【文献】
田口 誠,地上波によるスーパーハイビジョンの伝送実験,放送技術 第65巻 第9号,西村 瓊江 兼六館出版株式会社,2012年 9月,第65巻
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
送信対象のデータをMIMO−OFDM変調し、複数の送信アンテナから複数の偏波の信号を送信するMIMO送信装置と、前記MIMO送信装置から送信された信号に基づいて、未使用の周波数帯域を空き領域として検知する親機と、前記MIMO送信装置から送信された信号を複数の受信アンテナにて受信し、前記受信した信号を、前記親機により検知された空き領域へ周波数変換して周波数多重し、多重信号を宅内配線の1本のケーブルを介して出力する子機と、前記子機から出力された多重信号を受信し、前記多重信号を周波数変換してMIMO−OFDM復調し、元のデータに復元するMIMO受信装置と、を備えたMIMO送受信システムにおける前記MIMO受信装置であって、
前記子機から前記ケーブルを介して、前記複数の受信アンテナのうちの一の受信アンテナにて受信した信号と、前記複数の受信アンテナのうちの前記一の受信アンテナとは異なる他の受信アンテナにて受信した信号に対して周波数変換した信号とが周波数多重された多重信号を入力し、所定の周波数帯域内でチャンネルスキャンを行うチャンネルスキャン部と、
前記チャンネルスキャン部によるチャンネルスキャンにより、検出したチャンネルの受信信号に含まれる制御信号から、前記送信対象のデータの送信元を示す放送局を識別するための局情報、及び前記偏波の種類を識別するための偏波識別フラグを読み出す制御信号読み出し部と、
前記制御信号読み出し部により読み出された局情報が示す放送局、及び前記偏波識別フラグが示す偏波の種類に基づいて、前記検出したチャンネルのそれぞれについて、前記放送局、前記偏波の種類、及び前記チャンネルの周波数情報を含むチャンネル情報を生成し、
ユーザによるチャンネルの選局操作に従い、前記チャンネル情報に基づいて、前記選局操作されたチャンネルの放送局から送信された複数の偏波の信号に対応する前記複数の受信アンテナと同じ数の系統毎に、前記多重信号のRF信号をIF信号に周波数変換するためのローカル周波数の信号をローカル信号としてそれぞれ決定するローカル周波数決定部と、
前記多重信号を、前記系統毎に分離する分離部と、
前記ローカル周波数決定部により決定されたローカル信号に基づいて、前記分離部により分離された多重信号のRF信号をIF信号に周波数変換する周波数変換部と、を備え、
前記周波数変換部により周波数変換されたそれぞれの系統のIF信号に対し、MIMO−OFDM復調を行い、元のデータに復元する、ことを特徴とするMIMO受信装置。
送信対象のデータをMIMO−OFDM変調し、複数の送信アンテナから複数の偏波の信号を送信するMIMO送信装置と、前記MIMO送信装置から送信された信号に基づいて、未使用の周波数帯域を空き領域として検知する親機と、前記MIMO送信装置から送信された信号を複数の受信アンテナにて受信し、前記受信した信号を、前記親機により検知された空き領域へ周波数変換して周波数多重し、多重信号を宅内配線の1本のケーブルを介して出力する子機と、前記子機から出力された多重信号を受信し、前記多重信号を周波数変換してMIMO−OFDM復調し、元のデータに復元するMIMO受信装置と、を備えたMIMO送受信システムにおける前記MIMO送信装置であって、
前記送信対象のデータをMIMO−OFDM変調し、前記送信アンテナ毎の系統の信号を出力するMIMO−ODFM変調部と、
前記MIMO−ODFM変調部により出力された信号に、前記送信対象のデータの送信元を示す放送局を識別するための局情報、及び前記偏波の種類を識別するための偏波識別フラグを含む制御信号を付加する制御信号付加部と、
を備えたことを特徴とするMIMO送信装置。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて詳細に説明する。
〔MIMO送受信システム〕
まず、本発明の実施形態によるMIMO送受信システムについて説明する。
図1は、MIMO送受信システムの全体構成を示す概略図である。このMIMO送受信システム1は、既存の宅内配線である1本のケーブル6を利用して、水平及び垂直の両偏波による偏波MIMO伝送を実現するものである。MIMO送受信システム1は、MIMO送信装置2(以下、「送信装置2」という。)、子機3、親機4及びMIMO受信装置5(以下、「受信装置5」という。)により構成される。また、子機3及び親機4によりMIMO受信システムが構成される。
【0023】
送信装置2は、送信対象のデータをMIMO−OFDM変調し、水平偏波(以下、「H偏波」という。)の信号に対し、送信局を識別する局情報及びH偏波であることを示す偏波識別フラグを含むTMCC(Transmission and Multiplexing Configuration and Control)信号を付加すると共に、垂直偏波(以下、「V偏波」という。)の信号に対し、局情報及びV偏波であることを示す偏波識別フラグを含むTMCC信号を付加する。そして、送信装置2は、H偏波のOFDM信号を、送信アンテナTx1を介して送信し、V偏波のOFDM信号を、送信アンテナTx2を介して送信する。ここで、局情報は、送信対象のデータの送信元を示す放送局を識別するための情報であり、偏波識別フラグは、偏波の種類を識別するための情報である。
【0024】
尚、送信装置2は、偏波識別フラグを伝送制御信号としてのTMCC信号に含めて送信するようにしたが、TMCC信号以外の制御信号に含めて送信するようにしてもよい。地上デジタル放送方式がISDB−T以外の場合には、送信装置2は、偏波識別フラグを伝送制御信号に含めて送信する。この場合も、送信装置2は、偏波識別フラグを伝送制御信号以外の制御信号に含めて送信するようにしてもよい。
【0025】
図2は、子機3、親機4及び受信装置5による処理を示す概略図である。
図1及び
図2を参照して、子機3は、2本の受信アンテナRx1,Rx2の直下に設けられ、受信アンテナRx1を介してH偏波のOFDM信号を受信し、受信アンテナRx2を介してV偏波のOFDM信号を受信する。
【0026】
親機4は、子機3から受信装置5を介して、送信装置2から送信されたH偏波の受信信号とV偏波の受信信号との多重信号(周波数変換されていないH偏波の受信信号とV偏波の受信信号との多重信号、すなわち同じ周波数帯の受信信号同士を多重した信号)を入力し、チャンネルスキャンによりホワイトスペースを検知し(
図2(1))、H偏波の受信信号をホワイトスペースへ周波数変換するためのチャンネル制御信号を生成して子機3へ出力する(
図2(2))。ここで、ホワイトスペースは、宅内において使用していない周波数領域をいう。
【0027】
子機3は、親機4からチャンネル制御信号を入力し(
図2(3))、H偏波の受信信号を、チャンネル制御信号が示すホワイトスペースへ周波数変換し、周波数変換後のH偏波の受信信号と周波数変換していないV偏波の受信信号とを周波数多重する(
図2(4))。子機3は、多重信号を、既存の宅内配線である1本のケーブル6を介して受信装置5へ出力する。
【0028】
受信装置5は、子機3から多重信号を入力し、チャンネルスキャンにより、検出したチャンネルのTMCC信号から局情報及び偏波識別フラグを読み出し、チャンネル情報を取得する(
図2(5))。これにより、同じ放送局のチャンネルであって、周波数変換後のH偏波の受信信号のチャンネル及び周波数変換されていないV偏波の受信信号のチャンネルを特定することができる。チャンネル情報については後述する。
【0029】
そして、受信装置5は、ユーザによりチャンネルが選局されると、そのチャンネルに対応する周波数等の情報をチャンネル情報から特定し、RF帯の希望波の信号(H偏波の受信信号における希望波の信号及びV偏波の受信信号における希望波の信号)をIF帯の信号にダウンコンバートし、MIMO−OFDM復調し、元のデータに復元する(
図2(6))。
【0030】
〔送信装置〕
次に、
図1に示した送信装置2について説明する。
図3は、送信装置2の構成を示すブロック図である。この送信装置2は、誤り訂正符号化部21、MIMO−OFDM変調部22、TMCC付加部(制御信号付加部)23−1,23−2及び送信アンテナTx1,Tx2を備えている。尚、
図3は、本発明に関連する構成部のみを示しており、本発明に関連しない構成部は省略してある。
【0031】
誤り訂正符号化部21は、送信対象のデータを入力し、所定の符号を用いて誤り訂正符号化を行う。MIMO−OFDM変調部22は、誤り訂正符号化部21により誤り訂正符号化されたデータを入力し、所定のキャリア変調方式によりキャリア変調を行う等、MIMO−OFDM変調を行い、変調信号を分割してH偏波のOFDM信号及びV偏波のOFDM信号を生成する。
【0032】
TMCC付加部23−1は、MIMO−OFDM変調部22により生成されたH偏波のOFDM信号に対し、局情報及びH偏波であることを示す偏波識別フラグを含むTMCC信号を付加する。また、TMCC付加部23−2は、MIMO−OFDM変調部22により生成されたV偏波のOFDM信号に対し、局情報及びV偏波であることを示す偏波識別フラグを含むTMCC信号を付加する。
【0033】
そして、送信装置2は、H偏波のOFDM信号を、送信アンテナTx1を介して送信し、V偏波のOFDM信号を、送信アンテナTx2を介して送信する。
【0034】
このように、送信装置2は、H偏波及びV偏波のOFDM信号にTMCC信号を付加する際に、偏波成分を識別するための偏波識別フラグを設定するようにした。これにより、受信装置5に対し、TMCC信号に含まれる局情報及び偏波識別フラグに基づいて、受信信号がH偏波の受信信号であるかV偏波の受信信号であるかを認識させることができる。したがって、受信装置5は、チャンネルスキャンの際に、周波数変換されたH偏波の受信信号と周波数変換されていないV偏波の受信信号との多重信号から、チャンネル毎にH偏波の受信信号及びV偏波の受信信号を特定することができ、両偏波の希望波の信号を検出して元のデータに復元することができる。つまり、
図1に示したMIMO送受信システム1の構成により、既存の宅内配線である1本のケーブル6をそのまま利用することができ、宅内配線を増設することなく伝送容量の増加を実現することができる。
【0035】
〔親機〕
次に、
図1に示した親機4について説明する。
図4は、親機4の構成を示すブロック図である。この親機4は、宅内に設けられ、チャンネルスキャン部41及びチャンネル制御信号発生部(変換信号発生部)42を備えている。
【0036】
尚、親機4は、受信装置5に内蔵するようにしてもよいし、受信装置5とは別に独立した1台の装置であってもよい。宅内に複数の受信装置5が設けられる場合、1台の受信装置5が親機4を内蔵し、他の受信装置5は親機4を内蔵しないように構成してもよいし、1台の親機4と複数の受信装置5とにより構成するようにしてもよい。
【0037】
チャンネルスキャン部41は、所定の周波数帯域の領域内でチャンネルスキャンを行い、未使用の領域であるホワイトスペースを検知する。ホワイトスペースとしては、SHB帯の領域等が想定される。チャンネルスキャン部41が子機3から入力する信号は、送信装置2から送信されたH偏波の受信信号とV偏波の受信信号との多重信号(周波数変換されていないH偏波の受信信号とV偏波の受信信号との多重信号、すなわち同じ周波数帯の受信信号同士を多重した信号)である。所定の周波数帯域の領域は、使用チャンネルの帯域、及びホワイトスペースとして周波数変換が予定される帯域を含む領域であり、予め設定される。
【0038】
チャンネル制御信号発生部42は、チャンネルスキャン部41により検知されたホワイトスペース内の空きチャンネルを、使用チャンネルに対応するリザーブチャンネルに割り当て、子機3においてH偏波の受信信号をホワイトスペース内のリザーブチャンネルへ周波数変換するためのチャンネル制御信号を発生する。そして、チャンネル制御信号発生部42は、チャンネル制御信号を、受信装置5を経由しケーブル6を介して子機3へ出力する。
【0039】
尚、チャンネルスキャン部41は、親機4の電源を立ち上げる初期状態等のとき、チャンネルスキャンを行う前に、周波数変換されていないH偏波の受信信号とV偏波の受信信号との多重信号、すなわち同じ周波数帯の受信信号同士を多重した信号を子機3から入力するために、初期化指示をチャンネル制御信号発生部42に出力する。チャンネル制御信号発生部42は、チャンネルスキャン部41から初期化指示を入力すると、子機3においてH偏波の受信信号をホワイトスペース内のリザーブチャンネルへ周波数変換しないようにするためのチャンネル制御信号を発生し、子機3へ出力する。
【0040】
図7は、親機4の処理を示すフローチャートである。親機4のチャンネルスキャン部41は、各チャンネルを特定するためのローカル信号の周波数を所定の周波数帯域の領域内で最低周波数から順次増加させることで、チャンネルスキャンを行う(ステップS701)。そして、チャンネルスキャン部41は、使用チャンネルを検出すると共に、未使用チャンネルを検出し、未使用チャンネルの周波数帯域である空き領域をホワイトスペースとして検知する(ステップS702)。チャンネルスキャンは既知であり、その詳細については省略する。
【0041】
チャンネル制御信号発生部42は、ホワイトスペース内の空きチャンネルを、チャンネルスキャン部41により検出された使用チャンネルに対応するリザーブチャンネル(使用チャンネルの放送局が使用するリザーブチャンネル)に割り当てる(ステップS703)。そして、チャンネル制御信号発生部42は、子機3においてH偏波の受信信号をホワイトスペース内のリザーブチャンネルへ周波数変換するためのチャンネル制御信号を発生する(ステップS704)。
【0042】
チャンネル制御信号は、H偏波の受信信号である希望波の信号の使用チャンネルを、ホワイトスペース内の空きチャンネルであるリザーブチャンネルへ周波数変換するための制御信号である。例えば、チャンネル制御信号は、所定のUHF帯及び検知されたホワイトスペースの帯域以外の使用されていない周波数帯に立てられた1本または複数のパイロット信号であり、パイロット信号が示す変調内容により、チャンネル制御信号の内容が識別されるものとする。
【0043】
このように、親機4は、チャンネルスキャンによりホワイトスペースを検知し、ホワイトスペース内の空きチャンネルをリザーブチャンネルとし、H偏波の受信信号をホワイトスペース内のリザーブチャンネルへ周波数変換するためのチャンネル制御信号を生成するようにした。これにより、受信環境によって空きチャンネルが異なるという事情を考慮したホワイトスペースを検知することができる。また、全ての使用チャンネルのそれぞれについて、チャンネル制御信号を生成することができ、使用チャンネル毎(使用チャンネルの放送局毎)にリザーブチャンネルを割り当てることができる。
【0044】
従来は、所定領域の複数チャンネルの受信信号を全体として一括して周波数変換していた。これに対し、親機4によれば、使用チャンネルのみについてリザーブチャンネルを割り当てることができる。複数の使用チャンネルに対し、隣り合うリザーブチャンネルを割り当てることにより、ホワイトスペースであるSHB帯の領域等を効率的に使用することができ、無駄な使用を避けることができる。したがって、ホワイトスペースのうち、H偏波の受信信号を周波数変換するリザーブチャンネル以外のチャンネルを効率的に他の用途に使用することができるから、宅内におけるホワイトスペースを有効活用することが可能となる。
【0045】
〔子機〕
次に、
図1に示した子機3について説明する。
図5は、子機3の構成を示すブロック図である。この子機3は、受信アンテナRx1,Rx2の直下に設けられ、ローカル信号生成部31、周波数変換部32、フィルター33、多重部34及びサーキュレーター35を備えている。
【0046】
ローカル信号生成部31は、親機4から受信装置5を経由しケーブル6及びサーキュレーター35を介してチャンネル制御信号を入力し、チャンネル制御信号に基づいて、ローカル周波数の信号(ローカル信号)を生成する。また、ローカル信号生成部31は、チャンネル制御信号に対応したリザーブチャンネル用のSAWフィルターを選択するための選択信号を生成する。
【0047】
周波数変換部32は、H偏波の受信信号を入力し、チューナブルフィルターによるフィルター処理の後、ローカル信号生成部31により生成されたローカル信号に基づいて、H偏波の受信信号を周波数変換する。
【0048】
フィルター33は、周波数変換部32により周波数変換されたH偏波の受信信号に対し、ローカル信号生成部31により生成された選択信号に対応するSAWフィルターによるフィルター処理を行う。多重部34は、周波数変換及びフィルター処理されたH偏波の受信信号と周波数変換されていないV偏波の受信信号とを周波数多重し、多重信号をサーキュレーター35に出力する。
【0049】
サーキュレーター35は、親機4から受信装置5を経由しケーブル6を介してチャンネル制御信号を入力すると、入力したチャンネル制御信号をローカル信号生成部31へ出力する。また、サーキュレーター35は、多重部34から多重信号を入力すると、入力した多重信号を、ケーブル6を介して受信装置5を経由し親機4へ出力する。
【0050】
ここで、サーキュレーター35は、入力信号の電磁波の進行方向に磁化されたフェライト素子の特性を利用して、入力信号の進路を曲げる機器であり、例えば端子a,b,cにおいて(
図5のサーキュレーター35を参照)、端子aに入力した信号を端子bから出力し、端子bに入力した信号を端子cから出力する。後述するサーキュレーター51についても同様である。
【0051】
尚、ローカル信号生成部31は、親機4から、H偏波の受信信号をホワイトスペース内のリザーブチャンネルへ周波数変換しないようにするためのチャンネル制御信号を入力した場合、ヌルのローカル信号を生成すると共に、SAWフィルターを選択しないヌルの選択信号を生成する。周波数変換部32は、ローカル信号生成部31からヌルのローカル信号を入力すると、H偏波の受信信号の周波数変換を行うことなく、入力したH偏波の受信信号をそのままフィルター33に出力する。また、フィルター33は、ローカル信号生成部31からヌルの選択信号を入力すると、SAWフィルターによるフィルター処理を行うことなく、周波数変換部32から入力したH偏波の受信信号をそのまま多重部34に出力する。これにより、多重部34において、周波数変換されていないH偏波の受信信号とV偏波の受信信号との多重信号が生成される。
【0052】
図8は、子機3の処理を示すフローチャートであり、
図9は、子機3によるH偏波の受信信号の処理を示す図である。子機3のローカル信号生成部31は、親機4からチャンネル制御信号を入力し(ステップS801)、周波数変換部32は、H偏波の受信信号を入力し(ステップS802)、多重部34は、V偏波の受信信号を入力する(ステップS803)。
【0053】
ローカル信号生成部31は、ステップS801から移行して、チャンネル制御信号に基づいてローカル信号を生成する(ステップS804)。ローカル信号は、周波数変換部32において、H偏波の受信信号をチャンネル制御信号が示すリザーブチャンネルへ周波数変換するためのCW(Carrier Wave:搬送波)である。
【0054】
ローカル信号生成部31は、チャンネル制御信号に対応したリザーブチャンネル用のSAWフィルターを選択するための選択信号を生成する(ステップS805)。フィルター33には、複数のリザーブチャンネルのそれぞれに対応したSAWフィルターが予め用意されており、選択信号により、その中からチャンネル制御信号が示すリザーブチャンネルに対応したSAWフィルターが選択される。親機4により検知されるホワイトスペースの周波数帯域は、例えばSHB帯の領域であり、予め想定され得ることから、ホワイトスペース内に確保されるリザーブチャンネルに対応したSAWフィルターも予め用意することができる。
【0055】
周波数変換部32は、ステップS802から移行して、H偏波の受信信号に対し、チューナブルフィルターにより、所定の周波数帯域にてフィルター処理を行う(ステップS806)。そして、周波数変換部32は、ステップS804においてローカル信号生成部31により生成されたローカル信号に基づいて、チューナブルフィルターによるフィルター処理後の受信信号における希望波の信号を、リザーブチャンネルへ周波数変換する(ステップS807)。
【0056】
この周波数変換は、ローカル信号の元であるチャンネル制御信号が示す全ての使用チャンネル(放送局)のそれぞれに対して行われる。これにより、
図9のステップS807に示すように、H偏波の受信信号におけるそれぞれの希望局の信号が、ホワイトスペース内に割り当てられたリザーブチャンネルへそれぞれ周波数変換される。
【0057】
フィルター33は、ステップS805においてローカル信号生成部31により生成された選択信号が示すSAWフィルターによるフィルター処理を行う(ステップS808)。これにより、
図9のステップS808に示すように、リザーブチャンネルへ周波数変換された希望局の信号のみを抜き出すことができる。このSAWフィルターによるフィルター処理は、ローカル信号の元であるチャンネル制御信号が示す全ての使用チャンネル(放送局)のそれぞれに対して行われる。
【0058】
多重部34は、ステップS803及びステップS808から移行して、ステップS806〜ステップS808において周波数変換及びフィルター処理されたH偏波の受信信号と、ステップS803において入力されたV偏波の受信信号とを周波数多重し(ステップS809)、多重信号を出力する(ステップS810)。
【0059】
このように、子機3は、親機4からのチャンネル制御信号に基づいて、ローカル信号を生成し、ローカル信号に基づいて、H偏波の受信信号をホワイトスペースへ周波数変換し、周波数変換後のH偏波の受信信号と周波数変換されていないV偏波の受信信号とを周波数多重し、多重信号を出力するようにした。これにより、親機4にて検出された全ての使用チャンネルについて、周波数変換後のH偏波の受信信号と周波数変換されていないV偏波の受信信号とを周波数多重した多重信号を生成することができ、この多重信号を受信装置5へ出力することができる。
【0060】
したがって、受信装置5に対し、多重信号をチャンネルスキャンさせ、TMCC信号に含まれる局情報及び偏波識別フラグに基づいて、同じ放送局からの受信信号がH偏波の受信信号であるかV偏波の受信信号であるかを認識させることができる。また、受信装置5は、チャンネルスキャンの際に、周波数変換後のH偏波の受信信号と周波数変換されていないV偏波の受信信号との多重信号から、同じ放送局からのH偏波の受信信号及びV偏波の受信信号を特定することができる。
【0061】
また、子機3は、ホワイトスペースへ周波数変換したH偏波の受信信号と周波数変換していないV偏波の受信信号とを周波数多重し、多重信号として受信装置5へ出力するようにしたから、既存の宅内配線である1本のケーブル6をそのまま利用することができる。
【0062】
また、従来は、所定領域の複数チャンネルの受信信号を全体として一括して周波数変換していた。これに対し、子機3によれば、親機4により検出された使用チャンネルのみにリザーブチャンネルが割り当てられ、個々の使用チャンネルに対応した個々のリザーブチャンネルへ周波数変換することができる。子機3は、複数の使用チャンネルの受信信号を、隣り合うリザーブチャンネルへ周波数変換することにより、ホワイトスペースであるSHB帯の領域等を効率的に使用することができ、無駄な使用を避けることができる。したがって、ホワイトスペースのうち、H偏波の受信信号を周波数変換するリザーブチャンネル以外のチャンネルを効率的に他の用途に使用することができるから、宅内におけるホワイトスペースを有効活用することが可能となる。
【0063】
〔受信装置〕
次に、
図1に示した受信装置5について説明する。
図6は、受信装置5の構成を示すブロック図である。この受信装置5は、サーキュレーター51、分離部52、周波数変換部53−1,53−2、直交復調部54−1,54−2、MIMO−OFDM復調部55、キャリア復調部56、誤り訂正復号部57、TMCC読み出し部(制御信号読み出し部)58、チャンネルスキャン部59及びローカル周波数決定部60を備えている。尚、
図6は、本発明に関連する構成部のみを示しており、本発明に関連しない構成部は省略してある。
【0064】
サーキュレーター51は、親機4からチャンネル制御信号を入力すると、入力したチャンネル制御信号を、ケーブル6を介して子機3へ出力する。また、サーキュレーター51は、子機3からケーブル6を介して多重信号を入力すると、入力した多重信号を分離部52に出力すると共に親機4へ出力する。
【0065】
分離部52は、子機3からサーキュレーター51を介して多重信号を入力し、入力した多重信号を2系統に分離し(同じ多重信号を2系統に分離し)、周波数変換部53−1,53−2にそれぞれ出力する。
【0066】
周波数変換部53−1は、分離部52から多重信号を入力すると共に、ローカル周波数決定部60からH偏波用のローカル信号を入力し、そのローカル信号に基づいて、多重信号におけるH偏波の希望波の信号(ホワイトスペース内のリザーブチャンネルへ周波数変換されたH偏波の希望波の信号)をRF帯からIF帯に周波数変換する。周波数変換部53−2は、分離部52から多重信号を入力すると共に、ローカル周波数決定部60からV偏波用のローカル信号を入力し、そのローカル信号に基づいて、多重信号におけるV偏波の希望波の信号をRF帯からIF帯に周波数変換する。これにより、所望の放送局の受信信号として、H偏波の受信信号及びV偏波の受信信号を得ることができる。
【0067】
直交復調部54−1は、周波数変換部53−1からH偏波のIF信号を入力し、直交復調を行い、直交復調後のH偏波の信号をMIMO−OFDM復調部55に出力する。直交復調部54−2は、周波数変換部53−2からV偏波のIF信号を入力し、直交復調を行い、直交復調後のV偏波の信号をMIMO−OFDM復調部55に出力する。
【0068】
MIMO−OFDM復調部55は、直交復調部54−1,54−2からH偏波の信号及びV偏波の信号をそれぞれ入力し、
図3のMIMO−OFDM変調部22に対応したMIMO−OFDM復調を行う。また、MIMO−OFDM復調部55は、MIMO−OFDM復調したデータからTMCC信号を抽出し、抽出したTMCC信号をTMCC読み出し部58に出力する。
【0069】
キャリア復調部56は、MIMO−OFDM復調部55からMIMO−OFDM復調されたデータを入力し、キャリア復調を行う。誤り訂正復号部57は、キャリア復調部56からキャリア復調されたデータを入力し、
図3の誤り訂正符号化部21に対応した誤り訂正復号を行い、元のデータに復元して出力する。
【0070】
TMCC読み出し部58は、MIMO−OFDM復調部55からTMCC信号を入力し、TMCC信号から局情報及び偏波識別フラグを読み出し、局情報及び偏波識別フラグをローカル周波数決定部60に出力する。
【0071】
チャンネルスキャン部59は、受信装置5が子機3から入力する多重信号(ホワイトスペースへ周波数変換されたH偏波の受信信号と周波数変換されていないV偏波の受信信号とが周波数多重された多重信号)に対し、所定の周波数帯域の領域内(ホワイトスペースの帯域及びUHF帯の帯域を含む領域内)で最低周波数から最高周波数まで順次増加させるチャンネルスキャンを行うための指示をローカル周波数決定部60に出力する。
【0072】
ローカル周波数決定部60は、チャンネルスキャン部59からチャンネルスキャンを行うための指示を入力すると、最低周波数から最高周波数までの所定のチャンネル毎に、希望波の信号であるRF信号をIF信号に周波数変換するためのローカル周波数を決定し、そのローカル信号を周波数変換部53−1,53−2に出力する。そして、ローカル周波数決定部60は、TMCC読み出し部58から、所定のチャンネルの受信信号から得られた局情報及び偏波識別フラグを入力し、局情報から当該チャンネルの放送局を特定すると共に、偏波識別フラグから当該チャンネルの信号がH偏波であるかV偏波であるかを特定する。
【0073】
ローカル周波数決定部60は、チャンネルスキャン部59からの指示によりチャンネルスキャンを行ったチャンネルと、TMCC読み出し部58から入力したそのチャンネルの局情報及び偏波識別フラグとに基づいて、チャンネルスキャンによって検出されたチャンネル毎に、放送局、偏波の種類及びそのチャンネルの周波数情報を含むチャンネル情報を生成する。
【0074】
このチャンネル情報を用いて、チャンネル選局の処理が行われる。具体的には、ローカル周波数決定部60は、チャンネル情報に基づいて、ユーザが指定したチャンネルの放送局に対応するH偏波のチャンネル及びV偏波のチャンネルを特定し、それぞれのローカル周波数を決定する。
【0075】
図10は、受信装置5の処理を示すフローチャートである。
図10に示す処理は、オートスキャン処理及びユーザによる選局処理からなり、ステップS1001からステップS1003までの処理にてオートスキャンが行われ、ステップS1004からステップS1008までの処理にてユーザによる選局が行われる。
【0076】
受信装置5が子機3から多重信号(ホワイトスペースへ周波数変換されたH偏波の受信信号と周波数変換されていないV偏波の受信信号とが周波数多重された多重信号)を入力している状態で(ステップS1001)、チャンネルスキャン部59は、所定の周波数帯域の領域内(ホワイトスペースの帯域及びUHF帯の帯域を含む領域内)でチャンネルスキャンを行う(ステップS1002)。これにより、TMCC読み出し部58は、スキャンしたチャンネルのうち検出したチャンネル毎に、局情報及び偏波識別フラグを取得することができる。
【0077】
ローカル周波数決定部60は、チャンネル毎の局情報及び偏波識別フラグに基づいて、チャンネル毎に、放送局、偏波の種類及びそのチャンネルの周波数情報を含むチャンネル情報を生成し、メモリに記憶する(ステップS1003)。
【0078】
ユーザによりチャンネル選局が行われ、受信装置5がその指示を入力すると(ステップS1004)、ローカル周波数決定部60は、メモリに記憶したチャンネル情報に基づいて、ユーザが指定したチャンネルの放送局に対応するH偏波のチャンネル及びV偏波のチャンネルを特定し、特定したチャンネルにおけるH偏波の信号を所定周波数のIF信号に周波数変換するためのローカル周波数を決定すると共に、V偏波の信号を所定周波数のIF信号に周波数変換するためのローカル周波数を決定する(ステップS1005)。
【0079】
ローカル周波数決定部60は、特定したチャンネルにおけるH偏波の信号をIF信号に周波数変換するためのローカル周波数の信号(ローカル信号)を周波数変換部53−1に出力し、V偏波の信号をIF信号に周波数変換するためのローカル信号を周波数変換部53−2に出力する。
【0080】
周波数変換部53−1,53−2は、ローカル周波数決定部60からローカル信号をそれぞれ入力し、ローカル信号の周波数(ローカル周波数)に基づいて、RF帯におけるH偏波の希望波の信号及びRF帯におけるV偏波の希望波の信号をIF帯の信号にそれぞれ周波数変換する(ステップS1006)。そして、受信装置5は、直交復調部54−1,54−2、MIMO−OFDM復調部55、キャリア復調部56及び誤り訂正復号部57により、元のデータに復元して出力する(ステップS1007,ステップS1008)。
【0081】
このように、受信装置5は、多重信号をオートスキャンし、TMCC信号から局情報及び偏波識別フラグを読み出し、検出したチャンネル毎に、放送局、偏波の種類及び周波数情報を含むチャンネル情報を生成するようにした。これにより、TMCC信号に含まれる局情報及び偏波識別フラグから、そのチャンネルの信号がH偏波の信号であるかV偏波の信号であるかを認識することができ、すなわち希望波の両偏波を検出することができ、H偏波の信号及びV偏波の信号から元のデータを復元することができる。したがって、既存の宅内配線である1本のケーブル6をそのまま利用することができ、宅内配線を増設することなく伝送容量の増加を実現することができる。
【0082】
また、受信装置5は、TMCC信号に含まれる局情報及び偏波識別フラグから、多重信号における希望波の信号を周波数変換するためのローカル信号を生成するようにした。これにより、多重信号における希望波の信号を周波数変換することで、H偏波のIF信号及びV偏波のIF信号を生成することができ、受信装置5の回路規模を既存のISDB−T受信機と同程度とすることができる。
【0083】
〔他の実施形態による親機及び子機〕
次に、他の実施形態による親機4及び子機3について説明する。他の実施形態による親機4は、
図4に示した構成において、チャンネル制御信号発生部42の代わりにローカル信号発生部を備えている。また、他の実施形態による子機3は、
図5に示した構成において、ローカル信号生成部31の代わりにローカル信号処理部を備えている。
【0084】
(親機)
親機4のローカル信号発生部は、
図4に示したチャンネル制御信号発生部42と
図5に示したローカル信号生成部31とを合わせた機能を有する。ローカル信号発生部は、チャンネルスキャン部41により検知されたホワイトスペースの空きチャンネルを、使用チャンネルに対応するリザーブチャンネルに割り当て、ローカル周波数の信号(ローカル信号)を生成する。
【0085】
具体的には、ローカル信号発生部は、ホワイトスペース内の空きチャンネルを、チャンネルスキャン部41により検出された使用チャンネルに対応するリザーブチャンネル(使用チャンネルの放送局が使用するリザーブチャンネル)に割り当てる。そして、ローカル信号発生部は、子機3においてH偏波の受信信号をホワイトスペース内のリザーブチャンネルへ周波数変換するためのローカル信号を発生する。
【0086】
そして、ローカル信号発生部は、生成したローカル信号を、受信装置5を経由しケーブル6を介して子機3へ出力する。ローカル信号は、子機3において受信信号を周波数変換するためのCWである。
【0087】
ローカル信号は、H偏波の受信信号における希望波の信号に対し、その使用チャンネルをホワイトスペース内の空きチャンネルであるリザーブチャンネルへ周波数変換するための波形信号であり、PLLにより生成される。
【0088】
これにより、受信環境によって空きチャンネルが異なるという事情を考慮したホワイトスペースを検知することができる。また、全ての使用チャンネルのそれぞれについて、ローカル信号を生成することができ、使用チャンネル毎(使用チャンネルの放送局毎)にリザーブチャンネルを割り当てることができる。
【0089】
従来は、所定領域の複数チャンネルの受信信号を全体として一括して周波数変換していたが、親機4は、複数の使用チャンネルに対し、隣り合うリザーブチャンネルを割り当てることにより、ホワイトスペースであるSHB帯の領域等を効率的に使用することができ、無駄な使用を避けることができる。したがって、ホワイトスペースのうち、H偏波の受信信号を周波数変換するリザーブチャンネル以外のチャンネルを効率的に他の用途に使用することができるから、宅内におけるホワイトスペースを有効活用することが可能となる。
【0090】
(子機)
子機3のローカル信号処理部は、親機4から受信装置5を経由しケーブル6及びサーキュレーター35を介してローカル信号を入力し、入力したローカル信号を増幅して周波数変換部32に出力する。また、ローカル信号処理部は、ローカル信号に対応したリザーブチャンネル用のSAWフィルターを選択するための選択信号を生成する。
【0091】
これにより、周波数変換部32は、H偏波の受信信号に対し、チューナブルフィルターによりフィルター処理を行い、ローカル信号処理部により生成されたローカル信号に基づいて、受信信号における希望波の信号をリザーブチャンネルへ周波数変換する。また、フィルター33は、ローカル信号処理部により生成された選択信号が示すSAWフィルターによるフィルター処理を行う。
【0092】
このように、子機3は、親機4からのローカル信号に基づいて、H偏波の受信信号をホワイトスペースへ周波数変換し、周波数変換したH偏波の受信信号と周波数変換していないV偏波の受信信号とを周波数多重し、多重信号を出力するようにした。これにより、親機4にて検出された全ての使用チャンネルについて、周波数変換したH偏波の受信信号と周波数変換していないV偏波の受信信号とを周波数多重した多重信号を生成することができ、この多重信号を受信装置5へ出力することができる。
【0093】
したがって、受信装置5に対し、多重信号をチャンネルスキャンさせ、TMCC信号に含まれる局情報及び偏波識別フラグに基づいて、同じ放送局からの信号がH偏波の信号であるかV偏波の信号であるかを認識させることができる。また、多重信号を受信装置5へ出力するようにしたから、既存の宅内配線である1本のケーブル6をそのまま利用することができる。
【0094】
また、子機3は、全ての使用チャンネルを一括して周波数変換するのではなく、チャンネル毎に周波数変換することができるから、隣り合うリザーブチャンネルへ周波数変換することにより、ホワイトスペースであるSHB帯の領域等を効率的に使用することができ、無駄な使用を避けることができる。したがって、ホワイトスペースのうち、H偏波の受信信号を周波数変換するリザーブチャンネル以外のチャンネルを効率的に他の用途に使用することができるから、宅内におけるホワイトスペースを有効活用することが可能となる。
【0095】
以上、実施形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、その技術思想を逸脱しない範囲で種々変形可能である。前記実施形態では、宅内に設けられた親機4及び受信装置5において、受信装置5は、子機3との間で信号の送受信を行うサーキュレーター51を備えるようにしたが、親機4がサーキュレーター51を備えるようにしてもよい。この場合、受信装置5の分離部52は、親機4に備えたサーキュレーター51を介して多重信号を入力し、受信装置5の周波数変換部53−1,53−2は、分離部52から多重信号を入力する。
【0096】
また、前記実施形態では、親機4は、H偏波の受信信号をホワイトスペースへ周波数変換するためのチャンネル制御信号を生成して子機3へ出力するようにしたが、V偏波の受信信号をホワイトスペースへ周波数変換するためのチャンネル制御信号を生成して子機3へ出力するようにしてもよい。また、子機3は、親機4からチャンネル制御信号を入力し、H偏波の受信信号を、チャンネル制御信号が示すホワイトスペースへ周波数変換し、周波数変換後のH偏波の受信信号と周波数変換していないV偏波の受信信号とを周波数多重するようにしたが、V偏波の受信信号を、チャンネル制御信号が示すホワイトスペースへ周波数変換し、周波数変換していないH偏波の受信信号と周波数変換後のV偏波の受信信号とを周波数多重するようにしてもよい。
【0097】
また、前記実施形態では、送信アンテナ数を2本及び受信アンテナ数を2本とした偏波MIMO伝送について説明したが、本発明は、アンテナ数をこれらの数に限定するものではない。例えば、送信アンテナ数を4本及び受信アンテナ数を2本とした偏波MIMO伝送、または送信アンテナ数を4本及び受信アンテナ数を4本とした偏波MIMO伝送にも適用がある。また、前記実施形態では、水平偏波及び垂直偏波を用いた場合について説明したが、本発明は、右回り偏波及び左回り偏波を用いた場合、右斜め45°の偏波及び左斜め45°の偏波を用いた場合等、他の複数の直交偏波を用いた場合にも適用がある。