特許第6269986号(P6269986)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6269986レジストパターンに塗布される塗布液及び反転パターンの形成方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6269986
(24)【登録日】2018年1月12日
(45)【発行日】2018年1月31日
(54)【発明の名称】レジストパターンに塗布される塗布液及び反転パターンの形成方法
(51)【国際特許分類】
   G03F 7/32 20060101AFI20180122BHJP
   G03F 7/40 20060101ALI20180122BHJP
   H01L 21/027 20060101ALI20180122BHJP
【FI】
   G03F7/32 501
   G03F7/40 511
   H01L21/30 569E
【請求項の数】10
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2015-532778(P2015-532778)
(86)(22)【出願日】2014年7月22日
(86)【国際出願番号】JP2014069341
(87)【国際公開番号】WO2015025665
(87)【国際公開日】20150226
【審査請求日】2017年7月18日
(31)【優先権主張番号】特願2013-173646(P2013-173646)
(32)【優先日】2013年8月23日
(33)【優先権主張国】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000003986
【氏名又は名称】日産化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001999
【氏名又は名称】特許業務法人はなぶさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】境田 康志
(72)【発明者】
【氏名】坂本 力丸
(72)【発明者】
【氏名】志垣 修平
【審査官】 倉持 俊輔
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2010/123032(WO,A1)
【文献】 特開2010−020109(JP,A)
【文献】 特開2001−343757(JP,A)
【文献】 特開2002−110510(JP,A)
【文献】 特開2007−019161(JP,A)
【文献】 特開2005−277052(JP,A)
【文献】 特開2004−205699(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/128251(WO,A1)
【文献】 Rikimaru Sakamoto et al.,Dry Development Rinse Process(DDRP) and Material(DDRM) for Novel pattern collapse free process,Proceedings of SPIE,米国,SPIE,2013年 3月29日,Vol.8682,868205
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03F 7/32,7/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(1)で表される構造単位及び下記式(2)で表される構造単位を有する重量平均分子量800乃至1000のポリマーと、水を主成分とする溶剤とを含む、レジストパターンに塗布される塗布液であって、
前記水を主成分とする溶剤中の水の濃度は90質量%乃至100質量%であり、当該溶剤が水以外の成分を含む場合、当該成分は水溶性の有機溶剤である塗布液。
【化1】
(式中、R1は炭素原子数1乃至8の有機基を表す。)
【請求項2】
前記ポリマーは、下記式(3)で表される化合物及び下記式(4)で表される化合物の共加水分解縮合物である請求項1に記載の塗布液。
【化2】
(式中、R1は炭素原子数1乃至8の有機基を表し、X及びYはそれぞれ独立にメチル基又はエチル基を表す。)
【請求項3】
前記炭素原子数1乃至8の有機基はメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、ビニル基、メタアクリロイルオキシ基、アクリロイルオキシ基、エポキシ基及びフェニル基からなる群から選択される、請求項1に記載の塗布液。
【請求項4】
マレイン酸、ギ酸、酢酸、無水マレイン酸、シュウ酸、クエン酸及びリン酸からなる群か
ら選択される少なくとも1種の水溶性有機酸をさらに含む請求項1に記載の塗布液。
【請求項5】
前記ポリマーの濃度が1質量%乃至10質量%である請求項1に記載の塗布液。
【請求項6】
リンス液である請求項1に記載の塗布液。
【請求項7】
下層膜が形成された基板上にポジ型のレジスト溶液を塗布し、プリベークしてレジスト膜を形成する工程、
前記レジスト膜を露光する工程、
前記露光後のレジスト膜をベークし、その後当該レジスト膜をアルカリ現像液で現像して前記下層膜が形成された基板上にレジストパターンを形成する工程、
少なくとも前記レジストパターンのパターン間を充填するように、下記式(1)で表される構造単位及び下記式(2)で表される構造単位を有する重量平均分子量500乃至3500のポリマーと、水を主成分とする溶剤とを含む、レジストパターンに塗布される塗布液であって、前記水を主成分とする溶剤中の水の濃度は90質量%乃至100質量%であり、当該溶剤が水以外の成分を含む場合、当該成分は水溶性の有機溶剤である塗布液を塗布し、当該塗布液に含まれる前記ポリマー以外の成分及び前記アルカリ現像液を除去し又は減少させて塗膜を形成する工程、
前記塗膜をエッチバックして前記レジストパターンの表面を露出させる工程、及び
前記レジストパターンを除去する工程、
を含む反転パターンの形成方法。
【化3】
(式中、R1は炭素原子数1乃至8の有機基を表す。)
【請求項8】
前記塗布液が塗布された前記下層膜が形成された基板をスピンドライ、又は当該スピンドライ後加熱することにより、当該塗布液に含まれる前記ポリマー以外の成分及び前記アルカリ現像液を除去し又は減少させる、請求項7に記載の反転パターンの形成方法。
【請求項9】
前記レジストパターンを除去する工程はドライエッチング又はアッシングにより行われる請求項7に記載の反転パターンの形成方法。
【請求項10】
請求項7に記載の方法で反転パターンを形成後、当該反転パターンをマスクとして前記下層膜が形成された基板をエッチングする工程を含む半導体装置の作製方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リソグラフィープロセスに用いられる、レジストパターンに塗布可能な塗布液(リンス液)に関する。また本発明は、前記塗布液を用いた反転パターンの形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から半導体デバイスの製造において、レジスト組成物を用いたリソグラフィープロセスが行われている。リソグラフィープロセスにより形成されるレジストパターンの微細化に伴い、当該レジストパターンが倒壊しやすくなっている。特に、露光後のレジスト膜を現像し、その後リンス工程の際にリンス液が流動することにより、又はリンス液を乾燥させる際に、レジストパターンが倒れるという問題がしばしば発生した。従来、リンス液として、界面活性剤、有機酸等の添加剤を含む水、又は純水が用いられていた。
【0003】
特許文献1には、レジストパターン倒れによる不良の発生を抑制したパターン形成方法として、基板上にレジスト膜を形成する工程と、前記レジスト膜に潜像を形成するために、前記レジスト膜にエネルギー線を選択照射する工程と、前記潜像が形成された前記レジスト膜からレジストパターンを形成するために、前記レジスト膜上に現像液(アルカリ現像液)を供給する工程と、前記基板上の現像液をリンス液に置換するために、前記基板上に前記リンス液を供給する工程と、前記基板上のリンス液の少なくとも一部を溶媒と前記レジスト膜とは異なる溶質とを含む塗布膜用材料に置換するために、前記基板上に前記塗布膜用材料を供給する工程と、前記基板上にレジスト膜を覆う塗布膜を形成するために、前記塗布膜用材料中の溶媒を揮発させる工程と、前記レジストパターン上面の少なくとも一部分を露出させる及び前記塗布膜で構成されたマスクパターンを形成するために、前記塗布膜の表面の少なくとも一部分を後退させる工程と、前記マスクパターンを用いて前記基板を加工する工程と、を含むことを特徴とするパターン形成方法が開示されている。
【0004】
特許文献2には、微細なパターンを形成するときにパターン倒れが生じない現像液として、レジスト膜を形成する硬化性樹脂とは異なる硬化性樹脂と、有機溶剤と、を含む現像液が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−277052号公報
【特許文献2】国際公開第2012/128251号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の発明は、基板上にリンス液を供給する工程を含むことから、依然としてレジストパターンが倒壊する問題が解決できていない。特許文献2に記載の発明は現像液であり、露光後のレジスト膜を現像してレジストパターンを形成した後のリンス工程において、従来のリンス液の代わりに用いられるものではない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記問題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、特定の構造単位を有するポリマーと、水を主成分とする溶剤と、必要に応じて水溶性有機酸その他の添加剤とを含む組成物を塗布液として用いることにより、レジストパターンに対するリンス工程で当該レジストパターンが倒壊する問題を解決できると共に、エッチング工程でマスクとして使用される反転パターンを形成できることを見出した。
【0008】
すなわち、本発明は、下記式(1)で表される構造単位及び下記式(2)で表される構造単位を有する重量平均分子量500乃至3500、例えば800乃至1000のポリマーと、水を主成分とする溶剤とを含む、レジストパターンに塗布される塗布液である。
【化1】
(式中、Rは炭素原子数1乃至8の有機基を表す。)
【0009】
前記ポリマーは、例えば、下記式(3)で表される化合物及び下記式(4)で表される化合物の共加水分解縮合物である。
【化2】
(式中、Rは炭素原子数1乃至8の有機基を表し、X及びYはそれぞれ独立にメチル基又はエチル基を表す。)
【0010】
前記炭素原子数1乃至8の有機基は、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、ビニル基、メタアクリロイルオキシ基、アクリロイルオキシ基、エポキシ基及びフェニル基からなる群から選択される。
【0011】
前記水を主成分とする溶剤中の水の濃度は、例えば90質量%乃至100質量%であり、当該溶剤が水以外の成分(副成分)を含む場合、当該成分(副成分)は水溶性の有機溶剤である。前記水溶性の有機溶剤として、例えば、エタノール、n−プロパノール、及びイソプロパノールが挙げられる。
【0012】
本発明の塗布液は、マレイン酸、ギ酸、酢酸、無水マレイン酸、シュウ酸、クエン酸及びリン酸からなる群から選択される少なくとも1種の水溶性有機酸をさらに含んでいてもよい。
【0013】
本発明の塗布液中の前記ポリマーの濃度は、好ましくは1質量%乃至10質量%である。この濃度を、40質量%を上限として高くするほど、形成される塗膜の膜厚を厚くすることができる。
【0014】
本発明の塗布液は、従来のリンス液に代えて使用することができるため、リンス液と称することができる。
【0015】
本発明の他の態様は、下層膜が形成された基板上にポジ型のレジスト溶液を塗布し、プリベークしてレジスト膜を形成する工程、前記レジスト膜を露光する工程、前記露光後のレジスト膜をベーク(PEB:Post Exposure Bake)し、その後当該レジスト膜をアルカリ現像液で現像して前記下層膜が形成された基板上にレジストパターンを形成する工程、少なくとも前記レジストパターンのパターン間を充填するように本発明の塗布液を塗布し、当該塗布液に含まれる前記ポリマー以外の成分及び前記アルカリ現像液を除去し又は減少させて塗膜を形成する工程、前記塗膜をエッチバックして前記レジストパターンの表面を露出させる工程、及び前記レジストパターンを除去する工程、を含む反転パターンの形成方法である。
【0016】
当該塗布液に含まれる前記ポリマー以外の成分及び前記アルカリ現像液を除去し又は減少させるとは、例えば、前記塗布液が塗布された前記下層膜が形成された基板を、スピンドライ、又は当該スピンドライ後加熱することである。ここで、スピンドライとは、基板を回転させながら乾燥させることである。また、当該塗布液に含まれる前記ポリマー以外の成分とは、例えば、水を主成分とする溶剤、水溶性有機酸、その他の添加剤である。
【0017】
前記レジストパターンを除去する工程は、例えばドライエッチング又はアッシングにより行われる。ここで、アッシングを選択する場合は、前記レジストパターン以外、特に前記下層膜は除去されない条件で実施する必要がある。
【0018】
さらに本発明の他の態様は、本発明の方法により反転パターンを形成後、当該反転パターンをマスクとして前記下層膜が形成された基板をエッチングする工程を含む半導体装置の作製方法である。前記下層膜が形成された基板をエッチングする工程は、例えばドライエッチングにより行われる。
【発明の効果】
【0019】
本発明の塗布液を用いることで、従来のリンス液を用いたリンス工程が必要ないので、レジストパターンの倒壊を抑制できる。本発明の塗布液に含まれる溶剤の主成分が水であり、任意で水溶性有機酸を含むため、従来のリンス液と同様に現像液を除去する効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1は、有機反射防止膜が形成されたシリコン基板上のレジストパターンに塗膜を形成した後の断面SEM像を示す図である。
図2図2は、有機反射防止膜が形成されたシリコン基板上のレジストパターンに塗膜を形成した後の断面SEM像を示す図である。
図3図3は、有機反射防止膜が形成されたシリコン基板上のレジストパターンに塗膜を形成した後の断面SEM像を示す図である。
図4図4は、有機反射防止膜が形成されたシリコン基板上のレジストパターンに塗膜を形成した後の断面SEM像を示す図である。
図5図5は、有機反射防止膜が形成されたシリコン基板上のレジストパターンに塗膜を形成した後の断面SEM像を示す図である。
図6図6は、有機反射防止膜が形成されたシリコン基板上のレジストパターンに塗膜を形成した後の断面SEM像を示す図である。
図7図7は、有機反射防止膜が形成されたシリコン基板上のレジストパターンに塗膜を形成した後の断面SEM像を示す図である。
図8図8は、有機反射防止膜が形成されたシリコン基板上のレジストパターンに塗膜を形成した後の断面SEM像を示す図である。
図9図9は、有機反射防止膜が形成されたシリコン基板上のレジストパターンに塗膜を形成した後の断面SEM像を示す図である。
図10図10は、有機反射防止膜が形成されたシリコン基板上のレジストパターンに塗膜を形成した後の断面SEM像を示す図である。
図11図11は、有機反射防止膜が形成されたシリコン基板上のレジストパターンに塗膜を形成した後の断面SEM像を示す図である。
図12図12は、有機反射防止膜が形成されたシリコン基板上のレジストパターンに塗膜を形成した後の断面SEM像を示す図である。
図13図13は、有機反射防止膜が形成されたシリコン基板上のレジストパターンに塗膜を形成した後の断面SEM像を示す図である。
図14図14は、有機反射防止膜が形成されたシリコン基板上のレジストパターンに塗膜を形成した後の断面SEM像を示す図である。
図15図15は、有機反射防止膜が形成されたシリコン基板上のレジストパターンの断面SEM像を示す図である。
図16図16(A)はエッチバック後の塗膜とレジストパターンの断面SEM像を示す図であり、図16(B)はレジストパターン除去後に得られた反転パターンの断面SEM像を示す図であり、図16(C)はエッチング後の有機反射防止膜の断面SEM像を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
<ポリマー>
本発明の塗布液に含まれるポリマーは、水溶性であること、及びゲル化していないことが必要である。
【0022】
前記式(1)で表される構造単位及び前記式(2)で表される構造単位を有するポリマーは、前記式(3)で表される化合物及び前記式(4)で表される化合物を、水を主成分とする溶剤に溶解させ、触媒の存在下、共加水分解縮合反応させて得ることができる。好ましい触媒の例としては、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸、及びギ酸、シュウ酸、フマル酸、マレイン酸、氷酢酸、無水酢酸、プロピオン酸、n−酪酸等の有機酸を挙げることができる。使用する酸触媒の量は、式(3)で表される化合物及び式(4)で表される化合物全質量に対して、例えば0.001質量%乃至1質量%である。上記共加水分解縮合反応は、例えば、30℃乃至80℃の温度条件にて実施される。
【0023】
本発明の塗布液に含まれるポリマーの、前記式(1)で表される構造単位及び前記式(2)で表される構造単位は、ランダム共重合体、ブロック共重合体、交互共重合体の何れの構造を形成してもよい。
【0024】
<添加剤>
本発明の塗布液が前述の水溶性有機酸、すなわちマレイン酸、ギ酸、酢酸、無水マレイン酸、シュウ酸、クエン酸及びリン酸からなる群から選択される少なくとも1種を含む場合、その含有割合は、本発明の塗布液に対して、例えば0.1質量%乃至10質量%である。この水溶性有機酸は、pH調製剤と表現することもでき、本発明の塗布液の保存安定性を調整することができる。
【0025】
本発明の塗布液は、界面活性剤が添加されてもよい。界面活性剤は、本発明の塗布液の塗布性を向上させるための添加物である。ノニオン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤のような公知の界面活性剤を用いることができ、その含有割合は、本発明の塗布液に含まれるポリマーに対して、例えば0.1質量%乃至5質量%である。
【0026】
上記界面活性剤の具体例としては、例えばポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリオレエート、ソルビタントリステアレート等のソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類等のノニオン系界面活性剤、エフトップ〔登録商標〕EF301、同EF303、同EF352(三菱マテリアル電子化成(株)製)、メガファック〔登録商標〕F171、同F173、同R−30、同R−30N、同R−40、同R−40−LM(DIC(株)製)、フロラードFC430、同FC431(住友スリーエム(株)製)、アサヒガード〔登録商標〕AG710、サーフロン〔登録商標〕S−382、同SC101、同SC102、同SC103、同SC104、同SC105、同SC106(旭硝子(株)製)等のフッ素系界面活性剤、及びオルガノシロキサンポリマーKP341(信越化学工業(株)製)を挙げることができる。これらの界面活性剤は、本発明の塗布液に単独で添加されてもよいし、また2種以上の組合せで添加されることもできる。
【0027】
本発明の反転パターンの形成方法は、前述のとおり、下層膜が形成された基板上にポジ型のレジスト溶液を塗布し、プリベークしてレジスト膜を形成する工程を有する。前記基板として、精密集積回路素子の製造に使用される基板(例えば、酸化珪素膜、窒化珪素膜又は酸化窒化珪素膜で被覆されたシリコン基板等の半導体基板、窒化珪素基板、石英基板、無アルカリガラス基板、低アルカリガラス基板、結晶化ガラス基板、ITO膜が形成されたガラス基板)を挙げることができる。そして、前記基板には、下層膜として、反射防止能を有する有機膜及び/又は無機膜が形成されている。
【0028】
上記下層膜上に、ポジ型のレジスト溶液をスピナー、コーター等の適当な塗布方法により塗布し、例えば80℃乃至180℃程度の温度でプリベークすることで当該ポジ型のレジスト溶液を乾燥させてレジスト膜を形成する。このときのレジスト膜の厚さは例えば10nm乃至1000nmである。上記ポジ型のレジスト溶液として、例えば、住友化学(株)製PAR710、同PAR855、及びJSR(株)製AR2772JNが挙げられる。
【0029】
次に、前記レジスト膜を露光する工程において、露光は、所定パターンのマスクを介して、可視光線、紫外線、EUV(極端紫外線)、電子線等の光源を用いて行われる。
【0030】
次に、前記露光後のレジスト膜をアルカリ現像液で現像して前記下層膜が形成された基板上にレジストパターンを形成する工程において、前記アルカリ現像液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水等の無機アルカリ類、エチルアミン、n−プロピルアミン等の第一アミン類、ジエチルアミン、ジ−n−ブチルアミン等の第二アミン類、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン等の第三アミン類、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルコールアミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリン等の第四級アンモニウム塩、ピロール、ピペリジン等の環状アミン類、等のアルカリ類の水溶液が挙げられる。さらに、上記アルカリ類の水溶液にイソプロピルアルコール等のアルコール類、ノニオン系等の界面活性剤を適当量添加して使用することもできる。これらの中で好ましい現像液は第四級アンモニウム塩の水溶液、さらに好ましくはテトラメチルアンモニウムヒドロキシドの水溶液である。なお、本発明の場合、上記アルカリ現像液で現像した後、従来のリンス液で洗浄し乾燥する工程は必要ない。
【0031】
次に、少なくとも前記レジストパターンのパターン間を充填するように本発明の塗布液を塗布し、当該塗布液に含まれる前記ポリマー以外の成分及び前記アルカリ現像液を除去し又は減少させて塗膜を形成する工程において、本発明の塗布液は、スピナー、コーター等の適当な塗布方法により塗布される。前記ポリマー以外の成分及び前記アルカリ現像液を除去し又は減少させるために、スピンドライ後加熱する場合、例えば80℃乃至180℃で加熱することにより、塗膜中の水を主成分とする溶剤を迅速に揮発させることができる。このときの加熱時間は、例えば10秒乃至300秒間である。上記塗膜の膜厚は特に限定されないが、例えば10nm乃至1000nmである。
【0032】
次に、前記塗膜をエッチバックして前記レジストパターンの表面を露出させる工程において、エッチバックは、例えば、CFなどのフッ素系ガスを用いるドライエッチング、有機酸若しくは有機塩基の水溶液又は有機溶剤を用いるウェットエッチング、CMP法により行われ、処理条件は適宜調整可能である。
【0033】
さらに、前記レジストパターンを除去する工程において、例えば、OとNの混合ガス、又はOガスが用いられる。前記レジストパターンを除去後に残った塗膜により、所望の反転パターンが形成される。ドライエッチングを行う際は、公知の装置を使用できる。
【実施例】
【0034】
以下、本発明について実施例を挙げて詳述するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
【0035】
なお、本明細書の下記合成例に示す重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下、GPCと略称する。)による測定結果である。使用する測定装置及び測定条件等は次のとおりである。
[GPC条件]
GPC装置:HLC−8220GPC(東ソー(株)製)
GPCカラム:Shodex〔登録商標〕KF803L,KF802,KF801(昭和電工(株)製)
カラム温度:40℃
溶媒:テトラヒドロフラン(THF)
流量:1.0mL/分
標準試料:ポリスチレン(昭和電工(株)製)
【0036】
<合成例1>
テトラエトキシシラン10.4165g(50mol%)、メチルトリエトキシシラン8.915g(50mol%)、塩酸水溶液(0.01mol/L)1.801g及びイオン交換水173.9835gをフラスコに入れ、室温下で2時間撹拌した。その後オイルバスにて40℃で10時間反応させ、塗布液(ポリマー濃度10質量%)を得た。本合成例で得られたポリマーをプロピレングリコールモノエチルエーテル(以下、PGEEと略称する。)にて希釈しGPC測定を行い、そのときの重量平均分子量(Mw)は900であった。
【0037】
<合成例2>
テトラメトキシシラン2.5877g(50mol%)、メチルトリメトキシシラン2.3157g(50mol%)、塩酸水溶液(0.01mol/L)0.6123g及びイオン交換水44.1313gをフラスコに入れ、室温下で2時間撹拌した。その後オイルバスにて40℃で10時間反応させ、塗布液(ポリマー濃度10質量%)を得た。本合成例で得られたポリマーをPGEEにて希釈しGPC測定を行い、そのときの重量平均分子量(Mw)は950であった。
【0038】
<合成例3>
テトラエトキシシラン3.5416g(65mol%)、メチルトリエトキシシラン1.399g(30mol%)、フェニルトリメトキシシラン0.2593g(5mol%)、塩酸水溶液(0.01mol/L)0.4710g及びイオン交換水46.7989gをフラスコに入れ、室温下で2時間撹拌した。その後オイルバスにて40℃で10時間反応させ、塗布液(ポリマー濃度10質量%)を得た。本合成例で得られたポリマーをPGEEにて希釈しGPC測定を行い、そのときの重量平均分子量(Mw)は850であった。
【0039】
<合成例4>
テトラエトキシシラン3.5416g(65mol%)、メチルトリエトキシシラン1.399g(30mol%)、ビニルテトラエトキシシラン0.2489g(5mol%)、塩酸水溶液(0.01mol/L)0.4710g及びイオン交換水46.7050gをフラスコに入れ、室温下で2時間撹拌した。その後オイルバスにて40℃で10時間反応させ、塗布液(ポリマー濃度10質量%)を得た。本合成例で得られたポリマーをPGEEにて希釈しGPC測定を行い、そのときの重量平均分子量(Mw)は830であった。
【0040】
<合成例5>
テトラエトキシシラン3.5416g(65mol%)、メチルトリエトキシシラン1.399g(30mol%)、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン0.3222g(5mol%)、塩酸水溶液(0.01mol/L)0.4710g及びイオン交換水47.3649gをフラスコに入れ、室温下で2時間撹拌した。その後オイルバスにて40℃で10時間反応させ、塗布液(ポリマー濃度10質量%)を得た。本合成例で得られたポリマーをPGEEにて希釈しGPC測定を行い、そのときの重量平均分子量(Mw)は880であった。
【0041】
<合成例6>
テトラエトキシシラン3.5416g(65mol%)、メチルトリエトキシシラン1.399g(30mol%)、3−(メタクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン0.3248g(5mol%)、塩酸水溶液(0.01mol/L)0.4710g及びイオン交換水47.3881gをフラスコに入れ、室温下で2時間撹拌した。その後オイルバスにて40℃で10時間反応させ、塗布液(ポリマー濃度10質量%)を得た。本合成例で得られたポリマーをPGEEにて希釈しGPC測定を行い、そのときの重量平均分子量(Mw)は920であった。
【0042】
<合成例7>
テトラエトキシシラン1.3451g(50mol%)、メチルトリエトキシシラン1.159g(50mol%)、塩酸水溶液(0.01mol/L)0.2341g及びイオン交換水47.7488gをフラスコに入れ、室温下で2時間撹拌した。その後オイルバスにて40℃で10時間反応させ、塗布液(ポリマー濃度5質量%)を得た。本合成例で得られたポリマーをPGEEにて希釈しGPC測定を行い、そのときの重量平均分子量(Mw)は850であった。
【0043】
<合成例8>
テトラエトキシシラン5.2083g(50mol%)、メチルトリエトキシシラン4.4575g(50mol%)、塩酸水溶液(0.01mol/L)0.4005g及びイオン交換水38.663gをフラスコに入れ、室温下で2時間撹拌した。その後オイルバスにて40℃で10時間反応させ、塗布液(ポリマー濃度20質量%)を得た。本合成例で得られたポリマーをPGEEにて希釈しGPC測定を行い、そのときの重量平均分子量(Mw)は910であった。
【0044】
<合成例9>
テトラエトキシシラン10.4165g(50mol%)、メチルトリエトキシシラン8.915g(50mol%)、塩酸水溶液(0.01mol/L)1.801g及びイオン交換水28.9973gをフラスコに入れ、室温下で2時間撹拌した。その後オイルバスにて40℃で10時間反応させ、塗布液(ポリマー濃度40質量%)を得た。本合成例で得られたポリマーをPGEEにて希釈しGPC測定を行い、そのときの重量平均分子量(Mw)は930であった。
【0045】
<合成例10>
テトラエトキシシラン3.7499g(50mol%)、メチルトリエトキシシラン1.3755g(50mol%)、塩酸水溶液(0.01mol/L)0.4631g及びイオン交換水46.1286gをフラスコに入れ、室温下で2時間撹拌した。その後オイルバスにて40℃で10時間反応させ、塗布液(ポリマー濃度10質量%)を得た。本合成例で得られたポリマーをPGEEにて希釈しGPC測定を行い、そのときの重量平均分子量(Mw)は930であった。
【0046】
<合成例11>
テトラエトキシシラン1.6666g(50mol%)、メチルトリエトキシシラン3.3283g(50mol%)、塩酸水溶液(0.01mol/L)0.4803g及びイオン交換水44.9542gをフラスコに入れ、室温下で2時間撹拌した。その後オイルバスにて40℃で10時間反応させ、塗布液(ポリマー濃度10質量%)を得た。本合成例で得られたポリマーをPGEEにて希釈しGPC測定を行い、そのときの重量平均分子量(Mw)は910であった。
【0047】
<合成例12>
テトラエトキシシラン17.7081g(70mol%)、メチルトリエトキシシラン6.4952g(30mol%)、塩酸水溶液(0.01mol/L)2.1869g、イオン交換水48.4065g及びアセトン48.4065gをフラスコに入れ、室温下で撹拌し、その後オイルバスにて40℃で24時間反応させた。その後、得られた反応液からエバポレーションによりアセトン及び塩酸を除去し、さらにイオン交換水を加え塗布液(ポリマー濃度4質量%)を得た。本合成例で得られたポリマーをPGEEにて希釈しGPC測定を行い、そのときの重量平均分子量(Mw)は900であった。
【0048】
<合成例13>
テトラエトキシシラン13.5415g(50mol%)、メチルトリエトキシシラン11.5895g(50mol%)、塩酸水溶液(0.01mol/L)2.3413g、イオン交換水50.2619g及びアセトン50.2619gをフラスコに入れ、室温下で撹拌し、その後オイルバスにて40℃で24時間反応させた。その後、得られた反応液からエバポレーションによりアセトン及び塩酸を除去し、さらにイオン交換水を加え塗布液(ポリマー濃度4質量%)を得た。本合成例で得られたポリマーをPGEEにて希釈しGPC測定を行い、そのときの重量平均分子量(Mw)は900であった。
【0049】
<合成例14>
テトラエトキシシラン13.5415g(30mol%)、メチルトリエトキシシラン27.0422g(70mol%)、塩酸水溶液(0.01mol/L)3.9022g、イオン交換水81.1672g及びアセトン81.1672gをフラスコに入れ、室温下で撹拌し、その後オイルバスにて40℃で24時間反応させた。その後、得られた反応液からエバポレーションによりアセトン及び塩酸を除去し、さらにイオン交換水を加え塗布液(ポリマー濃度4質量%)を得た。本合成例で得られたポリマーをPGEEにて希釈しGPC測定を行い、そのときの重量平均分子量(Mw)は900であった。
【0050】
<実施例1>
シリコン基板上に、下記式(5)で表される構造単位を有する共重合体及び有機溶剤を含む膜形成組成物を用いて有機反射防止膜を膜厚200nmで製膜し、その膜上にArF用レジスト溶液(製品名:PAR855、住友化学(株)製)を、スピナーを用いて塗布した。そのシリコン基板をホットプレート上で、110℃で60秒間加熱することにより、膜厚120nmのレジスト膜を形成した。ArFエキシマレーザー用露光装置((株)ニコン製、S307E)を用い、そのレジスト膜に対し所定の条件で露光した。目的の線幅を65nmラインアンドスペースとした上記露光後、105℃で60秒間加熱(PEB)を行い、クーリングプレート上で室温までシリコン基板を冷却した。2.38質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)溶液にて30秒間現像し、上記有機反射防止膜上にレジストパターンが形成された。そのレジストパターンに、合成例1で得られた塗布液を、スピナーを用いて塗布し、塗膜を形成した。この塗膜の形成方法を詳述する。まず、シリコン基板のレジストパターン形成面全体に前記塗布液を盛り、5秒間静置後、1500rpmの条件で30秒間当該シリコン基板をスピンし、その後100℃で60秒間ベークすることによって、塗膜を形成した。断面SEMにて、レジストパターンのパターン間に塗膜が充填されているかを確認した。その結果を図1に示す。
【化3】
【0051】
<実施例2>
合成例1で得られた塗布液を合成例2で得られた塗布液に変更した以外は、実施例1と同様の処理を行い、断面SEMにて確認した結果を図2に示す。
【0052】
<実施例3>
合成例1で得られた塗布液を合成例3で得られた塗布液に変更した以外は、実施例1と同様の処理を行い、断面SEMにて確認した結果を図3に示す。
【0053】
<実施例4>
合成例1で得られた塗布液を合成例4で得られた塗布液に変更した以外は、実施例1と同様の処理を行い、断面SEMにて確認した結果を図4に示す。
【0054】
<実施例5>
合成例1で得られた塗布液を合成例5で得られた塗布液に変更した以外は、実施例1と同様の処理を行い、断面SEMにて確認した結果を図5に示す。
【0055】
<実施例6>
合成例1で得られた塗布液を合成例6で得られた塗布液に変更した以外は、実施例1と同様の処理を行い、断面SEMにて確認した結果を図6に示す。
【0056】
<実施例7>
合成例1で得られた塗布液を合成例7で得られた塗布液に変更した以外は、実施例1と同様の処理を行い、断面SEMにて確認した結果を図7に示す。
【0057】
<実施例8>
合成例1で得られた塗布液を合成例8で得られた塗布液に変更した以外は、実施例1と同様の処理を行い、断面SEMにて確認した結果を図8に示す。
【0058】
<実施例9>
合成例1で得られた塗布液を合成例9で得られた塗布液に変更した以外は、実施例1と同様の処理を行い、断面SEMにて確認した結果を図9に示す。
【0059】
<実施例10>
合成例1で得られた塗布液を合成例10で得られた塗布液に変更した以外は、実施例1と同様の処理を行い、断面SEMにて確認した結果を図10に示す。
【0060】
<実施例11>
合成例1で得られた塗布液を合成例11で得られた塗布液に変更した以外は、実施例1と同様の処理を行い、断面SEMにて確認した結果を図11に示す。
【0061】
<実施例12>
合成例1で得られた塗布液を合成例12で得られた塗布液に変更した以外は、実施例1と同様の処理を行い、断面SEMにて確認した結果を図12に示す。
【0062】
<実施例13>
合成例1で得られた塗布液を合成例13で得られた塗布液に変更した以外は、実施例1と同様の処理を行い、断面SEMにて確認した結果を図13に示す。
【0063】
<実施例14>
合成例1で得られた塗布液を合成例14で得られた塗布液に変更した以外は、実施例1と同様の処理を行い、断面SEMにて確認した結果を図14に示す。
【0064】
<比較例1>
合成例1で得られた塗布液を純水に変更した以外は、実施例1と同様の処理を行い、断面SEMにて確認した結果を図15に示す。
【0065】
図1乃至図14は、いずれもレジストパターンのパターン間に塗膜が充填されていることを示している。一方、図15は、レジストパターンのパターン間に塗膜は存在しないことを示している。
【0066】
<実施例15>
実施例1で形成した塗膜を、CF(流量50sccm)とAr(流量200sccm)の混合ガスを用いたドライエッチングによりエッチバックし、レジストパターンの上部を露出させた。エッチバック後の塗膜とレジストパターンを断面SEMにて確認した結果を図16(A)に示す。
【0067】
その後、O(流量10sccm)とN(流量20sccm)の混合ガスを用いたドライエッチングにより上記レジストパターンを除去し、反転パターンを得た。レジストパターン除去後に得られた反転パターンを断面SEMにて確認した結果を図16(B)に示す。
【0068】
さらに、O(流量10sccm)とN(流量20sccm)の混合ガスを用いたドライエッチングにより、上記反転パターンをマスクとしてシリコン基板上の有機反射防止膜をエッチングした。エッチング後の有機反射防止膜を断面SEMにて確認した結果を図16(C)に示す。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16