(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記コントローラが、前記第1の方法の前記実際の第1の関係に基づいて前記流量コントローラから前記流量の前記第1の値で前記第1のガスを流すことに関連する追加の命令を含み、前記追加の命令が、
前記計算された第1の関係を前記第1の流量コントローラの前記実際の第1の関係と取り替えることと、
前記実際の第1の関係に基づいて前記第1の流量コントローラを前記設定点の前記第1の値に設定して、前記第1の流量コントローラから前記流量の前記第1の値で前記第1のガスを流すことと、をさらに含む、請求項6に記載の装置。
前記処理容積部に第2のガスを供給するために前記プロセスチャンバに結合された第2の流量コントローラであり、前記第2のガスと異なる標準ガスを使用することによって決定された、計算された第2の関係に基づいて設定点の第2の値に設定されるときに、流量の第2の値で前記第2のガスを供給するように構成される第2の流量コントローラをさらに備える、請求項6に記載の装置。
前記第2の流量コントローラは、コンピュータ可読媒体を有する第2の位置コントローラを含み、前記コンピュータ可読媒体は、第2の位置コントローラによって実行されると前記第2の位置コントローラにガスを前記処理容積部に流す第2の方法を行わせる命令を記憶しており、前記第2の方法が、
前記計算された第2の関係を前記設定点の入力値に適用して、前記流量の対応する出力値で前記第2のガスを前記処理容積部に流すこと、を含む、請求項10に記載の装置。
【発明の概要】
【0003】
流量コントローラのインシトゥ較正のための方法および装置が本明細書で提供される。いくつかの実施形態では、プロセスチャンバに結合された流量コントローラのインシトゥ較正の方法は、第1のガスと異なる標準ガスを使用することによって決定された、計算された第1の関係に基づいて設定点の第1の値に設定されるときに、流量の第1の値で第1のガスを供給するように構成された流量コントローラを供給することと、第1のガスに対する流量と設定点との間の実際の第1の関係を、流量コントローラの設定点の対応する複数の値で決定された第1のガスの流量の複数の値から決定することであり、流量の複数の値の各々が、設定点に対する複数の値の対応する値で第1のガスを流量コントローラを通して流すことから決定される、実際の第1の関係を決定することと、実際の第1の関係に基づいて流量コントローラから流量の第1の値で第1のガスを流すこととを含むことができる。
【0004】
いくつかの実施形態では、基板を処理するための装置は、処理容積部を有するプロセスチャンバと、処理容積部に第1のガスを供給するためにプロセスチャンバに結合された第1の流量コントローラであり、第1のガスと異なる標準ガスを使用することによって決定された、計算された第1の関係に基づいて設定点の第1の値に設定されるときに、流量の第1の値で第1のガスを供給するように構成される、第1の流量コントローラと、プロセスチャンバに結合されたコントローラであり、コントローラが、コントローラによって実行されるときガスを処理容積部に流す第1の方法が行われるようにする命令を記憶しているコンピュータ可読媒体をさらに含み、この方法が、第1のガスに対する流量と設定点との間の実際の第1の関係を、第1の流量コントローラの設定点の対応する複数の値で決定された第1のガスの流量の複数の値から決定することであり、流量の複数の値の各々が、設定点に対する複数の値の対応する値で第1のガスを第1の流量コントローラを通して流すことから決定される、実際の第1の関係を決定することと、実際の第1の関係に基づいて第1の流量コントローラから流量の第1の値で第1のガスを流すこととを含む、コントローラとを含むことができる。
【0005】
いくつかの実施形態では、プロセスチャンバに結合された流量コントローラをモニタする方法は、第1の時間に流量コントローラの第1のゼロオフセットをモニタすることと、第1の時間の後の第2の時間に流量コントローラの第2のゼロオフセットをモニタすることと、累積ゼロドリフトが流量コントローラの全流量範囲の約10パーセントを超える場合に整備警告を発することであり、累積ゼロドリフトが第1のゼロオフセットと第2のゼロオフセットとの合計である、整備警告を発することとを含むことができる。
【0006】
いくつかの実施形態では、プロセスチャンバに結合された流量コントローラをモニタする方法は、流量コントローラが動作中である第1の時間をモニタすることと、流量コントローラが動作中である第2の時間をモニタすることと、累積動作寿命が第1の臨界値を超える場合に整備警告を発することであり、累積動作寿命が第1の時間と第2の時間との合計である、整備警告を発することとを含むことができる。
【0007】
いくつかの実施形態では、プロセスチャンバに結合された流量コントローラをモニタする方法は、第1の期間にわたり第1の間隔で流量コントローラの温度値をサンプリングすることと、サンプリングされた温度値から計算された標準偏差が臨界値だけ流量コントローラの設定温度値を超えている場合に整備警告を発することとを含むことができる。
【0008】
いくつかの実施形態では、プロセスチャンバに結合された流量コントローラをモニタする方法は、流量コントローラの位置コントローラから調節バルブへの出力信号の値を第1のサンプリング速度でサンプリングすることと、サンプリングされた出力信号値から計算された標準偏差が臨界値だけ出力信号の定常状態設定点を超えている場合に整備警告を発することとを含むことができる。
【0009】
いくつかの実施形態では、プロセスチャンバに結合された流量コントローラをモニタする方法は、第1の時間に流量コントローラの第1の流量で流量コントローラの第1のパラメータまたはプロセスチャンバの第2のパラメータの少なくとも一方の第1の値をモニタすることと、第1の時間の後の第2の時間に流量コントローラの第1の流量で流量コントローラの第1のパラメータまたはプロセスチャンバの第2のパラメータの少なくとも一方の第2の値をモニタすることと、第1の値と第2の値との比較から流量コントローラまたはプロセスチャンバの構成要素の少なくとも一方の状態を決定することとを含むことができる。
【0010】
いくつかの実施形態では、プロセスチャンバに結合された流量コントローラをモニタする方法は、流量コントローラの第1の流量で流量コントローラの第1のパラメータまたはプロセスチャンバの第2のパラメータの少なくとも一方の複数の値を対応する複数の時間にわたりモニタすることと、複数の値の2つ以上の比較から流量コントローラまたはプロセスチャンバの構成要素の少なくとも一方の状態を決定することと、比較に基づいて流量コントローラの第1のパラメータまたはプロセスチャンバの第2のパラメータの少なくとも一方を新しい値に設定することとを含むことができる。
【0011】
本発明の他のおよびさらなる実施形態が以下で説明される。
【0012】
上述で簡単に要約し、以下でさらに詳細に説明する本発明の実施形態は、添付図面に表した本発明の例示的な実施形態を参照することによって理解することができる。しかし、添付図面は、本発明の典型的な実施形態のみを示しており、それ故に、本発明は他の同等に効果的な実施形態を認めることができるので本発明の範囲を限定すると考えるべきでないことに留意されたい。
【発明を実施するための形態】
【0014】
理解を容易にするために、図に共通である同一の要素を指定するのに、可能であれば、同一の参照番号が使用されている。図は原寸に比例して描かれておらず、明確にするために簡単化されることがある。ある実施形態の要素および特徴は、有利には、さらなる詳説なしに他の実施形態に組み込むことができると考えられる。
【0015】
基板処理のための方法および装置が本明細書で開示される。本発明の方法および装置は、有利には、各流量コントローラのツール較正のときの流量精度、較正アルゴリズムへの遠隔更新機能、および流量コントローラのヘルスモニタリングを維持しながら、より広い流量範囲を流量コントローラに与えることができる。本発明の方法および装置は、さらに、有利には、例えば遠隔更新を使用することによってツールの停止時間を制限し、流量コントローラのヘルスモニタリングを使用することによって装置エラーに起因するコストを低減することができる。本発明の方法および装置の他のおよびさらなる利点が以下で説明される。
【0016】
図1は、本発明のいくつかの実施形態による基板処理システム100を表す。基板処理システム100は、処理容積部104を有するプロセスチャンバ102を含むことができる。基板支持体106を処理容積部104に配置して、基板処理システム100中で処理する間基板108を支持することができる。プロセスチャンバ102は、1つの基板および/または多数の基板を同時に処理するための任意の好適なプロセスチャンバとすることができる。例えば、プロセスチャンバ102は、化学気相堆積(CVD)、原子層堆積(ALD)、物理的気相堆積(PVD)、金属化学気相堆積(MCVD)、ブランケットディープサブミクロン化学気相堆積(ブランケットDSM−CVD)、またはエッチング、堆積、洗浄などのような任意の好適なプラズマまたは非プラズマ使用可能または強化プロセスのうちの1つまたは複数のために構成することができる。基板支持体106は、プロセスチャンバ102の任意の好適な構成で使用するための任意の好適な基板支持体とすることができる。基板支持体106は、サセプタ、真空チャック、静電チャックなどのうちの1つまたは複数を含むことができ、ヒータ、RF電極、リフトピンアセンブリなどのうちの1つまたは複数などの構成要素114を含むことができる。
【0017】
システム100は、処理容積部104に1つまたは複数のプロセスパラメータを設定するために1つまたは複数の処理源を含むことができる。例えば、プロセスパラメータは、RF電力の大きさ、プロセスガスの流量、チャンバ構成要素の温度、チャンバ圧力、フォアライン圧力、サセプタ裏側圧力、プロセスガスタイプ、プロセスガス温度、サセプタ温度、サセプタ位置、基板ヒータ電力レベル、排気バルブヒータ電力レベルなどを含むことができる。例えば、1つまたは複数のプロセスパラメータは、1つまたは複数の流量デバイス(flow device)、1つまたは複数の高周波(RF)電源、基板ヒータ、排気バルブヒータなどのような処理源で設定することができる。
【0018】
例えば、1つまたは複数の流量デバイス110は、1つまたは複数のプロセスガスを処理容積部104に供給するためにガス注入口116に結合することができる。ガス注入口116は、1つまたは複数のプロセスガスを処理容積部104に所望の方法(基板108の上の処理容積部104の領域に入る、基板108の方に誘導される、基板108の表面の端から端まで誘導されるなどの)で供給するための任意の好適な1つまたは複数の注入口とすることができる。例えば、ガス注入口116は、シャワーヘッド(図示のような)、ガス噴射器、ノズルなどのうちの1つまたは複数とすることができる。ガス注入口116は、
図1では基板支持体106より上に配置されているように示されているが、交互にまたは組み合わせて、プロセスチャンバ102の側壁もしくは底部に、またはプロセスチャンバ内に(例えば、基板支持体106に近接して)配置することができる。1つまたは複数の流量デバイス110の各々は、複数のガス源118の1つまたは複数に結合することができる。例えば、複数のガス源118はガスパネルなどの一部とすることができ、各流量デバイス110は、対応するガス源118からガス注入口116へのプロセスガスの流れを制御する。
【0019】
処理容積部104に流れるプロセスガスまたは何か他の1つまたは複数のガスからプラズマを形成するために処理容積部104などの処理システム100の様々な部分に、または基板支持体106に、または同様のものにRF電力を供給するのに1つまたは複数のRF電源を使用することができる。例えば、第1のRF電源112Aおよび第2のRF電源112Bが
図1では表されている。第1および第2のRF電源112A、112Bは本明細書ではまとめて1つまたは複数のRF電源112、またはRF電源112と呼ぶ。各RF電源は、一般に、RFジェネレータと、RFジェネレータおよびプラズマのインピーダンスを整合させるのに使用される整合回路とを含む。1つまたは複数のRF電源は、基板処理システム100の様々な要素に結合することができる。
【0020】
第1のRF電源112Aは、1つまたは複数のプロセスガスからプラズマを形成しやすくするために利用することができる。いくつかの実施形態では、第1のRF電源112Aは、プロセスチャンバ102のリッドまたは天井に隣接して配置することができる。例えば、第1のRF電源112Aは、プラズマを形成するためにプロセスチャンバ102内の1つまたは複数のプロセスガスにRFエネルギーを結合するように構成することができる。いくつかの実施形態では、第1のRF電源112Aは、例えば、破線113で示すように、プロセスチャンバ102の天井の上に配置された1つまたは複数の誘導コイル111などの電極に結合することができる。代替としてまたは組み合わせて、第1のRF電源112Aは、破線115で示すように、ガス注入口116の導電性部分などの、プロセスチャンバの天井にまたは天井の近くに配置された電極に結合することができる。第1のRF電源112Aは、同様にまたは代替として、所望の場所にRFエネルギーを供給するために他の好適な構成要素に結合することができる。単一のRF源(例えば112A)が天井の近くでプロセスチャンバ102に結合されるように示されているが、多数のRF電源を同じ電極の天井にまたは異なる電極に結合することができる。
【0021】
第2のRF電源112Bは、例えば、処理の間、基板バイアス制御を行うために基板支持体106に結合することができる。上述と同様に、単一のRF源が基板支持体106に結合されるように示されているが、多数のRF電源を同じ電極の基板支持体106にまたは異なる電極に結合することができる。加えてまたは代替として、他のRF電源112を、プロセスチャンバの側壁に、もしくは側壁の近くに配置された、または他の所望の場所に配置された電極(図示せず)などのプロセスチャンバの他の構成要素に結合して、プロセスチャンバに、あるいはプロセスチャンバ102に配置されたかまたはプロセスチャンバ102に流れるガスにRFエネルギーを結合することができる。
【0022】
1つまたは複数の流量デバイス110の各々は、質量流量コントローラなどのような質量流量デバイスとすることができる。例えば、
図1に示すように、1つまたは複数の流量デバイス110は第1の流量コントローラ110Aと第2の流量コントローラ110Bとを含むことができる。第1の流量コントローラ110Aは、第1のガス源118Aから処理容積部104に第1のガスを供給するためにプロセスチャンバ102に結合することができる。第2の流量コントローラ110Bは、第2のガス源118Bから処理容積部104に第2のガスを供給するためにプロセスチャンバ102に結合することができる。
【0023】
1つまたは複数の流量デバイス110の各々は、位置コントローラ124と連通するセンサ120および調節バルブ122を含み、センサ、調節バルブ、および位置コントローラの間で局所閉ループ制御を行うことができる。位置コントローラ124は、
図1に示すようにシステムコントローラ141と命令の送受を行うことができる。例えば、第1の流量コントローラ110Aは、第1の流量コントローラ110Aのセンサ120および調節バルブ122に結合された第1の位置コントローラ124Aを含む。例えば、第2の流量コントローラ110Bは、第2の流量コントローラ110Bのセンサ120および調節バルブ122に結合された第2の位置コントローラ124Bを含む。センサ120は、圧力センサまたは温度センサの1つまたは複数を含むことができる。各位置コントローラ124A、124Bは、それぞれの第1および第2の流量コントローラ110A、110Bの構成要素の各々を制御するためのコントローラとすることができる。例えば、動作中に、センサ120は、第1のガスの圧力または温度の1つまたは複数を示す信号をコントローラ124Aに与えて第1のガスの流量を決定することができ、コントローラ124Aは、調節バルブ122を調節して、所望の流量を維持することができる。例えば、各位置コントローラ124A、124Bは、方法を記憶および/または実行し、かつ/またはシステムコントローラ141または別の情報源からの遠隔更新を受け取るために、コンピュータ処理ユニット(CPU)、メモリ、支援回路などを含むことができる。
【0024】
図1に示した1つまたは複数の流量デバイス110は単に例示であり、位置コントローラ124などの内蔵位置コントローラがない場合(図示せず)、センサ120および調節バルブ122がシステムコントローラ141などのシステムコントローラと直接連通するなどの他の実施形態が可能である。
【0025】
システム100は、処理容積部104と排気システム130の排気容積部128との間に配置された排気バルブ126をさらに含むことができる。排気バルブ126は、ゲートバルブ、スロットルバルブ、バタフライバルブ、ペンデュラムバルブなどのような基板処理システムで使用される任意の好適なバルブとすることができる。排気バルブ126は、排気バルブ126の位置を制御するために電動駆動部132に結合される。例えば、排気バルブ126の位置変化により、排気容積部128などのような低い圧力領域にさらされることがより多くまたはより少なくなりうる。低い圧力領域は、排気領域128または排気システム130に結合された任意の好適な真空ポンプまたは同様のポンプデバイス(図示せず)によって生成されうる。
【0026】
処理容積部104の圧力は1つまたは複数の圧力計でモニタすることができる。例えば、第1の圧力計134を使用して、処理容積部104の第1の範囲の圧力を測定することができる。いくつかの実施形態では、第1の範囲の圧力は約1Torrから約10Torrとすることができる。第2の圧力計136を使用して、処理容積部の第2の範囲の圧力を測定することができる。第2の範囲の圧力は第1の範囲の圧力と異なることができ、例えば、第1または第2の圧力計の一方は高圧圧力計とすることができ、他方は低圧圧力計とすることができる。いくつかの実施形態では、第2の範囲の圧力は約10Torrから約500Torrとすることができる。第1および第2の圧力計134、136は、例えば、イオンゲージ、熱電対ゲージ、キャパシタンスゲージ、歪みゲージ、ピラニゲージなどのような、所望の圧力範囲を測定するための任意の好適な圧力計とすることができる。所望であれば、異なる圧力範囲をモニタするための追加の圧力計を備えることもできる。特定の圧力範囲に調整された多数の圧力計を備えると、有利には、単一の圧力計の使用と比較して広範囲の圧力にわたる処理システムのより正確な制御がしやすくなる。例えば、圧力計は、排気容積部128、サセプタの裏側などをモニタするために備えることができる。
【0027】
第1および第2の圧力計134、136は、
図1に示すように
、コントローラ141に直接結合することができる。同様に、電動駆動部132は、コントローラ141に直接結合され、コントローラ141によって制御されうる。
図1に示すような圧力計134、136および電動駆動部132の構成は1つの例示的な実施形態であり、システムコントローラ141は、圧力計134、136によりモニタされる処理容積部104の圧力に応答して排気バルブの位置を変化させるように電動駆動部132を制御するために、圧力コントローラ(図示せず)として働き、かつ/または圧力コントローラを含むことができる。代替として、別個の圧力コントローラ(図示せず)を使用することができ、圧力計134、136は、コントローラ141の代わりに別個の圧力コントローラに結合することができ、別個の圧力コントローラは電動駆動部132を制御する。
【0028】
コントローラ141は、中央処理装置(CPU)138、メモリ140、およびCPU138の支援回路142を含み、システム100の構成要素の制御、したがって、以下で説明する方法200などのシステムを制御する方法の制御を容易にする。コントローラ141は、様々なチャンバおよびサブプロセッサを制御するために産業環境で使用することができる汎用コンピュータプロセッサの任意の形態のうちの1つとすることができる。CPU138のメモリまたはコンピュータ可読媒体140は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取り専用メモリ(ROM)、フロッピーディスク、ハードディスク、または任意の他の形態のローカルもしくはリモートのデジタルストレージなどの容易に利用可能なメモリのうちの1つまたは複数とすることができる。支援回路142は、従来の方法でプロセッサをサポートするためにCPU138に結合される。これらの回路は、キャッシュ、電源、クロック回路、入力/出力回路、およびサブシステムなどを含む。コントローラ141は、流量デバイス、電動駆動部、RF電源、基板ヒータ、排気バルブヒータを直接制御し、圧力計をモニタするための回路および/またはサブシステムと、基板処理システムの様々な構成要素を直接制御するための任意の好適な回路および/またはサブシステムとを含むことができる。メモリ140は、本明細書で説明するような本発明の実施形態に従ってシステム100の動作を制御するために実行または起動することができるソフトウェア(ソースまたはオブジェクトコード)を記憶する。さらに、コントローラ141は、システム100から遠く離れ、かつ/または設備コントローラなどから命令を遠隔操作で受け取ることができる。例えば、コントローラ141および/または設備コントローラは、EtherCAT(Ethernet for Control Automation Technology)などのような遠隔通信システムを介してコントローラ141および/またはシステム100の様々な構成要素と遠隔操作で通信することができる。
【0029】
図2は、プロセスチャンバに結合された流量コントローラのインシトゥ較正のための方法200の流れ図を表す。方法200(例えば、第1の方法)は、上述の基板処理システム100の実施形態に従って以下で説明することができる。例えば、方法200を実行するための命令は、メモリ140の一部としてのコンピュータ可読媒体などのシステムコントローラ141に、または基板処理システム100を局所的にまたは遠隔操作のいずれかで制御するのに使用することができる任意のコントローラに記憶させることができる。方法200は、202において、第1のガスと異なる標準ガスを使用することによって決定された、計算された第1の関係に基づいて設定点の第1の値に設定されるときに、流量の第1の値で第1のガスを供給するように構成することができる第1の流量コントローラ110Aなどの流量コントローラを供給することによって始まることができる。本明細書で使用される「構成される(configured to)」という句は、本明細書で説明されるとき「意図される(intended to)」を意味することがある。例えば、第1の流量コントローラ110Aは、計算された第1の関係に基づいて設定点の第1の値に設定されるときに流量の第1の値で第1のガスを供給するように意図されうる。しかし、第1の流量コントローラ110Aは、計算された第1の関係に基づいて設定点の第1の値に設定されるとき、必ずしも流量の第1の値で第1のガスを供給しないことがある。
【0030】
例えば、計算された第1の関係は、第1の流量コントローラ110Aの製造中に、第1の流量コントローラ110Aの製造業者によって決定されうる。したがって、計算された第1の関係を実行するための命令は、位置コントローラ124Aなどの一部であるコンピュータ可読媒体などの第1の流量コントローラ110Aに記憶されうる。命令(例えば、第2の方法)が位置コントローラ124Aによって実行されるとき、第1の流量コントローラ124Aは計算された第1の関係を設定点の入力値に適用して、流量の対応する出力値で第1のガスを流すことができる。
【0031】
例えば、計算された第1の関係を決定することには、標準ガスに対する流量と設定点との間の実際の第2の関係を、標準ガスの流量に対する複数の値および第1の流量コントローラの設定点の対応する複数の値から決定することを含むことができる。例えば、実際の第2の関係は、質量流量検定器などのような較正デバイスを使用することによって決定することができる。例えば、圧力上昇率を、設定点の複数の値の対応する値ごとに標準ガスで測定することができ、次に、標準ガスの流量の複数の値の各値を、設定点の複数の値の対応する値ごとに圧力上昇率から決定することができる。例えば、標準ガスは窒素(N
2)とすることができる。一般に、製造業者は、いくつかの設定点で、すなわち、約3つ以上の設定点で圧力上昇率を測定し、対応する設定点ごとに圧力上昇率から各設定点の流量を決定することができる。対応する複数の設定点の標準ガスの複数の決定された流量を直線にフィットさせて、標準ガスに対する実際の第2の関係を決定することができる。次に、ガス補正係数(例えば、第1のガス補正係数)を使用して、第1のガスで使用するために実際の第2の関係を調節し、計算された第1の関係を形成することができる。例えば、ガス補正係数は、補正係数が適用される場合、フィットされた直線の切片を変更する倍率とすることができる。例えば、ガス補正係数は、密度、比熱などのような第1のガスの物理定数から計算することができる。
【0032】
残念ながら、発明者等は、計算された第1の関係が、第1の流量コントローラの設定点の第1の値において、第1のガスに対する流量の第1の値を与えない(与えるように構成されているけれども)ことがあることを発見した。例えば、発明者等は、計算された第1の関係に対する欠点には、標準ガスに対する実際の第2の関係が第1の流量コントローラの全設定点範囲にわたっては直線を近似しないことがあり、さらに、標準ガスに対する実際の第2の関係が第1の流量コントローラの全設定点範囲にわたっては第1のガスについて決定された同じ関係と同じ形状を有していない可能性があることが含まれることがあることを確認した。それ故に、計算された第1の関係は、第1の流量コントローラに対する設定点の全範囲にわたっては第1のガスの流量を正確に与えないことがある。いくつかの実施形態では、精度は、各々が設定点の全範囲の一部分のみを担当するように構成された多数の流量コントローラを使用することによって改善することができる。例えば、ある流量コントローラは設定点範囲の低い部分に関して低い流量を担当するのに使用することができ、別の流量コントローラは設定点範囲の高い部分に関して高い流量を担当するのに使用することができる。しかし、多数の流量コントローラを使用するのはコスト的および空間的に禁止となることがある。それ故に、発明者等は、第1の流量コントローラ110Aがその設定点の全範囲にわたり所望の流量で第1のガスを供給するように、第1の流量コントローラ110Aを較正するインシトゥの方法200を考案した。
【0033】
204において、実際の第1の関係が、第1の流量コントローラ110Aの設定点の対応する複数の値で決定された流量の複数の値から第1のガスに対する流量と設定点との間で決定される。例えば、流量の複数の値の各値は、設定点の複数の値の対応する値で第1のガスを流量コントローラを通して流すことによって決定することができる。例えば、第1のガスは、第1のガス源118Aで供給することができ、第1の流量コントローラ110Aを通して流し、次に、各流量を決定するためにガス注入口116の代わりに較正デバイス119に進路を変えることができる。較正デバイス119は、
図1に示すように、第1の流量コントローラ110Aと処理容積部104との間でシステム100に結合することができる。較正デバイス119は、質量流量検定器、質量流量計、molbloc(商標)流量要素などのような任意の好適な較正デバイスとすることができる。さらに、較正デバイス119は、インシトゥ減衰速度(in−situ rate of decay)などのような任意の好適な較正法を利用することができる。
【0034】
例えば、いくつかの実施形態では、較正デバイス119を使用して第1のガスの流量に対する複数の値を決定することは、第1の流量コントローラ110Aの設定点の複数の値の対応する値ごとに第1のガスに対する圧力上昇率を測定することと、設定点の複数の値の対応する値ごとに圧力上昇率から第1のガスに対する流量の複数の値の各値を決定することとを含む。例えば、圧力上昇率は、第1の流量コントローラ110Aに対する設定点の全範囲にわたり第1のガスに対する流量の挙動を決定するのに必要な多くの設定点、例えば10個以上の設定点、または任意の好適な数の設定点で測定することができる。
【0035】
例えば、第1のガスに対する流量の複数の値が上述のように設定点の対応する値ごとに決定された後、次に、対応する複数の設定点の第1のガスに対する複数の決定された流量を曲線にフィットさせて、第1のガスに対する実際の第1の関係を決定することができる。例えば、曲線は、設定点に対する対応する複数の値にわたり第1のガスに対する流量の複数の値の挙動から決定されるような任意の好適な形状とすることができる。例えば、曲線は、多項式、二項式、3次エルミートなどとすることができる。実際の第1の関係は、第1の流量コントローラ110Aに対する設定点の全範囲にわたり第1のガスの流量を正確に決定することができる。実際の第1の関係は、有利には、第1の流量コントローラ110Aの設定点の全範囲にわたり流量を決定することと、設定点の全範囲にわたり第1のガスに対する流量の挙動を近似するようにフィットさせた非線形曲線を使用することとのおかげで、第1の流量コントローラ110Aから第1のガスに対する広範囲の正確な流量を提供することができる。
【0036】
206において、第1のガスは、実際の第1の関係に基づいて第1の流量コントローラ110Aから流量の第1の値で流れることができる。例えば、実際の第1の関係が204において決定された後、較正デバイス119に進路を変えられた第1のガスの流れを処理容積部104に導くことができる。例えば、実際の第1の関係は、任意の数の好適なデータ移送方式によって第1の質量流量コントローラ110Aに適用することができる。例えば、いくつかの実施形態では、実際の第1の関係はシステムコントローラ141に常駐し、実行されるとき設定値の入力値を第1の流量コントローラ110Aに送り込み、その結果、流量の第1の値は第1の流量コントローラ110Aから流される。例えば、第1のガスに対する流量の第1の値を生成する設定点の第1の値と異なる設定値の第2の値を、実際の第1の関係から決定することができる。次に、設定点の第2の値を、計算された第1の関係に入力値として適用して、第1の流量コントローラ110Aから第1のガスに対する流量の第1の値に等しい出力値を供給することができる。したがって、前述の例示的な方法では、システムコントローラ141は実際の第1の関係を使用して、設定点の第2の値を、計算された第1の関係への入力として供給し、第1の流量コントローラ110Aから流量の所望の第1の値を生成することができる。
【0037】
代替として、第1の流量コントローラ110Aに常駐することができる計算された第1の関係は、システムコントローラ141に常駐することができる実際の第1の関係で更新および/または取り替えることができる。例えば、システムコントローラ141は、204において実際の第1の関係を決定した後、情報を第1の流量コントローラ110Aにフィードバックし、それにより、第1の流量コントローラ110Aは計算された第1の関係を実際の第1の関係に再書き込みすることができる。代替として、システムコントローラ141は情報を第1の流量コントローラ110Aにフィードバックして、計算された第1の関係を実際の第1の関係と取り替えることができる。例えば、計算された第1の関係の更新および/または取替えは、例えば、第1の流量コントローラ110Aで新しいファームウェアを発生させる整備ルーチンなどの整備ルーチンの一部として行うことができる。
【0038】
例えば、計算された関係の実際の第1の関係との更新および/または取替えが完了した後、第1の流量コントローラ110Aは実際の第1の関係に基づいて設定点の第1の値に設定して、第1の流量コントローラ110Aから流量の第1の値で第1のガスを流すことができる。
【0039】
代替として、計算された第1の関係は、システムコントローラ141に常駐する、および/またはシステムコントローラ141にダウンロードし、それに応じて変更することができる。例えば、計算された第1の関係は、当初は、第1の流量コントローラ110Aに常駐することができる。方法200の間に、計算された第1の関係は、システムコントローラ141にダウンロードされ、システムコントローラ141によって変更されて、実際の第1の関係を形成することができる。次に、実際の第1の関係は第1の流量コントローラ110Aにアップロードされて、計算された第1の関係を更新および/または取り替えることができる。計算された第1の関係をシステムコントローラ141にダウンロードするこの代替方法は、計算された第1の関係がシステムコントローラ141から受け取った情報に基づいて第1の流量コントローラ110Aによって更新される上述の代替方法と異なることができる。例えば、本代替方法では、システムコントローラ141は計算された第1の関係を直接変更する。比較すると、前述の代替方法では、システムコントローラ141は情報を第1の流量コントローラ110Aに与え、第1の流量コントローラ110Aは、システムコントローラ141によって与えられた情報に基づいて計算された第1の関係を変更する。
【0040】
方法200は、例えば、第2の流量コントローラ110Bで、または任意の所望の数の流量コントローラで利用することができる。例えば、第2の流量コントローラ110Bは、第2のガスと異なる標準ガスを使用することによって決定された、計算された第2の関係に基づいて設定点の第2の値に設定されるときに、流量の第2の値で第2のガスを供給するように構成することができる。計算された第2の関係は、実際の標準関係を調節するために第2のガスで使用するための第2のガス補正係数を使用すること以外は計算された第1の関係と同様の方法で、第2の流量コントローラ110Bの製造業者によって決定されうる。計算された第2の関係は、コンピュータ可読媒体などのような第2の流量コントローラ110Bに常駐することができる。
【0041】
例えば、第2の流量コントローラ110Bを較正する方法は、第2のガスに対する流量と設定点との間の実際の第2の関係を、第2の流量コントローラの設定点の対応する複数の値で決定された第2のガスの流量の複数の値から決定することであり、流量の複数の値の各々が、設定点に対する複数の値の対応する値で第2のガスを第2の流量コントローラを通して流すことから決定される、実際の第2の関係を決定することと、実際の第2の関係に基づいて第2の流量コントローラから流量の第2の値で第2のガスを流すこととを含むことができる。
【0042】
実際の第2の関係は、上述のような実際の第1の関係と同様の方法で決定することができる。実際の第2の関係にフィットさせるために使用される曲線は、実際の第1の関係にフィットさせるのに使用された曲線と異なることがあり、第2のガスの挙動に依存することがある。
【0043】
本発明の方法は、流量コントローラの調子をモニタする方法をさらに含むことができる。例えば、流量コントローラのヘルスモニタリングは、不完全および/または不十分な較正の流量コントローラを使用したツールによって生成された不完全な製品バッチを避けるのに望ましいことがある。例えば、以下で説明するモニタリング方法は、システムコントローラ141に常駐し、流量コントローラに情報を与える整備ルーチンの間、および/または情報を流量コントローラからシステムコントローラにダウンロードし、情報を更新し、更新された情報を流量コントローラに再ロードする整備ルーチンの間などに流量コントローラの位置コントローラにアップロードおよび/または統合することができる。
【0044】
例えば、1つのそのようなヘルスモニタリング方法は、流量コントローラの累積ゼロドリフトをモニタすることとすることができる。例えば、この方法は、流量コントローラのゼロオフセットを、定期的に、整備中に、または任意の所望の間隔でなどでモニタすることを含むことができる。記録は、例えば、初期較正および/または設置期日からの流量コントローラの累積ゼロドリフトから取ることができる。例えば、初期時間において、ゼロオフセットは全流量範囲の約1%とすることができる。初期時間の後の第2の時間に測定されたとき、ゼロオフセットは、全流量範囲の約2%の累積ゼロドリフトの場合、初期時間よりも約1%大きいとしてよい。例えば、第2の時間の後の第3の時間に測定されたとき、ゼロオフセットは、約1%の累積ゼロドリフトの場合、第2の時間よりも約1%少ないとしてよい。この方法は、累積ゼロドリフトが臨界値、例えば全流量範囲の約10%に達するまで、流量コントローラの累積ゼロドリフトをモニタすることができる。臨界値で、システムコントローラ141は、流量コントローラが整備および/または取替えを必要とするという警告を発することができる。例えば、累積ゼロドリフトが、例えば全流量範囲の約20%などの臨界値を超えるとき、システムコントローラ141は命令を発して、流量コントローラを停止することができる。
【0045】
上述の累積ゼロドリフトの実施形態と同様に、ヘルスモニタリング方法の別の実施形態は、流量コントローラの累積動作寿命をモニタすることを含むことができる。例えば、この方法は、例えば流量コントローラが動作するたびの流量コントローラの動作寿命と、流量コントローラが動作したままである時間の長さとをモニタすることを含むことができる。記録は、例えば、設置期日からの流量コントローラの累積動作寿命から取ることができる。例えば、記録は、流量コントローラが動作された第1の時間の長さについて取ることができる。流量コントローラはある期間の間休止していて、次に、第2の時間の長さの間再び動作することができる。第1の時間の長さおよび第2の時間の長さを一緒に加えて、流量コントローラの累積動作寿命を決定することができる。この方法は、累積動作寿命が臨界値、例えば約8760時間に達するまで流量コントローラの累積動作寿命をモニタすることができる。臨界値で、システムコントローラ141は、流量コントローラが整備および/または取替えを必要とするという警告を発することができる。例えば、累積動作寿命が、例えば約17520時間などの臨界値を超えるとき、システムコントローラ141は命令を発して、流量コントローラを停止することができる。
【0046】
ヘルスモニタリング方法の別の実施形態は、流量コントローラの温度安定度をモニタすることを含むことができる。例えば、流量コントローラは、流量コントローラまたは流量コントローラに供給されるガスの温度変動に応答して調節バルブ122の位置をモニタし調節するために温度センサ(センサ120の一部または別個のセンサ)を含むことができる。例えば、温度変動は、例えばガスパネルなどのようなシステム100の構成要素を開けることによって引き起こされることがある。しかし、流量コントローラの温度安定度をモニタする方法は存在しない。例えば、温度センサは、流量コントローラに温度変動に応答して調節バルブの位置を変更させることができ、製品バッチは、温度変動が存在したという指示がないために損害を受けることがある。したがって、本発明のモニタリング方法は、起動の前に、処理中に、または流量コントローラの温度安定度を決定するための任意の好適な時間に流量コントローラの温度をモニタすることを含むことができる。例えば、この方法は、例えばシステム100の起動の後、温度の読みが安定するように約30秒以上待機することを含むことができる。温度値は、第1の期間、例えば約10秒にわたり、第1の間隔で、例えば約100ミリ秒ごとにサンプリングすることができる。このサンプリングプロセスは、第2の期間、例えば約10分にわたり数回行うことができる。サンプリングされた温度値の平均および標準偏差を計算することができる。例えば、標準偏差が、例えば設定温度値の約0.1%だけ設定温度値を超える場合、設定温度値の百分率としての標準偏差を、温度安定度がシステムコントローラで達成されていないというメッセージとともに表示することができる。代替として、標準偏差が設定温度値を超えない場合、例えば、標準偏差が設定温度値の約0.1%未満である場合、流量コントローラは機能常態を続けることができ、メッセージは表示されない。
【0047】
ヘルスモニタリング方法の別の実施形態は、流量コントローラの信号雑音をモニタすることを含むことができる。例えば、信号雑音は、調節バルブの位置を変化させるために流量コントローラの位置コントローラから調節バルブに発せられうる出力信号に対してモニタすることができる。例えば、時間とともに、流量コントローラは劣化するので、出力信号は雑音が多くなることがある。例えば、いくつかの実施形態では、エッチングプロセスの間などに、信号を使用して、エッ
チ深さをモニタし、エッチ深さが到達されたとき流れを止めるように流量コントローラに命じることができる。例えば、出力信号の雑音が流量コントローラの劣化とともにより大きくなったとき、流量コントローラは、出力信号中の雑音をエッチ深さが到達された表示として誤解することがある。したがって、発明者等は、信号雑音のレベルに関して流量コントローラの出力信号をモニタする方法を提供している。例えば、出力信号の定常状態設定点からの標準偏差を、例えば約10秒の期間などの規定された期間にわたり約10ヘルツ(Hz)、約100Hz、約1000Hz、または任意の好適なサンプリング速度などの任意の望ましいサンプリング速度でモニタすることができる。例えば、標準偏差が出力信号の定常状態設定点を、例えば約0.1%だけ超える場合、システムコントローラ141は警告を発することができる。
【0048】
ヘルスモニタリング方法の別の実施形態は、流量コントローラのパラメータおよびシステム100のパラメータを含むいくつかのパラメータの関数として流量コントローラの調子をモニタすることを含むことができる。例えば、パラメータは、流量コントローラの流量出力、流量コントローラの圧力出力、流量コントローラの温度出力、流量コントローラのバルブ位置、流量コントローラの全窒素等価流量出力(total nitrogen equivalent flow output)、チャンバ圧力、排気バルブ位置などを含むことができる。例えば、パラメータの1つまたは複数の組合せは、流量コントローラが多くまたは少なく流している場合、ライン圧力が増加または減少している場合、ライン温度が上昇または低下している場合などに、1つまたは複数のシステム挙動を診断するのに使用することができる。例えば、上述のようなライン圧力およびライン温度は、ガス源118A、118Bと流量コントローラ110A、110Bとの間に配置されたガス供給ラインの圧力および温度を指すことができる。
【0049】
例えば、システム100の起動時に、例えば、システム100が最初に稼働状態になるとき、またはシステム100が整備のために停止された後、一連の診断測定値を記録することができる。例えば、流量コントローラは第1の流量を供給することができ、上述のパラメータは第1の流量に関して記録することができる。例えば、プロセス実行の後に、または定期的に、または不規則なモニタリング間隔で、チャンバは、流量コントローラが当初に記録したものと同じパラメータの値で第1の流量を供給し続けているかどうかを確かめるために試験することができる。例えば、パラメータの組合せを使用して、システム挙動を診断することができる。例えば、第1の流量において、流量コントローラのバルブ位置、全窒素等価流量、および排気バルブ位置が、現在、当初測定されたものよりも高い場合、流量コントローラが多く流していることがある。しかし、1つのパラメータのみが外れている、例えば、流量コントローラのバルブ位置は高いが、全窒素等価流量および排気バルブ位置は同じである場合、それは、流量コントローラが多く流している以外の問題を示していることがある。例えば、第1の流量において、流量コントローラのバルブ位置、全窒素等価流量、および排気バルブ位置が、現在、当初測定されたものよりも低い場合、流量コントローラは少なく流していることがある。したがって、パラメータの他の組合せを使用して、上述で列記したものなどの他のシステム挙動を診断することができる。
【0050】
先の段落で説明したような流量コントローラのヘルスモニタリングの代替として、または流量コントローラのヘルスモニタリングと組み合わせて、流量コントローラのモニタされたパラメータおよび/またはプロセスチャンバのパラメータは、例えば、後続のプロセスステップの間に、および/または他の予測診断方法のために応答時間を最適化するのに利用することができる。例えば、バルブ電圧などのような流量コントローラのパラメータは、流量コントローラおよび/またはプロセスチャンバのパラメータなどの他のパラメータと組み合わせて上述のようにモニタすることができる。流量コントローラのパラメータは、所望の流量などのような所望の反応を生成することができる。例えば、後続のプロセスステップにおいて、流量コントローラは、モニタされたパラメータに、およびオプションとしてプロセスチャンバおよび/または流量コントローラの他のモニタされるパラメータと組み合わせて設定して、所望の反応を生成する時間を最適化することができる。代替として、後続のプロセスステップにおいて、流量コントローラは、例えば、モニタされたパラメータに基づいて外挿された新しい値などのモニタされたパラメータの新しい値に設定して、所望の反応を生成する時間を最適化することができる。
【0051】
予測診断方法などの他の例は、流量コントローラに対する注入口圧力などの注入口圧力をモニタすることを含むことができる。例えば、モニタされた注入口圧力が、時間とともに、またはプロセスステップ間になどで変化する場合、警告を発することができ、または圧力変換器診断ルーチンを作動させることができる。
【0052】
前述は本発明の実施形態を対象とするが、本発明の他のおよびさらなる実施形態を本発明の基本的な範囲から逸脱することなく考案することができる。