(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
アノード、カソードならびに前記アノードおよびカソードの間の発光層を含む1つ以上の有機層を含む有機発光デバイスであって、前記発光層が請求項1〜10のいずれか1項に記載の組成物を含む、有機発光デバイス。
請求項12に記載の有機発光デバイスを形成する方法であって、前記アノードおよび前記カソードの一方の上方で前記発光層を形成する工程および前記発光層の上方で前記アノードおよび前記カソードの他方を形成する工程を含む、方法。
【発明を実施するための形態】
【0032】
図1は、アノード101、カソード105ならびに該アノードおよびカソードの間の発光層103を含む、本発明の1つの実施形態によるOLED 100を例示している。該デバイス100は、基板107上、例えばガラスもしくはプラスチック基板上に支持されている。
【0033】
該アノード101およびカソード105の間には、1つ以上のまた別の層、例えば正孔輸送層、電子輸送層、正孔ブロッキング層および電子ブロッキング層を提供することができる。該デバイスは、2つ以上の発光層を含有することができる。
【0034】
好ましいデバイス構造には:
アノード/正孔注入層/発光層/カソード
アノード/正孔輸送層/発光層/カソード
アノード/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/カソード
アノード/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/カソードが含まれる。
【0035】
好ましくは、正孔輸送層および正孔注入層の内の少なくとも1つが存在する。好ましくは、正孔注入層および正孔輸送層の両方が存在する。
【0036】
発光材料には、赤色、緑色および青色発光材料が含まれる。
【0037】
青色発光材料は、400〜490nm、または420〜490nmの範囲内であってよいピークを備えるフォトルミネセンススペクトルを有することができる。
【0038】
緑色発光材料は、490nm超〜580nm、または490nm超〜540nmまでの範囲内であってよいピークを備えるフォトルミネセンススペクトルを有することができる。
【0039】
赤色発光材料は、そのフォトルミネセンススペクトル内に580nm超〜630nm、585〜625nmであってよいピークを有していてよい。
【0040】
発光層103は、本発明のポリマーを含有することができる。該ポリマーは、1つ以上の発光ドーパントを用いてドープすることができる。発光層103は、本質的に該ポリマーおよび該1つ以上の発光ドーパントから成ってよい、または1つ以上のまた別の材料、例えば1つ以上の電荷輸送材料もしくは1つ以上のまた別の発光材料を含有することができる。1つ以上の発光ドーパントのためのホスト材料として使用された場合、該ホスト材料の一重項もしくは三重項エネルギー準位は、好ましくは該発光材料のエネルギー準位より0.1eV以下しか下方ではないが、より好ましくは該発光ドーパントからの発光の消光を回避するために該発光材料とほぼ同一かそれ以上である。
【0041】
好ましい実施形態では、発光層103は、本発明のポリマーならびに緑色および青色燐光発光材料の内の少なくとも1つを含有している。
【0042】
燐光発光層に隣接する電荷輸送層は、好ましくは、該発光層から該電荷輸送層内へ移動する三重項励起子の消光を回避するために、本発明の該燐光発光材料のT
1励起状態エネルギー準位より0.1eV以下しか下方ではなく、好ましくは同一以上であるT
1励起状態エネルギー準位を有する電荷輸送材料を含有している。したがって、本発明のポリマーは、電荷輸送層内の電荷輸送材料として使用できる。1つの好ましい配置では、正孔輸送層は、該ポリマーを含んでいる、または該ポリマーから本質的に成る。
【0043】
三重項エネルギー準位は、低温燐光分光法によって測定される燐光スペクトルのエネルギー開始から測定することができる(Y.V.Romaovskii et al,Physical Review Letters,2000,85(5),p1027,A.van Dijken et al,Journal of the American Chemical Society,2004,126,p7718)。
【0045】
【化6】
の非共役繰り返し単位を含有している。
【0046】
式(I)の繰り返し単位は、スペーサ基Spによって間隔があけられた芳香族もしくは複素環式芳香族基Ar
1を含有している。該スペーサ基は、2つの基Ar
1間に共役路を全く提供しないので、式(I)の非共役繰り返し単位のいずれの側でも繰り返し単位間の共役路を全く提供しない。
【0047】
しかし基Ar
1は、式(I)の繰り返し単位に隣接する繰り返し単位の芳香族もしくは複素環式芳香族基に共役することができる。本発明者らは、式(I)の繰り返し単位と隣接繰り返し単位との間のこの相対的に限定された程度の共役でさえ、特に該ポリマーが高い励起状態のエネルギー準位を備えるドーパント、例えば燐光緑色もしくは青色発光材料のためのホストとして使用された場合には不良なデバイス性能を生じさせる可能性があることを見いだした。
【0048】
何らかの理論によって拘束されることを望むものではないが、この不良なデバイス性能は、共役後の一重項および三重項励起状態エネルギー準位の減少に帰せられ得ると考えられる。それを通して式(I)の繰り返し単位が隣接繰り返し単位に結合している位置に隣接する基Ar
1上に置換基R
1を提供することによって、式(I)の繰り返し単位と隣接繰り返し単位との間でねじれを作り出し、それらの間の共役度を減少させる立体障害を基Ar
1とAr
1に結合している隣接繰り返し単位に結合している芳香族基との間で作り出すことができる。相対的に高い三重項励起状態エネルギー準位は、本発明のポリマーを赤色、緑色および青色燐光発光材料を含む燐光発光材料のためのホストとして、および/または燐光発光材料を含有する発光層に隣接する電荷輸送材料として使用するために適合させることができる。
【0049】
本明細書に記載したポリマーのゲル透過クロマトグラフィによって測定されたポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)は、約1×10
3〜1×10
8、および好ましくは1×10
4〜5×10
6の範囲内にあってよい。本明細書に記載したポリマーのポリスチレン換算の質量平均分子量(Mw)は、1×10
3〜1×10
8、および好ましくは1×10
4〜1×10
7の範囲内にあってよい。
【0050】
本明細書に記載したポリマーは、適切には非晶質ポリマーである。
ポリマー合成
本明細書に記載したポリマーは、金属触媒の存在下で実施される重合によって形成することができる。
【0051】
共役もしくは部分共役ポリマーを形成する1つの方法は、例えば2つの芳香族もしくは複素環式芳香族基との間でのC−C結合の形成を可能にする、およびそこで2つ以上の繰り返し単位にわたって伸長する共役を有するポリマーの形成を可能にする国際公開第00/53656号パンフレットもしくは米国特許第5777070号明細書に記載されたSuzuki重合である。Suzuki重合は、パラジウム錯体触媒および塩基の存在下で発生する。
【0052】
スキーム1に示したように、Suzuki重合プロセスにおいては、脱離基LG1、例えばボロン酸もしくはボロン酸エステル基を有する繰り返し単位RU1を形成するためのモノマーは、アリーレン1とアリーレン2との間で炭素−炭素結合を形成するための脱離基LG2、例えばハロゲン、好ましくはホウ素もしくはヨウ素、スルホン酸、またはスルホン酸エステルを有する繰り返し単位RU2を形成するためのモノマーを用いる重合を受ける。
【0053】
nLG1−RU1−LG1+nLG2−RU2−LG2→−(RU1−RU2)
n−
スキーム1
典型的なボロン酸エステルは、式(IV):
【0054】
【化7】
(式中、各存在におけるR
6は、独立してC
1−20アルキル基を表し、
*は、該モノマーの芳香族環へのボロン酸エステルの結合点を表し、2つの基R
6は、結合して1つの環を形成することができる)
を有する。好ましい実施形態では、該2つの基R
6は、結合されてボロン酸のピナコールエステル:
【0056】
当業者であれば、モノマーLG1−RU1−LG1は、他のモノマーLG1−RU1−LG1との直接炭素−炭素結合を形成するために重合しないことを理解する。モノマーLG2−RU2−LG2は、他のモノマーLG2−RU2−LG2との直接炭素−炭素結合を形成するために重合しない。
【0057】
好ましくは、LG1およびLG2の一方は臭素もしくはヨウ素であり、他方はボロン酸もしくはボロン酸エステルである。
【0058】
この選択性は、該ポリマー骨格内の繰り返し単位の順序付けが、LG1−RU1−LG1の重合によって形成された全部もしくは実質的に全部のRU1繰り返し単位が両側でRU2繰り返し単位に隣接しているように制御できることを意味している。
【0059】
上記のスキーム1の実施例では、ABコポリマーは、2つのモノマーの1:1の比率での共重合によって形成されるが、2つより多いモノマーを該重合において使用することができ、任意の比率のモノマーを使用できることは理解されるであろう。
【0060】
塩基は、有機もしくは無機塩基であってよい。典型的な有機塩基には、テトラ−アルキルアンモニウム水酸化物、炭酸塩および重炭酸塩が含まれる。典型的な無機塩基には、金属(例えばアルカリもしくはアルカリ土類)水酸化物、炭酸塩および重炭酸塩が含まれる。
【0061】
パラジウム錯体触媒は、パラジウム(0)もしくはパラジウム(II)化合物であってよい。
【0062】
特に好ましい触媒は、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)およびホスフィンと混合された酢酸パラジウム(II)である。
【0063】
ホスフィンは、パラジウム化合物触媒の配位子または重合混合物に加えられる別個の化合物のいずれかとして提供されてよい。典型的なホスフィンには、各フェニルが独立して非置換または1つ以上の置換基、例えば1つ以上のC
1−5アルキルもしくはC
1−5アルコキシ基で置換されていてよいトリアリールホスフィン、例えばトリフェニルホスフィンが含まれる。
【0064】
特に好ましいのは、トリフェニルホスフィンおよびトリス(オルト−メトキシトリフェニル)ホスフィンである。
【0065】
重合反応は、反応混合物の全成分が可溶性である単一有機液相内で発生することができる。該反応は、2相水性有機系において発生することができ、この場合には相間移動剤を使用することができる。該反応は、2相水性有機系を乳化剤と混合する工程によって形成されるエマルジョン中で発生することができる。
【0066】
該ポリマーは、末端キャッピング反応物の添加によって末端キャッピングすることができる。適切な末端キャッピング反応物は、唯一の脱離基で置換された芳香族もしくは複素環式芳香族材料である。該末端キャッピング反応物は、ポリマー鎖末端でのボロン酸もしくはボロン酸エステル基との反応のためにハロゲンで置換された反応物、およびポリマー鎖末端でのハロゲンとの反応のためにボロン酸もしくはボロン酸エステルと置換された反応物を含むことができる。典型的な末端キャッピング反応物は、ハロベンゼン、例えばブロモベンゼン、およびフェニルボロン酸である。末端キャッピング反応物は、重合反応中または終了時に加えることができる。
【0067】
非共役繰り返し単位
式(I)のAr
1は、好ましくはアリール基、より好ましくはフェニレンである。フェニレン基Ar
1は、1,2−、1,3−もしくは1,4−結合フェニレン、好ましくは1,4−結合フェニレンであってよい。
【0068】
典型的な基R
1および(存在する場合の)R
2には、C
1−40ヒドロカルビル、−OR
11、−SR
11、−NR
112、および−SiR
113(式中、各存在におけるR
11は、置換基、好ましくはC
1−40ヒドロカルビルである)が含まれる。
【0069】
R
1は、各存在において同一もしくは相違していてよいC
1−40ヒドロカルビルであってもよい。
【0070】
典型的なヒドロカルビル基R
1、R
2およびR
11には、C
1−20アルキル、非置換フェニル、1つ以上のC
1−20アルキル基で置換されたフェニル、および各フェニルは非置換もしくは1つ以上のC
1−20アルキル基で置換されているフェニル基の分岐鎖もしくは直鎖が含まれる。C
1−20アルキルが好ましい。
【0071】
R
1、および存在する場合のR
2の1つ以上の非隣接C原子は、独立して−O−、−S−、−NR
11−、−SiR
112−、C(=O)もしくは−COO−で置換されていてよい。
【0072】
本明細書のいずれかの場所で記載されたアルキル基には、直鎖、分岐鎖および環状アルキル基が含まれる。R
1の場合には、第2級および第3級炭素原子から選択される1つ以上のC原子を含有するアルキル基を含むC
3−20分岐鎖アルキル基は、より多くの立体障害、およびこのため対応する直鎖アルキル基より高度のねじれを提供する可能性がある。
【0073】
式(I)のSpは、C
1−20アルキル基(式中、該アルキル基の1つ以上の非隣接C原子はO、S、−NR
11−、−SiR
112−、−C(=O)−もしくは−COO−(式中、各存在におけるR
11は、独立してHもしくは置換基である)で置換されていてもよい)であってもよい。
【0074】
式(I)のSpは、2つの基Ar
1間でのみ単一非共役原子を含有していてよい、またはSpは、該2つの基Ar
1の間をあけている少なくとも2つの原子の非共役鎖を含有していてよい。
【0075】
非共役原子は、例えば、−CR
42−もしくは−SiR
42−(式中、各存在におけるR
4は、Hもしくは置換基であり、上述した置換基R
11、例えばC
1−20アルキルであってよい)であってよい。
【0076】
スペーサ鎖Spは、該2つの基Ar
1の間隔をあけている2つ以上の原子、例えばC
1−20アルキル鎖を含有していてよいが、このとき該鎖の1つ以上の非隣接C原子は、O、S、−NR
11−、−SiR
112−、−C(=O)−もしくは−COO−で置換されていてよい。好ましくは、該スペーサ鎖Spは、該2つの基Ar
1の間隔を少なくとも1つのsp
3−ハイブリダイズされた炭素原子を含有している。
【0077】
好ましい基Spは、C
1−20アルキルから選択されるが、このとき1つ以上の非隣接C原子はOで置換されている。オリゴ−エーテル鎖、例えば式−O(CH
2CH
2O)
n−(式中、nは1〜5である)の鎖が提供される可能性がある。
【0078】
式(I)の繰り返し単位は、1〜50mol%、20〜50mol%であってもよい範囲内の量で提供されてよい。該ポリマーは、式(I)の2つ以上の異なる繰り返し単位を含有することができる。
【0079】
式(I)の繰り返し単位は、式(Ia)または(Ib):
【0081】
式(I)の典型的な繰り返し単位には、以下:
【0082】
【化10】
(式中、各存在におけるR
11は、独立してHもしくは置換基である)
が含まれる。
【0083】
【化11】
共繰り返し単位
本発明のポリマーは、式(I)の繰り返し単位および1つ以上の共繰り返し単位を含有している。該共繰り返し単位の一部もしくは全部は、式(I)の繰り返し単位のAr
1に結合している芳香族もしくは複素環式芳香族基を含有している。
【0084】
典型的な共繰り返し単位には、非置換または1つ以上の置換基で置換されていてよいアリーレンもしくはヘテロアリーレン繰り返し単位、および芳香族もしくは複素環式芳香族基を含有する電荷輸送繰り返し単位が含まれる。
【0085】
共繰り返し単位には、式(I)の繰り返し単位に直接隣接していてよい繰り返し単位および式(I)の繰り返し単位とは間隔をあけていてよい繰り返し単位が含まれる。該コポリマーは式(I)の繰り返し単位ならびに式(I)の繰り返し単位および隣接共繰り返し単位のレジオレギュラーABコポリマーの形態のみでの隣接共繰り返し単位を含有することができる、または該コポリマーは、式(I)の繰り返し単位、式(I)の繰り返し単位に隣接する共繰り返し単位、および1つ以上の他の共繰り返し単位を含有することができる。
【0086】
典型的な共繰り返し単位には、アリーレン繰り返し単位、例えば1,2−、1,3−および1,4−フェニレン繰り返し単位、3,6−および2,7−結合フルオレン繰り返し単位、ならびにそれらの各々が非置換もしくは1つ以上の置換基、例えば1つ以上のC
1−30ヒドロカルビル置換基で置換されていてよいインデノフルオレン、ナフタレン、アントラセンおよびフェナントレン繰り返し単位、ならびにスチルベン繰り返し単位が含まれる。
【0087】
1つの好ましいクラスのアリーレン繰り返し単位は、フェニレン繰り返し単位、例えば式(III):
【0088】
【化12】
(式中、各存在におけるqは、独立して0、1、2、3もしくは4、または1もしくは2であってよい、nは1、2もしくは3である、および各存在におけるR
3は、独立して置換基である)
のフェニレン繰り返し単位である。
【0089】
存在する場合は、各R
3は独立して:
−アルキル、C
1−20アルキル(式中、1つ以上の非隣接C原子は、置換されていてよいアリールもしくはヘテロアリール、O、S、置換N、C=Oもしくは−COO−で置換されていてもよく、および1つ以上のH原子はFで置換されていてもよい)、
−非置換もしくは1つ以上の置換基、好ましくは1つ以上のC
1−20アルキル基で置換されたフェニルで置換されていてよいアリールおよびヘテロアリール基、
−その基の各々が独立して置換されていてよいアリールもしくはヘテロアリール基の直鎖もしくは分岐鎖、例えば式−(Ar
3)
r(式中、各Ar
3は独立してアリールもしくはヘテロアリール基であり、rは少なくとも2である)の基、好ましくはそれらの各々が非置換もしくは1つ以上のC
1−20アルキル基で置換されていてよいフェニル基の分岐鎖もしくは直鎖、および
−架橋性基、例えばそのような二重結合を含む基およびビニルもしくはアクリレート基、またはベンゾシクロブタン基
から成る群から選択することができる。
【0090】
R
3がアリールもしくはヘテロアリール基、またはアリールもしくはヘテロアリール基の直鎖もしくは分岐鎖を含む場合には、該各アリールもしくはヘテロアリール基は:
アルキル、例えばC
1−20アルキル(式中、1つ以上の非隣接C原子は、O、S、置換N、C=Oもしくは−COO−で置換されていてもよく、および該アルキル基の1つ以上のH原子はFで置換されていてもよい)、
NR
92、OR
9、SR
9、SiR
93および
フッ素、ニトロおよびシアノ
(式中、各R
9は、独立してアルキル、好ましくはC
1−20アルキル、およびアリールもしくはヘテロアリール、好ましくは1つ以上のC
1−20アルキル基で置換されていてもよいフェニルから成る群から選択される)
から成る群から選択された1つ以上の置換基R
7で置換されていてよい。
【0091】
置換Nは、存在する場合は、−NR
9−(式中、R
9は上述したとおりである)であってもよい。
【0092】
好ましくは、各R
3は、存在する場合は、独立してC
1−40ヒドロカルビルから選択され、より好ましくはC
1−20アルキル、非置換フェニル、1つ以上のC
1−20アルキル基で置換されたフェニル、フェニル基の直鎖もしくは分岐鎖(このとき、各フェニルは非置換または1つ以上の置換基で置換されてよい)、および架橋性基から選択される。
【0093】
nが1である場合は、式(III)の典型的な繰り返し単位には、以下:
【0095】
式(III)の特に好ましい繰り返し単位は、式(IIIa):
【0097】
式(IIIa)の置換基R
3は、該繰り返し単位の結合位置に隣接しており、これは式(IIIa)の繰り返し単位と隣接繰り返し単位との間で立体障害を引き起こし得、結果として一方または両方の隣接繰り返し単位に対して式(IIIa)の繰り返し単位が面外にねじれることを生じさせる。
【0098】
典型的な繰り返し単位(式中、nは2または3である)には、以下:
【0100】
好ましい繰り返し単位は、式(IIIb):
【0102】
式(IIIb)の2つのR
3基は、それらが結合しているフェニル環間で立体障害を引き起こし得、結果として相互に対して2つのフェニル環のねじれを生じさせる。また別のクラスのアリーレン繰り返し単位は、置換フルオレン繰り返し単位、例えば式(IV):
【0103】
【化17】
(式中、各存在におけるR
3は、同一もしくは相違しており、式(III)を参照して記載した置換基である、および2つの基R
3は、結合して1つの環を形成することができる、R
8は、置換基である、およびdは、0、1、2もしくは3である)
の繰り返し単位であってもよい。
【0104】
該フルオレン繰り返し単位の芳香族炭素原子は非置換であってよい、または1つ以上の置換基R
8で置換されていてよい。典型的な置換基R
8は、アルキル、例えばC
1−20アルキル(式中、1つ以上の非隣接C原子は、O、S、NHもしくは置換N、C=Oおよび−COO−、置換アリール、置換ヘテロアリール、アルコキシ、アルキルチオ、フルオリン、シアノおよびアリールアルキルで置換されていてよい)である。特に好ましい置換基には、C
1−20アルキルおよび置換もしくは非置換アリール、例えばフェニルが含まれる。アリールのための置換基には、1つ以上のC
1−20 アルキル基が含まれていてよい。
【0105】
置換Nは、存在する場合は、−NR
5−(式中、R
5はC
1−20アルキルである)、非置換フェニル、または1つ以上のC
1−20アルキル基で置換されたフェニルであってよい。
【0106】
式(IV)の繰り返し単位の隣接繰り返し単位のアリールもしくはヘテロアリール基への共役度は、(a)該繰り返し単位にわたる共役度を限定するために該3−および/または6−位を通して該繰り返し単位を結合する工程、および/または(b)該隣接繰り返し単位とのねじれを作り出すために該結合位置に隣接する1つ以上の位置で該繰り返し単位を1つ以上の置換基R
8、例えば該3−および6−位の一方もしくは両方でC
1−20アルキル置換基を有する2,7−結合フルオレンで置換する工程によって制御することができる。
【0107】
式(IV)の繰り返し単位は、式(IVa):
【0108】
【化18】
の置換2,7−結合繰り返し単位であってもよい。
【0109】
式(IVa)の繰り返し単位は、2−もしくは7−位に隣接する位置で置換されていなくてもよい。2−および7−位を通しての結合ならびにこれらの結合位置に隣接する置換基の非存在は、該繰り返し単位にわたる相対的に高い共役度を提供できる繰り返し単位を提供する。
【0110】
式(IV)の繰り返し単位は、式(IVb):
【0111】
【化19】
の置換3,6−結合繰り返し単位であってもよい。
【0112】
式(IVb)の繰り返し単位にわたる共役度は、式(IVa)の繰り返し単位に比較して相対的に低い可能性がある。
【0113】
また別の典型的なアリーレン繰り返し単位は、式(V):
【0114】
【化20】
(式中、R
3、R
8およびdは、上述の式(III)および(IV)を参照して記載したとおりである)
を有する。R
3基のいずれかは、1つの環を形成するために該R
3基のいずれか他に結合することができる。式(V)の繰り返し単位の芳香族炭素原子は、非置換であってよい、または1つ以上の置換基で置換されてよい。
【0115】
式(V)の繰り返し単位は、式(Va)もしくは(Vb):
【0117】
また別のアリーレン共繰り返し単位には、フェナントレン繰り返し単位、ナフタレン繰り返し単位、アントラセン繰り返し単位、およびペリレン繰り返し単位が含まれる。これらのアリーレン繰り返し単位の各々は、これらの単位の芳香族炭素原子のいずれか2つを通して隣接繰り返し単位に結合することができる。特定の典型的な結合には、9,10−アントラセン、2,6−アントラセン、1,4−ナフタレン、2,6−ナフタレン、2,7−フェナントレン、および2,5−ペリレンが含まれる。これらの繰り返し単位の各々は、置換または非置換、例えば1つ以上のC
1−40ヒドロカルビル基で置換されていてよい。
【0118】
該ポリマーは、好ましくは1つ以上の電荷輸送繰り返し単位を含有している。典型的な電荷輸送繰り返し単位には、例えば、Shirota and Kageyama,Chem.Rev.2007,107,953−1010に開示された材料の繰り返し単位が含まれる。
【0119】
典型的な正孔輸送繰り返し単位は、2.9eV以下の電子親和度および5.8eV以下、好ましくは5.7eV以下のイオン化ポテンシャルを有する材料の繰り返し単位であってよい。
【0120】
好ましい正孔輸送繰り返し単位は、式(VII):
【0121】
【化22】
(式中、各存在におけるAr
8およびAr
9は独立して、置換もしくは非置換アリールもしくはヘテロアリールから選択され、gは1以上、好ましくは1もしくは2である、R
13は、Hもしくは置換基、好ましくは置換基であり、ならびにcおよびdは、各々独立して1、2もしくは3である)
の繰り返し単位を含む(ヘテロ)アリールアミン繰り返し単位である。
【0122】
R
13(g>1の場合は、各存在において同一もしくは相違していてよい)は、好ましくはアルキル、例えばC
1−20アルキル、Ar
10、Ar
10基の分岐鎖もしくは直鎖、または式(VIII)のN原子に直接的に結合している、もしくはスペーサ基によってそれから間隔をあけている架橋性単位(式中、各存在におけるAr
10は、独立して置換アリールもしくはヘテロアリールであってもよい)から成る群から選択される。典型的なスペーサ基は、C
1−20アルキル、フェニルおよびフェニル−C
1−20アルキルである。
【0123】
式(IX)の繰り返し単位内のAr
8、Ar
9、および存在する場合のAr
10のいずれかは、直接結合もしくは二価結合原子もしくは基によってまた別のAr
8、Ar
9およびAr
10に結合されていてよい。好ましい二価結合原子および基には、O、S、置換N、および置換Cが含まれる。
【0124】
Ar
8、Ar
9、および存在する場合のAr
10のいずれかは、1つ以上の置換基で置換されていてよい。典型的な置換基は、置換基R
10(式中、各R
10は、独立して:
−置換もしくは非置換アルキル、C
1−20アルキルであってよいが、このとき1つ以上の非隣接C原子は、置換されていてよいアリールもしくはヘテロアリール、O、S、置換N、C=Oもしくは−COO−で置換されていてもよく、および1つ以上のH原子はFで置換されていてもよい、および
−該フルオレン単位に直接結合された、またはスペーサ基、例えばそのような二重結合を含む基およびビニルもしくはアクリレート基、またはベンゾシクロブタン基を含む基によってそれから間隔があけられている架橋性基
から成る群から選択されてよい)である。
【0125】
式(VII)の好ましい繰り返し単位は、式1〜3:
【0127】
1つの好ましい配置では、R
13はAr
10であり、Ar
8、Ar
9およびAr
10の各々は独立して1つ以上のC
1−20アルキル基で置換されていてよい。Ar
8、Ar
9およびAr
10は、好ましくはフェニルである。
【0128】
また別の好ましい配置では、2つのN原子に結合した式(I)の中心Ar
9基は、非置換もしくは1つ以上の置換基R
10で置換されていてよい多環式芳香族である。典型的な多環式芳香族基は、ナフタレン、ペリレン、アントラセンおよびフルオレンである。
【0129】
また別の好ましい配置では、Ar
8およびAr
9は、それらの各々が1つ以上のC
1−20アルキル基で置換されていてよいフェニルであり、R
13は、−(Ar
10)
r(式中、rは少なくとも2であり、基−(Ar
10)
rは芳香族もしくは複素環式芳香族基の直鎖もしくは分岐鎖、例えば3,5−ジフェニルベンゼンを形成するが、このとき各フェニルは1つ以上のC
1−20アルキル基で置換されてよい)である。また別の好ましい配置では、c、dおよびgは各々1であり、Ar
8およびAr
9は、フェノキサジン環を形成するために酸素原子によって結合されたフェニルである。
【0130】
アミン繰り返し単位は、約0.5mol%〜約50mol%まで、約1〜25mol%、約1〜10mol%の範囲内にあってよいモル量で提供することができる。
【0131】
該ポリマーは、式(VII)の1つ、2つ、またはそれ以上の異なる繰り返し単位を含有することができる。
【0132】
アミン繰り返し単位は、正孔輸送および/または発光官能性を提供することができる。好ましい蛍光発光アミン繰り返し単位には、式(VIIa)の青色発光繰り返し単位および式(VIIb)の緑色発光繰り返し単位が含まれる。
【0133】
【化24】
式(VIIa)のR
13は、好ましくはヒドロカルビル、好ましくはC
1−20アルキル、非置換もしくは1つ以上のC
1−20アルキル基で置換されているフェニル、またはフェニル基の分岐鎖もしくは直鎖であり、このとき各前記フェニル基は非置換もしくは1つ以上のC
1−20アルキル基で置換されている。
【0134】
式(VIIb)の繰り返し単位は、非置換であってよい、または式(VIIb)の繰り返し単位の1つ以上の環は1つ以上の置換基R
15、好ましくは1つ以上のC
1−20アルキル基で置換されていてよい。
【0135】
また別の好ましい電荷輸送繰り返し単位は、式(VIII):
【0136】
【化25】
(式中、Ar
8、Ar
9およびAr
10は、上記の式(VII)を参照して記載したとおりであり、各々独立してAr
8、Ar
9およびAr
10を参照して記載した1つ以上の置換基で置換されていてよい、および各存在におけるzは、独立して少なくとも1、または1、2もしくは3、好ましくは1であってよく、YはNもしくはCR
14(式中、R
14は、Hもしくは置換基、好ましくはHもしくはC
1−10アルキルである)である)
を有する。好ましくは、式(VIII)のAr
8、Ar
9およびAr
10は、各々フェニルであり、各フェニルは独立して1つ以上のC
1−20アルキル基で置換されていてもよい。
【0137】
1つの好ましい実施形態では、全3つの基Yは、Nである。
【0138】
全3つの基YがCR
14である場合は、Ar
8、Ar
9およびAr
10の内の少なくとも1つは、好ましくはNを含む複素環式芳香族基である。
【0139】
Ar
8、Ar
9およびAr
10の各々は、独立して1つ以上の置換基で置換されていてよい。1つの配置では、Ar
8、Ar
9およびAr
10は、各存在においてフェニルである。典型的な置換基には、式(V)を参照して上述したR
5、例えばC
1−20アルキルもしくはアルコキシが含まれる。
【0140】
式(VIII)のAr
10は、好ましくはフェニルであり、1つ以上のC
1−20アルキル基もしくは1つの架橋性単位で置換されていてもよい。
【0141】
好ましくは、zは、1であり、Ar
8、Ar
9およびAr
10の各々は非置換フェニルもしくは1つ以上のC
1−20アルキル基で置換されたフェニルである。
【0142】
式(VIII)の特に好ましい繰り返し単位は、式(VIIIa):
【0143】
【化26】
(非置換もしくは1つ以上の置換基R
5、好ましくは1つ以上のC
1−20アルキル基で置換されていてよい)
を有する。
【0144】
発光層
OLEDは、1つ以上の発光層を含有していてよい。発光層は、式(I)の繰り返し単位を含むポリマーを含有していてよい。
【0145】
発光層のために適切な発光材料には、それらの各々が蛍光性もしくは燐光性であってよいポリマー、低分子および樹枝状発光材料が含まれる。
【0146】
OLEDの発光層は、パターン化されていなくてよい、または離散的ピクセルを形成するためにパターン化されていてよい。各ピクセルは、さらにサブピクセルに分割されてよい。発光層は、例えばモノクローム表示もしくは他のモノクロームデバイスのための単一発光材料を含有していてよい、またはフルカラー表示のために異なる色を発光する材料、特に赤色、緑色および青色発光材料を含有していてよい。
【0147】
発光層は、2つ以上の発光材料の混合物、例えば一緒に白色発光を提供する発光材料の混合物を含有することができる。
【0148】
白色発光OLEDは、単一の白色発光層を含有することができる、または組み合わせると白色光を生成する様々な色を発光する2つ以上の層を含有することができる。白色発光OLEDから発光された光は、2,500〜9,000Kの範囲内の温度で完全発光体によって発光された場合と等価のCIEx座標および完全発光体によって発光された前記光のCIEy座標の0.05もしくは0.025以内のCIEy座標、または2,700〜6,000Kの範囲内の温度で完全発光体によって発光された場合と同等のCIEx座標を有することができる。
【0149】
典型的な蛍光ポリマー発光材料には、1つ以上のアリーレン繰り返し単位、アリーレンビニレン繰り返し単位およびアリールアミン繰り返し単位を含むポリマーが含まれる。
【0150】
典型的な燐光発光材料には、金属錯体が含まれる。燐光材料は、式(IX):
【0151】
【化27】
(式中、Mは金属である、L
1、L
2およびL
3の各々は配位基である、qは正の整数である、rおよびsは、各々独立して0もしくは正の整数である、ならびに(a.q)+(b.r)+(c.s)の総計は、M上で利用できる配位部位の数に等しく、このときaはL
1上の配位部位の数であり、bはL
2上の配位部位の数であり、cはL
3上の配位部位の数である)
の置換もしくは非置換錯体を含む材料であってよい。
【0152】
重元素Mは、迅速な項間交差および三重項以上の状態からの発光を可能にする強力なスピン軌道結合を誘導する。適切な重元素Mには、d−ブロック金属、特に列2および3に含まれるd−ブロック金属、つまり元素39〜48および72〜80、特にルテニウム、ロジウム、パラジウム、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金および金が含まれる。イリジウムが特に好ましい。
【0153】
典型的な配位子L
1、L
2およびL
3には、炭素もしくは窒素供与体、例えばポルフィリンもしくは式(X):
【0154】
【化28】
(式中、Ar
5およびAr
6は、同一もしくは相違していてよい、および独立して置換もしくは非置換アリールもしくはヘテロアリールから選択される、X
1およびY
1は、同一もしくは相違していてよく、独立して炭素もしくは窒素から選択される、およびAr
5およびAr
6は、一緒に融合されていてよい)
の二座配位子が含まれる。X
1は炭素であり、Y
1は窒素である配位子、特にAr
5が単一の環である、またはNおよびC原子だけの縮合複素環式芳香族基、例えばピリジルもしくはイソキノリンである、およびAr
6が単一の環である、または縮合芳香族基、例えばフェニルもしくはナフチルである配位子が好ましい。
【0155】
赤色発光を達成するために、Ar
5はフェニル、フルオレン、ナフチルから選択されてよく、Ar
6はキノリン、イソキノリン、チオフェンおよびベンゾチオフェンから選択される。
【0156】
緑色発光を達成するために、Ar
5は、フェニルもしくはフルオレンから選択されてよく、Ar
6はピリジンであってよい。
【0157】
青色発光を達成するために、Ar
5はフェニルから選択されてよく、Ar
6はイミダゾール、ピラゾール、トリアゾールおよびテトラゾールから選択されてよい。
【0158】
以下では、二座配位子の実施例を例示する。
【0159】
【化29】
Ar
5およびAr
6の各々は、1つ以上の置換基を有していてよい。これらの置換基の2つ以上は、結合すると1つの環、例えば芳香環を形成することができる。
【0160】
d−ブロック元素とともに使用するために適切な他の配位子には、ジケトナート、特にアセチルアセトネート(acac)、テトラキス−(ピラゾール−1−イル)ボレート、2−カルボキシピリジル、トリアリールホスフィンおよびピリジンが含まれるが、それらの各々は置換されていてよい。
【0161】
典型的な置換基には、式(VII)を参照して上述した基R
13が含まれる。特に好ましい置換基には、例えば国際公開第02/45466号パンフレット、同第02/44189号パンフレット、米国特許出願第2002−117662号明細書および米国特許出願第2002−182441号明細書に開示されている錯体の発光を青色シフトするために使用され得るフッ素またはトリフルオロメチル、特開2002−324679号公報に開示されている可能性があるアルキルもしくはアルコキシ基、例えばC
1−20アルキルもしくはアルコキシ、例えば国際公開第02/81448号パンフレットに開示されている発光材料として使用された場合に錯体への正孔輸送を支援するために使用できるカルバゾール、ならびに例えば国際公開第02/66552号パンフレットに開示された金属錯体の溶液処理性を得るため、または強化するために使用できるデンドロンが含まれる。
【0162】
発光デンドリマーは、典型的には、1つ以上のデンドロンに結合した発光コアを含んでいるが、このとき各デンドロンは1つの分岐点および2つ以上の樹枝状分岐を含んでいる。好ましくは、該デンドロンは、少なくとも部分共役しており、該分岐点および樹枝状分岐の内の少なくとも1つはアリールもしくはヘテロアリール基、例えばフェニル基を含んでいる。1つの配置では、該分岐点基および該分岐基は全部がフェニルであり、各フェニルは独立して1つ以上の置換基、例えばアルキルもしくはアルコキシで置換されていてよい。
【0164】
【化30】
(式中、BPはコアへの分岐結合点を表し、G
1は第一世代分岐基を表す)
を有していてもよい。
【0165】
該デンドロンは、第一、第二、第三世代以上のデンドロンであってよい。G
1は、置換されてもよい式(XIa):
【0166】
【化31】
(式中、uは0もしくは1である、vは、uが0である場合は0である、またはuが1である場合は0もしくは1であってよい、BPは、コアへの分岐結合点を表し、G
1、G
2およびG
3は、第一、第二および第三世代デンドロン分岐基を表している)
におけるように、2つ以上の第二世代分岐基G
2などで置換されていてもよい。1つの好ましい実施形態では、BPおよびG
1、G
2...G
nの各々はフェニルであり、各フェニルBP、G
1、G
2...G
n−1は、3,5−結合フェニルである。
【0167】
好ましいデンドロンは、式(XIb):
【0168】
【化32】
(式中、
*は、コアへの該デンドロンの結合点を表す)
の置換もしくは非置換デンドロンである。
【0169】
BPおよび/または任意の基Gは、1つ以上の置換基、例えば1つ以上のC
1−20アルキルもしくはアルコキシ基で置換されていてよい。
【0170】
燐光発光材料は、ホスト材料を備える発光層内に提供することができる。該ホスト材料は、本発明のホストポリマーであってよい。
【0171】
燐光発光材料は、ホストポリマーと物理的に混合されてよい、またはそれに共役結合させられてもよい。燐光発光材料は、該ポリマーの側鎖、主鎖または末端基内に提供されてよい。燐光材料がポリマー側鎖内に提供される場合は、該燐光材料は該ポリマーの骨格に直接結合されていてよい、またはスペーサ基、例えば1つ以上の非隣接C原子がOもしくはSによって置換されていてよいC
1−20アルキルスペーサ基によってそれから間隔があけられていてよい。このため、本発明の組成物は、式(I)の繰り返し単位をポリマーに結合した燐光発光材料とともに含む本発明のポリマーから成ってよい、または含んでいてよいことは理解されるであろう。
【0172】
1つ以上の燐光発光材料がホスト材料と混合される場合には、該燐光発光材料は、ホスト/燐光発光材料組成物の約0.05wt%〜約50wt%まで、または約1〜40wt%を構成していてもよい。
【0173】
1つ以上の燐光発光材料がホスト材料がホスト材料、例えばホストポリマーに結合している場合には、該燐光発光材料は、該材料の約0.01〜25mol%を構成してよい。
【0174】
電荷輸送層および電荷ブロッキング層
OLEDの場合には、正孔輸送層はアノードと発光層との間に提供されてよい。同様に、電子輸送層は、カソードと発光層との間に提供されてよい。
【0175】
同様に、電子ブロッキング層は、アノードと発光層との間に提供されてよく、正孔ブロッキング層はカソードと発光層との間に提供されてよい。輸送層およびブロッキング層は、組み合わせて使用できる。そのHOMOおよびLUMO準位に依存して、単一層は、正孔および電子の一方を輸送すること、正孔および電子の他方をブロッキングすることの両方ができる。
【0176】
電荷輸送層もしくは電荷ブロッキング層は架橋していてよく、特に層が重なっている場合は、電荷輸送層もしくは電荷ブロッキング層が溶液から沈殿させられる。この架橋結合のために使用される架橋性基は、そのような反応性二重結合を含む架橋性基およびビニルもしくはアクリレート基、またはベンゾシクロブタン基であってよい。
【0177】
存在する場合、アノードと発光層との間に配置された正孔輸送層は、好ましくはサイクリックボルタンメトリによって測定して5.5eV以下、より好ましくはおよそ4.8〜5.5eVまたは5.1〜5.3eVのHOMO準位を有している。該正孔輸送層のHOMO準位は、これらの層間の正孔輸送に小さな障壁を提供するために、隣接層(例えば、発光層)の0.2eV内、0.1eV内にあるように選択することができる。
【0178】
存在する場合、発光層とカソードとの間に配置された電子輸送層は、好ましくは、サイクリックボルタンメトリによって測定して約2.5〜3.5eVのLUMO準位を有する。例えば、一酸化ケイ素もしくは二酸化ケイ素の層または0.2〜2nmの範囲内の厚さを有する他の薄層誘電体層を該カソードに最も近い発光層と該カソードとの間に提供することができる。HOMOおよびLUMO準位は、サイクリックボルタンメトリを使用して測定できる。
【0179】
正孔輸送層は、上述した式(VII)の繰り返し単位を含むホモポリマーもしくはコポリマー、例えば式(VII)の1つ以上のアミン繰り返し単位および1つ以上のアリーレン繰り返し単位、例えば式(III)、(IV)および(V)から選択される1つ以上のアリーレン繰り返し単位を含むコポリマーを含有していてよい。
【0180】
電子輸送層は、置換されていてよいアリーレン繰り返し単位の鎖、例えばフルオレン繰り返し単位の鎖を含むポリマーを含有していてよい。
【0181】
正孔もしくは電子輸送層が燐光材料を含有する発光層に隣接している場合は、該材料もしくはその層の材料のT
1エネルギー準位は、好ましくは該隣接発光層内の燐光発光体より高い。
【0182】
正孔注入層
導電性有機もしくは無機材料から形成されていてよい導電性正孔注入層は、
図1に示したようにOLEDのアノード101および発光層103との間に、該アノードから半導体ポリマーの層内への正孔注入を支援するために提供することができる。ドープされた有機正孔注入材料の例には、置換されていてもよいドープされたポリ(エチレンジオキシチオフェン)(PEDT)、特に欧州特許第0901176号明細書および欧州特許第0947123号明細書に開示された荷電平衡ポリ酸でドープされたPEDT、例えばポリスチレンスルホネート(PSS)、ポリアクリル酸もしくはフッ化スルホン酸、例えばNafion(登録商標)、米国特許第5723873号明細書および同第5798170号明細書に開示されたポリアニリン、および置換されていてよいポリチオフェンもしくはポリ(チエノチオフェン)が含まれる。導電性無機材料の例には、遷移金属酸化物、例えばJournal of Physics D:Applied Physics(1996),29(11),2750−2753に開示されたVOx、MoOxおよびRuOxが含まれる。
【0183】
カソード
カソード105は、電子のOLEDの発光層内への注入を可能にする仕事関数を有する材料から選択される。例えば該カソードと発光材料との間の有害な相互作用の可能性などのその他の因子が、カソードの選択に影響を及ぼす。該カソードは、単一材料、例えばアルミニウム層から成ってよい。または、該カソードは、複数の導電性材料、例えば国際公開第98/10621号パンフレットに開示された金属、例えば低仕事関数材料と高仕事関数材料、例えばカルシウムおよびアルミニウムの二重層を含むことができる。カソードは、例えば、国際公開第98/57381号パンフレット、Appl.Phys.Lett.2002,81(4),634および国際公開第02/84759号パンフレットに開示されたような元素のバリウムを含むことができる。該カソードは、薄い(例えば、1〜5nm)層の金属化合物、特にアルカリもしくはアルカリ土類金属の酸化物もしくはフッ化物を該デバイスの有機層と1つ以上の導電性カソード層との間に、電子注入を支援するために、例えば国際公開第00/48258号パンフレットに開示されたフッ化リチウム、Appl.Phys.Lett.2001,79(5),2001に開示されたフッ化バリウム、および酸化バリウムを含むことができる。該デバイス内への電子の効率的注入を提供するために、該カソードは、好ましくは3.5eV未満、より好ましくは3.2eV未満、最も好ましくは3eV未満の仕事関数を有する。金属の仕事関数は、例えば、Michaelson,J.Appl.Phys.48(11),4729,1977の中に見いだすことができる。
【0184】
該カソードは、不透明もしくは透明であってよい。透明なカソードは、そのようなデバイス内の透明アノードを通しての発光は該放射性ピクセルの下方に配置された駆動回路によって少なくとも部分的にブロックされるために、活性マトリックスデバイスのために特に有益である。透明なカソードは、透明であるために十分に薄い電子注入材料の層を含んでいる。典型的には、この層の側方導電性は、その薄さの結果として低くなる。この場合には、電子注入材料の層は、より厚い層の透明導電性材料、例えばインジウムスズ酸化物と組み合わせて使用される。
【0185】
透明なカソードデバイスは、(当然ながら、完全透明デバイスが所望ではない場合は)透明なアノードを有する必要がないので、底部発光デバイスのために使用される透明なアノードは反射性材料の層、例えばアルミニウム層と置換されてよい、または補完されてよいことは理解されるであろう。透明なカソードデバイスの例は、例えば、英国特許第2348316号明細書に開示されている。
【0186】
封入
有機オプトエレクトロニクスデバイスは、水分および酸素に感受性である傾向がある。したがって、該基板は、好ましくは該デバイス内への水分および酸素の進入を防止するための優れた障壁特性を有する。該基板は、一般にはガラスであるが、特に該デバイスの柔軟性が所望である場合には、別の基板を使用することができる。例えば、該基板は、1つ以上のプラスチック層、例えば代替プラスチックおよび誘電体障壁層、または薄層ガラスおよびプラスチックの積層板の基板を含むことができる。
【0187】
該デバイスは、水分および酸素の進入を防止するために封入材料(図示していない)を用いて封入することができる。適切な封入材料には、ガラス板、適切な障壁特性を有するフィルム、例えば二酸化ケイ素、一酸化ケイ素、窒化ケイ素またはポリマーおよび誘電体の交互スタックまたは気密容器が含まれる。透明なカソードデバイスの場合には、透明な封入層、例えば一酸化ケイ素もしくは二酸化ケイ素はミクロンレベルの厚さへ堆積させることができるが、1つの好ましい実施形態では、そのような層の厚さは20〜300nmの範囲内にある。該基板もしくは封入材を通して浸透できる任意の大気水分および/または酸素を吸収するためのゲッタ材料は、基板と封入材との間に配置することができる。
【0188】
調製物の処理
電荷輸送層もしくは発光層を形成するために適切な調製物は、本発明のポリマー、該層の任意の他の成分、例えば発光ドーパント、および1つ以上の適切な溶媒から形成することができる。
【0189】
該調製物は、該ポリマーおよび該1つ以上の溶媒中の任意の他の成分の溶液であってよい、または1つ以上の成分がその中に溶解しない該1つ以上の溶媒中の分散液であってよい。好ましくは、該調製物は、溶液である。
【0190】
半導体ポリマー、特にアルキル置換基を含むポリマーを溶解させるために適切な溶媒には、1つ以上のC
1−10アルキルもしくはC
1−10アルコキシ基で置換されたベンゼン、例えばトルエン、キシレンおよびメチルアニソールが含まれる。
【0191】
OLEDの電荷輸送層もしくは発光層は、本明細書に記載したポリマーを含有する該調製物を堆積させる工程および該1つ以上の溶媒を蒸発させる工程によって形成できる。
【0192】
印刷およびコーティング技術、例えばスピンコーティングおよびインクジェット印刷を含む特に好ましい溶液堆積技術。
【0193】
スピンコーティングは、発光層のパターン化が不要であるデバイスのため、例えば照明用途または単純単色分割表示のために特に適合する。
【0194】
インクジェット印刷は、大量情報の内容表示、特にフルカラー表示のために特に適合する。デバイスは、第1電極の上方にパターン化層を提供する工程、および1色(単色デバイスの場合)または多色(マルチカラー、特にフルカラーデバイスの場合)を印刷するためのウエルを規定する工程によってインクジェット印刷することができる。該パターン化層は、典型的には、例えば欧州特許第0880303号明細書に記載されたようにウエルを規定するためにパターン化されているフォトレジストの層である。
【0195】
ウエルの代替物として、インクは、パターン化層内に規定されたチャネル内に印刷することができる。特に、該フォトレジストは、ウエルとは相違して、複数のピクセルの上方に伸長し、該チャネル端部で閉鎖もしくは開放することのできるチャネルを形成するためにパターン化することができる。
【0196】
その他の溶液堆積技術には、浸漬コーティング、ロール印刷およびスクリーン印刷が含まれる。
【実施例】
【0197】
モノマー実施例1の合成
【0198】
【化33】
第1段階
内部温度計、N2バブラ、オーバーヘッド式スターラおよび炉乾燥mL均圧式滴下漏斗を装備した炉乾燥3Lの四ッ首フラスコに、1,4−ジブロモ−2,5−ジエチルベンゼン(70g、240mmol)および無水THF(700mL)を装填した。この溶液を撹拌しながら−70℃未満へ冷却させると白色スラリが形成された。s−ブチルリチウム(335mL、1.4M、465mmol)を該滴下漏斗へ装填し、反応温度が−70℃を超えないことを保証しながら1.5時間かけて該空間に滴下した。スラリを3時間にわたり撹拌すると、GCMSはその後にリチオ化が完了したことを確証した。滴下漏斗に無水THF(140mL)中の1,4−ジヨードブタン(13.8mL、105mmol)の溶液を装填し、これを0.75時間かけて滴下した。生じたスラリが室温へ加温するに任せ、12時間にわたり撹拌した。この反応は、水の添加によってクエンチした。この混合液を分液漏斗に移し、層を分離させた。水層はジエチルエーテルを用いて抽出し、結合有機物を水で洗浄し、MgSO
4を用いて乾燥させ、ろ過して濃縮させると、橙色油が産生した。この生成物を0.5時間にわたり500mLのメタノールを用いて粉砕し、白色固体としてろ過し、その後にトルエン/IPAから再結晶化させると白色粉末が生成したので、これをオーブン内で乾燥させた(24.21g、48%)。GCMSは約96%の純度を示したので、この材料はそれ以上精製せずに次の段階で使用した。
【0199】
第2段階
内部温度計、N2バブラ、オーバーヘッド式スターラおよび炉乾燥mL均圧式滴下漏斗を装備した炉乾燥2Lの四ッ首フラスコに、第1段階の材料(45g、94mmol)および無水THF(450mL)を装填した。この溶液を撹拌しながら−70℃未満へ冷却させると白色スラリが形成された。n−ブチルリチウム(96mL、2.5M、225mmol)を該滴下漏斗へ装填し、反応温度が−70℃を超えないことを保証しながら0.75時間かけて該空間の上方に滴下した。スラリを5時間にわたり撹拌すると、GCMSはその後にリチオ化が完了したことを確証した。滴下漏斗に無水THF(100mL)中のIPPB(50mL、235mmol)の溶液を装填し、これを0.75時間かけて滴下した。生じたスラリが室温へ加温するに任せ、12時間にわたり撹拌した。この反応は、エーテル中のHClの添加によってクエンチした。溶媒を除去し、ジエチルエーテルを加え、混合物を分液漏斗に移し、層を分離させた。水層はジエチルエーテルを用いて抽出し、結合有機物を水で洗浄し、MgSO
4を用いて乾燥させ、ろ過して濃縮させると、橙色油が産生した。生成物を500mLのアセトニトリルを用いて氷浴中で1時間にわたり粉砕し、白色固体としてろ過し、その後にアセトニトリルから再結晶化させると白色粉末が生じた。この固体をDCMとヘキサンの2:1(v/v)混合物中に溶解させ、シリカ(径11cm、高さ7cm)上のflorisil(登録商標)のプラグ(径11cm、高さ4cm)を通過させ、その後アセトニトリルから3回再結晶化させると白色粉末が生じたので、これをろ過してオーブン内で乾燥させた(13g、24%)。HPLCは、99.67%の純度を示した。
1H NMR(referenced to CDCl
3 peak at 7.26ppm):7.57(2H,s),6.98(2H,s),2.84−2.88(4H,m),2.61−2.64(8H,m),1.67(4H,m),1.32(24H,s),1.17−1.21(12H,m)
【0200】
モノマー実施例2の合成
【0201】
【化34】
第1段階
内部温度計、N2バブラ、オーバーヘッド式スターラおよび炉乾燥均圧式滴下漏斗を装備した炉乾燥3Lの四ッ首フラスコに、1,4−ジブロモ−2,5−ジエチルベンゼン(70g、265mmol)および無水THF(700mL)を装填した。この溶液を撹拌しながら−70℃未満へ冷却させると白色スラリが形成された。s−ブチルリチウム(370mL、1.4M、518mmol)を該滴下漏斗へ装填し、反応温度が−70℃を超えないことを保証しながら2時間かけて該空間に滴下した。スラリを2時間にわたり撹拌すると、GCMSはその後にリチオ化が完了したことを確証した。滴下漏斗に無水THF(160mL)中の1,4−ジヨードブタン(15.7mL、119mmol)の溶液を装填し、これを0.75時間かけて滴下した。生じた淡黄色スラリが室温へ加温するに任せ、12時間にわたり撹拌した。この反応は、水の添加によってクエンチした。この混合液を分液漏斗に移し、層を分離させた。水層はジエチルエーテルを用いて抽出し、結合有機物を水で洗浄し、MgSO
4を用いて乾燥させ、ろ過して濃縮させると、オフホワイトの固体が産生した。この生成物を2時間にわたり300mLのメタノールを用いて粉砕し、トルエン/IPAから再結晶化させると白色粉末が産生するので、これをオーブン内で乾燥させた(31.86g、63%)。GCMSは約96%の純度を示したので、この材料はそれ以上精製せずに次の段階で使用した。
【0202】
第2段階
内部温度計、N2バブラ、オーバーヘッド式スターラおよび炉乾燥均圧式滴下漏斗を装備した炉乾燥2Lの四ッ首フラスコに、第1段階の材料(31.5g、74mmol)および無水THF(350mL)を装填した。この溶液を撹拌しながら−70℃未満へ冷却させると白色スラリが形成された。n−ブチルリチウム(62mL、2.5M、155mmol)を該滴下漏斗へ装填し、反応温度が−70℃を超えないことを保証しながら0.5時間かけて該空間の上方に滴下した。このスラリを4.5時間撹拌した。滴下漏斗に無水THF(60mL)中のiPPB(33mL、161mmol)の溶液を装填し、これを0.5時間かけて滴下した。生じたスラリが室温へ加温するに任せ、12時間にわたり撹拌した。この反応は、エーテル中のHClの添加によってクエンチした。THFを除去し、ジエチルエーテルを加え、混合物を分液漏斗に移し、層を分離させた。水層はジエチルエーテルを用いて抽出し、結合有機物を水で洗浄し、MgSO
4を用いて乾燥させ、ろ過して濃縮させると、白色固体が産生した。この生成物を500mLのメタノールを用いて0.5時間かけて粉砕した。ろ過した固体は溶離液としてのヘキサン中のDCMの勾配を用いるシリカ上でのクロマトグラフィによって精製した。生成物含有分画を濃縮し、アセトニトリルから再結晶化させると白色粉末が生じたので、これをオーブン内で乾燥させた(20.44g、53%)。HPLCは、99.77%の純度を示した。
1H NMR(referenced to CDCl
3 peak at 7.26ppm):7.53(2H,s),6.93(2H,s),2.59(4H,m),2.47(6H,s),2.26(6H,s),1.62(4H,m),1.33(24H,s)
【0203】
ホストポリマーの実施例
ポリマーは、表1に表示したモル%のモノマーを含有する重合混合物についての国際公開第00/53656号パンフレットに記載されたSuzuki重合によって調製した。
【0204】
【表1】
【0205】
【化35】
モノマー12は、特開2012−137538号公報に記載されている。モノマー10は、特開2012−137537号公報に記載されている。ポリマー実施例1は、以下の繰り返し構造を含んでいる。
【0206】
【化36】
ポリマー実施例2は、以下の繰り返し構造を含んでいる。
【0207】
【化37】
比較ポリマー1は、以下の繰り返し構造を含んでいる。
【0208】
【化38】
モノマー8(比較モノマー2)は、国際公開第2011/141714号パンフレットに記載されたように調製した。比較ポリマー2は、以下の繰り返し構造を含んでいる。
【0209】
【化39】
比較ポリマー3は、以下の繰り返し構造を含んでいる。
【0210】
【化40】
比較ポリマー4は、以下の繰り返し構造を含んでいる。
【0211】
【化41】
【0212】
組成物の実施例
上述した95mol%のポリマーおよび以下に示した5mol%の青色燐光発光体1の組成物は、o−キシレン中に溶解させ、スピンコーティングによってフィルムとして鋳造した。
【0213】
【化42】
青色燐光発光体1
青色燐光発光体1のコアは、国際公開第2004/101707号パンフレットに開示されている。デンドロンの形成は、国際公開第02/066552号パンフレットに記載されている。
【0214】
青色燐光発光体1の合成
第1段階
【0215】
【化43】
fac−トリス(1−メチル−5−フェニル−3−プロピル−[1,2,4]トリアゾリル)イリジウム−(III)(1.1g)(Shih−Chun Lo et al.,Chem.Mater.2006,18,5119−5129)(1.1g)をDCM(100mL)中に窒素気流下で溶解させた。N−ブロモスクシンイミド(0.93g)を固体として加え、混合物を室温で光線からの保護下で撹拌した。24時間後のHPLC分析は、約94%の生成物および約6%のジブロミド中間体を証明した。さらに50mgのNBSを加え、16時間にわたり撹拌を持続した。さらに50mgのNBSを加え、24時間にわたり撹拌を持続した。HPLCは、99%を超える生成物を示した。温水を加え、0.5時間撹拌した。層を分離させ、有機層はDCMを用いて溶出しながらセライトのプラグを通過させた。ろ液を約15mLへ濃縮し、ヘキサンをDCM溶液に加えると生成物が収率80%で黄色固体として沈降した。
【0216】
第2段階
【0217】
【化44】
第1段階の材料(8.50g)および3,5−ビス(4−tert−ブチルフェニル)フェニル−1−ボロン酸ピナコールエステル(15.50g)をトルエン(230mL)中に溶解させた。この溶液を1時間にわたり窒素でパージし、その後に2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル(66mg)およびトリス(ジベンジリデン)ジパラジウム(75mg)は、10mLの窒素パージしたトルエンを用いて加えた。水(60mL)中の水酸化テトラエチルアンモニウムの20wt%溶液を1回で加え、この混合液を105℃に設定した加熱浴を用いて20時間にわたり撹拌した。TLC分析は、この段階の材料全部が消費されたことを示し、唯一の蛍光スポットしか観察されなかった。この反応混合液を冷却し、分液漏斗にろ過した。層を分離させ、トルエンを用いて水層を抽出した。有機抽出物を水で洗浄し、硫酸マグネシウムを用いて乾燥させ、ろ過して濃縮すると、黄色/橙色固体として粗生成物が生じた。純粋化合物がヘキサン中の酢酸エチルの勾配を用いて溶出するカラムクロマトグラフィによって得られたので、この後にDCM/メタノールから沈殿させた。HPLCは、99.75%の純度および80%(11.32g)の収率を示した。1H NMR(referenced to CDCl3):7.83(3H,d),7.76(6H,s),7.73(3H,s)7.63(12H,d)7.49(12H,d),7.21(3H,dd),6.88(3H,d),4.28(9H,s),2.25(3H,m),1.98(3H,m),1.4−1.5(57H,m),1.23(3H,m),0.74(9H,t)
表2を参照すると、これらのフィルムのフォトルミネセンス量子収率(PLQY)は、ポリマー実施例1および比較ポリマー2を含有する組成物について匹敵しているが、他方比較ポリマー1および3を含有する組成物のPLQY値ははるかに低いことは明らかである。いずれかの理論によって拘束されることを望むものではないが、比較ポリマー1、3および4の骨格内の隣接フェニル基間の拡張共役は、低い三重項エネルギー準位および燐光の消光を生じさせると考えられる。
【0218】
【表2】
【0219】
緑色デバイスの実施例
以下の構造:
ITO/HIL/HTL/LE/カソード
(式中、ITOは酸化インジウムスズアノードである、HILは正孔注入層である、HTLは正孔輸送層である、LEは発光層である、および該カソードは該発光層と接触している金属フッ化物層および該金属フッ化物層の上方に形成されたアルミニウム層を含んでいる)
を有する有機発光デバイスを調製した。
【0220】
該デバイスを形成するために、ITOを有する基板をUV/オゾンを用いて清浄化した。正孔注入層は、Plextronics社から入手できる正孔注入材料の水性調製物をスピンコーティングする工程によって形成した。正孔輸送層は、正孔輸送ポリマー1をスピンコーティングし、該ポリマーを加熱によって架橋結合させることによって厚さ20nmへ形成した。発光層は、ホストポリマー(65wt%)および以下に例示する緑色燐光発光体1(35wt%)の発光組成物を堆積させる工程、o−キシレン溶液から厚さ75nmへスピンコーティングする工程によって形成した。緑色燐光発光体1は、国際公開第02/066552号パンフレットに記載された樹枝状燐光発光体である。カソードは、フッ化金属の第1層を厚さ約2nmへ、アルミニウムの第2層を約200nmの厚さへ、および第3層の銀を蒸発させることによって形成した。
【0221】
【化45】
緑色燐光発光体1
正孔輸送ポリマー1は、国際公開第00/53656号パンフレットに記載されたように以下のモノマーのSuzuki重合によって形成した。
【0222】
【化46】
表3を参照すると、ホストポリマーとしてポリマー実施例1および2を含有するデバイスはどちらも、低電圧で1000cd/m
2の輝度に達する、10mA/cm
2の電流に達するために必要とされる電圧によって証明されるより高い導電性を有する、およびホストポリマーとして比較ポリマー2を含有するデバイスよりも効率的であることは明らかである。
【0223】
ポリマー実施例1および2を含有するデバイスの性能は、比較ポリマー3を含有するデバイスの性能に匹敵する。
【0224】
【表3】
これらのデバイスの輝度を出発輝度である5,000cd/m
2の70%(T70)および50%(T50)へ低下させるのに要する時間を表4に示す。ポリマー実施例1および2の両方が比較ポリマー2より長い寿命を有している。比較ポリマー3の寿命はポリマー実施例1もしくは2よりわずかに長いが、このポリマーは、上記の表2に示したように、青色燐光発光体とともに使用した場合に不良な効率を生じさせる。
【0225】
【表4】
青色デバイス実施例1
デバイスは、ポリマー実施例1および青色燐光発光体1(36mol%)の混合物をスピンコーティングすることによって発光層を形成すること以外は、上述した緑色デバイス実施例について記載したように調製した。
比較青色デバイス1
デバイスは、ポリマー実施例1を比較ポリマー2と取り替える以外は、青色デバイス実施例1に記載したとおりに調製した。
【0226】
青色デバイス実施例2
ポリマー実施例1および青色燐光発光体1(36wt%)の混合物の発光層を含有するデバイスを上述した緑色デバイス実施例について記載したとおりに調製した。正孔輸送層は、国際公開第00/53656号パンフレットに記載されたように、以下のモノマーのSuzuki重合によって形成した。
【0227】
【化47】
【0228】
比較青色デバイス2
デバイスは、ポリマー実施例1を比較ポリマー2と取り替える以外は、青色デバイス実施例2に記載したとおりに調製した。
【0229】
青色デバイスについてのデータは表5に提供したが、このときT70およびT50は各々出発輝度の70%および50%へ輝度が低下するために要する時間である。
【0230】
【表5】
本発明のポリマーは、本発明のポリマーについてのより高い電流密度値によって示されるように、比較ポリマーより導電性が高い。
【0231】
白色デバイス−一般的プロセス
以下の構造:
ITO/HIL/HTL/LEL/カソード
(式中、ITOは酸化インジウムスズアノードである、HILは正孔注入材料を含む正孔注入層である、HTLは正孔輸送層である、およびLELは金属錯体およびホストポリマーを含有する、スピンコーティングによって形成される発光層である)
を有する有機発光デバイスを調製した。
【0232】
ITOを有する基板はUV/オゾンを用いて清浄化した。正孔注入層は、Plextronics社から入手できる正孔注入材料の水性調製物をスピンコーティングする工程によって約35nmの厚さに形成した。正孔輸送層は、正孔輸送ポリマー1をスピンコーティングし、該ポリマーを加熱によって架橋結合させることによって厚さ22nmへ形成した。発光層は、赤色、緑色および青色発光性金属錯体を用いてドープしたホストポリマーを含有する発光組成物をスピンコーティングによって厚さ約75nmへ堆積させる工程によって形成した。カソードは、フッ化ナトリウムの第1層を厚さ約2nmへ、アルミニウムの第2層を厚さ約100nmへ、および第3層の銀を厚さ約100nmへ蒸発させることによって形成した。
【0233】
青色発光金属錯体は、青色燐光発光体1および青色燐光発光体2から選択した錯体であった。緑色発光金属錯体は、上述した緑色燐光発光体1であった。赤色発光金属錯体は、国際公開第2012/153082号パンフレットに記載された赤色燐光発光体1であった。
【0234】
【化48】
白色デバイス実施例および比較白色デバイスの組成物は表6に提供する。
【0235】
【表6】
表6に示した発光層組成物は、ホストポリマー:青色発光体:緑色発光体:赤色発光体比にある。
【0236】
表6は、比較デバイスより高い導電性を有する本発明のデバイスを示している。
【0237】
正孔輸送ポリマーの実施例
式(I)の繰り返し単位および正孔輸送アミン繰り返し単位を含有する本発明の正孔輸送ポリマー、ならびに比較正孔輸送ポリマーは、表7に示したモノマーを使用して国際公開第00/53656号パンフレットに記載されたSuzuki重合によって調製した。
【0238】
【表7】
【0239】
【化49】
【0240】
エネルギー準位
ポリマー実施例10は、サイクリックボルタンメトリによって測定した5.14eVのHOMO準位および約1.9eVのLUMO準位を有する。
【0241】
ポリマー実施例11は、サイクリックボルタンメトリによって測定した5.05eVのHOMO準位および約1.9eVのLUMO準位を有する。
【0242】
フォトルミネセンス測定−燐光緑色ブレンド
ポリマー実施例10および緑色燐光発光体1の95:5wt%の組成物を混合キシレン中に溶解させ、ガラス基板上でのスピンコーティングによって鋳造した。比較のために、ポリマー実施例10に代えて比較ポリマー10を含有する比較組成物を同様の方法で鋳造した。
【0243】
表8を参照すると、典型的な組成物についてのフォトルミネセンス量子収率(PLQY)は比較組成物のPLQYよりはるかに高いが、これは典型的なポリマーが緑色燐光発光体の燐光の消光をほとんどもしくは全く引き起こさないことを示している。これは、典型的な正孔輸送ポリマーは、隣接発光層からの燐光の有意な消光を引き起こすことなく正孔輸送層の正孔輸送材料として使用できることを示している。
【0244】
【表8】
フォトルミネセンスの測定−燐光青色ブレンド
ポリマー実施例11および青色燐光発光体1の95:5wt%の組成物を混合キシレン中に溶解させ、ガラス基板上でのスピンコーティングによって鋳造した。比較のために、ポリマー実施例11に代えて比較ポリマー11を含有する比較組成物を同様の方法で鋳造した。
【0245】
表9を参照すると、典型的な組成物についてのフォトルミネセンス量子収率(PLQY)は比較組成物のPLQYよりはるかに高いが、これは典型的なポリマーが青色燐光発光体の燐光の消光をほとんどもしくは全く引き起こさないことを示している。これは、典型的な正孔輸送ポリマーは、隣接発光層からの燐光の有意な消光を引き起こすことなく正孔輸送層の正孔輸送材料として使用できることを示している。
【0246】
【表9】
【0247】
青色デバイス実施例3
青色発光デバイスは、正孔輸送層をポリマー実施例10をスピンコーティングおよび架橋結合させる工程によって形成し、発光層をポリマー実施例1(55wt%)および青色燐光発光体1(45wt%)をスピンコーティングする工程によって形成した以外は、緑色デバイス実施例について記載したように調製した。該デバイスは、473nmでピークを有する光を放出した。
【0248】
青色デバイス実施例4
青色発光デバイスは、正孔輸送層を形成するためにポリマー実施例11を使用した以外は、青色デバイス実施例3に記載したとおりに調製した。該デバイスは、476nmでピークを有する光を放出した。
【0249】
本発明を特定の典型的な実施形態によって記載してきたが、本明細書に開示した特徴の様々な修飾、変更および/または組み合わせは、以下の特許請求の範囲に規定した本発明の範囲から逸脱することなく当業者に明白になることは理解されるであろう。