特許第6269906号(P6269906)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6269906
(24)【登録日】2018年1月12日
(45)【発行日】2018年1月31日
(54)【発明の名称】組成物及びそれを使用した液晶表示素子
(51)【国際特許分類】
   C09K 19/44 20060101AFI20180122BHJP
   C09K 19/12 20060101ALI20180122BHJP
   C09K 19/20 20060101ALI20180122BHJP
   C09K 19/34 20060101ALI20180122BHJP
   G02F 1/13 20060101ALI20180122BHJP
【FI】
   C09K19/44
   C09K19/12
   C09K19/20
   C09K19/34
   G02F1/13 500
【請求項の数】6
【全頁数】119
(21)【出願番号】特願2017-547020(P2017-547020)
(86)(22)【出願日】2017年4月6日
(86)【国際出願番号】JP2017014324
【審査請求日】2017年9月6日
(31)【優先権主張番号】特願2016-84456(P2016-84456)
(32)【優先日】2016年4月20日
(33)【優先権主張国】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000002886
【氏名又は名称】DIC株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100124970
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 通洋
(74)【代理人】
【識別番号】100159293
【弁理士】
【氏名又は名称】根岸 真
(72)【発明者】
【氏名】長島 豊
(72)【発明者】
【氏名】栗沢 和樹
(72)【発明者】
【氏名】岩下 芳典
【審査官】 上條 のぶよ
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2015/029556(WO,A1)
【文献】 国際公開第2015/159656(WO,A1)
【文献】 特開2015−178589(JP,A)
【文献】 国際公開第2015/098233(WO,A1)
【文献】 特開2014−205791(JP,A)
【文献】 特開2016−033203(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09K 19/00
G02F 1/13
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(i)で表される化合物を1種又は2種以上及び一般式(ii)で表される化合物を1種又は2種以上を含有し、
【化1】
(式中、Ri1及びRii1はそれぞれ独立して、炭素原子数1〜8のアルキル基を表し、該アルキル基中の1個又は非隣接の2個以上の−CH−はそれぞれ独立して−CH=CH−、−C≡C−、−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−によって置換されていてもよく、
i1〜Xi4及びXii1〜Xii6はそれぞれ独立して、水素原子又はフッ素原子を表し、
ii7はフッ素原子、−CF又は−OCFを表し、
ii1は−O−を表す。)
式(L−1−1.3)で表される化合物を含有する組成物。
【化2】
【請求項2】
更に式(L−1−2.2)で表される化合物を含有する請求項1に記載の組成物。
【化3】
【請求項3】
更に一般式(J)で表される化合物を1種類又は2種類以上含有する請求項1又は2に記載の組成物。
【化4】
(式中、RJ1は炭素原子数1〜8のアルキル基を表し、該アルキル基中の1個又は非隣接の2個以上の−CH−はそれぞれ独立して−CH=CH−、−C≡C−、−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−によって置換されていてもよく、
J1は、0、1、2、3又は4を表し、
J1、AJ2及びAJ3はそれぞれ独立して、
(a) 1,4−シクロヘキシレン基(この基中に存在する1個の−CH−又は隣接していない2個以上の−CH−は−O−に置き換えられてもよい。)
(b) 1,4−フェニレン基(この基中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=は−N=に置き換えられてもよい。)及び
(c) (c)ナフタレン−2,6−ジイル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基又はデカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基(ナフタレン−2,6−ジイル基又は1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=は−N=に置き換えられても良い。)
からなる群より選ばれる基を表し、上記の基(a)、基(b)及び基(c)はそれぞれ独立してシアノ基、フッ素原子、塩素原子、メチル基、トリフルオロメチル基又はトリフルオロメトキシ基で置換されていても良く、
J1及びZJ2はそれぞれ独立して単結合、−CHCH−、−(CH−、−OCH−、−CHO−、−OCF−、−CFO−、−COO−、−OCO−又は−C≡C−を表し、
J1が2、3又は4であってAJ2が複数存在する場合は、それらは同一であっても異なっていても良く、nJ1が2、3又は4であってZJ1が複数存在する場合は、それらは同一であっても異なっていても良く、
J1は、水素原子、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、トリフルオロメチル基、フルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基又は2,2,2−トリフルオロエチル基を表すが、一般式(i)及び(ii)で表される化合物を除く。)
【請求項4】
更に、一般式(L)で表される化合物を1種類又は2種類以上含有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物。
【化5】
(式中、RL1及びRL2はそれぞれ独立して炭素原子数1〜8のアルキル基を表し、該アルキル基中の1個又は非隣接の2個以上の−CH−はそれぞれ独立して−CH=CH−、−C≡C−、−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−によって置換されていてもよく、
L1は0、1、2又は3を表し、
L1、AL2及びAL3はそれぞれ独立して
(a) 1,4−シクロヘキシレン基(この基中に存在する1個の−CH−又は隣接していない2個以上の−CH−は−O−に置き換えられてもよい。)及び
(b) 1,4−フェニレン基(この基中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=は−N=に置き換えられてもよい。)
(c) (c)ナフタレン−2,6−ジイル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基又はデカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基(ナフタレン−2,6−ジイル基又は1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=は−N=に置き換えられても良い。)
からなる群より選ばれる基を表し、上記の基(a)、基(b)及び基(c)はそれぞれ独立してシアノ基、フッ素原子又は塩素原子で置換されていても良く、
L1及びZL2はそれぞれ独立して単結合、−CHCH−、−(CH−、−OCH−、−CHO−、−COO−、−OCO−、−OCF−、−CFO−、−CH=N−N=CH−、−CH=CH−、−CF=CF−又は−C≡C−を表し、
L1が2又は3であってAL2が複数存在する場合は、それらは同一であっても異なっていても良く、nL1が2又は3であってZL3が複数存在する場合は、それらは同一であっても異なっていても良いが、一般式(i)で表される化合物、一般式(ii)で表される化合物、式(L−1−1.3)で表される化合物、式(L−1−2.2)で表される化合物及び一般式(J)で表される化合物を除く。)
【請求項5】
請求項1に記載の組成物を使用した液晶表示素子。
【請求項6】
請求項1に記載の組成物を使用したTN、ECB、IPS又はFFS型液晶表示素子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は液晶表示材料として有用な誘電率異方性(Δε)が正の値を示す組成物及びこれを用いた液晶表示素子に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示素子は、時計、電卓をはじめとして、各種測定機器、自動車用パネル、ワードプロセッサー、電子手帳、プリンター、コンピューター、テレビ、時計、広告表示板等に用いられるようになっている。液晶表示方式としては、その代表的なものにTN(ツイステッド・ネマチック)型、STN(スーパー・ツイステッド・ネマチック)型、TFT(薄膜トランジスタ)を用いた垂直配向型やIPS(イン・プレーン・スイッチング)型等がある。これらの液晶表示素子に用いられる液晶組成物は水分、空気、熱、光などの外的刺激に対して安定であること、また、室温を中心としてできるだけ広い温度範囲で液晶相を示し、低粘性であり、かつ駆動電圧が低いことが求められる。さらに液晶組成物は個々の表示素子にとって誘電率異方性(Δε)又は及び屈折率異方性(Δn)等を最適な値とするために、数種類から数十種類の化合物から構成されている。
【0003】
垂直配向(VA)型ディスプレイではΔεが負の液晶組成物が用いられており、TN型、STN型又はIPS(イン・プレーン・スイッチング)型等の水平配向型ディスプレイではΔεが正の液晶組成物が用いられている。また、Δεが正の液晶組成物を電圧無印加時に垂直に配向させ、横電界を印加する事で表示する駆動方式も報告されており、Δεが正の液晶組成物の必要性はさらに高まっている。一方、全ての駆動方式において低電圧駆動、高速応答、広い動作温度範囲が求められている。すなわち、Δεが正で絶対値が大きく、粘度(η)が小さく、高いネマチック相−等方性液体相転移温度(Tni)が要求されている。また、Δnとセルギャップ(d)との積であるΔn×dの設定から、液晶組成物のΔnをセルギャップに合わせて適当な範囲に調節する必要がある。加えて液晶表示素子をテレビ等へ応用する場合においては高速応答性が重視されるため、回転粘性(γ1)の小さい液晶組成物が要求される。
【0004】
高速応答性を志向した液晶組成物の構成として、例えば、Δεが正の液晶化合物である式(A−1)、(A−2)及び(A−3)で表される化合物、及びΔεが中性の液晶化合物である(B)を組み合わせて使用した液晶組成物の開示がされている(特許文献1から4)。
【0005】
【化1】
【0006】
一方で、液晶表示素子の用途が拡大するに至り、その使用方法、製造方法にも大きな変化が見られる。これらの変化に対応するためには、従来知られているような基本的な物性値以外の特性を最適化することが求められるようになった。すなわち、液晶組成物を使用する液晶表示素子はVA型やIPS型等が広く使用されるに至り、その大きさも50型以上の超大型サイズの表示素子が実用化されるに至り使用されるようになった。基板サイズの大型化に伴い、液晶組成物の基板への注入方法も従来の真空注入法から滴下注入(ODF:One Drop Fill)法が注入方法の主流となったが、液晶組成物を基板に滴下した際の滴下痕が表示品位の低下を招く問題が表面化するに至った。 さらに、ODF法による液晶表示素子製造工程においては、液晶表示素子のサイズに応じて最適な液晶注入量を滴下する必要がある。注入量のずれが最適値から大きくなると、あらかじめ設計された液晶表示素子の屈折率や駆動電界のバランスが崩れ、斑発生やコントラスト不良などの表示不良が生じる。特に、最近流行しているスマートフォンに多用される小型液晶表示素子は、最適な液晶注入量が少ないために最適値からのずれを一定範囲内に制御すること自体が難しい。従って、液晶表示素子の歩留まり高く保持するために、例えば、液晶滴下時に生じる滴下装置内の急激な圧力変化や衝撃に対する影響が少なく、長時間にわたって安定的に液晶を滴下し続けることが可能な性能も必要である。
【0007】
このように、TFT素子等で駆動するアクティブマトリックス駆動液晶表示素子に使用される液晶組成物おいては、高速応答性能等の液晶表示素子として求められている特性や性能を維持しつつ、従来から重視されてきた高い比抵抗値あるいは高い電圧保持率を有することや光や熱等の外部刺激に対して安定であるという特性に加えて、液晶表示素子の製造方法を考慮した開発が求められてきている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2008−037918号
【特許文献2】特開2008−038018号
【特許文献3】特開2010−275390号
【特許文献4】特開2011−052120号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明が解決しようとする課題は、Δεが正の組成物であって、広い温度範囲の液晶相を有し、粘性が小さく、低温での溶解性が良好で、比抵抗や電圧保持率が高く、熱や光に対して安定な組成物を提供し、更にこれを用いることで表示品位に優れ、焼き付きや滴下痕等の表示不良の発生し難いFFS型、IPS型やTN型等の液晶表示素子を歩留まりよく提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者は、種々の液晶化合物及び種々の化学物質を検討し、特定の液晶化合物を組み合わせることにより前記課題を解決することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】
一般式(i)で表される化合物を1種又は2種以上及び一般式(ii)で表される化合物を1種又は2種以上を含有し、
【0012】
【化2】
【0013】
(式中、Ri1及びRii1はそれぞれ独立して、炭素原子数1〜8のアルキル基を表し、該アルキル基中の1個又は非隣接の2個以上の−CH−はそれぞれ独立して−CH=CH−、−C≡C−、−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−によって置換されていてもよく、
i1〜Xi4及びXii1〜Xii6はそれぞれ独立して、水素原子又はフッ素原子を表し、
ii7はフッ素原子、−CF又は−OCFを表し、
ii1は−CH−又は−O−を表す。)
式(L−1−1.3)で表される化合物及び式(L−1−2.2)で表される化合物の一方又は両方を含有する組成物を提供し、
【0014】
【化3】
【0015】
併せて、該組成物を使用した液晶表示素子、及び該組成物を使用したTN(Twisted Nematic)、ECB(Electrically Controlled Birefringence)、IPS(In Plane Switching)又はFFS(Fringe Field Switching)型液晶表示素子を提供する。
【発明の効果】
【0016】
本発明の正の誘電率異方性を有する組成物は、大幅に低い粘性を得ることができ、低温での溶解性が良好で、比抵抗や電圧保持率が熱や光によって受ける変化が極めて小さいため、製品の実用性が高く、これを用いたIPS型やFFS型等の液晶表示素子は高速応答を達成できる。また液晶表示素子製造工程において安定的に性能を発揮できるため、工程起因の表示不良が抑制されて歩留まり高く製造できるので、非常に有用である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の組成物は、室温(25℃)において液晶相を呈することが好ましく、ネマチック相を呈することが更に好ましい。また、本発明の組成物は誘電的にほぼ中性の化合物(Δεの値が−2〜2)及び正の化合物(Δεの値が2より大きい)を含有する。尚、化合物の誘電率異方性は、25℃において誘電的にほぼ中性の組成物に添加して調製した組成物の誘電率異方性の測定値から外挿した値である。なお、以下含有量を%で記載するが、これは質量%を意味する。
【0018】
一般式(i)で表される化合物は1種のみを使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用することもできる。
【0019】
一般式(i)中、Ri1は、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基、炭素原子数2〜8のアルケニル基又は炭素原子数2〜8のアルケニルオキシ基が好ましく、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数1〜5のアルコキシ基、炭素原子数2〜5のアルケニル基又は炭素原子数2〜5のアルケニルオキシ基が好ましく、炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基が更に好ましく、炭素原子数2〜5のアルキル基が更に好ましく、信頼性を重視する場合にはRi1はアルキル基であることが好ましい。
【0020】
また、ネマチック相を安定化させるためには炭素原子及び存在する場合酸素原子の合計が5以下であることが好ましく、直鎖状であることが好ましい。
【0021】
i1〜Xi4はそれぞれ独立して、水素原子又はフッ素原子を表すが、これらのうち、フッ素原子は2個以下であることが好ましく、1個のみがフッ素原子であることが好ましい。Xi1及びXi2が水素原子であることが好ましい。Xi3が水素原子であり、Xi4がフッ素原子であることが好ましい。Xi3がフッ素原子であり、Xi4が水素原子であることが好ましい。
【0022】
本発明の組成物の総量に対しての式(i)で表される化合物の好ましい合計の含有量の下限値は、1%であり、2%であり、4%であり、5%であり、8%であり、10%である。好ましい含有量の上限値は、35%であり、33%であり、30%であり、28%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%であり、10%であり、8%である。
【0023】
式(i)で表される化合物を複数使用する場合やΔεの改善を重視する場合には、高めにすることが好ましく、ネマチック相上限温度とΔεのバランスを重視する場合には低めに設定することが好ましい。
【0024】
一般式(i)で表される化合物としては、一般式(i−1)〜(i−5)で表される化合物が好ましい。
【0025】
【化4】
【0026】
(式中、Ri1は、一般式(i)中のRi1と同じ意味を表す。)
一般式(i−1)〜(i−5)で表される化合物としては、一般式(i−2)〜(i−3)で表される化合物が好ましく、一般式(i−2)で表される化合物が好ましい。
【0027】
本発明の組成物の総量に対しての式(i−2)で表される化合物の好ましい合計の含有量の下限値は、1%であり、2%であり、4%であり、5%であり、8%であり、10%である。好ましい含有量の上限値は18%であり、15%であり、13%であり、10%であり、8%であり、5%である。
【0028】
本発明の組成物の総量に対しての式(i−3)で表される化合物の好ましい合計の含有量の下限値は、1%であり、2%であり、4%であり、5%であり、8%であり、10%である。好ましい含有量の上限値は18%であり、15%であり、13%であり、10%であり、8%であり、5%である。
【0029】
式(i−2)や(i−3)で表される化合物を複数使用する場合やΔεの改善を重視する場合には、高めにすることが好ましく、ネマチック相上限温度とΔεのバランスを重視する場合には低めに設定することが好ましい。
【0030】
特に好ましい化合物は下記の式(i−1−1)〜(i−4−3)で表される化合物である。
【0031】
【化5】
【0032】
【化6】
【0033】
下記の式(i−1−1)〜(i−4−3)で表される化合物のうち式(i−2−1)、(i−2−2)、(i−3−1)及び(i−3−2)で表される化合物が好ましく、式(i−2−2)及び(i−3−2)で表される化合物が好ましく、式(i−2−2)で表される化合物が好ましい。
【0034】
本発明の組成物の総量に対しての式(i−2−2)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、2%であり、4%であり、5%であり、8%であり、10%である。好ましい含有量の上限値は18%であり、15%であり、13%であり、10%であり、8%であり、5%である。
【0035】
本発明の組成物の総量に対しての式(i−3−2)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、2%であり、4%であり、5%であり、8%であり、10%である。好ましい含有量の上限値は18%であり、15%であり、13%であり、10%であり、8%であり、5%である。
【0036】
一般式(ii)で表される化合物は1種のみを使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用することもできる。
【0037】
一般式(ii)中、Rii1は、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基、炭素原子数2〜8のアルケニル基又は炭素原子数2〜8のアルケニルオキシ基が好ましく、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数1〜5のアルコキシ基、炭素原子数2〜5のアルケニル基又は炭素原子数2〜5のアルケニルオキシ基が好ましく、炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基が更に好ましく、炭素原子数2〜5のアルキル基が更に好ましく、信頼性を重視する場合にはRii1はアルキル基であることが好ましい。
【0038】
また、ネマチック相を安定化させるためには炭素原子及び存在する場合酸素原子の合計が5以下であることが好ましく、直鎖状であることが好ましい。
【0039】
ii1〜Xii6はそれぞれ独立して、水素原子又はフッ素原子を表すが、これらのうち、フッ素原子は3〜5個であることが好ましく、4個又は5個がフッ素原子であることが好ましい。
【0040】
ii7は、フッ素原子又は−OCFが好ましく、フッ素原子であることが好ましい。
【0041】
ii1は他の液晶化合物との相溶性及び誘電率異方性の改善効果に重点を置く場合は−O−であることが好ましい。
【0042】
本発明の組成物の総量に対しての一般式(ii)で表される化合物の好ましい合計の含有量の下限値は、1%であり、2%であり、4%であり、5%であり、8%であり、10%であり、13%であり、15%であり、18%である。好ましい含有量の上限値は、28%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%であり、10%であり、8%であり、5%である。
【0043】
一般式(ii)で表される化合物を複数組み合わせて使用する場合やΔεの改善を重視する場合には、高めにすることが好ましく、一般式(ii)で表される化合物を単独で使用する場合や低温での応答性改良を重視する場合には低めに設定することが好ましい。
【0044】
一般式(ii)で表される化合物としては、一般式(ii−1)〜(ii−4)で表される化合物が好ましい。
【0045】
【化7】
【0046】
(式中、Rii1は、一般式(ii)中のRii1と同じ意味を表す。)
一般式(ii−1)〜(ii−4)で表される化合物としては、一般式(ii−1)〜(ii−2)で表される化合物が好ましく、一般式(ii−1)で表される化合物が好ましい。
【0047】
本発明の組成物の総量に対しての式(ii−1)で表される化合物の好ましい合計の含有量の下限値は、1%であり、2%であり、4%であり、5%であり、8%であり、10%であり、13%であり、15%であり、18%である。好ましい含有量の上限値は、28%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%であり、10%であり、8%であり、5%である。
【0048】
本発明の組成物の総量に対しての式(ii−2)で表される化合物の好ましい合計の含有量の下限値は、1%であり、2%であり、4%であり、5%であり、8%であり、10%である。好ましい含有量の上限値は18%であり、15%であり、13%であり、10%であり、8%であり、5%である。
【0049】
一般式(ii−1)や(ii−2)で表される化合物を複数組み合わせて使用する場合やΔεの改善を重視する場合には、高めにすることが好ましく、一般式(ii−1)や(ii−2)で表される化合物を単独で使用する場合や低温での応答性改良を重視する場合には低めに設定することが好ましい。
【0050】
特に好ましい化合物は下記の式(ii−1−1)〜(ii−4−3)で表される化合物である。
【0051】
【化8】
【0052】
【化9】
【0053】
下記の式(ii−1−1)〜(ii−4−3)で表される化合物のうち式(ii−1−1)、(ii−1−2)、(ii−2−1)及び(ii−2−2)で表される化合物が好ましく、式(ii−1−1)及び(ii−1−2)で表される化合物が好ましい。
【0054】
本発明の組成物の総量に対しての式(ii−1−1)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、2%であり、4%であり、5%であり、8%であり、10%である。好ましい含有量の上限値は18%であり、15%であり、13%であり、10%であり、8%であり、5%である。
【0055】
本発明の組成物の総量に対しての式(ii−1−2)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、2%であり、4%であり、5%であり、8%であり、10%である。好ましい含有量の上限値は18%であり、15%であり、13%であり、10%であり、8%であり、5%である。
【0056】
式(ii−1−1)で表される化合物と式(ii−1−2)で表される化合物を組み合わせて使用する場合、本発明の組成物の総量に対しての式(ii−1−1)で表される化合物と式(ii−1−2)で表される化合物の好ましい合計の含有量の下限値は、5%であり、8%であり、10%であり、13%であり、15%であり、18%である。好ましい含有量の上限値は30%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%である。
【0057】
本発明の組成物の総量に対しての一般式(i)で表される化合物及び一般式(ii)で表される化合物の好ましい合計の含有量の下限値は、8%であり、10%であり、13%であり、15%であり、18%であり、20%であり、23%であり、26%であり、28%であり、30%である。好ましい合計の含有量の上限値は、50%であり、45%であり、43%であり、40%であり、38%であり、36%であり、33%であり、30%であり、28%であり、25%である。
【0058】
一般式(i)や(ii)で表される化合物をそれぞれ複数組み合わせて使用する場合やΔεの改善を重視する場合には、高めにすることが好ましく、一般式(i)や(ii)で表される化合物をそれぞれ単独で使用する場合や低温での応答性改良を重視する場合には低めに設定することが好ましい。
【0059】
本発明の組成物の総量に対しての組成物中に存在する式(i−2−1)、(i−2−2)、(i−3−1)、(i−3−2)、(ii−1−1)及び(ii−1−2)で表される化合物及び一般式(ii)で表される化合物の好ましい合計の含有量の下限値は、8%であり、10%であり、13%であり、15%であり、18%であり、20%であり、23%であり、26%であり、28%であり、30%である。好ましい合計の含有量の上限値は、50%であり、45%であり、43%であり、40%であり、38%であり、36%であり、33%であり、30%であり、28%であり、25%である。
【0060】
式(L−1−1.3)で表される化合物及び式(L−1−1.3)で表される化合物はどちらか一方のみを使用しても両方を使用してよい。
【0061】
本発明の組成物の総量に対しての式(L−1−1.3)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、3%であり、5%であり、7%である。好ましい合計の含有量の上限値は、20%であり、15%であり、13%であり、12%であり、10%であり、9%であり、8%であり、7%であり、6%である。
【0062】
本発明の組成物の総量に対しての式(L−1−2.2)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、8%であり、10%であり、15%であり、20%であり、25%であり、28%であり、30%であり、33%であり、35%であり、38%であり、40%であり、43%である。好ましい合計の含有量の上限値は、60%であり、58%であり、55%であり、53%であり、50%であり、48%であり、46%であり、42%であり、40%であり、38%であり、36%であり、32%であり、30%である。
【0063】
式(L−1−1.3)及び式(L−1−2.2)で表される化合物をともに使用する場合、本発明の組成物の総量に対しての両化合物の好ましい合計の含有量の下限値は、15%であり、18%であり、20%であり、23%であり、26%であり、28%であり、30%である。好ましい合計の含有量の上限値は、60%であり、55%であり、53%であり、50%であり、47%であり、45%であり、43%であり、40%であり、38%であり、36%であり、33%であり、30%である。
【0064】
応答速度の改善を重視する場合には高めにすることが好ましく、Δεの改善を重視する場合には低めにすることが好ましい。
【0065】
含有する一般式(i)、(ii)、式(L−1−1.3)及び式(L−1−2.2)で表される化合物の本発明の組成物の総量に対しての好ましい合計の含有量の下限値は、25%であり、30%であり、35%であり、38%であり、40%であり、43%であり、45%である。好ましい合計の含有量の上限値は、80%であり、75%であり、73%であり、70%であり、67%であり、65%であり、63%であり、50%である。
【0066】
本発明の組成物は、一般式(J)で表される化合物を1種類又は2種類以上含有することが好ましい。これら化合物は誘電的に正の化合物(Δεが2より大きい。)に該当する。
【0067】
【化10】
【0068】
(式中、RJ1は炭素原子数1〜8のアルキル基を表し、該アルキル基中の1個又は非隣接の2個以上の−CH−はそれぞれ独立して−CH=CH−、−C≡C−、−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−によって置換されていてもよく、
J1は、0、1、2、3又は4を表し、
J1、AJ2及びAJ3はそれぞれ独立して、
(a) 1,4−シクロヘキシレン基(この基中に存在する1個の−CH−又は隣接していない2個以上の−CH−は−O−に置き換えられてもよい。)
(b) 1,4−フェニレン基(この基中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=は−N=に置き換えられてもよい。)及び
(c) (c)ナフタレン−2,6−ジイル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基又はデカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基(ナフタレン−2,6−ジイル基又は1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=は−N=に置き換えられても良い。)
からなる群より選ばれる基を表し、上記の基(a)、基(b)及び基(c)はそれぞれ独立してシアノ基、フッ素原子、塩素原子、メチル基、トリフルオロメチル基又はトリフルオロメトキシ基で置換されていても良く、
J1及びZJ2はそれぞれ独立して単結合、−CHCH−、−(CH−、−OCH−、−CHO−、−OCF−、−CFO−、−COO−、−OCO−又は−C≡C−を表し、
J1が2、3又は4であってAJ2が複数存在する場合は、それらは同一であっても異なっていても良く、nJ1が2、3又は4であってZJ1が複数存在する場合は、それらは同一であっても異なっていても良く、
J1は、水素原子、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、トリフルオロメチル基、フルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基又は2,2,2−トリフルオロエチル基を表すが、一般式(i)及び(ii)で表される化合物を除く。)
一般式(J)中、RJ1は、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基、炭素原子数2〜8のアルケニル基又は炭素原子数2〜8のアルケニルオキシ基が好ましく、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数1〜5のアルコキシ基、炭素原子数2〜5のアルケニル基又は炭素原子数2〜5のアルケニルオキシ基が好ましく、炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基が更に好ましく、炭素原子数2〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜3のアルケニル基が更に好ましく、炭素原子数3のアルケニル基(プロペニル基)が特に好ましい。
【0069】
信頼性を重視する場合にはRJ1はアルキル基であることが好ましく、粘性の低下を重視する場合にはアルケニル基であることが好ましい。
【0070】
また、それが結合する環構造がフェニル基(芳香族)である場合には、直鎖状の炭素原子数1〜5のアルキル基、直鎖状の炭素原子数1〜4のアルコキシ基及び炭素原子数4〜5のアルケニル基が好ましく、それが結合する環構造がシクロヘキサン、ピラン及びジオキサンなどの飽和した環構造の場合には、直鎖状の炭素原子数1〜5のアルキル基、直鎖状の炭素原子数1〜4のアルコキシ基及び直鎖状の炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましい。ネマチック相を安定化させるためには炭素原子及び存在する場合酸素原子の合計が5以下であることが好ましく、直鎖状であることが好ましい。
【0071】
アルケニル基としては、式(R1)から式(R5)のいずれかで表される基から選ばれることが好ましい。(各式中の黒点はアルケニル基が結合している環構造中の炭素原子を表す。)
【0072】
【化11】
【0073】
J1、AJ2及びAJ3はそれぞれ独立してΔnを大きくすることが求められる場合には芳香族であることが好ましく、応答速度を改善するためには脂肪族であることが好ましく、トランス−1,4−シクロへキシレン基、1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘキセニレン基、1,4−ビシクロ[2.2.2]オクチレン基、ピペリジン−1,4−ジイル基、ナフタレン−2,6−ジイル基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基又は1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基を表すことが好ましく、それらはフッ素原子により置換されていてもよく、下記の構造を表すことがより好ましく、
【0074】
【化12】
【0075】
下記の構造を表すことがより好ましい。
【0076】
【化13】
【0077】
J1及びZJ2はそれぞれ独立して−CHO−、−OCH−、−CFO−、−CHCH−、−CFCF−又は単結合を表すことが好ましく、−OCH−、−CFO−、−CHCH−又は単結合が更に好ましく、−OCH−、−CFO−又は単結合が特に好ましい。
【0078】
J1はフッ素原子又はトリフルオロメトキシ基が好ましく、フッ素原子が好ましい。
【0079】
J1は、0、1、2又は3が好ましく、0、1又は2が好ましく、Δεの改善に重点を置く場合には0又は1が好ましく、Tniを重視する場合には1又は2が好ましい。
【0080】
組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの所望の性能に応じて組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類である。またさらに、本発明の別の実施形態では4種類であり、5種類であり、6種類であり、7種類以上である。
【0081】
本発明の組成物において、一般式(J)で表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率、プロセス適合性、滴下痕、焼き付き、誘電率異方性などの求められる性能に応じて適宜調整する必要がある。
【0082】
本発明の組成物の総量に対しての一般式(J)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、10%であり、20%であり、30%であり、40%であり、50%であり、55%であり、60%であり、65%であり、70%であり、75%であり、80%である。好ましい含有量の上限値は、本発明の組成物の総量に対して、例えば本発明の一つの形態では95%であり、85%であり、75%であり、65%であり、55%であり、45%であり、35%であり、25%である。
【0083】
本発明の組成物の粘度を低く保ち、応答速度が速い組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。さらに、本発明の組成物のTniを高く保ち、温度安定性の良い組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。また、駆動電圧を低く保つために誘電率異方性を大きくしたいときは、上記の下限値を高めに、上限値を高めにすることが好ましい。
【0084】
信頼性を重視する場合にはRJ1はアルキル基であることが好ましく、粘性の低下を重視する場合にはアルケニル基であることが好ましい。
【0085】
一般式(J)で表される化合物としては一般式(M)で表される化合物及び一般式(K)で表される化合物が好ましい。
【0086】
本発明の組成物は、一般式(M)で表される化合物を1種類又は2種類以上含有することが好ましい。これら化合物は誘電的に正の化合物(Δεが2より大きい。)に該当する。
【0087】
【化14】
【0088】
(式中、RM1は炭素原子数1〜8のアルキル基を表し、該アルキル基中の1個又は非隣接の2個以上の−CH−はそれぞれ独立して−CH=CH−、−C≡C−、−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−によって置換されていてもよく、
M1は、0、1、2、3又は4を表し、
M1及びAM2はそれぞれ独立して、
(a) 1,4−シクロヘキシレン基(この基中に存在する1個の−CH−又は隣接していない2個以上の−CH−は−O−又は−S−に置き換えられてもよい。)及び
(b) 1,4−フェニレン基(この基中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=は−N=に置き換えられてもよい。)
からなる群より選ばれる基を表し、上記の基(a)及び基(b)上の水素原子はそれぞれ独立してシアノ基、フッ素原子又は塩素原子で置換されていても良く、
M1及びZM2はそれぞれ独立して単結合、−CHCH−、−(CH−、−OCH−、−CHO−、−OCF−、−CFO−、−COO−、−OCO−又は−C≡C−を表し、
M1が2、3又は4であってAM2が複数存在する場合は、それらは同一であっても異なっていても良く、nM1が2、3又は4であってZM1が複数存在する場合は、それらは同一であっても異なっていても良く、
M1及びXM3はそれぞれ独立して水素原子、塩素原子又はフッ素原子を表し、
M2は、水素原子、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、トリフルオロメチル基、フルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基又は2,2,2−トリフルオロエチル基を表すが、一般式(i)及び(ii)で表される化合物を除く。)
一般式(M)中、RM1は、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基、炭素原子数2〜8のアルケニル基又は炭素原子数2〜8のアルケニルオキシ基が好ましく、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数1〜5のアルコキシ基、炭素原子数2〜5のアルケニル基又は炭素原子数2〜5のアルケニルオキシ基が好ましく、炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基が更に好ましく、炭素原子数2〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜3のアルケニル基が更に好ましく、炭素原子数3のアルケニル基(プロペニル基)が特に好ましい。
【0089】
信頼性を重視する場合にはRM1はアルキル基であることが好ましく、粘性の低下を重視する場合にはアルケニル基であることが好ましい。
【0090】
また、それが結合する環構造がフェニル基(芳香族)である場合には、直鎖状の炭素原子数1〜5のアルキル基、直鎖状の炭素原子数1〜4のアルコキシ基及び炭素原子数4〜5のアルケニル基が好ましく、それが結合する環構造がシクロヘキサン、ピラン及びジオキサンなどの飽和した環構造の場合には、直鎖状の炭素原子数1〜5のアルキル基、直鎖状の炭素原子数1〜4のアルコキシ基及び直鎖状の炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましい。ネマチック相を安定化させるためには炭素原子及び存在する場合酸素原子の合計が5以下であることが好ましく、直鎖状であることが好ましい。
【0091】
アルケニル基としては、式(R1)から式(R5)のいずれかで表される基から選ばれることが好ましい。(各式中の黒点はアルケニル基が結合している環構造中の炭素原子を表す。)
【0092】
【化15】
【0093】
M1及びAM2はそれぞれ独立してΔnを大きくすることが求められる場合には芳香族であることが好ましく、応答速度を改善するためには脂肪族であることが好ましく、トランス−1,4−シクロへキシレン基、1,4−フェニレン基、2−フルオロ−1,4−フェニレン基、3−フルオロ−1,4−フェニレン基、3,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン基、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘキセニレン基、1,4−ビシクロ[2.2.2]オクチレン基、ピペリジン−1,4−ジイル基、ナフタレン−2,6−ジイル基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基又は1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基を表すことが好ましく、下記の構造を表すことがより好ましく、
【0094】
【化16】
【0095】
下記の構造を表すことがより好ましい。
【0096】
【化17】
【0097】
M1及びZM2はそれぞれ独立して−CHO−、−CFO−、−CHCH−、−CFCF−又は単結合を表すことが好ましく、−CFO−、−CHCH−又は単結合が更に好ましく、−CFO−又は単結合が特に好ましい。
【0098】
M1は、0、1、2又は3が好ましく、0、1又は2が好ましく、Δεの改善に重点を置く場合には0又は1が好ましく、Tniを重視する場合には1又は2が好ましい。
【0099】
組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの所望の性能に応じて組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類である。またさらに、本発明の別の実施形態では4種類であり、5種類であり、6種類であり、7種類以上である。
【0100】
本発明の組成物において、一般式(M)で表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率、プロセス適合性、滴下痕、焼き付き、誘電率異方性などの求められる性能に応じて適宜調整する必要がある。
【0101】
本発明の組成物の総量に対しての式(M)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、10%であり、20%であり、30%であり、40%であり、50%であり、55%であり、60%であり、65%であり、70%であり、75%であり、80%である。好ましい含有量の上限値は、本発明の組成物の総量に対して、例えば本発明の一つの形態では95%であり、85%であり、75%であり、65%であり、55%であり、45%であり、35%であり、25%である。
【0102】
本発明の組成物の粘度を低く保ち、応答速度が速い組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。さらに、本発明の組成物のTniを高く保ち、温度安定性の良い組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。また、駆動電圧を低く保つために誘電率異方性を大きくしたいときは、上記の下限値を高めに、上限値を高めにすることが好ましい。
【0103】
一般式(M)で表される化合物は、例えば一般式(M−1)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
【0104】
【化18】
【0105】
(式中、RM11は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表し、XM11からXM15はそれぞれ独立して水素原子又はフッ素原子を表し、YM11はフッ素原子又はOCFを表す。)
組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの所望の性能に応じて組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類以上である。
【0106】
本発明の組成物の総量に対しての式(M−1)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、2%であり、5%であり、8%であり、10%であり、13%であり、15%であり、18%であり、20%であり、22%であり、25%であり、30%である。好ましい含有量の上限値は、30%であり、28%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%であり、10%であり、8%であり、5%である。
【0107】
本発明の組成物の粘度を低く保ち、応答速度が速い組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。さらに、本発明の組成物のTniを高く保ち、温度安定性の良い組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。また、駆動電圧を低く保つために誘電率異方性を大きくしたいときは、上記の下限値を高めに、上限値を高めにすることが好ましい。
【0108】
さらに、一般式(M−1)で表される化合物は、具体的には式(M−1.1)から式(M−1.4)で表される化合物であることが好ましく、式(M−1.1)又は式(M−1.2)で表される化合物が好ましく、式(M−1.2)で表される化合物がさらに好ましい。また、式(M−1.1)又は式(M−1.2)で表される化合物を同時に使用することも好ましい。
【0109】
【化19】
【0110】
本発明の組成物の総量に対しての式(M−1.1)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、2%であり、5%であり、6%である。好ましい含有量の上限値は、15%であり、13%であり、10%であり、8%であり、5%である。
【0111】
本発明の組成物の総量に対しての式(M−1.2)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、2%であり、5%であり、6%である。好ましい含有量の上限値は、30%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%であり、10%であり、8%である。
【0112】
本発明の組成物の総量に対しての式(M−1.1)及び式(M−1.2)で表される化合物の合計の好ましい含有量の下限値は、1%であり、2%であり、5%であり、6%である。好ましい含有量の上限値は、30%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%であり、10%であり、8%である。
【0113】
さらに、一般式(M)で表される化合物は、例えば一般式(M−2)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
【0114】
【化20】
【0115】
(式中、RM21は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表し、XM21及びXM22はそれぞれ独立して水素原子又はフッ素原子を表し、YM21はフッ素原子、塩素原子又はOCFを表す。)
本発明の組成物の総量に対しての式(M−1)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、2%であり、5%であり、8%であり、10%であり、13%であり、15%であり、18%であり、20%であり、22%であり、25%であり、30%である。好ましい含有量の上限値は、30%であり、28%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%であり、10%であり、8%であり、5%である。
【0116】
本発明の組成物の粘度を低く保ち、応答速度が速い組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。さらに、本発明の組成物のTniを高く保ち、焼きつきの発生しにくい組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。また、駆動電圧を低く保つために誘電率異方性を大きくしたいときは、上記の下限値を高めに、上限値を高めにすることが好ましい。
【0117】
さらに、一般式(M−2)で表される化合物は、式(M−2.1)から式(M−2.5)で表される化合物であることが好ましく、式(M−2.3)又は/及び式(M−2.5)で表される化合物であることが好ましい。
【0118】
【化21】
【0119】
本発明の組成物の総量に対しての式(M−2.2)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、2%であり、5%であり、6%である。好ましい含有量の上限値は、15%であり、13%であり、10%であり、8%であり、5%である。
【0120】
本発明の組成物の総量に対しての式(M−2.3)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、2%であり、5%であり、6%である。好ましい含有量の上限値は、30%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%であり、10%であり、8%である。
【0121】
本発明の組成物の総量に対しての式(M−2.5)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、2%であり、5%であり、6%である。好ましい含有量の上限値は、30%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%であり、10%であり、8%である。
【0122】
本発明の組成物の総量に対しての式(M−2.2)、(M−2.3)及び式(M−2.5)で表される化合物の合計の好ましい含有量の下限値は、1%であり、2%であり、5%であり、6%である。好ましい含有量の上限値は、30%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%であり、10%であり、8%である。
【0123】
含有量は、本発明の組成物の総量に対して1%以上であることが好ましく、5%以上がより好ましく、8%以上がさらに好ましく、10%以上がさらに好ましく、14%以上がさらに好ましく、16%以上が特に好ましい。また、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性などを考慮して、最大比率を30%以下にとどめることが好ましく、25%以下がさらに好ましく、22%以下がより好ましく、20%未満が特に好ましい。
【0124】
さらに、一般式(M)で表される化合物は、一般式(M−4)で表される群より選ばれる化合物であることが好ましい。
【0125】
【化22】
【0126】
(式中、RM41は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表し、XM41からXM48はそれぞれ独立してフッ素原子又は水素原子を表し、YM41はフッ素原子、塩素原子又はOCFを表す。)
組み合わせることのできる化合物に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などを考慮して1種、2種又は3種類以上組み合わせることが好ましい。
【0127】
一般式(M−4)で表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの特性を考慮して実施形態ごとに上限値と下限値がある。
【0128】
本発明の組成物の総量に対しての式(M−4)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、2%であり、4%であり、5%であり、8%であり、10%であり、13%であり、15%であり、18%であり、20%である。好ましい含有量の上限値は、30%であり、28%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%であり、10%であり、8%であり、5%である。
【0129】
本発明の組成物が、セルギャップの小さい液晶表示素子用に用いられる場合は、一般式(M−4)で表される化合物の含有量を多めにすることが適している。駆動電圧の小さい液晶表示素子用に用いられる場合は、一般式(M−4)で表される化合物の含有量を多めにすることが適している。また、低温の環境で用いられる液晶表示素子用に用いられる場合は一般式(M−4)で表される化合物の含有量を少なめにすることが適している。応答速度の速い液晶表示素子に用いられる組成物である場合は、一般式(M−4)で表される化合物の含有量を少なめにすることが適している。
【0130】
さらに、本発明の組成物に使用される一般式(M−4)で表される化合物は、具体的には式(M−4.1)から式(M−4.4)で表される化合物であることが好ましく、中でも式(M−4.2)から式(M−4.4)で表される化合物を含有することが好ましく、式(M−4.2)で表される化合物を含有することがより好ましい。
【0131】
【化23】
【0132】
さらに、一般式(M)で表される化合物は、一般式(M−5)で表される化合物であることが好ましい。
【0133】
【化24】
【0134】
(式中、RM51は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表し、XM51及びXM52はそれぞれ独立して水素原子又はフッ素原子を表し、YM51はフッ素原子、塩素原子又はOCFを表す。)
組み合わせることのできる化合物の種類に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などを考慮して、実施形態ごとに適宜組み合わせて使用する。例えば、本発明の一つの実施形態では1種類、別の実施形態では2種類、さらに別の実施形態では3種類、またさらに別の実施形態では4種類、またさらに別の実施形態では5種類、またさらに別の実施形態では6種類以上組み合わせる。
【0135】
本発明の組成物の総量に対しての式(M−5)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、2%であり、5%であり、8%であり、10%であり、13%であり、15%であり、18%であり、20%であり、22%であり、25%であり、30%である。好ましい含有量の上限値は、50%であり、45%であり、40%であり、35%であり、33%であり、30%であり、28%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%であり、10%であり、8%であり、5%である。
【0136】
本発明の組成物の粘度を低く保ち、応答速度が速い組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。さらに、本発明の組成物のTniを高く保ち、焼きつきの発生しにくい組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。また、駆動電圧を低く保つために誘電率異方性を大きくしたいときは、上記の下限値を高めに、上限値を高めにすることが好ましい。
【0137】
さらに、一般式(M−5)で表される化合物は、式(M−5.1)から式(M−5.4)で表される化合物であることが好ましく、式(M−5.1)から式(M−5.4)で表される化合物であることが好ましい。
【0138】
【化25】
【0139】
本発明の組成物の総量に対してのこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、2%であり、5%であり、8%であり、10%であり、13%であり、15%である。好ましい含有量の上限値は、30%であり、28%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%であり、10%であり、8%であり、5%である。
【0140】
さらに、一般式(M−5)で表される化合物は、式(M−5.11)から式(M−5.17)で表される化合物であることが好ましく、式(M−5.11)、式(M−5.13)及び式(M−5.17)で表される化合物であることが好ましい。
【0141】
【化26】
【0142】
本発明の組成物の総量に対してのこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、2%であり、5%であり、8%であり、10%であり、13%であり、15%である。好ましい含有量の上限値は、30%であり、28%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%であり、10%であり、8%であり、5%である。
【0143】
さらに、一般式(M−5)で表される化合物は、式(M−5.21)から式(M−5.28)で表される化合物であることが好ましく、式(M−5.21)、式(M−5.22)、式(M−5.23)及び式(M−5.25)で表される化合物であることが好ましい。
【0144】
【化27】
【0145】
本発明の組成物の総量に対してのこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、2%であり、5%であり、8%であり、10%であり、13%であり、15%であり、18%であり、20%であり、22%であり、25%であり、30%である。好ましい含有量の上限値は、40%であり、35%であり、33%であり、30%であり、28%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%であり、10%であり、8%であり、5%である。
【0146】
さらに、一般式(M)で表される化合物は、一般式(M−6)で表される化合物であることが好ましい。
【0147】
【化28】
【0148】
(式中、RM61は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表し、XM61からXM64はそれぞれ独立してフッ素原子又は水素原子を表し、YM61はフッ素原子、塩素原子又はOCFを表す。)
組み合わせることのできる化合物の種類に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などを考慮して実施形態ごとに適宜組み合わせる。
【0149】
本発明の組成物の総量に対しての式(M−6)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、2%であり、4%であり、5%であり、8%であり、10%であり、13%であり、15%であり、18%であり、20%である。好ましい含有量の上限値は、30%であり、28%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%であり、10%であり、8%であり、5%である。
【0150】
本発明の組成物が、駆動電圧の小さい液晶表示素子用に用いられる場合は、一般式(M−6)で表される化合物の含有量を多めにすることが適している。また応答速度の速い液晶表示素子に用いられる組成物である場合は、一般式(M−6)で表される化合物の含有量を少なめにすることが適している。
【0151】
さらに、一般式(M−6)で表される化合物は具体的には式(M−6.1)から式(M−6.4)で表される化合物であることが好ましく、中でも式(M−6.2)及び式(M−6.4)で表される化合物を含有することが好ましい。
【0152】
【化29】
【0153】
本発明の組成物の総量に対してのこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、2%であり、4%であり、5%であり、8%であり、10%であり、13%であり、15%であり、18%であり、20%である。好ましい含有量の上限値は、30%であり、28%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%であり、10%であり、8%であり、5%である。
【0154】
さらに、一般式(M−6)で表される化合物は具体的には式(M−6.11)から式(M−6.14)で表される化合物であることが好ましく、中でも式(M−6.12)及び式(M−6.14)で表される化合物を含有することが好ましい。
【0155】
【化30】
【0156】
本発明の組成物の総量に対してのこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、2%であり、4%であり、5%であり、8%であり、10%であり、13%であり、15%であり、18%であり、20%である。好ましい含有量の上限値は、30%であり、28%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%であり、10%であり、8%であり、5%である。
【0157】
さらに、一般式(M−6)で表される化合物は具体的には式(M−6.21)から式(M−6.24)で表される化合物であることが好ましく、中でも式(M−6.21)、式(M−6.22)及び式(M−6.24)で表される化合物を含有することが好ましい。
【0158】
【化31】
【0159】
本発明の組成物の総量に対してのこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、2%であり、4%であり、5%であり、8%であり、10%であり、13%であり、15%であり、18%であり、20%である。好ましい含有量の上限値は、30%であり、28%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%であり、10%であり、8%であり、5%である。
【0160】
さらに、一般式(M−6)で表される化合物は具体的には式(M−6.31)から式(M−6.34)で表される化合物が好ましい。中でも式(M−6.31)及び式(M−6.32)で表される化合物を含有することが好ましい。
【0161】
【化32】
【0162】
本発明の組成物の総量に対してのこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、2%であり、4%であり、5%であり、8%であり、10%であり、13%であり、15%であり、18%であり、20%である。好ましい含有量の上限値は、30%であり、28%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%であり、10%であり、8%であり、5%である。
【0163】
さらに、一般式(M−6)で表される化合物は具体的には式(M−6.41)から式(M−6.44)で表される化合物であることが好ましく、中でも式(M−6.42)で表される化合物を含有することが好ましい。
【0164】
【化33】
【0165】
本発明の組成物の総量に対してのこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、2%であり、4%であり、5%であり、8%であり、10%であり、13%であり、15%であり、18%であり、20%である。好ましい含有量の上限値は、30%であり、28%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%であり、10%であり、8%であり、5%である。
【0166】
更に、一般式(M)で表される化合物は、一般式(M−7)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
【0167】
【化34】
【0168】
(式中、XM71からXM76はそれぞれ独立してフッ素原子又は水素原子を表し、RM71は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表し、YM71はフッ素原子又はOCFを表す。ただし、一般式(i)で表される化合物を除く。)
組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、これらの化合物の中から1種〜2種類含有することが好ましく、1種〜3種類含有することがより好ましく、1種〜4種類含有することが更に好ましい。
【0169】
一般式(M−7)で表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの特性を考慮して実施形態ごとに上限値と下限値がある。
【0170】
本発明の組成物の総量に対しての式(M−7)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、2%であり、4%であり、5%であり、8%であり、10%であり、13%であり、15%であり、18%であり、20%である。好ましい含有量の上限値は、30%であり、28%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%であり、10%であり、8%であり、5%である。
【0171】
本発明の組成物が、セルギャップの小さい液晶表示素子用に用いられる場合は、一般式(M−7)で表される化合物の含有量を多めにすることが適している。駆動電圧の小さい液晶表示素子用に用いられる場合は、一般式(M−7)で表される化合物の含有量を多めにすることが適している。また、低温の環境で用いられる液晶表示素子用に用いられる場合は一般式(M−7)で表される化合物の含有量を少なめにすることが適している。応答速度の速い液晶表示素子に用いられる組成物である場合は、一般式(M−7)で表される化合物の含有量を少なめにすることが適している。
【0172】
さらに、一般式(M−7)で表される化合物は、式(M−7.1)から式(M−7.4)で表される化合物であることが好ましく、式(M−7.2)で表される化合物であることが好ましい。
【0173】
【化35】
【0174】
本発明の組成物の総量に対してのこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、2%であり、4%であり、5%であり、8%であり、10%であり、13%であり、15%であり、18%であり、20%である。好ましい含有量の上限値は、30%であり、28%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%であり、10%であり、8%であり、5%である。
【0175】
さらに、一般式(M−7)で表される化合物は、式(M−7.11)から式(M−7.14)で表される化合物であることが好ましく、式(M−7.11)及び式(M−7.12)で表される化合物であることが好ましい。
【0176】
【化36】
【0177】
本発明の組成物の総量に対してのこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、2%であり、4%であり、5%であり、8%であり、10%であり、13%であり、15%であり、18%であり、20%である。好ましい含有量の上限値は、30%であり、28%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%であり、10%であり、8%であり、5%である。
【0178】
さらに、一般式(M−7)で表される化合物は、式(M−7.21)から式(M−7.24)で表される化合物であることが好ましく、式(M−7.21)及び式(M−7.22)で表される化合物であることが好ましい。
【0179】
【化37】
【0180】
本発明の組成物の総量に対してのこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、2%であり、4%であり、5%であり、8%であり、10%であり、13%であり、15%であり、18%であり、20%である。好ましい含有量の上限値は、30%であり、28%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%であり、10%であり、8%であり、5%である。
【0181】
さらに、一般式(M)で表される化合物は、一般式(M−8)で表される化合物であることが好ましい。
【0182】
【化38】
【0183】
(式中、XM81からXM84はそれぞれ独立してフッ素原子又は水素原子を表し、YM81はフッ素原子、塩素原子又は−OCFを表し、RM81は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表し、AM81及びAM82はそれぞれ独立して、1,4−シクロヘキシレン基、1,4-フェニレン基又は
【0184】
【化39】
【0185】
を表すが、1,4-フェニレン基上の水素原子はフッ素原子によって置換されていてもよい。)
本発明の組成物の総量に対しての一般式(M−8)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、2%であり、4%であり、5%であり、8%であり、10%であり、13%であり、15%であり、18%であり、20%である。好ましい含有量の上限値は、30%であり、28%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%であり、10%であり、8%であり、5%である。
【0186】
本発明の組成物の粘度を低く保ち、応答速度が速い組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。さらに、焼き付きの発生しにくい組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。また、駆動電圧を低く保つために誘電率異方性を大きくしたいときは、上記の下限値を高めに、上限値を高めにすることが好ましい。
【0187】
さらに、本発明の組成物に使用される一般式(M−8)で表される化合物は、具体的には式(M−8.1)から式(M−8.4)で表される化合物であることが好ましく、中でも式(M−8.1)及び式(M−8.2)で表される化合物を含有することが好ましい。
【0188】
【化40】
【0189】
本発明の組成物の総量に対してのこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、2%であり、4%であり、5%であり、8%であり、10%であり、13%であり、15%であり、18%であり、20%である。好ましい含有量の上限値は、30%であり、28%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%であり、10%であり、8%であり、5%である。
【0190】
さらに、本発明の組成物に使用される一般式(M−8)で表される化合物は、具体的には式(M−8.11)から式(M−8.14)で表される化合物であることが好ましく、中でも式(M−8.12)で表される化合物を含有することが好ましい。
【0191】
【化41】
【0192】
本発明の組成物の総量に対してのこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、2%であり、4%であり、5%であり、8%であり、10%であり、13%であり、15%であり、18%であり、20%である。好ましい含有量の上限値は、30%であり、28%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%であり、10%であり、8%であり、5%である。
【0193】
さらに、本発明の組成物に使用される一般式(M−8)で表される化合物は、具体的には式(M−8.21)から式(M−8.24)で表される化合物であることが好ましく、中でも式(M−8.22)で表される化合物を含有することが好ましい。
【0194】
【化42】
【0195】
本発明の組成物の総量に対してのこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、2%であり、4%であり、5%であり、8%であり、10%であり、13%であり、15%であり、18%であり、20%である。好ましい含有量の上限値は、30%であり、28%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%であり、10%であり、8%であり、5%である。
【0196】
さらに、本発明の組成物に使用される一般式(M−8)で表される化合物は、具体的には式(M−8.31)から式(M−8.34)で表される化合物であることが好ましく、中でも式(M−8.32)で表される化合物を含有することが好ましい。
【0197】
【化43】
【0198】
本発明の組成物の総量に対してのこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、2%であり、4%であり、5%であり、8%であり、10%であり、13%であり、15%であり、18%であり、20%である。好ましい含有量の上限値は、30%であり、28%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%であり、10%であり、8%であり、5%である。
【0199】
さらに、本発明の組成物に使用される一般式(M−8)で表される化合物は、具体的には式(M−8.41)から式(M−8.44)で表される化合物であることが好ましく、中でも式(M−8.42)で表される化合物を含有することが好ましい。
【0200】
【化44】
【0201】
本発明の組成物の総量に対してのこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、2%であり、4%であり、5%であり、8%であり、10%であり、13%であり、15%であり、18%であり、20%である。好ましい含有量の上限値は、30%であり、28%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%であり、10%であり、8%であり、5%である。
【0202】
さらに、本発明の組成物に使用される一般式(M−8)で表される化合物は、具体的には式(M−8.51)から式(M−8.54)で表される化合物であることが好ましく、中でも式(M−8.52)で表される化合物を含有することが好ましい。
【0203】
【化45】
【0204】
本発明の組成物の総量に対してのこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、2%であり、4%であり、5%であり、8%であり、10%であり、13%であり、15%であり、18%であり、20%である。好ましい含有量の上限値は、30%であり、28%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%であり、10%であり、8%であり、5%である。
【0205】
さらに、一般式(M)で表される化合物は、その構造中に下記の部分構造を有していてもよい。
【0206】
【化46】
【0207】
(式中の黒点は上記部分構造が結合している環構造中の炭素原子を表す。)
上記部分構造を有する化合物として、一般式(M−10)〜(M−18)で表される化合物であることが好ましい。
【0208】
一般式(M−10)で表される化合物は下記のものである。
【0209】
【化47】
【0210】
(式中、XM101及びXM102はそれぞれ独立してフッ素原子又は水素原子を表し、YM101はフッ素原子、塩素原子又は−OCFを表し、RM101は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表し、WM101及びWM102はそれぞれ独立して、−CH−又は−O−を表す。)
本発明の組成物の総量に対しての一般式(M−10)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、2%であり、4%であり、5%であり、8%であり、10%であり、13%であり、15%であり、18%であり、20%である。好ましい含有量の上限値は、30%であり、28%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%であり、10%であり、8%であり、5%である。
【0211】
本発明の組成物の粘度を低く保ち、応答速度が速い組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。さらに、焼き付きの発生しにくい組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。また、駆動電圧を低く保つために誘電率異方性を大きくしたいときは、上記の下限値を高めに、上限値を高めにすることが好ましい。
【0212】
さらに、本発明の組成物に使用される一般式(M−10)で表される化合物は、具体的には式(M−10.1)から式(M−10.12)で表される化合物であることが好ましく、中でも式(M−10.5)から式(M−10.12)で表される化合物を含有することが好ましい。
【0213】
【化48】
【0214】
【化49】
【0215】
本発明の組成物の総量に対してのこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、2%であり、4%であり、5%であり、8%であり、10%であり、13%であり、15%であり、18%であり、20%である。好ましい含有量の上限値は、30%であり、28%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%であり、10%であり、8%であり、5%である。
【0216】
一般式(M−11)で表される化合物は下記のものである。
【0217】
【化50】
【0218】
(式中、XM111〜XM114はそれぞれ独立してフッ素原子又は水素原子を表し、YM111はフッ素原子、塩素原子又は−OCFを表し、RM111は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表す。)
本発明の組成物の総量に対しての一般式(M−11)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、2%であり、4%であり、5%であり、8%であり、10%であり、13%であり、15%であり、18%であり、20%である。好ましい含有量の上限値は、30%であり、28%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%であり、10%であり、8%であり、5%である。
【0219】
本発明の組成物の粘度を低く保ち、応答速度が速い組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。さらに、焼き付きの発生しにくい組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。また、駆動電圧を低く保つために誘電率異方性を大きくしたいときは、上記の下限値を高めに、上限値を高めにすることが好ましい。
【0220】
さらに、本発明の組成物に使用される一般式(M−11)で表される化合物は、具体的には式(M−11.1)から式(M−11.8)で表される化合物であることが好ましく、中でも式(M−11.1)から式(M−11.4)で表される化合物を含有することが好ましい。
【0221】
【化51】
【0222】
本発明の組成物の総量に対してのこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、2%であり、4%であり、5%であり、8%であり、10%であり、13%であり、15%であり、18%であり、20%である。好ましい含有量の上限値は、30%であり、28%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%であり、10%であり、8%であり、5%である。
【0223】
一般式(M−12)で表される化合物は下記のものである。
【0224】
【化52】
【0225】
(式中、XM121及びXM122はそれぞれ独立してフッ素原子又は水素原子を表し、YM121はフッ素原子、塩素原子又は−OCFを表し、RM121は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表し、WM121及びWM122はそれぞれ独立して、−CH−又は−O−を表す。)
本発明の組成物の総量に対しての一般式(M−12)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、2%であり、4%であり、5%であり、8%であり、10%であり、13%であり、15%であり、18%であり、20%である。好ましい含有量の上限値は、30%であり、28%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%であり、10%であり、8%であり、5%である。
【0226】
本発明の組成物の粘度を低く保ち、応答速度が速い組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。さらに、焼き付きの発生しにくい組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。また、駆動電圧を低く保つために誘電率異方性を大きくしたいときは、上記の下限値を高めに、上限値を高めにすることが好ましい。
【0227】
さらに、本発明の組成物に使用される一般式(M−12)で表される化合物は、具体的には式(M−12.1)から式(M−12.12)で表される化合物であることが好ましく、中でも式(M−12.5)から式(M−12.8)で表される化合物を含有することが好ましい。
【0228】
【化53】
【0229】
【化54】
【0230】
本発明の組成物の総量に対してのこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、2%であり、4%であり、5%であり、8%であり、10%であり、13%であり、15%であり、18%であり、20%である。好ましい含有量の上限値は、30%であり、28%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%であり、10%であり、8%であり、5%である。
【0231】
一般式(M−13)で表される化合物は下記のものである。
【0232】
【化55】
【0233】
(式中、XM131〜XM134はそれぞれ独立してフッ素原子又は水素原子を表し、YM131はフッ素原子、塩素原子又は−OCFを表し、RM131は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表し、WM131及びWM132はそれぞれ独立して、−CH−又は−O−を表す。)
本発明の組成物の総量に対しての一般式(M−13)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、2%であり、4%であり、5%であり、8%であり、10%であり、13%であり、15%であり、18%であり、20%である。好ましい含有量の上限値は、30%であり、28%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%であり、10%であり、8%であり、5%である。
【0234】
本発明の組成物の粘度を低く保ち、応答速度が速い組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。さらに、焼き付きの発生しにくい組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。また、駆動電圧を低く保つために誘電率異方性を大きくしたいときは、上記の下限値を高めに、上限値を高めにすることが好ましい。
【0235】
さらに、本発明の組成物に使用される一般式(M−13)で表される化合物は、具体的には式(M−13.1)から式(M−13.28)で表される化合物であることが好ましく、中でも式(M−13.1)から(M−13.4)、(M−13.11)から(M−13.14)、(M−13.25)から(M−13.28)で表される化合物を含有することが好ましい。
【0236】
【化56】
【0237】
【化57】
【0238】
【化58】
【0239】
本発明の組成物の総量に対してのこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、2%であり、4%であり、5%であり、8%であり、10%であり、13%であり、15%であり、18%であり、20%である。好ましい含有量の上限値は、30%であり、28%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%であり、10%であり、8%であり、5%である。
【0240】
一般式(M−14)で表される化合物は下記のものである。
【0241】
【化59】
【0242】
(式中、XM141〜XM144はそれぞれ独立してフッ素原子又は水素原子を表し、YM141はフッ素原子、塩素原子又は−OCFを表し、RM141は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表し、WM141及びWM142はそれぞれ独立して、−CH−又は−O−を表す。)
本発明の組成物の総量に対しての一般式(M−14)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、2%であり、4%であり、5%であり、8%であり、10%であり、13%であり、15%であり、18%であり、20%である。好ましい含有量の上限値は、30%であり、28%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%であり、10%であり、8%であり、5%である。
【0243】
本発明の組成物の粘度を低く保ち、応答速度が速い組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。さらに、焼き付きの発生しにくい組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。また、駆動電圧を低く保つために誘電率異方性を大きくしたいときは、上記の下限値を高めに、上限値を高めにすることが好ましい。
【0244】
さらに、本発明の組成物に使用される一般式(M−14)で表される化合物は、具体的には式(M−14.1)から式(M−14.8)で表される化合物であることが好ましく、中でも式(M−14.5)及び式(M−14.8)で表される化合物を含有することが好ましい。
【0245】
【化60】
【0246】
本発明の組成物の総量に対してのこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、2%であり、4%であり、5%であり、8%であり、10%であり、13%であり、15%であり、18%であり、20%である。好ましい含有量の上限値は、30%であり、28%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%であり、10%であり、8%であり、5%である。
【0247】
一般式(M−15)で表される化合物は下記のものである。
【0248】
【化61】
【0249】
(式中、XM151及びXM152はそれぞれ独立してフッ素原子又は水素原子を表し、YM151はフッ素原子、塩素原子又は−OCFを表し、RM151は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表し、WM151及びWM152はそれぞれ独立して、−CH−又は−O−を表す。)
本発明の組成物の総量に対しての一般式(M−15)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、2%であり、4%であり、5%であり、8%であり、10%であり、13%であり、15%であり、18%であり、20%である。好ましい含有量の上限値は、30%であり、28%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%であり、10%であり、8%であり、5%である。
【0250】
本発明の組成物の粘度を低く保ち、応答速度が速い組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。さらに、焼き付きの発生しにくい組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。また、駆動電圧を低く保つために誘電率異方性を大きくしたいときは、上記の下限値を高めに、上限値を高めにすることが好ましい。
【0251】
さらに、本発明の組成物に使用される一般式(M−15)で表される化合物は、具体的には式(M−15.1)から式(M−15.14)で表される化合物であることが好ましく、中でも式(M−15.5)から式(M−15.8)、式(M−15.11)から式(M−15.14)で表される化合物を含有することが好ましい。
【0252】
【化62】
【0253】
【化63】
【0254】
本発明の組成物の総量に対してのこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、2%であり、4%であり、5%であり、8%であり、10%であり、13%であり、15%であり、18%であり、20%である。好ましい含有量の上限値は、30%であり、28%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%であり、10%であり、8%であり、5%である。
【0255】
一般式(M−16)で表される化合物は下記のものである。
【0256】
【化64】
【0257】
(式中、XM161〜XM164はそれぞれ独立してフッ素原子又は水素原子を表し、YM161はフッ素原子、塩素原子又は−OCFを表し、RM161は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表す。)
本発明の組成物の総量に対しての一般式(M−16)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、2%であり、4%であり、5%であり、8%であり、10%であり、13%であり、15%であり、18%であり、20%である。好ましい含有量の上限値は、30%であり、28%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%であり、10%であり、8%であり、5%である。
【0258】
本発明の組成物の粘度を低く保ち、応答速度が速い組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。さらに、焼き付きの発生しにくい組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。また、駆動電圧を低く保つために誘電率異方性を大きくしたいときは、上記の下限値を高めに、上限値を高めにすることが好ましい。
【0259】
さらに、本発明の組成物に使用される一般式(M−16)で表される化合物は、具体的には式(M−16.1)から式(M−16.8)で表される化合物であることが好ましく、中でも式(M−16.1)から式(M−16.4)で表される化合物を含有することが好ましい。
【0260】
【化65】
【0261】
本発明の組成物の総量に対してのこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、2%であり、4%であり、5%であり、8%であり、10%であり、13%であり、15%であり、18%であり、20%である。好ましい含有量の上限値は、30%であり、28%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%であり、10%であり、8%であり、5%である。
【0262】
一般式(M−17)で表される化合物は下記のものである。
【0263】
【化66】
【0264】
(式中、XM171〜XM174はそれぞれ独立してフッ素原子又は水素原子を表し、YM171はフッ素原子、塩素原子又は−OCFを表し、RM171は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表し、WM171及びWM172はそれぞれ独立して、−CH−又は−O−を表す。)
本発明の組成物の総量に対しての一般式(M−17)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、2%であり、4%であり、5%であり、8%であり、10%であり、13%であり、15%であり、18%であり、20%である。好ましい含有量の上限値は、30%であり、28%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%であり、10%であり、8%であり、5%である。
【0265】
本発明の組成物の粘度を低く保ち、応答速度が速い組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。さらに、焼き付きの発生しにくい組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。また、駆動電圧を低く保つために誘電率異方性を大きくしたいときは、上記の下限値を高めに、上限値を高めにすることが好ましい。
【0266】
さらに、本発明の組成物に使用される一般式(M−17)で表される化合物は、具体的には式(M−17.1)から式(M−17.52)で表される化合物であることが好ましく、中でも式(M−17.9)から式(M−17.12)、式(M−17.21)から式(M−17.28)、式(M−17.45)から式(M−17.48)で表される化合物を含有することが好ましい。
【0267】
【化67】
【0268】
【化68】
【0269】
【化69】
【0270】
【化70】
【0271】
【化71】
【0272】
【化72】
【0273】
本発明の組成物の総量に対してのこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、2%であり、4%であり、5%であり、8%であり、10%であり、13%であり、15%であり、18%であり、20%である。好ましい含有量の上限値は、30%であり、28%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%であり、10%であり、8%であり、5%である。
【0274】
一般式(M−18)で表される化合物は下記のものである。
【0275】
【化73】
【0276】
(式中、XM181〜XM186はそれぞれ独立してフッ素原子又は水素原子を表し、YM181はフッ素原子、塩素原子又は−OCFを表し、RM181は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表す。)
本発明の組成物の総量に対しての一般式(M−18)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、2%であり、4%であり、5%であり、8%であり、10%であり、13%であり、15%であり、18%であり、20%である。好ましい含有量の上限値は、30%であり、28%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%であり、10%であり、8%であり、5%である。
【0277】
本発明の組成物の粘度を低く保ち、応答速度が速い組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。さらに、焼き付きの発生しにくい組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。また、駆動電圧を低く保つために誘電率異方性を大きくしたいときは、上記の下限値を高めに、上限値を高めにすることが好ましい。
【0278】
さらに、本発明の組成物に使用される一般式(M−18)で表される化合物は、具体的には式(M−18.1)から式(M−18.12)で表される化合物であることが好ましく、中でも式(M−18.5)から式(M−18.8)で表される化合物を含有することが好ましい。
【0279】
【化74】
【0280】
【化75】
【0281】
本発明の組成物の総量に対してのこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、2%であり、4%であり、5%であり、8%であり、10%であり、13%であり、15%であり、18%であり、20%である。好ましい含有量の上限値は、30%であり、28%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%であり、10%であり、8%であり、5%である。
【0282】
本発明の組成物は、一般式(K)で表される化合物を1種類又は2種類以上含有することが好ましい。これら化合物は誘電的に正の化合物(Δεが2より大きい。)に該当する。
【0283】
【化76】
【0284】
(式中、RK1は炭素原子数1〜8のアルキル基を表し、該アルキル基中の1個又は非隣接の2個以上の−CH−はそれぞれ独立して−CH=CH−、−C≡C−、−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−によって置換されていてもよく、
K1は、0、1、2、3又は4を表し、
K1及びAK2はそれぞれ独立して、
(a) 1,4−シクロヘキシレン基(この基中に存在する1個の−CH−又は隣接していない2個以上の−CH−は−O−又は−S−に置き換えられてもよい。)及び
(b) 1,4−フェニレン基(この基中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=は−N=に置き換えられてもよい。)
からなる群より選ばれる基を表し、上記の基(a)及び基(b)上の水素原子はそれぞれ独立してシアノ基、フッ素原子又は塩素原子で置換されていても良く、
K1及びZK2はそれぞれ独立して単結合、−CHCH−、−(CH−、−OCH−、−CHO−、−OCF−、−CFO−、−COO−、−OCO−又は−C≡C−を表し、
K1が2、3又は4であってAK2が複数存在する場合は、それらは同一であっても異なっていても良く、nK1が2、3又は4であってZK1が複数存在する場合は、それらは同一であっても異なっていても良く、
K1及びXK3はそれぞれ独立して水素原子、塩素原子又はフッ素原子を表し、
K2は、水素原子、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、トリフルオロメチル基、フルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基又は2,2,2−トリフルオロエチル基を表す。)
一般式(K)中、RK1は、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基、炭素原子数2〜8のアルケニル基又は炭素原子数2〜8のアルケニルオキシ基が好ましく、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数1〜5のアルコキシ基、炭素原子数2〜5のアルケニル基又は炭素原子数2〜5のアルケニルオキシ基が好ましく、炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基が更に好ましく、炭素原子数2〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜3のアルケニル基が更に好ましく、炭素原子数3のアルケニル基(プロペニル基)が特に好ましい。
【0285】
信頼性を重視する場合にはRK1はアルキル基であることが好ましく、粘性の低下を重視する場合にはアルケニル基であることが好ましい。
【0286】
また、それが結合する環構造がフェニル基(芳香族)である場合には、直鎖状の炭素原子数1〜5のアルキル基、直鎖状の炭素原子数1〜4のアルコキシ基及び炭素原子数4〜5のアルケニル基が好ましく、それが結合する環構造がシクロヘキサン、ピラン及びジオキサンなどの飽和した環構造の場合には、直鎖状の炭素原子数1〜5のアルキル基、直鎖状の炭素原子数1〜4のアルコキシ基及び直鎖状の炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましい。ネマチック相を安定化させるためには炭素原子及び存在する場合酸素原子の合計が5以下であることが好ましく、直鎖状であることが好ましい。
【0287】
アルケニル基としては、式(R1)から式(R5)のいずれかで表される基から選ばれることが好ましい。(各式中の黒点はアルケニル基が結合している環構造中の炭素原子を表す。)
【0288】
【化77】
【0289】
K1及びAK2はそれぞれ独立してΔnを大きくすることが求められる場合には芳香族であることが好ましく、応答速度を改善するためには脂肪族であることが好ましく、トランス−1,4−シクロへキシレン基、1,4−フェニレン基、2−フルオロ−1,4−フェニレン基、3−フルオロ−1,4−フェニレン基、3,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン基、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘキセニレン基、1,4−ビシクロ[2.2.2]オクチレン基、ピペリジン−1,4−ジイル基、ナフタレン−2,6−ジイル基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基又は1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基を表すことが好ましく、下記の構造を表すことがより好ましく、
【0290】
【化78】
【0291】
下記の構造を表すことがより好ましい。
【0292】
【化79】
【0293】
K1及びZK2はそれぞれ独立して−CHO−、−CFO−、−CHCH−、−CFCF−又は単結合を表すことが好ましく、−CFO−、−CHCH−又は単結合が更に好ましく、−CFO−又は単結合が特に好ましい。
【0294】
K1は、0、1、2又は3が好ましく、0、1又は2が好ましく、Δεの改善に重点を置く場合には0又は1が好ましく、Tniを重視する場合には1又は2が好ましい。
【0295】
組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの所望の性能に応じて組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類である。またさらに、本発明の別の実施形態では4種類であり、5種類であり、6種類であり、7種類以上である。
【0296】
本発明の組成物において、一般式(K)で表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率、プロセス適合性、滴下痕、焼き付き、誘電率異方性などの求められる性能に応じて適宜調整する必要がある。
【0297】
本発明の組成物の総量に対しての式(K)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、10%であり、20%であり、30%であり、40%であり、50%であり、55%であり、60%であり、65%であり、70%であり、75%であり、80%である。好ましい含有量の上限値は、本発明の組成物の総量に対して、例えば本発明の一つの形態では95%であり、85%であり、75%であり、65%であり、55%であり、45%であり、35%であり、25%である。
【0298】
本発明の組成物の粘度を低く保ち、応答速度が速い組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。さらに、本発明の組成物のTniを高く保ち、温度安定性の良い組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。また、駆動電圧を低く保つために誘電率異方性を大きくしたいときは、上記の下限値を高めに、上限値を高めにすることが好ましい。
【0299】
一般式(K)で表される化合物は、例えば一般式(K−1)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
【0300】
【化80】
【0301】
(式中、RK11は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表し、XK11〜XK14はそれぞれ独立して水素原子又はフッ素原子を表し、YK11はフッ素原子又はOCFを表す。)
組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの所望の性能に応じて組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類以上である。
【0302】
本発明の組成物の総量に対しての式(K−1)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、2%であり、5%であり、8%であり、10%であり、13%であり、15%であり、18%であり、20%であり、22%であり、25%であり、30%である。好ましい含有量の上限値は、30%であり、28%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%であり、10%であり、8%であり、5%である。
【0303】
本発明の組成物の粘度を低く保ち、応答速度が速い組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。さらに、本発明の組成物のTniを高く保ち、温度安定性の良い組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。また、駆動電圧を低く保つために誘電率異方性を大きくしたいときは、上記の下限値を高めに、上限値を高めにすることが好ましい。
【0304】
さらに、一般式(K−1)で表される化合物は、具体的には式(K−1.1)から式(K−1.4)で表される化合物であることが好ましく、式(K−1.1)又は式(K−1.2)で表される化合物が好ましく、式(K−1.2)で表される化合物がさらに好ましい。また、式(K−1.1)又は式(K−1.2)で表される化合物を同時に使用することも好ましい。
【0305】
【化81】
【0306】
本発明の組成物の総量に対してのこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、2%であり、4%であり、5%であり、8%であり、10%であり、13%であり、15%であり、18%であり、20%である。好ましい含有量の上限値は、30%であり、28%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%であり、10%であり、8%であり、5%である。
【0307】
一般式(K)で表される化合物は、例えば一般式(K−2)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
【0308】
【化82】
【0309】
(式中、RK21は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表し、XK21〜XK24はそれぞれ独立して水素原子又はフッ素原子を表し、YK21はフッ素原子又はOCFを表す。)
組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの所望の性能に応じて組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類以上である。
【0310】
本発明の組成物の総量に対しての式(K−2)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、2%であり、5%であり、8%であり、10%であり、13%であり、15%であり、18%であり、20%であり、22%であり、25%であり、30%である。好ましい含有量の上限値は、30%であり、28%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%であり、10%であり、8%であり、5%である。
【0311】
本発明の組成物の粘度を低く保ち、応答速度が速い組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。さらに、本発明の組成物のTniを高く保ち、温度安定性の良い組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。また、駆動電圧を低く保つために誘電率異方性を大きくしたいときは、上記の下限値を高めに、上限値を高めにすることが好ましい。
【0312】
さらに、一般式(K−2)で表される化合物は、具体的には式(K−2.1)から式(K−2.6)で表される化合物であることが好ましく、式(K−2.5)又は式(K−2.6)で表される化合物が好ましく、式(K−2.6)で表される化合物がさらに好ましい。また、式(K−2.5)又は式(K−2.6)で表される化合物を同時に使用することも好ましい。
【0313】
【化83】
【0314】
本発明の組成物の総量に対してのこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、2%であり、4%であり、5%であり、8%であり、10%であり、13%であり、15%であり、18%であり、20%である。好ましい含有量の上限値は、30%であり、28%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%であり、10%であり、8%であり、5%である。
【0315】
一般式(K)で表される化合物は、例えば一般式(K−3)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
【0316】
【化84】
【0317】
(式中、RK31は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表し、XK31〜XK36はそれぞれ独立して水素原子又はフッ素原子を表し、YK31はフッ素原子又はOCFを表す。)
組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの所望の性能に応じて組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類以上である。
【0318】
本発明の組成物の総量に対しての式(K−3)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、2%であり、5%であり、8%であり、10%であり、13%であり、15%であり、18%であり、20%であり、22%であり、25%であり、30%である。好ましい含有量の上限値は、30%であり、28%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%であり、10%であり、8%であり、5%である。
【0319】
本発明の組成物の粘度を低く保ち、応答速度が速い組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。さらに、本発明の組成物のTniを高く保ち、温度安定性の良い組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。また、駆動電圧を低く保つために誘電率異方性を大きくしたいときは、上記の下限値を高めに、上限値を高めにすることが好ましい。
【0320】
さらに、一般式(K−3)で表される化合物は、具体的には式(K−3.1)から式(K−3.4)で表される化合物であることが好ましく、式(K−3.1)又は式(K−3.2)で表される化合物であることがより好ましい。また、式(K−3.1)および式(K−3.2)で表される化合物を同時に使用することも好ましい。
【0321】
【化85】
【0322】
本発明の組成物の総量に対してのこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、2%であり、4%であり、5%であり、8%であり、10%であり、13%であり、15%であり、18%であり、20%である。好ましい含有量の上限値は、30%であり、28%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%であり、10%であり、8%であり、5%である。
【0323】
一般式(K)で表される化合物は、例えば一般式(K−4)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
【0324】
【化86】
【0325】
(式中、RK41は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表し、XK41〜XK46はそれぞれ独立して水素原子又はフッ素原子を表し、YK41はフッ素原子又はOCFを表し、ZK41は−OCH−、−CHO−、−OCF−又は−CFO−を表す。)
組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの所望の性能に応じて組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類以上である。
【0326】
本発明の組成物の総量に対しての式(K−4)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、2%であり、5%であり、8%であり、10%であり、13%であり、15%であり、18%であり、20%であり、22%であり、25%であり、30%である。好ましい含有量の上限値は、30%であり、28%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%であり、10%であり、8%であり、5%である。
【0327】
本発明の組成物の粘度を低く保ち、応答速度が速い組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。さらに、本発明の組成物のTniを高く保ち、温度安定性の良い組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。また、駆動電圧を低く保つために誘電率異方性を大きくしたいときは、上記の下限値を高めに、上限値を高めにすることが好ましい。
【0328】
さらに、一般式(K−4)で表される化合物は、具体的には式(K−4.1)から式(K−4.18)で表される化合物であることが好ましく、式(K−4.1)、式(K−4.2)、式(K−4.11)、(K−4.12)で表される化合物がより好ましい。また、式(K−4.1)、式(K−4.2)、式(K−4.11)、(K−4.12)で表される化合物を同時に使用することも好ましい。
【0329】
【化87】
【0330】
【化88】
【0331】
本発明の組成物の総量に対してのこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、2%であり、4%であり、5%であり、8%であり、10%であり、13%であり、15%であり、18%であり、20%である。好ましい含有量の上限値は、30%であり、28%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%であり、10%であり、8%であり、5%である。
【0332】
一般式(K)で表される化合物は、例えば一般式(K−5)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
【0333】
【化89】
【0334】
(式中、RK51は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表し、XK51〜XK56はそれぞれ独立して水素原子又はフッ素原子を表し、YK51はフッ素原子又はOCFを表し、ZK51は−OCH−、−CHO−、−OCF−又は−CFO−を表す。)
組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの所望の性能に応じて組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類以上である。
【0335】
本発明の組成物の総量に対しての式(K−5)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、2%であり、5%であり、8%であり、10%であり、13%であり、15%であり、18%であり、20%であり、22%であり、25%であり、30%である。好ましい含有量の上限値は、30%であり、28%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%であり、10%であり、8%であり、5%である。
【0336】
本発明の組成物の粘度を低く保ち、応答速度が速い組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。さらに、本発明の組成物のTniを高く保ち、温度安定性の良い組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。また、駆動電圧を低く保つために誘電率異方性を大きくしたいときは、上記の下限値を高めに、上限値を高めにすることが好ましい。
【0337】
さらに、一般式(K−5)で表される化合物は、具体的には式(K−5.1)から式(K−5.18)で表される化合物であることが好ましく、式(K−5.11)から式(K−5.14)で表される化合物が好ましく、式(K−5.12)で表される化合物がさらに好ましい。
【0338】
【化90】
【0339】
【化91】
【0340】
本発明の組成物の総量に対してのこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、2%であり、4%であり、5%であり、8%であり、10%であり、13%であり、15%であり、18%であり、20%である。好ましい含有量の上限値は、30%であり、28%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%であり、10%であり、8%であり、5%である。
【0341】
一般式(K)で表される化合物は、例えば一般式(K−6)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
【0342】
【化92】
【0343】
(式中、RK61は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表し、XK61〜XK68はそれぞれ独立して水素原子又はフッ素原子を表し、YK61はフッ素原子又はOCFを表し、ZK61は−OCH−、−CHO−、−OCF−又は−CFO−を表す。)
組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの所望の性能に応じて組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類以上である。
【0344】
本発明の組成物の総量に対しての式(K−6)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、2%であり、5%であり、8%であり、10%であり、13%であり、15%であり、18%であり、20%であり、22%であり、25%であり、30%である。好ましい含有量の上限値は、30%であり、28%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%であり、10%であり、8%であり、5%である。
【0345】
本発明の組成物の粘度を低く保ち、応答速度が速い組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。さらに、本発明の組成物のTniを高く保ち、温度安定性の良い組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。また、駆動電圧を低く保つために誘電率異方性を大きくしたいときは、上記の下限値を高めに、上限値を高めにすることが好ましい。
【0346】
さらに、一般式(K−6)で表される化合物は、具体的には式(K−6.1)から式(K−6.18)で表される化合物であることが好ましく、式(K−6.15)から式(K−6.18)で表される化合物が好ましく、式(K−6.16)及び式(K−6.17)で表される化合物がさらに好ましい。また、式(K−6.16)と式(K−6.17)で表される化合物を同時に使用することも好ましい。
【0347】
【化93】
【0348】
【化94】
【0349】
本発明の組成物の総量に対してのこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、2%であり、4%であり、5%であり、8%であり、10%であり、13%であり、15%であり、18%であり、20%である。好ましい含有量の上限値は、30%であり、28%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%であり、10%であり、8%であり、5%である。
【0350】
本発明の組成物は、一般式(L)で表される化合物を1種類又は2種類以上含有することが好ましい。一般式(L)で表される化合物は誘電的にほぼ中性の化合物(Δεの値が−2〜2)に該当する。
【0351】
【化95】
【0352】
(式中、RL1及びRL2はそれぞれ独立して炭素原子数1〜8のアルキル基を表し、該アルキル基中の1個又は非隣接の2個以上の−CH−はそれぞれ独立して−CH=CH−、−C≡C−、−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−によって置換されていてもよく、
L1は0、1、2又は3を表し、
L1、AL2及びAL3はそれぞれ独立して
(a) 1,4−シクロヘキシレン基(この基中に存在する1個の−CH−又は隣接していない2個以上の−CH−は−O−に置き換えられてもよい。)
(b) 1,4−フェニレン基(この基中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=は−N=に置き換えられてもよい。)及び
(c) (c)ナフタレン−2,6−ジイル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基又はデカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基(ナフタレン−2,6−ジイル基又は1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=は−N=に置き換えられても良い。)
からなる群より選ばれる基を表し、上記の基(a)、基(b)及び基(c)はそれぞれ独立してシアノ基、フッ素原子又は塩素原子で置換されていても良く、
L1及びZL2はそれぞれ独立して単結合、−CHCH−、−(CH−、−OCH−、−CHO−、−COO−、−OCO−、−OCF−、−CFO−、−CH=N−N=CH−、−CH=CH−、−CF=CF−又は−C≡C−を表し、
L1が2又は3であってAL2が複数存在する場合は、それらは同一であっても異なっていても良く、nL1が2又は3であってZL2が複数存在する場合は、それらは同一であっても異なっていても良いが、一般式(i)、(ii)、(J)、(L−1−1.3)及び(L−1−2.2)で表される化合物を除く。)
一般式(L)で表される化合物は単独で用いてもよいが、組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの所望の性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類である。あるいは本発明の別の実施形態では2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類であり、6種類であり、7種類であり、8種類であり、9種類であり、10種類以上である。
【0353】
本発明の組成物において、一般式(L)で表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率、プロセス適合性、滴下痕、焼き付き、誘電率異方性などの求められる性能に応じて適宜調整する必要がある。
【0354】
本発明の組成物の総量に対しての式(L)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、10%であり、20%であり、30%であり、40%であり、50%であり、55%であり、60%であり、65%であり、70%であり、75%であり、80%である。好ましい含有量の上限値は、95%であり、85%であり、75%であり、65%であり、55%であり、45%であり、35%であり、25%である。
【0355】
本発明の組成物の粘度を低く保ち、応答速度が速い組成物が必要な場合は上記の下限値が高く上限値が高いことが好ましい。さらに、本発明の組成物のTniを高く保ち、温度安定性の良い組成物が必要な場合は上記の下限値が高く上限値が高いことが好ましい。また、駆動電圧を低く保つために誘電率異方性を大きくしたいときは、上記の下限値を低く上限値が低いことが好ましい。
【0356】
分子内に存在するハロゲン原子は0、1、2又は3個が好ましく、0又は1が好ましく、他の液晶分子との相溶性を重視する場合には1が好ましい。
【0357】
信頼性を重視する場合にはRL1及びRL2はともにアルキル基であることが好ましく、化合物の揮発性を低減させることを重視する場合にはアルコキシ基であることが好ましく、粘性の低下を重視する場合には少なくとも一方はアルケニル基であることが好ましい。
【0358】
L1及びRL2は、それが結合する環構造がフェニル基(芳香族)である場合には、直鎖状の炭素原子数1〜5のアルキル基、直鎖状の炭素原子数1〜4のアルコキシ基及び炭素原子数4〜5のアルケニル基が好ましく、それが結合する環構造がシクロヘキサン、ピラン及びジオキサンなどの飽和した環構造の場合には、直鎖状の炭素原子数1〜5のアルキル基、直鎖状の炭素原子数1〜4のアルコキシ基及び直鎖状の炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましい。ネマチック相を安定化させるためには炭素原子及び存在する場合酸素原子の合計が5以下であることが好ましく、直鎖状であることが好ましい。
【0359】
アルケニル基としては、式(R1)から式(R5)のいずれかで表される基から選ばれることが好ましい。(各式中の黒点はアルケニル基が結合している環構造中の炭素原子を表す。)
【0360】
【化96】
【0361】
L1は応答速度を重視する場合には0が好ましく、ネマチック相の上限温度を改善するためには2又は3が好ましく、これらのバランスをとるためには1が好ましい。また、組成物として求められる特性を満たすためには異なる値の化合物を組み合わせることが好ましい。
【0362】
L1、AL2及びAL3はΔnを大きくすることが求められる場合には芳香族であることが好ましく、応答速度を改善するためには脂肪族であることが好ましく、それぞれ独立してトランス−1,4−シクロへキシレン基、1,4−フェニレン基、2−フルオロ−1,4−フェニレン基、3−フルオロ−1,4−フェニレン基、3,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘキセニレン基、1,4−ビシクロ[2.2.2]オクチレン基、ピペリジン−1,4−ジイル基、ナフタレン−2,6−ジイル基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基又は1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基を表すことが好ましく、下記の構造を表すことがより好ましく、
【0363】
【化97】
【0364】
トランス−1,4−シクロへキシレン基又は1,4−フェニレン基を表すことがより好ましい。
【0365】
L1及びZL2は応答速度を重視する場合には単結合であることが好ましい。
【0366】
分子内のハロゲン原子数は0個又は1個が好ましい。
【0367】
一般式(L)で表される化合物は一般式(L−1)〜(L−8)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
【0368】
一般式(L−1)で表される化合物は下記の化合物である。
【0369】
【化98】
【0370】
(式中、RL11及びRL12はそれぞれ独立して、一般式(L)におけるRL1及びRL2と同じ意味を表す。ただし、式(L−1−1.3)で表される化合物及び式(L−1−2.2)で表される化合物を除く。)
L11及びRL12は、直鎖状の炭素原子数1〜5のアルキル基、直鎖状の炭素原子数1〜4のアルコキシ基及び直鎖状の炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましい。
【0371】
一般式(L−1)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
【0372】
好ましい含有量の下限値は、本発明の組成物の総量に対して、1%であり、2%であり、3%であり、5%であり、7%であり、10%であり、15%であり、20%であり、25%であり、30%であり、35%であり、40%であり、45%であり、50%であり、55%である。好ましい含有量の上限値は、本発明の組成物の総量に対して、95%であり、90%であり、85%であり、80%であり、75%であり、70%であり、65%であり、60%であり、55%であり、50%であり、45%であり、40%であり、35%であり、30%であり、25%である。
【0373】
本発明の組成物の粘度を低く保ち、応答速度が速い組成物が必要な場合は上記の下限値が高く上限値が高いことが好ましい。さらに、本発明の組成物のTniを高く保ち、温度安定性の良い組成物が必要な場合は上記の下限値が中庸で上限値が中庸であることが好ましい。また、駆動電圧を低く保つために誘電率異方性を大きくしたいときは、上記の下限値が低く上限値が低いことが好ましい。
【0374】
一般式(L−1)で表される化合物は一般式(L−1−1)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
【0375】
【化99】
【0376】
(式中RL12は一般式(L−1)における意味と同じ意味を表す。ただし、式(L−1−1.3)で表される化合物を除く。)
一般式(L−1−1)で表される化合物は、式(L−1−1.1)又は式(L−1−1.3)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
【0377】
【化100】
【0378】
一般式(L−1)で表される化合物は一般式(L−1−2)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
【0379】
【化101】
【0380】
(式中RL12は一般式(L−1)における意味と同じ意味を表す。ただし、式(L−1−2.2)で表される化合物を除く。)
本発明の組成物の総量に対しての式(L−1−2)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、5%であり、10%であり、15%であり、17%であり、20%であり、23%であり、25%であり、27%であり、30%であり、35%である。好ましい含有量の上限値は、本発明の組成物の総量に対して、60%であり、55%であり、50%であり、45%であり、42%であり、40%であり、38%であり、35%であり、33%であり、30%である。
【0381】
さらに、一般式(L−1−2)で表される化合物は、式(L−1−2.1)から式(L−1−2.4)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。また、応答速度よりも高いTniを求めるときは、式(L−1−2.3)又は式(L−1−2.4)で表される化合物を用いることが好ましい。式(L−1−2.3)及び式(L−1−2.4)で表される化合物の含有量は、低温での溶解度を良くするために10%以上にすることは好ましくない。
【0382】
【化102】
【0383】
本発明の組成物の総量に対しての式(L−1−2.1)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、10%であり、15%であり、18%であり、20%であり、23%であり、25%であり、27%であり、30%であり、33%であり、35%であり、38%であり、40%である。好ましい含有量の上限値は、本発明の組成物の総量に対して、60%であり、55%であり、50%であり、45%であり、43%であり、40%であり、38%であり、35%であり、32%であり、30%であり、27%であり、25%であり、22%である。
【0384】
一般式(L−1)で表される化合物は一般式(L−1−3)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
【0385】
【化103】
【0386】
(式中RL13及びRL14はそれぞれ独立して炭素原子数1〜8のアルキル基又は炭素原子数1〜8のアルコキシ基を表す。)
L13及びRL14は、直鎖状の炭素原子数1〜5のアルキル基、直鎖状の炭素原子数1〜4のアルコキシ基及び直鎖状の炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましい。
【0387】
本発明の組成物の総量に対しての式(L−1−3)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、5%であり、10%であり、13%であり、15%であり、17%であり、20%であり、23%であり、25%であり、30%である。好ましい含有量の上限値は、本発明の組成物の総量に対して、60%であり、55%であり、50%であり、45%であり、40%であり、37%であり、35%であり、33%であり、30%であり、27%であり、25%であり、23%であり、20%であり、17%であり、15%であり、13%であり、10%である。
さらに、一般式(L−1−3)で表される化合物は、式(L−1−3.1)から式(L−1−3.12)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましく、式(L−1−3.1)、式(L−1−3.3)又は式(L−1−3.4)で表される化合物であることが好ましい。特に、式(L−1−3.1)で表される化合物は本発明の組成物の応答速度を特に改善するため好ましい。また、応答速度よりも高いTniを求めるときは、式(L−1−3.3)、式(L−1−3.4)、式(L−1−3.11)及び式(L−1−3.12)で表される化合物を用いることが好ましい。式(L−1−3.3)、式(L−1−3.4)、式(L−1−3.11)及び式(L−1−3.12)で表される化合物の合計の含有量は、低温での溶解度を良くするために20%以上にすることは好ましくない。
【0388】
【化104】
【0389】
本発明の組成物の総量に対しての式(L−1−3.1)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、2%であり、3%であり、5%であり、7%であり、10%であり、13%であり、15%であり、18%であり、20%である。好ましい含有量の上限値は、本発明の組成物の総量に対して、20%であり、17%であり、15%であり、13%であり、10%であり、8%であり、7%であり、6%である。
【0390】
一般式(L−1)で表される化合物は一般式(L−1−4)及び/又は(L−1−5)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
【0391】
【化105】
【0392】
(式中RL15及びRL16はそれぞれ独立して炭素原子数1〜8のアルキル基又は炭素原子数1〜8のアルコキシ基を表す。)
L15及びRL16は、直鎖状の炭素原子数1〜5のアルキル基、直鎖状の炭素原子数1〜4のアルコキシ基及び直鎖状の炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましい。
【0393】
本発明の組成物の総量に対しての式(L−1−4)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、5%であり、10%であり、13%であり、15%であり、17%であり、20%である。好ましい含有量の上限値は、本発明の組成物の総量に対して、25%であり、23%であり、20%であり、17%であり、15%であり、13%であり、10%である。
【0394】
本発明の組成物の総量に対しての式(L−1−5)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、5%であり、10%であり、13%であり、15%であり、17%であり、20%である。好ましい含有量の上限値は、本発明の組成物の総量に対して、25%であり、23%であり、20%であり、17%であり、15%であり、13%であり、10%である。
【0395】
さらに、一般式(L−1−4)及び(L−1−5)で表される化合物は、式(L−1−4.1)から式(L−1−5.3)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましく、式(L−1−4.2)又は式(L−1−5.2)で表される化合物であることが好ましい。
【0396】
【化106】
【0397】
本発明の組成物の総量に対しての式(L−1−4.2)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、2%であり、3%であり、5%であり、7%であり、10%であり、13%であり、15%であり、18%であり、20%である。好ましい含有量の上限値は、本発明の組成物の総量に対して、20%であり、17%であり、15%であり、13%であり、10%であり、8%であり、7%であり、6%である。
【0398】
式(L−1−1.3)、式(L−1−2.2)、式(L−1−3.1)、式(L−1−3.3)、式(L−1−3.4)、式(L−1−3.11)及び式(L−1−3.12)で表される化合物から選ばれる2種以上の化合物を組み合わせることが好ましく、式(L−1−1.3)、式(L−1−2.2)、式(L−1−3.1)、式(L−1−3.3)、式(L−1−3.4)及び式(L−1−4.2)で表される化合物から選ばれる2種以上の化合物を組み合わせることが好ましく、これら化合物の合計の含有量の好ましい含有量の下限値は、本発明の組成物の総量に対して、1%であり、2%であり、3%であり、5%であり、7%であり、10%であり、13%であり、15%であり、18%であり、20%であり、23%であり、25%であり、27%であり、30%であり、33%であり、35%であり、上限値は、本発明の組成物の総量に対して、80%であり、70%であり、60%であり、50%であり、45%であり、40%であり、37%であり、35%であり、33%であり、30%であり、28%であり、25%であり、23%であり、20%である。組成物の信頼性を重視する場合には、式(L−1−3.1)、式(L−1−3.3)及び式(L−1−3.4))で表される化合物から選ばれる2種以上の化合物を組み合わせることが好ましく、組成物の応答速度を重視する場合には、式(L−1−1.3)、式(L−1−2.2)で表される化合物から選ばれる2種以上の化合物を組み合わせることが好ましい。
【0399】
一般式(L−2)で表される化合物は下記の化合物である。
【0400】
【化107】
【0401】
(式中、RL21及びRL22はそれぞれ独立して、一般式(L)におけるRL1及びRL2と同じ意味を表す。)
L21は炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましく、RL22は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数4〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基が好ましい。
【0402】
一般式(L−1)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
【0403】
低温での溶解性を重視する場合は含有量を多めに設定すると効果が高く、反対に、応答速度を重視する場合は含有量を少なめに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
【0404】
本発明の組成物の総量に対しての式(L−2)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、2%であり、3%であり、5%であり、7%であり、10%である。好ましい含有量の上限値は、本発明の組成物の総量に対して、20%であり、15%であり、13%であり、10%であり、8%であり、7%であり、6%であり、5%であり、3%である。
【0405】
さらに、一般式(L−2)で表される化合物は、式(L−2.1)から式(L−2.6)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましく、式(L−2.1)、式(L−2.3)、式(L−2.4)及び式(L−2.6)で表される化合物であることが好ましい。
【0406】
【化108】
【0407】
一般式(L−3)で表される化合物は下記の化合物である。
【0408】
【化109】
【0409】
(式中、RL31及びRL32はそれぞれ独立して、一般式(L)におけるRL1及びRL2と同じ意味を表す。)
L31及びRL32はそれぞれ独立して炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数4〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基が好ましい。
【0410】
一般式(L−3)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
【0411】
本発明の組成物の総量に対しての式(L−3)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、2%であり、3%であり、5%であり、7%であり、10%である。好ましい含有量の上限値は、本発明の組成物の総量に対して、20%であり、15%であり、13%であり、10%であり、8%であり、7%であり、6%であり、5%であり、3%である。
【0412】
高い複屈折率を得る場合は含有量を多めに設定すると効果が高く、反対に、高いTniを重視する場合は含有量を少なめに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
【0413】
さらに、一般式(L−3)で表される化合物は、式(L−3.1)から式(L−3.4)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましく、式(L−3.2)から式(L−3.7)で表される化合物であることが好ましい。
【0414】
【化110】
【0415】
一般式(L−4)で表される化合物は下記の化合物である。
【0416】
【化111】
【0417】
(式中、RL41及びRL42はそれぞれ独立して、一般式(L)におけるRL1及びRL2と同じ意味を表す。)
L41は炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましく、RL42は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数4〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基が好ましい。)
一般式(L−4)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
【0418】
本発明の組成物において、一般式(L−4)で表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率、プロセス適合性、滴下痕、焼き付き、誘電率異方性などの求められる性能に応じて適宜調整する必要がある。
【0419】
本発明の組成物の総量に対しての式(L−4)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、2%であり、3%であり、5%であり、7%であり、10%であり、14%であり、16%であり、20%であり、23%であり、26%であり、30%であり、35%であり、40%である。本発明の組成物の総量に対しての式(L−4)で表される化合物の好ましい含有量の上限値は、50%であり、40%であり、35%であり、30%であり、20%であり、15%であり、10%であり、5%である。
【0420】
一般式(L−4)で表される化合物は、例えば式(L−4.1)から式(L−4.3)で表される化合物であることが好ましい。
【0421】
【化112】
【0422】
低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて、式(L−4.1)で表される化合物を含有していても、式(L−4.2)で表される化合物を含有していても、式(L−4.1)で表される化合物と式(L−4.2)で表される化合物との両方を含有していても良いし、式(L−4.1)から式(L−4.3)で表される化合物を全て含んでいても良い。本発明の組成物の総量に対しての式(L−4.1)又は式(L−4.2)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、3%であり、5%であり、7%であり、9%であり、11%であり、12%であり、13%であり、18%であり、21%であり、好ましい上限値は、45であり、40%であり、35%であり、30%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%であり、10%であり、8%である。
【0423】
式(L−4.1)で表される化合物と式(L−4.2)で表される化合物との両方を含有する場合は、本発明の組成物の総量に対しての両化合物の好ましい含有量の下限値は、15%であり、19%であり、24%であり、30%であり、好ましい上限値は、45であり、40%であり、35%であり、30%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%である。
【0424】
一般式(L−4)で表される化合物は、例えば式(L−4.4)から式(L−4.6)で表される化合物であることが好ましく、式(L−4.4)で表される化合物であることが好ましい。
【0425】
【化113】
【0426】
低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて、式(L−4.4)で表される化合物を含有していても、式(L−4.5)で表される化合物を含有していても、式(L−4.4)で表される化合物と式(L−4.5)で表される化合物との両方を含有していても良い。
【0427】
本発明の組成物の総量に対しての式(L−4.4)又は式(L−4.5)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、3%であり、5%であり、7%であり、9%であり、11%であり、12%であり、13%であり、18%であり、21%である。好ましい上限値は、45であり、40%であり、35%であり、30%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%であり、10%であり、8%である。
【0428】
式(L−4.4)で表される化合物と式(L−4.5)で表される化合物との両方を含有する場合は、本発明の組成物の総量に対しての両化合物の好ましい含有量の下限値は、15%であり、19%であり、24%であり、30%であり、好ましい上限値は、45であり、40%であり、35%であり、30%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%である。
【0429】
一般式(L−4)で表される化合物は、式(L−4.7)から式(L−4.10)で表される化合物であることが好ましく、特に、式(L−4.9)で表される化合物が好ましい。
【0430】
【化114】
【0431】
一般式(L−5)で表される化合物は下記の化合物である。
【0432】
【化115】
【0433】
(式中、RL51及びRL52はそれぞれ独立して、一般式(L)におけるRL1及びRL2と同じ意味を表す。)
L51は炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましく、RL52は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数4〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基が好ましい。
【0434】
一般式(L−5)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
【0435】
本発明の組成物において、一般式(L−5)で表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率、プロセス適合性、滴下痕、焼き付き、誘電率異方性などの求められる性能に応じて適宜調整する必要がある。
【0436】
本発明の組成物の総量に対しての式(L−5)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、2%であり、3%であり、5%であり、7%であり、10%であり、14%であり、16%であり、20%であり、23%であり、26%であり、30%であり、35%であり、40%である。本発明の組成物の総量に対しての式(L−5)で表される化合物の好ましい含有量の上限値は、50%であり、40%であり、35%であり、30%であり、20%であり、15%であり、10%であり、5%である
一般式(L−5)で表される化合物は、式(L−5.1)又は式(L−5.2)で表される化合物であることが好ましく、特に、式(L−5.1)で表される化合物であることが好ましい。
【0437】
本発明の組成物の総量に対してのこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、2%であり、3%であり、5%であり、7%である。これら化合物の好ましい含有量の上限値は、20%であり、15%であり、13%であり、10%であり、9%である。
【0438】
【化116】
【0439】
一般式(L−5)で表される化合物は、式(L−5.3)又は式(L−5.4)で表される化合物であることが好ましい。
【0440】
本発明の組成物の総量に対してのこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、2%であり、3%であり、5%であり、7%である。これら化合物の好ましい含有量の上限値は、20%であり、15%であり、13%であり、10%であり、9%である。
【0441】
【化117】
【0442】
一般式(L−5)で表される化合物は、式(L−5.5)から式(L−5.7)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましく、特に式(L−5.7)で表される化合物であることが好ましい。
【0443】
本発明の組成物の総量に対してのこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、2%であり、3%であり、5%であり、7%である。これら化合物の好ましい含有量の上限値は、20%であり、15%であり、13%であり、10%であり、9%である。
【0444】
【化118】
【0445】
一般式(L−6)で表される化合物は下記の化合物である。
【0446】
【化119】
【0447】
(式中、RL61及びRL62はそれぞれ独立して、一般式(L)におけるRL1及びRL2と同じ意味を表し、XL61及びXL62はそれぞれ独立して水素原子又はフッ素原子を表す。)
L61及びRL62はそれぞれ独立して炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましく、XL61及びXL62のうち一方がフッ素原子他方が水素原子であることが好ましい。
【0448】
一般式(L−6)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
【0449】
本発明の組成物の総量に対しての式(L−6)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、2%であり、3%であり、5%であり、7%であり、10%であり、14%であり、16%であり、20%であり、23%であり、26%であり、30%であり、35%であり、40%である。本発明の組成物の総量に対しての式(L−6)で表される化合物の好ましい含有量の上限値は、50%であり、40%であり、35%であり、30%であり、20%であり、15%であり、10%であり、5%である。Δnを大きくすることに重点を置く場合には含有量を多くした方が好ましく、低温での析出に重点を置いた場合には含有量は少ない方が好ましい。
【0450】
一般式(L−6)で表される化合物は、式(L−6.1)から式(L−6.9)で表される化合物であることが好ましい。
【0451】
【化120】
【0452】
組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、これらの化合物の中から1種〜3種類含有することが好ましく、1種〜4種類含有することがさらに好ましい。また、選ぶ化合物の分子量分布が広いことも溶解性に有効であるため、例えば、式(L−6.1)又は(L−6.2)で表される化合物から1種類、式(L−6.4)又は(L−6.5)で表される化合物から1種類、式(L−6.6)又は式(L−6.7)で表される化合物から1種類、式(L−6.8)又は(L−6.9)で表される化合物から1種類の化合物を選び、これらを適宜組み合わせることが好ましい。その中でも、式(L−6.1)、式(L−6.3)式(L−6.4)、式(L−6.6)及び式(L−6.9)で表される化合物を含むことが好ましい。
【0453】
さらに、一般式(L−6)で表される化合物は、例えば式(L−6.10)から式(L−6.17)で表される化合物であることが好ましく、その中でも、式(L−6.11)で表される化合物であることが好ましい。
【0454】
【化121】
【0455】
本発明の組成物の総量に対してのこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、2%であり、3%であり、5%であり、7%である。これら化合物の好ましい含有量の上限値は、20%であり、15%であり、13%であり、10%であり、9%である。
【0456】
一般式(L−7)で表される化合物は下記の化合物である。
【0457】
【化122】
【0458】
(式中、RL71及びRL72はそれぞれ独立して一般式(L)におけるRL1及びRL2と同じ意味を表し、AL71及びAL72はそれぞれ独立して一般式(L)におけるAL2及びAL3と同じ意味を表すが、AL71及びAL72上の水素原子はそれぞれ独立してフッ素原子によって置換されていてもよく、ZL71は一般式(L)におけるZL2と同じ意味を表し、XL71及びXL72はそれぞれ独立してフッ素原子又は水素原子を表す。)
式中、RL71及びRL72はそれぞれ独立して炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基が好ましく、AL71及びAL72はそれぞれ独立して1,4-シクロヘキシレン基又は1,4-フェニレン基が好ましく、AL71及びAL72上の水素原子はそれぞれ独立してフッ素原子によって置換されていてもよく、QL71は単結合又はCOO−が好ましく、単結合が好ましく、XL71及びXL72は水素原子が好ましい。
【0459】
組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて組み合わせる。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類である。
【0460】
本発明の組成物において、一般式(L−7)で表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率、プロセス適合性、滴下痕、焼き付き、誘電率異方性などの求められる性能に応じて適宜調整する必要がある。
【0461】
本発明の組成物の総量に対しての式(L−7)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、2%であり、3%であり、5%であり、7%であり、10%であり、14%であり、16%であり、20%である。本発明の組成物の総量に対しての式(L−7)で表される化合物の好ましい含有量の上限値は、30%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、10%であり、5%である。
【0462】
本発明の組成物が高いTniの実施形態が望まれる場合は式(L−7)で表される化合物の含有量を多めにすることが好ましく、低粘度の実施形態が望まれる場合は含有量を少なめにすることが好ましい。
【0463】
さらに、一般式(L−7)で表される化合物は、式(L−7.1)から式(L−7.4)で表される化合物であることが好ましく、式(L−7.2)で表される化合物であることが好ましい。
【0464】
【化123】
【0465】
さらに、一般式(L−7)で表される化合物は、式(L−7.11)から式(L−7.13)で表される化合物であることが好ましく、式(L−7.11)で表される化合物であることが好ましい。
【0466】
【化124】
【0467】
さらに、一般式(L−7)で表される化合物は、式(L−7.21)から式(L−7.23)で表される化合物である。式(L−7.21)で表される化合物であることが好ましい。
【0468】
【化125】
【0469】
さらに、一般式(L−7)で表される化合物は、式(L−7.31)から式(L−7.34)で表される化合物であることが好ましく、式(L−7.31)又は/及び式(L−7.32)で表される化合物であることが好ましい。
【0470】
【化126】
【0471】
さらに、一般式(L−7)で表される化合物は、式(L−7.41)から式(L−7.44)で表される化合物であることが好ましく、式(L−7.41)又は/及び式(L−7.42)で表される化合物であることが好ましい。
【0472】
【化127】
【0473】
一般式(L−8)で表される化合物は下記の化合物である。
【0474】
【化128】
【0475】
(式中、RL81及びRL82はそれぞれ独立して一般式(L)におけるRL1及びRL2と同じ意味を表し、AL81は一般式(L)におけるAL1と同じ意味又は単結合を表すが、AL81上の水素原子はそれぞれ独立してフッ素原子によって置換されていてもよく、XL81〜XL86はそれぞれ独立してフッ素原子又は水素原子を表す。)
式中、RL81及びRL82はそれぞれ独立して炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基が好ましく、AL81は1,4-シクロヘキシレン基又は1,4-フェニレン基が好ましく、AL71及びAL72上の水素原子はそれぞれ独立してフッ素原子によって置換されていてもよく、一般式(L−8)中の同一の環構造上にフッ素原子は0個又は1個が好ましく、分子内にフッ素原子は0個又は1個であることが好ましい。
【0476】
組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて組み合わせる。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類である。
【0477】
本発明の組成物において、一般式(L−8)で表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率、プロセス適合性、滴下痕、焼き付き、誘電率異方性などの求められる性能に応じて適宜調整する必要がある。
【0478】
本発明の組成物の総量に対しての式(L−8)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、2%であり、3%であり、5%であり、7%であり、10%であり、14%であり、16%であり、20%である。本発明の組成物の総量に対しての式(L−8)で表される化合物の好ましい含有量の上限値は、30%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、10%であり、5%である。
【0479】
本発明の組成物が高いTniの実施形態が望まれる場合は式(L−8)で表される化合物の含有量を多めにすることが好ましく、低粘度の実施形態が望まれる場合は含有量を少なめにすることが好ましい。
【0480】
さらに、一般式(L−8)で表される化合物は、式(L−8.1)から式(L−8.4)で表される化合物であることが好ましく、式(L−8.3)、式(L−8.5)、式(L−8.6)、式(L−8.13)、式(L−8.16)から式(L−8.18)、式(L−8.23)から式(L−8.28)で表される化合物であることがより好ましい。
【0481】
【化129】
【0482】
【化130】
【0483】
【化131】
【0484】
本発明の組成物の総量に対しての一般式(i)、一般式(ii)、一般式(L)及び(J)で表される化合物の合計の好ましい含有量の下限値は、80%であり、85%であり、88%であり、90%であり、92%であり、93%であり、94%であり、95%であり、96%であり、97%であり、98%であり、99%であり、100%である。好ましい含有量の上限値は、100%であり、99%であり、98%であり、95%である。
【0485】
本発明の組成物の総量に対しての一般式(i)、一般式(ii)、一般式(L)及び(M)で表される化合物の合計の好ましい含有量の下限値は、80%であり、85%であり、88%であり、90%であり、92%であり、93%であり、94%であり、95%であり、96%であり、97%であり、98%であり、99%であり、100%である。好ましい含有量の上限値は、100%であり、99%であり、98%であり、95%である。
【0486】
本発明の組成物の総量に対しての一般式(i)、一般式(ii)、一般式(L−1)から一般式(L−8)、一般式(M−1)から一般式(M−18)及び一般式(K−1)から一般式(K−6)で表される化合物の合計の好ましい含有量の下限値は、80%であり、85%であり、88%であり、90%であり、92%であり、93%であり、94%であり、95%であり、96%であり、97%であり、98%であり、99%であり、100%である。好ましい含有量の上限値は、100%であり、99%であり、98%であり、95%である。
【0487】
本願発明の組成物は、分子内に過酸(−CO−OO−)構造等の酸素原子同士が結合した構造を持つ化合物を含有しないことが好ましい。
【0488】
組成物の信頼性及び長期安定性を重視する場合にはカルボニル基を有する化合物の含有量を前記組成物の総質量に対して5%以下とすることが好ましく、3%以下とすることがより好ましく、1%以下とすることが更に好ましく、実質的に含有しないことが最も好ましい。
【0489】
UV照射による安定性を重視する場合、塩素原子が置換している化合物の含有量を前記組成物の総質量に対して15%以下とすることが好ましく、10%以下とすることが好ましく、8%以下とすることが好ましく、5%以下とすることがより好ましく、3%以下とすることが好ましく、実質的に含有しないことが更に好ましい。
【0490】
分子内の環構造がすべて6員環である化合物の含有量を多くすることが好ましく、分子内の環構造がすべて6員環である化合物の含有量を前記組成物の総質量に対して80%以上とすることが好ましく、90%以上とすることがより好ましく、95%以上とすることが更に好ましく、実質的に分子内の環構造がすべて6員環である化合物のみで組成物を構成することが最も好ましい。
【0491】
組成物の酸化による劣化を抑えるためには、環構造としてシクロヘキセニレン基を有する化合物の含有量を少なくすることが好ましく、シクロヘキセニレン基を有する化合物の含有量を前記組成物の総質量に対して10%以下とすることが好ましく、8%以下とすることが好ましく、5%以下とすることがより好ましく、3%以下とすることが好ましく、実質的に含有しないことが更に好ましい。
【0492】
粘度の改善及びTniの改善を重視する場合には、水素原子がハロゲンに置換されていてもよい2−メチルベンゼン−1,4−ジイル基を分子内に持つ化合物の含有量を少なくすることが好ましく、前記2−メチルベンゼン−1,4−ジイル基を分子内に持つ化合物の含有量を前記組成物の総質量に対して10%以下とすることが好ましく、8%以下とすることが好ましく、5%以下とすることがより好ましく、3%以下とすることが好ましく、実質的に含有しないことが更に好ましい。
【0493】
本願において実質的に含有しないとは、意図せずに含有する物を除いて含有しないという意味である。
【0494】
本発明の第一実施形態の組成物に含有される化合物が、側鎖としてアルケニル基を有する場合、前記アルケニル基がシクロヘキサンに結合している場合には当該アルケニル基の炭素原子数は2〜5であることが好ましく、前記アルケニル基がベンゼンに結合している場合には当該アルケニル基の炭素原子数は4〜5であることが好ましく、前記アルケニル基の不飽和結合とベンゼンは直接結合していないことが好ましい。
【0495】
本発明の組成物には、PSモード、横電界型PSAモード又は横電界型PSVAモードなどの液晶表示素子を作製するために、重合性化合物を含有することができる。使用できる重合性化合物として、光などのエネルギー線により重合が進行する光重合性モノマーなどが挙げられ、構造として、例えば、ビフェニル誘導体、ターフェニル誘導体などの六員環が複数連結した液晶骨格を有する重合性化合物などが挙げられる。更に具体的には、一般式(XX)
【0496】
【化132】
【0497】
(式中、X201及びX202はそれぞれ独立して、水素原子又はメチル基を表し、
Sp201及びSp202はそれぞれ独立して、単結合、炭素原子数1〜8のアルキレン基又は−O−(CH−(式中、sは2から7の整数を表し、酸素原子は芳香環に結合するものとする。)が好ましく、
201は−OCH−、−CHO−、−COO−、−OCO−、−CFO−、−OCF−、−CHCH−、−CFCF−、−CH=CH−COO−、−CH=CH−OCO−、−COO−CH=CH−、−OCO−CH=CH−、−COO−CHCH−、−OCO−CHCH−、−CHCH−COO−、−CHCH−OCO−、−COO−CH−、−OCO−CH−、−CH−COO−、−CH−OCO−、−CY=CY−(式中、Y及びYはそれぞれ独立して、フッ素原子又は水素原子を表す。)、−C≡C−又は単結合を表し、
201は1,4−フェニレン基、トランス−1,4−シクロヘキシレン基又は単結合を表し、式中の全ての1,4−フェニレン基は、任意の水素原子がフッ素原子により置換されていても良い。)で表される二官能モノマーが好ましい。
【0498】
201及びX202は、何れも水素原子を表すジアクリレート誘導体、何れもメチル基を有するジメタクリレート誘導体の何れも好ましく、一方が水素原子を表しもう一方がメチル基を表す化合物も好ましい。これらの化合物の重合速度は、ジアクリレート誘導体が最も早く、ジメタクリレート誘導体が遅く、非対称化合物がその中間であり、その用途により好ましい態様を用いることができる。PSA表示素子においては、ジメタクリレート誘導体が特に好ましい。
【0499】
Sp201及びSp202はそれぞれ独立して、単結合、炭素原子数1〜8のアルキレン基又は−O−(CH−を表すが、PSA表示素子においては少なくとも一方が単結合であることが好ましく、共に単結合を表す化合物又は一方が単結合でもう一方が炭素原子数1〜8のアルキレン基又は−O−(CH−を表す態様が好ましい。この場合1〜4のアルキル基が好ましく、sは1〜4が好ましい。
【0500】
201は、−OCH−、−CHO−、−COO−、−OCO−、−CFO−、−OCF−、−CHCH−、−CFCF−又は単結合が好ましく、−COO−、−OCO−又は単結合がより好ましく、単結合が特に好ましい。
【0501】
201は任意の水素原子がフッ素原子により置換されていても良い1,4−フェニレン基、トランス−1,4−シクロヘキシレン基又は単結合を表すが、1,4−フェニレン基又は単結合が好ましい。Cが単結合以外の環構造を表す場合、Z201は単結合以外の連結基も好ましく、M201が単結合の場合、Z201は単結合が好ましい。
【0502】
これらの点から、一般式(XX)において、Sp201及びSp202の間の環構造は、具体的には次に記載する構造が好ましい。
【0503】
一般式(XX)において、M201が単結合を表し、環構造が二つの環で形成される場合において、次の式(XXa−1)から式(XXa−5)を表すことが好ましく、式(XXa−1)から式(XXa−3)を表すことがより好ましく、式(XXa−1)を表すことが特に好ましい。
【0504】
【化133】
【0505】
(式中、両端はSp201又はSp202に結合するものとする。)
これらの骨格を含む重合性化合物は重合後の配向規制力がPSA型液晶表示素子に最適であり、良好な配向状態が得られることから、表示ムラが抑制されるか、又は、全く発生しない。
【0506】
以上のことから、重合性モノマーとしては、一般式(XX−1)〜一般式(XX−4)が特に好ましく、中でも一般式(XX−2)が最も好ましい。
【0507】
【化134】
【0508】
(式中、ベンゼンはフッ素原子により置換されていても良く、Sp20は炭素原子数2から5のアルキレン基を表す。)
本発明の組成物にモノマーを添加する場合において、重合開始剤が存在しない場合でも重合は進行するが、重合を促進するために重合開始剤を含有していてもよい。重合開始剤としては、ベンゾインエーテル類、ベンゾフェノン類、アセトフェノン類、ベンジルケタール類、アシルフォスフィンオキサイド類等が挙げられる。
【0509】
本発明における組成物は、さらに、一般式(Q)で表される化合物を含有することができる。
【0510】
【化135】
【0511】
(式中、Rは炭素原子数1から22の直鎖アルキル基又は分岐鎖アルキル基を表し、該アルキル基中の1つ又は2つ以上のCH基は、酸素原子が直接隣接しないように、−O−、−CH=CH−、−CO−、−OCO−、−COO−、−C≡C−、−CFO−、−OCF−で置換されてよく、Mはトランス−1,4−シクロへキシレン基、1,4−フェニレン基又は単結合を表す。)
は炭素原子数1から22の直鎖アルキル基又は分岐鎖アルキル基を表し、該アルキル基中の1つ又は2つ以上のCH基は、酸素原子が直接隣接しないように、−O−、−CH=CH−、−CO−、−OCO−、−COO−、−C≡C−、−CFO−、−OCF−で置換されてよいが、炭素原子数1から10の直鎖アルキル基、直鎖アルコキシ基、1つのCH基が−OCO−又は−COO−に置換された直鎖アルキル基、分岐鎖アルキル基、分岐アルコキシ基、1つのCH基が−OCO−又は−COO−に置換された分岐鎖アルキル基が好ましく、炭素原子数1から20の直鎖アルキル基、1つのCH基が−OCO−又は−COO−に置換された直鎖アルキル基、分岐鎖アルキル基、分岐アルコキシ基、1つのCH基が−OCO−又は−COO−に置換された分岐鎖アルキル基が更に好ましい。Mはトランス−1,4−シクロへキシレン基、1,4−フェニレン基又は単結合を表すが、トランス−1,4−シクロへキシレン基又は1,4−フェニレン基が好ましい。
【0512】
一般式(Q)で表される化合物は、より具体的には、下記の一般式(Q−a)から一般式(Q−d)で表される化合物が好ましい。
【0513】
【化136】
【0514】
式中、RQ1は炭素原子数1から10の直鎖アルキル基又は分岐鎖アルキル基が好ましく、RQ2は炭素原子数1から20の直鎖アルキル基又は分岐鎖アルキル基が好ましく、RQ3は炭素原子数1から8の直鎖アルキル基、分岐鎖アルキル基、直鎖アルコキシ基又は分岐鎖アルコキシ基が好ましく、Lは炭素原子数1から8の直鎖アルキレン基又は分岐鎖アルキレン基が好ましい。一般式(Q−a)から一般式(Q−d)で表される化合物中、一般式(Q−c)及び一般式(Q−d)で表される化合物が更に好ましい。
【0515】
本願発明の組成物において、一般式(Q)で表される化合物を1種又は2種を含有することが好ましく、1種から5種含有することが更に好ましく、その含有量は0.001から1%であることが好ましく、0.001から0.1%が更に好ましく、0.001から0.05%が特に好ましい。
【0516】
本発明の重合性化合物を含有した組成物は、これに含まれる重合性化合物が紫外線照射により重合することで液晶配向能が付与され、組成物の複屈折を利用して光の透過光量を制御する液晶表示素子に使用される。液晶表示素子として、AM−LCD(アクティブマトリックス液晶表示素子)、TN(ネマチック液晶表示素子)、STN−LCD(超ねじれネマチック液晶表示素子)、OCB−LCD及びIPS−LCD(インプレーンスイッチング液晶表示素子)に有用であるが、AM−LCDに特に有用であり、透過型あるいは反射型の液晶表示素子に用いることができる。
【0517】
液晶表示素子に使用される液晶セルの2枚の基板はガラス又はプラスチックの如き柔軟性をもつ透明な材料を用いることができ、一方はシリコン等の不透明な材料でも良い。透明電極層を有する透明基板は、例えば、ガラス板等の透明基板上にインジウムスズオキシド(ITO)をスパッタリングすることにより得ることができる。
【0518】
カラーフィルターは、例えば、顔料分散法、印刷法、電着法又は、染色法等によって作成することができる。顔料分散法によるカラーフィルターの作成方法を一例に説明すると、カラーフィルター用の硬化性着色組成物を、該透明基板上に塗布し、パターニング処理を施し、そして加熱又は光照射により硬化させる。この工程を、赤、緑、青の3色についてそれぞれ行うことで、カラーフィルター用の画素部を作成することができる。その他、該基板上に、TFT、薄膜ダイオード、金属絶縁体金属比抵抗素子等の能動素子を設けた画素電極を設置してもよい。
【0519】
前記基板を、透明電極層が内側となるように対向させる。その際、スペーサーを介して、基板の間隔を調整してもよい。このときは、得られる調光層の厚さが1〜100μmとなるように調整するのが好ましい。1.5から10μmが更に好ましく、偏光板を使用する場合は、コントラストが最大になるように液晶の屈折率異方性Δnとセル厚dとの積を調整することが好ましい。又、二枚の偏光板がある場合は、各偏光板の偏光軸を調整して視野角やコントラトが良好になるように調整することもできる。更に、視野角を広げるための位相差フィルムも使用することもできる。スペーサーとしては、例えば、ガラス粒子、プラスチック粒子、アルミナ粒子、フォトレジスト材料などからなる柱状スペーサー等が挙げられる。その後、エポキシ系熱硬化性組成物等のシール剤を、液晶注入口を設けた形で該基板にスクリーン印刷し、該基板同士を貼り合わせ、加熱しシール剤を熱硬化させる。
【0520】
2枚の基板間に重合性化合物含有組成物を狭持させる方法は、通常の真空注入法又はODF法などを用いることができるが、真空注入法においては滴下痕が発生しないものの、注入の跡が残る課題を有しているものであるが、本願発明においては、ODF法を用いて製造する表示素子により好適に使用することができる。ODF法の液晶表示素子製造工程においては、バックプレーン又はフロントプレーンのどちらか一方の基板にエポキシ系光熱併用硬化性などのシール剤を、ディスペンサーを用いて閉ループ土手状に描画し、その中に脱気下で所定量の組成物を滴下後、フロントプレーンとバックプレーンを接合することによって液晶表示素子を製造することができる。本発明の組成物は、ODF工程における組成物の滴下が安定的に行えるため、好適に使用することができる。
【0521】
重合性化合物を重合させる方法としては、液晶の良好な配向性能を得るためには、適度な重合速度が望ましいので、紫外線又は電子線等の活性エネルギー線を単一又は併用又は順番に照射することによって重合させる方法が好ましい。紫外線を使用する場合、偏光光源を用いても良いし、非偏光光源を用いても良い。また、重合性化合物含有組成物を2枚の基板間に挟持させて状態で重合を行う場合には、少なくとも照射面側の基板は活性エネルギー線に対して適当な透明性が与えられていなければならない。また、光照射時にマスクを用いて特定の部分のみを重合させた後、電場や磁場又は温度等の条件を変化させることにより、未重合部分の配向状態を変化させて、更に活性エネルギー線を照射して重合させるという手段を用いても良い。特に紫外線露光する際には、重合性化合物含有組成物に交流電界を印加しながら紫外線露光することが好ましい。印加する交流電界は、周波数10Hzから10kHzの交流が好ましく、周波数60Hzから10kHzがより好ましく、電圧は液晶表示素子の所望のプレチルト角に依存して選ばれる。つまり、印加する電圧により液晶表示素子のプレチルト角を制御することができる。横電界型MVAモードの液晶表示素子においては、配向安定性及びコントラストの観点からプレチルト角を80度から89.9度に制御することが好ましい。
【0522】
照射時の温度は、本発明の組成物の液晶状態が保持される温度範囲内であることが好ましい。室温に近い温度、即ち、典型的には15〜35℃での温度で重合させることが好ましい。紫外線を発生させるランプとしては、メタルハライドランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ等を用いることができる。また、照射する紫外線の波長としては、組成物の吸収波長域でない波長領域の紫外線を照射することが好ましく、必要に応じて、紫外線をカットして使用することが好ましい。照射する紫外線の強度は、0.1mW/cm2〜100W/cm2が好ましく、2mW/cm2〜50W/cm2がより好ましい。照射する紫外線のエネルギー量は、適宜調整することができるが、10mJ/cm2から500J/cm2が好ましく、100mJ/cm2から200J/cm2がより好ましい。紫外線を照射する際に、強度を変化させても良い。紫外線を照射する時間は照射する紫外線強度により適宜選択されるが、10秒から3600秒が好ましく、10秒から600秒がより好ましい。
【0523】
本発明の組成物を用いた液晶表示素子は高速応答と表示不良の抑制を両立させた有用なものであり、特に、アクティブマトリックス駆動用液晶表示素子に有用であり、VAモード、PSVAモード、PSAモード、FFSモード、IPSモード又はECBモード用液晶表示素子に適用できる。
【実施例】
【0524】
以下に実施例を挙げて本発明を更に詳述するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。また、以下の実施例及び比較例の組成物における「%」は『質量%』を意味する。
【0525】
実施例中、測定した特性は以下の通りである。
【0526】
ni :ネマチック相−等方性液体相転移温度(℃)
Δn :298Kにおける屈折率異方性
Δε :298Kにおける誘電率異方性
η :293Kにおける粘度(mPa・s)
γ :298Kにおける回転粘度(mPa・s)
Vth :厚さ6ミクロンのTNセルに液晶を封入し、298K、クロスニコル偏光板下において透過率が10%変化する電圧。
VHR:周波数60Hz,印加電圧5Vの条件下で333Kにおける電圧保持率(%)
耐熱試験後VHR:組成物サンプルを封入した電気光学特性評価用TEG(テスト・エレメント・グループ)を130℃の恒温槽中に1時間保持した後、上述のVHR測定方法と同条件で測定した。
焼き付き :
液晶表示素子の焼き付き評価は、表示エリア内に所定の固定パターンを任意の試験時間表示させた後に、全画面均一な表示を行ったときの固定パターンの残像が、許容できない残像レベルに達するまでの試験時間を計測した。
1)ここで言う試験時間とは固定パターンの表示時間を示し、この時間が長いほど残像の発生が抑制されており、性能が高いことを示している。
2)許容できない残像レベルとは、出荷合否判定で不合格となる残像が観察されるレベルである。
例)
サンプルA:1000時間
サンプルB:500時間
サンプルC:200時間
サンプルD:100時間
性能は、A>B>C>Dである。
【0527】
滴下痕 :
液晶表示装置の滴下痕の評価は、全面黒表示した場合における白く浮かび上がる滴下痕を目視にて以下の5段階評価で行った。
【0528】
5:滴下痕無し(優)
4:滴下痕ごく僅かに有るも許容できるレベル(良)
3:滴下痕僅かに有り、合否判定のボーダーラインレベル(条件付で可)
2:滴下痕有り許容できないレベル(不可)
1:滴下痕有りかなり劣悪(悪)
プロセス適合性 :
プロセス適合性は、ODFプロセスにおいて、定積計量ポンプを用いて、液晶を1回に50pLずつ「0〜100回、101〜200回、201〜300回、・・・・」と100回ずつ滴下したときの各100回滴下分の液晶の質量を計測し、質量のバラつきがODFプロセスに適合できない大きさに達した滴下回数で評価した。
滴下回数が多いほど長時間にわたって安定的に滴下可能であり、プロセス適合性が高いといえる。
例)
サンプルA:95000回
サンプルB:40000回
サンプルC:100000回
サンプルD:10000回
性能は、C>A>B>Dである。
【0529】
低温保存性:
低温での保存性評価は、組成物を調製後、1mLのサンプル瓶に組成物を0.5g秤量し、これを−25℃の温度制御式試験槽の中で240時間保存して目視にて組成物からの析出物の発生を観察し、析出物が観察されたときの試験時間を計測した。析出発生までの試験時間が長いほど低温での保存性が良好であるといえる。
【0530】
低温での溶解性:
低温での溶解性評価は、組成物を調製後、2mLのサンプル瓶に組成物を1g秤量し、これに温度制御式試験槽の中で、次の運転状態「−20℃(1時間保持)→昇温(0.1℃/毎分)→0℃(1時間保持)→昇温(0.1℃/毎分)→20℃(1時間保持)→降温(−0.1℃/毎分)→0℃(1時間保持)→降温(−0.1℃/毎分)→−20℃」を1サイクルとして温度変化を与え続け、目視にて組成物からの析出物の発生を観察し、析出物が観察されたときの試験時間を計測した。
試験時間が長いほど長時間にわたって安定して液晶相を保っており、低温での溶解性が良好である。
例)
サンプルA:72時間
サンプルB:600時間
サンプルC:384時間
サンプルD:1440時間
性能は、D>B>C>Aである。
【0531】
揮発性/製造装置汚染性 :
液晶材料の揮発性評価は、真空攪拌脱泡ミキサーの運転状態をストロボスコープを用いて観察し、液晶材料の発泡を目視により観察することによって行った。具体的には、容量2.0Lの真空攪拌脱泡ミキサーの専用容器に組成物を0.8kg入れ、4kPaの脱気下、公転速度15S−1、自転速度7.5S−1で真空攪拌脱泡ミキサーを運転し、発泡が始まるまでの時間を計測した。
発泡が始まるまでの時間が長いほど揮発しにくく、製造装置を汚染する可能性が低いので、高性能であることを示す。
例)
サンプルA:200秒
サンプルB:45秒
サンプルC:60秒
サンプルD:15秒
性能は、A>C>B>Dである。
(実施例1、比較例1〜3)
本願発明の液晶組成物及び該組成物を使用した液晶表示素子を作製し、その物性値を測定した。
【0532】
【表1】
【0533】
実施例1に対し比較例1は一般式(i)で表される化合物を構造が類似する式(M−7.12)で表される化合物に、一般式(ii)で表される化合物を構造が類似する式(M−4.2)で表される化合物に置き換えた組成物である。これによりTniが大幅に低下してしまった。
【0534】
比較例2は比較例1のTniを実施例1と同程度になるように調整した組成物である。これによりTniは実施例1と同程度にすることができたが、γ1は大きく上昇してしまった。
【0535】
比較例3は比較例1の式(L−1−2.2)で表される化合物の含有量を調整してTniを実施例1と同程度になるよう調整した組成物であるが、この方法でもγ1は大きく上昇した。
【0536】
このように本発明の組成物はきわめて優れた特性を有することがわかった。
(実施例2〜4)
【0537】
【表2】
【0538】
(実施例5〜7)
【0539】
【表3】
【0540】
(実施例8〜10)
【0541】
【表4】
【0542】
(実施例11〜13)
【0543】
【表5】
【0544】
(実施例14〜16)
【0545】
【表6】
【0546】
(実施例17〜19)
【0547】
【表7】
【0548】
実施例1、8及び14の組成物の下記評価を示す。
【0549】
【表8】
【0550】
本願組成物は、要求されるΔnの値を広い範囲で達成することができ、広い温度範囲の液晶相を有し、粘性が小さく、低温での溶解性が良好で、比抵抗や電圧保持率が高く、熱や光に対して安定であり、焼き付きや滴下痕等の表示不良の発生し難く、また本願組成物を使用することによりFFS型、IPS型やTN型等の液晶表示素子を歩留まりよく生産することが可能であることが分かった。
【要約】
[課題]本発明が解決しようとする課題は、Δεが正の組成物であって、広い温度範囲の液晶相を有し、粘性が小さく、低温での溶解性が良好で、比抵抗や電圧保持率が高く、熱や光に対して安定な組成物を提供し、更にこれを用いることで表示品位に優れ、焼き付きや滴下痕等の表示不良の発生し難いIPS型やTN型等の液晶表示素子を歩留まりよく提供することにある。
[解決手段]本願発明は、一般式(i)で表される化合物を1種又は2種以上及び一般式(ii)で表される化合物を1種又は2種以上を含有し、
[化1]
式(L−1−1.3)で表される化合物及び式(L−1−2.2)で表される化合物の一方又は両方を含有する組成物を提供し、
[化2]
併せて、当該組成物を使用した液晶表示素子及び当該組成物を使用したIPS素子又はFFS素子を提供する。