(54)【発明の名称】PERK阻害剤としての新規なN(2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)−4−キナゾリンアミン誘導体およびN−(2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル)−4−キナゾリンアミン誘導体
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
癌、糖尿病、肥満、眼疾患、卒中、心筋梗塞、心血管疾患、アテローム性動脈硬化症、不整脈、ウイルス感染症および炎症性疾患、および神経変性疾患から選択される疾病または状態の治療または予防に使用するための、請求項1〜10のいずれか一項に記載の化合物。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の化合物を記述するとき、使用される用語は、文脈上別段の指示がない限り、以下の定義に従って理解されるべきである。
【0015】
用語「置換された」が本発明で使用されるときは常に、別段の指示がないかまたはそうではないことが前後関係から明白でない限り、「置換された」を使用した表現で示される原子または基の1個または複数の水素、特に1〜3個の水素、好ましくは1〜2個の水素、より好ましくは1個の水素が、指示された群から選択されるものと置き換えられていることを示すが、但し通常の原子価は超えず、置換の結果として化学的に安定な化合物、すなわち反応混合物から有用な程度の純度までの単離、および治療薬への製剤に耐え抜く十分に安定した化合物が得られることを意味する。
【0016】
基または基の一部としての「ハロ」という用語は、別段の指示がないかまたはそうではないことが前後関係から明白でない限り、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨードの総称である。
【0017】
基または基の一部としての「C
1〜
4アルキル」という用語は、式C
nH
2n+1のヒドロカルビル基を指し、nは1〜4の範囲の数である。C
1〜
4アルキル基は、1〜4個の炭素原子、好ましくは1〜3個の炭素原子、より好ましくは1〜2個の炭素原子を含む。C
1〜
4アルキル基は直鎖状でも分枝鎖状でもよく、本明細書中に示されるように置換されていてもよい。本明細書で下付き文字を炭素原子の後で使用する場合、下付き文字は、指定する基が含有し得る炭素原子の数を指す。
C
1〜
4アルキルは、1〜4個の炭素原子を有する全ての直鎖状または分枝状のアルキル基を含み、したがって、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、2−メチル−エチル、ブチルおよびその異性体(例えば、n−ブチル、イソブチルおよびtert−ブチル)などを含む。
【0018】
基または基の一部としての「C
1〜
4アルキルオキシ」という用語は、R
bがC
1〜
4アルキルである式OR
bを有する基を指す。好適なC
1〜
4アルキルオキシの非限定的な例としては、メチルオキシ(メトキシとも称する)、エチルオキシ(エトキシとも称する)、プロピルオキシ、イソプロピルオキシ、ブチルオキシ、イソブチルオキシ、sec−ブチルオキシおよびtert−ブチルオキシが挙げられる。
【0019】
本明細書で使用されるとき、用語「対象(subject)」は、治療、観察または実験の対象(object)である、または対象となってきた、動物、好ましくは哺乳動物、最も好ましくはヒトを指す。
【0020】
本明細書で使用されるとき、用語「治療有効量」は、治療される疾病または障害の症状の緩和を含む、研究者、獣医、医師または他の臨床医が求める、組織系、動物、またはヒトにおける生物学的または医学的反応を引き起こす活性化合物または医薬品の量を意味する。
【0021】
用語「組成物」は、特定の成分を特定の量で含む製品、ならびに特定の量の特定の成分の組み合わせから、直接的または間接的に得られる製品を包含するものとする。
【0022】
用語「治療」は、本明細書で使用されるとき、疾病の進行を遅延、中断、阻止又は停止し得る全てのプロセスを指すものとするが、必ずしも全症状の完全な排除を示すものではない。
【0023】
中間体および化合物の化学名は、国際純正応用化学連合(International Union of Pure and Applied Chemistry(IUPAC))によって制定された命名規約に従い、Symyx draw(バージョン4.0)(Accelrys(登録商標),Inc.)を使用して作成された。
【0024】
Ar
1またはAr
2定義における複素環は、複素環のあらゆる考え得る異性体型を含むものとする。
【0025】
たとえば用語Ar
1またはAr
2によって含まれる炭素環または複素環は、別段の規定がなければ、必要に応じて、任意の環炭素またはヘテロ原子によって、式(I)の分子の残りに結合していてもよい。したがって、たとえば、複素環がイミダゾリルであるとき、それは1−イミダゾリル、2−イミダゾリル、4−イミダゾリル等々であってもよく、あるいは炭素環式化合物がナフチルであるとき、それは1−ナフチル、2−ナフチル等々であってもよい。
【0026】
本明細書で使用されるとき、用語「本発明の化合物」は、式(I)の化合物、ならびに薬学的に許容される塩、およびその溶媒和物を含むものとする。
【0027】
本明細書で使用されるとき、実線のくさび形結合または破線のくさび形結合としてではなく実線としてのみ示される結合を有する任意の化学式、あるいは1つまたは複数の原子の周りに特定の配置(例えばR、S)を有するものとして別の方法で示される化学式は、それぞれあり得る立体異性体、または2つ以上の立体異性体の混合物を熟考している。
【0028】
Ar
1、Ar
2、あるいはR
9aおよびR
10aまたはR
9bおよびR
10bを1つにまとめることにより形成される飽和単環複素環の定義における環系の1つが、
1つまたは複数の置換基で置換されているときは常に、こうした置換基は、環系の炭素原子または窒素原子に結合した任意の水素原子と置き換わることが可能である。
【0029】
上記および下記で、用語「式(I)の化合物」は、その立体異性体およびその互変異性体型を含むものとする。
【0030】
上記または下記の、用語「立体異性体(stereoisomers)」、「立体異性体型(stereoisomeric forms)」または「立体化学的異性体型(stereochemically isomeric forms)」は、互換的に使用される。
【0031】
本発明は、純粋な立体異性体として、または2つ以上の立体異性体の混合物として、本発明の化合物の全ての立体異性体を含む。
【0032】
鏡像異性体は、重ね合わせることができない互いの鏡像となっている立体異性体である。1対の鏡像異性体の1:1混合物は、ラセミ体またはラセミ混合物である。
【0033】
ジアステレオマー(またはジアステレオ異性体)は、鏡像異性体ではない立体異性体であり、すなわち、鏡像の関係にない。化合物が二重結合を含有する場合、置換基は、E配置またはZ配置となり得る。二価の環状(部分的)飽和基上の置換基は、シス配置またはトランス配置を有し得る。例えば、化合物が二置換のシクロアルキル基を含有する場合、置換基はシス配置またはトランス配置であり得る。したがって、本発明は、化学的に可能な場合は常に、鏡像異性体、ジアステレオマー、ラセミ体、E異性体、Z異性体、シス異性体、トランス異性体、およびこれらの混合物を含む。
【0034】
こうした全ての用語、すなわち、鏡像異性体、ジアステレオマー、ラセミ体、E異性体、Z異性体、シス異性体、トランス異性体およびこれらの混合物の意味は、当業者に公知である。
【0035】
絶対配置は、カーン・インゴルド・プレローグ表示法に従って明記される。不斉原子の立体配置は、RまたはSのいずれかによって明記される。絶対配置が不明の分割立体異性体は、これが平面偏光を回転させる方向に応じて、(+)または(−)で示すことができる。例えば、絶対配置が不明の分割鏡像異性体は、これが平面偏光を回転させる方向に応じて(+)または(−)で示すことができる。
【0036】
特定の立体異性体が同定される場合、これは、前記立体異性体が他の立体異性体を実質的に含まない、すなわち他の立体異性体を、50%未満、好ましくは20%未満、より好ましくは10%未満、さらにより好ましくは5%未満、特に2%未満、最も好ましくは1%未満しか伴わないことを意味する。したがって、式(I)の化合物が、例えば(R)と明記されるとき、これは、化合物が(S)異性体を実質的に含まないことを意味し、式(I)の化合物が、例えばEと明記されるとき、これは、化合物がZ異性体を実質的に含まないことを意味し、式(I)の化合物が、例えばシスと明記されるとき、これは、化合物がトランス異性体を実質的に含まないことを意味する。
【0037】
式(I)の化合物の一部は、互変異性体型でも存在し得る。このような型は、存在する限りは、本発明の範囲に含まれるものとする。
【0038】
したがって、1つの化合物が、立体異性体でも互変異性体型でも存在し得るということになる。
【0039】
治療用途には、式(I)の化合物の塩およびその溶媒和物は、対イオンが薬学的に許容されるものである。しかし、薬学的に許容されない酸塩および塩基塩も、例えば、薬学的に許容される化合物の調製または精製に用途がある場合がある。薬学的に許容されるか否かにかかわらず、全ての塩は、本発明の範囲内に含まれる。
【0040】
上記および下記の薬学的に許容される付加塩は、式(I)の化合物およびその溶媒和物を生じることができる、治療上有効な非毒性の酸付加塩形および塩基付加塩形を含むものとする。薬学的に許容される酸付加塩は、塩基形をこのような適切な酸で処理することにより便利に得ることができる。適切な酸には、例えば、無機酸、例えば、塩酸または臭化水素酸などのハロゲン化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などの酸;または有機酸、例えば、酢酸、プロパン酸、ヒドロキシ酢酸、乳酸、ピルビン酸、シュウ酸(すなわちエタン二酸)、マロン酸、コハク酸(すなわちブタン二酸)、マレイン酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、シクラミン酸、サリチル酸、p−アミノサリチル酸、パモン酸などの酸が含まれる。逆に、前記塩形態は、適切な塩基で処理することにより遊離塩基形態に変換することができる。
【0041】
酸性プロトンを含有する式(I)の化合物およびその溶媒和物はまた、適切な有機塩基および無機塩基で処理することにより、それらの非毒性の金属付加塩形またはアミン付加塩形に変換することもできる。適切な塩基塩形態には、例えば、アンモニウム塩、アルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩、例えばリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩など、有機塩基との塩、例えば、第一級、第二級および第三級の、脂肪族および芳香族アミン、例えばメチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、4つのブチルアミン異性体、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジエタノールアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジ−n−ブチルアミン、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、キヌクリジン、ピリジン、キノリンおよびイソキノリン;ベンザチン塩、N−メチル−D−グルカミン塩、ヒドラバミン塩、ならびにアミノ酸との塩、例えばアルギニン、リシンなどが含まれる。逆に、塩形態は、酸で処理することにより遊離酸形態に変換することができる。
【0042】
溶媒和物という用語は、式(I)の化合物を生じることができる水和物および溶媒付加形、ならびに薬学的に許容されるその塩を含む。そのような形の例は、例えば、水和物、アルコラート等々である。
【0043】
下記のプロセスで調製される本発明の化合物は、鏡像異性体の混合物、特に鏡像異性体のラセミ混合物で合成することが可能であり、当技術分野で公知の分割手順に従って相互に分離できる。式(I)の化合物ならびに薬学的に許容される付加塩、およびその溶媒和物の鏡像異性体型を分割する方法は、キラル固定相を使用する液体クロマトグラフィーを含む。反応が立体特異的に起こるのであれば、前記純粋な立体化学的異性体を、適切な出発材料の対応する純粋な立体化学異性体から誘導することも可能である。好ましくは、特定の立体異性体を所望する場合、前記化合物は、立体特異的な調製方法で合成されることになるであろう。これらの方法は、鏡像異性的に純粋な出発材料を使用することが有利であろう。
【0044】
本出願の枠組みの中で、特に式(I)の化合物に関連して記述するとき、元素は、天然存在度であれ同位体濃縮形であれ、天然起源または合成的に製造された、この元素の全ての同位体および同位体混合物を含む。放射標識した式(I)の化合物は、
3H、
11C、
18F、
122I、
123I、
125I、
131I、
75Br、
76Br、
77Brおよび
82Brの群から選択される放射性同位体を含んでもよい。好ましくは、放射性同位体は、
3H、
11Cおよび
18Fの群から選択される。
【0045】
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用されるとき、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」および「その(the)」は、文脈上、明らかにそうではないことが示されていない限り、複数の指示対象も含む。例えば、「1つの化合物(a compound)」は、1つの化合物または2つ以上の化合物を意味する。
【0046】
一実施態様において、本発明は、式(I)の新規な化合物、その互変異性体および立体異性体型、[式中、
R
1は、−Ar
1、−O−Ar
1または−NH−Ar
1であり;
Ar
1は、フェニル、ピリジニル、インダゾリル、ピラゾリル、インドリル、イミダゾリル、ベンズイミダゾリル、チエニル、ベンゾ[b]チエニル、ベンゾフラニル、1H−ピロロ[2,3−b]ピリジニル、イミダゾ[1,2−a]ピリジニル、1,3−ジヒドロ−1−オキソ−2H−イソインドリル、1,3−ジヒドロ−1,3−ジオキソ−2H−イソインドリルまたは2,3−ジヒドロ−2−オキソ−1H−ベンズイミダゾリルであり;C
1〜
4アルキル、C
1〜
4アルキルカルボニル、C
1〜
4アルキルオキシ、ハロ、Ar
2および1個または複数のハロ原子で置換されたC
1〜
4アルキルからなる群からそれぞれ独立に選択される1、2または3個の置換基でそれぞれ任意に置換されており;
Ar
2は、フェニル、チエニル、フラニル、イソキサゾリルまたはピラゾリルであり;1、2または3個のC
1〜
4アルキル基でそれぞれ任意選択的に置換されており;
R
2およびR
3は同一でありかつ水素またはフルオロであり;
AはCHまたはNであり;
R
4は、水素、クロロまたはフルオロであり;
R
5は、水素、−OR
7または−O−(CH
2)
m−O−R
7であり;
R
6は、水素、−OR
8または−O−(CH
2)
m−O−R
8であり;
但し、R
5およびR
6の少なくとも1つは水素ではなく;
またはR
5およびR
6は、一緒になって二価基−O−(CH
2)
n−O−を形成し;
nは、1、2または3であり;
mは、1、2、3または4であり;
R
7は、1個のNR
9aR
10aで任意選択的に置換されたC
1〜
4アルキルであり;
R
8は、1個のNR
9bR
10bで任意選択的に置換されたC
1〜
4アルキルであり;
R
9aおよびR
10aは、それぞれ独立に水素またはC
1〜
4アルキルである;またはR
9aおよびR
10aは、それらが結合している窒素と一緒になって、O、S、S(=O)
pまたはNから選択される1個の追加的ヘテロ原子をさらに含み得る飽和単環4、5、6または7員の複素環を形成し;またその複素環は、ハロおよびC
1〜
4アルキルからなる群からそれぞれ独立に選択される1、2または3個の置換基で任意選択的に置換されていてもよく;
R
9bおよびR
10bは、それぞれ独立に水素またはC
1〜
4アルキルであり;またはR
9bおよびR
10bは、それらが結合している窒素と一緒になって、O、S、S(=O)
pまたはNから選択される1個の追加的ヘテロ原子をさらに含み得る飽和単環4、5、6または7員の複素環を形成し;またその複素環は、ハロおよびC
1〜
4アルキルからなる群からそれぞれ独立に選択される1、2または3個の置換基で任意選択的に置換されていてもよく;
pは1または2である]
ならびに薬学的に許容される付加塩、およびその溶媒和物に関する。
【0047】
一実施態様において、本発明は、式(I)の新規な化合物、その互変異性体および立体異性体型、[式中、
R
1は、−Ar
1、−O−Ar
1または−NH−Ar
1であり;
Ar
1は、フェニル、ピリジニル、インダゾリル、ピラゾリル、インドリル、ベンズイミダゾリル、チエニル、ベンゾ[b]チエニル、ベンゾフラニル、1H−ピロロ[2,3−b]ピリジニル、イミダゾ[1,2−a]ピリジニル、1,3−ジヒドロ−1−オキソ−2H−イソインドリル、1,3−ジヒドロ−1,3−ジオキソ−2H−イソインドリルまたは2,3−ジヒドロ−2−オキソ−1H−ベンズイミダゾリルであり;C
1〜
4アルキル、C
1〜
4アルキルカルボニル、C
1〜
4アルキルオキシ、ハロ、Ar
2および1つまたは複数のハロ原子で置換されたC
1〜
4アルキルからなる群からそれぞれ独立に選択される1、2または3個の置換基でそれぞれ任意選択的に置換されており;
Ar
2は、フェニル、チエニル、フラニル、イソキサゾリル、オキサゾリルまたはピラゾリルであり;1、2または3個のC
1〜
4アルキル基でそれぞれ任意選択的に置換されており;
R
2およびR
3は同一でありかつ水素またはフルオロであり
Aは、CHまたはNであり;
R
4は、水素、クロロまたはフルオロであり;
R
5は、水素、−OR
7または−O−(CH
2)
m−O−R
7であり;
R
6は、水素、−OR
8または−O−(CH
2)
m−O−R
8であり;
但し、R
5およびR
6の少なくとも1つは水素ではなく;
nは、1、2または3であり;
mは、1、2、3または4であり;
R
7は、1個のNR
9aR
10aで任意選択に置換されたC
1〜
4アルキルであり;
R
8は、1個のNR
9bR
10bで任意選択に置換されたC
1〜
4アルキルであり;
R
9aおよびR
10aは、それぞれ独立に水素またはC
1〜
4アルキルであり;またはR
9aおよびR
10aは、それらが結合している窒素と一緒になって、O、S、S(=O)
pまたはNから選択される1個の追加的ヘテロ原子をさらに含み得る飽和単環4、5、6または7員の複素環を形成し;またその複素環は、ハロおよびC
1〜
4アルキルからなる群からそれぞれ独立に選択される1、2または3個の置換基で任意選択的に置換されていてもよく;
R
9bおよびR
10bは、それぞれ独立に水素またはC
1〜
4アルキルであり;またはR
9bおよびR
10bは、それらが結合している窒素と一緒になって、O、S、S(=O)
pまたはNから選択される1個の追加的ヘテロ原子をさらに含み得る飽和単環4、5、6または7員の複素環を形成し;またその複素環は、ハロおよびC
1〜
4アルキルからなる群からそれぞれ独立に選択される1、2または3個の置換基で任意選択的に置換されていてもよく;
pは1または2である]
ならびに薬学的に許容される付加塩、およびその溶媒和物に関する。
【0048】
一実施態様において、本発明は、式(I)の新規な化合物、その互変異性体および立体異性体型、[式中、
R
1は、−Ar
1、−O−Ar
1または−NH−Ar
1であり;
Ar
1は、フェニル、ピリジニル、インダゾリル、ピラゾリル、インドリル、ベンズイミダゾリル、チエニル、ベンゾ[b]チエニル、ベンゾフラニル、1H−ピロロ[2,3−b]ピリジニル、イミダゾ[1,2−a]ピリジニル、または2,3−ジヒドロ−2−オキソ−1H−ベンズイミダゾリルであり;C
1〜
4アルキル、C
1〜
4アルキルカルボニル、C
1〜
4アルキルオキシ、ハロ、Ar
2および1つまたは複数のハロ原子で置換されたC
1〜
4アルキルからなる群からそれぞれ独立に選択される1、2または3個の置換基でそれぞれ任意選択的に置換されており;
Ar
2は、フェニル、チエニル、フラニル、イソキサゾリルまたはピラゾリルであり;1、2または3個のC
1〜
4アルキル基でそれぞれ任意選択的に置換されており;
R
2およびR
3は同一でありかつ水素またはフルオロであり;
AはCHまたはNであり;
R
4は、水素、クロロまたはフルオロであり;
R
5は、水素、−OR
7または−O−(CH
2)
m−O−R
7であり;
R
6は、水素、−OR
8または−O−(CH
2)
m−O−R
8であり;
但し、R
5 およびR
6の少なくとも1つは水素ではなく;
またはR
5およびR
6は、一緒になって二価基−O−(CH
2)
n−O−を形成し;
nは、1、2または3であり;
mは、1、2、3または4であり;
R
7は、1個のNR
9aR
10aで任意選択的に置換されたC
1〜
4アルキルであり;
R
8は、1個のNR
9bR
10bで任意選択的に置換されたC
1〜
4アルキルであり;
R
9aおよびR
10aは、それぞれ独立に水素またはC
1〜
4アルキルであり;またはR
9aおよびR
10aは、それらが結合している窒素と一緒になって、O、S、S(=O)
pまたはNから選択される1個の追加的ヘテロ原子をさらに含み得る飽和単環4、5、6または7員の複素環を形成し;またその複素環は、ハロおよびC
1〜
4アルキルからなる群からそれぞれ独立に選択される1、2または3個の置換基で任意選択的に置換されていてもよく;
R
9bおよびR
10bは、それぞれ独立に水素またはC
1〜
4アルキルであり;またはR
9bおよびR
10bは、それらが結合している窒素と一緒になってO、S、S(=O)
pまたはNから選択される1個の追加的ヘテロ原子をさらに含み得る飽和単環4、5、6または7員の複素環を形成し;またその複素環は、ハロおよびC
1〜
4アルキルからなる群からそれぞれ独立に選択される1、2または3個の置換基で任意選択的に置換されていてもよく;
pは1または2である]
ならびに薬学的に許容される付加塩、およびその溶媒和物に関する。
【0049】
一実施態様において、本発明は、式(I)の新規な化合物、その互変異性体および立体異性体型、[式中、
R
1は、−Ar
1であり;
Ar
1は、フェニル、ピリジニル、インダゾリル、ピラゾリル、インドリル、ベンズイミダゾリル、チエニル、ベンゾ[b]チエニル、ベンゾフラニル、1H−ピロロ[2,3−b]ピリジニル、イミダゾ[1,2−a]ピリジニル、または2,3−ジヒドロ−2−オキソ−1H−ベンズイミダゾリル;C
1〜
4アルキル、C
1〜
4アルキルカルボニル、C
1〜
4アルキルオキシ、ハロ、Ar
2および1つまたは複数のハロ原子で置換されたC
1〜
4アルキルからなる群からそれぞれ独立に選択される1、2または3個の置換基でそれぞれ任意選択的に置換されており;
Ar
2は、フェニル、チエニル、フラニル、イソキサゾリルまたはピラゾリルであり;1、2または3個のC
1〜
4アルキル基でそれぞれ任意選択的に置換されており;
R
2およびR
3は同一でありかつ水素またはフルオロであり;特に水素であり;
Aは、CHであり;
R
4は、水素またはフルオロであり;
R
5は、−OR
7であり;
R
6は、−OR
8であり;
またはR
5およびR
6は、一緒になって二価基−O−CH
2−O−を形成し;
R
7は、C
1〜
4アルキルであり;
R
8は、1個のモルホリニルで任意選択的に置換されたC
1〜
4アルキルである]
ならびに薬学的に許容される付加塩、およびその溶媒和物に関する。
【0050】
一実施態様において、本発明は、式(I)の新規な化合物、その互変異性体および立体異性体型、[式中、
R
1は、−Ar
1、−O−Ar
1または−NH−Ar
1であり;
Ar
1は、フェニル、ピリジニル、インダゾリル、ピラゾリル、インドリル、イミダゾリル、ベンズイミダゾリル、チエニル、キナゾリニル、ベンゾ[b]チエニル、ベンゾフラニル、1H−ピロロ[2,3−b]ピリジニル、イミダゾ[1,2−a]ピリジニル、1,3−ジヒドロ−1−オキソ−2H−イソインドリル、1,3−ジヒドロ−1,3−ジオキソ−2H−イソインドリル、ナフチル、イソキノリニル、キノリニル、シンノリニル、フラニルまたは2,3−ジヒドロ−2−オキソ−1H−ベンズイミダゾリルであり;C
1〜
4アルキル、C
1〜
4アルキルカルボニル、C
1〜
4アルキルオキシ、ハロ、Ar
2またはC
1〜
4アルキルからなる群からそれぞれ独立に選択される1、2または3個の置換基でそれぞれ任意選択的に置換されており;
Ar
2は、フェニル、チエニル、フラニル、イソキサゾリル、オキサゾリルまたはピラゾリルであり;1、2または3個のC
1〜
4アルキル基でそれぞれ任意選択的に置換されており;
R
2およびR
3は同一でありかつ水素またはフルオロであり;
Aは、CHまたはNであり;
R
4は、水素、クロロまたはフルオロであり;
R
5は、水素または−OR
7であり;
R
6は、水素または−OR
8であり;
但し、R
5 およびR
6の少なくとも1つは水素ではなく;
またはR
5およびR
6は、一緒になって二価基−O−(CH
2)
n−O−を形成し;
nは、1、2または3であり;
R
7は、C
1〜
4アルキルであり;
R
8は、C
1〜
4アルキルである]
ならびに薬学的に許容される付加塩、およびその溶媒和物に関する。
【0051】
一実施態様において、本発明は、式(I)の新規な化合物、その互変異性体および立体異性体型、[式中、
R
1は、−Ar
1であり;
Ar
1は、フェニルまたはインドリルであり;具体的にはフェニル、インドール−1−イルまたはインドール−3−イルであり;C
1〜
4アルキルおよびハロからなる群からそれぞれ独立に選択される1つまたは2つの置換基でそれぞれ任意選択的に置換されており;特に、メチルおよびフルオロからなる群からそれぞれ独立に選択される1つまたは2つの置換基で任意選択的に置換されており;
R
2およびR
3は、同一でありかつ水素であり;
Aは、CHであり;
R
4は、水素またはフルオロであり;
R
5は、メトキシであり;
R
6は、OR
8であり;
R
8は、1個のモルホリニルで任意選択的に置換されたC
1〜
4アルキルであり;
具体的には、R
8は、メチルまたは
【化2】
である]
ならびに薬学的に許容される付加塩、およびその溶媒和物に関する。
【0052】
一実施態様において、本発明は、式(I)の新規な化合物、その互変異性体および立体異性体型、[式中、
R
1は、−Ar
1であり;
Ar
1は、フェニルまたはインドリルであり;特にフェニルまたはインドール−3−イルであり;C
1〜
4アルキルおよびハロからなる群からそれぞれ独立に選択される1つまたは2つの置換基でそれぞれ任意選択的に置換されており;特に、メチルおよびフルオロからなる群からそれぞれ独立に選択される1つまたは2つの置換基で任意選択的に置換されており;
R
2およびR
3は同一でありかつ水素であり;
Aは、CHであり;
R
4は、水素またはフルオロであり;
R
5は、メトキシであり;
R
6は、メトキシである]
ならびに薬学的に許容される付加塩、およびその溶媒和物に関する。
【0053】
一実施態様において、本発明は、式(I)の新規な化合物、その互変異性体および立体異性体型、[式中、
R
1は−Ar
1または−O−Ar
1であり;
Ar
1は、フェニル、ピリジニル、インダゾリル、ピラゾリル、インドリル、イミダゾリル、ベンズイミダゾリル、チエニル、ベンゾ[b]チエニル、ベンゾフラニル、1H−ピロロ[2,3−b]ピリジニル、イミダゾ[1,2−a]ピリジニル、1,3−ジヒドロ−1−オキソ−2H−イソインドリル、1,3−ジヒドロ−1,3−ジオキソ−2H−イソインドリルまたは2,3−ジヒドロ−2−オキソ−1H−ベンズイミダゾリルであり;C
1〜
4アルキル、C
1〜
4アルキルカルボニル、C
1〜
4アルキルオキシ、ハロ、Ar
2および1つまたは複数のハロ原子で置換されたC
1〜
4からなる群からそれぞれ独立に選択される1、2または3個の置換基でそれぞれ任意に置換されており;
Ar
2は、フェニル、チエニル、フラニル、イソキサゾリルまたはピラゾリルであり;1個のC
1〜
4アルキル基でそれぞれ任意選択的に置換されており;
R
2およびR
3は同一でありかつ水素またはフルオロであり;
Aは、CHまたはNであり;
R
4は、水素またはフルオロであり;
R
5は、水素、−OR
7または−O−(CH
2)
m−O−C
1〜
4アルキルであり;
R
6は、−OR
8または−O−(CH
2)
m−O−C
1〜
4アルキルであり;
またはR
5およびR
6は、一緒になって二価基−O−CH
2−O−を形成し;
mは、1、2、3または4であり;
R
7は、C
1〜
4アルキルであり;
R
8は、1個のNR
9bR
10bで任意選択的に置換されたC
1〜
4アルキルであり;
R
9bおよびR
10bは、それらが結合している窒素と一緒になってモルホリニルを形成する]
ならびに薬学的に許容される付加塩、およびその溶媒和物に関する。
【0054】
一実施態様において、本発明は、式(I)の新規な化合物、その互変異性体および立体異性体型、[式中、
R
1は、−Ar
1または−O−Ar
1であり;
Ar
1は、フェニル、2−ピリジニル、インダゾール−1−イル、インダゾール−3−イル、ピラゾール−3−イル、ピラゾール−5−イル、インドール−1−イル、インドール−2−イル、インドール−3−イル、イミダゾール−1−イル、ベンズイミダゾール−1−イル、2−チエニル、3−チエニル、ベンゾ[b]チエン−3−イル、3−ベンゾフラニル、1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル、イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル、1,3−ジヒドロ−1−オキソ−2H−イソインドール−2−イル、1,3−ジヒドロ−1,3−ジオキソ−2H−イソインドール−2−イルまたは2,3−ジヒドロ−2−オキソ−1H−ベンズイミダゾール−1−イルであり;メチル、メチルカルボニル、メトキシ、F、Br、Ar
2および1つまたは複数のF原子で置換されたC
1〜
4アルキルからなる群からそれぞれ独立に選択される1、2または3個の置換基でそれぞれ任意選択的に置換されており;
Ar
2は、フェニル、2−チエニル、3−チエニル、3−フラニル、4−イソキサゾリルまたはピラゾール−4−イルであり;1個のメチル基でそれぞれ任意選択的に置換されており;
R
2およびR
3は同一でありかつ水素またはフルオロであり;
Aは、CHまたはNであり;
R
4は、水素またはフルオロであり;
R
5は、水素、−OR
7または−O−(CH
2)
m−O−CH
3であり;
R
6は、−OR
8または−O−(CH
2)
m−O−CH
3であり;
またはR
5およびR
6は、一緒になって二価基−O−CH
2−O−を形成し;
mは、1、2、3または4であり;
R
7は、メチルであり;
R
8は、1個のNR
9bR
10bで任意選択的に置換されたメチルであり;
R
9bおよびR
10bは、それらが結合している窒素と一緒になってモルホリニルを形成する]
ならびに薬学的に許容される付加塩、およびその溶媒和物に関する。
【0055】
一実施態様において、本発明は、式(I)の化合物ならびに薬学的に許容される付加塩、およびその溶媒和物、または他の実施態様のいずれかに記載されている、そのいずれかの亜群に関し、ここでR
1は−Ar
1である。
【0056】
一実施態様において、本発明は、式(I)の化合物ならびに薬学的に許容される付加塩、およびその溶媒和物、または他の実施態様のいずれかに記載されている、そのいずれかの亜群に関し、式中、Ar
1は、他の実施態様のいずれかに明記されている通りそれぞれ任意選択的に置換されたフェニル、インドール−1−イルまたはインドール−3−イルである。
【0057】
一実施態様において、本発明は、式(I)の化合物ならびに薬学的に許容される付加塩、およびその溶媒和物、または他の実施態様のいずれかに記載されている、そのいずれかの亜群に関し、式中、R
1は−Ar
1であり、Ar
1は、他の実施態様のいずれかに明記されている通りそれぞれ任意選択的に置換されたフェニル、インドール−1−イルまたはインドール−3−イルである。
【0058】
一実施態様において、本発明は、式(I)の化合物ならびに薬学的に許容される付加塩、およびその溶媒和物、または他の実施態様のいずれかに記載されている、そのいずれかの亜群に関し、式中、R
1は−Ar
1であり;Ar
1は、他の実施態様のいずれかに明記されている通りそれぞれ任意選択的に置換されたフェニルまたはインドリルである。
【0059】
一実施態様において、本発明は、式(I)の化合物ならびに薬学的に許容される付加塩、およびその溶媒和物、または他の実施態様のいずれかに記載されている、そのいずれかの亜群に関し、式中R
9aおよびR
10aは、それぞれ独立に水素またはC
1〜
4アルキルであり;またはR
9aおよびR
10aは、それらが結合している窒素と一緒になってモルホリニルを形成する。
【0060】
実施態様において、本発明は、式(I)の化合物ならびに薬学的に許容される付加塩、およびその溶媒和物、または他の実施態様のいずれかに記載されている、そのいずれかの亜群に関し、式中R
9bおよびR
10bは、それぞれ独立に水素またはC
1〜
4アルキルであり;またはR
9bおよびR
10bは、それらが結合している窒素と一緒になってモルホリニルを形成する。
【0061】
一実施態様において、本発明は、式(I)の化合物ならびに薬学的に許容される付加塩、およびその溶媒和物、または他の実施態様のいずれかに記載されている、そのいずれかの亜群に関し、式中、R
1は−Ar
1であり;Ar
1は、フェニル、ピリジニル、インダゾリル、ピラゾリル、インドリル、イミダゾリル、ベンズイミダゾリル、チエニル、ベンゾ[b]チエニル、ベンゾフラニル、1H−ピロロ[2,3−b]ピリジニル、イミダゾ[1,2−a]ピリジニル、1,3−ジヒドロ−1−オキソ−2H−イソインドリル、1,3−ジヒドロ−1,3−ジオキソ−2H−イソインドリル、または2,3−ジヒドロ−2−オキソ−1H−ベンズイミダゾリルであり;C
1〜
4アルキル、C
1〜
4アルキルカルボニル、C
1〜
4アルキルオキシ、ハロ、Ar
2または1つまたは複数のハロ原子で置換されたC
1〜
4アルキルからなる群からそれぞれ独立に選択される1、2または3個の置換基でそれぞれ任意選択的に置換されている。
【0062】
一実施態様において、本発明は、式(I)の化合物ならびに薬学的に許容される付加塩、およびその溶媒和物、または他の実施態様のいずれかに記載されている、そのいずれかの亜群に関し、式中、R
1は−O−Ar
1または−NH−Ar
1であり;特に−O−Ar
1である。
【0063】
一実施態様において、本発明は、式(I)の化合物ならびに薬学的に許容される付加塩、およびその溶媒和物、または他の実施態様のいずれかに記載されている、そのいずれかの亜群に関し、式中、R
1は−NH−Ar
1である。
【0064】
一実施態様において、本発明は、式(I)の化合物ならびに薬学的に許容される付加塩、およびその溶媒和物、または他の実施態様のいずれかに記載されている、そのいずれかの亜群に関し、式中、Ar
1は、フェニル、ピリジニル、インダゾリル、ピラゾリル、インドリル、イミダゾリル、ベンズイミダゾリル、チエニル、ベンゾ[b]チエニル、ベンゾフラニル、1H−ピロロ[2,3−b]ピリジニル、イミダゾ[1,2−a]ピリジニル、1,3−ジヒドロ−1−オキソ−2H−イソインドリル、1,3−ジヒドロ−1,3−ジオキソ−2H−イソインドリル、または2,3−ジヒドロ−2−オキソ−1H−ベンズイミダゾリルであり;C
1〜
4アルキル、C
1〜
4アルキルカルボニル、C
1〜
4アルキルオキシ、ハロ、Ar
2または1つまたは複数のハロ原子で置換されたC
1〜
4アルキルからなる群からそれぞれ独立に選択される1、2または3個の置換基でそれぞれ任意選択的に置換されている。
【0065】
一実施態様において、本発明は、式(I)の化合物ならびに薬学的に許容される付加塩、およびその溶媒和物、または他の実施態様のいずれかに記載されている、そのいずれかの亜群に関し、式中、Ar
1は、フェニル、ピリジニル、インダゾリル、ピラゾリル、インドリル、ベンズイミダゾリル、チエニル、ベンゾ[b]チエニル、ベンゾフラニル、1H−ピロロ[2,3−b]ピリジニル、イミダゾ[1,2−a]ピリジニル、または2,3−ジヒドロ−2−オキソ−1H−ベンズイミダゾリルであり;C
1〜
4アルキル、C
1〜
4アルキルカルボニル、C
1〜
4アルキルオキシ、ハロ、Ar
2および1つまたは複数のハロ原子で置換されたC
1〜
4アルキルからなる群からそれぞれ独立に選択される1、2または3個の置換基でそれぞれ任意選択的に置換されている。
【0066】
一実施態様において、本発明は、式(I)の化合物ならびに薬学的に許容される付加塩、およびその溶媒和物、または他の実施態様のいずれかに記載されている、そのいずれかの亜群に関し、式中、Ar
1は、フェニル、インダゾリル、ピラゾリル、インドリル、チエニル、ベンゾ[b]チエニル、ベンゾフラニルまたはイミダゾ[1,2−a]ピリジニルであり;C
1〜
4アルキル、C
1〜
4アルキルカルボニル、C
1〜
4アルキルオキシ、ハロ、Ar
2および1つまたは複数のハロ原子で置換されたC
1〜
4アルキルからなる群からそれぞれ独立に選択される1、2または3個の置換基でそれぞれ任意選択的に置換されており;特に、C
1〜
4アルキル、ハロ、C
1〜
4アルキルオキシおよび1つまたは複数のハロ原子で置換されたC
1〜
4アルキルからなる群からそれぞれ独立に選択される1、2または3個の置換基でそれぞれ任意選択的に置換されている。
【0067】
一実施態様において、本発明は、式(I)の化合物ならびに薬学的に許容される付加塩、およびその溶媒和物、または他の実施態様のいずれかに記載されている、そのいずれかの亜群に関し、式中、Ar
1は、フェニル、ピリジニル、インダゾリル、ピラゾリル、インドリル、イミダゾリル、ベンズイミダゾリル、チエニル、ベンゾ[b]チエニル、ベンゾフラニル、1H−ピロロ[2,3−b]ピリジニル、イミダゾ[1,2−a]ピリジニル、1,3−ジヒドロ−1−オキソ−2H−イソインドリル、1,3−ジヒドロ−1,3−ジオキソ−2H−イソインドリル、または2,3−ジヒドロ−2−オキソ−1H−ベンズイミダゾリルであり;C
1〜
4アルキル、C
1〜
4アルキルカルボニル、C
1〜
4アルキルオキシ、ハロ、Ar
2および1つまたは複数のハロ原子で置換されたC
1〜
4アルキルからなる群からそれぞれ独立に選択される1、2または3個の置換基でそれぞれ任意選択的に置換されており;
但し、Ar
1がインダゾリル、インドリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾ[b]チエニル、ベンゾフラニル、1H−ピロロ[2,3−b]ピリジニル、イミダゾ[1,2−a]ピリジニル、1,3−ジヒドロ−1−オキソ−2H−イソインドリル、1,3−ジヒドロ−1,3−ジオキソ−2H−イソインドリル、または2,3−ジヒドロ−2−オキソ−1H−ベンズイミダゾリルであるとき、前記二環基は、5員環を有する分子の残りに結合している。
【0068】
一実施態様において、二環基インダゾリル、インドリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾ[b]チエニル、ベンゾフラニル、1H−ピロロ[2,3−b]ピリジニル、イミダゾ[1,2−a]ピリジニル、1,3−ジヒドロ−1−オキソ−2H−イソインドリル、1,3−ジヒドロ−1,3−ジオキソ−2H−イソインドリル、または2,3−ジヒドロ−2−オキソ−1H−ベンズイミダゾリルは、他の実施態様のいずれかのAr
1定義に存在するとき、それらの5員環を有する分子の残りに結合している。
【0069】
一実施態様において、本発明は、式(I)の化合物ならびに薬学的に許容される付加塩、およびその溶媒和物、または他の実施態様のいずれかに記載されている、そのいずれかの亜群に関し、式中Ar
1は、フェニル、ピリジニル、インダゾリル、インドール−1−イル、インドール−3−イル、チエニル、ベンゾ[b]チエニル、1H−ピロロ[2,3−b]ピリジニル、イミダゾ[1,2−a]ピリジニル、1,3−ジヒドロ−1−オキソ−2H−イソインドリル、または1,3−ジヒドロ−1,3−ジオキソ−2H−イソインドリルであり;C
1〜
4アルキル、C
1〜
4アルキルカルボニル、C
1〜
4アルキルオキシ、ハロ、Ar
2および1つまたは複数のハロ原子で置換されたC
1〜
4アルキルからなる群からそれぞれ独立に選択される1、2または3個の置換基でそれぞれ任意選択的に置換されており;
R
5は、−OR
7または−O−(CH
2)
m−O−R
7であり;
R
6は、−OR
8または−O−(CH
2)
m−O−R
8であり;
またはR
5およびR
6は、一緒になって二価基−O−CH
2−O−を形成する。
【0070】
一実施態様において、本発明は、式(I)の化合物ならびに薬学的に許容される付加塩、およびその溶媒和物、または他の実施態様のいずれかに記載されている、そのいずれかの亜群に関し、式中、
R
5は、−OR
7または−O−(CH
2)
m−O−R
7であり;
R
6は、−OR
8または−O−(CH
2)
m−O−R
8であり;
またはR
5およびR
6は、一緒になって二価基−O−CH
2−O−を形成する。
【0071】
一実施態様において、本発明は、式(I)の化合物ならびに薬学的に許容される付加塩、およびその溶媒和物、または他の実施態様のいずれかに記載されている、そのいずれかの亜群に関し、式中、
R
5は、−OR
7または−O−(CH
2)
m−O−R
7であり;
R
6は、−OR
8または−O−(CH
2)
m−O−R
8である。
【0072】
一実施態様において、本発明は、式(I)の化合物ならびに薬学的に許容される付加塩、およびその溶媒和物、または他の実施態様のいずれかに記載されている、そのいずれかの亜群に関し、式中、nは1である。
【0073】
一実施態様において、本発明は、式(I)の化合物ならびに薬学的に許容される付加塩、およびその溶媒和物、または他の実施態様のいずれかに記載されている、そのいずれかの亜群に関し、式中、R
4は水素である。
【0074】
一実施態様において、本発明は、式(I)の化合物ならびに薬学的に許容される付加塩、およびその溶媒和物、または他の実施態様のいずれかに記載されている、そのいずれかの亜群に関し、式中、R
4は水素またはフルオロであり;特にフルオロである。
【0075】
一実施態様において、本発明は、式(I)の化合物ならびに薬学的に許容される付加塩、およびその溶媒和物、または他の実施態様のいずれかに記載されている、そのいずれかの亜群に関し、式中、AはCHである。
【0076】
一実施態様において、本発明は、式(I)の化合物ならびに薬学的に許容される付加塩、およびその溶媒和物、または他の実施態様のいずれかに記載されている、そのいずれかの亜群に関し、式中、AはNである。
【0077】
一実施態様において、本発明は、式(I)の化合物ならびに薬学的に許容される付加塩、およびその溶媒和物、または他の実施態様のいずれかに記載されている、そのいずれかの亜群に関し、式中、R
2およびR
3は同一でありかつ水素である。
【0078】
一実施態様において、本発明は、式(I)の化合物ならびに薬学的に許容される付加塩、およびその溶媒和物、または他の実施態様のいずれかに記載されている、そのいずれかの亜群に関し、式中、R
2およびR
3は同一でありかつフルオロである。
【0079】
一実施態様において、本発明は、式(I)の化合物ならびに薬学的に許容される付加塩、およびその溶媒和物、または他の実施態様のいずれかに記載されている、そのいずれかの亜群に関し、式中、R
5およびR
6はメトキシである。
【0080】
一実施態様において、本発明は、式(I)の化合物ならびに薬学的に許容される付加塩、およびその溶媒和物、または他の実施態様のいずれかに記載されている、そのいずれかの亜群に関し、式中、R
5およびR
6は一緒になって二価基−O−(CH
2)
n−O−を形成はしない。
【0081】
一実施態様において、本発明は、式(I)の化合物ならびに薬学的に許容される付加塩、およびその溶媒和物、または他の実施態様のいずれかに記載されている、そのいずれかの亜群に関し、式中、
Ar
1は、フェニル、ピリジニル、インダゾリル、ピラゾリル、インドリル、ベンズイミダゾリル、チエニル、ベンゾ[b]チエニル、ベンゾフラニル、1H−ピロロ[2,3−b]ピリジニル、イミダゾ[1,2−a]ピリジニル、1,3−ジヒドロ−1−オキソ−2H−イソインドリル、1,3−ジヒドロ−1,3−ジオキソ−2H−イソインドリル、または2,3−ジヒドロ−2−オキソ−1H−ベンズイミダゾリルであり;C
1〜
4アルキル、C
1〜
4アルキルカルボニル、C
1〜
4アルキルキシ、ハロ、Ar
2および1つまたは複数のハロ置換基で置換されたC
1〜
4アルキルからなる群からそれぞれ独立に選択される1、2または3個の置換基でそれぞれ任意選択的に置換されており;
また式中、R
5およびR
6は一緒になって二価基−O−(CH
2)
n−O−を形成はしない。
【0082】
一実施態様において、本発明は、式(I)の化合物ならびに薬学的に許容される付加塩、およびその溶媒和物、または他の実施態様のいずれかに記載されている、そのいずれかの亜群に関し、式中、R
5はOR
7であり、R
6はOR
8である。
【0083】
一実施態様において、本発明は、式(I)の化合物ならびに薬学的に許容される付加塩、およびその溶媒和物、または他の実施態様のいずれかに記載されている、そのいずれかの亜群に関し、式中、
R
5は、OR
7であり;R
6はOR
8であり;
R
7は、C
1〜
4アルキル、具体的にはメチルであり;
R
8は、1個のモルホリニルで任意選択的に置換されたC
1〜
4アルキルであり;
具体的には、R
8は、メチルまたは
【化3】
である。
【0084】
一実施態様において、本発明は、式(I)の化合物ならびに薬学的に許容される付加塩、およびその溶媒和物、または他の実施態様のいずれかに記載されている、そのいずれかの亜群に関し、式中、
R
5は、水素、−OR
7または−O−(CH
2)
m−O−C
1〜
4アルキルであり;
R
6は、水素、−OR
8または−O−(CH
2)
m−O−C
1〜
4アルキルであり;
但し、R
5およびR
6の少なくとも1つは水素ではない。
【0085】
一実施態様において、本発明は、式(I)の化合物ならびに薬学的に許容される付加塩、およびその溶媒和物、または他の実施態様のいずれかに記載されている、そのいずれかの亜群に関し、式中、
R
7は、C
1〜
4アルキル、具体的にはメチルであり;
R
8は、C
1〜
4アルキル、具体的にはメチルである。
【0086】
一実施態様において、本発明は、式(I)の化合物ならびに薬学的に許容される付加塩、およびその溶媒和物、または他の実施態様のいずれかに記載されている、そのいずれかの亜群に関し、式中、Ar
1定義における以下の複素環基の1つまたは複数は、下記の通りである;
ピリジニルは2−ピリジニルであり;
インダゾリルはインダゾール−1−イルまたはインダゾール−3−イルであり;
ピラゾリルはピラゾール−3−イルまたはピラゾール−5−イルであり;
インドリルはインドール−1−イル、インドール−2−イルまたはインドール−3−イルであり;
イミダゾリルはイミダゾール−1−イルであり;
ベンズイミダゾリルはベンズイミダゾール−1−イルであり;
チエニルは2−チエニルまたは3−チエニルであり;
ベンゾ[b]チエニルはベンゾ[b]チエン−3−イルであり;
ベンゾフラニルは3−ベンゾフラニルであり;
1H−ピロロ[2,3−b]ピリジニルは1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イルであり;
イミダゾ[1,2−a]ピリジニルはイミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イルであり;
1,3−ジヒドロ−1−オキソ−2H−イソインドリルは1,3−ジヒドロ−1−オキソ−2H−イソインドール−2−イルであり;
1,3−ジヒドロ−1,3−ジオキソ−2H−イソインドリルは1,3−ジヒドロ−1,3−ジオキソ−2H−イソインドール−2−イルであり;
2,3−ジヒドロ−2−オキソ−1H−ベンズイミダゾリルは2,3−ジヒドロ−2−オキソ−1H−ベンズイミダゾール−1−イルであり;
当然のことながら、これらの複素環基のいずれかが、他の実施態様のいずれかに定義されている通りに置換されていてもよい。
【0087】
一実施態様において、本発明は、式(I)の化合物ならびに薬学的に許容される付加塩、およびその溶媒和物、または他の実施態様のいずれかに記載されている、そのいずれかの亜群に関し、式中、
Ar
1は、フェニル、2−ピリジニル、インダゾール−1−イル、インダゾール−3−イル、ピラゾール−3−イル、ピラゾール−5−イル、インドール−1−イル、インドール−2−イル、インドール−3−イル、イミダゾール−1−イル、ベンズイミダゾール−1−イル、2−チエニル、3−チエニル、ベンゾ[b]チエン−3−イル、3−ベンゾフラニル、1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル、イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル、1,3−ジヒドロ−1−オキソ−2H−イソインドール−2−イル、1,3−ジヒドロ−1,3−ジオキソ−2H−イソインドール−2−イルまたは2,3−ジヒドロ−2−オキソ−1H−ベンズイミダゾール−1−イルであり;
当然のことながら、これらの基のいずれかが、他の実施態様のいずれかに定義されている通りに置換されていてもよい。
【0088】
一実施態様において、本発明は、式(I)の化合物ならびに薬学的に許容される付加塩、およびその溶媒和物、または他の実施態様のいずれかに記載されている、そのいずれかの亜群に関し、式中、
Ar
1は、フェニル、2−ピリジニル、インダゾール−1−イル、インダゾール−3−イル、ピラゾール−3−イル、ピラゾール−5−イル、インドール−1−イル、インドール−2−イル、インドール−3−イル、ベンズイミダゾール−1−イル、2−チエニル、3−チエニル、ベンゾ[b]チエン−3−イル、3−ベンゾフラニル、1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル、イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル、1,3−ジヒドロ−1−オキソ−2H−イソインドール−2−イル、1,3−ジヒドロ−1,3−ジオキソ−2H−イソインドール−2−イルまたは2,3−ジヒドロ−2−オキソ−1H−ベンズイミダゾール−1−イルであり;
当然のことながら、これらの基のいずれかが、他の実施態様のいずれかに定義されている通りに置換されていてもよい。
【0089】
一実施態様において、本発明は、式(I)の化合物ならびに薬学的に許容される付加塩、およびその溶媒和物、または他の実施態様のいずれかに記載されている、そのいずれかの亜群に関し、式中、
Ar
1は、フェニル、インドール−1−イルまたはインドール−3−イル;特にインドール−1−イルまたはインドール−3−イルであり;さらに詳細にはインドール−3−イルであり;当然のことながら、これらの基のいずれかが、他の実施態様のいずれかに定義されている通りに置換されていてもよい。
【0090】
一実施態様において、本発明は、式(I)の化合物ならびに薬学的に許容される付加塩、およびその溶媒和物、または他の実施態様のいずれかに記載されている、そのいずれかの亜群に関し、式中、
Ar
1は、フェニル、インドール−1−イルまたはインドール−3−イル;特にインドール−1−イルまたはインドール−3−イルであり;さらに具体的にはインドール−3−イルであり;メチルおよびフルオロからなる群から選択される1個または2個の置換基でそれぞれ任意選択的に置換されている。
【0091】
一実施態様において、本発明は、式(I)の化合物ならびに薬学的に許容される付加塩、およびその溶媒和物、または他の実施態様のいずれかに記載されている、そのいずれかの亜群に関し、式中、
Ar
1は、フェニル、インダゾリル、インドリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾ[b]チエニル、ベンゾフラニル、1H−ピロロ[2,3−b]ピリジニルまたはイミダゾ[1,2−a]ピリジニルであり;C
1〜
4アルキル、C
1〜
4アルキルカルボニル、C
1〜
4アルキルオキシ、ハロおよび1、2または3個のハロ原子で置換されたC
1〜
4アルキルからなる群からそれぞれ独立に選択される1、2または3個の置換基でそれぞれ任意選択的に置換されている。
【0092】
一実施態様において、本発明は、式(I)の化合物ならびに薬学的に許容される付加塩、およびその溶媒和物、または他の実施態様のいずれかに記載されている、そのいずれかの亜群に関し、式中、
R
1は−Ar
1であり;Ar
1は、フェニル、インドール−1−イルまたはインドール−3−イル;特にインドール−1−イルまたはインドール−3−イルであり;より具体的にはインドール−3−イルであり;メチルおよびフルオロからなる群から選択される1個または2個の置換基でそれぞれ任意選択的に置換されている。
【0093】
一実施態様において、本発明は、式(I)の化合物ならびに薬学的に許容される付加塩、およびその溶媒和物、または他の実施態様のいずれかに記載されている、そのいずれかの亜群に関し、式中、
R
1は、−Ar
1であり;
Ar
1は、インドール−1−イルまたはインドール−3−イル、特にインドール−3−イルであって、メチル、フルオロおよびメトキシからなる群から選択される1個または2個の置換基でそれぞれ任意選択的に置換されている、特にメチルおよびフルオロからなる群から選択される1個または2個の置換基でそれぞれ任意選択的に置換されている。
【0094】
一実施態様において、本発明は、式(I)の化合物ならびに薬学的に許容される付加塩、およびその溶媒和物、または他の実施態様のいずれかに記載されている、そのいずれかの亜群に関し、式中、
R
1は、−Ar
1であり;Ar
1は、インドール−1−イルまたはインドール−3−イルであり;特にインドール−3−イルであり;メチルおよびフルオロからなる群から選択される1個または2個の置換基でそれぞれ置換されている。
【0095】
一実施態様において、本発明は、式(I)の化合物ならびに薬学的に許容される付加塩、およびその溶媒和物、または他の実施態様のいずれかに記載されている、そのいずれかの亜群に関し、式中、Ar
2定義における以下の複素環基の1つまたは複数は下記の通りである:
チエニルは、2−チエニルまたは3−チエニルであり;
フラニルは3−フラニルであり;
イソキサゾリルは4−イソキサゾリルであり;
ピラゾリルはピラゾール−4−イルであり;
当然のことながら、これらの複素環基のいずれかが、他の実施態様のいずれかに定義されている通りに置換されていてもよい。
【0096】
一実施態様において、本発明は、式(I)の化合物ならびに薬学的に許容される付加塩、およびその溶媒和物、または他の実施態様のいずれかに記載されている、そのいずれかの亜群に関し、式中、
Ar
2は、フェニル、2−チエニル、3−チエニル、3−フラニル、4−イソキサゾリルまたはピラゾール−4−イルであり;
当然のことながら、これらの基のいずれかが、他の実施態様のいずれかに定義されている通りに置換されていてもよい。
【0097】
一実施態様において、本発明は、式(I)の化合物ならびに薬学的に許容される付加塩、およびその溶媒和物、または他の実施態様のいずれかに記載されている、そのいずれかの亜群に関し、式中、
Ar
2は、フェニル、2−チエニル、3−チエニル、3−フラニル、4−イソキサゾリルまたはピラゾール−4−イルであり;
1個のメチル基でそれぞれ任意選択的に置換されている。
【0098】
一実施態様において、本発明は、式(I)の化合物ならびに薬学的に許容される付加塩、およびその溶媒和物、または他の実施態様のいずれかに記載されている、そのいずれかの亜群に関し、式中、
Ar
1は、他の実施態様のいずれかに定義されている通りであり、他の実施態様のいずれかに定義されている少なくとも1個、最多で3個の置換基で置換されている。
【0099】
本発明のもう一つの実施態様は、式(I)の化合物ならびに薬学的に許容される付加塩、およびその溶媒和物、または他の実施態様のいずれかに記載されている、そのいずれかの亜群に関し、式中、「1つまたは複数のハロ原子で置換されたC
1〜
4アルキル」という表現は、具体的には
「1、2または3個のハロ原子で置換されたC
1〜
4アルキル」;より具体的には「3個のハロ原子で置換されたC
1〜
4アルキル」;さらにより具体的には「3個のフルオロ原子で置換されたC
1〜
4アルキル」である。
【0100】
一実施態様において、式(I)の化合物は、
【化4】
【化5】
その互変異性体および立体異性体型、
ならびに薬学的に許容される付加塩、およびその溶媒和物からなる群から選択される。
【0101】
上記の実施態様のあらゆる可能な組み合わせは、本発明の範囲内に包まれると考えられる。
【0102】
化合物の調製
合成方法
本発明はまた、本発明の化合物、その中間体および亜群を調製するプロセスにも関する。本発明の式(I)の化合物は、市販であろうと、当業者に明白な標準方法で調製することができようと、適切な材料を使用して、以下のスキームおよび実施例の手順に従って調製することができ、また具体例によってさらに例証される。さらに、本明細書に含まれる開示内容と共に記述される手順を利用することによって、本明細書で権利が主張される本発明の追加的化合物を、当業者は容易に調製することができる。しかし、実施例に示されている化合物を、本発明として考えられる唯一の種類を形成すると解釈すべきではない。実施例は、本発明の化合物を調製するための詳細をさらに説明するものである。以下の調製手順の条件およびプロセスの既知の変形を使用して、これらの化合物を調製できることを、当業者は容易に理解するであろう。本発明の化合物はまた、有機化学技術における当業者によく使用される標準合成プロセスを使用して調製することもできる。最終生成物でこれらの官能基が望まれる場合、反応への不必要な関与を避けるために、下記の合成シーケンスのいずれかの間に、関係する中間体または分子上の感受性官能基または反応性の官能基(たとえば、ヒドロキシ、アミノ、チオまたはカルボキシ)を保護することが必要かつ/または望ましいことがある。標準的技術に従って、従来の保護基をそのために使用することができる。当該技術分野から公知の方法を使用して、都合のよい後段で保護基を除去することが可能である。あるいは、反応性官能基の存在下で、望ましくない副反応を回避するために、当業者は標準的な化学の知識に基づいて、全般的な反応条件の調整を考慮することが可能である。
【0103】
全反応時間を短縮するために、一部の反応では、従来の加熱の代わりにマイクロ波加熱を使用できることを、当業者は理解するであろう。
【0104】
幾つかの典型的な例の概略的な調製を以下に示す。全ての変数は、他の意味が述べられたり、文脈上別の意味が示されたりしない限り、本発明の範囲内で記載されるとおりに定義される。
【0105】
【化6】
方法Aでは、求核芳香族置換/脱保護/アミド結合形成シーケンスによって式(I)の化合物を調製し、キナゾリン骨格上に側鎖を組み立てることができる。適切に官能化されてBoc−保護された(「Boc」は、tert−ブチルオキシカルボニルを意味する)インドリニル部分またはアザインドリニル部分を、式(a−1)のキナゾリン誘導体と反応させることにより、キナゾリン骨格の4位からのハロゲン(特に塩素原子)の排除を経て、式(a−2)の中間体を調製することができる。反応は、適当な溶媒(たとえば
iPrOH(2−プロパノール)等)中、75℃〜115℃で1〜12時間、2つの構成要素を一緒に加熱することにより実施することが可能である。前記インドリニルまたはアザインドリニルとキナゾリン構成要素は、商業起源により得てもよく、本明細書に記載の通りに、または有機化学の標準手順によって、当業者により容易に調製することもできる。あるいは、式(a−2)のインドリニルまたはアザインドリニル中の窒素を、Boc−基の代わりに、たとえばC
1〜
4アルキルカルボニル等の保護基で、たとえばメチルカルボニルで、保護することもできる。式(a−3)の中間体は、酸性条件(たとえば、TFA、HCl)下、適当な溶媒(たとえばDCM;ジオキサン等)中で、その後のBoc−脱保護によって得ることができる。式(I)の化合物は、たとえばDMF(N,N−ジメチルホルムアミド)等の適当な溶媒中、室温〜90℃の温度で、たとえばHATU(1−[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]−1H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピリジン−1−イウム3−オキシドヘキサフルオロホスフェート)、TBTU(2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボラート等の標準カップリング試薬を使用して、XがOHであるかまたはClである式(ab)の中間体と、式(a−3)の脱保護インドリンまたはアザインドリンのアシル化反応によって、直接的な方法で(たとえば、塩基(たとえば
iPr
2NEt(ジイソプロピルエチルアミン)の存在下でのアミド結合形成による);または塩化アシルとの反応により、調製することができる。式(ab)の中間体は市販のものであってもよく、当業者に明白な標準方法で調製することもできる。
【0106】
【化7】
方法Bでは、最終工程として、式(a−1)のキナゾリン骨格上に組み立て済の側鎖(b−3)を導入することにより、式(I)の化合物を調製することができる。式(b−2)の中間体は、式(b−1)(商業起源かあるいは本明細書に記載の通りに、または有機化学の標準手順で調製されるかのいずれかで入手可能)の適切に官能化されたアミノ−インドリニルまたはアミノ−アザインドリニル部分と、XがOHまたはClである式(ab)の中間体とのアシル化反応によって(室温〜80℃の温度で、DMF等の溶媒中でHATU、TBTU等の標準カップリング試薬を使用し、塩基(たとえば
iPr
2NEt等)の存在下で、アミド結合形成により;または塩化アシルとの反応により)、直接的な方法で、調製することができる。式(b−1)の中間体は、前駆部分として保護またはマスキングされたアミノ官能基(たとえばニトロ)(NP
1P
2として表示されている)を有する。式(b−3)の中間体は、中間体(b−2)のアニリン部分の脱保護/アンマスキングによって(たとえば、水素雰囲気下、たとえばMeOHまたはEtOH/THF等の溶媒中、Pd/Cを用いた、ニトロ部分の還元によって)、調製することができる。式(I)の化合物は、キナゾリン誘導体の4位からのハロゲン(より具体的には塩素原子)の排除を経て、式(b−3)の中間体を、式(a−1)のキナゾリン誘導体と反応させることによって調製することができる。反応は、適当な溶媒(たとえば
iPrOH)中、75℃〜115℃で1〜12時間、2つの構成要素を一緒に加熱することにより実施することが可能である。式(a−1)の中間体は、商業起源であるか、あるいは本明細書に記載の通りに、または有機化学の標準手順によって、当業者により容易に調製できるかのいずれかである。
【0107】
【化8】
式(I)の化合物およびその任意の亜群は、当技術分野で公知の手順を使用して、式(I)のさらなる化合物およびその任意の亜群に変換され得る。方法Cでは、その後の修飾が、式(I)のさらなる化合物を生成できるように(たとえば、電子レンジ内、110℃〜125℃で5分間実施される、ハロゲン化アリール、たとえば臭化アリール等への、鈴木クロスカップリングによる;還元脱離)、適当に官能化されたR
1部分(*R
1)を用いて(方法Aまたは方法Bのいずれかを使用して)分子を組み立てることができる。
【0108】
【化9】

方法Dでは、スキーム4に図解されている、多様な(非限定的)合成法によって、非商業的な、一般式(d−4)または(d−6)のインドリン中間体またはアザインドリン中間体/出発物質(本明細書に記載の方法A、B、C)を調製することができる(PGは、たとえばBocまたはメチルカルボニル等の保護基を意味する)。このように、環化および究極的な後続の官能基操作(たとえば、Der Pharma Chemica 2010,2,378;Bioorganic&Medicinal Chemistry Letters 2007,17,5630;Tetrahedron 1999,55,1881;Organic Letters 2003,5,4943,Green Chemistry 2012,14,58,Journal of Organic Chemistry 2007,72,9364)によって、適切なアニリン(d−1)から(d−4)を調製することができ、ここでUはC−Rであり、RはHまたは発生期インドリン環/アザインドリン環の一方または両方の炭素原子のいずれかを含むアルキル鎖であり得る。あるいは、(d−4)は、脱保護によって(d−5)から入手できる。次に、(d−3)の窒化で(たとえば、国際公開第2009/130481号パンフレット)、または還元前の保護と好適な骨格(d−2)の還元によって(たとえば、Synthesis,2007,10,1509;国際公開第2012/069917号パンフレット;Synthesis 2005,15,2503;Bioorganic&Medicinal Chemistry Letters 2002,12,3105)(d−5)を調製することができる。前記インドール/アザインドール骨格(d−2)は、商業的に入手することができ、あるいは式(d−1)の中間体から出発して有機化学の標準手順によって当業者により調製され得(たとえば、Chem.Sci.2013,4,29;Organic Letters 2009,11,1357;Journal of Organic Chemistry 2010,75,11)、ここでUはC−Rであり、RはHまたは、発生期インドール/アザインドール環の一方または両方の炭素原子のいずれかを含むアルキル鎖であり得る。さらに、当業者に利用しやすい標準手順(たとえば、Heterocycles 1986,24,1667;国際公開第2004/009601号パンフレット;Organic Letters 2003,5,5023)で、*R
4を、適当なインドール/アザインドール骨格(d−2)上のR
4に変換することができる。同様に、アニリン部分の脱保護/アンマスキングを経て(d−5)から(d−6)を得ることができる。加えて、保護工程を経て(d−4)から(d−5)を調製することができ、また(d−4)は、還元により(d−2)から直接入手することができる。
【0109】
出発物質は、商業的に得ることができ、あるいは有機化学の標準手順によって当業者により調製され得る。このような出発物質の調製は、添付の非限定的実施例の中に記述されている。あるいは、必要な出発物質は、例示または引用されたものに類似した手順で得られ、有機化学者の通常の技術の範囲内である。
たとえば、キナゾリン(またはキナゾリン前駆物質)は、化学的に関連した化合物の調製に利用できることが知られている任意のプロセス(たとえば、国際公開第2003/051849号パンフレット;国際公開第2003/064399号パンフレット;Synthetic Communications 2012,42,341;J.Medicinal Chemistry 1989,32,847;Tetrahedron 2005,61,10153;Tetrahedron Letters 1980,21,3029;J.Heterocyclic Chemistry 2006,43,913)で調製することが可能である。4−アニリノキナゾリンの伝統的な調製方法は、適当な4−クロロキナゾリン中間体の構築および次いで、酸性媒体中または塩基性媒体中で、前記中間体を適当な置換されたアニリンと反応させることを含む(たとえば、欧州特許第0566226号明細書(1993);米国特許第5747498号明細書(1998))。あるいは、キナゾリン組み立ては、適当なホルムアミジン中間体の構築を経由してもよい(たとえば、Org.Proc.Res.Dev.2007,11,813)。
【0110】
全てのこれらの調製で、反応生成物を反応媒体から単離することが可能であり、また必要に応じて、例えば、抽出、結晶化、研和およびクロマトグラフィー等の技術分野で一般に知られている方法に従って、さらに精製することが可能である。
【0111】
薬理
本発明の化合物は、PERKキナーゼ活性を阻害することが判明している。
【0112】
したがって、本発明の化合物およびその組成物は、癌、特に分泌癌タイプ、糖尿病(たとえばI型糖尿病)、肥満、眼疾患、卒中、心筋梗塞、心血管疾患、アテローム性動脈硬化症、不整脈、ウイルス感染症および炎症性疾患、および神経変性疾患(たとえば筋萎縮性側索硬化症、プリオン関連疾患、ハンチントン病、アルツハイマー病およびパーキンソン病等)、等々の治療または予防における、特に治療における使用に有用な可能性があり:特に、癌、特に分泌癌タイプ、糖尿病、肥満、ウイルス感染症および炎症性疾患、および神経変性疾患(たとえば筋萎縮性側索硬化症、プリオン関連疾患、ハンチントン病、アルツハイマー病およびパーキンソン病等)、等々の治療または予防における、特に治療における使用に有用な可能性があり:より具体的には、癌の、治療または予防における、特に治療における、使用に有用な可能性があり;さらにより具体的には、分泌癌タイプの、治療または予防における、特に治療における使用に、有用な可能性がある。
【0113】
したがって、本発明の化合物およびその組成物は、癌、特に分泌癌タイプの、治療または予防における、特に治療における、使用に有用な可能性がある。
【0114】
一実施態様において、本発明の化合物およびその組成物は、多発性骨髄腫、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、B−細胞リンパ腫(たとえば、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、慢性リンパ球性白血病、マントル細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、有毛細胞白血病)、インスリノーマ;特に多発性骨髄腫、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、インスリノーマの治療または予防における、特に治療における、使用に有用な可能性がある。
【0115】
一実施態様において、本発明の化合物およびその組成物は、多発性骨髄腫、B−細胞リンパ腫(たとえば、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、慢性リンパ球性白血病、マントル細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、有毛細胞白血病)、インスリノーマ;特に多発性骨髄腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、インスリノーマの治療または予防における、特に治療における、使用に有用な可能性がある。
【0116】
本発明は、薬剤として使用するための、式(I)の化合物ならびに薬学的に許容される付加塩、およびその溶媒和物に関する。
【0117】
本発明はまた、PERKキナーゼ活性の阻害で使用するための式(I)の化合物ならびに薬学的に許容される付加塩、およびその溶媒和物にも関する。
【0118】
本発明の化合物は、抗血管新生活性を有する可能性がある。
【0119】
本発明はまた、抗血管新生療法で使用するための式(I)の化合物ならびに薬学的に許容される付加塩、およびその溶媒和物にも関する。
【0120】
本発明はまた、分泌癌タイプの、治療または予防における、特に治療における使用のための、式(I)の化合物ならびに薬学的に許容される付加塩、およびその溶媒和物にも関する。
【0121】
本発明はまた、多発性骨髄腫、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、B−細胞リンパ腫(たとえば、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、慢性リンパ球性白血病、マントル細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、有毛細胞白血病)、インスリノーマ;
特に、多発性骨髄腫、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、インスリノーマ;の、治療または予防における、特に治療における使用のための、式(I)の化合物ならびに薬学的に許容される付加塩、およびその溶媒和物にも関する。
【0122】
本発明はまた、癌、特に分泌癌タイプ、糖尿病(たとえばI型糖尿病)、肥満、眼疾患、卒中、心筋梗塞、心血管疾患、アテローム性動脈硬化症、不整脈、ウイルス感染症および炎症性疾患、ならびに神経変性疾患(たとえば筋萎縮性側索硬化症、プリオン関連疾患、ハンチントン病、アルツハイマー病およびパーキンソン病等)、等々からなる群から選択される疾病または状態の、治療または予防における、特に治療における使用のための、式(I)の化合物ならびに薬学的に許容される付加塩、およびその溶媒和物にも関する。
【0123】
本発明はまた、神経変性疾患たとえば筋萎縮性側索硬化症、プリオン関連疾患、ハンチントン病、アルツハイマー病、パーキンソン病、びまん性レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症、混合蛋白質病理(たとえばタウ、アミロイドおよびアルファシヌクレイン)を伴う認知症等々からなる群から選択される疾病または状態の、治療または予防における、特に治療における使用のための、式(I)の化合物ならびに薬学的に許容される付加塩、およびその溶媒和物にも関する。
【0124】
本発明はまた、神経変性疾患、たとえば筋萎縮性側索硬化症、プリオン関連疾患、ハンチントン病、アルツハイマー型痴呆(アルツハイマー病、アルツハイマー型の老年性痴呆)、ダウン症、記憶障害、軽度認知障害(MCI)、アミロイドーシスを伴うオランダ型遺伝性脳出血、脳アミロイド血管症、その他の変性型認知症、血管変性混合型認知症、パーキンソン病に関連した認知症、進行性核上麻痺に関連した認知症、大脳皮質基底核変性症に関連した認知症、加齢黄斑変性、アミロイド血管症、パーキンソン病、びまん性レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症、混合蛋白質型病理(たとえばタウ、アミロイドおよびアルファシヌクレイン)を伴う認知症、嗜銀顆粒性認知症、クロイツフェルト・ヤコブ病、ボクサー認知症、石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病、ゲルストマン・ストロイスラー・シャインカー病、ハラーホルデン・スパッツ病、筋緊張性ジストロフィ、ニーマン・ピック病(C型)、神経原線維変化を伴う非グアム型運動ニューロン疾患、ピック病、脳炎後パーキンソン病、進行性皮質下グリオーシス、進行性核上麻痺、亜急性硬化性全脳炎、神経原線維型老年認知症、認知障害、低酸素症、脳虚血(brain ischemia、cerebral ischemia)、外科的認知症、膠芽腫または多形性膠芽腫(GBM)、外傷性脳損傷(TBI)、慢性脳症、頭部外傷、ボクサー認知症、またはケモブレイン(CB)等々からなる群から選択される疾病または状態の治療または予防における、特に治療における使用のための、式(I)の化合物ならびに薬学的に許容される付加塩、およびその溶媒和物にも関する。
【0125】
一実施態様において、前記疾病または状態は、癌、特に分泌癌タイプである。
【0126】
一実施態様において、前記疾病または状態は、多発性骨髄腫、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、B−細胞リンパ腫(たとえば、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、慢性リンパ球性白血病、マントル細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、有毛細胞白血病)、インスリノーマ;特に多発性骨髄腫、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、インスリノーマである。
【0127】
一実施態様において、前記疾病または状態は、血液癌である。
【0128】
一実施態様において、前記疾病または状態は、多発性骨髄腫、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、またはB−細胞リンパ腫(たとえば、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、慢性リンパ球性白血病、マントル細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、有毛細胞白血病);特に多発性骨髄腫またはB−細胞リンパ腫(たとえば、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、慢性リンパ球性白血病、マントル細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、有毛細胞白血病)である。
【0129】
一実施態様において、前記疾病または状態は、多発性骨髄腫またはB−細胞リンパ腫(たとえば、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、慢性リンパ球性白血病、マントル細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、有毛細胞白血病)である。
【0130】
一実施態様において、前記疾病または状態は、インスリノーマである。
【0131】
一実施態様において、前記疾病または状態は、多発性骨髄腫である。
【0132】
一実施態様において、前記疾病または状態は、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症である。
【0133】
一実施態様において、前記疾病または状態は、B−細胞リンパ腫(たとえばびまん性大細胞型B細胞リンパ腫、慢性リンパ球性白血病、マントル細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、有毛細胞白血病)である。
【0134】
一実施態様において、前記疾病または状態は、分泌性B−細胞リンパ腫である。
【0135】
一実施態様において、前記疾病または状態は、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、慢性リンパ球性白血病、マントル細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、有毛細胞白血病である。
【0136】
一実施態様において、前記疾病または状態は、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫である。
【0137】
一実施態様において、前記疾病または状態は、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫である。
【0138】
本発明の化合物は「抗癌剤」であることもあり、この用語は「抗腫瘍細胞増殖剤」および「抗新生物剤」も含む。たとえば、本発明の方法は、たとえばACTH産生腫瘍、急性リンパ球性白血病、急性非リンパ球性白血病、副腎皮質の癌、膀胱癌、結腸癌、脳腫瘍、乳癌、子宮頸癌、慢性骨髄性白血病、大腸癌、皮膚T細胞性リンパ腫、子宮内膜癌、食道癌、ユーイング肉腫胆嚢癌、頭頚部癌、ホジキンリンパ腫、カポジ肉腫、腎臓癌、肝癌、肺癌(小細胞性および/または非小細胞性)、悪性腹水、悪性胸水、黒色腫、中皮腫、多発性骨髄腫、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、B−細胞リンパ腫(たとえば、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、慢性リンパ球性白血病、マントル細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、有毛細胞白血病)、インスリノーマ、神経芽細胞腫、骨肉腫、卵巣癌、卵巣(生殖細胞)癌、前立腺癌、膵癌、陰茎癌、網膜芽細胞腫、皮膚癌、軟部肉腫、扁平上皮癌、胃癌、精巣癌、甲状腺癌、絨毛性新生物、子宮癌、膣癌、外陰癌およびウィルムス腫瘍等の、癌において、癌の治療ならびに腫瘍細胞を化学療法増感および/または放射線増感するのに有用な可能性がある。
【0139】
分泌癌タイプは、高率の蛋白質分泌(たとえば免疫グロブリンやホルモン類)を特徴とする癌である;これらの癌細胞は、広範囲に発現した小胞体を特徴とする。
【0140】
本発明はまた、前記疾病の治療で使用するための、式(I)の化合物ならびに薬学的に許容される付加塩、およびその溶媒和物にも関する。
【0141】
本発明はまた、前記疾病の、治療または予防のため、特に治療のための、式(I)の化合物ならびに薬学的に許容される付加塩、およびその溶媒和物にも関する。
【0142】
本発明はまた、PERK介在性疾病または状態の治療または予防のための、特に治療における、式(I)の化合物ならびに薬学的に許容される付加塩、およびその溶媒和物にも関する。
【0143】
本発明はまた、薬剤製造のための、式(I)の化合物ならびに薬学的に許容される付加塩、およびその溶媒和物の使用にも関する。
【0144】
本発明はまた、PERK阻害のための薬剤を製造するための、式(I)の化合物ならびに薬学的に許容される付加塩、およびその溶媒和物の使用にも関する。
【0145】
本発明はまた、前述の疾病状態のいずれか1つの治療または予防のため、特に治療のための、薬剤を製造するための、式(I)の化合物ならびに薬学的に許容される付加塩、およびその溶媒和物の使用にも関する。
【0146】
本発明は、前述の疾病状態のいずれか1つを治療する医薬品を製造するための、一般式(I)の化合物、ならびに薬学的に許容される付加塩、およびその溶媒和物の使用にも関する。
【0147】
式(I)の化合物ならびに薬学的に許容される付加塩、およびその溶媒和物は、前述の疾病のいずれか1つを治療または予防するために、哺乳動物、好ましくはヒトに投与することができる。
【0148】
式(I)の化合物ならびに薬学的に許容される付加塩、およびその溶媒和物の有用性を考えると、前述の疾病のいずれか1つに罹患している、ヒトを含む温血動物の治療方法、またはヒトを含む温血動物が前述の疾病のいずれか1つに罹患するのを予防する方法が提供される。
【0149】
前記方法は、有効量の式(I)の化合物ならびに薬学的に許容される付加塩、およびその溶媒和物を、ヒトを含む温血動物に投与すること、すなわち全身投与または局所投与、好ましくは経口投与することを含む。
【0150】
そのような疾病の治療における熟練者であれば、以下に示す試験結果から有効な治療1日量を決定できるであろう。有効な治療1日量は、約0.005mg/kg〜50mg/kg、具体的には0.01mg/kg〜50mg/kg体重、より具体的には0.01mg/kg〜25mg/kg体重、好ましくは約0.01mg/kg〜約15mg/kg、より好ましくは約0.01mg/kg〜約10mg/kg、さらにより好ましくは約
0.01mg/kg〜約1mg/kg、最も好ましくは約0.05mg/kg〜約1mg/kg体重になるであろう。治療効果を達成するために必要な、ここで有効成分とも呼ばれる本発明による化合物の量は、当然、個別的に、たとえば個々の化合物、投与経路、レシピエントの年齢および状態、治療される個々の障害または疾病によって変化するであろう。
【0151】
治療方法は、1日に1〜4回摂取する投薬計画で有効成分を投与することも含んでもよい。これらの治療方法で、本発明による化合物は、好ましくは投与前に製剤化される。本明細書で下記に記載するように、好適な医薬製剤は、周知の容易に入手可能な成分を使用して、既知の手順で調製される。
【0152】
癌または癌関連の状態を治療または予防するのに好適となり得る本発明の化合物は、単独で投与してもよく、1つまたは複数の追加的治療薬と併用投与してもよい。併用療法は、式(I)の化合物、薬学的に許容される付加塩、またはその溶媒和物、および1つまたは複数の追加的治療薬を含有する単一医薬品投与製剤の投与、ならびに式(I)の化合物、薬学的に許容される付加塩、またはその溶媒和物、および独自の別個の医薬品投与製剤における各追加的治療薬の投与を含む。たとえば、式(I)の化合物、薬学的に許容される付加塩、またはその溶媒和物、および治療薬は、患者に、たとえば錠剤またはカプセル剤等の単一経口投与組成物で一緒に投与してもよく、各薬剤を別個の経口投与製剤で投与してもよい。
【0153】
有効成分を単独で投与することは可能であるが、医薬組成物としてそれを提供することが好ましい。
【0154】
したがって、本発明はさらに、薬学的に許容される担体、および有効成分として、治療有効量の式(I)による化合物、薬学的に許容されるその付加塩または溶媒和物を含む医薬組成物を提供する。
【0155】
担体または希釈剤は、組成物の他の成分と混合可能であり、そのレシピエントに有害でないという意味で、「許容される」ものでなければならない。
【0156】
投与を容易にするために、対象化合物を投与するための様々な剤形に製剤化することができる。本発明による化合物、特に式(I)の化合物ならびに薬学的に許容される付加塩、およびその溶媒和物、あるいはそのいずれかの亜群または組み合わせは、投与のための様々な剤形に製剤化することが可能である。適切な組成物として、全身投与薬物に通常使用される全ての組成物を挙げることが可能である。
【0157】
本発明の医薬組成物を調製するために、有効成分としての有効量の特定の化合物は、薬学的に許容される担体との混和物で組み込まれるが、その担体は、投与に望ましい剤形に応じて、多種多様な形態をとることが可能である。これらの医薬組成物は、特に、経口投与、直腸内投与、経皮投与、非経口注射による投与または吸入による投与に好適な単位剤形であることが望ましい。例えば、経口剤形の組成物を調製する際に、懸濁剤、シロップ剤、エリキシル剤、乳剤および溶液剤などの経口液体製剤の場合には、例えば、水、グリコール、油、アルコールなどの通常の医薬媒体のいずれかを使用することができ、または散剤、丸剤、カプセル剤および錠剤の場合には、デンプン、糖、カオリン、希釈剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤などの固体担体を使用することができる。投与が容易であるため、錠剤およびカプセル剤は最も有利な経口単位剤形となり、その場合、固体医薬担体が当然使用される。非経口組成物の場合、担体は、例えば溶解性を補助する他の成分を含み得るが、通常、少なくとも大部分、無菌水を含む。例えば、担体が生理食塩水溶液、ブドウ糖溶液、または生理食塩水とブドウ糖溶液との混合物を含む注射用溶液が調製され得る。例えば、担体が生理食塩水溶液、ブドウ糖溶液、または生理食塩水とブドウ糖溶液との混合物を含む注射液が調製され得る。式(I)の化合物、薬学的に許容される付加塩、またはその溶媒和物を含有する注射液は、持続性作用のために油中で製剤することが可能である。この目的に適切な油は、例えば、落花生油、ゴマ油、綿実油、トウモロコシ油、大豆油、長鎖脂肪酸の合成グリセロールエステル、およびこれらと他の油との混合物である。注射縣濁液を調製することもでき、その場合、適切な液体担体、懸濁化剤などを使用してもよい。使用直前に液体形態製剤に変換することが意図される固体形態製剤も含まれる。経皮投与に好適な組成物において、担体は、任意の性質の好適な添加剤を低率で任意選択的に組み合わせた、浸透促進剤および/または好適な湿潤剤を任意選択的に含むが、これらの添加剤は、重大な有害作用を皮膚にもたらさない。前記添加剤は、皮膚への投与を容易にすることができ、かつ/または所望の組成物の調製に有用となり得る。これらの組成物は、様々な方法で、例えば、経皮貼付剤として、スポットオン剤(spot−on)として、軟膏剤として投与され得る。式(I)の化合物の酸付加塩または塩基付加塩は、対応する塩基または酸の形態と比較して水に対する溶解性が高いため、より水性組成物の調製に好適である。
【0158】
投与を容易にし、投与量を均一にするために、前述した医薬組成物を、単位剤形に製剤化することが特に有利である。本明細書で使用する単位剤形とは、単位投与量として好適な物理的に個別の単位を指し、各単位は、必要な医薬キャリアと共同して所望の治療効果を生じるよう計算された所定量の有効成分を含有する。そのような単位剤形の例としては、錠剤(分割錠剤またはコーティング錠剤を含む)、カプセル剤、丸剤、粉末パケット、ウエハー、坐剤、注射液、または懸濁剤など、およびそれらを複数に分割したものがある。
【0159】
医薬組成物中の、式(I)の化合物ならびに薬学的に許容される付加塩、およびその溶媒和物の溶解性および/または安定性を高めるために、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリンもしくはγ−シクロデキストリンまたはこれらの誘導体、特に、ヒドロキシアルキル置換シクロデキストリン、例えば2−−ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンまたはスルホブチル−β−シクロデキストリンを使用することが有利であり得る。アルコールなどの補助溶媒も、医薬組成物中の本発明による化合物の溶解性および/または安定性を改善する場合がある。
【0160】
投与方法に応じて、医薬組成物は好ましくは、式(I)の化合物、薬学的に許容される付加塩、またはその溶媒和物を、好ましくは0.05〜99重量%、より好ましくは0.1〜70重量%、さらにより好ましくは0.1〜50重量%と、薬学的に許容される担体を1〜99.95重量%、より好ましくは30〜99.9重量%、さらにより好ましくは50〜99.9重量%含むことになり、パーセンテージは全て組成物の総重量に基づく。
【0161】
本発明の別の態様として、特薬剤として使用するために、より具体的には癌または関連疾病に治療で使用するために、本発明の化合物と別の抗癌剤との組み合わせが想定される。
【0162】
上記の状態を治療するために、本発明の化合物は、1つまたは複数の他剤と組み合わせて、より具体的には、他の抗癌剤または化学療法および放射線治療を含む癌治療における補助剤と組み合わせて、有利に使用することが可能である。抗癌剤または補助剤(治療における支持剤)としては下記のものが挙げられるが、その限りではない:
−アミホスチン、カルボプラチンまたはオキサリプラチンと任意選択的に組み合わせた、白金配位化合物、たとえばシスプラチン;
−タキサン化合物、たとえばパクリタキセル、パクリタキセル蛋白質結合粒子(Abraxane
TM)またはドセタキセル;
−カンプトテシン化合物等のトポイソメラーゼI阻害剤、たとえばイリノテカン、SN−38、トポテカン、トポテカンhcl;
−抗腫瘍性エピポドフィロトキシンまたはポドフィロトキシン誘導体等のトポイソメラーゼII阻害剤、たとえばエトポシド、リン酸エトポシドまたはテニポシド;
−抗腫瘍性ビンカアルカロイド、たとえばビンブラスチン、ビンクリスチンまたはビノレルビン;
−抗腫瘍性ヌクレオシド誘導体、たとえば5−フルオロウラシル、ロイコボリン、ゲムシタビン、ゲムシタビンhcl、カペシタビン、クラドリビン、フルダラビン、ネララビン;
−ナイトロジェンマスタードまたはニトロソウレア等のアルキル化剤、たとえばメスナ、ピポブロマン、プロカルバジン、ストレプトゾシン、テロゾロミド、ウラシルと任意選択的に組み合わせたシクロホスファミド、クロランブシル、カルムスチン、チオテパ、メファラン(メルファラン)、ロムスチン、アルトレタミン、ブスルファン、ダカルバジン、エストラムスチン、イホスファミド;
−抗腫瘍性アントラサイクリン誘導体、たとえばデクスラゾキサン、ドキシル、イダルビシン、ミトキサントロン、エピルビシン、エピルビシンhcl、バルルビシンと任意選択的に組み合わせたダウノルビシン、ドキソルビシン;
−IGF−1受容体を標的とする分子、たとえばピクロポドフィリン;
−テトラカルシン誘導体、たとえばテトロカルシンA;
−グルココルチコイドたとえばプレドニゾン;
−抗体、たとえばトラスツズマブ(HER2抗体)、リツキシマブ(CD20抗体)、ゲムツズマブ、ゲムツズマブ・オゾガマイシン、セツキシマブ、ペルツズマブ、ベバシズマブ、アレムツズマブ、エクリズマブ、イブリツモマブ・チウキセタン、ノフェツモマブ、パニツムマブ、トシツモマブ、CNTO 328;
−エストロゲン受容体アンタゴニストまたは選択的エストロゲン受容体調節剤あるいはエストロゲン合成の阻害剤、たとえばタモキシフェン、フルベストラント、トレミフェン、ドロロキシフェン、フェソロデックス、ラロキシフェンまたはレトロゾール;
−エキセメスタン、アナストロゾール、レトラゾール、テストラクトンおよびボロゾール等の、アロマターゼ阻害剤;
−レチノイド、ビタミンDまたはレチノイン酸等の分化剤およびレチノイン酸代謝遮断剤(RAMBA)、たとえばアキュテイン;
−DNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤、たとえばアザシチジンまたはデシタビン;
−抗葉酸剤、たとえばペメトレキセド二ナトリウム;
−抗生物質、たとえばアンチノマイシンD、ブレオマイシン、マイトマイシンC、ダクチノマイシン、カルミノマイシン、ダウノマイシン、レバミソール、プリカマイシン、ミトラマイシン;
−代謝拮抗薬、たとえばクロファラビン、アミノプテリン、シトシンアラビノシドまたはメトトレキサート、アザシチジン、シタラビン、フロクスウリジン、ペントスタチン、チオグアニン;
−Bcl−2阻害剤等のアポトーシス誘導剤および抗血管新生薬、たとえばYC137、BH312、ABT737、ゴシポール、HA14−1、TW37またはデカン酸;
−チューブリン結合剤、たとえばコンブレスタチン、コルヒチンまたはノコダゾール;
−キナーゼ阻害剤(たとえばEGFR(上皮成長因子受容体)阻害剤、MTKI(マルチターゲットキナーゼ阻害薬)、mTOR阻害剤)たとえばフラボペリドール、メシル酸イマチニブ、エルロチニブ、ゲフィチニブ、ダサチニブ、ラパチニブ、トシル酸ラパチニブ、ソラフェニブ、スニチニブ、マレイン酸スニチニブ、テムシロリムス;またはブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤、たとえばイブルチニブ;
−ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤、たとえばチピファルニブ;
−ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)阻害剤、たとえば酪酸ナトリウム、スベロイルアニリドヒドロキサミド酸(SAHA)、デプシペプチド(FR 901228)、NVP−LAQ824、R306465、JNJ−26481585、トリコスタチンA、ボリノスタット;
−ユビキチン・プロテアソーム経路の阻害剤、たとえばカルフィルゾミブ、PS−341,MLN.41またはボルテゾミブ;
−ヨンデリス(Yondelis);
−テロメラーゼ阻害剤、たとえばテロメスタチン;
−マトリックスメタロプロテアーゼ阻害剤、たとえばバチマスタット、マリマスタット、プリノスタットまたはメタスタット。
−組換インターロイキン、たとえばアルデスロイキン、デニロイキンジフチトクス、インターフェロンα2a、インターフェロンα2b、ペグインターフェロンα2b
−MAPK阻害剤
−レチノイド類、たとえばアリトレチノイン、ベキサロテン、トレチノイン
−三酸化ヒ素
−アスパラギナーゼ
−ステロイド類、たとえばプロピオン酸ドロモスタノロン、酢酸メゲストロール、ナンドロロン(ドカノエート、フェンプロピオネート)、デキサメタゾン
−ゴナドトロピン放出ホルモン作動薬または拮抗薬、たとえばアバレリックス、酢酸ゴセレリン、酢酸ヒストレリン、酢酸リュープロリド
−サリドマイド、レナリドマイド
−メルカプトプリン、ミトタン、パミドロネート、ペガデマーゼ、ペグアスパラガーゼ、ラスブリカーゼ
−BH3模倣物、たとえばABT−737
−MEK阻害剤、たとえばPD98059、AZD6244、CI−1040
−コロニー刺激因子類似物、たとえばフィルグラスチム、ペグフィルグラスチム、サルグラモスチム;エリスロポエチンまたはその類似物(たとえばダルベポエチンアルファ);インターロイキン11;オプレルベキン;ゾレドロネート、ゾレドロン酸;フェンタニール;ビスホスホネート;パリフェルミン。
−ステロイド性チトクロームP450 17α−ヒドロキシラーゼ−17、20−リアーゼ阻害剤(CYP17)、たとえばアビラテロン、酢酸アビラテロン。
【0163】
本発明はさらに、癌に罹患している患者の治療において、同時に、別々に、または逐次的に使用するための組み合わせ製剤として、第一の有効成分として本発明による化合物を、またさらなる有効成分として1つまたは複数の抗癌剤を含有する製品に関する。
【0164】
1つまたは複数の他剤および本発明による化合物は、同時に(たとえば、別個の組成物または単位組成物で)投与されてもよく、どちらの順序で投与されてもよい。後者の場合、有益な効果または相乗効果が得られることを保証するのに十分な期間および量および方法で、2種以上の化合物が投与される。好ましい投与方法および投与順序ならびに組み合わせの各成分のそれぞれの投薬量および投薬計画は、投与される個々の他剤および本発明の化合物、それらの投与経路、治療される個々の腫瘍および治療される個々の宿主によって異なることは理解されよう。最適な投与方法および投与順序、投薬量量および投薬計画は、本明細書に記載の情報を考慮すれば、従来の方法を使用して、当業者により容易に決定され得る。
組み合わせとして与えられるとき、本発明による化合物と1つまたは複数の他の抗癌剤との重量比は、当業者により決定され得る。前記比率および正確な投薬量および投与頻度は、当業者に周知な通り、使用する本発明による個々の化合物および他の抗癌剤、治療される個々の状態、治療される状態の重症度、個々の患者の年齢、体重、性別、食事、投与時期および全身の健康状態、投与方法ならびに個々人が受けている可能性がある他の治療によって異なる。さらに、治療される対象者の応答に応じて、かつ/または本発明の化合物を処方する医師の評価に応じて、有効な1日量を低減または増加できることは明白である。式(I)の本化合物と別の抗癌剤との具体的な重量比は、1/10〜10/1、より具体的には1/5〜5/1、さらにより具体的には1/3〜3/1であってもよい。
【0165】
白金配位化合物は、一連の治療ごとに、体表面積1平方メートル当たり1〜500mg(mg/m
2)、たとえば50〜400mg/m
2の投薬量、特にシスプラチンでは約75mg/m
2の投薬量、カルボプラチンでは約300mg/m
2の投薬量で、有利に投与される。
【0166】
タキサン化合物は、一連の治療ごとに、体表面積1平方メートル当たり50〜400(mg/m
2)、たとえば75〜250mg/m
2の投薬量で、特にパクリタキセルでは約175〜250mg/m
2の投薬量、ドセタキセルでは約75〜150mg/m
2の投薬量で、有利に投与される。
【0167】
カンプトテシン化合物は、
一連の治療ごとに、体表面積1平方メートル当たり0.1〜400mg(mg/m
2)、たとえば1〜300g/m
2の投薬量で、特にイリノテカンでは約100〜350mg/m
2の投薬量、トポテカンでは約1〜2mg/m
2の投薬量で、有利に投与される。
【0168】
抗腫瘍ポドフィロトキシン誘導体は、一連の治療ごとに、体表面積1平方メートル当たり30〜300mg(mg/m
2)、たとえば50〜250mg/m
2の投薬量で、特にエトポシドでは約35〜100mg/m
2の投薬量、テニポシドでは約50〜250mg/m
2の投薬量で、有利に投与される。
【0169】
抗腫瘍ビンカアルカロイドは、
一連の治療ごとに、体表面積1平方メートル当たり2〜30mg(mg/m
2)の投薬量で、特にビンブラスチンでは約3〜12mg/m
2の投薬量で;ビンクリスチンでは約1〜2mg/m
2の投薬量で;ビノレルビンでは約10〜30mg/m
2の投薬量で、有利に投与される。
【0170】
抗腫瘍ヌクレオシド誘導体は、一連の治療ごとに、体表面積1平方メートル当たり200〜2500mg(mg/m
2)、たとえば700〜1500mg/m
2の投薬量で、特に5−FUでは200〜500mg/m
2の投薬量で、ゲムシタビンでは約800〜1200mg/m
2の投薬量で、カペシタビンでは約1000〜2500mg/m
2の投薬量で、有利に投与される。
【0171】
ナイトロジェンマスタードやニトロソウレア等のアルキル化剤は、一連の治療ごとに、体表面積1平方メートル当たり100〜500mg(mg/m
2)、たとえば120〜200mg/m
2の投薬量で、特にシクロホスファミドでは約100〜500mg/m
2の投薬量で、クロランブシルでは約0.1〜0.2mg/kgの投薬量で、カルムスチンでは約150〜200mg/m
2の投薬量で、ロムスチンでは約100〜150mg/m
2の投薬量で、有利に投与される。
【0172】
抗腫瘍アントラサイクリン誘導体は、一連の治療ごとに、体表面積1平方メートル当たり10〜75mg(mg/m
2)、たとえば15〜60mg/m
2の投薬量で、特にドキソルビシンでは約40〜75mg/m
2の投薬量で、ダウノルビシンでは約25〜45mg/m
2の投薬量で、イダルビシンでは約10〜15mg/m
2の投薬量で、有利に投与される。
【0173】
抗エストロゲン剤は、個々の薬剤および治療される状態に応じて、毎日約1〜100mgの投薬量で有利に投与される。タモキシフェンは、5〜50mg、好ましくは10〜20mgの投薬量で、1日2回、有利に経口投与され、治療効果を達成して維持するために十分な期間、治療を継続する。トレミフェンは、1日1回、約60mgの投薬量で、有利に経口投与され、治療効果を達成して維持するために十分な期間、治療を継続する。アナストロゾールは、1日1回、約1mgの投薬量で、有利に経口投与される。ドロロキシフェンは、1日1回、約20〜100mgの投薬量で、有利に経口投与される。ラロキシフェンは、1日1回、約60mgの投薬量で、有利に経口投与される。エキセメスタンは、1日1回、約25mgの投薬量で、有利に経口投与される。
【0174】
抗体は、体表面1平方メートル当たり約1〜5mg(mg/m
2)の投薬量で、または、異なる場合には、当技術分野で公知の通りに、有利に投与される。トラスツズマブは、一連の治療ごとに、体表面積1平方メートル当たり1〜5mg(mg/m
2)、具体的には2〜4mg/m
2の投薬量で、有利に投与される。
これらの投薬量は、一連の治療ごとに、たとえば1回、または2回以上投与されてもよく、それがたとえば7日ごと、14日ごと、21日ごとまたは28日ごとに繰り返されてもよい。
【0175】
以下の実施例は、本発明を例示するものである。
【実施例】
【0176】
溶媒は全て、商業起源(Fluka,puriss.)から入手し、さらに精製せずに使用した。ルーチンの脱保護工程およびカップリング工程を除き、反応は、窒素雰囲気下、炉乾燥(110℃)ガラス製品で実施した。有機抽出物は、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で動作しているロータリーエバポレーターで濃縮した(乾燥剤の濾過後)。フラッシュクロマトグラフィーは、市販のフラッシュクロマトグラフィーシステム(InterchimのPurifFlash 215;Armen Spot;Knauer;Novasep 使用するシステムによって流量18mL/分〜200mL/分で動作)を用い、充填済のカラムを使用して実施した。試薬は通常、商業的供給者から直接得た(そして供給されたまま使用した)ほかに、限られた数の化合物を社内コレクションから利用した。後者の場合、試薬は、当業者に周知のルーチンの合成工程を使用して容易に入手できる。
1H NMRスペクトルは、z勾配逆三重共鳴(
1H、
13C、
15N TXI)プローブを具備し、振動数125〜500MHzで動作する(報告された)Bruker Avance 500分光計を用いて記録した。非交換性プロトン(および見える場合には交換性プロトン)に対応するシグナルの化学シフト(δ)を、テトラメチルシランと比較して、百万分率(ppm)で記録し、参考として残留溶媒ピークを使用して測定する。シグナルは、以下の順で作表される:多重度(s,シングレット;d,ダブレット;t,トリプレット;q,カルテット;m,マルチプレット;br,ブロードおよびそれらの組み合わせ);ヘルツ(Hz)で示されるカップリング定数;プロトン数。分取スケールHPLC分離は、ダイオードアレイ検出器および簡単な四極MS検出器を具備するWaters分離モジュールを用いて、流量20〜50ml/分を使用して実施した。
【0177】
以下の略記を実施例、スキームおよび表で使用する:
Ac:アセチル;ACN:アセトニトリル;aq.:水性;Ar:アリール;atm:気圧;cat.:触媒的;Co.:化合物;dioxin(e):1,4−ジオキサン;Celite(登録商標):珪藻土;dppf:(1,1’−ビスジフェニルホスフィノ)フェロセン;DAST:三フッ化ジエチルアミノ硫黄;1,2−DCE:1,2−ジクロロエタン;DCM:ジクロロメタン;DIAD:アゾジカルボン酸ジイソプロピル;DIPE:ジイソプロピルエーテル;DIPEA:ジイソピルエチルアミン;DMA:N,N−ジメチルアセトアミド;DMAP:N,N−ジメチルピリジン−4−アミン;DME:ジメトキシエタン;DMF:ジメチルホルムアミド;DMS:ジメチルスルフィド;DMSO:ジメチルスルホキシド;DMP:デス−マーチン過ヨウ素酸;EDC:1−エチル−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドHCl塩;eq.:当量(s);Et
3N:トリメチルアミン;EtOAc:酢酸エチル;Et
2O:ジエチルエーテル;EtOH:エタノール;FC:フラッシュクロマトグラフィー;h:時間;HATU:O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート;HOBt:1−ヒドロキシベンゾトリアゾール;Int.:中間体;
iPrOH:2−プロパノール;LC:液体クロマトグラフィー;MeCN:アセトニトリル;min:分;MeOH:メタノール;M.pt:融点;Ms:メタンスルホニル;MS:質量スペクトル;NBS:N−ブロモスクシンイミド;quant.:定量的;RP−HPLC:逆相高速液体クロマトグラフィ;RT:室温;sat.:飽和;sec.:秒;SFC:超臨界流体クロマトグラフィ;TBAF:フッ化テトラブチルアンモニウム;TBTU:O−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボラート;TFA:トリフルオロ酢酸;THF:テトラヒドロフラン;THP:テトラヒドロピラニル;TMS:トリメチルシリル;Ts:パラ−トルエンスルホニル。
【0178】
中間体の調製
中間体1:N−インドリン−5−イル−6,7−ジメトキシ−キナゾリン−4−アミン(塩酸塩)
【化10】
工程1:tert−ブチル5−[(6,7−ジメトキシキナゾリン−4−イル)アミノ]インドリン−1−カルボキシレート
iPrOH(50mL)中、tert−ブチル5−アミノ−1−インドリン−1−カルボキシレート(Enamine社から購入)(5g;21.3mmol)、4−クロロ−6,7−ジメトキシ−キナゾリン(Activate Scientific Companyから購入)(5.6g;24.9mmol)の混合物を、還流させながら時間、次いで室温で48時間、撹拌した。沈殿を濾去し、
iPrOHで2回およびジエチルエーテルで4回洗浄した。
沈殿を真空中で乾燥してtert−ブチル5−[(6,7−ジメトキシキナゾリン−4−イル)アミノ]インドリン−1−カルボキシレート(9.95g;100%)を生じた。
1H NMR(500MHz,DMSO−d
6,296K)δ 11.15(br.s,1H),8.78(s,1H),8.21(s,1H),7.76(br.s,1H),7.51(s,1H),7.37−7.43(m,1H),7.30(s,1H),3.94−4.03(m,8H),3.12(t,J=8.5Hz,2H).
【0179】
工程2:N−インドリン−5−イル−6,7−ジメトキシ−キナゾリン−4−アミン(塩酸塩)
0℃で、tert−ブチル 5−[(6,7−ジメトキシキナゾリン−4−イル)アミノ]インドリン−1−カルボキシレート(3.40g;8.05mmol)を、ジオキサン中の4N HCl(35mL;140mmol)に加えた。反応混合物を、室温で一晩撹拌した。沈殿を濾去し、ジエチルエーテルで1回洗浄し、真空中で乾燥して中間体1(N−インドリン−5−イル−6,7−ジメトキシ−キナゾリン−4−アミン)を、その塩酸塩として生じた(2.77g;96%)。
1H NMR(500MHz,DMSO−d
6,297K)δ 11.73(s,1H),8.82(s,1H),8.45(s,1H),7.75(s,1H),7.63(d,J=8.5Hz,1H),7.43(d,J=8.5Hz,1H),7.39(s,1H),4.03(s,3H),4.00(s,3H),3.75(t,J=7.9Hz,3H),3.23(t,J=7.9Hz,2H).
【0180】
中間体2〜5は、適切な4−クロロキナゾリンおよびアミノインドリン出発物質を使用して、中間体1の合成に使用したものと類似したプロトコールで調製した(表1)。
【0181】
【表1】
【0182】
中間体6:N−(4−フルオロインドリン−5−イル)−6,7−ジメトキシ−キナゾリン−4−アミン(塩酸塩)
【化11】
工程1:1−[5−(6,7−ジメトキシ−キナゾリン−4−イルアミノ)−4−フルオロ−2,3−ジヒドロ−インドール−1−イル]−エタノン
1−(4−フルオロ−5−ニトロ−2,3−ジヒドロ−インドール−1−イル)−エタノン(国際特許出願国際公開第2009/130481号パンフレットに記載の通りに調製された)(600mg;2.7mmol)の混合物を、室温の圧力反応容器内、触媒として10%Pd/C(275mg)が入ったEtOH(30mL)およびTHF(20mL)中、3バールの水素圧で3時間水素化した。Celite(登録商標)のパッドで触媒を濾去した。Celite(登録商標)をDCMおよびMeOHで洗浄した。溶媒を真空中で除去して470mg(90%)の粗1−(5−アミノ−4−フルオロ−インドリン−1−イル)エタノンを生じ、これを精製せずに次の工程で使用した。
iPrOH(8mL)中で、1−(5−アミノ−4−フルオロ−インドリン−1−イル)エタノン(0.47g;2.42mmol)と4−クロロ−6,7−ジメトキシ−キナゾリン(0.3g;1.34mmol)との混合物を還流しながら3h撹拌した。水とDCMを加えた。有機層を塩水で洗浄し、MgSO
4で乾燥し、濾過して溶媒を蒸発させ、粗生成物720mgを生じた。この画分を分取LC(シリカ15〜40μm;12gGRACE)、移動相:0.2%NH
4OH、98%DCM、2%MeOHから0.5%NH
4OH、95%DCM、5%MeOHまでの勾配)で精製し、1−[5−(6,7−ジメトキシ−キナゾリン−4−イルアミノ)−4−フルオロ−2,3−ジヒドロ−インドール−1−イル]−エタノンを生じた(500mg;97%)。
1H NMR(500MHz,DMSO−d
6,300K)δ 9.42(s,1H),8.31(s,1H),7.87(d,J=8.5Hz,1H),7.80(s,1H),7.20−7.27(m,1H),7.17(s,1H),4.21(t,J=8.5Hz,2H),3.93(s,6H),3.21(t,J=8.5Hz,2H),2.18(s,3H).
【0183】
工程2:N−(4−フルオロインドリン−5−イル)−6,7−ジメトキシ−キナゾリン−4−アミン(塩酸塩)
37%HCl(8mL)中で、1−[5−(6,7−ジメトキシ−キナゾリン−4−イルアミノ)−4−フルオロ−2,3−ジヒドロ−インドール−1−イル]−エタノン(500mg;1.3mmol)を一晩還流させた。水を蒸発させて中間体6をその塩酸塩として生じた(474mg;96%)。
【0184】
中間体7:tert−ブチル5−アミノ−3,3−ジフルオロ−インドリン−1−カルボキシレート
【化12】
工程1:tert−ブチル3,3−ジフルオロ−5−ニトロ−インドリン−1−カルボキシレート
ジ−t−ブチルジカルボネート(6.4g;29mmol)を、室温で、DCM(50mL)に溶解した3,3−ジフルオロ−5−ニトロ−インドリン(Tetrahedron 1999,55,1881に記載の通りに調製した)(4.9g;24mmol)と4−ジメチルアミノピリジン(0.6g;5mmol)の溶液に少しずつ加えた。この混合物を室温で2時間撹拌した。有機層をK
2CO
3(aq)10%で洗浄し、乾燥し(MgSO
4)、濾過し、溶媒を真空中で除去して表題化合物を得た(2.1g;28%)。
【0185】
工程2:tert−ブチル 5−アミノ−3,3−ジフルオロ−インドリン−1−カルボキシレート
tert−ブチル 3,3−ジフルオロ−5−ニトロ−インドリン−1−カルボキシレート(0.33g;1.1mmol)を、触媒として10%Pd/C(0.045g)が入ったEtOH(3mL)およびTHF(1mL)中、室温、大気圧で、水素化した。12時間後、触媒をCelite(登録商標)のパッドで濾去した。溶媒を真空中で除去して、さらに精製せずに次の工程で使用できる表題化合物を生じた(0.29g;97%)。
【0186】
中間体8:1−(5−アミノ−4−フルオロ−インドリン−1−イル)−2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)エタノン
【化13】
工程1:1−(4−フルオロ−5−ニトロ−インドリン−1−イル)−2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)エタノン
DMF(6.3mL)中、2−メチルインドール−3−酢酸(Lancaster Synthesis社から購入)(519mg;2.75mmol)、HATU(1g;2.75mmol)を室温で15分間撹拌した。DIPEA(976μL;5.7mmol)に続いて、4−フルオロ−5−ニトロ−2,3−ジヒドロインドール(1003858−68−1、米国特許出願公開第2007/0287708号明細書に記載の通りに調製された)(500mg;2.3mmol)をこの混合物に加えた。反応混合物を室温で一晩撹拌した。水および10%K
2CO
3(aq)溶液を加えた。この混合物をEtOAcで抽出した。有機層をMgSO
4で乾燥し、濾過し、溶媒を真空中で除去して、粗生成物1.3gを生じた。この画分を分取LC(固定相:不規則なSiOH、15−40μm、300g、MERCK)、移動相:99%DCM、1%EtOAc)で精製して、表題化合物を生じた(460mg;57%)。
1H NMR(500MHz,DMSO−d6)δ 10.89(s,1H),8.02−8.11(m,1H),7.94(d,J=8.8Hz,1H),7.43(d,J=7.9Hz,1H),7.24(d,J=7.9Hz,1H),6.95−7.01(m,1H),6.87−6.94(m,1H),4.38(t,J=8.7Hz,2H),3.91(s,2H),3.25(t,J=8.7Hz,2H),2.35(s,3H).
【0187】
工程2:1−(5−アミノ−4−フルオロ−インドリン−1−イル)−2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)エタノン
1−(4−フルオロ−5−ニトロ−インドリン−1−イル)−2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)エタノン(460mg;1.3mmol)を、室温の圧力反応容器内、触媒としてPd/C(10%)(137mg)が入ったTHF(10mL)およびMeOH(15mL)中、水素圧3barで3時間水素化した。触媒をCelite(登録商標)のパッドで濾去した。Celite(登録商標)をDCMおよびMeOHで洗浄した。溶媒を真空中で除去して、表題化合物を生じた(468mg;定量的)。
【0188】
中間体9〜12は、5−ニトロインドリンおよび適切な酢酸出発物質を使用し、中間体8のプロトコールに従って調製した(表2)。
【0189】
【表2】
【0190】
化合物の調製
方法A
実施例:1−[5−[(6,7−ジメトキシキナゾリン−4−イル)アミノ]インドリン−1−イル]−2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)エタノン(化合物1)
【化14】
中間体1(N−インドリン−5−イル−6,7−ジメトキシ−キナゾリン−4−アミン塩酸塩)
(0.500g;1.39mmol)、HATU(0.69g;1.81mmol)、DMF(10mL)中の2−メチルインドール−3−酢酸(Lancaster Synthesis社から購入)(0.32g;1.69mmol)およびDIPEA(0.8mL;4.64mmol)の混合物をRTで週末の間撹拌した。水と30%NH
4OH(aq)を加え、この混合物を室温で30分間撹拌した。沈殿を濾過し、EtOAc/MeOH中に移した。有機層を水で2回洗浄し、MgSO
4で乾燥し、濾過し、溶媒を真空中で除去して粗混合物588mgを生じた。この画分を分取LC(固定相:Sunfire Silica 5μm 150×30mm)、移動相:0.2%NH
4OH、98%DCM、2%MeOHから0.8%NH
4OH、92%DCM、8%MeOHまでの勾配)で精製した。純粋な画分を併せ、溶媒を真空中で除去して300mgを生じた。この画分をACNおよびDIPEに移し、練和して濾去した。沈殿をDCMに移し、MgSO
4で乾燥し、濾過し、溶媒を真空中で除去して化合物1(200mg;29%)を与えた。
1H NMR(500MHz,DMSO−d
6,295K)δ 10.86(s,1H),9.40(s,1H),8.41(s,1H),8.05(d,J=8.8Hz,1H),7.82(s,1H),7.73(s,1H),7.49(d,J=7.6Hz,1H),7.43(d,J=8.8Hz,1H),7.24(d,J=8.2Hz,1H),7.16(s,1H),6.95−7.02(m,1H),6.88−6.95(m,1H),4.21(t,J=8.5Hz,2H),3.94(s,3H),3.92(s,3H),3.84(s,2H),3.18(t,J=8.5Hz,2H),2.37(s,3H).
【0191】
化合物2〜38および化合物53は、実施例1に記載のものに類似した反応プロトコールに従って調製した(表3)。
【0192】
【表3】
【0193】
【表4】
【0194】
【表5】
【0195】
【表6】
【0196】
【表7】
【0197】
【表8】
【0198】
【表9】
【0199】
方法B
実施例39:1−[5−[(6,7−ジメトキシキナゾリン−4−イル)アミノ]−4−フルオロ−インドリン−1−イル]−2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)エタノン(化合物39)
【化15】
iPrOH(7.3mL)中の4−クロロ−6,7−ジメトキシ−キナゾリン(292mg;1.299mmol)と中間体8(1−(5−アミノ−4−フルオロ−インドリン−1−イル)−2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)エタノン)(420mg;1.299mmol)の混合物を、100℃で4時間撹拌した。水とDCMを加えた。有機層をMgSO
4で乾燥し、濾過し、真空中で濃縮して570mgを生じた。この画分を分取LC(固定相:Sunfire Silica 5μm 150×30.0mm)、移動相:0.2%NH
4OH、98%DCM、2%MeOHから1%NH
4OH、90%DCM、10%MeOHまでの勾配)で精製して、214mgを生じた。この画分をCH
3CNおよび少量のDIPEから結晶化して化合物39を生じた(176mg;26%)。M.pt:174℃コフラー(Kofler)。
1H NMR(500MHz,DMSO−d6,300K)δ 10.87(s,1H),9.41(s,1H),8.30(s,1H),7.89(d,J=8.2Hz,1H),7.79(s,1H),7.48(d,J=7.9Hz,1H),7.19−7.29(m,2H),7.16(s,1H),7.0−6.90(m,2H),4.29(t,J=8.5Hz,2H),3.92(s,6H),3.87(s,2H),3.21(t,J=8.5Hz,2H),2.37(s,3H).
【0200】
化合物40〜45は、実施例39に記載のものに類似した反応プロトコールに従って調製した(表4)。
【0201】
【表10】
【0202】
【表11】
【0203】
方法C
実施例46:1−[5−[(6,7−ジメトキシキナゾリン−4−イル)アミノ]インドリン−1−イル]−2−[2−メチル−4−(2−チエニル)ピラゾール−3−イル]エタノン(化合物46)
【化16】
【0204】
実施例47:1−[5−[(6,7−ジメトキシキナゾリン−4−イル)アミノ]インドリン−1−イル]−2−(2−メチルピラゾール−3−イル)エタノン(化合物47)
【化17】
THF(1.50mL)中、化合物11(2−(4−ブロモ−2−メチル−ピラゾール−3−イル)−1−[5−[(6,7−ジメトキシキナゾリン−4−イル)アミノ]インドリン−1−イル]エタノン)(0.100g;0.19mmol)、クロロ(2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピル−1,1’−ビフェニル)[2−(2’−アミノ−1,1’−ビフェニル)]パラジウム(II)(12mg;0.02mmol)、2−チオフェンホウ酸(0.049g;0.38mmol)、リン酸カリウム0.5M(0.765mL)の混合物を、110℃のシングルモード電子レンジ(Biotage Initiator EXP 60)内、0〜400Wの範囲の出力で、5分間、撹拌しながら加熱した。次いで、水およびDCMを数滴のMeOHと共に加えた。この混合物をCelite(登録商標)(珪藻土)で濾過し、DCM/MeOHで3回洗浄し、有機層を分離してMgSO
4で乾燥し、濾過し、溶媒を真空中で除去して粗生成物70mgを生じた。化合物を、分取LC(固定相:球形の未修飾シリカ5μm 150×30.0mm)、移動相:0.2%NH
4OH、98%DCM、2%MeOHから0.8%NH
4OH、92%DCM、8%MeOHまでの勾配)で精製した。2つの生成物の純粋な画分を収集し、溶媒を真空中で除去した。これらの2画分を別々に一晩凍結乾燥して(ACN/水2mL/5mL)、2つの表題化合物を生じた:
1−[5−[(6,7−ジメトキシキナゾリン−4−イル)アミノ]インドリン−1−イル]−2−[2−メチル−4−(2−チエニル)ピラゾール−3−イル]エタノン(32mg;32%)。
1H NMR(500MHz,DMSO−d
6,300K)δ 9.44(s,1H),8.43(s,1H),8.01(d,J=8.7Hz,1H),7.84(s,1H),7.81(brs,1H),7.64(s,1H),7.47(d,J=8.7Hz,1H),7.42(dd,J=5.1,1.0Hz,1H),7.17(s,1H),7.05−7.09(m,2H),4.32(t,J=8.4Hz,2H),4.16(s,2H),3.95(s,3H),3.93(s,3H),3.80(s,3H),3.28(t,J=8.4Hz,2H).
1−[5−[(6,7−ジメトキシキナゾリン−4−イル)アミノ]インドリン−1−イル]−2−(2−メチルピラゾール−3−イル)エタノン(6mg;7%).
1H NMR(500MHz,DMSO−d
6,300K)δ 9.43(s,1H),8.42(s,1H),8.03(d,J=8.7Hz,1H),7.84(s,1H),7.78(br s,1H),7.47(d,J=8.7Hz,1H),7.33(d,J=1.5Hz,1H),7.17(s,1H),6.15(d,J=1.5Hz,1H),4.25(t,J=8.4Hz,2H),4.02(s,2H),3.95(s,3H),3.93(s,3H),3.76(s,3H),3.23(t,J=8.4Hz,2H).
【0205】
化合物48〜52は、実施例46の反応プロトコールに従って調製した(表5)。
【0206】
【表12】
【0207】
【表13】
【0208】
1H NMR
化合物2:
1H NMR(500MHz,DMSO−d
6,295K)δ 10.97(s,1H),9.41(s,1H),8.42(s,1H),8.05(d,J=8.6Hz,1H),7.83(s,1H),7.75(s,1H),7.43(d,J=8.6Hz,1H),7.19−7.29(m,2H),7.16(s,1H),6.81(td,J=9.1,2.5Hz,1H),4.22(t,J=8.5Hz,2H),3.94(s,3H),3.92(s,3H),3.83(s,2H),3.19(t,J=8.5Hz,2H),2.37(s,3H).
化合物3:
1H NMR(500MHz,DMSO−d
6,295K)δ 9.44(s,1H),8.32(s,1H),7.85(d,J=8.5Hz,1H),7.80(s,1H),7.21−7.30(m,3H),7.13−7.21(m,2H),4.36(t,J=8.5Hz,2H),3.95(s,2H),3.93(s,6H),3.28(t,J=8.5Hz,2H).
化合物4:
1H NMR(500MHz,DMSO−d
6,295K)δ 11.31(s,1H),9.41(s,1H),8.41(s,1H),8.04(d,J=8.8Hz,1H),7.83(s,1H),7.74(s,1H),7.43(dd,J=8.8,1.4Hz,1H),7.31(d,J=7.9Hz,1H),7.16(s,1H),6.88−6.91(m,1H),6.81(dd,J=11.5,7.7Hz,1H),4.22(t,J=8.4Hz,2H),3.94(s,3H),3.92(s,3H),3.86(s,2H),3.20(t,J=8.4Hz,2H),2.36(s,3H).
化合物5:
1H NMR(500MHz,DMSO−d
6,295K)δ 9.40(s,1H),8.41(s,1H),8.04(d,J=8.8Hz,1H),7.82(s,1H),7.74(s,1H),7.53(d,J=7.9Hz,1H),7.43(d,J=8.8Hz,1H),7.37(d,J=8.2Hz,1H),7.16(s,1H),7.05−7.08(m,1H),6.95−6.98(m,1H),4.23(t,J=8.5Hz,2H),3.94(s,3H),3.92(s,3H),3.89(s,2H),3.68(s,3H),3.18(t,J=8.5Hz,2H),2.40(s,3H).
化合物6:
1H NMR(500MHz,DMSO−d
6,295K)δ 10.68(s,1H),9.40(s,1H),8.41(s,1H),8.07(d,J=8.8Hz,1H),7.82(s,1H),7.74(br.s,1H),7.44(d,J=8.8Hz,1H),7.16(s,1H),7.13(d,J=8.6Hz,1H),7.02(d,J=2.2Hz,1H),6.63(dd,J=8.6,2.2 Hz,1H),4.19(t,J=8.4Hz,2H),3.94(s,3H),3.92(s,3H),3.81(s,2H),3.71(s,3H),3.17(t,J=8.4Hz,2H),2.34(s,3H).
化合物7:
1H NMR(500MHz,DMSO−d
6,300K)δ 9.43(s,1H),8.43(s,1H),7.94(d,J=8.6Hz,1H),7.82−7.85(m,2H),7.45−7.49(m,1H),7.41(dd,J=8.6,5.4Hz,1H),7.36(dd,J=10.4,1.9Hz,1H),7.17(s,1H),6.82(s,1H),6.25(s,1H),5.18(s,2H),4.40(t,J=8.5Hz,2H),3.95(s,3H),3.93(s,3H),3.31(t,J=8.5Hz,2H− 溶媒ピークにより部分的に不明瞭),2.33(s,3H).
化合物8:
1H NMR(500MHz,DMSO−d
6,295K)δ 10.86(s,1H),9.40(s,1H),8.40(s,1H),8.05(d,J=8.8Hz,1H),7.82(s,1H),7.72(s,1H),7.49(d,J=7.9Hz,1H),7.42(d,J=8.8Hz,1H),7.24(d,J=7.9Hz,1H),7.15(s,1H),6.99(m,1H),6.91(m,1H),4.09−4.26(m,4H),3.92(s,3H),3.84(s,2H),3.53−3.61(m,4H),3.17(t,J=8.5Hz,2H),2.47(m,2H 溶媒ピークにより部分的に不明瞭),2.30−2.42(m,7H),1.98(m,2H).
化合物9:
1H NMR(500MHz,DMSO−d
6,295K)δ 9.42(s,1H),8.43(s,1H),7.92(d,J=8.8Hz,1H),7.83(s,1H),7.80(s,1H),7.73(d,J=7.9Hz,1H),7.58(d,J=8.5Hz,1H),7.46(d,J=8.8Hz,1H),7.37(m,1H),7.17(s,1H),7.13(m,1H),5.46(s,2H),4.33(t,J=8.5Hz,2H),3.94(s,3H),3.92(s,3H),3.29(t,J=8.5Hz,2H),2.49(s,3H− 溶媒ピークにより部分的に不明瞭).
化合物10:
1H NMR(500MHz,DMSO−d
6,295K)δ 10.85(s,1H),9.29(s,1H),8.40(s,1H),8.03(d,J=8.5Hz,1H),7.96(s,1H),7.75(s,1H),7.49(d,J=7.6Hz,1H),7.45(d,J=8.5Hz,1H),7.24(d,J=7.9Hz,1H),7.15(s,1H),6.95−7.01(m,1H),6.88−6.94(m,1H),6.23(s,2H),4.19(t,J=8.5Hz,2H),3.84(s,2H),3.16(t,J=8.5Hz,2H),2.37(s,3H).
化合物11:
1H NMR(500MHz,DMSO−d
6,295K)δ 9.51(br.s.,1H),8.45(s,1H),8.01(d,J=8.8Hz,1H),7.85(s,1H),7.80(s,1H),7.52(s,1H),7.47(d,J=8.8Hz,1H),7.17(s,1H),4.33(t,J=8.5Hz,2H),4.03(s,2H),3.95(s,3H),3.93(s,3H),3.80(s,3H),3.27(t,J=8.5Hz,2H).
化合物12:
1H NMR(500MHz,DMSO−d
6;295K)δ 9.41(s,1H),8.41(s,1H),8.07(d,J=8.8Hz,1H),7.83(s,1H),7.74(s,1H),7.64(d,J=7.9Hz,1H),7.44(d,J=8.8Hz,1H),7.40(d,J=8.2Hz,1H),7.29(s,1H),7.10−7.19(m,2H),7.03(t,J=7.3Hz,1H),4.25(t,J=8.5Hz,2H),3.94(s,3H),3.92(s,3H),3.90(s,2H),3.77(s,3H),3.18(t,J=8.5Hz,2H).
化合物13:
1H NMR(500MHz,DMSO−d
6,295K)δ 9.42(s,1H),8.43(s,1H),7.95(d,J=8.7Hz,1H),7.74−7.88(m,2H),7.55(dd,J=8.7,5.5Hz,1H),7.47(d,J=8.7Hz,1H),7.39(d,J=9.5Hz,1H),7.33(d,J=3.2Hz,1H),7.17(s,1H),6.85−6.93(m,1H),6.49(d,J=3.2Hz,1H),5.26(s,2H),4.33(t,J=8.35Hz,2H),3.95(s,3H),3.93(s,3H),3.30(t,J=8.5Hz,2H− 溶媒ピークにより部分的に不明瞭).
化合物14:
1H NMR(500MHz,DMSO−d
6,295K)δ 10.86(s,1H),9.38(s,1H),8.40(s,1H),8.05(d,J=8.8Hz,1H),7.85(s,1H),7.74(s,1H),7.49(d,J=7.9Hz,1H),7.43(dd,J=8.8Hz,1H),7.25(d,J=7.9Hz,1H),7.18(s,1H),6.95−7.01(m,1H),6.88−6.94(m,1H),4.24−4.31(m,4H),4.20(t,J=8.4Hz,2H),3.84(s,2H),3.70−3.80(m,4H),3.36(s,3H),3.35(s,3H),3.17(t,J=8.4Hz,2H),2.37(s,3H).
化合物15:
1H NMR(500MHz,DMSO−d
6,295K)δ 9.43(s,1H),8.43(s,1H),7.95(d,J=8.8Hz,1H),7.73−7.86(m,2H),7.56(d,J=7.6Hz,1H),7.41−7.51(m,2H),7.33(d,J=3.2Hz,1H),7.17(s,1H),),7.09−7.14(m,1H),7.00−7.06(m,1H),6.48(d,J=3.2Hz,1H),5.29(s,2H),4.34(t,J=8.5Hz,2H),3.95(s,3H),3.92(s,3H),3.29(t,J=8.5Hz,2H− 溶媒ピークにより部分的に不明瞭).
化合物16:
1H NMR(500MHz,DMSO−d
6,300K)δ 8.51(s,1H),8.05(d,J=8.8Hz,1H),8.00(d,J=8.5Hz,1H),7.84−7.93(m,2H),7.73(s,1H),7.61(s,1H),7.35−7.47(m,3H),4.32(t,J=8.4Hz,2H),4.13(s,2H),3.95(s,3H),3.94(s,3H),3.24(t,J=8.4Hz,2H).
化合物17:
1H NMR(500MHz,DMSO−d
6,300K)δ 9.42(s,1H),8.42(s,1H),8.03(d,J=8.5Hz,1H),7.83(s,1H),7.78(d,J=8.1Hz,1H),7.76(brs,1H),7.60(d,J=8.5Hz,1H),7.45(d,J=8.5Hz,1H),7.37−7.42(m,1H),7.16(s,1H),7.10−7.14(m,1H),4.30(t,J=8.4Hz,2H),4.17(s,2H),4.01(s,3H),3.94(s,3H),3.92(s,3H),3.21(t,J=8.4Hz,2H).
化合物18:
1H NMR(500MHz,DMSO−d
6,295K)δ 9.62(s,1H),8.50(s,1H),8.25(s,1H),8.20(d,J=8.8Hz,1H),7.98(d,J=8.8Hz,1H),7.85(s,1H),7.13−7.31(m,4H),4.81(t,J=16.6Hz,2H),4.04(s,2H),3.97(s,3H),3.94(s,3H).
化合物19:
1H NMR(500MHz,DMSO−d
6,300K)δ 9.47(s,1H),8.43(s,1H),8.27(d,J=6.6Hz,1H),7.97(d,J=8.8Hz,1H),7.85(s,1H),7.81(br s,1H),7.43−7.48(m,2H),7.15−7.20(m,2H),6.84(t,J=6.7Hz,1H),4.38(t,J=8.5Hz,2H),4.23(s,2H),3.94(s,3H),3.92(s,3H),3.28(t,J=8.5Hz,2H− 溶媒ピークにより部分的に不明瞭),2.34(s,3H).
化合物20:
1H NMR(500MHz,DMSO−d
6,300K)δ 9.43(s,1H),8.42(s,1H),8.06(d,J=8.4Hz,1H),7.83(s,1H),7.77(s,1H)7.47(d,J=8.4Hz,1H),7.42(dd,J=4.7,1.6Hz,1H),7.17(s,1H),6.98− 7.02(m,2H),4.23(t,J=8.5Hz,2H),4.10(s,2H),3.95(s,3H),39.2(s,3H),3.21(t,J=8.5Hz,2H).
化合物21:
1H NMR(500MHz,DMSO−d
6,300K)δ 9.58(s,1H),8.46(s,1H),8.07(d,J=8.5Hz,1H),7.86(s,1H),7.73(d,J=1.9Hz,1H),7.45(dd,J=8.5,1.9Hz,1H),7.29−7.37(m,4H),7.23−7.28(m,1H),7.17(s,1H),4.21(t,J=8.4Hz,2H),3.95(s,3H),3.93(s,3H),3.86(s,2H),3.20(t,J=8.4Hz,2H).
化合物22:
1H NMR(500MHz,DMSO−d
6)δ 9.42(s,1H),8.42(s,1H),8.06(d,J=8.7Hz,1H),7.83(s,1H),7.76(d,J=1.8Hz,1H),7.50(dd,J=4.9,3.0Hz,1H),7.46(dd,J=8.7Hz,1.8Hz,1H),7.34−7.36(m,1H),7.16(s,1H),7.08(dd,J=4.9,1.1Hz,1H),4.20(t,J=8.5Hz,2H),3.95(s,3H),3.92(s,3H),3.86(s,2H),3.20(t,J=8.5Hz,2H).
化合物23:
1H NMR(500MHz,DMSO−d
6,300K)δ 12.98(s,1H),9.87(br.s.,1H),8.53(s,1H),8.06(d,J=8.7Hz,1H),7.90(s,1H),7.71(br.s,1H),7.52−7.55(m,2H),7.43(d,J=8.7Hz,1H),7.22−7.27(m,1H),7.18(s,1H),4.32(t,J=8.4Hz,2H),4.17(s,2H),3.96(s,3H),3.94(s,3H),3.22(t,J=8.4Hz,2H).
化合物24:
1H NMR(500MHz,DMSO−d
6,300K)δ 9.43(s,1H),8.43(s,1H),8.12(s,1H),7.92(d,J=8.6Hz,1H),7.83(s,1H),7.81(br s,1H),7.80(d,J=8.2,1H),7.67(d,J=8.2Hz,1H),7.46(dd,J=8.6,1.8Hz,1H),7.37−7.42(m,1H),7.14−7.19(m,2H),5.57(s,2H),4.36(t,J=8.4Hz,2H),3.94(s,3H),3.92(s,3H),3.29(t,J=8.4Hz,2H).
化合物25:
1H NMR(500MHz,DMSO−d
6,300K)δ 9.44(s,1H),8.43(s,1H),8.03(d,J=8.8Hz,1H),7.81−7.86(m,2H),7.59(d,J=7.7Hz,1H),7.45−7.54(m,2H),7.21(d,J=8.2Hz,1H),7.17(s,1H),7.01−7.08(m,1H),5.15(s,2H),4.22(t,J=8.3Hz,2H),3.95(s,3H),3.93(s,3H),3.26(t,J=8.3Hz,2H),2.68(s,3H).
化合物26:
1H NMR(500MHz,DMSO−d
6,295K)δ 12.86(s,1H),9.42(s,1H),8.42(s,1H),8.04(d,J=8.5Hz,1H),7.83(s,1H),7.74 −7.80(m,2H),7.50(d,J=8.20Hz,1H),7.45(d,J=8.5Hz),7.32−7.37(m,1H),7.16(s,1H),7.08 −7.12(m,1H),4.31(t,J=8.5Hz,2H),4.18(s,2H),3.94(s,3H),3.92(s,3H),3.20(t,J=8.5Hz,2H).
化合物27:
1H NMR(500MHz,DMSO−d
6,300K)δ 11.50(s,1H),9.50(s,1H),8.43(s,1H),8.21(dd,J=4.7,1.6Hz,1H),8.06(d,J=8.5Hz,1H),8.01(dd,J=7.7,1.6Hz,1H),7.84(s,1H),7.74(br s,1H),7.41−7.46(m,2H),7.16(s,1H),7.05(dd,J=7.7,4.7Hz,1H),4.26(t,J=8.5Hz,2H),3.94(s,3H),3.91−3.93(m,5H),3.20(t,J=8.5Hz,2H).
化合物28:
1H NMR(500MHz,DMSO−d
6,295K)δ 9.42(s,1H),8.42(s,1H),8.05(d,J=8.6Hz,1H),7.83(s,1H),7.75(d,J=1.8Hz,1H),7.61(d,J=2.2Hz,1H),7.45(dd,J=8.6,1.8Hz,1H),7.16(s,1H),6.14(d,J=2.2Hz,1H),4.22(t,J=8.5Hz,2H),3.95(s,3H),3.92(s,3H),3.79(s,3H),3.75(s,2H),3.18(t,J=8.5Hz,2H).
化合物29:
1H NMR(500MHz,DMSO−d
6,295K)δ 9.43(s,1H),8.43(s,1H),7.93(d,J=8.40Hz,1H),7.82(m,2H),7.47(d,J=8.40Hz,1H),7.13−7.24(m,3H),7.00−7.13(m,2H),4.89(s,2H),4.35(t,J=7.6Hz,2H),3.94(s,3H),3.92(s,3H),3.34(m,5H,溶媒ピークにより部分的に不明瞭).
化合物30:
1H NMR(500MHz,DMSO−d
6,295K)δ 9.42(s,1H),8.42(s,1H),8.05(d,J=8.4Hz,1H),7.96(s,1H),7.83(s,1H),7.78(s,1H),7.69(d,J=7.6Hz,1H),7.57(d,J=8.2Hz,1H),7.45(d,J=8.4Hz,1H),7.23−7.36(m,2H),7.16(s,1H),4.31(t,J=8.4Hz,2H),3.96(br s,2H),3.95(s,3H),3.92(s,3H),3.24(t,J=8.4Hz,2H).
化合物31:
1H NMR(500MHz,DMSO−d
6,295K)δ 9.44(s,1H),8.43(s,1H),8.18(s,1H),7.95(d,J=8.7Hz,1H),7.83(m,2H),7.68(d,J=7.5Hz,1H),7.61(d,J=7.6Hz,1H),7.47(dd,J=8.7,2.1Hz,1H),7.20−7.28(m,2H),7.17(s,1H),5.41(s,2H),4.36(t,J=8.5Hz,2H),3.95(s,3H),3.93(s,3H),3.33(t,J=8.5Hz,2H 溶媒ピークにより部分的に不明瞭).
化合物32:
1H NMR(500MHz ,DMSO−d
6,296K)δ=11.02(s,1H),9.42(s,1 H),8.42(s,1H),8.09(d,J=8.6Hz,1H),7.83(s,1H),7.76(s,1H),7.48(d,J=8.6Hz,1H),7.45(d,J=7.9Hz,1H),7.34(d,J=8.2Hz,1H),7.17(s,1H),7.00−7.05(m,1H),6.92−6.97(m,1H),6.29(s,1H),4.26(t,J=8.5Hz,2H),4.00(s,2H),3.95(s,3H),3.92(s,3H),3.22(t,J=8.5Hz,2H).
化合物33:
1H NMR(500MHz,DMSO−d
6,295K)δ 11.32(s,1H),9.42(s,1H),8.42(s,1H),8.04(d,J=8.7Hz,1H),7.83(s,1H),7.76(s,1H),7.65(d,J=7.3Hz,2H),7.57(d,J=7.9Hz,1H),7.52(t,J=7.7Hz,2H),7.44(d,J=8.7Hz,1H),7.36−7.42(m,2H),7.16(s,1H),7.12(s,1H),7.00(s,1H),4.22(t,J=8.4Hz,2H),4.03(s,2H),3.95(s,3H),3.92(s,3H),3.20(t,J=8.4Hz,2H).
化合物34:
1H NMR(500MHz,DMSO−d
6,296K)δ 9.43(s,1H),8.43(s,1H),8.00(d,J=8.8Hz,1H),7.83(s,1H),7.80(s,1H),7.74(d,J=7.6Hz,1H),7.61−7.68(m,2H),7.44−7.57(m,2H),7.17(s,1H),4.58(s,2H),4.57(s,2H),4.25(t,J=8.1Hz,2H),3.95(s,3H),3.94(s,3H),3.26(t,J=8.1Hz,2H).
化合物35:
1H NMR(500MHz,DMSO−d
6,300K)δ 9.31(s,1H),8.42(s,1H),7.95−8.00(m,2H),7.79(s,1H),7.49(d,J=8.5Hz,1H),7.13−7.30(m,4H),6.23(s,2H),4.26(t,J=8.4Hz,2H),3.92(s,2H),3.24(t,J=8.4Hz,2H).
化合物36:
1H NMR(500MHz,DMSO−d
6,300K)δ 9.45(s,1H),8.43(s,1H),7.88−7.99(m,5H),7.83(s,1H),7.81(s,1H),7.47(d,J=8.5Hz,1H),7.16(s,1H),4.67(s,2H),4.34(t,J=8.3Hz,2H),3.94(s,3H),3.92(s,3H),3.28(t,J=8.3Hz,2H).
化合物37:
1H NMR(500MHz,DMSO−d
6,300K)δ 9.41(s,1H),8.41(s,1H),8.07(d,J=8.5Hz,1H),7.83(s,1H),7.74(d,J=1.3Hz,1H),7.63(d,J=7.9Hz,1H),7.48(d,J=8.5Hz,1H),7.41−7.46(m,2H),7.16(s,1H),7.11−7.15(m,1H),6.99 −7.03(m,1H),4.70−4.77(m,1H),4.26(t,J=8.5Hz,2H),3.94(s,3H),3.92(s,3H),3.91(s,2H),3.20(t,J=8.5Hz,2H),1.46(s,3H),1.45(s,3H).
化合物38:
1H NMR(500MHz,DMSO−d
6,295K)δ 9.65(br.s.,1H),8.43(s,1H),8.41(s,1H),8.11(s,1H),7.83(s,1H),7.47−7.62(m,3H),7.17(s,1H),4.60(s,2H),4.05(t,J=8.1Hz,2H),3.95(s,3H),3.93(s,3H),3.12(t,J=8.1Hz,2H).
化合物40:
1H NMR(500MHz,DMSO−d
6,300K)δ 9.40(s,1H),8.41(s,1H),8.07(d,J=8.8Hz,1H),7.83(s,1H),7.74(s,1H),7.63(d,J=7.9Hz,1H),7.44(d,J=8.8Hz,1H),7.36(d,J=7.9Hz,1H),7.27−7.32(m,1H),7.16(s,1H),7.06−7.10(m,1H),6.95−7.01(m,1H),4.24(t,J=8.5Hz,2H),3.10−3.21(m,2H).
化合物41:
1H NMR(500MHz,DMSO−d
6,297K)δ 9.42(s,1H),8.42(s,1H),8.04(d,J=8.5Hz,1H),7.83(s,1H),7.76(s,1H),7.65(t,J=7.6Hz,1H),7.46(d,J=8.5Hz,1H),7.09−7.20(m,3H),4.26(t,J=8.4Hz,2H),3.97(s,2H),3.95(s,3H),3.92(s,3H),3.21(t,J=8.4Hz,2H),2.45(s,3H).
化合物42:
1H NMR(500MHz,DMSO−d
6,295K)δ 9.42(s,1H),8.42(s,1H),8.00(d,J=8.6Hz,1H),7.84(s,1H),7.78(s,1H),7.46(d,J=8.6Hz,1H),7.14−7.29(m,4H),4.27(t,J=8.4Hz,2H),3.95(s,2H),3.93(s,6H),3.25(t,J=8.4Hz,2H).
化合物43:
1H NMR(500MHz,DMSO−d
6,300K)δ 9.42(s,1H),8.43(s,1H),8.03(d,J=8.8Hz,1H),7.83(s,1H),7.79(br s,1H),7.56−7.61(m,2H),7.51(d,J=9.5Hz,1H),7.46(dd,J=8.7,1.7Hz,1H),7.17(s,1H),4.25(t,J=8.5Hz,2H),4.05(s,2H),3.95(s,3H),3.92(s,3H),3.25(t,J=8.5Hz,2H).
化合物44:
1H NMR(500MHz,DMSO−d
6,300K)δ 9.58(s,1H),8.46(s,1H),8.04(d,J=8.8Hz,1H),7.91(d,J=2.6Hz,1H),7.82(s,1H),7.71(d,J=9.2Hz,1H),7.56−7.61(m,2H),7.46−7.58(m,3H),4.26(t,J=8.4Hz,2H),4.05(s,2H),3.94(s,3H),3.92(s,3H),3.26(t,J=8.4Hz,2H− 溶媒ピークにより部分的に不明瞭),2.34(s,3H).
化合物45:
1H NMR(500MHz,DMSO−d
6,300K)δ 9.61(s,1H),8.50(s,1H),8.43(d,J=9.4Hz,1H),8.01(d,J=8.5Hz,1H),7.81(br s,1H),7.56−7.60(m,2H),7.49−7.53(m,2H),7.22(dd,J=9.1,2.5Hz,1H),7.16(d,J=2.5Hz,1H),4.25(t,J=8.5Hz,2H),4.04(s,2H),3.92(s,3H),3.24(t,J=8.5Hz,2H).
化合物48:
1H NMR(500MHz,DMSO−d
6,300K)δ 9.43(br.s,1H),8.43(s,1H),8.05(d,J=8.5Hz,1H),7.84(s,1H),7.81(br.s,1H),7.61(s,1H),7.49(d,J=8.5Hz,1H),7.31−7.43(m,4H),7.22−7.29(m,1H),7.17(s,1H),4.27(t,J=8.2Hz,2H),4.08(s,2H),3.96(s,3H),3.93(s,3H),3.80(s,3H),3.25(t,J=8.2Hz,3H− 溶媒ピークにより部分的に不明瞭).
化合物49:
1H NMR(400MHz,DMSO−d
6,298K)δ 9.42(s,1H),8.43(s,1H),8.00(d,J=8.7Hz,1H),7.84(s,1H),7.76−7.82(m,2H),7.67−7.70(m,1H),7.58(s,1H),7.47(d,J=8.7Hz,1H),7.17(s,1H),6.67(s,1H),4.33(t,J=8.5Hz,2H),4.09(s,2H),3.95(s,3H),3.93(s,3H),3.26(t,J=8.5Hz,2H 溶媒ピークにより部分的に不明瞭).
化合物50:
1H NMR(500MHz,DMSO−d
6,298K)δ 9.44(s,1H),9.10(s,1H),8.88(s,1H),8.43(s,1H),7.99(d,J=8.7Hz,1H),7.84(s,1H),7.81(s,1H),7.69(s,1H),7.47(d,J=8.7Hz,1H),7.17(s,1H),4.34(t,J=8.4Hz,2H),4.14(s,2H),3.95(s,3H),3.92(s,3H),3.78(s,3H),3.27(t,J=8.4Hz,2H− 溶媒ピークにより部分的に不明瞭).
化合物51:
1H NMR(500MHz,DMSO−d
6,295K)δ 9.44(s,1H),8.43(s,1H),8.02(d,J=8.8Hz,1H),7.84(s,1H),7.81(b.s,1H),7.64(s,1H),7.56−7.61(m,1H),7.47(dd,J=8.8,1.8Hz,1H),7.38(d,J=1.8Hz,1H),7.22−7.25(m,1H),7.17(s,1H),4.32(t,J=8.5Hz,2H),4.13(s,2H),3.95(s,3H),3.93(s,3H),3.78(s,3H),3.26(t,J=8.5Hz,2H).
化合物52:
1H NMR(400MHz,DMSO−d
6,300K)δ 9.42(br.s,1H),8.43(s,1H),8.01(d,J=9.1Hz,1H),7.84(s,1H),7.80(br.s,1H),7.76(s,1H),7.45−7.51(m,3H),7.17(s,1H),4.31(t,J=8.6Hz,2H),4.05(s,2H),3.95(s,3H),3.93(s,3H),3.83(s,3H),3.75(s,3H),3.26(t,J=8.6Hz,2H− 溶媒ピークにより部分的に不明瞭).
化合物53:
1H NMR(500MHz,DMSO−d
6,300K)δ 9.44(s,1H),8.43(s,1H),8.00(d,J=8.7Hz,1H),7.83(s,1H),7.80(br.s,1H),7.67(s,1H),7.48(d,J=8.7Hz,1H),7.14−7.19(m,2H),6.95(s,1H),5.14(s,2H),4.21(t,J=8.5Hz,2H),3.95(s,3H),3.93(s,3H),3.27(t,J=8.5Hz,2H−溶媒ピークにより部分的に不明瞭).
【0209】
液体クロマトグラフィ/質量分析法(LCMS)および融点(M.pt)
LCMS手順
LC測定は、脱気装置を有するバイナリポンプ、オートサンプラー、ダイオードアレイ検出器(PAD)および下記の各方法で明記するカラムを含み、カラムは40℃の温度に保持されている、UPLC(超高速液体クロマトグラフィ)Acquity(Waters)システムを使用して実施した。カラムからの流れを、MS検出器に送った。MS検出器はエレクトロスプレーイオン源を備えるものであった。キャピラリーニードル電圧は3kVであり、イオン源温度を、Quattro(Waters製のトリプル四重極型質量分析装置)上で130℃に維持した。ネブライザーガスとして窒素を使用した。Waters−Micromass MassLynx−Openlynxデータシステムを用いてデータ収集を行った。逆相UPLCは、Waters Acquity BEH(架橋エチルシロキサン/シリカハイブリッド)C18カラム(1.7μm、2.1×100mm)を用いて、0.343ml/分の流量で実施した。2種の移動相(移動相A:95%、7mM酢酸アンモニウム/5%アセトニトリル;移動相B:100%アセトニトリル)を使用して、84.2%Aおよび15.8%B(0.49分間保持)から2.18分間で10.5%Aおよび89.5%Bとし、1.94分間保持し、0.73分間で初期条件に戻し、0.73分間保持する勾配条件を実行した。2μlの注入体積を利用した。コーン電圧は、正イオン化モードと負イオン化モードで20Vとした。質量スペクトルは、0.1秒の走査間遅延を使用して、100〜1000の走査を0.2秒で行うことにより取得した。
【0210】
融点
直線温度勾配を有する熱板、スライドポインタおよび摂氏度で示す温度目盛からなるコフラー(Kofler)ホットベンチを用いて、多くの化合物の融点を得た。
【0211】
分析測定結果を表6に示す。
【0212】
表6:分で示した保持時間(R
t)、[M+H]
+ ピーク(プロトン化分子)、およびM.pt(℃で示した融点)。(n.d.は未検を意味する)
【0213】
【表14】
【0214】
薬理
i)インビトロPERK酵素阻害アッセイ(KIN_PERK pIC50)
本発明の化合物を、PERKに対する阻害活性について酵素阻害アッセイで試験した。
組換GST−PERK(Invitrogen PV5106)、基質としてのGFP−eIF2α(全長)(Invitrogen PV4809)、検出試薬としてのテルブミン標識抗体(Tb−抗−peIF2alpha(pSer52);Invitrogen PV4816)を使用し、以下の特定のパラメータを使用して、本質的に製造業者により記述されている通りに、LanthaScreen(登録商標)テクノロジーを使用した生化学的PERKキナーゼアッセイを実施した:
DMSOに溶解した化合物を、50mM Tris、pH7.5、1mM EGTA、0.01%Tween(登録商標)20、10mM MgCl2、1mM DTT、200nM GFP−eIF2α、12.5ng/ml PERK、5μM ATPからなる反応混合物の状態で、室温で60分間インキュベートした。20mM EDTAを使用して反応を停止し、室温でのインキュベーションの30分後、2nM LanthaScreen(登録商標)Tb−抗−peIF2α(pSer52)抗体を加えてから、以下の波長(nm)を使用してEnvision機器で測定した:Ex337_Em 520/Em 495.
【0215】
ii)細胞ベースのPERK阻害アッセイ(P−eIF2alpha_Lantha_cell pIC50)
細胞ベースの状況で、本発明の化合物がPERK活性を阻害する可能性は、細胞ベースのアッセイを使用して証明することが可能である。
化合物による、HEK293細胞で発現したGFP−eIF2αのリン酸化の阻害を測定するための、細胞ベースのTR−FRETアッセイは、以下の通りに構成した:
LanthaScreen(登録商標)eIF2α GripTite細胞(Invitrogen M4387)をプレーティングして37℃、5%CO
2で16〜20時間インキュベートし、試験化合物と共に60分間インキュベートし、次いでツニカマイシン(2μg/ml)で120分間刺激した。培地をウェルから吸引し、2nMテルビウム標識eIF2a pSer52抗体(Invitrogen;PV4816)を含む、プロテアーゼ阻害剤反応混液(Sigma P8340、1/1000希釈)およびホスファターゼ阻害剤反応混液(Sigma P0044、1/1000希釈)を補充したLanthaScreen(登録商標)Cellular Assay Lysis Buffer(Invitrogen;PV5598)中で細胞を溶解した。暗所でゆっくり振盪(200rpm)しながら、室温で2時間インキュベートした後、以下の波長(nm)を使用して、Envision機器でアッセイプレートを測定した:Ex337_Em 520/Em 495。
【0216】
化合物を、上述の生化学的アッセイおよび細胞ベースのアッセイ(実施例i;ii)で分析し、結果をpIC
50活性として表7に報告する。
【0217】
【表15】
【0218】
組成物の例
これらの例全体を通して使用される「有効成分」(a.i.)は、任意の互変異性体または立体異性体型を含む式(I)の化合物、あるいは薬学的に許容されるその付加塩または溶媒和物に関し;特に例示した化合物のいずれか1つに関する。
本発明の製剤の処方の代表例は以下の通りである。
【0219】
【表16】
【0220】
2.懸濁剤
水性懸濁液を、経口投与用に、1ミリリットル当たり1〜5mgの有効成分、50mgのカルボキシメチルセルロースナトリウム、
1mgの安息香酸ナトリウム、500mgのソルビトールおよび水1mlまでを含有するように調製する。
【0221】
3.注射剤
非経腸組成物を、NaClの0.9%水溶液またはプロピレングリコールの10体積%水溶液中、1.5%(重量/体積)の有効成分を撹拌して調製する。
【0222】
【表17】
【0223】
この例において、有効成分は、同量の本発明による化合物のいずれかに、特に同量の例示した化合物のいずれかに変更することができる。