(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6272642
(24)【登録日】2018年1月12日
(45)【発行日】2018年1月31日
(54)【発明の名称】2次電池
(51)【国際特許分類】
H01M 2/14 20060101AFI20180122BHJP
H01M 10/04 20060101ALI20180122BHJP
H01M 2/26 20060101ALI20180122BHJP
【FI】
H01M2/14
H01M10/04 Z
H01M2/26 A
【請求項の数】18
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2012-251137(P2012-251137)
(22)【出願日】2012年11月15日
(65)【公開番号】特開2013-122917(P2013-122917A)
(43)【公開日】2013年6月20日
【審査請求日】2015年10月26日
(31)【優先権主張番号】61/568,865
(32)【優先日】2011年12月9日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】13/445,053
(32)【優先日】2012年4月12日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】590002817
【氏名又は名称】三星エスディアイ株式会社
【氏名又は名称原語表記】SAMSUNG SDI Co., LTD.
(73)【特許権者】
【識別番号】595041660
【氏名又は名称】ロベルト ボッシュ ゲー.エム.ベー.ハー.
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(72)【発明者】
【氏名】金 悳中
(72)【発明者】
【氏名】金 仁
(72)【発明者】
【氏名】金 重憲
【審査官】
川村 裕二
(56)【参考文献】
【文献】
特開2011−108507(JP,A)
【文献】
特開2010−231946(JP,A)
【文献】
国際公開第2006/135008(WO,A1)
【文献】
特開2003−346775(JP,A)
【文献】
特開2002−289155(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 2/14− 2/18
H01M 10/00−10/39
H01M 2/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無地部を有する電極組立体;
前記無地部に結合される集電体結合部を含む集電体;
前記電極組立体を収容するケース;および
前記集電体結合部に結合される弾性ダンピング部材を含み、
前記弾性ダンピング部材は、前記無地部の長さ方向に前記弾性ダンピング部材を通して延長されたホールを含み、
前記弾性ダンピング部材は、少なくとも一つの前記無地部に結合する第1領域、対の前記集電体結合部を加圧する第2領域および前記ケースの内側に接する第3領域を含むことを特徴とする2次電池。
【請求項2】
前記弾性ダンピング部材は、前記集電体結合部に対して弾性的に変形することが可能であることを特徴とする請求項1に記載の2次電池。
【請求項3】
前記無地部は、多数の無地部を含むように構成され、
前記集電体は、多数の集電体結合部を含むように構成され、
前記多数の集電体結合部の各々は、前記多数の無地部の各々に結合することを特徴とする請求項1に記載の2次電池。
【請求項4】
前記弾性ダンピング部材は、一対の集電体結合部の間に配列されることを特徴とする請求項3に記載の2次電池。
【請求項5】
前記電極組立体およびケースが結合した状態では、前記弾性ダンピング部材は、対の前記集電体結合部を加圧する加圧力が加わる加圧状態にあることを特徴とする請求項4に記載の2次電池。
【請求項6】
前記弾性ダンピング部材の第1領域は、凸の曲面を有することを特徴とする請求項1に記載の2次電池。
【請求項7】
前記第2領域は前記第1領域の幅より短い幅を有し、前記第2領域は前記集電体結合部のそれぞれ一つを収容する空間を定義することを特徴とする請求項1に記載の2次電池。
【請求項8】
前記弾性ダンピング部材の第3領域は、凸の曲面を有することを特徴とする請求項1に記載の2次電池。
【請求項9】
前記第3領域は、前記第1領域と対称であることを特徴とする請求項8に記載の2次電池。
【請求項10】
前記無地部は、無地部の長さ方向において互いに平行な一対の無地部を含み、
前記集電体結合部は、対の前記無地部領域の向き合う面に結合し、
前記弾性ダンピング部材は、前記集電体結合部間の空間に位置して、加圧力が前記集電体結合部を前記無地部に対して加圧することを特徴とする請求項5に記載の2次電池。
【請求項11】
前記ケースは、前記ケースに結合されたキャッププレートをさらに含み、
前記集電体は、前記キャッププレートを通して延長される端子部をさらに含み、
前記集電体は、前記端子部に結合されたボディー部および無地部の長さ方向に前記ボディー部から折り曲げられた折曲部をさらに含み、
前記集電体結合部は、前記無地部の長さ方向に前記ボディー部から延長されることを特徴とする請求項3に記載の2次電池。
【請求項12】
前記無地部は無地部の長さ方向に互いに並んでおり、前記無地部の長さ方向に垂直な方向に且つ前記無地部の端縁が同一面内に配置されるように配列され、
前記折曲部は、前記無地部の長さ方向に垂直な方向に前記無地部を十分にカバーできる幅を有することを特徴とする請求項11に記載の2次電池。
【請求項13】
前記弾性ダンピング部材は、電気的絶縁材質からなることを特徴とする請求項1に記載の2次電池。
【請求項14】
前記弾性ダンピング部材は、プラスチック材質からなることを特徴とする請求項13に記載の2次電池。
【請求項15】
前記弾性ダンピング部材は、電気的導電性材質からなることを特徴とする請求項1に記載の2次電池。
【請求項16】
前記弾性ダンピング部材は、前記集電体結合部と同じ材質からなることを特徴とする請求項15に記載の2次電池。
【請求項17】
前記無地部は、前記電極組立体の反対側面に第1および第2無地部を含み、
前記集電体は、前記第1無地部に結合される第1結合部を含む第1集電体と、前記第2無地部に結合される第2結合部と、を含む第2集電体を含み、
前記弾性ダンピング部材は、前記第1集電体の結合部を結合する第1弾性ダンピング部材と、前記第2集電体の結合部を結合する第2弾性ダンピング部材と、を含むことを特徴とする請求項1に記載の2次電池。
【請求項18】
前記電極組立体は前記ケースの内部に多数の電極組立体を含み、各電極組立体はそれぞれ無地部を備え、
前記集電体は多数の集電体結合部を含み、各集電体結合部は一つの電極組立体の無地部それぞれに結合され、
前記弾性ダンピング部材は、それぞれ前記集電体結合部の特定の一つに形成される多数の弾性ダンピング部材を含むことを特徴とする請求項1に記載の2次電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電極組立体および集電体の変形を抑制できる2次電池に関する。
【背景技術】
【0002】
2次電池(Rechargeable battery)は、充電が不可能な一次電池とは異なり、充電および放電が可能な電池であって、一つの電池セルがパック形態に包装された低容量電池の場合、携帯電話機およびカムコーダーのような携帯が可能な小型電子機器に使われ、電池パックが数十個連結された電池パック単位の大容量電池の場合、ハイブリッド自動車などのモータ駆動用電源として幅広く使用されている。
【0003】
2次電池は色々な形状に製造されているが、代表的な形状としては円筒形、角形が挙げられ、陽、陰極板の間に絶縁体であるセパレータを介在して形成された電極組立体と電解液とをカン(ケース)に内装して設置し、カンに電極端子が形成されたキャップ組立体を設置して構成される。
【0004】
このような2次電池は、容量が増加するに従って、使用者の安全を図るための色々な努力が要求されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、ダンピング部材が電極組立体の無地部とカンとの間に結合されて電極組立体および集電体の変形を抑制できる2次電池を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明による2次電池は収容空間を有して上部が開放されたカン;前記カンの内部に挿入される複数の電極組立体;前記電極組立体の無地部に連結される集電体;前記電極組立体とカンとの間に形成される弾性材質のダンピング部材;および前記カンを密封するキャッププレートを含むことができる。
【0007】
ここで、前記ダンピング部材は一端が前記無地部に接し、他端が前記カンの内部に接するように形成されることができる。
【0008】
また、前記ダンピング部材は一対の無地部の間に結合され、内部にホールが備えられる。
【0009】
また、前記ダンピング部材は前記無地部に結合された前記集電体を前記無地部に加圧して形成することができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明による2次電池は電極組立体とカンとの間に弾性を有するダンピング部材を備えて、電極組立体がカンの内部で動くことを防止し、外部衝撃を吸収して電極組立体に伝達されることを防止することができる。
【0011】
また、本発明による2次電池はダンピング部材が集電体の結合部を電極組立体の無地部に圧着されるように加圧することによって、集電体の動きを防止し衝撃を吸収することができる。
【0012】
また、本発明による2次電池はダンピング部材が内部にホールを備えて、カンの内部で発生した排気ガスが移動できる流路を提供して安全を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の実施例による2次電池の斜視図である。
【
図4】本発明における電極組立体とカンとの間にダンピング部材が結合した状態を上側から見て示す図である。
【
図5】本発明における電極組立体とカンとの間にダンピング部材が結合した状態を下側から見て示す図である。
【
図6】本発明における電極組立体からダンピング部材が分離した状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の属する技術分野において通常の知識を有する者が容易に実施できるように、本発明の望ましい実施例を図面を参照して詳細に説明する。
【0015】
以下、本発明の実施例による2次電池の構成について説明する。
【0016】
図1は、本発明の実施例による2次電池の斜視図である。
図2は、
図1のA−A’線に沿った断面図である。
図3は、
図1のB−B’線に沿った断面図である。
図4は、本発明における電極組立体とカンとの間にダンピング部材が結合した状態を上側から見て示す図である。
図5は、本発明における電極組立体とカンとの間にダンピング部材が結合した状態を下側から見て示す図である。
図6は、本発明における電極組立体からダンピング部材が分離した状態を示す図である。
【0017】
図1乃至
図6を参照すれば、本発明による2次電池100は、カン110と、前記カン110の内部に挿入される電極組立体120と、前記電極組立体120に連結される集電体130と、電極組立体120に結合されるダンピング部材140と、前記集電体130の上部に形成される第1絶縁部材150と、前記カン110を密封するキャッププレート160と、前記キャッププレート160の上部に形成される第2絶縁部材170と、前記第2絶縁部材170の上部に形成されるナット180と、を含む。
【0018】
前記カン110は内部に収容空間を有し、上部に開口部が形成されたほぼ六面体状に形成される。前記カン110は収容空間内に電極組立体120および電解液を収容する。前記カン110は、アルミニウム、アルミニウム合金またはニッケルメッキされたスチールのような導電性金属からなる。
図1ではカン110とキャッププレート160とが結合した状態で示されているので、開口部が示されていないが、キャッププレート160の周りの部分が実質的に開放された部分である。また、前記カン110の内面は絶縁処理されて、電極組立体120、集電体130およびキャッププレート160と絶縁されることができる。
【0019】
また、前記カン110と前記電極組立体120との間には前記ダンピング部材140が形成される。また、前記ダンピング部材140は、前記電極組立体120に結合された集電体130をプレスしながら結合する。したがって、前記カン110は、前記ダンピング部材140によって前記電極組立体120および集電体130が内部で動かないように固定させることができる。
【0020】
前記電極組立体120は、薄い板型あるいは膜型からなる第1電極板、第2電極板およびその間に位置するセパレータの積層体を巻き取るか重ねて形成する。ここで、例えば、第1電極板は陰極として動作することができ、第2電極板は正極として動作することができる。当然ながら、その逆も可能である。
【0021】
前記第1電極板は、銅またはニッケルのような金属箔からなる電極集電体に黒鉛または炭素などの活物質を塗布することによって形成され、活物質が塗布されない領域に無地部が形成される。前記第2電極板は、アルミニウムのような金属箔からなる電極集電体に遷移金属酸化物などの活物質を塗布することによって形成され、活物質が塗布されない領域である無地部を含む。前記セパレータは、第1電極板と第2電極板との間に位置して短絡を防止し、リチウムイオンの移動を可能にする役割を果たし、ポリエチレン、ポリプロピレンまたはポリエチレンとポリプロピレンとの複合フィルムからなることができるが、本発明は前記電極板およびセパレータの材質に限定されるものではない。
【0022】
このような電極組立体120は複数備えられて、実質的に電解液と共に前記カン110に収容される。前記電極組立体120は本実施形態において4つ示されているが、本発明は前記個数に限定されるものではない。前記電解液は、EC(ethylene carbonate)、PC(propylene carbonate)、DEC(diethyl carbonate)、EMC(ethyl methyl carbonate)、DMC(dimethyl carbonate)のような有機溶媒にLiPF
6、LiBF
4のようなリチウム塩からなることができる。また、前記電解液は、液体、固体またはゲル状であることができる。
【0023】
前記電極板が巻き取られて形成された電極組立体120は、活物質が塗布された領域であるコーティング部121、前記活物質が塗布されずに形成された無地部122を備える。また、前記無地部122は前記コーティング部121の両周縁に位置する。前記無地部122がそれぞれ第1電極および第2電極に対応し、前記電極組立体120が複数配列されると、前記電極組立体120は同一の電極の無地部122が同じ方向に位置するように整列する。また、前記無地部122に連結された一対の集電体130を通じて、2次電池の電極が形成される。
【0024】
このとき、前記無地部122は前記集電体130と溶接を通じて結合する。複数の電極組立体120が配列されて、複数の無地部122が形成された状態で、前記集電体130は前記無地部122と垂直方向(図面のz軸方向)に並んで位置した状態で溶接、結合される。したがって、複数の電極組立体120に形成された無地部122は前記集電体130によって相互間が電気的に連結されることができる。
【0025】
また、前記無地部122は前記集電体130と結合した以後、前記ダンピング部材140と結合する。前記ダンピング部材140は複数形成された前記無地部122の間に結合する。前記ダンピング部材140は一端が前記無地部122に接して形成され、他端は前記カン110に接して形成される。したがって、前記無地部122は前記ダンピング部材140によって前記カン110の内部で位置が固定されることができる。また、前記ダンピング部材140は前記集電体130を前記無地部122に圧着させるため、前記集電体130の位置も固定させることができる。
【0026】
前記集電体130は一対からなり、それぞれが一つの極性を有する無地部122に連結される。前記集電体130は、前記無地部122を通じて電極組立体120と連結され、前記キャッププレート160の外部に露出して電気的な信号の入出力経路を形成する。
【0027】
前記集電体130は、前記電極組立体120の長さ方向(
図1のx軸方向)と平行に形成されたボディー部131、前記ボディー部131から折り曲げられてほぼ垂直方向(
図1のz軸方向)に形成された折曲部132、前記折曲部132から延長して形成され、前記無地部122と結合される結合部133、前記ボディー部131から垂直方向(
図1のz軸方向)に突出して前記キャッププレート160の外部に露出する端子部134を含む。
【0028】
前記ボディー部131はほぼ平らな板状からなり、前記電極組立体120の長さに沿ってその上部に水平方向に形成される。前記ボディー部131は、配列された前記無地部122をカバーできる程度の幅を有する。
【0029】
前記折曲部132は、前記ボディー部131から垂直方向に折り曲げられて、前記無地部122に向かって並んで延長される。前記折曲部132は前記無地部122をカバーする幅を有する。
【0030】
前記結合部133は、複数(133a、133b、133c、133d)が形成され、前記折曲部132から垂直方向に延長形成される。前記結合部133は、前記無地部122の個数と同じ個数が備えられ、それぞれが前記無地部122と接しながら並んで延長される。つまり、前記結合部133の側面は前記無地部122の側面と接しながら並んで延長される。そして、前記結合部133は、二対の133aおよび133b、133cおよび133dをなし、一対の結合部(例えば、133a、133b)は一対の無地部122の内側に位置する。つまり、一対の前記結合部133a、133bは、一対の前記無地部122の向き合う内側面に接した状態で位置し、この状態で溶接を通じて前記無地部122と結合する。また、一対の前記結合部133a、133bは、前記無地部122と結合した以後、前記ダンピング部材140によって圧着される。前記ダンピング部材140が一対の前記結合部133a、133bを無地部122に向かって加圧することによって、一対の前記結合部133a、133bが前記無地部122と安定的に結合した状態を維持できる。
【0031】
前記端子部134は、前記ボディー部131から垂直方向(
図1のz軸方向)に突出して形成される。前記端子部134は、前記キャッププレート160の上部にさらに突出して、電極端子を形成することになる。また、前記端子部134は外周面にねじ山を備えているので、上部で結合するナット180と結合できる。前記端子部134は、前記ボディー部131と一体に形成されることができ、別途の構成を通じて結合することもできる。
【0032】
前記ダンピング部材140は、前記無地部122の長さ方向である垂直方向(
図1のz軸方向)に長さを有し、内部が中空である形状を有する。また、前記ダンピング部材140は、中間領域を中心に無地部122に向かう方向とカン110の内壁に向かう方向とにそれぞれ凸の曲面を有するように形成される。前記ダンピング部材140は複数個からなる前記無地部122の間に結合する。前記ダンピング部材140は弾性力を有するプラスチック材質からなり、前記ダンピング部材140は前記集電体の結合部133が前記無地部122に結合された以後、前記集電体130の結合部133の内側で結合する。つまり、前記ダンピング部材140は、一対の前記結合部133aおよび133b、133cおよび133dそれぞれの内側で一対の前記結合部それぞれを加圧しながら結合する。前記ダンピング部材140は弾性力を有する材質からなり、一端が前記無地部122に接し、他端は前記カン110の内壁に接して形成される。したがって、前記ダンピング部材140は前記無地部122を前記カン110の内部で固定し、前記電極組立体120および集電体130がカン110の内部で動くことを防止する。また、前記ダンピング部材140は、前記電極組立体120および集電体130が外部から衝撃を受けたり変形したりすることを防止できる。
【0033】
また、前記ダンピング部材140は内部にホールを有するように形成されて、前記カン110の内部で生成された排気ガスの流路を提供することができる。したがって、前記ダンピング部材140が設置されても、排気ガスの移動を制限しない。また、前記ダンピング部材140は前記ホールによって内側に弾性変形可能になり、前記電極組立体120および集電体130に伝達される衝撃を効率的に吸収することができる。
【0034】
より具体的に、前記ダンピング部材140は、前記無地部122に結合される第1領域141、前記集電体130を加圧する第2領域142、前記カン110の内壁に接するようになる第3領域143を含む。
【0035】
前記第1領域141は、前記無地部122に向かう方向に膨らむように形成された曲面を有し、一対の無地部122の間に接して形成される。したがって、前記無地部122は曲面形状と接するようになるので、前記ダンピング部材140によって破損しない。また、前記第1領域141は、前記無地部122の垂直長さ方向(
図1のz軸方向)に沿って長く形成され、前記無地部122と面接触をなしながら形成される。前記第1領域141は、弾性を利用して前記電極組立体120の動きに応じた無地部122の動きを効率的に防止でき、効果的に衝撃を吸収して外部衝撃が前記無地部122に伝達されないようにできる。
【0036】
前記第2領域142は前記第1領域141に一体に連結され、前記第1領域141より短い幅を有する。前記第2領域142は前記集電体130の結合部133と接しながら形成される。前記第2領域142は、弾性により前記結合部133を加圧し、その結果、前記結合部133は前記無地部122と分離せずに安定的に結合できる。また、前記第2領域142は、前記集電体130の結合部133が前記カン110の内部で動くことを防止し、外部衝撃が前記結合部133に伝達されることを防止することができる。
【0037】
前記第3領域143は、前記第2領域142に一体に連結され、前記第2領域142を基準に前記第1領域141と対称な形状からなる。前記第3領域143は前記カン110に向かう方向に凸の曲面を有する。前記第3領域143は、前記ダンピング部材140が前記無地部122および結合部133に結合した以後、前記カン110の内面と接することになる。前記第3領域143は、弾性を利用して、前記カン110と無地部122との間で生じる動きおよび衝撃を吸収することができる。したがって、前記第3領域143は、前記カン110の内部で前記電極組立体120および集電体130が安定的に固定されるようにする。
【0038】
前記第1絶縁部材150は前記集電体130の前記ボディー部131の上部に形成される。前記第1絶縁部材150は前記集電体130と前記キャッププレート160との間に形成される。前記第1絶縁部材150は前記集電体130とキャッププレート160とを電気的に絶縁させる。ただし、前記第1絶縁部材150は内部に端子ホールを備えているので、前記集電体130の端子部134が前記第1絶縁部材150を貫通して前記キャッププレート160の上部に露出できる。
【0039】
前記キャッププレート160は前記カン110の上部に形成されて前記カン110と結合する。前記キャッププレート160は前記カン110を密封して、前記カン110の内部の電解液が漏出することを防止する。前記キャッププレート160は、内部に端子ホールを備えて、前記集電体130の端子部134が前記端子ホールを貫通して前記キャッププレート160の上部に突出するようにできる。前記キャッププレート160は、一領域に電解液が注入されるための注入ホールと、電解液が注入された以後前記注入ホールを埋める注入栓161と、を含むことができる。また、前記キャッププレート160はほぼ中央に安全ベント162を含む。前記安全ベント162は過充電のような理由で、前記カン110の内部でガスが発生して前記カン110の内部の圧力が基準圧力より高くなると、前記キャッププレート160の他の部分より先に開放されて前記ガスを放出させることによって、内圧上昇に応じた爆発の危険性を減らすことができる。
【0040】
前記第2絶縁部材170は、前記キャッププレート160の上面に形成され、前記集電体130の端子部134の周りに形成される。前記第2絶縁部材170は前記キャッププレート160と端子部134とを電気的に絶縁させる。また、前記第2絶縁部材170は、前記キャッププレート160の上部で前記端子部134と結合される前記ナット180が前記キャッププレート160と電気的に絶縁するようにする。
【0041】
前記ナット180は前記端子部134の上部から結合する。前記ナット180は内部に形成されたねじ山を通じて前記端子部134のねじ山と結合する。前記ナット180は前記端子部134それぞれに締結されて、前記端子部134それぞれを前記キャッププレート160に固定させる。したがって、前記端子部134に結合している前記電極組立体120も前記カン110の内部で位置が固定される。また、前記電極組立体120の位置は前記ダンピング部材140によってさらに安定的に固定されるのは前述の通りである。
【0042】
前述のように、本発明の実施例による2次電池100は、電極組立体120とカン110との間に弾性を有するダンピング部材140を備えて、電極組立体120がカン110の内部で動くことを防止し、外部衝撃を吸収して電極組立体120に伝達されることを防止することができる。また、ダンピング部材140は、集電体130の結合部133が電極組立体120の無地部122に圧着されるように加圧することによって、集電体130が動くことを防止し衝撃を吸収することができる。また、ダンピング部材140は、内部にホールを備えて、カン110の内部で発生した排気ガスが移動できる流路を提供することによって安全を図ることができる。
【0043】
以上で説明したのは本発明による2次電池を実施するための一つの実施例に過ぎないのであって、本発明は前述した実施形態に何ら限定されるものではなく、以下の特許請求の範囲に記載するように本発明の要旨を逸脱しない範囲内において当該発明の属する分野で通常の知識を有する者であれば、誰でも多様な変更実施が可能な範囲まで本発明の技術的精神に含まれるとみなされる。
【符号の説明】
【0044】
100 2次電池
110 カン
120 電極組立体
122 無地部
130 集電体
134 端子部
140 ダンピング部材
141 第1領域
142 第2領域
143 第3領域
150 第1絶縁部材
160 キャッププレート
170 第2絶縁部材
180 ナット