(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
LEDは一般に、少なくとも1つのn型層又は領域と、1つのp型層又は領域と、n型及びp型層の間に配置された活性層とを備える、積層に対応する基本構造から製造される。
【0003】
太陽電池セルについては、少なくとも1つpn接合(p型層とn型層の接合)を備える基本構造から製造される。これらの基本構造は、複数のpn接合を含むことができる。当業者にはよく知られているようにpn接合は、接合の周りに位置する空間電荷領域(ZCE)に対応する活性区域を含む。
【0004】
上述の基本構造は、必要な積層がエピタキシャル成長によって上に形成される、同じ成長基板から形成することができ、次いでこの積層の部分は、基本LED又は光電池構造を絶縁するために基板から切り離される。
【0005】
しかし、n及びpコンタクトパッドの形成による配線、又は特にその後の処理を行う必要がある成長支持部の分解/除去などの、他のLED又は太陽電池セル製造作業は、すべて又は一部が各基本構造のレベルで個々に行われる、つまり、基本構造は互いに別々であり、従って一回につき1つの構造が処理されることを意味する。
【0006】
同じことが、各デバイスに対して個々に行われる機械的支持部上のLED又は太陽電池セルの組み立てに関わる作業、又は光変換材料(「リン」)を堆積する作業にも当てはまる。
【0007】
図1Aは、複数の同一のLED構造を備える成長基板(例えばサファイア)を切り離した後に得られる、基本LED構造3を概略的に表す。基本LED構造3は、n型層4、活性層5、及びp型層6の積層から構成される。この基本LED構造3は、成長基板2上に形成され、p型層6の上面に反射層(ミラー)7をさらに含み、それにより全体が多層構造1を形成する。
【0008】
知られているように多層構造1は次いで、ミラー層7の露出された面で、ウェハボンディング基板8と組み立てられる(
図1B)。従来、熱圧着によってこの組立体を用意することが有用であり、このボンディングは、組立体の堅牢性を保証するために一定の圧力及び特に高い温度(300℃を超える)の印加を必要とする。例えばこのボンディングは、ボンディングされるべき2つの面の間の半田付けを可能にする金−錫合金を用いて行うことができる。
【0009】
組み立てが完了した後に、成長基板2(一時的な基板として働く)は、多層構造1の残りの部分から除去されるが、このような除去の手順は当業者にはよく知られている(
図1C)。
【0010】
しかし本出願人は、熱圧着技法に関連するいくつかの重大な不利な点を観察した。
【0011】
熱圧着時の温度の増加は、成長基板2及び最終基板8の顕著な熱膨張につながり、この膨張は、これらの基板のそれぞれ熱膨張係数(CTE)の関数となる。従って満足なボンディング結果を得るためには、基板2及び8の種類は、CTEの観点からLED構造3と適合するように選ぶことが必要である。過大なCTE不整合は割れにつながり、その結果として当該の構造の製造歩留まりを低下させる可能性が高い。
【0012】
さらにボンディング時の高い温度は、成長基板の変形(曲がり、そり)を生じる。この変形現象は、ボンディングされるべき構造の成長基板が大きい(例えば150又は200nm)ときに特に増大される。次いで組み立て時に、これらの変形を制限するために、より大きな圧力を加えることが必要になる。その結果として、現在の慣行は、熱圧着時の機械的応力を最小にするために各LED構造を最終基板に個々にボンディングする傾向がある。
【0013】
これらのCTE適合性の制約は、基板2及び8を形成できる材料の選択の範囲を大幅に制限する。選択は例えばゲルマニウムに関心がもたれるが、これは高価であり材料市場で比較的入手できないという不利な点を有する。
【0014】
従って、効率的であり、特に上述の制約及び不利な点を回避することを可能にする、LED又は太陽電池セルの構造を製造するための技法の必要性がある。
【発明の概要】
【0015】
本発明は、
a)第1の基板上に、それぞれが少なくとも1つのp型層、活性区域、及びn型層を備える複数の基本LED又は光電池構造を形成するステップと、
b)基本構造上に第1の平面金属層を形成するステップと、
c)第2の平面金属層を表面の1つに備える移転基板を用意するステップと、
d)第1及び第2の金属層のボンディングによって、移転基板を用いて基本構造を組み立てるステップであって、ボンディングは室温での分子付着によって行われる、ステップと、
e)第1の基板を除去するステップと
含む製造方法に関する。
【0016】
本発明の製造方法は、従来の熱圧着のために必要な圧力及び温度条件の結果として生じる機械的応力(上記に示されたような)を回避することを可能にするという有利がある。従って基本構造との厳密なCTE適合性はもはや必要ないので、第1の基板(支持基板)、及び移転基板を形成するために用いる材料の選択の範囲は大幅に拡大される。
【0017】
従って例えば支持基板を形成するために任意の材料を選択することが可能になり、これは例えば、シリコン(広く入手可能であり、大量では比較的経済的である)、又は金属(モリブデンなど)の基板とすることができる。
【0018】
特定の実施形態では第1の基板上の基本構造は、トレンチによって互いに隔てられる。
【0019】
製造方法は、ステップa)とb)の間に、基本構造の間に存在するトレンチ内に絶縁材料を堆積するステップをさらに含むことができる。
【0020】
各基本構造は、緩和された又は部分的に緩和された材料のアイランド上に形成することができ、この材料は例えばInGaNである。
【0021】
第2の実施形態によれば、方法はステップb)の前に、前記基本構造のそれぞれの露出された面にp又はn型電気的コンタクトパッドを形成するステップをさらに含む。
【0022】
従って方法は、支持基板上に存在する基本構造のすべてに、電気的コンタクトパッドを集合的に形成することを可能にする。集合的形成は、デバイス製造歩留まりにおける大幅な改善をもたらす。
【0023】
LED又は太陽電池セルデバイスが製造され互いに分離された後に、これらのパッドは、基本構造と移転基板の間の電気的接続を確実にすることを可能にする。
【0024】
第3の実施形態によればステップb)及びc)はそれぞれ、第1及び第2の金属層をそれぞれ研磨して1nm RMS以下の表面粗さを得るサブステップを含み、ステップd)は室温での分子付着によるボンディングよって行われる。
【0025】
予めこのような表面品質を得ることは、次いで分子付着によるボンディングを好ましい条件下で行うことを可能にする。
【0026】
方法はステップd)とe)の間に、100℃以下の温度においてアニールするステップをさらに含むことができる。このアニーリングは、分子付着によるボンディングの品質を実質的に改善することを可能にする。
【0027】
さらに第1及び第2の金属層は、Cu、Al、Ti、及びWを含む群から選択される材料において用意することができる。これら2つの金属層は、同じ組成又は異なる組成のものとすることができる。
【0028】
第1の変形形態では、ステップa)において形成される基本構造は、それぞれが少なくとも1つpn接合を備える光電池構造である。
【0029】
第2の変形形態では、ステップa)において形成される基本構造は、前記活性区域が発光層であるLED構造である。
【0030】
特定の実施形態によれば、方法はまたステップe)の後に、基本構造を分離するために移転基板を切り離すステップを含む。
【0031】
本発明の他の特徴及び利点は、限定的と考察されるべきではない実施形態の例を示す、添付の図面を参照して以下に述べられる説明に現れるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1A】従来技術を示す図であり、LEDデバイスを製造する既知の方法の主要なステップを示す概略断面図である。
【
図1B】従来技術を示す図であり、LEDデバイスを製造する既知の方法の主要なステップを示す概略断面図である。
【
図1C】従来技術を示す図であり、LEDデバイスを製造する既知の方法の主要なステップを示す概略断面図である。
【
図2A】本発明の第1の実施形態によるLEDデバイスの製造を示す概略断面図である。
【
図2B】本発明の第1の実施形態によるLEDデバイスの製造を示す概略断面図である。
【
図2C】本発明の第1の実施形態によるLEDデバイスの製造を示す概略断面図である。
【
図2D】本発明の第1の実施形態によるLEDデバイスの製造を示す概略断面図である。
【
図2E】本発明の第1の実施形態によるLEDデバイスの製造を示す概略断面図である。
【
図2F】本発明の第1の実施形態によるLEDデバイスの製造を示す概略断面図である。
【
図2G】本発明の第1の実施形態によるLEDデバイスの製造を示す概略断面図である。
【
図2H】本発明の第1の実施形態によるLEDデバイスの製造を示す概略断面図である。
【
図2I】本発明の第1の実施形態によるLEDデバイスの製造を示す概略断面図である。
【
図3】
図2Aから2Iで述べられる第1の実施形態において実施される主要なステップのフロー図である。
【
図4A】本発明の第2の実施形態によるLEDデバイスの製造を示す概略斜視図及び断面図である。
【
図4B】本発明の第2の実施形態によるLEDデバイスの製造を示す概略斜視図及び断面図である。
【
図4C】本発明の第2の実施形態によるLEDデバイスの製造を示す概略斜視図及び断面図である。
【
図4D】本発明の第2の実施形態によるLEDデバイスの製造を示す概略斜視図及び断面図である。
【
図4E】本発明の第2の実施形態によるLEDデバイスの製造を示す概略斜視図及び断面図である。
【
図4F】本発明の第2の実施形態によるLEDデバイスの製造を示す概略斜視図及び断面図である。
【
図4G】本発明の第2の実施形態によるLEDデバイスの製造を示す概略斜視図及び断面図である。
【
図4H】本発明の第2の実施形態によるLEDデバイスの製造を示す概略斜視図及び断面図である。
【
図4I】本発明の第2の実施形態によるLEDデバイスの製造を示す概略斜視図及び断面図である。
【
図5】
図4Aから4Iで述べられる第2の実施形態において実施される主要なステップのフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本発明は、それぞれが少なくとも1つのp型層、活性区域、及びn型層を備える、基本LED又は光電池(すなわち太陽電池セル)構造の製造に適用される。
【0034】
以下で述べられる本発明の実装形態の例は、LEDデバイスの製造に関することが理解されよう。しかし本発明は太陽電池セルの製造に全く同じく適用され、これらのセルはそれぞれ、少なくとも1つpn接合(各pn接合は上述のように活性区域を備える)を備えた、基本光電池構造を備えることが理解されよう。
【0035】
次に、本発明の第1の実施形態によるLEDデバイスを製造する方法について、
図2Aから2I及び3を参照して述べる。
【0036】
第1の実施形態では方法は、平板又は支持基板10から実施される。支持基板10は、この例ではサファイアであるが、特にシリコン、炭化珪素、又はゲルマニウムなどの他の材料が可能である。
【0037】
初めにn型層12(厚さ約1又は2μm)、活性層14(約10nm)、及びp型層16(厚さ約100nm〜200nm)が、支持基板(10)上にエピタキシによって連続して堆積される(それぞれS2、S4、及びS6、
図2A)。これらの層が用意される方法は当業者には知られており、従って本文書ではさらに詳しく述べない。
【0038】
n及びp型層は、逆の順序で形成することができ、非意図的にドープされた副層を含む、様々な組成物、厚さ、又はドーパント濃度のいくつかの副層を含むことができる。
【0039】
活性層18は、単一の厚い若しくは薄い層、又はバリア層によって互いに分離された発光量子井戸の複数の層から形成され得る、発光(エレクトロルミネセント)層である。
【0040】
次いで層16内にp型アイランド20を形成するために、p型層16の厚さにわたって(及びオプションとしてまた活性層18の厚さの一部分に)、トレンチ19を配置するようにエッチングステップが行われる(S8、
図2B)。
【0041】
次いでこの段階において、それぞれがp型の絶縁されたアイランド20、活性層28、及びn型層12を備えた、複数の基本LED構造25を備える構造28が得られる。ここで活性層18及びn型層12は、すべての基本LED構造25に共通であることが理解されよう。
【0042】
非限定的な例として、ここで各p型アイランド20は、1辺の長さが1mmの正方形である。最終のLEDの形状及び少なくとも寸法の一部を規定するこれらのアイランド20の形状及び寸法は、もちろん異なることができ、アイランド20は特に円形形状をもつことができる。
【0043】
次いで、基本LED構造25の露出された面及びトレンチ19を覆うために、絶縁材料30の層、ここではSiO
2がプラズマ化学気相成長法(PECVD)によって堆積される(ステップS10、
図2C)。堆積の後にこの絶縁材料の層30は、化学機械研磨(CMP)、又は任意の他の適切な研磨技法(化学エッチングなど)によって平坦化される(
図2C)。SiO
2層30はまた、スピナ上で回転する基板に、粘性SiO
2前駆体組成物を堆積することからなる、よく知られたスピンオンガラス(SOG)技法によって形成することができる。この堆積技法によりSiO
2層は、堆積後の研磨ステップを必要としない満足な表面品質を有する。
【0044】
次いで絶縁層30は、例えばドライ又はウエット選択化学エッチングによって、各p型アイランド20の上で開口される(ステップS12、
図2D)。このエッチングステップS12の完結において、このように作製された開口32は、絶縁層30の残った部分34によって画定される。この目的のために、構造内のエッチングされるべき区域を画定する開口(樹脂のない区域)を有する保護樹脂層を備えるエッチングマスクが使用される。
【0045】
次いでpコンタクトパッド36が、開口32内に、後者内への少なくとも1つの導電性材料の堆積によって形成される(ステップS14、
図2E)。コンタクトパッド36材料の堆積時に、用いられるマスクは開口32のエッチングのために保存される。pコンタクトパッド36が形成された後に、エッチングマスクの保護樹脂は除去され、これは、開口32を超えて堆積されたpコンタクトパッド36の構成材料を同時に除去することを可能にする。
【0046】
従って方法は、支持基板上に存在する基本構造25の全体に、電気的コンタクトパッドを集合的に形成することを可能にする。集合的形成は、デバイス製造歩留まりに大幅な改善をもたらす。
【0047】
pコンタクトパッド138を形成する層は、特に以下を含むことができる。
良好な抵抗率及び良好なオーム特性を得るための、1Å〜5nmの厚さを有するNi、Pd、又はPtなどの金属、
反対面に向かって出る光子(すなわち、構造が最終基板に移転されたときにp型層に向かって移動する光子であり、従って放射面はn型層12の側に見出される)を、放射面に戻すための、例えば約100nmの厚さを有するAgの層の形でのリフレクタ、
例えば20〜50nmの厚さを有するWN又はTiNの層の形での拡散バリア。
【0048】
製造プロセスのこの段階において、それぞれにpコンタクトパッド36が設けられた複数の基本構造25を有する平板の形での構造38が得られる。
【0049】
次は、基本構造25及び絶縁部分34を覆うように、構造38の上面38aの全体に金属層40を形成することである(ステップS16、
図2F)。金属層40は、例えばプラズマ化学気相成長法(PECVD)、又は薄い層を形成するように構成された、当業者には知られている任意の他の技法(SOG技法など)によって用意される。金属堆積は、例えば全くPVD(例えばアルミニウムの金属層40の場合)によって、又はCVDによって行うことができ、オプションとしてその後に電着フェーズが続く。用いられる堆積技法は、層40を構成する金属に依存する。
【0050】
図2Fに示されるように、このように堆積された金属層40は、下にあるトポグラフィの形、特にpコンタクトパッド36との関連において絶縁部分34によって形成された輪郭に、ある程度追従する。この例では絶縁部分34は隣接するpアイランド20と比べて高さ約1μmの「段差」を形成する。金属層40の厚さは、次いで、続くステップS18の間に適切に平坦化され得るように選択される(以下を参照)。この例では金属層の厚さは約3μmである。
【0051】
金属層40は、複数の導電性副層を含むことができ、又は導電性材料の単一の層から構成され得ることが留意されるべきである。金属層40は例えば、以下の導電性材料、すなわち銅、アルミニウム、チタン、及びタングステンの1つ(又は少なくとも2つの組み合わせ)から構成される、少なくとも1つの副層を含むことができる。代替として金属層40は、例えば上述の材料の1つから形成された単一の層から構成される。
【0052】
次いで金属層40は、残った金属層42の上面42aが、その後のボンディングを可能にするのに十分な平面性を有するように、化学機械研磨(CMP)によって用意される(ステップS18、
図2G)。この研磨は、例えば1nm RMS以下、及び好ましくは0.5nm RMS以下の表面粗さ42aを得ることを可能にする(本文書において示されるRMSでの粗さの値は、1μm×1μmの表面に対応することが留意されるべきである)。以下に示されるように必要な粗さは、後のボンディングステップS22の間に用いられるボンディング技法に特に依存する(以下を参照)。
【0053】
この例では研磨S18の後に、研磨ステップS18の結果として生じた粒子を取り除くために、金属層42の上面42aをクリーニングするステップが続く(ステップS20、
図2G)。
【0054】
クリーニングS20は、研磨ステップS18の完結において前もって得られた露出された面42aの粗さを変えないように行われなければならない。さらにこのクリーニングステップS20は、露出された面42aの研磨S18の結果として生じ得る残留物の最大点を除去することが可能でなければならない。
【0055】
プロセスのこの段階において、それぞれにpコンタクトパッドが設けられた複数の基本LED構造25を有する、平板の形での構造45が得られ、これらの構造25は平面金属層42によって覆われる。金属層42に必要な粗さは、それでも、後のボンディングステップS22(以下を参照)において使用されるボンディング技法に従っていくらか変わり得る。
【0056】
変形形態として、金属層40の堆積S16に進む前に、構造38の露出された面38aの化学機械研磨(CMP)の第1のステップを行うことが可能であることが留意されるべきである。この金属堆積の後に、金属層40の露出された面を適切に平坦化するために、ステップS18に示されるように第2の化学機械研磨が行われる。この変形形態は、金属層40を形成するために堆積されるべき金属の量を実質的に節約することを可能にする(金属層40の下にある輪郭は、第1の研磨ステップの間に除去される)。このような節約は、用いられる金属が高価な場合(例えば金の場合)に特に有利である。一方、この変形形態は、追加の研磨ステップを必要とし、これはまたコスト及び生産性の観点から影響を与える。
【0057】
クリーニングステップS20が行われた後に、新しい構造52を得るように移転基板(又はレシーバ基板)50が、構造45の上面42aにボンディングされる(ステップS22、
図2H)。
【0058】
移転基板50は、半導体材料(例えばシリコン)、又は金属(モリブデン、タングステンなど)とすることができる。
【0059】
この例では移転基板50は、そのボンディング面50aに、ボンディングステップS22の間に金属層42と接触するようにもたらされる金属層46を備える。金属層42は、以下の元素、すなわちCu、Al、Ti、及びWのうちの少なくとも1つから構成され得る。
【0060】
また金属層42及び46は、場合によって同じ組成又は異なる組成のものとすることができることが理解されよう。
【0061】
1つの変形形態によれば移転基板50は、単一の金属の平板(例えば銅、タングステンなどの平板)からなる。この場合は移転基板50の本体の1つの表面は、ボンディングステップS22の間に金属層42と直接接触するようにもたらされる。
【0062】
面42aについては、移転基板50のボンディング面50aは、好ましい条件下で構造45とのボンディングを行うことができるように平面である。以下で説明されるように、ボンディング面50aに必要な粗さは、それでも、組み立てステップS22の間に使用されるボンディング技法に従っていくらか変わり得る。
【0063】
第1の変形形態では、移転基板50上の構造45の組み立ては、分子付着により(例えば室温(20〜30℃)にて)、金属層42及び46をボンディングすることによって行われる。分子付着によるボンディングが好ましい条件下で行われるためには、金属層42及び46のボンディング面42a及び50aの粗さが1nm RMS未満、好ましくは0.5nm RMS以下であることが必要である。従って金属層42の研磨のステップS18は、このような粗さを達成するように構成されなければならない。さらに構造45とのボンディングの前に、移転基板50のボンディング面50aに研磨ステップ(例えばCMP)を行うことができる。しかし必要な粗さは、このような移転基板50の研磨を必要とせずに達成することができ、これは例えば金属層46が非常に薄い層である(例えば5nm)、又は移転基板50が完全に金属であるときに当てはまる。
【0064】
直接ボンディングとも呼ばれる分子付着によるボンディングの原理は、それ自体でよく知られているように、2つの面(ここでは面42a及び50a)を直接接触に、すなわち特定のボンディング材料(接着剤、蝋、半田など)を使用せずに、もたらすことに基づく。このような作業は、ボンディングされる面が十分に平滑であり、粒子若しくは汚染がないこと、及び接触を開始することを可能にするために、それらが十分近くに、通常は数ナノメートル未満にもたらされることを必要とする。この場合は2つの面の間の引力は、分子付着(ボンディングされるべき2つの面の原子又は分子間の電子相互作用の引力(ファンデルワールス力)の合計によって誘起されるボンディング)を引き起こすのに十分に大きくなる。
【0065】
分子付着によるボンディングは、構造45及び/又は移転基板50(好ましくは平板の周辺上)の少なくとも1つの位置上の圧力点の印加によって開始することができる。次いでこれら2つの平板の間のボンディング波は、圧力が印加された点から伝播される。しかしこのような圧力の印加は、ボンディング波の伝播を開始するために必須ではない。
【0066】
分子付着によるボンディングの後に、移転基板50への構造45のボンディングを強化するために、アニーリングを中温(好ましくは100℃以下)で行うことができる。
【0067】
第2の変形形態によれば、ステップS22におけるボンディングは、室温での圧縮によって行うことができる。この技法は、特に面42a及び/又は50aの粗さが大きいとき(典型的には0.5〜5nm RMS)、及び特に面42a及び50aが、分子付着によるボンディングを可能にするには十分平面でないときに、移転基板50への構造45のボンディングを得ることを可能にする。
【0068】
第3の変形形態によれば、ステップS22におけるボンディングは、100℃以下の温度での圧縮によって行うことができる。この適度な温度の上昇は、移転基板50への構造45のボンディングを容易にするために行うことができる。圧着時に加えられる温度は、基板10及び50の材料の関数となり、特にこれら2つの基板のCTEの関数となる。実際、選ばれる温度は、CTE不整合による割れのリスクを最小にするものでなければならない。
【0069】
移転基板50は好ましくは、最終のLEDデバイスのための良好な機械的支持、及びpコンタクトパッド36へのアクセスを確実にできるようにしなければならない。この例では移転基板50は、そのボンディング面50aの側から、絶縁材料の部分によって互いに絶縁された銅コンタクトパッド(図示せず)を備え、これらの部分は例えばSiNである。これらのコンタクトパッドのそれぞれは、少なくともpコンタクトパッド36の一部と整列した位置に形成される。面50aに位置する移転基板50のコンタクトパッドへのアクセスは、例えば移転基板50の厚さをその反対の面50bまで横断する、「ビア」とも呼ばれる垂直の電子的接続(図示せず)によって確実にされる。
【0070】
移転基板50は特に、良好な熱伝導体であるアルミナ若しくは多結晶AlN、又はシリコンから構成され得る。
【0071】
移転基板50及び構造45が組み立てられた後に、支持基板10は、例えば特にサファイア基板の場合はよく知られたレーザリフトオフの技法によって、又は化学エッチングによって除去される(ステップS24、
図2I)。
【0072】
レーザリフトオフ又は他の非破壊的技法による除去の場合は、支持基板101は再使用することができる。
【0073】
プロセスのこの段階において構造60が得られ、それから、配線され少なくともp接続が設けられた基板を備えた1つ又は複数の基本構造25からそれぞれが形成されたLEDデバイスを切り離すことができる。
【0074】
LED構造60の面60aは、支持基板10から残る残留物を除去するためにエッチングすることができ、それからの光の抽出を増加するように構造化できることが留意されるべきである(ステップS26、
図2I)。エッチングは、特に反応性プラズマエッチング(塩素処理又はフッ素処理)によって、又はUV補助化学(PEC)エッチングによって行うことができる。
【0075】
ここで述べられる例では次いで、前面60aに、n型層12上のnコンタクトパッドを形成することができる。これらのnコンタクトパッドの形成は、切断ステップの前に平板の全体に集合的に行うことができ(すべてのLED構造を同時に配線するために)、又は代替としてこれらのパッドは、切断ステップが行われた後に、各LEDデバイスに対して独立して用意することができる。
【0076】
白色光LEDデバイスの形成の場合はまた、LED構造60の面60aに、デバイスによって放射される光を白色光に変換することができるルミノフォリック材料の層を、例えば面60aに液体リンベースの組成物を適用し、その後に分散溶媒を蒸発させるようにアニールすることによって堆積することができる(スピンオンガラス)。
【0077】
さらにLEDデバイスにはフレネルレンズなどの微細構造を、例えば構造60の面60aに微細構造をナノ印刷又はマイクロ印刷することによって設けることができる。
【0078】
さらに切断ステップは、製造プロセスの完結において、構造60内に存在するLED構造を分離することを可能にする。
【0079】
本発明の製造方法は、従来の熱圧着によるボンディング(上記に示されたような)のために必要な圧力及び温度条件の結果として生じる機械的応力を回避することを可能にするという有利がある。従って基本LED構造との厳密なCTE適合性はもはや必要ないので、支持基板及び移転基板を形成するために用いる材料の選択の範囲は大幅に拡大される。従って例えば支持基板を形成するために任意の材料を選択することが可能になり、これは例えば、シリコン(広く入手可能であり、大量では比較的経済的である)、又は金属(モリブデンなど)の基板とすることができる。
【0080】
支持基板及び移転基板の組み立てを室温で、好ましくは分子付着によるボンディングによって行うことは、特に有利である。このタイプのボンディングは、ボンディング時に基板に加えられる機械的応力を制限し、変形につながり得る熱膨張を避けることを可能にする。従って基板を形成することができる材料の選択の範囲は、非常に拡大される。
【0081】
図4Aから4I及び5は、本発明の第2の実施形態によるLEDデバイスの製造を表す。
【0082】
この第2の実施形態は全体として、
図2Aから2I及び3を参照して上述した第1の実施形態と非常に似ている。
【0083】
この第2の実施形態は、基本LED構造(ここでは125と示される)が複合成長基板100上に形成され、後者は支持基板110、埋め込み層102、及び成長アイランド104(
図2A及び2B)を備える点が第1の実施形態と異なる。
【0084】
支持基板101はここではサファイアからなる。基板110はまた、特にシリコン、炭化珪素、又はゲルマニウムなどの半導体材料から構成され得る。埋め込み層102は、ここではSiO
2内に用意されたアダプテーション層である。成長アイランド104は、緩和された材料の成長層、ここでは例えばGaNのシード層上のエピタキシャル成長によって用意されたInGaNの層から得られ、次いで埋め込み層102を通じて支持基板110上に移転される。
【0085】
ここでInGaN成長アイランド104を画定するために、成長層内にトレンチ119が用意された。これらのトレンチはまた、緩和されるべきInGaN表面を少なくすることを可能にする。InGaN層の緩和は、本発明の製造方法に先だって、例えばInGaNの下に前もって配置されたわずかに粘性のある層(例えば硼燐珪酸ガラス(BPSG))(図示せず)のアニーリングによって行われる。
【0086】
基本LED構造125は、第1の実施形態において上述したそれぞれのステップS2、S4、及びS6の間と同じ条件に従って、成長アイランド104上に、エピタキシによりn型層112、活性層118、及びp型層120を連続して堆積することによって形成される(それぞれステップS102、S104、及びS106)。
【0087】
この第2の実施形態は、基本構造125を互いに完全に分離するようにトレンチ119が配置されるという点で、上述の第1の実施形態と異なる(すなわち基本構造125のn型層112及び活性層118は、他の基本構造125とは共通ではない)。
【0088】
次のステップS110、S112、S114、S116、S118、S120、S122、S124、及びS126は、上述のステップS10、S12、S14、S16、S18、S20、S22、S24、及びS26と同じ条件に従って行われ、従って話を簡単にするためにそれらについては再び述べない。
【0089】
特に要素130、132、134、136、138、140、142、145、146、150、152、及び160は、それぞれ上述の要素30、32、34、36、38、40、42、45、46、50、52、及び60に対応し、同じ条件に従って用意された。
【0090】
第2の実施形態はまた第1の実施形態と、支持基板110の除去S124の後に、例えば化学エッチングによる埋め込み層102、次いで成長アイランド104の取り除きS125を含む点で異なる(
図4I)。
【0091】
ここでSiO
2の埋め込み層102は、支持基板110の取り外しを容易にすることを可能にする。
【0092】
ステップS125が行われた後に、第1の実施形態の取り除きステップS25と同じ方法で支持基板110、埋め込み層102、及び成長アイランド104から残留物を除去することができる。
【0093】
第1の実施形態に関して上述した利点は、この第2の実施形態にも当てはまる。