特許第6282643号(P6282643)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6282643ウェハ検査ツールのためのダイオードレーザーベースの広帯域光源
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6282643
(24)【登録日】2018年2月2日
(45)【発行日】2018年2月21日
(54)【発明の名称】ウェハ検査ツールのためのダイオードレーザーベースの広帯域光源
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/956 20060101AFI20180208BHJP
   G03F 1/84 20120101ALI20180208BHJP
   G01N 21/84 20060101ALI20180208BHJP
   H01L 21/66 20060101ALI20180208BHJP
【FI】
   G01N21/956 A
   G03F1/84
   G01N21/84 E
   H01L21/66 J
【請求項の数】21
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2015-520466(P2015-520466)
(86)(22)【出願日】2013年6月26日
(65)【公表番号】特表2015-524556(P2015-524556A)
(43)【公表日】2015年8月24日
(86)【国際出願番号】US2013047901
(87)【国際公開番号】WO2014004679
(87)【国際公開日】20140103
【審査請求日】2016年6月20日
(31)【優先権主張番号】61/664,493
(32)【優先日】2012年6月26日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】13/924,216
(32)【優先日】2013年6月21日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500049141
【氏名又は名称】ケーエルエー−テンカー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】特許業務法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チムマルギ アナント
(72)【発明者】
【氏名】ボラ ユヌス
(72)【発明者】
【氏名】ブランナー ルドルフ
【審査官】 立澤 正樹
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2007/0222974(US,A1)
【文献】 特開2008−66032(JP,A)
【文献】 特開2010−112941(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/84−21/958
H01L 21/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
異なる波長範囲を有する入射ビームを提供するように構成可能な複数のレーザーダイオードアレイと、
前記入射ビームを試料に向けて方向付けるためのオプティクスと、
前記入射ビームに応答して前記試料から発せられる出力ビームに基づいて、出力信号または像を発生させるための検出器と、
前記出力ビームを前記検出器に向けて方向付けるためのオプティクスと、
前記異なる波長範囲で前記入射ビームを提供するように、前記レーザーダイオードアレイを構成し、かつ前記出力信号または像に基づいて、前記試料の欠陥を検出するか、または特徴を特徴付けるためのコントローラと、を備え、前記コントローラは、前記入射ビームが、前記異なる波長範囲から選択される特定の波長範囲を有するように、1つ以上のレーザーダイオードアレイを活性化するように構成され、かつ前記入射ビームが、前記特定の波長範囲内に入らない何らかの波長を含まないように、前記レーザーダイオードアレイのうちの他の1つ以上を非活性化するように構成される、半導体デバイスの検査または計測を実行するための光学装置。
【請求項2】
前記レーザーダイオードアレイは、深UV(紫外線)およびUV連続波ダイオードレーザーを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記レーザーダイオードアレイは、VIS(可視)およびNIR(近赤外)連続波ダイオードレーザーを含む、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記レーザーダイオードアレイは、広帯域範囲を共に形成する異なる波長範囲を有する前記入射ビームをもたらすように選択的に活性化することができる、ダイオードバーの複数の2次元(2D)スタックを含む、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記活性化された1つ以上のレーザーダイオードアレイから出力光を受信し、かつ前記入射ビームにおいて異なる照明プロファイルを形成するためのビーム成形オプティクスをさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記活性化された1つ以上のレーザーダイオードアレイから出力光を受信し、組み合わせるための結合オプティクスをさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記結合オプティクスは、前記レーザーダイオードアレイの個々のダイオードまたはダイオードバーの電力より高い正味電力を達成するために、同一の波長を有する出力光を組み合わせる空間カプラーまたは偏光カプラー、および異なる波長範囲を有する出力光を組み合わせるための波長カプラーを備える、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記レーザーダイオードアレイは、ダイオードバーの複数の2次元(2D)スタックを含み、前記スタックは、異なる波長範囲を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記スタックの前記波長範囲は共に、約190nm〜約1000nmの範囲を網羅する、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記スタックの前記波長範囲は共に、前記深UV、UV、VIS、およびNIRの波長を含む、請求項8に記載の装置。
【請求項11】
第1のセットの1つ以上のスタックは、深UVまたはUVベースのレーザーダイオードから形成され、第2のセットの1つ以上のスタックは、VISベースのレーザーダイオードから形成され、第3のセットの1つ以上のスタックは、深NIRベースのレーザーダイオードから形成される、請求項8に記載の装置。
【請求項12】
各スタックは、約15〜80nmの波長範囲幅を有する、請求項8に記載の装置。
【請求項13】
各ダイオードバーの各レーザーダイオードは、約1ワット以上の電力を提供する、請求項8に記載の装置。
【請求項14】
各スタックは、約200ワット以上の電力を提供する、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
各2Dスタックの前記ダイオードバーは、その対応する2Dスタックと同一の波長範囲を有する、請求項8に記載の装置。
【請求項16】
1つ以上のレーザーダイオードアレイを選択し、活性化して、選択された検査アプリケーションの指定された波長範囲で光を発生させ、一方で、他の1つ以上のレーザーダイオードアレイが、前記指定された波長範囲外で光を発生させることを防止することと、
前記活性化された1つ以上のレーザーダイオードアレイからの光を共に結合して、入射ビームを形成することと、
前記入射ビームをウェハまたはレチクルに方向付けることと、
前記入射ビームに応答して前記ウェハまたはレチクルから検出された光に基づいて、前記選択された検査アプリケーションを実行することと、を含み、
1つ以上のレーザーダイオードアレイを選択し、活性化し、光を結合し、前記入射ビームを方向付け、前記選択された検査アプリケーションを実行するための動作を、異なる指定された波長範囲を有する複数の順次選択された検査アプリケーションに対して繰り返す、
半導体検査ツールにおいて光源を発生させるための方法。
【請求項17】
前記レーザーダイオードアレイは、深UV(紫外線)、UV、可視、および近赤外連続波ダイオードレーザーを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記レーザーダイオードアレイは、広帯域範囲を共に形成する異なる波長範囲を有する前記入射ビームをもたらすように選択的に活性化することができる、ダイオードバーの複数の2次元(2D)スタックを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
1つ以上の2Dスタックの第1の組は深UV又はUVレーザーダイオードから構成され、1つ以上の2Dスタックの第2の組はVISレーザーダイオードから構成され、1つ以上の2Dスタックの第3の組はNIRレーザーダイオードから構成され、第1、第2及び第3の組は、異なる波長領域を有する前記入射ビームをもたらすように選択的に活性化することができる、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
各ダイオードバーの各レーザーダイオードは、1ワット以上のパワーを提供する、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
各2Dスタックは、200ワット以上のパワーを提供する、請求項20に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、Anant Chimmalgiらによって2012年6月26日に出願された、Deep UV−UV−VIS−NIR Diode Laser Based Broad Band Light Sources for Wafer Inspection Toolsと題された米国仮特許出願第61/664,493号の優先権を主張するものであり、全ての目的のために参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、概して、ウェハおよびレチクル検査および計測の分野に関する。より具体的には、本発明は、かかる検査および計測ツールの光源に関する。
【背景技術】
【0003】
概して、半導体製造の産業は、シリコン等の基板上に層状にされ、パターン形成される半導体材料を用いて集積回路を製作するための非常に複雑な技術を伴う。典型的に、集積回路は、複数のレチクルから製作される。レチクルの発生およびかかるレチクルのその後の光学検査は、半導体の生成において標準的なステップになっている。最初に、回路設計者は、特定の集積回路(IC)設計を記述する回路パターンデータを、レチクル生成システムまたはレチクル描画機に提供する。
【0004】
大規模な回路集積および半導体デバイスのサイズ減少に起因して、レチクルおよび製作されたデバイスは、ますます欠陥に敏感になっている。すなわち、デバイスに故障を生じさせる欠陥は、ますます少なくなっている。概して、デバイスは、エンドユーザまたは顧客への出荷前に故障のないことが必要とされ得る。
【0005】
半導体レチクルもしくはウェハにおける欠陥を検出するか、または構造を特徴付けるために、種々の検査および計測システムが半導体産業内で用いられる。一種類のツールは、光学検査または計測システムである。光学検査および計測システムにおいて、1つ以上の入射ビームが、半導体ウェハまたはレチクルに向けて方向付けられ、その後、反射および/または散乱されたビームが検出される。その後、検出されたビームは、検出された電気信号または像を発生させるために使用され、その後、かかる信号または像は、欠陥がウェハまたはレチクルに存在するかを判定するか、または被試験試料における特徴を特徴付けるために分析される。
【0006】
種々の光源機構を光学検査および計測ツールと共に用いることができる。1つの例は、アーク灯ベースの光源である。別の例は、レーザー維持プラズマ光源である。アーク灯およびプラズマベースの光源は両方とも、著しい量の帯域外放射を生成する傾向があり、これは、不十分な電力変換効率につながる。さらに、これらの光源は、帯域外放射に対して複雑な熱管理機構を必要とする。プラズマベースの光源もまた、出力輝度スケーラビリティに関して制限を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許出願公開第2007/0222974号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
光学検査および計測ツールのための光源の向上に対する必要性が継続的に存在する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
以下は、本発明のある実施形態の基本的な理解を提供するために、本開示の簡略化された概要を提示する。この概要は、開示の広範な全体像ではなく、本発明の重要な/重大な要素を特定するものでも、または本発明の範囲を描写するものでもない。その唯一の目的は、後で提示される発明を実施するための形態の前置きとして、簡略化された形で本明細書に開示されるいくつかの概念を提示することである。
【0010】
一実施形態において、半導体デバイスの検査または計測を実行するための光学装置が開示される。装置は、異なる波長範囲を有する入射ビームを提供するように構成可能な複数のレーザーダイオードアレイを含む。また、装置は、入射ビームを試料に向けて方向付けるためのオプティクスと、入射ビームに応答して試料から発せられる出力ビームに基づいて、出力信号または像を発生させるための検出器と、出力ビームを検出器に向けて方向付けるためのオプティクスとも含む。装置は、異なる波長範囲で前記入射ビームを提供するようにレーザーダイオードアレイを構成し、かつ出力信号または像に基づいて試料の欠陥を検出するか、または特徴を特徴付けるためのコントローラをさらに含む。
【0011】
特定の実装例において、レーザーダイオードアレイは、深UV(紫外線)およびUV連続波ダイオードレーザーを含む。一態様において、レーザーダイオードアレイは、VIS(可視)およびNIR(近赤外)連続波ダイオードレーザーをさらに含む。さらなる態様において、レーザーダイオードアレイは、広帯域範囲を共に形成する異なる波長範囲を有する入射ビームをもたらすように選択的に活性化することができる、ダイオードバーの複数の2次元(2D)スタックを含む。
【0012】
別の実施形態において、コントローラは、入射ビームが、異なる波長範囲から選択される特定の波長範囲を有するように、1つ以上のレーザーダイオードアレイを活性化するように構成され、かつ入射ビームが、特定の波長範囲内に入らない何らかの波長を含まないように、レーザーダイオードアレイのうちの他の1つ以上を非活性化するように構成される。さらなる態様において、装置は、活性化された1つ以上のレーザーダイオードアレイから出力光を受信し、入射ビームにおいて異なる照明プロファイルを形成するためのビーム成形オプティクスを含む。別の態様において、装置は、活性化された1つ以上のレーザーダイオードアレイから出力光を受信し、組み合わせるための結合オプティクスを含む。例示的な一実装例において、結合オプティクスは、レーザーダイオードアレイの個々のダイオードのまたはダイオードバーの電力より高い正味電力を達成するために、同一の波長を有する出力光を組み合わせる空間カプラーまたは偏光カプラー、および異なる波長範囲を有する出力光を組み合わせるための波長カプラーを備える。
【0013】
特定の実施形態において、レーザーダイオードアレイは、ダイオードバーの複数の2次元(2D)スタックを含み、スタックは、異なる波長範囲を有する。例えば、スタックの波長範囲は共に、約190nm〜約1000nmの範囲を網羅する。一態様において、スタックの波長範囲は共に、深UV、UV、VIS、およびNIRの波長を含む。別の態様において、第1のセットの1つ以上のスタックは、深UVまたはUVベースのレーザーダイオードから形成され、第2のセットの1つ以上のスタックは、VISベースのレーザーダイオードから形成され、第3のセットの1つ以上のスタックは、深NIRベースのレーザーダイオードから形成される。さらに別の実施形態において、各スタックは、約15〜80nmの波長範囲幅を有する。各ダイオードバーの各レーザーダイオードは、約1ワット以上の電力を提供することができる。1つの例において、各スタックは、約200ワット以上の電力を提供する。別の実装例において、各2Dスタックのダイオードバーは、その対応する2Dスタックと同一の波長範囲を有する。
【0014】
別の実装例において、本発明は、半導体検査ツールにおいて光源を発生させるための方法に関する。1つ以上のレーザーダイオードアレイは、選択され、活性化されて、選択された検査アプリケーションの指定された波長範囲で光を発生させ、一方で、1つ以上のレーザーダイオードアレイが、指定された波長範囲外で光を発生させることを防止する。活性化された1つ以上のレーザーダイオードアレイからの光は、共に結合されて、入射ビームを形成する。入射ビームは、ウェハまたはレチクルに方向付けられ、選択された検査アプリケーションは、入射ビームに応答してウェハまたはレチクルから検出された光に基づいて実行される。さらなる態様において、1つ以上のレーザーダイオードアレイを選択し、活性化し、光を結合し、入射ビームを方向付け、選択された検査アプリケーションを実行するための動作は、異なる指定された波長範囲を有する複数の順次選択された検査アプリケーションに対して繰り返される。
【0015】
本発明のこれらのおよび他の態様は、図面を参照して以下に詳述される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の一実施形態に従う、構成可能なダイオードアレイを有する照明源配置の図表示である。
図2A】本発明の特定の実装例に従う、個々のエミッタダイオードから2Dスタックを形成する図表示である。
図2B】本発明の特定の実装例に従う、端面発光レーザーダイオードバーの斜視図である。
図2C】本発明の特定の実装例に従う、端面発光レーザーダイオードスタックの斜視図である。
図3A】本発明の一実施形態に従う、構成可能なダイオードアレイの出力を結合するための空間結合オプティクスの図表示である。
図3B】本発明の一実施形態に従う、構成可能なダイオードアレイの出力を結合するための偏光結合オプティクス配置の図表示である。
図3C】第1の実装例に従う、構成可能なダイオードアレイの出力を結合するための波長結合オプティクス配置の図表示である。
図3D】第2の実装例に従う、構成可能なダイオードアレイの出力を結合するための波長結合オプティクス配置の図表示である。
図4】単一の平らな切子面を有する光ファイバーの形のホモジナイザーを説明する。
図5】本発明の一実施形態に従う、光源発生および検査/計測のための手順を説明する流れ図である。
図6A】本発明の実施形態により瞳面で生成することができる異なる照明プロファイルを表す。
図6B】本発明の実施形態により瞳面で生成することができる異なる照明プロファイルを表す。
図6C】本発明の実施形態により瞳面で生成することができる異なる照明プロファイルを表す。
図7】構成可能なダイオードレーザーアレイを持つ照明源モジュールの実施形態が、本発明の特定の実装例に従って組み込まれ得る、検査システムの図表示である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下の発明を実施するための形態において、本発明の完全な理解を提供するために、多数の具体的な詳細が記載される。本発明は、これらの具体的な詳細の一部または全てがなくとも実施され得る。他の場合において、本発明を不必要に不明瞭にしないように、周知のコンポーネントまたは工程動作は詳細には記載されていない。本発明は、特定の実施形態と併せて記載されるが、本発明を実施形態に限定するよう意図されないことが理解される。
【0018】
概して、光学検査ツールで用いられる構成可能なインコヒーレントレーザーダイオードアレイ(例えば、2−Dスタックのエミッタ)を有する照明源が提供される。照明源は、特定の検査アプリケーションにおいて必要に応じて波長の特定の領域を網羅するように構成可能なレーザーダイオードアレイを含む。例えば、レーザーダイオードアレイは、深UV(紫外線)、UV、VIS(可視)、およびNIR(近赤外)領域から選択的に得られる波長幅を提供する。
【0019】
図1は、本発明の一実施形態に従う、構成可能なダイオードアレイを有する照明源配置101の図表示である。示されるように、照明源配置101は、複数の照明源102を含む。説明される実装例において、各照明源102は、単純に1Dアレイのエミッタダイオードの形であることが可能であるが、各照明源は、複数の構成可能な2Dスタックのレーザーエミッタダイオード(例えば、スタック1−n)の形である。
【0020】
また、照明源配置101は、アクティブダイオードによって出力されるビームのうちの1つ以上のプロファイルを操作するためのビーム成形オプティクス104およびアクティブ照明源からのビーム出力を共に結合するためのビーム結合オプティクス105を含み得る。説明された実施形態において、ビーム成形オプティクス104は、照明源からの出力であるビームのうちの1つ以上を直接受信し、成形するために、照明源に隣接して配置される。代替的に、ビーム結合オプティクス105は、結合されたビームがビーム成形オプティクス104によって受信される前に、照明源からのビーム出力を直接受信し、結合するために、照明源に隣接して配置され得る。さらに別の代替案において、ビーム成形オプティクス104および/またはビーム結合オプティクス105の異なる部分が、アクティブダイオードからの異なるサブセットのビーム出力の異なる経路に設置され得る。
【0021】
また、照明源配置101は、ビーム結合オプティクス105およびビーム成形オプティクス104からの出力である、結合され、成形された結果として生じるビームを受信するためのホモジナイザー106も含み得る。結合および/または成形された入射ビームは、以下に詳述される特定の検査または計測システムに入射光を提供するように、106aホモジナイザー106の第1の端部を通過し、かつかかるホモジナイザー106の第2の端部106bを通じて出力され得る。
【0022】
説明された照明源モジュール101は、成形オプティクス104、ビーム結合オプティクス105、およびホモジナイザー106を備えるように記載されているが、これらのコンポーネントのうちの1つ以上を、光学検査または計測ツールの他のモジュールに組み込むことが可能であることが理解される。例えば、照明源モジュール101は、ビーム成形オプティクス105の出力が、光学ツールのホモジナイザーまたはかかる光学システムの別の適切な光学コンポーネントの入力上に生成されるように、ホモジナイザーを含み得ない。
【0023】
図1に戻り、1つ以上の照明源102は、第1のファイバー端部106a上に結合することができる1つ以上のビームを出力するように、選択的にオンにされ得る。いくつかの構成において、1つ以上の他の照明源102は、第1のファイバー端部106a上に結合および/または成形されるビームの出力を防止して、入射ビームを生成するために、オフにされ得る。各照明源は、同時に、順次、または任意の適切な順序で選択的に活性化され得る。
【0024】
図2Aは、本発明の特定の実装例に従う、2Dダイオードスタック206の図表示である。示されるように、1Dダイオードバー204は、個々のエミッタダイオード(例えば、202、202a、202b)から形成され、複数の1Dダイオードバー(例えば、204a、204b、204c、および204d)は、2Dダイオードスタック206を形成するために用いられる。1つの例において、連続波エミッタは、2Dダイオードスタックを形成するために用いられ得る。各エミッタダイオードは、出力が、ウェハ表面に沿って、かつダイオードの劈開端面から伝播されるように、端面型エミッタの形であり得る。
【0025】
概して、ダイオード出力に対して異なる波長範囲を発生させるために、ダイオードの材料を変更することができる。各2Dスタックは、同一のまたは異なる波長特性を有するダイオードバーから形成することができる。異なるスタック、かつ任意で、1つ以上のスタックの異なるダイオードバーは、異なる波長幅または範囲を網羅することができる。その後、スタックは、種々のアプリケーションに対して広範な波長を選択的に網羅することができる。例えば、ダイオードスタックのうちの全てが活性化された場合、それらは、約190〜1000nm、またはさらには100nmもの低い波長範囲を有する光を共に生成する。例えば、第1のセットのバーまたはスタックは、異なるDUV−UVベースのダイオードから形成され得、第2のセットのバーまたはスタックは、異なるVISベースのダイオードから形成することができ、一方で、第3のセットのバーまたはスタックは、異なるNIRベースのダイオードから形成することができる。
【0026】
約220nm〜約330nmの波長範囲内の深UVおよびUVベースのダイオードは、RIKEN Advanced Science Institute of Japan等の多数の会社および研究所によって開発されている。特定の例として、RIKENのこれらの深UVおよびUVベースのダイオードは、270nm DUV−LEDに対して33mWの最大出力電力を有する。260nmより短い波長を持つダイオードの場合、出力電力は、247nmおよび237nm DUV−LEDに対してそれぞれ15mWおよび5mWである。数10mWの電力を有するVISおよびNIRベースのダイオード、バー、およびスタックは、San Jose,CAのOclaroから入手可能である。
【0027】
図1に関する特定の例において、スタック1は、X+5nm〜X+10nmの波長範囲を有し、スタック2は、X+15nm〜X+20nmの波長範囲を有する。Xが190nmに等しく、190nm〜1000nmの範囲の一部が選択的に網羅される場合、残りのスタックはそれぞれ、スタックnに対して最大X+810nmの異なる範囲を有する。この配置の各スタックは、それぞれが、そのスタックと同一の波長範囲を有する、1Dダイオードバーから形成することができる。スタックの個々のバーは、特定の電力要求を達成するように、同一の波長範囲を有し得る。あるいは、単一のバーによって電力要求が満たされる場合、スタックの個々のバーは異なる波長幅を有し得る。例えば、スタック206の第1のバー204a(図2)は、X+5nm〜X+10nmの第1の幅を有し、スタック206の第2のバー204bは、X+15nm〜X+20nmの波長範囲を有する。スタック206の第3のバー204cは、X+20nm〜X+25nmの第1の幅を有し、このスタック206ならびに他のスタックの残りのバーは、190nm〜1000nmの同一の例示的な全幅が用いられる場合、最大X+810nmの異なる幅を有することができる。
【0028】
個々のダイオードまたは1Dダイオードバーは、5〜10nmもの低い広帯域幅ならびに約数10mW〜数100mWの電力範囲を有し得る。一実施形態において、各ダイオードは、各スタックのバーに最大200ダイオードを配置することによって、最大200Wを有する2Dスタックを達成することができるように、1W(ワット)以上の電力を提供する。1つの検査アプリケーションにおいて、複数の200Wスタックは、共に結合して、広帯域インコヒーレントレーザーベースの光源を形成することができ、これは、kWの電力のみを達成することができるレーザー維持プラズマ源の代替として、明視野ツールに対して非常に魅力的であり得る。かかるエミッタを2−Dスタックに組み込むことは、例として、0.24NAを持つ1mmの直径の送達ファイバーに結合することができる小さい波長分散(約3nm FWHM)において、このように高い電力出力を得ることを可能にする。
【0029】
各特定のダイオードバーまたはスタックの配置に関係なく、選択的に活性化され、より広い幅に組み合わせることができる、各選択可能なサブセットのダイオード(バーまたはスタック)は、15〜80nmの波長幅を有することができる。これらの配置は、検査されている特定の層または欠陥の種類によって、要求に応じて、特定の波長をオンまたはオフにすることを可能にする。また、ウェハの種類によって、活性化された光源のレーザー電力を直接変調することもでき、照明器の熱管理に関する懸念が軽減された効率的な光源につながる。すなわち、複雑な熱管理機構は必要とされない。
【0030】
本明細書に記載される1Dまたは2Dダイオードアレイは、任意の適切な構成を有し得る。概して、各レーザーダイオードは、正孔が再結合してエネルギーを光子として放出する、通電p−nまたはp−i−n半導体接合を含む。光子は、半導体表面と垂直に発光することができるか(面発光ダイオード)、または劈開端面から発光することができる(端面発光ダイオード)。図2Bは、ダイオードバーの劈開端面254において、ダイオードごとに光(例えば、256)を出力するための複数の導波路(例えば、252aおよび252b)を有するレーザーダイオードバー250の斜視図である。
【0031】
その後、各スタックは、図2Cに示されるように、1Dアレイの端面エミッタダイオードから形成され得る。示されるように、スタック270は、交互の1Dダイオードバー(例えば、272aおよび272b)ならびにヒートシンク層(例えば、274aおよび274b)から形成され得る。各1Dダイオードバーは、導波路(例えば、276aおよび276b)から光を端面発光するように構成することができる。特定の例において、各スタックは、ウェハから1Dレーザーアレイを劈開することによって製作され得る。各1Dレーザーアレイは、薄いヒートシンク層に付着される。その後、1Dアレイおよびヒートシンク層のセットは、共に付着されて、交互のアレイおよびヒートシンク層を形成する。各スタックの幅および高さは、特定の開口、送達ファイバーの幅、および検査システムのNAに基づいて選択することができる。
【0032】
アクティブ1Dまたは2Dダイオードアレイのうちの2つ以上の出力は、空間カプラー、偏光カプラー、波長カプラー、またはそれらの任意の組み合わせ等の任意の適切な型のカプラーと結合することができる。最初の2つの結合型は、特定の波長でレーザーからの正味出力を増加するために用いることができ、一方で、波長結合型は、送達経路内に同時に結合される複数の波長を持つより広帯域源を達成するために用いられ得る。
【0033】
図3A〜3Cは、2Dダイオードスタックの出力を組み合わせるためのこれらの異なる方法を説明する。図3Aは、本発明の一実施形態に従う、構成可能なダイオードアレイの出力を結合するための空間結合オプティクス配置300の図表示である。示されるように、スタック1 302aおよびスタック2 302bの出力は両方とも、2つのビームを空間的に組み合わせて、かかるビームが、送達経路、例えば、ファイバー306の一部に送達されるように構成される、空間結合オプティクス304によって受信される。例えば、空間結合オプティクス304は、スタック1 302aの出力を光ファイバー306の上半分に方向付け、スタック2 302bの出力を光ファイバー306の下半分に方向付ける。ファイバーは、受信した光を共に混合する。空間結合オプティクスは、より大きな光導体またはファイバーに供給される個々のファイバーの形をとり得る。大きなファイバーは、光を混合する。
【0034】
空間結合オプティクスからの出力は、光ファイバー306によって直接受信されるように示されているが、他の結合オプティクスが、空間結合オプティクス304とファイバー306との間に挿入され得る。さらに、任意のセットの活性化された1つ以上のスタックは、送達経路に空間的に結合され得る。
【0035】
図3Bは、本発明の一実施形態に従う、構成可能なダイオードアレイの出力を結合するための偏光結合オプティクス配置372の図表示である。示されるように、S偏光子356は、第1のスタック(図示せず)からの出力を受信し、S偏光354aを出力するように配置される。その後、偏光カプラー352は、第2のスタック(図示せず)からのP偏光出力354bを受信し、SおよびP偏光出力を共に結合するように配置される。
【0036】
図3Cは、第1の実装例に従う、構成可能なダイオードアレイの出力を結合するための波長結合オプティクス配置370の図表示である。この実施形態において、波長結合オプティクスは、それぞれ第1の波長を伝送し、第2の波長を反射するダイクロイックミラーから形成される。説明されるように、第1の波長_1を有する(第1のダイオードアレイからの)出力374aは、ミラー372aによって伝送され、一方で、第2の波長_2を有する(第2のアレイからの)出力374bは、ミラー372aによって反射される。したがって、波長_1および波長_2を有する2つの出力は、ミラー372aによって組み合わされる。その後、第2のミラー372bは、3つの波長_1〜3を有する3つの出力374a〜cが共に組み合わされるように、組み合わされたビームを受信し、伝送し、かつ第3の波長_3を有する(第3のダイオードアレイからの)第3の出力374cを反射するように配置される。異なるダイオードアレイからの任意の数の波長出力を組み合わせるように、任意の数のミラーが連続して配置され得る。ミラーは、受信したダイオードバーまたはスタック出力の対応する波長範囲を伝送し、反射するように構成される。
【0037】
図3Dは、第2の実装例に従う、構成可能なダイオードアレイの出力を結合するための波長結合オプティクス配置370の図表示である。この実施形態において、回折格子カプラー394は、異なる角度で、空間カプラー396を介してスタック1 302aおよびスタック2 302bからの出力を受信し、受信した光を、その後、送達経路、例えば、ファイバー306で受信される1つのビームに組み合わせる。格子カプラーを用いて、ダイオードアレイごとにより微細な格子の波長幅を達成することができる。
【0038】
特定の実施形態において、結合された出力は、以下のコンポーネントのうちの1つ以上の形をとるホモジナイザーによって受信され得る:1つ以上の切子面のあるエッジを有する光ファイバー、光導体の有無にかかわらず組み合わせられるマイクロレンズまたはマイクロプリズムアレイ等。図4は、単一の平らな切子面402を有する光ファイバーの形のホモジナイザー400を説明する。代替的に、光ファイバーは、複数の切子面のあるエッジを有することが可能である。
【0039】
図5は、本発明の一実施形態に従う、光源発生および検査(または計測)のための手順500を説明する流れ図である。最初に、動作502において、第1の検査アプリケーションが、異なる波長範囲指定を有する複数の異なる検査アプリケーションから選択され得る。例えば、深UV検査が選択され得る。その後、動作504において、エミッタダイオードのうちの1つ以上のスタック(またはバー)が選択されて、指定された波長範囲外で光を生成することなく、選択された検査の指定された波長範囲で光を発生させ得る。例えば、深UVを発光するように構成されるスタック(またはバー)のみが活性化され、一方で、VISまたはNIR波長範囲を有する他のスタックは、オフのまま維持されるか、またはオフにされる。
【0040】
その後、動作506において、カスタム照明プロファイルを発生させるために、アクティブスタック(またはバー)によって出力される光が成形され得る。このカスタマイズは任意である。図6A〜6Cは、本発明の光源実施形態を用いて光学ツールの瞳面で生成することができる、異なる照明プロファイルを表す。瞳面での入射ビーム断面は、暗部で表される。当然ながら、他の種類の照明プロファイルが本発明で発生され得る。
【0041】
図6Aは、ビームに対して環状照明プロファイルを持つ瞳面600を示す。すなわち、入射ビームの環状部分602のみが、瞳600で発生され、一方で、入射ビームの部分604および606は発生されない。図6Bは、入射ビームに対して四極子照明プロファイルを持つ瞳面650を説明する。すなわち、入射ビームの四極子部分652a〜652dのみが、瞳650で発生され、一方で、入射ビームの部分654は発生されない。図6Cは、入射ビームに対して双極子照明プロファイルを持つ瞳面660を説明する。すなわち、入射ビームの双極子部分662aおよび662bのみが、瞳650で発生され、入射ビームの部分664は発生されない。
【0042】
さらに、異なる波長幅スタック(またはバー)からの出力は、異なる角度の入射をもたらすように、瞳領域の異なる部分に方向付けられ得る。例えば、図6Bの四極子部分および図6Cの双極子部分のそれぞれは、異なる波長範囲を有するスタック(またはバー)出力ビームを受信するように配置され得る。
【0043】
図5に戻り、その後、動作508において、アクティブスタック(またはバー)によって出力される、かつ可能性として成形される光が、共に結合され得る。例えば、空間、偏光、および/または波長カプラーは、2つ以上のスタック(またはバー)によって出力される光路に配置される。また、この結合は、特定の照明プロファイルの異なる部分に方向付けられる異なるスタック(またはバー)出力を達成するように、任意の成形オプティクスと併せて機能するように配置することもできる。
【0044】
その後、動作510において、結合された光は、結合された光をホモジナイズするファイバーを通じて任意で方向付けられ得る。その後、動作512において、結合された(かつ可能性としてホモジナイズされた)光が、結果として生じる入射ビームの形で被試験試料に方向付けられ得、結果として生じる入射ビームに基づいて、現在選択されている検査アプリケーションが実行される。例えば、入射光に応答して試料から発せられる光は、半導体ウェハまたはレチクル等の試料の特性を判定するように方向付けられ、分析される。
【0045】
その後、動作514において、さらなる検査アプリケーションが存在するかが判定され得る。例えば、異なる波長範囲を用いて実行されるさらなる検査が存在しない場合、手順500は終了し得る。あるいは、その後、次の検査アプリケーションが選択され得、手順500を繰り返す。例えば、VISベースの検査アプリケーションが選択され、かつVIS波長を発光するダイオードアレイが活性化され、一方で、VIS波長以外を発光する他のダイオードアレイは、非活性化されるか、またはオフのままである。
【0046】
本発明のある実施形態は、十分に広範な、または「ちょうど良い」波長範囲を有する単一のビームを出力するビームカプラーにカスタマイズ可能な光源活性化および発生を提供する。このカスタマイズ可能な光源は、比較的高い電力レベルでの異なる検査または計測アプリケーションに対する多様な数の光源ニーズを満たすことができる。複数の照明ダイオードアレイ源の使用は、試料への高輝度照明の効率的な送達を可能にする。異なる波長を持つレーザーを、効率的に組み合わせることができる。この配置は、ますます小さくなる表面異常を検出するために、光効率の増加が所望される、暗視野検査に特に適している。さらに、単純に異なるファイバーを選択的に照射することによって、異なる結像および検査モード(明視野および暗視野検査モード等)が容易に提供され得る。
【0047】
本発明の照明源実施形態は、任意の適切な検査または計測ツールで実施され得、多様な数および種類の検査または計測アプリケーションに対して選択された波長範囲を提供するように構成され得る。図7は、構成可能なダイオードレーザーアレイを持つ照明源モジュール101の実施形態が、本発明の特定の実装例に従って組み込まれ得る、検査または計測システム100の図表示である。示されるように、システム100は、それぞれオン(アクティブ)またはオフ(非アクティブ)になるように構成される2Dダイオードアレイスタック102を含む、図1の照明源配置101を含む。また、システム100は、照明源102のうちの選択された照明源をオンまたはオフにするためのコントローラ110も含む。
【0048】
入射ビームは、ホモジナイザー106から、ビームを試料116に向けて中継するのに役立つ多くのレンズ108を通じて通過し得る。これらのレンズ108は、平行、収束、拡大、縮小等の入射ビームに関する任意の適切なビーム操作を提供し得る。その後、入射ビームは、ビームスプリッタ112によって受信され得、その後、ビームスプリッタは、対物レンズ114を通じて入射ビームを反射し、対物レンズは、1つ以上の入射角で入射ビームを試料116に集束する。例えば、第2のホモジナイザー端部106bは、対物レンズ114の後焦点面118に結像される。
【0049】
ホモジナイザー106は、ファイバー106の形をとり得、入射ビームに存在し得るスペックル雑音を実質的に除去して、それによって、より均一かつインコヒーレントな照明を生成するように動作する、ファイバー変調器(図示せず)と結合され得る。例えば、ファイバー変調器は、ファイバー内のモード間の位相差を変化させ、したがって、空間コヒーレンスを低減させて、スペックルのない照明を生成するために、ホモジナイザーファイバーを伸張するように動作する、圧電変調器であり得る。代替的に、またはさらに、システムは、スペックルを低減するように回転拡散器を含み得る。しかしながら、回転拡散器は、光効率が低く、明視野検査等の高光効率を必要としないアプリケーションにのみ用いられ得る。
【0050】
入射ビームが試料に衝突した後、光は、その後、試料116から反射(および/または伝送)および散乱され得、これは、本明細書において、任意の数の光線またはビームレットを含み得る「出力ビーム」または「出力光」と称される。また、検査システムは、出力光を検出器に向けて方向付けるための任意の適切なレンズ配置も含む。説明された実施形態において、出力光は、ビームスプリッタ112、フーリエ面中継レンズ120、結像開口122、およびズームレンズ124を通過する。概して、フーリエ面中継レンズは、試料のフーリエ面を結像開口122に中継する。結像開口122は、出力ビームの一部を遮断するように構成され得る。例えば、開口122は、明視野検査モードにおいて、対物開口数内の出力光の全てを通すように構成され得、暗視野検査時に、試料からの散乱光のみを通すように構成され得る。また、検出された信号から周期構造をフィルタするために、高次の出力ビームを遮断するように、結像開口122にフィルタも設置され得る。
【0051】
結像開口122を通り抜けた後、出力ビームは、その後、試料116の像を拡大するのに役立つズームレンズ124を通過し得る。その後、出力ビームは、検出器126に衝突する。適切なセンサーは、電荷結合デバイス(CCD)、CCDアレイ、時間遅延積分(TDI)センサー、TDIセンサーアレイ、光電子増倍管(PMT)、および他のセンサーを含む。反射システムにおいて、光学素子は、試料を照射し、反射された像を捕捉する。
【0052】
コントローラ110は、ソフトウェアおよびハードウェアの任意の適切な組み合わせであり得、概して、検査システム100の種々のコンポーネントを制御するように構成される。例えば、コントローラは、照明源102の選択的な活性化、ファイバー変調器設定、結像開口122設定等を制御し得る。また、コントローラ110は、検出器126によって発生された像または信号も受信し得、結果として生じる像または信号を分析して、試料に欠陥が存在するか判定するか、試料に存在する欠陥を特徴付けるか、あるいは試料パラメータを判定することによって試料を特徴付けるように構成され得る。
【0053】
1つ以上の検出された信号または像に基づいて判定することができる例示的な試料パラメータは、限界寸法(CD)、膜厚、メタルゲート凹部、高誘電率凹部、側壁角、ステップ高、ピッチウォーキング、トレンチおよび接点プロファイル、オーバーレイ、材料特性(例えば、材料組成、屈折率、極薄拡散層を含む臨界膜への応力、極薄ゲート酸化物、高度なフォトレジスト、193nm ARC層、極薄多層スタック、CVD層、および高度な高誘電率メタルゲート(HKMG)、極薄減結合プラズマ窒化(DPN)工程層、誘導体間を含む非臨界膜への応力、フォトレジスト、底部反射防止コーティング、厚膜酸化物および窒化物、ならびに線層の後端)、半導体製造工程パラメータ(例えば、スキャナーに対する焦点および線量、エッチングツールに対するエッチング速度)等を含む。
【0054】
図7に戻り、ホモジナイザー106の第2の端部106bは、好ましくは、対物レンズの瞳面が第2の端部106bで結像されるように位置付けられ得る。すなわち、第2のホモジナイザー端部106bは、対物後焦点面118の共役面である、照明瞳内に位置付けられる。第2のホモジナイザー端部106bは、1つ以上の入射角で試料116の特定の一または二次元領域を照射するために、(例えば、ビーム成形オプティクス105によって生成される)任意の特定の形を伝送するように配置され得る。
【0055】
コントローラ110は、結果としての試験像および他の検査特性を表示するためのユーザインターフェース(例えば、コンピュータ画面上)を、(例えば、プログラミング命令を用いて)提供するように構成され得る。また、コントローラ110は、入射光の波長範囲を選択すること等のユーザ入力を提供するための1つ以上の入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、ジョイスティック)も含み得る。ある実施形態において、コントローラ110は、光源活性化および検査技術を行うように構成される。典型的に、コントローラ110は、入力/出力ポートに結合される1つ以上のプロセッサ、および適切なバスまたは他の通信機構を介する1つ以上のメモリを有する。
【0056】
かかる情報およびプログラム命令は、特別に構成されたコンピュータシステムに実装され得るため、かかるシステムは、コンピュータ可読媒体に記憶することができる、本明細書に記載の種々の動作を実行するためのプログラム命令/コンピュータコードを含む。機械可読媒体の例としては、ハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、および磁気テープ等の磁気媒体、CD−ROMディスク等の光媒体、光ディスク等の光磁気媒体、ならびに読み取り専用メモリデバイス(ROM)およびランダムアクセスメモリ(RAM)等のプログラム命令を記憶し、実行するように特別に構成されるハードウェアデバイスを含むがこれらに限定されない。プログラム命令の例としては、コンパイラ等によって生成される機械コードおよびインタプリタを用いてコンピュータによって実行され得るより高いレベルのコードを含有するファイルの両方を含む。
【0057】
上記の図面および説明は、システムの特定のコンポーネントを制限するものと解釈されるべきではなく、システムは、多くの他の形で具体化され得ることに留意すべきである。例えば、検査または測定ツールは、レチクルまたはウェハの特徴の重大な態様を解決するように配置された多くの適切かつ周知の結像または計測ツールのうちのいずれかであり得ると考えられる。例として、検査または測定ツールは、明視野結像顕微鏡、暗視野結像顕微鏡、フルスカイ結像顕微鏡、位相コントラスト顕微鏡、偏光コントラスト顕微鏡、およびコヒーレンスプローブ顕微鏡に適用され得る。また、対象の像を捕捉するために、単一および複数の結像方法が用いられ得るとも考えられる。これらの方法は、例えばシングルグラブ、ダブルグラブ、シングルグラブコヒーレンスプローブ顕微鏡(CPM)、およびダブルグラブCPM方法を含む。散乱計測等の非結像光学方法が考えられ得る。
【0058】
上述の発明は、理解の明確さの目的のためにいくらか詳細に記載しているが、ある変更および修正が、添付の特許請求の範囲内で実施され得ることが明らかである。本発明の工程、システム、および装置を実装するための多くの代替的な方法が存在することに留意すべきである。したがって、本実施形態は、例示的なものであり、制限するものではないとみなされるべきであり、本発明は、本明細書に記載の詳細に限定されるべきではない。
図1
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図3C
図3D
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図7