特許第6278760号(P6278760)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6278760
(24)【登録日】2018年1月26日
(45)【発行日】2018年2月14日
(54)【発明の名称】チップ整列方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 23/12 20060101AFI20180205BHJP
【FI】
   H01L23/12 501P
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-47928(P2014-47928)
(22)【出願日】2014年3月11日
(65)【公開番号】特開2015-173168(P2015-173168A)
(43)【公開日】2015年10月1日
【審査請求日】2017年1月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】000134051
【氏名又は名称】株式会社ディスコ
(74)【代理人】
【識別番号】100075384
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 昂
(74)【代理人】
【識別番号】100172281
【弁理士】
【氏名又は名称】岡本 知広
(72)【発明者】
【氏名】関家 一馬
【審査官】 鈴木 和樹
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2010/0248424(US,A1)
【文献】 特開2010−225803(JP,A)
【文献】 特開2011−138901(JP,A)
【文献】 特開2012−248598(JP,A)
【文献】 特開2007−311748(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 23/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のチップをウェーハ上に整列させるチップ整列方法であって、
ウェーハの表面側に切削ブレードを切り込ませてチップ載置領域をそれぞれ区画する交差した複数の溝を形成する溝形成ステップと、
該チップ載置領域に液体を供給する液体供給ステップと、
該液体供給ステップを実施した後、該液体上にチップを載置して該液体の表面張力でチップを該チップ載置領域に位置付けるチップ載置ステップと、
該チップ載置ステップを実施した後、該液体を除去することで該ウェーハ上に複数のチップを整列させる液体除去ステップと、を備え
該溝形成ステップでは、隣接する該チップ載置領域の間に、該チップ載置領域の間隔に合わせて2本一組の溝を形成することを特徴とするチップ整列方法。
【請求項2】
該液体除去ステップは、複数のチップが該液体を介して載置されたウェーハを真空中に載置することで実施されることを特徴とする請求項1に記載のチップ整列方法。
【請求項3】
該液体は、チップを該ウェーハ上に固定する接着剤成分を含むことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のチップ整列方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のチップを整列させるためのチップ整列方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ウェーハレベルの再配線技術を用いてデバイスチップ(チップ)外に再配線層を形成するFOWLP(Fan-Out Wafer Level Package)と呼ばれるパッケージの製造が開始された(例えば、特許文献1参照)。FOWLPは、チップとパッケージ基板との接続を薄膜の配線層で行うので、ワイヤボンディング等を用いる従来のパッケージと比較して小型化に有利である。
【0003】
FOWLPの製造には、例えば、チップファースト(Chip-first)法と呼ばれるプロセスが採用される。チップファースト法では、まず、任意の間隔で配列したチップを樹脂等で封止して疑似ウェーハを形成し、この疑似ウェーハに配線層を設ける。その後、チップ間の分割予定ラインに沿って疑似ウェーハを分割することで、複数のパッケージを得ることができる。
【0004】
また、配線層を設けた支持ウェーハにチップを配列して樹脂等で封止し、その後、支持ウェーハを除去して複数のパッケージに分割するRDLファースト(Redistribution Layer-first)法と呼ばれるプロセスが採用されることもある。このRDLファースト法では、例えば、配線層の不良部分を避けてチップを配列できるので、チップファースト法と比較して歩留まりを高め易い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2013−58520号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上述したチップファースト法やRDLファースト法では、高密度に形成される配線層との接続を確実に行うためにチップを高い精度で整列させる必要がある。しかしながら、チップを整列させる移載装置は、例えば、各チップの外周縁を基準に移載前のポジションを判定して移載後のポジションを決定しているので、移載後のチップのポジションに数10μm程度のずれを生じることがあった。
【0007】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、チップを高い精度で整列させることのできるチップ整列方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、複数のチップをウェーハ上に整列させるチップ整列方法であって、ウェーハの表面側に切削ブレードを切り込ませてチップ載置領域をそれぞれ区画する交差した複数の溝を形成する溝形成ステップと、該チップ載置領域に液体を供給する液体供給ステップと、該液体供給ステップを実施した後、該液体上にチップを載置して該液体の表面張力でチップを該チップ載置領域に位置付けるチップ載置ステップと、該チップ載置ステップを実施した後、該液体を除去することで該ウェーハ上に複数のチップを整列させる液体除去ステップと、を備え、該溝形成ステップでは、隣接する該チップ載置領域の間に、該チップ載置領域の間隔に合わせて2本一組の溝を形成することを特徴とするチップ整列方法が提供される。
【0009】
また、本発明において、該液体除去ステップは、複数のチップが該液体を介して載置されたウェーハを真空中に載置することで実施されることが好ましい。
【0010】
また、本発明において、該液体は、チップを該ウェーハ上に固定する接着剤成分を含むことが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係るチップ整列方法では、ウェーハの表面側にチップ載置領域を区画する複数の溝を形成した上で、このチップ載置領域に液体を供給してチップを載置するので、載置されたチップは、液体の表面張力でチップ載置領域に位置付けられる。
【0012】
その後、チップ載置領域の液体を除去すれば、複数のチップをウェーハ上に整列させることができる。このように、本発明のチップ整列方法によれば、液体の表面張力を利用してチップを高い精度で整列させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1(A)は、実施の形態1に係る溝形成ステップを模式的に示す斜視図であり、図1(B)は、溝形成ステップを模式的に示す断面図である。
図2】実施の形態1に係る液体供給ステップを模式的に示す断面図である。
図3図3(A)は、実施の形態1に係るチップ載置ステップを模式的に示す断面図であり、図3(B)は、チップ載置領域にチップが位置付けられた状態を模式的に示す断面図である。
図4】実施の形態1に係る液体除去ステップを模式的に示す断面図である。
図5】実施の形態2に係る溝形成ステップを模式的に示す断面図である。
図6】実施の形態2に係る液体供給ステップを模式的に示す断面図である。
図7図7(A)は、実施の形態2に係るチップ載置ステップを模式的に示す断面図であり、図7(B)は、チップ載置領域にチップが位置付けられた状態を模式的に示す断面図である。
図8】実施の形態2に係る液体除去ステップを模式的に示す断面図である。
図9】変形例に係るチップ整列方法を模式的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。本発明に係るチップ整列方法は、溝形成ステップ(図1図5参照)、液体供給ステップ(図2図6参照)、チップ載置ステップ(図3図7参照)、液体除去ステップ(図4図8参照)を含む。
【0015】
溝形成ステップでは、ウェーハの表面側にチップ載置領域を区画する複数の溝を形成する。液体供給ステップでは、区画された複数のチップ載置領域にそれぞれ液体を供給する。チップ載置ステップでは、供給された液体と接触するようにチップを載置して、液体の表面張力をチップに作用させる。液体除去ステップでは、液体を除去して、チップをウェーハ上に整列させる。
【0016】
以下、本発明に係るチップ整列方法について詳述する。なお、以下に示す実施の形態1では、大きさが同じ複数のチップをウェーハ上に整列させるチップ整列方法について説明し、実施の形態2では、大きさが異なる複数のチップをウェーハ上に整列させるチップ整列方法について説明する。
【0017】
(実施の形態1)
本実施の形態では、大きさが同じ複数のチップをウェーハ上に整列させるチップ整列方法について説明する。本実施の形態のチップ整列方法では、まず、チップを整列させるウェーハの表面側に、チップ載置領域を区画する複数の溝を形成する溝形成ステップを実施する。
【0018】
図1(A)は、溝形成ステップを模式的に示す斜視図であり、図1(B)は、溝形成ステップを模式的に示す断面図である。図1(A)及び図1(B)に示すように、ウェーハ11は、円盤状の半導体ウェーハ等であり、チップを整列させるための略平坦な表面11aを備えている。
【0019】
溝形成ステップでは、このウェーハ11の表面11a側に、交差する複数の溝13を形成する。ウェーハ11の表面11a側は、複数の溝13によって、チップを載置するための複数のチップ載置領域15に区画される。
【0020】
溝13は、例えば、回転する円環状の切削ブレードをウェーハ11の表面11aから所定の深さまで切り込ませ、切削ブレードとウェーハ11とを相対的に移動させることで形成できる。また、ウェーハ11に吸収され易い波長のレーザービームを照射し、表面11a側をアブレーションさせることで溝13を形成しても良い。
【0021】
溝13の幅、深さ、位置、数等の条件は、整列させるチップの形状、大きさ、重量、配置(間隔)等に応じて変更される。例えば、本実施の形態では、形成される溝13の幅と、隣接するチップの間隔(すなわち、チップ載置領域15の間隔)とに合わせて、2本一組の平行な溝13を形成している。
【0022】
また、本実施の形態では、複数のチップを等しい間隔で整列させるために、複数のチップ載置領域15を等しい間隔で区画する複数の溝13を形成している。一方、複数のチップを異なる間隔で整列させる場合には、複数のチップ載置領域15を異なる間隔で区画する複数の溝13を形成すれば良い。
【0023】
平面視におけるチップ載置領域15の形状は、代表的には、矩形である。ただし、平面視におけるチップ載置領域15の形状は、平面視におけるチップの形状に応じて適切に変更される。例えば、チップの平面視が多角形であれば、チップ載置領域15の平面視も多角形となり、チップの平面視が円形であれば、チップ載置領域15の平面視も円形となる。
【0024】
平面視におけるチップ載置領域15の大きさ(面積)は、例えば、平面視におけるチップの大きさ(面積)と同程度である。ただし、平面視におけるチップ載置領域15の大きさは、チップを適切に整列できる範囲で任意に変更できる。すなわち、平面視におけるチップ載置領域15の大きさを、平面視におけるチップ19の大きさより小さく、又は大きくしても良い。
【0025】
なお、図1(A)及び図1(B)では、形状及び大きさが同じ複数のチップ載置領域15を形成しているが、チップ載置領域15の形状及び大きさは1種類でなくても良い。例えば、異なる種類のチップを整列させる場合には、チップの種類に応じて、形状及び大きさが異なるチップ載置領域15を設ければ良い。
【0026】
溝形成ステップの後には、複数のチップ載置領域15にそれぞれ液体を供給する液体供給ステップを実施する。図2は、液体供給ステップを模式的に示す断面図である。図2に示すように、液体供給ステップでは、まず、表面11a側が露出するようにウェーハ11の裏面11b側を固定した上で、対象とするチップ載置領域15の上方に液体供給用のノズル2を位置付ける。
【0027】
次に、ノズル2から液体17を滴下して対象のチップ載置領域15に供給する。この液体17としては、例えば、水(純水)を用いることができる。ノズル2で供給する液体17の量は、対象のチップ載置領域15を囲む溝13の外側に液体17が流れ出ない程度とする。
【0028】
対象のチップ載置領域15に液体17を供給した後には、ノズル2とウェーハ11とを相対的に移動させて、隣接するチップ載置領域15の上方に液体供給用のノズル2を位置付ける。そして、ノズル2から液体17を滴下して隣接するチップ載置領域15に供給する。この動作を繰り返し、全てのチップ載置領域15に液体17が供給されると、液体供給ステップは終了する。
【0029】
なお、本実施の形態では、液体17として水(純水)を用いているが、ある程度の表面張力が得られる別の液体を用いても良い。また、液体17に、粘度や接着性を制御するための別の物質を混合しても良い。
【0030】
例えば、液体17に添加剤を加えて接触角を大きくすれば、液体17は溝13の外側に流れ出にくくなる。また、例えば、整列後のチップをウェーハ11上で封止する場合等に、液体17に接着剤(接着剤成分)を混合しておけば、チップをウェーハ11上に固定して封止剤の収縮等に伴うチップの移動を規制できる。
【0031】
液体供給ステップの後には、供給された液体17と接触するようにチップを載置して、液体17の表面張力をチップに作用させるチップ載置ステップを実施する。図3(A)は、チップ載置ステップを模式的に示す断面図であり、図3(B)は、チップ載置領域15にチップが位置付けられた状態を模式的に示す断面図である。
【0032】
図3(A)に示すように、チップ載置ステップでは、ウェーハ11の表面11a側に複数のチップ19を載置する。具体的には、各チップ載置領域15の液体17と重なる位置(液体17上)にそれぞれチップ19を載置する。ただし、各チップ載置領域15に載置されるべきチップ19が別のチップ載置領域15の液体17と接触しないようにする。
【0033】
その結果、液体17の表面張力(及び浮力)の作用でチップ19は移動し、図3(B)に示すように、チップ載置領域15と重なる位置に位置付けられる。すなわち、チップ19は、チップ載置領域15の配列に対応した態様で整列する。
【0034】
チップ載置ステップの後には、液体17を除去する液体除去ステップを実施する。図4は、液体除去ステップを模式的に示す断面図である。この液体除去ステップでは、例えば、複数のチップ19が載置されたウェーハ11を真空(減圧)雰囲気中に配置し、液体17を蒸発させる。
【0035】
その結果、図4に示すように、複数のチップ19をウェーハ11の表面11aに整列させることができる。なお、この液体除去ステップでは、複数のチップ19が載置されたウェーハ11を加熱雰囲気中に配置し、液体17を蒸発させても良い。また、自然乾燥によって液体17を除去することもできる。
【0036】
液体除去ステップの後には、任意の処理工程を実施できる。例えば、ウェーハ11上に整列された複数のチップ19を、移載装置で別の領域に移載しても良い。本実施の形態のチップ整列方法によって移載前のチップ19は高い精度で整列されるので、移載後のチップの位置ずれ等を十分に抑制できる。
【0037】
また、ウェーハ11上に整列された複数のチップ19を樹脂等で封止し、チップファースト法の疑似ウェーハを形成することもできる。さらに、配線層が形成されたウェーハ11を用い、又は、ウェーハ11に配線層を形成して、RDLファースト法でパッケージを形成することも可能である。
【0038】
以上のように、本実施の形態に係るチップ整列方法では、ウェーハ11の表面11a側にチップ載置領域15を区画する複数の溝13を形成した上で、このチップ載置領域15に液体17を供給してチップ19を載置するので、載置されたチップ19は、液体17の表面張力でチップ載置領域15に位置付けられる。
【0039】
その後、チップ載置領域15の液体を除去すれば、複数のチップ19をウェーハ11上に整列させることができる。このように、本実施の形態に係るチップ整列方法によれば、液体17の表面張力を利用してチップ19を高い精度で整列させることができる。
【0040】
(実施の形態2)
本実施の形態では、大きさが異なる複数のチップ19をウェーハ11上に整列させるチップ整列方法について説明する。なお、本実施の形態に係るチップ整列方法は、多くの点において実施の形態1に係るチップ整列方法と共通している。よって、本実施の形態では、共通する部分についての詳細な説明を省略する。
【0041】
まず、チップ19を整列させるウェーハ11の表面11a側に、チップ載置領域15を区画する複数の溝13を形成する溝形成ステップを実施する。図5は、溝形成ステップを模式的に示す断面図である。本実施の形態の溝形成ステップでは、ウェーハ11の表面11a側に、交差する複数の溝13を形成し、ウェーハ11の表面11aを、形状、大きさ等の異なる第1のチップ載置領域15a及び第2のチップ載置領域15bに区画する。
【0042】
なお、図5では、形状、大きさ等の異なる2種類のチップ載置領域15を形成しているが、3種類以上のチップ載置領域15を形成しても良い。チップ載置領域15の種類は、整列させるチップ19の種類に応じて任意に変更できる。
【0043】
溝形成ステップの後には、複数のチップ載置領域15にそれぞれ液体を供給する液体供給ステップを実施する。図6は、液体供給ステップを模式的に示す断面図である。図6に示すように、本実施の形態の液体供給ステップでは、チップ載置領域15の大きさ等に応じて供給する液体17の量を調整し、チップ載置領域15を囲む溝13の外側の領域に液体17が流れ出ないようにする。
【0044】
液体供給ステップの後には、供給された液体17と接触するようにチップを載置して、液体17の表面張力をチップに作用させるチップ載置ステップを実施する。図7(A)は、チップ載置ステップを模式的に示す断面図であり、図7(B)は、チップ載置領域15にチップが位置付けられた状態を模式的に示す断面図である。
【0045】
図7(A)に示すように、本実施の形態のチップ載置ステップでは、第1のチップ載置領域15aの液体17と重なる位置(液体17上)に、第1のチップ載置領域15aに対応した第1のチップ19aを載置する。また、第2のチップ載置領域15bの液体17と重なる位置(液体17上)に、第2のチップ載置領域15bに対応した第2のチップ19bを載置する。
【0046】
その結果、液体17の表面張力(及び浮力)の作用で2種類のチップ19はそれぞれ移動し、図7(B)に示すように、第1のチップ19aは第1のチップ載置領域15aと重なる位置に位置付けられ、第2のチップ19bは第2のチップ載置領域15bと重なる位置に位置付けられる。すなわち、2種類のチップ19は、2種類のチップ載置領域15の配列に対応した態様で整列する。
【0047】
チップ載置ステップの後には、液体17を除去する液体除去ステップを実施する。図8は、液体除去ステップを模式的に示す断面図である。図8に示すように、液体17を除去することで、2種類のチップ19をウェーハ11の表面11aに整列させることができる。
【0048】
このように、本実施の形態に係るチップ整列方法でも、液体17の表面張力を利用してチップ19を高い精度で整列させることができる。本実施の形態で示す構成、方法等は、他の実施の形態に係る構成、方法等と適宜組み合わせることが可能である。
【0049】
なお、本発明は上記実施の形態の記載に限定されず、種々変更して実施可能である。例えば、RDLファースト法でパッケージを形成する場合等において、配線層を備えたウェーハ11に深い溝13を形成すると、配線層と溝13とが干渉してしまう。また、深い溝13によって、ウェーハ11の強度が低下することもある。そこで、このような現象が問題となる場合には、深い溝13の代わりに、浅く幅の広い溝13を形成すれば良い。
【0050】
図9は、変形例に係るチップ整列方法を模式的に示す断面図である。図9では、浅く幅の広い溝13を形成することで、溝13の内周縁がチップ19の外周縁より内側に位置付けられている。この場合、平面視におけるチップ載置領域15の大きさは、平面視におけるチップ19の大きさより僅かに小さくなる。
【0051】
図9に示すように、溝13を浅くして、幅を広くすれば、RDLファースト法でパッケージを形成する場合等においても、溝13の容積を十分に確保できる。これにより、チップ載置領域15に供給される液体17は溝13の外側に流れ出にくくなる。また、ウェーハ11の強度の低下を防ぐことができる。
【0052】
さらに、整列後のチップ19をウェーハ11上で封止する場合等には、溝形成ステップや液体供給ステップの前に、接着剤や両面テープ等でなる粘着層をウェーハ11の表面11aに形成しても良い。これにより、チップ19をウェーハ11上に固定できるので、封止剤の収縮等に伴うチップ19の移動を規制できる。
【0053】
その他、上記実施の形態に係る構成、方法などは、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施できる。
【符号の説明】
【0054】
11 ウェーハ
11a 表面
11b 裏面
13 溝
15 チップ載置領域
15a 第1のチップ載置領域
15b 第2のチップ載置領域
17 液体
19 チップ
19a 第1のチップ
19b 第2のチップ
2 ノズル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9