの外周、この外周に連結される部位、サポートバー12に対応する形状の開口を有するマスクを形成し、上記と同様にクラッド材をエッチングしてもよい。
【0071】
これにより、溝部16が表面側から厚み方向に部分的に(例えば、第1金属層1aの厚み方向の一部又は全部が)エッチングされ、さらに、素子載置領域11c及び溝部16を含むリード部11a、11bの外周、この外周に連結される部位、サポートバー12が裏面側から厚み方向に部分的に(例えば、第1金属層1aの厚み方向の一部又は全部が)エッチングされることにより、これらの部位において、その平面形状を変化させることなく、厚みを小さくすることができる。これによって、以下の問題を解消することができる。
例えば、リードフレームの厚み方向の厚みを部分的に変化させる方法として、従来から、プレス加工などが用いられている。しかし、プレス加工を施すと、減少する厚みに対応する金属が面内方向に押しやられ、その平面形状を変化させることとなる。このような平面形状の変化は、近年の半導体装置の微細化などにより、電極/端子間距離、それらのマージンが縮小する状況下では、電極/端子間でのショートを招く。
一方、上述したように、平面形状を変化させることなく、厚みを小さくするによって、このような短絡を効果的に防止することが可能となる。
【0072】
なお、リードフレーム24は、プレス加工などで切断して所望の形状とされるが、切断面が第1の金属部材26又は第2の金属部材28の単一材料からなるように設定することにより、異種金属を重ねて切断する必要がなくなるため、プレス加工やエッチング加工でのリードフレーム24の切断が容易となるため好ましい。
【0073】
このような厚みの変化は、半導体装置のリードフレームとして利用する場合に、リードの一部分(リード部11a、11b、素子載置領域11c)のみを樹脂部材の上面及び下面の両方から露出させるために利用することができ、半導体素子、特に発光素子の放熱性を向上させることができる。さらに、これらの露出部を端子として利用することができる。
また、リードフレームの表面側では、溝部16に樹脂部材など、金属の接合部材(半田など)と濡れ性の悪い部材を充填することができる。これにより、接合部材を適所において、適当な大きさに容易に画定することができるために、半導体素子のボンディング時にセルフアライメント効果を適切に発揮させ、半導体素子を適所に容易に配置することが可能となる。
さらに、素子載置領域11c及び溝部16を含むリード部11a、11bの外周、この外周に連結される部位、サポートバー12の裏面側に、樹脂部材を被覆することができるため、リードフレームの短絡を有効に防止することが可能となる。
【0074】
その後、銀イオンを含むめっき液を用いて、リードフレーム表面にめっき膜を形成する。めっきの条件は、材料等に応じて適宜調整することができる。めっき膜形成前には、前処理として、リードフレーム表面の有機物質を除去するために、脱脂工程を行うことが好ましい。脱脂工程に次いで、酸処理などによりリードフレームの表面活性化を行うことが好ましい。また、ストライクめっきなど0.2μm程度の薄いめっきを下地層として設けるなど、銀めっきとリードフレームとの密着性を向上させる層を設けてもよい。また、銀めっきを最表面とするめっき膜は種々の積層構造とすることができる。例えば、下からNi/Pd/Au/Agとすることにより、耐熱性の高いめっき膜とすることができる。また、リードフレームが鉄を含む場合、例えば、Cu/Fe/Cuなどのクラッド材で形成されている場合、加工して露出するFeの端面をめっき膜で覆うことにより、Feの端面が腐食するのを抑制することができる。
【0075】
なお、このようなめっきの際に、サポートバー12の樹脂部材への密着性を向上させるために、ストライプめっきを利用して、サポートバーにめっきを施さないようにしてもよい。
これにより、上述した端面形状を有するリードフレームを得ることができる。
【0076】
実施形態1の変形例
この実施形態のリードフレーム80は、図1Fに示すように、1単位Uの平面形状において、正負一対を構成するリード部81a、81bと、この2つのリード部81a、81bの両側において、リード部81aからリード部81bを跨ぐサポートバー82との形状が異なる以外、実施形態1と実質的に同じ構成である。
つまり、リードフレーム80、リード部81a、81bから延長し、平面形状がU字となる凹部、つまり錨状部81dを、リード部81a、81bの両側に、合計4つ備える。
また、サポートバー81の先端は、リード部81a、81b側に延長する鉤部82aを両端に有している。
したがって、リード部81a、81bの4つの錨状部81dが、サポートバー82の4つの鉤部82aをそれぞれ取り囲むように配置している。
つまり、リード部の配置方向(図1Fでは縦方向)で、リード部81aと、サポートバー82とが、互いに離間しながら、重なるように、互いの凹凸に沿って噛み合う形状で配置している。このような配置によって、両者の線状の膨張を相殺するように作用し合う。
【0077】
実施形態2
この実施形態のリードフレーム50は、特に、図2Aに示すように、第1金属層23aとして、銅合金(194)からなる層(厚み約100μm)と、第2金属層24として鉄合金(Fe−Ni合金、Ni:36wt%)からなる層(厚み約100μm)とが、第1金属層23a/第2金属層24/第1金属層23bの積層構造となるように積層されたクラッド材によって形成されており、その端面形状において、第2金属層24が第1金属層23a、23bよりも突出した形状となっている以外、実施形態1のリードフレームの構成と同様である。
このようなリードフレーム50は、以下の方法によって製造することができる。
例えば、実施形態1で用いたリードフレームのエッチング液を、実施形態2では塩化第二銅とし、レジストからなるマスクの開口部の大きさ、エッチング条件を調整する以外は実施形態1と同じようにすることができる。
一例を挙げると、リードフレーム(クラッド材)の表裏面にレジストからなるマスクを形成した後、45℃、塩化第二銅溶液(CuCl濃度:2.2mol/L、塩素濃度:3.0mol/L、比重1.28g/cc)、で約6分間スプレーし、クラッド材をエッチングし、パターンニングする。塩化第二銅液はFe系合金に対するエッチングレートが第二塩化鉄より低いため、層の中央部のFe系合金を容易に残すことが可能となる。
このようなリードフレームによって実施形態1と同様の効果を発揮させることができるのみならず、特に、リードフレームの厚み方向の中ほどで顕著に端面が突出するために、容易な手法によって、より一層のアンカー効果を発揮させることができる。
【0078】
実施形態2の変形例
この実施形態のリードフレーム60は、特に、図2Bに示すように、第1金属層33aとして、銅からなる層(厚み約150μm)と、第2金属層34として鉄合金(Fe−Ni合金、Ni:36wt%)からなる層からなる層(厚み約50μm)とが、第1金属層33a/第2金属層34/第1金属層33bの積層構造となるように積層されたクラッド材によって形成されており、その端面形状において、第2金属層34が第1金属層33a、33bよりも突出した形状となっている以外、実施形態1及び2のリードフレームの構成と同様である。
このようなリードフレーム60では、第2金属層の膜厚を小さくする以外、実施形態2の方法と同様の方法によって製造することができる。
このようなリードフレームによって実施形態2と同様の効果を発揮させることができる。特に、第2金属層の厚みを調整するという極簡便な方法により、突出の程度を調整することが可能となり、リードフレーム間の短絡等を確実に防止することが可能となる。
【0079】
実施形態3
この実施形態のリードフレーム70は、特に、図3に示すように、第1金属層43aとして、銅からなる層(厚み約100μm)と、第2金属層44として鉄合金Fe―Ni−Co合金、Ni:31%、Co:5%)からなる層(厚み約100μm)とが、第1金属層43a/第2金属層44a/第1金属層43b/第2金属層44b/第1金属層43bの積層構造となるように積層されたクラッド材によって形成されており、その端面形状において、第2金属層24a、24bが第1金属層43a、43b、43cよりも突出した形状となっている以外、実施形態1のリードフレームの構成と同様である。
このようなリードフレーム70は、実施形態2と同様の方法によって製造することができる。
このようなリードフレームによって実施形態1及び2と同様の効果を発揮させることができるのみならず、特に、リードフレームの厚み方向の真ん中付近で2段階で端面が突出するために、容易な手法によって、より一層のアンカー効果を発揮させることができる。
【0080】
実施形態4
この実施形態の半導体装置(発光装置)20は、特に、図4A及び図4Bに示すように、実施形態1のリードフレーム10と、リードフレーム10の一部を埋設して固定する樹脂部材18と、リードフレーム10上に載置された発光素子(図4C中、21参照)とを備える。なお、図4A及び図4Bでは、リードフレーム、その端子部17及び樹脂部材の位置関係を明確にするために、これら以外の部材の図示を省略している。
【0081】
樹脂部材18は、互いに離間し、対向して配置されたリード部11a、11bの間において、リードフレーム10の厚み方向の全端面を被覆している。
発光素子21は、同一面側に一対の正負一対の素子電極を有している。そして、リードフレーム10の2つのリード部11a、11bの素子載置領域11cの間を跨いでフェイスダウンで配置されている。つまり、発光素子21の各電極が、正負の端子部17に延長するリードフレーム10のリード部11a、11bにそれぞれ、接合部材として共晶半田(Au−Sn)を用いて接続されている。発光素子の素子電極は、リードフレームの素子載置領域に対応する形状であり、ここでは、正極側と負極側の素子電極が略同じ形状及び大きさの長方形で形成されている。このような、正負の素子電極を略同じ大きさとすることで、接合時にかかる応力が均等になりやすく、高い接着強度を得ることができる。
また、図4Cに示すように、樹脂部材18の上方であって、リードフレーム10の一部及び発光素子21を被覆する透光性部材19が、凸レンズ形状で配置している。
【0082】
なお、図示していないが、発光素子21が載置されていないリードフレーム10上には保護素子が載置され、リードフレーム10と導電ワイヤにより電気的に接続されている。
【0083】
ここで用いられているリードフレームは、第2金属層14として、リードフレームとして通常用いられるCuよりも線膨張係数の低いFe合金を用いているために、リードフレーム自体の線膨張係数を低下させることができる。
これによって、リードフレームの線膨張係数を、発光素子自体の線膨張係数に近づけることができる。その結果、発光素子(例えば、電極)とリードフレームとの間の接合破壊を抑制することができる。この効果は、特に、発光素子をフェイスダウンでリードフレームに接合する場合に顕著である。
また、これによって、発光素子とリードフレームとを接合する接合部材としてどのような部材を用いる場合においても、リードフレームの線膨張係数の低減によって、接合部材と発光素子との間に線膨張係数の差があっても、この差を相殺することが可能になり、発光素子とリードフレームとの間の接合破壊をより一層抑制することができる。
【0084】
さらに、リードフレームの線膨張係数の低減を実現しながら、一般に線膨張係数が発光素子よりも相当大きい、放熱性が良好な材料をも用いることができる。これにより、発光素子の放熱性の維持、向上を実現することが可能となる。
また、リードフレームの線膨張係数の低減を実現しながら、樹脂部材及び/又は接合部材との密着性の良好な材料をも用いることができる。これにより、より信頼性の高い発光装置を得ることが可能となる。
【0085】
特に、ここで用いられるリードフレームは、リード部と離間し、かつ、その一部が樹脂部材に埋没されたサポートバーを有することにより、パッケージ自体の強度を向上させることができる。これによって、2つのリード部を跨いで搭載される発光素子を実装する際に、接合強度を確保することができ、信頼性を向上させることができる。
また、この実施形態では、サポートバーは、裏面側のみエッチングされて薄く形成されているが、表裏面側からエッチングすることにより、線膨張係数の小さい材料のみを残してもよいし、その表面を凹凸状、波形状などの異形状とすることにより、あるいは、サポートバーのみめっきレスとすることにより、樹脂部材に対して、より一層密着性を向上させることができる。
【0086】
実施形態5
この実施形態の発光装置は、図5に示したように、リードフレーム40の素子載置領域41cの形状が、溝部46によって、リード部41a側で小さく画定されており、リード部41bの表面に、櫛状に凹凸を配置した以外は、実質的に実施形態4の発光装置と同様の構成である。なお、図5では、リードフレーム40、その端子部47及び樹脂部材18の位置関係を明確にするために、これら以外の部材の図示を省略している。
【0087】
リード部41b表面の櫛状の凹凸は、実施形態1におけるリードフレームの製造方法において、溝部46を形成する際のマスクに、溝部の開口とともに、櫛状の凹凸パターンをも開口して、溝部46のエッチングと同時にエッチングすることにより形成することができる。
このような櫛状の凹凸によって、リード部41aの素子載置領域41cの形状を、発光素子の電極形状に対応させることができる。したがって、より一層、発光素子のセルフアライン効果を発揮させることができる。その結果、適所に、容易に発光素子をボンディングすることが可能となる。
【0088】
実施形態6
この実施形態のリードフレーム100は、図6A及び6Bに示すように、1単位Uの平面形状が、正負一対を構成するリード部111a、111bと、この2つのリード部111a、111bから、それぞれ延長した、平面形状がU字状又はL字状等の鉤部A、B、C、Dを2つ有する。つまり、リード部111aは、このリード部111aから延長する2つの鉤部A、Bを、一対のリード部111a、111bが配置された方向(図6A中、X方向)の左右両側に有する。リード部111bは、このリード部111baから延長する2つの鉤部C、Dを、X方向の両側に有する。
リード部111aの鉤部Aは、リード部111bの鉤部Dの先端部D1を取り囲むように配置されている。リード部111bの鉤部Dは、リード部111aの鉤部Aの先端部A1を取り囲むように配置されている。
リード部111bの鉤部Cは、リード部111aの鉤部Bの先端部B1を取り囲むように配置されている。リード部111aの鉤部Bは、リード部111bの鉤部Cの先端部C1を取り囲むように配置されている。
これらの鉤部A、B、C、Dは、リード部111a、111bと同じ膜厚でもよいが、その裏面においてリード部111a、111bの裏面から凹むように、リード部111a、111bよりも薄く加工されている。
【0089】
2つに分割されたリード部111a、111bは、リードフレーム100の表面に形成された溝部116によって素子載置領域11cが画定されている。
このような溝部116の配置によって、発光素子を半田等の接合部材によってボンディングする際に、接合部材のフローを防止して、セルフアライメント効果によって適所に発光素子をボンディングさせることを可能にする。特に、この溝部116には、後述する樹脂部材が埋設されていることが好ましい。このような部材の配置によって、より効果的にセルフアライメント効果を発揮させることができる。
【0090】
このリードフレーム100は、図6Cに示すように、第1金属層として銅合金(194)からなる層(厚み約100μm)と、第2金属層14として鉄合金(Fe−Ni合金、Ni:36%)からなる層(厚み約50μm)とが、第1金属層13a/第2金属層14/第1金属層13bの積層構造となるように積層されたクラッド材によって形成されている。このクラッド材の表裏面、つまり、第1金属層13a、13bの外側の面と、これらクラッド材の端面に、Agからなるめっき膜15(厚み約3.0μm)が被覆されている。
【0091】
リードフレーム100では、第1金属層13aの端面は、第2金属層14の端面よりも突出している。これにより、アンカー効果を効果的に発揮させることができる。
また、第2金属層14の端面は、第1金属層13aの第2金属層14側の縁部から、第1金属層13bの第2金属層14側の縁部に一致するように傾斜している。
さらに、第1金属層13bの端面は、第1金属層13aの全端面よりも内側に位置している。
加えて、第2金属層14側に位置する第1金属層13bの縁部は、第2金属層14とは反対側に位置する第1金属層13bの縁部よりも外側に位置している。
【0092】
このような形状により、リードフレームを用いて製造される半導体装置の機械強度を向上させることができ、素子接合の信頼性の高い半導体装置を製造することが可能となる。具体的には、半導体素子が実装される半導体装置の使用時において、点灯非点灯の繰り返し、環境における寒暖の繰り返しによる半導体素子の温度変化で素子自体が膨張収縮を繰り返すことで発生する応力変化による素子破壊を低減することができる。
特に、半導体素子がリードフレーム上にフェイスダウンで実装された場合に、このような効果が顕著であり、半導体素子とリードフレームとに加えられる応力を低減することができる。
【0093】
このリードフレーム100は、図6Dに示すように、1つの発光装置を構成する1単位Uの形状が、長手方向及びそれに直交する方向において複数配列されている。
【0094】
このようなリードフレームは、実施形態1で説明した製造方法に準じて製造することができる。
【0095】
実施形態1における表面に溝部116に対応する形状の開口を有するマスクを形成し、裏面においては全面マスクを形成する代わりに、素子載置領域111c及び、溝部116を含むリード部111a、111bの外周、リード部のうちの鉤部A、B、C、Dに相当する部位、この外周及び鉤部に連結される部位等に対応する形状の開口を有するマスクを形成し、上記と同様にクラッド材をエッチングしてもよい。
【0096】
これにより、溝部116が表面側から厚み方向に部分的に(例えば、第1金属層1aの厚み方向の一部又は全部が)エッチングされる。さらに、素子載置領域111c及び溝部116を含むリード部111a、111bの外周、鉤部A、B、C、Dに相当する部位、この外周及び鉤部に連結される部位等が裏面側から厚み方向に部分的に(例えば、第1金属層1aの厚み方向の一部又は全部が)エッチングされる。よって、これらの部位において、その平面形状を変化させることなく、厚みを小さくすることができる。
【0097】
さらに、素子載置領域111c及び溝部116を含むリード部111a、111bの外周、鉤部A、B、C、Dに相当する部位、この外周及び鉤部に連結される部位の裏面側に、樹脂部材を被覆することができるため、それらの露出に起因する短絡を有効に防止することが可能となる。
このようなリードフレームは、上記以外、実施形態1と同様の効果を発揮させることができる。
【0098】
実施形態6の変形例1
この実施形態のリードフレームは、特に、図2Aに示すように、実施形態2と同様の断面形状を有する以外、実施形態6のリードフレーム50の構成と同様である。
このようなリードフレームは、上記以外、実施形態1及び6と同様の効果を発揮させることができる。
【0099】
実施形態6の変形例2
この実施形態のリードフレームは、特に、図2Bに示すように、実施形態2の変形例と同様の断面形状を有する以外、実施形態6のリードフレームの構成と同様である。
このようなリードフレームによって実施形態2及び6と同様の効果を発揮させることができる。
【0100】
実施形態6の変形例3
この実施形態のリードフレームは、特に、図3に示すように、実施形態3と同様の断面形状を有する以外、実施形態6のリードフレームの構成と同様である。
このようなリードフレームは、実施形態3及び6と同様の効果を発揮させることができる。
【0101】
実施形態7
この実施形態のリードフレーム80は、図7に示すように、1単位Uの平面形状において、正負一対を構成するリード部81a、81bと、この2つのリード部81a、81bから、それぞれ延長した、平面形状がU字状又はコ字状の鉤部Aa、Bb、Cc、Ddを有する以外、実施形態1と実質的に同じ構成である。
つまり、リード部81aは、このリード部81aから延長する2つの鉤部Aa、Bbを、一対のリード部81a、81bが配置された方向に線対称に、左右両側に有する。リード部81bは、このリード部81bから延長する2つの鉤部C、Dを、一対のリード部81a、81bが配置された方向に線対称に、左右両側に有する。
【0102】
実施形態8
この実施形態の発光装置920は、特に、図8に示すように、実施形態6のリードフレーム100と、リードフレーム100の一部を埋設して固定する樹脂部材18と、リードフレーム100上に載置された発光素子(図4C中、21参照)とを備える。なお、図8の発光装置は、B−B’線断面は、実質的に図4B及び図4Cと同様である。図8では、リードフレーム、その端子部及び樹脂部材の位置関係を明確にするために、これら以外の部材の図示を省略している。
【0103】
樹脂部材18は、互いに離間し、対向して配置されたリード部111a、111bの間において、リードフレーム100の厚み方向の全端面を被覆している。
発光素子21は、同一面側に一対の正負電極を有している。そして、リードフレーム10の2つのリード部11a、11bの素子載置領域11cの間を跨いでフェイスダウンで配置されている。つまり、発光素子21の各電極が、正負の端子部17に延長するリードフレーム10のリード部11a、11bにそれぞれ、接合部材として共晶半田(Au−Sn)を用いて接続されている。
また、図4Cに示すように、樹脂部材18の上方であって、リードフレーム10の一部及び発光素子21を被覆する透光性部材19が、凸レンズ形状で配置している(図4C参照)。
【0104】
ここで用いられているリードフレームは、第2金属層として、リードフレームとして通常用いられるCuよりも線膨張係数の低いFe合金を用いている。また、一対のリード部が、それぞれ発光素子の両側において、鉤部を有しており、これらの鉤部が互いに対向して、係合するように配置されている。これによって、リードフレーム自体の線膨張係数を低下させることができ、リードフレームの線膨張係数を、発光素子自体の線膨張係数に近づけることができる。さらに、各リード部の膨張を相殺させることができる。その結果、発光素子(例えば、電極)とリードフレームとの間の接合破壊を抑制することが可能となる。この効果は、特に、発光素子をフェイスダウンでリードフレームに接合する場合に顕著である。
特に、発光素子の載置側(表面側)及び裏面側の双方において、これらの鉤部の一部が、樹脂部材中に埋設されることにより、鉤部露出等による短絡を有効に防止することができる。
【0105】
このような発光装置は、上記以外、実施形態4及び6と同様の効果を発揮させることができる。
【0106】
実施形態9
この実施形態のリードフレーム90は、半導体装置(発光装置)用のリードフレームであり、発光装置の1単位Uを示す。1単位Uが行列方向に複数配列されており、その1単位Uでは、図9Aに示したように、リード部91a、91bの素子載置領域91c、91dの形状が、表面に形成された溝部96によって画定されている。素子載置領域91c、91dは、複数配列における長手方向及びそれに直交する方向に対して、載置される発光素子の対角線が平行になるように、言い換えると、発光素子の対向する2つの角がリード部91aの端部に位置するように配置される形状を有する。従って、溝部96は、リード部91a、91bにおいて、それぞれ、L字状に形成されている。
【0107】
図9Bは発光素子97の上面図を示し、正負一対の素子電極95が設けられている。ここでは、四角形の一つの角を中心とする1/4円形のn電極95bと、そこから離間して設けられるp電極95aとを有している。
リードフレーム90の素子載置領域91d、91cは、それぞれ、図9Bに示す発光素子のp電極95aとn電極95bのパターンに対応した形状を備える。つまり、発光素子のn電極に対応するリード部91bの素子載置領域91cは、上面視においてその端部が円弧状に突出した形状を有する。この突出した部分を囲むようにL字型の溝部96が設けられている。この素子載置領域91cは、リード部91bの内側、つまり、溝部に近い側において厚みが厚く、突出した形状の部位は、溝部96と同様に、厚みが薄い。
【0108】
発光素子のp電極に対応するリード部91aの素子載置領域91dは、その端部が、1/4円形の弧に沿って凹んだ形状に突出した形状を有する。この素子載置領域91dは、リード部91aの内側、つまり、溝部に近い側において厚みが厚く、突出した形状の部位は、溝部96と同等に、厚みの薄い。
このような素子載置領域91c、91dによって、発光素子の面積の半分、つまり、対向する角部を結ぶ対角線を挟んで片方が、リードフレーム90の厚みの厚い領域に、残り半分は、ほぼ厚みの薄い領域に載置される。
上述した素子載置領域91c、91dの厚みの薄い領域は、リードフレーム90の裏面側からのエッチング等によって薄膜化することができる。この場合、リードフレーム9は、積層構造を有していてもよいが、例えば、銅からなる単層構造としてもよい。薄い領域は、素子載置領域91c、91dが切断されない限り、突出した部位よりも溝部69側に拡張させていてもよい。
【0109】
リードフレーム90には、2つのリード部91a、91bの両側において、リード部91aからリード部91bを跨ぐように、その側面に平行にサポートバー92が配置されている。
【0110】
リードフレーム90は、素子載置領域91c、91dのほか、その外周(クロスハッチングにて示す部位)にも、裏面側から厚み方向に部分的にエッチングされた部位を有する。これによって、発光装置とするために、リードフレーム90に樹脂部材を適用する場合に、発光装置の裏面側において、図9Cに示すように、リードフレーム90のリード部91a、91bが、それぞれ、略四角形で露出されることとなる。
このようなリードフレームによって実施形態1と同様の効果を発揮させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0111】
本発明に係る発光装置は、照明用光源、各種インジケーター用光源、車載用光源、ディスプレイ用光源、液晶のバックライト用光源、センサー用光源、信号機等、種々の発光装置に使用することができる。また、所謂サイドビュー型の発光装置など、リードフレームを用いる全ての発光装置に適用可能である。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図1F
図2A
図2B
図3
図4A
図4B
図4C
図5
図6A
図6B
図6C
図6D
図7
図8
図9A
図9B
図9C