特許第6266037号(P6266037)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6266037
(24)【登録日】2018年1月5日
(45)【発行日】2018年1月24日
(54)【発明の名称】アクティブな平面オートフォーカス
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/956 20060101AFI20180115BHJP
   G02B 7/28 20060101ALI20180115BHJP
   G02B 21/00 20060101ALI20180115BHJP
【FI】
   G01N21/956 A
   G02B7/28 J
   G02B21/00
【請求項の数】18
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-85856(P2016-85856)
(22)【出願日】2016年4月22日
(62)【分割の表示】特願2013-519698(P2013-519698)の分割
【原出願日】2011年6月28日
(65)【公開番号】特開2016-148679(P2016-148679A)
(43)【公開日】2016年8月18日
【審査請求日】2016年4月22日
(31)【優先権主張番号】12/833,093
(32)【優先日】2010年7月9日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500049141
【氏名又は名称】ケーエルエー−テンカー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】特許業務法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヤング スコット エイ
(72)【発明者】
【氏名】キャヴァン ダニエル エル
(72)【発明者】
【氏名】ツァン イェール
(72)【発明者】
【氏名】バラン アヴィヴ
【審査官】 立澤 正樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−330779(JP,A)
【文献】 特開平06−281409(JP,A)
【文献】 特表2002−511142(JP,A)
【文献】 特開2003−177101(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2003/0053676(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2002/0001403(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/956
G02B 7/28
G02B 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を前記基板の特定のデバイス層に対して一定の層深度で検査するための光学検査システムであって、前記一定の層深度は、前記基板の上面に対する指定の深さで前記基板上の全ての場所には所望の検査層が存在しない層深度であり、
固定の焦点面をもつ画像センサーと、
前記基板の表面トポグラフィに関してZ距離を検知し、前記Z距離を焦点データストリーム内に出力するための焦点センサーであって、前記焦点センサーおよび前記画像センサーが既知の関係に配置されている、焦点センサーと、
前記基板をXY平面内で前記画像センサーおよび前記焦点センサーに対して移動させるためのXYステージと、
前記基板をZ軸に沿って前記画像センサーおよび前記焦点センサーに対して移動させるためのZモーターと、
前記光学検査システムをセットアップモードおよび検査モードのうちの1つで選択的に操作するためのコントローラであって、
前記セットアップモードでは、
前記XYステージを用いた前記基板のXY移動を、前記焦点センサー下で前記基板の第1の部分をスキャンするように制御することと、
前記焦点データストリームを前記焦点センサーから受信することと、
同時に、XYデータを前記XYステージから受信することと、
前記基板の前記第1の部分に対して相関するXYZデータをメモリに格納することと、を行い、
前記検査モードでは、
前記XYステージを用いた前記基板のXY移動を、前記焦点センサーおよび前記画像センサー下で前記基板の第2の部分をスキャンするように制御することと、
前記焦点データストリームを前記焦点センサーから受信することと、
同時に、XYデータを前記XYステージから受信することと、
仮想データストリームを生成するために、前記メモリ内の前記Z距離を前記焦点センサーの前記焦点データストリームから減算することであって、前記メモリからの前記Z距離が前記ステージからの前記XYデータと相関しており、
前記検査中に前記基板を上下に移動させるために、前記仮想データストリームにオフセットを加えて前記モーターに供給し、それにより、前記基板の前記表面トポグラフィにかかわらず、前記焦点面を所望のZ距離に維持することと、を行う、
コントローラと、
を備える光学検査システム。
【請求項2】
前記第1の部分が前記基板全体である、請求項1に記載の光学検査システム。
【請求項3】
前記第1の部分が前記基板の少なくとも1つのレチクル領域である、請求項1に記載の光学検査システム。
【請求項4】
前記第2の部分が前記基板全体である、請求項1に記載の光学検査システム。
【請求項5】
前記第2の部分が前記基板の少なくとも1つのレチクル領域である、請求項1に記載の光学検査システム。
【請求項6】
前記第1の部分が前記第2の部分のサブセットである、請求項1に記載の光学検査システム。
【請求項7】
前記第1の部分が前記第2の部分と同一である、請求項1に記載の光学検査システム。
【請求項8】
前記オフセットが、前記焦点面を前記仮想データストリームで表されるZ距離より上に保持する値である、請求項1に記載の光学検査システム。
【請求項9】
前記オフセットが、前記焦点面を前記仮想データストリームで表されるZ距離より下に保持する値である、請求項1に記載の光学検査システム。
【請求項10】
基板を前記基板の特定のデバイス層に対して一定の層深度で検査するための方法であって、前記一定の層深度は、前記基板の上面に対する指定の深さで前記基板上の全ての場所には所望の検査層が存在しない層深度であり、
前記基板のXY移動を、焦点センサー下で前記基板の第1の部分をスキャンするように制御するステップと、
前記XY移動中に前記基板のXY位置を検知するステップと、
同時に、前記焦点センサーで前記基板の表面トポグラフィに対するZ距離を検知するステップと、
前記基板の前記第1の部分に対して相関するXYZデータを格納するステップと、
前記基板のXY移動を、前記焦点センサーおよび画像センサー下で前記基板の第2の部分をスキャンするように制御するステップであって、前記焦点センサーおよび前記画像センサーが既知の関係に配置されている、前記基板のXY移動を制御するステップと、
前記XY移動中に前記基板のXY位置を検知するステップと、
同時に、前記焦点センサーで前記基板の前記表面トポグラフィに対するZ距離を検知するステップと、
仮想データストリームを生成するために、前記格納されているZ距離を前記検知されたZ距離から減算するステップであって、前記格納されているZ距離および前記検知されたZ距離が前記XY位置によって相関しており、
前記基板の前記第2の部分をスキャンしながら、オフセットを加えた前記仮想データストリームによって指示されるように、前記基板を前記画像センサーに対して上下に移動させ、それによって、前記画像センサーの焦点面を、前記基板の前記表面トポグラフィにかかわらず、所望のZ距離に維持するステップと、
前記画像センサーで前記基板の前記第2の部分を前記所望のZ距離で検査するステップと、
を含む方法。
【請求項11】
前記第1の部分が前記基板全体である、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記第1の部分が前記基板の少なくとも1つのレチクル領域である、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記第2の部分が前記基板全体である、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記第2の部分が前記基板の少なくとも1つのレチクル領域である、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記第1の部分が前記第2の部分のサブセットである、請求項10に記載の方法。
【請求項16】
前記第1の部分が前記第2の部分と同一である、請求項10に記載の方法。
【請求項17】
前記オフセットが、前記焦点面を前記仮想データストリームで表されるZ距離より上に保持する値である、請求項10に記載の方法。
【請求項18】
前記オフセットが、前記焦点面を前記仮想データストリームで表されるZ距離より下に保持する値である、請求項10に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、集積回路製造の分野に関する。より詳細には、本発明は、集積回路の光学検査中に使用されるような、オートフォーカス機構に関する。
【背景技術】
【0002】
集積回路の光学検査は、所望の焦点面の非常に正確な制御を必要とする。「集積回路」という用語は、本明細書で使用されるように、モノリシック半導体基板上に形成されたような、シリコンもしくはゲルマニウムのようなグループIVの物質、またはガリウムヒ素のようなグループIII〜Vの化合物、またはかかる物質の混合物で形成されたような、デバイスを含む。その用語は、メモリおよび論理回路など、形成された全てのタイプのデバイス、ならびにMOSおよびバイポーラなど、かかるデバイスの全ての設計を含む。その用語は、フラットパネルディスプレイ、太陽電池、発光ダイオードアレイ、および複数の反復3次元電気回路構造を含む他の基板などの適用例も包含する。
【0003】
最新の集積回路は、しばしば刻まれたトポグラフィ(地形)を示す。様々な層が堆積され、一部取り除かれ、そして、新しい層が上に追加されているので、メサ(mesa)および谷の表面トポグラフィ(いわば)が、集積回路の表面全体に発達する。それ故、集積回路の所与の加工層が、デバイスの表面上の任意の特定のX/Y点に存在することもあれば、存在しないこともある。この層のZ場所を定義する平面は、その結果、メサを通り抜け、谷を越え得る。
【0004】
残念ながら、現在の検査ツールのオートフォーカスシステムは、集積回路の検査中に存在する1つまたは複数の様々な異なる要因によって混乱しがちである。例えば、前述したように、刻まれた表面トポグラフィのZ軸における高さおよび深さの範囲は、オートフォーカス機構を混乱させる傾向があり、焦点面を、(単一平面上に存在する)所望の層から、集積回路の表面トポグラフィの絶え間なく変わるレベル(または他の場所)にシフトさせる。さらに、基板を検査光学系に対して移動させるモーターおよびチャックの移動によって取り込まれるノイズが、オートフォーカス機構を所望の検査平面から離す可能性がある。さらに、基板全体の反りおよびツール外部の振動が、焦点面を所望の検査平面から離す傾向があるさらに多くの変数を取り込む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−258444号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、必要なのは、通常、基板の反りおよび振動などの他のZ外乱に対してリアルタイムで反応する能力を保持しながら、基板トポグラフィ反応を減少させるシステムである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述および他の必要性は、特定のデバイス層に対して一定の層深度で基板を検査するための光学検査システムによって満足される。その検査システムは、固定の焦点面をもつ画像センサーを有する。焦点センサーが、基板の表面トポグラフィに対するZ距離を検知し、そのZ距離を焦点データストリームに出力する。焦点センサーおよび画像センサーは、既知の関係に配置される。XYステージが、基板をXY平面内で画像センサーおよび焦点センサーに対して移動させ、Zモーターが基板をZ次元内で画像センサーおよび焦点センサーに対して移動させる。コントローラが、光学検査システムを、セットアップモードおよび検査モードのうちの1つで選択的に操作する。
【0008】
セットアップモードでは、コントローラは、焦点センサー下で基板の第1の部分をスキャンするように、XYステージを使用して基板のXY移動を制御する。コントローラは、焦点データストリームを焦点センサーから受信し、同時に、XYデータをXYステージから受信し、そして、基板の第1の部分に対して相関するXYZデータをメモリに格納する。検査モードでは、コントローラは、焦点センサーおよび画像センサー下で基板の第2の部分をスキャンするように、XYステージを使用して基板のXY移動を制御する。コントローラは、焦点データストリームを焦点センサーから受信し、同時に、XYデータをXYステージから受信し、そして、仮想データストリームを生成するために、メモリ内のZ距離を焦点センサーの焦点データストリームから減算するが、そのメモリからのZ距離は、ステージからのXYデータと相関している。コントローラは、検査中に基板を上下に移動させるため、仮想データストリームにオフセットを加えて、Zモーターに供給し、それにより、基板の表面トポグラフィにかかわらず、焦点面を所望のZ距離に維持する。
【0009】
このように、画像センサーの固定の焦点面が、任意の所与の位置での集積回路の表面トポグラフィにおける相違にかかわらず、集積回路の所望の層で維持される。さらに、セットアップモードは、単一のダイまたはレチクル領域に対してなど、基板上の集積回路の所与の反復パターンに対して達成できる。検査モードは、次いで、セットアッププロシージャを繰り返すことなく、その基板上(および同様の基板に対して)の全てのダイまたはレチクル領域に適用できる。
【0010】
様々な実施形態では、第1の部分は基板全体である。別の実施形態では、第1の部分は、基板の1つまたは複数のレチクル領域である。いくつかの実施形態では、第2の部分は基板全体である。別の実施形態では、第2の部分は、基板の1つまたは複数のレチクル領域である。いくつかの実施形態では、第1の部分は第2の部分のサブセットである。別の実施形態では、第1の部分は第2の部分と同一である。いくつかの実施形態では、オフセットは、焦点面を仮想データストリームより上に保持する値である。別の実施形態では、オフセットは、焦点面を仮想データストリームより下に保持する値である。
【0011】
本発明の別の態様によれば、焦点センサー下で基板の第1の部分をスキャンするように基板のXY移動を制御し、XY移動中に基板のXY位置を検知し、同時に、焦点センサーで基板の表面トポグラフィに対するZ距離を検知し、基板の第1の部分に対して相関するXYZデータを格納し、焦点センサーおよび画像センサーの下で基板の第2の部分をスキャンするように基板のXY移動を制御し(その焦点センサーおよび画像センサーは既知の関係に配置されている)、XY移動中に基板のXY位置を検知し、同時に、焦点センサーで基板の表面トポグラフィに対するZ距離を検知し、仮想データストリームを生成するために、格納されているZ距離を検知されたZ距離から減算し(その格納されているZ距離および検知されたZ距離はXY位置によって相関される)、基板の第2の部分をスキャンしながら、オフセットを加えた仮想データストリームによって指示されるように、画像センサーに関して基板を上下に移動させ、それによって、基板の表面トポグラフィにかかわらず、画像センサーの焦点面を所望のZ距離に維持し、そして、画像センサーで基板の第2の部分を所望のZ距離で検査することにより、基板の特定のデバイス層に対して一定の層深度で基板を検査するための方法が説明される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
本発明のさらなる利点は、図と併せて検討する際に詳細な説明を参照することにより明らかであり、それらの図は、詳細をより明瞭に示すために一定の縮尺ではなく、図中、同様の参照番号はいくつかの図を通して同様の要素を示す。
【0013】
図1A】特性のプロセスステップにおける集積回路の断面図で、表面トポグラフィならびに同一平面上の検査層および焦点面を示す。
図1B】パターン(レチクル領域)の反復マトリックスをもつ基板の上面図である。
図2】本発明の一実施形態に従って、集積回路のトポグラフィ情報を測定するため、および焦点面を集積回路の所望の層と同一平面上に維持しながら、集積回路を光学的に検査するための装置の機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
ここで図1Aを参照すると、集積回路100の一部の断面図が示されており、表面トポグラフィ102および所望の検査層104を示す。図1Aの描写は、任意の特定(または実際)の集積回路100を表すことを意図するものではなく、むしろ、表面下の異なる深さに、所与の層の部分間に刻まれたメスおよび谷が存在する、異なる厚さを有する異なる層を例示するためだけであることが理解される。
【0015】
本発明の様々な実施形態による光学検査ツールは、検査プロセス中に存在し得るいかなる要因にもかかわらず、焦点面106を常に所望の検査層104と同一平面上に維持する。例えば、集積回路100のトポグラフィ102、床振動、チャック衝突(chuck bump)、および基板の反りなどの要因は、焦点面106を所望の層104から離す原因にはならない。従って、所望の層104の焦点画像が、かかる要因にかかわらず、常に維持される。
【0016】
図1Bを参照すると、基板214上にパターン(レチクル領域)の反復マトリックスをもつ基板214が示されている。これらのレチクル領域112は、例えば、基板214上の個々のダイを表し、そこでは、図1Aに示すような回路100などの回路パターンが、1つのダイから次へと繰り返される。これらの反復パターン112は1つのダイパターンから次のダイパターンの対応する部分まで、一定のXYオフセットを有する。図1Bの例は、取るに足らない詳細で図を不必要に妨げないように極度に単純化されていることが理解される。
【0017】
ここで図2を参照すると、本発明の一実施形態による基板214上の集積回路100の層104を検査するためのプロセッサベースの検査ツール200の機能ブロック図が示されている。操作の標準モードでは、ツール200は、画像センサー210に関して基板214をスキャンする。焦点センサー208は、特定の視野内で上面102の高さを判断する。コントローラ202は、高さ情報を取得し、それを使用して、特定の場所における基板214の上面102が焦点面106に近づくように、zモーター218を移動させる。
【0018】
しかし、操作のこの標準モードは、焦点センサー208の出力を一定に保つために、継続的に焦点面106をシフトさせる。焦点センサー208は、通常、基板214の広い領域をサンプリングしているので、検査される実際の層は、任意の所与の時点でサンプリングされている特定のオートフォーカス視野のトポグラフィの内容によって決まる。さらに、焦点センサー208の反応は、オートフォーカス視野内の様々な層の電気特性または光学特性に敏感であり得、それにより、システム200の反応がさらに混乱され、実際の検査面の判断を困難にする。
【0019】
レチクル領域112の反復する本質のため、同等のXYレチクル領域位置が、同じ参照表面に対する同じZ場所で検査できる。しかし、図1に関して説明したように、層104が、上面に対する指定の深さで基板214上の全ての場所には存在しない場合、特定の層104に焦点を合わせたままにしたい場合には、かかる単純化した焦点調整機構は不十分である。
【0020】
従って、操作の上級モード(advanced mode)では、ツール200は、セットアッププロセス中に、トポグラフィ情報102を基板214から検知し、検査プロセス中に、フィードフォワード方法で、XY場所に基づきトポグラフィ情報102を補う。このプロセスは、基板214に対して仮想表面として考えることができるものを生成する。このように、焦点面106を仮想表面から所与のオフセットに設定すると、図1に示すように、焦点面106を所望の層104に保つ。
【0021】
従って、ツール200は、フィードフォワード方法を用いて、基板214のトポグラフィを補う。しかし、ツール200は、フィードバック方法で、Z振動および基板214の反りなどの可変的な影響をさらに動的に補うことができる。
【0022】
〔セットアッププロセス〕
基板214は、XYステージ204に取り付けられたZモーター218に取り付けられたチャック216に取り付けられている。XYステージ204は、チャックセンサー212によって測定されるように固定の高さで基板214をXY平面内でスキャンして、焦点センサー208が基板214の表面トポグラフィ102を基板214の所与の離散XY場所で検出できるようにし、それによって基板214のトポグラフィ102のXYZマップを発展させる。あるいは、単一のレチクル領域112など、基板214の一部のみがスキャンされる。
【0023】
基板214(またはレチクル領域112)のトポグラフィ102のこのマップは、次いで、基板214にわたる全ての同一のレチクル領域112の場所に共通するトポグラフィを識別するためにさらに加工される。基板214にわたる全ての同一のレチクル領域場所112に共通でないトポグラフィの特徴は、マップデータから数学的に取り除かれ、平均化されたレチクル領域のトポグラフィマップが構築され、レチクル領域位置オフセットテーブル206に格納されるが、それは、ツール200またはツール200の外部の何らかのアクセス可能な場所のいずれかに配置できる。
【0024】
いくつかの実施形態では、特定のプロセスステップで、トポグラフィマップが測定され、集積回路100を含む所与の基板に対して一度だけ格納され、次いで、その後、同じプロセスステップで、集積回路100の全ての同様のタイプの基板の検査中に使用される。他の実施形態では、トポグラフィマップを作成するために、集積回路100に対する設計ファイルから開発され得るような、集積回路100の数学モデルが使用される。他の実施形態では、トポグラフィマップは、XYマッピングプロセス中にオートフォーカスセンサー出力を一定に保ち、各離散XY場所でチャックセンサー位置を読み取ることにより、取得される。
【0025】
従って、基板214のトポグラフィではなく、レチクル領域112のトポグラフィのマップが構築される。
【0026】
〔検査プロセス〕
基板214のトポグラフィは、レチクル領域112のトポグラフィならびに、基板214の反りおよびチャック216の反り、チャック216上の衝突などのような他のものの両方を含む。検査プロセス中に、レチクル領域112のマップのみが再生される(焦点センサー208の出力信号から減算される)。再生への鍵は、現在のXYステージ204の位置が、レチクル領域112のトポグラフィマップを含むメモリバンクに対するメモリアドレスとして使用されることである。いくつかの実施形態では、結像光学系210に対するダイナミック集束素子がない。画像焦点を制御するために移動される唯一のものは、Zモーター218を使用するステージZである。これは、画像センサー210に対する光学系を、表面トポグラフィにかかわらず、所与のレベルに焦点を合わせたままにする。他の実施形態では、移動要素は、Zモーター218をもつZステージではなく、むしろ光路内の集束素子である。
【0027】
いくつかの実施形態では、位置オフセットテーブル206に格納されているトポグラフィマップが、オートフォーカスセンサー208の集積回路トポグラフィ反応をキャンセルするために、異極性での検査プロセス中に再生される。このトポグラフィキャンセル信号は、画像センサー210の視野のXY場所に基づく。このフィードフォワード方法を用いると、集積回路100のトポグラフィ102は、もはや、画像センサー210光学系によって、上下に追跡されず、理想的な「平面」反応106が、システム200のチャック汚染Z外乱を探知する能力をなお維持しながら、取得される。
【0028】
本発明に対する実施形態の前述の説明は、例証および説明のために提示されている。網羅的であるか、または本発明を開示された正確な形式に限定することは意図されない。前述の教示を考慮すると、明らかな修正または変形が可能である。本発明の本質およびその実際の適用の説明を提供し、それにより、当業者が、様々な実施形態において、および検討された特定の使用に適するような様々な変更とともに、本発明を利用できるようにするために、実施形態が選択され、説明される。すべてのかかる修正および変形は、添付の特許請求の範囲が、適正に、合法的、かつ公平に権利を有する幅に従って解釈される際に、添付の特許請求の範囲によって決定されるような本発明の範囲内である。
図1A
図1B
図2