【文献】
ANGADI, M.A., et al.,"Thermal transport and grain boundary conductance in ultrananocrystalline diamond thin films",Journal of Applied Physics,米国,American Institute of Physics,2006年 6月 1日,Vol.99, No.11,pp.114301-1-114301-6
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記デバイス層が、チタン、白金、ルテニウム、窒化チタン、窒化ハフニウム、窒化タンタル、窒化ジルコニウム、又はチタンシリサイド、ニッケルシリサイド、コバルトシリサイド、若しくはそれらの組み合わせなどの金属シリサイドを含む、請求項3に記載のデバイス。
前記複数のデバイス層の少なくとも1つが、チタン、白金、ルテニウム、窒化チタン、窒化ハフニウム、窒化タンタル、窒化ジルコニウム、又はチタンシリサイド、ニッケルシリサイド、コバルトシリサイド、若しくはそれらの組み合わせなどの金属シリサイドを含む、請求項14に記載のデバイス。
【発明を実施するための形態】
【0011】
理解を容易にするため、可能な場合には、図に共通する同一の要素を示すために、同一の参照番号を使用した。一つの実施形態に開示される要素は、明確な記載がなくても、他の実施形態で有益に利用され得ることが意図される。
【0012】
本明細書に開示される実施形態は、概して、基板上に形成されたナノ結晶ダイヤモンド層に関する。ナノ結晶ダイヤモンド層は、10nmバウンダリ未満の基板内の特徴部を処理するために必要とされる、より高い密度、より高いエッチング選択性、より低い応力および優れた熱伝導率を提供する。実施形態が、以下の図を参照してより明確に説明される。
【0013】
図1は、本明細書に記載の実施形態による、炭素系の層を堆積するために使用され得るCVDプロセスチャンバ100の概略断面図である。本明細書に記載される炭素層堆積方法を実施するように適合され得るプロセスチャンバは、カリフォルニア州サンタクララに所在するアプライドマテリアルズ社から入手可能なPRODUCER(登録商標)化学気相堆積チャンバである。以下に記載されるチャンバは、例示的チャンバであり、他の製造業者からのチャンバを含む他のチャンバが、本開示の態様を達成するために使用または改造され得ることが、理解されるべきである。
【0014】
プロセスチャンバ100は、中央移送チャンバ(図示せず)に接続され、ロボット(図示せず)によって処理される複数のプロセスチャンバを含む処理システム(図示せず)の一部であってもよい。プロセスチャンバ100は、処理領域112を画定する壁106、底部108、およびリッド110を含む。壁106および底部108は、アルミニウムの単一のブロックから製造することができる。プロセスチャンバ100はまた、処理領域112を排気ポート116に流体結合するポンピングリング114ならびに他のポンピング構成要素(図示せず)を含むことができる。
【0015】
加熱され得る基板支持アセンブリ138が、プロセスチャンバ100内の中央に配置され得る。基板支持アセンブリ138は、堆積プロセス中に基板103を支持する。基板支持アセンブリ138は、一般に、アルミニウム、セラミック、またはアルミニウムとセラミックとの組み合わせから製造され、少なくとも1つのバイアス電極132を含む。
【0016】
真空ポートを使用して、基板103と基板支持アセンブリ138との間を真空にして、堆積プロセス中に基板103を基板支持アセンブリ138に固定することができる。バイアス電極132は、例えば、基板支持アセンブリ138に配置され、バイアス電源130Aおよび130Bに結合されて、基板支持アセンブリ138およびその上に配置された基板103を、処理中に所定のバイアス電力レベルにバイアスし得る。
【0017】
バイアス電源130Aおよび130Bは、約1MHzと約60MHzの間の周波数などの様々な周波数で基板103および基板支持アセンブリ138に電力を供給するように独立して構成することができる。本明細書に記載されている実施形態から逸脱することなく、ここに記載された周波数の様々な並べ替えを採用することができる。
【0018】
一般に、基板支持アセンブリ138は、ステム142に結合される。ステム142は、基板支持アセンブリ138とプロセスチャンバ100の他の構成要素との間の電気リード、真空及びガス供給ラインのための導管を提供する。さらに、ステム142は、基板支持アセンブリ138を、ロボット搬送を容易にするために、上昇位置(
図1に示すような)と下降位置(図示せず)との間で基板支持アセンブリ138を移動させるリフトシステム144に結合する。ベローズ146は、基板支持アセンブリ138の移動を容易にすると同時に、処理領域112とプロセスチャンバ100の外部の雰囲気との間の真空シールを提供する。
【0019】
シャワーヘッド118は、一般に、リッド110の内側120に結合することができる。プロセスチャンバ100に入るガス(すなわち、プロセスガスおよび他のガス)は、シャワーヘッド118を通ってプロセスチャンバ100に入る。シャワーヘッド118は、プロセスチャンバ100に均一なガス流を提供するように構成されてもよい。均一なガス流は、基板103上の均一な層形成を促進するために望ましい。ガス源104を含む遠隔プラズマ源105が、処理領域112と結合することができる。ここに示すように、遠隔プラズマ発生器などの遠隔活性化源を使用して、反応種のプラズマを発生させ、このプラズマを処理領域112に供給する。例示的な遠隔プラズマ発生器は、MKS Instruments,Inc.およびAdvanced Energy Industries,Inc.などのベンダから入手可能である。
【0020】
さらに、プラズマ電源160をシャワーヘッド118に結合して、基板支持アセンブリ138上に配置された基板103に向かってシャワーヘッド118を通るガスにエネルギーを与えることができる。プラズマ電源160は、RF電力を供給することができる。
【0021】
プロセスチャンバ100の機能は、コンピューティングデバイス154によって制御することができる。コンピューティングデバイス154は、様々なチャンバおよびサブプロセッサを制御するための工業的環境で使用することができる汎用コンピュータの任意の形態の1つであってもよい。コンピューティングデバイス154は、コンピュータプロセッサ156およびメモリ158を含む。メモリ158は、ランダムアクセスメモリ、読み出し専用メモリ、フラッシュメモリ、ハードディスク、またはローカル若しくはリモートの任意の他の形式のデジタルストレージなどの、任意の適切なメモリを含むことができる。コンピューティングデバイス154は、従来の方法でコンピュータプロセッサ156をサポートするためにコンピュータプロセッサ156に結合することができる様々なサポート回路162を含むことができる。ソフトウェアルーチンが、必要に応じて、メモリ158に格納されてもよいし、遠隔に配置された第2のコンピューティングデバイス(図示せず)によって実行されてもよい。
【0022】
コンピューティングデバイス154は、1つ以上のコンピュータ可読媒体(図示せず)をさらに含むことができる。コンピュータ可読媒体は、一般に、コンピューティングデバイスによって検索可能な情報を格納することができる、ローカルまたはリモートのいずれかに配置された任意の装置を含む。本明細書で説明する実施形態で使用可能なコンピュータ可読媒体の例には、固体メモリ、フロッピーディスク、内部または外部ハードドライブ、および光学メモリ(例えば、CD、DVD、BR−Dなど)が含まれる。一実施形態では、メモリ158は、コンピュータ可読媒体であってもよい。ソフトウェアルーチンが、コンピューティングデバイスによって実行されるために、コンピュータ可読媒体上に格納されてもよい。
【0023】
ソフトウェアルーチンは、実行されると、あるチャンバプロセスが実行されるようにチャンバ動作を制御する特定プロセスコンピュータに、汎用コンピュータを変換する。あるいは、ソフトウェアルーチンは、特定用途向け集積回路若しくは他のタイプのハードウェア実装としてハードウェアで、またはソフトウェアとハードウェアとの組み合わせで実行されてもよい。
【0024】
図2は、デバイス200がNANDデバイスである一実施形態による、その上に形成されたナノ結晶ダイヤモンド層を有するデバイス200である。デバイス200は、基板202と、複数のデバイス層204と、ナノ結晶ダイヤモンド層206とを含む。
【0025】
基板202は、単結晶シリコン、シリコン−ゲルマニウム若しくはシリコン−ゲルマニウム−炭素などのIV−IV化合物、III−V化合物、II−VI化合物などの当技術分野で既知の任意の半導体基板、そのような基板上のエピタキシャル層、又は任意の他の半導体または非半導体材料、例えば、酸化ケイ素、ガラス、プラスチック、金属若しくはセラミック基板、であってよい。基板202は、メモリデバイス(図示せず)用のドライバ回路などの、その上に製造された集積回路を含むことができる。
【0026】
複数のデバイス層204が、基板202の表面上に形成され得る。複数のデバイス層204は、3D垂直NAND構造の構成要素を形成する堆積層であり得る。構成要素は、複数のデバイス層の全部または一部によって形成される(例えば、誘電体または個別電荷蓄積セグメント)。誘電体部分は、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、または他の高誘電率絶縁材料などの、任意の1つ以上の同一または異なる電気絶縁材料から独立して選択することができる。一実施形態では、構造は、交互に堆積された酸化ケイ素/窒化ケイ素のペアからなることができる。このペアは、全幅が100〜600Åであることができる。ペアの数は、10ペアより大きい、例えば、32ペア、64ペア以上であり得る。一実施形態では、ペアの数は10〜64ペアである。全厚さは、約2〜約4ミクロンであり得る。
【0027】
個別電荷蓄積セグメントは、導電性(例えば、チタン、白金、ルテニウム、窒化チタン、窒化ハフニウム、窒化タンタル、窒化ジルコニウム、などの金属又は金属合金、又はチタンシリサイド、ニッケルシリサイド、コバルトシリサイドなどの金属シリサイド、又はそれらの組合せ)又は半導体(例えば、ポリシリコン)フローティングゲート、導電性ナノ粒子、または個別電荷蓄積誘電体(例えば、窒化ケイ素または他の誘電体)特徴部を含むことができる。しかし、代わりに、誘電体電荷蓄積特徴部または他のフローティングゲート材料を使用してもよいことを、理解されたい。
【0028】
ナノ結晶ダイヤモンド層206は、sp3含有量が高く、結晶サイズが小さい結晶性炭素層である。アモルファスおよびナノ結晶炭素における最も一般的な化学結合は、3本手(sp2結合)および4本手(sp3)の結合配位である。sp3構造では、炭素原子は、隣接原子に対する強いシグマ結合を形成する4つのsp3軌道を形成する。高いsp3含有量を有する炭素膜では、sp3含有量は80%より大きく、例えば約90%より大きく、または約95%より大きくなる。ここに示されるナノ結晶ダイヤモンド層206は、sp2マトリックス(例えば、グラファイト)によって支持される高いsp3含有量(例えば、ナノ結晶ダイヤモンド粒子)を有する。小さい結晶サイズは、6nm未満、例えば2nm〜5nmの結晶サイズである。ナノ結晶ダイヤモンド層は、高さの偏差の二乗平均平方根が6nm未満である表面粗さを有することができる。ナノ結晶ダイヤモンド層は、2.5g/cm
3〜3.5g/cm
3の密度、例えば3g/cm
3の密度を有することができる。ナノ結晶ダイヤモンド層は、−50MPa〜−150MPaの応力、例えば、−80MPa〜−120MPaの応力を有することができる。ナノ結晶ダイヤモンド層は、現在利用可能なダイヤモンドライクカーボン膜と比較して2〜4のブランケットエッチング選択性を有することができる。
【0029】
デバイス200は、チャネル208を備える。ここに示されるチャネル208は、ナノ結晶ダイヤモンド層206および複数のデバイス層204を貫通して形成される。チャネル208は、基板202の第1の表面210に対して実質的に垂直であり得る。例えば、チャネル208は、ピラー形状を有することができる。チャネル208は、基板202の第1の表面210に対して実質的に垂直に延びることができる。任意選択のボディコンタクト電極(図示せず)を基板202に配置して、下からチャネル208の接続部へのボディコンタクトを提供することができる。いくつかの実施形態では、チャネル208は、充填された特徴部であってもよい。いくつかの他の実施形態では、チャネル208は、中空であってもよい。これらの実施形態では、絶縁充填材料212が、チャネル208によって囲まれた中空部分を充填するように形成されてもよい。絶縁充填材料212は、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、または他の高誘電率絶縁材料などの、任意の電気絶縁材料を含むことができる。
【0030】
任意の適切な半導体材料、例えば、シリコン、ゲルマニウム、シリコンゲルマニウム、またはIII−V、II−VIなどの他の化合物半導体材料、または導電性もしくは半導電性酸化物、または他の材料を、チャネル208に使用することができる。半導体材料は、アモルファス、多結晶または単結晶であってもよい。半導体チャネル材料は、任意の適切な堆積方法によって形成することができる。例えば、一実施形態では、半導体チャネル材料は、低圧化学気相堆積(LPCVD)によって堆積される。いくつかの他の実施形態では、半導体チャネル材料は、最初に堆積されたアモルファス半導体材料を再結晶化することによって形成された再結晶化多結晶半導体材料であってもよい。
【0031】
図3は、1つ以上の実施形態による、ナノ結晶ダイヤモンド層を有する基板を処理するための方法300のフロー図である。デバイス層のエッチング化学作用は、ナノ結晶ダイヤモンドに関して実質的に不活性である。したがって、本明細書に記載の実施形態は、従来のハードマスクではなく、ナノ結晶ダイヤモンド層を含むハードマスクを使用する。従来のハードマスクは、上記の構造上の欠点をもたらす多くの制限を有する。一例では、上部限界寸法の拡大は、従来のハードマスクと下層との間の不十分なエッチング選択性によって引き起こされた、ハードマスクの残存がより少ないことに、部分的に起因する。別の例では、深いコンタクトホールの変形は、ハードマスクの密度が低く、熱伝導率が低いことに起因する。スリットパターンの変形またはラインベンディングは、HM材料の低い選択性および応力に起因する。ナノ結晶ダイヤモンド層は、従来のハードマスクと比べて、上記のように、パターンの崩壊を回避するだけでなく、特徴部の非円形エッチングのボーイングおよびベンディングを回避しながら、高いアスペクト比の特徴部を形成することを可能にする。ナノ結晶ダイヤモンド層は、高い物理的な抵抗力を有し、化学的に不活性であり、高い熱伝導率も有することによって、これらの利益を達成する。高い物理的な抵抗力を有し、化学的に不活性であることにより、従来既知のハードマスクよりもエッチング選択性が向上する。改善されたエッチング選択性は、良好なエッチングプロファイルが維持されることを可能にする。さらに、ナノ結晶ダイヤモンド層は、標準的なカーボンハードマスクよりもダイヤモンドに非常に近く、これにより、層に高い熱伝導率が与えられる。エッチングプロセスの間、かなりの量の熱が蓄積される。この熱は、下層に閉じ込められたままの場合、反りを生じさせる可能性がある。ナノ結晶ダイヤモンド層は、効率的な熱伝達を可能にし、反りまたは他の熱関連の歪みを防止する。その後、酸素含有ガスまたは窒素含有ガスの存在下でのアッシングによって、ナノ結晶ダイヤモンド層を容易かつ選択的に除去することができる。
【0032】
方法300は、プロセスチャンバ内に基板を配置することによって、302で開始し、基板は処理面および支持面を有する。基板は、結晶シリコン基板などの、任意の組成であってよい。基板は、ビアまたはインタコネクトなどの1つ以上の特徴部を含むこともできる。基板は、基板支持体上に支持することができる。基板支持体は、特定の温度範囲に維持することができる。一実施形態では、基板支持体は、約500℃〜約650℃の温度範囲に維持される。
【0033】
1つ以上の実施形態で使用されるプロセスチャンバは、上述のプロセスチャンバ100または他の製造業者からのチャンバなどの、遠隔プラズマ源を有する任意のCVDプロセスチャンバとすることができる。以下に記載される流量および他の処理パラメータは、300mmの基板に関するものである。これらのパラメータは、本明細書で開示される実施形態から逸脱することなく、処理される基板のサイズおよび使用されるチャンバのタイプに基づいて、調整できることが、理解されるべきである。
【0034】
「基板表面」は、本明細書で使用される場合、その上に膜処理が実行され得る、任意の基板または基板上に形成された材料の表面を指す。例えば、処理が実行され得る基板表面は、用途に応じて、シリコン、酸化ケイ素、窒化ケイ素、ドープされたシリコン、ゲルマニウム、ヒ化ガリウム、ガラス、サファイア、などの材料、並びに、金属、金属窒化物、金属合金、および他の導電性材料などの任意の他の材料を含む。基板表面はまた、二酸化ケイ素および炭素ドープ酸化ケイ素などの誘電体材料を含むことができる。基板は、200mm、300mmまたは他の直径のウエハなどの様々な寸法、ならびに長方形または正方形のペインを有することができる。
【0035】
その後、304で、デバイス層を処理面上に堆積させることができる。デバイス層は、
図2を参照して説明したデバイス層とすることができる。さらに、デバイス層は、複数のデバイス層のうちの1つであってもよい。デバイス層は、3D NANDデバイスの構成要素などの、1つ以上の特徴部または構成要素を形成するために、連携して働くことができる。
【0036】
次いで、306で、ナノ結晶ダイヤモンド層が、デバイス層上に堆積される。ナノ結晶ダイヤモンド層は、6nm未満の平均粒径を有することができる。一例では、ナノ結晶ダイヤモンド層は、2nm〜5nmの平均粒径を有する。6nm未満などの小さな粒径は、ナノ結晶ダイヤモンド層などのハードマスク層と下層との間の接着のより良好な制御を可能にし、ハードマスク層の大きさを小さくすることを可能にする。堆積中のより大きい粒径のランダムな配置は、ハードマスク層と下層との間の非接触空間の数を増加させる。非接触空間は、ハードマスク層と下層との間の空間であって、そこでは、ハードマスク層の粒子の形状および大きさのため、また下層自体の粗さのために、ハードマスク層が下層と直接接触しない。より大きな非接触空間は、層の接着を減少させ、ハードマスクと下層との間の熱伝達を減少させる。より小さい粒子は、層の一部として堆積されると、より大きな粒子よりもぎっしりと詰めることができるので、非接触空間の大きさは、より小さい粒子によって低減される。さらに、より小さい粒径のため、下層との良好な接触を維持しながら、より大きい粒径の層より、層を薄くすることができる。
【0037】
最後に、より小さな粒径は、ハードマスク層のより小さい粗さを可能にする。ラインエッジラフネス(LER)としても知られているライン幅ラフネス(LWR)は、ハードマスクレリーフまたは特徴部の幅の過剰なばらつきである。LWRまたはLERに起因する粗さ又はばらつきは、ばらつきがエッチング中にトレンチにおよび最終的には回路に転写される可能性があるため、不利になり得る。このばらつきは、ハードマスクレリーフの特徴サイズの減少と共により顕著になる。ハードマスク層から形成された特徴部の限界寸法は、LERまたはLWRの影響を低減することによって小さくすることができる。LERまたはLWRは、より小さな粒径、及びそれによってより小さい粗さを有することによって、低減することができる。
【0038】
ナノ結晶ダイヤモンド層の堆積は、第1の圧力で堆積ガスを遠隔プラズマチャンバに供給することによって開始することができる。堆積ガスは、炭素含有前駆体および水素含有ガスを含む。この実施形態では、炭素含有前駆体はアルカン前駆体である。アルカン前駆体は、飽和非分枝炭化水素、例えばメタン、エタン、プロパン、およびそれらの組み合わせであり得る。他のアルカン前駆体には、n−ブタン、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、およびそれらの組み合わせが含まれる。水素含有ガスは、H
2、H
2O、NH
3または他の水素含有分子を含むことができる。堆積ガスは、不活性ガスをさらに含むことができる。不活性ガスは、アルゴンなどの希ガスであってもよい。
【0039】
次いで、堆積ガスは遠隔プラズマチャンバに供給される。堆積ガスは、チャンバ内で混合するか、チャンバに入る前に混合することができる。堆積ガスは、比較的高い圧力、例えば5トールより高い圧力で供給される。一実施形態では、堆積ガスは、約10トール〜100トール、例えば約50トールで供給される。
【0040】
次いで、堆積ガスを活性化して、活性化された堆積ガスを生成することができる。堆積ガスは、電源を用いてプラズマを形成することによって、活性化することができる。ガスを反応種へと活性化し、反応種のプラズマを維持することができる任意の電源を使用することができる。例えば、高周波(RF)、直流(DC)、またはマイクロ波(MW)に基づく放電技術を使用することができる。電源は、堆積ガスのプラズマを生成して維持するために遠隔プラズマチャンバに印加されるソースプラズマ電力を生成する。ソースプラズマ電力にRF電力を使用する実施形態では、ソースプラズマ電力は、300mm基板に対して、約2MHz〜約170MHzの周波数で且つ500W〜5000Wの電力レベルで供給することができる(基板の上面の0.56W/cm
2〜5.56W/cm
2)。他の実施形態は、300mm基板に対して、約1000W〜約3000Wのソースプラズマ電力を供給することを含む(基板の上面の1.11W/cm
2〜3.33W/cm
2)。印加される電力は、処理されている基板のサイズに応じて調整することができる。
【0041】
遠隔プラズマチャンバ内の高圧および他の要因に基づいて、ラジカル形成が最大化される一方で、イオン化種の形成は最小限に抑えられる。理論に縛られる意図はないが、ナノ結晶ダイヤモンド層は、sp2結合よりもむしろ主にsp3結合でなければならないと考えられている。さらに、より多くのsp3結合が、層の堆積の間にイオン化種よりもラジカル種の数を増やすことによって達成できると考えられている。イオン化種は、大きなエネルギーを有し、ラジカルよりも運動のための場所がより多く必要になり得る。圧力を増加させることによって、電子エネルギーが減少する一方、他の分子との衝突の可能性が増加する。電子エネルギーの減少および衝突回数の増加は、イオン形成よりもラジカル形成に有利である。
【0042】
活性化されると、次いで、活性化された堆積ガスが、第2の圧力を有する第2の領域を通って供給される。第2の領域は、処理領域と遠隔プラズマチャンバとの間の第2のチャンバまたは別の閉じ込め領域とすることができる。一例では、第2の領域は、遠隔プラズマチャンバと処理領域との間の接続部である。
【0043】
第2の圧力は、第1の圧力よりも小さい。遠隔プラズマチャンバから第2の領域への移動は、流量、全体積の変化またはそれらの組み合わせに基づいて、第2の領域内の活性化された堆積ガスの減圧をもたらす。堆積層とのイオン化種の衝突を低減しながら、ラジカル種からのより良好な堆積を可能にするために、圧力が低減される。一実施形態では、第2の圧力は、約1トール〜約5トールである。
【0044】
活性化された堆積ガスは、その後、プロセスチャンバの処理領域内の基板に供給される。基板は、結晶シリコン基板などの、任意の組成であってよい。基板は、ビアまたはインタコネクトなどの1つ以上の特徴部を含むこともできる。基板は、基板支持体上に支持することができる。基板支持体は、特定の温度範囲に維持することができる。一実施形態では、基板支持体は、約500℃〜約650℃の温度範囲に維持される。
【0045】
基板は、ナノ結晶層の堆積のためにプレシーディングすることができる。一実施形態において、基板は、シーディング溶液中に浸漬されるか、さもなければコーティングされる。シーディング溶液は、エタノールベースのナノダイヤモンド懸濁液である。基板は、超音波処理中に懸濁液に浸漬され、懸濁したナノダイヤモンドの一部を基板の表面に付着させる。本明細書に記載の実施形態から逸脱することなく、他のプレシーディング技術を使用することができる。
【0046】
1つ以上の実施形態で使用されるプロセスチャンバは、上述のプロセスチャンバ100または他の製造業者からのチャンバなどの、遠隔プラズマ源を有する任意のCVDプロセスチャンバとすることができる。以下に記載される流量および他の処理パラメータは、300mmの基板に関するものである。これらのパラメータは、本明細書で開示される実施形態から逸脱することなく、処理される基板のサイズおよび使用されるチャンバのタイプに基づいて、調整できることが、理解されるべきである。
【0047】
「基板表面」は、本明細書で使用される場合、その上に膜処理が実行される、任意の基板または基板上に形成された材料の表面を指す。例えば、処理が実行され得る基板表面は、用途に応じて、シリコン、酸化ケイ素、窒化ケイ素、ドープされたシリコン、ゲルマニウム、ヒ化ガリウム、ガラス、サファイア、などの材料、並びに、金属、金属窒化物、金属合金、および他の導電性材料などの任意の他の材料を含む。基板表面はまた、二酸化ケイ素および炭素ドープ酸化ケイ素などの誘電体材料を含むことができる。基板は、200mm、300mmまたは他の直径のウエハなどの様々な寸法、ならびに長方形または正方形のペインを有することができる。
【0048】
処理領域は、第2の圧力より低い第3の圧力で、活性化された堆積ガスを受け取る。第3の圧力は、約500ミリトール〜1トールの圧力などの、2トール未満の圧力とすることができる。
【0049】
その後、ナノ結晶ダイヤモンド層が、基板の表面上に堆積される。あらかじめ形成された活性化された堆積ガスからのラジカルが、基板表面に衝突して、ナノ結晶ダイヤモンド層を形成する。低い圧力が、遠隔で形成されたラジカルからのナノ結晶ダイヤモンド層中のsp3結合の形成に有益であると考えられている。遠隔プラズマ源におけるより高い圧力が、優先的なラジカル形成を可能にする一方、処理領域におけるより低い圧力は、あらかじめ形成されたラジカルからのより均一な堆積を可能にする。
【0050】
ナノ結晶ダイヤモンド層が堆積されると、水素含有ガスが、遠隔プラズマチャンバに供給される。水素含有ガスは、別の時間に供給されてもよいし、前のステップからのガス流が、維持されてもよい。アルカン前駆体は、この部分には存在しない。水素含有ガスは、不活性ガスと共に、または複数の水素含有ガスの組み合わせの一部として、供給することができる。
【0051】
次いで、水素含有ガスを活性化して、活性化された水素含有ガスを生成する。水素含有ガスは、活性化された堆積ガスを形成することに関して説明したプラズマの形成のための同じ圧力、温度、電力タイプ、電力範囲、および他のパラメータを使用して、プラズマに変えることができる。
【0052】
活性化された水素含有ガスが形成されると、それを処理領域内の基板に供給することができる。処理領域および基板は、上述したのと同じ圧力、温度および他のパラメータに維持されてもよい。堆積プロセスの間に、堆積したナノ結晶ダイヤモンド層の表面上にポリマーが形成され得ると考えられる。ポリマーは、更なる堆積に影響を及ぼし、さもなければ堆積層の性能を低下させる可能性がある。活性化された水素含有ガスを堆積層に供給することにより、ポリマーは揮発性にされ、次いで、その後の堆積プロセスに影響を与えないように、チャンバから除去することができる。
【0053】
次いで、所望の厚さのナノ結晶ダイヤモンドスタックを堆積させるために、上記の要素を繰り返すことができる。各堆積サイクルは、約20Å〜約200Å、例えば約100Åの厚さを生成する。上記のステップを繰り返すことによって、前の層は、次の堆積のためのシード層として作用し、全体的に所望の厚さを堆積させることができる。一実施形態では、ナノ結晶ダイヤモンドスタックは、1μmの厚さに堆積される。
【0054】
デバイス層は、ナノ結晶ダイヤモンド層の堆積のためにプレシーディングすることができる。一実施形態において、基板は、シーディング溶液中に浸漬されるか、さもなければコーティングされる。シーディング溶液は、エタノールベースのナノダイヤモンド懸濁液であってもよい。基板は、超音波処理中に懸濁液に浸漬され、懸濁したナノダイヤモンドの一部を基板の表面に付着させる。本明細書に記載の実施形態から逸脱することなく、他のプレシーディング技術を使用することができる。
【0055】
ナノ結晶ダイヤモンド層は、堆積ガスを使用して堆積することができる。堆積ガスは、炭素含有前駆体および水素含有ガスを含むことができる。この実施形態では、炭素含有前駆体は、アルカン、アルケン、またはアルキン前駆体であり得る。アルカン前駆体は、飽和非分枝炭化水素、例えばメタン、エタン、プロパン、およびそれらの組み合わせであり得る。他のアルカン前駆体には、n−ブタン、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、およびそれらの組み合わせが含まれる。水素含有ガスは、H
2、H
2O、NH
3または他の水素含有分子を含むことができる。堆積ガスは、不活性ガスをさらに含むことができる。不活性ガスは、アルゴンなどの希ガスであってもよい。
【0056】
その後、308で、ナノ結晶ダイヤモンド層をパターニングし、エッチングすることができる。パターニングは、ナノ結晶ダイヤモンド層上へのフォトレジストの堆積を含むことができる。次に、フォトレジストを適切な波長の放射に曝露して、パターンを作成する。その後、パターンは、フォトレジストおよびその後にナノ結晶ダイヤモンド層にエッチングされる。
【0057】
次に、要素310において、デバイス層をエッチングして、特徴部を形成することができる。ナノ結晶ダイヤモンド層に形成されたパターンにより、デバイス層をエッチングすることができる。デバイス層は、ナノ結晶ダイヤモンド層よりもデバイス層に対して選択的であるエッチャントによってエッチングされる。デバイス層は、当該技術分野において周知の化学作用および技術を用いてエッチングされる。一実施形態では、エッチャントは、塩素含有エッチャントである。
【0058】
要素312において、次に、ナノ結晶ダイヤモンド層は、デバイス層の表面から除去することができる。ナノ結晶ダイヤモンド層は、例えば、プラズマアッシングプロセスを用いてデバイス層の表面からアッシングすることができる。プラズマアッシングプロセスは、O
2などの酸素含有ガスを活性化させることを含むことができる。O
2を使用する場合、アッシング速度は、約900Å/分以上である。ナノ結晶ダイヤモンド層は、カリフォルニア州サンタクララにあるApplied Materials,Inc.から入手可能なCentura Avatarエッチングシステムなどの高アスペクト比エッチングシステムを用いてアッシングすることができる。
【0059】
表1は、アモルファスカーボンハードマスク(ACH)とナノ結晶ダイヤモンドハードマスクとの間のエッチング選択性の比較および付随する膜特性を示している。
【0060】
膜は、シリコン基板上に均一な厚さに堆積された。堆積された第1の膜は、ACH膜であった。ACH膜は、メタンおよび水素含有前駆体からのCVDプロセスを使用して堆積された。堆積速度は、550℃の堆積温度で約2500Å/分であった。RMS粗さは、約0.46であった。密度は、1.45g/cm
3であった。応力は、約50MPaであり、熱伝導率は、1W/(m・K)未満であった。標準的なACH膜に正規化すると、ACHのブランケットエッチング選択性は、約1である。ACH膜は、O
2およびN
2プラズマ処理によって除去することができる。
【0061】
堆積された第2の膜は、NCD膜であった。NCD膜は、メタンおよび水素含有前駆体からのMWCVDプロセスを使用して堆積された。堆積速度は、600℃の堆積温度で約170Å/分であった。RMS粗さは、約7.54であった。密度は、3.2g/cm
3であった。応力は、約−207MPaであり、熱伝導率は、約12W/(m・K)であった。標準的なACH膜に正規化すると、NCDのブランケットエッチング選択性は、約2.4である。NCD膜は、O
2およびN
2プラズマ処理によって除去することができる。
【0062】
上記の表は、エッチング速度、選択性および除去性などの、ACH膜とNCD膜のブランケット膜特性の比較を示す。ここに示すように、NCD膜は、ACH膜と比較して非常に高いエッチング選択性を有する。さらに、NCDは、同じエッチングプロセスによってエッチングされ除去されることができる。
【0063】
上記は、方法および装置の実施形態に向けられているが、その基本的な範囲から逸脱することなく、他の及びさらなる実施形態が考案されてもよく、その範囲は、以下の特許請求の範囲によって決定される。
また、本願は以下に記載する態様を含む。
(態様1)
処理面及び支持面を有する基板と、
前記処理面上に形成されたデバイス層と、
前記デバイス層上に形成され、2nm〜5nmの平均粒径を有するナノ結晶ダイヤモンド層と
を含むデバイス。
(態様2)
前記ナノ結晶ダイヤモンド層の上に形成されたフォトレジストを更に含む、態様1に記載のデバイス。
(態様3)
前記ナノ結晶ダイヤモンド層は、高さの偏差の二乗平均平方根が6nm未満である表面粗さを更に有する、態様1に記載のデバイス。
(態様4)
前記ナノ結晶ダイヤモンド層と前記デバイス層の各々が、それぞれの中に形成されたチャネルを有する、態様1に記載のデバイス。
(態様5)
前記デバイス層が、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、又はそれらの組合せを含む、態様1に記載のデバイス。
(態様6)
前記デバイス層が、チタン、白金、ルテニウム、窒化チタン、窒化ハフニウム、窒化タンタル、窒化ジルコニウム、又はチタンシリサイド、ニッケルシリサイド、コバルトシリサイド、若しくはそれらの組み合わせなどの金属シリサイドを含む、態様1に記載のデバイス。
(態様7)
前記デバイス層が、半導体フローティングゲート、導電性ナノ粒子、又は個別電荷蓄積誘電体特徴部を含む、態様1に記載のデバイス。
(態様8)
基板を処理する方法であって、
処理チャンバ内に配置されている基板の処理面上にデバイス層を堆積させることと、
2nm〜5nmの平均粒径を有するナノ結晶ダイヤモンド層を、前記デバイス層上に堆積させることと、
前記ナノ結晶ダイヤモンド層をパターニングし、エッチングすることと、
前記デバイス層をエッチングして、特徴部を形成することと、
前記ナノ結晶ダイヤモンド層を前記デバイス層の前記面からアッシングすることと
を含む方法。
(態様9)
前記特徴部が、50:1より大きいアスペクト比を有する、態様8に記載の方法。
(態様10)
前記ナノ結晶ダイヤモンド層を堆積させる前に、シード層を形成することを更に含む、態様8に記載の方法。
(態様11)
処理面及び支持面を有する基板と、
前記処理面上に形成された複数のデバイス層であって、デバイス層の少なくとも1つが3D NAND構造の1つ以上の構成要素を形成する、複数のデバイス層と、
前記デバイス層を通って形成された複数のチャネルであって、複数のチャネルの各々が前記1つ以上の構成要素の少なくとも1つに接続する、複数のチャネルと、
処理層の上に形成され、2nm〜5nmの平均粒径を有するナノ結晶ダイヤモンド層と
を含むデバイス。
(態様12)
前記ナノ結晶ダイヤモンド層は、高さの偏差の二乗平均平方根が6nm未満である表面粗さを更に有する、態様11に記載のデバイス。
(態様13)
複数のデバイス層の少なくとも1つが、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、又はそれらの組合せを含む、態様11に記載のデバイス。
(態様14)
複数のデバイス層の少なくとも1つが、チタン、白金、ルテニウム、窒化チタン、窒化ハフニウム、窒化タンタル、窒化ジルコニウム、又はチタンシリサイド、ニッケルシリサイド、コバルトシリサイド、若しくはそれらの組み合わせなどの金属シリサイドを含む、態様11に記載のデバイス。
(態様15)
複数のデバイス層の少なくとも1つが、半導体フローティングゲート、導電性ナノ粒子、又は個別電荷蓄積誘電体特徴部を含む、態様11に記載のデバイス。