【実施例】
【0034】
以下、本発明について実施例を挙げて詳述するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
【0035】
なお、本明細書の下記合成例に示す重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下、GPCと略称する。)による測定結果である。使用する測定装置及び測定条件等は次のとおりである。
[GPC条件]
GPC装置:HLC−8220GPC(東ソー(株)製)
GPCカラム:Shodex〔登録商標〕KF803L,KF802,KF801(昭和電工(株)製)
カラム温度:40℃
溶媒:テトラヒドロフラン(THF)
流量:1.0mL/分
標準試料:ポリスチレン(昭和電工(株)製)
【0036】
<合成例1>
テトラエトキシシラン10.4165g(50mol%)、メチルトリエトキシシラン8.915g(50mol%)、塩酸水溶液(0.01mol/L)1.801g及びイオン交換水173.9835gをフラスコに入れ、室温下で2時間撹拌した。その後オイルバスにて40℃で10時間反応させ、塗布液(ポリマー濃度10質量%)を得た。本合成例で得られたポリマーをプロピレングリコールモノエチルエーテル(以下、PGEEと略称する。)にて希釈しGPC測定を行い、そのときの重量平均分子量(Mw)は900であった。
【0037】
<合成例2>
テトラメトキシシラン2.5877g(50mol%)、メチルトリメトキシシラン2.3157g(50mol%)、塩酸水溶液(0.01mol/L)0.6123g及びイオン交換水44.1313gをフラスコに入れ、室温下で2時間撹拌した。その後オイルバスにて40℃で10時間反応させ、塗布液(ポリマー濃度10質量%)を得た。本合成例で得られたポリマーをPGEEにて希釈しGPC測定を行い、そのときの重量平均分子量(Mw)は950であった。
【0038】
<合成例3>
テトラエトキシシラン3.5416g(65mol%)、メチルトリエトキシシラン1.399g(30mol%)、フェニルトリメトキシシラン0.2593g(5mol%)、塩酸水溶液(0.01mol/L)0.4710g及びイオン交換水46.7989gをフラスコに入れ、室温下で2時間撹拌した。その後オイルバスにて40℃で10時間反応させ、塗布液(ポリマー濃度10質量%)を得た。本合成例で得られたポリマーをPGEEにて希釈しGPC測定を行い、そのときの重量平均分子量(Mw)は850であった。
【0039】
<合成例4>
テトラエトキシシラン3.5416g(65mol%)、メチルトリエトキシシラン1.399g(30mol%)、ビニルテトラエトキシシラン0.2489g(5mol%)、塩酸水溶液(0.01mol/L)0.4710g及びイオン交換水46.7050gをフラスコに入れ、室温下で2時間撹拌した。その後オイルバスにて40℃で10時間反応させ、塗布液(ポリマー濃度10質量%)を得た。本合成例で得られたポリマーをPGEEにて希釈しGPC測定を行い、そのときの重量平均分子量(Mw)は830であった。
【0040】
<合成例5>
テトラエトキシシラン3.5416g(65mol%)、メチルトリエトキシシラン1.399g(30mol%)、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン0.3222g(5mol%)、塩酸水溶液(0.01mol/L)0.4710g及びイオン交換水47.3649gをフラスコに入れ、室温下で2時間撹拌した。その後オイルバスにて40℃で10時間反応させ、塗布液(ポリマー濃度10質量%)を得た。本合成例で得られたポリマーをPGEEにて希釈しGPC測定を行い、そのときの重量平均分子量(Mw)は880であった。
【0041】
<合成例6>
テトラエトキシシラン3.5416g(65mol%)、メチルトリエトキシシラン1.399g(30mol%)、3−(メタクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン0.3248g(5mol%)、塩酸水溶液(0.01mol/L)0.4710g及びイオン交換水47.3881gをフラスコに入れ、室温下で2時間撹拌した。その後オイルバスにて40℃で10時間反応させ、塗布液(ポリマー濃度10質量%)を得た。本合成例で得られたポリマーをPGEEにて希釈しGPC測定を行い、そのときの重量平均分子量(Mw)は920であった。
【0042】
<合成例7>
テトラエトキシシラン1.3451g(50mol%)、メチルトリエトキシシラン1.159g(50mol%)、塩酸水溶液(0.01mol/L)0.2341g及びイオン交換水47.7488gをフラスコに入れ、室温下で2時間撹拌した。その後オイルバスにて40℃で10時間反応させ、塗布液(ポリマー濃度5質量%)を得た。本合成例で得られたポリマーをPGEEにて希釈しGPC測定を行い、そのときの重量平均分子量(Mw)は850であった。
【0043】
<合成例8>
テトラエトキシシラン5.2083g(50mol%)、メチルトリエトキシシラン4.4575g(50mol%)、塩酸水溶液(0.01mol/L)0.4005g及びイオン交換水38.663gをフラスコに入れ、室温下で2時間撹拌した。その後オイルバスにて40℃で10時間反応させ、塗布液(ポリマー濃度20質量%)を得た。本合成例で得られたポリマーをPGEEにて希釈しGPC測定を行い、そのときの重量平均分子量(Mw)は910であった。
【0044】
<合成例9>
テトラエトキシシラン10.4165g(50mol%)、メチルトリエトキシシラン8.915g(50mol%)、塩酸水溶液(0.01mol/L)1.801g及びイオン交換水28.9973gをフラスコに入れ、室温下で2時間撹拌した。その後オイルバスにて40℃で10時間反応させ、塗布液(ポリマー濃度40質量%)を得た。本合成例で得られたポリマーをPGEEにて希釈しGPC測定を行い、そのときの重量平均分子量(Mw)は930であった。
【0045】
<合成例10>
テトラエトキシシラン3.7499g(50mol%)、メチルトリエトキシシラン1.3755g(50mol%)、塩酸水溶液(0.01mol/L)0.4631g及びイオン交換水46.1286gをフラスコに入れ、室温下で2時間撹拌した。その後オイルバスにて40℃で10時間反応させ、塗布液(ポリマー濃度10質量%)を得た。本合成例で得られたポリマーをPGEEにて希釈しGPC測定を行い、そのときの重量平均分子量(Mw)は930であった。
【0046】
<合成例11>
テトラエトキシシラン1.6666g(50mol%)、メチルトリエトキシシラン3.3283g(50mol%)、塩酸水溶液(0.01mol/L)0.4803g及びイオン交換水44.9542gをフラスコに入れ、室温下で2時間撹拌した。その後オイルバスにて40℃で10時間反応させ、塗布液(ポリマー濃度10質量%)を得た。本合成例で得られたポリマーをPGEEにて希釈しGPC測定を行い、そのときの重量平均分子量(Mw)は910であった。
【0047】
<合成例12>
テトラエトキシシラン17.7081g(70mol%)、メチルトリエトキシシラン6.4952g(30mol%)、塩酸水溶液(0.01mol/L)2.1869g、イオン交換水48.4065g及びアセトン48.4065gをフラスコに入れ、室温下で撹拌し、その後オイルバスにて40℃で24時間反応させた。その後、得られた反応液からエバポレーションによりアセトン及び塩酸を除去し、さらにイオン交換水を加え塗布液(ポリマー濃度4質量%)を得た。本合成例で得られたポリマーをPGEEにて希釈しGPC測定を行い、そのときの重量平均分子量(Mw)は900であった。
【0048】
<合成例13>
テトラエトキシシラン13.5415g(50mol%)、メチルトリエトキシシラン11.5895g(50mol%)、塩酸水溶液(0.01mol/L)2.3413g、イオン交換水50.2619g及びアセトン50.2619gをフラスコに入れ、室温下で撹拌し、その後オイルバスにて40℃で24時間反応させた。その後、得られた反応液からエバポレーションによりアセトン及び塩酸を除去し、さらにイオン交換水を加え塗布液(ポリマー濃度4質量%)を得た。本合成例で得られたポリマーをPGEEにて希釈しGPC測定を行い、そのときの重量平均分子量(Mw)は900であった。
【0049】
<合成例14>
テトラエトキシシラン13.5415g(30mol%)、メチルトリエトキシシラン27.0422g(70mol%)、塩酸水溶液(0.01mol/L)3.9022g、イオン交換水81.1672g及びアセトン81.1672gをフラスコに入れ、室温下で撹拌し、その後オイルバスにて40℃で24時間反応させた。その後、得られた反応液からエバポレーションによりアセトン及び塩酸を除去し、さらにイオン交換水を加え塗布液(ポリマー濃度4質量%)を得た。本合成例で得られたポリマーをPGEEにて希釈しGPC測定を行い、そのときの重量平均分子量(Mw)は900であった。
【0050】
<実施例1>
シリコン基板上に、下記式(5)で表される構造単位を有する共重合体及び有機溶剤を含む膜形成組成物を用いて有機反射防止膜を膜厚200nmで製膜し、その膜上にArF用レジスト溶液(製品名:PAR855、住友化学(株)製)を、スピナーを用いて塗布した。そのシリコン基板をホットプレート上で、110℃で60秒間加熱することにより、膜厚120nmのレジスト膜を形成した。ArFエキシマレーザー用露光装置((株)ニコン製、S307E)を用い、そのレジスト膜に対し所定の条件で露光した。目的の線幅を65nmラインアンドスペースとした上記露光後、105℃で60秒間加熱(PEB)を行い、クーリングプレート上で室温までシリコン基板を冷却した。2.38質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)溶液にて30秒間現像し、上記有機反射防止膜上にレジストパターンが形成された。そのレジストパターンに、合成例1で得られた塗布液を、スピナーを用いて塗布し、塗膜を形成した。この塗膜の形成方法を詳述する。まず、シリコン基板のレジストパターン形成面全体に前記塗布液を盛り、5秒間静置後、1500rpmの条件で30秒間当該シリコン基板をスピンし、その後100℃で60秒間ベークすることによって、塗膜を形成した。断面SEMにて、レジストパターンのパターン間に塗膜が充填されているかを確認した。その結果を
図1に示す。
【化3】
【0051】
<実施例2>
合成例1で得られた塗布液を合成例2で得られた塗布液に変更した以外は、実施例1と同様の処理を行い、断面SEMにて確認した結果を
図2に示す。
【0052】
<実施例3>
合成例1で得られた塗布液を合成例3で得られた塗布液に変更した以外は、実施例1と同様の処理を行い、断面SEMにて確認した結果を
図3に示す。
【0053】
<実施例4>
合成例1で得られた塗布液を合成例4で得られた塗布液に変更した以外は、実施例1と同様の処理を行い、断面SEMにて確認した結果を
図4に示す。
【0054】
<実施例5>
合成例1で得られた塗布液を合成例5で得られた塗布液に変更した以外は、実施例1と同様の処理を行い、断面SEMにて確認した結果を
図5に示す。
【0055】
<実施例6>
合成例1で得られた塗布液を合成例6で得られた塗布液に変更した以外は、実施例1と同様の処理を行い、断面SEMにて確認した結果を
図6に示す。
【0056】
<実施例7>
合成例1で得られた塗布液を合成例7で得られた塗布液に変更した以外は、実施例1と同様の処理を行い、断面SEMにて確認した結果を
図7に示す。
【0057】
<実施例8>
合成例1で得られた塗布液を合成例8で得られた塗布液に変更した以外は、実施例1と同様の処理を行い、断面SEMにて確認した結果を
図8に示す。
【0058】
<実施例9>
合成例1で得られた塗布液を合成例9で得られた塗布液に変更した以外は、実施例1と同様の処理を行い、断面SEMにて確認した結果を
図9に示す。
【0059】
<実施例10>
合成例1で得られた塗布液を合成例10で得られた塗布液に変更した以外は、実施例1と同様の処理を行い、断面SEMにて確認した結果を
図10に示す。
【0060】
<実施例11>
合成例1で得られた塗布液を合成例11で得られた塗布液に変更した以外は、実施例1と同様の処理を行い、断面SEMにて確認した結果を
図11に示す。
【0061】
<実施例12>
合成例1で得られた塗布液を合成例12で得られた塗布液に変更した以外は、実施例1と同様の処理を行い、断面SEMにて確認した結果を
図12に示す。
【0062】
<実施例13>
合成例1で得られた塗布液を合成例13で得られた塗布液に変更した以外は、実施例1と同様の処理を行い、断面SEMにて確認した結果を
図13に示す。
【0063】
<実施例14>
合成例1で得られた塗布液を合成例14で得られた塗布液に変更した以外は、実施例1と同様の処理を行い、断面SEMにて確認した結果を
図14に示す。
【0064】
<比較例1>
合成例1で得られた塗布液を純水に変更した以外は、実施例1と同様の処理を行い、断面SEMにて確認した結果を
図15に示す。
【0065】
図1乃至
図14は、いずれもレジストパターンのパターン間に塗膜が充填されていることを示している。一方、
図15は、レジストパターンのパターン間に塗膜は存在しないことを示している。
【0066】
<実施例15>
実施例1で形成した塗膜を、CF
4(流量50sccm)とAr(流量200sccm)の混合ガスを用いたドライエッチングによりエッチバックし、レジストパターンの上部を露出させた。エッチバック後の塗膜とレジストパターンを断面SEMにて確認した結果を
図16(A)に示す。
【0067】
その後、O
2(流量10sccm)とN
2(流量20sccm)の混合ガスを用いたドライエッチングにより上記レジストパターンを除去し、反転パターンを得た。レジストパターン除去後に得られた反転パターンを断面SEMにて確認した結果を
図16(B)に示す。
【0068】
さらに、O
2(流量10sccm)とN
2(流量20sccm)の混合ガスを用いたドライエッチングにより、上記反転パターンをマスクとしてシリコン基板上の有機反射防止膜をエッチングした。エッチング後の有機反射防止膜を断面SEMにて確認した結果を
図16(C)に示す。