(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6265608
(24)【登録日】2018年1月5日
(45)【発行日】2018年1月24日
(54)【発明の名称】ウェーハ表面計測のための高度化されたサイトベースのナノトポグラフィシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
G06T 1/00 20060101AFI20180115BHJP
G06T 7/00 20170101ALI20180115BHJP
H01L 21/66 20060101ALI20180115BHJP
【FI】
G06T1/00 305A
G06T7/00 610Z
H01L21/66 J
【請求項の数】44
【外国語出願】
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2013-46622(P2013-46622)
(22)【出願日】2013年3月8日
(65)【公開番号】特開2013-211010(P2013-211010A)
(43)【公開日】2013年10月10日
【審査請求日】2016年3月3日
(31)【優先権主張番号】61/609,487
(32)【優先日】2012年3月12日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】13/779,947
(32)【優先日】2013年2月28日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500049141
【氏名又は名称】ケーエルエー−テンカー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】特許業務法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ハイガン チェン
(72)【発明者】
【氏名】サーゲイ カメンスキイ
(72)【発明者】
【氏名】ジャイディープ シンハ
(72)【発明者】
【氏名】プラディープ ヴィッカダーラ
【審査官】
岡本 俊威
(56)【参考文献】
【文献】
特開2006−005164(JP,A)
【文献】
特表2012−501553(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 1/00
G06T 7/00
H01L 21/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェーハを検査する方法であって、
ウェーハパーティショニングスキームを定義すること、
ウェーハ表面イメージを得ること、
低周波数表面成分を除去するために前記ウェーハ表面イメージをフィルタリングすること、
鋭いウェーハエッジロールオフ又はエッジ除外動作によって生じるデータ不連続性からの強いフィルタ応答を抑制するために前記ウェーハ表面イメージに対してウェーハエッジ処理を行うこと、
前記ウェーハ表面イメージ上に存在するフィルタ応答を正規化することであって、複数の最大マグニチュード周波数応答、あるいはポイント又はライン入力信号への応答から複数のフィルタカーネル係数を正規化すること、
前記ウェーハパーティショニングスキームに従って前記ウェーハ表面イメージを複数の測定サイトにパーティショニングすること、
前記フィルタされたウェーハ表面イメージに基づいて前記複数の測定サイトのそれぞれに関するメトリック値を計算すること、
前記複数の測定サイトのそれぞれに関して計算されたメトリック値をグラフ図で報告すること、
を含む方法。
【請求項2】
前記複数の測定サイトのそれぞれに関して計算された複数の測定メトリクスを測定結果ファイルで報告することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ウェーハパーティショニングスキームが直交格子パーティションスキームであり、前記直交格子パーティションスキームが前記測定サイトを複数の均一な長方形のサイト領域にパーティション化する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ウェーハパーティショニングスキームが極グリッドパーティションスキームである、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ウェーハパーティショニングスキームを定義することが、
異なるピクセルサイズの前記表面イメージに関するピクセルサイズと、
サイト幅及びサイト高さ、並びに前記サイトのX/Yオフセットによって定義されるサイトアレイと、
セクタ及びゾーンの数によって定義される極アレイと、
ウェーハエッジマスクに関するエッジ除外と、
前記低周波数表面成分の除去に用いられる異なるフィルタを選ぶことに関するフィルタリングと、
サイトベースの表面分析のための或るタイプのメトリクスを指定することに関する出力と、
前記サイトメトリック計算において前記ウェーハ表面の或る領域を除外することに関するマスクと、
のうちの少なくとも1つを定義することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記ウェーハ表面イメージのフィルタリングが、複数のフィルタを使用して複数の低周波数表面成分を除去することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
手動で設定された閾値又は自動的に決定された閾値のうちの少なくとも1つに従って前記複数の測定サイトを分類すること、
前記分類結果をグラフ図又は分類結果ファイルのうちの少なくとも1つで報告すること、
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記複数の測定サイトを分類することが、ディンプル、ピット、ウェーハエッジクラウン、スクラッチ、及びスリップラインのうちの少なくとも1つを分類することをさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記ウェーハ表面イメージのフィルタリングが、ラプラスフィルタ、ソーベルフィルタ、及びDOGフィルタのうちの少なくとも1つから選択されたフィルタを使用する、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記ウェーハ表面イメージに対してウェーハエッジ処理を行うことが、
前記ウェーハエッジ領域を極空間に変換すること、
接線方向に沿って列ごとに一次元メジアンフィルタリングを行うこと、
エッジ応答が抑制されたイメージを得るためにフィルタされたイメージをオリジナルイメージから差し引くこと、
前記エッジバンド領域における前記エッジ処理されたイメージに対してポラリティトリムド平均を行うこと、
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記ウェーハ表面イメージを複数の測定サイトにパーティショニングする前に前記フィルタされたウェーハ表面イメージにおけるパターン構造を抑制することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記フィルタされたウェーハ表面イメージにおけるパターン構造を抑制することが、
フーリエ変換を用いて前記フィルタされたウェーハ表面イメージを周波数領域に変換すること、
前記フーリエ変換領域における周期的信号成分を識別すること、
前記フィルタされたウェーハ表面イメージにおける前記周期的信号成分を抑制すること、
をさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
ウェーハを検査する方法であって、
ウェーハパーティショニングスキームを定義すること、
ウェーハ表面イメージを得ること、
低周波数表面成分を除去するために前記ウェーハ表面イメージをフィルタリングすること、
鋭いウェーハエッジロールオフ又はエッジ除外動作によって生じるデータ不連続性からの強いフィルタ応答を抑制するために前記ウェーハ表面イメージに対してウェーハエッジ処理を行うこと、
前記ウェーハ表面イメージ上に存在するフィルタ応答を正規化することであって、複数の最大マグニチュード周波数応答、あるいはポイント又はライン入力信号への応答から複数のフィルタカーネル係数を正規化すること、
前記ウェーハパーティショニングスキームに従って前記ウェーハ表面イメージを複数の測定サイトにパーティショニングすること、
複数の測定サイトのそれぞれに対してフーリエ変換、コサイン変換、又はウェーブレット変換のうちの少なくとも1つを行うこと、
前記変換されたウェーハ表面イメージに基づいて前記複数の測定サイトのそれぞれに関するメトリック値を計算すること、
前記複数の測定サイトのそれぞれに関して計算されたメトリック値をグラフ図で報告すること、
を含む方法。
【請求項14】
前記複数の測定サイトのそれぞれに関して計算された複数の測定メトリクスを測定結果ファイルで報告することをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記ウェーハパーティショニングスキームが直交格子パーティションスキームであり、前記直交格子パーティションスキームが前記測定サイトを複数の均一な長方形のサイト領域にパーティション化する、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記ウェーハパーティショニングスキームが極グリッドパーティションスキームである、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記ウェーハパーティショニングスキームを定義することが、
異なるピクセルサイズの前記表面イメージに関するピクセルサイズと、
サイト幅及びサイト高さ、並びに前記サイトのX/Yオフセットによって定義されるサイトアレイと、
セクタ及びゾーンの数によって定義される極アレイと、
ウェーハエッジマスクに関するエッジ除外と、
前記低周波数表面成分の除去に用いられる異なるフィルタを選ぶことに関するフィルタリングと、
サイトベースの表面分析のための或るタイプのメトリクスを指定することに関する出力と、
前記サイトメトリック計算において前記ウェーハ表面の或る領域を除外することに関するマスクと、
のうちの少なくとも1つを定義することをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記ウェーハ表面イメージのフィルタリングが、複数のフィルタを使用して複数の低周波数表面成分を除去することをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項19】
前記ウェーハ表面イメージのフィルタリングが、ラプラスフィルタ、ソーベルフィルタ、及びDOGフィルタのうちの少なくとも1つから選択されたフィルタを使用する、請求項13に記載の方法。
【請求項20】
前記ウェーハ表面イメージに対してウェーハエッジ処理を行うことが、
前記ウェーハエッジ領域を極空間に変換すること、
接線方向に沿って列ごとに一次元メジアンフィルタリングを行うこと、
エッジ応答が抑制されたイメージを得るためにフィルタされたイメージをオリジナルイメージから差し引くこと、
前記エッジバンド領域における前記エッジ処理されたイメージに対してポラリティトリムド平均を行うこと
をさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項21】
前記ウェーハ表面イメージを複数の測定サイトにパーティショニングする前に前記フィルタされたウェーハ表面イメージにおけるパターン構造を抑制することをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項22】
前記フィルタされたウェーハ表面イメージにおけるパターン構造を抑制することが、
フーリエ変換を用いて前記フィルタされたウェーハ表面イメージを周波数領域に変換すること、
前記フーリエ変換領域における周期的信号成分を識別すること、
前記フィルタされたウェーハ表面イメージにおける前記周期的信号成分を抑制すること、
をさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
ウェーハ検査システムであって、
所与のウェーハのウェーハ表面イメージを得るように構成された光学系と、
前記光学系と通信するサイトベースの測定モジュールと、
を備え、前記サイトベースの測定モジュールが、
ウェーハパーティショニングスキームを受信する、
低周波数表面成分を除去するために前記ウェーハ表面イメージをフィルタリングする、
鋭いウェーハエッジロールオフ又はエッジ除外動作によって生じるデータ不連続性からの強いフィルタ応答を抑制するために前記ウェーハ表面イメージに対してウェーハエッジ処理を行う、
前記ウェーハ表面イメージ上に存在するフィルタ応答を正規化することであって、複数の最大マグニチュード周波数応答、あるいはポイント又はライン入力信号への応答から複数のフィルタカーネル係数を正規化する、
前記ウェーハパーティショニングスキームに従って前記ウェーハ表面イメージを複数の測定サイトにパーティショニングする、
前記フィルタされたウェーハ表面イメージに基づいて前記複数の測定サイトのそれぞれに関するメトリック値を計算する、
前記複数の測定サイトのそれぞれに関して計算されたメトリック値をグラフ図で報告する、
ように構成される、ウェーハ検査システム。
【請求項24】
前記サイトベースの測定モジュールがさらに、
前記複数の測定サイトのそれぞれに関して計算された複数の測定メトリクスを測定結果ファイルで報告する、
ように構成される、請求項23に記載のウェーハ検査システム。
【請求項25】
前記ウェーハパーティショニングスキームが直交格子パーティションスキームであり、前記直交格子パーティションスキームが前記測定サイトを複数の均一な長方形のサイト領域にパーティション化する、請求項23に記載のウェーハ検査システム。
【請求項26】
前記ウェーハパーティショニングスキームが極グリッドパーティションスキームである、請求項23に記載のウェーハ検査システム。
【請求項27】
前記ウェーハパーティショニングスキームを定義することが、
異なるピクセルサイズの前記表面イメージに関するピクセルサイズと、
サイト幅及びサイト高さ、並びに前記サイトのX/Yオフセットによって定義されるサイトアレイと、
セクタ及びゾーンの数によって定義される極アレイと、
ウェーハエッジマスクに関するエッジ除外と、
前記低周波数表面成分の除去に用いられる異なるフィルタを選ぶことに関するフィルタリングと、
サイトベースの表面分析のための或るタイプのメトリクスを指定することに関する出力と、
前記サイトメトリック計算において前記ウェーハ表面の或る領域を除外することに関するマスクと、
のうちの少なくとも1つを定義することをさらに含む、請求項23に記載のウェーハ検査システム。
【請求項28】
前記ウェーハ表面イメージのフィルタリングが、複数のフィルタを使用して複数の低周波数表面成分を除去することをさらに含む、請求項23に記載のウェーハ検査システム。
【請求項29】
前記サイトベースの測定モジュールがさらに、
手動で設定された閾値又は自動的に決定された閾値のうちの少なくとも1つに従って前記複数の測定サイトを分類する、
前記分類結果をグラフ図又は分類結果ファイルのうちの少なくとも1つで報告する、
ように構成される、請求項23に記載のウェーハ検査システム。
【請求項30】
前記複数の測定サイトを分類することが、ディンプル、ピット、ウェーハエッジクラウン、スクラッチ、及びスリップラインのうちの少なくとも1つを分類することをさらに含む、請求項29に記載のウェーハ検査システム。
【請求項31】
前記ウェーハ表面イメージのフィルタリングが、ラプラスフィルタ、ソーベルフィルタ、及びDOGフィルタのうちの少なくとも1つから選択されたフィルタを使用する、請求項23に記載のウェーハ検査システム。
【請求項32】
前記ウェーハ表面イメージに対してウェーハエッジ処理を行うことが、
前記ウェーハエッジ領域を極空間に変換すること、
接線方向に沿って列ごとに一次元メジアンフィルタリングを行うこと、
エッジ応答が抑制されたイメージを得るためにフィルタされたイメージをオリジナルイメージから差し引くこと、
前記エッジバンド領域における前記エッジ処理されたイメージに対してポラリティトリムド平均を行うこと、
をさらに含む、請求項23に記載のウェーハ検査システム。
【請求項33】
前記サイトベースの測定モジュールがさらに、
前記ウェーハ表面イメージを複数の測定サイトにパーティショニングする前に前記フィルタされたウェーハ表面イメージにおけるパターン構造を抑制する、
ように構成される、請求項23に記載のウェーハ検査システム。
【請求項34】
前記フィルタされたウェーハ表面イメージにおけるパターン構造を抑制することが、
フーリエ変換を用いて前記フィルタされたウェーハ表面イメージを周波数領域に変換すること、
前記フーリエ変換領域における周期的信号成分を識別すること、
前記フィルタされたウェーハ表面イメージにおける前記周期的信号成分を抑制すること、
をさらに含む、請求項33に記載のウェーハ検査システム。
【請求項35】
ウェーハ検査システムであって、
所与のウェーハのウェーハ表面イメージを得るように構成された光学系と、
前記光学系と通信するサイトベースの測定モジュールと、
を備え、前記サイトベースの測定モジュールが、
ウェーハパーティショニングスキームを受信する、
低周波数表面成分を除去するために前記ウェーハ表面イメージをフィルタリングする、
鋭いウェーハエッジロールオフ又はエッジ除外動作によって生じるデータ不連続性からの強いフィルタ応答を抑制するために前記ウェーハ表面イメージに対してウェーハエッジ処理を行う、
前記ウェーハ表面イメージ上に存在するフィルタ応答を正規化することであって、複数の最大マグニチュード周波数応答、あるいはポイント又はライン入力信号への応答から複数のフィルタカーネル係数を正規化する、
前記ウェーハパーティショニングスキームに従って前記ウェーハ表面イメージを複数の測定サイトにパーティショニングする、
複数の測定サイトのそれぞれに対してフーリエ変換、コサイン変換、又はウェーブレット変換のうちの少なくとも1つを行う、
前記変換されたウェーハ表面イメージに基づいて前記複数の測定サイトのそれぞれに関するメトリック値を計算する、
前記複数の測定サイトのそれぞれに関して計算されたメトリック値をグラフ図で報告する、
ように構成される、ウェーハ検査システム。
【請求項36】
前記サイトベースの測定モジュールがさらに、
前記複数の測定サイトのそれぞれに関して計算された複数の測定メトリクスを測定結果ファイルで報告する、
ように構成される、請求項35に記載のウェーハ検査システム。
【請求項37】
前記ウェーハパーティショニングスキームが直交格子パーティションスキームであり、前記直交格子パーティションスキームが前記測定サイトを複数の均一な長方形のサイト領域にパーティション化する、請求項35に記載のウェーハ検査システム。
【請求項38】
前記ウェーハパーティショニングスキームが極グリッドパーティションスキームである、請求項35に記載のウェーハ検査システム。
【請求項39】
前記ウェーハパーティショニングスキームを定義することが、
異なるピクセルサイズの前記表面イメージに関するピクセルサイズと、
サイト幅及びサイト高さ、並びに前記サイトのX/Yオフセットによって定義されるサイトアレイと、
セクタ及びゾーンの数によって定義される極アレイと、
ウェーハエッジマスクに関するエッジ除外と、
前記低周波数表面成分の除去に用いられる異なるフィルタを選ぶことに関するフィルタリングと、
サイトベースの表面分析のための或るタイプのメトリクスを指定することに関する出力と、
前記サイトメトリック計算において前記ウェーハ表面の或る領域を除外することに関するマスクと、
のうちの少なくとも1つを定義することをさらに含む、請求項35に記載のウェーハ検査システム。
【請求項40】
前記ウェーハ表面イメージのフィルタリングが、複数のフィルタを使用して複数の低周波数表面成分を除去することをさらに含む、請求項35に記載のウェーハ検査システム。
【請求項41】
前記ウェーハ表面イメージのフィルタリングが、ラプラスフィルタ、ソーベルフィルタ、及びDOGフィルタのうちの少なくとも1つから選択されたフィルタを使用する、請求項35に記載のウェーハ検査システム。
【請求項42】
前記ウェーハ表面イメージに対してウェーハエッジ処理を行うことが、
前記ウェーハエッジ領域を極空間に変換すること、
接線方向に沿って列ごとに一次元メジアンフィルタリングを行うこと、
エッジ応答が抑制されたイメージを得るためにフィルタされたイメージをオリジナルイメージから差し引くこと、
前記エッジバンド領域における前記エッジ処理されたイメージに対してポラリティトリムド平均を行うこと、
をさらに含む、請求項35に記載のウェーハ検査システム。
【請求項43】
前記サイトベースの測定モジュールがさらに、
前記ウェーハ表面イメージを複数の測定サイトにパーティショニングする前に前記フィルタされたウェーハ表面イメージにおけるパターン構造を抑制する、
ように構成される、請求項35に記載のウェーハ検査システム。
【請求項44】
前記フィルタされたウェーハ表面イメージにおけるパターン構造を抑制することが、
フーリエ変換を用いて前記フィルタされたウェーハ表面イメージを周波数領域に変換すること、
前記フーリエ変換領域における周期的信号成分を識別すること、
前記フィルタされたウェーハ表面イメージにおける周期的信号成分を抑制すること、
をさらに含む、請求項43に記載のウェーハ検査システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、2012年3月12日に出願された米国特許仮出願番号第61/609,487号の35U.S.C.§119(e)に基づく優先権を主張するものである。前記米国特許仮出願番号第61/609,487号は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、一般に、ウェーハ表面計測の分野に関し、特に、ウェーハ表面計測のための高度化されたサイトベースのナノトポグラフィシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
シリコンウェーハなどのような磨き板(磨かれた板:polished plate)は、現代の技術の非常に重要な部品である。ウェーハは、例えば、集積回路及び他のデバイスの製作に用いられる半導体材料の薄いスライスを指す場合がある。磨き板の他の例は、磁気ディスク基板、ゲージブロックなどを含む場合がある。本明細書で説明される技術は主にウェーハを指すが、この技術はまた、他のタイプの磨き板にも同様に適用可能であることが理解される。ウェーハという用語及び薄い磨き板という用語は、本開示で交換可能に用いられる場合がある。
【0004】
ウェーハ加工産業は、歩留まりを絶えず改善するべく高い品質及び信頼性を有するチップを大量生産する能力をもちながら、より多くの回路をより小さいチップ上により低コストで集積することを目標とする。半導体技術がどんどん小さいノードに向けて進化するのに伴い、ウェーハ試験計測機器は、開発を処理すること及びウェーハが高品質であるよう制御することが困難になる。ウェーハが前の加工ステップで損傷を受けている場合、これは、お金と時間の節約のためにさらなる加工を受けるのではなく廃棄される。
【0005】
ナノトポグラフィは、約0.2〜20mmの空間波長内の表面の偏差として定義される。ナノトポグラフィは、空間周波数でのウェーハ表面の凹凸のトポロジーマップにおける粗度と平坦度との間のギャップを埋める。シリコンウェーハのナノトポグラフィは、大体において、研磨プロセスによって決定づけられる。シリコンウェーハの両方の側部を同時に研磨するトゥループラネタリ・フリーフローティング両面研磨プロセス(true planetary, freefloating, double−sided polishing process)は、必要とされるナノトポグラフィ結果及び平坦度結果を技術的に達成する。
【0006】
ナノトポグラフィ及び平坦度の監視は、ウェーハ製造プロセスでの異なるステップにおいて重要である。入ってくるバルクウェーハのナノトポグラフィ及び平坦度は、最終的なウェーハ特性及びウェーハ結合能力にそれらが影響するため、重要なパラメータである。入ってくる200mm−及び300mm−ウェーハの平坦度特性は、ウェーハ加工中の軽微な変化を受けるので、最終的なウェーハ表面上のトポグラフィの微小な変動を検出するのに正確且つ包括的な計測機能が必要である。
【0007】
現在、KLA−TencorからのWaferSightのようなウェーハ計測ツールは、重力による変形を避けるために垂直に保持されるウェーハの表面と裏面との両方を走査することができる。ウェーハ形状測定、エッジロールオフ測定、厚さ又は平坦度測定、及びナノトポグラフィ測定を1回の走査に組み合わせることによって、システムは、ウェーハ製造でのナノトポグラフィ及びウェーハ幾何形状の監視に必要なデータセット一式を提供する。システムはまた、1回の測定でウェーハエッジでの高いサンプリング分解能をもつ両面トポグラフィ測定を行う。
【0008】
ナノトポグラフィデータは、ミクロンスケールからウェーハスケールまでの厚さ測定のギャップを縮める一助となる。シリコン/酸化物界面での基準面定義に応じて、ナノトポグラフィは、上部のシリコンの厚さ変動に結び付けられ、したがって、ミリメートルスケールでの均一性情報を提供する可能性がある。
【0009】
ナノトポグラフィ測定評価に用いられるハイパス又はバンドパス・フィルタの設定は、報告される結果に著しく影響を及ぼす可能性がある。干渉計測ツールで記録される異なるナノトポグラフィ条件のウェーハの高さマップは、それらの影響及び変動範囲を評価するために要因配置実験(an experiment with factorial design)での異なるフィルタ設定で処理される。フィルタ設定の典型的なパラメータは、フィルタタイプ、フィルタ遮断波長、及びウェーハエッジでのデータ外挿を含む。フィルタタイプ、遮断波長、及びデータ外挿は、ナノトポグラフィ測定結果への大きな影響を有することが知られている。これらの3つの因子はまた、強い相互作用を受ける。一定の20mmの遮断波長、又はウェーハ内部領域における20mmの遮断波長から始まってウェーハエッジ領域における1mmに減少する可変の遮断波長をもつダブルガウシアン・フィルタが、的確なナノトポグラフィ高さマップを提供するためにしばしば用いられる。閾値の高さ分析に関する偏差メトリックの適用は、マップにおけるピーク及び谷の正しいローカライゼーションとウェーハ上の欠陥のある領域の判定を可能にする。
【0010】
古い方法は、ウェーハ表面イメージを処理し、次いで、フィルタされたイメージのサイトにわたる特定のメトリック値を計算するために、ガウシアン又はダブルガウシアン(DG)フィルタを用いる。しかしながら、ガウシアン及びダブルガウシアン・フィルタは、関心ある或るフィーチャ、ディンプル/ピット、エッジEPIクラウン、スクラッチ、及びスリップラインからの信号に対する大きな減衰を有する。ディンプル/ピットは、表面凹部を指す。エッジEPIクラウンは、スライスのエッジからの表面高度と、ミクロン単位で露出されるスライスエッジ(EPI層堆積に関連する)の表面高度との間の差異を指す。スクラッチは、表面の確立された平面よりも下の浅い溝又は切れ目を指す。スリップラインは、材料の各部分の結晶性を保った状態で結晶の一部が別の部分に対して剪断変位を受ける、塑性変形のプロセスを指す。
【0011】
フィルタの遮断波長が長いときに、フィルタされたイメージにおいて低周波数形状成分の大きい残留が存在し、これはガウシアン又はダブルガウシアン(DG)フィルタを用いる古い方法を不適切なものにする。さらに、ウェーハエッジロールオフ及びエッジ除外から生じる不連続性へのガウシアン及びダブルガウシアン・フィルタの応答はまた、ウェーハエッジ領域におけるウェーハ表面フィーチャ(特徴)の的確な識別を妨げる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
そこに、上述の短所を伴わないウェーハ表面計測のための高度化されたサイトベースのナノトポグラフィシステム及び方法に対する必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本開示は、ウェーハを検査する方法に向けられる。方法は、ウェーハパーティショニングスキーム(ウェーハの区画について計画)を定義すること、ウェーハ表面イメージを得ること、低周波数表面成分を除去するためにウェーハ表面イメージをフィルタリングすること、鋭いウェーハエッジロールオフ(エッジにおける急峻な遮断)又はエッジ除外動作によって生じるデータ不連続性からの強いフィルタ応答を抑制するためにウェーハ表面イメージに対してウェーハエッジ処理を行うこと、ウェーハ表面イメージ上に存在するフィルタ応答を正規化すること、ウェーハパーティショニングスキームに従ってウェーハ表面イメージを複数の測定サイト(測定場所)にパーティショニング(区画)すること、フィルタされたウェーハ表面イメージに基づいて複数の測定サイトのそれぞれに関するメトリック値(測定値)を計算すること、及び複数の測定サイトのそれぞれに関して計算されたメトリック値をグラフ図で報告することを含む。
【0014】
本開示の付加的な実施形態はまた、ウェーハを検査する方法に向けられる。方法は、ウェーハパーティショニングスキームを定義すること、ウェーハ表面イメージを得ること、低周波数表面成分を除去するためにウェーハ表面イメージをフィルタリングすること、鋭いウェーハエッジロールオフ又はエッジ除外動作によって生じるデータ不連続性からの強いフィルタ応答を抑制するためにウェーハ表面イメージに対してウェーハエッジ処理を行うこと、ウェーハ表面イメージ上に存在するフィルタ応答を正規化すること、ウェーハパーティショニングスキームに従ってウェーハ表面イメージを複数の測定サイトにパーティショニングすること、複数の測定サイトのそれぞれに対してフーリエ変換、コサイン変換、又はウェーブレット変換のうちの少なくとも1つを行うこと、変換されたウェーハ表面イメージに基づいて複数の測定サイトのそれぞれに関するメトリック値を計算すること、及び複数の測定サイトのそれぞれに関して計算されたメトリック値をグラフ図で報告することを含む。
【0015】
さらに、本開示に係るウェーハ検査方法は、ウェーハ検査システムのサイトベースの測定モジュールを用いて実装されてもよい。ウェーハ検査システムは、所与のウェーハのウェーハ表面イメージを得るように構成された光学系を含んでもよい。サイトベースの測定モジュールは、光学系と通信し、本開示に係るサイトベースの測定を提供するように構成されてもよい。
【0016】
上記の概要と以下の詳細な説明との両方は、単なる例示及び解説であって、必ずしも本開示を制限するものではないことが理解される。本明細書に組み込まれ及びその一部を構成する付属の図面は、本開示の主題を例証するものである。説明と図面は共に、本開示の原理を解説するのに役立つ。
【0017】
本開示の多数の利点が、付属の図面を参照することで当業者により良く理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本開示の一実施形態に係るサイトベースのナノトポグラフィ方法を例証する流れ図である。
【
図2】高度化されたサイトベースのナノトポグラフィのためのレシピエディタのインターフェースを描いた図である。
【
図3】極(polar)グリッドパーティションスキームを描いた図である。
【
図4】ウェーハエッジ処理プロセスのための例示的なマッピングイメージを例証する図である。
【
図5】フィルタ正規化ファクタを得るための種々の3×3フィルタカーネル及び5×5フィルタカーネルを例証する図である。
【
図6A】フィルタ周波数応答のスペクトル特徴と正規化ファクタを例証する図である。
【
図6B】フィルタ周波数応答のスペクトル特徴と正規化ファクタを例証する図である。
【
図6C】フィルタ周波数応答のスペクトル特徴と正規化ファクタを例証する図である。
【
図7】幾つかのフィルタに関する正規化ファクタを表形式で例証する図である。
【
図8】本開示に係るサイトベースのナノトポグラフィのグラフ図を描いた図である。
【
図9】ウェーハエッジクラウン及びスクラッチとそれらの対応するサイトメトリック結果を描いた図である。
【
図10】ウェーハのスリップライン及びサイトメトリック結果を描いた図である。
【
図11】本開示の一実施形態に係るフーリエ/コサイン/ウェーブレット変換を組み込むサイトベースのナノトポグラフィ方法を例証する流れ図である。
【
図12】擬似周期的表面構造をサイトイメージで描いた図である。
【
図13】
図12のサイトイメージのスペクトルを描いた図である。
【
図14A】
図13のスペクトルの分解された非周期的スペクトル成分を描いた図である。
【
図14B】
図13のスペクトルの分解された周期的スペクトル成分を描いた図である。
【
図15A】スペクトル分解から得られた非周期的表面成分を描いた図である。
【
図15B】スペクトル分解から得られた擬似周期的表面成分を描いた図である。
【
図16】フーリエ/コサイン変換分析に関するサイト及びサブサイトを描いた図である。
【
図17】サイトイメージのウェーブレット分解を描いた図である。
【
図18】本開示の一実施形態に係るパターン構造抑制技術を例証する流れ図である。
【
図19】本開示に係るサイトベースのナノトポグラフィを提供するシステムを例証するブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
付属の図面で例証される開示される主題への言及をここで詳細に行う。
【0020】
本開示は、ウェーハ計測ツール及び干渉計測システムのような光学系の微小欠陥検査機能を提供するシステム及び方法に向けられる。さらに、変換ステップはまた、分析する目的で、後で詳細に説明されることになる付加的なプロセスに関連したメトリック値を抽出するのに使用されてもよい。
【0021】
図1は、本開示の一実施形態に係る表面フィーチャを検出する及び定量化するための高度化されたサイトベースのナノトポグラフィの主要なステップを例証する流れ図である。
図1に示すように、ステップ102でデータ収集及びデータ処理レシピ(手順)が設定される。
図2は、データ処理レシピを設定するための例示的なインターフェースである。この例示的なインターフェース(レシピエディタと呼ばれる場合がある)は、ユーザが種々の制御パラメータを設定/定義できるようにする。
【0022】
一実施形態では、制御パラメータは、a)異なるピクセルサイズの表面イメージに関する「ピクセルサイズ」、b)ウェーハ表面イメージ及びスクライブストリート(ウェハの分割ライン)マスキングのパーティショニングに関する「サイトアレイ」、c)ウェーハエッジマスクに関する「エッジ除外」、d)低周波数表面成分の除去及び表面フィーチャ/バックグラウンド・コントラストの強化のために用いられる異なるフィルタを選ぶことに関する「フィルタリング」、及びe)サイトベースの表面分析のための、限定はされないが、平均、ピーク、谷、PV範囲、二乗平均平方根(RMS)などを含むメトリクスの選択に関する「出力」、を含む。
【0023】
レシピエディタは、カルテシアン(Cartesian)・エディティング・フォーマットに限定されないことが考慮される。ウェーハ表面上の測定サイトはまた、等半径の及び角度のパーティションをもつ6つのセクタ及び6つのゾーンの例示的な設定に関する
図3に示すように、セクタ及びゾーンを用いるポーラ(極:polar)・フォーマット(極アレイ)で定義することができる。或る状況では、ポーラ・フォーマットは、ウェーハエッジ領域に対するより良好な表面カバー率を生じることができ、他のツールからの測定とのより自然な整合を提供する。
【0024】
ウェーハ表面イメージ及びスクライブストリートマスキングのパーティショニングに関する「サイトアレイ」は、使用される座標系に基づいて様々に定義されてもよいことも考慮される。例えば、カルテシアンサイトに関しては、サイト幅、高さ、及びサイトX/Yオフセットが指定されてもよい。ポーラサイトに関しては、他方では、セクタの数及びゾーンの数が指定されてもよい。さらに、パターン形成されたウェーハに関しては、デバイス領域だけからメトリクスが導出されるようにスクライブストリートをマスキングで除去することができ、ウェーハの表面及び/又は裏面の両方をストリートマスキングのために選択することができる。
【0025】
上記で具体的に列挙されない種々の他の制御パラメータはまた、レシピエディタを通じて定義されてもよいことがさらに考慮される。例えば、サイトメトリック計算においてウェーハ表面の或る領域を除外するために、このインターフェースを通じてポーラマスク及びカルテシアンマスクを付加することができる。
【0026】
図1に戻って参照すると、ステップ104は、WaferSightのような光学系を用いてウェーハ表面イメージ(例えば、表面及び裏面イメージ)を取得するように構成される。その後、表面イメージは、ステップ106で、低周波数(長波長)表面成分及び高周波ランダムノイズを除去してフィーチャ信号をバックグラウンド・コントラストに対して増強させるために、選択されたフィルタを用いてフィルタされる。フィーチャ形状をより良好に整合させ、且つ改善された性能を得るために、異なるフィルタを選択できることが考慮される。例えば、ラプラスフィルタは、ディンプル/ピット(凹み)及びスクラッチ(引っ掻きキズ)の検出に非常に効果的であり、ソーベル(Sobel)フィルタは、X方向及びY方向に配向されたスリップラインフィーチャへのより強い応答を生じ、したがって、より良好な検出感度を提供する可能性がある。EPIピンマークのような大きいマグニチュードをもつ表面フィーチャに関しては、フィーチャ領域を良好にカバーするためにより大きいカーネルサイズをもつDOGフィルタがより効果的であろう。
【0027】
ラプラスフィルタ及びソーベルフィルタのような選択されたフィルタは、ウェーハ表面イメージにおける低周波数形状成分を効果的に除去することができるが、これらのフィルタはまた、鋭いウェーハエッジロールオフ又はウェーハエッジ除外動作によって生じるデータ不連続性に起因してウェーハエッジ領域における強い応答を有する可能性がある。強いエッジ応答は、エッジEPIクラウン(エピタキシャル成長の際のエッジクラウン)及びスリップライン(結晶の滑り面によるライン)のようなウェーハエッジ領域における欠陥フィーチャの検出機能に影響を及ぼす可能性がある。したがって、適正なエッジ処理が必要とされる。
【0028】
ウェーハエッジ領域からの又はエッジ除外によって生じるデータ不連続性からの強いフィルタ応答を抑制するために、ステップ108で以下のエッジ処理動作が行われてもよい。
a)ウェーハエッジ領域を極空間におけるイメージバンドに変換する。バンド高さ方向は半径方向であり、この方向におけるサイズは、フィルタカーネルサイズとウェーハロールオフプロフィールの先鋭度(急峻度)によって決まる。バンド幅方向は接線方向であり、この方向におけるサイズは、角度方向のサンプリングレートによって決まる。
b)このバンドイメージに対して接線方向に沿って列ごとに一次元メジアンフィルタリングを行う。フィルタ長さは、角度方向のエッジプロフィール変動のトレンドに従うことができるように選択され、エッジ処理における関心あるエッジフィーチャを保つ。現在のところ、フィルタ長さは、5度のデータスパン(範囲)をカバーするようにデフォルト設定される。これは、最適な性能のためのフィーチャ角度特性に従って調節することができる。
c)エッジ応答が抑制されたイメージを得るために、フィルタされたイメージがオリジナルイメージから差し引かれる。オリジナルエッジイメージ、フィルタされたエッジイメージ、及びエッジアーチファクトが低減されたイメージのうちの1つのセグメントが、例証する目的で
図4に示される。
d)エッジ領域は、普通はウェーハ内部領域よりもノイズの多い信号を有するので、フィーチャ信号を保ちながらエッジ領域におけるノイズ成分を低減させるために、測定システムの測定能力限界に起因して無効なピクセルが存在するであろう、まさしくエッジ領域におけるエッジ処理されたイメージに対して以下のポラリティトリムド平均(極性により選択(間引き)された平均:polarity trimmed mean)が行われてもよい。すなわち、ステップc)におけるメジアンフィルタエッジ処理からの所与のピクセルI(x,y)に関して、トリムド出力信号O(x,y)は、次式で定義されるように計算されるであろう。
【数1】
【数2】
式中、A
+及びA
−は、フィルタウィンドウの内部の正のピクセル集合及び負のピクセル集合であり、N
+及びN
−は、それぞれ正のピクセルの数及び負のピクセルの数である。言い換えれば、I(x,y)>0の場合、指定されたフィルタウィンドウにおける正のピクセルの平均をとり、そうではない、I(x,y)<0の場合、指定されたフィルタウィンドウにおける負のピクセルの平均をとる。
【0029】
このポラリティトリムド平均は、エッジノイズ成分を効果的に低減させ、EPIクラウン及びスリップラインからの多くの両極性欠陥信号の信号コントラストを保つことになることが考慮される。これは、ウェーハエッジ領域における欠陥を検出し及び分類するための改善された性能を得る一助となる。しかしながら、上記で説明された種々のタイプのフィルタ及びフィルタ応答抑制技術は例示的なものであることも考慮される。本開示の精神及び範囲から逸脱することなく、ステップ108において他のタイプのフィルタ及びノイズリダクション技術が使用されてもよい。
【0030】
ナノトポグラフィにおいて或るフィルタが用いられるときに、フィルタ応答が正規化される必要がある場合があることがさらに考慮される。例えば、標準ナノトポグラフィにおいてダブルガウシアン・ハイパスフィルタが用いられるときに、フィルタ応答は、高周波通過帯域での最大フィルタマグニチュード周波数応答が1.0に等しくなるように正規化されてもよい。高度化されたサイトベースのナノトポグラフィで用いられるラプラスフィルタ、ソーベルフィルタ、及び他のフィルタに関して、
図5に示されるようなフィルタ係数はまた、それらの最大マグニチュード周波数応答から正規化することができる。より詳細には、
図5は、本発明の一実施形態に係るフィルタ正規化ファクタを得るための幾つかの例示的な3×3フィルタカーネル及び5×5フィルタカーネルを例証する。
図5に示されるようなこれらのフィルタカーネル係数から、
図6に示されるような周波数応答及び対応するフィルタ正規化ファクタを得ることができる。
【0031】
図6は、本発明の一実施形態に係るフィルタ周波数応答のスペクトル特徴と正規化ファクタを例証する。フィルタ係数はまた、それらのポイント又はライン入力信号への応答によって正規化することができる。
図7は、本発明の一実施形態に係る幾つかのフィルタに関する正規化ファクタを表形式で例証する。導出される対応する正規化ファクタが、フィルタ最大マグニチュード応答から計算される正規化ファクタと共にこの図に示される。
【0032】
フィルタ正規化ファクタに関する2つの手法は、異なる正規化値を生成することに留意されたい。理想信号へのフィルタ応答に基づく第2の手法は、より大きい正規化ファクタをもたらす。一般に、入力信号がフィルタのルートシグナル(root signal)でない又はすべての信号スペクトル成分がフィルタ通過帯域の内部に位置しない限り、これらのフィルタの適用が信号形状を変化させることになることに留意されたい。
【0033】
ここで、選択されたフィルタで入力ウェーハ表面イメージマップをフィルタリングし、必要とされるウェーハエッジ処理を行い、続いてフィルタ応答の正規化を行った後で、結果として生じるイメージが、ステップ110において種々のメトリック値を計算するのに用いられてもよい。本開示によれば、結果として生じるイメージは、サイトグリッド(site grid)にパーティション化され、各サイトイメージ領域に関するメトリック値が計算される。本開示に係る各サイトイメージ領域に関して提供されるナノトポグラフィは、したがって、サイトベースのナノトポグラフィと呼ばれる。
【0034】
本開示に係るウェーハ表面に関するサイトベースのナノトポグラフィの提供は、種々のウェーハ分析の目的上、歓迎されることが考慮される。例えば、
図8で例証されるように、各サイトイメージ領域に関する点状フィーチャ及びサイトメトリック値が計算され及び報告される。この結果は、本開示の精神及び範囲から逸脱することなく、ステップ112でユーザにグラフ図で報告されてもよく(例えば、表面計測ツールのグラフィカル・ユーザ・インターフェース上に表示される)、又はこれは、分類結果ファイル(例えば、テキストベースの又は機械可読の結果ファイル)で報告されてもよい。いずれの報告フォーマットにおいても、各サイトイメージ領域に関する計算されるメトリック値は、ウェーハ表面上の潜在的欠陥を突き止めるのに用いることができる。
図8に描かれる例では、3つの領域におけるメトリック値は、それらの周囲よりも顕著に高く、それらは潜在的に欠陥のある領域であると思われる。
【0035】
同様に、他のタイプの潜在的欠陥の識別のために付加的なサイトベースのメトリック値が計算され及び報告されてもよい。例えば、
図9は、ウェーハエッジEPIクラウン及び/又はスクラッチを識別するのに適したサイトベースのメトリック値を例証する。さらに、
図10は、ウェーハエッジのスリップラインを識別するのに適したサイトベースのメトリック値を例証する。
【0036】
図8〜
図10で例証されるように、各サイトイメージ領域は、計算されたサイトメトリック値及びシェーディング/カラーリングルールに従ってシェーディングされ(又は特定の実装に基づいて着色され)てもよい。例えば、サイトは、そのメトリック値が下限閾値を下回る場合に第1の様態で、そのメトリック値が下限閾値と上限閾値との間である場合に第2の様態で、又はそのメトリック値が上限閾値を上回る場合に第3の様態でシェーディングされ/着色されてもよい。下限閾値及び上限閾値は、サイト及びウェーハを分類するためにユーザによって手動で設定されてもよいことが考慮される。代替的に、閾値は自動的に決定されてもよい。例えば、すべてのサイトの絶対メトリック値の中間値が、最初に計算され、下限閾値として用いられてもよい。上限閾値は、その後、下限閾値の二倍として定義されてもよい。しかしながら、2つの閾値を使用することは、単なる例示であることが理解される。測定サイトをグループ化する/分類するのに使用される閾値の数は、本開示の精神及び範囲から逸脱することなく変化してもよい。さらに、閾値の値はまた、上記で説明されたように様々に決定されてもよい。
【0037】
図8〜
図10に描かれる例示的なサイトグリッドは、
図2に描かれるカルテシアン・エディティング・フォーマットに対応するが、サイトグリッドは、カルテシアン・フォーマットに限定されないことが考慮される。例えば、ウェーハ表面が
図3で描かれるようにポーラ・フォーマットで定義される場合、ステップ110は、セクタ及びゾーンの形態の各サイトイメージ領域に関する種々のメトリック値を計算してもよい。すなわち、本開示の精神及び範囲から逸脱することなく、メトリック値を計算し及び報告する目的でポーラ・フォーマットが使用されてもよい。
【0038】
ステップ110で計算されるメトリック値のタイプは、
図8〜
図10の例に限定されないことも考慮される。参照によりその全体が本明細書に組み込まれる「Systems, Methods and Metrics for Wafer High Order Shape Characterization and Wafer Classification Using Wafer Dimensional Geometry Tools」、Haiguang Chen他、米国特許出願整理番号第13/656,143号で開示されるような種々のタイプの一般に用いられるウェーハ測定計測法並びに高次形状(higher order shape)(HOS)キャラクタライゼーションが、本開示に係るサイトベースの様態で計算され及び報告されてもよい。
【0039】
全体として、本開示に係る表面フィーチャを検出するためのサイトベースのナノトポグラフィは、幾つかの利点を提供する。例えば、これは、関心ある幾つかの重要なフィーチャ、ディンプル/ピット、エッジEPIクラウン、スクラッチ、及びエッジスリップラインの信号成分を良好に保ちつつ、ウェーハ表面形状の変化により密接に従い、ウェーハ表面イメージの低周波数形状成分を効果的に除去するために、ダブルガウシアン・ハイパスフィルタの代わりに小さいフィルタカーネルをもつフィルタを用いる。サイトベースの計測法を用いるこれらのフィーチャのより信頼性のある検出のための改善された信号/バックグラウンド・コントラストもまた達成される。さらに、強いフィルタ応答を抑制するためにフィルタされたイメージに対してウェーハエッジ処理が適用される。このエッジ処理動作は、ウェーハエッジサイトから意義のあるメトリック値を得ることができるようにする。
【0040】
さらに、本開示に係る表面フィーチャを検出するためのサイトベースのナノトポグラフィは、フィルタ出力が表面高さ値を直接的に表すようにそれらの最大マグニチュード周波数応答又は典型的な信号応答による差異に基づくフィルタのフィルタ応答を正規化する。プロセスはまた、そのメトリック値が指定された範囲の外にあるサイト領域を識別して、サイトベースのフィーチャ検出を効果的に提供するために、自動的に計算された又は手動で選択された閾値を用いてウェーハ表面のサイトメトリック値を報告し及びグループ化する。
【0041】
ここまでの説明では、すべてのウェーハ表面メトリクスがイメージ空間領域で定義されている。ウェーハ表面メトリクスはまた、イメージ変換領域で定義されてもよいことが考慮される。例えば、或る変換ステップは、サイトベースの表面フィーチャ周波数及びスケール−周波数分析を提供するために付加的なプロセスに関連したメトリック値を抽出するのに使用されてもよい。
【0042】
図11は、本開示の一実施形態に係るサイトベースの表面フィーチャ周波数及びスケール−周波数分析の主要なステップを例証する流れ図である。
図11に示すように、ステップ1102〜1108は、
図1に示されたステップ102〜108と類似した様態で行われる。ここで、ステップ110で示されるように種々のメトリック値を計算する代わりに、ステップ1110は、表面構造周波数情報を得るためにフーリエ/コサイン変換を行い、及び/又はスケール−周波数情報を得るためにウェーブレット変換を行うように構成される。フーリエ、コサイン、又はウェーブレット変換からのメトリクスが、ステップ1112で計算され、その後、ステップ1114で報告されてもよい。
【0043】
より詳細には、フィルタされたサイトイメージに対してフーリエ/コサイン変換を行うことで、ウェーハ表面だけで定義される既存のウェーハ表面幾何形状メトリクスとは異なる表面フィーチャ情報を抽出することができる。周期的特性をもつ幾つかの表面フィーチャは、低いマグニチュードを有し、フィルタされたサイトイメージから直接検出するのが難しい場合があるが、信号特徴は、変換領域においてかなり良好に識別できる。サイトベースのナノトポグラフィのこの能力は、ウェーハの鋸引き縞(sawing marks)、研磨縞、及び成長縞(striation marks)、並びに多くの他の表面構造のキャラクタライゼーションに非常に有用である。また、パターン形成されたウェーハに関して、変換領域分析に基づく高度化されたナノトポグラフィは、ウェーハの表面(front surface)上の多くの同じデバイスの固有の周期的性質に起因して、非常に豊富な情報を生み出し、フィーチャ抽出を容易にすることができる。
【0044】
例えば、
図12は、或る擬似周期的信号成分を含むサイトイメージ1200を示す。これらの擬似信号のマグニチュードは、低周波数表面バンプのうちの幾つかよりも低いマグニチュードを有し、したがって、
図1で説明される方法を用いて直ちに検出されない場合がある。しかしながら、このサイトイメージのスペクトルは、このサイトイメージに対してフーリエ変換を行うことによって得ることができ、
図13に示される。
【0045】
図13で例証されるように、サイトイメージ1200のスペクトル1300は、強いスペクトルピークによって幾つかの周期的信号成分の存在をはっきりと明らかにする。したがって、サイトイメージ1200のスペクトル1300の、周期的成分及び非周期的成分への分解は、サイトイメージ表面成分の或る程度良好な分離をもたらすことができる。
【0046】
上記で表わされる例では、スペクトル1300は、非周期的スペクトル成分1402と周期的スペクトル成分1404に分解される。これらのスペクトル成分の逆変換は、その後、
図15に示すようにそれぞれ非周期的特徴及び周期的特徴をもつ2つのサイト表面イメージ1502及び1504を生成する。この例で示されるように、非周期的表面成分と周期的表面成分との両方を、変換後により良好にキャラクタライゼーションすることができることは明らかである。
【0047】
より詳細な表面構造情報を提供することに加えて、サイトベースのナノトポグラフィ方法はまた、干渉計測機器からのイメージにおいてしばしば観測されるプリントスルーアーチファクトを低減させるのに用いることができることが考慮される。これを達成するために、一実施形態においてさらに詳細な空間周波数分析を提供するためにサブサイト領域が使用される。こうした場合、レシピによって定義される最初のサイトレイアウトに基づいてサブサイト領域からフーリエ及び/又はコサイン変換を実施することができる。例えば、最初のサイトからのフーリエ変換及びコサイン変換が、特定のサイト1602における異なる領域に位置する幾つかの異なる主要な周波数成分を含む場合、該特定のサイト1602を
図16に示すように4つのサブサイト領域に分割することができる。サイトを複数のサブサイト領域に分割することは、より多くの空間ローカライゼーション及び該特定のサイト1602におけるフィーチャに関する周波数情報を提供する。局部的な信号特徴に応じて、この分割プロセスは、最小測定サイトサイズに達するまで関心あるサブサイト領域に関して再帰的に続行できることが考慮される。
【0048】
さらに及び/又は代替的に、ステップ1110は、スケール−周波数情報を得るためにウェーブレット変換を行ってもよい。より詳細には、サイトイメージに対してフーリエ又はコサイン変換を行うときに、一定の周波数分解能が用いられ、空間ローカライゼーションがサイトパーティションによって提供され、したがって、サイトサイズによって制限されることも考慮される。表面フィーチャスケールの制御においてより多くの融通性及び可変の周波数分解能が必要とされるときに、スケール−周波数分析のためのサイトベースのナノトポグラフィに関する種々のウェーブレット変換を使用することができる。
【0049】
図17で例証されるように、サイトイメージは、2レベルのウェーブレット変換において7つのサブバンドに分解される。これらのサブバンドにおける信号は、サイトイメージにおける表面フィーチャのスケール、周波数、及び配向に関する情報を提供する。ウェーハ表面フィーチャは、次いで、より情報のあるフィーチャ特徴に関するスケールと周波数空間との両方でキャラクタライゼーションされることになる。各オリジナル周波数クワドラント(4象限)を次第により小さいイメージサイズの四角形に分解することによって再帰的に構築することができる、サイトイメージに関するウェーブレット・クワド・ツリー(Wavelet quad−tree)において、さらなる情報分析を実施することができる。
【0050】
スケール−周波数バンドにおけるこれらのスケール及び周波数分布から、所与のスケール及び周波数をもつフィーチャのマグニチュード又はエネルギーのような多くの有用なフィーチャのメトリクスを定義し及び計算することができる。表面フィーチャの空間特性と周波数特性との両方はウェーブレット変換で明らかにされるので、空間領域又はフーリエ変換領域だけではなくウェーブレット変換領域でより良好なフィーチャ検出及び分類を実施することができる。
【0051】
例えば、微細な線状の研磨縞から隔離された表面スクラッチを分離するための改善された性能は、研磨縞からの局部振動パターンを識別するためにウェーブレット変換係数を異なるスケールで分析することによってウェーブレット変換領域で得ることができる。別の例では、サイトベースのナノトポグラフィでの指向性二次元ウェーブレット変換は、変化するサイズの近傍にわたって表面テクスチャ領域をさらにローカライズし、及び均一テクスチャ領域の領域境界を定義するために、フィルタされたサイトイメージを処理するのに用いることができる。このテクスチャ分析は、ウェーハ及びプロセスの制御のための価値ある分析結果を生成することができる。
【0052】
上記の例は均一なサイトパーティションを描いていたが、高度化されたウェーハ表面ナノトポグラフィ分析のために均一でないサイトパーティションを用いることもできる。サイトの境界は、局部イメージ特徴に従うウェーハイメージのセグメント化によって画定されてもよい。これらの均一でないサイトは、それらの長方形の形状を依然として維持しながら概して異なる領域を有してもよい。サイトにおける表面フィーチャの改善された空間周波数分析を提供するために、各空間セグメントに関して最良のウェーブレット基底関数を選択することができる。
【0053】
サイトベースのフーリエ/コサイン変換と共に、ウェーブレット変換ベースのウェーハ表面分析は、表面粗さ及びテクスチャに関する有用な情報を提供し、したがって、本開示に従って提示されるウェーハ表面ナノトポグラフィ(nanotopograpy)分析の能力をさらに、拡張することができるであろう。
【0054】
さらに、上記で説明されたイメージ変換領域メトリック計算に関連して、フーリエ変換領域における周期的信号成分を、それらの測定のために識別し及び抽出し、又は非周期的表面構造の測定のために抑制することができることが考慮される。非周期的表面構造の測定のための周期的信号成分を抑制するプロセスは、本開示に係るパターン構造抑制技術と呼ばれる。
【0055】
図18は、本開示の一実施形態に係るパターン構造抑制技術の主要なステップを例証する流れ図である。
図18に示すように、ステップ1802が低周波数形状成分を除去するために空間領域におけるウェーハ表面及び裏面マップをフィルタした後で、ステップ1804は、フィルタされたイメージを周波数領域にフーリエ変換してもよい。ステップ1806は、次いで、周期的成分の抽出及び抑制のためにマスクを推定してもよく、ステップ1808においてフィルタされたイメージのスペクトルを修正するためにピークマスクが使用されてもよい。ステップ1810は、2つの分解された空間領域イメージを得るために、修正されたスペクトルを逆変換してもよい。分解された空間領域イメージのうちの1つは、周期的パターン成分(すなわち、パターン構造イメージ)のみを含んでもよく、一方、他方は、周期的パターンが抑制された状態のウェーハイメージ(すなわち、パターンが抑制されたバックグラウンドイメージ)を含んでもよい。
【0056】
上記で説明されたパターン抽出/抑制プロセスは、ウェーハイメージ全体で実施され、次いで、ステップ1812で行われるサイトベースのナノトポグラフィ測定のためのパターン構造イメージ及び/又はパターンが抑制されたバックグラウンドイメージに対して測定サイトを定義することができることに留意されたい。フィルタされたイメージマップにおけるパターン構造の抑制は、表面欠陥及び他の表面フィーチャがより良好に明らかにされ及び定量化されることを可能にすることが考慮される。したがって、パターン構造抑制技術1800は、上記で説明されたサイトベースのナノトポグラフィ方法100及び/又は1100において随意的なプロセスステップとして含まれてもよいことが考慮される。
【0057】
図19は、本開示に係るサイトベースのナノトポグラフィシステム1900を描くブロック図である。サイトベースのナノトポグラフィシステム1900は、ウェーハ表面イメージを得るように構成された光学系1902を含む。前述のように、光学系1902は、KLA−TencorからのWaferSight測定システムのようなウェーハ寸法幾何学形状ツールを直接使用してウェーハ表面イメージを取得してもよい。代替的に、ウェーハ形状イメージ、ウェーハ表面及び裏面形状イメージなどはまた、同様に他の計測ツールを間接的に用いて構築されてもよい。
【0058】
サイトベースのナノトポグラフィシステム1900はまた、光学系1902と通信するサイトベースの測定モジュール1904を含む。サイトベースの測定モジュール1904は、上記で説明されたようにサイトベースのナノトポグラフィ方法100又は1100を実施するように構成される。計算されたメトリック値は、その後、前述のように報告/表示モジュール1906を介してユーザに報告されてもよい。
【0059】
上記の例はウェーハ測定計測法を言及したものであるが、本開示に係るシステム及び方法は、本開示の精神及び範囲から逸脱することなく同様に他のタイプの磨き板に適用可能であることが考慮される。本開示で用いられるウェーハという用語は、集積回路及び他のデバイスの製作に用いられる薄切りの半導体材料、並びに磁気ディスク基板、ゲージブロックなどのような他の磨き板を含んでもよい。
【0060】
開示された方法は、単一の生産デバイスを通して、及び/又は複数の生産デバイスを通して命令の組として実装されてもよい。さらに、ことが理解される開示された方法におけるステップの特定の順序又は階層は、例示的な手法の例である。設計の優先事項に基づき、方法のステップの特定の順序又は階層は、本開示の範囲及び精神内にある状態で再構成することができることが理解される。添付の方法の請求項は、種々のステップの要素をサンプルオーダーで提示し、必ずしも提示される特定の順序又は階層に限定されることを意図されていない。
【0061】
本開示のシステム及び方法、並びにその付随する利点の多くは、上記の説明によって理解されることになり、開示された主題から逸脱することなく又はその材料の利点のすべてを犠牲にすることなくコンポーネントの形態、構造、及び配置に種々の変化が加えられてもよいことは明らかであると考えられる。説明される形態は単なる例示である。