【課題を解決するための手段】
【0015】
したがって、本発明の対象は、その立体異性体形態および任意の比の立体異性体形態の混合物のいずれかである式Iの化合物、ならびにその薬学的に許容される塩であり、
【化2】
式中、
Arは、非置換であるかまたは1つもしくはそれ以上の同一もしくは異なる置換基R0によって置換されているフェニルであり;
R0は、ハロゲン、(C
1〜C
6)−アルキル、(C
3〜C
7)−シクロアルキル、(C
3〜C
7)−シクロアルキル−(C
1〜C
4)−アルキル−、HO−、(C
1〜C
6)−アルキル−O−、(C
3〜C
7)−シクロアルキル−O−および(C
3〜C
7)−シクロアルキル−(C
1〜C
4)−アルキル−O−からなる系列から選択され、Ar中の隣接する環炭素原子に結合している2個のR0基は、それらを担持する炭素原子と一緒に、5員から7員のモノ不飽和環を形成することができ、これは、窒素、酸素および硫黄からなる系列から選択される0個、1個または2個の同一または異なる環ヘテロ原子を含み、非置換であるか、またはフッ素および(C
1〜C
4)−アルキルからなる系列から選択される1個もしくはそれ以上の同一もしくは異なる置換基によって置換されており;
R1は、水素であるか、またはフッ素および(C
1〜C
4)−アルキルからなる系列から選択される1個もしくはそれ以上の同一もしくは異なる置換基であり;
R2は、水素、(C
1〜C
6)−アルキル、HO−、(C
1〜C
6)−アルキル−O−、(C
1〜C
6)−アルキル−C(O)−O−、フェニル−C(O)−O−、Het1−C(O)−O−、R5−N(R6)−、R7−C(O)−N(R8)−、R7−S(O)
2−N(R8)−、R9−N(R10)−C(O)−N(R8)−およびR5−N(R6)−C(O)−からなる系列から選択され、ここで、(C
1〜C
6)−アルキルは非置換であるか、または1個もしくはそれ以上の同一もしくは異なる置換基R20によって置換されており;
R3は、水素および(C
1〜C
6)−アルキルからなる系列から選択され、ここで、(C
1〜C
6)−アルキルは非置換であるか、または(C
3〜C
7)−シクロアルキル、フェニル、HO−および(C
1〜C
4)−アルキル−O−からなる系列から選択される1個もしくは2個の同一もしくは異なる置換基によって置換されており;
またはR2基およびR3基は、一緒にオキソであり;
【0016】
R4は、水素であるか、またはハロゲン、(C
1〜C
4)−アルキルおよび(C
1〜C
4)−アルキル−O−からなる系列から選択される1個もしくはそれ以上の同一もしくは異なる置換基であり;
R5およびR6は、互いに独立して、水素、(C
1〜C
6)−アルキル、(C
2〜C
6)−アルケニル、(C
3〜C
7)−シクロアルキル、(C
6〜C
10)−ビシクロアルキル、フェニル、Het1およびHet2からなる系列から選択され、ここで、(C
1〜C
6)−アルキルは非置換であるか、または1個もしくはそれ以上の同一もしくは異なる置換基 R20によって置換されており、(C
3〜C
7)−シクロアルキル、(C
6〜C
1
0)−ビシクロアルキルおよびHet2は全て非置換であるか、または1個もしくはそれ以上の同一もしくは異なる置換基R21によって置換されており、フェニルおよびHet1は全て非置換であるか、または1個もしくはそれ以上の同一もしくは異なる置換基R22によって置換されており、
またはR5基およびR6基は、それらを担持する窒素原子と一緒に、4員から7員の単環式の飽和または部分的不飽和の複素環を形成し、これは、R5およびR6を担持する窒素原子に加えて、窒素、酸素および硫黄からなる系列から選択される0個または1個のさらなる環ヘテロ原子を含み、非置換であるか、または1個もしくはそれ以上の同一もしくは異なる置換基R21によって置換されており;
R7は、(C
1〜C
6)−アルキル、(C
3〜C
7)−シクロアルキル、フェニル、Het1およびHet2からなる系列から選択され、ここで、(C
1〜C
6)−アルキルは非置換であるか、または1個もしくはそれ以上の同一もしくは異なる置換基R20によって置換されており、(C
3〜C
7)−シクロアルキルおよびHet2は全て非置換であるか、または1個もしくはそれ以上の同一もしくは異なる置換基R21によって置換されており、フェニルおよびHet1は全て非置換であるか、または1個もしくはそれ以上の同一もしくは異なる置換基R22によって置換されており;
R8は、水素および(C
1〜C
4)−アルキルからなる系列から選択され;
R9は、(C
1〜C
6)−アルキル、(C
3〜C
7)−シクロアルキル、(C
3〜C
7)−シクロアルキル−(C
1〜C
4)−アルキル−、フェニル−(C
1〜C
4)−アルキル−およびHet1−(C
1〜C
4)−アルキル−からなる系列から選択され;
R10は、水素、(C
1〜C
6)−アルキル、(C
3〜C
7)−シクロアルキル、(C
3〜C
7)−シクロアルキル−(C
1〜C
4)−アルキル−、フェニル−(C
1〜C
4)−アルキル−およびHet1−(C
1〜C
4)−アルキルからなる系列から選択され−;
R20は、R24、フッ素、HO−、オキソ、(C
1〜C
6)−アルキル−O−、(C
3〜C
7)−シクロアルキル−O−、R30−C(O)−O−、R30−NH−C(O)−O−、HO−S(O)
2−O−、(HO)
2P(O)−O−、(HO)
2P(O)−O−CH
2−O−C(O)−O−、(C
1〜C
6)−アルキル−S(O)
n−、(C
3〜C
7)−シクロアルキル−S(O)
n−、R31−N(R32)−、R33−C(O)−N(R32)−、(C
1〜C
6)−アルキル−S(O)
2−N(R32)−、R31−N(R32)−C(O)−、R34−O−C(O)−およびR31−N(R32)−S(O)
2−からなる系列から選択され;
【0017】
R21は、(C
1〜C
4)−アルキル、HO−(C
1〜C
4)−アルキル−、R31−N(R32)−(C
1〜C
4)−アルキル−、R34−O−C(O)−(C
1〜C
4)−アルキル−、R24、フッ素、HO−、オキソ、(C
1〜C
6)−アルキル−O−、(C
3〜C
7)−シクロアルキル−O−、R30−C(O)−O−、R30−NH−C(O)−O−、HO−S(O)
2−O−、(HO)
2P(O)−O−、(HO)
2P(O)−O−CH
2−O−C(O)−O−、(C
1〜C
6)−アルキル−S(O)
n−、(C
3〜C
7)−シクロアルキル−S(O)
n−、R31−N(R32)−、R33−C(O)−N(R32)−、(C
1〜C
6)−アルキル−S(O)
2−N(R32)−、R31−N(R32)−C(O)−、R34−O−C(O)−およびR31−N(R32)−S(O)
2−からなる系列から選択され;
R22は、ハロゲン、(C
1〜C
4)−アルキル、HO−(C
1〜C
4)−アルキル−、(C
3〜C
7)−シクロアルキル、HO−、オキソ、(C
1〜C
6)−アルキル−O−、(C
3〜C
7)−シクロアルキル−O−、HO−S(O)
2−O−、(HO)
2P(O)−O−、(HO)
2P(O)−O−CH
2−O−C(O)−O−、(C
1〜C
6)−アルキル−S(O)
n−、(C
3〜C
7)−シクロアルキル−S(O)
n−、R31−N(R32)−、R33−C(O)−N(R32)−、R33−O−C(O)−N(R32)−、(C
1〜C
6)−アルキル−S(O)
2−N(R32)−、NC−、R33−C(O)−、R31−N(R32)−C(O)−、R34−O−C(O)−およびR31−N(
R32)−S(O)
2−からなる系列から選択され;
R24は、3員から10員の単環式または二環式環であり、これは、飽和、部分的不飽和または芳香族であり、窒素、酸素および硫黄からなる系列から選択される0個、1個、2個、3個または4個の同一または異なる環ヘテロ原子を含み、非置換であるか、または1個もしくはそれ以上の同一もしくは異なる置換基R22によって置換されており;
R30およびR33は、互いに独立して、(C
1〜C
6)−アルキル、(C
3〜C
7)−シクロアルキル、(C
3〜C
7)−シクロアルキル−(C
1〜C
4)−アルキル−、フェニル−(C
1〜C
4)−アルキル−およびHet1−(C
1〜C
4)−アルキル−からなる系列から選択され;
R31およびR32は、互いに独立して、水素、(C
1〜C
6)−アルキル、(C
3〜C
7)−シクロアルキル、(C
3〜C
7)−シクロアルキル−(C
1〜C
4)−アルキル−、フェニル−(C
1〜C
4)−アルキル−およびHet1−(C
1〜C
4)−アルキル−からなる系列から選択され、
またはR31基およびR32基は、それらを担持する窒素原子と一緒に、4員から7員の単環式飽和複素環を形成し、これは、R31およびR32を担持する窒素原子に加えて、窒素、酸素および硫黄からなる系列から選択される0個または1個のさらなる環ヘテロ原子を含み、非置換であるか、またはフッ素および(C
1〜C
4)−アルキルからなる系列から選択される1個もしくはそれ以上の同一もしくは異なる置換基によって置換されており;
【0018】
R34は、水素、(C
1〜C
6)−アルキル、(C
3〜C
7)−シクロアルキル、(C
3〜C
7)−シクロアルキル−(C
1〜C
4)−アルキル−、フェニル−(C
1〜C
4)−アルキル−およびHet1−(C
1〜C
4)−アルキル−からなる系列から選択され;
Het1は、5員または6員の単環式芳香族複素環であり、これは、窒素、酸素および硫黄からなる系列から選択される1個、2個または3個の同一または異なる環ヘテロ原子を含み、別段に規定されていない限り、非置換であるか、またはハロゲン、(C
1〜C
4)−アルキルおよび(C
1〜C
4)−アルキル−O−からなる系列から選択される1個もしくはそれ以上の同一もしくは異なる置換基によって置換されており;
Het2は、4員から10員の単環式または二環式の飽和または部分的不飽和の複素環であり、これは、窒素、酸素および硫黄からなる系列から選択される1個または2個の同一または異なる環ヘテロ原子を含み;
nは、0、1および2からなる系列から選択され、ここで、全ての数nは互いに独立しており;
pおよびqは、互いに独立して、0および1からなる系列から選択され;
ここで、全てのフェニル基は、別段に規定されていない限り、非置換であるか、またはハロゲン、(C
1〜C
4)−アルキルおよび(C
1〜C
4)−アルキル−O−からなる系列から選択される1個もしくはそれ以上の同一もしくは異なる置換基によって置換されており;
ここで、全てのシクロアルキル基およびビシクロアルキル基は、シクロアルキル基またはビシクロアルキル基上に存在することができる任意の他の置換基から独立して、フッ素および(C
1〜C
4)−アルキルからなる系列から選択される1個またはそれ以上の同一または異なる置換基によって置換されていてよく;
ここで、全てのアルキル基は、アルキル基上に存在することができる任意の他の置換基から独立して、1個またはそれ以上のフッ素置換基によって置換されていてよい。
【0019】
R1基が水素であるならば、式Iの化合物およびR1が出現する全ての他の化合物におけるシクロアルカン環の炭素原子は、R2基およびR3基は別にして水素原子だけを担持し、酸素原子はシクロアルカン環をクロマン環に連結させている。水素と異なり、即ちR1を表すフッ素および(C
1〜C
4)−アルキル置換基である、式Iの化合物およびR1が出現する全ての他の化合物におけるR1基は、特定の炭素原子に向けられていないR1を起点とする結合によって示されている通り、遊離結合部位を有する式Iに図示されているシクロアルカン環の環炭素原子のいずれかに、即ち、R2基およびR3基を担持する環炭素原子を除いてシクロアルカン環の任意の環炭素原子に結合していてよい。同様に、R4基が水素であるならば、式Iの化合物およびR4が出現する全ての他の化合物におけるクロマン環は、Ar基は別にして水素原子だけを担持し、酸素原子はクロマン環をシクロアルカン環に連結させている。水素と異なる、即ち、R4を表すハロゲン、(C
1〜C
4)−アルキルおよび(C
1〜C
4)−アルキル−O−置換基である、式Iの化合物およびR4が出現する全ての他の化合物におけるR4基は、クロマン環の特定の炭素原子に向けられていないR4を起点とする結合によって示されている通り、遊離結合部位を有する式Iに図示されているクロマン環の炭素原子のいずれかに、即ち、式I’において同定されている通りのクロマン環の環2位、3位、4位、5位、7位および8位における炭素原子に結合していてよい。
【0020】
【化3】
【0021】
水素と異なるR4基によって占有されていないクロマン環の環2位、3位、4位、5位、7位および8位における炭素原子の全ての遊離結合部位に、ならびに水素と異なるR1基によって占有されていないシクロアルカン環の全ての遊離結合部位に、水素原子が存在する。即ち、式Iの化合物において、水素と異なるR4基が存在しないならば、クロマン環の環2位、5位、7位および8位における炭素原子は1個の水素原子を担持し、クロマン環の環3位および4位における炭素原子は2個の水素原子を担持する。式Iの化合物において、水素と異なるR1基が存在しないならば、クロマン環に連結されている酸素原子を担持するシクロアルカン環の環炭素原子は1つの水素原子を担持し、R2およびR3を担持する原子は別にして他の環炭素原子は2つの水素原子を担持する。水素と異なるR4基および/またはR1基が存在しない式Iの化合物は、R4および/またはR1ならびにそれらを起点とする結合が省かれている修飾された式Iによって表すことができる。置換基R4および/またはR1、即ち、水素と異なるR4および/またはR1を表す原子または基が存在するならば、前記水素原子の1個またはそれ以上は、該置換基によって置き換えられている。
【0022】
基、置換基または数などの構造要素が、例えば、式Iの化合物において数回出現することがあれば、それらは全て互いに独立しており、各場合において、示されている意味のいずれかを有することができ、それらは、任意の他のこうした要素と同一または異なっていてよい。ジアルキルアミノ基において、例えば、アルキル基は同一または異なっていてよい。
【0023】
アルキル基、即ち飽和炭化水素残基は、線状(直鎖)または分岐であってよい。これは、これらの基が置換されているまたは別の基、例えばアルキル−O−基(アルキルオキシ基、アルコキシ基)もしくはHO置換アルキル基(HO−アルキル−、ヒドロキシアルキル基)の一部である場合も当てはまる。それぞれの定義に依存して、アルキル基中の炭素原子の数は、1個、2個、3個、4個、5個もしくは6個、または1個、2個、3個もしくは4個、または1個、2個もしくは3個、または1個もしくは2個、または1個であってよい。アルキルの例は、メチル、エチル、n−プロピルおよびイソプロピルを含めたプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチルおよびtert−ブチルを含めたブチル、n−ペンチル、1−メチルブチル、イソペンチル、ネオペンチルおよびtert−ペンチルを含めたペンチル、ならびにn−ヘキシル、3,3−ジメチルブチルおよびイソヘキシルを含めたヘキシルである。アルキル−O−基の例は、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、tert−ブトキシ、n−ペントキシである。アルキル−S(O)
n−の例は、メチルスルファニル−(CH
3−S−)、メタンスルフィニル−(CH
3−S(O)−)、メタンスルホニル(CH
3−S(O)
2−)、エチルスルファニル−(CH
3−CH
2−S−)、エタンスルフィニル−(CH
3−CH
2−S(O)−)、エタンスルホニル(CH
3−CH
2−S(O)
2−)、1−メチルエチルスルファニル−((CH
3)
2CH−S−)、1−メチルエタンスルフィニル−((CH
3)
2CH−S(O)−)、1−メチルエタンスルホニル((CH
3)
2CH−S(O)
2−)である。本発明の一実施形態において、数nは、0および2からなる系列から選択され、ここで、全ての数nは互いに独立しており、同一または異なっていてよい。別の実施形態において、それの出現のいずれかにおける数nは、他の出現におけるそれの意味から独立して、0である。別の実施形態において、それの出現のいずれかにおける数nは、他の出現におけるそれの意味から独立して、2である。
【0024】
置換アルキル基は、任意の位置で置換されていてよいが、ただし、それぞれの化合物が十分に安定しており、医薬活性化合物として適当であるという条件である。特定の基および式Iの化合物が十分に安定であり医薬活性化合物として適当であるという前提条件は、一般に、式Iの化合物における全ての基の定義に関して当てはまる。置換アルキル基、特定にはHO−(C
1〜C
4)−アルキル基の例として、例えば、ヒドロキシメチル、1−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシエチル、1−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシプロピル、3−ヒドロキシプロピル、1−ヒドロキシ−1−メチルエチル、2−ヒドロキシ−1−メチルエチル、1−ヒドロキシブチル、4−ヒドロキシブチル、2−ヒドロキシ−1−メチルプロピルまたは2−ヒドロキシ−1−メチルプロピルが記述され得る。
【0025】
アルキル基上に存在することができる任意の他の置換基から独立して、および別段に規定されていない限り、アルキル基は、任意の位置に位置することができる1個またはそれ以上のフッ素置換基によって、例えば1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個もしくは11個のフッ素置換基によって、または1個、2個、3個、4個もしくは5個のフッ素置換基によって、または1個、2個もしくは3個のフッ素置換基によって置換されていてよい。即ち、アルキル基上に存在することができる任意の他の置換基から独立して、アルキル基はフッ素置換基によって置換されていなくてもよく、即ち、フッ素置換基を担持していないか、またはフッ素置換基によって置換されておらず、ここで、式Iの化合物における全てのアルキル基は、フッ素置換基による任意選択の置換に関して互いに独立している。例えば、フルオロ置換アルキル基において、1個もしくはそれ以上のメチル基は、3個のフッ素置換基を各々担持し、トリフルオロメチル基として存在することができ、および/または1個もしくはそれ以上のメチレン基(CH
2)は、2個のフッ素置換基を各々担持し、ジフルオロメチレン基として存在することができる。フッ素による基の置換に関する該説明は、該基が追加として他の置換基を担持するおよび/または別の基、例えばアルキル−O−基の一部である場合にも当てはまる。フルオロ置換アルキル基の例は、トリフルオロメチル、2−フルオロエチル、1−フルオロエチル、1,1−ジフルオロエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、ペンタフルオロエチル、3,3,3−トリフルオロプロピル、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル、4,4,4−トリフルオロブチルおよびヘプタフルオロイソプロピルである。フルオロ置換アルキル−O−基の例は、トリフルオロメトキシ、2,2,2−トリフルオロエトキシ、ペンタフルオロエトキシおよび3,3,3−トリフルオロプロポキシである。フルオロ置換アルキル−S(O)
n−基の例は、トリフルオロメチルスルファニル−(CF
3−S−)、トリフルオロメタンスルフィニル−(CF
3−S(O)−)およびトリフルオロメタンスルホニル(CF
3−S(O)
2−)である。1個またはそれ以上のフッ素置換基を一般に含有することができるアルキル基であってよい式Iの化合物における全ての基または置換基に関して、基または置換基の定義に含まれ得るフッ素−置換アルキルを含有する基または置換基の例として、CF
3基(トリフルオロメチル)またはCF
3−O−もしくはCF
3−S−などのそれぞれの基が記述され得る。
【0026】
アルキル基に関する上記の説明は、式Iの化合物における基の定義において、2個の隣接基に結合するかまたは2個の基に連結され、置換アルキル基のアルキル部分の場合におけるように、二価のアルキル基(アルカンジイル基)とみなされ得るアルキル基に対応して当てはまる。したがって、こうした基は線状または分岐であってもよく、隣接基への結合は任意の位置に位置することができ、同じ炭素原子または異なる炭素原子から出発することができ、それらは非置換であるか、または任意の他の置換基から独立してフッ素置換基によって置換されていてよい。こうした二価のアルキル基の例は、−CH
2−、−CH
2−CH
2−、−CH
2−CH
2−CH
2−、−CH
2−CH
2−CH
2−CH
2−、−CH(CH
3)−、−C(CH
3)
2−、−CH(CH
3)−CH
2−、−CH
2−CH(CH
3)−、−C(CH
3)
2−CH
2−、−CH
2−C(CH
3)
2−である。1個、2個、3個、4個、5個または6個のフッ素置換基を含有することができるフルオロ置換アルカンジイル基の例は、例えば、−CHF−、−CF
2−、−CF
2−CH
2−、−CH
2−CF
2−、−CF
2−CF
2−、−CF(CH
3)−、−C(CF
3)
2−、−C(CH
3)
2−CF
2−、−CF
2−C(CH
3)
2−である。
【0027】
アルキル基に関する上記の説明は、本発明の一実施形態において1個の二重結合を含有する不飽和炭化水素残基、即ちアルケニル基に対応して当てはまる。したがって、例えば、アルケニル基は同様に線状または分岐であってよい。二重結合は、任意の位置で存在することができる。アルケニル基における炭素原子の数は、例えば2個、3個、4個、5個もしくは6個、または2個、3個、4個もしくは5個、または3個、4個もしくは5個であってよい。アルケニルの例は、エテニル(ビニル)、プロパ−1−エニル、プロパ−2−エニル(アリル)、ブタ−2−エニル、ブタ−3−エニル、2−メチルプロパ−2−エニル、3−メチルブタ−2−エニル、へキサ−3−エニル、へキサ−4−エニル、4−メチルペンタ−3−エニルである。本発明の一実施形態において、アルケニル基は、少なくとも3個の炭素原子を含有し、二重結合の一部ではない炭素原子を介して該分子の残部に結合する。
【0028】
(C
3〜C
7)−シクロアルキル基における環炭素原子の数は、3個、4個、5個、6個または7個であってよい。シクロアルキルの例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルおよびシクロヘプチルである。(C
6〜C
10)−ビシクロアルキル基中の環炭素原子の数は、6個、7個、8個、9個または10個であってよい。ビシクロアルキル基の2つの環は、共同して1個、2個またはそれ以上の環炭素原子を有することができ、縮合され得るか、または架橋二環またはスピロ環を形成することができる。ビシクロアルキルの例は、ビシクロ[2.1.1]ヘキシル、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル、ビシクロ[3.1.1]ヘプチル、ビシクロ[2.2.2]オクチル、ビシクロ[3.2.1]オクチル、ビシクロ[3.2.2]ノニルおよびビシクロ[4.4.0]デシルである。ビシクロアルキル基は、任意の環炭素原子を介して結合することができる。シクロアルキル基またはビシクロアルキル基上に存在することができる任意の他の置換基から独立して、および別段に規定されていない限り、シクロアルキル基およびビシクロアルキル基は、任意の位置に位置することができる1個またはそれ以上の(C
1〜C
4)−アルキル置換基によって、例えば1個、2個、3個または4個の同一または異なる(C
1〜C
4)−アルキル置換基によって、例えばメチル基によって置換されていてよい。即ち、シクロアルキル基またはビシクロアルキル基上に存在することができる任意の他の置換基から独立して、シクロアルキル基およびビシクロアルキル基は、(C
1〜C
4)−アルキル置換基によって置換されていなくてよく、即ち、(C
1〜C
4)−アルキル置換基を担持しないかまたは(C
1〜C
4)−アルキル置換基によって置換されておらず、ここで、式Iの化合物における全てのシクロアルキル基およびビシクロアルキル基は、(C
1〜C
4)−アルキル置換基による任意選択の置換に関して互いに独立している。こうしたアルキル−置換シクロアルキル基およびビシクロアルキル基の例は、1−メチルシクロプロピル、2,2−ジメチルシクロプロピル、1−メチルシクロペンチル、2,3−ジメチルシクロペンチル、1−メチルシクロヘキシル、4−メチルシクロヘキシル、4−イソプロピルシクロヘキシル、4−tert−ブチルシクロヘキシル、3,3,5,5−テトラメチルシクロヘキシル、7,7−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプチル、6,6−ジメチルビシクロ[3.1.1]ヘプチルおよび1,7,7−トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプチルである。
【0029】
シクロアルキル基またはビシクロアルキル基上に存在することができる(C
1〜C
4)−アルキル置換基を含めて任意の他の置換基から独立して、および別段に規定されていない限り、シクロアルキル基およびビシクロアルキル基は、任意の位置に位置することができ、(C
1〜C
4)−アルキル置換基に存在することもできる1個またはそれ以上のフッ素置換基によって、例えば1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個もしくは11個のフッ素置換基によって、または1個、2個、3個、4個もしくは5個のフッ素置換基によって、または1個、2個もしくは3個のフッ素置換基によって置換されていてよい。即ち、シクロアルキル基またはビシクロアルキル基上に存在することができる任意の他の置換基から独立して、シクロアルキル基およびビシクロアルキル基は、フッ素置換基によって置換されていなくてよく、即ち、フッ素置換基を担持しないかまたはフッ素置換基によって置換されておらず、ここで、式Iの化合物における全てのシクロアルキル基およびビシクロアルキル基は、フッ素置換基による任意選択の置換に関して互いに独立している。フルオロ置換シクロアルキル基およびビシクロアルキル基の例は、1−フルオロシクロプロピル、2,2−ジフルオロシクロプロピル、3,3−ジフルオロシクロブチル、1−フルオロシクロヘキシル、4,4−ジフルオロシクロヘキシル、3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロヘキシル、1−フルオロビシクロ[2.2.2]オクチルおよび1,4−ジフルオロビシクロ[2.2.2]オクチルである。シクロアルキル基は、フッ素およびアルキルによって同時に置換されていてもよい。(C
3〜C
7)−シクロアルキル−(C
1〜C
4)−アルキル−基の例は、シクロプロピルメチル−、シクロブチルメチル−、シクロペンチルメチル−、シクロヘキシルメチル−、シクロヘプチルメチル−、1−シクロプロピルエチル−、2−シクロプロピルエチル−、1−シクロブチルエチル−、2−シクロブチルエチル−、1−シクロペンチルエチル−、2−シクロペンチルエチル−、1−シクロヘキシルエチル−、2−シクロヘキシルエチル−、1−シクロヘプチルエチル−、2−シクロヘプチルエチル−である。本発明の一実施形態において、(C
3〜C
7)−シクロアルキル−(C
1〜C
4)−アルキル基は、こうした基の任意の1つまたはそれ以上の出現において、任意の他の出現から独立して、(C
3〜C
7)−シクロアルキル−(C
1〜C
2)−アルキル基であり、別の実施形態において(C
3〜C
7)−シクロアルキル−CH
2−基である。(C
3〜C
7)−シクロアルキル−(C
1〜C
4)−アルキル−基において、および同様に全ての他の基において、末端のハイフンは、該基が結合している遊離結合を示し、したがって、サブグループで構成されている基がどのサブグループを介して結合しているかを示している。
【0030】
ArおよびR24を表すフェニル基を含めた置換フェニル基において、置換基は、任意の位置に位置することができる。一置換フェニル基において、置換基は、2位に、3位にまたは4位に位置することができる。二置換フェニル基において、置換基は、2位および3位に、2位および4位に、2位および5位に、2位および6位に、3位および4位に、または3位および5位に位置することができる。三置換フェニル基において、置換基は、2位、3位および4位に、2位、3位および5位に、2位、3位および6位に、2位、4位および5位に、2位、4位および6位に、または3位、4位および5位に位置することができる。フェニル基が、例えば一部がフッ素原子であり得る4個の置換基を担持するならば、置換基は、2位、3位、4位および5位に、2位、3位、4位および6位に、または2位、3位、5位および6位に位置することができる。多置換フェニル基または任意の他の多置換されている基が、異なる置換基を担持するならば、各置換基は、任意の適当な位置に位置することができ、本発明は全ての位置異性体を含む。置換フェニル基における置換基の数は、1個、2個、3個、4個または5個であってよい。本発明の一実施形態において、置換フェニル基中の置換基の数、および同様に他の態様において、1個またはそれ以上の置換基を担持することができる任意の他の置換されている基中の置換基の数は、1個、2個、3個または4個であり、別の実施形態において1個、2個または3個であり、別の実施形態において1個または2個であり、別の実施形態において1個であり、ここで、こうした置換されている基の任意の出現における置換基の数は、他の出現における置換基の数から独立している。
【0031】
Het1基およびHet2基ならびに複素環式基R24、ならびに式Iの化合物に存在することができる他の複素環式環、例えば2個の基によって、それらを担持する原子(単数または複数)と一緒に形成される環などを含めた複素環式基において、ヘテロ環員は任意の組合せで存在し、任意の適当な環位置に位置することができるが、ただし、結果として得られる基および式Iの化合物が医薬活性化合物として適当であり、十分に安定であるという条件である。本発明の一実施形態において、式Iの化合物における任意の複素環式環中の2個の酸素原子は、隣接する環位置に存在することはできない。本発明の別の実施形態において、酸素原子および硫黄原子からなる系列から選択される2つのヘテロ環員は、式Iの化合物における任意の複素環式環中の隣接する環位置に存在することはできない。本発明の別の実施形態において、水素原子または置換基のような環外基を担持する窒素原子、硫黄原子および酸素原子からなる系列から選択される2つのヘテロ環員は、式Iの化合物における任意の複素環式環中の隣接する環位置に存在することはできない。芳香族複素環式環において、ヘテロ環員の選択は、環が芳香族であるという前提条件、即ちそれが6つの非局在化パイ電子の環式系を含むという前提条件によって制限される。単環式芳香族複素環は、5員環または6員環であり、5員環の場合において、酸素、硫黄および窒素からなる系列から選択される1個の環ヘテロ原子を含み、ここで、この環窒素は、水素原子または置換基のような環外基および場合により1つまたはそれ以上のさらなる環窒素原子を担持し、6員環の場合において、環ヘテロ原子として1個またはそれ以上の窒素原子を含むが、環ヘテロ原子として酸素原子および硫黄原子を含まない。基の定義において別段に規定されていない限り、複素環式基は、任意の適当な環原子、即ち環炭素原子および環窒素原子を含めて、水素原子または置換基を担持する任意の環原子を介して結合していてよい。本発明の一実施形態において、式Iの化合物に出現する複素環式基のいずれかは、それの出現のいずれかにおいて、それの他の出現から独立して、および任意の他の複素環式基から独立して、適用可能であれば環炭素原子を介しておよび別の実施形態において環窒素原子を介して結合している。置換複素環式基において、置換基は、任意の位置に位置することができる。
【0032】
式Iの化合物における複素環式基中に存在することができる環ヘテロ原子の数、環の数、即ち複素環式基が単環式および/もしくは二環式であり得るのか、存在することができる環員の数および飽和度、即ち複素環式基が飽和されているとともに環内に二重結合を含有していないか、またはそれが部分的不飽和であり環内に1個もしくはそれ以上、例えば1個もしくは2個の二重結合を含有しているが芳香族でないか、またはそれが芳香族であり、したがって、5員単環式芳香族複素環の場合において環内に2個の二重結合、6員単環式芳香族複素環の場合において環内に3個の二重結合、9員二環式芳香族複素環の場合において環内に4個の二重結合、および10員芳香族複素環の場合において環内に5個の二重結合を含有しているかは、式Iの化合物における個々の基の定義において特定されている。二環式複素環式基中の2つの環は、共同で1個、2個またはそれ以上の環原子を有することができ、縮合されているかまたは架橋二環もしくはスピロ環を形成することができる。複素環式環系の例であって、これらから式Iの化合物における複素環式基が誘導され得、本発明の一実施形態において、これらの任意の1つまたはそれ以上から式Iの化合物における複素環式基のいずれかが任意の他の複素環式基から独立して選択されるが、ただし、該環系が該基の定義によって含まれるという条件である前記複素環式環系の例として、オキセタン、チエタン、アゼチジン、フラン、テトラヒドロフラン、チオフェン、テトラヒドロチオフェン、ピロール、ピロリン、ピロリジン、1,3−ジオキソール、1,3−ジオキソラン、イソオキサゾール([1,2]オキサゾール)、イソオキサゾリン、イソオキサゾリジン、オキサゾール([1,3]オキサゾール)、オキサゾリン、オキサゾリジン、イソチアゾール([1,2]チアゾール)、イソチアゾリン、イソチアゾリジン、チアゾール([1,3]チアゾール)、チアゾリン、チアゾリジン、ピラゾール、ピラゾリン、ピラゾリジン、イミダゾール、イミダゾリン、イミダゾリジン、[1,2,3]トリアゾール、[1,2,4]トリアゾール、[1,2,4]オキサジアゾール、[1,3,4]オキサジアゾール、[1,2,5]オキサジアゾール、[1,2,4]チアジアゾール、1H−テトラゾール、ピラン、テトラヒドロピラン、チオピラン、テトラヒドロチオピラン、2,3−ジヒドロ[1,4]ジオキシン、1,4−ジオキサン、ピリジン、1,2,5,6−テトラヒドロピリジン、ピペリジン、モルホリン、チオモルホリン、ピペラジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、[1,2,4]トリアジン、オキセパン、チエパン、アゼパン、[1,3]ジアゼパン、[1,4]ジアゼパン、[1,4]オキサゼパン、[1,4]チアゼパン、アゾカン、3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン、オクタヒドロシクロペンタ[b]ピロール、オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール、2−アザスピロ[4.4]ノナン、7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン、2,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン、オクタヒドロピロロ[3,4−b]ピロール、6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[2,1−c][1,2,4]トリアゾール、イミダゾ[2,1−b]チアゾール、6,7−ジヒドロ−5H−チアゾロ[3,2−a]ピリミジン、ベンゾフラン、イソベンゾフラン、ベンゾチオフェン(ベンゾ[b]チオフェン)、1H−インドール、2,3−ジヒドロ−1H−インドール、オクタヒドロインドール、2H−イソインドール、オクタヒドロイソインドール、ベンゾ[1,3]ジオキソール、ベンゾオキサゾール、ベンズチアゾール、1H−ベンゾイミダゾール、イミダゾ[1,2−a]ピリジン、[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン、クロマン、イソクロマン、チオクロマン、ベンゾ[1,4]ジオキサン、3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン、3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]チアジン、2−アザスピロ[4.5]デカン、3−アザビシクロ[3.2.2]ノナン、キノリン、1,2,3,4−テトラヒドロキノリン、5,6,7,8−テトラヒドロキノリン、イソキノリン、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン、5,6,7,8−テトラヒドロイソキノリン、2,7−ジアザスピロ[4.5]デカン、2,8−ジアザスピロ[4.5]デカン、シンノリン、キナゾリン、キノキサリン、フタラジンおよび[1,8]ナフチリジンが記述され得るが、これらは全て、式Iの化合物におけるそれぞれの基の定義において特定されている通り、非置換であるか、または任意の適当な位置で置換されていてよく、ここで、所与の不飽和程は一例としてだけであり、個々の基において、より高いもしくは低い飽和度または水素化度または不飽和度を有する環系も、該基の定義において特定されている通り、存在することができる。
【0033】
記述されている通り、複素環式基は、任意の適当な環原子を介して結合することができる。例えば、とりわけ、オキセタンおよびチエタン環は2位および3位を介して、アゼチジン環は1位、2位および3位を介して、フラン環、テトラヒドロフラン環、チオフェン環およびテトラヒドロチオフェンは2位および3位を介して、ピロール環およびピロリジン環は1位、2位および3位を介して、イソオキサゾール環およびイソチアゾール環は3位、4位および5位を介して、ピラゾール環は1位、3位、4位および5位を介して、オキサゾール環およびチアゾール環は2位、4位および5位を介して、イミダゾール環およびイミダゾリジン環は1位、2位、4位および5位を介して、1H−テトラゾール環は1位および5位を介して、テトラヒドロピランおよびテトラヒドロチオピラン環は2位、3位および4位を介して、1,4−ジオキサン環は2位を介して、ピリジン環は2位、3位および4位を介して、ピペリジン環は1位、2位、3位および4位を介して、モルホリン環およびチオモルホリン環は2位、3位および4位を介して、ピペラジン環は1位および2位を介して、ピリミジン環は2位、4位および5位を介して、ピラジン環は2位を介して、アゼパン環は1位、2位、3位および4位を介して、3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン環は3位および6位を介して、オクタヒドロシクロペンタ[b]ピロールおよびオクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール環は1位を介して、2−アザスピロ[4.4]ノナン環は2位を介して、7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン環は7位を介して、オクタヒドロピロロ[3,4−b]ピロール環は1位および5位を介して、6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[2,1−c][1,2,4]トリアゾール環は3位を介して、イミダゾ[2,1−b]チアゾール環は2位、5位および6位を介して、6,7−ジヒドロ−5H−チアゾロ[3,2−a]ピリミジン3位を介して、ベンゾフラン環およびベンゾチオフェン環は2位、3位、4位、5位、6位および7位を介して、1H−インドール環、2,3−ジヒドロ−1H−インドールおよびオクタヒドロインドール環は1位、2位、3位、4位、5位、6位および7位を介して、ベンゾ[1,3]ジオキソール環は4位、5位、6位および7位を介して、ベンゾオキサゾール環およびベンゾチアゾール環は2位、4位、5位、6位および7位を介して、1H−ベンゾイミダゾール環は1位、2位、4位、5位、6位および7位を介して、イミダゾ[1,2−a]ピリジン環は2位および3位を介して、[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン環は3位を介して、ベンゾ[1,4]ジオキサン環は5位、6位、7位および8位を介して、3−アザビシクロ[3.2.2]ノナン環は3位を介して、キノリン環は2位、3位、4位、5位、6位、7位および8位を介して、1,2,3,4−テトラヒドロキノリン環は1位、5位、6位、7位および8位を介して、5,6,7,8−テトラヒドロキノリンは2位、3位および4位を介して、イソキノリン環は1位、3位、4位、5位、6位、7位および8位を介して、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン環は2位、5位、6位、7位および8位を介して、5,6,7,8−テトラヒドロイソキノリン環は1位、3位、4位および5位を介して、2,7−ジアザスピロ[4.5]デカン環は2位および7位を介して、2,8−ジアザスピロ[4.5]デカン環は2位および8位を介して結合することができ、例えば、ここで、複素環式基の結果として得られる残基は全て、式Iの化合物の定義においてそれぞれの基について特定されている通り、非置換であるか、または任意の適当な位置で置換されていてよい。
【0034】
ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素である。本発明の一実施形態において、それの出現のいずれかにおいて、ハロゲンはフッ素、塩素または臭素であり、別の実施形態においてフッ素または塩素であり、別の実施形態においてフッ素であり、別の実施形態において塩素であり、ここで、ハロゲンの全ての出現は互いに独立している。
【0035】
オキソ基、即ち、二重に結合している酸素原子は、炭素原子上の置換基として出現する場合、親系の炭素原子上で2個の水素原子に置き換わる。したがって、CH
2基がオキソによって置換されているならば、それはカルボニル基(C(O)、C=O)になる。まさにそのように、R2基およびR3基が一緒にオキソであるならば、式Iに図示されているシクロアルカン環中のC(R2)−R3基はカルボニル基になる。オキソ基は、硫黄原子上に、例えば、一般に環硫黄原子以外にS(O)基(S(=O))およびS(O)
2基(S(=O)
2)もヘテロ環員として存在することができる飽和および部分的不飽和複素環中の環硫黄原子上に出現することもできる。オキソ基は、フェニル基中など芳香族環中の炭素原子上の置換基として出現することはできない。
【0036】
本発明は、式Iの化合物の全ての立体異性体形態、例えば、シス/トランス異性体を含めた全てのエナンチオマーおよびジアステレオマーを含む。本発明は、同様に、全ての比における2種以上の立体異性体形態の混合物、例えば、シス/トランス異性体を含めたエナンチオマーおよび/またはジアステレオマーの混合物を含む。式Iの化合物に含有される不斉中心、例えば、クロマン環の2位または非置換もしくは置換アルキル基における炭素原子は全て、互いに独立して、S立体配置またはR立体配置を有することができる。本発明は、例えば98:2、もしくは99:1、またはそれより大きい2種のエナンチオマーのモル比を有するエナンチオマー的に純粋な形態および本質的にエナンチオマー的に純粋な形態における、ならびにそれらのラセミ体、即ち、1:1のモル比での2種のエナンチオマーの混合物の形態における、ならびに全ての比における2種のエナンチオマーの混合物の形態における、左旋性および右旋性対掌体の両方のエナンチオマーに関する。本発明は、同様に、純粋なおよび本質的に純粋なジアステレオマーの形態における、ならびに全ての比での2種以上のジアステレオマーの混合物の形態におけるジアステレオマーに関する。本発明は、例えば98:2、もしくは99:1、またはそれより大きいシス/トランス異性体のモル比を有する純粋な形態および本質的に純粋な形態における、ならびに全ての比でのシス異性体およびトランス異性体の混合物の形態における、式Iの化合物の全てのシス/トランス異性体も含む。シス/トランス異性は、例えば置換されている環中に出現することがある。個々の立体異性体の製造は、所望であれば、通例の方法に従った混合物の分割によって、例えば、クロマトグラフィーもしくは結晶化によって、または合成において立体化学的に均一な出発化合物の使用によって、または立体選択的反応によって実施することができる。場合により、立体異性体の分離の前に、誘導体化が実施され得る。立体異性体の混合物の分離は、式Iの化合物の段階で、または合成の過程における中間体の段階で実施することができる。例えば、不斉中心を含有する式Iの化合物の場合において、個々のエナンチオマーは、式Iの化合物のラセミ体を製造することおよび標準手順に従ってキラル相上の高圧液体クロマトグラフィーによってそれをエナンチオマーに分割すること、またはこうしたクロマトグラフィーによるそれの合成の過程において任意の中間体のラセミ体を分割することによって、または光学活性アミンもしくは酸とのその塩の結晶化および中間体のエナンチオマーを式Iの最終化合物のエナンチオマーの形態に変換することによって、または合成の過程においてエナンチオ選択的反応を実施することによって製造することができる。本発明は、式Iの化合物の全ての互変異性体形態も含む。
【0037】
式Iの遊離化合物、即ち、酸性基および塩基性基が塩の形態で存在しない化合物以外、本発明は、式Iの化合物の塩、特にそれらの生理学的に許容される塩、または毒物学的に許容される塩、または薬学的に許容される塩も含み、これらは、式Iの化合物における1種またはそれ以上の酸性基または塩基性基上で、例えば塩基性複素環式部分上で形成することができる。式Iの化合物は、したがって、酸性基上で脱プロトン化することができ、例えば、アルカリ金属塩、例えばナトリウム塩もしくはカリウム塩として、またはアンモニウム塩として、例えばアンモニアもしくは有機アミンもしくはアミノ酸との塩として使用することができる。少なくとも1つの塩基性基を含む式Iの化合物は、それらの酸付加塩の形態で、例えば、塩酸との塩など無機酸および有機酸との薬学的に許容される塩の形態で製造および使用することもでき、したがって、例えば塩酸塩の形態で存在することもできる。塩は、一般に、式Iの酸性および塩基性化合物から、通例の手順に従って溶媒中または希釈剤中で酸または塩基との反応によって製造することができる。式Iの化合物が、分子中に酸性基および塩基性基を同時に含有するならば、本発明には、記述されている塩形態に加えて内塩(ベタイン、両性イオン)も含まれる。本発明は、低生理的認容性により医薬品としての使用に直接適当でないが、例えばアニオン交換またはカチオン交換の手段による、化学反応用または生理学的に許容される塩の製造用の中間体として適当である式Iの化合物の全ての塩も含む。
【0038】
本発明の一実施形態において、Ar基は、非置換であるかまたは1個、2個、3個もしくは4個の、別の実施形態において1個、2個もしくは3個の、別の実施形態において1個もしくは2個の同一もしくは異なる置換基R0によって置換されているフェニルである。別の実施形態において、Arは、非置換であるかまたは1個の置換基R0によって置換されているフェニルである。別の実施形態において、Arは非置換フェニルである。別の実施形態において、Arは、1個、2個、3個または4個の、別の実施形態において1個、2個または3個の、別の実施形態において1個または2個の同一または異なる置換基R0によって置換されているフェニルである。別の実施形態において、Arは、1個の置換基R0によって置換されているフェニルである。1個の置換基R0がArに存在するならば、一実施形態において、それはフェニル基の2位に、別の実施形態において3位に、別の実施形態において4位に位置する。2個の置換基R0が、それらを担持する炭素原子と一緒に環を形成しないで存在するならば、一実施形態において、それらは、フェニル基の2位および3位に、別の実施形態において2位および4位に、別の実施形態において2位および5位に、別の実施形態において2位および6位に、別の実施形態において3位および4位に、および別の実施形態において3位および5位に位置する。
【0039】
Ar中の隣接する環炭素原子に結合している2つの置換基R0によって、それらを担持する炭素原子と一緒に形成することができる、モノ不飽和環に存在する二重結合は、Ar環および2個のR0基によって形成される環に共通する芳香族環Arにおける前記2個の隣接する環炭素の間に存在し、縮合環に関する命名法の規則により、両方の環に存在する二重結合とみなされる。Ar中の隣接する炭素原子に結合する2個の基R0が、それらを担持する炭素原子と一緒に、単環式環である5員から7員のモノ不飽和環を形成する場合は、言い換えると、3個から5個の原子の鎖を含む二価の残基を一緒に形成する2個の基R0とみなすことができ、これらの原子の0個、1個または2個が、窒素、酸素および硫黄からなる系列から選択される同一または異なるヘテロ原子であり、この末端原子は、Ar中の2個の隣接する環炭素原子に結合しており、1個から3個の原子によって互いに分離されている。こうした二価の残基の例であって、本発明の一実施形態において、これらの任意の1つまたはそれ以上から、Ar中の隣接する環炭素原子に結合している2個のR0基が選択される前記二価の残基の例は、残基−CH
2−CH
2−CH
2−、−CH
2−CH
2−CH
2−CH
2−、−CH
2−CH
2−CH
2−CH
2−CH
2−、−O−CH
2−CH
2−,−CH
2−CH
2−O−、−O−CH
2−O−、−O−CH
2−CH
2−O−、−O−CH
2−CH
2−CH
2−O−、−NH−CH
2−CH
2−O−、−O−CH
2−CH
2−NH−、−S−CH
2−CH
2−NH−および−NH−CH
2−CH
2−S−であり、これらは全て、フッ素および(C
1〜C
4)−アルキル、例えばフッ素およびメチルからなる系列から選択される置換基によって炭素原子および窒素原子上で置換されていてよく、したがって、例えば二価の残基−O−CF
2−O−、−O−C(CH
3)
2−O−、−N(CH
3)−CH
2−CH
2−O−、−O−CH
2−CH
2−N(CH
3)−、−S−CH
2−CH
2−N(CH
3)−および−N(CH
3)−CH
2−CH
2−S−として存在することもできる。本発明の一実施形態において、Ar中の隣接する環炭素原子に結合している2個のR0基によって、それらを担持する炭素原子と一緒に形成することができる環は、5員または6員の、別の実施形態において5員の、別の実施形態において6員の環である。本発明の一実施形態において、Ar中の隣接する環炭素原子に結合している2個のR0基によって、それらを担持する炭素原子と一緒に形成される環に存在することができる、フッ素および(C
1〜C
4)−アルキルからなる系列から選択される置換基の数は、1個、2個または3個、別の実施形態において1個または2個、別の実施形態において1個である。本発明の一実施形態において、Ar中の隣接する環炭素原子に結合している2個のR0基によって、それらを担持する炭素原子と一緒に形成される環に存在することができる置換基は、フッ素置換基であり、別の実施形態において、それらは(C
1〜C
4)−アルキル置換基、例えばメチル置換基であり、別の実施形態において、(C
1〜C
4)−アルキルからなる系列から選択される環窒素原子に結合しているこうした環における置換基である。
【0040】
本発明の一実施形態において、R0基は、ハロゲン、(C
1〜C
6)−アルキル、(C
3〜C
7)−シクロアルキル、(C
3〜C
7)−シクロアルキル−(C
1〜C
4)−アルキル−、HO−および(C
1〜C
6)−アルキル−O−からなる系列から、別の実施形態においてハロゲン、(C
1〜C
6)−アルキル、(C
3〜C
7)−シクロアルキル、HO−および(C
1〜C
6)−アルキル−O−からなる系列から、別の実施形態においてハロゲン、(C
1〜C
6)−アルキル、(C
3〜C
7)−シクロアルキル、(C
3〜C
7)−シクロアルキル−(C
1〜C
4)−アルキル−および(C
1〜C
6)−アルキル−O−からなる系列から、別の実施形態においてハロゲン、(C
1〜C
6)−アルキル、(C
3〜C
7)−シクロアルキル、(C
1〜C
6)−アルキル−O−および(C
3〜C
7)−シクロアルキル−O−からなる系列から、別の実施形態においてハロゲン、(C
1〜C
6)−アルキル、(C
3〜C
7)−シクロアルキルおよび(C
1〜C
6)−アルキル−O−からなる系列から、別の実施形態においてハロゲン、(C
1〜C
6)−アルキル、HO−および(C
1〜C
6)−アルキル−O−からなる系列から、別の実施形態においてハロゲン、(C
1〜C
6)−アルキルおよび(C
1〜C
6)−アルキル−O−からなる系列から、別の実施形態においてハロゲンおよび(C
1〜C
6)−アルキルからなる系列から、別の実施形態においてハロゲンからなる系列から、別の実施形態において(C
1〜C
6)−アルキルからなる系列から、ならびに別の実施形態において(C
1〜C
6)−アルキル−O−からなる系列から選択され、全てのこれらの実施形態において、Ar中の隣接する炭素原子に結合している2個のR1基は、それらを担持する炭素原子と一緒に、5員から7員のモノ不飽和環を形成することができ、これは、窒素、酸素および硫黄からなる系列から選択される0個、1個または2個の同一または異なる環ヘテロ原子を含み、非置換であるか、またはフッ素および(C
1〜C
4)−アルキルからなる系列から選択される1個もしくはそれ以上の同一もしくは異なる置換基によって置換されている。
【0041】
一実施形態において、R0は、ハロゲン、(C
1〜C
6)−アルキル、(C
3〜C
7)−シクロアルキル、(C
3〜C
7)−シクロアルキル−(C
1〜C
4)−アルキル−、HO−、(C
1〜C
6)−アルキル−O−、(C
3〜C
7)−シクロアルキル−O−および(C
3〜C
7)−シクロアルキル−(C
1〜C
4)−アルキル−O−からなる系列から、別の実施形態においてハロゲン、(C
1〜C
6)−アルキル、(C
3〜C
7)−シクロアルキル、(C
3〜C
7)−シクロアルキル−(C
1〜C
4)−アルキル−、HO−および(C
1〜C
6)−アルキル−O−からなる系列から、別の実施形態においてハロゲン、(C
1〜C
6)−アルキル、(C
3〜C
7)−シクロアルキル、HO−および(C
1〜C
6)−アルキル−O−からなる系列から、別の実施形態においてハロゲン、(C
1〜C
6)−アルキル、(C
3〜C
7)−シクロアルキル、(C
3〜C
7)−シクロアルキル−(C
1〜C
4)−アルキル−および(C
1〜C
6)−アルキル−O−からなる系列から、別の実施形態においてハロゲン、(C
1〜C
6)−アルキル、(C
3〜C
7)−シクロアルキル、(C
1〜C
6)−アルキル−O−および(C
3〜C
7)−シクロアルキル−O−からなる系列から、別の実施形態においてハロゲン、(C
1〜C
6)−アルキル、(C
3〜C
7)−シクロアルキルおよび(C
1〜C
6)−アルキル−O−からなる系列から、別の実施形態においてハロゲン、(C
1〜C
6)−アルキル、HO−および(C
1〜C
6)−アルキル−O−からなる系列から、別の実施形態においてハロゲン、(C
1〜C
6)−アルキルおよび(C
1〜C
6)−アルキル−O−からなる系列から、別の実施形態においてハロゲンおよび(C
1〜C
6)−アルキルからなる系列から、別の実施形態においてハロゲンからなる系列から、別の実施形態において(C
1〜C
6)−アルキルからなる系列から、ならびに別の実施形態において(C
1〜C
6)−アルキル−O−からなる系列から選択される。
【0042】
一実施形態において、R0を表す(C
1〜C
6)−アルキル基またはR0を表す(C
1〜C
6)−アルキル−O−基に存在する(C
1〜C
6)−アルキル基は、(C
1〜C
4)
−アルキル基、別の実施形態において(C
1〜C
3)−アルキル基、別の実施形態において(C
1〜C
2)−アルキル基、別の実施形態においてメチル基である。本発明の一実施形態において、R0を表す(C
3〜C
7)−シクロアルキル基またはR0に存在する(C
3〜C
7)−シクロアルキル基は、(C
3〜C
6)−シクロアルキル基、別の実施形態において(C
3〜C
4)−シクロアルキル基、別の実施形態においてシクロプロピル基である。一実施形態において、R0を表すハロゲンは、フッ素および塩素からなる系列から選択され、別の実施形態において、それはフッ素である。
【0043】
任意選択の置換基R0を含めたAr基の例であって、本発明の一実施形態においてArが、これらの任意の1つまたはそれ以上のから選択される前記Ar基の例は、フェニル、即ち非置換フェニル、2−フルオロ−フェニル、3−フルオロ−フェニル、4−フルオロ−フェニル、2−クロロ−フェニル、3−クロロ−フェニル、4−クロロ−フェニル、2−メチル−フェニル(o−トリル)、3−メチル−フェニル(m−トリル)、4−メチル−フェニル(p−トリル)、2−エチル−フェニル、3−エチル−フェニル、4−エチル−フェニル、2−メトキシ−フェニル、3−メトキシ−フェニル、4−メトキシ−フェニル、2−エトキシ−フェニル、3−エトキシ−フェニル、4−エトキシ−フェニル、2−プロポキシ−フェニル、3−プロポキシ−フェニル、4−プロポキシ−フェニル、2−イソプロポキシ−フェニル、3−イソプロポキシ−フェニル、4−イソプロポキシ−フェニル、2,3−ジフルオロ−フェニル、2,4−ジフルオロ−フェニル、2,5−ジフルオロ−フェニル、2,6−ジフルオロ−フェニル、3,4−ジフルオロ−フェニル、3,5−ジフルオロ−フェニル、2,3−ジクロロ−フェニル、2,4−ジクロロ−フェニル、2,5−ジクロロ−フェニル、2,6−ジクロロ−フェニル、3,4−ジクロロ−フェニル、3,5−ジクロロ−フェニル、2−クロロ−3−フルオロ−フェニル、2−クロロ−4−フルオロ−フェニル、2−クロロ−5−フルオロ−フェニル、2−クロロ−6−フルオロ−フェニル、3−クロロ−2−フルオロ−フェニル、3−クロロ−4−フルオロ−フェニル、3−クロロ−5−フルオロ−フェニル、4−クロロ−2−フルオロ−フェニル、4−クロロ−3−フルオロ−フェニル、5−クロロ−2−フルオロ−フェニル、2,3−ジメチル−フェニル、2,4−ジメチル−フェニル、2,5−ジメチル−フェニル、2,6−ジメチル−フェニル、3,4−ジメチル−フェニル、3,5−ジメチル−フェニル、2−フルオロ−3−メチル−フェニル、2−フルオロ−4−メチル−フェニル、2−フルオロ−5−メチル−フェニル、2−フルオロ−6−メチル−フェニル、3−フルオロ−2−メチル−フェニル、3−フルオロ−4−メチル−フェニル、3−フルオロ−5−メチル−フェニル、4−フルオロ−2−メチル−フェニル、4−フルオロ−3−メチル−フェニル、5−フルオロ−2−メチル−フェニル、2−クロロ−3−メチル−フェニル、2−クロロ−4−メチル−フェニル、2−クロロ−5−メチル−フェニル、2−クロロ−6−メチル−フェニル、3−クロロ−2−メチル−フェニル、3−クロロ−4−メチル−フェニル、3−クロロ−5−メチル−フェニル、4−クロロ−2−メチル−フェニル、4−クロロ−3−メチル−フェニル、5−クロロ−2−メチル−フェニル、2−フルオロ−3−メトキシ−フェニル、2−フルオロ−4−メトキシ−フェニル、2−フルオロ−5−メトキシ−フェニル、2−フルオロ−6−メトキシ−フェニル、3−フルオロ−2−メトキシ−フェニル、3−フルオロ−4−メトキシ−フェニル、3−フルオロ−5−メトキシ−フェニル、4−フルオロ−2−メトキシ−フェニル、4−フルオロ−3−メトキシ−フェニル、5−フルオロ−2−メトキシ−フェニル、2−メトキシ−3−メチル−フェニル、2−メトキシ−4−メチル−フェニル、2−メトキシ−5−メチル−フェニル、2−メトキシ−6−メチル−フェニル、3−メトキシ−2−メチル−フェニル、3−メトキシ−4−メチル−フェニル、3−メトキシ−5−メチル−フェニル、4−メトキシ−2−メチル−フェニル、4−メトキシ−3−メチル−フェニル、5−メトキシ−2−メチル−フェニルである。
【0044】
本発明の一実施形態において、R1基は、水素であるか、または1個もしくはそれ以上のフッ素置換基である。即ち、この実施形態において、式Iに図示されているシクロアルカン環は、非置換であるか、またはR2基およびR3基ならびにシクロアルカン環をクロマン環に連結させる酸素原子は別にして1個もしくはそれ以上のフッ素置換基によって置換されている。別の実施形態において、R1基は、水素であるか、または1個もしくはそれ以上の(C
1〜C
4)−アルキル置換基である。即ち、この実施形態において、式Iに図示されているシクロアルカン環は、非置換であるか、またはR2基およびR3基ならびにシクロアルカン環をクロマン環に連結させている酸素原子は別にして1個もしくはそれ以上の(C
1〜C
4)−アルキル置換基によって置換されている。別の実施形態において、R1基は水素である。即ち、この実施形態において、式Iに図示されているシクロアルカン環は、非置換であり、または言い換えると、R2基およびR3基ならびにシクロアルカン環をクロマン環に連結させている酸素原子は別にして水素原子だけを担持する。一実施形態において、R1を表すフッ素原子および/または(C
1〜C
4)−アルキル基の数は、1、2、3または4、別の実施形態において1個、2個または3個、別の実施形態において1個または2個、別の実施形態において1個である。一実施形態において、R1を表す(C
1〜C
4)−アルキルは、(C
1〜C
3)−アルキル、別の実施形態において(C
1〜C
2)−アルキル、別の実施形態においてメチルである。一実施形態において、シクロアルカン環をクロマン環に連結させる酸素原子を担持している式Iに図示されているシクロアルカン環の環炭素原子は、フッ素または(C
1〜C
4)−アルキルであるR1基を担持しておらず、即ち、この実施形態において、前記環炭素原子は、水素原子を担持する。
【0045】
本発明の一実施形態において、R2基は、(C
1〜C
6)−アルキル、HO−、(C
1〜C
6)−アルキル−O−、(C
1〜C
6)−アルキル−C(O)−O−、フェニル−C(O)−O−、Het1−C(O)−O−、R5−N(R6)−、R7−C(O)−N(R8)−、R7−S(O)
2−N(R8)−、R9−N(R10)−C(O)−N(R8)−およびR5−N(R6)−C(O)−からなる系列から、別の実施形態において(C
1〜C
6)−アルキル、HO−、(C
1〜C
6)−アルキル−O−、(C
1〜C
6)−アルキル−C(O)−O−、Het1−C(O)−O−、R5−N(R6)−、R7−C(O)−N(R8)−、R7−S(O)
2−N(R8)−、R9−N(R10)−C(O)−N(R8)−およびR5−N(R6)−C(O)−からなる系列から、別の実施形態において(C
1〜C
6)−アルキル、HO−、(C
1〜C
6)−アルキル−C(O)−O−、Het1−C(O)−O−、R5−N(R6)−、R7−C(O)−N(R8)−、R7−S(O)
2−N(R8)−、R9−N(R10)−C(O)−N(R8)−およびR5−N(R6)−C(O)−からなる系列から、別の実施形態において(C
1〜C
6)−アルキル、HO−、(C
1〜C
6)−アルキル−C(O)−O−、Het1−C(O)−O−、R5−N(R6)−、R7−C(O)−N(R8)−、R7−S(O)
2−N(R8)−およびR5−N(R6)−C(O)−からなる系列から、別の実施形態において(C
1〜C
6)−アルキル、HO−、(C
1〜C
6)−アルキル−O−、(C
1〜C
6)−アルキル−C(O)−O−、R5−N(R6)−、R7−C(O)−N(R8)−、R7−S(O)
2−N(R8)−、R9−N(R10)−C(O)−N(R8)−およびR5−N(R6)−C(O)−からなる系列から、別の実施形態において(C
1〜C
6)−アルキル、HO−、(C
1〜C
6)−アルキル−O−、(C
1〜C
6)−アルキル−C(O)−O−、Het1−C(O)−O−、R5−N(R6)−、R7−C(O)−N(R8)−、R7−S(O)
2−N(R8)−およびR5−N(R6)−C(O)−からなる系列から、別の実施形態において(C
1〜C
6)−アルキル、HO−、(C
1〜C
6)−アルキル−O−、R5−N(R6)−、R7−C(O)−N(R8)−、R7−S(O)
2−N(R8)−およびR5−N(R6)−C(O)−からなる系列から、別の実施形態において(C
1〜C
6)−アルキル、HO−、(C
1〜C
6)−アルキル−C(O)−O−、Het1−C(O)−O−、R5−N(R6)−、R7−C(O)−N(R8)−、R7−S(O)
2−N(R8)−およびR5−N(R6)−C(O)−からなる系列から、別の実施形態において(C
1〜C
6)−アルキル、HO−、(C
1〜C
6)−アルキル−O−、R5−N(R6)−、R7−C(O)−N(R8)−、R9−N(R10)−C(O)−N(R8)−およびR5−N(R6)−C(O)−からなる系列から、別の実施形態において(C
1〜C
6)−アルキル、HO−、R5−N(R6)−、R7−C(O)−N(R8)−、R7−S(O)
2−N(R8)−およびR5−N(R6)−C(O)−からなる系列から、別の実施形態において(C
1〜C
6)−アルキル、HO−、R5−N(R6)−、R7−C(O)−N(R8)−、R9−N(R10)−C(O)−N(R8)−およびR5−N(R6)−C(O)−からなる系列から、別の実施形態において(C
1〜C
6)−アルキル、R5−N(R6)−、R7−C(O)−N(R8)−、R7−S(O)
2−N(R8)−およびR5−N(R6)−C(O)−からなる系列から、別の実施形態において(C
1〜C
6)−アルキル、R5−N(R6)−、R7−C(O)−N(R8)−、R9−N(R10)−C(O)−N(R8)−およびR5−N(R6)−C(O)−からなる系列から、別の実施形態において(C
1〜C
6)−アルキル、R5−N(R6)−、R7−C(O)−N(R8)−およびR5−N(R6)−C(O)−からなる系列から、別の実施形態において(C
1〜C
6)−アルキル、HO−、(C
1〜C
6)−アルキル−O−、(C
1〜C
6)−アルキル−C(O)−O−、フェニル−C(O)−O−およびHet1−C(O)−O−からなる系列から、別の実施形態において(C
1〜C
6)−アルキル、HO−、(C
1〜C
6)−アルキル−C(O)−Oおよび、Het1−C(O)−O−からなる系列から、別の実施形態においてHO−、(C
1〜C
6)−アルキル−O−、(C
1〜C
6)−アルキル−C(O)−O−およびHet1−C(O)−O−からなる系列から、別の実施形態においてHO−、(C
1〜C
6)−アルキル−C(O)−O−およびHet1−C(O)−O−からなる系列から選択され、ここで、全てのこれらの実施形態において、(C
1〜C
6)−アルキルは非置換であるか、もしく1個もしくはそれ以上の同一もしくは異なる置換基R20によって置換されているか、または全てのこれらの実施形態において、R2およびR3は一緒にオキソである。
【0046】
一実施形態において、R2は、(C
1〜C
6)−アルキル、HO−、(C
1〜C
6)−アルキル−C(O)−O−、Het1−C(O)−O−、R5−N(R6)−、R7−C(O)−N(R8)−、R7−S(O)
2−N(R8)−、R9−N(R10)−C(O)−N(R8)−およびR5−N(R6)−C(O)−からなる系列から、別の実施形態において、(C
1〜C
6)−アルキル、HO−、R5−N(R6)−、R7−C(O)−N(R8)−、R7−S(O)
2−N(R8)−、R9−N(R10)−C(O)−N(R8)−およびR5−N(R6)−C(O)−からなる系列から、別の実施形態において、(C
1〜C
6)−アルキル、HO−、(C
1〜C
6)−アルキル−C(O)−O−、Het1−C(O)−O−、R5−N(R6)−、R7−C(O)−N(R8)−、R7−S(O)
2−N(R8)−およびR5−N(R6)−C(O)−からなる系列から、別の実施形態において、(C
1〜C
6)−アルキル、HO−、R5−N(R6)−、R7−C(O)−N(R8)−、R7−S(O)
2−N(R8)−およびR5−N(R6)−C(O)−からなる系列から、別の実施形態において、(C
1〜C
6)−アルキル、HO−、R5−N(R6)−、R7−C(O)−N(R8)−、R7−S(O)
2−N(R8)−およびR5−N(R6)−C(O)−からなる系列から、別の実施形態において、(C
1〜C
6)−アルキル、HO−、R5−N(R6)−、R7−C(O)−N(R8)−、R9−N(R10)−C(O)−N(R8)−およびR5−N(R6)−C(O)−からなる系列から、別の実施形態において、(C
1〜C
6)−アルキル、R5−N(R6)−、R7−C(O)−N(R8)−、R7−S(O)
2−N(R8)−およびR5−N(R6)−C(O)−からなる系列から、別の実施形態において、(C
1〜C
6)−アルキル、R5−N(R6)−、R7−C(O)−N(R8)−およびR5−N(R6)−C(O)−からなる系列から、別の実施形態において、(C
1〜C
6)−アルキル、R5−N(R6)−およびR5−N(R6)−C(O)−からなる系列から、別の実施形態において、R5−N(R6)−、R7−C(O)−N(R8)−およびR7−S(O)
2−N(R8)−からなる系列から、別の実施形態において、R5−N(R6)−、R7−C(O)−N(R8)−およびR5−N(R6)−C(O)−からなる系列から、別の実施形態において、(C
1〜C
6)−アルキルおよびR5−N(R6)−からなる系列から、別の実施形態において、(C
1〜C
6)−アルキルおよびR5−N(R6)−C(O)−からなる系列から、別の実施形態においてR5−N(R6)−およびR5−N(R6)−C(O)−からなる系列から選択され、ここで、全てのこれらの実施形態において、(C
1〜C
6)−アルキルは非置換であるか、または1個もしくはそれ以上の同一もしくは異なる置換基R20によって置換されている。
【0047】
一実施形態において、R2は、非置換であるかまたは1個もしくはそれ以上の同一もしくは異なる置換基R20によって置換されている(C
1〜C
6)−アルキルである。別の実施形態において、R(2)はR5−N(R6)−であり、したがって式Iの化合物は式Iaの化合物である。
【化4】
【0048】
別の実施形態において、R(2)はR7−C(O)−N(R8)−であり、式Iの化合物は、したがって、式Ibの化合物である。
【化5】
【0049】
別の実施形態において、R(2)はR7−S(O)
2−N(R8)−であり、式Iの化合物は、したがって、式Icの化合物である。
【化6】
【0050】
別の実施形態において、R(2)はR5−N(R6)−C(O)−であり、式Iの化合物は、したがって、式Idの化合物である。
【化7】
【0051】
式Ia、Ib、IcおよびIdの化合物におけるAr基、R1基、R3基からR8基ならびに数pおよび数qは、式Iの化合物における通りに定義される。
【0052】
一実施形態において、R2を表す置換(C
1〜C
6)−アルキル基またはR2を表す(C
1〜C
6)−アルキル−O−基もしくは(C
1〜C
6)−アルキル−C(O)−O−基に存在する置換(C
1〜C
6)−アルキル基における置換基R20の数は、1個、2個、3個または4個、別の実施形態において1個、2個または3個、別の実施形態において1個または2個、別の実施形態において1個である。一実施形態において、R2を表す(C
1〜C
6)−アルキル基は、1個またはそれ以上の同一または異なる置換基R20によって置換されており、即ち、それは非置換ではない。一実施形態において、R2を表す(C
1〜C
6)−アルキル基は、1個またはそれ以上の同一または異なる置換基R20によって置換されており、このうちの1個は、式Iに図示されているシクロアルカン環に結合しているアルキル基の炭素原子、即ちアルキル基の1位に結合している。一実施形態において、R2を表す(C
1〜C
6)−アルキル基またはR2を表す(C
1〜C
6)−アルキル−O−基もしくは(C
1〜C
6)−アルキル−C(O)−O−基に存在する(C
1〜C
6)−アルキル基は、(C
1〜C
4)−アルキル基、別の実施形態において(C
1〜C
3)−アルキル基、別の実施形態において(C
1〜C
2)−アルキル基、別の実施形態においてメチル基であり、これらは全て非置換であるか、または1個もしくはそれ以上の同一もしくは異なる置換基R20によって置換されており、一実施形態において1個もしくはそれ以上の同一もしくは異なる置換基R20によって置換されており、ここで、一実施形態において、置換基R20の数は、1個、2個または3個、別の実施形態において1個または2個、および別の実施形態において1個である。一実施形態において、R2を表す(C
1〜C
6)−アルキル基は、1個の置換基R20によって置換されているメチル基であり、この実施形態において、R2基は、したがって、R20−CH
2−基である。
【0053】
本発明の一実施形態において、R3基は水素であり、別の実施形態において、それは、非置換であるかまたは(C
3〜C
7)−シクロアルキル、フェニル、HO−および(C
1〜C
4)−アルキル−Oからなる系列から選択される1個もしくは2個の同一もしくは異なる置換基によって置換されている(C
1〜C
6)−アルキル−であり、ここで、R3を表すアルキル基は、アルキル基のように一般に、これらの特定されている置換基から独立して、1個またはそれ以上のフッ素置換基によって置換されていてよい。一実施形態において、R3を表す置換アルキル基における(C
3〜C
7)−シクロアルキル、フェニル、HO−および(C
1〜C
4)−アルキル−O−からなる系列から選択される置換基の数は1個である。一実施形態において、R3を表すアルキル基は、(C
3〜C
7)−シクロアルキル、フェニル、HO−および(C
1〜C
4)−アルキル−O−からなる系列から選択される置換基によって置換されていない。一実施形態において、R3を表すアルキル基中の置換基は、(C
3〜C
7)−シクロアルキル、フェニルおよび(C
1〜C
4)−アルキル−O−からなる系列から、別の実施形態において(C
3〜C
7)−シクロアルキルおよびフェニルからなる系列から選択され、別の実施形態において、それらはフェニル基である。一実施形態において、R3を表す(C
1〜C
6)−アルキル基は、(C
1〜C
4)−アルキル基、別の実施形態において(C
1〜C
3)−アルキル基、別の実施形態において
(C
1〜C
2)−アルキル基、別の実施形態においてメチル基である。一実施形態において、R2およびR3は、それらの個々の意味を有するが、一緒にオキソではない。別の実施形態において、R2およびR3は一緒にオキソである。
【0054】
上記に示されている通り、クロマン環の遊離結合部位、即ち、環内の結合またはAr基への結合によって占有されていないクロマン環の2位、3位、4位、5位、7位および8位における結合部位に、R4基を表す水素原子またはハロゲン、(C
1〜C
4)−アルキルおよび(C
1〜C
4)−アルキル−O−からなる系列から選択される置換基が存在し得る。本発明の一実施形態において、クロマン環の2位における遊離結合部位、即ち、Ar基を担持する環炭素原子の遊離結合部位に水素原子が存在し、クロマン環の3位、4位、5位、7位および8位における遊離結合部位に、水素原子またはハロゲン、(C
1〜C
4)−アルキルおよび(C
1〜C
4)−アルキル−O−からなる系列から選択される置換基が存在する。本発明の別の実施形態において、クロマン環の2位、3位および4位における遊離結合部位に水素原子が存在し、クロマン環の5位、7位および8位における遊離結合部位に、水素原子またはハロゲン、(C
1〜C
4)−アルキルおよび(C
1〜C
4)−アルキル−O−からなる系列から選択される置換基が存在する。本発明の別の実施形態において、クロマン環の2位および5位における遊離結合部位に水素原子が存在し、クロマン環の3位、4位、7位および8位における遊離結合部位に、水素原子またはハロゲン、(C
1〜C
4)−アルキルおよび(C
1〜C
4)−アルキル−O−からなる系列から選択される置換基が存在する。本発明の別の実施形態において、クロマン環の2位、5位、7位および8位における遊離結合部位に水素原子が存在し、クロマン環の3位および4位における遊離結合部位に、水素原子またはハロゲン、(C
1〜C
4)−アルキルおよび(C
1〜C
4)−アルキル−O−からなる系列から選択される置換基が存在する。一実施形態において、水素と異なるR4基の数、即ち、ハロゲン、(C
1〜C
4)−アルキルおよび(C
1〜C
4)−アルキル−O−から選択される置換基R4の数は、1個、2個または3個であり、別の実施形態において、それは1個または2個であり、別の実施形態において、それは1個であり、別の実施形態において、それは0個であり、したがって後者実施形態において、水素と異なるR4基はクロマン環に存在せず、水素原子は、全てのそれの遊離結合部位に存在する。一実施形態において、R4は水素であるか、またはハロゲンおよび(C
1〜C
4)−アルキルからなる系列から選択される1個もしくはそれ以上の同一もしくは異なる置換基であり、別の実施形態において、R4は水素であるか、またはフッ素、塩素および(C
1〜C
4)−アルキルからなる系列から選択される1個もしくはそれ以上の同一もしくは異なる置換基である。一実施形態において、クロマン環の2位、3位および4位における遊離結合部位のR4は水素であるか、またはフッ素および(C
1〜C
4)−アルキルからなる系列から選択される1個もしくはそれ以上の同一もしくは異なる置換基であり、別の実施形態において、クロマン環の2位、3位および4位における遊離結合部位のR4は水素であるか、または(C
1〜C
4)−アルキルからなる系列から選択される1個もしくはそれ以上の同一もしくは異なる置換基であり、クロマン環の5位、7位および8位における遊離結合部位のR4は水素であるか、またはハロゲン、(C
1〜C
4)−アルキルおよび(C
1〜C
4)−アルキル−O−からなる系列から選択される1個もしくはそれ以上の同一もしくは異なる置換基であり、別の実施形態において、クロマン環の5位、7位および8位における遊離結合部位のR4は水素であるか、またはハロゲンおよび(C
1〜C
4)−アルキルからなる系列から選択される1個もしくはそれ以上の同一もしくは異なる置換基であり、別の実施形態において、クロマン環の5位、7位および8位における遊離結合部位のR4は水素であるか、またはハロゲンからなる系列から選択される1個もしくはそれ以上の同一もしくは異なる置換基である。本発明の一実施形態において、R4を表すまたはR4に存在する(C
1〜C
4)−アルキル基は(C
1〜C
2)−アルキルであり、別の実施形態において、それはメチルである。
【0055】
本発明の一実施形態において、R5およびR6は、互いに独立して、水素、(C
1〜C
6)−アルキル、(C
2〜C
6)−アルケニル、(C
3〜C
7)−シクロアルキル、(C
6〜C
10)−ビシクロアルキル、Het1およびHet2からなる系列から、別の実施形態において水素、(C
1〜C
6)−アルキル、(C
2〜C
6)−アルケニル、(C
3〜C
7)−シクロアルキル、Het1およびHet2からなる系列から、別の実施形態において水素、(C
1〜C
6)−アルキル、(C
3〜C
7)−シクロアルキル、Het1およびHet2からなる系列から、別の実施形態において水素、(C
1〜C
6)−アルキル、(C
3〜C
7)−シクロアルキルおよび(C
6〜C
10)−ビシクロアルキルからなる系列から、別の実施形態において水素、(C
1〜C
6)−アルキル、(C
3〜C
7)−シクロアルキルおよびHet2からなる系列から、別の実施形態において水素、(C
1〜C
6)−アルキルおよび(C
3〜C
7)−シクロアルキルからなる系列から、別の実施形態において水素および(C
1〜C
6)−アルキルからなる系列から選択され、ここで、全てのこれらの実施形態において、(C
1〜C
6)−アルキルは非置換であるか、または1個もしくはそれ以上の同一もしくは異なる置換基R20によって置換されており、(C
3〜C
7)−シクロアルキル、(C
6〜C
10)−ビシクロアルキルおよびHet2は全て非置換であるか、または1個もしくはそれ以上の同一もしくは異なる置換基R21によって置換されており、Het1は非置換であるか、または1個もしくはそれ以上の同一もしくは異なる置換基R22によって置換されており、またはR5基およびR6基は、それらを担持する窒素原子と一緒に、4員から7員の単環式の飽和または部分的不飽和の複素環を形成し、これは、R5およびR6を担持する窒素原子に加えて、窒素、酸素および硫黄からなる系列から選択される0個または1個のさらなる環ヘテロ原子を含み、非置換であるか、または1個もしくはそれ以上の同一もしくは異なる置換基R21によって置換されている。
【0056】
一実施形態において、R5およびR6は、互いに独立して、水素、(C
1〜C
6)−アルキル、(C
2〜C
6)−アルケニル、(C
3〜C
7)−シクロアルキル、(C
6〜C
10)−ビシクロアルキル、Het1およびHet2からなる系列から、別の実施形態において水素、(C
1〜C
6)−アルキル、(C
2〜C
6)−アルケニル、(C
3〜C
7)−シクロアルキル、Het1およびHet2からなる系列から、別の実施形態において水素、(C
1〜C
6)−アルキル、(C
3〜C
7)−シクロアルキル、Het1およびHet2からなる系列から、別の実施形態において水素、(C
1〜C
6)−アルキル、(C
3〜C
7)−シクロアルキルおよび(C
6〜C
10)−ビシクロアルキルからなる系列から、別の実施形態において水素、(C
1〜C
6)−アルキル、(C
3〜C
7)−シクロアルキルおよびHet2からなる系列から、別の実施形態において水素、(C
1〜C
6)−アルキルおよび(C
3〜C
7)−シクロアルキルからなる系列から、別の実施形態において水素および(C
1〜C
6)−アルキルからなる系列から選択され、ここで、全てのこれらの実施形態において、(C
1〜C
6)−アルキルは非置換であるか、または1個もしくはそれ以上の同一もしくは異なる置換基R20によって置換されており、(C
3〜C
7)−シクロアルキル、(C
6〜C
10)−ビシクロアルキルおよびHet2は全て非置換であるか、または1個もしくはそれ以上の同一もしくは異なる置換基R21によって置換されており、Het1は非置換であるか、または1個もしくはそれ以上の同一もしくは異なる置換基R22によって置換されている。
【0057】
本発明の一実施形態において、R5基およびR6基の一方は、水素および(C
1〜C
6)−アルキルからなる系列から、別の実施形態において水素および(C
1〜C
4)−アルキルからなる系列から、別の実施形態において水素および(C
1〜C
2)−アルキルからなる系列から、別の実施形態において水素およびメチルからなる系列から選択され、別の実施形態において水素であり、R5基およびR6基の他方は、水素、(C
1〜C
6)−アルキル、(C
2〜C
6)−アルケニル、(C
3〜C
7)−シクロアルキル、(C
6〜C
10)−ビシクロアルキル、フェニル、Het1およびHet2からなる系列から、別の実施形態において水素、(C
1〜C
6)−アルキル、(C
2〜C
6)−アルケニル、(C
3〜C
7)−シクロアルキル、(C
6〜C
10)−ビシクロアルキル、Het1およびHet2からなる系列から、別の実施形態において水素、(C
1〜C
6)−アルキル、(C
2〜C
6)−アルケニル、(C
3〜C
7)−シクロアルキル、Het1およびHet2からなる系列から、別の実施形態において水素、(C
1〜C
6)−アルキル、(C
3〜C
7)−シクロアルキル、Het1およびHet2からなる系列から、別の実施形態において水素、(C
1〜C
6)−アルキル、(C
3〜C
7)−シクロアルキルおよび(C
6〜C
10)−ビシクロアルキルからなる系列から、別の実施形態において水素、(C
1〜C
6)−アルキル、(C
3〜C
7)−シクロアルキルおよびHet2からなる系列から、別の実施形態において水素、(C
1〜C
6)−アルキルおよび(C
3〜C
7)−シクロアルキルからなる系列から、別の実施形態において水素および(C
1〜C
6)−アルキルからなる系列から選択され、ここで、全てのこれらの実施形態において、R5またはR6を表す(C
1〜C
6)−アルキル、(C
1〜C
4)−アルキル、(C
1〜C
2)−アルキルおよびメチルは非置換であるか、または1個もしくはそれ以上の同一もしくは異なる置換基R20によって置換されており、(C
3〜C
7)−シクロアルキル、(C
6〜C
10)−ビシクロアルキルおよびHet2は全て非置換であるか、または1個もしくはそれ以上の同一もしくは異なる置換基R21によって置換されており、Het1は非置換であるか、または1個もしくはそれ以上の同一もしくは異なる置換基R22によって置換されており、またはR5基およびR6基は、それらを担持する窒素原子と一緒に、4員から7員の単環式の飽和または部分的不飽和の複素環を形成し、これは、R5およびR6を担持する窒素原子に加えて、窒素、酸素および硫黄からなる系列から選択される0個または1個のさらなる環ヘテロ原子を含み、非置換であるか、または1個もしくはそれ以上の同一もしくは異なる置換基R21によって置換されている。
【0058】
本発明の一実施形態において、R5基およびR6基の一方は、水素および(C
1〜C
6)−アルキルからなる系列から、別の実施形態において水素および(C
1〜C
4)−アルキルからなる系列から、別の実施形態において水素および(C
1〜C
2)−アルキルからなる系列から、別の実施形態において水素およびメチルからなる系列から選択され、別の実施形態において水素であり、R5基およびR6基の他方は、水素、(C
1〜C
6)−アルキル、(C
2〜C
6)−アルケニル、(C
3〜C
7)−シクロアルキル、(C
6〜C
10)−ビシクロアルキル、フェニル、Het1およびHet2からなる系列から、別の実施形態において水素、(C
1〜C
6)−アルキル、(C
2〜C
6)−アルケニル、(C
3〜C
7)−シクロアルキル、(C
6〜C
10)−ビシクロアルキル、Het1およびHet2からなる系列から、別の実施形態において水素、(C
1〜C
6)−アルキル、(C
2〜C
6)−アルケニル、(C
3〜C
7)−シクロアルキル、Het1およびHet2からなる系列から、別の実施形態において水素、(C
1〜C
6)−アルキル、(C
3〜C
7)−シクロアルキル、Het1およびHet2からなる系列から、別の実施形態において水素、(C
1〜C
6)−アルキル、(C
3〜C
7)−シクロアルキルおよび(C
6〜C
10)−ビシクロアルキルからなる系列から、別の実施形態において水素、(C
1〜C
6)−アルキル、(C
3〜C
7)−シクロアルキルおよびHet2からなる系列から、別の実施形態において水素、(C
1〜C
6)−アルキルおよび(C
3〜C
7)−シクロアルキルからなる系列から、別の実施形態において水素および(C
1〜C
6)−アルキルからなる系列から選択され、ここで、全てのこれらの実施形態において、R5またはR6を表す(C
1〜C
6)−アルキル、(C
1〜C
4)−アルキル、(C
1〜C
2)−アルキルおよびメチルは非置換であるか、または1個もしくはそれ以上の同一もしくは異なる置換基R20によって置換されており、(C
3〜C
7)−シクロアルキル、(C
6〜C
10)−ビシクロアルキルおよびHet2は全て非置換であるか、または1個もしくはそれ以上の同一もしくは異なる置換基R21によって置換されており、Het1は非置換であるか、または1個もしくはそれ以上の同一もしくは異なる置換基R22によって置換されている。一実施形態において、R5およびR6は両方とも水素である。
【0059】
本発明の一実施形態において、R5基およびR6基の一方は、水素および(C
1〜C
6)−アルキルからなる系列から、別の実施形態において水素および(C
1〜C
4)−アルキルからなる系列から、別の実施形態において水素および(C
1〜C
2)−アルキルからなる系列から、別の実施形態において水素およびメチルからなる系列から選択され、別の実施形態において水素であり、R5基およびR6基の他方は、(C
1〜C
6)−アルキル、(C
2〜C
6)−アルケニル、(C
3〜C
7)−シクロアルキル、(C
6〜C
10)−ビシクロアルキル、フェニル、Het1およびHet2からなる系列から、別の実施形態において(C
1〜C
6)−アルキル、(C
2〜C
6)−アルケニル、(C
3〜C
7)−シクロアルキル、(C
6〜C
10)−ビシクロアルキル、Het1およびHet2からなる系列から、別の実施形態において(C
1〜C
6)−アルキル、(C
2〜C
6)−アルケニル、(C
3〜C
7)−シクロアルキル、Het1およびHet2からなる系列から、別の実施形態において(C
1〜C
6)−アルキル、(C
3〜C
7)−シクロアルキル、Het1およびHet2からなる系列から、別の実施形態において(C
1〜C
6)−アルキル、(C
3〜C
7)−シクロアルキルおよび(C
6〜C
10)−ビシクロアルキルからなる系列から、別の実施形態において(C
1〜C
6)−アルキル、(C
3〜C
7)−シクロアルキルおよびHet2からなる系列から、別の実施形態において(C
1〜C
6)−アルキルおよび(C
3〜C
7)−シクロアルキルからなる系列から、別の実施形態において(C
1〜C
6)−アルキルからなる系列から選択され、ここで、全てのこれらの実施形態において、R5またはR6を表す(C
1〜C
6)−アルキル、(C
1〜C
4)−アルキル、(C
1〜C
2)−アルキルおよびメチルは非置換であるか、または1個もしくはそれ以上の同一もしくは異なる置換基R20によって置換されており、(C
3〜C
7)−シクロアルキル、(C
6〜C
10)−ビシクロアルキルおよびHet2は全て非置換であるか、または1個もしくはそれ以上の同一もしくは異なる置換基R21によって置換されており、Het1は非置換であるか、または1個もしくはそれ以上の同一もしくは異なる置換基R22によって置換されており、またはR5基およびR6基は、それらを担持する窒素原子と一緒に、4員から7員の単環式の飽和または部分的不飽和の複素環を形成し、これは、R5およびR6を担持する窒素原子に加えて、窒素、酸素および硫黄からなる系列から選択される0個または1個のさらなる環ヘテロ原子を含み、非置換であるか、または1個もしくはそれ以上の同一もしくは異なる置換基R21によって置換されている。
【0060】
本発明の一実施形態において、R5基およびR6基の一方は、水素および(C
1〜C
6)−アルキルからなる系列から、別の実施形態において水素および(C
1〜C
4)−アルキルからなる系列から、別の実施形態において水素および(C
1〜C
2)−アルキルからなる系列から、別の実施形態において水素およびメチルからなる系列から選択され、別の実施形態において水素であり、R5基およびR6基の他方は、(C
1〜C
6)−アルキル、(C
2〜C
6)−アルケニル、(C
3〜C
7)−シクロアルキル、(C
6〜C
10)−ビシクロアルキル、フェニル、Het1およびHet2からなる系列から、別の実施形態において(C
1〜C
6)−アルキル、(C
2〜C
6)−アルケニル、(C
3〜C
7)−シクロアルキル、(C
6〜C
10)−ビシクロアルキル、Het1およびHet2からなる系列から、別の実施形態において(C
1〜C
6)−アルキル、(C
2〜C
6)−アルケニル、(C
3〜C
7)−シクロアルキル、Het1およびHet2からなる系列から、別の実施形態において(C
1〜C
6)−アルキル、(C
3〜C
7)−シクロアルキル、Het1およびHet2からなる系列から、別の実施形態において(C
1〜C
6)−アルキル、(C
3〜C
7)−シクロアルキルおよび(C
6〜C
10)−ビシクロアルキルからなる系列から、別の実施形態において(C
1〜C
6)−アルキル、(C
3〜C
7)−シクロアルキルおよびHet2からなる系列から、別の実施形態において(C
1〜C
6)−アルキルおよび(C
3〜C
7)−シクロアルキルからなる系列から、別の実施形態において(C
1〜C
6)−アルキルからなる系列から選択され、ここで、全てのこれらの実施形態において、R5またはR6を表す(C
1〜C
6)−アルキル、(C
1〜C
4)−アルキル、(C
1〜C
2)−アルキルおよびメチルは非置換であるか、または1個もしくはそれ以上の同一もしくは異なる置換基R20によって置換されており、(C
3〜C
7)−シクロアルキル、(C
6〜C
10)−ビシクロアルキルおよびHet2は全て非置換であるか、または1個もしくはそれ以上の同一もしくは異なる置換基R21によって置換されており、Het1は非置換であるか、または1個もしくはそれ以上の同一もしくは異なる置換基R22によって置換されている。
【0061】
本発明の一実施形態において、R5またはR6を表す(C
1〜C
6)−アルキル基は、(C
1〜C
4)−アルキル基、別の実施形態において(C
1〜C
3)−アルキル基、別の実施形態において(C
1〜C
2)−アルキル基、別の実施形態においてブチル、プロピル、イソプロピル、エチルおよびメチルからなる系列から選択される、例えばメチル、エチルおよびプロピルからなる系列から選択される任意の1つまたはそれ以上の基であり、これらは全て非置換であるか、または1個もしくはそれ以上、例えば1個、2個もしくは3個、もしくは1個もしくは2個、もしくは1個の同一もしくは異なる置換基R20によって置換されており、該置換基は、任意の位置に、例えば、R5もしくはR6を表すエチル基の1位におよび/もしくは2位に、またはR5もしくはR6を表すプロピル基の1位におよび/もしくは2位におよび/もしくは3位に存在することができる。
【0062】
本発明の一実施形態において、R5またはR6を表す(C
1〜C
6)−アルキル基に場合により存在する同一または異なる置換基R20の数は、1個、2個、3個または4個であり、別の実施形態において、それは1個、2個または3個であり、別の実施形態において、それは1個または2個であり、別の実施形態において、それは1個であり、別の実施形態において、それは0個である。一実施形態において、R5またはR6を表す(C
1〜C
6)−アルキル基に場合により存在する置換基R20を表すR24基の数は、任意の他の置換基R20以外で、1個または2個であり、別の実施形態において、それは1個であり、別の実施形態において、それは0(ゼロ)個であり、即ち、後者実施形態において、R20は定義されている通りであるがR24でない。一実施形態において、R5またはR6を表す(C
1〜C
6)−アルキル基に場合により存在する置換基R20を表すオキソ基の数は、任意の他の置換基R20以外で、1個または2個であり、別の実施形態において、それは1個であり、別の実施形態において、それは0個である。一実施形態において、R5またはR6を表す(C
1〜C
6)−アルキル基に場合により存在する置換基R20を表すR31−N(R32)−C(O)−、R34−O−C(O)−およびR31−N(R32)−S(O)
2−からなる系列から選択される基の数は、任意の他の置換基R20以外で、1個または2個であり、別の実施形態において、それは1個であり、別の実施形態において、それは0個である。
【0063】
本発明の一実施形態において、R5またはR6を表す(C
3〜C
7)−シクロアルキル基、(C
6〜C
10)−ビシクロアルキル基およびHet2基に場合により存在する同一または異なる置換基R21の数は、互いに独立して、1個、2個、3個または4個であり、別の実施形態において、それは1個、2個または3個であり、別の実施形態において、それは1個または2個であり、別の実施形態において、それは1個である。一実施形態において、R5またはR6を表す(C
3〜C
7)−シクロアルキル基、(C
6〜C
10)−ビシクロアルキル基およびHet2基に場合により存在する置換基R21を表すR24基の数は、任意の他の置換基R21以外で、1個または2個であり、別の実施形態において、それは1個であり、別の実施形態において、それは0個である。一実施形態において、R5またはR6を表す(C
3〜C
7)−シクロアルキル基、(C
6〜C
10)−ビシクロアルキル基およびHet2基に場合により存在する置換基R21を表すオキソ基の数は、任意の他の置換基R21以外で、1個または2個であり、別の実施形態において、それは1個であり、別の実施形態においてそれは0個である。一実施形態において、R5またはR6を表す(C
3〜C
7)−シクロアルキル基、(C
6〜C
10)−ビシクロアルキル基およびHet2基に場合により存在する置換基R21を表すR34−O−C(O)−(C
1〜C
4)−アルキル−、R31−N(R32)−C(O)−、R34−O−C(O)−およびR31−N(R32)−S(O)
2−からなる系列から選択される基の数は、任意の他の置換基R21以外で、1個または2個であり、別の実施形態において、それは1個であり、別の実施形態において、それは0個である。
【0064】
本発明の一実施形態において、R5またはR6を表すフェニル基およびHet1基に場合により存在する同一または異なる置換基R22の数は、互いに独立して、1個、2個、3個または4個であり、別の実施形態において、それはであり1個、2個または3個、別の実施形態において、それは1個または2個であり、別の実施形態において、それは1個であり、別の実施形態において、それは0個である。一実施形態において、R5またはR6を表すフェニル基およびHet1基に場合により存在する置換基R22を表すR31−N(R32)−C(O)−、R34−O−C(O)−およびR31−N(R32)−S(O)
2−からなる系列から選択される基の数は、任意の他の置換基R22以外で、1個または2個であり、別の実施形態において、それは1個であり、別の実施形態において、それは0個である。
【0065】
R5基およびR6基によって、それらを担持する窒素原子と一緒に形成することができる単環式複素環、したがって環窒素原子を介して結合しているこの複素環は、4員、5員、6員または7員であり得る。本発明の一実施形態において、この複素環は、4員から6員であり、別の実施形態において、それは5員から6員であり、別の実施形態において、それは5員であり、別の実施形態において、それは6員である。一実施形態において、R5基およびR6基によって、それらを担持する窒素原子と一緒に形成される複素環は、飽和されているかまたは環内に1個の二重結合を含有し、別の実施形態において、それは飽和されている。一実施形態において、R5基およびR6基によって、それらを担持する窒素原子と一緒に形成される複素環に場合により存在するさらなる環ヘテロ原子は、窒素および酸素からなる系列から選択され、別の実施形態において、それは窒素原子であり、別の実施形態において、それは酸素原子である。複素環式基の例であって、本発明の一実施形態において、これらの任意の1つまたはそれ以上から、R5基およびR6基によって、それらを担持する窒素原子と一緒に形成される複素環式基が選択される前記複素環式基の例は、アゼチジン−1−イル、ピロリジン−1−イル、ピペリジン−1−イル、アゼパン−1−イル、イミダゾリジン−1−イル、オキサゾリジン−3−イル、チアゾリジン−3−イル、ピペラジン−1−イル、モルホリン−4−イルおよびチオモルホリン−4−イルであり、これらは全て非置換であるか、または1個もしくはそれ以上の同一もしくは異なる置換基R21によって置換されていてよい。
【0066】
本発明の一実施形態において、R5およびR6によって、それらを担持する窒素原子と一緒に形成される複素環に場合により存在する同一または異なる置換基R21の数は、1個、2個、3個または4個であり、別の実施形態において、それは1個、2個または3個であり、別の実施形態において、それは1個または2個であり、別の実施形態において、それは1個であり、別の実施形態において、それは0個である。一実施形態において、R5およびR6によって、それらを担持する窒素原子と一緒に形成される複素環に場合により存在する置換基R21を表すR24基の数は、任意の他の置換基R21以外で、1個または2個であり、別の実施形態において、それは1個であり、別の実施形態において、それは0個である。一実施形態において、R5およびR6によって、それらを担持する窒素原子と一緒に形成される複素環に場合により存在する置換基R21を表すオキソ基の数は、任意の他の置換基R21以外で、1個または2個であり、別の実施形態において、それは1個であり、別の実施形態において、それは0である。一実施形態において、R5およびR6によって、それらを担持する窒素原子と一緒に形成される複素環に場合により存在する置換基R21を表すR34−O−C(O)−(C
1〜C
4)−アルキル−、R31−N(R32)−C(O)−、R34−O−C(O)−およびR31−N(R32)−S(O)
2−からなる系列から選択される基の数は、任意の他の置換基R21以外で、1個または2個であり、別の実施形態において、それは1個であり、別の実施形態において、それは0個である。
【0067】
本発明の一実施形態において、R7は、それの出現のいずれかにおいて、他の出現から独立して、(C
1〜C
6)−アルキル、(C
3〜C
7)−シクロアルキル、Het1およびHet2からなる系列から、別の実施形態において(C
1〜C
6)−アルキル、(C
3〜C
7)−シクロアルキルおよびHet2からなる系列から、別の実施形態において(C
1〜C
6)−アルキル、Het1およびHet2からなる系列から、別の実施形態において(C
3〜C
7)−シクロアルキル、Het1およびHet2からなる系列から、別の実施形態において(C
1〜C
6)−アルキルおよびHet2からなる系列から、別の実施形態において(C
3〜C
7)−シクロアルキルおよびHet2からなる系列から、別の実施形態においてフェニルおよびHet1からなる系列から選択され、別の実施形態において、それは(C
1〜C
6)−アルキルであり、別の実施形態において、それは(C
3〜C
7)−シクロアルキルであり、別の実施形態においてフェニルであり、別の実施形態においてHet1であり、別の実施形態においてHet2であり、ここで、全ての(C
1〜C
6)−アルキル基は非置換であるか、または1個もしくはそれ以上の同一もしくは異なる置換基R20によって置換されており、全ての(C
3〜C
7)−シクロアルキル基およびHet2基は非置換であるか、または1個もしくはそれ以上の同一もしくは異なる置換基R2によって置換されており、全てのフェニル基およびHet1基は非置換であるか、または1個もしくはそれ以上の同一もしくは異なる置換基R22によって置換されている。
【0068】
本発明の一実施形態において、R7を表す(C
1〜C
6)−アルキル基に場合により存在する同一または異なる置換基R20の数は、1個、2個、3個または4個であり、別の実施形態において、それは1個、2個または3個であり、別の実施形態において、それは1個または2個であり、別の実施形態において、それは1個であり、別の実施形態において、それは0個である。一実施形態において、R7を表す(C
1〜C
6)−アルキル基に場合により存在する置換基R20を表すR24基の数は、任意の他の置換基R20以外で、1個または2個であり、別の実施形態において、それは1個であり、別の実施形態において、それは0(ゼロ)個であり、即ち、後者実施形態において、R20は定義されている通りであるがR24ではない。一実施形態において、R7を表す(C
1〜C
6)−アルキル基に場合により存在する置換基R20を表すオキソ基の数は、任意の他の置換基R20以外で、1個または2個であり、別の実施形態において、それは1個であり、別の実施形態において、それは0個である。一実施形態において、R7を表す(C
1〜C
6)−アルキル基に場合により存在する置換基R20を表すR31−N(R32)−C(O)−、R34−O−C(O)−およびR31−N(R32)−S(O)
2−からなる系列から選択される基の数は、任意の他の置換基R20以外で、1個または2個であり、別の実施形態において、それは1個であり、別の実施形態において、それは0個である。
【0069】
本発明の一実施形態において、R7を表す(C
3〜C
7)−シクロアルキル基およびHet2基に場合により存在する同一または異なる置換基R21の数は、互いに独立して、1個、2個、3個または4個であり、別の実施形態において、それは1個、2個または3個であり、別の実施形態において、それは1個または2個であり、別の実施形態において、それは1個であり、別の実施形態において、それは0個である。一実施形態において、R7を表す(C
3〜C
7)−シクロアルキル基およびHet2基に場合により存在する置換基R21を表すR24基の数は、任意の他の置換基R21以外で、1個または2個であり、別の実施形態において、それは1個であり、別の実施形態において、それは0個である。一実施形態において、R7を表す(C
3〜C
7)−シクロアルキル基およびHet2基に場合により存在する置換基R21を表すオキソ基の数は、任意の他の置換基R21以外で、1個または2個であり、別の実施形態において、それは1個であり、別の実施形態において、それは0個である。一実施形態において、R7を表す(C
3〜C
7)−シクロアルキル基およびHet2基に場合により存在する置換基R21を表すR34−O−C(O)−(C
1〜C
4)−アルキル−、R31−N(R32)−C(O)−、R34−O−C(O)−およびR31−N(R32)−S(O)
2−からなる系列から選択される基の数は、任意の他の置換基R21以外で、1個または2個であり、別の実施形態において、それは1個であり、別の実施形態において、それは0個である。
【0070】
本発明の一実施形態において、R7を表すフェニル基およびHet1基に場合により存在する同一または異なる置換基R22の数は、互いに独立して、1個、2個、3個または4個であり、別の実施形態において、それは1個、2個または3個であり、別の実施形態において、それは1個または2個であり、別の実施形態において、それは1個であり、別の実施形態において、それは0個である。一実施形態において、R7を表すフェニル基およびHet1基に場合により存在する置換基R22を表すR31−N(R32)−C(O)−、R34−O−C(O)−およびR31−N(R32)−S(O)
2−からなる系列から選択される基の数は、任意の他の置換基R22以外で、1個または2個であり、別の実施形態において、それは1個であり、別の実施形態において、それは0個である。
【0071】
本発明の一実施形態において、R8は、それの出現のいずれかにおいて、それの他の出現から独立して、水素および(C
1〜C
3)−アルキルからなる系列から、別の実施形態において水素および(C
1〜C
2)−アルキルからなる系列から、別の実施形態において水素およびメチルからなる系列から選択され、別の実施形態において、R8は水素である。
【0072】
本発明の一実施形態において、R9は、(C
1〜C
6)−アルキル、(C
3〜C
7)−シクロアルキル、(C
3〜C
7)−シクロアルキル−(C
1〜C
4)−アルキル−およびHet1−(C
1〜C
4)−アルキル−からなる系列から、別の実施形態において(C
1〜C
6)−アルキル、(C
3〜C
7)−シクロアルキルおよび(C
3〜C
7)−シクロアルキル−(C
1〜C
4)−アルキル−からなる系列から、別の実施形態において(C
1〜C
6)−アルキルおよび(C
3〜C
7)−シクロアルキルからなる系列から、別の実施形態において(C
1〜C
6)−アルキルからなる系列から、および別の実施形態において(C
1〜C
4)−アルキルからなる系列から選択される。
【0073】
本発明の一実施形態において、R10は、水素、(C
1〜C
6)−アルキル、(C
3〜C
7)−シクロアルキル、(C
3〜C
7)−シクロアルキル−(C
1〜C
4)−アルキル−およびHet1−(C
1〜C
4)−アルキル−からなる系列から、別の実施形態において水素、(C
1〜C
6)−アルキル、(C
3〜C
7)−シクロアルキルおよび(C
3〜C
7)−シクロアルキル−(C
1〜C
4)−アルキル−からなる系列から、別の実施形態において水素、(C
1〜C
6)−アルキルおよび(C
3〜C
7)−シクロアルキルからなる系列から、別の実施形態において水素および(C
1〜C
6)−アルキルからなる系列から、別の実施形態において水素および(C
1〜C
4)−アルキルからなる系列から、別の実施形態において(C
1〜C
6)−アルキル、(C
3〜C
7)−シクロアルキル、(C
3〜C
7)−シクロアルキル−(C
1〜C
4)−アルキル−およびHet1−(C
1〜C
4)−アルキル−からなる系列から、別の実施形態において(C
1〜C
6)−アルキル、(C
3〜C
7)−シクロアルキル、および(C
3〜C
7)−シクロアルキル−(C
1〜C
4)−アルキル−からなる系列から、別の実施形態において(C
1〜C
6)−アルキルおよび(C
3〜C
7)−シクロアルキルからなる系列から、別の実施形態において(C
1〜C
6)−アルキルからなる系列から、および別の実施形態において(C
1〜C
4)−アルキルからなる系列から選択される。
【0074】
本発明の一実施形態において、R20は、R24、フッ素、HO−、(C
1〜C
6)−アルキル−O−、(C
3〜C
7)−シクロアルキル−O−、R30−C(O)−O−、R30−NH−C(O)−O−、HO−S(O)
2−O−、(HO)
2P(O)−O−、(HO)
2P(O)−O−CH
2−O−C(O)−O−、(C
1〜C
6)−アルキル−S(O)
n−、(C
3〜C
7)−シクロアルキル−S(O)
n−、R31−N(R32)−、R33−C(O)−N(R32)−、(C
1〜C
6)−アルキル−S(O)
2−N(R32)−、R31−N(R32)−C(O)−、R34−O−C(O)−およびR31−N(R32)−S(O)
2−からなる系列から、別の実施形態においてR24、フッ素、HO−、(C
1〜C
6)−アルキル−O−、(C
3〜C
7)−シクロアルキル−O−、R30−C(O)−O−、R30−NH−C(O)−O−、HO−S(O)
2−O−、(HO)
2P(O)−O−、(HO)
2P(O)−O−CH
2−O−C(O)−O−、(C
1〜C
6)−アルキル−S(O)
n−、R31−N(R32)−、R33−C(O)−N(R32)−、(C
1〜C
6)−アルキル−S(O)
2−N(R32)−、R31−N(R32)−C(O)−、R34−O−C(O)−およびR31−N(R32)−S(O)
2−からなる系列から、別の実施形態においてR24、フッ素、HO−、(C
1〜C
6)−アルキル−O−、(C
3〜C
7)−シクロアルキル−O−、HO−S(O)
2−O−、(HO)
2P(O)−O−、(HO)
2P(O)−O−CH
2−O−C(O)−O−、(C
1〜C
6)−アルキル−S(O)
n−、R31−N(R32)−、R33−C(O)−N(R32)−、(C
1〜C
6)−アルキル−S(O)
2−N(R32)−、R31−N(R32)−C(O)−、R34−O−C(O)−およびR31−N(R32)−S(O)
2−からなる系列から、別の実施形態においてR24、フッ素、HO−、オキソ、(C
1〜C
6)−アルキル−O−、(C
3〜C
7)−シクロアルキル−O−、R30−C(O)−O−、R30−NH−C(O)−O−、HO−S(O)
2−O−、(HO)
2P(O)−O−、(C
1〜C
6)−アルキル−S(O)
n−、R31−N(R32)−、R33−C(O)−N(R32)−、(C
1〜C
6)−アルキル−S(O)
2−N(R32)−、R31−N(R32)−C(O)−、R34−O−C(O)−およびR31−N(R32)−S(O)
2−からなる系列から、別の実施形態においてR24、フッ素、HO−、(C
1〜C
6)−アルキル−O−、(C
3〜C
7)−シクロアルキル−O−、HO−S(O)
2−O−、(HO)
2P(O)−O−、(C
1〜C
6)−アルキル−S(O)
n−、R31−N(R32)−、R33−C(O)−N(R32)−、(C
1〜C
6)−アルキル−S(O)
2−N(R32)−、R31−N(R32)−C(O)−、R34−O−C(O)−およびR31−N(R32)−S(O)
2−からなる系列から、別の実施形態においてR24、フッ素、HO−、(C
1〜C
6)−アルキル−O−、(C
3〜C
7)−シクロアルキル−O−、HO−S(O)
2−O−、(HO)
2P(O)−O−、(C
1〜C
6)−アルキル−S(O)
n−、R31−N(R32)−、R33−C(O)−N(R32)−、(C
1〜C
6)−アルキル−S(O)
2−N(R32)−、R31−N(R32)−C(O)−およびR31−N(R32)−S(O)
2−からなる系列から、別の実施形態においてR24、フッ素、HO−、(C
1〜C
6)−アルキル−O−、(C
3〜C
7)−シクロアルキル−O−、HO−S(O)
2−O−、(HO)
2P(O)−O−、(C
1〜C
6)−アルキル−S(O)
n−、R31−N(R32)−、R33−C(O)−N(R32)−、(C
1〜C
6)−アルキル−S(O)
2−N(R32)−およびR31−N(R32)−C(O)−からなる系列から、別の実施形態においてR24、フッ素、HO−、(C
1〜C
6)−アルキル−O−、(HO)
2P(O)−O−、(C
1〜C
6)−アルキル−S(O)
n−、R31−N(R32)−、R33−C(O)−N(R32)−、(C
1〜C
6)−アルキル−S(O)
2−N(R32)−、R31−N(R32)−C(O)−、R34−O−C(O)−およびR31−N(R32)−S(O)
2−からなる系列から、別の実施形態においてR24、フッ素、HO−、(C
1〜C
6)−アルキル−O−、(HO)
2P(O)−O−、(C
1〜C
6)−アルキル−S(O)
n−、R31−N(R32)−、R33−C(O)−N(R32)−、(C
1〜C
6)−アルキル−S(O)
2−N(R32)−、R31−N(R32)−C(O)−およびR34−O−C(O)−からなる系列から、別の実施形態においてR24、フッ素、HO−、(C
1〜C
6)−アルキル−O−、(HO)
2P(O)−O−、(C
1〜C
6)−アルキル−S(O)
n−、R31−N(R32)−、R33−C(O)−N(R32)−および(C
1〜C
6)−アルキル−S(O)
2−N(R32)−からなる系列から、別の実施形態においてR31−N(R32)−、R33−C(O)−N(R32)−および(C
1〜C
6)−アルキル−S(O)
2−N(R32)−からなる系列から、別の実施形態においてR24、フッ素、HO−、(C
1〜C
6)−アルキル−O−、(HO)
2P(O)−O−、(C
1〜C
6)−アルキル−S(O)
n−およびR31−N(R32)−からなる系列から、別の実施形態においてR24、フッ素、HO−、(C
1〜C
6)−アルキル−O−および(HO)
2P(O)−O−からなる系列から、別の実施形態においてR24、フッ素、HO−、(C
1〜C
6)−アルキル−O−、HO−S(O)
2−O−、(HO)
2P(O)−O−および(HO)
2P(O)−O−CH
2−O−C(O)−O−からなる系列から、別の実施形態においてR24、フッ素、HO−、(C
1〜C
6)−アルキル−O−、HO−S(O)
2−O−および(HO)
2P(O)−O−からなる系列から、別の実施形態においてHO−、(C
1〜C
6)−アルキル−O−、R30−C(O)−O−、R30−NH−C(O)−O−、HO−S(O)
2−O−および(HO)
2P(O)−O−からなる系列から、別の実施形態においてHO−、R30−C(O)−O−、R30−NH−C(O)−O−、HO−S(O)
2−O−および(HO)
2P(O)−O−からなる系列から、別の実施形態においてHO−、HO−S(O)
2−O−および(HO)
2P(O)−O−からなる系列から、別の実施形態においてHO−および(HO)
2P(O)−O−からなる系列から、別の実施形態においてR24、HO−および(HO)
2P(O)−O−からなる系列から、別の実施形態においてR24およびHO−からなる系列から選択され、別の実施形態において、R20はHO−であり、別の実施形態において、R20はR24であり、ここで、1個超の置換基R20が存在する場合において、置換基R20は、互いに独立して、これらの実施形態のいずれかにおける通りに定義される。
【0075】
本発明の一実施形態において、R21は、(C
1〜C
4)−アルキル、HO−(C
1〜C
4)−アルキル−、R31−N(R32)−(C
1〜C
4)−アルキル−、R34−O−C(O)−(C
1〜C
4)−アルキル−、R24、フッ素、HO−、オキソ、(C
1〜C
6)−アルキル−O−、(C
3〜C
7)−シクロアルキル−O−、R30−C(O)−O−、R30−NH−C(O)−O−、HO−S(O)
2−O−、(HO)
2P(O)−O−、(HO)
2P(O)−O−CH
2−O−C(O)−O−、(C
1〜C
6)−アルキル−S(O)
n−、(C
3〜C
7)−シクロアルキル−S(O)
n−、R31−N(R32)−、R33−C(O)−N(R32)−、(C
1〜C
6)−アルキル−S(O)
2−N(R32)−、R31−N(R32)−C(O)−、R34−O−C(O)−およびR31−N(R32)−S(O)
2−からなる系列から、別の実施形態において(C
1〜C
4)−アルキル、HO−(C
1〜C
4)−アルキル−、R31−N(R32)−(C
1〜C
4)−アルキル−、R24、フッ素、HO−、オキソ、(C
1〜C
6)−アルキル−O−、R30−C(O)−O−、R30−NH−C(O)−O−、HO−S(O)
2−O−、(HO)
2P(O)−O−、(HO)
2P(O)−O−CH
2−O−C(O)−O−、(C
1〜C
6)−アルキル−S(O)
n−、R31−N(R32)−、R33−C(O)−N(R32)−、(C
1〜C
6)−アルキル−S(O)
2−N(R32)−、R31−N(R32)−C(O)−およびR34−O−C(O)−からなる系列から、別の実施形態において(C
1〜C
4)−アルキル、HO−(C
1〜C
4)−アルキル−、R31−N(R32)−(C
1〜C
4)−アルキル−、R24、フッ素、HO−、オキソ、(C
1〜C
6)−アルキル−O−、R30−C(O)−O−、R30−NH−C(O)−O−、HO−S(O)
2−O−、(HO)
2P(O)−O−、(HO)
2P(O)−O−CH
2−O−C(O)−O−、R31−N(R32)−、R33−C(O)−N(R32)−および(C
1〜C
6)−アルキル−S(O)
2−N(R32)−からなる系列から、別の実施形態において(C
1〜C
4)−アルキル、HO−(C
1〜C
4)−アルキル−、R31−N(R32)−(C
1〜C
4)−アルキル−、R24、フッ素、HO−、オキソ、(C
1〜C
6)−アルキル−O−、HO−S(O)
2−O−、(HO)
2P(O)−O−、(HO)
2P(O)−O−CH
2−O−C(O)−O−およびR31−N(R32)−からなる系列から、別の実施形態において(C
1〜C
4)−アルキル、HO−(C
1〜C
4)−アルキル−、R31−N(R32)−(C
1〜C
4)−アルキル−、フッ素、HO−、オキソ、(C
1〜C
6)−アルキル−O−、HO−S(O)
2−O−、(HO)
2P(O)−O−、(HO)
2P(O)−O−CH
2−O−C(O)−O−およびR31−N(R32)−からなる系列から、別の実施形態において(C
1〜C
4)−アルキル、HO−(C
1〜C
4)−アルキル−、フッ素、HO−、オキソ、(C
1〜C
6)−アルキル−O−、HO−S(O)
2−O−、(HO)
2P(O)−O−および(HO)
2P(O)−O−CH
2−O−C(O)−O−からなる系列から、別の実施形態において(C
1〜C
4)−アルキル、HO−(C
1〜C
4)−アルキル−、R31−N(R32)−(C
1〜C
4)−アルキル−、R34−O−C(O)−(C
1〜C
4)−アルキル−、R24、フッ素、HO−、オキソ、(C
1〜C
6)−アルキル−O−、(C
3〜C
7)−シクロアルキル−O−、R30−C(O)−O−、R30−NH−C(O)−O−、HO−S(O)
2−O−、(HO)
2P(O)−O−、(C
1〜C
6)−アルキル−S(O)
n−、R31−N(R32)−、R33−C(O)−N(R32)−、(C
1〜C
6)−アルキル−S(O)
2−N(R32)−およびR31−N(R32)−C(O)−からなる系列から、別の実施形態において(C
1〜C
4)−アルキル、HO−(C
1〜C
4)−アルキル−、R31−N(R32)−(C
1〜C
4)−アルキル−、R34−O−C(O)−(C
1〜C
4)−アルキル−、R24、フッ素、HO−、(C
1〜C
6)−アルキル−O−、(C
3〜C
7)−シクロアルキル−O−、HO−S(O)
2−O−、(HO)
2P(O)−O−、(C
1〜C
6)−アルキル−S(O)
n−、R31−N(R32)−、R33−C(O)−N(R32)−およびR31−N(R32)−C(O)−からなる系列から、別の実施形態において(C
1〜C
4)−アルキル、HO−(C
1〜C
4)−アルキル−、R31−N(R32)−(C
1〜C
4)−アルキル−、フッ素、HO−、(C
1〜C
6)−アルキル−O−、(C
3〜C
7)−シクロアルキル−O−、HO−S(O)
2−O−、(HO)
2P(O)−O−、R31−N(R32)−、R33−C(O)−N(R32)−およびR31−N(R32)−C(O)−からなる系列から、別の実施形態において(C
1〜C
4)−アルキル、HO−(C
1〜C
4)−アルキル−、R31−N(R32)−(C
1〜C
4)−アルキル−、フッ素、HO−、(C
1〜C
6)−アルキル−O−、(C
3〜C
7)−シクロアルキル−O−、HO−S(O)
2−O−、(HO)
2P(O)−O−、R31−N(R32)−、R33−C(O)−N(R32)−およびR31−N(R32)−C(O)−からなる系列から、別の実施形態において(C
1〜C
4)−アルキル、フッ素、HO−、オキソ、HO−S(O)
2−O−、(HO)
2P(O)−O−および(HO)
2P(O)−O−CH
2−O−C(O)−O−からなる系列から、別の実施形態において(C
1〜C
4)−アルキル、フッ素、HO−、オキソ、HO−S(O)
2−O−および(HO)
2P(O)−O−からなる系列から、別の実施形態において(C
1〜C
4)−アルキル、フッ素、HO−、オキソおよび(HO)
2P(O)−O−からなる系列から、別の実施形態において(C
1〜C
4)−アルキル、フッ素、HO−およびオキソからなる系列から、別の実施形態において(C
1〜C
4)−アルキル、HO−(C
1〜C
4)−アルキル−、フッ素、HO−、(C
1〜C
6)−アルキル−O−、HO−S(O)
2−O−および(HO)
2P(O)−O−からなる系列から、別の実施形態において(C
1〜C
4)−アルキル、フッ素、HO−、HO−S(O)
2−O−および(HO)
2P(O)−O−からなる系列から、別の実施形態において(C
1〜C
4)−アルキル、フッ素、HO−、HO−S(O)
2−O−および(HO)
2P(O)−O−からなる系列から、別の実施形態において(C
1〜C
4)−アルキル、フッ素、HO−および(HO)
2P(O)−O−からなる系列から、別の実施形態において(C
1〜C
4)−アルキル、フッ素およびHO−からなる系列から選択され、ここで、1個超の置換基R21が存在する場合において、置換基R21は、互いに独立して、これらの実施形態のいずれかにおける通りに定義される。一実施形態において、Het2基の場合においてまたはR5およびR6によって、それらを担持する窒素原子と一緒に形成することができる環の場合において出現することができる通り、環窒素原子に結合している置換基R21は、(C
1〜C
4)−アルキル、HO−(C
1〜C
4)−アルキル−、R31−N(R32)−(C
1〜C
4)−アルキル−、および環炭素原子を介して結合しているR24からなる系列から、別の実施形態において(C
1〜C
4)−アルキルからなる系列から選択される。
【0076】
本発明の一実施形態において、R22は、ハロゲン、(C
1〜C
4)−アルキル、HO−(C
1〜C
4)−アルキル−、(C
3〜C
7)−シクロアルキル、HO−、オキソ、(C
1〜C
6)−アルキル−O−、HO−S(O)
2−O−、(HO)
2P(O)−O−、(HO)
2P(O)−O−CH
2−O−C(O)−O−、(C
1〜C
6)−アルキル−S(O)
n−、R31−N(R32)−、R33−C(O)−N(R32)−、R33−O−C(O)−N(R32)−、(C
1〜C
6)−アルキル−S(O)
2−N(R32)−、NC−、R31−N(R32)−C(O)−およびR31−N(R32)−S(O)
2−からなる系列から、別の実施形態においてハロゲン、(C
1〜C
4)−アルキル、HO−(C
1〜C
4)−アルキル−、(C
3〜C
7)−シクロアルキル、HO−、オキソ、(C
1〜C
6)−アルキル−O−、HO−S(O)
2−O−、(HO)
2P(O)−O−、(HO)
2P(O)−O−CH
2−O−C(O)−O−、(C
1〜C
6)−アルキル−S(O)
n−、R31−N(R32)−、NC−およびR31−N(R32)−C(O)−からなる系列から、別の実施形態においてハロゲン、(C
1〜C
4)−アルキル、HO−、オキソ、(C
1〜C
6)−アルキル−O−、HO−S(O)
2−O−、(HO)
2P(O)−O−、(HO)
2P(O)−O−CH
2−O−C(O)−O−、(C
1〜C
6)−アルキル−S(O)
n−、R31−N(R32)−、NC−およびR31−N(R32)−C(O)−からなる系列から、別の実施形態においてハロゲン、(C
1〜C
4)−アルキル、HO−、(C
1〜C
6)−アルキル−O−、HO−S(O)
2−O−、(HO)
2P(O)−O−、(HO)
2P(O)−O−CH
2−O−C(O)−O−、R31−N(R32)−、NC−およびR31−N(R32)−C(O)−からなる系列から、別の実施形態においてハロゲン、(C
1〜C
4)−アルキル、HO−(C
1〜C
4)−アルキル−、(C
3〜C
7)−シクロアルキル、HO−、オキソ、(C
1〜C
6)−アルキル−O−、(C
3〜C
7)−シクロアルキル−O−、HO−S(O)
2−O−、(HO)
2P(O)−O−、(C
1〜C
6)−アルキル−S(O)
n−、R31−N(R32)−、R33−C(O)−N(R32)−、R33−O−C(O)−N(R32)−、(C
1〜C
6)−アルキル−S(O)
2−N(R32)−、NC−、R33−C(O)−およびR31−N(R32)−C(O)−からなる系列から、別の実施形態においてハロゲン、(C
1〜C
4)−アルキル、HO−(C
1〜C
4)−アルキル−、(C
3〜C
7)−シクロアルキル、HO−、(C
1〜C
6)−アルキル−O−、(C
3〜C
7)−シクロアルキル−O−、HO−S(O)
2−O−、(HO)
2P(O)−O−、(C
1〜C
6)−アルキル−S(O)
n−、R31−N(R32)−、R33−C(O)−N(R32)−、NC−、R33−C(O)−およびR31−N(R32)−C(O)−からなる系列から、別の実施形態においてハロゲン、(C
1〜C
4)−アルキル、HO−(C
1〜C
4)−アルキル−、(C
3〜C
7)−シクロアルキル、HO−、(C
1〜C
6)−アルキル−O−、(C
3〜C
7)−シクロアルキル−O−、HO−S(O)
2−O−、(HO)
2P(O)−O−、(C
1〜C
6)−アルキル−S(O)
n−、R31−N(R32)−、R33−C(O)−N(R32)−およびR31−N(R32)−C(O)−からなる系列から、別の実施形態においてハロゲン、(C
1〜C
4)−アルキル、HO−、(C
1〜C
6)−アルキル−O−、HO−S(O)
2−O−、(HO)
2P(O)−O−、R31−N(R32)−およびNC−からなる系列から、別の実施形態においてハロゲン、(C
1〜C
4)−アルキル、HO−、(C
1〜C
6)−アルキル−O−、HO−S(O)
2−O−、(HO)
2P(O)−O−およびNC−からなる系列から、別の実施形態においてハロゲン、(C
1〜C
4)−アルキル、HO−、(C
1〜C
6)−アルキル−O−、(HO)
2P(O)−O−およびNC−からなる系列から、別の実施形態においてハロゲン、(C
1〜C
4)−アルキル、(C
1〜C
6)−アルキル−O−およびNC−からなる系列から、別の実施形態においてハロゲン、(C
1〜C
4)−アルキルおよび(C
1〜C
6)−アルキル−O−からなる系列から、別の実施形態においてハロゲンおよび(C
1〜C
4)−アルキルからなる系列から選択され、ここで、1個超の置換基R22が存在する場合において、置換基R22は、互いに独立して、これらの実施形態のいずれかにおける通りに定義される。一実施形態において、Het1基およびR24の場合において出現することができる通り、環窒素原子に結合している置換基R22は、(C
1〜C
4)−アルキル、HO−(C
1〜C
4)−アルキル−および(C
3〜C
7)−シクロアルキルからなる系列から、別の実施形態において(C
1〜C
4)−アルキルからなる系列から選択される。
【0077】
単環式基または二環式基R24は、3員、4員、5員、6員、7員、8員、9員または10員であってよい。本発明の一実施形態において、単環式基R24は、3員、4員、5員、6員または7員であり、二環式基R24は、6員、7員、8員、9員または10員である。本発明の一実施形態において、R24は、単環式環、別の実施形態において3員から7員の単環式環、別の実施形態において3員から6員の単環式環、別の実施形態において4員から6員の単環式環、別の実施形態において5員または6員の単環式環、別の実施形態において二環式環、別の実施形態において6員から10員の二環式環、別の実施形態において7員から10員の二環式環、別の実施形態において7員から9員の二環式環である。二環式基R24における2つの環は、縮合され得るか、または架橋二環性もしくはスピロ環を形成することができる。単環式環または二環式環R24は、飽和されていてよく、即ち、環系内に任意の二重結合を含有しない、または部分的不飽和であってよく、即ち、環系内に1個もしくはそれ以上の二重結合、例えば、1個、2個、3個もしくは4個の二重結合、または1個、2個もしくは3個の二重結合、または1個もしくは2個の二重結合、または1つの二重結合を含有するが、完全に芳香族というわけでなく、即ち、それは、単環の場合において6個の非局在化パイ電子もしくは二環性の場合において10個の非局在化パイ電子の環式系を含有しないか、またはそれは芳香族であり得る。環に存在することができる二重結合の数は、環系の型および環サイズに依存する。部分的不飽和環R24には、2つの環の一方が芳香族であり、他方が芳香族でない二環式環系も含まれる。一実施形態において、R24は、飽和環または芳香族環、別の実施形態において飽和環、別の実施形態において芳香族環である。
【0078】
R24環は炭素環式であってよく、即ち、0(ゼロ)個の環ヘテロ原子を含有するか、または複素環式であってよく、即ち、1個、2個、3個もしくは4個の同一もしくは異なる環ヘテロ原子を含有する。一実施形態において、R24に存在する環ヘテロ原子の数は、0個、1個、2個または3個、別の実施形態において0個、1個または2個、別の実施形態において0個または1個である。本発明の一実施形態において、R24は、それの出現のいずれかにおいて、それの他の出現から独立して、炭素環式環であり、別の実施形態において、それは複素環式環である。二環式環R24において、環ヘテロ原子は、任意の適当な位置において2個の環の1つにまたは両方の環に存在することができる。架橋二環式環および縮合二環式環において、環窒素原子は、架橋位置および縮合位置に存在することもできる。本発明の一実施形態において、3員環R24は、炭素環式環、具体的にはシクロプロパン環であり、即ち、この場合において、R24基はシクロプロピル基である。一実施形態において、R24に存在する環ヘテロ原子は、窒素および酸素からなる系列から、別の実施形態において窒素および硫黄からなる系列から選択され、別の実施形態において、それらは窒素原子である。R24は、遊離結合位置を有する任意の環炭素原子および任意の環窒素原子を介して結合することができる。二環式基R24において、R24が結合するのを介する環原子は、飽和環、部分的不飽和環に、または芳香族環に存在することができる。本発明の一実施形態において、R24は、それの出現のいずれかにおいて、それの他の出現から独立して、環炭素原子を介して、別の実施形態において環窒素原子を介して結合する。
【0079】
R24の定義によって含まれる環式基の型は、シクロアルキル基、ビシクロアルキル基、フェニル基、ナフタレン−1−イル基およびナフタレン−2−イル基を含めたナフチル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレニル基などの部分的水素化ナフチル基、例えばHet1基などの単環式および二環式芳香族複素環式基、ならびにHet2基などの飽和および部分的不飽和の単環式および二環式の複素環式基である。こうした基に関して上記および下記に与えられている説明は、一般に複素環式基に関して上記に与えられている説明のように、R24を表すこうした基に対応して当てはまる。基の例であって、本発明の一実施形態において、これらの任意の1つまたはそれ以上からR24基が選択される前記基の例は、以下の式の基であり、
【0080】
【化8】
【0081】
【化9】
【0082】
式中、記号
【化10】
と交差する線は、基が結合するのを介する遊離結合を表す。特定の原子に向けられていない、これらの式に図示されている置換基R22を起点とする結合は、これらの基が、1個またはそれ以上の同一または異なる置換基R22によって場合により置換されていること、即ち、それらが非置換であるかまたは1個もしくはそれ以上の同一もしくは異なる置換基R22によって置換されていること、および置換基R22が任意の位置に存在することができることを示す。
【0083】
本発明の一実施形態において、R24基に場合により存在する同一または異なる置換基R22の数は、1個、2個、3個または4個であり、別の実施形態において、それは1個、2個または3個であり、別の実施形態において、それは1個または2個であり、別の実施形態において、それは1個であり、別の実施形態において、それは0個である。一実施形態において、R24に場合により存在する置換基R22を表すオキソ基の数は、任意の他の置換基R22以外で、1個または2個であり、別の実施形態において、それは1個であり、別の実施形態において、それは0個である。一実施形態において、R24に場合により存在する置換基R22を表すR31−N(R32)−C(O)−、R34−O−C(O)−およびR31−N(R32)−S(O)
2−からなる系列から選択される基の数は、任意の他の置換基R22以外で、1個または2個であり、別の実施形態において、それは1個であり、別の実施形態において、それは0個である。
【0084】
本発明の一実施形態において、R30は、それの出現のいずれかにおいて、それの他の出現から独立して、(C
1〜C
6)−アルキル、(C
3〜C
7)−シクロアルキルおよび(C
3〜C
7)−シクロアルキル−(C
1〜C
4)−アルキル−からなる系列から、別の
実施形態において(C
1〜C
6)−アルキルからなる系列から、別の実施形態において(C
1〜C
4)−アルキルからなる系列から、別の実施形態において(C
1〜C
3)−アルキルからなる系列から、別の実施形態において(C
1〜C
2)−アルキルからなる系列から選択され、別の実施形態において、R30はメチルである。
【0085】
本発明の一実施形態において、R31およびR32は、それらの出現のいずれかにおいて、他の出現から独立しておよび互いに独立して、水素、(C
1〜C
6)−アルキル、(C
3〜C
7)−シクロアルキルおよび(C
3〜C
7)−シクロアルキル−(C
1〜C
4)−アルキル−からなる系列から、別の実施形態において水素および(C
1〜C
6)−アルキルからなる系列から、別の実施形態において水素および(C
1〜C
4)−アルキルからなる系列から、別の実施形態において水素およびメチルからなる系列から選択されるか、またはR31基およびR32基は、それらを担持する窒素原子と一緒に、4員から7員の単環式飽和複素環を形成し、これは、R31およびR32を担持する窒素原子に加えて、窒素、酸素および硫黄からなる系列から選択される0個または1個のさらなる環ヘテロ原子を含み、非置換であるか、またはフッ素および(C
1〜C
4)−アルキルからなる系列から選択される1個もしくはそれ以上の同一もしくは異なる置換基によって置換されている。別の実施形態において、R31およびR32は、それらの出現のいずれかにおいて、他の出現から独立しておよび互いに独立して、水素、(C
1〜C
6)−アルキル、(C
3〜C
7)−シクロアルキルおよび(C
3〜C
7)−シクロアルキル−(C
1〜C
4)−アルキル−からなる系列から、別の実施形態において水素および(C
1〜C
6)−アルキルからなる系列から、別の実施形態において水素および(C
1〜C
4)−アルキルからなる系列から、別の実施形態において水素およびメチルからなる系列から選択される。
【0086】
R31基およびR32基によって、それらを担持する窒素原子と一緒に形成することができる単環式複素環は、したがって環窒素原子を介して結合しているが、4員、5員、6員または7員であってよい。本発明の一実施形態において、R31基およびR32基によって、それらを担持する窒素原子と一緒に形成される該複素環は、5員または6員であり、別の実施形態において、それは6員である。一実施形態において、R31基およびR32基によって、それらを担持する窒素原子と一緒に形成される複素環に場合により存在するさらなる環ヘテロ原子は、窒素および酸素からなる系列から選択され、別の実施形態において、それは窒素原子であり、別の実施形態において、それは酸素原子である。本発明の一実施形態において、R31基およびR32基によって、それらを担持する窒素原子と一緒に形成される環に存在することができるフッ素および(C
1〜C
4)−アルキルからなる系列から選択される置換基の数は、1個、2個または3個、別の実施形態において1個または2個、別の実施形態において1個であり、別の実施形態において、それは0個である。本発明の一実施形態において、R31基およびR32基によって、それらを担持する窒素原子と一緒に形成される環に存在することができる置換基は、フッ素置換基であり、別の実施形態において、それらは、(C
1〜C
4)−アルキル置換基、例えばメチル置換基であり、別の実施形態において、(C
1〜C
4)−アルキルからなる系列から選択される、環窒素原子に結合しているこうした環における置換基である。R31基およびR32基によって、それらを担持する窒素原子と一緒に形成される複素環式基が本発明の一実施形態において、その任意の1つまたはそれ以上から選択される複素環式基の例は、アゼチジン−1−イル、ピロリジン−1−イル、ピペリジン−1−イル、モルホリン−4−イル、チオモルホリン−4−イル、および4−メチルピペラジン−1−イルである。
【0087】
本発明の一実施形態において、R33は、それの出現のいずれかにおいて、それの他の出現から独立して、(C
1〜C
6)−アルキル、(C
3〜C
7)−シクロアルキルおよび(C
3〜C
7)−シクロアルキル−(C
1〜C
4)−アルキル−からなる系列から、別の実施形態において(C
1〜C
6)−アルキルからなる系列から、別の実施形態において(C
1〜C
4)−アルキルからなる系列から、別の実施形態において(C
1〜C
3)−アル
キルからなる系列から、別の実施形態において(C
1〜C
2)−アルキルからなる系列から選択され、別の実施形態において、R33はメチルである。
【0088】
本発明の一実施形態において、R34は、それの出現のいずれかにおいて、それの他の出現から独立して、水素、(C
1〜C
6)−アルキル、(C
3〜C
7)−シクロアルキルおよび(C
3〜C
7)−シクロアルキル−(C
1〜C
4)−アルキル−からなる系列から、別の実施形態において水素および(C
1〜C
6)−アルキルからなる系列から、別の実施形態において水素および(C
1〜C
4)−アルキルからなる系列から、別の実施形態において水素および(C
1〜C
3)−アルキルからなる系列から、別の実施形態において(C
1〜C
4)−アルキルからなる系列から、別の実施形態において(C
1〜C
3)−アルキルからなる系列から選択され、別の実施形態においてR34は水素である。
【0089】
本発明の一実施形態において、芳香族基Het1は、それの出現のいずれかにおいて、他の出現から独立して、窒素、酸素および硫黄からなる系列から選択される1個の環ヘテロ原子ならびに環窒素原子であるさらなる環ヘテロ原子を含む5員複素環であるか、またはそれは、1個もしくは2個の環窒素原子を含む6員複素環であり、別の実施形態において、Het1は、芳香族複素環ピラゾール、イミダゾール、イソオキサゾール、オキサゾール、チアゾール、ピリジン、ピリミジンおよびピラジンからなる系列から、別の実施形態においてピラゾール、イソオキサゾール、オキサゾール、チアゾール、ピリジンおよびピリミジンからなる系列から、別の実施形態においてピラゾール、イソオキサゾール、オキサゾール、チアゾールおよびピリジンからなる系列から、別の実施形態においてピラゾール、イソオキサゾール、チアゾールおよびピリジンからなる系列から、別の実施形態においてピラゾール、イソオキサゾールおよびピリジンからなる系列から、別の実施形態においてピラゾール、イソオキサゾールおよびチアゾールからなる系列から選択され、これらは全て、示されている通り、非置換であるかまたは置換されている。一実施形態において、Het1基は環炭素原子を介して結合している。一実施形態において、Het1基に場合により存在する置換基の数は、1個、2個または3個、別の実施形態において1個または2個、別の実施形態において1個であり、別の実施形態において、それは0個である。ある特定のHet1基が、ハロゲン、(C
1〜C
4)−アルキルおよび(C
1〜C
4)−アルキル−O−からなる系列から選択される置換基によって場合により置換されており、他の置換が、このHet1基について特定されていない場合において、一実施形態において、こうしたHet1基は、ハロゲンおよび(C
1〜C
4)−アルキルからなる系列から選択される置換基によって場合により置換されており、別の実施形態において、ピロール環、ピラゾール環またはイミダゾール環などにおける、環窒素原子に結合しているこうしたHet1基における置換基は、(C
1〜C
4)−アルキルからなる系列から選択される。
【0090】
複素環式基Het2は、4員、5員、6員、7員、8員、9員または10員であってよい。本発明の一実施形態において、単環式基Het2は、4員、5員、6員または7員であり、二環式基Het2は、6員、7員、8員、9員または10員である。本発明の一実施形態において、Het2は、それの出現のいずれかにおいて、他の出現から独立して、単環式環、別の実施形態において4員から7員の単環式環、別の実施形態において4員から6員の単環式環、別の実施形態において5員または6員の単環式環、別の実施形態において二環式環、別の実施形態において6員から10員の二環式環、別の実施形態において7員から10員の二環式環、別の実施形態において7員から9員の二環式環である。二環式基Het2における2つの環は、縮合され得るか、または架橋二環性もしくはスピロ環を形成することができる。一実施形態において、Het2基は、飽和されているかまたは環内に1個の二重結合を含有し、別の実施形態において、それは飽和されている。一実施形態において、Het2基に場合により存在するさらなる環ヘテロ原子は、窒素および酸素からなる系列から選択され、別の実施形態において、それは窒素原子であり、別の実施形態において、それは酸素原子である。Het2は、遊離結合位置を有する任意の環炭素原子および任意の環窒素原子を介して結合することができる。本発明の一実施形態において、Het2は、それの出現のいずれかにおいて、それの他の出現から独立して、環炭素原子を介して、別の実施形態において環窒素原子を介して結合している。複素環式基の例であって、本発明の一実施形態において、これらの任意の1つまたはそれ以上からHet2が選択される前記複素環式基の例は、オキセタニル、アゼチジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフェニル、ピロリジニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、ピペリジニル、アゼパニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペラジニルおよび3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキシルであり、これは、一実施形態において、環炭素原子を介して結合しており、例えば、残基オキセタン−3−イル、アゼチジン−2−イル、アゼチジン−3−イル、テトラヒドロフラン−2−イル、テトラヒドロフラン−3−イル、テトラヒドロチオフェン−2−イル、テトラヒドロチオフェン−3−イル、ピロリジン−2−イル、ピロリジン−3−イル、テトラヒドロピラン−2−イル、テトラヒドロピラン−3−イル、テトラヒドロピラン−4−イル、テトラヒドロチオピラン−2−イル、テトラヒドロチオピラン−3−イル、テトラヒドロチオピラン−4−イル、ピペリジン−2−イル、ピペリジン−3−イル、ピペリジン−4−イルおよび3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ−6−イルである。
【0091】
数pおよび数qの一方または両方が0(ゼロ)ならば、式Iに図示されているシクロアルカン環の括弧内の角の一方または両方は存在せず、R2基およびR3基を担持する環炭素原子は、単結合を介して、シクロアルカン環をクロマン環に連結させる酸素原子を担持する原子に隣接する環炭素の一方または両方に結合している。本発明の一実施形態において、数pおよび数qの一方、例えばpは、0および1からなる系列から選択され、数pおよび数qの他方、例えばqは0である。別の実施形態において、数pおよび数qの両方は0であり、それぞれの化合物は式Ieの化合物である。本発明の別の実施形態において、数pおよび数qの一方は0であり、他方は1であり、それぞれの化合物は式Ifの化合物である。本発明の別の実施形態において、数pおよび数qの両方は1であり、それぞれの化合物は式Igの化合物である。式Ie、IfおよびIgの化合物におけるAr基およびR1基からR4基は、式Iの化合物における通りに定義される。
【0092】
【化11】
【0093】
本発明の一実施形態において、式Iの化合物における任意の出現のフェニル基中の置換基は、任意の他の出現から独立して、別段に規定されていない限りハロゲンおよび(C
1〜C
4)−アルキルからなる系列から選択される。一実施形態において、フェニル基中の置換基の数は、別段に規定されていない限り、1個、2個または3個、別の実施形態において1個または2個、別の実施形態において1個であり、別の実施形態において、それは0個である。
【0094】
本発明の一実施形態において、式Iの化合物におけるクロマン環の2位のキラル炭素原子は存在するか、または例えば98:2、もしくは99:1、もしくはそれより大きい2種の立体異性体のモル比にて、均一な立体配置で、R立体配置またはS立体配置のいずれかで、式Ihの化合物における波形くさび状によって示されている通りに本質的に存在する。本発明の別の実施形態において、式Iの化合物におけるクロマン環の2位のキラル炭素原子は存在するか、または例えば98:2、もしくは99:1、もしくはそれより大きい2種の立体異性体のモル比にて、式Ikに図示されている立体配置で本質的に存在し、即ち、式Iのそれぞれの化合物において、Ar基は、式Ikに図示されている通りに配置されているクロマン環によって形成されると想定することができる面の上のように位置しており、この立体配置は、全てのR4基が水素である場合においてR立体配置である。本発明の別の実施形態において、式Iの化合物におけるクロマン環の2位のキラル炭素原子は存在するか、または例えば98:2、もしくは99:1、もしくはそれより大きい2種の立体異性体のモル比にて、式Imに図示されている立体配置で本質的に存在し、即ち、式Iのそれぞれの化合物において、Ar基は、式Imに図示されている通りに配置されているクロマン環によって形成されると想定することができる面より下の方に位置しており、この立体配置は、全てのR4基が水素である場合においてS立体配置である。
【0095】
【化12】
【0096】
式Ih、IkおよびImの化合物におけるAr基、R1基からR4基および数pおよび数qは、式Iの化合物における通りに定義される。
【0097】
本発明の一実施形態において、R2基および式Iに図示されているシクロアルカン環をクロマン環に連結させる酸素原子は、互いに関してシス位であり、即ち、それらは、式Inに図示されている通りに配置されているシクロアルカン環によって形成されると想定することができる面の同じ側に、例えば該面の上の方に位置しており、それぞれの化合物は式Inの化合物である。本発明の別の実施形態において、R2基および式Iに図示されているシクロアルカン環をクロマン環に連結させる酸素原子は、互いに関してトランス位であり、即ち、それらは、式Ioに図示されている通りに配置されているシクロアルカン環によって形成されると想定することができる面の反対側に位置しており、それぞれの化合物は式Ioの化合物である。
【0098】
【化13】
【0099】
本発明の対象は、式Iの全ての化合物であり、ここで、基、残基、置換基、数および立体化学的立体配置などの任意の1つまたはそれ以上の構造要素は、具体的実施形態または要素の定義のいずれかにおいて定義されているか、または要素の例として本明細書において記述されている特定の意味の1つもしくはそれ以上を有し、ここで、化合物または要素の1つもしくはそれ以上の定義および/または具体的実施形態および/または要素の特定の意味の全ての組合せは、本発明の対象である。式Iの全てのこうした化合物に関しても、全てのその立体異性体形態および任意の比の立体異性体形態の混合物、ならびにそれらの薬学的に許容される塩は、本発明の対象である。
【0100】
任意の構造要素に関して本発明の具体的実施形態またはこうした要素の定義における通りに定義される本発明の化合物の例として、
Arは、非置換であるかまたは1個もしくはそれ以上の同一もしくは異なる置換基R0によって置換されているフェニルであり:
R0は、ハロゲン、(C
1〜C
6)−アルキル、(C
3〜C
7)−シクロアルキル、(C
3〜C
7)−シクロアルキル−(C
1〜C
4)−アルキル−、HO−、(C
1〜C
6)−アルキル−O−、(C
3〜C
7)−シクロアルキル−O−および(C
3〜C
7)−シクロアルキル−(C
1〜C
4)−アルキル−Oからなる系列から選択され;
R1は、水素であるか、またはフッ素および(C
1〜C
4)−アルキルからなる系列から選択される1個もしくはそれ以上の同一もしくは異なる置換基であり;
R2は、(C
1〜C
6)−アルキル、HO−、(C
1〜C
6)−アルキル−O−、(C
1〜C
6)−アルキル−C(O)−O−、Het1−C(O)−O−、R5−N(R6)−、R7−C(O)−N(R8)−、R7−S(O)
2−N(R8)−、R9−N(R10)−C(O)−N(R8)−およびR5−N(R6)−C(O)−からなる系列から選択され、ここで、(C
1〜C
6)−アルキルは非置換であるか、または1個もしくはそれ以上の同一もしくは異なる置換基R20によって置換されており;
R3は、水素および(C
1〜C
6)−アルキルからなる系列から選択され、ここで、(C
1〜C
6)−アルキルは非置換であるか、または(C
3〜C
7)−シクロアルキルおよびフェニルからなる系列から選択される1個もしくは2個の同一もしくは異なる置換基によって置換されており;
またはR2基およびR3基は、一緒にオキソであり;
R4は、水素であるか、またはハロゲン、(C
1〜C
4)−アルキルおよび(C
1〜C
4)−アルキル−O−からなる系列から選択される1個もしくはそれ以上の同一もしくは異なる置換基であり;
R5およびR6は、互いに独立して、水素、(C
1〜C
6)−アルキル、(C
2〜C
6)−アルケニル、(C
3〜C
7)−シクロアルキル、Het1およびHet2からなる系列から選択され、ここで、(C
1〜C
6)−アルキルは非置換であるか、または1個もしくはそれ以上の同一もしくは異なる置換基R20によって置換されており、(C
3〜C
7)−シクロアルキルおよびHet2は全て非置換であるか、または1個もしくはそれ以上の同一もしくは異なる置換基R21によって置換されており、Het1は非置換であるか、または1個もしくはそれ以上の同一もしくは異なる置換基R22によって置換されており、
またはR5基およびR6基は、それらを担持する窒素原子と一緒に、4員から7員の単環式の飽和または部分的不飽和の複素環を形成し、これは、R5およびR6を担持する窒素原子に加えて、窒素、酸素および硫黄からなる系列から選択される0個または1個のさらなる環ヘテロ原子を含み、非置換であるか、または1個もしくはそれ以上の同一もしくは異なる置換基R21によって置換されており;
【0101】
R7は、(C
1〜C
6)−アルキル、(C
3〜C
7)−シクロアルキル、フェニル、Het1およびHet2からなる系列から選択され、ここで、(C
1〜C
6)−アルキルは非置換であるか、または1個もしくはそれ以上の同一もしくは異なる置換基R20によって置換されており、(C
3〜C
7)−シクロアルキルおよびHet2は全て非置換であるか、または1個もしくはそれ以上の同一もしくは異なる置換基R21によって置換されており、フェニルおよびHet1は全て非置換であるか、または1個もしくはそれ以上の同一もしくは異なる置換基R22によって置換されており;
R8は、水素および(C
1〜C
4)−アルキルからなる系列から選択され;
R9は、(C
1〜C
6)−アルキルおよび(C
3〜C
7)−シクロアルキルからなる系列から選択され;
R10は、水素、(C
1〜C
6)−アルキルおよび(C
3〜C
7)−シクロアルキルからなる系列から選択され;
R20は、R24、フッ素、HO−、オキソ、(C
1〜C
6)−アルキル−O−、(C
3〜C
7)−シクロアルキル−O−、R30−C(O)−O−、R30−NH−C(O)−O−、HO−S(O)
2−O−、(HO)
2P(O)−O−、(HO)
2P(O)−O−CH
2−O−C(O)−O−、(C
1〜C
6)−アルキル−S(O)
n−、(C
3〜C
7)−シクロアルキル−S(O)
n−、R31−N(R32)−、R33−C(O)−N(R32)−、(C
1〜C
6)−アルキル−S(O)
2−N(R32)−、R31−N(R32)−C(O)−、R34−O−C(O)−およびR31−N(R32)−S(O)
2−からなる系列から選択され;
R21は、(C
1〜C
4)−アルキル、HO−(C
1〜C
4)−アルキル−、R31−N(R32)−(C
1〜C
4)−アルキル−、R34−O−C(O)−(C
1〜C
4)−アルキル−、R24、フッ素、HO−、オキソ、(C
1〜C
6)−アルキル−O−、(C
3〜C
7)−シクロアルキル−O−、R30−C(O)−O−、R30−NH−C(O)−O−、HO−S(O)
2−O−、(HO)
2P(O)−O−、(C
1〜C
6)−アルキル−S(O)
n−、R31−N(R32)−、R33−C(O)−N(R32)−、(C
1〜C
6)−アルキル−S(O)
2−N(R32)−およびR31−N(R32)−C(O)−からなる系列から選択され;
R22は、ハロゲン、(C
1〜C
4)−アルキル、HO−(C
1〜C
4)−アルキル−、(C
3〜C
7)−シクロアルキル、HO−、オキソ、(C
1〜C
6)−アルキル−O−、(C
3〜C
7)−シクロアルキル−O−、HO−S(O)
2−O−、(HO)
2P(O)−O−、(C
1〜C
6)−アルキル−S(O)
n−、R31−N(R32)−、R33−C(O)−N(R32)−、R33−O−C(O)−N(R32)−、(C
1〜C
6)−アルキル−S(O)
2−N(R32)−、NC−、R33−C(O)−およびR31−N(R32)−C(O)−からなる系列から選択され;
【0102】
R24は、3員から7員の単環式環であり、これは、飽和、部分的不飽和または芳香族であり、窒素、酸素および硫黄からなる系列から選択される0個、1個、2個または3個の同一または異なる環ヘテロ原子を含み、非置換であるか、または1個もしくはそれ以上の同一もしくは異なる置換基R22によって置換されており;
R30およびR33は、互いに独立して、(C
1〜C
6)−アルキル、(C
3〜C
7)−シクロアルキル、(C
3〜C
7)−シクロアルキル−(C
1〜C
4)−アルキル−、フェニル−(C
1〜C
4)−アルキル−およびHet1−(C
1〜C
4)−アルキル−からなる系列から選択され;
R31およびR32は、互いに独立して、水素、(C
1〜C
6)−アルキル、(C
3〜C
7)−シクロアルキル、(C
3〜C
7)−シクロアルキル−(C
1〜C
4)−アルキル−、フェニル−(C
1〜C
4)−アルキル−およびHet1−(C
1〜C
4)−アルキル−からなる系列から選択され;
R34は、水素、(C
1〜C
6)−アルキル、(C
3〜C
7)−シクロアルキルおよび(C
3〜C
7)−シクロアルキル−(C
1〜C
4)−アルキル−からなる系列から選択され;
Het1は、5員または6員の単環式芳香族複素環であり、これは、窒素、酸素および硫黄からなる系列から選択される1個、2個または3個の同一または異なる環ヘテロ原子を含み、別段に規定されていない限り、非置換であるか、またはハロゲン、(C
1〜C
4)−アルキルおよび(C
1〜C
4)−アルキル−O−からなる系列から選択される1個もしくはそれ以上の同一もしくは異なる置換基によって置換されており;
Het2は、4員から7員の単環式の飽和または部分的不飽和の複素環であり、これは、窒素、酸素および硫黄からなる系列から選択される1個または2個の同一または異なる環ヘテロ原子を含み;
nは、0、1および2からなる系列から選択され、ここで、全ての数nは互いに独立しており;
pおよびqは、互いに独立して、0および1からなる系列から選択され;
ここで、全てのフェニル基は、別段に規定されていない限り、非置換であるか、またはハロゲン、(C
1〜C
4)−アルキルおよび(C
1〜C
4)−アルキル−O−からなる系列から選択される1個もしくはそれ以上の同一もしくは異なる置換基によって置換されており;
ここで、全てのシクロアルキル基は、シクロアルキル基上に存在することができる任意の他の置換基から独立して、フッ素および(C
1〜C
4)−アルキルからなる系列から選択される1個またはそれ以上の同一または異なる置換基によって置換されていてよく;
ここで、全てのアルキル基は、アルキル基上に存在することができる任意の他の置換基から独立して、1個またはそれ以上のフッ素置換基によって置換されていてよい、
その立体異性体形態または任意の比の立体異性体形態の混合物のいずれかである式Iの化合物、およびその薬学的に許容される塩が記述され得る。
【0103】
別のこうした例として、
Arは、非置換であるかまたは1個もしくはそれ以上の同一もしくは異なる置換基R0によって置換されているフェニルであり;
R0は、ハロゲン、(C
1〜C
6)−アルキル、(C
3〜C
7)−シクロアルキル、(C
3〜C
7)−シクロアルキル−(C
1〜C
4)−アルキル−、HO−、(C
1〜C
6)−アルキル−O−、(C
3〜C
7)−シクロアルキル−O−および(C
3〜C
7)−シクロアルキル−(C
1〜C
4)−アルキル−O−からなる系列から選択され;
R1は、水素であるか、またはフッ素および(C
1〜C
4)−アルキルからなる系列から選択される1個もしくはそれ以上の同一もしくは異なる置換基であり;
R2は、(C
1〜C
6)−アルキル、HO−、(C
1〜C
6)−アルキル−O−、R5−N(R6)−、R7−C(O)−N(R8)−、R9−N(R10)−C(O)−N(R8)−およびR5−N(R6)−C(O)−からなる系列から選択され、ここで、(C
1〜C
6)−アルキルは非置換であるか、または1個もしくはそれ以上の同一もしくは異なる置換基R20によって置換されており;
R3は、水素および(C
1〜C
6)−アルキルからなる系列から選択され、ここで、(C
1〜C
6)−アルキルは非置換であるか、または(C
3〜C
7)−シクロアルキルおよびフェニルからなる系列から選択される1個もしくは2個の同一もしくは異なる置換基によって置換されており;
またはR2基およびR3基は、一緒にオキソであり;
R4は、水素であるか、またはハロゲン、(C
1〜C
4)−アルキルおよび(C
1〜C
4)−アルキル−O−からなる系列から選択される1個もしくはそれ以上の同一もしくは異なる置換基であり;
R5およびR6は、互いに独立して、水素、(C
1〜C
6)−アルキル、(C
3〜C
7)−シクロアルキルおよびHet2からなる系列から選択され、ここで、(C
1〜C
6)−アルキルは非置換であるか、または1個もしくはそれ以上の同一もしくは異なる置換基R20によって置換されており、(C
3〜C
7)−シクロアルキルおよびHet2は全て非置換であるか、または1個もしくはそれ以上の同一もしくは異なる置換基R21によって置換されており、
またはR5基およびR6基は、それらを担持する窒素原子と一緒に、4員から7員の単環式の飽和または部分的不飽和の複素環を形成し、これは、R5およびR6を担持する窒素原子に加えて、窒素、酸素および硫黄からなる系列から選択される0個または1個のさらなる環ヘテロ原子を含み、非置換であるか、または1個もしくはそれ以上の同一もしくは異なる置換基R21によって置換されており;
【0104】
R7は、(C
1〜C
6)−アルキル、(C
3〜C
7)−シクロアルキルおよびHet2からなる系列から選択され、ここで、(C
1〜C
6)−アルキルは非置換であるか、または1個もしくはそれ以上の同一もしくは異なる置換基R20によって置換されており、(C
3〜C
7)−シクロアルキルおよびHet2は全て非置換であるか、または1個もしくはそれ以上の同一もしくは異なる置換基R21によって置換されており;
R8は、水素および(C
1〜C
4)−アルキルからなる系列から選択され;
R9は、(C
1〜C
6)−アルキルおよび(C
3〜C
7)−シクロアルキルからなる系列から選択され;
R10は、水素、(C
1〜C
6)−アルキルおよび(C
3〜C
7)−シクロアルキルからなる系列から選択され;
R20は、R24、フッ素、HO−、オキソ、(C
1〜C
6)−アルキル−O−、(C
3〜C
7)−シクロアルキル−O−、R30−C(O)−O−、R30−NH−C(O)−O−、HO−S(O)
2−O−、(HO)
2P(O)−O−、(C
1〜C
6)−アルキル−S(O)
n−、R31−N(R32)−、R33−C(O)−N(R32)−、(C
1〜C
6)−アルキル−S(O)
2−N(R32)−、R31−N(R32)−C(O)−、R34−O−C(O)−およびR31−N(R32)−S(O)
2−からなる系列から選択され;
R21は、(C
1〜C
4)−アルキル、HO−(C
1〜C
4)−アルキル−、R31−N(R32)−(C
1〜C
4)−アルキル−、R34−O−C(O)−(C
1〜C
4)−アルキル−、R24、フッ素、HO−、(C
1〜C
6)−アルキル−O−、(C
3〜C
7)−シクロアルキル−O−、HO−S(O)
2−O−、(HO)
2P(O)−O−、(C
1〜C
6)−アルキル−S(O)
n−、R31−N(R32)−、R33−C(O)−N(R32)−およびR31−N(R32)−C(O)−からなる系列から選択され;
R22は、ハロゲン、(C
1〜C
4)−アルキル、HO−(C
1〜C
4)−アルキル−、(C
3〜C
7)−シクロアルキル、HO−、(C
1〜C
6)−アルキル−O−、(C
3〜C
7)−シクロアルキル−O−、HO−S(O)
2−O−、(HO)
2P(O)−O−、(C
1〜C
6)−アルキル−S(O)
n−、R31−N(R32)−、R33−C(O)−N(R32)−、NC−、R33−C(O)−およびR31−N(R32)−C(O)−からなる系列から選択され;
R24は、3員から7員の単環式環であり、これは、飽和、部分的不飽和または芳香族であり、窒素、酸素および硫黄からなる系列から選択される0個、1個、2個または3個の同一または異なる環ヘテロ原子を含み、非置換であるか、または1個もしくはそれ以上の同一もしくは異なる置換基R22によって置換されており;
【0105】
R30およびR33は、互いに独立して、(C
1〜C
6)−アルキル、(C
3〜C
7)−シクロアルキルおよび(C
3〜C
7)−シクロアルキル−(C
1〜C
4)−アルキル−からなる系列から選択され;
R31およびR32は、互いに独立して、水素、(C
1〜C
6)−アルキル、(C
3〜C
7)−シクロアルキルおよび(C
3〜C
7)−シクロアルキル−(C
1〜C
4)−アルキル−からなる系列から選択され;
R34は、水素、(C
1〜C
6)−アルキル、(C
3〜C
7)−シクロアルキルおよび(C
3〜C
7)−シクロアルキル−(C
1〜C
4)−アルキル−からなる系列から選択され;
Het2は、4員から7員の単環式の飽和または部分的不飽和の複素環であり、これは、窒素、酸素および硫黄からなる系列から選択される1個または2個の同一または異なる環ヘテロ原子を含み;
nは、0、1および2からなる系列から選択され、ここで、全ての数nは互いに独立しており;
pおよびqは、互いに独立して、0および1からなる系列から選択され;
ここで、全てのフェニル基は、別段に規定されていない限り、非置換であるか、またはハロゲン、(C
1〜C
4)−アルキルおよび(C
1〜C
4)−アルキル−O−からなる系列から選択される1個もしくはそれ以上の同一もしくは異なる置換基によって置換されており;
ここで、全てのシクロアルキル基は、シクロアルキル基上に存在することができる任意の他の置換基から独立して、フッ素および(C
1〜C
4)−アルキルからなる系列から選択される1個またはそれ以上の同一または異なる置換基によって置換されていてよく;
ここで、全てのアルキル基は、アルキル基上に存在することができる任意の他の置換基から独立して、1つまたはそれ以上のフッ素置換基によって置換されていてよい、
その立体異性体形態または任意の比の立体異性体形態の混合物のいずれかである式Iの化合物、およびその薬学的に許容される塩が記述され得る。
【0106】
別のこうした例として、
Arは、非置換であるかまたは1個もしくはそれ以上の同一もしくは異なる置換基R0によって置換されているフェニルであり;
R0は、ハロゲン、(C
1〜C
6)−アルキル、(C
3〜C
7)−シクロアルキル、(C
1〜C
6)−アルキル−O−および(C
3〜C
7)−シクロアルキル−O−からなる系列から選択され;
R1は、水素であるか、またはフッ素および(C
1〜C
4)−アルキルからなる系列から選択される1個もしくはそれ以上の同一もしくは異なる置換基であり;
R2は、(C
1〜C
6)−アルキル、HO−、R5−N(R6)−、R7−C(O)−N(R8)−およびR5−N(R6)−C(O)−からなる系列から選択され、ここで、(C
1〜C
6)−アルキルは非置換であるか、または1個もしくはそれ以上の同一もしくは異なる置換基R20によって置換されており;
R3は、水素であり;
R4は、水素であるか、またはハロゲンおよび(C
1〜C
4)−アルキルからなる系列から選択される1個もしくはそれ以上の同一もしくは異なる置換基であり;
R5基およびR6基の一方は、水素および(C
1〜C
6)−アルキルからなる系列から選択され、R5基およびR6基の他方は、(C
1〜C
6)−アルキル、(C
3〜C
7)−シクロアルキルおよびHet2からなる系列から選択され、ここで、(C
1〜C
6)−アルキルは全て非置換であるか、または1個もしくはそれ以上の同一もしくは異なる置換基R20によって置換されており、(C
3〜C
7)−シクロアルキルおよびHet2は全て非置換であるか、または1個もしくはそれ以上の同一もしくは異なる置換基R21によって置換されており;
R7は、(C
1〜C
6)−アルキル、(C
3〜C
7)−シクロアルキルおよびHet2からなる系列から選択され、ここで、(C
1〜C
6)−アルキルは非置換であるか、または1個もしくはそれ以上の同一もしくは異なる置換基R20によって置換されており、(C
3〜C
7)−シクロアルキルおよびHet2は全て非置換であるか、または1個もしくはそれ以上の同一もしくは異なる置換基R21によって置換されており;
R8は、水素および(C
1〜C
4)−アルキルからなる系列から選択され;
R20は、R24、フッ素、HO−、(C
1〜C
6)−アルキル−O−、(C
3〜C
7)−シクロアルキル−O−、HO−S(O)
2−O−、(HO)
2P(O)−O−、(C
1〜C
6)−アルキル−S(O)
n−、R31−N(R32)−、R33−C(O)−N(R32)−、(C
1〜C
6)−アルキル−S(O)
2−N(R32)−、R31−N(R32)−C(O)−およびR31−N(R32)−S(O)
2−からなる系列から選択され;
【0107】
R21は、(C
1〜C
4)−アルキル、HO−(C
1〜C
4)−アルキル−、R31−
N(R32)−(C
1〜C
4)−アルキル−、フッ素、HO−、(C
1〜C
6)−アルキル−O−、(C
3〜C
7)−シクロアルキル−O−、HO−S(O)
2−O−、(HO)
2P(O)−O−、R31−N(R32)−、R33−C(O)−N(R32)−およびR31−N(R32)−C(O)−からなる系列から選択され;
R22は、ハロゲン、(C
1〜C
4)−アルキル、HO−(C
1〜C
4)−アルキル−、(C
3〜C
7)−シクロアルキル、HO−、(C
1〜C
6)−アルキル−O−、(C
3〜C
7)−シクロアルキル−O−、HO−S(O)
2−O−、(HO)
2P(O)−O−、(C
1〜C
6)−アルキル−S(O)
n−、R31−N(R32)−、R33−C(O)−N(R32)−およびR31−N(R32)−C(O)−からなる系列から選択され;
R24は、3員から7員の単環式環であり、これは、飽和、部分的不飽和または芳香族であり、窒素、酸素および硫黄からなる系列から選択される0個、1個、2個または3個の同一または異なる環ヘテロ原子を含み、非置換であるか、または1個もしくはそれ以上の同一もしくは異なる置換基R22によって置換されており;
R33は、(C
1〜C
6)−アルキルからなる系列から選択され;
R31およびR32は、互いに独立して、水素、(C
1〜C
6)−アルキル、(C
3〜C
7)−シクロアルキルおよび(C
3〜C
7)−シクロアルキル−(C
1〜C
4)−アルキル−からなる系列から選択され;
Het2は、4員から7員の単環式の飽和または部分的不飽和の複素環であり、これは、窒素、酸素および硫黄からなる系列から選択される1個または2個の同一または異なる環ヘテロ原子を含み;
nは、0、1および2からなる系列から選択され、ここで、全ての数nは互いに独立しており;
pおよびqは1であり;
ここで、全てのシクロアルキル基は、シクロアルキル基上に存在することができる任意の他の置換基から独立して、フッ素および(C
1〜C
4)−アルキルからなる系列から選択される1個またはそれ以上の同一または異なる置換基によって置換されていてよく;
ここで、全てのアルキル基は、アルキル基上に存在することができる任意の他の置換基から独立して、1個またはそれ以上のフッ素置換基によって置換されていてよい、
その立体異性体形態または任意の比の立体異性体形態の混合物のいずれかである式Iの化合物、およびその薬学的に許容される塩が記述され得る。
【0108】
別のこうした例として、
Arは、非置換であるかまたは1個もしくは2個の同一もしくは異なる置換基R0によって置換されているフェニルであり;
R0は、ハロゲン、(C
1〜C
6)−アルキルおよび(C
1〜C
6)−アルキル−O−からなる系列から選択され;
R1は、水素であり;
R2は、R5−N(R6)−C(O)−であり;
R3は、水素であり;
R4は、水素であり;
R5基およびR6基の一方は、水素および(C
1〜C
6)−アルキルからなる系列から選択され、R5基およびR6基の他方は、(C
1〜C
6)−アルキル、(C
3〜C
7)−シクロアルキルおよびHet2からなる系列から選択され、ここで、(C
1〜C
6)−アルキルは全て非置換であるか、または1個もしくはそれ以上の同一もしくは異なる置換基R20によって置換されており、(C
3〜C
7)−シクロアルキルおよびHet2は全て非置換であるか、または1個もしくはそれ以上の同一もしくは異なる置換基R21によって置換されており;
R20は、R24、フッ素、HO−、(C
1〜C
6)−アルキル−O−、(C
3〜C
7)−シクロアルキル−O−、HO−S(O)
2−O−、(HO)
2P(O)−O−、(C
1〜C
6)−アルキル−S(O)
n−、R31−N(R32)−、R33−C(O)−N(R32)−、(C
1〜C
6)−アルキル−S(O)
2−N(R32)−およびR31−N(R32)−C(O)−からなる系列から選択され;
R21は、(C
1〜C
4)−アルキル、HO−(C
1〜C
4)−アルキル−、R31−N(R32)−(C
1〜C
4)−アルキル−、フッ素、HO−、(C
1〜C
6)−アルキル−O−、(C
3〜C
7)−シクロアルキル−O−、HO−S(O)
2−O−、(HO)
2P(O)−O−、R31−N(R32)−、R33−C(O)−N(R32)−およびR31−N(R32)−C(O)−からなる系列から選択され;
R22は、ハロゲン、(C
1〜C
4)−アルキル、HO−(C
1〜C
4)−アルキル−、(C
3〜C
7)−シクロアルキル、HO−、(C
1〜C
6)−アルキル−O−、(C
3〜C
7)−シクロアルキル−O−、HO−S(O)
2−O−、(HO)
2P(O)−O−、(C
1〜C
6)−アルキル−S(O)
n−、R31−N(R32)−、R33−C(O)−N(R32)−およびR31−N(R32)−C(O)−からなる系列から選択され;
R24は、3員から7員の単環式環であり、これは、飽和、部分的不飽和または芳香族であり、窒素、酸素および硫黄からなる系列から選択される0個、1個または2個の同一または異なる環ヘテロ原子を含み、非置換であるか、または1個もしくはそれ以上の同一もしくは異なる置換基R22によって置換されており;
R33は、(C
1〜C
6)−アルキルからなる系列から選択され;
R31およびR32は、互いに独立して、水素および(C
1〜C
6)−アルキルからなる系列から選択され;
Het2は、4員から7員の単環式の飽和または部分的不飽和の複素環であり、これは、窒素、酸素および硫黄からなる系列から選択される1個または2個の同一または異なる環ヘテロ原子を含み;
nは、0、1および2からなる系列から選択され、ここで、全ての数nは互いに独立しており;
pおよびqは1であり;
ここで、全てのシクロアルキル基は、シクロアルキル上に存在することができる任意の他の置換基から独立して、フッ素および(C
1〜C
4)−アルキルからなる系列から選択される1個またはそれ以上の同一または異なる置換基によって置換されていてよく;
ここで、全てのアルキル基は、アルキル基上に存在することができる任意の他の置換基から独立して、1個またはそれ以上のフッ素置換基によって置換されていてよい、
その立体異性体形態または任意の比の立体異性体形態の混合物のいずれかである式Iの化合物、およびその薬学的に許容される塩が記述され得る。
【0109】
本発明の対象は、さらに、本明細書に開示されている式Iの特定の化合物のいずれかから選択される式Iの化合物、もしくは本明細書に開示されている式Iの特定の化合物であって、それらが遊離化合物としておよび/もしくは特定の塩として開示されているかどうかに関係ない前記化合物いずれか1つ、またはその薬学的に許容される塩であり、ここで、式Iの化合物は、その立体異性体形態または任意の比の立体異性体形態の混合物のいずれか、ならびに本明細書において開示されている任意の特定の塩および立体異性体形態である本発明の対象である。例えば、本発明の対象は:
trans−4−(2−o−トリル−クロマン−6−イルオキシ)−シクロヘキシルアミン、
N−(イソオキサゾール−5−イルメチル)−4−(2−o−トリル−クロマン−6−イルオキシ)−シクロヘキサンカルボキサミド、
2−アミノ−N−[trans−4−((S)−2−フェニル−クロマン−6−イルオキシ)−シクロヘキシル]−アセトアミド、
4−(2−o−トリル−クロマン−6−イルオキシ)−N−(1,3,5−トリメチルピラゾール−4−イルメチル)−シクロヘキシルアミン、
(S)−N−[trans−4−(2−フェニル−クロマン−6−イルオキシ)−シクロヘキシル]−ピロリジン−2−カルボキサミド、
trans−4−((R)−2−o−トリル−クロマン−6−イルオキシ)−シクロヘキサンカルボン酸(2−ヒドロキシ−エチル)−アミド、
trans−4−((S)−2−o−トリル−クロマン−6−イルオキシ)−シクロヘキサンカルボン酸(2−ヒドロキシ−エチル)−アミド、
cis−4−((R)−2−o−トリル−クロマン−6−イルオキシ)−シクロヘキサンカルボン酸(2−ヒドロキシ−エチル)−アミド、
cis−4−((S)−2−o−トリル−クロマン−6−イルオキシ)−シクロヘキサンカルボン酸(2−ヒドロキシ−エチル)−アミド、および
リン酸モノ−(2−{[trans−4−((S)−2−o−トリル−クロマン−6−イルオキシ)−シクロヘキサンカルボニル]−アミノ}−エチル)エステル二ナトリウム塩
からなる系列から選択されるか、またはこれらの化合物のいずれか1つである式Iの化合物、ならびにそれの薬学的に許容される塩であり、ここで、式Iの化合物は、特定の立体異性体形態がそれぞれの化合物における任意の炭素原子に関して特定されていない限り、その立体異性体形態または任意の比の立体異性体形態の混合物のいずれかである本発明の対象である。
【0110】
本発明の別の対象は、式Iの化合物の製造のためのプロセスであり、これらは下記に概説されており、これらによって、式Iの化合物およびそれらの合成の過程において出現する中間体が得られる。例えば、1つのこうしたプロセスは、式IIのクロマン−6−オールおよび式IIIのシクロアルカノールからの式Iの化合物の合成に関し、式IVの化合物を与えるためシクロアルカン環およびクロマン環との間のエーテル連結の形成、ならびに式IIIの化合物におけるX基およびY基ならびに式Iの最終化合物におけるR2基およびR3基の意味に依存して、X基およびY基からR2基およびR3基への後続の変換ならびに/または基の他の変換が含まれる。
【0111】
【化14】
【0112】
式II、IIIおよびIVの化合物におけるAr基、R1基およびR4基ならびに数pおよび数qは、式Iの化合物における通りに定義され、追加として官能基は、保護形態または最終基に引き続いて変換される前駆体基の形態で存在することができる。式IIIおよびIVの化合物におけるX基およびY基の一方または両方は、式Iの最終化合物に存在するR2基およびR3基であり得、したがって、ある特定の場合において、式IVの化合物はすでに式Iの化合物であり得、またはX基およびY基の一方もしくは両方は、R2基およびR3基の保護形態もしくは前駆体基またはR2基およびR3基の形成のための出発基であり得る。例えば、式Iの化合物におけるR2基およびR3基がエーテル連結の形成に干渉しない場合において、例えばR2が水素、もしくは非置換であるかもしくは不活性置換基によって置換されていてよいアルキル、もしくはアルキル−O−である場合、および/またはR3が水素、もしくは非置換であるかもしくは不活性置換基によって置換されていてよいアルキルである場合などにおいて、式IIIの化合物におけるX基およびY基は、すでに、それぞれのR2基およびR3基の意味を有し得る。R2がHO−、アルキル−O−、アルキル−C(O)−O−、フェニル−C(O)−O−もしくはHet1−C(O)−O−であり、R3が水素もしくはアルキルであるか、またはR2およびR3が一緒にオキソである式Iの化合物の合成のため、Xが保護ヒドロキシ基であり、Yが水素もしくはアルキルであるか、またはXおよびYが一緒に保護オキソ基である式IIIの化合物が用いられてよく、得られた式IVの化合物は脱保護され、様々なさらなる反応にかけられる。同様に、R2がR5−N(R6)−、R7−C(O)−N(R8)−、R7−S(O)
2−N(R8)−またはR9−N(R10)−C(O)−N(R8)−である式Iの化合物の合成のため、Xが保護アミノ基であり、Yが水素またはアルキルである式IIIの化合物が用いられてよく、得られた式IVの化合物は脱保護され、様々なさらなる反応にかけられる。R2がアミド基R5−N(R6)−C(O)−である式Iの化合物の合成のため、Xがアルキル−O−C(O)−などのエステル基であり、Yが水素またはアルキルである式IIIの化合物が用いられてよく、得られた式IVの化合物は、直接的にまたはそれぞれのカルボン酸を介してのいずれかで、式Iのアミド化合物に変換される。こうした合成戦略について、さらなる詳細が下記および実施例に与えられている。式IIIの広範囲の適当な出発シクロアルカノールは市販されているか、または式Iの化合物の合成において用いられる他の出発化合物に同様に当てはまる通り、文献に記載されている手順に従ってもしくは類似して製造することができる。
【0113】
式IIおよびIIIの化合物の反応、即ちエーテル連結の形成は、好都合には、周知の光延反応の手段によって、トリフェニルホスフィンのようなトリアリールホスフィンまたはトリブチルホスフィンのようなトリアルキルホスフィンなどの第三級ホスフィン、およびアゾジカルボン酸ジエチル(DEAD)およびアゾジカルボン酸ジイソプロピル(二連子)のようなアゾジカルボン酸ジエステルまたはアゾジカルボン酸ジピペリジド(ADDP)のようなアゾジカルボン酸ジアミドなどのアゾジカルボン酸誘導体の存在下で実施される。式IIIに図示されているヒドロキシ基を担持する式IIIの化合物における炭素原子における立体配置の反転を進める光延反応は、無水条件下で、ベンゼンおよびトルエンのような炭化水素、ジクロロメタンもしくはクロロホルムのような塩素化炭化水素、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)もしくはジオキサンのようなエーテル、アセトニトリルのようなニトリル、またはジメチルホルムアミド(DMF)のようなアミドなどの不活性溶媒中にて、一般に約−50℃から約100℃、特に約0℃から約30℃の温度で実施される。O.Mitsunobu、Synthesis(1981):1〜28頁;D.L.Hughes、Organic Reactions 42(1992):335〜656頁;K.C.Kumara Swamyら、Chemical Reviews 109(2009):2551〜2651頁による概説論文など、光延反応についての様々な文献論文に、さらなる詳細が見出される。
【0114】
上に記述されている式IVの化合物を介する式IIおよびIIIの化合物から式Iの化合物の型の合成の例として、以下のスキームに、式Idの化合物の合成、即ち、R2がR5−N(R6)−C(O)−である式Iの化合物が例示されている。
【0115】
【化15】
【0116】
上に記述されている通り、Xがエステル基である式IIIの化合物は、式IIの化合物と反応させることで、R50が(C
1〜C
4)−アルキルである式IVaの化合物などの式IVの化合物を与えることができ、例えば、式IVaの化合物、特にR50が(C
1〜C
2)−アルキルである式IVaの化合物は、エステルのアミノリシスのための標準条件下で、例えば、トルエンのような炭化水素、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタンもしくはクロロベンゼンのような塩素化炭化水素、またはTHF、ジオキサンもしくは1,2−ジメトキシエタン(DME)のようなエーテルなどの溶媒中、約20℃から約120℃の温度にて、式Vのアミンと反応させることで、式Idの化合物を与えることができる。式IVaの化合物は、好都合な方式において、式IVaの化合物を式IVbのそれぞれのカルボン酸またはその塩に最初に変換すること、および式IVbの化合物またはそれの塩を、カルボン酸からのアミドの形成のための標準条件下で式Vのアミンと反応させることによって、式Idの化合物に転換することもできる。式IVa、IVbおよびVの化合物におけるAr基、R1基、R3基、R4基、R5基およびR6基ならびに数pおよび数qは、式Iの化合物における通りに定義され、追加として、官能基が保護形態または前駆体基の形態で存在することができ、これは引き続いて最終基に変換される。
【0117】
式IVaの化合物は、THF、ジオキサンもしくはDMEのようなエーテル、もしくはメタノールもしくはエタノールなどのアルコールなどの溶媒、もしくは溶媒の混合物、特に溶媒の水性溶媒もしくは混合物中、酸もしくは塩基を用いる処理によって、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウムもしくは水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物を用いる処理によって、またはジクロロメタンのような塩素化炭化水素、エーテルもしくはアルコールなどの溶媒中、特にtert−ブチルエステルの場合において、約20℃から約100℃の温度における塩酸もしくはトリフルオロ酢酸を用いる処理によって、続いて、式IVaのエステルが塩基の存在下で加水分解され、式IVbの遊離カルボン酸が製造される予定の場合には酸性化などの標準的な後処理手順によって、式IVbの化合物に変換することができ、ここで、詳述された条件は、通常通りに特定の場合の事項に依存し、当業者によって容易に選択される。式Vの化合物との反応のため、式IVbの化合物におけるカルボン酸基HO−C(O)−は、一般に、通例のアミドカップリング試薬の手段によってその場で活性化されるか、またはその場で製造するかもしくは単離することができる反応性カルボン酸誘導体に変換される。例えば、式IVbの化合物は、例えば塩化チオニル、五塩化リンもしくは塩化オキサリルを用いる処理によって酸ハロゲン化物に変換することができるか、またはクロロギ酸エチルもしくはクロロギ酸イソブチルのようなクロロギ酸アルキルを用いて処理されることで混合無水物を与えることができる。用いることができる通例のカップリング試薬は、プロパンホスホン酸無水物、N,N’−カルボニルジイミダゾール(CDI)のようなN,N’−カルボニルジアゾール、1,3−ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)、1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)または1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(EDC)のようなカルボジイミド、1−ヒドロキシ−ベンゾトリアゾール(HOBT)または1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール(HOAT)のような添加剤と一緒のカルボジイミド、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU)、O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)またはO−(シアノ(エトキシカルボニル)メチレンアミノ)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート(TOTU)のようなウロニウム系カップリング試薬、および(ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(BOP)、(ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)トリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(PyBOP)またはブロモトリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(PyBroP)のようなホスホニウム系カップリング試薬である。式IVbの活性化化合物または式IVbの化合物の反応性誘導体の反応は、不活性溶媒、例えば、トルエンのような炭化水素、ジクロロメタンのような塩素化炭化水素、THF、ジオキサンもしくはDMEのようなエーテル、酢酸エチルもしくは酢酸ブチルのようなエステル、アセトニトリルのようなニトリル、DMFもしくはN−メチルピロリジン−2−オン(NMP)のようなアミド、または水、または溶媒の混合物中にて、約−10℃から約100℃の温度で、特に約0℃から約60℃の温度で実施される。好ましくは、該反応は、トリエチルアミン、エチルジイソプロピルアミン、N−メチルモルホリンもしくはピリジンのような第三級アミン、または水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウムもしくは炭酸水素ナトリウムのようなアルカリ金属水酸化物、炭酸塩もしくは炭酸水素などの無機塩基などの塩基の存在下で実施される。
【0118】
別の例として、以下のスキームにおいて、R2およびR3が一緒にオキソである式Iの化合物、即ち式Ipの化合物の合成、ならびに式Iのさらなる化合物の合成におけるそれらの使用が例示されている。
【0119】
【化16】
【0120】
式IIの化合物は、X基およびY基が一緒に二価の1,2−エチレンジオキシ基(−O−CH
2−CH
2−O−)である式IIIの化合物、即ち、オキソ基がエチレングリコールでケタール化されているそれぞれのヒドロキシシクロアルカノンの保護形態である式IIIaの1,4−ジオキサスピロシクロアルカノールと反応させることができる。得られる式IVcの化合物は、標準条件下で、例えば、約20℃から約30℃の温度で塩酸を用いる処理によって脱保護されることで、それぞれのケトン、即ち式Ipの化合物を与えることができ、これは、すでに式Iの最終化合物である。式Ipの化合物は、標準条件下で式Iのさらなる化合物に容易に転換することができる。例えば、それらは、水素化ホウ素ナトリウムなどの錯体水素化物還元剤を用いる還元によって、R2がHO−である式Iの化合物、即ち式Iqの化合物に変換されることで、R3が水素である式Iqの化合物を与えることができるか、またはグリニャール試薬を用いる処理によって、R3が、場合により置換されているアルキル基である式Iqの化合物を与えることができる。式Ipの化合物は、例えば、シアノ水素化ホウ素ナトリウムまたはトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムなどの還元剤として錯体水素化ホウ素を用いる還元的アミノ化反応において、式Vのアミン、特にR5基およびR6基の少なくとも1つが水素と異なるアミンと反応させることで、R2がR5−N(R6)−基、即ち式Iaの化合物であり、R3が水素である式Iの化合物を与えることもできる。式VIのtert−ブチルスルフィンアミドおよび引き続いてグリニャール試薬との反応によって、式Ipの化合物は、R3が、場合により置換されているアルキル基であり、R5およびR6が水素である式Iaの化合物に変換することができ、これらの化合物は、窒素原子においてさらに修飾すること、例えば、還元的アミノ化反応においてアルキル化すること、または標準条件下でアシル化もしくはスルホニル化することができる。式IIIaおよびIVcの化合物におけるAr基、R1基およびR4基ならびに数pおよび数qは、式Iの化合物における通りに定義され、追加として、官能基が保護形態または前駆体基の形態で存在することができ、これは引き続いて最終基に変換される。
【0121】
別の例として、以下のスキームにおいて、X基が保護アミノ基であり、Y基がR3基、例えば水素である式IVの化合物から式Iの化合物への変換が例示されている。
【0122】
【化17】
【0123】
式IIの化合物およびtert−ブチルオキシ(Boc)基によって窒素原子において保護されている式IIIの容易に利用可能なアミノシクロアルカノールから得ることができる式IVdの化合物は、約20℃から約30℃の温度で、酸、例えばトリフルオロ酢酸を用いる処理によって脱保護されることで、すでに式Iの最終化合物である式Irの化合物を与えることができる。式Irの化合物は、式Iのさらなる化合物に容易に転換されること、例えば、式VIIの化合物でアシル化され、式VIIIの化合物でスルホニル化されることで、R2がそれぞれR7−C(O)−NH−基およびR7−S(O)
2−NH−
基であり、R8が水素である式Iの化合物、即ち式IsおよびItの化合物を与えることができる。式Irの化合物は、例えば還元的アミノ化反応で、アミノ基においてアルキル化されることで、窒素原子が1個または2個のアルキル基を担持する式Irの対応する化合物を与えることができ、1個のアルキル基を担持する後者化合物は、式VIIの化合物でアシル化および式VIIIの化合物でスルホニル化されることで、R8がアルキルである式IsおよびItの対応する化合物を与えることができる。式IVd、VIIおよびVIIIの化合物におけるAr基、R1基、R3基、R4基およびR7基ならびに数pおよび数qは、式Iの化合物における通りに定義され、追加として、官能基が保護形態または前駆体基の形態で存在することができ、これは引き続いて最終基に変換される。式VIIおよびVIIIの化合物におけるZ1基およびZ2基は、求核的に置換可能な脱離基、特に塩素であり、この後者の場合において、式VIIおよびVIIIの化合物はカルボン酸塩化物およびスルホン酸クロリドである。Z1基およびZ2基は、ヒドロキシ基であってもよく、この場合において、式VIIおよびVIIIの化合物はカルボン酸およびスルホン酸であり、これらは一般に、通例のアミドカップリング試薬の手段によってその場で活性化されるか、または式Irの化合物との反応のための、Z1もしくはZ2が塩素である該化合物などの反応性カルボン酸誘導体に変換される。カルボキシアミドを与えるための式IVbの化合物と式Vの化合物との反応に関して上記に与えられている活性化剤および反応条件についての説明は、カルボキシアミドおよびスルホンアミドを与えるための式VIIおよびVIIIの化合物と式Irの化合物の反応に対応して当てはまる。
【0124】
式Iのさらなる化合物を得るため、官能基の様々な転換は、標準条件下にて、上に記載されている通りに得られる式Iの化合物中で、または式Iの化合物の合成における中間体もしくは出発化合物中で実施することができる。例えば、ヒドロキシ基は、カルボン酸とアミンとの反応のために上に記載されているのと同様の方式で、カルボン酸またはその反応性誘導体と反応させることで、カルボン酸エステルを与えることができる。ヒドロキシ基のエーテル化は、それぞれのハロゲン化合物、例えば臭化物またはヨウ化物を用いて、水素化ナトリウムのようなアルカリ金属水素化物または炭酸カリウムもしくは炭酸セシウムのようなアルカリ金属炭酸塩などの塩基の存在下にて、DMFもしくはNMPのようなアミド、もしくはアセトンもしくはブタン−2−オンのようなケトンなどの不活性溶媒中でのアルキル化によって、またはそれぞれのアルコールを用いて、光延反応の条件下にて、トリフェニルホスフィンもしくはトリブチルホスフィンのようなホスフィンおよびアゾジカルボン酸ジエチルもしくはアゾジカルボン酸ジイソプロピルのようなアゾジカルボン酸誘導体の存在下でのアルキル化によって実施することができる。イソシアネートとの反応によって、ヒドロキシ基はN置換カルバミン酸エステルに変換することができる。適当なハロゲン化剤を用いる処理によって、ヒドロキシ基はハロゲン化物に変換することができる。ピリジンの存在下での三酸化硫黄を用いる処理によって、ヒドロキシ基は硫酸モノエステルに変換することができる。例えばテトラゾールの存在下で、R55がベンジル、アリルまたはtert−ブチルである式(イソプロピル)
2N−P(O−R55)
2のジベンジルN,N−ジイソプロピル−ホスホラミダイト、ジアリルN,N−ジイソプロピルホスホラミダイトまたはジ−tert−ブチルN,N−ジイソプロピル−ホスホラミダイトなどの適当なホスホラミダイトを用いる処理、および例えば3−クロロ−過安息香酸のような過酸を用いる後続の酸化によって、ヒドロキシ基は、それぞれ、それのリン酸エステルジベンジルエステル、リン酸エステルジアリルエステルおよびリン酸エステルジ−tert−ブチルエステルに変換することができ、これらは、ジベンジルエステルの場合においてはパラジウム触媒の存在下での接触水素化によって、ジアリルエステルの場合においてはパラジウム触媒求核置換によって、およびジ−tert−ブチルエステルの場合においてはトリフルオロ酢酸などの酸を用いる処理によって、ヒドロキシ基のリン酸モノエステル、即ち、ヒドロキシ基の酸素原子に付着されている(HO)
2P(O)−基を含有する化合物に開裂することができる。クロロギ酸クロロメチルおよび引き続いてジベンジルリン酸銀を用いる処理によって、ヒドロキシ基は、炭酸エステルジベンジルオキシホスホリルオキシメチルエステルに変換することができ、これは、パラジウム触媒の存在下での接触水素化によって、ヒドロキシ基の炭酸エステルホスホノオキシメチルエステル、即ち、ヒドロキシ基の酸素原子に付着されている(HO)
2P(O)−O−CH
2−O−C(O)−基を含有する化合物に開裂することができる(WO2010/039474を参照のこと)。ハロゲン原子は、遷移金属触媒反応であってもよい置換反応において様々な基と置き換えることができる。アミノ基は、アルキル化のための標準条件下で、例えばハロゲン化合物との反応によってもしくはカルボニル化合物の還元的アミノ化によって、またはアシル化もしくはスルホニル化のための標準条件下で、例えば活性化カルボン酸、もしくは酸塩化物もしくは無水物のようなカルボン酸誘導体との反応によって修飾することができる。カルボン酸エステル基は、酸性条件下または塩基性条件下で加水分解されることで、カルボン酸を与えることができる。カルボン酸基は、活性化されるかまたは上記に概説されている通りの反応性誘導体に変換され、アルコールまたはアミンまたはアンモニアと反応させることで、エステルまたはアミドを与えることができる。第一級アミドは、脱水されることで、ニトリルを与えることができる。アルキル−S−基または複素環式環における硫黄原子は、過酸化水素のような過酸化物または過酸で酸化させることで、スルホキシド部分(S(O))またはスルホン部分(S(O)
2)を与えることができる。カルボン酸基、カルボン酸エステル基およびケトン基は、例えば水素化アルミニウムリチウム、水素化ホウ素リチウムまたは水素化ホウ素ナトリウムなどの錯体水素化物でアルコールに還元することができる。ヒドロキシ基は、例えばクロロクロム酸ピリジニウムまたはDess−Martinペルヨージナン試薬の手段によって、オキソ基に酸化することができる。式Iの化合物の製造における全てのこうした反応は、それ自体知られており、標準的な文献、例えばHouben−Weyl、Methods of Organic Chemistry、Thieme;またはOrganic Reactions、John Wiley&Sons;またはR.C.Larock、Comprehensive Organic Transformations:A Guide to Functional Group Preparations、第2版(1999)、John Wiley&Sons、およびそこに引用されている参照文献に記載されている手順に従ってまたは類似して、当業者に精通している方式で実施することができる。
【0125】
上に記載されている式IVの化合物の合成において用いられる式IIのクロマン−6−オールは、様々なプロセスによって得ることができる。それらの1つにおいて、ヒドロキシ基およびG1基によってベンゼン環中で置換されており、追加として、置換基R4によってベンゼン環およびアセチル基中で置換されていてよい式IXのアセトフェノンは、塩基の存在下にて式Xのアルデヒドと縮合されることで、式XIIのクロマン−4−オンおよび/または式XIのカルコンを与え、得られた式XIのカルコンは、引き続いて、式XIIのクロマン−4−オンに環化される。
【0126】
【化18】
【0127】
式IX、X、XIおよびXIIの化合物におけるAr基およびR4基は、式Iの化合物における通りに定義され、追加として、官能基が保護形態または前駆体基の形態で存在することができ、これは引き続いて最終基に変換される。式IX、XIおよびXIIの化合物におけるG1基は、ヒドロキシ基または臭素である。式IXおよびXの化合物の反応を、塩基として水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物の存在下、メタノールまたはエタノールのようなアルコールなどの溶媒中にて、約30℃から約70℃の温度で実施する場合、得られる生成物は、式XIのカルコンである。式IXおよびXの化合物の反応を、酢酸アンモニウムなどの弱酸の塩の存在下、例えば酢酸などの溶媒中にて、約100℃から約120℃の温度で実施する場合、得られる生成物は、式XIのカルコンおよび式XIIのクロマン−4−オンの混合物である。式XIの化合物、ならびに式XIおよびXIIの化合物の混合物は、環化反応に用いられることで、式XIIの化合物を得ることができ、これは、塩酸のような酸またはエチルジイソプロピルアミンおよびフッ化カリウムのようなアミンを用いて、メタノールまたはエタノールのようなアルコールなどの溶媒中にて、約60℃から約100℃の温度で、出発材料を処理することによって実施することができる。
【0128】
式XIIの化合物の環4位におけるオキソ基は、次いで、CH
2基に還元されることで、好ましくは式XIIIの4−ヒドロキシ−クロマン誘導体を介して段階的に、式XIVの化合物を得ることができる。
【0129】
【化19】
【0130】
式XIIIおよびXIVの化合物におけるAr基およびR4基は、式Iの化合物における通りに定義され、追加として、官能基が保護形態または前駆体基の形態で存在することができ、これは引き続いて最終基に変換される。式XIIIおよびXIVの化合物におけるG1基は、ヒドロキシ基または臭素である。式XIIの化合物から式XIIIの化合物への還元は、ケトンからアルコールへの還元のための標準条件下で、例えば、還元剤として錯体水素化物、またはボラン−テトラヒドロフラン錯体などのボラン誘導体の手段によって、THFまたはジオキサンのようなエーテルなどの溶媒中にて、約30℃から約80℃の温度で実施することができる。式XIIIの化合物から式XIVの化合物への還元は、例えば、トリエチルシランのようなトリアルキルシランなどのシラン還元剤およびトリフルオロ酢酸などの酸を用いる処理によって、ジクロロメタンのような塩素化炭化水素などの溶媒中にて、約0℃から約40℃の温度で実施することができる。式XIIIの化合物およびそれの前駆体化合物におけるG1基がヒドロキシ基である場合において、得られた式XIVの化合物は、すでに式IIの化合物である。得られた式XIVの化合物におけるG1基が臭素である場合において、それは、ブチルリチウムなどの有機リチウム化合物を用いる式XIVの化合物の金属化、およびホウ酸トリイソプロピルなどのホウ酸トリアルキルを用いてヘプタンもしくはシクロヘキサンのような炭化水素またはTHFもしくはジオキサンのようなエーテルなどの溶媒中にて約−80℃から約0℃の温度での処理によって、続いて酸化的開裂、例えば水酸化ナトリウムなどの塩基の存在下での過酸化水素の手段によって、ヒドロキシ基に変換することができる。
【0131】
式IIのクロマン−6−オールの製造のためのさらなるプロセスは、ベンゼン環において2つの適当な基G2およびG3によって置換されており、追加として、置換基R4によってベンゼン環およびプロピル基中で置換されていてよい式XVの3−ヒドロキシプロピル−置換ベンゼン誘導体の環化を伴って、式XVIのクロマン誘導体を与え、ここで、G3基が次いで式IIの化合物に存在するヒドロキシ基に変換される。
【0132】
【化20】
【0133】
式XVおよびXVIの化合物におけるAr基およびR4基は、式Iの化合物における通りに定義され、追加として、官能基が保護形態または前駆体基の形態で存在することができ、これは引き続いて最終基に変換される。式XVの化合物におけるG2基は、ヒドロキシ基または求核的に置換可能な脱離基、例えばフッ素であってよい。式XVおよびXVIの化合物におけるG3基は、例えば、臭素またはメトキシなどの(C
1〜C
4)−アルキル−O−であってよい。G3が臭素である場合において、式XVIの化合物におけるG3基から式IIの化合物におけるヒドロキシ基への変換は、式XIVの化合物から式IIの化合物への変換のために上に記載されている通りに実施することができる。G3が(C
1〜C
4)−アルキル−O−である場合において、ヒドロキシ基への変換は、エーテル開裂のための標準手順に従って、例えば、メトキシ基の場合においては、三臭化ホウ素を用いてジクロロメタンなどの塩素化炭化水素中にて約−20℃から約10℃の温度での処理によって実施することができる。G2基がヒドロキシ基である場合において、式XVの化合物から式XVIの化合物への環化は、好都合には、光延反応の条件下で、トリフェニルホスフィンまたはトリブチルホスフィンなどのホスフィンおよびアゾジカルボン酸ジエチルまたはアゾジカルボン酸ジイソプロピルなどのアゾジカルボン酸誘導体を用いてTHFまたはジオキサンのようなエーテルなどの溶媒中にて約0℃から約30℃の温度での処理によって実施することができる。式XVの化合物中にてG2を担持するベンゼン環が求核芳香族置換に感受性であり、G2がフッ素などの脱離基である場合において、環化は、プロピル基の3位におけるヒドロキシ基の求核性を増強する塩基、例えばアルカリ金属アミドまたは水素化ナトリウムのようなアルカリ金属水素化物を用いて、THFもしくはジオキサンのようなエーテルまたはDMFもしくはNMPのようなアミドなどの不活性溶媒中にて、約−20℃から約100℃の温度での、式XVの化合物の処理によって実施することができる。
【0134】
式XVの化合物の環化によって、クロマン環の2位におけるキラル炭素原子がR立体配置またはS立体配置のいずれかで存在する式XVIおよびIIの化合物ならびに最終的に式Iの化合物の個々の立体異性体形態も、好都合には製造することができる。例えば式Iの最終化合物の立体異性体の混合物のキラル相上のクロマトグラフィー分割によってまたは合成の任意の段階で別段に得られるこうした個々の立体異性体の合成のため、式XVの3−ヒドロキシプロピル−置換ベンゼンの個々の立体異性体形態、即ち式XVaの化合物が用いられる。環化反応および選択される条件に依存して、環化は、キラル炭素原子の立体配置の保持または反転を進めることで、式XVIの化合物の個々の立体異性体形態、即ち式XVIaの化合物を与えることができ、これは、式IIおよびIの化合物の個々の立体異性体形態にさらに反応させることができる。式XVaおよびXVIaの化合物において、Ar基、R4基、G2基およびG3基は、それぞれ式XVおよびXVIの化合物における通りに定義され、図示されているキラル炭素原子は、波形くさび状によって示されている通り、R立体配置またはS立体配置のいずれかで存在するかまたは本質的に存在する。
【0135】
【化21】
【0136】
本発明の一実施形態は、したがって、式Iの化合物の製造のためのプロセスに関し、
【化22】
これは、式XVの化合物を式XVIの化合物に環化すること、式XVIの化合物を式IIの化合物に変換すること、式IIの化合物を式IIIの化合物と反応させることで式IVの化合物を与えること、および式IVの化合物を式Iの化合物に変換することを含む。
【0137】
式II、IV、XVおよびXVIの化合物においてAr基を担持するキラル炭素原子が、均一な立体配置において、R立体配置またはS立体配置のいずれかで存在するまたは本質的に存在する本発明の別の実施形態は、前に記載されているプロセス、即ち、式Ihの化合物の製造のためのプロセスに関し、
【化23】
これは、式XVaの化合物を式XVIaの化合物に環化すること、式XVIaの化合物を式IIaの化合物に変換すること、式IIaの化合物を式IIIの化合物と反応させることで式IVeの化合物を与えること、および式IVeの化合物を式Ihの化合物に変換することを含む。式IIaおよびIVeの化合物において、Ar基、R1基、R4基、X基およびY基ならびに数pおよび数qは、それぞれ式IIおよびIVの化合物における通りに定義される。
【0138】
上に記載されている式XVIおよびXVIaの化合物への環化反応に用いられる、式XVaの立体異性体形態を含めた式XVの化合物は、該文献に記載されている様々なプロセスに従ってまたは類似して得ることができる。例えば、式XVIIの3−オキソ−プロピオン酸エステルは、式XVIIIのハロゲン化ベンジルを用いてアルキル化されることで、式XIXの3−オキソ−プロピル−置換ベンゼン誘導体を与えることができ、ここで、ケトン基が次いでアルコール基に還元されることで式XVの化合物を与える。
【0139】
【化24】
【0140】
式XVII、XVIIIおよびXIXの化合物におけるAr基およびR4基は、式Iの化合物における通りに定義され、追加として、官能基が保護形態または前駆体基の形態で存在することができ、これは引き続いて最終基に変換される。このプロセスに従った式XVの化合物の製造において、式XVIIIおよびXIXの化合物におけるG2基は、特に、求核的に置換可能な脱離基、例えばフッ素であり、式XVIIIおよびXIXの化合物におけるG3基は、特に臭素である。式XVIIの化合物におけるR51基は、(C
1〜C
4)−アルキル、例えばメチルまたはエチルである。式XVIIIの化合物におけるZ3基は、求核的に置換可能な脱離基、例えば塩素または臭素である。式XIXの化合物を与えるための式XVIIおよびXVIIIの化合物の反応は、THF、ジオキサンまたはDMEのようなエーテルなどの不活性溶媒中で、アルカリ金属アルコキシドまたはアルカリ金属水素化物、例えば水素化ナトリウムなどの塩基の存在下にて、約0℃から約50℃の温度で実施される。得られたベンジル化3−オキソ−プロピオン酸エステルを、酸、例えば塩酸を用いて、ジオキサンのようなエーテルもしくは酢酸のような酸などの水性溶媒または溶媒の混合物中にて、約60℃から約120℃の温度で処理することによって、エステル部分が次いでけん化および脱炭酸されることで、式XIXのケトンを与える。式XIXの化合物におけるケトン部分から式XVの化合物への還元のため、様々な還元剤、例えば、水素化ホウ素ナトリウムまたは水素化ホウ素リチウムなどの錯体金属水素化物が、エーテルまたはアルコールなどの溶媒中で用いられ得る。不斉還元反応において、THFまたはジオキサンのようなエーテルなどの不活性溶媒中にて約−40℃から約30℃の温度で、キラル還元剤、例えばキラル錯体金属水素化物のエナンチオマー形態、または共通してそれぞれ(−)−Ipc
2BClもしくは(−)−DipCl、および(+)−Ipc
2BClもしくは(+)−DipClと省略されるB−クロロ−ジイソピノカンフェイルボランのようなアルファ−ピネン−系有機ボランなどのキラルボランを用いることによって、好都合には、式XVの化合物の個々の立体異性体形態、即ち、式XVIの化合物のエナンチオマーの形態に環化され得る式XVaの化合物、即ち、上に記載されている通りの式XVIaの化合物が得られ得る。
【0141】
式XVの化合物の製造のための別のプロセスにおいて、式XXのインダン−1−オンは、環拡大にかけられることで、式XXIのクロマン−2−オンを与え、ここで、ラクトン部分は、式XXIIの環式ヘミアセタールの形態で存在し、式XXIIIの適当な有機金属化合物と反応させることができるアルデヒド部分に還元することができる。
【0142】
【化25】
【0143】
式XX、XXI、XXIIおよびXXIIIの化合物におけるAr基およびR4基は、式Iの化合物における通りに定義され、追加として、官能基が保護形態または前駆体基の形態で存在することができ、これは引き続いて最終基に変換される。このプロセスに従った式XVの化合物の製造において、式XX、XXIおよびXXIIの化合物におけるG3基は、特に(C
1〜C
4)−アルキル−O−基である。式XXIIIの化合物におけるM基は、金属または金属同等物、例えばリチウムである。式XXの化合物から式XXIの化合物への変換は、3−クロロ−過安息香酸などの過酸を用いて、ジクロロメタンのような塩素化炭化水素などの溶媒中にて、約−10℃から約30℃の温度での処理によって実施することができる。式XXIの化合物におけるラクトン部分から式XXIIの化合物におけるマスクされたアルデヒド部分への還元のため、水素化ジイソブチルアルミニウムなどの錯体金属還元剤が、シクロヘキサンもしくはトルエンのような炭化水素またはジクロロメタンのような塩素化炭化水素またはTHFもしくはジオキサンのようなエーテルなどの溶媒、または溶媒の混合物中にて、約−80℃から約30℃の温度で使用され得る。後続の工程のため、式XXIIIの化合物は一般に、適当なそれぞれのベンゼンまたはハロゲン置換ベンゼンから、例えばブチルリチウムのような有機リチウム化合物またはリチウムジイソプロピルアミドもしくはリチウム2,2,6,6−テトラメチルピペリジドのようなリチウムアミドを用いる金属化によってその場で製造され、ヘプタンもしくはシクロヘキサンのような炭化水素またはTHFのようなエーテルなどの不活性溶媒、または溶媒の混合物中にて、約−80℃から約30℃の温度で、式XXIIの化合物と反応させる。
【0144】
すでに示されている通り、一時的に官能基を保護するかまたは初期に前駆体基の形態で存在するそれらを有し、後に、それらを脱保護するかまたはそれらを所望の基に変換することは、式Iの化合物の製造の過程において実施される全ての反応において有利または必要であり得る。それぞれの場合に適当である適切な合成戦略および保護基および前駆体基は、当業者に知られており、例えば、P.G.M.WutsおよびT.W.Greene、Greene’s Protective Groups in Organic Synthesis、第4版(2007)、John Wiley&Sonsに見出すことができる。記述することができる保護基の例は、ベンジル基がパラジウム触媒の存在下での接触水素化によって除去することができるベンジル保護基、例えば、ヒドロキシ化合物のベンジルエーテルおよびカルボン酸のベンジルエステル、tert−ブチル基がトリフルオロ酢酸での処理によって除去することができるtert−ブチル保護基、例えばカルボン酸のtert−ブチルエステル、酸性もしくは塩基性加水分解によって再び開裂することができるアシル保護基、例えばヒドロキシ化合物およびアミノ化合物のエステルおよびアミド、またはトリフルオロ酢酸での処理によって再び開裂することができるアルコキシカルボニル保護基、例えばアミノ化合物のtert−ブトキシカルボニル誘導体である。記述することができる前駆体の例は、多くの他の基によって置き換えることができるハロゲン原子、または例えばジアゾ化および多数の基に変換することができる接触水素化によってアミノ基に変換することができるニトロ基である。
【0145】
通常であり、式lの化合物の合成の過程において実施される全ての反応に当てはまる通り、溶媒、塩基または酸、温度、添加の順序、モル比および他のパラメータを含めて、特定の製造プロセスにおいて適用される条件の適切な詳細は、日常的に、出発化合物および最終化合物の特徴ならびに特定の場合の他の特殊性の観点から当技術者によって選択される。当技術者によってさらに知られている通り、本明細書に記載されている全てのプロセスが、同じやり方で、式Iの全ての化合物およびそれらの中間体の製造に適当であるわけでなく、適応しなければならない。式Iの化合物の製造のための全てのプロセスにおいて、反応混合物の後処理および生成物の精製が、当技術者に知られている通例の方法に従って実施され、これとしては例えば、反応混合物を水でクエンチすること、ある特定のpHの調整、沈殿、抽出、乾燥、濃縮、結晶化、蒸留およびクロマトグラフィーが挙げられる。さらに、生成物の特徴付けのため、NMR、IRおよび質量分析などの通例の方法が使用される。
【0146】
本発明の別の対象は、式中、Ar基、R1基からR7基、R50基、R51基、G1基、G2基、G3基、M基、X基、Y基およびZ1基からZ3基ならびに数pおよび数qは、上記の通りに定義される式II、IIa、III、IIIa、IV、IVa、IVb、IVc、IVd、IVe、V、VI、VII、VIII、IX、X、XI、XII、XIII、XIV、XV、XVa、XVI、XVIa、XVII、XVIII、XIX、XX、XXI、XXIIおよびXXIIIの化合物を含めた式Iの化合物の合成において出現する新規な出発化合物および中間体であって、その立体異性体形態または任意の比の立体異性体形態の混合物のいずれかである前記新規な出発化合物および中間体、ならびにそれらの塩、ならびに合成中間体または出発化合物としてのそれらの使用である。式Iの化合物に関して上記に与えられている全ての一般的説明、実施形態の明細ならびに数および基の定義は、前記中間体および出発化合物に対応して当てはまる。本発明の対象は、特に、本明細書に記載されている新規な特定の出発化合物および中間体である。遊離化合物および/または特定の塩として記載されているかとは独立して、それらは、遊離化合物の形態およびそれらの塩の形態の両方において、ならびに特定の塩が記載されているならば追加としてこの特定の塩の形態において本発明の対象である。
【0147】
式Iの化合物は、下に記載されている薬理学的試験において、および当業者に知られている他の薬理学的試験、例えば、心臓機能に対する効果がエクスビボまたはインビボで決定することができる動物モデルにおいて実証され得る通り、ナトリウム−カルシウム交換輸送体(NCX)、特にサブタイプ1(NCX1)のナトリウム−カルシウム交換輸送体を阻害する。式Iの化合物およびそれらの薬学的に許容される塩は、そのため、貴重な医薬活性化合物である。式Iの化合物およびそれらの薬学的に許容される塩は、急性および慢性のうっ血性心不全(CHF)、収縮期心不全、拡張期心不全、駆出率が保たれた心不全、糖尿病心不全および非代償性心不全、および装置との組合せにおける心不全の管理を含めた心不全、心房性不整脈、心房細動、CHF患者における心房細動、心室不整脈、心室頻拍、単形性心室頻拍、多形性心室頻拍、トルサード・ド・ポアンツ頻拍症、およびCHF患者における心室不整脈を含めた心不整脈、脳卒中、アルツハイマー病を含めた認知症、高血圧、心虚血、腎不全、血行動態ショック、心原性ショックおよび敗血症性ショックを含めたショック、年齢関連障害、ならびに例えばNCX関連傷害によって二次的に引き起こされる疾患の処置のために使用することができる。疾患の処置は、解放、軽減または治癒の狙いで、生物体の現存の病理学的変化もしくは機能不全または現存の症状の治療、およびそれらの出現またはそれらが出現した場合の減弱の防止または抑制の狙いで、生物体の病理学的変化もしくは機能不全またはそれに感受性でありこうした予防または防止を必要としているヒトまたは動物における症状の予防または防止の両方を意味すると理解されるべきである。例えば、患者の病歴の故に心不整脈または心代償不全に感受性である患者において、予防的または防止的医学的処置の手段によって、不整脈または代償不全の出現または再出現は防止され得るか、またはそれらの程度および続発症は減少され得る。疾患の処置は、急性症例および慢性症例の両方で生じ得る。式Iの化合物およびそれらの薬学的に許容される塩は、さらに、心臓、脳および腎臓の灌流の改善を達成するために様々な障害において、ならびに一般に、細胞内カルシウムホメオスタシスが妨害される、またはNCXが所望でない方式において活性化される、またはNCXの阻害が患者の状態を改善するために、医師によって意図される障害において使用することができ、ここで、式Iの化合物およびそれらの薬学的に許容される塩は、NCXのある特定の部分的阻害だけが、例えば低投与量の使用によって意図される場合に用いることもできる。
【0148】
式Iの化合物およびそれらの薬学的に許容される塩は、そのため、動物に、特に哺乳動物、具体的にはヒトに、それらのままで、互いの混合物で、または医薬組成物の形態で、医薬品または薬剤として使用することができる。本発明の対象は、医薬品としての使用のための式Iの化合物およびそれらの薬学的に許容される塩でもある。本発明の対象は、活性成分として、所望の使用のための有効量における式Iの少なくとも1種の化合物および/またはその薬学的に許容される塩、ならびに薬学的に許容される担体、即ち1種またはそれ以上の薬学的に非侵害性または非危険性のビヒクルおよび/または賦形剤、ならびに場合により1種またはそれ以上の他の医薬活性化合物を含む医薬組成物および薬剤でもある。本発明の対象は、抗不整脈性としての使用のための式Iの化合物およびそれらの薬学的に許容される塩でもある。本発明の対象は、記述されている疾患、例えば心不全、心不整脈、脳卒中、認知症、高血圧、心虚血、腎不全、ショック、年齢関連障害、もしくNCX関連傷害によって二次的に引き起こされる疾患のいずれか1つの処置であって、疾患の処置が上に記述されている通りのそれらの治療および予防を含む前記処置を含めて、上にもしくは下に記述されている疾患の処置における使用のための、またはNCXの阻害剤としての使用のための、式Iの化合物およびそれらの薬学的に許容される塩でもある。本発明の対象は、記述されている疾患、例えば心不全、心不整脈、脳卒中、認知症、高血圧、心虚血、腎不全、ショック、年齢関連障害、もしくはNCX関連傷害によって二次的に引き起こされる疾患のいずれか1つの処置を含めて、上もしくは下に記述されている疾患の処置であって、疾患の処置が上に記述されている通りのそれらの治療および予防を含む前記処置のための薬剤、またはNCXの阻害のための薬剤を製造するための、式Iの化合物およびそれらの薬学的に許容される塩の使用でもある。本発明の対象は、記述されている疾患、例えば心不全、心不整脈、脳卒中、認知症、高血圧、心虚血、腎不全、ショック、年齢関連障害、もしくはNCX関連傷害によって二次的に引き起こされる疾患のいずれか1つの処置を含めて上もしくは下に記述されている疾患の処置であって、疾患の処置が上に記述されている通りのそれらの治療および予防を含む前記処置のための方法、ならびに式Iの少なくとも1つの化合物および/またはその薬学的に許容される塩の有効量を、それを必要とするヒトまたは動物に投与することを含むNCXを阻害するための方法でもある。式Iの化合物およびそれらの薬学的に許容される塩、ならびにそれらを含む医薬組成物および薬剤は、経腸的に、例えば経口もしくは直腸投与によって、非経口的に、例えば静脈内、筋肉内もしくは皮下の注射もしくは輸注によって、または局所的、経皮、経皮的、経鼻、咽頭もしくは吸入の投与など、投与の別の型によって投与することができ、投与の好ましい形態は、特定の場合の事項に依存する。式Iの化合物およびそれらの薬学的に許容される塩は、他の医薬活性化合物との組合せにおいて使用することもできる。
【0149】
本発明による医薬組成物および薬剤は、通常、化合物または式Iの化合物もしくはその薬学的に許容される塩約0.5重量パーセントから約90重量パーセント、および用量単位当たり一般に約0.1mgから約1g、特に約0.2mgから約500mg、例えば約1mgから約300mgである式Iおよび/またはそれの薬学的に許容される塩の活性成分の量を含有する。医薬組成物の種類および特定の場合の他の事項に依存して、該量は、示されているものから逸脱してよい。医薬組成物および薬剤の製造は、それ自体知られており当業者に精通している方式で実施することができる。このため、式Iの化合物および/またはそれらの薬学的に許容される塩は、1種またはそれ以上の固体または液体のビヒクルおよび/または賦形剤と一緒に、所望であれば、さらに1種またはそれ以上の他の医薬活性化合物との組合せで混合され、投与量および投与に適当な形態にされ、これは次いで、ヒト医学または獣医学において使用され得る。
【0150】
希釈剤または溶媒または充填剤とみなすこともできるビヒクル、および賦形剤として、所望でない方式で式Iの化合物と反応しない適当な有機物および無機物が使用され得る。医薬組成物および薬剤に含有することができる、賦形剤または添加剤の型の例として、潤滑剤、保存料、ゲル形成剤、増粘剤、安定剤、崩壊剤、湿潤剤、乳化剤、分散剤、消泡剤、塩、緩衝物質、着色料、香味料および抗酸化剤が記述され得る。ビヒクルおよび賦形剤の例は、水、生理食塩水、ヒマワリ油などの植物油、魚肝油などの動物油、ワックス、アルコール、例えばエタノール、イソプロパノール、1,2−プロパンジオール、グリセリン、ポリオール、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ゼラチン、アラビアガム、セルロース、炭水化物、例えばグルコース、ラクトース、もしくはコーンスターチのようなデンプン、炭酸マグネシウム、リン酸カリウム、塩化ナトリウム、ステアリン酸およびそれの塩、例えばステアリン酸マグネシウム、タルク、ラノリン、石油ゼリー、またはその混合物、例えば水もしくは食塩水と1種もしくはそれ以上の有機溶媒との混合物、例えば水とアルコールとの混合物である。
【0151】
経口および直腸の使用のため、例えば、錠剤、コーティング錠剤、糖衣錠、顆粒、硬および軟ゼラチンカプセル、坐剤、油性溶液、アルコール性溶液もしくは水溶液を含めた溶液、または点滴、さらに懸濁液もしくはエマルジョンなどの医薬形態が使用され得る。非経口の使用のため、例えば、注射または輸注によって、溶液、例えば水溶液などの医薬形態が使用され得る。局所的な使用のため、軟膏、クリーム、ペースト、ローション、ゲル、スプレー、フォーム、エアロゾル、溶液または粉末などの医薬形態が使用され得る。例えばエアロゾルおよびスプレーなどの医薬製剤は、エタノールもしくは水などの薬学的に許容される溶媒、またはこうした溶媒の混合物中に活性成分の溶液、懸濁液もしくはエマルジョンを含むことができる。該製剤は、界面活性剤、乳化剤および安定剤などの他の医薬賦形剤、ならびに噴霧剤ガスを含むこともできる。こうした医薬形態は、通常、約0.1重量%から約10重量%、特に約0.3重量%から約3重量%の濃度で活性成分を含む。
【0152】
通常の通り、式Iの化合物の投与量および投与の頻度は、特定の場合の状況に依存し、通例の規則および手順に従って医師によって調整される。それは、例えば、投与される式Iの化合物ならびにそれの効力および作用の持続時間に、個体の症候群の性質および重症度に、処置されるヒトもしくは動物の性別、年齢、重量および個体の応答性に、処置が急性もしくは慢性、もしくは予防であるかに、または式Iの化合物に加えて、さらなる医薬活性化合物が投与されるかに依存する。通常、体重約75kgの成人に投与する場合において、1日当たり1kg当たり約0.1mgから約100mg、特に1日当たり1kg当たり約1mgから約10mg(各場合において、体重1kg当たりのmg)の用量が充分である。日用量は、単回用量の形態で投与するか、または多数の個々の用量、例えば2つ、3つまたは4つの個々の用量に分割することができる。投与は、連続的に、例えば連続的な注射または輸注によって実施することもできる。特定の場合における個々の挙動に依存して、表示投与量から上向きまたは下向きに逸脱することが必要であり得る。
【0153】
ヒト医学および獣医学における医薬活性化合物として以外に、式Iの化合物は、NCXの阻害が意図されるならば、生化学的調査における助剤として、または科学的道具として、または診断目的のため、例えば、生物学的サンプルのインビトロ診断において用いることもできる。式Iの化合物およびそれらの塩は、さらなる医薬活性物質の製造のための中間体として使用することもできる。