【実施例】
【0040】
以下、本発明を実施例によりさらに詳しく説明するが本発明はこれらの例に何ら限定されるものではない。
【0041】
実施例1
複合粒子を下記方法で作製した。出発原料として、1000gのフェライト粉(組成:Mn
0.86Fe
2.14O
4,平均粒径:2.9μm)と、231gのポリウレタン樹脂(樹脂濃度30wt%)とを、587gの純水中に分散し、濃度58.0wt%で粘度690cpの混合スラリーを得た。この混合スラリーをスプレードライヤーにて約150℃の熱風中に噴霧して造粒物を得た。得られた造粒物を送風乾燥機に投入し、温度150℃で60分間乾燥させポリウレタン樹脂を硬化させて複合粒子を得た。得られた複合粒子を振動ふるいを用いて分級し、体積平均粒径32.0μmの複合粒子を得た。
【0042】
複合粒子断面における、磁性粉の占める面積割合およびその標準偏差、複合粒子の見掛け密度、粒子強度、真密度、体積平均粒径、磁気特性、電気抵抗を下記の方法で測定した。結果を表2にまとめて示す。また、
図1及び
図2に、実施例1の複合粒子のSEM写真及び断面SEM写真をそれぞれ示す。
【0043】
(複合粒子における磁性粉の占める面積割合の測定)
得られた複合粒子を熱硬化性樹脂中に分散させた後、加熱により樹脂を硬化させた。この硬化物の表面をクロスセクションポリッシャー(日本電子社製)を用いて研磨した。研磨した粒子表面を走査電子顕微鏡(日本電子社製)を用いて観察し、粒子の断面写真を撮影した。そして、100個の粒子の断面をそれぞれ9つに等分し、それぞれの区分における粒子部分と樹脂部分とを画像解析ソフト「Image-Pro」を使用して計測して、総面積に対する磁性粉部分の面積比(磁性粉面積割合)を算出し、その平均値と標準偏差を算出した。
【0044】
(見掛け密度の測定)
複合粒子の見掛け密度はJIS Z 2504に準拠して測定した。
【0045】
(粒子強度)
複合粒子30gをサンプルミルに投入した。サンプルミルは、協立理工株式会社製のSK−M10型を用い、回転数14000rpmで60秒間破砕試験を行った。次いで、レーザー回折式粒度分布測定装置(「マイクロトラックModel9320−X100」日機装社製)を用いて、粒径20μm以下の累積粒子頻度を測定する。そして、サンプルミルによる処理前後の、粒径20μm以下の累積粒子頻度の増加率(%)を算出し、粒子強度の指標とした。
○:破砕後の20μm以下の破砕片における増加率が40%未満
×:破砕後の20μm以下の破砕片における増加率が40%以上
【0046】
(真密度)
複合粒子の真密度は、Quantachrome社製、「ULTRA PYCNOMETER 1000」を用いて測定を行った。
【0047】
(体積平均粒径の測定)
体積平均粒径の測定については、日機装株式会社製のマイクロトラック、Model9320−X100を用いて実施した。
【0048】
(磁気特性の測定)
VSM(東英工業株式会社製、VSM−P7)を用いて、飽和磁化σs及び磁化σ
1k、残留磁化σr、保磁力Hcをそれぞれ測定した。
【0049】
(電気抵抗)
表面を電解研磨した厚さ2mmの電極としての真鍮板2枚を、距離2mm離して対向するように配置した。電極間に複合粒子200mgを装入した後、それぞれの電極の背後に断面積240cm2の磁石(表面磁束密度が1500ガウスのフェライト磁石)を配置して、電極間に複合粒子のブリッジを形成させた。そして、1000Vの直流電圧を電極間に印加し、複合粒子に流れる電流値を測定し、電圧1000Vのときの複合粒子の電気抵抗を算出した。
【0050】
実施例2
出発原料として、1000gのフェライト粉(組成:Mn
0.86Fe
2.14O
4,平均粒径:2.9μm)と、188gのポリウレタン樹脂(樹脂濃度35wt%)とを、578gの純水中に分散し、濃度57.7wt%で粘度654cpの混合スラリーを得た。この混合スラリーをスプレードライヤーにて約150℃の熱風中に噴霧して造粒物を得た。得られた造粒物を送風乾燥機に投入し、温度150℃で60分間乾燥させポリウレタン樹脂を硬化させて複合粒子を得た。得られた複合粒子を振動ふるいを用いて分級し、体積平均粒径39.9μmの複合粒子を得た。
得られた複合粒子の特性を実施例1と同様にして測定した。結果を表2にまとめて示す。また、
図3及び
図4に、実施例2の複合粒子のSEM写真及び断面SEM写真をそれぞれ示す。
【0051】
実施例3
出発原料として、1000gのフェライト粉(組成:Mn
0.86Fe
2.14O
4,平均粒径:2.9μm)と、316gのポリオレフィン樹脂(樹脂濃度22wt%)とを、225gの純水中に分散し、濃度68.9wt%で粘度1234cpの混合スラリーを得た。この混合スラリーをスプレードライヤーにて約150℃の熱風中に噴霧して造粒物を得た。得られた造粒物を送風乾燥機に投入し、温度120℃で60分間乾燥させポリオレフィン樹脂を硬化させて複合粒子を得た。得られた複合粒子を振動ふるいを用いて分級し、体積平均粒径32.5μmの複合粒子を得た。
得られた複合粒子の特性を実施例1と同様にして測定した。結果を表2にまとめて示す。また、
図5及び
図6に、実施例3の複合粒子のSEM写真及び断面SEM写真をそれぞれ示す。
【0052】
比較例1
出発原料として、700gのフェライト粉(組成:Mn
0.86Fe
2.14O
4,平均粒径:2.9μm)と、96gのアクリル樹脂(樹脂濃度50wt%)とを、476gの純水中に分散し、濃度63.9wt%で粘度1122cpの混合スラリーを得た。この混合スラリーをスプレードライヤーにて約150℃の熱風中に噴霧して造粒物を得た。得られた造粒物を送風乾燥機に投入し、温度180℃で60分間乾燥させアクリル樹脂を硬化させて複合粒子を得た。得られた複合粒子を振動ふるいを用いて分級し、体積平均粒径30.6μmの複合粒子を得た。
得られた複合粒子の特性を実施例1と同様にして測定した。結果を表2にまとめて示す。また、
図7及び
図8に、比較例1の複合粒子のSEM写真及び断面SEM写真をそれぞれ示す。
【0053】
【表1】
【0054】
【表2】
【0055】
表2から明らかなように、実施例1〜3の複合粒子は、見掛け密度が1.04g/cm
3以下と小さく、しかも粒子強度は高かった。これに対し、比較例1の複合粒子は、粒子内における磁性粉の分散が不十分で、粒子強度が低く割れや欠けが発生した。見掛け密度が高い程、強度は向上されると思われたが、比較例1においては強度不足であった。これは磁性粉の面積割合の標準偏差(%)が10を超えたためである。
【0056】
標準偏差の影響を確認するため、実施例1における磁性粉を平均粒径5.0μmのものとし、面積割合30%とした以外は、同様に実施例1の製法で確認試験をした。結果、磁性粉の面積割合の標準偏差(%)が10を超え、強度が不足していた。複合粒子内の均質性が強度に影響を与えることを確認した。