(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
追加の賦形剤は、崩壊剤、流動剤、滑沢剤、および/または希釈剤からなる群から選択され、調整工程(iv)の間、および/または均一化工程(v)の間に添加することができる、請求項11に記載の方法。
追加の賦形剤は、少なくとも1種の崩壊剤を含み、その少なくとも1種の崩壊剤の一部を、工程(i)の間に混合物に導入することもできる、請求項11または12に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の一目的は、用量5〜500mgのフェキソフェナジンおよび/または少なくとも1種の薬学的に許容されるその塩を含む固形単位であって、その組成が、
− 場合により少なくとも1種の他の活性成分と組み合わせた、45重量%〜92重量%のフェキソフェナジンおよび/または少なくとも1種の薬学的に許容されるその塩と、
− 熱溶融性賦形剤が約35℃以上および約115℃以下の融点またはガラス転移温度を有する、4重量%〜20重量%の熱溶融性賦形剤または熱溶融性賦形剤の混合物と、
− 4重量%〜50重量%の1種の追加の賦形剤または複数種の追加の賦形剤(またはそれらの混合物)
であり、それらの重量パーセントが、該組成の総重量に対して表され、それらの各成分の重量パーセントの合計が100%に達する必要がある、
前記固形単位である。
【0016】
本出願において、特に明記されていなければ、示す値の範囲は、限界を含むものであると解することに留意されたい。
【0017】
好ましくは、固形単位は、用量25〜300mg、より好ましくは、特に用量30mg、60mg、120mgまたは180mgのフェキソフェナジンおよび/または少なくとも1種の薬学的に許容されるその塩を含む。
【0018】
有利には、フェキソフェナジンは、塩、すなわち、前述の式(I)で示されるフェキソフェナジン塩酸塩の形態で組成物に存在する。この塩は、前記塩の水和の度合いに応じて、3つの異なる形態で存在する。好ましくは、フェキソフェナジン塩酸塩は、形態I、すなわち、無水形態である。
【0019】
好ましくは、フェキソフェナジンおよび/または少なくとも1種の薬学的に許容されるその塩、例えば、フェキソフェナジン塩酸塩の重量パーセントは、65%〜92%の間、より好ましくは68重量%〜92重量%の間、さらに好ましくは70重量%〜92重量%の間である。代替的な好ましい一実施形態によれば、フェキソフェナジンおよび/または少なくとも1種の薬学的に許容されるその塩、例えば、フェキソフェナジン塩酸塩の重量パーセントは、50%〜92%の間、より好ましくは55%〜92%の間、さらに好ましくは60%〜92%の間である。
【0020】
本出願において、「賦形剤」という用語は、薬の調製および投与を容易にする、不活性のまたは薬理作用を示さない物質を包含する。
【0021】
本出願において、2つの主要なタイプの賦形剤は、熱溶融経路によって活性成分の粒状物を形成するのに使用される熱溶融性賦形剤と、固形単位の特性を高めるために、または固形単位を製造するための方法の実施を容易にするために使用される追加の賦形剤とに区別される。
【0022】
「4重量%〜50重量%の複数種の追加の賦形剤(またはそれらの混合物)」という表現は、4%〜50%の含有量が、追加の賦形剤全体についての含有量であることを意味することを意図する。
【0023】
「フェキソフェナジンおよび/または少なくとも1種の薬学的に許容されるその塩と組み合わせることができる活性成分」という表現は、より具体的には、
− エフェドリン、プソイドエフェドリンおよび/またはフェニレフリンのような鬱血除去薬、および/または
− 抗炎症薬、好ましくは、ナプロキセン、イブプロフェンおよび/またはケトプロフェンのようなプロピオン酸誘導体系非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)
を包含する。
【0024】
有利には、フェキソフェナジン塩酸塩は、フェニレフリンや、プソイドエフェドリンや、プソイドエフェドリンおよびナプロキセンと組み合わせることができる。
【0025】
好ましくは、35℃以上および115℃以下の融点またはガラス転移温度を有する熱溶融性賦形剤の重量パーセントは、4重量%〜17重量%、より好ましくは4重量%〜15重量%、さらに好ましくは4%〜10%の範囲に含まれる。熱溶融性賦形剤のこのパーセント範囲は、固形単位の許容される溶出を維持しながら、少量の追加の賦形剤を使用する、フェキソフェナジンおよび/または少なくとも1種の薬学的に許容されるその塩の圧縮を可能にするので、特に有利である。したがって、熱溶融性賦形剤として使用される賦形剤の総含有量が、20%以下、好ましくは17%以下、より好ましくは15%以下であることが重要である。
【0026】
さらに、追加の賦形剤の重量パーセントは、好ましくは、4%〜15%の範囲に含まれる。代替的な好ましい一実施形態によれば、追加の賦形剤の重量パーセントは、好ましくは、4%〜35%の範囲、より好ましくは4%〜30%の範囲に含まれる。
【0027】
第1の好ましい実施形態によれば、固形単位は、以下の特定の組成:
− 場合により少なくとも1種の他の活性成分と組み合わせた、65重量%〜92重量%のフェキソフェナジンおよび/または少なくとも1種の薬学的に許容されるその塩と、
− 熱溶融性賦形剤が約35℃以上および約115℃以下の融点またはガラス転移温度を有する、4重量%〜20重量%の熱溶融性賦形剤または熱溶融性賦形剤の混合物と、
− 4重量%〜15重量%の1種の追加の賦形剤または複数種の追加の賦形剤
を有し、それらの重量パーセントが、該組成の総重量に対して表され、それらの各成分の重量パーセントの合計が100%に達する必要がある。
【0028】
第2の好ましい実施形態によれば、固形単位は、以下の特定の組成:
− 場合により少なくとも1種の他の活性成分と組み合わせた、68重量%〜92重量%のフェキソフェナジンおよび/または少なくとも1種の薬学的に許容されるその塩と、
− 熱溶融性賦形剤が約35℃以上および約115℃以下の融点またはガラス転移温度を有する、4重量%〜17重量%の熱溶融性賦形剤または熱溶融性賦形剤の混合物と、
− 4重量%〜15重量%の1種の追加の賦形剤または複数種の追加の賦形剤
を有し、それらの重量パーセントが、該組成の総重量に対して表され、それらの各成分の重量パーセントの合計が100%に達する必要がある。
【0029】
第3の好ましい実施形態によれば、固形単位は、以下の特定の組成:
− 場合により少なくとも1種の他の活性成分と組み合わせた、70重量%〜92重量%のフェキソフェナジンおよび/または少なくとも1種の薬学的に許容されるその塩と、
− 熱溶融性賦形剤が約35℃以上および約115℃以下の融点またはガラス転移温度を有する、4重量%〜15重量%の熱溶融性賦形剤または熱溶融性賦形剤の混合物と、
− 4重量%〜15重量%の1種の追加の賦形剤または複数種の追加の賦形剤
を有し、それらの重量パーセントが、該組成の総重量に対して表され、それらの各成分の重量パーセントの合計が100%に達する必要がある。
【0030】
第4の好ましい実施形態によれば、固形単位は、以下の特定の組成:
− 場合により少なくとも1種の他の活性成分と組み合わせた、50重量%〜92重量%のフェキソフェナジンおよび/または少なくとも1種の薬学的に許容されるその塩と、
− 熱溶融性賦形剤が約35℃以上および約115℃以下の融点またはガラス転移温度を有する、4重量%〜15重量%の熱溶融性賦形剤または熱溶融性賦形剤の混合物と、
− 4重量%〜35重量%の1種の追加の賦形剤または複数種の追加の賦形剤
を有し、それらの重量パーセントが、該組成の総重量に対して表され、それらの各成分の重量パーセントの合計が100%に達する必要がある。
【0031】
第5の好ましい実施形態によれば、固形単位は、以下の特定の組成:
− 場合により少なくとも1種の他の活性成分と組み合わせた、60重量%〜92重量%のフェキソフェナジンおよび/または少なくとも1種の薬学的に許容されるその塩と、
− 熱溶融性賦形剤が約35℃以上および約115℃以下の融点またはガラス転移温度を有する、4重量%〜10重量%の熱溶融性賦形剤または熱溶融性賦形剤の混合物と、
− 4重量%〜30重量%の1種の追加の賦形剤または複数種の追加の賦形剤
を有し、それらの重量パーセントが、該組成の総重量に対して表され、それらの各成分の重量パーセントの合計が100%に達する必要がある。
【0032】
フェキソフェナジンおよび/または少なくとも1種の薬学的に許容されるその塩は、および熱溶融性賦形剤も、粒状物を形成することを可能にする主要な成分である。これらの粒状物は、固形単位の「内部」相を構成する。それらは、崩壊剤のような少なくとも1種の追加の賦形剤、および/または、フェキソフェナジンおよび/または少なくとも1種の薬学的に許容されるその塩と組み合わされる他の活性成分を含むこともできる。
【0033】
「熱溶融性賦形剤」という用語は、熱の作用下で軟化する、または流体になる賦形剤を意味することを意図する。本出願の目的上、そのような賦形剤は、35℃〜115℃の範囲に含まれる、融点(賦形剤の結晶性固体状態および液体状態が共存する、1気圧の正常大気圧で測定される温度)またはガラス転移温度(賦形剤を形成する分子が、低い相対的移動度を有する温度、または賦形剤が非晶質固体状態から粘性流体状態に変わる温度)のいずれかを有する。好ましくは、前記融点またはガラス転移温度は、35℃〜100℃の範囲、さらに好ましくは50℃〜100℃の範囲に含まれる。
【0034】
融点またはガラス転移温度の測定法は、当業者に周知の測定法である。それは、一般に、示差走査熱量計を使用する、示差走査熱量測定(DSC)によって行われる。
【0035】
融点(略してMp)またはガラス転移温度(略してTg)を、以下、示度により示し、それらは、限定的なものではない。それらは、ほとんど、「Handbook of Pharmaceutical Excipients」、第5版、Pharmaceutical Pressからのものである。
【0036】
本発明に特に適している熱溶融性賦形剤として、クエン酸一水和物(Mp±100℃)、ステアリン酸(Mp±54〜67℃)、パルミチン酸(Mp±63〜64℃)、ラウリン酸(Mp±43℃)、ミリスチン酸(Mp±48〜55℃)、硬化ヒマシ油(Mp±83〜88℃)、硬化植物油(Mp±57〜70℃)、ステアリルアルコール(Mp±57〜70℃)、セトステアリルアルコール(Mp±49〜56℃)、セチルアルコール(Mp±47〜53℃)、バニリン(Mp±76〜78℃)、非晶質クロロクレゾール(Mp±64〜67℃)、セチルピリジニウム塩酸塩(Mp±80〜84℃)、ソルビタンモノステアレート(Mp±43〜48℃)、ソルビタンモノパルミテート(Mp±53〜57℃)、キシリトール(Mp±92〜96℃)、デキストロース(Mp±83℃)、エチルマルトール(Mp±89〜93℃)、ブチルヒドロキシアニソール(Mp±47℃)、ベンザルコニウム塩酸塩(Mp±40℃)、アスコルビルパルミテート(Mp±107〜117℃)、ソルビトール(Mp±93〜112℃)、無水ラフィノース(Mp±80〜118℃)、ホウ酸フェニル水銀(Mp±112〜113℃)、ポリエチレングリコール(略してPEG)、例えば、PEG3000(Mp±48〜54℃)、PEG4000(Mp±50〜58℃)、PEG6000(Mp±55〜63℃)、PEG8000(Mp±60〜63℃)およびPEG20000(Mp±60〜63℃)、ポリエチレンオキシド(Mp±65〜70℃)、ポロキサマー188(Mp±52℃)、ポロキサマー237(Mp±50℃)、ポロキサマー338(Mp±57℃)またはポロキサマー407(Mp±56℃)のようなポリエチレン/プロピレングリコールコポリマー、モノステアリン酸グリセリン(Mp±55℃)、パルミトステアリン酸グリセリン(Mp±52〜55℃)、ベヘン酸グリセリン(Mp±65〜77℃)、例えば、compritol(登録商標)888ATO、蝋、例えば、カルナウバ蝋(Mp±80〜88℃)、微結晶蝋(Mp±54〜102℃)、白蝋または黄蝋(Mp±61〜65℃)、蜜蝋(Mp±61〜65℃)、酢酸ナトリウム三水和物(Mp±58℃)、ポリメタクリレート、特に、Eudragit(登録商標)E(Tg±48℃)、ポリビニルアセテートフタレート(Tg±42.5℃)、カルボマー(Tg±100〜105℃)、ポリカルボフィル(Tg±100〜105℃)、ヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル(Tg±105℃)、コポビドン(Tg±106℃)、およびそれらの混合物を挙げることができる。
【0037】
本出願の目的上、「硬化植物油」という用語は、大豆油、綿実油、および/またはパーム油を包含する。
【0038】
有利には、熱溶融性賦形剤は、ステアリン酸、パルミチン酸、硬化ヒマシ油、硬化植物油、ステアリルアルコール、バニリン、非晶質クロロクレゾール、セチルピリジニウム塩酸塩、ソルビタンモノパルミテート、キシリトール、デキストロース、エチルマルトール、アスコルビルパルミテート、ソルビトール、無水ラフィノース、ホウ酸フェニル水銀、ポリエチレングリコール(略してPEG)、ポリエチレンオキシド、ポロキサマー188、ポロキサマー237、ポロキサマー338またはポロキサマー407のようなポリエチレン/プロピレングリコールコポリマー、モノステアリン酸グリセリン、パルミトステアリン酸グリセリン、ベヘン酸グリセリン、蝋、例えば、カルナウバ蝋、微結晶蝋、白蝋または黄蝋、蜜蝋、酢酸ナトリウム三水和物、ポリメタクリレート、特に、Eudragit(登録商標)E、カルボマー、ポリカルボフィル、ヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル、およびそれらの混合物から選択される。
【0039】
好ましくは、熱溶融性賦形剤は、ステアリン酸、パルミチン酸、硬化ヒマシ油、キシリトール、ポリエチレングリコール(略してPEG)、ポリエチレンオキシド、ポロキサマー188、ポロキサマー237、ポロキサマー338またはポロキサマー407のようなポリエチレン/プロピレングリコールコポリマー、モノステアリン酸グリセリン、パルミトステアリン酸グリセリン、ベヘン酸グリセリン、カルナウバ蝋、微結晶蝋、白蝋または黄蝋、蜜蝋、ポリメタクリレート、特に、Eudragit(登録商標)E、およびそれらの混合物から選択される。
【0040】
より好ましくは、熱溶融性賦形剤は、ポリエチレン/プロピレングリコールコポリマー、ポリエチレングリコール(例えば、PEG4000、PEG6000およびPEG8000)、ステアリン酸、ポリエチレンオキシド、パルミトステアリン酸グリセリン、およびそれらの混合物から選択される。
【0041】
有利には、熱溶融性賦形剤は、100℃で、0.1s
−1の剪断速度で、3000mPa.s未満、好ましくは2000mPa.s未満、より好ましくは1000mPa.s未満の粘度を有する。
【0042】
粘度の測定法は、当業者に周知の測定法である。本件では、それは、(Anton Paarの)レオメーターを使用して行われる。熱溶融性賦形剤は、測定の前に、本測定法のために所望の使用温度、すなわち100℃にされる。次に、それは、サーモスタットで所望の使用温度に調節された円筒形容器に導入され、その中で、同軸モジュールを用いて加えられる剪断勾配(0.1s
−1から100s
−1)にかけられる。
【0043】
好ましくは、熱溶融性賦形剤は、水溶性である。
【0044】
有利な一実施形態によれば、熱溶融性賦形剤に対する、フェキソフェナジンおよび/または少なくとも1種の薬学的に許容されるその塩、例えば、フェキソフェナジン塩酸塩の比率は、3.5〜15の間、好ましくは、5〜12の間、より好ましくは8〜10の間、または、代替的な好ましい一実施形態によれば、7〜10の間である。
【0045】
追加の賦形剤は、「外部」相、すなわち、粒状物または内部相が組み込まれる相を形成するために主に使用される。
【0046】
有利には、追加の賦形剤は、崩壊剤、流動剤、滑沢剤、および/または希釈剤からなる群から選択される。
【0047】
本出願において、崩壊剤は、例えば、固形単位の硬度および/または固形単位への水分の浸透のような1つまたはそれ以上のパラメーターを変えることにより、固形単位が胃で良好に崩れることを可能にする、賦形剤である。
【0048】
有利には、崩壊剤は、架橋ポリビニルピロリドン、架橋カルボキシメチルセルロース、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、微結晶セルロース、粉末セルロース、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、α化デンプン、カルボキシメチルデンプンナトリウム、デンプン、およびそれらの混合物からなる群から選択される。好ましくは、崩壊剤は、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、α化デンプン、微結晶セルロース、カルボキシメチルデンプンナトリウム(好ましくは、タイプAまたはBのもの)、およびそれらの混合物からなる群、より好ましくは、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、およびそれらの混合物からなる群から選択される。
【0049】
崩壊剤の群において、1つの特定の群の崩壊剤、すなわち、スーパー崩壊剤を区別することができる。スーパー崩壊剤は、低濃度であっても効率が高く、水分の存在下で膨張する能力が高いので、そのように呼ばれている。有利には、スーパー崩壊剤は、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、およびカルボキシメチルデンプンナトリウム(好ましくは、タイプAまたはBのもの)からなる群から選択される。
【0050】
本出願において、「流動剤」という用語は、より詳細には、ガレヌス形態、特に、固形単位を製造するための方法において、粒子、例えば、粉末の混合物の流動を容易にすることを意図した賦形剤を包含する。
【0051】
有利には、流動剤は、二酸化ケイ素、好ましくはコロイド状シリカ、三ケイ酸マグネシウム、タルク、およびそれらの混合物からなる群から選択される。
【0052】
本出願の目的上、滑沢剤は、粒子、例えば、粒状物または粉末の流動性を高めること、粒子間摩擦を低減すること、および機械の管への粒子の付着を減らすことによって固形単位の製造を容易にすることを意図した賦形剤である。
【0053】
有利には、滑沢剤は、フマル酸ステアリルナトリウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、安息香酸ナトリウム、タルク、およびそれらの混合物からなる群から選択される。滑沢剤は、好ましくは、ステアリン酸マグネシウムである。
【0054】
本出願の目的上、希釈剤は、ガレヌス形態、特に、固形単位の製造に使用される賦形剤である。それは、十分な重量を得られるまで、組成物内の活性成分を希釈するという主要な目的により導入される。しかし、それは、製造の間のある種の特性、例えば、組成物の流動、または固形単位の結合または崩れ(もしくは崩壊)の改善に寄与することもできる。
【0055】
本発明の目的は、固形単位の重量をできる限り減らすことなので、希釈剤の存在が回避されることが理解される。しかし、ある程度、すなわち、40%以下の含有量で希釈剤を導入することは可能である。希釈剤の含有量は、好ましくは、0である。
【0056】
有利には、希釈剤は、ラクトース、セルロース、好ましくは微結晶セルロース、デンプン、α化デンプン、115℃超の融点を有するポリオール、スクロース、トレハロース、リン酸カルシウム、炭酸カルシウム、およびそれらの混合物からなる群から選択される。
【0057】
好ましい一実施形態によれば、少なくとも1種の追加の賦形剤は、組成物の総重量に対して4重量%〜15重量%の間、好ましくは5重量%〜12重量%の間の含有量で組成物に導入される、崩壊剤である。先に示した通り、この崩壊剤は、単純な崩壊剤(すなわち、スーパー崩壊剤の群に属さない崩壊剤)またはスーパー崩壊剤であり得る。
【0058】
より好ましくは、組成物は、組成物の総重量に対して0.5重量%〜15重量%の間、より好ましくは0.5重量%〜12重量%の間の含有量で組成物に導入される、スーパー崩壊剤である第2の崩壊剤を含む。
【0059】
有利には、組成物における崩壊剤の総含有量は、組成物の総重量に対して4重量%〜30重量%の間である。
【0060】
本出願において、追加の賦形剤は、いくつかの機能を有する場合、単一の所与の機能に関連した含有量よりも多い含有量で導入できることに留意されたい。これは、例えば、微結晶セルロースに当てはまる。微結晶セルロースは、崩壊および希釈の機能を有し、好ましい実施形態によれば崩壊剤の最大含有量である、15%超の含有量で導入できる。
【0061】
好ましくは、追加の賦形剤は、
− クロスポビドン、クロスカルメロースナトリウムおよび/またはカルボキシメチルデンプンナトリウム、微結晶セルロースから選択される、少なくとも1種の崩壊剤、
− 滑沢剤:ステアリン酸マグネシウム、
− 流動剤:コロイド状シリカ、および/または
− ラクトースおよび/または微結晶セルロースから選択される希釈剤
である。
【0062】
好ましくは、追加の賦形剤は、
− クロスポビドン、クロスカルメロースナトリウムおよび/または微結晶セルロースから選択される、少なくとも1種の崩壊剤、
− 滑沢剤:ステアリン酸マグネシウム、
− 流動剤:コロイド状シリカ、および/または
− ラクトースおよび/または微結晶セルロースから選択される希釈剤
である。
【0063】
より好ましくは、追加の賦形剤は、
− クロスポビドン、クロスカルメロースナトリウムおよび/または微結晶セルロースから選択される、少なくとも1種の崩壊剤、
− 滑沢剤:ステアリン酸マグネシウム、および/または
− 流動剤:コロイド状シリカ
である。
【0064】
本発明による固形単位は、例えば、様々なポリマーおよび/または他の適切な材料による、コーティング、例えば、フィルムコーティングを含むこともできる。ポリマーまたは他の適切な材料の例として、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、トリアセチン、二酸化チタン、タルクなどを挙げることができる。
【0065】
好ましい一実施形態によれば、固形単位は、場合によりフィルムコーティングされた、錠剤である。特に、錠剤は、単層錠または多層錠であり得る。少なくとも1種の活性成分が、フェキソフェナジンおよび/または少なくとも1種の薬学的に許容されるその塩と組み合わされる場合、多層錠が有利であり得る。そのような場合において、フェキソフェナジンおよび/または少なくとも1種の薬学的に許容されるその塩は、第1の層に導入され、組み合わされる活性成分は、第2の層に導入され、この2つの層のいかなる接触も避けるために、分割する層をさらに加えることができる。あるいは、活性成分と、フェキソフェナジンおよび/または少なくとも1種の薬学的に許容されるその塩とを含む内部相を作製することが可能であり、次いで、その粒状物が単層に圧縮され、単層錠が得られる。
【0066】
本発明の目的は、特に、フェキソフェナジンおよび/または少なくとも1種の薬学的に許容されるその塩を含むガレヌス形態の総重量を制限することである。現在入手できるガレヌス形態は、600mgの重量を有する。本発明によれば、任意のコーティングまたはフィルムコーティングを除いた固形単位の総重量は、フェキソフェナジンの含有量が180mgの場合、400mg未満、好ましくは300mg未満、さらに好ましくは250mg未満である。
【0067】
固形単位のこの重量制限も、熱溶融法の実施により可能である。意外なことに、固形単位の溶出特性を損なわないことを可能にする条件下で、この方法を実施することができた。
【0068】
特に、固形単位は、固形単位に存在するフェキソフェナジンおよび/または少なくとも1種の薬学的に許容されるその塩の総重量に対して、80重量%以上、好ましくは90重量%超のフェキソフェナジンおよび/または少なくとも1種の薬学的に許容されるその塩の溶出を示す。前記溶出割合は、前記固形単位を、USP装置2<711>において、50rpmの速度で撹拌しながら、37℃の温度の、pH3.0を有する0.001Nの塩酸溶液900mlを含有する容器に入れて30分後に測定されるものである。具体的には、該固形単位は、米国薬局方および欧州薬局方に記載されている溶出試験の基準による、30分後のQ=85という規格を満たす。
【0069】
さらに好ましくは、固形単位は、固形単位に存在するフェキソフェナジンおよび/または少なくとも1種の薬学的に許容されるその塩の総重量に対して、60重量%以上、好ましくは70重量%超のフェキソフェナジンおよび/または少なくとも1種の薬学的に許容されるその塩の溶出を示す。前記溶出割合は、前記固形単位を、USP装置2<711>において、50rpmの速度で撹拌しながら、37℃の温度の、pH3.0を有する0.001Nの塩酸溶液900mlを含有する容器に入れて10分後に測定されるものである。具体的には、該固形単位は、米国薬局方および欧州薬局方に記載されている溶出試験の基準による、10分後のQ=65という規格を満たす。
【0070】
あるいは、固形単位は、固形単位に存在するフェキソフェナジンおよび/または少なくとも1種の薬学的に許容されるその塩の総重量に対して、70重量%以上、好ましくは75重量%超のフェキソフェナジンおよび/または少なくとも1種の薬学的に許容されるその塩の溶出を示す。前記溶出割合は、前記固形単位を、欧州薬局方2.9.3に従って、装置2において、50rpmの速度で撹拌しながら、37℃の温度の、pH3.0を有する0.001Nの塩酸溶液900mlを含有する容器に入れて45分後に測定されるものである。具体的には、該固形単位は、米国薬局方および欧州薬局方に記載されている溶出試験の基準による、45分後のQ=80という欧州の規格を満たす。
【0071】
本出願において、国の薬局方についてのいかなる言及も、本出願の出願日現在において、関係する国で施行されている薬局方についての言及であると理解する。
【0072】
先に示した通り、該固形単位は、コーティング、好ましくはフィルムコーティングを含むことができる。フィルムコーティングは、溶出プロファイルに影響を与えないことが分かっている。
【0073】
本発明による固形単位は、薬、特に、抗ヒスタミン薬、気管支拡張薬として、および/またはアレルギーおよび/または蕁麻疹の治療のために使用することができる。さらに、該固形単位は、本発明による少なくとも1つの固形単位を患者に投与することを含む、アレルギーまたは蕁麻疹を治療する方法において使用することができる。
【0074】
本発明の一目的はまた、5〜500mgのフェキソフェナジンおよび/または少なくとも1種の薬学的に許容されるその塩を含む固形単位を製造するための方法であって、少なくとも以下の工程:
(i)− 場合により少なくとも1種の他の活性成分と組み合わせた、45重量%〜92重量%のフェキソフェナジンおよび/または少なくとも1種の薬学的に許容されるその塩と、
− 熱溶融性賦形剤が35℃以上および115℃以下の融点またはガラス転移温度を有する、4重量%〜20重量%の熱溶融性賦形剤または熱溶融性賦形剤の混合物
との混合、
(ii)熱溶融性賦形剤の溶融または軟化を可能にする温度での、工程(i)で得られた混合物の造粒、
(iii)工程(ii)から得られた粒状物の冷却、
(iv)粒状物の調整、
(v)均一混合物を得るための、調整された粒状物の均一化、および
(vi)均一混合物からの固形単位の形成
を含み、それらの重量パーセントが、組成の総重量に対して表され、各成分の重量パーセントの合計が100%に達する必要がある、
前記方法である。
【0075】
フェキソフェナジンおよび/または少なくとも1種の薬学的に許容されるその塩、すなわち、フェキソフェナジン塩、および組み合わされる活性成分の用量に関する好ましいまたは有利な実施形態の特徴は、本発明による固形単位について上に示した通りである。
【0076】
具体的には、本発明による方法において、固形単位は、固形単位の組成の重量に対して4重量%〜50重量%、好ましくは4重量%〜15重量%の含有量で、1種またはそれ以上の追加の賦形剤を含む。代替的な好ましい一実施形態によれば、追加の賦形剤の重量パーセントは、好ましくは、固形単位の組成の重量に対して4重量%〜35重量%の範囲、より好ましくは4重量%〜30重量%の範囲に含まれる。
【0077】
混合工程(i)は、手動で、または混合機で機械的に、バッチ式または連続式で行うことができる。
【0078】
本発明による方法の第1の実施形態によれば、この方法は、バッチ式で行われ、好ましくは、造粒工程が、流動空気層(fluidized air bed)でまたは同方向回転二軸スクリューによって行われる。
【0079】
本発明による方法の特に有利な第2の実施形態によれば、該方法は、連続式に行われ、好ましくは、造粒工程が、同方向回転二軸スクリューによって行われる。
【0080】
より具体的には、造粒工程(ii)は、ジャケット付きバレルの中で回転する同方向回転スクリューを備えた連続式造粒機、例えば、同方向回転スクリューを備えたConsigma 25 Collette(登録商標)連続式造粒機において行うことができ、そのバレルは、約80℃または約110℃の温度にされ、スクリューの速度は、毎分200〜400回転の範囲である。
【0081】
あるいは、造粒工程(ii)は、工程(i)から得られる混合物を熱風流に浮遊させることにより、流動空気層において行うことができる。
【0082】
当然、他の既知の設備および他の操作条件を使用することができ、それらは、本発明の一部である(例えば、高剪断力の混合機における、または圧縮による造粒)。
【0083】
工程(iii)は、例えば、造粒工程で得られた粒状物を、約20〜25℃で、プレート上に広げることにより(または抽出による移動により)行うことができる、冷却工程である。
【0084】
調整工程(iv)は、例えば、0.5〜2.5mmのメッシュサイズを有するふるいを備えた、例えば、調整機で行われる。ふるい、特に、そのメッシュサイズは、所望の調整に応じて選択されることになる。場合により、外部相の追加の賦形剤は、この工程の間に添加されることになる。
【0085】
均一化工程(v)は、例えば、タンブラー混合機を使用して行うことができる。
【0086】
最後に、均一化された混合物は、例えば、錠剤の所望のサイズおよび形状に応じてサイズが決定されるBもしくはD、またはBBタイプの杵を有する、3〜20kNの間、好ましくは3〜12kNの間の、Ronchi、KilianまたはKorshのロータリープレスを使用して、有利には圧縮により成形する、成形工程(vi)を経る。
【0087】
本発明による方法は、工程(v)の後に、固形単位をコーティングまたはフィルムコーティングする工程を含むこともでき、このコーティングまたはフィルムコーティングは、例えば、様々なポリマーまたは他の適切な材料、例えば、該固形単位について上で述べたものを使用して行うことができる。
【0088】
本発明による方法は、単層錠または多層錠を調製するために行うことができる。多層錠は、フェキソフェナジンおよび/または少なくとも1種の薬学的に許容されるその塩が、少なくとも1種の他の活性成分と組み合わされる場合に特に有利である。
【0089】
単層錠を調製するための方法の場合、混合工程(i)は、フェキソフェナジンおよび/または少なくとも1種の薬学的に許容されるその塩と、熱溶融性賦形剤と、さらには任意選択の組み合わされる活性成分とを含む。場合により、および後に示すような、崩壊剤の一部、特に、スーパー崩壊剤の一部を、工程(i)における混合物に添加することができる。
【0090】
多層錠を調製するための方法の場合、フェキソフェナジンおよび/または少なくとも1種の薬学的に許容されるその塩と熱溶融性賦形剤が、場合により崩壊剤の一部と共に、混合される。次いで、本発明による方法が行われる。得られる錠剤が小さいサイズであると仮定すると、本発明による方法により得られる錠剤の周りに1つまたはそれ以上の層を作ることができる材料を添加して、1つまたはそれ以上の追加の圧縮工程を行うことが可能である。
【0091】
有利には、本発明による方法において、追加の賦形剤は、崩壊剤、流動剤、滑沢剤、および/または希釈剤からなる群から選択される。このまたはこれらの追加の賦形剤は、調整工程(iv)の間、および/または均一化工程(v)の間に添加されてもよい。
【0092】
有利には、崩壊剤は、架橋ポリビニルピロリドン、架橋カルボキシメチルセルロース、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、微結晶セルロース、粉末セルロース、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、α化デンプン、カルボキシメチルデンプンナトリウム、デンプン、およびそれらの混合物からなる群から選択される。好ましくは、崩壊剤は、α化デンプン、微結晶セルロース、カルボキシメチルデンプンナトリウム(好ましくは、タイプAまたはBのもの)、およびそれらの混合物からなる群、より好ましくは、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、およびそれらの混合物からなる群から選択される。
【0093】
有利には、スーパー崩壊剤は、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、およびカルボキシメチルデンプンナトリウム(好ましくは、タイプAまたはBのもの)からなる群から選択される。
【0094】
さらに、流動剤は、好ましくは、二酸化ケイ素、好ましくはコロイド状シリカ、三ケイ酸マグネシウム、タルク、およびそれらの混合物からなる群から選択される。
【0095】
好ましくは、滑沢剤は、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、トリベヘン酸グリセリル、フマル酸ステアリルナトリウム、ステアリン酸カルシウム、モノステアリン酸グリセリン、パルミトステアリン酸グリセリン、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸、硬化植物油、ポリエチレングリコール、安息香酸ナトリウム、タルク、およびそれらの混合物からなる群から選択される。より好ましくは、滑沢剤は、フマル酸ステアリルナトリウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、安息香酸ナトリウム、タルク、およびそれらの混合物からなる群から選択される。滑沢剤は、好ましくは、ステアリン酸マグネシウムである。
【0096】
有利には、希釈剤は、ラクトース、セルロース、好ましくは微結晶セルロース、デンプン、α化デンプン、115℃超の融点を有するポリオール、スクロース、トレハロース、リン酸カルシウム、炭酸カルシウム、およびそれらの混合物からなる群から選択される。
【0097】
本発明の目的は、固形単位の重量をできる限り減らすことなので、希釈剤の存在が回避されることが理解される。しかし、ある程度、すなわち、40%以下の含有量で希釈剤を導入することは可能である。希釈剤の含有量は、好ましくは、0である。
【0098】
好ましくは、1種の追加の賦形剤または複数種の追加の賦形剤は、少なくとも1種の崩壊剤を含み、その少なくとも1種の崩壊剤の一部を、工程(i)の間に混合物に導入することも可能であり、これは、摂取後における固形単位の崩れを促進することを可能にする。有利には、崩壊剤は、組成物の総重量に対して4重量%〜15重量%の間、好ましくは5重量%〜12重量%の含有量で、組成物に導入される。
【0099】
先に示した通り、この崩壊剤は、単純な崩壊剤、またはスーパー崩壊剤であり得る。
【0100】
より好ましくは、組成物は、組成物の総重量に対して0.5重量%〜15重量%の間、より好ましくは0.5重量%〜12重量%の間の含有量で組成物に導入される、スーパー崩壊剤である第2の崩壊剤を含む。
【0101】
有利には、組成物における崩壊剤の総含有量は、組成物の総重量に対して4重量%〜30重量%の間である。
【0102】
好ましくは、追加の賦形剤は、
− クロスポビドン、クロスカルメロースナトリウムおよび/またはカルボキシメチルデンプンナトリウム、微結晶セルロースから選択される、少なくとも1種の崩壊剤、
− 滑沢剤:ステアリン酸マグネシウム、
− 流動剤:コロイド状シリカ、および/または
− ラクトースおよび/または微結晶セルロースから選択される希釈剤
である。
【0103】
したがって、好ましくは、追加の賦形剤は、
− クロスポビドン、クロスカルメロースナトリウムおよび/または微結晶セルロースから選択される、少なくとも1種の崩壊剤、
− 滑沢剤:ステアリン酸マグネシウム、
− 流動剤:コロイド状シリカ、および/または
− ラクトースおよび/または微結晶セルロースから選択される希釈剤
である。
【0104】
より好ましくは、追加の賦形剤は、
− クロスポビドン、クロスカルメロースナトリウムおよび/または微結晶セルロースから選択される、少なくとも1種の崩壊剤、
− 滑沢剤:ステアリン酸マグネシウム、および/または
− 流動剤:コロイド状シリカ
である。
【0105】
熱溶融性賦形剤として、クエン酸一水和物、ステアリン酸、パルミチン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、硬化ヒマシ油、硬化植物油、ステアリルアルコール、セトステアリルアルコール、セチルアルコール、バニリン、非晶質クロロクレゾール、セチルピリジニウム塩酸塩、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノパルミテート、キシリトール、デキストロース、エチルマルトール、ブチルヒドロキシアニソール、ベンザルコニウム塩酸塩、アスコルビルパルミテート、ソルビトール、無水ラフィノース、ホウ酸フェニル水銀、ポリエチレングリコール(略してPEG)、例えば、PEG3000、PEG4000、PEG6000、PEG8000およびPEG20000、ポリエチレンオキシド、ポロキサマー188、ポロキサマー237、ポロキサマー338またはポロキサマー407のようなポリエチレン/プロピレングリコールコポリマー、モノステアリン酸グリセリン、パルミトステアリン酸グリセリン、ベヘン酸グリセリン、例えば、compritol(登録商標)888ATO、蝋、例えば、カルナウバ蝋、微結晶蝋、白蝋または黄蝋、蜜蝋、酢酸ナトリウム三水和物、ポリメタクリレート、特に、Eudragit(登録商標)E、ポリビニルアセテートフタレート、カルボマー、ポリカルボフィル、ヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル、コポビドン、およびそれらの混合物を挙げることができる。
【0106】
有利には、熱溶融性賦形剤は、ステアリン酸、パルミチン酸、硬化ヒマシ油、硬化植物油、ステアリルアルコール、バニリン、非晶質クロロクレゾール、セチルピリジニウム塩酸塩、ソルビタンモノパルミテート、キシリトール、デキストロース、エチルマルトール、アスコルビルパルミテート、ソルビトール、無水ラフィノース、ホウ酸フェニル水銀、ポリエチレングリコール(略してPEG)、ポリエチレンオキシド、ポロキサマー188、ポロキサマー237、ポロキサマー338またはポロキサマー407のようなポリエチレン/プロピレングリコールコポリマー、モノステアリン酸グリセリン、パルミトステアリン酸グリセリン、ベヘン酸グリセリン、蝋、例えば、カルナウバ蝋、微結晶蝋、白蝋または黄蝋、蜜蝋、酢酸ナトリウム三水和物、ポリメタクリレート、特に、Eudragit(登録商標)E、カルボマー、ポリカルボフィル、ヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル、およびそれらの混合物から選択される。
【0107】
好ましくは、熱溶融性賦形剤は、ステアリン酸、パルミチン酸、硬化ヒマシ油、キシリトール、ポリエチレングリコール(略してPEG、例えば、PEG4000、PEG6000およびPEG8000)、ポリエチレンオキシド、ポロキサマー188、ポロキサマー237、ポロキサマー338またはポロキサマー407のようなポリエチレン/プロピレングリコールコポリマー、モノステアリン酸グリセリン、パルミトステアリン酸グリセリン、ベヘン酸グリセリン、カルナウバ蝋、微結晶蝋、白蝋または黄蝋、蜜蝋、ポリメタクリレート、特に、Eudragit(登録商標)、およびそれらの混合物から選択される。
【0108】
さらに好ましくは、熱溶融性賦形剤は、ポリエチレン/プロピレングリコールコポリマー、ポリエチレングリコール、ステアリン酸、ポリエチレンオキシド、パルミトステアリン酸グリセリン、およびそれらの混合物から選択される。
【0109】
該方法において、ある種の追加の賦形剤、例えば、滑沢剤を、熱溶融性賦形剤として使用することもできることに留意されたい。しかし、これらの2つのカテゴリーの賦形剤は、方法において、完璧に特定することができる。なぜなら、熱溶融性賦形剤として使用される賦形剤は、方法の間、軟化または溶融形態であるが、追加の賦形剤として使用される同様の賦形剤、例えば、滑沢剤は、粉末形態であるからである。
【0110】
有利には、熱溶融性賦形剤は、100℃で、0.1s
−1の剪断速度で、3000mPa.s未満、好ましくは2000mPa.s未満、より好ましくは1000mPa.s未満の粘度を有する。
【0111】
粘度の測定法は、当業者に周知の測定法である。本件では、それは、(Anton Paarの)レオメーターを使用して行われる。熱溶融性賦形剤は、測定の前に、本測定法のために所望の使用温度、すなわち100℃にされる。次に、それは、サーモスタットで所望の使用温度に調節された円筒形容器に導入され、その中で、同軸モジュールを用いて加えられる剪断勾配(0.1s
−1から100s
−1)にかけられる。
【0112】
好ましくは、熱溶融性賦形剤は、水溶性である。
【0113】
有利な一実施形態によれば、熱溶融性賦形剤に対する、フェキソフェナジンおよび/または少なくとも1種の薬学的に許容されるその塩、例えば、フェキソフェナジン塩酸塩の比率は、3.5〜15の間、好ましくは、5〜12の間、より好ましくは8〜10の間、または、代替的な好ましい一実施形態によれば、7〜10の間である。
【0114】
好ましくは、35℃以上および115℃以下の融点またはガラス転移温度を有する熱溶融性賦形剤の重量パーセントは、4重量%〜17重量%、およびより好ましくは4重量%〜15重量%の範囲に含まれる。したがって、熱溶融性賦形剤として使用される賦形剤の総含有量が、20%以下、好ましくは17%以下、より好ましくは15%以下であることが重要である。
【0115】
好ましい実施形態によれば、本発明による方法により調製された固形単位は、固形単位について上で述べた特定の組成を有する。
【0116】
本発明による方法の目的は、特に、現在入手できるガレヌス形態の重量よりも小さい重量を有する固形単位を製造することである。本発明による方法により直接得られる固形単位の重量および溶出特性は、本発明による固形単位について上で述べた通りである。
【0117】
実施例
以下の実施例は、本発明による固形単位の調製を説明する。この実施例は、本発明を限定するものではなく、例示するものに過ぎない。
【0118】
別段の指示がない限り、必要に応じて、以下の化合物のパーセントを、それらを含有する組成物のまたは固形単位の総重量に対する重量によって表す。
【0119】
1.本発明による錠剤の組成
熱溶融性賦形剤としてPEG6000を使用し、活性成分としてフェキソフェナジン塩酸塩のみを含む本発明による4つの医薬組成物1A〜1Dを、下の表1に例示する。
【0120】
これらの組成物の成分の性質を、組成物の/固形単位の総重量に対する成分の重量%として表した前記成分の含有量として、表1に示す。
【0122】
組成物は、「外部」相および「内部」相を含む。内部相の成分を使用して、フェキソフェナジン塩酸塩を含む粒状物を製造する。外部相の成分は、追加の賦形剤であり、それは、例えば、製剤の加工性を高めることができる。
【0123】
組成物1A〜1Dにおける、熱溶融性賦形剤に対するフェキソフェナジン塩酸塩の比率は、それぞれ、9、9、8.5、および9である。
【0124】
2.異なる熱溶融性賦形剤を含む、本発明による内部相の組成
他の粒状物(内部相)を、活性成分としてのフェキソフェナジン塩酸塩、およびPEG6000以外の熱溶融性賦形剤を使用して得た。これらの粒状配合物の例1E〜1Hを、下の表2に示す。
【0126】
組成物1E〜1Hにおける、熱溶融性賦形剤に対するフェキソフェナジン塩酸塩の重量比率は、9である。
【0127】
3.本発明による代替的組成
例1と同様に、2つの他の医薬組成物2Aおよび2Bを、本発明に従って調製し、下の表3に例示する。
【0128】
これらの組成物の成分の性質を、組成物の/固形単位の総重量に対する成分の重量%として表した前記成分の含有量として、表3に示す。
【0130】
組成物2Aおよび2Bにおける、熱溶融性賦形剤に対するフェキソフェナジン塩酸塩の比率は、それぞれ、7.2および8.1である。
【0131】
4.製造方法
上述の組成物1A〜1H、2Aおよび2Bを使用し、下記の方法に従って錠剤を製造した。
【0132】
錠剤1E〜1Hの組成を、下の表4に示す。
【0134】
前記方法の混合工程(i)は、Turbula(登録商標)またはServolift(登録商標)タンブラー混合機を約210回転で使用して、上述の組成物1A〜1H、2Aおよび2Bのうちの1つの内部相の成分を混合することからなる。
【0135】
次いで、連続式でもバッチ式でもよい造粒工程(ii)を行う。連続式は、例えば、ジャケット付きバレルの中で回転する同方向回転スクリューを備えたConsigma(登録商標)25造粒機を使用して行う。バッチ式は、例えば、流動空気層を使用して行う。
【0136】
Consigma(登録商標)タイプの造粒機について、パラメーターは、
− 粉末混合物の流量5〜6kg/h
− スクリュー速度毎分200〜400回転、および
− ジャケット温度80〜120℃
である。
【0137】
流動空気層について、パラメーターは、
− 使用する流動空気層のタイプに応じて、空気流量20〜400m
3/時間、および
− 使用する熱溶融性賦形剤に応じて、設定加熱温度35℃〜130℃の間
である。
【0138】
次いで、冷却工程(iii)は、前記粒状物をプレート上に広げることにより、または前記粒状物の空気輸送により、約20〜25℃に冷却することからなる。
【0139】
次いで、調整工程(iv)を、1.5mmのメッシュサイズを有するふるいを使用して、Frewitt(登録商標)TC−150調整機で行う。
【0140】
場合により、ステアリン酸マグネシウム、コロイド状シリカ、クロスポビドン、および/または任意の他の追加の賦形剤を、工程(iv)の間に粒状物に添加する。必要に応じて、均一化(V)のために、粒状物と追加の賦形剤との混合を、Turbula(登録商標)またはServolift(登録商標)タンブラー混合機において約210回転で行う。
【0141】
最後に、均一化された混合物は、3〜20kNの圧縮力を有する、Korsh(登録商標)XL100ロータリープレス、Kilian S100ロータリープレス、またはRonchiロータリープレスを使用する、圧縮による成形工程(vi)を経る。
【0142】
下の表5は、上記の組成物をそれぞれ使用する、連続法またはバッチ法の後に得られた錠剤の特徴、および湿式造粒により得られた参照錠剤の特徴をまとめたものである。より具体的には、表5は、各錠剤について、錠剤の総重量、フェキソフェナジン塩酸塩の重量、および参照錠剤と比較した錠剤の重量の減少の割合を示す。
【0144】
したがって、同量の活性成分の場合、本発明による組成物は、参照錠剤と比較して減少した重量、および縮小したサイズを有する。
【0145】
5.本発明に従って得られた錠剤の硬度
錠剤の硬度を、デュロメーターを使用して測定した。各錠剤を、デュロメーターの2つのあごの間に置いた。錠剤の粉砕の間に得られた、錠剤にかかったニュートン単位の力の値が記録された。デュロメーターに記録された硬度の平均値を、下の表6に示す。
【0147】
6.本発明による錠剤に含まれる活性成分の溶出
6.1.活性成分の溶出の測定手順:
錠剤を、pH3.0(0.001NのHCl)および37℃の温度の非脱気溶液900mlを含有する容器に入れた。容器における撹拌速度を、パドルにより50rpmに固定した。より具体的には、溶出試験を、欧州薬局方2.9.3および米国薬局方(USP)<711>に従って、装置2を使用して行った。
【0148】
時間の関数として、溶出した活性成分の量を、HPLC(高速液体クロマトグラフィー)分析により、例えば、欧州薬局方2.2.29「液体クロマトグラフィー」、または米国薬局方(USP)621「クロマトグラフィー」による方法論により、測定した。そのような測定法は、当業者に周知である。
【0149】
6.2.結果
例1A、例1Bおよび例1D、ならびに参照についての、溶出したフェキソフェナジン塩酸塩の重量パーセントを下の表7に示す。
【0151】
異なる例と参照との間の溶出プロファイルは、比較可能であり、すべての例は、製品の欧州規格に従ったものである。