【文献】
Woo Sik Yoo, et al.,Design of Multi-Wavelength Micro Raman Spectroscopy System and Its Semiconductor Stress Depth Profiling Applications,Applied Physics Express,2009年11月 6日,Vol.2,p.116502-1 - 11502-3
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記層に対して感度解析を実行して、前記選択された波長の関数として、前記層のうちどれが前記特性に対して感度の高い前記回折信号であるかを決定し、従って、前記選択された波長に応じて、前記再構築ステップにおいて層のどのサブセットを浮動パラメータで記述すべきかを決定する、請求項5に記載の方法。
連続した再構築の各々が回折信号を用いて実行され、前記回折信号が、前回の再構築での波長よりも長い選択された波長の検査放射から得られる、請求項5又は6に記載の方法。
前記プロセッサが、前記層に対して感度解析を実行して、前記選択された波長の関数として、前記層のうちどれが前記特性に対して感度の高い前記回折信号であるかを判定し、従って、前記選択した波長に応じて、前記再構築ステップにおいて層のどのサブセットを浮動パラメータによって記述すべきかを決定するように動作可能である、請求項11に記載の検査装置。
連続した再構築の各々が回折信号を用いて実行されるように動作可能であり、前記回折信号が、前回の再構築での波長よりも長い選択された波長の検査放射から得られる、請求項11又は12に記載の検査装置。
複数の層を含む構造を基板上に形成するように動作可能なリソグラフィ装置であって、前記構造の特性を測定するように動作可能な、請求項8〜13のいずれか1項に記載の検査装置を備える、リソグラフィ装置。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[0010]
図1は、本発明の一実施形態によるリソグラフィ装置を概略的に示したものである。この装置は、
放射ビームB(例えばUV放射又はDUV放射)を調節するように構成された照明システム(イルミネータ)ILと、
パターニングデバイス(例えばマスク)MAを支持するように構成され、特定のパラメータに従ってパターニングデバイスMAを正確に位置決めするように構成された第1のポジショナPMに接続された支持構造(例えばマスクテーブル)MTと、
基板(例えばレジストコートウェーハ)Wを保持するように構成され、特定のパラメータに従って基板Wを正確に位置決めするように構成された第2のポジショナPWに接続された基板テーブル(例えばウェーハテーブル)WTと、
パターニングデバイスMAによって放射ビームBに与えられたパターンを基板Wのターゲット部分C(例えば1つ以上のダイを含む)に投影するように構成された投影システム(例えば屈折投影レンズシステム)PLと、を備える。
【0012】
[0011] 照明システムは、放射を誘導し、整形し、又は制御するための、屈折型、反射型、磁気型、電磁型、静電型、又はその他のタイプの光学コンポーネント、あるいはそれらの任意の組合せなどの様々なタイプの光学コンポーネントを含むことができる。
【0013】
[0012] 支持構造は、パターニングデバイスを支持、すなわちその重量を支えている。支持構造は、パターニングデバイスの方向、リソグラフィ装置の設計等の条件、例えばパターニングデバイスが真空環境で保持されているか否かに応じた方法で、パターニングデバイスを保持する。この支持構造は、パターニングデバイスを保持するために、機械的、真空、静電気等のクランプ技術を使用することができる。支持構造は、例えばフレーム又はテーブルでよく、必要に応じて固定式又は可動式でよい。支持構造は、パターニングデバイスが例えば投影システムなどに対して確実に所望の位置にくるようにできる。本明細書において「レチクル」又は「マスク」という用語を使用した場合、その用語は、より一般的な用語である「パターニングデバイス」と同義と見なすことができる。
【0014】
[0013] 本明細書において使用する「パターニングデバイス」という用語は、基板のターゲット部分にパターンを生成するように、放射ビームの断面にパターンを付与するために使用し得る任意のデバイスを指すものとして広義に解釈されるべきである。ここで、放射ビームに付与されるパターンは、例えばパターンが位相シフトフィーチャ又はいわゆるアシストフィーチャを含む場合、基板のターゲット部分における所望のパターンに正確には対応しないことがある点に留意されたい。一般的に、放射ビームに付与されるパターンは、集積回路などのターゲット部分に生成されるデバイスの特定の機能層に相当する。
【0015】
[0014] パターニングデバイスは透過性又は反射性でよい。パターニングデバイスの例には、マスク、プログラマブルミラーアレイ、及びプログラマブルLCDパネルがある。マスクはリソグラフィにおいて周知のものであり、これには、バイナリマスク、レベンソン型(alternating)位相シフトマスク、ハーフトーン型(attenuated)位相シフトマスクのようなマスクタイプ、さらには様々なハイブリッドマスクタイプも含まれる。プログラマブルミラーアレイの一例として、小さなミラーのマトリクス配列を使用し、そのミラーは各々、入射する放射ビームを異なる方向に反射するよう個々に傾斜することができる。傾斜したミラーは、ミラーマトリクスによって反射する放射ビームにパターンを与える。
【0016】
[0015] 本明細書において使用する「投影システム」という用語は、例えば使用する露光放射、又は液浸液の使用や真空の使用などの他の要因に合わせて適宜、例えば屈折光学システム、反射光学システム、反射屈折光学システム、磁気光学システム、電磁気光学システム及び静電気光学システム、又はその任意の組合せを含む任意のタイプの投影システムを網羅するものとして広義に解釈されるべきである。本明細書において「投影レンズ」という用語を使用した場合、これはさらに一般的な「投影システム」という用語と同義と見なすことができる。
【0017】
[0016] 本明細書で示すように、本装置は透過タイプである(例えば透過マスクを使用する)。あるいは、装置は反射タイプでもよい(例えば上記で言及したようなタイプのプログラマブルミラーアレイを使用する、又は反射マスクを使用する)。
【0018】
[0017] リソグラフィ装置は、2つ(デュアルステージ)又はそれ以上の基板テーブル(及び/又は2つ以上のマスクテーブル)を有するタイプでよい。このような「マルチステージ」機械においては、追加のテーブルを並行して使用するか、1つ以上の他のテーブルを露光に使用している間に1つ以上のテーブルで予備工程を実行することができる。
【0019】
[0018] リソグラフィ装置は、投影システムと基板との間の空間を充填するように、基板の少なくとも一部を水などの比較的高い屈折率を有する液体で覆うことができるタイプでもよい。液浸液は、例えばマスクと投影システムの間など、リソグラフィ装置の他の空間に適用することもできる。液浸技術は、投影システムの開口数を増加させるために当技術分野で周知である。本明細書で使用する「液浸」という用語は、基板などの構造を液体に沈めなければならないという意味ではなく、露光中に投影システムと基板の間に液体が存在するというほどの意味である。
【0020】
[0019]
図1を参照すると、イルミネータILは放射源SOから放射ビームを受ける。放射源とリソグラフィ装置とは、例えば放射源がエキシマレーザである場合に、別々の構成要素であってもよい。このような場合、放射源はリソグラフィ装置の一部を形成すると見なされず、放射ビームは、例えば適切な誘導ミラー及び/又はビームエクスパンダなどを備えるビームデリバリシステムBDの助けにより、放射源SOからイルミネータILへと渡される。他の事例では、例えば放射源が水銀ランプの場合は、放射源がリソグラフィ装置の一体部分であってもよい。放射源SO及びイルミネータILは、必要に応じてビームデリバリシステムBDとともに放射システムと呼ぶことができる。
【0021】
[0020] イルミネータILは、放射ビームの角度強度分布を調整するためのアジャスタADを備えていてもよい。一般に、イルミネータILの瞳面における強度分布の外側及び/又は内側半径範囲(一般にそれぞれ、σ−outer及びσ−innerと呼ばれる)を調節することができる。また、イルミネータILは、インテグレータIN及びコンデンサCOなどの他の種々のコンポーネントを備えていてもよい。イルミネータILを用いて放射ビームを調節し、その断面にわたって所望の均一性と強度分布とが得られるようにしてもよい。
【0022】
[0021] 放射ビームBは、支持構造(例えば、マスクテーブルMT)上に保持されたパターニングデバイス(例えば、マスクMA)に入射し、パターニングデバイスによってパターン形成される。マスクMAを横断した放射ビームBは、投影システムPLを通過し、投影システムPLは、ビームを基板Wのターゲット部分C上に合焦させる。第2のポジショナPW及び位置センサIF(例えば、干渉計デバイス、リニアエンコーダ、2−Dエンコーダ又は容量センサ)の助けにより、基板テーブルWTを、例えば様々なターゲット部分Cを放射ビームBの経路に位置決めするように正確に移動させることができる。同様に、第1のポジショナPMと別の位置センサ(
図1には明示されていない)を用いて、マスクライブラリからの機械的な取り出し後又はスキャン中などに放射ビームBの経路に対してマスクMAを正確に位置決めすることができる。一般に、マスクテーブルMTの移動は、第1のポジショナPMの部分を形成するロングストロークモジュール(粗動位置決め)及びショートストロークモジュール(微動位置決め)の助けにより実現することができる。同様に、基板テーブルWTの移動は、第2のポジショナPWの部分を形成するロングストロークモジュール及びショートストロークモジュールを用いて実現することができる。ステッパの場合(スキャナとは対照的に)、マスクテーブルMTをショートストロークアクチュエータのみに接続するか、又は固定してもよい。マスクMA及び基板Wは、マスクアライメントマークM1、M2及び基板アライメントマークP1、P2を使用して位置合わせすることができる。図示のような基板アライメントマークは、専用のターゲット部分を占有するが、ターゲット部分の間の空間に位置してもよい(スクライブレーンアライメントマークとして周知である)。同様に、マスクMA上に複数のダイを設ける状況では、マスクアライメントマークをダイ間に配置してもよい。
【0023】
[0022] 図示のリソグラフィ装置は、以下のモードのうち少なくとも1つにて使用可能である。
1.ステップモードにおいては、支持構造MT及び基板テーブルWTは、基本的に静止状態に維持される一方、放射ビームに付与されたパターン全体が1回でターゲット部分Cに投影される(すなわち単一静的露光)。次に、別のターゲット部分Cを露光することができるように、基板テーブルWTがX方向及び/又はY方向に移動させられる。ステップモードでは、露光フィールドの最大サイズによって、単一静的露光で像が形成されるターゲット部分Cのサイズが制限される。
2.スキャンモードでは、支持構造MT及び基板テーブルWTは同期的にスキャンされる一方、放射ビームに付与されるパターンがターゲット部分に投影される(すなわち単一動的露光)。支持構造MTに対する基板テーブルWTの速度及び方向は、投影システムPLの拡大(縮小)及び像反転特性によって求めることができる。スキャンモードでは、露光フィールドの最大サイズによって、単一動的露光におけるターゲット部分の(非スキャン方向における)幅が制限され、スキャン動作の長さによってターゲット部分の(スキャン方向における)高さが決まる。
3.別のモードでは、支持構造MTはプログラマブルパターニングデバイスを保持して基本的に静止状態に維持され、基板テーブルWTを移動又はスキャンさせながら、放射ビームに与えられたパターンをターゲット部分Cに投影する。このモードでは、一般にパルス状放射源を使用して、基板テーブルWTを移動させる毎に、又はスキャン中に連続する放射パルスの間で、プログラマブルパターニングデバイスを必要に応じて更新する。この動作モードは、以上で言及したようなタイプのプログラマブルミラーアレイなどのプログラマブルパターニングデバイスを使用するマスクレスリソグラフィに容易に利用できる。
【0024】
[0023] 上述した使用モードの組合せ及び/又は変形、若しくは、全く異なる使用モードも利用することができる。
【0025】
[0024]
図2に示すように、リソグラフィ装置LAはリソグラフィセルLCの一部を形成する。リソグラフィセルLCはリソセル(lithocell)又はクラスタと呼ばれることもあり、基板に露光前プロセス及び露光後プロセスを実行する装置も含む。従来、これらには、レジスト層を堆積させるためのスピンコータSC、露光したレジストを現像するためのデベロッパDE、チルプレート(chill plate)CH及びベークプレート(bake plate)BKが含まれる。基板ハンドラすなわちロボットROは、入出力ポートI/O1、I/O2から基板を取り出し、それらを上記の様々なプロセス装置間で移動させた後、リソグラフィ装置のローディングベイLBに引き渡す。これらのデバイスは、まとめてトラックと称されることも多く、トラック制御ユニットTCUの制御下にある。TCU自体は監督制御システムSCSによって制御され、SCSはリソグラフィ制御ユニットLACUを介してリソグラフィ装置も制御する。従って、上記の様々な装置はスループット及び処理効率を最大化するように動作させることができる。
【0026】
[0025] リソグラフィ装置によって露光される基板の正確かつ一貫した露光のために、露光済みの基板を検査して、連続する層と層との間のオーバーレイエラー、ラインの太さ、クリティカルディメンション(CD)等の特性を測定することが望ましい。エラーが検出されたら、特に同一バッチ内の他の基板が露光されないうちに充分に迅速な検査をすぐに実行可能である場合は、後続基板の露光に対して調整を行うことができる。また、すでに露光済みの基板を歩留まり改善のために剥離して再加工するか、又は廃棄することで、不良であるとわかった基板に対する露光の実行を回避することができる。1枚の基板のいくつかのターゲット部分のみが不良である場合は、良好なターゲット部分にのみ更に露光を実行することができる。
【0027】
[0026] 基板の特性を明らかにするため、特に、異なる基板又は同一の基板の異なる層の特性にどのくらい層間のばらつきがあるかを明らかにするため、検査装置が用いられる。検査装置は、リソグラフィ装置LA又はリソセルLCに一体化されるか、又は、独立型のデバイスとすることができる。最も迅速な測定を可能とするため、検査装置は、露光されたレジスト層の特性を露光直後に測定することが望ましい。しかしながら、レジストの潜像のコントラストは極めて小さい。すなわち、放射に露光されたレジスト部分と露光されていない部分との間の屈折率には極めて小さな差しかなく、また、全ての検査装置が潜像の有用な測定を行うのに充分な感度を有するわけではない。従って、測定は、露光後ベークステップ(PEB)の後に実行してもよい。露光後ベークステップは、慣例的に、露光された基板に対して実行する最初のステップであり、レジストの露光部分と非露光部分とのコントラストを増大させる。この段階におけるレジストの像を半潜像(semi−latent)と称することができる。また、レジストの露光部分又は非露光部分のいずれかを除去した時点で、又はエッチング等のパターン転写ステップの後に、現像済みのレジスト像を測定することも可能である。後者の可能性は、不良の基板を再加工する可能性を抑制し、それでもなお有用な情報を与えることができる。
【0028】
[0027]
図3は、本発明において使用可能なスキャトロメータを示す。これは、基板W上に放射を投影する広帯域(白色光)放射プロジェクタ2を備えている。反射した放射は分光検出器4に送られ、これは鏡面反射した放射のスペクトル10(波長の関数としての強度)を測定する。このデータから、検出されたスペクトルを生じさせる構造又はプロファイルを、処理ユニットPUにより、例えば厳密結合波解析(RCWA:Rigorous Coupled Wave Analysis)及び非線形回帰によって、又はシミュレーションしたスペクトルのライブラリとの比較によって、
図3の下部に示すように再構築することができる。一般に、再構築では、構造の概略的な形態は既知であり、構造が作成されたプロセスの知識からいくつかのパラメータが推定されるので、スキャトロメータのデータから決定すべき構造パラメータは少数だけである。そのようなスキャトロメータは、垂直入射スキャトロメータ又は斜め入射スキャトロメータとして構成することができる。
【0029】
[0028]
図4に、本発明と共に使用可能な別のスキャトロメータを示す。このデバイスでは、放射源2が発した放射は、レンズシステム12を用いてコリメートされ、干渉フィルタ13及び偏光子17を透過し、部分反射面16によって反射され、開口数(NA)の大きい顕微鏡対物レンズ15を介して基板W上に集束される。レンズ15の開口数は、好ましくは少なくとも0.9であり、更に好ましくは少なくとも0.95である。液浸スキャトロメータでは、1より大きい開口数のレンズを有する場合もある。その後、散乱スペクトルを検出するため、反射された放射は部分反射面16を透過して検出器18に到達する。検出器は、レンズシステム15の焦点距離に位置する後側投影瞳面11内に配置することができるが、この代わりに瞳面を補助光学部品(図示せず)によって検出器上に再結像することも可能である。瞳面とは、放射の半径方向位置が入射角を規定し、角度位置が放射の方位角を規定する面である。検出器は好ましくは、基板ターゲット30の2次元角度散乱スペクトルを測定可能な2次元検出器である。検出器18は、例えばCCD又はCMOSセンサのアレイとすることができ、例えばフレーム当たり40ミリ秒の積分時間を用いることができる。
【0030】
[0029] 例えば入射する放射の強度を測定するために、基準ビームが用いられることが多い。これを行うため、放射ビームがビームスプリッタ16に入射すると、その一部を基準ビームとしてビームスプリッタを透過させ、基準ミラー14に向かわせる。この基準ビームを次いで同一検出器18の異なる部分上に、あるいは異なる検出器(図示せず)上に投影させる。
【0031】
[0030] 1組の干渉フィルタ13を用いて、例えば200〜300nm等、405〜790nm又はそれ以下の範囲内で対象の波長を選択することができる。この干渉フィルタは、1組の異なるフィルタで構成するのではなく、調整可能とすることができる。干渉フィルタの代わりに格子を用いてもよい。
【0032】
[0031] 検出器18は、単一の波長(又は狭い波長範囲)における散乱光の強度を測定するか、多数の波長でそれぞれに、もしくはある波長範囲についてまとめて強度を測定することができる。更に、検出器は、TM偏光及びTE偏光の強度を別個に測定すること、及び/又は、TM偏光とTE偏光との位相差を測定することも可能である。
【0033】
[0032] 基板W上のターゲット30は1D格子とすることができ、これは印刷されると現像後に実線のレジストラインからバーが形成される。ターゲット30は2D格子とすることも可能であり、これは印刷されると現像後にレジストの中実の柱又はビアから格子が形成される。あるいは、バー、柱、又はビアを基板にエッチングしてもよい。このパターンは、リソグラフィ投影装置、特に投影システムPL内の色収差に対して敏感であり、照明の対称性及びそのような収差の存在は、印刷された格子の変化として顕在化する。従って、印刷された格子のスキャトロメトリデータを用いて格子を再構築する。線幅及び形状のような1D格子のパラメータ、又は柱もしくはビアの幅もしくは長さもしくは形状のような2D格子のパラメータを、印刷ステップ及び/又は他のスキャトロメータプロセスの知識から、処理ユニットPUにより実行される再構築プロセスに入力することができる。
【0034】
[0033] 上述のように、ターゲットは基板の表面上にある。このターゲットは多くの場合、格子における一連のライン又は2Dアレイにおける実質的に矩形の構造という形状である。メトロロジにおける厳密光回折理論の目的は事実上、ターゲットから反射される回折スペクトルの計算である。換言すると、CD(クリティカルディメンション)均一性及びオーバーレイメトロロジのためにターゲット形状情報を得る。オーバーレイメトロロジは、基板上の2つの層が位置合わせされているか否かを判定するために2つのターゲットのオーバーレイを測定する測定システムである。CD均一性は、リソグラフィ装置の露光システムがどれほど機能しているかを判定するために、単にスペクトルにおける格子の均一性を測定することである。具体的には、CDすなわちクリティカルディメンションは、基板上に「書かれた」オブジェクトの幅であり、リソグラフィ装置が物理的に基板上に書くことができる限界である。
【0035】
[0034] 上述のスキャトロメータの1つを、ターゲット30等のターゲット構造のモデリング及びその回折特性と組み合わせて用いて、構造の形状又は他のパラメータの測定を多数の方法で実行することができる。
図5に表す第1のタイプのプロセスでは、ターゲット形状(第1の候補構造)の第1の推定値に基づいた回折パターンを計算し、観察された回折パターンと比較する。次いでモデルのパラメータを体系的に変動させ、一連の繰り返しで回折を再計算して、新しい候補構造を生成する。このようにして最良の適合に到達する。
図6に表す第2のタイプのプロセスでは、多くの異なる候補構造について回折スペクトルを予め計算して、回折スペクトルの「ライブラリ」を生成する。次に測定ターゲットから観察された回折パターンを、計算したスペクトルのライブラリと比較して、最良の適合を見出す。双方の方法を共に用いることができる。すなわち、ライブラリから粗い適合を取得し、その後に繰り返しプロセスによって最良の適合を見出すことができる。
【0036】
[0035]
図5を更に詳しく参照すると、ターゲット形状及び/又は材料特性の測定を実行する方法が要約して記載されている。この記載では、ターゲットは1方向にのみ周期的である(1−D構造)と想定する。これは実際には、2方向又は3方向に周期的である(2次元又は3次元構造)場合があり、それに応じて処理を適合させる。
【0037】
[0036] 502:上述したもののようなスキャトロメータを用いて、基板上の実際のターゲットの回折パターンを測定する。この測定した回折パターンをコンピュータ等の計算システムに転送する。計算システムは、先に言及した処理ユニットPUとすることができ、又は、別個の装置としてもよい。
【0038】
[0037] 503:多数のパラメータpi(p1、p2、p3等)によってターゲット構造のパラメータ化モデルを定義する「モデルレシピ」を確立する。これらのパラメータは例えば、1D周期構造における側壁の角度、フィーチャの高さ又は奥行、フィーチャの幅を表現することができる。ターゲット材料及びその下にある層の特性も、(スキャトロメータ放射ビーム内に存在する特定の波長での)屈折率等のパラメータによって表される。以下に具体的な例を示す。重要なことは、ターゲット構造は、形状及び材料特性を記述する数十のパラメータによって規定され得るが、以下のプロセスステップの目的のため、モデルレシピではそれらの多くが固定値を有すると定義し、その他のものが可変又は「浮動」パラメータとなる点である。また、固定パラメータと浮動パラメータとの間で選択を行うプロセスについて以下で説明する。更に、パラメータを完全に独立した浮動パラメータとせずに変動することを可能とする方法も紹介する。
図5を説明する目的のため、唯一の可変パラメータはパラメータpiであると見なす。
【0039】
[0038] 504:浮動パラメータ(すなわちp1(0)、p2(0)、p3(0)等)について初期値pi(0)を設定することで、モデルターゲット形状を推定する。各浮動パラメータは、レシピに定義したような特定の所定範囲内で生成する。
【0040】
[0039] 506:例えばRCWA等の厳密光学回折方法又はマクスウェル方程式の他のいずれかの解法を用いて、推定した形状を表すパラメータを、モデルの異なる要素の光学特性と共に用いて、散乱特性を計算する。これによって、推定したターゲット形状の推定又はモデル回折パターンが与えられる。
【0041】
[0040] 508、510:次に、測定した回折パターンとモデル回折パターンとを比較し、それらの類似点及び相違点を用いてモデルターゲット形状の「メリット関数」を計算する。
【0042】
[0041] 512:メリット関数によって、モデルが実際のターゲット形状を正確に表現する前に改善の必要があることが示されると想定して、新しいパラメータp1(1)、p2(1)、p3(1)等を推定してステップ506に繰り返しフィードバックする。ステップ506〜512を反復する。
【0043】
[0042] 検索を支援するため、ステップ506の計算では、メリット関数の偏導関数を更に生成することができる。この偏導関数は、パラメータ空間のこの特定の領域内で、パラメータを増大又は低減させた場合にメリット関数が増大又は低減する感度を示す。メリット関数の計算及び導関数の使用は、一般に当技術分野において既知であり、ここでは詳細に説明しない。
【0044】
[0043] 514:メリット関数によって、この繰り返しプロセスが所望の精度の解に収束したことが示されたら、今回推定したパラメータを実際のターゲット構造の測定値として報告する。
【0045】
[0044] この繰り返しプロセスの計算時間を決定するのは主として、使用する前方回折モデル、すなわち推定したターゲット構造からの厳密光学回折理論を用いた推定モデル回折パターンの計算である。より多くのパラメータが必要である場合、自由度が多くなる。計算時間は原則として自由度の数の累乗と共に増大する。506で計算される推定又はモデル回折パターンは、様々な形態で表現することができる。ステップ502で生成した測定パターンと同一の形態で計算パターンを表現する場合、比較が簡単になる。例えば、モデル化スペクトルは、
図3の装置によって測定したスペクトルと容易に比較することができ、モデル化瞳パターンは、
図4の装置によって測定した瞳パターンと容易に比較することができる。
【0046】
[0045]
図5以降の本記載全体を通して、「回折パターン」という用語は、
図4のスキャトロメータを使用するという想定のもとに用いる。当業者は、異なるタイプのスキャトロメータに、更には他のタイプの測定機器にも、本教示を容易に適合することができる。
【0047】
[0046]
図6は、様々な推定ターゲット形状(候補構造)の複数のモデル回折パターンを予め計算してライブラリに記憶し、実際の測定値との比較を行う、代替的な例示のプロセスを示す。基礎にある原理及び用語は
図5のプロセスと同じである。
図6のプロセスのステップは以下の通りである。
【0048】
[0047] 602:ライブラリを生成するプロセスが開始する。各ターゲット構造タイプについて別々のライブラリを生成することができる。ライブラリは、必要に応じて測定装置のユーザが生成するか、又は装置の供給者が予め生成することができる。
【0049】
[0048] 603:多数のパラメータpi(p1、p2、p3等)によってターゲット構造のパラメータ化モデルを定義する「モデルレシピ」を確立する。ここでの検討は、繰り返しプロセスの503におけるものと同様である。
【0050】
[0049] 604:例えば、全てのパラメータのランダム値を、それぞれに予想される値範囲内で生成することによって、第1のセットのパラメータp1(0)、p2(0)、p3(0)等を生成する。
【0051】
[0050] 606:上記のパラメータによって表されるターゲット形状から予想される回折パターンを表すモデル回折パターンを計算して、ライブラリに記憶する。
【0052】
[0051] 608:新しいセットの形状パラメータp1(1)、p2(1)、p3(1)等を生成する。記憶されたモデル化回折パターンを全て含むライブラリが充分に完了したと判断されるまで、ステップ606〜608を数十回、数百回、又は数千回繰り返す。記憶されたパターンの各々は、多次元パラメータ空間におけるサンプルポイントを表す。ライブラリ内のサンプルはサンプル空間を充分な密度でポピュレートして(populate)、あらゆる実際の回折パターンが充分近くで表されるようにする。
【0053】
[0052] 610:ライブラリの生成後(生成前であってもよい)、実際のターゲット30をスキャトロメータに配置し、その回折パターンを測定する。
【0054】
[0053] 612:測定したパターンをライブラリに記憶されたモデル化パターンと比較して、最良の合致パターンを見出す。この比較はライブラリ内の全てのサンプルについて行ってもよく、又は、より体系的な検索戦略を用いることで計算の負荷を軽減してもよい。
【0055】
[0054] 614:合致が見出されたら、その合致ライブラリパターンの生成に用いた推定ターゲット形状を近似オブジェクト構造として決定することができる。合致サンプルに対応する形状パラメータを測定形状パラメータとして出力する。合致プロセスはモデル回折信号に対して直接実行するか、又は、高速評価のために最適化した代理モデルに対して実行することができる。
【0056】
[0055] 616:任意選択として、最も近い合致サンプルを開始点として使用し、改良プロセスを用いて報告用の最終パラメータを得る。この改良プロセスは、例えば
図5に示すものに極めて類似した繰り返しプロセスを備えることができる。
【0057】
[0056] 改良ステップ616が必要であるか否かは、実施者の好みの問題である。ライブラリが極めて高密度にサンプリングされている場合は、良好な合致が常に見出されるので、繰り返しによる改良は必要ないことがある。一方で、そのようなライブラリは実用のためには大きすぎる可能性がある。従って、現実的な解決策は、粗いパラメータセットについてはライブラリ検索を用い、その後でメリット関数を用いて1つ以上の繰り返しを行っていっそう正確なパラメータセットを決定することにより、所望の精度のターゲット基板のパラメータを報告することである。追加的な繰り返しを実行する場合、計算した回折パターン及び関連する改良パラメータセットをライブラリの新しいエントリとして追加するという任意選択肢がある。このように、最初は比較的少量の計算作業に基づくライブラリを用いることができるが、これは改良ステップ616の計算作業によってより大きいライブラリへと構築される。どのスキームを用いる場合であっても、多数の候補構造の合致の良好性に基づいて、報告する可変パラメータの1つ以上の値を更に改良することができる。例えば、2つ以上の候補構造の双方又は全てが高い合致スコアを有するという想定のもとに、それらの候補構造のパラメータ値間の内挿によって、最終的に報告するパラメータ値を生成することができる。
【0058】
[0057] この繰り返しプロセスの計算時間を決定するのは主として、ステップ506及び606の前方回折モデル、すなわち推定したターゲット構造からの厳密光学回折理論を用いた推定モデル回折パターンの計算である。
【0059】
[0058] 半導体構造には、様々な層のスタックを備えたものがある。例えば3D−NANDフラッシュメモリ(垂直NANDフラッシュメモリとしても知られる)は、メモリセルが垂直に積層されて層スタックを形成するメモリアーキテクチャである。個々のメモリセルは、多数の同心垂直円筒が埋め込まれた孔を含む1つの平面ポリシリコン層から構成することができる。孔のポリシリコン表面はゲート電極として機能する。最も外側の酸化物円筒はゲート誘電体として機能し、電荷を蓄積するシリコン窒化物円筒を囲んでいる。シリコン窒化物円筒は、トンネル誘導体としての酸化物円筒を囲んでいる。酸化物円筒は、伝導チャネルとして機能する伝導ポリシリコンの中央ロッドを取り囲んでいる。
【0060】
[0059] 層スタックは、第1の材料と第2の材料とが交互に重なった層の多層反復構造を含むことができる。各層対は10回超繰り返される。各層対は20回超又は30回超繰り返してもよい。特定の例では、各層対は約32回繰り返される。これらの層を成長させた後、層スタックに、約1:50の極めて高いアスペクト比で孔(チャネル)をエッチングする。良好なデバイス性能を得るため、層厚及び孔のプロファイルの良好な制御が重要である。これには、層厚及びエッチングした孔の計測が必要である。
【0061】
[0060] 層及び孔の計測は、断面走査型電子顕微鏡検査(SEM)を用いて実行可能であるが、これは時間がかかり、かつ破壊的である。光学クリティカルディメンションスキャトロメトリ及び偏光解析法のような他の技法は破壊的でないものの、その測定データは、スタック内の個々の層を測定するには情報内容が不充分である。
【0062】
[0061] ある種の材料は、吸収する放射の波長に応じて吸収レベルが決まる吸収特性を有する。そのような1つの材料を層スタック内に含めることができる。1つの実施形態では、層スタックは、こういった吸収特性を有する第1の材料を含み、これが第2の材料と交互に配置される。例えば、第1の材料はポリシリコンであり、第2の材料は酸化物であり得る(例えば二酸化シリコン)。ポリシリコンの具体的な例では、検査に用いる放射の波長が長くなると、層スタックに入射する放射の侵入深さが徐々に大きくなって、より多くの層を見ることができる。これらの技法が吸収膜に対して最も効果的に機能することは認められよう。
【0063】
[0062] この結果、計測技法を用いて層スタック内の層の物理特性を測定することができる。そのような技法は、層スタックを検査放射で照明することと、これにより得られた回折信号を検出することと、を含み得る。この測定を、様々な波長の検査放射を用いて繰り返すことにより、様々な層の物理特性を測定することができる。従って、様々な波長の検査放射を用いて測定を行うことで、層スタック内に含まれる層のサブセットを個別に測定することができる。一実施形態では、測定対象となるのは、第2の材料を含む層の物理特性である。各サブセットは、単一の層又は2つ以上の層を含み得る。2つ以上の層を含む場合、各サブセットは、例えば第2の材料のような1つの材料の隣接層のグループを(例えば)含むことができる。
【0064】
[0063]
図7は、検査放射の波長(λ、垂直方向)及び層のインデックス(L、水平方向)の関数として、第2の材料(この例では酸化物)層の厚さについて計算した感度を示す感度グラフである。図示する具体的な例では、層スタックには32の酸化物層(L=1〜32)が含まれ、層スタックは、400nmから800nmまで50nm間隔の波長の検査放射を用いて検査される。
【0065】
[0064] 四角形が空白である箇所では、その波長の検査放射は層スタックのより上のレベルですでに吸収されているため、検査放射を用いて検査した場合、対応する酸化物層では計算される感度が存在しないか又は不充分である。四角形が瞳パターンを示す箇所では、酸化物層はそのレベルで検査放射に対して感度が高く、再構築技法を用いることで
図5及び
図6を参照して説明したのと同様に酸化物層をモデル化することができる。これらの再構築技法では、浮動パラメータは、最も下の(充分に)感度の高い層(複数の層)を記述するものが選択され、他の層のパラメータは固定することができる。この場合、最も下とは、(上方の)照明される表面を基準としている。
【0066】
[0065] 最も短い波長(この例ではλ=400nm)では、回折信号は、層スタックの最も上の2層のみの物理特性に対して感度が高い。従って、この波長λの検査放射の使用から得られた回折パターンに対応する構造の再構築は、これら最も上の2層を記述する浮動パラメータのみを有し得る。波長λが徐々に長くなると、より多くの層Lが感度を示し始める。この特性は、層の相関関係を壊す(無相関化(decorrelate))ことによって有効に利用できる。これは、再構築中に意味のある結果を得るのに充分な感度を示す最も下の層(の関連する物理特性)のみを「浮動」とする、すなわち浮動パラメータによって記述することにより行われる。浮動でない層は固定されている、すなわち固定パラメータによって記述される。固定パラメータで記述される層は、これらの層が浮動パラメータで記述されていた以前の再構築で(すなわちそれらが最も下の高感度層であった際に)計算した値を用いることができる。あるいは、他の方法又は判断基準に従って固定パラメータを推定又は計算してもよい。
【0067】
[0066] 上記の一例として、基本的な再構築スキームの最初の3つのステップは以下を含み得る。
・λ=400nmの放射を用いた構造の検査。酸化物層1及び2の再構築。
・λ=450nmの放射を用いた構造の検査。層1及び2については以前のステップ(λ=400nm)の結果を用いて固定に維持しつつ、酸化物層3の再構築を行う。
・λ=500nmの放射を用いた構造の検査。層1、2、3については以前のステップ(λ=450nm)の結果を用いて固定に維持しつつ、酸化物層4及び5の再構築を行う。
【0068】
[0067] これらのステップを各波長について同様に繰り返す。それぞれの場合で、新たな高感度層の1つ以上(すなわち最も下の高感度層)のみを再構築し、すでに再構築した層については以前の再構築(複数の再構築)の結果を用いる。これを、全ての層を再構築する(又は別の判断基準を満たす)まで続ける。上記のようなステップの順序は説明のために示したに過ぎない。実際には、全ての検査ステップを最初に実行し、その後に全ての再構築ステップを実行する可能性がある。また、照明ステップにおいて多波長の光を用いてもよい。
【0069】
[0068] 初期感度解析を実行して、使用する照明放射の波長に基づいて「浮動」とし得る層(複数の層)を明らかにすると共に、その波長の照明放射に対して不充分な感度を示すために「固定」に維持すべき層を明らかにすることも可能である。
【0070】
[0069] この具体的な手法は、純粋に一例として与えられるものであり、エラー伝搬に対して敏感であるはずである。しかしながら、より洗練されたアルゴリズムを用いてロバスト性を向上させることも可能である。
【0071】
[0070] この基本的な概念は、測定対象の物理特性が高アスペクト比の孔の寸法(CD)となるように拡張することができる。これは基本的に、膜厚計測について上述したものと同じ手法を用い、再構築パラメータ(固定及び浮動の双方)は層厚の代わりに孔のCDを記述する。物理特性は層厚又は孔CD以外のパラメータとしてもよい。
【0072】
[0071] 本文ではICの製造におけるリソグラフィ装置の使用に特に言及しているが、本明細書で説明するリソグラフィ装置には他の用途もあることを理解されたい。例えば、これは、集積光学システム、磁気ドメインメモリ用誘導及び検出パターン、フラットパネルディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッドなどの製造である。こうした代替的な用途に照らして、本明細書で「ウェーハ」又は「ダイ」という用語を使用している場合、それぞれ、「基板」又は「ターゲット部分」という、より一般的な用語と同義と見なしてよいことが、当業者には認識される。本明細書に述べている基板は、露光前又は露光後に、例えばトラック(通常はレジストの層を基板に塗布し、露光したレジストを現像するツール)、メトロロジーツール及び/又はインスペクションツールで処理することができる。適宜、本明細書の開示は、以上及びその他の基板処理ツールに適用することができる。さらに基板は、例えば多層ICを生成するために、複数回処理することができ、したがって本明細書で使用する基板という用語は、既に複数の処理済み層を含む基板も指すことができる。
【0073】
[0072] 光リソグラフィの分野での本発明の実施形態の使用に特に言及してきたが、本発明は文脈によってはその他の分野、例えばインプリントリソグラフィでも使用することができ、光リソグラフィに限定されないことを理解されたい。インプリントリソグラフィでは、パターニングデバイス内のトポグラフィが基板上に作成されたパターンを画定する。パターニングデバイスのトポグラフィは基板に供給されたレジスト層内に刻印され、電磁放射、熱、圧力又はそれらの組合せを印加することでレジストは硬化する。パターニングデバイスはレジストから取り除かれ、レジストが硬化すると、内部にパターンが残される。
【0074】
[0073] 本明細書で使用する「放射」及び「ビーム」という用語は、イオンビーム又は電子ビームなどの粒子ビームのみならず、紫外線(UV)放射(例えば、365nm、355nm、248nm、193nm、157nm若しくは126nm、又はこれら辺りの波長を有する)及び極端紫外線光(EUV)放射(例えば、5nm〜20nmの範囲の波長を有する)を含むあらゆるタイプの電磁放射を網羅する。
【0075】
[0074] 「レンズ」という用語は、状況が許せば、屈折、反射、磁気、電磁気及び静電気光学コンポーネントを含む様々なタイプの光学コンポーネントのいずれか一つ、又はその組合せを指すことができる。
【0076】
[0075] 以上、本発明の特定の実施形態を説明したが、説明とは異なる方法でも本発明を実践できることが理解される。例えば、本発明は、上記で開示したような方法を述べる機械読み取り式命令の1つ以上のシーケンスを含むコンピュータプログラム、又はこのようなコンピュータプログラムを内部に記憶したデータ記憶媒体(例えば半導体メモリ、磁気又は光ディスク)の形態をとることができる。
【0077】
[0076] 上記の説明は例示的であり、限定的ではない。したがって、請求の範囲から逸脱することなく、記載されたような本発明を変更できることが当業者には明白である。